説明

燃料電池用の燃料カートリッジ

【課題】使用すべき燃料の種別に応じて簡単に識別することができる燃料電池用の燃料カートリッジを提供すること。
【解決手段】液体燃料を用いて発電する燃料電池本体の燃料タンクに燃料を補給する燃料電池用の燃料カートリッジ10の構成部品である内側容器、接続具、外側容器14、キャップ15(42)の少なくとも外表面部分または使用の際に外側に露出する部分のいずれかに液体燃料の種別に応じた内容物表示手段50として着色部51や点字部52を設ける。
これにより、燃料電池用の液体燃料が燃料カートリッジに入れられて種々販売等されるような場合でも、誤って異なる種別の液体燃料が補給されることが防止し、燃料電池の不具合を招くことを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は燃料電池用の燃料カートリッジに関し、燃料電池本体の燃料タンクに液体燃料を補給するための燃料カートリッジで、燃料の種類や濃度を確実に識別して供給できるようにしたもので、特にメタノール燃料電池に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
液体燃料から直接発電することができる液体型燃料電池が種々開発されつつあり、メタノールを燃料とする直接メタノール型燃料電池(DMFC)では、改質器を必要とせず小型にできることから携帯用電子機器の電源としての利用が注目されている。
【0003】
特に、パッシブ方式とよばれる直接メタノール型燃料電池(DMFC)では、燃料電池本体側に設けた燃料タンクに液体燃料であるメタノールが入れられた燃料カートリッジを連結してメタノールを直接補給することが行われ、燃料供給用のポンプを必要とせず、一層の小型化を図ることができる(特許文献1参照)。
【0004】
また、アクティブ方式の燃料電池では、燃料電池本体側にポンプ機構が備えられ、メタノールが入れられた燃料カートリッジを連結し、ポンプ機構で燃料カートリッジ内のメタノールを吸い出して燃料タンクへ補給することが行われる。
【0005】
これらいずれの方式のメタノール型燃料電池であっても、燃料のメタノールとして濃度が異なる種々のメタノール水溶液や純メタノールが使用される。また、燃料電池の中には、メタノール水溶液に限らずエタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料が用いられたり、ジメチルエーテルやぎ酸、その他の液体燃料を用いるものもある。
【特許文献1】特開2005−71713号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、このような燃料電池用の液体燃料が燃料カートリッジに入れられて種々販売等されるようになると、誤って異なる種別の液体燃料が補給される恐れがあり、燃料電池の不具合を招くという問題が予想される。
【0007】
そこで、使用すべき燃料の種別に応じて簡単に識別することができる燃料カートリッジの開発が望まれている。
【0008】
この発明は、上記従来技術の課題と要望に鑑みてなされたもので、使用すべき燃料の種別に応じて簡単に識別することができる燃料電池用の燃料カートリッジを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記従来技術の有する課題を解決するためこの発明の請求項1記載の燃料電池用の燃料カートリッジは、液体燃料を用いて発電する燃料電池本体の燃料タンクに燃料を補給する燃料電池用の燃料カートリッジであって、液体燃料が収納され連結ノズル部を有する本体容器と、この本体容器の連結ノズル部に設けられ前記燃料電池本体の燃料タンク側と着脱可能で、液体燃料識別キー手段が設けられた接続具と、この本体容器の前記連結ノズル部を覆うキャップとからなる構成部品を少なくとも備え、これら燃料カートリッジの構成部品である本体容器、接続具、キャップの少なくとも外表面部分または使用の際に外側に露出する部分のいずれかに液体燃料の種別に応じた内容物表示手段を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
この燃料電池用の燃料カートリッジによれば、液体燃料を用いて発電する燃料電池本体の燃料タンクに燃料を補給する燃料電池用の燃料カートリッジで、これら燃料カートリッジの構成部品である本体容器、接続具、キャップの少なくとも外表面部分または使用の際に外側に露出する部分のいずれかに液体燃料の種別に応じた内容物表示手段を設けるようにしており、外表面部分の内容物表示手段によって通常の状態で、燃料の種別を簡単に識別することができ、使用の際に外側に露出する部分の内容物表示手段によって、使用直前の状態で燃料の種別を簡単に識別することができる。
【0011】
これにより、燃料電池用の液体燃料が燃料カートリッジに入れられて種々販売等されるようになっても誤って異なる種別の液体燃料が補給されることが防止され、燃料電池の不具合を招くことを防止できるようになる。
【0012】
さらに、この発明の請求項2記載の燃料電池用の燃料カートリッジは、請求項1記載の構成に加え、前記本体容器を内側容器とし、この内側容器を収納する剛性を有する外側容器を設け、前記キャップを、この外側容器または前記内側容器の前記連結ノズル部を覆って設け、これら燃料カートリッジの構成部品である前記内側容器、前記接続具、前記外側容器、前記キャップの少なくとも外表面部分または使用の際に外側に露出する部分のいずれかに液体燃料の種別に応じた前記内容物表示手段を設けたことを特徴とするものである。
【0013】
