説明

燃料電池、および、燃料電池の分解方法

【課題】乾燥ガスのパージによる電解質膜の過剰な乾燥を防止し、燃料電池の耐久性を向上させる。
【解決手段】複数の燃料電池モジュール10を積層し締結して構成された燃料電池は、各燃料電池モジュールの積層方向に沿って、燃料電池の一方の端部から他方の端部に向けてガス供給マニホールド70aと、積層方向に沿って他方の端部から一方の端部に向けてガス排出マニホールド70bと、を備える。各燃料電池モジュールは、ガス供給マニホールドからガス排出マニホールドまでを繋ぐガス流路を有し、ガス流路中に存在する溝状流路部分に流路断面積可変機構80が設けられている。流路断面積可変機構は、対応する燃料電池モジュール内の湿度の減少に応じて、自身が設けられている溝状流路部分の流路断面積を減少させる構造を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、燃料電池の耐久性向上が可能な、燃料電池および燃料電池の分解方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高温で、かつ、低加湿あるいは無加湿の反応ガスを供給して動作させることが可能な高性能な燃料電池の開発が進んでいる。燃料電池は、通常、複数の燃料電池モジュールをスタック(積層)して締結することにより一体化構造としたユニットとして利用される。
【0003】
燃料電池のメンテナンスは、締結状態を開放し、スタックを分解して行なうのが通常である。ただし、使用した燃料電池の締結状態、を何も処理することなく開放した場合には、燃料電池モジュールに含まれる電解質膜にシワが生じ、発電性能の劣化の要因となることが知られている。
【0004】
そこで、上記電解質膜のシワ発生対策として、燃料電池の各燃料電池モジュールに対して乾燥ガスをパージした上で、その締結を開放する手法が検討されている。しかしながら、各燃料電池モジュールを乾燥させ過ぎると、電解質膜が収縮し過ぎて電解質膜に裂け等の劣化が生じるという問題が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−185797号公報
【特許文献2】特開2006−079982号公報
【特許文献3】特開2009−252363号公報
【特許文献4】特開2009−059512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、乾燥ガスのパージによる電解質膜の過剰な乾燥を防止し、燃料電池の耐久性を向上させることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]
複数の燃料電池モジュールを積層し締結して構成された燃料電池であって、
前記各燃料電池モジュールの積層方向に沿って、前記燃料電池の一方の端部から前記他方の端部に向けて、前記各燃料電池モジュールにおける電気化学反応に供されるガスを流すガス供給マニホールドと、
前記積層方向に沿って、前記他方の端部から前記一方の端部に向けて、前記各燃料電池モジュールから排出されるオフガスを流すガス排出マニホールドと、を備え、
前記各燃料電池モジュールは、前記ガス供給マニホールドから前記ガス排出マニホールドまでを繋ぐガス流路を有し、前記ガス流路中に存在する溝状流路部分に流路断面積可変機構が設けられており、
前記流路断面積可変機構は、対応する前記燃料電池モジュール内の湿度の減少に応じて、自身が設けられている前記溝状流路部分の流路断面積を減少させる構造を有している
ことを特徴とする燃料電池。
適用例1によれば、流路断面積可変機構により、燃料電池モジュール内の湿度の減少に応じて、流路断面積可変機構が設けられている溝状流路部分の流路断面積が減少して、ガスの流れを抑制し、燃料電池モジュール内の乾燥を抑制することができるので、燃料電池モジュールに含まれる電解質膜の過剰な乾燥を抑制することが可能であり、燃料電池の耐久性を向上させることが可能である。
【0009】
[適用例2]
適用例1記載の燃料電池であって、
前記ガス流路中の前記ガス排出マニホールド側に設けられた複数の溝状流路部分に、それぞれ前記流路断面積可変機構が設けられており、
前記流路断面積可変機構は、対応する前記燃料電池モジュール内の湿度の減少に応じて、自身が設けられている前記溝状流路部分の流路断面積を減少させる構造を有している
ことを特徴とする燃料電池。
流路断面積可変機構が設けられているガス排出マニホールド側の溝状流路部分の湿度の変化は、ガス供給マニホールド側の湿度の変化に比べて変化が大きく検出しやすいので、適用例2によれば、流路断面積可変機構が設けられているガス排出マニホールド側の溝状流路部分の湿度の減少に応じて、その溝状流路部分の流路断面積を減少させることができるので、ガスの流れを抑制し、燃料電池モジュール内の乾燥を抑制することができ、燃料電池モジュールに含まれる電解質膜の過剰な乾燥を抑制することが可能であり、燃料電池の耐久性を向上させることが可能である。
【0010】
[適用例3]
