説明

燃料電池及び燃料電池を作動停止させる方法

本発明は、酸化ガスとして酸素又は大気を供給することができる燃料電池(1)であって、加圧大気で満たされる装置を有し、この装置が空気導入部(126)、酸化ガス再利用ループ(12R)及び大気を隔離し、カソード供給チャネル及び大気再利用ループを隔離することができ、そして停止方法の実施を可能にする手段、例えば隔離弁(128)、遮断弁(120)又は逆止弁を有し、この方法は、以下のステップ、即ち、(i)燃料ガス及び酸化ガス供給を遮断するステップ、(ii)酸化ガスを供給するシステム内の残留酸化ガスを消費するよう流れの引き込みを維持するステップ及び(iii)酸化ガスを供給するシステム中に窒素が富化されたガスを注入するステップを有する燃料電池(1)に関する。燃料電池は、動作停止時に、燃料電池をいったん動作停止させると水素と窒素の混合物が燃料電池内に残るようにするよう内部電気化学プロセスの停止の結果としてその劣化を阻止する条件下にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池スタック、特に高分子膜の形態をした電解質を有する形式(即ち、PEFC(高分子型燃料電池)型)の燃料電池スタックに関するが、これには限定されない。
【背景技術】
【0002】
燃料電池スタックは、機械的エネルギー変換ステップを介さないで水素(燃料)及び酸素(オキシダント)を用いた電気化学酸化還元(レドックス)反応により電気エネルギーを直接発生させることが知られている。この技術は、特に自動車用途に関して大いに期待できるように思われる。燃料電池スタックは、一般に、各々が本質的にアノード及びカソードから成る単位要素の直列組み合わせを有し、アノードとカソードは、イオンがアノードからカソードに移ることができるようにする高分子膜によって隔てられている。
【0003】
水素の供給不足(H2枯渇)は、PEFC型の燃料電池における触媒劣化の主因であることが知られている。水素の供給不足は、PEFCの触媒支持体として一般に用いられている炭素の腐食を阻止するために、動作中、絶対に回避されなければならないが、本発明者の経験によれば、燃料電池スタックを動作停止させる(shutting down )段階中及び燃料電池スタックが休止状態にある間、アノードのところにおける水素の存在を保証することも又必要である。
【0004】
一般に、燃料電池スタックを「消弧させる(extinguish)」には、電圧が残留ガスのうちの少なくとも1種類の完全な消費に起因して低下するまで燃料電池スタックの通常の電気化学反応を延長させる。上述の劣化機構を制限するためには、酸素を水素に先立って排出するようにすることが必要である。したがって、完全な「消弧(extinction)」まで燃料電池スタックのアノードのところには水素が供給されるようにすることが必要である。
【0005】
また、アノードを0V(ボルト)RHE電気化学ポテンシャルに維持するよう休止中、アノードのところに水素の存在を保証することが必要である(RHEは、基準水素電極(reference hydrogen electrode)の略号である)。したがって、VRHEで表される電圧は、水素の電気化学ポテンシャルに対する電気化学ポテンシャルである。純粋水素は安全上の理由で推奨されないので、それ故に、水素/窒素混合物が休止段階について推奨される。
【0006】
動作停止(shut-down )段階の際、アノードのところにおける水素の存在を保証するため、国際公開第06/012954号パンフレットは、過剰酸素を大気にパージすることを提案している。しかしながら、これを行なうためには、カソード圧力が十分に高いことが必要であり、これは常に保証できるとはいえない場合がある。さらに、空気が減圧状態によって自然に吸い込まれるこの手法の終わりでは、カソード回路内の残留圧力は、最高でも大気圧に等しい。冷却により、残留圧力は、大気圧以下に低下する傾向があり、それにより燃料スタック中への空気の移動量が多くなり、かかる空気の酸素含有分は、残留水素と反応し、かくして急激な水素枯渇の一因となる。
【0007】
米国特許第6939633号明細書は、大気から加圧窒素を生じさせる装置を提案している。これを行なうため、反応器をカソード回路内に用いることが提案されており、かかる反応器内では、加圧源によって燃料電池スタック中に導入された空気中の酸素が主タンクから来た水素と反応するようになる。しかしながら、水素枯渇を阻止する手立ては取られていない。それどころか、提案されている方法では、燃料電池スタックは、空気がアノード及びカソードのところに存在したまま放置される(第8欄第29〜31行参照)。さらに、この解決策は、複雑であり、カソード回路内に触媒反応器の追加を必要とする。燃料電池スタック内に既に存在する触媒を用いる可能性が言及されているが(第7欄第59〜64行)、両方の場合において、空気中の水素と酸素は、触媒上で直接反応し、電気が発生しないで熱だけが生じる。最後に、この解決策では、アノード回路とカソード回路との間の2つの連絡手段、空気中の酸素と反応するよう水素をカソードに導入する第1の弁(344)及びアノードをカソードのところで生じた窒素で溢れさせる第2の弁(346)が必要であり、それにより、これら弁のうちの1つが故障した場合(タイミングを逸した開放又は漏れ)安全性が損なわれる。
【0008】
米国特許出願公開第2009/0220832号明細書は、燃料電池スタックであって、水素バッファタンク、カソードへの再循環ループ及びスタックの内部回路を大気から隔離する弁を有する燃料電池スタックを提案している。この出願公開明細書は、動作停止の際及びその後の休止期間中、水素の枯渇を阻止して長期間にわたる電極の酸化を阻止する重要性を例証している。しかしながら、上述の動作停止手法では、水素/酸素混合物が過渡的に必要であり、それにより安全性が損なわれる。さらに、上述のコンポーネントの提案された配置状態又は構成及び手法は、窒素‐水素混合物ではなく、事実上純粋な水素で溢れさせるようになっており、これは、安全でもなければ経済的でもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第06/012954号パンフレット
【特許文献2】米国特許第6939633号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2009/0220832号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、燃料電池スタックを動作停止の際にその劣化を回避する条件下に保つのを達成すると共に燃料電池スタックを制御され且つ迅速な仕方で、即ち、内部電気化学プロセスを停止させる仕方で動作停止させて水素/窒素混合物が燃料電池スタックの動作停止後に燃料電池スタック内に存在したままであるようにすると共に装置構成を大幅に複雑にしないで又は安全性を損なわないでこのようにする方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、各々が高分子イオン交換膜の各側にアノード及びカソードを有する電気化学セルのスタック、電気化学セルのアノード側に設けられた燃料ガス供給システム及び電気化学セルのカソード側に設けられたオキシダントガス供給システムで形成された燃料電池スタックであって、燃料ガス供給システムが燃料ガス貯蔵タンクに連結可能な遮断弁、アノードに通じる供給チャネル及び燃料ガス再利用ループを有するような燃料電池スタックを提案する。
