燃料電池安定化システム及び方法
本発明は、DCパワーサプライ(108)、及び、前記DCパワーサプライ(108)がDCバス(104)に電力を供給することができるように構成されているコントロール部(112)を含む、燃料電池スタック(101)からDCバス(104)への電力の供給を安定化するための、燃料電池安定化システムに、関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池スタックからの電力の供給を安定化するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、電気化学プロセスを介して水素、天然ガス及び石炭ガスなどの気体燃料を電気に変換する。燃料電池は、燃料、酸素及び空気を供給されると、連続的に電力を生成する。通常の燃料電池は、アノード及びカソード電極(主として電子伝導体)と接触する電解質から成る。動作の間、電解質の一つの側からもう一つの側にイオンとして移動され得る種類の電解質を渡って、大きい圧力差が存在する。移動するイオンは電極における触媒作用により充電/放電され、このイオン移動は、電極の充電の蓄積とは逆となる。外部回路を閉じることにより、電解質を介して電流が流れる。
【0003】
燃料電池システムは通常、燃料電池スタック内に複数の燃料電池を含み、更に、燃料フロー及び精製される電力を調整するサブシステムを含む。
【0004】
燃料電池システムの動作の間、燃料電池から電気負荷に供給される電流の不安定性を、特に、極端な不足電流及び過電流動作状況を、回避することが望ましい。これらの状況は、燃料電池システムが供給し得る最大限電流と、システムに課される実際の電気負荷需要との間の不均衡により、生じ得る。
【0005】
燃料電池システムの通常の動作の間、システムに配置された電流需要が、支配的な動作状況下でシステムから引き出され得る最大限電流を超えるとき、過電流は発生する。過電流状況は、例えば、システムの外部電気負荷の増加の結果として、若しくは、燃料電池システムが電気をAC電力網に供給し電力網の需要が劇的にサージするときの、ACインバータの過渡応答により、又は、燃料電池がDC負荷を、例えば、遠隔通信システムに供給するときの、DC/DCコンバータの過渡応答により、発生し得る。一方で、過電流状況は、外部インピーダンス負荷が一定を維持しているが電気を供給する燃料電池システムの瞬間的なキャパシティが、例えば、燃料電池の電極に供給される反応種の濃度の突然の低下により減少するときに、発生し得る。アノード部材の酸化による燃料電池の損傷に繋がり得るので、原因に拘り無く、過電流状況は望ましくない。理論上、アノードの酸化は可逆性であるが、酸化に係る容積変化は、実際には重大な問題を提起することがある。
【0006】
不安定性及び過電流状況から燃料電池を保護する現存のシステム及び方法は、安全接触を含む。安全接触は、過大な電流を引き出す電気システムから、燃料電池スタックを電気的に分離できる。“安全接触”という用語は、接続するデバイスと共に、物理的若しくは半導体分離デバイスの機能を、論理的に接続を断つ方法を意味する。しかしながら、安全接触を利用する現存のシステム及び方法は、電気的効率の減少に繋がり得る。更に、現存のシステム及び方法は遅く、若しくは、過渡電圧及び電流レベルの原因となることがあり、このことにより、燃料電池スタック及び付属サポートシステムを損傷する可能性がある。燃料電池コントロールシステムは複雑でもあり、よって実装するのに高価である。
【0007】
燃料電池システムから引き出し可能な瞬間的電流が、ある外部の負荷により引き出される実際の電流を超えるとき、不足電流状況が生じる。例えば、電気負荷内の開回路により、燃料電池システムから引き出される電流に急縮小があるとき、前記状況は発生し得る。インバータを介してAC電力網に接続する燃料電池システムに対しては、例えば、AC電力の状態の変動により、インバータが切断するならば、開回路が発生し得る。一方で、電気生成反応のために燃料電池スタックに供給される反応種の濃度が、スタックアウトプットへの電気負荷に適うのに要求される濃度を超えるとき、不足電流状況が発生し得る。
【0008】
不足電流状況は、特に、“バランスオブプラント”と一般に称される非電気電力生産セクションにて、燃料電池システムの動作効率及び温度管理を損ない得るので、望ましいものではない。固体電解質型燃料電池(SOFC)のためのバランスオブプラントは、熱処理装置(例えば、リフォーマ)、(冷気及び燃料、並びに高温排気の間で熱を運ぶための)熱交換器、残余の未燃燃料電池燃料のための酸化剤、及び、システム加熱バーナを、含む。コントロールシステムは、燃料電池システムの動作特性を調整するために、用いられ得る。過電流状況に応じて、これらは実効的になり得る。しかしながら、そのような救済的な応答は遅くなる傾向があり、特に不足電流状況が過渡的であるならば、無効になる可能性がある。上述のように、コントロールシステムは複雑でもあり、従って実装するのに高価である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の困難の一つ若しくはそれ以上を克服すること若しくは改善すること、又は、少なくとも有用な代替手段を設けることが、概略望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従って、本発明に係る一つの実施形態は、
燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための燃料電池安定化システムであって、
DCパワーサプライと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、DCパワーサプライが電力をDCバスに供給できるように構成されているコントロール部と
を含む燃料電池安定化システムを、提供するものである。
【0011】
DCバスは、ある外部負荷により燃料電池スタックから電流を引き出せる。スタックの優勢な作動状況下で、外部負荷に関連する電流電力需要がスタックの瞬間的な電気アウトプットを超過するならば、燃料電池スタックからの電力の供給が、燃料電池システムのパラメータに従って選択された作動範囲の外にあることを意味する、過電流が発生する。しかしながら、この実施形態によると、コントロール部の支配下でDCバスへ電気を供給するように構成されている独立のDCパワーサプライを利用することにより、過電流は回避される。よって、電気のこの予備の供給は、独立のDCパワーサプライが添付するACパワーグリッドから発生する。
【0012】
安定化システムは、DCバスの電圧(若しくは等価な電圧)を計測することにより電圧制御されても良いし、燃料電池からの電流のフロー(若しくは等価な電流)を計測することにより電流制御されても良い。
【0013】
電圧制御の安定化システムでは、
前記コントロール部が、
電力の供給を現す、DCバス上のDCバス電圧を検知するように構成されているバス電圧センサと、
DCバス電圧を、選択された作動範囲を規定する少なくとも1つの選択された設定点電圧と比較し、安定化信号を生成するように構成されているコンパレータと、
前記コンパレータの安定化信号により制御され、DCバスへの電力の供給を制御するように構成されている可変コントロール部と
を含む。
【0014】
そのようなシステムにより、DCパワーサプライから電気がいつ供給されるべきかに関する決定は、バス電圧センサを用いて、瞬間的なバス電圧とターンオン設定点電圧とを比較することにより行なわれる。設定点電圧は、選択された作動範囲に関連し、燃料電池安定化システムの特性及び作動状況、特に燃料電池内の過電流に対応するバス電圧のレベルに依存して、予め決定される。バス電圧が予め決定された設定点より低くなると、このことは過電流が発生する危険があることを示し、DCパワーサプライは続いてDCバスに接続され別の電気源となる。この追加の電気を与えることはDCバスの電圧を安定化することにもなる。スタックが十分な電力を再び供給できる後の時点では、電気負荷の変化若しくはスタックへの燃料フローの変化により、DCバスの電圧が再び、DCパワーサプライのための選択されたターンオン設定点より上に上昇し(即ち、選択された作動範囲に戻り)、DCパワーサプライは続いて電力をDCバスに供給するのを止める。DCバスへのDCパワーサプライの接続は、DCバスに供給される電力を実質的に線形状に増加し減少し得る(可変コンタクトとしても知られる)可変コントロール部を介する。このことはパルス幅コントローラによるものであり得る。
【0015】
本発明は、燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための方法であって、
DCバス上のDCバス電圧を検知するステップと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、要求に応じてDCパワーサプライからDCバスへの電力のフローを増加するステップと
を含む方法も提供する。
【0016】
電流制御の安定化システムでは、前記コントロール部が、
燃料電池スタックにより供給され、電力の供給を現す、燃料電池電流を検知するように構成されている燃料電池電流センサと、
燃料電池電流を、選択された作動範囲を規定する少なくとも1つの選択された設定点電流と比較し、安定化信号を生成するように構成されているコンパレータと、
前記コンパレータの安定化信号により制御され、DCバスへの電力の供給を制御するように構成されている可変コントロール部と
を含む。
【0017】
本発明の電流制御の実施形態では、DCバスの電圧を検知することの代わりに、燃料電池スタックから引き出される電流が電流センサにより計測される。結果として、独立したDCパワーサプライの選択された作動範囲に関連するターンオン及びターンオフ設定点は、電圧設定点ではなく、電流設定点となる。電流センサは、過電流状況の開始を直接検知できる。過電流状況が発生するとき、即ち、燃料電池スタックから引き出される電流が増加して過電流状況に接近し始めるとき、独立したDCパワーサプライがターンオンし、これによりDCバスへの別の電力源が設けられ、燃料電池への電流負荷を減少する。DCパワーサプライのためのターンオン設定点電流は、燃料電池システムの特性及び作動状況を参照して決定される。
【0018】
本発明は、燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための方法であって、
DCバスにより燃料電池スタックから引き出される燃料電池電流を検知するステップと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、要求に応じてDCパワーサプライからDCバスへの電力のフローを増加するステップと
を含む方法も、提供する。
【0019】
独立したDCパワーサプライによりDCバスに供給される電気の量は、可変コントロール部により制御され、該可変コントロール部は、DCパワーサプライとDCバスを接続する。通常、DCパワーサプライはパワーグリッドにより始動にて電力供給される。パワーグリッドは、燃料電池システムの外部の電力源である。通常、直流交流インバータは、燃料電池スタックから電力をエクスポートするためにDCバスに電気的に接続される。EMCフィルタは、DCバス上の電磁ノイズ及び過渡電圧を減少するために、EMCフィルタがDCバスに電気的に接続されるのが好ましい。
【0020】
燃料電池システムから引き出される過電流の問題は、別途の電流源、例えば、上述のDCパワーサプライを設けることにより、若しくは、DCバスそれ自身の上の電気負荷を減少することにより、解決され得る。DCバス上の電気負荷のうちには、燃料電池システムに関連する付属部品の作動のための電力を要求する“寄生”若しくはハウスキーピングエレメントと記載され得るものもある。これらのエレメントは、燃料電池システムの通常作動の間に、DCバスからハウスキーピングサプライを介して供給される。過電流(即ち、選択された作動範囲の外)がDCバス上の種々の負荷により燃料電池スタックから引き出される状況が発生すると、ハウスキーピングエレメントにより引き出される電力の量は、それらをDCバスから切断することにより減少し得る。この切断は、DCバスからハウスキーピングサプライ内への電流の供給を制限する可変ハウスキーピングコントロール部により、有効となる。通常の作動状況下では、ハウスキーピングコントロール部により、ハウスキーピングサプライへの全出力が可能である。しかしながら、あまりに多くの電流が燃料電池から引き出されているケースが発生するとき、ハウスキーピングサプライのアウトプットは、少なくとも部分的に制約される。
【0021】
本発明は、燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための燃料電池安定化システムであって、
ハウスキーピングサプライによりDCバスから引き出される電力を制限するように構成されているコントロール部を含み、
前記コントロール部は、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、一つ若しくはそれ以上のハウスキーピングエレメントに電力を供給するように構成されている
ことを特徴とする燃料電池安定化システムも、提供する。
【0022】
電圧制御の安定化システムでは、前記コントロール部が、
電力の供給を現す、DCバス上のDCバス電圧を検知するように構成されているバス電圧センサと、
DCバス電圧を、選択された作動範囲を規定する少なくとも1つの選択された設定点電圧と比較し、安定化信号を生成するように構成されているコンパレータと、
前記コンパレータの安定化信号により制御され、ハウスキーピングサプライにより、DCバスから引き出される電力を制限するように構成されている可変コントロール部と
を含む。
【0023】
ハウスキーピング接続コントローラは、DCバスの電圧が、選択された作動範囲に係る選択された設定点より下になるときにあまりに多くの電力が引き出されていることを、検知する。このハウスキーピング設定点は、予め選択され、燃料電池システム及び安定化システムの特性及び作動状況に、依存する。DCバス電圧がこの設定点値より下になると、ハウスキーピングパワーサプライはDCバスから少なくとも部分的に切断され、これによりDCバス上の負荷を減少し、よって燃料電池上の電流負荷を要求される程度に減少する。DCバスから引き出される電流を減少させることにより、電圧は安定化し得る。更に、作動状況は変化し、よって燃料電池スタックは十分な電力を供給できるので、DCバス上の電圧はハウスキーピング設定点より上昇し、ハウスキーピングエレメントはDCバスから電力を再び引き出し始める。DCバスへのハウスキーピングの接続は、DCバスから引き出される電力を実質的に線形状に増加し減少し得る可変コントロール部を介する。