この燃料電池用の燃料カートリッジによれば、前記本体容器を内側容器とし、この内側容器を収納する剛性を有する外側容器を設け、前記キャップを、この外側容器または前記内側容器の前記連結ノズル部を覆って設け、これら燃料カートリッジの構成部品である内側容器、接続具、外側容器、キャップの少なくとも外表面部分または使用の際に外側に露出する部分のいずれかに液体燃料の種別に応じた内容物表示手段を設けるようにしており、内側容器と外側容器を備えても外表面部分の内容物表示手段によって通常の状態で、燃料の種別を簡単に識別することができ、使用の際に外側に露出する部分の内容物表示手段によって、使用直前の状態で燃料の種別を簡単に識別することができる。
【0014】
また、この発明の請求項3記載の燃料電池用の燃料カートリッジは、請求項1または2記載の構成に加え、前記内容物表示手段を、燃料の種類、濃度などの種別に応じた着色部および/または点字表示部で構成したことを特徴とするものである。
【0015】
この燃料電池用の燃料カートリッジによれば、前記内容物表示手段を、燃料の種類、濃度などの種別に応じた着色部および/または点字表示部で構成しており、着色部と点字表示部の両方、あるいは着色部だけ、点字表示部だけで燃料の修理や濃度などの種別を簡単に識別することができるようになる。
【0016】
さらに、この発明の請求項4記載の燃料電池用の燃料カートリッジは、請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加え、前記内容物表示手段を、使用の際に液体燃料と接触しない前記構成部品に設けたことを特徴とするものである。
【0017】
この燃料電池用の燃料カートリッジによれば、前記内容物表示手段を、使用の際に液体燃料と接触しない前記構成部品に設けるようにしており、内容物表示手段が燃料との接触による影響を受けることがなく、例えば着色剤からの金属イオンの燃料への溶出の問題がない等、使用できる着色剤などの自由度が増大する。
【0018】
また、この発明の請求項5記載の燃料電池用の燃料カートリッジは、請求項1〜4のいずれかに記載の構成に加え、前記内容物表示手段を、前記燃料電池本体側にも設けたことを特徴とするものである。
【0019】
この燃料電池用の燃料カートリッジによれば、前記内容物表示手段を、前記燃料電池本体側にも設けており、燃料カートリッジ側の内容物表示手段に加え、燃料電池本体側の内容物表示手段との両方で一層確実に使用すべき燃料の識別ができるようになる。
【0020】
さらに、この発明の請求項6記載の燃料電池用の燃料カートリッジは、請求項2〜5のいずれかに記載の構成に加え、前記内側容器は、スクイズ性(可撓性)を有する合成樹脂製ボトルで構成され、前記外側容器は、前記内側容器を収納するとともに前記内側容器の少なくとも一部を押圧して液体燃料を押し出し可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0021】
この燃料電池用の燃料カートリッジによれば、前記内側容器は、スクイズ性(可撓性)を有する合成樹脂製ボトルで構成され、前記外側容器は、前記内側容器を収納するとともに前記内側容器の少なくとも一部を押圧して液体燃料を押し出し可能に構成してあり、合成樹脂製でスクイズ性の内側ボトルを外側容器を介して一部を押すことで液体燃料を押し出すことができ、ポンプなどを必要とせずに補給することができるようになる。
【0022】
また、この発明の請求項7記載の燃料電池用の燃料カートリッジは、請求項2〜5のいずれかに記載の構成に加え、前記内側容器は、一端に接続具が装着された袋状容器であり、前記接続具と前記燃料電池本体の前記燃料タンクとの間に設けたポンプ機構により前記内側容器に収納された内容液を吸い出して前記燃料タンクへ補給することを特徴とするものである。
【0023】
この燃料電池用の燃料カートリッジによれば、前記内側容器は、一端に接続具が装着された袋状容器であり、前記接続具と前記燃料電池本体の前記燃料タンクとの間に設けたポンプ機構により前記内側容器に収納された内容液を吸い出して前記燃料タンクへ補給するようにしてあり、ポンプ機構を備えた燃料タンクに対して袋状の内側容器から液体燃料を吸い出して補給できるようになる。
【0024】
さらに、この発明の請求項8記載の燃料電池用の燃料カートリッジは、請求項1〜7のいずれかに記載の構成に加え、前記接続具とは別体に成形され、前記液体燃料識別キー手段が付されたキー部材が接続具の周囲に配置されていることを特徴とするものである。
【0025】
この燃料電池用の燃料カートリッジによれば、前記接続具とは別体に成形された前記液体燃料識別キー手段が付されたキー部材を接続具の周囲に配置することで、キー部材によって液体燃料の種別を簡単に識別できるようになり、このキー部材を利用して内容物表示を行うことも可能となる。
【0026】
また、この発明の請求項9記載の燃料電池用の燃料カートリッジは、請求項8に記載の構成に加え、前記キー部材を、前記接続具の中心軸周りに回転可能なリング部材で構成したことを特徴とするものである。
【0027】
この燃料電池用の燃料カートリッジによれば、前記キー部材を、前記接続具の中心軸周りに回転可能なリング部材で構成してあり、接続具と別体としたリング部材によっても液体燃料の種別を簡単に識別できるようになり、このリング部材を利用して内容物表示を行うことも可能となる。
【0028】
さらに、この発明の請求項10記載の燃料電池用の燃料カートリッジは、請求項1〜9のいずれかに記載の構成に加え、前記接続具または前記リング部材に、連結状態までは機能せず過剰な回転力で連結を開放可能とするカム機構を設けて構成したことを特徴とするものである。
【0029】