適用例1または適用例2記載の燃料電池であって、
前記流路断面積可変機構は、
湿度に応じて変形する吸湿性変形材料からなる第1部材と、
前記第1部材に比べて湿度に応じて変形し難い第2部材と、を備え、
前記溝状流路部分の一つの壁面に、前記第1部材の一方端辺および前記第2部材の一方端辺が第1の固定部および第2の固定部を介してそれぞれ接続され、前記第1部材の他方端辺が第3の固定部を介して前記第2部材の前記一方端辺と他方端辺との間の中間部に接続され、
前記第1部材の吸湿変形時において、前記第3の固定部を介して前記第2部材が押されることにより、前記第2部材の他方端辺が前記壁面側に移動し、
前記第1部材の乾燥変形時においては、前記第3の固定部を介して前記第2部材が引っ張られることにより、前記第2部材の他方端辺が前記壁面に対向する壁面側に移動する
ことを特徴とする燃料電池。
適用例3によれば、流路断面積可変機構を容易に構成することが可能である。
【0011】
[適用例4]
適用例1または適用例2記載の燃料電池であって、
前記流路断面積可変機構は、
湿度に応じて変形する吸湿性変形材料料からなる第1部材と、
前記第1部材に比べて湿度に応じて変形し難く、中間部に設けられた屈曲部で第1部分と第2部分に折れ曲がった形状を有する第2部材と、
前記第2部材の第1部分と前記溝状流路部分の一つの壁面との間に設けられた弾性体と、を備え、
前記溝状流路部分の前記一つの壁面に、前記第1部材の一端が第1の固定部を介して接続されるとともに、前記第2部材の前記屈曲部が第2の固定部を介して接続され、前記第1部材の他端が前記第2部材の前記第2部分に接するように配置されており、
前記第1部材の吸湿変形時において、前記第1部材が膨張して前記第2部材の前記第2部分を押すことにより、前記屈曲部を支点として前記第2部材の前記第1部分の開放された端辺が前記壁面側に移動し、
前記第1部材の乾燥変形時においては、前記第1部材が収縮して、前記弾性体が前記第2部材の前記第1部分を押すことにより、前記屈曲部を支点として前記第1部分の開放された端辺が前記壁面に対向する壁面側に移動する
ことを特徴とする燃料電池。
適用例4によっても、流路断面積可変機構を容易に構成することが可能である。
【0012】
[適用例5]
適用例3または適用例4記載の燃料電池であって、
前記第1部材および前記第2部材の寸法および配置構成は、前記各燃料電池モジュール内の乾燥が所定の必要十分状態となった時に、前記流路断面積可変機構部が設けられている前記溝状流路部分の流路断面積が最小となるように設定されていることを特徴とする燃料電池。
適用例5によれば、適用例3、4における流路断面積可変機構の第1部材および第2部材の寸法および配置構成が、各燃料電池モジュール内の乾燥が所定の必要十分状態となった時に、流路断面積可変機構部が設けられている溝状流路部分の流路断面積が最小となるように設定されているので、燃料電池モジュールに含まれる電解質膜の過剰な乾燥を抑制することが可能であり、燃料電池の耐久性を向上させることが可能である。なお、燃料電池モジュール内の乾燥が所定の必要十分条件となった時とは、燃料電池モジュールに含まれる電解質膜のシワが発生せず、かつ、電解質膜に裂け等の劣化が発生しない乾燥の範囲内となった時を意味している。
【0013】
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか1つに記載の燃料電池の分解方法であって、
前記燃料電池を分解する場合において、
i)前記ガス供給マニホールドを介して前記各燃料電池モジュールに乾燥ガスをパージして、前記各燃料電池モジュール内を乾燥させる工程と、
ii)前記燃料電池の締結を開放し分解する工程と、
を備えることを特徴とする燃料電池の分解方法。
適用例5によれば、燃料電池モジュールに含まれる電解質膜の過剰な乾燥とならないように乾燥させて、燃料電池を分解することが可能であり、燃料電池の耐久性を向上させることが可能である。
【0014】
[適用例7]
適用例6記載の燃料電池の分解方法であって、
前記工程i)において、前記燃料電池の圧損を監視し、前記圧損の増加に応じて前記乾燥ガスのパージ量を制御して、前記各燃料電池モジュールの入口での前記乾燥ガスの圧力が一定になるように制御することを特徴とする燃料電池の分解方法。
適用例7によれば、各燃料電池モジュールの乾燥状態に応じて増加する圧損に基づいて乾燥ガスのパージ量を制御して、各燃料電池モジュールに供給される乾燥ガスの圧力が一定になるように制御することにより、各燃料電池モジュールに供給される乾燥ガス流量を減少させることができるので、燃料電池モジュールに含まれる電解質膜の過剰な乾燥とならないように乾燥させて、燃料電池を分解することが可能である。
【0015】
[適用例8]
適用例7記載の燃料電池の分解方法であって、
前記燃料電池は、前記各燃料電池モジュールの抵抗測定機構を備えており、
前記工程i)において、前記各燃料電池モジュールの抵抗値を測定して、所定の閾値以上の抵抗値が得られた場合に、前記乾燥ガスのパージの終了を判断する
