説明

燃料電池システム

【課題】凝縮水中での微生物の増殖を抑制した燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】燃料電池2と、水素生成装置1と、アノードオフガス中の凝縮水を貯留するアノード凝縮水タンクと、カソードオフガス中の凝縮水と水素生成装置の燃焼排ガス中の凝縮水とを貯留するカソード凝縮水タンクを備え、発電停止時にアノード凝縮水タンクの水をカソード凝縮水タンクに供給することにより、最終的にカソード凝縮水タンクの水のTOC濃度を低く押さえることが出来るので、発電停止時の凝縮水中での微生物の増殖を抑制することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム内の水経路での微生物の増殖を抑制し、長期間メンテナンスをすること無く運転させることが出来る燃料電池システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に燃料電池システムにて発電させる際は、燃料ガスから水素リッチな改質ガスを生成する水素生成装置での改質反応、燃料電池に供給する空気の加湿、及び燃料電池の冷却用として、純水を供給する必要がある。一方、燃料電池システムにて発電する際には、燃料電池での反応生成水や水素生成装置での燃焼生成水が生じるので、これらを凝縮水として凝縮水タンクに回収し、この凝縮水を水浄化装置を通すことにより純水化したものを純水タンクに貯留した後、この純水を燃料電池システムでの発電時に必要な水として使用している。このように燃料電池システムには凝縮水が貯留・循環する水経路が形成されているが、この凝縮水は基本的に塩素を含有しない純水なので微生物が増殖しやすく、増殖した微生物により経路中の部品や水配管を閉塞させ、燃料電池システムの運転に不具合が生じることがあった。
【0003】
このような課題に対応するために、例えば特許文献1に記載されている燃料電池システムが提案されている。図3は、前記特許文献1に記載された従来の燃料電池システムを示すものである。
【0004】
図3において、燃料ガスは純水タンク106の純水と共に水素生成装置101に導入され、水素リッチな改質ガスとなり燃料電池102の燃料極102aに送られる。一方、システム外部から導入された空気は、加湿器103にて加湿された後、燃料電池102の空気極102bに導入される。また、燃料電池102には冷却水径路102cが設けられており、純水タンク106の純水を電池冷却水として用いている。燃料極102aから排出されたアノードオフガスは蒸発器104を経てその一部がバーナー101aへ送られる。一方、燃料電池102の冷却水径路102cより排出された電池冷却水、空気極102bより排出されたカソードオフガス、アノードオフガスの一部、ならびにバーナー101aより排出された燃焼排ガスは、凝縮水タンク105へと回収され、駆動手段であるポンプ110によって水を純化させる水処理装置109を経由して純水タンク106に送られる。また、凝縮水タンク105と純水タンク106を循環する水を微生物が増殖しない温度以上に加熱する手段として、電気ヒーター108が備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−147348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の構成では、電気ヒーターの加熱に電気を消費するため、燃料電池システム全体としての発電効率を大きく低下させるという課題があった。また、耐熱温度の低いイオン交換樹脂が広く使用されている水処理装置の前段に電気ヒーターが配置されているので、イオン交換樹脂の劣化を促進させ、延いては、水処理装置の性能を低下させ、寿命が短くなるという課題があった。更に、電気ヒーターという比較的大きな部品を追加する必要があり、その電源や制御基板の追加を含めると、燃料電池システムの価格が高くなるという課題もあった。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、凝縮水加熱用のヒーターを追加することなく、凝縮水中での微生物の増殖を抑制した燃料電池システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明の燃料電池システムは、発電停止時にアノード凝縮水をカソード凝縮水タンクへ供給する構成としたものである。