この燃料電池用の燃料カートリッジによれば、前記接続具または前記リング部材に、連結状態までは機能せず過剰な回転力で連結を開放可能とするカム機構を設けて構成してあり、接続具やリング部材に設けたカム機構で、過剰な回転力が加わった場合の連結を開放することで、接続具や燃料電池本体側の損傷を防止し、燃料の漏れなども防止でき、しかもこのカム機構を利用して内容物表示を行うことも可能となるようにしている。
【0030】
また、この発明の請求項11記載の燃料電池用の燃料カートリッジは、請求項2〜6のいずれかまたは請求項8〜10のいずれかに記載の構成に加え、前記外側容器は、前記内側容器の前記接続具を除いて収納可能に形成されるとともに、前記内側容器を押圧し収縮させて液体燃料を押し出す押ボタンを備えたことを特徴とするものである。
【0031】
この燃料電池用の燃料カートリッジによれば、外側容器に設けた押ボタンを押すことで内側容器を収縮させて液体燃料を押し出すことができ、ポンプを用いることなく、液体燃料を補給できるようになり、この押ボタンを利用して内容物表示を行うことも可能となる。
【0032】
さらに、この発明の請求項12記載の燃料電池用の燃料カートリッジは、請求項1〜11のいずれかに記載の構成に加え、前記キャップは、ねじ式の内装キャップと、この内装キャップを覆って回転可能かつ限られた範囲で軸方向に移動可能に装着され押し下げ回転で当該内装キャップと一体化して回転可能かつ回転のみでは遊転可能とされた外装キャップとからなる二重キャップで構成したことを特徴とするものである。
【0033】
この燃料電池用の燃料カートリッジによれば、前記キャップは、ねじ式の内装キャップと、この内装キャップを覆って回転可能かつ限られた範囲で軸方向に移動可能に装着され押し下げ回転で当該内装キャップと一体化して回転可能かつ回転のみでは遊転可能とされた外装キャップとからなる二重キャップで構成してあり、内装キャップと外装キャップとの2重キャップとし、外装キャップを回すだけでは内装キャップを回転できず、押し込む操作との組み合わせでないと回転できないようにすることで、子供が誤ってキャップをあけることなどを防止でき、一層安全に使用することができるようになる。
【0034】
また、この発明の請求項13記載の燃料電池用の燃料カートリッジは、請求項8〜10のいずれかに記載の構成に加え、前記キー部材、前記リング部材との少なくともいずれかを、着色剤を合成樹脂原料に練り込んで成形し予め着色したことを特徴とするものである。
【0035】
この燃料電池用の燃料カートリッジによれば、前記キー部材、前記リング部材との少なくともいずれかを、着色剤を合成樹脂原料に練り込んで成形し予め着色しており、着色剤を合成樹脂原料に練り込んで成形する場合の色を燃料の種別に応じて変えることで簡単に燃料を識別できるとともに、燃料と接触することがないので着色剤から金属イオンが燃料に溶出することもなく、使用の際の燃料電池本体との接続直前に確認でき、確実に誤装着を防止できるようになる。
【発明の効果】
【0036】
この発明の請求項1記載の燃料電池用の燃料カートリッジによれば、液体燃料を用いて発電する燃料電池本体の燃料タンクに燃料を補給する燃料電池用の燃料カートリッジで、これら燃料カートリッジの構成部品である本体容器、接続具、キャップの少なくとも外表面部分または使用の際に外側に露出する部分のいずれかに液体燃料の種別に応じた内容物表示手段を設けるようにしたので、外表面部分の内容物表示手段によって通常の状態で、燃料の種別を簡単に識別することができ、使用の際に外側に露出する部分の内容物表示手段によって、使用直前の状態で燃料の種別を簡単に識別することができる。
【0037】
これにより、燃料電池用の液体燃料が燃料カートリッジに入れられて種々販売等されるようになっても誤って異なる種別の液体燃料が補給されることが防止され、燃料電池の不具合を招くことを防止できる。
【0038】
さらに、この発明の請求項2記載の燃料電池用の燃料カートリッジによれば、前記本体容器を内側容器とし、この内側容器を収納する剛性を有する外側容器を設け、前記キャップを、この外側容器または前記内側容器の前記連結ノズル部を覆って設け、これら燃料カートリッジの構成部品である内側容器、接続具、外側容器、キャップの少なくとも外表面部分または使用の際に外側に露出する部分のいずれかに液体燃料の種別に応じた内容物表示手段を設けるようにしたので、内側容器と外側容器を備えても外表面部分の内容物表示手段によって通常の状態で、燃料の種別を簡単に識別することができ、使用の際に外側に露出する部分の内容物表示手段によって、使用直前の状態で燃料の種別を簡単に識別することができる。
【0039】
また、この発明の請求項3記載の燃料電池用の燃料カートリッジによれば、前記内容物表示手段を、燃料の種類、濃度などの種別に応じた着色部および/または点字表示部で構成したので、着色部と点字表示部の両方、あるいは着色部だけ、点字表示部だけで燃料の修理や濃度などの種別を簡単に識別することができる。
【0040】
さらに、この発明の請求項4記載の燃料電池用の燃料カートリッジによれば、前記内容物表示手段を、使用の際に液体燃料と接触しない前記構成部品に設けるようにしたので、内容物表示手段が燃料との接触による影響を受けることがなく、例えば着色剤からの金属イオンの燃料への溶出の問題がない等、使用できる着色剤などの自由度を増大することができる。
【0041】
また、この発明の請求項5記載の燃料電池用の燃料カートリッジによれば、前記内容物表示手段を、前記燃料電池本体側にも設けたので、燃料カートリッジ側の内容物表示手段に加え、燃料電池本体側の内容物表示手段との両方で一層確実に使用すべき燃料を識別することができる。
【0042】