ことを特徴とする燃料電池の分解方法。
適用例8によれば、測定した抵抗値に基づいて、各燃料電池モジュールの乾燥状態が過剰な乾燥状態となる前に、乾燥ガスのパージを終了させることが可能である。
[適用例9]
適用例7記載の燃料電池の分解方法であって、
前記工程i)において、前記乾燥ガスの流量が所定の閾値以下となった場合に、前記乾燥ガスのパージの終了を判断する
ことを特徴とる燃料電池の分解方法。
適用例9によっても、乾燥ガスの流量に基づいて、各燃料電池モジュールの乾燥状態が過剰な乾燥状態となる前に、乾燥ガスのパージを終了させることが可能である。
【0016】
なお、本発明は、種々の態様で実現可能であり、例えば、本発明の燃料電池や、その燃料電池を備える燃料電池システム、その燃料電池システムを備える発電装置、その燃料電池システムを動力源として搭載した車両、燃料電池の分解方法等の態様で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施例としての燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。
【図2】第1実施例としての燃料電池システムに用いられている燃料電池の分解の手順を示すフローチャートである。
【図3】第2実施例としての燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。
【図4】第2実施例としての燃料電池システムに用いられている燃料電池の分解の手順を示すフローチャートである。
【図5】酸化ガス流路としてカソード面上に酸化ガス供給マニホールドから酸化ガス排出マニホールドまでを繋ぐように形成された複数の溝状流路に流路断面積可変機構が設けられている例を示す説明図である。
【図6】酸化ガス流路としてカソード面上に酸化ガス供給マニホールドから酸化ガス排出マニホールドまでを繋ぐように形成された複数の溝状流路に流路断面積可変機構が設けられている他の例を示す説明図である。
【図7】酸化ガス流路としてカソード面上に酸化ガス供給マニホールドから酸化ガス排出マニホールドまでを繋ぐように形成された複数の溝状流路に流路断面積可変機構が設けられている別の例を示す説明図である。
【図8】流路断面積可変機構の他の実施例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
A.第1実施例:
A1.燃料電池システムの構成:
図1は、第1実施例としての燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。この燃料電池システム1000は、比較的小型で発電効率に優れる固体高分子電解質型の燃料電池100を用いて構成されており、例えば、車両に搭載され、車両の動力源として使用されている。
【0019】
図1(A)に示すように、燃料電池100は、後述する燃料電池モジュール10を複数積層した積層体の両端に、さらに、ターミナル20、インシュレータ30、および、エンドプレート40を積層し、両側のエンドプレート40を結ぶ締結部材50を、エンドプレート40の外側からボルト52で締結することにより構成される。各燃料電池モジュール10には、それぞれの間の抵抗(「セル抵抗」と呼ばれる)を測定するためのモニタ端子(不図示)を備えており、セルモニタ60に接続されている。セルモニタ60には、例えば、セル抵抗を測定可能なインピーダンスアナライザや、電圧計、電流計等を有している。
【0020】
燃料電池100の内部には、積層方向に沿って、反応ガスとしての燃料ガスや酸化ガス、燃料電池100を冷却するための冷媒を供給および排出するためのマニホールドが形成されている。ただし、図1(A)には、図示および以下の説明を容易にするために、酸化ガス供給マニホールド70aおよび酸化ガス排出マニホールド70bのみが図示されている。酸化ガス供給マニホールド70aおよび酸化ガス排出マニホールド70bには、外部から配管210および配管220が接続されている。配管210には、流量コントローラ300や圧力計400、図示しないエアーコンプレッサーが接続されている。流量コントローラ300は、エアーコンプレッサーから供給される酸化ガスである酸素を含むエアーの酸化ガス供給マニホールド70aに供給する流量を制御する。圧力計400は、酸化ガス供給マニホールド70aに供給されるエアーの圧力を測定する。なお、燃料電池100は、エアーコンプレッサーや流量コントローラ300、セルモニタ60の動作が、システムコントローラ500により制御されることにより動作する。
【0021】
燃料電池モジュール10は、発電体12と、セパレータ14のカソードに接するカソード面14c側の部分と、セパレータ14のアノードに接するアノード面14a側の部分と、で構成される。
【0022】
