説明

燃料電池用改質装置

【課題】燃料電池用改質装置における熱効率を向上する技術を提供する。
【解決手段】原燃料を水素リッチな改質ガスに改質する燃料電池用改質装置において、改質部12は、原燃料から改質ガスを生成する。改質反応筒18は、改質部12とシフト変成部14と選択酸化部16とをこの順番に直線状に収納するとともに、改質部12が収納されている一端側に凹部120が形成されている。外筒22は、改質反応筒18の外周に配置され、改質反応筒18より径が大きい。バーナ20は、凹部120と対向する燃焼室30に配置され、原燃料を燃焼して燃焼排ガスを生成する。加熱流路32は、燃焼排ガスが凹部120の周囲に設けられている改質部12の凹部側および外筒側を加熱しながら通過する。加熱流路32の折り返し部128は、凹部120の内側から改質反応筒18の外周側に向かって折り返されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原燃料を、燃料電池システムにおいて使用される改質ガスに改質する燃料電池用改質装置に関する。
【背景技術】
【0002】
固体高分子形燃料電池は、水素が有する化学エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発生する。実用的には、固体高分子形燃料電池の燃料となる水素は、比較的容易かつ安価に入手可能な天然ガス、ナフサ等の炭化水素系ガスまたはメタノール等のアルコール類の原燃料ガスと水蒸気とを混合して、改質器で改質することで得ている。改質により得られた水素ガスは燃料電池の燃料極に供給され、発電に用いられる。
【0003】
一般に、改質器は、水蒸気による原燃料ガスの改質反応に必要な熱を供給するためのバーナを備える。バーナで燃料を燃焼させて生じた燃焼ガスを、燃焼筒から改質反応部の近傍に設けられた経路に導くことにより、燃焼ガスの熱エネルギーが改質反応に利用される(例えば、特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開2007−15911号公報
【特許文献2】特表2003−78311号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1、2記載の改質器は、バーナで燃料を燃焼して発生した燃焼排ガスを改質部の内側に流すことで、燃焼排ガスの熱エネルギーを高温の水蒸気の生成や改質部の反応に用いているが、改質部の内側以外には燃焼排ガスが流れていない。そのため、熱効率の更なる向上の余地がある。また、改質部により生成された改質ガスに含まれている一酸化炭素を低減するための一酸化炭素変成部や一酸化炭素除去部が、改質部を備えている流路の更に外側に配置されているため、流路が複雑となっている。その結果、改質部の径が大径化してしまうとともに、改質装置全体の複雑化、大型化を招く一因となっている。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、燃料電池用改質装置における熱効率を向上する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の燃料電池用改質装置は、原燃料を水素リッチな改質ガスに改質する燃料電池用改質装置であって、原燃料から改質ガスを生成する改質部と、改質ガスに含まれる一酸化炭素をシフト反応により低減するシフト変成部と、シフト変成部を通過した改質ガスに含まれる一酸化炭素を選択酸化して低減する選択酸化部と、改質部とシフト変成部と選択酸化部とをこの順番に直線状に収納するとともに、改質部が収納されている一端側に凹部が形成されている改質反応筒と、改質反応筒の外周に配置され、該改質反応筒より径が大きい外筒と、凹部と対向する燃焼室に配置され、原燃料を燃焼して燃焼排ガスを生成する燃焼手段と、燃焼排ガスが凹部の周囲に設けられている改質部の凹部側および外筒側を加熱しながら通過する加熱流路と、を備える。
【0007】
この態様によると、加熱流路を通過する燃焼排ガスにより改質部の凹部側および外筒側が加熱されるため、改質部で必要な熱が効率よく供給される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、燃料電池用改質装置における熱効率を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、説明の都合上、図の上下左右と対応させて各部材間の位置関係を説明するが、あくまでも相対的な位置関係でありこれに限定されるものではない。例えば、上下を反転した態様にすることも可能である。
【0010】
図1は、本実施の形態に係る燃料電池用改質装置10の構成を示す断面図である。燃料電池用改質装置10は、原燃料であるメタンやプロパン、ブタン等を水蒸気改質により水素リッチな改質ガスを生成する。
