説明

片面表面材延伸結合積層体及びその製造方法

【課題】連続フィラメント及びフィルムベースの延伸結合積層体材料、及びそのような延伸結合積層体材料を作るための製造方法を提供する。
【解決手段】保存のために巻き取って使用に必要な時にロールから巻き戻すことができる弾性積層体は、連続フィラメントストランドのアレイ、メルトブローンが連続フィラメントストランド上に堆積した連続フィラメントストランドのアレイ、及びフィルムから成る群から選択された弾性層と、弾性層の片側だけに結合された表面材層とを含む。積層体はまた、弾性層と表面材層の間に堆積させた比較的短いむき出し時間を示す接着剤、又は表面材層の反対側の弾性層上に堆積させたこのような接着剤及び結合後接着剤又は非付着性剤、又非付着性剤層を含むことができる。メルトブローン層は、約3%と約40%の間のある一定の程度の結晶化度を有する弾性ポリオレフィンベースのメルトブローンポリマーを含むことができる。積層体の層間剥離強度は、歪み速度300mm/minで約70グラム/3インチ横方向幅未満であることが適切である。代替的に又は付加的に、連続フィラメントストランド及び/又は表面材層は、約3%と約40%の間のある一定の程度の結晶化度を有する弾性ポリオレフィンベースのメルトブローンポリマーを含むことができる。いくつかの実施形態では、弾性積層体は、坪量が約50gsm又はそれ未満の弾性又は半弾性フィルム層に結合された伸張可能な表面材層を含むことができ、表面材層は、約3%と約40%の間のある一定の程度の結晶化度を有する弾性ポリオレフィンベースのポリマーを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々なパーソナルケア製品及び延伸機能が必要な他の製品上又はその中に用いるための連続フィラメント及びフィルムベースの延伸結合積層体材料、及びそのような延伸結合積層体材料を作るための製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
「延伸結合積層体」という用語は、延伸結合積層工程、すなわち、弾性層のみが伸張状態の時に(例えば、その弛緩した長さの少なくとも約25パーセントだけ)弾性層が付加的な表面材層で互いに接合され、そのために層が弛緩すると、付加的な層にギャザーが寄るような工程によって作られた複合弾性材料を意味する。このような積層体は、通常は、機械方向(MD)延伸特性を有し、その後、結合部位間でギャザーが寄せられた付加的な(一般的に弾性がない)材料によって弾性材料が伸長することができる範囲まで延伸することができる。延伸結合積層体の種類の1つは、例えば、Vander Wielen他に付与された米国特許第4,720,415号に開示されており、この特許では、押出機の複数の列から生成された同じポリマーの複数の層が用いられる。他の複合弾性材料は、Wrightに付与された米国特許第5,385,775号、及び2002年8月8日に公開された現在特許出願中米国特許公開第2002−0104608号に開示されており、これらの各々は、本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている。このような延伸結合積層体には、メルトブローンウェブのようなウェブ、フィルム、アレイ/一連のほぼ平行な連続フィラメントストランド(押出し又は予備成形のいずれか)、又はその組合せである弾性構成要素を含むことができる。弾性層は、得られる積層体に手に心地よい織物のような感触を付与するために、2つの非弾性又は伸張可能な不織表面材に延伸状態で結合される。特に、弾性層は、表面材層が弾性層を挟むように2つの表面材層の間に結合される。一部の例では、延伸結合積層体が、実際には機械横断方向(CD)に何らかの伸張性/弾性を有することができるネック付け延伸結合積層体であるように、ギャザー可能な表面材層もネック付けすることができる。
【0003】
「ネック付け」すること又は「ネック付けされた」は、布に特定の方向に張力を与え、それによって張力の方向に垂直な方向に布の幅寸法を低減する工程を意味する。例えば、不織布のMDに張力を与えると、布がCDに「ネック付け」されるか又は細くなり、ネック付け布にCD延伸性が付与される。このような伸張可能及び/又は弾性の布の例には、以下に限定されるものではないが、Morman他に付与された米国特許第4,965,122号及びMorman他に付与された第5,336,545号に説明されているものが含まれ、これらの各々は、本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている。
【0004】
「ネック結合」とは、非弾性部材のみが伸張されるか又はネック付けされて伸張に直交する方向にその寸法を低減しながら、弾性部材を非弾性部材に結合させる工程を意味する。「ネック結合積層体」とは、ネック結合工程、すなわち、非弾性層のみが伸張/ネック付け状態の時に層が互いに接合される工程によって作られた複合弾性材料を意味する。このような積層体は、通常は、横方向延伸特性を有する。ネック結合積層体の更に別の例は、例えば、Mormanに付与された米国特許第5,226,992号及び第4,981,747号、及びHaffner他に付与された米国特許第5,514,470号に説明されているものがあり、これらの各々は、本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている。
【0005】
「ネック延伸結合」は、弾性部材が、それが伸張されている間に(例えば、その弛緩した長さの約25パーセントだけ)別の部材に結合され、他の層がネック付けされた非弾性層である工程を一般的に意味する。「ネック延伸結合積層体」とは、ネック延伸結合工程、すなわち、両方の層が伸張状態の時に層が互いに接合され、その後弛緩させる工程によって作られた複合弾性材料を意味する。このような積層体は、通常は、多方向延伸特性を有する。
【0006】
このような延伸結合積層体を用いて、おむつライナ又は外側カバー、おむつウエストバンド材料、おむつ脚ガスケット(カフ)材料、おむつ耳部分(すなわち、締結システムがおむつに取り付けられる点)、並びにおむつ及び小児用トレーニングパンツのための側部パネル材料のようなパーソナルケア製品の様々な構成要素に弾性と心地よい布地のような感触という付加的な恩典とをもたらすことができる。このような材料は、多くの場合に人体の皮膚と接触するために、このような材料は、ゴムのような感触(弾性材料に対する一般的な感覚)ではなく、触って比較的柔らかいことが望ましい。このような材料は、手術衣、顔用マスク、及びドレープのような保護作業着、白衣、又は車、グリル、又はボートカバーのような保護外側カバーに組み込まれる材料に同じく弾性及び快適性をもたらすことができる。