図1(B)は、図1(A)の燃料電池モジュール10の酸化ガス排出マニホールド70b側に示した楕円枠領域10arに含まれるセパレータ14のカソード面14cを拡大して示している。燃料電池モジュール10には、酸化ガス供給マニホールド70aから酸化ガス排出マニホールド70bまでを繋ぎ、図示しないカソードに酸化ガスである酸素を含むエアーを供給するとともに、電気化学反応に供された後のオフガスを排出する酸化ガス流路を備えている。この酸化ガス流路としては、例えば、カソード面14cに、酸化ガス供給マニホールド70aから酸化ガス排出マニホールド70bまでを繋ぐように、複数の溝状流路を形成することにより構成することができる。また、カソードとセパレータ14のカソード面14cとの間に多孔質体で構成された多孔質体流路を配置し、この多孔質体流路と酸化ガス供給マニホールド70aとの間および多孔質体流路と酸化ガス排出マニホールド70bとの間を繋ぐ部分のみ、カソード面14c上あるいはセパレータ14の内部に溝状流路(「連通溝流路」と呼ぶ)を形成することにより構成することもできる。図1(B)は、酸化ガス排出マニホールド70bに接続される複数の連通溝流路72がカソード面14c上に形成されている場合の例を示している。この複数の連通溝流路72には、それぞれ流路断面積可変機構80が設けられている。
【0023】
図1(C)は、図1(B)の連通溝流路72に流路断面積可変機構80が設けられている部分(図1(B)の円枠で示す領域)を、拡大して示す説明図である。流路断面積可変機構80は、連通溝流路72のガス流れの方向に沿って右側の側壁72wに、その一方端辺が第1の固定部86p1を介して固定された第1部材82と、その一方端辺が第2の固定部86p2を介して固定された第2部材84と、で構成されている。また、第1部材82の一方端辺に対向する他方端辺は、第2部材84の一方端辺とこれに対向する他方端辺との間の中間部に第3の固定部86p3を介して接続されるように構成されている。なお、第2部材84の他方端辺は開放されている。なお、それぞれの辺の長さ(紙面垂直方向の長さ)は、連通溝流路72の溝の深さとほぼ同寸法である。
【0024】
第1部材82には、対向する一方端辺と他方端辺との間の寸法が湿度に応じて変化し易い吸湿性変形材料を用いる。例えば、スルホン化ポリイミドや、ポリエチレンビニルアルコール共重合体、ナフィオン(デュポン社の商標)、またはそれらの繊維等の極性基を有する吸湿性変形樹脂を用いることができる。第2部材84には、湿度変化に対しても寸法が変化し難い材料を用いる。例えば、ポリプロピレンやナイロン等の樹脂を用いることができる。
【0025】
第1〜第3の固定部86p1〜86p3は、例えば、アクリル系接着剤による接着、あるいは、部材の融着により形成することができる。
【0026】
上記構成の流路断面積可変機構80では、連通溝流路72を流れるガスが湿潤時においては、第1部材82が水分を吸収して膨張し、第2部材84と接続されている第3の固定部86p3を押すことになる。これにより、第2部材84の開放された他方端辺が連通溝流路72の右側の側壁72w側に移動する。一方、連通溝流路72を流れるガスが乾燥時においては、第1部材82中の水分が排出されて収縮し、第2部材84と接続されている第3の固定部86p3を引っ張ることになる。これにより、第2部材84が第2の固定部86p2の外側の部分で折れ曲がり、第2部材84の開放された他方端辺が連通溝流路72の右側の側壁72wに対向する左側の側壁72wo側に向かって回転移動する。そして、第2部材84の折れ曲がり部分から他方端辺までの部分が、連通溝流路72のガス流れの方向に対してほぼ90度となった場合に、その位置における連通溝流路72の断面積が最小となる。ただし、上記のように動作させるためには、(第2部材84の曲げ力)+(第2部材84の曲げ角度90度時、規定ガス流量、規定ガス圧力化で第2部材84が受ける力)<第1部材82の吸湿時寸法変形力および強度、となるように、第1部材および第2部材の材料強度および材料厚みを設定する必要がある。そして、上記したように、第2部材84が第1部材82の収縮による引張力を受けないような湿潤時において、第2部材84が側壁72wに沿って流路に平行となるように、第1部材82および第2部材84の寸法や配置を設定する必要がある。また、上記したように、乾燥時において、燃料電池モジュール内の乾燥が必要十分な状態となる場合の湿度による第1部材82の収縮により第2部材84の折れ曲がり角度が90度となるように、第1部材82および第2部材84の寸法や配置を設定する必要がある。なお、燃料電池モジュール内の乾燥が必要十分な状態とは、燃料電池モジュールに含まれる電解質膜のシワが発生せず、かつ、電解質膜に裂け等の劣化が発生しない乾燥状態の範囲を意味している。
【0027】
A2.燃料電池システムおよび燃料電池の分解手順:
図2は、第1実施例としての燃料電池システムに用いられている燃料電池の分解の手順を示すフローチャートである。燃料電池100を分解する場合には、まず、システムコントローラ500によって、エアーコンプレッサー(不図示)や、流量コントローラ300を制御して、予め定めた規定のガス流量、規定ガス圧で乾燥ガス(本例ではエアー)のパージを開始する(ステップS110)。そして、圧力計400で測定される圧力を監視し、パージしている乾燥ガスの圧力が規定の圧力以下であるか否か判断する(ステップS120)。これは、乾燥ガスをパージすることにより、上記したように、流路断面積可変機構80の第2部材84がガス流路の断面積が小さくなるように動作し、この結果として、パージするガスの圧力が高くなるためである。
【0028】
ここで、測定される圧力が規定の圧力より大きい場合には、システムコントローラ500は、流量コントローラ300を制御して、ガス流量を下げる(ステップS130)。そして、ステップS120における圧力の判断およびステップS130におけるガス流量の制御を繰り返し実行することにより、パージする乾燥ガスが、規定の圧力となるように制御される。一方、測定される圧力が規定の圧力以下となった場合には、システムコントローラ500は、セルモニタ60により測定される各燃料電池モジュールの抵抗(「セル抵抗」と呼ばれる)が規定の抵抗値以上であるか否か判断する(ステップS140)。セル抵抗が規定の抵抗値の場合には、電解質膜が必要十分な状態に乾燥していると考えられ、規定の抵抗値よりも大きい場合には、電解質膜が過剰な乾燥状態となっている可能性があると想定されるからである。
【0029】
そこで、全てのセル抵抗のうち、規定の抵抗値よりも小さいものが存在する場合には、さらに、乾燥ガスのパージ時間が規定値以上であるか否か判断する(ステップS150)。パージ時間が規定値である場合には、セル抵抗が規定値よりも小さいとしても、電解質膜が必要十分な状態に乾燥している可能性があると想定され、パージ時間が規定値よりも長い場合には、電解質膜が過剰な乾燥状態となっている可能性があると想定されるからである。
【0030】
パージ時間が規定値よりも短い場合には、ステップS120に戻って、ステップS120〜ステップS150の処理を繰り返す。一方、パージ時間が規定値に達している場合および全てのセル抵抗が規定値となっている場合には、上記したように、電解質膜の乾燥状態が必要十分な状態となっていると想定されるため、システムコントローラ500は、流量コントローラ300を制御して乾燥ガスのパージを停止し、燃料電池システム1000の動作を停止する(ステップS160)。そして、燃料電池100に接続されている配管等を取り外し、燃料電池100を締結固定しているボルト52を緩めて締結部材50による締結を解除し、燃料電池100を分解することができる(ステップS170)。
【0031】
上記した分解方法によれば、乾燥ガスのパージ過程において、流路断面積可変機構80により流路断面積を減少させて、乾燥ガスの流量を制限することにより、電解質膜の過剰な乾燥を防止しつつ乾燥させることができ、各燃料電池モジュール内の電解質膜のシワの発生や裂け等の劣化を防止することが可能である。これにより、燃料電池の耐久性を向上させることが可能である。
【0032】
B.第2実施例:
B1.燃料電池システムの構成:
図3は、第2実施例としての燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。この燃料電池システム1000Bは、第1実施例の燃料電池100に代えて、固体高分子電解質型の燃料電池100Bを用いて構成されている点を除いて、第1実施例の燃料電池システム1000と同じであるので、相違点を除いて具体的な説明を省略する。
【0033】
燃料電池100Bの構成は、第1実施例の燃料電池100がセルモニタ60を有しているのに対して、セルモニタを有していない点を除いて全く同じである。また、図2には、図示および以下の説明を容易にするために、第1実施例の燃料電池システム1000と同様に、燃料電池100B内のマニホールドとしては酸化ガス供給マニホールド70aおよび酸化ガス排出マニホールド70bのみが図示されている。同様に、外部から燃料電池100Bに接続される配管としては、酸化ガス供給マニホールド70aに接続される配管210および酸化ガス排出マニホールド70bに接続される配管220のみが図示されている。
【0034】
B2.燃料電池システムおよび燃料電池の分解手順:
図4は、第2実施例としての燃料電池システムに用いられている燃料電池の分解の手順を示すフローチャートである。燃料電池100Bを分解する場合には、まず、システムコントローラ500によって、エアーコンプレッサー(不図示)や、流量コントローラ300を制御して、予め定めた規定のガス流量、規定ガス圧で乾燥ガス(本例ではエアー)のパージを開始する(ステップS210)。このとき、システムコントローラ500は、流量コントローラ300を介してガス流量を監視し、規定流量A以上であるか否か判断する(ステップS220)。
【0035】