【0011】
燃料電池用改質装置10は、原燃料から改質ガスを生成する改質部12と、改質ガスに含まれる一酸化炭素をシフト反応により低減するシフト変成部14と、シフト変成部14を通過した改質ガスに含まれる一酸化炭素を選択酸化反応により選択酸化し低減する選択酸化部16と、改質部12とシフト変成部14と選択酸化部16とをこの順番に直線状に収納するとともに、改質部12が収納されている一端側に凹部120が形成されている改質反応筒18と、原燃料を燃焼して燃焼排ガスを生成する燃焼手段としてのバーナ20と、改質反応筒18の外周に同軸に配置され、改質反応筒18より径が大きい外筒22と、を備える。外筒22の周囲は、複数の配管が外部と連通している箇所を除いて断熱材24で覆われている。
【0012】
バーナ20は、空気取入口26から取り入れた空気と燃料取入口28から取り入れた原燃料オフガスとを混合して燃焼させる。バーナ20で原燃料ガスが燃焼することによって、1200〜1300℃の高温の燃焼排ガスが発生する。バーナ20は、改質反応筒18の改質部12側の一端部に形成された凹部120と対向する燃焼室30に配置されているとともに、外筒22の下部に固定されている。これにより、バーナ20で生成された燃焼排ガスの熱をすぐに改質部12における改質反応に用いることができるので、熱効率を向上することができる。
【0013】
改質反応筒18と外筒22との間には、改質反応筒18を加熱するために前述の燃焼排ガスが通過する加熱流路32が形成されている。
【0014】
改質部12は、改質反応筒18の底部に設けられている改質反応筒18より外径の小さいケース34と、ケース34の下部の内周部に収納された、ニッケルやルテニウム等の金属粒子をアルミナに担持した改質触媒を含む触媒層36とを有する。本実施の形態に係る触媒層36は、凹部120の外周部を囲むような環状の部材である。
【0015】
ケース34の上面には、原燃料と水蒸気とが混合された状態で流入する開口部38が形成されている。また、ケース34は、触媒層36の下部側面から改質ガスが通過できるように、側面に通気口122が設けられている。
【0016】
原燃料は、原燃料供給路40を経由して燃料電池用改質装置10の外部から改質部12の触媒層36に供給される。この際、原燃料は、加熱流路32を流れる燃料排ガスや改質反応筒18の内部の改質ガスにより昇温させられるとともに、改質ガスの温度を低下させる。
【0017】
また、改質部12における改質反応に必要な水蒸気は、水蒸気供給路42を経由して燃料電池用改質装置10の外部から供給された改質水から生成される。外部から供給された液体である改質水は、燃焼排ガスや改質反応筒18の内部で昇温されている改質ガスにより気化され、水蒸気として触媒層36に供給されるとともに、シフト変成部14や選択酸化部16の温度を低下させる。
【0018】
本実施の形態に係る燃料電池用改質装置10において、原燃料供給路40は、水蒸気供給路42と、水蒸気供給路42において通過する水が気化される箇所より上流側の合流部114で合流している。水蒸気供給路42は、外筒22および改質反応筒18の内部において、その一部が螺旋状に巻かれたコイル形状を有しており、表面積が増すことで水が気化し易くなっているため、少なくともコイルの下端では水蒸気が生成されている。
【0019】
これにより、燃焼排ガスの加熱による原燃料の昇温と水の気化とが水蒸気供給路42で一緒に行われるため、原燃料供給路40を短くすることができる。
【0020】
また、原燃料供給路40は、改質反応筒18の外側の領域で水蒸気供給路42と合流しているため、改質反応筒18の内部に原燃料供給路40を水蒸気供給路42とは別に設ける必要がなくなる。そのため、改質反応筒18やそれを含む燃料電池用改質装置10の製造が容易となる。
【0021】
水蒸気供給路42は、少なくとも一部が改質反応筒18の内面に接するようにコイル状に形成された環状部124を有している。これにより、水蒸気供給路42は、改質反応筒18の外側の加熱流路32を通過する燃焼排ガスから改質反応筒18を介して効率よく熱が供給され、水が水蒸気に気化され易くなる。特に、コイル状に形成された環状部124を改質反応筒18の内面に接触させることで、水蒸気供給路42と改質反応筒18との接触面積を改質反応筒18の長さを長くすることなくより大きくすることができ、原燃料や改質水と燃焼排ガスとの熱交換効率を向上することができる。
【0022】
シフト変成部14は、例えば、酸化銅や酸化亜鉛のペレットからなる触媒層46と、触媒層46を担持するとともに下方から上方へ改質ガスが透過するように孔が形成されている仕切り板48とを有する。シフト変成部14は、触媒層46の働きにより改質ガスに含まれる水蒸気を用いたシフト反応により一酸化炭素を低減することができる。