【0012】
本発明は、燃料電池スタックであって、燃料電池スタック用のオキシダントガス供給システムがカソードに通じるオキシダントガス供給チャネル及びオキシダントガス再利用ループを有する燃料電池スタックに関する。本発明は、純粋酸素又は酸素に非常に富んだガスで動作するよう設計された燃料電池スタック及びオキシダントガスとして大気で動作するよう設計された燃料電池スタックに同様に利用でき、その場合であっても、本発明の燃料電池スタックは、かかるオキシダントガス再利用ループを有する。
【0013】
本発明は、各々が高分子イオン交換膜の各側にアノード及びカソードを有する電気化学セルのスタック、電気化学セルのアノード側に設けられた燃料ガス供給システム及び電気化学セルのカソード側に設けられたオキシダントガス供給システムで形成された燃料電池スタックであって、燃料ガス供給システムは、
・燃料ガス貯蔵タンクに連結可能な遮断弁及び燃料ガス用の圧力調整弁、
・アノードに通じる供給チャネル、
・燃料ガス用の圧力調整弁の下流側で供給チャネルで終端する燃料ガス再利用ループ、
・カソードにオキシダントガスを供給する供給チャネル、
・オキシダントガス再利用ループ、
・加圧大気を充填する装置、及び
・大気から隔離可能であり、カソードに通じる供給チャネル及び再利用ループを大気から隔離することができる手段を有する、燃料電池スタックにおいて、オキシダントガス供給システムは、燃料ガスを蓄積する追加燃料ガス蓄積チャンバを有し、追加燃料ガス蓄積チャンバは、遮断弁の下流側で且つ圧力調整弁の上流側で燃料ガス供給チャネル網に連結されていることを特徴とする燃料電池スタックを提案する。
【0014】
かくして、本発明の燃料電池スタックについて提案された構成により、燃料ガスバッファタンクの内容物を精巧に制御された仕方で排出することができる。燃料ガスのための追加の蓄積チャンバは、その容積を減少させるために又は容積が同一であるとすると、多量の水素を貯蔵するよう供給回路内の圧力が最も高い箇所に配置される。
【0015】
本発明の一観点によれば、供給システムは、加圧大気を充填する装置を有する。このことは、本発明の実施形態の全てに関し、即ち、純粋酸素又は非常に酸素に富んだガスで動作するよう設計された燃料電池スタック及びオキシダントガスとして大気圧で動作するよう設計された燃料電池スタックに関し、大気は、カソードで終端するオキシダントガス供給チャネル内に送り込まれる前に圧縮されることを意味する。
【0016】
加圧大気充填装置は、例えば、以下の主要なコンポーネント、即ち、空気取り入れオリフィスで始まるライン並びにこのライン上に設けられた遮断弁及びブースタポンプ又は圧縮機を有し、かかるラインは、それ自体燃料電池スタックで終端しているオキシダントガス供給回路で終端する。
【0017】
本発明の別の観点によれば、大気からの隔離手段がこの場合も又提供され、かかる手段により、カソードに通じる供給チャネル及び再利用ループを大気から隔離することができる。大気からのこれら隔離手段は、加圧大気充填装置を大気から隔離する少なくとも1つの隔離弁を有する。一般的に言えば、大気からのこれら隔離手段は、逆止弁により提供され、かかる逆止弁は、カソード回路を周囲媒体、即ち、一般的には大気から隔離するようカソード回路の上流側及び下流側に配置されなければならない。
【0018】
本発明の更に別の観点によれば、オキシダントガス供給システムは、酸素貯蔵タンクへのカソード供給チャネルの連結部及び連結部に設けられていて、大気からの隔離手段の一部をなす遮断弁を更に有する。
【0019】
本発明は又、燃料電池スタックを動作停止させる方法であって、燃料電池スタックは、各々が高分子イオン交換膜の各側にアノード及びカソードを有する電気化学セルのスタックで形成され、燃料電池スタックは、電気化学セルのアノード側に設けられた燃料ガス供給システム及び電気化学セルのカソード側に設けられたオキシダントガス供給システムを有し、燃料電池スタックは、電圧を電力ラインに送り出し、動作停止方法は、次のステップ、即ち、
・(i)燃料ガス及びオキシダントガスの供給を遮断するステップと、
・(ii)適切な指標により表示器がオキシダント供給システム内のオキシダントガスが十分に消費されなかったことが指示される限り、電流を流し続けるステップと、
・(iii)窒素富化ガスをオキシダントガス供給システム中に注入するステップとを有することを特徴とする動作停止方法に関する。
【0020】
ステップ(i)、(ii)及び(iii)は、全て互いに付随して実施される。以下の説明を一層良く理解するためには、ステップ(ii)とステップ(iii)は、連続したステップであり、2つのステップ(i)及び(ii)は、互いに付随して実施される。また、本発明を説明する動作停止方法の説明においても示されているようにステップ(iii)後に燃料ガス吸引ステップを提供することが有用である。
【0021】
本発明の動作停止方法により、水素は、消弧後、即ち、酸素は全て消費され、カソード回路が窒素で満たされた後、高分子イオン交換膜を通ってカソード中に極めてゆっくりとしか拡散しない。したがって、酸素と水素は、相当多くの量の状態で同時に存在することは決してない。水素供給は、オキシダントガス供給の遮断と同時に又はほぼ同時にこの方法の開始から完全に中断される。燃料ガス供給を中断するステップは、オキシダントガス供給を中断するステップに対して幾分遅延されても良いが、大幅に遅延されてはならない。以下の説明は、オキシダントガスの供給と燃料ガスの供給が同時に中断される場合にのみ制限されており、これは、制御するのが最も簡単な手法であり、完全に満足の行く結果をもたらす。アノードのところの残留水素は全て、所望のH2/N2混合物の生成を保証するために節約状態で用いられる。
【0022】
注目されるべきこととして、上記において提案した動作停止方法は、追加の燃料ガス蓄積チャンバが燃料ガス供給回路中の任意の箇所、即ち、再利用回路内又は気水分離器とエゼクタとの間の回路内において遮断弁と燃料電池スタックとの間の任意の箇所に配置される燃料電池スタックに及ぶ。しかしながら、追加燃料ガス蓄積チャンバを上述の燃料電池スタックの説明において指定したようにその容積を減少させるために圧力が最も高い回路中の箇所に配置することが有利である。
【0023】
電解質に関し、本発明は、高分子膜の形態の電解質を有する形式(即ち、PEFC型のうちの1つ)の燃料電池スタックに利用される。水素の不十分な供給は、PEFCが極めて敏感な問題である。さらに、燃料電池スタックに大気ではなく純粋酸素を供給することにより、多くの利点、特に、定常状態の用途とは異なり、特に間欠的動作条件を必要とすることが知られている輸送車両、例えば自動車における用途に特に有益な電流需要に対する燃料電池スタックの動的応答が得られる。以下に説明する燃料電池スタック及び動作停止方法は、自動車に搭載されて実施されるのに特に適していることが判明している。
【0024】
以下の説明は、本発明の観点の全てが添付の図面によって明確に理解されるようにするのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】純粋酸素が供給される本発明の燃料電池のスタックの略図である。
【図2】大気が供給される本発明の燃料電池スタックの略図である。
