説明

燃料電池システム

【課題】改質器に導入される液体燃料の流量を安定化する。
【解決手段】システム1は、改質器で液体燃料を改質して改質ガスを生成し、燃料電池で前記改質ガスを用いて発電するものであって、改質器に導入される液体燃料が流通するラインL1と、ラインL1に設けられ液体燃料を改質器側に圧送するポンプ部14及び液体燃料をその内部に一時貯留する定油面器15からなる貯留器10と、ラインL1において貯留器10の下流側に設けられ液体燃料を改質器側に圧送するポンプ13と、を備えている。システム1では、定油面器15が液体燃料の液面高さを略一定に保つようにして液体燃料を貯留し、且つその流出口15aがポンプ13の吸込口13aよりも重力方向上方に配置されているため、貯留された液体燃料の圧力ヘッドが略一定に保たれつつ当該圧力ヘッドによって液体燃料が定油面器15からポンプ13に供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体燃料を用いて発電を行なう燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の燃料電池システムとして、改質器で液体燃料を用いて改質ガスを生成し、燃料電池で改質ガスを用いて発電するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−240952号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述したような燃料電池システムでは、一般的に、ポンプで液体燃料が改質器側に圧送されることにより、液体燃料が改質器に導入される。しかし、ポンプで圧送された液体燃料の流量は変動し易いことから、場合によっては、改質器に導入される液体燃料の流量が不安定になるという問題がある。特に、燃料電池システムが家庭用のものであると、燃料処理システムに導入される液体燃料の流量が極めて少量であり且つ許容される流量変動幅が狭いため、かかる問題による悪影響は著しい。
【0004】
そこで、本発明は、改質器に導入される液体燃料の流量を安定化することができる燃料電池システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係る燃料電池システムは、改質器で液体燃料を用いて改質ガスを生成し、燃料電池で改質ガスを用いて発電する燃料電池システムであって、改質器に導入される液体燃料が流通する燃料流通ラインと、液体燃料ラインに設けられ、液体燃料を改質器側に圧送する第1ポンプと、液体燃料ラインにおいて第1ポンプの下流側に設けられ、液体燃料を改質器側に圧送する第2ポンプと、液体燃料ラインにおいて第1ポンプの下流側且つ第2ポンプの上流側に設けられ、液体燃料をその内部に一時貯留する貯留容器と、を備え、貯留容器は、液体燃料の液面高さが略一定に保たれるように液体燃料を貯留すると共に、貯留容器における液体燃料の流出口は、第2ポンプにおける液体燃料の吸込口よりも重力方向上方に配置されていることを特徴とする。
【0006】
この燃料電池システムでは、第1ポンプで圧送された液体燃料が貯留容器に一時貯留されるため、第1ポンプによる圧力変動を抑制することができる。さらに、貯留された液体燃料の液面高さが略一定に保たれるように貯留容器が構成されていると共に、この貯留容器の流出口が第2ポンプにおける液体燃料の吸込口よりも重力方向上方に配置されているため、貯留された液体燃料の圧力ヘッドを略一定に保ちつつ当該圧力ヘッドによって液体燃料を貯留容器から第2ポンプに供給することができ、第2ポンプに導入される液体燃料の圧力変動を低減することが可能となる。従って、第2ポンプで圧送された液体燃料の流量変動を抑制することができ、その結果、改質器に導入される液体燃料の流量を安定化することが可能となる。
【0007】
ここで、液体燃料ラインにおいて貯留容器の下流側且つ第2ポンプの上流側に設けられ、液体燃料を脱硫する脱硫器を備え、貯留容器の流出口は、脱硫器における液体燃料の流入口よりも重力方向上方に配置されていることが好ましい。このように、第2ポンプの上流側に脱硫器が設けられる場合、第2ポンプに導入される液体燃料の圧力が一層変動し易いため、上記の貯留容器が設けられたことによる効果、すなわち、第2ポンプで圧送された液体燃料の流量変動を抑制し、改質器に導入される液体燃料の流量を安定化するという効果は顕著となる。加えて、貯留容器の流出口が脱硫器の流入口よりも重力方向上方に配置されているため、脱硫器に導入される液体燃料の圧力変動を低減することができ、脱硫器にて液体燃料を好適に脱硫することができる。
【0008】