【0023】
選択酸化部16は、例えば、アルミナで担持した一酸化炭素選択酸化触媒からなる触媒層50と、触媒層50を担持するとともに下方から上方へ改質ガスが透過するように孔が形成されている仕切り板52とを有する。選択酸化部16では、触媒層50の働きにより酸素で一酸化炭素を酸化し二酸化炭素にすることで、一酸化炭素の濃度が更に低減される。
【0024】
本実施の形態に係る選択酸化部16は、水蒸気供給路42が通過している領域A以外の領域に、改質ガスの流れの抵抗となる抵抗部材126が設けられている。これにより、燃焼排ガスで加熱されている改質ガスは、選択酸化部16を通過する水蒸気供給路42のコイルに向かって流れやすくなり、水蒸気供給路42の内部の水、あるいは、水蒸気に熱を供給しやすくなる。抵抗部材126としては、改質ガスの流れを完全に遮断する部材であるとよい。これにより、改質ガスは、選択酸化部16の触媒層50へ導入される。なお、シフト変成部14に前述のような抵抗部材を設けても同様の効果を得ることができる。
【0025】
シフト変成部14と選択酸化部16との間の領域には、選択酸化部16で消費される酸素を供給するために、燃料電池用改質装置10の外部と連通している空気供給路54の先端部56が配置されている。これにより、先端部56から流入する空気は、シフト変成部14で一酸化炭素が低減された改質ガスとともに上昇し、選択酸化部16における反応に寄与する。
【0026】
選択酸化部16の上方の、改質反応筒18の上面には、開口部58が形成されている。開口部58には、一酸化炭素が十分低減された改質ガスを不図示の燃料電池の燃料極へ送出する改質ガス送出管60が接続されている。
【0027】
本実施の形態に係る加熱流路32は、バーナ20の上方に位置する入口側に折り返し部128を有している。折り返し部128は、燃焼排ガスが凹部120の周囲に設けられている改質部12の触媒層36の凹部側および外筒側を加熱しながら通過するように、凹部120の内側から改質反応筒18の外周側に向かって折り返されている。したがって、加熱流路32を通過する燃焼排ガスにより改質部12の凹部側および外筒側が加熱されるため、改質部12で必要な熱が効率よく供給される。
【0028】
また、改質部12においては、開口部38からケース34に流入した水蒸気と原燃料との混合ガスが触媒層36を下方に通過しながら改質ガスとして通気口122から排出される。排出された改質ガスは、改質反応筒18とケース34との間の隙間を上方に向かって流れる。つまり、改質部12は、ガスの流れが凹部120の側面に沿って触媒層36の内部を燃焼室30側へ向かうとともに改質反応筒18の内面に沿ってシフト変成部14側へ向かう折り返し流路130を有していることになる。
【0029】
次に、本実施の形態に係る燃料電池用改質装置10の動作について説明する。バーナ20で生成された燃焼排ガスは、改質反応筒18の下面の凹部120から加熱流路32に流入し、触媒層36の凹部120側の側面を加熱しながら折り返し部128で方向を変えて、加熱流路32を上昇しながら触媒層36の外筒側も加熱する。この際、触媒層36は、改質反応筒18を介して改質反応に必要な温度、例えば、600〜700℃の範囲に加熱される。また、水蒸気供給路42は、直接的または改質反応筒18を介して間接的に燃料排ガスにより加熱され、内部を通る改質水が気化される。一方、燃料排ガスは、加熱流路32を上昇するに従い水蒸気供給路42により冷却され徐々に温度が低下する。なお、加熱流路32を通過した燃焼排ガスは、外筒22の上部に形成された排出口62から外部へ排出される。
【0030】
原燃料供給路40は合流部114で水蒸気供給路42と合流しており、改質水と原燃料は、混合状態で水蒸気供給路42において気化、昇温されながらケース34の内部を下方に送り出される。本実施の形態に係る水蒸気供給路42は、改質反応筒18の内周面と接している環状部124を有するため、より効率よく改質水を気化し水蒸気を生成することができる。水蒸気を含む原燃料ガスは、触媒層36の内部を通過する際に燃焼排ガスの熱により徐々に加熱され、改質反応により水素リッチな改質ガスに変化する。
【0031】
原燃料ガスを改質することにより得られた改質ガスは、供給される原燃料ガスの流れによって改質反応筒18の内部を上昇し、シフト変成部14に到達する。ここで、改質部12における改質反応は吸熱反応であるため、水蒸気供給路42の熱回収により温度が低下した改質ガスがシフト変成部14に到達することになる。シフト変成部14におけるシフト反応は、例えば、200〜300℃の範囲で行われ、水蒸気供給路42の熱回収で熱バランスをとっているので、特段の温度制御をしなくても適度な温度を維持することが可能である。これにより、改質ガスはシフト変成部14において一酸化炭素が低減される。
