説明

燃料電池用の電極の製造方法

燃料電池用の電極の製造方法であって、少なくとも以下のステップを含む方法:(a)電極基板を提供すること;(b)前記電極基板の少なくとも一部を、還元剤、金属前駆物質、および浮遊する分散粒子を含む無電解めっき液と接触させること;および(c)前記電極基板の前記接触部上に前記金属前駆物質から金属を無電解でめっきすること、これにより、前記電極を提供するために前記電極基板の前記接触部上に前記分散粒子を同時堆積させること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池用の、特に固体酸化物型燃料電池(SOFC)用の電極(例えばアノードまたはカソード)の製造方法、およびこの方法に従って製造される電極に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、燃料の化学エネルギーを電気エネルギーに変換する電気化学的装置である。図1aは、平面燃料電池の概略図を示す。燃料電池は、少なくとも、電解質Eおよび2つの電極(すなわち、アノードAおよびカソードC)を含み、それに加えて、相互接続Iを含んでもよい。燃料電池は、2つの多孔質電極に挟まれる電解質から、典型的に造られる。固体酸化物型燃料電池において、酸素含有ガスXの流れは、カソードC全体を通過する。ここで、酸素は、酸化物イオンを発生するためにカソード/電解質境界面で還元される。酸化物イオンは、電解質E内に拡散して、アノードAに移動する。ここで、酸化物イオンは、相互接続Iを経て外部回路へ通過する電子を解放するために、燃料Yの流れからの燃料と組み合わせることができる。対照的に、固体高分子型燃料電池(PEM)のような他のタイプの燃料電池は、電解質を通して拡散する水素イオンによって作動する。
【0003】
距離Rとして示されるセル繰り返しユニットの長さとともに、図1aには、電流の方向Zが、装置の底部から頂部に向けて流れるように示される。燃料電池に対する代わりの管状構造は、図1bに示される。各種の構成要素および流れに対する参照符号は、図1aのそれらと同一である。
【0004】
SOFCのための材料の選択は、多くの技術的な挑戦を提示する。各構成要素は、製造および作動上の状況に耐えるために、化学的および機械的安定性と同様に必要な電気的性質を有しなければならない。特に、十分に高い電流密度および出力電力を達成するために、SOFCは、およそ1000℃のような、非常に高い温度で作動してもよい。構成要素の熱膨張係数は、熱の不整合および機械の不良を予防するために、密接に適合されなければならない。
【0005】
サーメット材(セラミックと金属との複合材料)は、固体酸化物型燃料電池のための電極材料として使用されることができる。例えば、ニッケル−イットリア安定化ジルコニアは、アノード材料として使用されることができる。サーメットによって、電極の金属およびセラミックの構成要素の熱膨張係数(CTE)は、電解質と適合することができる。加えて、複合電極を用いることによって、電解質に対する電極の密着性は、大幅に向上することができる。
【0006】
この種のサーメットは、さまざまな技術によって、例えば、混合酸化物法、共沈、スラリー・コーティング、液分散および水性の分解可能な塩溶液の熱分解によって、調製されることができる。
【0007】
プラティハル(Pratihar)らによる「固体酸化物型燃料電池用のアノードとしての用途のためのニッケル・コートされたYSZパウダーの調製」電源ジャーナル(Journal of Power Sources)129(2004)、138は、YSZ粒子上へのニッケルの無電解めっきを開示する。ニッケルめっきされたYSZ粒子は、SOFCアノードとしての使用の前に、圧縮され、焼結され、そして還元されなければならない。
【0008】
焼結および還元ステップを要求するこの種の製造方法は、エネルギー所要量および設備器材の双方に関して高コストである。さらにまた、焼結ステップは、より大きな導電性金属グレイン(例えばニッケル・グレイン)の形成を促進する。そして、それは粒界(grain boundaries)の長さの減少、および対応する燃料電池の性能の低下に結びつく。加えて、このように作成されるサーメットは概して、燃料電池のアノードと電解質との間の熱膨張係数の不整合に起因した欠陥を有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、これらの課題に対処する燃料電池用の電極の製造方法を提供することにある。特に、本発明は、焼結または還元ステップを要求しない、電極(例えばアノードまたはカソード)の製造方法を提供する。焼結ステップを省くことによって、導電性金属グレインの粒径は、サーメット形成の後も変化しない。金属および分散粒子の単一ステップでの同時堆積は、複数ステップの方法と比較して、コストおよびエネルギー効率の利点を提供する。
【0010】
本発明の他の目的は、電極(例えばアノードまたはカソード)の性質の選択を許容する方法を提供することにある。金属および分散粒子の同時堆積によって、サーメット電極の熱膨張係数(CTE)は、電解質の熱膨張係数に合わせて調整されることができて、そして、燃料電池内でのいかなるCTE不整合も最小にすることができる。基板に同時堆積した分散粒子に対する金属の比率を変化させることによって、電極の導電率および多孔率を変えることは、可能である。本発明の目的が燃料電池のアノードおよびカソードの一方または両方に適用できることは、明らかである。