【0007】
このような柔らかくて延伸性のある材料は、このような弾性材料をより使いやすくするのに役立っているが、織物の感触を一層布状にする製品の必要性が依然として存在する。この点に関して、更に高いレベルのギャザー寄せをもたらす材料が必要とされている。更に、全体の坪量を低減することによって更に大きな可撓性を有する積層体製品が必要とされている。同様に、積層体上の1つの表面材層を削除し、低坪量の弾性層構成要素を用いることによって剛度を低減した積層体材料の必要性が存在する。このような積層体は、弾性材料として用いる際の効率性が高まり、その上、1つの表面材層を削除することにより費用効率が高まると考えられる。このような積層体は、余分な表面材層の抵抗がないと考えられるので収縮機能に優れ、使用/伸張の容易性を提供することができるであろう。本質的に、このような積層体は、ポリマーの重量が小さくて高レベルの収縮性をもたらすと考えられる。しかし、これらの認められる全ての恩典にも関わらず、今日まで、片面延伸結合積層体(すなわち、ギャザー可能な表面材層が一方の側面だけにある延伸結合積層体)は、製造が困難であるために捕らえどころがないものであった。
【0008】
それ自体に接着性成分を組み込む延伸結合積層体を利用する際に、材料の剛度を高めない接着剤を選択することが望ましいとされている。このような剛度は、製品の全体的な感触及び使用中に延伸特性をもたらす製品機能に悪影響を及ぼすものである。従って、積層体材料の感触及び性能に悪影響を及ぼさず、同時に依然として片面材料の形成を考慮した付加的な接着剤構成を開発することが望ましいと考えられる。
【0009】
多くの接着剤は、一般的に幾分それ自体に弾性があり、乾燥又は硬化した後でさえも何らかのレベルの粘着性を維持する傾向がある。その結果、その固有の粘着性のために、少なくともフィラメント、フィルム、及びウェブベースの延伸結合積層体に関しては、加工/保存中のロール付着を避けるために、中心の弾性構成要素(すなわち、フィラメントアレイ)の両側に表面材を用いることが必要である。本出願の目的に対しては、「ロール付着」及び「ロール粘着」という用語は、互換的に用いるものとし、最終的に用いる前に粘着フィルム、粘着フィラメントアレイ、又は他の粘着シート材料が保存のために巻き取られる時にそれ自体に固着する性向を意味するものとする。このようなロール付着は、このような巻かれた材料をそれが実際に必要な時に巻き戻すことができないために、ロール上に収容された材料の利用を妨げる場合がある。フィラメントベースの延伸結合積層体では、接着剤は、多くの場合に表面材層自体に付加され、次に、表面材層がそれらの間にフィラメントアレイを置いてニップ内で結合される。このような構成は、一般的にABA積層体として説明することができ、ここで、Aは表面材層、及びBは弾性層である。
【0010】
材料が高価でなく、より可撓性であるように、延伸結合積層体の坪量を低減することが望ましいであろうが、使用前に保存される場合、巻かれた材料を固着させないで余分な表面材層を削除する方法がこれまでのところよく分かっていない。従って、満足できる弾性性能を示すが、ロール付着を懸念することなくロール上に保存することもできる片面延伸結合積層体を得ることが望ましい。また、所定の期間及びある一定範囲の温度のような満足できる保存条件の下でロール上に維持することができる材料を得ることも望ましい。本発明は、このような必要性に関するものである。
【0011】
【特許文献1】米国特許第4,720,415号
【特許文献2】米国特許第5,385,775号
【特許文献3】米国特許公開第2002−0104608号
【特許文献4】米国特許第4,965,122号
【特許文献5】米国特許第5,336,545号
【特許文献6】米国特許第5,226,992号
【特許文献7】米国特許第4,981,747号
【特許文献8】米国特許第5,514,470号
【特許文献9】米国特許第4,340,563号
【特許文献10】米国特許第3,692,618号
【特許文献11】米国特許第3,802,817号
【特許文献12】米国特許第3,338,992号
【特許文献13】米国特許第3,341,394号
【特許文献14】米国特許第3,542,615号
【特許文献15】米国特許第3,849,241号
【特許文献16】米国特許第4,041,203号
【特許文献17】米国特許第5,169,706号
【特許文献18】米国特許第5,145,727号
【特許文献19】米国特許第5,178,931号
【特許文献20】米国特許第5,188,885号
【特許文献21】米国特許第4,818,464号
【特許文献22】米国特許第4,100,324号
【特許文献23】米国特許第5,108,820号
【特許文献24】米国特許第4,795,668号
【特許文献25】米国特許第5,336,552号
【特許文献26】米国特許第5,382,400号
【特許文献27】米国特許第5,277,976号
【特許文献28】米国特許第5,466,410号
【特許文献29】米国特許第5,069,970号
【特許文献30】米国特許第5,057,368号
【特許文献31】米国特許第3,855,046号
【特許文献32】米国特許第4,374,888号
【特許文献33】米国特許公開番号2003/0232928A1
【特許文献34】米国特許第4,663,220号
【特許文献35】米国特許第4,787,699号
【特許文献36】米国特許第4,803,117号
【特許文献37】米国特許第4,100,324号
【特許文献38】米国特許第4,781,966号
【特許文献39】米国特許第6,657,009号
【特許文献40】米国特許第6,774,069号
【特許文献41】米国特許出願出願番号第09/945239号
【特許文献42】米国特許出願出願番号第09/945240号
【特許文献43】米国特許出願出願番号第10/655717号
【特許文献44】米国特許公開番号US20020122953
【特許文献45】米国特許公開番号US20020123726
【特許文献46】PCT特許出願番号WO00/37009