【0032】
なお、シフト変成部14における温度が適温とならない装置の場合、バーナ20での原燃料の燃料量を調整したり、シフト変成部14近傍の水蒸気供給路42のコイルの巻き数を増減させたりすることで調整可能である。
【0033】
シフト変成部14で一酸化炭素が低減された改質ガスは更に、供給される原燃料ガスの流れによって改質反応筒18の内部を整流板64に流れを規制されながら上昇し、選択酸化部16に到達する。その際、空気供給路54から供給された空気も改質反応筒18内を上昇し、選択酸化部16に到達する。整流板64は、シフト変成部14と選択酸化部16との間の空間に、改質ガスの流れを水蒸気供給路42に向かう流れに変化させる。つまり、改質反応筒18の内部を流れる改質ガスの流れを水蒸気供給路42に向けて変化させることで、水蒸気供給路42の内部を流れる改質水や原燃料ガスと、改質ガスとの熱交換が効率よく行われる。
【0034】
選択酸化部16は、水蒸気供給路42の流入口66近傍に配置されているため、改質ガスの温度は改質水による冷却によりシフト変成部14における改質ガスの温度より低温となっている。選択酸化部16における選択酸化反応は、シフト変成部14におけるシフト反応より低温な、例えば、70〜200℃の範囲で行われ、水蒸気供給路42の熱回収で熱バランスをとっているので、特段の温度制御をしなくても改質ガスを適度な温度に維持することが可能である。これにより、改質ガスは選択酸化部16において更に一酸化炭素が低減される。
【0035】
上述のように、燃料電池用改質装置10は、改質部12とシフト変成部14と選択酸化部16とがこの順番に一つの改質反応筒18に収納されているため、複雑な形状の流路を形成することなく、改質ガスに含まれる一酸化炭素を低減することができる。また、改質反応筒18と外筒22との間の加熱流路32を燃焼排ガスが通過するので、改質反応筒18の内部の改質部12における改質反応に必要な熱を供給することができ、ヒータ等の加熱手段が不要となる。また、改質反応筒18と外筒22との間を加熱流路32とすることで、折り返しや多くの筒を要する流路を必要とせずに簡素な構成で燃料電池用改質装置10を実現することができる。
【0036】
換言すると、本実施の形態に係る燃料電池用改質装置10においては、折り返しや多くの筒を要する流路が設けられていないため、部品点数の低減や製造工程の簡素化によりコストが低減される。また、外筒22の外周部を断熱材24で覆うことで装置全体の断熱性を容易に確保することができるので、断熱材24を装着する際の工程を簡素化することができる。
【0037】
また、加熱流路32は、燃焼排ガスが改質部12側から選択酸化部16側に向かって通過するように形成されているので、燃焼排ガスは、改質反応筒18や水蒸気供給路42と熱交換をしながら徐々に温度が低下する。そのため、燃焼排ガスは、反応温度が高い改質部12から反応温度の低い選択酸化部16へと適度に温度が低下しながら加熱流路32の内部を通過することになる。そのため、加熱流路32を直線的に形成することが可能となる。
【0038】
以上、本発明を上述の実施の形態を参照して説明したが、これは例示であり、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
【0039】
例えば、燃料電池用改質装置10において、原燃料供給路40は、水蒸気供給路42において通過する水が気化される箇所より下流側の合流部で水蒸気供給路42と合流するように構成してもよい。このように、燃焼排ガスの加熱による原燃料の昇温と水の気化とが別々の原燃料供給路40および水蒸気供給路42で行われた後に原燃料と水蒸気とが合流することで、各供給路における原燃料の昇温や水の気化による水蒸気の供給の制御が容易となる。
【0040】
上述の燃料電池用改質装置は、ガスと水との熱交換部において、ガス側の伝熱を促進させるために、ガス側通路にアルミナボールやマクマホンパッキン等の拡散により伝熱性を上げる物を充填してもよい。例えば、改質部12とシフト変成部14との間、シフト変成部14と選択酸化部16との間、選択酸化部16の上部、水蒸気供給路42の入口側における燃焼排ガスとの熱交換部、等に伝熱促進物が充填されていてもよい。
【0041】
また、コイル状の環状部124は、水蒸気供給路42の全領域に設けられていてもよいし、部分的に、断続的に設けられていてもよく、装置全体の熱効率や熱収支を考慮して設計すればよい。
【0042】