【0011】
第1の態様において、本発明は、燃料電池用の電極の製造方法であって、少なくとも以下のステップを含む方法を提供する:
(a)電極基板を提供すること;
(b)前記電極基板の少なくとも一部を、還元剤、金属前駆物質、および浮遊する分散粒子を含む無電解めっき液と接触させること;および
(c)前記電極基板の前記接触部上に前記金属前駆物質から金属を無電解でめっきすること、これにより、前記電極を提供するために前記電極基板の前記接触部上に前記分散粒子を同時堆積させること。
【0012】
本発明の方法は、電極基板上に金属を無電解で堆積させるために、めっき液を利用する。めっき液は、還元剤、金属前駆物質、および浮遊する分散粒子を含む。浮遊微粒子は、無電解めっきプロセスの間、電極基板上に金属とともに同時堆積する。堆積物のCTEを調整するだけでなく、分散粒子は、電極、電極基板(例えば電解質)、およびガス燃料または酸化剤の間の3相境界のより大きな領域を提供するために、電極の表面積を増加させる。
【0013】
一実施形態において、堆積する金属は、ニッケル、コバルト、プラチナ、ロジウム、ルテニウム、レニウム、およびパラジウム、またはこれらの金属のうちの1つ以上の合金からなる群から選択される1つ以上である。金属は、好ましくはニッケルを含む。これらの金属は、アノードおよびカソード両方の製造に使用されるのに適する。堆積する金属は、めっき液中の金属前駆物質によって提供される。金属前駆物質は、好ましくは金属塩であって、遊離金属イオンを提供するために、めっき液において可溶性でなければならない。
【0014】
さらなる実施形態において、金属とともに同時堆積する分散粒子は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、セリア安定化ジルコニア(CeSZ)、セリウムガドリニウム酸化物、サマリウム−ドープト・セリア、混合ランタンおよびガリウム酸化物、マンガン酸ランタンストロンチウム、YSZ−安定化マンガン酸ランタンストロンチウム、バリウムコバルト酸化物、ランタン−ストロンチウム鉄−コバルト酸化物、ランタン−ストロンチウムコバルト酸化銅、サマリウム−ストロンチウムコバルト酸化物、およびそれらの混合物からなる群から選択されることができる。
【0015】
アノードが製造されるときに、金属とともに同時堆積する分散粒子は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、セリア安定化ジルコニア(CeSZ)、セリウムガドリニウム酸化物、サマリウム−ドープト・セリア、混合ランタンおよびガリウム酸化物、およびそれらの混合物からなる群から選択されることができる。カソードが製造されるときに、金属とともに同時堆積する分散粒子は、マンガン酸ランタンストロンチウム(例えばLa0.85Sr0.15MnO)、イットリア安定化ジルコニア−安定化マンガン酸ランタンストロンチウム(例えばYSZ−La0.85Sr0.15MnOおよびYSZ−La0.8Sr0.2MnO)、バリウムコバルト酸化物BaCoO、ランタン−ストロンチウム鉄−コバルト酸化物(例えば(La,Sr)(Fe,Co)3−δ)、ランタン−ストロンチウムコバルト酸化銅(例えば(La,Sr)(Co,Cu)3−δ)、サマリウム−ストロンチウムコバルト酸化物(例えばSm0.6Sr0.4CoO)、およびそれらの混合物からなる群から選択されることができる。
【0016】
分散粒子は、応用および燃料電池の設計に応じて、0.1〜50マイクロメートルの範囲、より好ましくは0.2〜40マイクロメートルの範囲の粒径を有してもよい。
【0017】
電極基板上での金属および分散粒子の同時堆積は、燃料電池の電極を形成する。電極基板は、燃料電池の電解質かまたは相互接続のいずれか一方を形成することが好ましい。電極を電解質または相互接続の上に直接形成することは、燃料電池の構造を単純化する。したがって、電極基板は、粒子材料の基板よりはむしろ、連続したすなわち非粒子材料の電極基板(例えばモノリス)であることが、好まれる。基板は、任意の形状をとることができる。例えば、平面SOFCの設計に合致するために平らでもよく、または、管状SOFCの設計に合致するために円筒状でもよい。
【0018】
一実施形態において、電極基板は、クロム酸ランタン、ドープト・クロム酸ランタン、ドープト・没食子酸ランタン、マンガン酸ランタン、ドープト・マンガン酸ランタン、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、セリア安定化ジルコニア(CeSZ)、セリウムガドリニウム酸化物、サマリウム−ドープト・セリア、混合ランタンおよびガリウム酸化物、およびそれらの混合物からなる群から選択される。あるいは、電極基板は、燃料電池の設計に応じて、クロムベースの、イオンベースの、およびニッケルベースの合金のような金属基板、またはポリマー基板でもよい。クロム酸ランタン、ドープト・クロム酸ランタン、マンガン酸ランタン、およびドープト・マンガン酸ランタンは、燃料電池の相互接続のための適切な基板材料である。イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、セリア安定化ジルコニア(CeSZ)、セリウムガドリニウム酸化物、サマリウム−ドープト・セリアおよび混合ランタン、およびガリウム酸化物は、燃料電池の電解質のための適切な基板材料である。