また、液体燃料ラインにおいて脱硫器の下流側且つ第2ポンプの上流側に設けられ、液体燃料を冷却する冷却器を備えることが好ましい。この場合、第2ポンプに導入される液体燃料が、脱硫器で加熱されたために膨張ひいては気化するのを抑制することができ、改質器に導入される液体燃料の流量を一層安定化することが可能となる。
【0009】
また、第2ポンプの下流側から第2ポンプ上流側に液体燃料の一部を戻すためのスピルバックラインを備え、スピルバックラインには、安全弁又はオリフィスが設けられていることが好ましい。この場合、第2ポンプで圧送された液体燃料の一部が、第2ポンプの上流側にスピルバックラインにおける安全弁又はオリフィスを介して戻されるため、第2ポンプで圧送された液体燃料の圧力変動及び流量変動を抑制でき、改質器に導入される液体燃料の流量を一層安定化することが可能となる。
【0010】
また、第2ポンプの下流側から第2ポンプの上流側に液体燃料の一部を戻すためのスピルバックラインを備え、スピルバックラインには、安全弁及びオリフィスが当該スピルバックラインに対して互いに並列に設けられていることが好ましい。この場合、第2ポンプで圧送された液体燃料の一部が、第2ポンプの上流側にスピルバックラインにおける安全弁及びオリフィスのそれぞれを介して戻されるため、第2ポンプで圧送された液体燃料の圧力変動及び流量変動を一層抑制でき、改質器に導入される液体燃料の流量を一層安定化することが可能となる。
【0011】
また、第2ポンプは、定流量ポンプであることが好ましく、この場合には、改質器に導入される液体燃料の流量を一層安定化することができる。なお、第2ポンプに定流量ポンプであると、上記スピルバックラインを備えない場合もある。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、改質器に導入される液体燃料の流量を安定化することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0014】
図1は本発明の一実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図、図2は図1の燃料電池システムの液体燃料ラインを示す概略構成図、図3は図1の燃料電池システムの揚液貯留器を示す一部断面図である。燃料電池システムは、液体燃料を用いて発電を行なうものであり、例えば家庭用の電力供給源として採用される。ここでは、液体燃料としては、入手が容易であり且つ独立して貯蔵可能であるという観点から灯油を用いている。
【0015】
図1に示すように、燃料電池システム1は、脱硫器2、燃料処理システム(FPS)3、固体高分子形燃料電池(PEFC)スタック(燃料電池)4、インバータ5、及びこれらを収容する筐体6を備えている。
【0016】
脱硫器2は、外部から導入された液体燃料を脱硫するものである。この脱硫器2には、ヒータ(不図示)が設けられており、これにより、脱硫器2は、液体燃料を例えば130℃〜180℃まで加熱する。FPS3は、液体燃料を改質して改質ガスを生成するためのものであり、改質器8及びバーナ9を有している。改質器8は、脱硫された液体燃料と水蒸気(水)とを改質触媒で水蒸気改質反応させて、水素を含有する改質ガスを生成する。この改質器8には、導入される液体燃料及び水蒸気を気化するための気化器11が設けられている。バーナ9は、改質器8の改質触媒を加熱することで、水蒸気改質反応に必要な熱量を供給する。
【0017】
PEFCスタック4は、複数の電池セル(不図示)が積み重ねられて構成されており、FPS3で得られた改質ガスを用いて発電してDC電流を出力する。電池セルは、アノードと、カソードと、アノード及びカソード間に配置された固体高分子である電解質とを有しており、アノードに改質ガスを導入させると共に、カソードに空気を導入させることで、各電池セルにおいて電気化学的な発電反応が行われることになる。
【0018】
インバータ5は、出力されたDC電流をAC電流に変換する。筐体6は、その内部に脱硫器2、FPS3、PEFCスタック4及びインバータ5をモジュール化して収容する。
【0019】
また、燃料電池システム1は、FPS3(つまり、改質器8及びバーナ9)に導入される液体燃料が流通する液体燃料ラインL1を備えている。液体燃料ラインL1は、例えば金属製の配管からなり、脱硫器2を通過すると共に、液体燃料を改質器8に導入する液体燃料ラインL11と液体燃料をバーナ9に導入する液体燃料ラインL12とに分岐されている。
【0020】
液体燃料ラインL11の改質器8付近には、水蒸気を改質器8に導入するための水ラインL2が連結されている。これにより、液体燃料と水とが混合され、そして、これらが気化器11で気化されて改質器8に導入される。この水ラインL2には、PCFCスタック4で発生した水を回収する回収水ラインL4が接続されている。
【0021】
