説明

燃料電池システム

【課題】燃料電池による発電時、補機電源を商用電源から燃料電池からの直接供給に切換えることにより、商用電源側への補機からの高調波出力電流歪の影響をなくすことができる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池11と、直流交流変換手段12と、起動から発電までの一連の動作を制御する運転制御手段14と、補機17への電源供給元を、燃料電池11からと商用電源からとで切換える電源切換手段15と、燃料電池11あるいは商用電源からの電力をもとに補機用電源を発生させる補機電源発生手段16とを備え、運転制御手段14は電源切換手段15により、補機電源発生手段16の電源供給元を、燃料電池発電後は燃料電池11からの電源供給に切換えることにより、燃料電池発電時は、商用電源側への補機からの高調波出力電流歪の影響をなくすことができ、安定発電制御を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池を用いて発電を行う燃料電池システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の燃料電池システムとしては、補機電力の供給を、燃料電池停止中は商用交流電源から供給し、発電開始後もソフトスタートさせたインバータ出力、つまり交流出力電力より徐々に電力を供給する燃料電池システムがあった。(例えば、特許文献1参照)。図6は、前記特許文献1に記載された従来の燃料電池システムの制御装置を示すものである。
【0003】
図6において、燃料極および酸化剤極に燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給し、電気化学反応を利用して発電を行い、電極間から直流電力を取り出す燃料電池1と、出力側が系統連系遮断器4および補機切離用遮断器5を直列に介して商用交流電源3に接続され、燃料電池1から出力される直流電力を交流に変換するインバータ2と、系統連系遮断器4および補機切離用遮断器5との連系点に接続された補機6と、インバータ2の出力電力を制御する制御回路7とを備えて構成され、燃料電池1の停止中は補機切離用遮断器5を閉じると共に、系統連系遮断器4を開いて商用交流電源3から補機6へ電力を供給し、燃料電池1の発電開始時には、制御回路7よりインバータ電圧をソフトスタートさせて、インバータ出力電圧が確立した時点で、系統連系遮断器4を閉じて、インバータ出力電力を補機へ供給していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−210685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の構成では、補機電力の供給を、燃料電池停止中は商用電源から、燃料電池発電時はインバータ出力から供給を受けており、いづれの場合も商用電源側から電力を供給しており、補機からの高調波出力電流歪の影響が大きいという課題を有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、燃料電池発電時は、商用電源側への補機からの高調波出力電流歪の発生を抑え、その影響をなくすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の燃料電池システムは、燃料電池発電時は、補機電力を燃料電池からの供給に切換えるものである。
【0008】
本構成によって、燃料電池発電時は、商用電源側への補機からの高調波出力電流歪の発生を抑え、その影響をなくすことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の燃料電池システムによれば、燃料電池発電時、特に定格発電時に、商用電源側への補機からの高調波出力電流歪の発生を抑え、その影響をなくすことが可能となる。また、系統で異常が発生した場合に、燃料電池システムを安全に停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1における燃料電池システムの構成図
【図2】本発明の実施の形態2における燃料電池システムの構成図
【図3】本発明の実施の形態3における燃料電池システムの構成図
【図4】本発明の実施の形態4における燃料電池システムの構成図
【図5】本発明の実施の形態5における燃料電池システムの構成図
【図6】従来の燃料電池システムの構成図
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の発明は、
燃料電池と、
商用電源に接続され、前記燃料電池からの直流電力を交流電力に変換し、前記商用電源とともに家庭内負荷に交流電力を供給する直流交流変換手段と、
起動から発電までの一連の動作を制御する運転制御手段と、