【0019】
めっき液中の還元剤は、金属前駆物質中の金属の還元を引き起こして金属にさせる能力がなければならない。還元剤は、次亜リン酸塩を含むことが好ましいが、しかし、堆積する金属に応じて代替物が使用されてもよい。次亜リン酸塩は、好ましくは次亜リン酸塩塩(例えば次亜リン酸ナトリウム)である。
【0020】
めっき液はまた、溶媒を含む。溶媒は、還元剤および金属前駆物質を溶解することができなければならない。溶媒は、水であることが好ましい。
【0021】
さらなる実施形態において、めっき液は、めっきステップ(c)の間、分散粒子、金属前駆物質、および還元剤から選択される群の1つ以上を添加される。さらに、めっき液はまた、めっきステップ(c)の間、還元剤を添加されてもよい。
【0022】
別の実施形態では、めっきステップ(c)の間、めっき液中の分散粒子、金属前駆物質、および還元剤から選択される群の1つ以上の濃度は、変化する。
【0023】
さらなる実施形態において、本発明の方法は、ステップ(b)の前に基板を前処理するステップを含む。前処理ステップは、脱脂、電解清浄、エッチング、マスキング、活性化、およびすすぎ(rinsing)からなる群から選択される1つ以上のステップを含む。
【0024】
前処理ステップが活性化ステップであるとき、これは、基板上に無電解めっき触媒を堆積させることを含んでもよい。好ましくは、無電解めっき触媒は、パラジウムである。活性化ステップは、無電解めっき触媒の堆積の前または同時に、前記基板を高感度化(sensitizing)するステップをさらに含んでもよい。これは、基板が非導電性である場合に、例えば基板が燃料電池の電解質(例えばYSZ)であるときに、特に有益である。高感度化ステップは、好ましくは、基板を塩化スズ(II)溶液で処理することを含む。
【0025】
本発明のさらなる態様において、本明細書において記述される方法に従って調製される燃料電池用の電極(例えばアノードまたはカソード)が、提供される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の実施形態は、ほんの一例として、そして、添付の限定しない図面を参照してここで記述される。
【図1a】図1aは、平面状の固体酸化物型燃料電池の概略図である。
【図1b】図1bは、管状の固体酸化物型燃料電池の概略図である。
【図2】図2は、コートされてないYSZパウダーの倍率3030倍での走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】図3は、本発明の方法に従って製造されるYSZコートされたポリマー皮膜基板上に同時堆積したニッケルおよびYSZコーティングの倍率5000倍での走査型電子顕微鏡写真である。
【図4】図4は、従来の無電解ニッケルコーティングのエネルギー分散型X線スペクトルである。
【図5】図5は、本発明の方法に従って製造されるYSZコートされたポリマー皮膜基板上に同時堆積したニッケルおよびYSZコーティングを含むアノードのエネルギー分散型X線スペクトルである。
【図6】図6は、本発明の方法に従って製造されるエッチングされたYSZ基板上に同時堆積したニッケルおよびYSZコーティングを含むアノードの倍率5060倍での走査型電子顕微鏡写真である。
【図7】図7は、本発明の方法に従って製造されるエッチングされたYSZ基板上に同時堆積したニッケルおよびYSZコーティングを含むアノードのエネルギー分散型X線スペクトルである。
【図8】図8は、本発明の方法に従って製造されるアルミナ基板上に同時堆積したニッケルおよびマンガン酸ランタンストロンチウムコーティングを含むカソードの走査型電子顕微鏡写真である。
【図9】図9は、本発明の方法に従って製造されるアルミナ基板上に同時堆積したニッケルおよびマンガン酸ランタンストロンチウムコーティングを含むカソードのエネルギー分散型X線スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
無電解金属堆積(electroless metal deposition)とは、外部電流の不存在下での化学的還元による基板上へのニッケルまたはコバルトのような金属の化学めっきを意味する。既知の無電解めっき液は、一般に金属前駆物質(例えば金属イオンのソース)、および溶媒に溶解した還元剤を含む。溶媒は、概して水である。無電解めっき液は、必要な溶液ペーハー(pH)を提供するための緩衝液および、溶液から金属イオンの析出(precipitation)を妨げることができるそれらのための錯化剤、をさらに含んでもよい。安定剤、光沢剤、合金化剤、界面活性剤のような他の添加物も、めっき液中に存在してもよい。
【0028】
金属堆積は、還元剤自体または還元剤の誘導体の作用による、金属イオンの金属的形態への還元が関係する。還元剤は、次亜リン酸塩、アミンボランまたはホウ化水素でもよい。一旦始動されると、堆積は、基板の表面に堆積する金属によって自動触媒作用を及ぼされる。例えば、ニッケルは、以下の反応に従ってニッケル(II)および次亜リン酸イオンの水溶液から基板上へ堆積してもよい:
【数1】

【0029】