また、上述の燃料電池用改質装置に用いられる原燃料としては、例示されているメタンやプロパン、ブタン等に限られるものではない。例えば、天然ガス、プロパン・ブタンを主成分とするLPG、ナフサ、灯油等の炭化水素や、メタノール、エタノール等のアルコール類や、ジメチルエーテル等のエーテル類、等を、原燃料として用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本実施の形態に係る燃料電池用改質装置の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0044】
10 燃料電池用改質装置、 12 改質部、 14 シフト変成部、 16 選択酸化部、 18 改質反応筒、 20 バーナ、 22 外筒、 30 燃焼室、 32 加熱流路、 36 触媒層、 42 水蒸気供給路、 64 整流板、 120 凹部、 122 通気口、 124 環状部、 126 抵抗部材、 128 折り返し部、 130 折り返し流路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原燃料を水素リッチな改質ガスに改質する燃料電池用改質装置であって、
原燃料から改質ガスを生成する改質部と、
前記改質ガスに含まれる一酸化炭素をシフト反応により低減するシフト変成部と、
前記シフト変成部を通過した改質ガスに含まれる一酸化炭素を選択酸化して低減する選択酸化部と、
前記改質部と前記シフト変成部と前記選択酸化部とをこの順番に直線状に収納するとともに、前記改質部が収納されている一端側に凹部が形成されている改質反応筒と、
前記改質反応筒の外周に配置され、該改質反応筒より径が大きい外筒と、
前記凹部と対向する燃焼室に配置され、原燃料を燃焼して燃焼排ガスを生成する燃焼手段と、
前記燃焼排ガスが前記凹部の周囲に設けられている改質部の凹部側および外筒側を加熱しながら通過する加熱流路と、
を備えることを特徴とする燃料電池用改質装置。
【請求項2】
前記加熱流路は、前記凹部の内側から前記改質反応筒の外周側に向かって折り返されている折り返し部を有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用改質装置。
【請求項3】
前記改質部は、ガスの流れが前記凹部の側面に沿って燃焼室側へ向かうとともに前記改質反応筒の内面に沿ってシフト変成部側へ向かう折り返し流路を有することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池用改質装置。
【請求項4】
前記改質反応筒は、前記改質部に水蒸気を供給するために前記燃焼排ガスによる加熱により水が気化される水蒸気供給路を収納し、
前記水蒸気供給路は、少なくとも一部が前記改質反応筒の内面に接するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃料電池用改質装置。
【請求項5】
前記水蒸気供給路は、コイル状に形成された環状部を有し、前記環状部の少なくとも一部が前記改質反応筒の内面に接するように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池用改質装置。
【請求項6】
前記選択酸化部は、前記水蒸気供給路が通過している領域以外の領域に、前記改質ガスの流れの抵抗となる抵抗部材が設けられていることを特徴とする請求項4または5に記載の燃料電池用改質装置。
【請求項7】
前記シフト変成部は、前記水蒸気供給路が通過している領域以外の領域に、前記改質ガスの流れの抵抗となる抵抗部材が設けられていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の燃料電池用改質装置。
【請求項8】
前記改質反応筒は、前記改質ガスの流れを前記水蒸気供給路に向かう流れに変化させる整流部材を内部に備えていることを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の燃料電池用改質装置。
【請求項9】
前記加熱流路は、前記燃焼排ガスが改質部側から選択酸化部側に向かって通過するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の燃料電池用改質装置。

【図1】
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【公開番号】特開2009−84077(P2009−84077A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−252654(P2007−252654)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000004444)新日本石油株式会社 (1,898)
【Fターム(参考)】