【0024】
電流制御のシステムでは、前記コントロール部が、
燃料電池スタックにより供給され、電力の供給を現す、燃料電池電流を検知するように構成されている燃料電池電流センサと、
燃料電池電流を、選択された作動範囲を規定する少なくとも1つの選択された設定点電流と比較し、安定化信号を生成するように構成されているコンパレータと、
前記コンパレータの安定化信号により制御され、ハウスキーピングサプライにより、DCバスから引き出される電力の供給を制限するように構成されている可変コントロール部と
を含む。
【0025】
本発明は、燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための方法であって、
燃料電池スタックに接続されたDCバス上のDCバス電圧を検知するステップと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、要求に応じてDCバスからハウスキーピングパワーサプライへの電力のフローを減少するステップと
を含む方法も、提供する。
【0026】
本発明の電流制御の実施形態では、DCバスの電圧を検知することの代わりに、燃料電池スタックから引き出される電流が電流センサにより計測される。結果として、ハウスキーピングコネクタのターンオン及びターンオフ設定点は、電圧設定点ではなく、電流設定点となる。過電流状況が発生するとき、即ち、燃料電池スタックから引き出される電流が増加して過電流状況に接近し始めるとき、ハウスキーピングパワーサプライが切断されて、更に燃料電池スタック上の電流負荷を減少する。ハウスキーピングサプライのための切断設定点電流は、燃料電池システムの特定の特性及び作動状況を参照して決定される。
【0027】
本発明は、燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための方法であって、
DCバスにより燃料電池スタックから引き出される燃料電池電流を検知するステップと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、要求に応じてDCバスからハウスキーピングパワーサプライへの電力のフローを減少するステップと
を含む方法も、提供する。
【0028】
ハウスキーピングサプライによりDCバスから引き出される電力が前記コントロール部により制限されるとき、通常、ハウスキーピングエレメントは、バックアップ電力を他のハウスキーピングエレメントに供給する再充電可能バッテリバンクを、含む。
【0029】
ハウスキーピングエレメントがDCバスから少なくとも部分的に切断される期間には、それにもかかわらず、燃料電池システムの重要なエレメントが作動し続けることが重要である。DCバスから切断されると、ハウスキーピングエレメントは、ハウスキーピングエレメント間に含まれる再充電可能バッテリバンクからの電力を用いて、作動し続け得る。バッテリバンクは、ハウスキーピングエレメントがDCバスに再接続されるまで、ハウスキーピングエレメントを一時的に作動でき、その後、再充電可能バッテリバンクは再充電する。ハウスキーピングエレメントは、一時的にDCバスから切断されるに過ぎない。例えば、システム内の他の部品によりDCバス上の短期間の一時的効果のバランスを取る短期間の切断である。
【0030】
不足電流状況が発生するとき、即ち、燃料電池スタックに供給される反応種の量が燃料電池システム上の電気負荷により要求される量よりも多いとき、燃料電池システムは次善の作動を行ない得る。熱電気複合(CHP)生産アプライアンスでは、燃料電池を介して利用されないまま通過する気体燃料が、システムの下流セクションで、即ち、プラントのバランスの部分で燃焼し、熱を生成する。一時的電気的効果により、燃料電池スタック上の電気負荷が劇的に減少するならば、それに対応して、燃料電池システムの下流セクション内を通過する利用されない燃料の量において、突然の増加が生じる。利用されない燃料の下流におけるこの突然の大きな増加は、燃料電池システムの全体の効率性及び安定性に影響する、望ましくない突然の温度変化を生じることがある。従って、電気レベルにおける電気負荷内のこの劇的減少の影響を弱めることが好ましい。本発明のこの実施形態では、電気システムの電力を引き出す部品の一つ若しくはそれ以上が、DCバス上のそれらの電気負荷を突然に減少させるならば、ロードバンクの形式の、別途の電気負荷が即座にDCバスに接続され、これにより、電気的要件における他の変化を補償する。ロードバンクの目的は、他の部品がそれらの引き出す電流を減少させるときに、燃料電池上により安定した電気負荷を設けることにある。
【0031】
従って、本発明は、燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を安定化するための燃料電池安定化システムであって、
ロードバンクがDCバスから電力を引き出せるように構成されているコントロール部を含む、燃料電池安定化システムも、提供する。
【0032】
本発明は、燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための方法であって、
燃料電池スタックに接続されたDCバス上のDCバス電圧を検知するステップと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、要求に応じてDCバスからロードバンクへの電力のフローを増加するステップと
を含む方法も、提供する。
【0033】
電圧制御のシステムでは、前記コントロール部が、
電力の供給を現す、DCバス上のDCバス電圧を検知するように構成されているバス電圧センサと、
DCバス電圧を、選択された作動範囲を規定する少なくとも1つの選択された設定点電圧と比較し、安定化信号を生成するように構成されているコンパレータと、
前記コンパレータの安定化信号により制御され、DCバスからロードバンクへの電力の供給を制御するように構成されている可変コントロール部と
を含む。
【0034】
DCバスの電圧が、選択された作動範囲に係る設定レベルより上昇するとき、ロードバンクは、通常、閉じた(即ち、接続した)可変コンタクトを介してDCバスに接続する。燃料電池スタックにより供給される電流の量が、DCバス上の通常の負荷部品により引き出される電流の量よりも大きいとき、DCバスの電圧が上昇する。ロードバンクのための接続設定点は、予め決められており、燃料電池システムの特性及び作動状況に依存する。DCバスからロードバンク内に流れる電流の量は、DCバスの電圧がロードバンク設定点より下に反落するとき、結果として自動的に減少する。通常の作動部品が定格電力を再び引き出し始めるとき、若しくは、燃料電池スタックに配布される燃料が新しい要求レベルにまで減少するとき、このことが発生する。DCバスへのロードバンクの接続は、DCバスから引き出される電力を実質的に比例状に変動し得る可変コントロール部を介する。この可変は、線形状でも階段状でもよい。
【0035】
本発明は、燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための方法であって、
DCバスにより燃料電池スタックから引き出される燃料電池電流を検知するステップと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、要求に応じてDCバスからロードバンクへの電力のフローを増加するステップと
を含む方法も、提供する。
【0036】
電流制御の実施形態では、前記コントロール部が、
燃料電池スタックにより供給され、電力の供給を現す、燃料電池電流を検知するように構成されている燃料電池電流センサと、
燃料電池電流を、選択された作動範囲を規定する少なくとも1つの選択された設定点電流と比較し、安定化信号を生成するように構成されているコンパレータと、
前記コンパレータの安定化信号により制御され、DCバスからロードバンクへの電力の供給を制御するように構成されている可変コントロール部と
を含む。
【0037】
電流制御の実施形態では、燃料電池から引き出される電流が、選択された作動範囲に係る定格の作動値より下に減少するとき、ロードバンクが起動する。該定格の作動値は、燃料電池システムの特性及び作動状況を参照して決定される。このように、ロードバンクは、概略一定の電流の量が、所与の定格の作動状況のために燃料電池から引き出されることを保証できる。
【0038】
本発明は、燃料電池スタックと、DCバスと、本明細書に記載の燃料電池安定化システムとを含む燃料電池システムも、提供する。
【発明の効果】
【0039】
本発明の利点は、電流及び電圧の悪条件から、燃料電池101の、若しくは燃料電池スタック102内の燃料電池の、アウトプット電圧及び電流を安定化する迅速な手段を含む。ここでの電流及び電圧の悪条件は、電気システムにより引き出されているより多くの電流を燃料電池が生成している場合の過電圧、及び、燃料電池101が不十分な電流しか生成していない場合の不足電圧を、含む。燃料電池コンポーネント若しくは関連の燃料処理システムの、過剰加熱、酸化若しくは還元を介して、これらの悪条件は、燃料電池に直接的に若しくは間接的に損傷を与え、又は、不安定化及び非効率作動を生じる、可能性がある。
【0040】
燃料電池安定化システムの利点は、DCバス104の負荷の迅速な変化のバッファリングである。迅速な負荷の変化を実質的に補償することで、燃料電池安定化システムにより、全体のコントロールシステムは、より遅いより安定な時間応答特性を伴って、簡素化され得る。燃料電池システムへの負荷の変化の効果を減少することにより、燃料電池システム内で発生する熱応力の周波数及び振幅は減少し、このことにより、燃料電池システムの長寿化が促進される。更に、燃料電池安定化システムにより、燃料電池システムの全体の複雑さ及びコストは減少する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】電圧制御燃料電池安定化システムの模式的レイアウトである。
【図2】図1のパワーサプライ接続コントローラ内の電圧制御安定化の方法を示すフローチャートである。
【図3】図1のハウスキーピング接続コントローラ内の電圧制御燃料電池安定化の方法を示すフローチャートである。
【図4】図1のロードバンク接続コントローラ内の電圧制御燃料電池安定化の方法を示すフローチャートである。
【図5】図1のハウスキーピングエレメントの模式的レイアウトである。
【図6】デジタルコントロールボードを含む、図1の電圧制御燃料電池安定化システムの模式図である。
【図7】電流制御燃料電池安定化システムの模式的レイアウトである。
【図8】デジタルコントロールボードを含む、図7の電流制御燃料電池安定化システムの模式図である。
【図9】図7のパワーサプライ接続コントローラ内の電流制御安定化の方法を示すフローチャートである。
【図10】図7のハウスキーピング接続コントローラ内の電圧制御燃料電池安定化の方法を示すフローチャートである。
【図11】図7のロードバンク接続コントローラ内の電圧制御燃料電池安定化の方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明に係る実施形態は、不足電圧及び/又は過電圧、過電流及び/又は不足電流、又は過剰の不使用の燃料が燃料電池スタックを通過すること、などを含む、所望されない電気的負荷や動作状況による、燃料電池システムへの不安定性及び/又はダメージを回避する若しくは少なくとも減少するための、システムを提供するものである。
【0043】
燃料電池安定化システム100は、図1に示す燃料電池システム103内で用いられ、該燃料電池安定化システム100は、高電圧DCバス104、及び、(可変スタックコンタクト106を介して)DCバス104に電力を供給するための燃料電池101を含む燃料電池スタック102を、含む。電力は、ハウスキーピングサプライ120、グリッド接続インバータ132、及びロードバンク202によって、DCバス104から、引き出され得る。燃料電池システム103は、例えば、セラミックフューエルセルズリミテッド(Ceramic Fuel Cells Limited)(170 ブラウン ロード、ノーブルパーク、オーストリア)により供給される一般型の熱電気複合(CHP)アプライアンスの主要動作部であればよい。
【0044】
DC電力も、DCパワーサプライ108からDCバス104に供給可能であり、該DCパワーサプライ108は、ACグリッドインポートコネクタ110を介してAC電力網から電力を引き出すことができる。DCパワーサプライ108は、燃料電池スタック102の電流及び電圧レベルを所望の選択された動作範囲内に安定化するために、利用され得る。DCパワーサプライ108は、パワーサプライ接続コントローラ112を介してDCバス104に接続されるが、該パワーサプライ接続コントローラ112は、電力の供給が選択された動作範囲の外にあることを示す安定化信号を生成することにより、燃料電池安定化をもたらすものである。
【0045】
電圧制御の実施形態では、パワーサプライ接続コントローラ112は、DCバス104の電圧を連続してモニタするパワーサプライのためのバス電圧センサ114を含む。パワーサプライのための設定点コンパレータ116は、センサ114により検知されるDCバス電圧を、電圧の内部格納設定点値と比較する。この設定点は、中央コントロールシステムにより選択され、DCパワーサプライ108のためのターンオン値を表す。検知されたDCバス電圧が設定点値以下であれば、設定点値コンパレータ116は、可変パワーサプライコンタクト118を作動させ、DCパワーサプライ108はDCバス104に電力を供給し始める。検知されたDCバス電圧が設定点値より大きければ、可変パワーサプライコンタクト118は停止され、DCパワーサプライ108はDCバス104か切り離される。設定点値は、選択された動作範囲を規定する。
【0046】
DCパワーサプライ108は、ユニティパワーファクタフロントエンド、及び、内部中間HVバス、並びに、概略500ワット定格の、(20アンペアで)24V DCアウトプットのための二次的フォワードコンバータを有する、Meanwell SP 500パワーサプライである。DCパワーサプライ108は、縮小した電流限度を有し、約400Wの最大限インプットパワーを提示し、よって、高圧DC成分のためのインピーダンスリミットを示すように、構成されている。更に、DCパワーサプライ108内のセットダウントランスフォーマは、通常のスタック動作電圧範囲(即ち、180〜320V DC)を示すように構成されている。