【図3】本発明の燃料電池スタックの消弧の際の種々のパラメータの挙動を示す図である。
【図4】本発明の燃料電池スタックの消弧の際の種々のパラメータの挙動を示す図である。
【図5】本発明の燃料電池スタックを動作停止させる方法の流れ図である。
【図6】電気化学反応器の端板の壁を通って燃料電池スタックのエンクロージャに入り込んだセンサのうちの取り付け状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
安全上の理由で、燃料電池スタックは、一般に、動作停止中、閉鎖状態のままであるH2遮断弁を備えている。この場合、消弧手順の間、H2をタンク内に引き込むことができない。したがって、動作停止手順は、安全弁から実際の燃料電池スタックに進む供給ラインのチャネル、ダクト、内部脱湿リザーバ及び他のコンポーネント内の残留水素だけで実施されなければならず、これらコンポーネントは、以下、一般に、燃料電池スタックのための供給回路と称する。
【0027】
図1は、高分子膜の形態をした電解質を有する(即ち、PEFC又はPEM(プロトン交換膜(固体高分子膜とも呼ばれる)型)の燃料電池スタック1を示している。燃料電池スタック1には2種類のガス、即ち、燃料(車両上に貯蔵され又は車両上で発生する水素)とオキシダント(純粋酸素)が供給され、これらガスは、電気化学セルの電極に供給される。電気負荷14が電力ライン10を経て燃料電池スタック1に結合されている。説明を簡単にするために、図1は、本発明の理解に有用なガス回路コンポーネントしか示していない。
【0028】
アノード回路の説明
【0029】
この装置は、アノード側に燃料ガス供給回路11を有している。純粋水素(H2)タンク11Tが見え、これは、遮断弁110を通り、次に圧力調整弁117を通り、次にエゼクタ113を通り、次にアノードで終端する燃料ガス供給チャネル11Aを通る供給ラインによって燃料電池スタック1のアノード回路の入口に結合されている。圧力プローブ111が燃料電池スタック1の入口のすぐ手前で供給チャネル11A内に設けられている。燃料電池スタックによって消費されなかった水素を再利用する回路11Rが水素(燃料)供給回路11の一部をなしており、この回路は、燃料電池スタック1のアノード回路の出口に結合されている。気水分離器114が再利用回路11R内に設けられている。エゼクタ113及び再循環ポンプ115は、消費されなかった水素を再利用し、これをタンクから来た新鮮な水素と混合する。
【0030】
追加の燃料ガス蓄積チャンバ116も又見え、これは、遮断弁110と圧力調整弁117との間で燃料ガス供給回路11の管系に設けられている。追加の蓄積チャンバは、この好ましい実施形態では、その容積を減少させるために又は容積が同一であるとすると、多量の水素を貯蔵するよう供給回路内の圧力が最も高い箇所に配置される。注目されるべきこととして、追加の燃料ガス蓄積チャンバは、燃料ガス供給回路中の任意の箇所、即ち、再利用回路内又は気水分離器とエゼクタとの間の回路内において遮断弁と燃料電池スタックとの間の任意の箇所に配置される。しかしながら、追加燃料ガス蓄積チャンバをその容積を減少させるよう圧力が最も高い回路中の箇所に配置するのが有利である。さらに、圧力調整弁の上流側の位置は、蓄積チャンバからの制御された排出を可能にする。
【0031】
大気に通じると共に好ましくは気水分離器114の下で燃料ガス再利用ループ11Rに結合されているライン上に設けられた吸引ポンプ119及び遮断弁118も又見える。図1に示されているこの正確な位置での連結により、遮断弁118を制御することによって3つの機能、即ち、水排出、パージ及び水素吸引を実行することができる。しかしながら、この実施形態の細部は、本発明を限定するものではない。本発明の特定の水素吸引機能を実行するため、遮断弁118を備えたラインは、圧力調整弁117の下流側の任意の箇所に結合可能である。
【0032】
カソード回路の説明
【0033】
この装置は、カソード側に設けられたオキシダントガス供給回路12を更に有している。純粋酸素(O2)タンク12Tが見え、これは、遮断弁120を通り、次に圧力調整弁127を通り、次にエゼクタ123を通り、次にカソードで終端するオキシダントガス供給チャネル12Aを通る供給ラインによって燃料電池スタック1のカソード回路の入口に結合されている。圧力プローブ121が燃料電池スタック1の入口のすぐ手前で供給チャネル12A内に設けられている。燃料電池スタックによって消費されなかった酸素を再利用する回路12Rが酸素供給回路12の一部をなしており、この回路は、燃料電池スタック1のカソード回路の出口に結合されている。気水分離器124が再利用回路12R内に設けられている。エゼクタ123及び再循環ポンプ125は、消費されなかった酸素を再利用し、これをタンクから来た新鮮な酸素と混合する。
【0034】
パージ弁122が気水分離器124の底部に連結されている。かくして、この弁は、2つの機能、即ち、水の除去及び大気への酸素回路のガス抜きを実行する。変形例として、このパージ弁122は、酸素回路を気水分離器124内の水の排出とは独立して大気中にガス抜きすることが望ましい場合、燃料電池スタック1と気水分離器124との間でラインから枝分かれしたちょうど燃料電池スタック1のガス出口のところに連結されても良い。全ての場合において、気水分離器124及び気水分離器114からの水の排出機能が保証されなければならないことは言うまでもない。
【0035】
本発明の燃料電池スタックは、カソード回路を加圧大気を充填する充填装置12Nを有している。充填装置12Nは、次のコンポーネント、即ち、空気取り入れオリフィス126で始まるライン並びにこのライン上に設けられた遮断弁128及びブースタポンプ129を有し、このラインは、燃料電池スタック1のすぐ上流側で酸素供給回路で終端している。加圧大気充填装置12Nは、オキシダントガス供給回路12のループ中の任意の箇所で終端しても良いことは指摘されるべきであり、このループは、再利用回路12R及びエゼクタ123を燃料電池スタック1に連結しているラインによって形成されている。
【0036】
図2は、オキシダントガスがこの時点では大気であるという点で図1の燃料電池スタックとは異なる燃料電池スタック1bを説明に簡単にするために、図2は、本発明の理解に有用なガス回路コンポーネントしか示していない。燃料ガス供給システムは、図1の燃料ガス供給システムと同一である。その結果、燃料ガス供給システムの説明を繰り返すことは不要であり、したがって、用いられる参照符号は、図1の参照符号と共通している。
【0037】