補機への電源供給元を、前記燃料電池からと前記商用電源からとで切換える電源切換手段と、
前記燃料電池あるいは前記商用電源からの電力をもとに前記補機用電源を発生させる補機電源発生手段と、
前記商用電源での系統異常を検知する商用電源異常検知手段と、
を備えている燃料電池システムにおいて、
前記運転制御手段は、前記電源切換手段により、前記補機電源発生手段の電源供給元を、前記燃料電池による発電以前では前記商用電源から電源供給し、前記燃料電池による発電後は前記燃料電池からの電源供給に切換え、前記商用電源異常検知手段が前記商用電源の異常を検知した場合、前記直流交流変換手段による交流電力の出力を停止させた後に前記燃料電池から前記補機に電源供給を継続して、前記補機による前記燃料電池システムの停止処理を行うことにより、燃料電池発電時は、商用電源側への補機からの高調波出力電流歪の発生を抑え、その影響をなくすことができる。また、商用電源に何らかの異常が発生し、直流交流変換手段からの電力出力が停止した後も、燃料電池から引き続き補機へ電源を供給して、燃料電池システムを完全に停止させるための処理を順次実施することが可能となる。
【0012】
第2の発明は、特に第1の発明の燃料電池システムに加え、直流電圧検知手段を備え、運転制御手段は、直流電圧検知手段により、燃料電池出力での直流電圧が閾値以上であると検知された場合に、補機電源元を電源切換手段により、燃料電池からの電源供給に切換えることにより、燃料電池での直流電圧が安定した電圧まで上昇後に補機電源とするので、燃料電池の出力電力の急変による特性劣化を抑制することができる。
【0013】
第3の発明は、特に第2の発明の運転制御手段は、直流電圧検知手段により、燃料電池出力での直流電圧が閾値以下であると検知された場合は、補機電源元を電源切換手段により、商用電源からの電源供給に切換えることにより、燃料電池の発電中での電圧低下時に、燃料電池にかかる負担を軽減すると共に、燃料電池の発電停止の際に、より正確なタイミングで電源供給元を切換えることができ、いずれも燃料電池の特性劣化を抑制することができる。
【0014】
第4の発明は、特に第1の発明の燃料電池システムに加え、電流計測手段を備え、運転制御手段は、補機電源を燃料電池から供給されている時に、電流計測手段により一定電流以上の電流が補機に流れないようにすることにより、突入電流や過度の電流が補機に流れるのを防ぐことができ、燃料電池の特性劣化を抑制することができる。
【0015】
第5の発明は、特に第4の発明の運転制御手段は、補機電源を燃料電池から供給されている時に、電流計測手段により一定電流以上の電流が補機に流れたと検知された場合、補
機電源供給元を電源切換手段により、商用電源からの電源供給に切換えることにより、燃料電池の出力電流の急変による特性劣化を抑制することができる。
【0016】
第6の発明は、特に第1の発明の燃料電池システムに加え、前記運転制御手段は、前記燃料電池システムの停止処理において、燃料を処理する燃料処理装置から前記燃料電池までの経路に存在する水素をパージすることにより、燃料電池システムを安全に停止させるものである。
【0017】
第7の発明は、特に第1の発明の燃料電池システムに加え、異常報知手段を備え、運転制御手段は、商用電源異常検知手段による商用電源異常検知時、直流交流変換手段による交流電力出力停止後も燃料電池からの電源供給を継続して、補機による燃料電池システムの停止処理を実施後、異常報知手段による異常報知を行うことにより、燃料電池システムを完全に停止させた後に異常報知させるので、安心して異常報知内容を確認することができるものである。
【0018】
以下本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における燃料電池システムの構成図である。
【0020】
図1において、都市ガスのようなメタン等の炭化水素を含む燃料を原料として燃料電池11で発電が行われる。直流交流変換手段12は商用電源に接続され、燃料電池11からの直流電力を交流電力に変換し、商用電源とともに家庭内負荷13に交流電力を供給する。運転制御手段14は起動から発電までの一連の動作を制御するものである。電源切換手段15は補機17への電源供給元を燃料電池からと商用電源からとで切換える。また切換えられた燃料電池11からの電力あるいは商用電源からの電力をもとに補機電源発生手段16にて補機17用の電源を作るものである。
【0021】
ここで補機17の例として挙げられるのは、浄化空気ポンプ、改質水ポンプ、変成水ポンプ、浄化水ポンプ、冷却水ポンプ等のポンプ類で、オン・オフ制御により動作量の制御を行う。また比例弁、電磁弁、混合弁等の弁類があり、燃料および空気のオン・オフ制御が行われる。またブースタ、燃焼ファン、冷却ファン、換気ファン等のファンモータ類があり、回転数制御が行われる。
【0022】