【特許文献47】米国特許第4,940,464号
【特許文献48】米国特許第5,766,389号
【特許文献49】米国特許第6,645,190号
【特許文献50】PCT特許出願番号WO95/16425
【特許文献51】米国特許第5,399,219号
【特許文献52】米国特許第5,540,796号
【特許文献53】米国特許第5,595,618号
【特許文献54】米国特許第5,486,166号
【特許文献55】米国特許第5,490,846号
【特許文献56】米国特許第4,704,116号
【特許文献57】米国特許第4,798,603号
【特許文献58】米国特許第5,176,668号
【特許文献59】米国特許第5,176,672号
【特許文献60】米国特許第5,192,606号
【特許文献61】米国特許第5,509,915号
【特許文献62】米国特許第5,964,973号
【非特許文献1】B.A.Wendt、E.L.Boone、及びD.D.Fluharty著「超微小有機繊維の製造」、NRL報告4364
【非特許文献2】K.D.Lawrence、R.T.Lukas、及びJ.A.Young著「超微小熱可塑性繊維を形成するための改良装置」、NRL報告5265
【発明の開示】
【0012】
保存のために巻き取って使用に必要な時にロールから巻き戻すことができる弾性積層体は、連続フィラメントストランドのアレイ、メルトブローンが連続フィラメントストランド上に堆積した連続フィラメントストランドのアレイ、及びフィルムから成る群から選択された弾性層と、弾性層の片側だけに結合された表面材層とを含む。弾性積層体は、約3%と約40%の間、又は約5%と約30%の間のある程度の結晶化度を有する弾性ポリオレフィンベースのポリマーを含むことができる。弾性ポリオレフィンベースのポリマーは、約10と約600グラム/10分の間、又は約60と約300グラム/10分の間、又は約150と約200グラム/10分の間の溶融流量、約40と約160℃の間の融点/軟化点、及び/又は約0.8から約0.95、又は約0.85から約0.93、又は約0.86から約0.89グラム/立方センチメートルの密度を有することができる。弾性ポリオレフィンベースのポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ブテン又はオクテンホモポリマー又はコポリマー、エチレンメタクリレート、エチレンビニルアセテート、ブチルアクリレートコポリマー、又はこれらのポリマーのうちのいずれかの組合せを含むことができる。弾性ポリオレフィンベースのポリマーを用いて、メルトブローン層、連続フィラメントストランド、及び/又は表面材層を形成することができる。
【0013】
弾性積層体は、連続フィラメントストランドのアレイとメルトブローン層の間、又は弾性層とギャザー可能な表面材層の間に堆積したむき出し時間が比較的短い接着剤を更に含むことができる。ある一定の実施形態では、弾性積層体は、表面材層の反対側の弾性層上に堆積した非付着性剤層を含むことができるが、メルトブローン層が弾性ポリオレフィンベースのポリマーを含む時には、非付着性剤層は必要ではない。
【0014】
より詳細には、メルトブローン層が弾性ポリオレフィンベースのポリマーを含む場合には、弾性積層体の層間剥離強度は、歪み速度300ミリメートル/分(mm/min)で約70グラム/3インチ横方向幅未満であることが適切である。例えば、弾性積層体がそれ自体に巻き取られる時に、それは、将来用いるために巻き戻すことができ、歪み速度300mm/minで約200未満、又は約100未満、又は約70未満、又は約60未満、又は約50グラム/3インチ横方向幅未満のロールからの剥離強度(それが巻き戻されている間)を示す。従って、弾性積層体には、非付着性剤などのようないかなるカレンダ後の処理も必要ないであろう。
【0015】
更に別の代替的な実施形態では、弾性積層体は、連続フィラメントストランドのアレイとメルトブローン層の間、又は表面材層と弾性層の間にむき出し時間が約0.2秒と1分の間、又は約0.2秒と3秒の間、又は約0.5秒と2秒の間の接着剤を含む。更に別の代替的な実施形態では、このような弾性積層体は、連続フィラメントストランドのアレイとメルトブローン層の間、又は表面材層と弾性層の間に接着剤を含み、この接着剤は、約16gsm未満、又は約8gsm未満、又は約4gsm未満、又は約1と4gsmの間の量で添加される。更に別の代替的な実施形態では、積層体は、表面材層と弾性層の間、及び表面材層の側の反対側にある弾性層の側にも接着剤を含む。更に別の代替的な実施形態では、このような接着剤は、表面材層と弾性層の間、及び表面材層の側の反対側にある弾性層の側にも同様の添加量で分配される。
【0016】
弾性層内のメルトブローン層は、メルトブローン材料の単層とすることができ、又は代替的に、2つ又はそれよりも多くの層を含むことができる。例えば、層の1つは、約3%と約40%の間又は約5%と約30%の間のある一定の結晶化度を有する弾性ポリオレフィンベースのメルトブローンポリマーを含むことができ、別の層は、スチレンブロックコポリマーベースのメルトブローンポリマーを含むことができる。
【0017】
メルトブローン層は、積層する時点で約34グラム/平方メートル(gsm)まで、又は約1と約5gsmの間、又は約1.25と約2.5gsmの間の添加量で弾性積層体内に存在することができる。
【0018】
本発明の更に別の代替的な実施形態では、弾性層の全体的な坪量は、約54gsmまでである。本発明の更に別の代替的な実施形態では、弾性層の坪量は、約4gsmと23gsmの間、又は約10gsmと18gsmの間である。
【0019】
本発明の更に別の代替的な実施形態では、弾性積層体は、表面材層の反対側の弾性層上に堆積したメルトブローン非付着性剤を含む。本発明の更に別の代替的な実施形態では、メルトブローン非付着性剤は、約0.2と2.0gsmの間、又は約0.2と1.5gsmの間、又は約0.2と0.8gsmの間、又は約0.2と0.5gsmの間の量で堆積させる。本発明の更に別の代替的な実施形態では、メルトブローン非付着性剤は、ポリオレフィン及びエラストマーポリマーから成る群から選択される。
【0020】
本発明の更に別の代替的な実施形態では、弾性層の坪量は、約3gsmと20gsmの間である。本発明の更に別の代替的な実施形態では、弾性層の坪量は、約4gsmと15gsmの間である。本発明の更に別の代替的な実施形態では、弾性層は、連続フィラメントストランド又は弾性メルトブローンが堆積した連続フィラメントストランドのアレイである。