カソード側のオキシダントガス供給回路12bに関し、第1の気付く差は、加圧酸素タンクへの連結部が存在しないことである。加圧大気を充填する装置12Nbが見え、この装置は、図1の装置12Nと極めて似ている。この装置は、空気圧縮機129bを有し、空気圧縮機129bは、ついでに言えば、本発明との関連において、通常の使用において燃料電池スタックに大気を供給するのに役立つブースタポンプ(図1のブースタポンプ129と同一である)として用いられる。本発明との関連において、圧縮機129bは、ブースタポンプとして用いられる。この場合、圧縮機は、通常の作動中、燃料電池スタックに空気を供給する機能と消弧中、加圧空気でブーストする機能の2つの機能を実行することができるということが前提条件とされている。注目されるべきこととして、空気圧縮機が例えば圧力レベルに適合していないという理由でブースタポンプ機能を実行することができない場合、加圧空気を充填する第2のラインが設けられ、この第2のラインは、消弧中にのみ用いられる。もう1つの差は、燃料電池スタックによって消費されなかった空気を再利用する回路12Rがエゼクタ、加圧大気を充填する装置12Nの下流側に位置した単一の分岐連結部123bを介さないで供給チャネル12Aに直接結合されていることである。もう1つの差は、再利用回路12Rが気水分離器を有していないということである。燃料電池スタックの下流側で圧力降下を制御し、それにより燃料電池スタック内に所望の圧力を生じさせることができる圧力調整弁122bが見える。この圧力調整弁122bは、遮断弁128と組み合わせ状態で、消弧中及び消弧前にオキシダント回路を大気から隔離することができる。
【0038】
消弧手順の説明
【0039】
以下に説明する手順により、燃料電池スタックを消弧させて、窒素タンクを必要としないで、水素/窒素混合物を燃料電池スタック内に入れた状態での貯蔵を保証することができる。
【0040】
動作停止手順は、本質的に、次のように説明する種々の指令の結果として生じる最高3つの段階で構成される。
‐第1段階:残留酸素消費段階、この段階は、燃料ガス供給及びオキシダントガス供給の遮断時に、そして、燃料電池スタックの端子のところの電流ISを流すことによって起こる。この電流の流れISは、適切な指標により表示器がオキシダント供給システム内のオキシダントガスが十分に消費されなかったことが指示される限り、維持される。適当な指標は、例えば、燃料電池スタックの端子にかかる電圧である。
‐第2段階:カソード回路の窒素を充填したときに生じる中和段階。本明細書において説明する実施形態では、窒素は、大気中の窒素である。この場合、大気の強制注入が起こり、それによりこの場合も又、少量の酸素が導入され、この酸素の消費は、電流の流れによって制御されなければならない。
‐第3段階:この段階は、オプションであり、この段階の間、電気化学プロセスが完全に停止された後、過剰の燃料ガスが強制的に除去される(この場合、過剰水素の強制吸引)。強調されるべきこととして、本発明により、この吸引は、燃料電池スタックを重大な結果になることが知られている水素の不十分な供給を回避するための予防措置が取られている状態に至らせた後にのみ起こる。
【0041】
図3は、純粋酸素で動作する有効面積が300cm2の20個のセルから成る燃料電池スタックで実際に測定された動作停止中の3つの段階のシーケンスを示している。x軸は、秒で表された時間を示し、動作停止手順が開始した時点では基準(0)となっている。この図は、以下の量の変化を窒素が発生する動作停止中の時間の関数として示している。
‐曲線1、この曲線のy軸は、「スタック電流[A]」で表示され、アンペアで表された燃料電池スタックから流れる電流を示している。
‐曲線2、この曲線のy軸は、「スタック電圧[V]」で表示され、ボルトで表された燃料電池スタックの端子にかかる全電圧を示している。
‐曲線3、この曲線のy軸は、「圧力アウト[バール]」で表示され、バール絶対圧(bara)で表されたアノードコンパートメント(水素:実線)及びカソードコンパートメント(酸素:点線)内の圧力を示している。
‐曲線4、この曲線のy軸は、「H2濃度[%]」で表示され、体積%で表されたアノードコンパートメント(水素:実線)及びカソードコンパートメント(酸素:点線)内の水素濃度を示している。
【0042】
酸素供給が遮断された時点(遮断弁110を閉鎖し、水素供給を遮断したのと同時に遮断弁120を閉鎖することによって)から始まる消弧の第1段階の際(図2に「酸素減少」と記された0〜35秒)、まず最初に、燃料電池スタック内の残留純粋酸素を部分的にパージ弁122の瞬間的開放により大気に部分的に逃がし、次に、電流ISを流すことにより残りを消費する。パージ弁122は、空気がカソードに入り込むのを阻止するよう消弧手順の残部の間及び更に休止中、閉鎖状態のままである。
【0043】
図5は、本発明の動作停止方法の必要不可欠の指令を概略的に示している。理解できるように、燃料電池スタックを動作停止させる指令後(停止命令)、自動燃料電池スタック制御装置は、ガスの供給を遮断することにより、即ち、例えば、遮断弁110,120と遮断弁128を同時に閉鎖することにより(図1に示されている燃料電池スタックの場合)又は例えば遮断弁110,128を同時に閉鎖することにより(図2に示されている燃料電池スタックの場合)動作停止方法を開始する。
【0044】
第1の曲線が示しているように、この電流ISは、まず最初に、50Aで生じる。燃料電池スタックの電圧Vが実験的に選択されたしきい値VSを下回った時点から(約25秒後)、制御装置は、燃料電池スタックが電圧降下を始めるのと同時に電流ISを次第に減少させる。
【0045】
図3の第3の曲線は、酸素コンパートメント内の圧力が500ミリバール絶対圧未満まで下がっていることを示している(燃料電池スタックの分野において通常用いられているように、“mbara ”は、「ミリバール絶対圧」を意味し、最後の文字“a”は「絶対圧」を表している)。しかしながら、電流発生と関連した消費量にもかかわらず、水素圧力は、追加燃料ガス蓄積チャンバ116が設けられているので1.75バール絶対圧のままである。
【0046】
35秒の時点(図3の時間軸線上の「35」)で、遮断弁128を空気ブースタポンプ129が作動されるのと同時に開き、それによりカソード回路を2.2バール絶対圧(パラメータ1)の圧力まで加圧し、この圧力に50秒の時点で達する。このシーケンスは、図5に概略的に示されており、図5では、燃料電池スタック電圧がもはやV0を超えない(2ボルト)ようになるやいなや制御装置は、「空気ブースト作動」という指令を出す。このようにして空気により供給される酸素により、燃料電池スタック電圧は、再び上昇する。電流は、流され続け(図3は、電流の流れが幾分電圧の上昇に伴って増大することを示している)、ついには、燃料電池スタックの電圧が再びゼロになる。
【0047】
本発明の動作停止方法は、有利には、電流の流れがまず最初に第1のレベルで生じ、次に、燃料電池スタックの或る特定のセルが電圧降下が開始すると同時に減少し、最終的に、燃料電池スタックの電圧が0Vに近づくとゼロになるよう制御される。したがって、この目的のため、燃料電池スタックにスタックを構成するセル、即ち、燃料電池スタックの少なくとも或る特定のセルの電圧を個々にモニタするのに必要なセンサ及び電気接続部を装備することが必要である。
【0048】
このシーケンスは、図5に概略的に示されており、図5では、理解されるように、燃料電池スタックの電圧が再び2Vを超えるやいなや且つそうである限り(V0は、約2ボルトである)、制御装置は、流れている電流ISをそのまま維持し、圧力プローブ121により出される信号及び適当な回路により、制御装置は、オキシダントガス供給回路内の実質的に一定の圧力を保つために空気ブースタポンプ129の作動を制御する。
【0049】
ところで、以下に詳細に説明すると共に図3及び図4に示された曲線の全ては、オキシダントとして純粋酸素が供給される燃料電池スタックを動作停止させる方法に関しており、窒素富化ガスは、大気であることが思い起こされるべきである。しかしながら、指摘されるべきこととして、一方において、窒素富化ガスは、純粋窒素であっても良く、当然のことながら、この場合、曲線は、「35秒」の時点の後では異なる外観を有する。というのは、酸素の新たな供給に伴って窒素注入が行なわれないからである。