【0047】
可変パワーサプライコンタクト118は、高速オン/オフスイッチと、ブロックのスイッチング周波数に比例して電流を線形化するフィルタとを含む、線形コントロールブロックの形態である。
【0048】
熱電気複合(CHP)燃料電池システムは、ハウスキーピングエレメント122を含む、高い信頼性且つ高い費用効率性の動作のための燃料電池スタック102に加えて、更なる支持コンポーネントを必要とする。図1のハウスキーピングサプライ120は、ハウスキーピングエレメント122に電力を与え、ハウスキーピング接続コントローラ124を介してDCバス104に接続する。このことにより燃料電池が安定化する。寄生エレメントとしても知られるハウスキーピングエレメント122は、燃料ポンプや冷却ファンを含む、燃料電池パワーシステムの動作を指示するデバイスを、含む。
【0049】
ハウスキーピング接続コントローラ124は、燃料電池スタック102の電流及び電圧レベルを安定化するのに利用され得る。電圧制御の形態では、ハウスキーピング接続コントローラ124は、DCバス104の電圧を連続的にモニタするハウスキーピングのためのバス電圧センサ126を含む。ハウスキーピングのための設定点コンパレータ128は、(センサ126により検知される)DCバス電圧を、電圧の内部格納設定点値と比較する。この設定点は、中央コントロールシステムにより選択され、ハウスキーピングサプライ124のためのターンオフ値を表す。検知されたDCバス電圧が設定点値以下であれば、設定点コンパレータ128は、可変ハウスキーピングコンタクト128を停止させ、ハウスキーピングサプライ120がDCバス104から切り離される。検知されたDCバス電圧がコンパレータ128の設定点値より大きければ、可変ハウスキーピングコンタクト130は再作動し、ハウスキーピングサプライ120はDCバス104から電力を引き出すことを再開する。
【0050】
ロードバンク202は、冷却レジスタバンクを介して過剰なDC電力を消散することができ、ロードバス接続コントローラ203を介してDCバスに接続する。このことにより、燃料電池が安定化する。
【0051】
ロードバンク接続コントローラ124は、燃料電池スタック102の電流及び電圧レベルを安定化するのに利用され得る。電圧制御の形態では、ロードバンク接続コントローラ204は、DCバス104の電圧を連続的にモニタするロードバンクのためのバス電圧センサ206を含む。ロードバンクのための設定点コンパレータ208は、センサ206により検知されるDCバス電圧を、電圧の内部格納設定点値と比較する。この設定点は、中央コントロールシステムにより選択され、DCロードバンク202のためのターンオン値を表す。検知されたDCバス電圧が設定点値以上であれば、設定点コンパレータ208は、可変ロードバンクコンタクト210を作動させ、DCロードバンク202はDCバス104から電力を引き出し始める。検知されたDCバス電圧がコンパレータ208の設定点値より小さければ、可変ロードバンクコンタクト210は停止され、DCロードバンク202はDCバス104か切り離される。
【0052】
図1のグリッド接続インバータ132は、ACグリッドエクスポートコネクタ134をかいして電力をACグリッドにエクスポートすることができ、インバータ接続コントローラ136を介してDCバス104に接続する。このことにより燃料電池の安定化がもたらされる。インバータ接続コントローラ136は、DCバス104の電圧を連続的にモニタするインバータのためのバス電圧センサ138を含む。インバータのためのPIDコントローラ140は、センサ138で検知されるDCバス電圧を電圧の内部格納設定点値と比較する。この設定点は、中央コントロールシステムにより選択され、DCバス104上の電圧のためのターゲット値を表す。検知されたDCバス電圧がこの設定点値以下であれば、PIDコントローラ140はインバータコンタクト142を介する電流フローを減少させ、よってグリッド接続インバータ132がDCバス104から引き出す電流が少なくなる。検知されたDCバス電圧がPIDコントローラ140の設定点値より大きければ、インバータコンタクト142は電流フローを増大させ、よってグリッド接続インバータ132がDCバス104からより多くの電力を引き出す。
【0053】
インバータ接続コントローラ136はシリアル通信により制御され、有効な通信は通常のシャットダウンを実行するのに数秒掛かり得る。更に、インバータ接続コントローラ136は、或る時間の掛かるシャットダウンプロトコルが観察されることを要求することがある。DCバス電圧が下がると、インバータ132は更に、無視できない期間、DCバスから電力を引き出し続け得る。
【0054】
定常状態動作では、DCバス104の電圧は定常動作レベルで維持し、電圧制御の実施形態では、コンタクトの接続は以下のようになる。
【0055】
可変スタックコンタクト106:
・接続
・(スタック102は電力をDCバス104に供給する)
可変パワーサプライコンタクト118:
・切断
・(DCパワーサプライ108は電力を供給しない)
可変ハウスキーピングコンタクト130:
・接続
・(ハウスキーピングサプライ120はDCバス104から電力を引き出す)
可変ロードバンクコンタクト210:
・切断
・()ロードバンク202は電力を引き出さない)
【0056】
DCバスの電圧が予測外のシステムイベントのためにその定常動作から変動するとき、
接続コントローラ(112、124、136、204)は動作するように設定される。異なる可変コントロール、即ち可変コンタクト106、118、130、210は、コンパレータ116、128、140、208内の異なる設定点に従って、作動/停止する。設定点は、秀雄システムにより決定される。例示のシステムでは、約242.5V DCの定常状態動作電圧において、DCバス電圧のための設定点値は概略、以下の通りとなる。
【0057】
【表1】
【0058】
例示のシステムは、概略180〜320V DCで変動し得る定常状態動作電圧を有する。しかしながら、動作電圧は、悪影響を及ぼす電気イベントからの、燃料電池の安定化及び保護のために、要求される速度よりもずっと遅い速度でのみ、この範囲で変動し得る。定常状態動作電圧の選択、及び対応する設定点は、中央コントロールシステム904により与えられる。
【0059】
図2は、パワーサプライ接続コントローラ112により実行される電圧制御燃料電池安定化の方法のフローチャートである。システムは定常動作状況で開始するが、このとき、電力は燃料電池スタック102からDCバス104に供給されており、また電力はハウスキーピングサプライ120及びグリッド接続インバータ132により引き出され、またDCパワーサプライ108によって供給される電力は無く、ロードバンク202によって引き出される電力も無い。ステップ302では、システムのエラーにより、過剰電流が燃料電池スタック102から引き出されることとなる。このエラーは、スタックに供給される燃料の低下、若しくは電気負荷の1つの短絡、若しくはACパワーグリッドの変化を含み得る。ステップ304では、過剰電流により、DCバス104の電圧が低下することとなり、このことはステップ306にてバス電圧センサ114により検知される。ステップ308では、設定点コンパレータ116は、DCバス上の計測された電圧をパワーサプライ設定点と比較する。DC電圧がパワーサプライ設定点以下にまで落ちていれば、ステップ310にてコンパレータ116は可変パワーサプライコンタクト118を作動させ、ステップ312にてDCパワーサプライ108は電力をDCバス104に供給することを開始し、これによりステップ314にて電圧を安定化する。図3の方法は急速に(即ち、数ミリ秒以下で)生じるものであり、このとき設定点コンパレータ116は数キロヘルツのオーダの周波数で作動する。DCパワーサプライ108は、大抵の状況でDCバス電圧を安定化できる。例えば、外部ACパワーグリッドが崩壊したら、このことは可能ではなく、この場合DCパワーサプライ108のための電力源は無くなる。
【0060】
図3は、ハウスキーピング接続コントローラ124により実行される電圧制御燃料電池安定化の方法のフローチャートである。システムは定常動作状況で開始するが、このとき、電力は燃料電池スタック102からDCバス104に供給されており、また電力はハウスキーピングサプライ120及びグリッド接続インバータ132により引き出され、またDCパワーサプライ108によって供給される電力は無く、ロードバンク202によって引き出される電力も無い。ステップ402では、システムのエラーにより、過剰電流が燃料電池スタック102から引き出されることとなる。このエラーは、燃料電池スタックに供給される燃料の低下、若しくは電気負荷の1つの短絡、若しくはACパワーグリッドの変化を含み得る。ステップ404では、過剰電流により、DCバス104の電圧が低下することとなり、このことはステップ406にてバス電圧センサ126により検知される。ステップ408では、設定点コンパレータ128は、DCバス上の計測された電圧をハウスキーピング設定点と比較する。DC電圧がハウスキーピング設定点以下にまで落ちていれば、ステップ410にてコンパレータ128は可変ハウスキーピングコンタクト130を作動させ、ハウスキーピングサプライ120はDCバス104から切断される。この切断はDCバス104から引き出される電力を減少させ、これによりステップ314にてDCバス電圧を安定化できる。ステップ412にてDCバス104から引き出される電力が制限されると、ハウスキーピングエレメント122は、ハウスキーピングエレメント内に含まれる再充電可能バッテリバンク704により供給される電力から作動し続け得る。
【0061】
図4は、ロードバンク接続コントローラ204により実行される電圧制御燃料電池安定化の方法のフローチャートである。システムは定常動作状況で開始するが、このとき、電力は燃料電池スタック102からDCバス104に供給されており、また電力はロードバンクサプライ120及びグリッド接続インバータ132により引き出され、またDCパワーサプライ108によって供給される電力は無く、ロードバンク202によって引き出される電力も無い。ステップ602では、システムのエラーにより、過少電流がDCバス104から引き出されることとなり、このことにより燃料電池スタック102は要求されるよりもより多くの燃料を“燃やして”いる。このエラーは、スタックに供給される燃料の突然の増加、若しくは電気負荷の1つの開回路(DCバスからの突然の切断)、若しくはACパワーグリッドの崩壊(よってACグリッドへの電力のエクスポートの遮断)を含み得る。ステップ604では、供給される電流の低下により、DCバス104の電圧が上昇することとなり、このことはステップ606にてバス電圧センサ206により検知される。ステップ608では、設定点コンパレータ208は、DCバス上の計測された電圧をロードバンク設定点と比較する。DC電圧がロードバンク設定点以上にまで上昇すれば、ステップ610にてコンパレータ208は可変ロードバンクコンタクト210を作動させ、ロードバンク202はDCバス104に接続される。この接続はDCバス104から電力を引き出し、これによりステップ614にてDCバス電圧を安定化する。図4の方法は可及的速やかに、通常数ミリ秒内で生じるものである。
【0062】
一つ若しくはそれ以上の、例えば、接続コントローラ112、124、136、204により、安定性、並びに不足電圧及び過電圧保護をもたらすことにより、燃料電池スタック102とDCバス104との間にセンサ及び保護システムが無くても、システムを構築できる。このような付加的な保護システムは損失源となる。そのような付加的な保護システムが無くても、燃料電池スタック102をDCバス104に直接接続し、更に該DCバス104を電気負荷に直接接続し、このことによりシステムの効率性を増加することができる。
【0063】
図5に示す、ハウスキーピングエレメント122は、ハウスキーピングバス702から電力供給され、該ハウスキーピングバス702はハウスキーピングサプライ702から電力を導出する。ハウスキーピングエレメント122はバッテリバンク704を含み、該バッテリバンク704は、ハウスキーピングサプライ308からの電力の変動にかかわらず、ハウスキーピングバス上への着実なパワーサプライを維持するための、再充電可能のバッテリを含む。ハウスキーピングエレメント302は、(電磁妨害を生じ得る過渡電圧を減少させるための)キャパシタであってもよいECMフィルタ706、コントロール電子システム708のための電力、エアブロア710、ウオータポンプシステム712、及び、燃料電池フローシステム714も、含む。他のハウスキーピングエレメント122は、ガスセーフティシステム、中央コントロールシステムプロセッサ、センサ、バルブ及びプロセスコントロールエレメントを、含み得る。
【0064】
図6及び図7は共に、図1及び図2についてのより詳細な模式図を含み、更に、デジタルコントロールボード902及び中央コントロールシステム904を含む。中央コントロールシステム904は、燃料電池スタック102の作動電圧、よってDCバス104の作動電圧を選択する。コントロールシステム904は、コンパレータ116、128、140、208の設定点も選択し、デジタルコントローラボード902を介してこれらの値を設定する。例示のシステムでは、接続コントローラ(112、124、136、204)は、PID(比例積分微分)コントロールユニットを用いて実現される。
【0065】
上述の電圧制御燃料電池安定化システムでは、共通DCバス104の不足電圧及び過電圧は、個々のDCバスエレメント(DCパワーサプライ108、ハウスキーピングサプライ120、インバータ132及びロードバンク202)を個別に同期化する共通手段として用いられる。高リニア電気抵抗が燃料電池101を支配するとき、コントロールの電圧モードが特に有用であり得る。しかしながら、燃料電池スタック102が低電気抵抗を有するならば、若しくは電気抵抗を有さないならば、電流制御燃料電池安定化システムは好ましくない。
【0066】
図7及び図8に示すように、電流制御燃料電池安定化システムでは、スタック電流センサ220が、燃料電池スタック102を介して流れる電流をモニタする。スタック電流センサ220は、アンメータの形態である。DCパワーサプライ108、ハウスキーピングサプライ120及びロードバンク202により引き出される電流は、予め決定された電流設定点値を検知可能である個々のコンパレータ116、128、208により制御される。燃料電池システムの特定の作動状況に基づく、電流設定点の例は以下の通りである。