ガス流量がA未満である場合には、システムコントローラ500は、流量コントローラ300を制御して、ガス流量を増加させる(ステップS230)。そして、ステップS220におけるガス流量の判断およびステップS230におけるガス流量の制御を繰り返すことにより、ガス流量が規定流量Aとなるように制御される。一方、ガス流量が規定流量A以上である場合には、システムコントローラ500は、圧力計400で測定される圧力を監視し、パージしている乾燥ガスの圧力が規定の圧力以下であるか否か判断する(ステップS240)。これは、乾燥ガスをパージすることにより、第1実施例でも説明したように、流路断面積可変機構80の第2部材84がガス流路の断面積が小さくなるように動作し、この結果として、パージするガスの圧力が高くなるためである。
【0036】
測定される圧力が規定の圧力より大きい場合には、システムコントローラ500は、流量コントローラ300を制御して、ガス流量を下げる(ステップS250)。そして、ステップS240における圧力の判断およびステップS130におけるガス流量の制御を繰り返すことにより、パージする乾燥ガスが、規定の圧力となるように制御される。一方、測定される圧力が規定の圧力以下となった場合には、システムコントローラ500は、ガス流量を監視し、規定流量B以下であるか否か判断する(ステップS260)。なお、この規定流量Bは、全ての燃料電池モジュール内の電解質膜が乾燥して全ての流路断面積可変機構80によるガス流路が最小の流路断面積となったときの既定圧力時のガス流量を示している。また、規定流量A>規定流量Bである。
【0037】
ガス流量が規定流量Bよりも多い場合には、さらに、乾燥ガスのパージ時間が規定値以上であるか否か判断する(ステップS270)。パージ時間が規定値よりも短い場合には、ステップS240に戻って、ステップS240〜ステップS270の処理を繰り返す。一方、パージ時間が規定値に達している場合およびガス流量が規定流量B以下となっている場合には、システムコントローラ500は、流量コントローラ300を制御して乾燥ガスのパージを停止し、燃料電池システム1000Bの動作を停止する(ステップS280)。そして、燃料電池100Bに接続されている配管等を取り外し、燃料電池100Bを締結固定しているボルト52を緩めて締結部材50による締結を解除し、燃料電池100Bを分解することができる(ステップS290)。
【0038】
上記した分解方法によっても、乾燥ガスのパージ過程において、流路断面積可変機構80により流路断面積を減少させて、乾燥ガスの流量を制限することにより、電解質膜の過剰な乾燥を防止して、乾燥させることができ、各燃料電池モジュール内の電解質膜のシワの発生や裂け等の劣化を防止することが可能である。これにより、燃料電池の耐久性を向上させることが可能である。
【0039】
C.第3実施例:
第1実施例の燃料電池100および第2実施例の燃料電池100Bは、上記したように、多孔質体流路と酸化ガス供給マニホールド70aとの間および多孔質体流路と酸化ガス排出マニホールド70bとの間を繋ぐ部分のみ、セパレータ14のカソード面14cあるいはセパレータ14の内部に連通溝流路が形成された酸化ガス流路の場合を例に示している。具体的には、カソード面14cに形成されている、酸化ガス排出マニホールド70bに接続された複数の連通溝流路72に、それぞれ流路断面積可変機構80が設けられている構成を示している(図1参照)。しかしながら、上記したように、酸化ガス流路としては、カソード面14cに、酸化ガス供給マニホールド70aから酸化ガス排出マニホールド70bまでを繋ぐように、複数の溝状流路を形成することにより構成することも可能である。そして、酸化ガス排出マニホールド70b側の各溝状流路部分に、流路断面積可変機構80を設けるように構成することもできる。
【0040】
図5〜図7は、酸化ガス流路として、セパレータのカソード面に酸化ガス供給マニホールドから酸化ガス排出マニホールドまでを繋ぐように形成された複数の溝状流路に流路断面積可変機構が設けられている例を示す説明図である。
【0041】
いずれの例の場合においても、第1実施例および第2実施例の場合と同様に、設けられた流路断面積可変機構80により、流れるガスの乾燥状態に応じて、流路断面積を最小にすることができる。これにより、各燃料電池モジュール内の電解質膜の過剰な乾燥を防止することが可能である。また、各構成を適用した燃料電池を用いた燃料電池システムにおいて、第1実施例および第2実施例で説明した分解の手順で燃料電池を分解することにより、各燃料電池モジュール内の電解質膜のシワの発生や裂け等の劣化を防止することが可能である。これにより、燃料電池の耐久性を向上させることが可能である。
【0042】
D.第4実施例:
図8は、流路断面積可変機構の他の実施例を示す説明図である。この流路断面積可変機構80Aは、連通流路溝72のガス流れの方向に沿って右側の側壁72wに、その一方端面が第1の固定部86p1を介して接続された第1部材82と、中間部に設けられた屈曲部84cが第2の固定部86p2を介して接続された第2部材84Aと、その一方端辺が第4の固定部86p4を介して側壁72に接続され、その他方端辺が、第2部材84Aのうち、屈曲部84cに対して第1部材82とは反対側の第1部分84aに、第5の固定部86p5を介して接続された板バネ88と、で構成されている。また、第1部材82は、その他方端辺が第2部材84Aのうち、屈曲部84cに対して第1部分84aとは反対側の第2部分84bに接触するように配置されている。