【0009】
ここで、燃料電池システム内で回収される凝縮水の全有機炭素(以下TOCと称する)濃度について簡単に説明する。燃料電池システム内で回収される凝縮水としては、アノードオフガスから回収されるアノード凝縮水、カソードオフガスから回収されるカソード凝縮水、燃焼排ガスから回収される燃焼排ガス凝縮水がある。
【0010】
アノードオフガスから回収されるアノード凝縮水は、TOC濃度が1ppm以下の非常に純度の高い水となっている。これは以下のような理由で説明できる。このアノード経路の最上流は天然ガス等を主体とする燃料ガスであるため、基本的にTOCを殆ど含有していない。仮に不純物として多少含有していても、水素生成装置内での改質工程にて600〜700℃の高温に加熱されるので、TOCは熱分解されなくなってしまう。また、アノード経路には可燃性のガスが流れているので、経路中の部品や配管にはステンレス等の金属を用いる必要がある。そのため経路部品からのTOCの放出や溶出が殆どなく、この径路の最終工程で回収されたアノード凝縮水はTOC濃度が非常に低いレベルに保たれている。
【0011】
一方、カソードオフガスから回収されるカソード凝縮水は、TOC濃度が数ppmレベルと比較的高い数値になっている。これは、カソード経路中の温度は基本的に100℃以下であり、また空気や水分を主体としているため、経路中の部品や配管に樹脂を使用しており、この樹脂からTOC成分が溶出しているのが主な原因と考えられる。また燃料電池に供給する空気も燃料電池システム外の大気中から供給しているため、大気中に含まれるTOC成分もカソード凝縮水に僅かに含有してしまう。
【0012】
また、燃焼排ガスから回収される燃焼排ガス凝縮水も、TOC濃度が数ppmレベルの比較的高い数値になっている。これは、燃焼排ガス凝縮水には炭酸ガスが多量に含まれているため、前記カソードオフガスを対向させて炭酸ガスを脱気しているが、その際カソードオフガスに含まれるTOC成分が多少溶解しているのが主な原因と考えられる。
【0013】
水に含まれるTOC濃度と微生物発生量の関係であるが、TOC濃度が1ppm以下の水では一般的に問題になるような微生物の増殖は起こらない。但し、TOC濃度が1ppmを超えた数ppmのレベルになってくると、水が長期間の滞留した場合は、微生物が増殖してくる。これは次のような一般的に見られる現象からも理解することが出来る。通常の水道水には数ppmレベルのTOCが含まれている。水道管から排出された直後の水道水には殺菌のための塩素が含まれており、このTOC濃度でも直ぐには微生物が増殖しないが、ある程度の時間放置されて塩素が抜けてしまうと、その水を長期間滞留させると、いわゆるヌメリや濁りなど微生物の増殖に由来する現象が出てくる。すなわち、塩素を含まない水でTOC濃度が数ppmレベルの値になる場合は微生物の増殖に配慮する必要がある。
【0014】
燃料電池システム発電中のカソード凝縮水タンクには、カソード凝縮水と燃焼排ガス凝縮水が混合されているので、TOC濃度が高くなっているが、本構成にすることにより、発電停止中にTOC濃度が低いアノード凝縮水をカソード凝縮水タンクに供給することが出来るので、カソード凝縮水タンク中の水のTOC濃度を低いレベルに抑えることが出来
る。
【発明の効果】
【0015】
本発明の燃料電池システムによれば、発電停止時のカソード凝縮水タンク中の水のTOC濃度を低く抑えることが出来るので、TOCを栄養源として生育する微生物の増殖を抑制することが出来、結果的に凝縮水経路中の部品や水配管の閉塞を防止することが出来る。このことにより燃料電池システムを安定的に運転させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1における燃料電池システムの構成図
【図2】本発明の実施の形態2における燃料電池システムの構成図
【図3】従来の燃料電池システムの構成図
【発明を実施するための形態】
【0017】