・(スタック電流センサ220からの)スタック電流が5.0アンペアより上昇するときDCパワーサプライ108を接続する。
・(スタック電流センサ220からの)スタック電流が5.5アンペアより上昇するときハウスキーピングサプライ120を切断する。
・(スタック電流センサ220からの)スタック電流が4.0アンペアより下降するときロードバンク202を接続する。
【0067】
電流制御燃料電池安定化システムは、図9〜図11に示されるように作動する。例えば、グリッド接続インバータ132は、電流引き込みの4.5Aに設定され得る。DCパワーサプライ108はオフであり、ハウスキーピングサプライ120はオンであり、ロードバンク202はオフ(即ち、切断)である。燃料電池スタック102から引き出される電流が、(あるいはグリッド接続インバータ132によって)負荷が増加することで、5.0Aより高く上昇すると、パワーサプライコンパレータ116は、DCパワーサプライ108を接続する。燃料電池スタック102から引き出される電流が、5.5Aより高く上昇すると、ハウスキーピングサプライ120は、ハウスキーピングコンパレータ128を介して切断される。インバータ132が作動することを停止するならば、即ち、何らかの別の理由でスタック負荷電流が4.0Aより低く低下するならば、ロードバンクコンパレータ208は、燃料電池スタック102から引き出される電流を4.0Aに維持するように、ロードバンク202を接続する。
【0068】
電流制御燃料電池安定化システムは、組み合わされた電流及び電圧の特徴を考慮する。スタック電圧が低下すると、コンパレータ116、128、208の作動電流設定点が(この例で記載される、I2R損失などの)スタック抵抗パラメータの変化を補償するように、中央コントロールシステム904により調整される。
【0069】
本発明の利点は、電流及び電圧の悪条件から、燃料電池101の、若しくは燃料電池スタック102内の燃料電池の、アウトプット電圧及び電流を安定化する迅速な手段を含む。ここでの電流及び電圧の悪条件は、電気システムにより引き出されているより多くの電流を燃料電池が生成している場合の過電圧、及び、燃料電池101が不十分な電流しか生成していない場合の不足電圧を、含む。燃料電池コンポーネント若しくは関連の燃料処理システムの、過剰加熱、酸化若しくは還元を介して、これらの悪条件は、燃料電池に直接的に若しくは間接的に損傷を与え、又は、不安定化及び非効率作動を生じる、可能性がある。
【0070】
燃料電池安定化システムの利点は、DCバス104の負荷の迅速な変化のバッファリングである。迅速な負荷の変化を実質的に補償することで、燃料電池安定化システムにより、全体のコントロールシステムは、より遅いより安定な時間応答特性を伴って、簡素化され得る。燃料電池システムへの負荷の変化の効果を減少することにより、燃料電池システム内で発生する熱応力の周波数及び振幅は減少し、このことにより、燃料電池システムの長寿化が促進される。更に、燃料電池安定化システムにより、燃料電池システムの全体の複雑さ及びコストは減少する。
【0071】
当然のことながら、添付の図面を参照して記載した本発明の実施形態は、例示として示したものに過ぎず、装置のパフォーマンスを向上させるために、改良、及び追加の要素は加えられ得る。
【0072】
この明細書における、先行文献(若しくはそこから導出される情報)又は周知事項に対する参照は、先行文献(若しくはそこから導出される情報)又は周知事項は、この明細書が関連する努力傾注分野の一般的知識の一部を形成するという、知識、了承、若しくは示唆の形態ではなく、更に、知識、了承、若しくは示唆の形態として、捉えられるべきではない。
【符号の説明】
【0073】
100・・・燃料電池安定化システム、
101・・・燃料電池、
102・・・燃料電池スタック、
103・・・燃料電池システム、
104・・・DCバス、
106・・・可変スタックコンタクト、
108・・・DCパワーサプライ、
110・・・ACグリッドインポートコネクタ、
112・・・パワーサプライ接続コントローラ、
114・・・バス電圧センサ、
116・・・設定点コンパレータ、
118・・・可変パワーサプライコンタクト、
120・・・ハウスキーピングサプライ、
122・・・パワーハウスキーピングエレメント、
124・・・ハウスキーピング接続コントローラ、
126・・・バス電圧センサ、
128・・・設定点コンパレータ、
130・・・可変ハウスキーピングコンタクト、
132・・・グリッド接続インバータ、
134・・・ACグリッドエクスポートコネクタ、
136・・・インバータ接続コントローラ、
138・・・バス電圧センサ、
140・・・PIDコントローラ、
142・・・インバータコンタクト、
202・・・ロードバンク、
204・・・ロードバンク接続コントローラ、
206・・・バス電圧センサ、
208・・・設定点コンパレータ、
210・・・可変ロードバンクコンタクト、
702・・・ハウスキーピングバス、
704・・・バッテリバンク、
308・・・ハウスキーピングサプライ、
302・・・ハウスキーピングエレメント、
706・・・ECMフィルタ、
708・・・コントロール電子システム、
710・・・エアブロア、
712・・・ウオータポンプシステム、
714・・・燃料フローシステム、
902・・・デジタルコントロールボード、
904・・・中央コントロールシステム。
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池スタックからの電力の供給を安定化するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、電気化学プロセスを介して水素、天然ガス及び石炭ガスなどの気体燃料を電気に変換する。燃料電池は、燃料、酸素及び空気を供給されると、連続的に電力を生成する。通常の燃料電池は、アノード及びカソード電極(主として電子伝導体)と接触する電解質から成る。動作の間、電解質の一つの側からもう一つの側にイオンとして移動され得る種類の電解質を渡って、大きい圧力差が存在する。移動するイオンは電極における触媒作用により充電/放電され、このイオン移動は、電極の充電の蓄積とは逆となる。外部回路を閉じることにより、電解質を介して電流が流れる。
【0003】
燃料電池システムは通常、燃料電池スタック内に複数の燃料電池を含み、更に、燃料フロー及び精製される電力を調整するサブシステムを含む。
【0004】
燃料電池システムの動作の間、燃料電池から電気負荷に供給される電流の不安定性を、特に、極端な不足電流及び過電流動作状況を、回避することが望ましい。これらの状況は、燃料電池システムが供給し得る最大限電流と、システムに課される実際の電気負荷需要との間の不均衡により、生じ得る。
【0005】
燃料電池システムの通常の動作の間、システムに配置された電流需要が、支配的な動作状況下でシステムから引き出され得る最大限電流を超えるとき、過電流は発生する。過電流状況は、例えば、システムの外部電気負荷の増加の結果として、若しくは、燃料電池システムが電気をAC電力網に供給し電力網の需要が劇的にサージするときの、ACインバータの過渡応答により、又は、燃料電池がDC負荷を、例えば、遠隔通信システムに供給するときの、DC/DCコンバータの過渡応答により、発生し得る。一方で、過電流状況は、外部インピーダンス負荷が一定を維持しているが電気を供給する燃料電池システムの瞬間的なキャパシティが、例えば、燃料電池の電極に供給される反応種の濃度の突然の低下により減少するときに、発生し得る。アノード部材の酸化による燃料電池の損傷に繋がり得るので、原因に拘り無く、過電流状況は望ましくない。理論上、アノードの酸化は可逆性であるが、酸化に係る容積変化は、実際には重大な問題を提起することがある。
【0006】
不安定性及び過電流状況から燃料電池を保護する現存のシステム及び方法は、安全接触を含む。安全接触は、過大な電流を引き出す電気システムから、燃料電池スタックを電気的に分離できる。“安全接触”という用語は、接続するデバイスと共に、物理的若しくは半導体分離デバイスの機能を、論理的に接続を断つ方法を意味する。しかしながら、安全接触を利用する現存のシステム及び方法は、電気的効率の減少に繋がり得る。更に、現存のシステム及び方法は遅く、若しくは、過渡電圧及び電流レベルの原因となることがあり、このことにより、燃料電池スタック及び付属サポートシステムを損傷する可能性がある。燃料電池コントロールシステムは複雑でもあり、よって実装するのに高価である。
【0007】
燃料電池システムから引き出し可能な瞬間的電流が、ある外部の負荷により引き出される実際の電流を超えるとき、不足電流状況が生じる。例えば、電気負荷内の開回路により、燃料電池システムから引き出される電流に急縮小があるとき、前記状況は発生し得る。インバータを介してAC電力網に接続する燃料電池システムに対しては、例えば、AC電力の状態の変動により、インバータが切断するならば、開回路が発生し得る。一方で、電気生成反応のために燃料電池スタックに供給される反応種の濃度が、スタックアウトプットへの電気負荷に適うのに要求される濃度を超えるとき、不足電流状況が発生し得る。
【0008】
不足電流状況は、特に、“バランスオブプラント”と一般に称される非電気電力生産セクションにて、燃料電池システムの動作効率及び温度管理を損ない得るので、望ましいものではない。固体電解質型燃料電池(SOFC)のためのバランスオブプラントは、熱処理装置(例えば、リフォーマ)、(冷気及び燃料、並びに高温排気の間で熱を運ぶための)熱交換器、残余の未燃燃料電池燃料のための酸化剤、及び、システム加熱バーナを、含む。コントロールシステムは、燃料電池システムの動作特性を調整するために、用いられ得る。過電流状況に応じて、これらは実効的になり得る。しかしながら、そのような救済的な応答は遅くなる傾向があり、特に不足電流状況が過渡的であるならば、無効になる可能性がある。上述のように、コントロールシステムは複雑でもあり、従って実装するのに高価である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の困難の一つ若しくはそれ以上を克服すること若しくは改善すること、又は、少なくとも有用な代替手段を設けることが、概略望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従って、本発明に係る一つの実施形態は、
燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための燃料電池安定化システムであって、
DCパワーサプライと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、DCパワーサプライが電力をDCバスに供給できるように構成されているコントロール部と
を含む燃料電池安定化システムを、提供するものである。
【0011】
DCバスは、ある外部負荷により燃料電池スタックから電流を引き出せる。スタックの優勢な作動状況下で、外部負荷に関連する電流電力需要がスタックの瞬間的な電気アウトプットを超過するならば、燃料電池スタックからの電力の供給が、燃料電池システムのパラメータに従って選択された作動範囲の外にあることを意味する、過電流が発生する。しかしながら、この実施形態によると、コントロール部の支配下でDCバスへ電気を供給するように構成されている独立のDCパワーサプライを利用することにより、過電流は回避される。よって、電気のこの予備の供給は、独立のDCパワーサプライが添付するACパワーグリッドから発生する。
【0012】
安定化システムは、DCバスの電圧(若しくは等価な電圧)を計測することにより電圧制御されても良いし、燃料電池からの電流のフロー(若しくは等価な電流)を計測することにより電流制御されても良い。
【0013】
電圧制御の安定化システムでは、
前記コントロール部が、
電力の供給を現す、DCバス上のDCバス電圧を検知するように構成されているバス電圧センサと、
DCバス電圧を、選択された作動範囲を規定する少なくとも1つの選択された設定点電圧と比較し、安定化信号を生成するように構成されているコンパレータと、
前記コンパレータの安定化信号により制御され、DCバスへの電力の供給を制御するように構成されている可変コントロール部と
を含む。
【0014】
そのようなシステムにより、DCパワーサプライから電気がいつ供給されるべきかに関する決定は、バス電圧センサを用いて、瞬間的なバス電圧とターンオン設定点電圧とを比較することにより行なわれる。設定点電圧は、選択された作動範囲に関連し、燃料電池安定化システムの特性及び作動状況、特に燃料電池内の過電流に対応するバス電圧のレベルに依存して、予め決定される。バス電圧が予め決定された設定点より低くなると、このことは過電流が発生する危険があることを示し、DCパワーサプライは続いてDCバスに接続され別の電気源となる。この追加の電気を与えることはDCバスの電圧を安定化することにもなる。スタックが十分な電力を再び供給できる後の時点では、電気負荷の変化若しくはスタックへの燃料フローの変化により、DCバスの電圧が再び、DCパワーサプライのための選択されたターンオン設定点より上に上昇し(即ち、選択された作動範囲に戻り)、DCパワーサプライは続いて電力をDCバスに供給するのを止める。DCバスへのDCパワーサプライの接続は、DCバスに供給される電力を実質的に線形状に増加し減少し得る(可変コンタクトとしても知られる)可変コントロール部を介する。このことはパルス幅コントローラによるものであり得る。
【0015】
本発明は、燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための方法であって、
DCバス上のDCバス電圧を検知するステップと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、要求に応じてDCパワーサプライからDCバスへの電力のフローを増加するステップと
を含む方法も提供する。
【0016】
電流制御の安定化システムでは、前記コントロール部が、
燃料電池スタックにより供給され、電力の供給を現す、燃料電池電流を検知するように構成されている燃料電池電流センサと、
燃料電池電流を、選択された作動範囲を規定する少なくとも1つの選択された設定点電流と比較し、安定化信号を生成するように構成されているコンパレータと、
前記コンパレータの安定化信号により制御され、DCバスへの電力の供給を制御するように構成されている可変コントロール部と