【0050】
上述の場合、即ち、オキシダントとして純粋酸素が供給される燃料電池の場合に説明を戻す。電流が消費されているとき、カソードのところに存在する空気は、燃料電池スタックの端子にかかる電圧が65秒の時点でゼロになるということにより明らかなように、酸素がますます減少し、その後、最終的に、主として窒素だけを含む。
【0051】
この時点で(酸素供給及び水素供給の遮断後65秒の時点で)、空気ブースタポンプ129を停止させ、水素吸引ポンプ119を遮断弁118が開かれるのと同時に作動させ、それにより過剰水素を除去する。吸引ポンプ119は、水素圧力が0.5バール絶対圧(パラメータ2)に達するまで作動状態のままである。この圧力に75秒の時点で達する。
【0052】
このシーケンスは、図5に概略的に示されており、図5では、理解できるように、燃料電池スタックの電圧がもはや2Vを超えなくなるやいなや、制御装置は、「空気ブースト停止」指令、「IS中断」指令及び「H2吸引作動」指令を出し、これに対し、圧力は、圧力プローブ111により出される信号によりモニタされ、燃料電池スタックのアノード回路の圧力がもはや0.5バール絶対圧を超えない時点から、制御装置は、「H2吸引停止」指令を出す。
【0053】
次に、この方法の実施を終わらせ、ブースタポンプ129及び吸引ポンプ119を停止させ、遮断弁118,128を閉鎖してアノード回路及びカソード回路が大気から隔離されるようにする。
【0054】
消弧手順方法全体を通じて、カソード側の再循環ポンプ125は、ガスの良好な均質性を保証すると共に酸素の完全な消費を保証するよう作動状態に保たれ、それにより、局所的に高い酸素濃度を持つゾーンの発生が阻止される。アノード側の再循環ポンプ115も又、局所的な水素枯渇を回避するよう作動状態に保たれる。消弧期間全体を通じて、水素枯渇は、第4の曲線によって示されている水素消費量が示すように回避される。濃度は、水素吸入が始まる65秒の時点までアノード回路内では85%を超えたままである。
【0055】
図4に示されているように、図4は、異なる時間尺度で同一の動作停止方法を示しており、かかる動作停止により、パラメータを長期間にわたり、動作停止方法の終わりに及び圧力及び濃度のバランスを膜を通る自然な透過により取られた後にモニタすることができ、水素濃度は、安定化して膜の各側で約10%になる。したがって、推定によれば、燃料電池スタックの2つのコンパートメントは、最終的には、10%水素/90%窒素混合物で満たされ、それにより、燃料電池スタックは、このための適当な耐久性条件及び安全性条件下において休止段階にあるようにする。
【0056】
また、注目されるべきこととして、圧力は、約1.5バール絶対圧で均衡し、それにより冷却後であっても大気圧に対して僅かに高い圧力を保証し、それにより燃料電池スタック中への空気のゆっくりとした侵入が最小限に抑えられるようにする。上述した最終の濃度及び圧力は、2つのパラメータ、即ち、カソードの空気充填圧力及び最終の水素吸引圧力の調節の結果として得られる。当然のことながら、2つのパラメータについて他の設定値が可能である。
【0057】
上述の方法では、最初の2つの段階(残留酸素消費及び窒素注入)は、連続して行なわれる。しかしながら、これら2つの段階は、付随して行なわれても良い。消弧の迅速さを高めるため、これら2つの段階を同時に生じさせることが望ましい。最終の段階(過剰水素吸引)は、常に必要不可欠であるというわけではない。水素バッファタンクは、事実、方法が上述したように所望の量の水素で終わるよう設計されても良い。
【0058】
燃料ガス供給回路11の内部容積は、オキシダントガス供給回路12の内部容積よりも大きいよう設計され、通常の作動の際、オキシダントガス供給回路12内の圧力及び燃料ガス供給回路11内の圧力は、オキシダントガス供給回路12の内部容積及び燃料ガス供給回路11の内部容積が一定であるとすれば、燃料ガス供給回路内の消弧プロセスの開始時に常時利用できる燃料ガスのモル数が消弧プロセス全体の間、即ち、カソード回路が本質的に窒素で所望の圧力状態にて満たされるまで、オキシダントガス供給回路内で消費される酸素のモル数の2倍以上であるようなものである。
【0059】
かくして、計算して実施されるべき簡単な改造例では、燃料ガス供給回路は、燃料電池スタックの消弧がオキシダントガス供給回路内の酸素を排出した結果として生じるのに十分なガスを常時収容するようにすることが可能である。
【0060】
アノード回路12及びカソード回路11の容積をどのようにして計算するかについて説明する。mo2が消弧全体にわたり完全に消費されなければならない例えばモルで表された酸素の量であるとする。これは、消弧の開始時に、パージ可能な量に窒素を発生させるためにブースタポンプ129により導入される空気の導入量を加えた量よりも少ないカソード回路内の残留酸素である。
【0061】
ガス消費量が水素側の2倍であるので、アノード回路及びカソード回路の容積は、次式が成立するよう設定されなければならない。
〔数1〕
h2≧2×mo2+resh2
上式において、mh2は、燃料ガス供給回路(管、チャネル、双極板、遮断弁110の下流側の供給ライン)の内部容積内で消弧の開始時に利用できるモルで表された水素の量であり、resh2は、これ又モルで表された残留酸素の所望の量である。最終的に必要な水素の量mh2は、追加の燃料ガス蓄積チャンバ116の容積を調節することにより得られるであろう。
【0062】
量mo2及びmh2は、一般的に認められているように、寸法決めすることが必要な対応の回路の容積に関連付けられるが、これら量は、かかる回路内に生じている圧力にも依存する。これは、簡単な手法である。というのは、通常、圧力の関数としてガスの温度及び水素密度の非直線性を考慮に入れることも又必要だからである。しかしながら、圧力を考慮に入れることは、所望の精度を得る上で十分であることが分かっている。かかる回路容積は、遭遇する場合のある最も望ましくない圧力及び温度条件、即ち、消弧開始時における水素回路中の最も低い圧力及び酸素回路中の最も高い残留圧力について計算されなければならない。
【0063】
しかしながら、供給圧力が変化する場合、水素及び最終吸引力が過剰な状態でこの方法を実行することにより、水素枯渇が生じないようになると共に最終条件の良好な再現性が得られる。
【0064】
注目されるべきこととして、本発明によれば、窒素は、空気の減少に起因して生じ、空気の酸素含有量は、異常な熱の発生なく又は触媒コンポーネントを劣化させる恐れなく(米国特許第6,939,633号明細書に記載された発明とは異なり)通常の電流発生反応に従って燃料電池スタック内で反応している。
【0065】
動作停止方法の終わりに(酸素供給(120)及び水素供給(110)の遮断後75秒の時点で)、アノードとカソードの間には圧力差、上述の例では、カソードのところに2.2バール絶対圧、アノードのところには0.5バール絶対圧が相変わらず存在する。圧力が均衡するのに必要な時間は、有利には、膜の透過性の指標を与えることができる。膜の透過性は、確かに、燃料電池スタックの健全状態を極めて良く示すパラメータである。膜の穴が外見上検出されないことも又、安全性を損なう。したがって、膜の透過性の永続的な監視も又、安全上の目的で有用である。