さらに、この発明の請求項6記載の燃料電池用の燃料カートリッジによれば、前記内側容器は、スクイズ性(可撓性)を有する合成樹脂製ボトルで構成され、前記外側容器は、前記内側容器を収納するとともに前記内側容器の少なくとも一部を押圧して液体燃料を押し出し可能に構成したので、合成樹脂製でスクイズ性の内側ボトルを外側容器を介して一部を押すことで液体燃料を押し出すことができ、ポンプなどを必要とせずに補給することができる。
【0043】
また、この発明の請求項7記載の燃料電池用の燃料カートリッジによれば、前記内側容器は、一端に接続具が装着された袋状容器であり、前記接続具と前記燃料電池本体の前記燃料タンクとの間に設けたポンプ機構により前記内側容器に収納された内容液を吸い出して前記燃料タンクへ補給するようにしたので、ポンプ機構を備えた燃料タンクに対して袋状の内側容器から液体燃料を吸い出して補給することができる。
【0044】
さらに、この発明の請求項8記載の燃料電池用の燃料カートリッジによれば、前記接続具とは別体に成形された前記液体燃料識別キー手段が付されたキー部材を接続具の周囲に配置することで、キー部材によって液体燃料の種別を簡単に識別することができ、このキー部材を利用して内容物表示を行うことも可能となる。
【0045】
また、この発明の請求項9記載の燃料電池用の燃料カートリッジによれば、前記キー部材を、前記接続具の中心軸周りに回転可能なリング部材で構成したので、接続具と別体としたリング部材によっても液体燃料の種別を簡単に識別することができ、このリング部材を利用して内容物表示を行うことも可能となる。
【0046】
さらに、この発明の請求項10記載の燃料電池用の燃料カートリッジによれば、前記接続具または前記リング部材に、連結状態までは機能せず過剰な回転力で連結を開放可能とするカム機構を設けて構成したので、接続具やリング部材に設けたカム機構で、過剰な回転力が加わった場合の連結を開放することができ、接続具や燃料電池本体側の損傷を防止することができるとともに、燃料の漏れなども防止することができる。
【0047】
また、この発明の請求項11記載の燃料電池用の燃料カートリッジによれば、外側容器に設けた押ボタンを押すことで内側容器を収縮させて液体燃料を押し出すことができ、ポンプを用いることなく、液体燃料を補給することができる。
【0048】
さらに、この発明の請求項12記載の燃料電池用の燃料カートリッジによれば、前記キャップは、ねじ式の内装キャップと、この内装キャップを覆って回転可能かつ限られた範囲で軸方向に移動可能に装着され押し下げ回転で当該内装キャップと一体化して回転可能かつ回転のみでは遊転可能とされた外装キャップとからなる二重キャップで構成したので、内装キャップと外装キャップとの2重キャップとし、外装キャップを回すだけでは内装キャップを回転できず、押し込む操作との組み合わせでないと回転できないようにすることで、子供が誤ってキャップをあけることなどを防止することができ、一層安全に使用することができる。
【0049】
また、この発明の請求項13記載の燃料電池用の燃料カートリッジによれば、前記キー部材、前記リング部材との少なくともいずれかを、着色剤を合成樹脂原料に練り込んで成形し予め着色したので、着色剤を合成樹脂原料に練り込んで成形する場合の色を燃料の種別に応じて変えることで簡単に燃料を識別することができるとともに、燃料と接触することがないので着色剤から金属イオンが燃料に溶出することもなく、使用の際の燃料電池本体との接続直前に確認でき、確実に誤装着を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1〜図6はこの発明の燃料電池用の燃料カートリッジの一実施の形態にかかり、図1は全体の正面図および縦断面図、図2は内側容器の正面図および側面図、図3は外側容器に収納された内側容器とともに示す接続具の概略断面図、図4は接続具に設けたカム機構の説明図および燃料電池本体側の接続具の概略斜視図、図5は接続具に設ける液体燃料識別手段のリング部材の正面図、平面図および側面図、図6は外装キャップおよび内装キャップのそれぞれ正面図および断面図、図7は外装キャップおよび内装キャップ装着した遊転状態および回転状態を示す断面図である。
【0051】
この燃料電池用の燃料カートリッジ10では、燃料電池本体の燃料タンクと着脱される接続具を介して燃料を補給するためのものであり、燃料カートリッジから液体燃料を押し出すことで直接補給するパッシブ方式や燃料電池本体側にポンプ機構を備えて燃料カートリッジの液体燃料を吸い出して補給するアクティブ方式のいずれにも適用できるものであり、パッシブ方式とアクティブ方式のいずれであっても、その構成部品として、液体燃料が収納され連結ノズル部11を有する本体容器としての内側容器12と、この内側容器12の連結ノズル部11に設けられ燃料電池本体の燃料タンク側と着脱可能で、液体燃料識別キー手段35が設けられた接続具13と、剛性を有し内側容器12を収納する外側容器14と、この外側容器14または内側容器12に設けられ内側容器12の連結ノズル部11を覆って密封するキャップ15とを少なくとも備えている。
【0052】
なお、外側容器を省略し、内側容器を本体容器として燃料カートリッジを構成することもできる。
【0053】
例えば、パッシブ方式の燃料電池用の燃料カートリッジ10では、その構成部品として、液体燃料が収納され収縮性を有し連結ノズル部11を有するプラスチック製の本体容器としての内側容器12と、この内側容器12の連結ノズル部11に設けられ燃料電池本体の燃料タンク側と着脱可能で、液体燃料識別キー手段35が設けられた接続具13と、剛性を有し内側容器12を収納するとともに、内側容器12を押圧し収縮させて液体燃料を押し出し可能な外側容器14と、この外側容器14または内側容器12に設けられ内側容器12の連結ノズル部11を覆って密封するキャップ15とを少なくとも備えている。
【0054】