を含む。
【0017】
本発明の電流制御の実施形態では、DCバスの電圧を検知することの代わりに、燃料電池スタックから引き出される電流が電流センサにより計測される。結果として、独立したDCパワーサプライの選択された作動範囲に関連するターンオン及びターンオフ設定点は、電圧設定点ではなく、電流設定点となる。電流センサは、過電流状況の開始を直接検知できる。過電流状況が発生するとき、即ち、燃料電池スタックから引き出される電流が増加して過電流状況に接近し始めるとき、独立したDCパワーサプライがターンオンし、これによりDCバスへの別の電力源が設けられ、燃料電池への電流負荷を減少する。DCパワーサプライのためのターンオン設定点電流は、燃料電池システムの特性及び作動状況を参照して決定される。
【0018】
本発明は、燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための方法であって、
DCバスにより燃料電池スタックから引き出される燃料電池電流を検知するステップと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、要求に応じてDCパワーサプライからDCバスへの電力のフローを増加するステップと
を含む方法も、提供する。
【0019】
独立したDCパワーサプライによりDCバスに供給される電気の量は、可変コントロール部により制御され、該可変コントロール部は、DCパワーサプライとDCバスを接続する。通常、DCパワーサプライはパワーグリッドにより始動にて電力供給される。パワーグリッドは、燃料電池システムの外部の電力源である。通常、直流交流インバータは、燃料電池スタックから電力をエクスポートするためにDCバスに電気的に接続される。EMCフィルタは、DCバス上の電磁ノイズ及び過渡電圧を減少するために、EMCフィルタがDCバスに電気的に接続されるのが好ましい。
【0020】
燃料電池システムから引き出される過電流の問題は、別途の電流源、例えば、上述のDCパワーサプライを設けることにより、若しくは、DCバスそれ自身の上の電気負荷を減少することにより、解決され得る。DCバス上の電気負荷のうちには、燃料電池システムに関連する付属部品の作動のための電力を要求する“寄生”若しくはハウスキーピングエレメントと記載され得るものもある。これらのエレメントは、燃料電池システムの通常作動の間に、DCバスからハウスキーピングサプライを介して供給される。過電流(即ち、選択された作動範囲の外)がDCバス上の種々の負荷により燃料電池スタックから引き出される状況が発生すると、ハウスキーピングエレメントにより引き出される電力の量は、それらをDCバスから切断することにより減少し得る。この切断は、DCバスからハウスキーピングサプライ内への電流の供給を制限する可変ハウスキーピングコントロール部により、有効となる。通常の作動状況下では、ハウスキーピングコントロール部により、ハウスキーピングサプライへの全出力が可能である。しかしながら、あまりに多くの電流が燃料電池から引き出されているケースが発生するとき、ハウスキーピングサプライのアウトプットは、少なくとも部分的に制約される。
【0021】
本発明は、燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための燃料電池安定化システムであって、
ハウスキーピングサプライによりDCバスから引き出される電力を制限するように構成されているコントロール部を含み、
前記コントロール部は、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、一つ若しくはそれ以上のハウスキーピングエレメントに電力を供給するように構成されている
ことを特徴とする燃料電池安定化システムも、提供する。
【0022】
電圧制御の安定化システムでは、前記コントロール部が、
電力の供給を現す、DCバス上のDCバス電圧を検知するように構成されているバス電圧センサと、
DCバス電圧を、選択された作動範囲を規定する少なくとも1つの選択された設定点電圧と比較し、安定化信号を生成するように構成されているコンパレータと、
前記コンパレータの安定化信号により制御され、ハウスキーピングサプライにより、DCバスから引き出される電力を制限するように構成されている可変コントロール部と
を含む。
【0023】
ハウスキーピング接続コントローラは、DCバスの電圧が、選択された作動範囲に係る選択された設定点より下になるときにあまりに多くの電力が引き出されていることを、検知する。このハウスキーピング設定点は、予め選択され、燃料電池システム及び安定化システムの特性及び作動状況に、依存する。DCバス電圧がこの設定点値より下になると、ハウスキーピングパワーサプライはDCバスから少なくとも部分的に切断され、これによりDCバス上の負荷を減少し、よって燃料電池上の電流負荷を要求される程度に減少する。DCバスから引き出される電流を減少させることにより、電圧は安定化し得る。更に、作動状況は変化し、よって燃料電池スタックは十分な電力を供給できるので、DCバス上の電圧はハウスキーピング設定点より上昇し、ハウスキーピングエレメントはDCバスから電力を再び引き出し始める。DCバスへのハウスキーピングの接続は、DCバスから引き出される電力を実質的に線形状に増加し減少し得る可変コントロール部を介する。
【0024】
電流制御のシステムでは、前記コントロール部が、
燃料電池スタックにより供給され、電力の供給を現す、燃料電池電流を検知するように構成されている燃料電池電流センサと、
燃料電池電流を、選択された作動範囲を規定する少なくとも1つの選択された設定点電流と比較し、安定化信号を生成するように構成されているコンパレータと、
前記コンパレータの安定化信号により制御され、ハウスキーピングサプライにより、DCバスから引き出される電力の供給を制限するように構成されている可変コントロール部と
を含む。
【0025】
本発明は、燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための方法であって、
燃料電池スタックに接続されたDCバス上のDCバス電圧を検知するステップと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、要求に応じてDCバスからハウスキーピングパワーサプライへの電力のフローを減少するステップと
を含む方法も、提供する。
【0026】
本発明の電流制御の実施形態では、DCバスの電圧を検知することの代わりに、燃料電池スタックから引き出される電流が電流センサにより計測される。結果として、ハウスキーピングコネクタのターンオン及びターンオフ設定点は、電圧設定点ではなく、電流設定点となる。過電流状況が発生するとき、即ち、燃料電池スタックから引き出される電流が増加して過電流状況に接近し始めるとき、ハウスキーピングパワーサプライが切断されて、更に燃料電池スタック上の電流負荷を減少する。ハウスキーピングサプライのための切断設定点電流は、燃料電池システムの特定の特性及び作動状況を参照して決定される。
【0027】
本発明は、燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための方法であって、
DCバスにより燃料電池スタックから引き出される燃料電池電流を検知するステップと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、要求に応じてDCバスからハウスキーピングパワーサプライへの電力のフローを減少するステップと
を含む方法も、提供する。
【0028】
ハウスキーピングサプライによりDCバスから引き出される電力が前記コントロール部により制限されるとき、通常、ハウスキーピングエレメントは、バックアップ電力を他のハウスキーピングエレメントに供給する再充電可能バッテリバンクを、含む。
【0029】
ハウスキーピングエレメントがDCバスから少なくとも部分的に切断される期間には、それにもかかわらず、燃料電池システムの重要なエレメントが作動し続けることが重要である。DCバスから切断されると、ハウスキーピングエレメントは、ハウスキーピングエレメント間に含まれる再充電可能バッテリバンクからの電力を用いて、作動し続け得る。バッテリバンクは、ハウスキーピングエレメントがDCバスに再接続されるまで、ハウスキーピングエレメントを一時的に作動でき、その後、再充電可能バッテリバンクは再充電する。ハウスキーピングエレメントは、一時的にDCバスから切断されるに過ぎない。例えば、システム内の他の部品によりDCバス上の短期間の一時的効果のバランスを取る短期間の切断である。
【0030】
不足電流状況が発生するとき、即ち、燃料電池スタックに供給される反応種の量が燃料電池システム上の電気負荷により要求される量よりも多いとき、燃料電池システムは次善の作動を行ない得る。熱電気複合(CHP)生産アプライアンスでは、燃料電池を介して利用されないまま通過する気体燃料が、システムの下流セクションで、即ち、プラントのバランスの部分で燃焼し、熱を生成する。一時的電気的効果により、燃料電池スタック上の電気負荷が劇的に減少するならば、それに対応して、燃料電池システムの下流セクション内を通過する利用されない燃料の量において、突然の増加が生じる。利用されない燃料の下流におけるこの突然の大きな増加は、燃料電池システムの全体の効率性及び安定性に影響する、望ましくない突然の温度変化を生じることがある。従って、電気レベルにおける電気負荷内のこの劇的減少の影響を弱めることが好ましい。本発明のこの実施形態では、電気システムの電力を引き出す部品の一つ若しくはそれ以上が、DCバス上のそれらの電気負荷を突然に減少させるならば、ロードバンクの形式の、別途の電気負荷が即座にDCバスに接続され、これにより、電気的要件における他の変化を補償する。ロードバンクの目的は、他の部品がそれらの引き出す電流を減少させるときに、燃料電池上により安定した電気負荷を設けることにある。
【0031】
従って、本発明は、燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を安定化するための燃料電池安定化システムであって、
ロードバンクがDCバスから電力を引き出せるように構成されているコントロール部を含む、燃料電池安定化システムも、提供する。
【0032】
本発明は、燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための方法であって、
燃料電池スタックに接続されたDCバス上のDCバス電圧を検知するステップと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、要求に応じてDCバスからロードバンクへの電力のフローを増加するステップと
を含む方法も、提供する。
【0033】
電圧制御のシステムでは、前記コントロール部が、
電力の供給を現す、DCバス上のDCバス電圧を検知するように構成されているバス電圧センサと、
DCバス電圧を、選択された作動範囲を規定する少なくとも1つの選択された設定点電圧と比較し、安定化信号を生成するように構成されているコンパレータと、
前記コンパレータの安定化信号により制御され、DCバスからロードバンクへの電力の供給を制御するように構成されている可変コントロール部と
を含む。
【0034】
DCバスの電圧が、選択された作動範囲に係る設定レベルより上昇するとき、ロードバンクは、通常、閉じた(即ち、接続した)可変コンタクトを介してDCバスに接続する。燃料電池スタックにより供給される電流の量が、DCバス上の通常の負荷部品により引き出される電流の量よりも大きいとき、DCバスの電圧が上昇する。ロードバンクのための接続設定点は、予め決められており、燃料電池システムの特性及び作動状況に依存する。DCバスからロードバンク内に流れる電流の量は、DCバスの電圧がロードバンク設定点より下に反落するとき、結果として自動的に減少する。通常の作動部品が定格電力を再び引き出し始めるとき、若しくは、燃料電池スタックに配布される燃料が新しい要求レベルにまで減少するとき、このことが発生する。DCバスへのロードバンクの接続は、DCバスから引き出される電力を実質的に比例状に変動し得る可変コントロール部を介する。この可変は、線形状でも階段状でもよい。
【0035】
本発明は、燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための方法であって、
DCバスにより燃料電池スタックから引き出される燃料電池電流を検知するステップと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、要求に応じてDCバスからロードバンクへの電力のフローを増加するステップと
を含む方法も、提供する。
【0036】
電流制御の実施形態では、前記コントロール部が、
燃料電池スタックにより供給され、電力の供給を現す、燃料電池電流を検知するように構成されている燃料電池電流センサと、
燃料電池電流を、選択された作動範囲を規定する少なくとも1つの選択された設定点電流と比較し、安定化信号を生成するように構成されているコンパレータと、
前記コンパレータの安定化信号により制御され、DCバスからロードバンクへの電力の供給を制御するように構成されている可変コントロール部と
を含む。
【0037】
電流制御の実施形態では、燃料電池から引き出される電流が、選択された作動範囲に係る定格の作動値より下に減少するとき、ロードバンクが起動する。該定格の作動値は、燃料電池システムの特性及び作動状況を参照して決定される。このように、ロードバンクは、概略一定の電流の量が、所与の定格の作動状況のために燃料電池から引き出されることを保証できる。
【0038】
本発明は、燃料電池スタックと、DCバスと、本明細書に記載の燃料電池安定化システムとを含む燃料電池システムも、提供する。
【発明の効果】
【0039】
本発明の利点は、電流及び電圧の悪条件から、燃料電池101の、若しくは燃料電池スタック102内の燃料電池の、アウトプット電圧及び電流を安定化する迅速な手段を含む。ここでの電流及び電圧の悪条件は、電気システムにより引き出されているより多くの電流を燃料電池が生成している場合の過電圧、及び、燃料電池101が不十分な電流しか生成していない場合の不足電圧を、含む。燃料電池コンポーネント若しくは関連の燃料処理システムの、過剰加熱、酸化若しくは還元を介して、これらの悪条件は、燃料電池に直接的に若しくは間接的に損傷を与え、又は、不安定化及び非効率作動を生じる、可能性がある。