この液体燃料ラインL1には、図2に示すように、その上流側から下流側に向かって、揚液貯留器10、脱硫器2、冷却器12及びポンプ(第2ポンプ)13がこの順に設けられている。
【0022】
揚液貯留器10は、図3に示すように、ポンプ部(第1ポンプ)14と、ポンプ部14の側面に一体に設けられた定油面器(貯留容器)15と、を含んで構成されている。ポンプ部14は、液体燃料を下流側(改質器側)に圧送するものであり、具体的には、外部の例えば燃料タンク(不図示)に貯留された液体燃料を、配管16を介して定油面器15内に圧送する。定油面器15は、その内部に空間を有し、液体燃料Kを内部に一時貯留すると共に、底面に設けられた流出口15aから後段機器へ液体燃料Kを供給する。
【0023】
この定油面器15は、液体燃料Kに対して浮遊可能に形成され、略球形状を呈する浮き部17を有している。浮き部17にあっては、所定量以上の液体燃料Kが定油面器15内に貯留された状態(液体燃料Kの液面K1の高さが所定高さZ1の状態)において、その取付部17aが配管16の端口16aを塞ぐように、定油面器15の上面にバネ18を介して連結されている。これにより、流出口15aから液体燃料Kが流出されて液面K1の高さが所定高さZ1より小さくなった際に、配管16の端口16aが開放されて液体燃料Kが定油面器15内に導入され、液面K1の高さが所定高さZ1に直ちに戻ることになる。つまり、定油面器15は、液体燃料Kの液面高さが略一定に保たれるように液体燃料を一時貯留する。
【0024】
或いは、定油面器15においては、貯留された液体燃料Kの液面K1の高さをセンサで検知し、このセンサからの出力に基づいてポンプ部から導入される液端燃料の流量を制御することにより、貯留された液体燃料の液面高さが略一定に保たれるように構成される場合もある。
【0025】
また、定油面器15の側面において上端部には、開口15bが設けられており、内部の空間が大気開放されている。さらに、この定油面器15の内部の空間は、空気ラインL5を介して脱硫器2の内部と連通している。これにより、脱硫器2で発生する(特に、脱硫開始時)空気等のガスが、空気ラインL5、定油面器15の内部の空間、及び開口15bをこの順に通って、大気に開放させることができる。
【0026】
また、開口15bから液体燃料Kが漏れた場合に、この液体燃料Kによる他機器への悪影響を防止するため、図2に示すように、液体燃料を集める受け皿19が定油面器15に対し下方に配置されている。
【0027】
また、定油面器15の流出口15aは、ポンプ13における液体燃料の吸込口13aよりも重力方向上方に距離h1だけ離間されて配置され、脱硫器2における液体燃料の流入口2aよりも重力方向上方に距離h2だけ離間されて配置されている。
【0028】
冷却器12は、液体燃料を冷却するものであり、例えば水冷式又は空冷式の冷却器が用いられている。ポンプ13は、液体燃料を下流側(改質器側)に供給するものであり、ここでは、定流量ポンプが用いられている。
【0029】
また、燃料電池システム1は、ポンプ13の下流側からポンプ13の上流側(ここでは、脱硫器2と冷却器12との間)に液体燃料の一部を戻すためのスピルバックラインL3を備えている。
【0030】
スピルバックラインL3は、第1スピルバックラインL31と、この第1スピルバックラインL31に並列に設けられた第2スピルバックラインL32とを有している。第1スピルバックラインL31には安全弁21が設けられ、第2スピルバックラインL32にはオリフィス22が設けられている。すなわち、スピルバックラインL3には、安全弁21及びオリフィス22がスピルバックラインL1に対して互いに並列に設けられている。
【0031】
或いは、スピルバックラインL3が第1及び第2スピルバックラインL31,L32を設けずに、当該スピルバックラインL3に安全弁21又はオリフィス22の少なくとも一方を設ける場合もある。
【0032】
このように構成された燃料電池システム1では、ポンプ部14により外部の例えば燃料タンクから筐体6内に液体燃料が導入され、この液体燃料が定油面器15内に一時貯留されつつ脱硫器2に導入され、脱硫器2で脱硫された後に冷却器12で冷却され、そして、ポンプ13によりFPS3に導入される。
【0033】
ここで、燃料電池システム1においては、上述したように、揚液貯留器10におけるポンプ部14で圧送された液体燃料が定油面器15に一時貯留される。そのため、ポンプ部14による圧力変動(脈動)を抑制することができる。さらに、上述したように、定油面器15が、液面K1の高さが略一定に保たれるように液体燃料を貯留し、且つ定油面器15の流出口15aが、ポンプ13における液体燃料の吸込口13aよりも重力方向上方に配置されている。そのため、貯留された液体燃料の圧力ヘッドを略一定に保ちつつ当該圧力ヘッドによって液体燃料を定油面器15からポンプ13に供給することができ、ポンプ13に導入される液体燃料の圧力変動を低減することができる。