本実施形態において、次亜リン酸塩および水の反応生成物(吸収される水素、Habs)は、還元剤自体よりむしろ溶液中のニッケル(II)と反応する。金属前駆物質は、塩化ニッケル(II)であることが好ましい。還元剤は、次亜リン酸ナトリウムであることがさらに好ましい。溶媒は、水でもよい。
【0030】
並行して、次亜リン酸塩の一部は、基板上へリンを堆積させるために、吸収される水素と反応してもよくて、そして、反応(III)に示すように水および水酸化イオンを発生してもよい:
【数2】

【0031】
その結果、リンはまたニッケルとともに堆積してもよく、そして、ニッケル−リン合金を形成してもよい。堆積物のリン含有量は、ISO4527 Annex Dにおいて詳述される試験によって測定されてもよい。この種の堆積物は、概して2〜14重量%のリンを含み、それはめっき液の厳密な性質に依存する。反応(III)に加えて、次亜リン酸塩の一部は、反応(IV)に示すようにガス状の水素の解放により亜リン酸塩を形成するために、水で酸化されてもよい:
【数3】

【0032】
さまざまな構成のニッケルおよびリンの合金を発生するこの無電解ニッケル堆積プロセスの能力は、リン含有量のバリエーションが、堆積物のミクロ構造および性能特性に有意な効果を有することができるという理由で、特に有利である。したがって、無電解めっき浴の状況および浴の構成によって、導電性金属は、アモルファスの、結晶質の、または半結晶質の金属として、めっきされることができる。
【0033】
例えば、約10重量%を上回るリンを含む無電解ニッケル堆積物は、アモルファスでありえる。その一方で、約7重量%未満のリンを含むそれらは、微結晶質の構造を有することができる。7〜10重量%の中間領域のリンを含むそれらの堆積物は、事実上半結晶質である。堆積物のアモルファスまたは結晶形質の程度は、堆積物の成長プロセスに影響を及ぼす無電解めっき液への添加物の追加によって、所与のリン製剤に対して変えられることができる。
【0034】
アモルファス堆積物(特に高度のアモルファス堆積物)が有する、粒間腐食の場所として作用するかもしれない粒界は、有意により少なくて、したがって、従来の電着プロセスによって発生される結晶質の堆積物と比較して、アモルファス堆積物(特に高度のアモルファス堆積物)は優れた性質を示す。
【0035】
代わりの実施形態では、アミンボランが、還元剤として使用されてもよい。例えば、ジメチルアミンボランによる塩化ニッケル(II)の還元は、式(V)に示される:
【数4】

【0036】
本発明において、浮遊する分散粒子は、めっき液にも存在する。浮遊する分散粒子は、例えば機械的な振動(例えば磁気または回転撹拌機の使用)によって、めっき液の全体にわたって均一に分配されることが好ましい。ニッケルの堆積は、めっき液中に浮遊する分散粒子を同伴する。これは、基板上にニッケルとともに分散粒子が同時堆積することに結びつく。
【0037】
同時堆積したニッケルおよび分散粒子は、深い孔および凹部でさえ、ずっと同一の厚みを有する。コーティングの均一性は、基板の表面仕上げを再生させる。そして、それはその表面積を増加させるために粗面化することができる。これはまた、コーティングが、最終的な生産オペレーションとして適用されることができて、厳しい寸法公差を満たすことができることを意味する。
【0038】
めっきステップが進行するにつれて、めっき液中の金属前駆物質、還元剤および分散粒子の濃度は、これらの構成成分が消費されるので減少することは明らかである。従って、これらの構成成分の1つ以上は、めっきステップの間、めっき液に追加されてもよい。構成成分は、一定のまたは不規則な間隔で、あるいは連続的に、めっき液に追加されてもよい。構成成分は、めっき液として使用する溶媒中に、好ましくは追加される。
【0039】
めっきステップの間、めっき液に追加される任意の構成成分の量は、構成成分を所与の濃度(例えばめっきステップの開始時の濃度)に維持するのに十分でもよい。あるいは、めっきステップの間、めっき液に追加される任意の構成成分の量は、変化してもよい。または、構成成分が追加される時間間隔は、同時堆積するコーティングの特定の深さでの構成成分の濃度を調整するために変化してもよい。
【0040】
例えば、同時堆積する金属に対する分散粒子の比率が基板の最も近くで最も大きいように、金属とともに同時堆積する分散粒子の濃度は、めっきステップの開始時に最も大きくてもよい。この場合、仮に分散粒子および基板のCTEが同様であれば、例えば、仮に基板および分散粒子の両方がYSZを含むならば、サイクリングおよびオペレーションの間、熱応力を最小にするために、基板に隣接するコーティングのCTEは、基板とより密接に適合させることができる。分散粒子とともに同時堆積する金属の比率は、基板からアノードまで、およびその逆にアノードから基板まで、必要な導電率を提供するためのさらなるコーティングの領域において、増加することができる。
【0041】
めっきステップは、めっき液を含むめっき浴に基板を浸漬することによって、典型的に実行される。ニッケルが水性のめっき液からめっきされる実施形態において、めっき浴は、概して加熱される。めっき浴は、堆積の最適速度を提供するために、80〜100℃、より好ましくは85〜95℃、最も好ましくは約90℃の範囲の温度まで、加熱されることが好ましい。
【0042】