燃料が入れられる本体容器としての内側容器12は、燃料であるメタノールに対する耐食性および耐透過性(バリアー性)を有するとともに、メタノールを押し出すことができる収縮性およびスクイズ性を有する合成樹脂製のプラスチックボトルとされ、例えば横断面形状が略扁平の楕円状としてある。
【0055】
なお、アクティブ方式で、ポンプ機構で吸引する場合の本体容器としての内側容器としては、燃料であるメタノールを入れることができ、メタノールに対する耐食性や耐透過性を有する袋状であれば良く、連結ノズル部11と偏心させたボトル本体とで後述する押ボタンの操作スペースを確保できる横断面形状などにする必要はなく、吸引にともなって収縮できるものであれば良い。
【0056】
これらの内側容器12の合成樹脂素材としては、メタノールの耐透過化性などを考慮し、例えばオレフィン系樹脂が好適である。そして、これらの合成樹脂による単層構造あるいは多層構造としたボトルが用いられる。
【0057】
なお、外側容器を省略し、内側容器を本体容器として燃料カートリッジを構成する場合には、容器本体を直接操作することからポリエステル系樹脂が好適であり、例えばPET単体、PEN(ポリエチレンアフタレート)単体、あるいはPET/PENの混合樹脂を挙げることができる。そして、これらポリエステル系樹脂のボトルは、プリフォームを成形後、二軸延伸ブロー成形することで、ダイレクトブロー成形に比べて高速生産することが可能となる。
【0058】
この内側容器12には、上端部に先細の連結ノズル部11が突き出して形成され、連結ノズル部11に燃料電池本体側と着脱可能に接続される接続具13としてカップラーが装着してある。
【0059】
この接続具13としてのカップラーは、互いに着脱可能な一対の嵌合凹凸部となるプラグPおよびソケットSで構成され、例えば燃料カートリッジ10側には、嵌合凸部となるプラグPがプラスチックボトル12の連結ノズル部11に装着され、嵌合凹部となるソケットSが燃料電池本体側に設けられ、弁機構としてばね13aなどで付勢された弁体13bがそれぞれに設けられ、互いを装着・連結した状態で連通して燃料を流出させることができ、分離・離脱した状態で密閉できる構造としてある。
【0060】
また、このカップラー13には、ソケットSとプラグPとの連結状態を保持するため連結保持手段20が設けられ、例えば連結保持手段20の一方側を係合凹部21としてプラグPの先端部に設け、相手側を係合凸部22としてソケットSに弾性変形可能な部材を設けて構成することで、互いを直線方向に乗越えるように挿脱し、押込む1アクションで係合させて連結保持でき、引き出すようにする1アクションで解除できるようにしてある。
【0061】
さらに、このカップラー13では、ソケットSやプラグPの中心軸を中心とする回転方向に通常の使用範囲を超えた過剰な力(無理に回転する力)が加わると、カップラー13や本体側の機器が破損する恐れがあることから、開放手段30が設けてある。
【0062】
この開放手段30は、例えばカム機構で構成され、プラグ本体にカム部31を設け、プラグPに装着されるカムリング32にカムフォロア部33を設けて構成し、カムリング32と燃料電池本体側のソケットSとの間に液体燃料識別キー手段35を構成するキー36とキー溝37とが設けられて一体に回転するようにしてある。これにより、プラグPとソケットSとの間に過剰な回転力が相対的に作用すると、カム機構により回転力が挿脱方向の引き離し力に変換され、自動的にプラグPとソケットSとの連結が解除できるようにしてある。
【0063】
また、この接続具13では、液体燃料識別キー手段35を構成するキー36とキー溝37の寸法(縦、横、深さ)や個数(図示例では、1個の場合を示す。)を変えることで、所定のプラグPとソケットSのみが連結できる識別機能を備えるようにしてある。
【0064】
なお、この液体燃料識別キー手段35は、接続具13と別体の開放機構30のカムリング32に設ける場合に限らず、接続具13と一体に設けても良い。
【0065】
さらに、図5に示すように、キー36だけを形成したリング部材38を接続具13に取り付けるようにしても良い。このリング部材38には、キー36の位置を明示するための明示手段39として、上端面からV字溝がキー36の位置に対応して形成してある。
【0066】
なお、明示手段39としては、V字溝に限らず、U字溝であったり、半円溝などの種々の形状の溝ないし凹部であっても良く、溝を一条とする場合に限らず複数条としてキー36の幅程度の範囲に設けるようにしても良い。また、上端面からの溝や凹部に限らず、側壁部分に溝や凹部を形成して明示できるようにしても良い。
【0067】
なお、液体燃料識別キー手段のキーとキー溝を入れ替えて形成するようにしても良い。
【0068】
このような内側容器としてのプラスチックボトル12は、剛性を有し内側容器12を収納するとともに、内側容器12を押圧し収縮させて液体燃料を押し出し可能な外側容器14に収納される。
【0069】
この外側容器14は、内側容器であるプラスチックボトル12を収納できるように前後面で分割された二分割構造のハードケースとされ、前面部材14aに押ボタン14bが設けられ、下端部を支点として内側に押し込むことができるようにしてある。また、この外側容器14には、プラスチックボトル12の連結ノズル部11を覆う外側ノズル部14cが前面部材14aと後面部材14dとのそれぞれに半割り状に突き出して形成してあり、外側ノズル部14cの外周のねじ部に外側ノズルキャップ14eをねじ込んでそれぞれを連結し、連結ノズル部11の外周を覆って保護するようにしてある。
【0070】