【0034】
従って、燃料電池システム1によれば、ポンプ13で圧送された液体燃料の流量変動を抑制することができ、その結果、FPS3(改質器8及びバーナ9)に導入される液体燃料の流量を安定化することができる。
【0035】
また、上述したように、液体燃料ラインL1において定油面器15の下流側且つポンプ13の上流側に脱硫器2が設けられているため、上記効果、すなわち、ポンプ13で圧送された液体燃料の流量変動を抑制してFPS3に導入される液体燃料の流量を安定化するという効果は顕著となる。これは、ポンプ13の上流側に脱硫器2が設けられる場合、ポンプ13に導入される液体燃料の圧力が一層変動し易いためである。
【0036】
加えて、定油面器15の流出口15aが脱硫器2の流入口2aよりも重力方向上方に配置されているため、脱硫器2に導入される液体燃料の圧力変動を低減することができ、脱硫器2にて液体燃料を好適に脱硫することができる。
【0037】
また、上述したように、液体燃料ラインL1において脱硫器2の下流側且つポンプ13の上流側に冷却器12が設けられているため、ポンプ13に導入される液体燃料が、ヒータで加熱されたために膨張ひいては気化するのを抑制することができ、FPS3に導入される液体燃料の流量を一層安定化することができる。
【0038】
また、上述したように、ポンプ13の下流側からポンプ13の上流側に液体燃料の一部を戻すスピルバックラインL3を備えており、このスピルバックラインL3には、安全弁21及びオリフィス22が当該ラインL3に対して互いに並列に設けられている。よって、ポンプ13で圧送された液体燃料の一部が、安全弁21を介してポンプ13の上流側に戻されると共にオリフィス22を介してポンプ13の上流側に戻されるため、ポンプ13で圧送された液体燃料の圧力変動及び流量変動を抑制でき、FPS3に導入される液体燃料の流量を一層安定化することができる。
【0039】
ちなみに、上述したように、スピルバックラインL3が第1及び第2スピルバックラインL31,L32を設けずに、当該スピルバックラインL3に安全弁21又はオリフィス22の少なくとも一方を設ける場合、ポンプ13で圧送された液体燃料の一部が、ポンプ13の上流側にスピルバックラインL3における安全弁21又はオリフィス22を介して戻されるため、ポンプ13で圧送された液体燃料の圧力変動及び流量変動を抑制でき、FPS3に導入される液体燃料の流量を一層安定化することが可能となる。
【0040】
また、上述したように、ポンプ13に定流量ポンプを採用すると、FPS3に導入される液体燃料の流量を一層安定化することができる。なお、本実施形態ではスピルバックラインL3を備えているが、上述したようにポンプ13に定流量ポンプを採用すると、スピルバックラインL3を不要とする(省略する)こともできる。
【0041】
ところで、一般的に、燃料電池システムが本実施形態のような家庭用のものである場合、FPS3に導入される液体燃料の流量が極微量(例えば3cc/分)とされ、さらに、その許容される流量変動幅は極めて狭い(例えば±10%)ものとなっている。よって、従来、極微量な液体燃料の流量を略一定に保ちつつこの液体燃料をFPS3に導入させるため、高価な高精度機器及び複雑な流量制御システムが要されていた。さらに、ポンプ部14やポンプ13に起因する液体燃料の脈動に相まって、極微量な流量の液体燃料を安定してFPS3に導入させることは、非常に困難とされていた。
【0042】
これに対し、燃料電池システム1では、上述したようにFPS3に導入される液体燃料の流量を安定化することが実現することができ、その結果、燃料電池システムの低コスト化及び流量制御の容易化も可能となる。すなわち、燃料電池システム1は、家庭用の燃料電池システムの分野において、特に画期的なものであるといえる。
【0043】
なお、上述したように、定油面器15の内部の空間が大気開放されていることから、貯留された液体燃料の圧力ヘッドによってこの液体燃料をポンプ13に好適に供給することができ、例えば定油面器15の内部の空間を加圧する手段も不要とすることができる。
【0044】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0045】
例えば、上記実施形態では、液体燃料として灯油を用いたが、ガソリン、ナフサ、軽油、メタノール、エタノール、DME(ジメチルエーテル)、バイオマスを利用したバイオ燃料を用いてもよい。なお、この場合には、脱硫器(脱硫方法)及び改質器(改質方法)は、用いる液体燃料の特性に応じたものとされる。
【0046】
また、上記実施形態では、バーナ9により改質器8の改質触媒を加熱したが、電気ヒータやPEFCスタックからの排熱(例えばオフガス)を利用して改質触媒を加熱してもよい。なお、バーナ9を設けない場合には、液体燃料ラインL12が不要となる。