【0021】
本発明の更に別の代替的な実施形態では、表面材層の坪量は、約0.3と1.5osyの間である。本発明の更に別の代替的な実施形態では、表面材層は、不織ウェブ、不織ウェブ積層体、発泡体、スクリム、網状組織、フィルム、及びその組合せから成る群から選択される。本発明の更に別の実施形態では、単一のギャザー可能表面材層がネック付けされる。ある一定の実施形態では、表面材層は、メルトブローン層が弾性ポリオレフィンベースのポリマーを含み、かつ2つのスパンボンド層の間に位置決めされた、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド積層体を含むことができる。
【0022】
本発明の更に別の代替的な実施形態では、伸張可能な表面材層は、坪量が約50グラム/平方メートル(gsm)又はそれ未満、又は約35から約45gsmの間、又は約38と約42gsmの間である弾性又は半弾性フィルムに結合される。フィルム及び/又は表面材層は、本明細書で説明するような弾性ポリオレフィンベースのポリマーを含むことができる。この積層体は、2つの従来の表面材層を有する同程度の積層体よりも大きな収縮を示す。積層体はまた、エラストマー性ストランドを含むこともできる。更に別の代替案として、積層体は、フィルムの反対の表面に結合された第2の伸張可能な表面材層を含むことができる。
【0023】
代替的な実施形態では、延伸結合積層体を形成する方法は、弾性メルトブローンポリマーを連続フィラメントストランドのアレイに付加することにより弾性層を形成する段階と、弾性層を延伸する段階と、延伸弾性層が延伸した状態にある間にギャザー可能表面材層をメルトブローン層に隣接する延伸弾性層に結合して延伸結合積層体を形成する段階と、このような延伸結合積層体を収縮させる段階とを含む。
【0024】
別の代替的な実施形態では、単一の表面延伸結合積層体を形成する方法は、弾性層を準備する段階と、メルトブローン非付着性剤を弾性層の一方の側に付加する段階と、弾性層を延伸する段階と、延伸弾性層が延伸した状態にある間にギャザー可能表面材層をメルトブローン非付着性剤の反対側の延伸弾性層だけに結合して片面延伸結合積層体を形成する段階と、このような延伸結合積層体を収縮させる段階とを含む。パーソナルケア又は他の延伸可能物品に用いるために本方法で作られる片面表面材延伸結合積層体(この用語は、片面延伸結合積層体と同義に用いるものとする)も本発明によって考えられている。
【0025】
更に別の代替的な実施形態では、片面延伸結合積層体を形成する方法は、弾性層を準備する段階と、弾性層を延伸する段階と、比較的むき出し時間が短く硬化後に粘着性がない接着剤を用いて、延伸弾性層が延伸した状態にある間にギャザー可能表面材層を延伸弾性層の一方の側だけに結合して延伸結合積層体を形成する段階と、このような延伸結合積層体を収縮させる段階とを含む。更に別の代替的な実施形態では、接着剤は、弾性層が表面材層に接触する前(結合前接着剤付加)及び弾性層が表面材層に接触した後(結合後付加)の両方で弾性層を単一のギャザー可能表面材層に結合するために付加される。結合前接着剤付加は、弾性層及び表面材層を一緒にして積層体にする前に適用される。一実施形態では、結合後接着剤付加は、弾性層及び表面材層が積層された後に積層体のフィラメント側に適用される。更に別の代替的な実施形態では、結合前及び結合後接着剤付加の両方において同様の量の接着剤が付加される。本発明はまた、このような接着方法によって作られた片面延伸結合積層体及びこのような積層体で作られた物品を含むように考えられている。
【0026】
本発明は、以下の本発明の実施形態の説明を添付の図面と併せて参照することによってより良く理解されるであろう。
【0027】
定義
本明細書の関連において、以下の各用語又は語句は、以下の1つ又は複数の意味を含むことになる。
【0028】
本明細書で用いる場合、「パーソナルケア製品」という用語は、おむつ、トレーニングパンツ、水着、吸収性下着、大人用失禁用製品、並びに女性用ケアパッド、ナプキン、及びパンティライナのような女性用衛生製品を意味する。おむつを図10に示しているが、本発明の材料は、先に挙げたパーソナルケア製品のいずれにも弾性構成要素として同じくらい容易に組み込むことができることを認識すべきである。例えば、このような材料を用いてトレーニングパンツの弾性側部パネルを作ることができる。
【0029】
本明細書で用いる場合、「保護上着」という用語は、手術衣、診察着、カバーガウン、白衣、マスク、及び保護カバーオールのような仕事場で保護のために用いる衣類を意味する。
【0030】
本明細書で用いる場合、「保護カバー」及び「保護外側カバー」という用語は、例えば、車、ボート、及びバーベキューグリルカバー、並びに農業用布のような対象物を保護するのに用いられるカバーを意味する。
【0031】
本明細書で用いる場合、「ポリマー」及び「ポリマー性」という用語には、説明的修飾語なしで用いられる場合には、一般的に、以下に限定されるものではないが、ホモポリマー、例えば、ブロック、グラフト、ランダム、及び交互コポリマーのようなコポリマー、ターポリマー等、及びその配合物及び修飾物が含まれる。更に、特に断らない限り、「ポリマー」という用語には、分子の全ての可能な空間配置が含まれる。これらの配置には、以下に限定されるものではないが、アイソタクチック、シンジオタクチック、及びランダム対称が含まれる。
【0032】
本明細書で用いる場合、「機械方向」又はMDという用語は、生成される方向の布の長さに沿う方向を意味する。「機械横断方向」、「横方向」、又はCDという用語は、布の幅を横切る方向、すなわち、MDにほぼ垂直な方向を意味する。
【0033】
本明細書で用いる場合、「不織ウェブ」という用語は、相互に交錯しているが識別可能な繰返し方式ではない個々の繊維又は糸の構造を有するポリマーウェブを意味する。不織ウェブは、従来より、例えば、メルトブロー工程、スパンボンド工程、水圧交絡、空気堆積、及びボンデッドカーデッドウェブ工程のような様々な工程で形成されている。
【0034】