第1の発明は、水素と空気を用いて発電する燃料電池と、燃焼の熱を利用して水と燃料ガスから前記燃料電池に供給する水素リッチな改質ガスを生成する水素生成装置と、前記燃料電池のアノードオフガス中の水分を凝縮させて回収したアノード凝縮水を貯留するアノード凝縮水タンクと、前記燃料電池のカソードオフガス中の水分を凝縮させて回収したカソード凝縮水と前記水素生成装置の燃焼排ガス中の水分を凝縮させて回収した燃焼排ガス凝縮水とを貯留するカソード凝縮水タンクと、システムの各部品及び全体の動作を制御する制御装置とを備え、前記カソード凝縮水タンクの水を浄化して前記燃料電池の冷却水と前記水素生成装置に供給する改質水に利用する燃料電池システムであって、発電停止時に前記アノード凝縮水タンクの水を前記カソード凝縮水タンクに供給するように構成したものである。
【0018】
第2の発明は、特に、第1の発明において、前記カソード凝縮水タンク中の水を所定量排水した後に、カソード凝縮水タンクへ前記アノード凝縮水を供給するように構成したものである。
【0019】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、前記アノード凝縮水タンクの最高水位が前記カソード凝縮水タンクの最高水位より高い位置になるように配置し、途中に開閉弁を有する配管で前記アノード凝縮水タンクと前記カソード凝縮水タンクとを連通させ、前記開閉弁を閉から開にする開閉弁制御手段を備えたものである。
【0020】
第4の発明は、特に、第1から第3の発明のいずれか1つの発明において、前記アノード凝縮水タンク内にアノード凝縮水の水位を検知する水位検知手段を備え、前記開閉弁制御手段は、前記水位検知手段により前記アノード凝縮水タンク内に十分な量のアノード凝縮水がないと判断された場合は前記開閉弁を閉から開にしないものである。
【0021】
第5の発明は、特に、第1から第4の発明のいずれか1つの発明において、前記アノード凝縮水タンクの容量を前記カソード凝縮水タンクの容量と同等以上にしたものである。
【0022】
以下本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における燃料電池システムの構成図である。図1において、システム外部から導入された燃料ガスは水素生成装置1にて水素リッチなガスに改質され、燃料電池2の燃料極2aに供給される。一方、システム外部から導入された空気は、加湿器3にて適切な露点に加湿された後、燃料電池2の空気極2bに供給される。
【0024】
燃料電池2の燃料極2aから排出されたアノードオフガスは、アノードオフガス凝縮器4にてアノードオフガス凝縮水を分離した後、水素生成装置1の燃焼用ガスの一部として供給される。分離されたアノードオフガス凝縮水はアノード凝縮水タンク7に回収される。一方、燃料電池2の空気極2bから排出されたカソードオフガスはカソードオフガス凝縮器5にてカソードオフガス凝縮水を分離した後、脱炭酸塔9を経由してシステム外部へ放出される。分離されたカソードオフガス凝縮水はカソード凝縮水タンク8に回収される。
【0025】
また、水素生成装置1から排出される燃焼排ガスは、燃焼排ガス凝縮器6にて燃焼排ガス凝縮水を分離した後、システム外部に放出される。分離された燃焼排ガス凝縮水は、脱炭酸塔9にてカソードオフガスと対向させて脱炭酸させた後、カソード凝縮水タンク8に回収される。
【0026】
カソード凝縮水タンク8に回収された水は、純水供給ポンプ10により水浄化装置11に供給され純水とした後、純水タンク12に貯留される。この水浄化装置11には活性炭及びイオン交換樹脂を充填したものを用いた。
【0027】
純水タンク12に貯留された純水は、冷却水供給ポンプ13により燃料電池2に冷却水として循環供給され、燃料電池の冷却・熱回収を行う。この冷却水の一部を加湿器3に供給し、燃料電池2の空気極2bに供給する空気の加湿に用いている。
【0028】
また純水タンク12に貯留された純水を、改質水供給ポンプ14により水素生成装置1に改質水として供給している。
【0029】
アノード凝縮水タンク7は、凝縮水ポンプ15を途中に配置した配管によりカソード凝縮水タンク8と繋がっており、燃料電池システムの発電停止時に凝縮水ポンプ15を作動させることにより、アノード凝縮水がカソード凝縮水タンクに供給される。
【0030】
この燃料電池システム全体の動作は制御装置16によって制御されている。
【0031】
このような構成にすることにより、発電中にTOC濃度が比較的高くなっているカソード凝縮水タンク中の水に対して、発電停止中にTOC濃度が比較的低いアノード凝縮水を供給することが出来るので、発電停止中のカソード凝縮水タンクの水のTOC濃度は、微生物が増殖しにくい低濃度に保つことが出来る。