【0066】
例えば、各動作停止後、圧力差が500ミリバールまで低下するやいなや、燃料電池スタックを制御するユニットは、次の60秒にわたり圧力の変化を測定する。得られた値は、燃料電池スタックの経年変化につれて変化するので優れた指標となる。
【0067】
圧力差によって透過性を測定する原理は従来通りであるが、かかる測定原理では、専用の手動手順及び専用装置(例えば、外部窒素入り瓶)が必要になる。これとは対照的に、本発明は、各消弧後に透過性を自動的に測定することができる手段を提供し、これは、燃料電池スタックをモニタして診断する上で相当有利である。
【0068】
かくして、別の観点によれば、本発明は、燃料電池スタックの高分子イオン交換膜の透過性の状態を検出する方法を提供する。これとの関連において、米国特許出願公開第2004/124843号明細書は、燃料電池スタックの各イオン交換膜の個々の透過性を算定する方法を既に教示している。これを行なうため、アノードに水素を供給し、カソードに窒素又は別の不活性ガスを供給する。ネルンストの式によれば、膜の各側におけるガスの性状の差は、とりわけこれらガスの性状及び濃度又は分圧に依存するポテンシャル差を発生させる。膜の透過性が特に高い場合、水素は、カソード側で拡散し、又その逆の関係が成り立つように思われ、かくして、膜の各側におけるガス混合物の性状が変えられ、その結果、このセルについて測定されたポテンシャル差も又変えられる。この方法は、燃料電池スタック内に設けられた1枚又は2枚以上の膜が透過性上の欠陥を有しているかどうかを検出するために、電圧の測定、アノード回路内の圧力及びカソード回路内の圧力の測定、ネルンストの式を解くための温度測定を必要とする。
【0069】
しかしながら、この方法には、以下の実施上における問題がある。
‐アノードのところの純粋水素及びカソードのところの純粋窒素に関する理論的ポテンシャル差がせいぜい数10mVであり、これは、精度の高い電圧測定装置が必要であることを示している。
‐透過性の算定では流量測定が必要であり、これは、実際には、ガス混合物について精度を高くした状態で実施するのが困難である。
‐カソードのところの最も微量の残留水素であっても、これが予測電圧レベルよりも極めて大きい電圧差を生じさせ、したがって測定値を歪める場合があるが、実際には、とりわけ膜電極組立体(MEA)内に収容された吸着剤支持体、例えばGDL(ガス拡散層)の存在している場合、ガスを完全になくすようにすることは極めて困難であることが周知である。
‐最後に、この方法では、供給システムを状態調節する特定の手法が実施され、窒素又は別の不活性ガス源が利用できるようにすることが必要である。したがって、この方法は、とりわけ搭載用途の場合に自動化するのが困難である。
【0070】
燃料電池スタックの高分子イオン交換膜の透過性の状態を検出する本発明の方法であって、燃料電池スタックは、各々が高分子イオン交換膜の各側にアノード及びカソードを有する電気化学セルのスタックで形成され、燃料電池スタックは、電気化学セルのアノード側に設けられた燃料ガス供給システム及び電気化学セルのカソード側に設けられたオキシダントガス供給システムを有し、この方法は、燃料電池スタックの各動作停止後、アノード回路内の圧力とカソード回路内の圧力が均衡状態になる速度及びアノード及びカソード回路内の圧力差がしきい値PSよりも低い値まで減少した時点を測定するステップと、所定の期間tCにわたりアノード及びカソード回路内の圧力の変化を測定するステップと、所定の期間の終わりにアノード及びカソード回路内の圧力差の値(制御圧力PCと呼ばれる)を記憶するステップと、制御圧力PCが警告しきい値PAを下回ると警告を出すステップとから成る。
【0071】
図4を参照し、特にアノード側及びカソード側の圧力の変化を示す曲線を参照すると、これら曲線相互間の差により、これら2つの回路相互間の圧力差の直接的測定が可能である。約300秒の時点の後、500ミリバールのしきい値PSに達することが理解できる。次に、追加の期間tCの終わりに、例えば、60秒の時点における圧力差を系統的に、即ち燃料電池スタックの各動作停止時に記録し、それによりこの例では、即ち、図3及び図4の曲線を記録するために用いられた燃料電池スタックに関し、300ミリバールの制御圧力PC、即ち、アノード及びカソード回路のところの140ミリバールの圧力差の減少が与えられている。したがって、所定の期間tCの終わりにおける制御圧力値PCをイオン交換膜の劣化と相関させる実験的設計をセットアップするだけで十分であり、それにより、燃料電池の経年変化を自動的にモニタすることができる。
【0072】
有利には、水素濃度センサC11をアノード回路中に挿入すると、消弧方法の実施中、水素枯渇が生じているかどうかをチェックし、該当する場合には、ブースタポンプによる空気の注入を制限することができ、かかる空気注入は、例えば水素圧力が異常に低く、水素枯渇の恐れを生じさせないで消弧方法を完了させるために十分な量の水素を保証しない場合に生じることがある。かかる水素センサC11は、図1及び図2に示されているように設けられており、かかる水素センサについては図6を参照して以下に具体的に説明する。
【0073】
図6は、燃料電池スタックC25に隣接して端板C17内に設けられた水素取り入れチャンバC20を示しており、セル内では、燃料電池スタックC1の電気化学反応が起こる。チャンバC20内を源とする水素ガスを入口C26を介して供給するダクトC24が隣り合うセルを横切っている。
【0074】
熱伝導率の測定を利用した水素濃度センサC11は、システム端板C17の上側側面C27に取り付けられ、より詳細にいえば、ドリル穴C28内に設けられており、中空端部品C31がシールC49により形成された加圧ガスに対する適当な封止を行なった状態でドリル穴C88を貫通しており、この端部品内に、水素濃度センサC11の高感度ユニットC30が収納されると共に保護されている。高感度ユニットC30のヘッドは、高感度回路のウェーハC32から成り、このウェーハは、端部品C31の下側部分に設けられたチャンバC36内に設けられている。チャンバC36は、中空端部品C31の端壁に穴あけされたチャネルC34を経て燃料電池スタック内のチャンバ20と連通しているウェーハC32(その一方のフェースは、チャンバC36内のチャネルC34の出口の方へ向けられている)は、チャネルC34を経てチャンバ20の雰囲気と直接的接触状態にある。重要な観点によれば、フィルタC37がチャンバC36のチャネルC34の入口に設けられており、その目的は、チャンバ20のガスと混ざり合う場合のある液体としての水と接触しないようウェーハC32を隔離することにある。フィルタC37は、ガスを通すが液体としての水を通さない材料で作られている。「ゴアテックス(GORE-TEX(登録商標))」という商標名で市販されている織布が例えばかかる使用においてその能力を発揮するものとして知られている。これは、本質的に、テフロン(Teflon(登録商標))ヤーンの合成布から成る。
【0075】