本明細書で用いる場合、「ボンデッドカーデッドウェブ」という用語は、通常はベール単位で購入されるステープル長繊維から作られたウェブを意味する。ベールは、繊維を分離する繊維化ユニット/ピッカーに入れられる。次に、繊維を結合又は梳綿ユニットを通して送り、これによって更に分裂させて、機械方向に配向した繊維不織ウェブを形成するためにステープル長繊維を機械方向に整列させる。ウェブが形成された状態で、次に、いくつかの結合方法の1つ又はそれよりも多くによって結合させる。1つの結合方法は、粉末接着剤をウェブ中に分配し、その後、通常はウェブ及び接着剤を熱空気で加熱することにより活性化する粉末結合である。別の結合方法は、加熱カレンダロール又は超音波結合機器を用いてウェブを通して通常は局所結合パターンで繊維を共に結合するパターン結合であり、及び/又は、代替的に、ウェブは、必要に応じて全表面にわたって結合することができる。二成分ステープル長繊維を用いる場合には、多くの用途で通気結合機器が特に有利である。
【0035】
本明細書で用いる場合、「スパンボンド」という用語は、溶融熱可塑性材料をフィラメントとして紡糸口金の複数の細くて通常円形の毛管から押出し、押出したフィラメントの直径を、いずれも本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている、例えば、Appel他に付与された米国特許第4,340,563号、Dorschner他に付与された米国特許第3,692,618号、Matsuki他に付与された米国特許第3,802,817号、Kinneyに付与された米国特許第3,338,992号及び第3,341,394号、及びDobo他に付与された米国特許第3,542,615号に示す手段により急速に低減することによって形成された小さな直径の繊維を意味する。
【0036】
本明細書で用いる場合、「メルトブローン」という用語は、溶融熱可塑性材料を複数の細くて通常円形のダイ毛管を通し、溶融糸又はフィラメントとして収束する高速気体(例えば、空気)流中に押出し、これによって溶融熱可塑性材料のフィラメントが場合によってはミクロ繊維の直径までその直径を細くされることによって形成された繊維を意味する。次に、メルトブローン繊維は、高速気体流で運ばれ、收集表面に堆積してランダムに分散されたメルトブローン繊維のウェブを形成する。このような工程は、本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている、B.A.Wendt、E.L.Boone、及びD.D.Fluharty著「超微小有機繊維の製造」、NRL報告4364、K.D.Lawrence、R.T.Lukas、及びJ.A.Young著「超微小熱可塑性繊維を形成するための改良装置」、NRL報告5265、及び1974年11月19日にButin他に付与された米国特許第3,849,241号を含む様々な特許及び文献に開示されている。
【0037】
本明細書で用いる場合、「シート」及び「シート材料」という用語は、互換的であるものとし、修飾語がない場合には、織材料、不織ウェブ、ポリマーフィルム、ポリマースクリム状材料、及びポリマー発泡シート材料を意味する。
【0038】
不織布又はフィルムの坪量は、通常は、材料のオンス/平方ヤード(osy)又はグラム/平方メートル(g/m2又はgsm)で表し、繊維直径は、通常はミクロンで表す。(osyをgsmに変換するためには、osyに33.91を掛けることに注意されたい。)フィルムの厚さも、ミクロン又はミルで表すことができる。
【0039】
本明細書で用いる場合、「積層体」という用語は、接着剤結合、熱結合、ポイント結合、加圧結合、押出しコーティング、又は超音波結合などによる結合段階で接着された2つ又はそれよりも多くのシート材料の層の複合構造を意味する。
【0040】
本明細書で用いる場合、「エラストマー性」という用語は、「弾性」という用語と互換的であるものとし、延伸力を加えると少なくとも一方向(例えば、CD方向)に延伸可能であり、延伸力を緩めるとほぼその本来の寸法まで収縮する/戻るシート材料を意味する。例えば、延伸材料の延伸長さは、その弛緩した非延伸長さよりも少なくとも50パーセント大きく、延伸力が緩められると、その延伸長さの少なくとも50パーセントまで回復することになる。仮想的な例は、少なくとも1.50インチまで延伸可能であり、延伸力を緩めると1.25インチを超えない長さまで回復することになる材料の1インチサンプルであろう。望ましくは、このようなエラストマー性シートは、機械方向又は機械横断方向のいずれかのような特定の方向に延伸長さの50パーセントまで収縮又は回復する。より望ましくは、このようなエラストマー性シート材料は、機械方向又は機械横断方向のいずれかのような特定の方向に延伸長さの80パーセントまで回復する。より望ましくは、このようなエラストマー性シート材料は、機械方向又は機械横断方向のいずれかのような特定の方向に延伸長さの80パーセントを超えて回復する。望ましくは、このようなエラストマー性シートは、MD及びCD方向の両方に延伸及び回復可能である。
【0041】
本明細書で用いる場合、「半弾性」という用語は、弾性又はエラストマー性とすることができるシート材料、又は少なくとも一方向(CD方向など)に延伸可能であり、延伸力を緩めると少なくとも部分的に収縮することができるシート材料を意味する。例えば、半弾性材料が元の寸法の200%まで延伸する場合、延伸力を緩めると、半弾性材料は、その元の寸法の175%未満のような元の寸法の200%未満まで又はその元の寸法の150%未満まで収縮することになる。
【0042】
本明細書で用いる場合、「エラストマー」という用語は、エラストマー性のポリマーを意味するものとする。
【0043】
本明細書で用いる場合、「熱可塑性」という用語は、溶融加工することができるポリマーを意味するものとする。
【0044】
本明細書で用いる場合、「非弾性」又は「弾性のない」という用語は、上述の「弾性」の定義に含まれないあらゆる材料を意味する。
【0045】