【0043】
第1実施例で説明した流路断面積可変機構80と同様に、第1部材82には、対向する一方端辺と他方端辺との間の寸法が湿度に応じて変化し易い吸湿性変形材料を用いる。第2部材84には、湿度変化に対しても寸法が変化し難い材料を用いる。また、第1、第2、第4、第5の固定部86p1、86p2、86p4、86p5は、例えば、アクリル系接着剤による接着、あるいは、部材の融着により形成することができる。
【0044】
上記構成の流路断面積可変機構80Aでは、連通溝流路72を流れるガスが湿潤時においては、第1部材82が水分を吸収して膨張し、第2部材84の第2部分84bを押すことになる。このとき、第2部材84の第1部分84aおよび第2部分84bは、屈曲部84cを支点として回動し、第1部分84aの開放された端辺が連通溝流路72の右側の側壁72w側に移動する。一方、連通溝流路72を流れるガスが乾燥時においては、第1部材82中の水分が排出されて収縮し、第2部材84の第2部分84bの開放された端辺が屈曲部84cを支店として回動可能となる。このとき、第2部材84の第1部分84aが板バネ88によって押されて、第1部分の開放された端辺が屈曲部84cを支点として連通溝流路72の右側の側壁72wに対向する左側の側壁72wo側に向かって回動し、連通溝流路72の断面積が小さくなるように動作する。なお、第1部材82の寸法や第2部材の形状および寸法は、燃料電池内モジュール内の乾燥が必要十分な状態となる場合の第1部材82の収縮により第2部材84によって連通溝流路72を塞ぎ、残った流路の断面積が最小となるように設定する必要がある。なお、燃料電池モジュール内の乾燥が必要十分な状態とは、燃料電池モジュールに含まれる電解質膜のシワが発生せず、かつ、電解質膜に裂け等の劣化が発生しない乾燥状態の範囲を意味している。
【0045】
E.変形例:
なお、本発明では、上記した実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。
【0046】
E1.変形例1:
上記実施例では、酸化ガス排出マニホールド側の溝状流路部分に流路断面積可変機構を設ける場合を例に説明しているが、これに限定されるものではなく、酸化ガス流路中のいずれかの溝状流路部分に流路断面積可変機構を設けるようにしてもよい。ただし、酸化ガス供給マニホールド側よりも酸化ガス排出マニホールド側のほうが、ガスの湿度変化が大きいので、効果的である。
【0047】
E2.変形例2:
上記実施例では、酸化ガス流路中に流路断面積可変機構を設ける場合を例に説明しているが、これに限定されるものではなく、燃料ガス流路中に流路断面積可変機構を設けるようにしてもよい。また、酸化ガス流路および燃料ガス流路の両方に流路断面積可変機構を設けるようにしてもよい。ただし、酸化ガス流路のほうがガスの湿度変化の影響が大きいので、酸化ガス流路中に流路断面積可変機構を設けるほうが効果的である。
【符号の説明】
【0048】
10…燃料電池モジュール
10ar…楕円枠領域
12…発電体
14…セパレータ
14a…アノード面
14c…カソード面
20…ターミナル
30…インシュレータ
40…エンドプレート
50…締結部材
52…ボルト
60…セルモニタ
70a…酸化ガス供給マニホールド
70b…酸化ガス排出マニホールド
72…連通溝流路
72w…側壁
72wo…側壁
80…流路断面積可変機構
80A…流路断面積可変機構
80a…第1部分
80b…第2部分
80c…屈曲部
82…第1部材
84…第2部材
86p1…第1の固定部
86p2…第2の固定部
86p3…第3の固定部
86p4…第4の固定部
86p5…第5の固定部
100…燃料電池
100B…燃料電池
210…配管
220…配管
300…流量コントローラ
400…圧力計
500…システムコントローラ
1000…燃料電池システム
1000B…燃料電池システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の燃料電池モジュールを積層し締結して構成された燃料電池であって、
前記各燃料電池モジュールの積層方向に沿って、前記燃料電池の一方の端部から前記他方の端部に向けて、前記各燃料電池モジュールにおける電気化学反応に供されるガスを流すガス供給マニホールドと、
前記積層方向に沿って、前記他方の端部から前記一方の端部に向けて、前記各燃料電池モジュールから排出されるオフガスを流すガス排出マニホールドと、を備え、
前記各燃料電池モジュールは、前記ガス供給マニホールドから前記ガス排出マニホールドまでを繋ぐガス流路を有し、前記ガス流路中に存在する溝状流路部分に流路断面積可変機構が設けられており、
前記流路断面積可変機構は、対応する前記燃料電池モジュール内の湿度の減少に応じて、自身が設けられている前記溝状流路部分の流路断面積を減少させる構造を有している