したがって、この外側容器14内に内側容器であるプラスチックボトル12を収納し、二つ割りの前面部材14aおよび後面部材14dを合わせるように閉じた後、外側ノズルキャップ14eをねじ込むことで、プラスチックボトル12のほぼ全体を収納でき、接続具であるカップラー13としてのプラグPのみが露出した状態とする。この状態で、プラグPを燃料電池本体のソケットSと連結した後、外側容器14の押ボタン14bを押すことで、内側容器12の胴部前面が押され、燃料をプラスチックボトル12から流出させてソケットSを介して燃料電池本体側に供給することができる。
【0071】
なお、アクティブ方式で、ポンプ機構で吸引する場合の外側容器としては、燃料であるメタノールが入れられた内側容器であるプラスチックボトルを収納できるものであれば良く、押ボタンを備える必要はない。
【0072】
また、外側容器14の外側ノズルキャップ14eの外側には、キャップ15が設けられて内側容器12および外側容器14を覆って密閉できるようにしてある。
【0073】
このキャップ(安全キャップ)15は、合成樹脂製とされた内装キャップ41と外装キャップ42とで構成され、内装キャップ41で外側ノズルキャップ14eを覆って基端部のねじ部にねじ込んで密封状態にし、外装キャップ42で内装キャップ41を覆って回転可能かつ限られた範囲で軸方向に移動可能に装着しておき、外装キャップ42を押し下げて回転する動作で内装キャップ41と一体化して回転できるようにしたり、外装キャップ42の回転動作のみでは遊転させることで、チャイルドレジスタント効果を備える安全キャップとして機能させるようにしてある。
【0074】
このような安全キャップ15の内装キャップ41は、図1および図2に示すように、略底付きの2段の円筒状に形成されて底部分が天面とされ、基端部の大径円筒部41aの内周に外側容器14の外側ノズルキャップ14eのねじ部にねじ込まれるねじ部41bが形成してある。
【0075】
さらに、この内装キャップ41には、2段の円筒状の大径円筒部41aと小径部41cとの外側に段差部41gが形成され、円錐面で構成してあり、この段差部41gには、外装キャップ42の押し下げ回転動作で内装キャップ41と一体化でき、外装キャップ42の回転動作のみでは遊転させる機構としてラチェット機構43のラチェット歯部44が円周等間隔に複数個(図示例では、8個)設けてある。
【0076】
このような内装キャップ41の外側に被せる外装キャップ42は、図1および図3に示すように、略底つき円筒状に形成されて底部分が天面42aとされるようになっており、円筒部42bの下端部内周に軸方向にある程度の範囲、すなわち内装キャップ41と一体的に回転させたり、遊転させることができる範囲に軸方向の移動を規制するため移動規制部42cが内側に突き出した水平の突条として形成され、内装キャップ41の軸方向移動規制部41eの下方に係止され、上方への移動が規制される。一方、下方への移動は外装キャップ42の天面42aが内装キャップ41の天面に当接することで規制され、これらの間で上下動できるようになっている(図1(a)の上端位置および(b)の下端位置参照)。
【0077】
さらに、外装キャップ42には、外装キャップ42の押し下げ回転動作で内装キャップ41と一体化でき、外装キャップ42の回転動作のみでは遊転させる機構としてラチェット機構43のラチェット爪部45が円周等間隔に複数個(図示例では、8個)設けてある。
【0078】
これにより、外装キャップ42を押し下げた状態では、ラチェット爪部45が内装キャップ41のラチェット歯部44の各歯とかみ合わせて、内装キャップ41を開いたり、閉めたりすることができるようになる。
【0079】
一方、外装キャップ42を押し下げない状態では、ラチェット爪部45が内装キャップ41のラチェット歯部44の各歯の上面に位置することになり、このまま回転しても滑ることで内装キャップ41とは連結されない遊転状態となる。
【0080】
したがって、外装キャップ42を押し下げずに反時計回りに回転して安全キャップ15を取り外そうとすると、ラチェット機構43が遊転して内装キャップ4
1を回転して燃料カートリッジ10から取り外すことができない。これにより、チャイルドレジスタント効果を奏するものとなり、誤まって安全キャップ15を取り外すことを防止することができ、内側容器12内の内容物を誤まって漏洩させたり、子供などが誤まって取り出すことを防止することができる。
【0081】
また、このラチェット機構43では、遊転方向に回転する場合に、ラチェット爪部45がラチェット歯部44に沿って移動するだけであり、遊転トルク(空回りトルク)をほとんど零にすることができ、例えば開栓トルクを30〜40cN・m程度としても遊転トルクを略零にすることで、チャイルドレジスタント効果を明確にすることができる。
【0082】
このように構成した燃料電池用の燃料カートリッジ10では、内側容器であるプラスチックボトル12に燃料電池の使用に応じた種別の燃料、例えば純メタノール、所定濃度のメタノール水溶液、その他の燃料が入れられて使用されることになる。
【0083】
そこで、燃料の種別に応じて燃料カートリッジ10を簡単に識別できるようにするため、燃料カートリッジ10の外表面部分または使用の際に外側に露出する部分のいずれかに液体燃料の種別に応じた内容物表示手段50が設けてある。
【0084】
この内容物表示手段50としては、燃料電池用の燃料カートリッジ10の構成部品として備えている内側容器12、接続具13、外側容器14、キャップ15の少なくともいずれかに、燃料の種類、濃度などの種別に応じた着色部51や点字表示部52を設けたり、これらを組み合わせて設けて構成する。
【0085】
この内容物表示手段50として着色部51を外側容器14に設ける場合には、例えば、図1に示すように、帯状に着色した着色部51aとし、その色によって識別する。この場合、燃料電池本体側に同一の着色を施すことで、使用すべき燃料であることを確実に識別することができる。