あるいは、めっきステップは、基板の一部のみをめっき液と接触させることによって、例えば基板の一部のみをめっき液に浸漬することによって、実行されてもよい。
【0043】
無電解めっきステップを実行する前に、1つ以上の前処理ステップが実行されてもよい。基板は、超音波または浸透プロセスのいずれかを利用する水溶性または非水溶性クリーナのいずれかで、無電解めっきの前に脱脂されることが好ましい。
【0044】
電極基板が導電性基板である場合、それは、当該技術分野で既知の方法によって電解清浄されることができる。
【0045】
別の実施形態では、前処理ステップにおいて、電極基板にマスク(例えばエッチングの技術において既知のもの)を適用することによって、電極基板の一部のみが、めっき液と接触する。従って、金属および分散粒子は、マスクによってカバーされない電極基板の領域において、同時に堆積するのみである。
【0046】
燃料電池の電極(例えばアノード)のオペレーションの性質は、表面組織に密接に関連がある。電極の効率を改善するためには、反応速度を上げるために、より大きい表面積を有しなければならない。電極の表面積は、より粗い表面組織を提供すること、および多孔率を増加させること、の一方または両方によって増加してもよい。これらの方法の両方を結合することによって、電極の表面積の最大化は、効率的な反応速度論を提供することができる。
【0047】
上記のように、同時堆積したコーティングは、深い孔および凹部でさえ、同一の厚みを有する。したがって、電極の表面積は、表面を粗面にすること、および基板の多孔率を増加させること、の一方または両方によって増加させてもよい。これは、電極基板の表面のエッチングによって、例えば湿式(wet− phase)または乾式(dry−phase)の技術によって、達成されることができる。
【0048】
湿式エッチング(wet−phase etching)は、液体エッチャントを利用する。そして、それは良好なプロセス制御を達成するために振動されてもよい。例えば、硫酸およびフッ化水素酸の一方または両方を含む溶液が、YSZ基板をエッチングするために使用されることができる。
【0049】
乾式エッチング(dry−phase etching)は、電極基板の表面を取り除くために、プラズマまたはイオンストリームを利用する。プラズマエッチングは、電気的に中性で、電極基板の表面と反応してそれを除去する、エネルギー性のフリーラジカルを発生する。スパッタエッチングは、エネルギー性のイオン(概して希ガス)ストリームを基板に照射する。そして、それは基板の表面から原子を叩く。代わりに吹き付け加工技術が、圧縮ガス(例えば圧縮空気)および研磨媒体を利用することによって、表面を摩滅するために使用されてもよい。
【0050】
絶縁電極基板上の無電解めっきを始動するためには、電極基板の表面を活性化することが必要である。これは、高感度化(sensitizing)および触媒的(catalysing)プロセスによってなされることができる。概して、パラジウム金属は、触媒として使用される。触媒によって、金属めっきが、外部電流源の要求なしで、自己触媒反応として進行することができる。パラジウム粒子は、単一、2段、またはマルチステップのプロセスにおいて、絶縁物の表面に堆積することができる。単一ステップのプロセスにおいて、絶縁電極基板は、反応(VI)に従ってパラジウムを堆積させるために、ヒドロゾルの形態における塩化スズ(SnCl)および塩化パラジウム(PdCl)の混合酸性溶液で処理されることができる:
【数5】

【0051】
金属パラジウム(Pd)は、コロイド性の形態であって、電極基板の表面上へ吸着される。吸着コロイド性パラジウム(Pd)粒子は、次の金属めっきの間、金属堆積のための触媒として作用する。
【0052】
あるいは、絶縁電極基板は、任意の中間すすぎ(rinsing)ステップについては、酸性化された塩化スズ(SnCl)溶液によって連続的に高感度化(sensitized)されることができて、それから2段ステップのプロセスにおいて、塩化パラジウム(PdCl)溶液によって触媒作用を及ぼされることができる。電極基板が導電性基板である場合、電極基板表面の活性化は省略されることができる。
【0053】
本発明の方法のさらなる利点は、金属および分散粒子が、導電性電極基板と同様に、絶縁性電極基板にも、同時堆積することができることであり、それにより任意の絶縁性電極基板は、上記のように活性化される。
【0054】
電極基板は、1つ以上の前処理ステップの間に、または、前処理とめっきステップとの間に、すすがれることが好ましい。すすぎは、前処理ステップから任意の残留する混入物を除去して、清浄な表面をめっきステップに提供する。すすぎは、適切な分析用試薬級の溶媒によって実施されてもよく、または、高純度の脱イオン水によって実施されてもよい。
【0055】
無電解めっきによって適用される金属コーティングの厚みは、電極基板がめっき浴に浸漬される時間に依存する。毎時16〜20μmの堆積速度は、ニッケルめっきプロセスとして典型的である。堆積物の厚みは、ASTM B487に従って決定されることができる。
【0056】
実施例1:導電性基板上のアノードの調製
25×20×1mmの寸法の磨かれた真鍮製電極基板(エーエムティー社(AMT Limited))は、スロトシアン・エフエスエー(シュレッター社)(Slotociean FSA (Schloetter Company Limited))の溶液中にて60℃で15分間脱脂すること、電解清浄すること、および室温で脱イオン水中にてすすぐこと、によって前処理された。