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項2】
請求項1記載の燃料電池であって、
前記ガス流路中の前記ガス排出マニホールド側に設けられた複数の溝状流路部分に、それぞれ前記流路断面積可変機構が設けられており、
前記流路断面積可変機構は、対応する前記燃料電池モジュール内の湿度の減少に応じて、自身が設けられている前記溝状流路部分の流路断面積を減少させる構造を有している
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の燃料電池であって、
前記流路断面積可変機構は、
湿度に応じて変形する吸湿性変形材料からなる第1部材と、
前記第1部材に比べて湿度に応じて変形し難い第2部材と、を備え、
前記溝状流路部分の一つの壁面に、前記第1部材の一方端辺および前記第2部材の一方端辺が第1の固定部および第2の固定部を介してそれぞれ接続され、前記第1部材の他方端辺が第3の固定部を介して前記第2部材の前記一方端辺と他方端辺との間の中間部に接続され、
前記第1部材の吸湿変形時において、前記第3の固定部を介して前記第2部材が押されることにより、前記第2部材の他方端辺が前記壁面側に移動し、
前記第1部材の乾燥変形時においては、前記第3の固定部を介して前記第2部材が引っ張られることにより、前記第2部材の他方端辺が前記壁面に対向する壁面側に移動する
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項4】
請求項1または請求項2記載の燃料電池であって、
前記流路断面積可変機構は、
湿度に応じて変形する吸湿性変形材料料からなる第1部材と、
前記第1部材に比べて湿度に応じて変形し難く、中間部に設けられた屈曲部で第1部分と第2部分に折れ曲がった形状を有する第2部材と、
前記第2部材の第1部分と前記溝状流路部分の一つの壁面との間に設けられた弾性体と、を備え、
前記溝状流路部分の前記一つの壁面に、前記第1部材の一端が第1の固定部を介して接続されるとともに、前記第2部材の前記屈曲部が第2の固定部を介して接続され、前記第1部材の他端が前記第2部材の前記第2部分に接するように配置されており、
前記第1部材の吸湿変形時において、前記第1部材が膨張して前記第2部材の前記第2部分を押すことにより、前記屈曲部を支点として前記第2部材の前記第1部分の開放された端辺が前記壁面側に移動し、
前記第1部材の乾燥変形時においては、前記第1部材が収縮して、前記弾性体が前記第2部材の前記第1部分を押すことにより、前記屈曲部を支点として前記第1部分の開放された端辺が前記壁面に対向する壁面側に移動する
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項5】
請求項3または請求項4記載の燃料電池であって、
前記第1部材および前記第2部材の寸法および配置構成は、前記各燃料電池モジュール内の乾燥が所定の必要十分状態となった時に、前記流路断面積可変機構部が設けられている前記溝状流路部分の流路断面積が最小となるように設定されていることを特徴とする燃料電池。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の燃料電池の分解方法であって、
前記燃料電池を分解する場合において、
i)前記ガス供給マニホールドを介して前記各燃料電池モジュールに乾燥ガスをパージして、前記各燃料電池モジュール内を乾燥させる工程と、
ii)前記燃料電池の締結を開放し分解する工程と、
を備えることを特徴とする燃料電池の分解方法。
【請求項7】
請求項6記載の燃料電池の分解方法であって、
前記工程i)において、前記燃料電池の圧損を監視し、前記圧損の増加に応じて前記乾燥ガスのパージ量を制御して、前記各燃料電池モジュールの入口での前記乾燥ガスの圧力が一定になるように制御することを特徴とする燃料電池の分解方法。
【請求項8】
請求項7記載の燃料電池の分解方法であって、
前記燃料電池は、前記各燃料電池モジュールの抵抗測定機構を備えており、
前記工程i)において、前記各燃料電池モジュールの抵抗値を測定して、所定の閾値以上の抵抗値が得られた場合に、前記乾燥ガスのパージの終了を判断する
ことを特徴とする燃料電池の分解方法。
【請求項9】
請求項7記載の燃料電池の分解方法であって、
前記工程i)において、前記乾燥ガスの流量が所定の閾値以下となった場合に、前記乾燥ガスのパージの終了を判断する
ことを特徴とる燃料電池の分解方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−253755(P2011−253755A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127720(P2010−127720)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】