水素濃度センサC11のケーシングは、中空端部品C31から見て反対側に、円筒形スリーブC48を有し、この円筒形スリーブは、板C17の外部側壁27からこの壁C27内に固定されたスラストフランジC35によって突き出ており、円筒形スリーブそれ自体の延長部として管状シェルC40が設けられている。熱伝導率の測定に基づく水素濃度に関する情報を生じさせることができる処理ユニットC12は、プリント回路板C42に取り付けられた回路により形成され、このプリント回路板の接触ピンは、端部71のところが、円筒形スリーブC48の内部空間内に設けられた支持体C73に取り付けられている連結ハウジングC78内のコネクタC72にプラグ接続されている。一端が連結ハウジングC78内に接続された1組の電気導体C46が円筒形スリーブC48の内部及びフランジC35の中空内部を貫通してセンサC31の端部品の端部のところのチャンバC36の上側部分を閉鎖している絶縁仕切りプラグ又はハウジングC75で終端している。加うるに、各導体C46は、このハウジングC75を通って、チャンバC36内のハウジングの下側フェース上に形成されたそれぞれの接触パッドC77に電気的に接続されている。また、センサの高感度ユニットC30のウェーハC32は、その敏感なフェースがチャンバC34の方に向けられた状態でこの下側フェースに結合されている。
【0076】
プラグC75は、その上面が燃料電池スタックの収納されているスペース内の周囲圧力を受けることを知った上で、チャンバC36内のガスの圧力に耐えることができるよう中空端部品C31内に設けられているスリーブC76の内側に密封的に固定されている。電気導体C46がプラグC75の封止状態を損なわないようガラスビード内に入れられたプラグC75を貫通しており、その結果、チャンバC20内に入っているガスが逃げ出ることがないようになっている。
【0077】
水素濃度センサC11は、これら全ての予防措置を備えた状態で、ウェーハC32周りの高感度ユニットC30及び処理ユニットC12と共に、チャンバC20内に入っているガスの特性、特に、燃料電池スタックの動作にとって極めて重要なパラメータであるその水素含有量を特徴付ける物理的パラメータの現場測定を実施するよう動作可能である。電気化学反応器内で連続的に又はほぼ連続的に現場測定を実施することは、その敏感なヘッドC30が浸漬されているガスの熱伝導率に敏感なセンサを反応器内に組み込むことによって動作上実施可能であることが判明している。このパラメータを測定することは、電気化学反応器、例えば燃料電池の雰囲気中の水素含有量を検出するのに特に適していることが分かる。事実、水素の熱伝導率は、性質的にガスに関して最も高いことが知られている。この特性により、窒素が或る特定の環境内において混合状態で見受けられがちなガス、特に、酸素や窒素のうちで水素を検出することが容易である。思い起こされるように、この種の測定を行うため、センサは、例えば電流が流れる抵抗器によって加熱される材料のウェーハを含む。規定された温度の維持に費やされる電力を測定することにより、ウェーハが浸漬されている雰囲気中の熱の損失によって散逸される電力を測定し、これから周囲ガス混合物の熱伝導率を導き出すことが可能である。
【0078】
別の観点によれば、ガス含有量センサ、例えば上述のセンサC11は、消弧中及び次の休止又は貯蔵期間中、システムの健全性を維持するために燃料電池スタック内で用いられる。具体的に説明すると、燃料電池スタックの制御ユニットは、水素濃度センサC11による指令を受けた定期的測定値に基づいて燃料ガス回路の水素含有量のモニタを続行すると共に水素が常時存在しているかどうかを確かめるようプログラムされている。
【0079】
本出願人によって確認できたこととして、熱伝導率センサ、例えばセンサC11は、酸化に敏感な要素の環境が燃料電池スタックの消弧段階の期間にわたり又は次の休止期間中、水素枯渇状態になるのを阻止するために燃料電池スタックの水素回路内の考慮されるべき比較的低い濃度しきい値(数パーセント)に検出にも極めて役立つ。この状態を阻止するため、消弧方法は、有利には、水素濃度センサC11により送られる水素濃度に関する情報に基づいて実施されるのが良い。これに続く休止段階中、水素濃度センサC11は、測定を実施するよう定期的に「起こされる」。例えば、制御ユニットが水素濃度センサC11により送られた情報に基づいてかかる状態の発生が差し迫っていることを検出したとき、制御ユニットは、圧力調整弁117を開いて蓄積チャンバ116内に入っている水素のうちの何割かの制御された放出を可能にし、その目的は、消弧時又は貯蔵状態において反応器の燃料回路中の水素の量を再びプログラムされたレベルにすることにある。オプションとして、蓄積チャンバが空の場合、純粋水素取り込み弁110を開く。 上述の消弧方法により、燃料電池は、自動的に且つシステムへの何ら介入なしに、米国特許出願公開2004/124843号明細書に記載されている膜透過性測定方法を実施する状態になる。したがって、本発明は、上述の消弧方法に及び、次に、イオン交換膜の各々の個々の透過性の測定を行ない、かかる測定では、燃料電池スタックのセルの各々の個々の電圧を測定し、個々の電圧の各々の変化率を記録し、かかる変化率があらかじめ特定された特有の符号を持っている場合、燃料電池スタックが点検を必要とすることを指示する警告信号を出す。
【0080】
思い起こされるように、米国特許出願公開第2004/124843号明細書に記載されている方法は、燃料電池スタックのアノード回路を水素で溢れさせ、カソード回路を不活性ガスで溢れさせることを提案している。ガスの性状のこの差は、ネルンストの式によれば、圧力及び温度に依存するポテンシャル差を生じさせる。膜の過度の透過性は、アノードとカソードとの間のガス交換を起こさせ、かくして膜の各側におけるガス混合物の性状が変えられ、その結果、測定されたポテンシャル差の変化が生じる。したがって、膜の個々の透過性は、電圧測定値に基づいて算定できる。
【0081】
燃料電池スタックのセルの個々の電圧を測定することは、燃料電池スタックの通常の動作中、個々のセル又は数個のセルから成る1つの群の電圧を記録するために用いられるCVM(セル電圧モニタ)と呼ばれる従来手段である。圧力及び温度測定値も又、燃料電池スタックの通常の動作のために必要である。
【0082】
本明細書において説明する消弧方法は、米国特許出願公開第2004/124843号明細書に記載された膜透過性測定方法を実施するのに必要な他の条件、即ち、アノードのところでの水素の存在及びカソードのところでの不活性ガス、即ち窒素の存在を自動的に生じさせる。これは、各消弧時に且つシステムに何ら介入しないで起こり、追加のタンクは、不要であり、これは、とりわけ自動車用途にとって有利である。
【0083】
本明細書において説明した消弧方法のもう1つの利点は、その結果、本質的には、電気化学反応による残留酸素の完全な消費が行なわれ、それにより酸素がカソードのところに存在しないようになる。しかしながら、米国特許出願公開第2004/124843号明細書に記載された方法に関する上述の欠点のうちの1つは、確かに、この方法が極めて微量の残留酸素であってもこれに敏感であるということにあり、これは、透過率測定値を完全に歪める場合がある。
【0084】
したがって、本明細書において、米国特許出願公開第2004/124843号明細書に記載された方法を用いた個々の透過性測定を本明細書において説明した消弧方法に従って各消弧方法の実施後に自動的に実施することが提案されている。
【0085】