本明細書で用いる場合、「多層積層体」という用語は、様々な異なるシート材料を含む積層体を意味する。例えば、多層積層体には、いずれも本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている、Brock他に付与された米国特許第4,041,203号、Collier他に付与された米国特許第5,169,706号、Potts他に付与された米国特許第5,145,727号、Perkins他に付与された米国特許第5,178,931号、及びTimmons他に付与された米国特許第5,188,885号に開示されたスパンボンド/メルトブローン/スパンボンド(SMS)積層体及び他のもののようないくつかの層のスパンボンド及び何らかのメルトブローンを含むことができる。このような積層体は、移動形成ベルト上にまずスパンボンド布層、次にメルトブローン布層、及び最後に別のスパンボンド層を順番に堆積させ、次に熱的ポイント結合等により積層体を結合することによって作ることができる。代替的に、布層を個々に作ってロールに収集し、1つ又は複数の別々の結合段階で組み合わせることができる。多層積層体はまた、様々な数のメルトブローン層又は複数のスパンボンド層を多くの異なる構成で有することができ、フィルム(F)又はコフォーム材料、例えば、SMMS、SM、SFSのような他の材料を含むことができる。
【0046】
本明細書で用いる場合、「コフォーム」という用語は、ウェブが形成する間に他の材料が通過してウェブに加えられる落し口の近くに少なくとも1つのメルトブローンダイヘッドが配置された工程を意味する。このような他の材料は、例えば、パルプ、超吸収性粒子、セルロース、又はステープル長繊維とすることができる。コフォーム工程は、いずれも本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている、Lauに付与された米国特許第4,818,464号、及びAnderson他に付与された第4,100,324号に示されている。
【0047】
本明細書で用いる場合、「複合繊維」という用語は、別々の押出機から押出された少なくとも2つのポリマーで形成されるが、一緒に紡いで1つの繊維を形成する繊維を意味する。複合繊維はまた、多成分又は二成分繊維と呼ばれる場合がある。ポリマーは、通常は互いに異なるが、複合繊維は、単成分繊維の場合がある。ポリマーは、複合繊維の断面にわたって実質的に一定に位置決めされた個別の区域に配置され、複合繊維の長さに沿って連続的に延びる。このような複合繊維の構成は、例えば、1つのポリマーが別のポリマーに囲まれた鞘/芯配置とすることができ、又は並列配置、パイ配置、又は「海島型」配置とすることもできる。複合繊維は、Kaneko他に付与された米国特許第5,108,820号、Kruger他に付与された米国特許第4,795,668号、及びStrack他に付与された米国特許第5,336,552号に教示されている。複合繊維はまた、Pike他に付与された米国特許第5,382,400号にも教示されており、これを用いて、2つ又はそれよりも多くのポリマーの異なる膨張及び収縮率を用いて繊維にしぼ寄せすることができる。二成分繊維に対しては、ポリマーは、様々な望ましい比率で存在することができる。この繊維はまた、従来と異なる形状の繊維を説明するHogle他に付与された米国特許第5,277,976号、Hillsに付与された米国特許第5,466,410号、及びLargman他に付与された米国特許第5,069,970号及び第5,057,368号に説明されているような形状を有することができる。上述の特許の各々は、本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている。
【0048】
本明細書で用いる場合、「熱的ポイント結合」という用語は、結合される繊維の布又はウェブを加熱カレンダロールとアンビルロールの間に通過させることを伴っている。カレンダロールには、布全体がその全表面にわたって結合されないように、必ずというわけではないが、通常は何らかの方法でパターンが付けられており、アンビルロールは、通常は平坦である。その結果、機能性並びに審美的理由でカレンダロールのための様々なパターンが開発された。パターンの例の1つは、ポイントを有し、これは、本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている、Hansen及びPenningsに付与された米国特許第3,855,046号に教示されるような約200結合/平方インチで約30パーセントの結合面積を有する「Hansen Pennings」又は「H&P」パターンである。「H&P」パターンは、正方形のポイント又はピン結合領域を有し、各ピンの辺の寸法が0.038インチ(0.965mm)、ピン間の間隔が0.070インチ(1.778mm)、結合の深さが0.023インチ(0.584mm)である。得られるパターンの結合面積は、約29.5パーセントである。別の典型的なポイント結合パターンは、辺の寸法が0.037インチ(0.94mm)、ピン間隔が0.097インチ(2.464mm)、深さが0.039インチ(0.991mm)の正方形ピンによって15パーセント結合面積を生成する拡張「Hansen Pennings」又は「EHP」結合パターンである。「714」と呼ばれる別の典型的なポイント結合パターンは、各ピンの辺の寸法が0.023インチ、ピン間の間隔が0.062インチ(1.575mm)、結合の深さが0.033インチ(0.838mm)の正方形ピン結合区域を有する、。得られるパターンの結合面積は、約15パーセントである。更に別の一般的なパターンは、結合面積が約16.9パーセントの「C−Star」パターンである。「C−Star」パターンは、流れ星が割り込んだ横方向バー又は「コール天」デザインを有する。他の一般的なパターンは、約16パーセント結合面積を有する繰返しの僅かにオフセットしたダイヤモンドを有するダイヤモンドパターン、及び名前が示す通りに見えるワイヤ織パターン、例えば、結合面積が約15パーセントから約21パーセントの範囲で約302結合/平方インチの網戸パターンのようなものを含む。
【0049】
一般的に、パーセント結合面積は、布積層体面積の約10パーセントから約30パーセントまで変化する。当業技術で公知のように、スポット結合は、積層体層を互いに保持し、並びに各層中のフィラメント及び/又は繊維を結合することにより各個々の層に一体性を付与する。
【0050】
本明細書で用いる場合、「超音波結合」という用語は、本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている、例えば、Bornslaegerに付与された米国特許第4,374,888号に示すように、音波ホーンとアンビルロールの間に布を通過させることにより実施される工程を意味している。
【0051】