【0047】
また、上記実施形態では、改質器8において液体燃料を水蒸気改質したが、部分酸化改質等のその他の改質方法で液体燃料を改質してもよい。また、上記実施形態では、PEFCスタック4を備えた燃料電池システム1としたが、固体酸化物形燃料電池(SOFC)スタックを備えた燃料電池システムとしてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、第2ポンプとして定流量ポンプを用いたが、例えば電磁ポンプ等の定流量ポンプ以外の種々のポンプを用いてもよい。また、上記実施形態では、第1ポンプと貯留容器とを互いに一体にして構成したが、第1ポンプと貯留容器とを別体にして構成しても勿論よい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。
【図2】図1に示す燃料電池システムの液体燃料ラインを示す概略構成図である。
【図3】図1に示す燃料電池システムの揚液貯留器を示す一部断面図である。
【符号の説明】
【0050】
1…燃料電池システム、2…脱硫器、2a…流入口、4…PEFCスタック(燃料電池)、8…改質器、12…冷却器、13…ポンプ(第2ポンプ)、13a…吸込口、14…ポンプ部(第1ポンプ)、15…定油面器(貯留容器)、21…安全弁、22…オリフィス、L1,L11,L12…液体燃料ライン、L3,L31,L32…スピルバックライン、K…液体燃料、K1…液体燃料の液面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
改質器で液体燃料を用いて改質ガスを生成し、燃料電池で前記改質ガスを用いて発電する燃料電池システムであって、
前記改質器に導入される前記液体燃料が流通する燃料流通ラインと、
前記液体燃料ラインに設けられ、前記液体燃料を前記改質器側に圧送する第1ポンプと、
前記液体燃料ラインにおいて前記第1ポンプの下流側に設けられ、前記液体燃料を前記改質器側に圧送する第2ポンプと、
前記液体燃料ラインにおいて前記第1ポンプの下流側且つ前記第2ポンプの上流側に設けられ、前記液体燃料をその内部に一時貯留する貯留容器と、を備え、
前記貯留容器は、前記液体燃料の液面高さが略一定に保たれるように前記液体燃料を貯留すると共に、
前記貯留容器における前記液体燃料の流出口は、前記第2ポンプにおける前記液体燃料の吸込口よりも重力方向上方に配置されていることを特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
前記液体燃料の流路において前記貯留容器の下流側且つ前記第2ポンプの上流側に設けられ、前記液体燃料を脱硫する脱硫器を備え、
前記貯留容器の前記流出口は、前記脱硫器における前記液体燃料の流入口よりも重力方向上方に配置されていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム
【請求項3】
前記液体燃料の流路において前記脱硫器の下流側且つ前記第2ポンプの上流側に設けられ、前記液体燃料を冷却する冷却器を備えることを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記第2ポンプは、定流量ポンプであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記第2ポンプの下流側から前記第2ポンプ上流側に前記液体燃料の一部を戻すためのスピルバックラインを備え、
前記スピルバックラインには、安全弁又はオリフィスが設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項記載の燃料電池
【請求項6】
前記第2ポンプの下流側から前記第2ポンプ上流側に前記液体燃料の一部を戻すためのスピルバックラインを備え、
前記スピルバックラインには、安全弁及びオリフィスが当該スピルバックラインに対して互いに並列に設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項記載の燃料電池







【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−70623(P2009−70623A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−235849(P2007−235849)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【出願人】(000004444)新日本石油株式会社 (1,898)
【出願人】(500561595)荏原バラード株式会社 (68)
【Fターム(参考)】