【0057】
ニッケルめっきは、機械的攪拌によって浮遊状態に保たれた名目粒径2μm(ユニテック・セラミックス社(Unitec Ceramics Limited))の8重量%のイットリアによって安定化された50グラム/リットルのYSZパウダーが添加された、スロトニップ2010(シュレッター社)(Slotonip 2010 (Schloetter Company Limited))を用いるめっき浴において調製される無電解ニッケルめっき液を使用して実施された。溶液は、それから、電熱撹拌機を使用して89℃の温度まで加熱された。真鍮製基板は、それから30分間めっき液に浸漬された。めっき浴から取り出された後、コートされた基板は、室温で脱イオン水中にて最初にすすがれて、それから室温でプロパン−2−オール(分析用試薬等級)中にてすすがれた。ニッケルおよびYSZが同時堆積した基板は、それから空気中にて乾燥することができて、それにより、電極基板の表面全体にYSZおよびニッケルが同時堆積した均一なコーティングがもたらされた。
【0058】
実施例2:絶縁基板上のアノードの調製
市販のYSZコートされたポリマー皮膜電極基板(ネイピア大学(Napier University))およびYSZ燃料電池電極基板(スコットランド燃料電池(Fuel Cell Scotland))は、スロートクリーン・エフエスエー(シュレッター社)(Slotoclean FSA (Schloetter Company Limited))の溶液中にて60℃で15分間脱脂すること、続いて、室温で脱イオン水中にてすすぐこと、によって前処理された。絶縁電極基板は、それから、高感度化(sensitized)基板を提供するために、200グラム/リットルのユニフェーズ・ピーエイチピー・プレ触媒(アルファ・キミシ)(Uniphase PHP pre−catalyst (AlfaChimici))および20ミリグラム/リットルの塩酸の溶液中に20℃で15分間浸漬することを含む二段ステップ・プロセスによって活性化された。20ミリグラム/リットルのユニフェーズ・ピーエイチピー・触媒(アルファ・キミシ)(Uniphase PHP catalyst (AlfaChimici))の溶液が、それから、電極基板を収容しているプレ触媒溶液に加えられて、そして、感度を高めて(sensitized)かつ触媒作用を及ぼした(catalysed)電極基板を提供するために、15分間にわたり温度が35℃まで上げられた。感度を高めてかつ触媒作用を及ぼした電極基板は、それから、前処理溶液から取り出されて、室温で脱イオン水にてすすがれた。
【0059】
無電解ニッケルめっき液は、それから、機械的攪拌によって浮遊状態に保たれた名目粒径2μm(ユニテック・セラミックス社(Unitec Ceramics Limited))の8重量%のイットリアによって安定化された50グラム/リットルのYSZパウダーが添加された、スロトニップ2010(シュレッター社)(Slotonip 2010 (Schloetter Company Limited))を用いるめっき浴において調製された。溶液は、それから、電熱撹拌機を使用して89℃の、温度まで加熱された。活性化されてかつ触媒作用を及ぼされた絶縁電極基板は、それから30分間めっき液に浸漬された。めっき浴から取り出された後、コートされた電極基板は、室温で脱イオン水中にて最初にすすがれて、それから室温でプロパン−2−オール(分析用試薬等級)中にてすすがれた。ニッケルおよびYSZが同時堆積した電極基板は、それから、空気中にて乾燥することができた。
【0060】
めっきされない基板と、ニッケルおよびYSZが同時堆積した電極基板とが、ケンブリッジ・ステレオスキャン90顕微鏡(Cambridge Stereoscan 90 microscope)を使用する走査型電子顕微鏡法(Scanning Electron Microscopy)(SEM)によって分析された。同時堆積した電極基板の検査は、Ni/YSZ複合物の均一な堆積物が、基板の表面全体に完全に達成されたことを示した。
【0061】
特に、図2は、コートされてないYSZパウダーの倍率3030倍での走査型電子顕微鏡写真を示す。図3は、この実施例において調製した、YSZコートされたポリマー皮膜基板(ネイピア大学(Napier University))上に同時堆積したニッケルおよびYSZコーティングの倍率5000倍での走査型電子顕微鏡写真を示す。図2および図3の比較から、ニッケルおよびYSZ粒子の均一な同時堆積が、YSZコートされたポリマー皮膜電極基板の表面全体に達成されたことが明らかである。
【0062】
複合堆積物の構成は、アイ−スキャン・マイクロイメージングシステム(i−Scan Microimaging system)を使用するエネルギー分散型X線分析(Energy Dispersive analysis of X−rays)(EDX)によって確認された。図4は、従来の無電解ニッケルめっきコーティングのEDXスペクトルを示す。図5は、YSZコートされたポリマー皮膜電極基板上に同時堆積したニッケルおよびYSZコーティングのEDXスペクトルを示す。図4および図5の比較から、コーティングからニッケルに対応する遷移のピークが観察されることが明らかである。図5は、加えて、同時堆積したYSZ分散粒子からイットリウム、ジルコニウム、および酸素の遷移のピークを示す。同様のスペクトルが、対応する同時堆積したYSZ燃料電池電極基板(スコットランド燃料電池(Fuel Cell Scotland))に対して得られた。同時堆積した電極基板のEDXスペクトルは、複合堆積物が得られたことを示す。SEM分析と組み合わせたEDXスペクトルは、基板の表面が均一にコートされていることを確認した。