米国特許出願公開第2004/124843号明細書は、アノードのところに水素の連続流及びカソードのところに不活性ガスの連続流を推奨しているが、この米国特許出願公開明細書において説明された消弧方法では、燃料電池スタックは、制限された量のこれら2種類のガスが消弧の終わりに閉鎖状態のアノード及びカソード回路内に閉じ込められた状態になる。その結果、膜の自然の透過性により2つのチャンバのガス混合物が数分後に均質化されたときに必然的に0に向かう傾向のあるポテンシャル差測定値の最終値ではなく、ポテンシャル差測定値の動的変化を考慮に入れることが必要であろう。これは、膜の個々の透過性を評価する上での欠点ではなく、これとは異なり、それにより、ガス流量測定をなしで済ますことが可能である。さらに、この手法は、ガス消費量の点で経済的である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が高分子イオン交換膜の各側にアノード及びカソードを有する電気化学セルのスタック、前記電気化学セルのアノード側に設けられた燃料ガス供給システム及び前記電気化学セルのカソード側に設けられたオキシダントガス供給システムで形成された燃料電池スタック(1)であって、前記燃料ガス供給システムは、
・燃料ガス貯蔵タンク(11T)に連結可能な遮断弁(110)及び前記燃料ガス用の圧力調整弁(117)、
・前記アノードに通じる供給チャネル(11A)、
・前記燃料ガス用の圧力調整弁(117)の下流側で前記供給チャネル(11A)で終端する燃料ガス再利用ループ(11R)、
・前記カソードにオキシダントガスを供給する供給チャネル(12A)、
・オキシダントガス再利用ループ(12R)、
・加圧大気を充填する装置、及び
・前記大気から隔離可能であり、前記カソードに通じる前記供給チャネル及び前記再利用ループを前記大気から隔離することができる手段を有する、燃料電池スタックにおいて、
前記オキシダントガス供給システムは、前記燃料ガスを蓄積する追加燃料ガス蓄積チャンバ(116)を有し、前記追加燃料ガス蓄積チャンバ(116)は、前記遮断弁(110)の下流側で且つ前記圧力調整弁(117)の上流側で前記燃料ガス供給チャネル網に連結されている、燃料電池スタック。
【請求項2】
前記大気からの隔離手段は、少なくとも1つの隔離弁(128)から成る、請求項1記載の燃料電池スタック。
【請求項3】
前記大気からの隔離手段は、逆止弁から成る、請求項1記載の燃料電池スタック。
【請求項4】
前記大気からの隔離手段は、前記加圧大気充填装置を前記大気から隔離する出力弁(122)から成る、請求項1記載の燃料電池スタック。
【請求項5】
前記オキシダントガス供給システムは、酸素貯蔵タンク(12T)への前記カソード供給チャネルの連結部及び前記連結部に設けられた遮断弁(120)を更に有する、請求項1〜4のうちいずれか一に記載の燃料電池スタック。
【請求項6】
前記加圧大気充填装置は、空気取り入れオリフィス(126)、遮断弁(128)及びブースタポンプ(129)を有し、前記空気取り入れオリフィス、前記遮断弁及び前記ブースタポンプは、前記燃料電池スタック(1)で終端している前記オキシダントガス供給回路で終端したライン上に設けられている、請求項1〜5のうちいずれか一に記載の燃料電池スタック。
【請求項7】
前記燃料ガス供給システムは、吸引ポンプ(119)及び遮断弁(118)を有し、前記吸引ポンプ及び前記遮断弁は、大気に通じるライン上に設けられると共に前記燃料ガス再利用ループ(11R)に連結されている、請求項1〜6のうちいずれか一に記載の燃料電池スタック。
【請求項8】
前記吸引ポンプ(119)は、気水分離器(114)の下に連結されている、請求項7記載の燃料電池スタック。
【請求項9】
前記アノード側で燃料ガス供給システム内に設けられた水素濃度センサ(C11)を有する、請求項1〜7のうちいずれか一に記載の燃料電池スタック。
【請求項10】
燃料電池スタック(1)を動作停止させる方法であって、前記燃料電池スタック(1)は、各々が高分子イオン交換膜の各側にアノード及びカソードを有する電気化学セルのスタックで形成され、前記燃料電池スタック(1)は、前記電気化学セルのアノード側に設けられた燃料ガス供給システム及び前記電気化学セルのカソード側に設けられたオキシダントガス供給システムを有し、前記燃料電池スタックは、電圧を電力ライン(10)に送り出し、前記動作停止方法は、次のステップ、即ち、
・(i)燃料ガス及びオキシダントガスの供給を遮断するステップと、
・(ii)適切な指標により表示器が前記オキシダント供給システム内の前記オキシダントガスが十分に消費されなかったことが指示される限り、電流を流し続けるステップと、
・(iii)窒素富化ガスを前記オキシダントガス供給システム中に注入するステップとを有する、動作停止方法。
【請求項11】
前記ステップ(i)、(ii)及び(iii)は、互いに付随して実施される、請求項10記載の動作停止方法。
【請求項12】
前記ステップ(ii)と前記ステップ(iii)は、連続したステップであり、前記2つのステップ(i)及び(ii)は、互いに付随して実施される、請求項10記載の動作停止方法。
【請求項13】
前記ステップ(iii)の実施後に、燃料ガス吸引ステップを更に有する、請求項10記載の動作停止方法。
【請求項14】
燃料電池スタックにオキシダントとして純粋酸素を供給するために、前記窒素富化ガスは、大気である、請求項10〜13のうちいずれか一に記載の動作停止方法。
【請求項15】
前記燃料ガス供給を遮断する前記ステップは、前記オキシダントガス供給を遮断する前記ステップに対して遅延される、請求項10〜14のうちいずれか一に記載の動作停止方法。
【請求項16】
純粋酸素の供給と前記燃料ガス供給は、同時に遮断される、請求項10〜15のうちいずれか一に記載の動作停止方法。
【請求項17】
まず最初に、前記電流の流れを第1のレベルに設定し、次に、前記燃料電池スタックの或る特定のセルが電圧降下を開始し始めるのと同時に減少させ、最後に、前記電流の流れは、前記燃料電池スタックの電圧が0Vに近づくとゼロになる、請求項10〜16のうちいずれか一に記載の動作停止方法。
【請求項18】
イオン交換膜の各々の個々の透過性の測定前に、前記燃料電池スタックの前記セルの各々の個々の電圧を測定し、前記個々の電圧の各々の変化率を記録し、前記変化率があらかじめ特定された特徴的な指標を有する場合、前記燃料電池スタックが点検を必要とすることを指示する警告信号を出す、請求項10〜17のうちいずれか一に記載の動作停止方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−509678(P2013−509678A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535807(P2012−535807)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【国際出願番号】PCT/EP2010/066259
【国際公開番号】WO2011/051338
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(512068547)コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン (169)
【出願人】(508032479)ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム (499)
【Fターム(参考)】