運転制御手段14は、電源切換手段15により、補機電源発生手段16の電源供給元として、燃料電池11による発電以前の起動時には商用電源、つまり交流電源から電源供給し、燃料電池11による発電後は、燃料電池11つまり直流電源からの直接の電源供給に切換えるものである。以上のように電源を切換えた後、補機電源発生手段16において補機17、つまり例として前述した補機類に供給する電源を作るものである。
【0023】
ここで補機電源発生手段16においてつくる電源としては、弁類やポンプ類にはDC24V、ファンモータ類にはDC12V、マイコン等の制御回路にはDC5Vである。
【0024】
つまり燃料電池11による発電以前の起動時には、商用電源のAC100VからDC24V、DC12V、DC5Vの電源が作られる。これはAC−DCコンバータ電源である。そして燃料電池11による発電後は、燃料電池11のおよそDC50VからDC24V、DC12V、DC5Vの電源が作られる。これはDC−DCコンバータ電源で、直流側のみで電源が作られるもので、商用電源側へは一切影響が出ないものである。
【0025】
かかる構成によれば、燃料電池発電時は、補機電源は燃料電池側、つまり直流電源側か
らとることになり、商用電源側への補機からの高調波出力電流歪の発生が抑えられ、その影響をなくすことができるものである。
【0026】
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態2における燃料電池システムの構成図である。図2において図1と同じ構成要素については同一符号を用い、説明を省略する。
【0027】
図2において、直流電圧検知手段18は燃料電池11の出力端に接続され、直接燃料電池11の直流電圧出力を検知するものである。
【0028】
運転制御手段14は、直流電圧検知手段18により、燃料電池11の出力端での直流電圧値が閾値以上、ここではDC35V以上であると検知された場合に、補機電源の供給元を電源切換手段15により、商用電源から燃料電池11からの直流電源供給に切換えるものである。
【0029】
ここで前述の閾値DC35V以上とは、直流交流変換手段12により定格出力、ここでは1kW出力が可能な直流入力側の電圧であり、この電圧以上であれば安定した燃料電池発電が継続できる電圧である。またDC35V以上であれば、補機類において使用する電圧DC24V、DC12V、DC5Vのそれぞれの電源をDC−DCコンバータ電源にて作ることができるものである。
【0030】
かかる構成によれば、燃料電池での直流電圧が安定した電圧まで上昇後に補機電源とするので、燃料電池の出力電力の急変による特性劣化を抑制することができる。
【0031】
また、運転制御手段14は、直流電圧検知手段18により、燃料電池11出力での直流電圧が閾値以下であると検知された場合は、補機電源元を電源切換手段15により、商用電源からの電源供給に切換えるものである。
【0032】
運転制御手段14は、燃料電池11の出力端での直流電圧値が閾値以下、ここではDC30V以下であると検知された場合は、補機電源の供給元を電源切換手段15により、燃料電池11から商用電源からの交流電源供給に切換えるものである。
【0033】
ここで前述のDC30V以下とは、直流交流変換手段12内において内部回路のDC−DCコンバータにてDC350Vまで昇圧するための必要電圧以下であり、AC200V出力形成できない電圧であるため、発電が停止する電圧である。またDC30V以下では、補機類において使用する電圧のうち、DC24V電源をDC−DCコンバータ電源にて形成できないものである。
【0034】
かかる構成によれば、燃料電池の発電中での電圧低下時に、燃料電池にかかる負担を軽減すると共に、燃料電池の発電停止の際に、より正確なタイミングで電源供給元を切換えることができ、いづれも燃料電池の特性劣化を抑制することができる。
【0035】
(実施の形態3)
図3は本発明の実施の形態3における燃料電池システムの構成図である。図3において図1または図2と同じ構成要素については同一符号を用い、説明を省略する。
【0036】
図3において、電流計測手段19により、燃料電池11から補機17、正確には電源切換手段15へ流れる直流電流値を計測するものである。
【0037】
運転制御手段14は、補機電源を燃料電池11から供給されている時に、電流計測手段
19により一定電流値以上の電流、ここでは定格電流の1.5倍以上の電流が補機17に流れないようにするものである。
【0038】
つまり運転制御手段14は、補機電源供給元を商用電源から燃料電池11に切換えた瞬間に流れる突入電流がどれだけかを監視するとともに、電流制限抵抗等(図示せず)により、燃料電池11から直流電流を供給中に過度の電流が流れないようにするものである。
【0039】
かかる構成によれば、突入電流や過度の電流が補機に流れるのを防ぐことができ、燃料電池の特性劣化を抑制することができる。