【0063】
フィッシャースコープXDL−Z・X線蛍光機器(Fisherscope XDL−Z X− Ray Fluorescence instrument)を使用する基板のさらなる分析は、ほぼ9〜11マイクロメートルのコーティング厚さが達成されたことを示した。同時堆積したYSZコートされた電極基板は、SOFCのアノード/電解質としての用途に適している。
【0064】
実施例3:エッチングされた絶縁基板上のアノードの調製
一連のYSZ電極基板(スコットランド燃料電池(Fuel Cell Scotland))の表面粗さは、テイラー−ホブソン5−60テイラーサーフ機器(Taylor−Hobson 5−60 Talysurf instrument)を使用して、BS EN ISO 4288:1998に従って決定された。ダイヤモンドが先端をなすスタイラス(1.3μm×3.8μmの角錐台状の)が、それが電極基板全体に進行するにつれて、スタイラスの垂直変位に対応する増幅された電気信号を提供するために、6mmの設定距離に対して0.5mm/sの一定速度で電極基板の表面全体に引かれた。表面の平均粗さ(Ra)の値は、測定する距離全体にわたる信号の起点からのプロフィールの逸脱率の算術平均から生成される。
【0065】
YSZ電極基板は、それから、100mlのフッ化水素酸および100mlの硫酸を含む酸性溶液中に5分間の浸漬によってエッチングされた。電極基板は、それから、実施例2で記述したようにめっきされて、そして、それらの平均粗さが再び測定された。表1は、予めエッチングされた電極基板および、エッチングされかつ同時堆積した電極基板に対する表面平均結果を示す。
【0066】
【表1】

【0067】
図6は、エッチングされたイットリア安定化ジルコニア電極基板上に同時堆積したニッケルおよびYSZコーティングの倍率5060倍での走査型電子顕微鏡写真を示す。SEM顕微鏡写真は、ケンブリッジ・ステレオスキャン90顕微鏡(Cambridge Stereoscan 90 microscope)によって作成された。顕微鏡写真は、表面エッチング処理が、ニッケル/YSZが同時堆積したコーティングに対して有意な効果を有することを示す。表面粗さの増加に加えて、同時堆積した電極基板の多孔率もまた増加した。表面粗さおよび多孔率の増加は、アノードのより大きな表面積を提供して、改良された性能を導く。
【0068】
同時堆積した基板のEDXスペクトルは、複合堆積物が得られることを示した。代表的なスペクトルは、図7に示される。ニッケル皮膜および同時堆積したYSZ分散粒子に対応する遷移のピークが、観察される。SEM分析と組み合わせたEDXスペクトルは、電極基板の表面が均一にコートされていることを確認する。
【0069】
フィッシャースコープXDL−Z・X線蛍光機器(Fisherscope XDL−Z X− Ray Fluorescence instrument)を使用する同時堆積した電極基板の表面のXRF分析は、10〜13μmのコーティング厚さが達成されたことを確認する。
【0070】
実施例4:絶縁基板上のカソードの調製アルミナ電極基板(供給元ネイピア大学(Napier University))は、実施例2で記述したように、前処理されて、活性化(高感度化)されて、そして触媒を加えられた。活性化されてかつ触媒作用を及ぼした電極基板は、それから、前処理溶液から取り出されて、室温で脱イオン水にてすすがれた。
【0071】
無電解ニッケルめっき液は、それから、機械的攪拌によって浮遊状態に保たれた名目粒径5μm(供給元ユニテック・セラミックス(Unitec Ceramics))の50グラム/リットルのマンガン酸ランタンストロンチウムパウダーが添加された、スロトニップ2010(シュレッター社)(Slotonip 2010 (Schloetter Company Limited))を用いるめっき浴において調製された。溶液は、それから、電熱撹拌機を使用して89℃の温度まで加熱された。活性化されてかつ触媒作用を及ぼされた電極基板は、それから30分間めっき液に浸漬された。めっき浴から取り出された後、コートされたカソード基板は、室温で脱イオン水中にて最初にすすがれて、それから室温でプロパン−2−オール(分析用試薬等級)中にてすすがれた。ニッケルおよびランタンストロンチウム酸化物が同時堆積した電極基板は、それから、空気中にて乾燥することができた。
【0072】
図8は、この実施例において調製した、電極基板上に同時堆積したニッケルおよびマンガン酸ランタンストロンチウムコーティングの走査型電子顕微鏡写真を示す。図2および図8の比較から、ニッケルおよびマンガン酸ランタンストロンチウム粒子の均一な同時堆積が、電極基板の表面全体に達成されたことが明らかである。
【0073】