【0032】
ここで、発電停止中にアノード凝縮水をカソード凝縮水タンクに供給する効果を説明する。発電中、水径路を含む燃料電池システムの各部位の温度は微妙なバランスで制御している。このような時にアノード凝縮水をカソード凝縮水タンクに大量に供給すると、カソード凝縮水タンクの水の温度が大きく変化する場合があり、そのことによりシステムの発電運転に不具合を生じさせてしまう。しかしこの供給動作を発電停止中に行えば、システムの発電運転に不具合を生じさせる恐れがない。場合によってはカソード凝縮水タンク内に貯留している水を全量アノードアノード凝縮水に置き換えることが出来るので、カソード凝縮水タンク内の水のTOC濃度を最も低い状態にすることが出来る。また、微生物は水が滞留した状態の方が増殖しやすいことが一般的に知られている。すなわち、発電中は凝縮水タンク内の水を含めて、システム全体の水が流動しており、例えTOC濃度が高くなっても、直ぐに微生物が増殖する訳ではない。一方、発電停止時はシステム内の水の動きも停止しているので、微生物が増殖しやすい状態になる。このような状態になったとしても、微生物の栄養原になるTOC濃度を低く押さえてやることが出来れば、当然微生物の増殖は抑制されるので、本発明の動作が有効に作用する。
【0033】
なお、本実施の形態では発電停止中にアノード凝縮水をカソード凝縮水タンクに供給するものとしたが、もちろんこれに限ることはなく、システムの発電運転に不具合を生じさせない範囲で発電中に供給しても良い。またカソード凝縮水タンクに供給するアノード凝縮水の量も特に制限が設けられる訳ではない。また、本実施の形態ではアノード凝縮水のカソードタンク凝縮水への供給をポンプにて行ったが、もちろんこれに限られることはなく、例えば開閉弁の開閉により両タンク水の差圧により水を異動させるなど、様々な手段をとることが出来る。
【0034】
また、カソード凝縮水タンクへのアノード凝縮水の供給は、燃料電池システムの発電停止の度に行う必要もなく、カソード凝縮水タンク内の水のTOC濃度の変化に合わせて適切なタイミングで供給するように設定してもよい。
【0035】
また、例えば連続発電等で発電停止のタイミングがない場合は、カソード凝縮水タンク内の水のTOC濃度変化に応じて適切なタイミングでカソード凝縮水タンクにアノード凝縮水を供給してもよい。この場合、アノード凝縮水供給時にはシステムの発電を強制的に停止しても良いし、発電を停止しなくてもシステムの運転に影響を与えない条件で供給できるのであれば、発電中にアノード凝縮水を供給しても良い。
【0036】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における燃料電池システムの構成図である。図2の構成は基本的に図1の構成と同様であるので、図1と異なる点のみ説明する。
【0037】
カソード凝縮水タンク8の下部に開閉弁17を設けた。また、アノード凝縮水タンクはその最高水位がカソード凝縮水タンクの最高水位より高い位置になるように配置し、途中に開閉弁18を有する配管でカソード凝縮水タンクと連通させている。また、アノード凝縮水タンク及びカソード凝縮水タンクにはそれぞれ水位検知手段19及び水位検知手段20が設置されている。また、アノード凝縮水タンクの容量はカソード凝縮水タンクの容量と同等以上になるようにした。
【0038】
かかる構成によれば、カソード凝縮水タンク8の下部に開閉弁17を設けたことにより、発電停止時にまず開閉弁17を操作し、TOC濃度が高いカソード凝縮水タンク内の水を所定量先に排水し、その後開閉弁18を操作し、TOC濃度が低いアノード凝縮水をカソード凝縮水タンクに供給することが出来る為、最終的な凝縮水タンク内の水のTOC濃度をより低く押さえることが出来る。なお、カソード凝縮水タンク内の水を排水する量は、最終的に凝縮水タンク内の水のTOC濃度を微生物が発生しない濃度になるように任意に設定できる。また、具体的な排水量は、開閉弁17を操作する時間にて設定する、カソード凝縮水タンク内に設置した水位検知手段20によって検出される水量に応じて設定するなど色々な方法にて対応できる。
【0039】
また、かかる構成によれば、アノード凝縮水タンクの最高水位が、カソード凝縮水タンクの最高水位より高い位置になるように配置しているので、カソード凝縮水タンクへアノード凝縮水を供給する際、両タンクの差圧を利用することが出来、水ポンプなどの装置が不要になる為、燃料電池システム全体の価格を下げることが出来る。