【0040】
燃料電池安定化システムの利点は、DCバス104の負荷の迅速な変化のバッファリングである。迅速な負荷の変化を実質的に補償することで、燃料電池安定化システムにより、全体のコントロールシステムは、より遅いより安定な時間応答特性を伴って、簡素化され得る。燃料電池システムへの負荷の変化の効果を減少することにより、燃料電池システム内で発生する熱応力の周波数及び振幅は減少し、このことにより、燃料電池システムの長寿化が促進される。更に、燃料電池安定化システムにより、燃料電池システムの全体の複雑さ及びコストは減少する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】電圧制御燃料電池安定化システムの模式的レイアウトである。
【図2】図1のパワーサプライ接続コントローラ内の電圧制御安定化の方法を示すフローチャートである。
【図3】図1のハウスキーピング接続コントローラ内の電圧制御燃料電池安定化の方法を示すフローチャートである。
【図4】図1のロードバンク接続コントローラ内の電圧制御燃料電池安定化の方法を示すフローチャートである。
【図5】図1のハウスキーピングエレメントの模式的レイアウトである。
【図6】デジタルコントロールボードを含む、図1の電圧制御燃料電池安定化システムの模式図である。
【図7】電流制御燃料電池安定化システムの模式的レイアウトである。
【図8】デジタルコントロールボードを含む、図7の電流制御燃料電池安定化システムの模式図である。
【図9】図7のパワーサプライ接続コントローラ内の電流制御安定化の方法を示すフローチャートである。
【図10】図7のハウスキーピング接続コントローラ内の電圧制御燃料電池安定化の方法を示すフローチャートである。
【図11】図7のロードバンク接続コントローラ内の電圧制御燃料電池安定化の方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明に係る実施形態は、不足電圧及び/又は過電圧、過電流及び/又は不足電流、又は過剰の不使用の燃料が燃料電池スタックを通過すること、などを含む、所望されない電気的負荷や動作状況による、燃料電池システムへの不安定性及び/又はダメージを回避する若しくは少なくとも減少するための、システムを提供するものである。
【0043】
燃料電池安定化システム100は、図1に示す燃料電池システム103内で用いられ、該燃料電池安定化システム100は、高電圧DCバス104、及び、(可変スタックコンタクト106を介して)DCバス104に電力を供給するための燃料電池101を含む燃料電池スタック102を、含む。電力は、ハウスキーピングサプライ120、グリッド接続インバータ132、及びロードバンク202によって、DCバス104から、引き出され得る。燃料電池システム103は、例えば、セラミックフューエルセルズリミテッド(Ceramic Fuel Cells Limited)(170 ブラウン ロード、ノーブルパーク、オーストリア)により供給される一般型の熱電気複合(CHP)アプライアンスの主要動作部であればよい。
【0044】
DC電力も、DCパワーサプライ108からDCバス104に供給可能であり、該DCパワーサプライ108は、ACグリッドインポートコネクタ110を介してAC電力網から電力を引き出すことができる。DCパワーサプライ108は、燃料電池スタック102の電流及び電圧レベルを所望の選択された動作範囲内に安定化するために、利用され得る。DCパワーサプライ108は、パワーサプライ接続コントローラ112を介してDCバス104に接続されるが、該パワーサプライ接続コントローラ112は、電力の供給が選択された動作範囲の外にあることを示す安定化信号を生成することにより、燃料電池安定化をもたらすものである。
【0045】
電圧制御の実施形態では、パワーサプライ接続コントローラ112は、DCバス104の電圧を連続してモニタするパワーサプライのためのバス電圧センサ114を含む。パワーサプライのための設定点コンパレータ116は、センサ114により検知されるDCバス電圧を、電圧の内部格納設定点値と比較する。この設定点は、中央コントロールシステムにより選択され、DCパワーサプライ108のためのターンオン値を表す。検知されたDCバス電圧が設定点値以下であれば、設定点値コンパレータ116は、可変パワーサプライコンタクト118を作動させ、DCパワーサプライ108はDCバス104に電力を供給し始める。検知されたDCバス電圧が設定点値より大きければ、可変パワーサプライコンタクト118は停止され、DCパワーサプライ108はDCバス104か切り離される。設定点値は、選択された動作範囲を規定する。
【0046】
DCパワーサプライ108は、ユニティパワーファクタフロントエンド、及び、内部中間HVバス、並びに、概略500ワット定格の、(20アンペアで)24V DCアウトプットのための二次的フォワードコンバータを有する、Meanwell SP 500パワーサプライである。DCパワーサプライ108は、縮小した電流限度を有し、約400Wの最大限インプットパワーを提示し、よって、高圧DC成分のためのインピーダンスリミットを示すように、構成されている。更に、DCパワーサプライ108内のセットダウントランスフォーマは、通常のスタック動作電圧範囲(即ち、180〜320V DC)を示すように構成されている。
【0047】
可変パワーサプライコンタクト118は、高速オン/オフスイッチと、ブロックのスイッチング周波数に比例して電流を線形化するフィルタとを含む、線形コントロールブロックの形態である。
【0048】
熱電気複合(CHP)燃料電池システムは、ハウスキーピングエレメント122を含む、高い信頼性且つ高い費用効率性の動作のための燃料電池スタック102に加えて、更なる支持コンポーネントを必要とする。図1のハウスキーピングサプライ120は、ハウスキーピングエレメント122に電力を与え、ハウスキーピング接続コントローラ124を介してDCバス104に接続する。このことにより燃料電池が安定化する。寄生エレメントとしても知られるハウスキーピングエレメント122は、燃料ポンプや冷却ファンを含む、燃料電池パワーシステムの動作を指示するデバイスを、含む。
【0049】
ハウスキーピング接続コントローラ124は、燃料電池スタック102の電流及び電圧レベルを安定化するのに利用され得る。電圧制御の形態では、ハウスキーピング接続コントローラ124は、DCバス104の電圧を連続的にモニタするハウスキーピングのためのバス電圧センサ126を含む。ハウスキーピングのための設定点コンパレータ128は、(センサ126により検知される)DCバス電圧を、電圧の内部格納設定点値と比較する。この設定点は、中央コントロールシステムにより選択され、ハウスキーピングサプライ124のためのターンオフ値を表す。検知されたDCバス電圧が設定点値以下であれば、設定点コンパレータ128は、可変ハウスキーピングコンタクト128を停止させ、ハウスキーピングサプライ120がDCバス104から切り離される。検知されたDCバス電圧がコンパレータ128の設定点値より大きければ、可変ハウスキーピングコンタクト130は再作動し、ハウスキーピングサプライ120はDCバス104から電力を引き出すことを再開する。
【0050】
ロードバンク202は、冷却レジスタバンクを介して過剰なDC電力を消散することができ、ロードバス接続コントローラ203を介してDCバスに接続する。このことにより、燃料電池が安定化する。
【0051】
ロードバンク接続コントローラ124は、燃料電池スタック102の電流及び電圧レベルを安定化するのに利用され得る。電圧制御の形態では、ロードバンク接続コントローラ204は、DCバス104の電圧を連続的にモニタするロードバンクのためのバス電圧センサ206を含む。ロードバンクのための設定点コンパレータ208は、センサ206により検知されるDCバス電圧を、電圧の内部格納設定点値と比較する。この設定点は、中央コントロールシステムにより選択され、DCロードバンク202のためのターンオン値を表す。検知されたDCバス電圧が設定点値以上であれば、設定点コンパレータ208は、可変ロードバンクコンタクト210を作動させ、DCロードバンク202はDCバス104から電力を引き出し始める。検知されたDCバス電圧がコンパレータ208の設定点値より小さければ、可変ロードバンクコンタクト210は停止され、DCロードバンク202はDCバス104か切り離される。
【0052】
図1のグリッド接続インバータ132は、ACグリッドエクスポートコネクタ134をかいして電力をACグリッドにエクスポートすることができ、インバータ接続コントローラ136を介してDCバス104に接続する。このことにより燃料電池の安定化がもたらされる。インバータ接続コントローラ136は、DCバス104の電圧を連続的にモニタするインバータのためのバス電圧センサ138を含む。インバータのためのPIDコントローラ140は、センサ138で検知されるDCバス電圧を電圧の内部格納設定点値と比較する。この設定点は、中央コントロールシステムにより選択され、DCバス104上の電圧のためのターゲット値を表す。検知されたDCバス電圧がこの設定点値以下であれば、PIDコントローラ140はインバータコンタクト142を介する電流フローを減少させ、よってグリッド接続インバータ132がDCバス104から引き出す電流が少なくなる。検知されたDCバス電圧がPIDコントローラ140の設定点値より大きければ、インバータコンタクト142は電流フローを増大させ、よってグリッド接続インバータ132がDCバス104からより多くの電力を引き出す。
【0053】
インバータ接続コントローラ136はシリアル通信により制御され、有効な通信は通常のシャットダウンを実行するのに数秒掛かり得る。更に、インバータ接続コントローラ136は、或る時間の掛かるシャットダウンプロトコルが観察されることを要求することがある。DCバス電圧が下がると、インバータ132は更に、無視できない期間、DCバスから電力を引き出し続け得る。
【0054】
定常状態動作では、DCバス104の電圧は定常動作レベルで維持し、電圧制御の実施形態では、コンタクトの接続は以下のようになる。
【0055】
可変スタックコンタクト106:
・接続
・(スタック102は電力をDCバス104に供給する)
可変パワーサプライコンタクト118:
・切断
・(DCパワーサプライ108は電力を供給しない)
可変ハウスキーピングコンタクト130:
・接続
・(ハウスキーピングサプライ120はDCバス104から電力を引き出す)
可変ロードバンクコンタクト210:
・切断
・()ロードバンク202は電力を引き出さない)
【0056】
DCバスの電圧が予測外のシステムイベントのためにその定常動作から変動するとき、
接続コントローラ(112、124、136、204)は動作するように設定される。異なる可変コントロール、即ち可変コンタクト106、118、130、210は、コンパレータ116、128、140、208内の異なる設定点に従って、作動/停止する。設定点は、秀雄システムにより決定される。例示のシステムでは、約242.5V DCの定常状態動作電圧において、DCバス電圧のための設定点値は概略、以下の通りとなる。
【0057】
【表1】
【0058】
例示のシステムは、概略180〜320V DCで変動し得る定常状態動作電圧を有する。しかしながら、動作電圧は、悪影響を及ぼす電気イベントからの、燃料電池の安定化及び保護のために、要求される速度よりもずっと遅い速度でのみ、この範囲で変動し得る。定常状態動作電圧の選択、及び対応する設定点は、中央コントロールシステム904により与えられる。
【0059】
図2は、パワーサプライ接続コントローラ112により実行される電圧制御燃料電池安定化の方法のフローチャートである。システムは定常動作状況で開始するが、このとき、電力は燃料電池スタック102からDCバス104に供給されており、また電力はハウスキーピングサプライ120及びグリッド接続インバータ132により引き出され、またDCパワーサプライ108によって供給される電力は無く、ロードバンク202によって引き出される電力も無い。ステップ302では、システムのエラーにより、過剰電流が燃料電池スタック102から引き出されることとなる。このエラーは、スタックに供給される燃料の低下、若しくは電気負荷の1つの短絡、若しくはACパワーグリッドの変化を含み得る。ステップ304では、過剰電流により、DCバス104の電圧が低下することとなり、このことはステップ306にてバス電圧センサ114により検知される。ステップ308では、設定点コンパレータ116は、DCバス上の計測された電圧をパワーサプライ設定点と比較する。DC電圧がパワーサプライ設定点以下にまで落ちていれば、ステップ310にてコンパレータ116は可変パワーサプライコンタクト118を作動させ、ステップ312にてDCパワーサプライ108は電力をDCバス104に供給することを開始し、これによりステップ314にて電圧を安定化する。図3の方法は急速に(即ち、数ミリ秒以下で)生じるものであり、このとき設定点コンパレータ116は数キロヘルツのオーダの周波数で作動する。DCパワーサプライ108は、大抵の状況でDCバス電圧を安定化できる。例えば、外部ACパワーグリッドが崩壊したら、このことは可能ではなく、この場合DCパワーサプライ108のための電力源は無くなる。
【0060】
図3は、ハウスキーピング接続コントローラ124により実行される電圧制御燃料電池安定化の方法のフローチャートである。システムは定常動作状況で開始するが、このとき、電力は燃料電池スタック102からDCバス104に供給されており、また電力はハウスキーピングサプライ120及びグリッド接続インバータ132により引き出され、またDCパワーサプライ108によって供給される電力は無く、ロードバンク202によって引き出される電力も無い。ステップ402では、システムのエラーにより、過剰電流が燃料電池スタック102から引き出されることとなる。このエラーは、燃料電池スタックに供給される燃料の低下、若しくは電気負荷の1つの短絡、若しくはACパワーグリッドの変化を含み得る。ステップ404では、過剰電流により、DCバス104の電圧が低下することとなり、このことはステップ406にてバス電圧センサ126により検知される。ステップ408では、設定点コンパレータ128は、DCバス上の計測された電圧をハウスキーピング設定点と比較する。DC電圧がハウスキーピング設定点以下にまで落ちていれば、ステップ410にてコンパレータ128は可変ハウスキーピングコンタクト130を作動させ、ハウスキーピングサプライ120はDCバス104から切断される。この切断はDCバス104から引き出される電力を減少させ、これによりステップ314にてDCバス電圧を安定化できる。ステップ412にてDCバス104から引き出される電力が制限されると、ハウスキーピングエレメント122は、ハウスキーピングエレメント内に含まれる再充電可能バッテリバンク704により供給される電力から作動し続け得る。