本明細書で用いる場合、「接着剤結合」という用語は、接着剤を付加することにより結合を形成する結合工程を意味する。このような接着剤の付加は、スロットコーティング、スプレーコーティング、及び他の局所的付加のような様々な工程によるであろう。更に、このような接着剤を製品構成要素内に付加し、次に、第2の製品構成要素の接着剤含有製品構成要素との接触が2つの構成要素間に接着剤結合を形成するように、それを圧力に露出することができる。
【0052】
本明細書で用いる場合、「カレンダ後の処理」という用語は、層間剥離強度を低減するためにニップを通るか又はカレンダロールの上の積層体の通過の後のような一般的に積層工程の終りに向けて積層体に付加する非付着性剤の付加のようなあらゆる処理を意味する。
【0053】
本明細書で用いる場合、「層間剥離強度」という用語は、積層体内の層の間の剥離強度とは反対に、ロールから巻き戻す時に積層体をそれ自体から分離するのに必要な剥離強度を意味する。層間剥離強度は、以下に詳細に説明する「ロール付着試験法」を用いて判断することができる。
【0054】
本明細書及び特許請求の範囲で用いる場合、「含む」という用語は、包含的又は非限定的であり、付加的な列挙していない要素、構成的要素、又は方法段階を除外しない。従って、このような用語は、「持つ」、「有する」、「有している」、「含む」、「含んでいる」、及びこれらの語のあらゆる派生語と同義であるものとする。
【0055】
本明細書で用いる場合、「伸張可能」又は「拡張可能」という用語は、少なくとも一方向に伸長可能であるが、必ずしも回復可能である必要はないことを意味する。
【0056】
特に断らない限り、製剤中の成分のパーセントは、重量によるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
本発明の目的に対しては、弾性片面延伸結合積層体は、少なくとも1つの弾性層及び1つのギャザー可能表面材層を含み、ギャザー可能表面材層は、少なくとも1つの弾性層の一方の側だけに付加される。非付着性剤は、表面材層の側の反対側の非付着性剤層として、又は弾性層とギャザー可能表面材層の間の結合剤(接着性)として、又は代替的に、弾性層とギャザー可能表面材層の間及び付加的に表面材層の側の反対側の結合積層体の上の結合剤としてのいずれかで弾性層に付加することができる。
【0058】
このような片面延伸結合積層体材料の止まるまでに延伸する値は、約30と400パーセントの間を示すことが望ましい。代替的な実施形態では、このような材料の止まるまでに延伸する値は、約50と300パーセントの間である。更に別の代替的な実施形態では、積層体材料の止まるまでに延伸する値は、約80と250パーセントの間である。
【0059】
弾性層には、メルトブローン層が連続フィラメントストランド上に堆積した連続フィラメントストランドのアレイを含むことができる。付加的に又は代替的に、弾性層には、別の積層体材料(例えば、弾性メルトブローン層)が取り付けられているか又は取り付けられていないフィルム又は連続フィラメントアレイのような他の構成要素を含むことができる。また、このような弾性層には、弾性スクリム又は網状構造、発泡体材料、又はこれらの材料のあらゆる組合せを含むことができる。フィルムを用いる場合には、穿孔フィルムとすることができる。ある一定の実施形態では、連続フィラメントストランドのアレイ及び/又はメルトブローン層の代わりに、これらの付加的な構成要素のいずれかを用いることができる。ほぼ平行な一連のエラストマー性連続フィラメント又はストランド(繊維アレイ)とフィラメント上に堆積したメルトブローン材料との組合せは、先に挙げたWrightに付与された米国特許第5,385,775号に説明されている。望ましくは、このような弾性層でのフィラメント対メルトブローンの坪量比は、例えば、約90:10とすることができる。
【0060】
上述のように、弾性層には、メルトブローン層が連続フィラメントストランド上に堆積した連続フィラメントストランドのアレイを含むことができる。積層体は、結晶化度が約3%と約40%の間、又は約5%と約30%の間、又は約15%と約25%の間の弾性ポリオレフィンベースのポリマーを含むことが適切である。また、弾性ポリオレフィンベースのポリマーの溶融流量は、約10と約600グラム/10分の間、又は約60と約300グラム/10分の間、又は約150と約200グラム/10分の間、融点/軟化点は、約40と約160℃の間、及び/又は密度は、約0.8から約0.95、又は約0.85から約0.93、又は約0.86から約0.89グラム/立方センチメートルとすることができる。弾性ポリオレフィンベースのポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ブテン又はオクテンホモポリマー又はコポリマー、エチレンメタクリレート、エチレンビニルアセテート、ブチルアクリレートコポリマー、又はこれらのポリマーのあらゆる組合せを含むことができる。
【0061】
適切な弾性ポリオレフィンベースのポリマーの例の1つは、テキサス州ベイタウン所在の「ExxonMobil Chemical」から入手可能な「VISTAMAXX」である。適切なポリオレフィンベースのポリマーの他の例は、いずれも「ExxonMobil Chemical」から入手可能な「EXACT」プラストマー、「OPTEMA」エチレンメタクリレート、及び「VISTANEX」ポリイソブチレン、及びメタロセン触媒ポリエチレン、並びにミシガン州ミッドランド所在の「Dow Chemical Company」から入手可能な「AFFINITY EG8185」又は「AFFINITY GA1950」のような「AFFINITY」ポリオレフィンプラストマー、デラウェア州ウィルミントン所在の「E.I.Du Pont de Nemours and Company」から入手可能な「ELVAX」エチレンビニルアセテート、及び「ExxonMobil」から入手可能な「ESCORENE Ultra」エチレンビニルアセテートを含む。
【0062】
弾性ポリオレフィンベースのポリマーは、晶析速度が遅く、結晶質及び非晶質相の部分領域を有してそれを本質的に弾性で粘着性にしていることが適切である。弾性ポリオレフィンベースのポリマーは、以下により詳細に説明するように、メルトブローン層、連続フィラメントストランド、及び/又は表面材層内に組み込むことができる。
【0063】