図8に「スペクトル2」として示される領域のEDXスペクトルは、図9に示される。ニッケル・コーティングおよび、同時堆積したマンガン酸ランタンストロンチウム分散粒子に対応する遷移のピークが、観察される。SEM分析と組み合わせたEDXスペクトルは、SOFCに適するカソードを提供するために、電極基板の表面が均一にコートされたことを確認する。
【0074】
当業者は、本発明が、添付のクレームの範囲内において、多くのさまざまな方法で実施されることができることを理解する。例えば、本発明は、本明細書において開示される任意のまたは好適な特徴の1つ以上の組合せを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池用の電極の製造方法であって、少なくとも以下のステップを含む方法:
(a)電極基板を提供すること;
(b)前記電極基板の少なくとも一部を、還元剤、金属前駆物質、および浮遊する分散粒子を含む無電解めっき液と接触させること;および
(c)前記電極基板の前記接触部上に前記金属前駆物質から金属を無電解でめっきすること、これにより、前記電極を提供するために前記電極基板の前記接触部上に前記分散粒子を同時堆積させること。
【請求項2】
前記還元剤が次亜リン酸塩を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
めっきステップ(c)の間、前記めっき液が、前記還元剤、前記金属前駆物質、前記分散粒子、およびそれらの混合物からなる群の1つ以上を添加される、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記めっき液中の前記還元剤、前記分散粒子および前記金属前駆物質からなる群の1つ以上の濃度が、前記めっきステップの間変化する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(b)の前に前記基板を前処理するステップをさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記前処理が、脱脂、電解清浄、エッチング、マスキング、活性化、およびすすぎからなる群から選択される1つ以上のステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記活性化ステップが、前記基板上に無電解めっき触媒を堆積させることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記無電解めっき触媒がパラジウムである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記無電解めっき触媒の堆積の前または同時に、前記基板を高感度化するステップをさらに含む、請求項7または請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記高感度化ステップが、前記基板を塩化スズ(II)溶液で処理することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記金属前駆物質の前記金属が、ニッケル、コバルト、プラチナ、ロジウム、ルテニウム、レニウム、およびパラジウムからなる群の1つ以上から選択される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記分散粒子が、イットリア安定化ジルコニア、セリア安定化ジルコニア、セリウムガドリニウム酸化物、サマリウム−ドープト・セリア、混合ランタンおよびガリウム酸化物、マンガン酸ランタンストロンチウム、イットリア安定化ジルコニア−安定化マンガン酸ランタンストロンチウム、バリウムコバルト酸化物、ランタン−ストロンチウム鉄−コバルト酸化物、ランタン−ストロンチウムコバルト酸化銅、サマリウム−ストロンチウムコバルト酸化物、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記電極基板が、クロム酸ランタン、ドープト・クロム酸ランタン、ドープト・没食子酸ランタン、マンガン酸ランタン、ドープト・マンガン酸ランタン、イットリア安定化ジルコニア、セリア安定化ジルコニア、セリウムガドリニウム酸化物、サマリウム−ドープト・セリアおよび混合ランタン、ガリウム酸化物、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記電極基板が金属基板である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記電極基板がポリマー基板である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−541177(P2010−541177A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527525(P2010−527525)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【国際出願番号】PCT/GB2008/003342
【国際公開番号】WO2009/044144
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(510089579)ザ コート オブ エジンバラ ネピア ユニバーシティ (1)
【Fターム(参考)】