【0040】
また運転制御手段14は、補機電源を燃料電池11から供給されている時に、電流計測手段19により一定電流値以上の電流が補機17に流れたと検知された場合、補機電源供給元を電源切換手段15により、商用電源からの電源供給に切換えるものである。
【0041】
つまり運転制御手段14は、補機電源を燃料電池11から供給されている時に、一定電流値以上の電流、ここでは定格電流の1.5倍以上の電流が補機17に流れたと検知された場合、直流交流変換手段12に流れる通常発電用電流以上に過度の電流が流れた場合は、燃料電池11の特性劣化につながる危険性があるので、この場合は補機電源供給元を電源切換手段15により、商用電源からの電源供給に切換えて、安定した発電を継続するものである。
【0042】
かかる構成によれば、燃料電池の出力電流の急変による特性劣化を抑制することができる。
【0043】
(実施の形態4)
図4は本発明の実施の形態4における燃料電池システムの構成図である。図4において図1または図2、図3と同じ構成要素については同一符号を用い、説明を省略する。
【0044】
図4において、商用電源異常検知手段20は、商用電源におけるさまざまな系統異常、例えば瞬時停電、瞬時電圧低下、あるいは線間過電圧や過電流また電圧位相のずれ等々を検知するものである。
【0045】
運転制御手段14は、商用電源異常検知手段20による商用電源異常検知時、直流交流変換手段12による交流電力出力停止後も燃料電池11からの電源供給を継続して、補機17による燃料電池システムの停止処理を行うものである。
【0046】
つまり運転制御手段14は、商用電源異常検知時、直流交流変換手段12による交流電力出力を停止し、商用電源から切離された後も、燃料電池11から直接直流電源の供給を継続して受け、補機17による燃料電池システムの停止処理、例えば燃料処理装置から燃料電池11までの経路(図示せず)に存在する水素をパージして、燃料電池システムを安全に停止させるものである。また燃料電池11にて余った直流電力を処理するものである。
【0047】
かかる構成によれば、商用電源に何らかの異常が発生し、直流交流変換手段からの電力出力が停止した後も、燃料電池から引き続き補機へ電源を供給して、燃料電池システムを完全に停止させるための処理を順次実施することが可能となる。
【0048】
また運転制御手段14は、商用電源異常検知手段20による商用電源異常検知時、一定時間後の直流交流変換手段12による交流電力出力再開までの間、補機17への燃料電池11からの電源供給を継続して、補機17による燃料電池システムの待機処理を行うもの
である。
【0049】
つまり運転制御手段14は、瞬時停電や線間過電圧等の短時間で復帰するような商用電源異常時において、およそ1分程度以内の直流交流変換手段12による交流電力出力、系統連系再開までの間、補機17への燃料電池11からの電源供給を継続して、補機17による燃料電池システムの待機処理、例えば燃料電池11での電力をシステムの経路にて消費したり、あるいは蓄電するなどの処理を行うものである。
【0050】
かかる構成によれば、商用電源に何らかの異常が発生し、直流交流変換手段からの電力出力が一時停止した後も、出力再開するまでの間に、燃料電池から引き続き補機へ電源を供給して、電力を消費することにより、安全に待機処理をすることができる。
【0051】
(実施の形態5)
図5は本発明の実施の形態5における燃料電池システムの構成図である。図5において図1または図2、図3、図4と同じ構成要素については同一符号を用い、説明を省略する。
【0052】
図5において、異常報知手段21は、商用電源異常検知手段20により商用電源で何らかの異常が発生したと検知された場合に異常報知するもので、LED、蛍光表示管、液晶などによる表示や、ブザー、チャイム、音声合成などによる報知(図示せず)により異常を知らせるものである。
【0053】
運転制御手段14は、商用電源異常検知手段20による商用電源異常検知時、直流交流変換手段12による交流電力出力停止後も燃料電池11からの電源供給を継続して、補機17による燃料電池システムの停止処理を実施後、異常報知手段21による異常報知を行うものである。
【0054】
つまり運転制御手段14は、商用電源での短時間で復帰しない異常や、直流交流変換手段12に対する故障の原因となるような異常については、安全にシステムが停止するために、燃料電池11からの電源供給を継続して、補機17による燃料電池システムの停止処理を実施後、異常報知手段21による異常報知を行い、使用者あるいはサービスマンにその旨を報知するものである。
【0055】