【0086】
また、外側容器14に設ける場合に、押ボタン14bを着色して着色部51bすることで内容物表示手段50とすることができ、色の異なる押しボタン14bを用意することで、燃料カートリッジ10の他の構成部品12,13,14,15を共通化して識別性を付与することができ、特に押ボタン14bの着色部51bを着色透明性を備えるようにすれば、内側容器12内の燃料の残量を外側から知ることができ、好ましい。
【0087】
さらに、キャップ15に設ける場合には、例えば図6に示すように、外装キャップ42に着色部51cを設けて着色することで識別することが可能となる。
【0088】
このような燃料カートリッジ10の外側表面部分に内容物表示手段50を設けることで、簡単に外側から燃料の種別(燃料の種類や濃度)を確実に知ることができる。
【0089】
次に、内容物表示手段50を燃料カートリッジ10の使用の際に外側に露出する部分に設ける場合としては、例えば開放手段30を構成するカム機構のカムリング32を着色して着色部51dとすることで燃料の種別を識別することができる。特に、カムリング32の場合には、成形の際、樹脂原料に着色剤を練り込んで成形することで、内容物表示手段50とすることができ、色の異なるカムリング32を用意することで、燃料カートリッジ10の他の構成部品11,12,13,14,15を共通化して識別性を付与することができ、燃料を補給しようとする直前に確実に識別することができるとともに、燃料とは直接接触することがない部分であり、例え着色剤に金属イオンを含んでも燃料中への金属イオンの溶出による悪影響を受けることがない。
【0090】
また、外側ノズルキャップ14eを着色して着色部51eとすることで、内容物表示手段50とすることができ、色の異なる外側ノズルキャップ14eを用意することで、燃料カートリッジ10の他の構成部品11,12,13,14,15を共通化して識別性を付与することができ、カムリング32の場合と同様に、補給直前に識別できるとともに、燃料中への金属イオンの溶出も防止できる。
【0091】
このような着色部51による内容物表示手段50に加えて点字による点字部52を内容物表示手段50として併設することで、目の不自由な方が使用する場合においても燃料の種別を確実に識別することができる。
【0092】
このように燃料カートリッジ10に内容物表示手段50を設けることで、燃料の種別を識別することができるが、特に、カムリング32を設け、このカムリング32を成形段階で着色剤を樹脂原料に練り込んで成形することで着色部51dとすることが最も好ましく、燃料の種別による着色が簡単にでき、しかも他の部品を共通化することで安価に多くの種類の識別ができる。また、カムリング32であれば、燃料と直接接触することがなく、着色剤中の金属イオンの燃料への溶出の問題もなく、しかも燃料電池本体への接続直前に外側に露出する部分であり、注意を喚起して誤接続を防止することが確実にできる。特に、燃料電池本体側のカップラーであるソケットSなどに同一の着色部を設けておくことで、一層確実に誤接続を防止して燃料を補給することができる。
【0093】
また、カムリング32に代えて液体燃料識別キー手段35として接続具13と別体にキー36だけを形成したリング部材を接続具13に取り付けるようにした場合には、図示しないキーを備えたリング部材を着色することで内容物表示手段としても良く、キーリングと同様に、燃料と直接接触することがなく、着色剤中の金属イオンの燃料への溶出の問題もなく、しかも燃料電池本体への接続直前に外側に露出する部分であり、注意を喚起して誤接続を防止することが確実にできる。
【0094】
なお、接続具13と一体に設けたキーやキー溝などのキー部材を着色することで、内容物表示手段とすることもできる。
【0095】
なお、着色部の大きさなどは、設ける部位により適宜定めれば良く、使用者などが識別できるものであれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】この発明の燃料電池用の燃料カートリッジの一実施の形態にかかる全体の正面図および縦断面図である。
【図2】この発明の燃料電池用の燃料カートリッジの一実施の形態にかかる内側容器の正面図および側面図である。
【図3】この発明の燃料電池用の燃料カートリッジの一実施の形態にかかる外側容器に収納された内側容器とともに示す接続具の概略断面図である。
【図4】この発明の燃料電池用の燃料カートリッジの一実施の形態にかかる接続具に設けたカム機構の説明図および燃料電池本体側の接続具の概略斜視図である。
【図5】この発明の燃料電池用の燃料カートリッジの一実施の形態にかかる接続具に設ける液体燃料識別手段のリング部材の正面図、平面図および側面図である。
【図6】この発明の燃料電池用の燃料カートリッジの一実施の形態にかかる外装キャップおよび内装キャップのそれぞれ正面図および断面図である。
【図7】この発明の燃料電池用の燃料カートリッジの一実施の形態にかかる外装キャップおよび内装キャップ装着した遊転状態および回転状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0097】
10 燃料カートリッジ
S ソケット(燃料電池本体側)
P プラグ
11 連結ノズル部
12 内側容器(本体容器:プラスチックボトル)
13 接続具(カップラー)
13a ばね
13b 弁体
14 外側容器(ハードケース)
14a 前面部材
14b 押ボタン
14c 外側ノズル部
14d 後面部材
14e 外側ノズルキャップ
15 キャップ
50 内容物表示手段
51 着色部
51a〜51e 各部の着色部