【0061】
図4は、ロードバンク接続コントローラ204により実行される電圧制御燃料電池安定化の方法のフローチャートである。システムは定常動作状況で開始するが、このとき、電力は燃料電池スタック102からDCバス104に供給されており、また電力はロードバンクサプライ120及びグリッド接続インバータ132により引き出され、またDCパワーサプライ108によって供給される電力は無く、ロードバンク202によって引き出される電力も無い。ステップ602では、システムのエラーにより、過少電流がDCバス104から引き出されることとなり、このことにより燃料電池スタック102は要求されるよりもより多くの燃料を“燃やして”いる。このエラーは、スタックに供給される燃料の突然の増加、若しくは電気負荷の1つの開回路(DCバスからの突然の切断)、若しくはACパワーグリッドの崩壊(よってACグリッドへの電力のエクスポートの遮断)を含み得る。ステップ604では、供給される電流の低下により、DCバス104の電圧が上昇することとなり、このことはステップ606にてバス電圧センサ206により検知される。ステップ608では、設定点コンパレータ208は、DCバス上の計測された電圧をロードバンク設定点と比較する。DC電圧がロードバンク設定点以上にまで上昇すれば、ステップ610にてコンパレータ208は可変ロードバンクコンタクト210を作動させ、ロードバンク202はDCバス104に接続される。この接続はDCバス104から電力を引き出し、これによりステップ614にてDCバス電圧を安定化する。図4の方法は可及的速やかに、通常数ミリ秒内で生じるものである。
【0062】
一つ若しくはそれ以上の、例えば、接続コントローラ112、124、136、204により、安定性、並びに不足電圧及び過電圧保護をもたらすことにより、燃料電池スタック102とDCバス104との間にセンサ及び保護システムが無くても、システムを構築できる。このような付加的な保護システムは損失源となる。そのような付加的な保護システムが無くても、燃料電池スタック102をDCバス104に直接接続し、更に該DCバス104を電気負荷に直接接続し、このことによりシステムの効率性を増加することができる。
【0063】
図5に示す、ハウスキーピングエレメント122は、ハウスキーピングバス702から電力供給され、該ハウスキーピングバス702はハウスキーピングサプライ702から電力を導出する。ハウスキーピングエレメント122はバッテリバンク704を含み、該バッテリバンク704は、ハウスキーピングサプライ308からの電力の変動にかかわらず、ハウスキーピングバス上への着実なパワーサプライを維持するための、再充電可能のバッテリを含む。ハウスキーピングエレメント302は、(電磁妨害を生じ得る過渡電圧を減少させるための)キャパシタであってもよいECMフィルタ706、コントロール電子システム708のための電力、エアブロア710、ウオータポンプシステム712、及び、燃料電池フローシステム714も、含む。他のハウスキーピングエレメント122は、ガスセーフティシステム、中央コントロールシステムプロセッサ、センサ、バルブ及びプロセスコントロールエレメントを、含み得る。
【0064】
図6及び図7は共に、図1及び図2についてのより詳細な模式図を含み、更に、デジタルコントロールボード902及び中央コントロールシステム904を含む。中央コントロールシステム904は、燃料電池スタック102の作動電圧、よってDCバス104の作動電圧を選択する。コントロールシステム904は、コンパレータ116、128、140、208の設定点も選択し、デジタルコントローラボード902を介してこれらの値を設定する。例示のシステムでは、接続コントローラ(112、124、136、204)は、PID(比例積分微分)コントロールユニットを用いて実現される。
【0065】
上述の電圧制御燃料電池安定化システムでは、共通DCバス104の不足電圧及び過電圧は、個々のDCバスエレメント(DCパワーサプライ108、ハウスキーピングサプライ120、インバータ132及びロードバンク202)を個別に同期化する共通手段として用いられる。高リニア電気抵抗が燃料電池101を支配するとき、コントロールの電圧モードが特に有用であり得る。しかしながら、燃料電池スタック102が低電気抵抗を有するならば、若しくは電気抵抗を有さないならば、電流制御燃料電池安定化システムは好ましくない。
【0066】
図7及び図8に示すように、電流制御燃料電池安定化システムでは、スタック電流センサ220が、燃料電池スタック102を介して流れる電流をモニタする。スタック電流センサ220は、アンメータの形態である。DCパワーサプライ108、ハウスキーピングサプライ120及びロードバンク202により引き出される電流は、予め決定された電流設定点値を検知可能である個々のコンパレータ116、128、208により制御される。燃料電池システムの特定の作動状況に基づく、電流設定点の例は以下の通りである。
・(スタック電流センサ220からの)スタック電流が5.0アンペアより上昇するときDCパワーサプライ108を接続する。
・(スタック電流センサ220からの)スタック電流が5.5アンペアより上昇するときハウスキーピングサプライ120を切断する。
・(スタック電流センサ220からの)スタック電流が4.0アンペアより下降するときロードバンク202を接続する。
【0067】
電流制御燃料電池安定化システムは、図9〜図11に示されるように作動する。例えば、グリッド接続インバータ132は、電流引き込みの4.5Aに設定され得る。DCパワーサプライ108はオフであり、ハウスキーピングサプライ120はオンであり、ロードバンク202はオフ(即ち、切断)である。燃料電池スタック102から引き出される電流が、(あるいはグリッド接続インバータ132によって)負荷が増加することで、5.0Aより高く上昇すると、パワーサプライコンパレータ116は、DCパワーサプライ108を接続する。燃料電池スタック102から引き出される電流が、5.5Aより高く上昇すると、ハウスキーピングサプライ120は、ハウスキーピングコンパレータ128を介して切断される。インバータ132が作動することを停止するならば、即ち、何らかの別の理由でスタック負荷電流が4.0Aより低く低下するならば、ロードバンクコンパレータ208は、燃料電池スタック102から引き出される電流を4.0Aに維持するように、ロードバンク202を接続する。
【0068】
電流制御燃料電池安定化システムは、組み合わされた電流及び電圧の特徴を考慮する。スタック電圧が低下すると、コンパレータ116、128、208の作動電流設定点が(この例で記載される、I2R損失などの)スタック抵抗パラメータの変化を補償するように、中央コントロールシステム904により調整される。
【0069】
本発明の利点は、電流及び電圧の悪条件から、燃料電池101の、若しくは燃料電池スタック102内の燃料電池の、アウトプット電圧及び電流を安定化する迅速な手段を含む。ここでの電流及び電圧の悪条件は、電気システムにより引き出されているより多くの電流を燃料電池が生成している場合の過電圧、及び、燃料電池101が不十分な電流しか生成していない場合の不足電圧を、含む。燃料電池コンポーネント若しくは関連の燃料処理システムの、過剰加熱、酸化若しくは還元を介して、これらの悪条件は、燃料電池に直接的に若しくは間接的に損傷を与え、又は、不安定化及び非効率作動を生じる、可能性がある。
【0070】
燃料電池安定化システムの利点は、DCバス104の負荷の迅速な変化のバッファリングである。迅速な負荷の変化を実質的に補償することで、燃料電池安定化システムにより、全体のコントロールシステムは、より遅いより安定な時間応答特性を伴って、簡素化され得る。燃料電池システムへの負荷の変化の効果を減少することにより、燃料電池システム内で発生する熱応力の周波数及び振幅は減少し、このことにより、燃料電池システムの長寿化が促進される。更に、燃料電池安定化システムにより、燃料電池システムの全体の複雑さ及びコストは減少する。
【0071】
当然のことながら、添付の図面を参照して記載した本発明の実施形態は、例示として示したものに過ぎず、装置のパフォーマンスを向上させるために、改良、及び追加の要素は加えられ得る。
【0072】
この明細書における、先行文献(若しくはそこから導出される情報)又は周知事項に対する参照は、先行文献(若しくはそこから導出される情報)又は周知事項は、この明細書が関連する努力傾注分野の一般的知識の一部を形成するという、知識、了承、若しくは示唆の形態ではなく、更に、知識、了承、若しくは示唆の形態として、捉えられるべきではない。
【符号の説明】
【0073】
100・・・燃料電池安定化システム、
101・・・燃料電池、
102・・・燃料電池スタック、
103・・・燃料電池システム、
104・・・DCバス、
106・・・可変スタックコンタクト、
108・・・DCパワーサプライ、
110・・・ACグリッドインポートコネクタ、
112・・・パワーサプライ接続コントローラ、
114・・・バス電圧センサ、
116・・・設定点コンパレータ、
118・・・可変パワーサプライコンタクト、
120・・・ハウスキーピングサプライ、
122・・・パワーハウスキーピングエレメント、
124・・・ハウスキーピング接続コントローラ、
126・・・バス電圧センサ、
128・・・設定点コンパレータ、
130・・・可変ハウスキーピングコンタクト、
132・・・グリッド接続インバータ、
134・・・ACグリッドエクスポートコネクタ、
136・・・インバータ接続コントローラ、
138・・・バス電圧センサ、
140・・・PIDコントローラ、
142・・・インバータコンタクト、
202・・・ロードバンク、
204・・・ロードバンク接続コントローラ、
206・・・バス電圧センサ、
208・・・設定点コンパレータ、
210・・・可変ロードバンクコンタクト、
702・・・ハウスキーピングバス、
704・・・バッテリバンク、
308・・・ハウスキーピングサプライ、
302・・・ハウスキーピングエレメント、
706・・・ECMフィルタ、
708・・・コントロール電子システム、
710・・・エアブロア、
712・・・ウオータポンプシステム、
714・・・燃料フローシステム、
902・・・デジタルコントロールボード、
904・・・中央コントロールシステム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための燃料電池安定化システムであって、
DCパワーサプライと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、DCパワーサプライが電力をDCバスに供給できるように構成されているコントロール部と
を含む燃料電池安定化システム。
【請求項2】
前記コントロール部が、
電力の供給を現す、DCバス上のDCバス電圧を検知するように構成されているバス電圧センサと、
DCバス電圧を、選択された作動範囲を規定する少なくとも1つの選択された設定点電圧と比較し、安定化信号を生成するように構成されているコンパレータと、
前記コンパレータの安定化信号により制御され、DCバスへの電力の供給を制御するように構成されている可変コントロール部と
を含む、請求項1に記載の燃料電池安定化システム。
【請求項3】
前記コントロール部が、
燃料電池スタックにより供給され、電力の供給を現す、燃料電池電流を検知するように構成されている燃料電池電流センサと、
燃料電池電流を、選択された作動範囲を規定する少なくとも1つの選択された設定点電流と比較し、安定化信号を生成するように構成されているコンパレータと、
前記コンパレータの安定化信号により制御され、DCバスへの電力の供給を制御するように構成されている可変コントロール部と
を含む、請求項1に記載の燃料電池安定化システム。
【請求項4】
前記DCパワーサプライが、パワーグリッドにより起動時に電力供給されることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一に記載の燃料電池安定化システム。
【請求項5】
燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための燃料電池安定化システムであって、
ハウスキーピングサプライによりDCバスから引き出される電力を制限するように構成されているコントロール部を含み、
前記コントロール部は、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、一つ若しくはそれ以上のハウスキーピングエレメントに電力を供給するように構成されている
ことを特徴とする燃料電池安定化システム。
【請求項6】
前記コントロール部が、
電力の供給を現す、DCバス上のDCバス電圧を検知するように構成されているバス電圧センサと、
DCバス電圧を、選択された作動範囲を規定する少なくとも1つの選択された設定点電圧と比較し、安定化信号を生成するように構成されているコンパレータと、
前記コンパレータの安定化信号により制御され、ハウスキーピングサプライにより、DCバスから引き出される電力を制限するように構成されている可変コントロール部と
を含む、請求項5に記載の燃料電池安定化システム。
【請求項7】
前記コントロール部が、
燃料電池スタックにより供給され、電力の供給を現す、燃料電池電流を検知するように構成されている燃料電池電流センサと、
燃料電池電流を、選択された作動範囲を規定する少なくとも1つの選択された設定点電流と比較し、安定化信号を生成するように構成されているコンパレータと、
前記コンパレータの安定化信号により制御され、ハウスキーピングサプライにより、DCバスから引き出される電力の供給を制限するように構成されている可変コントロール部と
を含む、請求項5に記載の燃料電池安定化システム。
【請求項8】
ハウスキーピングサプライによりDCバスから引き出される電力が前記コントロール部により制限されるとき、バックアップ電力を他のハウスキーピングエレメントに供給するように構成されている再充電可能バッテリバンクを、更に含む、請求項5〜7のうちのいずれか一に記載の燃料電池安定化システム。
【請求項9】
燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を安定化するための燃料電池安定化システムであって、