かかる構成によれば、燃料電池システムを完全に停止させた後に異常報知させるので、安心して異常報知内容を確認することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の燃料電池システムは、燃料電池による発電時は、補機電源を直接燃料電池出力からとるため、商用電源側への補機からの高調波出力電流歪の発生が抑えられ、その影響をなくすことができるものであり、燃料電池を用いて安定した発電が行われる燃料電池システムに有用である。これはまた他の方式の電池や動力源を用いた発電システムにも応用が可能である。
【符号の説明】
【0057】
11 燃料電池
12 直流交流変換手段
13 家庭内負荷
14 運転制御手段
15 電源切換手段
16 補機電源発生手段
17 補機
18 直流電圧検知手段
19 電流計測手段
20 商用電源異常検知手段
21 異常報知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池と、
商用電源に接続され、前記燃料電池からの直流電力を交流電力に変換し、前記商用電源とともに家庭内負荷に交流電力を供給する直流交流変換手段と、
起動から発電までの一連の動作を制御する運転制御手段と、
補機への電源供給元を、前記燃料電池からと前記商用電源からとで切換える電源切換手段と、
前記燃料電池あるいは前記商用電源からの電力をもとに前記補機用電源を発生させる補機電源発生手段と、
前記商用電源での系統異常を検知する商用電源異常検知手段と、
を備えている燃料電池システムにおいて、
前記運転制御手段は、前記電源切換手段により、前記補機電源発生手段の電源供給元を、前記燃料電池による発電以前では前記商用電源から電源供給し、前記燃料電池による発電後は前記燃料電池からの電源供給に切換え、前記商用電源異常検知手段が前記商用電源の異常を検知した場合、前記直流交流変換手段による交流電力の出力を停止させた後に前記燃料電池から前記補機に電源供給を継続して、前記補機による前記燃料電池システムの停止処理を行う、
ことを特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
前記燃料電池の出力端での直流電圧を検知する直流電圧検知手段を備え、
前記運転制御手段は、前記直流電圧検知手段により、前記燃料電池の出力端での直流電圧が閾値以上であると検知された場合に、前記補機電源元を前記電源切換手段により、前記燃料電池からの電源供給に切換えることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記運転制御手段は、前記直流電圧検知手段により、前記燃料電池の出力端での直流電圧が閾値以下であると検知された場合は、前記補機電源元を前記電源切換手段により、前記商用電源からの電源供給に切換えることを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記燃料電池から補機へ流れる直流電流値を計測する電流計測手段を備え、
前記運転制御手段は、前記補機電源を前記燃料電池から供給されている時に、前記電流計測手段により一定電流以上の電流が前記補機に流れないようにすることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記運転制御手段は、前記補機電源を前記燃料電池から供給されている時に、前記電流計測手段により一定電流以上の電流が前記補機に流れたと検知された場合、前記補機電源供給元を前記電源切換手段により、前記商用電源からの電源供給に切換えることを特徴とする請求項4記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記運転制御手段は、前記燃料電池システムの停止処理において、燃料を処理する燃料処理装置から前記燃料電池までの経路に存在する水素をパージする、
請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
異常内容を報知する異常報知手段を備え、
前記運転制御手段は、前記商用電源異常検知手段による前記商用電源異常検知時、前記直流交流変換手段による交流電力出力停止後も前記燃料電池からの電源供給を継続して、前記補機による前記燃料電池システムの停止処理を実施後、前記異常報知手段による異常報知を行うことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−190810(P2012−190810A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−122720(P2012−122720)
【出願日】平成24年5月30日(2012.5.30)
【分割の表示】特願2005−37141(P2005−37141)の分割
【原出願日】平成17年2月15日(2005.2.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】