52 点字部
20 連結保持手段
21 係合凹部
22 係合凸部
30 開放機構
31 カム部
32 カムリング
33 カムフォロア部
35 液体燃料識別キー手段
36 キー
37 キー溝
38 リング部材
39 明示手段
41 内装キャップ
41a 大径円筒部
41b ねじ部
41c 小径部
41e 軸方向規制部
41g 段差部
42 外装キャップ
42a 天面
42b 円筒部
42c 移動規制部
43 ラチェット機構
44 ラチェット歯部
45 ラチェット爪部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体燃料を用いて発電する燃料電池本体の燃料タンクに燃料を補給する燃料電池用の燃料カートリッジであって、
液体燃料が収納され連結ノズル部を有する本体容器と、
この本体容器の連結ノズル部に設けられ前記燃料電池本体の燃料タンク側と着脱可能で、液体燃料識別キー手段が設けられた接続具と、
この本体容器の前記連結ノズル部を覆うキャップとからなる構成部品を少なくとも備え、
これら燃料カートリッジの構成部品である本体容器、接続具、キャップの少なくとも外表面部分または使用の際に外側に露出する部分のいずれかに液体燃料の種別に応じた内容物表示手段を設けたことを特徴とする燃料電池用の燃料カートリッジ。
【請求項2】
前記本体容器を内側容器とし、
この内側容器を収納する剛性を有する外側容器を設け、
前記キャップを、この外側容器または前記内側容器の前記連結ノズル部を覆って設け、
これら燃料カートリッジの構成部品である前記内側容器、前記接続具、前記外側容器、前記キャップの少なくとも外表面部分または使用の際に外側に露出する部分のいずれかに液体燃料の種別に応じた前記内容物表示手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用の燃料カートリッジ。
【請求項3】
前記内容物表示手段を、燃料の種類、濃度などの種別に応じた着色部および/または点字表示部で構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池用の燃料カートリッジ。
【請求項4】
前記内容物表示手段を、使用の際に液体燃料と接触しない前記構成部品に設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用の燃料カートリッジ。
【請求項5】
前記内容物表示手段を、前記燃料電池本体側にも設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池用の燃料カートリッジ。
【請求項6】
前記内側容器は、スクイズ性(可撓性)を有する合成樹脂製ボトルで構成され、
前記外側容器は、前記内側容器を収納するとともに前記内側容器の少なくとも一部を押圧して液体燃料を押し出し可能に構成されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の燃料電池用の燃料カートリッジ。
【請求項7】
前記内側容器は、一端に接続具が装着された袋状容器であり、
前記接続具と前記燃料電池本体の前記燃料タンクとの間に設けたポンプ機構により前記内側容器に収納された内容液を吸い出して前記燃料タンクへ補給することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の燃料電池用の燃料カートリッジ。
【請求項8】
前記接続具とは別体に成形され、前記液体燃料識別キー手段が付されたキー部材が接続具の周囲に配置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の燃料電池用の燃料カートリッジ。
【請求項9】
前記キー部材を、前記接続具の中心軸周りに回転可能なリング部材で構成したことを特徴とする請求項8に記載の燃料電池用の燃料カートリッジ。
【請求項10】
前記接続具または前記リング部材に、連結状態までは機能せず過剰な回転力で連結を開放可能とするカム機構を設けて構成したことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の燃料電池用の燃料カートリッジ。
【請求項11】
前記外側容器は、前記内側容器の前記接続具を除いて収納可能に形成されるとともに、前記内側容器を押圧し収縮させて液体燃料を押し出す押ボタンを備えたことを特徴とする請求項2〜6のいずれかまたは請求項8〜10のいずれかに記載の燃料電池用の燃料カートリッジ。
【請求項12】
前記キャップは、ねじ式の内装キャップと、この内装キャップを覆って回転可能かつ限られた範囲で軸方向に移動可能に装着され押し下げ回転で当該内装キャップと一体化して回転可能かつ回転のみでは遊転可能とされた外装キャップとからなる二重キャップで構成したことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の燃料電池用の燃料カートリッジ。
【請求項13】
前記キー部材、前記リング部材との少なくともいずれかを、着色剤を合成樹脂原料に練り込んで成形し予め着色したことを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の燃料電池用の燃料カートリッジ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−52926(P2008−52926A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−225306(P2006−225306)
【出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】