ロードバンクがDCバスから電力を引き出せるように構成されているコントロール部を含む、燃料電池安定化システム。
【請求項10】
前記コントロール部が、
電力の供給を現す、DCバス上のDCバス電圧を検知するように構成されているバス電圧センサと、
DCバス電圧を、選択された作動範囲を規定する少なくとも1つの選択された設定点電圧と比較し、安定化信号を生成するように構成されているコンパレータと、
前記コンパレータの安定化信号により制御され、DCバスからロードバンクへの電力の供給を制御するように構成されている可変コントロール部と
を含む、請求項9に記載の燃料電池安定化システム。
【請求項11】
前記コントロール部が、
燃料電池スタックにより供給され、電力の供給を現す、燃料電池電流を検知するように構成されている燃料電池電流センサと、
燃料電池電流を、選択された作動範囲を規定する少なくとも1つの選択された設定点電流と比較し、安定化信号を生成するように構成されているコンパレータと、
前記コンパレータの安定化信号により制御され、DCバスからロードバンクへの電力の供給を制御するように構成されている可変コントロール部と
を含む、請求項9に記載の燃料電池安定化システム。
【請求項12】
燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための方法であって、
DCバス上のDCバス電圧を検知するステップと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、要求に応じてDCパワーサプライからDCバスへの電力のフローを増加するステップと
を含む方法。
【請求項13】
燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための方法であって、
DCバスにより燃料電池スタックから引き出される燃料電池電流を検知するステップと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、要求に応じてDCパワーサプライからDCバスへの電力のフローを増加するステップと
を含む方法。
【請求項14】
燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための方法であって、
燃料電池スタックに接続されたDCバス上のDCバス電圧を検知するステップと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、要求に応じてDCバスからハウスキーピングパワーサプライへの電力のフローを減少するステップと
を含む方法。
【請求項15】
燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための方法であって、
DCバスにより燃料電池スタックから引き出される燃料電池電流を検知するステップと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、要求に応じてDCバスからハウスキーピングパワーサプライへの電力のフローを減少するステップと
を含む方法。
【請求項16】
燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための方法であって、
燃料電池スタックに接続されたDCバス上のDCバス電圧を検知するステップと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、要求に応じてDCバスからロードバンクへの電力のフローを増加するステップと
を含む方法。
【請求項17】
燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための方法であって、
DCバスにより燃料電池スタックから引き出される燃料電池電流を検知するステップと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、要求に応じてDCバスからロードバンクへの電力のフローを増加するステップと
を含む方法。
【請求項18】
燃料電池スタックと、DCバスと、請求項1〜11のうちのいずれか一に記載の燃料電池安定化システムと
を含む燃料電池システム。
【請求項19】
燃料電池スタックから電力をエクスポートするために、直流交流インバータがDCバスに電気的に接続されている請求項18に記載の燃料電池システム。
【請求項20】
DCバス上の電磁ノイズ及び過渡電圧を減少するために、DCバスに電気的に接続されたEMCフィルタを含む、請求項18に記載の燃料電池システム。
【請求項1】
燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための燃料電池安定化システムであって、
DCパワーサプライと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、DCパワーサプライが電力をDCバスに供給できるように構成されているコントロール部と
を含む燃料電池安定化システム。
【請求項2】
前記コントロール部が、
電力の供給を現す、DCバス上のDCバス電圧を検知するように構成されているバス電圧センサと、
DCバス電圧を、選択された作動範囲を規定する少なくとも1つの選択された設定点電圧と比較し、安定化信号を生成するように構成されているコンパレータと、
前記コンパレータの安定化信号により制御され、DCバスへの電力の供給を制御するように構成されている可変コントロール部と
を含む、請求項1に記載の燃料電池安定化システム。
【請求項3】
前記コントロール部が、
燃料電池スタックにより供給され、電力の供給を現す、燃料電池電流を検知するように構成されている燃料電池電流センサと、
燃料電池電流を、選択された作動範囲を規定する少なくとも1つの選択された設定点電流と比較し、安定化信号を生成するように構成されているコンパレータと、
前記コンパレータの安定化信号により制御され、DCバスへの電力の供給を制御するように構成されている可変コントロール部と
を含む、請求項1に記載の燃料電池安定化システム。
【請求項4】
前記DCパワーサプライが、パワーグリッドにより起動時に電力供給されることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一に記載の燃料電池安定化システム。
【請求項5】
燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための燃料電池安定化システムであって、
ハウスキーピングサプライによりDCバスから引き出される電力を制限するように構成されているコントロール部を含み、
前記コントロール部は、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、一つ若しくはそれ以上のハウスキーピングエレメントに電力を供給するように構成されている
ことを特徴とする燃料電池安定化システム。
【請求項6】
前記コントロール部が、
電力の供給を現す、DCバス上のDCバス電圧を検知するように構成されているバス電圧センサと、
DCバス電圧を、選択された作動範囲を規定する少なくとも1つの選択された設定点電圧と比較し、安定化信号を生成するように構成されているコンパレータと、
前記コンパレータの安定化信号により制御され、ハウスキーピングサプライにより、DCバスから引き出される電力を制限するように構成されている可変コントロール部と
を含む、請求項5に記載の燃料電池安定化システム。
【請求項7】
前記コントロール部が、
燃料電池スタックにより供給され、電力の供給を現す、燃料電池電流を検知するように構成されている燃料電池電流センサと、
燃料電池電流を、選択された作動範囲を規定する少なくとも1つの選択された設定点電流と比較し、安定化信号を生成するように構成されているコンパレータと、
前記コンパレータの安定化信号により制御され、ハウスキーピングサプライにより、DCバスから引き出される電力の供給を制限するように構成されている可変コントロール部と
を含む、請求項5に記載の燃料電池安定化システム。
【請求項8】
ハウスキーピングサプライによりDCバスから引き出される電力が前記コントロール部により制限されるとき、バックアップ電力を他のハウスキーピングエレメントに供給するように構成されている再充電可能バッテリバンクを、更に含む、請求項5〜7のうちのいずれか一に記載の燃料電池安定化システム。
【請求項9】
燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を安定化するための燃料電池安定化システムであって、
ロードバンクがDCバスから電力を引き出せるように構成されているコントロール部を含む、燃料電池安定化システム。
【請求項10】
前記コントロール部が、
電力の供給を現す、DCバス上のDCバス電圧を検知するように構成されているバス電圧センサと、
DCバス電圧を、選択された作動範囲を規定する少なくとも1つの選択された設定点電圧と比較し、安定化信号を生成するように構成されているコンパレータと、
前記コンパレータの安定化信号により制御され、DCバスからロードバンクへの電力の供給を制御するように構成されている可変コントロール部と
を含む、請求項9に記載の燃料電池安定化システム。
【請求項11】
前記コントロール部が、
燃料電池スタックにより供給され、電力の供給を現す、燃料電池電流を検知するように構成されている燃料電池電流センサと、
燃料電池電流を、選択された作動範囲を規定する少なくとも1つの選択された設定点電流と比較し、安定化信号を生成するように構成されているコンパレータと、
前記コンパレータの安定化信号により制御され、DCバスからロードバンクへの電力の供給を制御するように構成されている可変コントロール部と
を含む、請求項9に記載の燃料電池安定化システム。
【請求項12】
燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための方法であって、
DCバス上のDCバス電圧を検知するステップと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、要求に応じてDCパワーサプライからDCバスへの電力のフローを増加するステップと
を含む方法。
【請求項13】
燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための方法であって、
DCバスにより燃料電池スタックから引き出される燃料電池電流を検知するステップと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、要求に応じてDCパワーサプライからDCバスへの電力のフローを増加するステップと
を含む方法。
【請求項14】
燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための方法であって、
燃料電池スタックに接続されたDCバス上のDCバス電圧を検知するステップと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、要求に応じてDCバスからハウスキーピングパワーサプライへの電力のフローを減少するステップと
を含む方法。
【請求項15】
燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための方法であって、
DCバスにより燃料電池スタックから引き出される燃料電池電流を検知するステップと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、要求に応じてDCバスからハウスキーピングパワーサプライへの電力のフローを減少するステップと
を含む方法。
【請求項16】
燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための方法であって、
燃料電池スタックに接続されたDCバス上のDCバス電圧を検知するステップと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、要求に応じてDCバスからロードバンクへの電力のフローを増加するステップと
を含む方法。
【請求項17】
燃料電池スタックからDCバスへの電力の供給を、選択された作動範囲内で安定化するための方法であって、
DCバスにより燃料電池スタックから引き出される燃料電池電流を検知するステップと、
選択された作動範囲の外にある電力の供給を現す安定化信号に基づいて、要求に応じてDCバスからロードバンクへの電力のフローを増加するステップと
を含む方法。
【請求項18】
燃料電池スタックと、DCバスと、請求項1〜11のうちのいずれか一に記載の燃料電池安定化システムと
を含む燃料電池システム。
【請求項19】
燃料電池スタックから電力をエクスポートするために、直流交流インバータがDCバスに電気的に接続されている請求項18に記載の燃料電池システム。
【請求項20】
DCバス上の電磁ノイズ及び過渡電圧を減少するために、DCバスに電気的に接続されたEMCフィルタを含む、請求項18に記載の燃料電池システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2011−525101(P2011−525101A)
【公表日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512787(P2011−512787)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【国際出願番号】PCT/AU2009/000749
【国際公開番号】WO2009/149518
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(500101988)セラミック・フューエル・セルズ・リミテッド (12)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【国際出願番号】PCT/AU2009/000749
【国際公開番号】WO2009/149518
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(500101988)セラミック・フューエル・セルズ・リミテッド (12)
【Fターム(参考)】
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