【0040】
また、かかる構成によれば、アノード凝縮水タンク内にアノード凝縮水の水位を検知する水位検知手段を備えているので、アノード凝縮水タンク内に十分な量のアノード凝縮水がない場合、開閉弁18を作動させない制御が可能になり、システムの不具合が生じることがない。例えばアノード凝縮水タンクは可燃性のアノードオフガスが流入する可能性があるので、このガスが径路外部に漏れないようにするためアノード凝縮水タンクで水封す
る場合などに有効に活用することが出来る。
【0041】
また、かかる構成によれば、アノード凝縮水タンクの容量をカソード凝縮水タンクの容量を同等以上になるようにしているので、発電が停止した時点でTOC濃度が高いカソード凝縮水を全量排水しても、アノード凝縮水タンクに貯留しているTOC濃度の低いアノード凝縮水でカソード凝縮水タンク内に必要な量の水量を確保できるので、最終的な凝縮水タンク内の水のTOC濃度を最も低く押さえることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明にかかる燃料電池システムは、発電停止時のカソード凝縮水タンク中の水のTOC濃度を低く抑えることにより、TOCを栄養源として生育する微生物の増殖を抑制することが出来、結果的に凝縮水経路中の部品や水配管が閉塞することなく、システムを安定的に運転させることが可能になるので、長期間メンテナンスをすること無く運転させる燃料電池システムとして有用である。
【符号の説明】
【0043】
1 水素生成装置
2 燃料電池
7 アノード凝縮水タンク
8 カソード凝縮水タンク
16 制御装置
18 開閉弁
19 水位検知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素と空気を用いて発電する燃料電池と、燃焼の熱を利用して水と燃料ガスから前記燃料電池に供給する水素リッチな改質ガスを生成する水素生成装置と、前記燃料電池のアノードオフガス中の水分を凝縮させて回収したアノード凝縮水を貯留するアノード凝縮水タンクと、前記燃料電池のカソードオフガス中の水分を凝縮させて回収したカソード凝縮水と前記水素生成装置の燃焼排ガス中の水分を凝縮させて回収した燃焼排ガス凝縮水とを貯留するカソード凝縮水タンクと、システムの各部品及び全体の動作を制御する制御装置とを備え、前記カソード凝縮水タンクの水を浄化して前記燃料電池の冷却水と前記水素生成装置に供給する改質水に利用する燃料電池システムであって、発電停止時に前記アノード凝縮水タンクの水を前記カソード凝縮水タンクに供給するように構成した燃料電池システム。
【請求項2】
前記カソード凝縮水タンク中の水を所定量排水した後に、カソード凝縮水タンクへ前記アノード凝縮水を供給するように構成した請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記アノード凝縮水タンクの最高水位が前記カソード凝縮水タンクの最高水位より高い位置になるように配置し、途中に開閉弁を有する配管で前記アノード凝縮水タンクと前記カソード凝縮水タンクとを連通させ、前記開閉弁を閉から開にする開閉弁制御手段を備えた請求項1または請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記アノード凝縮水タンク内にアノード凝縮水の水位を検知する水位検知手段を備え、前記開閉弁制御手段は、前記水位検知手段により前記アノード凝縮水タンク内に十分な量のアノード凝縮水がないと判断された場合は前記開閉弁を閉から開にしない請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記アノード凝縮水タンクの容量を前記カソード凝縮水タンクの容量と同等以上にした請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−277752(P2010−277752A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−127362(P2009−127362)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】