弾性層の構成要素の少なくとも1つは、上述のように、結晶化度が約3%と約40%の間、又は約5%と約30%の間、又は約15%と約25%の間の弾性ポリオレフィンベースのポリマーで形成することができる。例えば、弾性ポリマーを用いてメルトブローン層を形成する場合には、メルトブローン繊維は、形成ワイヤに堆積する時に半粘着性であり、これによって弾性ストランドが所定位置に保持されて複合体を接着的に結合するために、晶析速度が遅い弾性ポリマーが有利である。また、メルトブローン層が弾性ポリマーを含む場合には、このメルトブローン層は、非弾性メルトブローン層に比較して高い添加レベルで付加することができる。より詳細には、弾性メルトブローン層は、層が完全に伸張された時に測定すると、添加レベルが約34gsmまで、又は約1と約5グラム/平方メートル(gsm)の間、又は約1.25と約2.5gsmの間で付加することができる。非弾性メルトブローンは、より高い添加レベルでは、積層化する前にストランドが延伸するにつれて亀裂が生じて個別の島が形成される傾向があり、これによって不均一になる。しかし、弾性メルトブローンには、高い添加レベルでもこのような欠点はない。更に、弾性メルトブローンの添加レベルが高度であれば、弾性メルトブローンが粘着性であることと併せて、層間剥離強度が層内剥離強度よりも大きいことによって示されるように、フィラメントの弛緩が起こりにくいようにフィラメントを表面材層に良好に固定するのに役立つ。より詳細には、積層体内の層の剥離強度は、積層体がロールから巻き戻される時の層の外面の互いに対する剥離強度よりも大きい。例えば、積層体の層内剥離強度は、層間剥離強度を判断するのに用いたのと同じであるが、代わりに弾性層を表面材層から引き離す試験方法を用いると、歪み速度300mm/minで約200から約450グラム/3インチ横方向幅とすることができる。また、弾性メルトブローン添加レベルが高いことは、空隙率を低減するのにも役立つ。
【0064】
メルトブローン層に弾性ポリオレフィンベースのポリマーを用いることの別の恩典は、積層体の層間剥離強度が小さいことによって明らかにされるように、ロール付着が減少又は消失することである。他の積層体には、非弾性ポリプロピレンメルトブローン振り掛けのようなロール付着を防ぐためのカレンダ後の処理を含むことができるが、弾性ポリマーをメルトブローン層に組み込むと、カレンダ後の処理が全く必要でなくなる可能性がある。カレンダ後の処理を全く行わずに弾性メルトブローン層を組み込むと、積層体の層間剥離強度は、歪み速度300mm/minで約70グラム/3インチ横方向幅未満、又は歪み速度300mm/minで約60グラム/3インチ横方向幅未満、又は歪み速度300mm/minで約50グラム/3インチ横方向幅未満とすることができる。積層体の幅を小さくすると、その結果として不均一になる可能性があるが、積層体の層間剥離強度は、通常は積層体の幅に関して線形関係である。従って、例えば、幅3インチの積層体は、歪み速度300mm/minで約60グラム/3インチ横方向幅の層間剥離強度を示すことができ、幅1インチの同じ積層体は、歪み速度300mm/minで約20グラム/インチ横方向幅の層間剥離強度を示すことができる。
【0065】
メルトブローン層には、例えば、重量で約30%と約100%の間、又は約50%と約80%の間の弾性ポリオレフィンベースのポリマーを含むことができる。メルトブローン層は、単層又は多層構成要素とすることができる。例えば、メルトブローン層には、以下により詳細に説明するように、スチレンブロックコポリマーベースのメルトブローンポリマーの層を含むこともできる。
【0066】
上述のように、連続フィラメントストランドは、弾性ポリオレフィンベースのポリマーを含むこともできる。より詳細には、連続フィラメントストランドは、重量で約5%と約90%の間、又は約30%と約70%の間の弾性ポリオレフィンベースのポリマーで構成することができる。
【0067】
更に、弾性層内の構成要素のいずれか又は全ては(フィルム、フィラメント、又は他の説明した構造のいずれであるかに関係なく)、一般式A−B−A’を有するブロックコポリマーのような熱可塑性材料を含むことができ、ここで、A及びA’は、各々、ポリ(ビニルアレーン)のようなスチレン成分を含有する熱可塑ポリマー端ブロックであり、Bは、共役ジエン又は低級アルケンポリマーのようなエラストマーポリマー中間ブロックである。
【0068】
有用なスチレンブロックコポリマーの特定の例には、スチレン−エチレンプロピレン−スチレン(SEPS)、スチレン−エチレンプロピレン−スチレン−エチレンプロピレン(SEPSEP)のような水素化ポリイソプレンポリマー、スチレン−エチレンブチレン−スチレン(SEBS)、スチレン−エチレンブチレン−スチレン−エチレンブチレン(SEBSEB)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)のような水素化ポリブタジエンポリマー、及びスチレン−エチレン−エチレンプロピレン−スチレン(SEEPS)のような水素化ポリ−イソプレン/ブタジエンポリマーが含まれる。また、本発明には、ジブロック、トリブロック、マルチブロック、星状及び放射状のようなポリマーブロックの立体配置も考えられている。一部の例では、高分子量ブロックコポリマーが望ましい場合がある。ブロックコポリマーは、テキサス州ヒューストン所在の「Kraton Polymers U.S.LLC」から「Kraton G」又は「Kraton D」ポリマー、例えば、G1652、G1657、G1730、D1114、D1155、D1102という名称の下で、また、テキサス州パサディナ所在の「Septon Company of America」からSepton2004、Septon4030、及びSepton4033という名称で入手可能である。このようなポリマーの他の可能な供給元には、テキサス州所在の「Dexco Polymers」及びスペイン所在の「Dynasol」が含まれる。また、このようなエラストマー性樹脂材料の配合物も、弾性層の主構成要素として考えられている。更に、他の望ましいブロックコポリマーは、本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている、米国特許公開番号2003/0232928A1に開示されている。
【0069】
このような主剤は、化合物中で粘着付与剤及び/又は加工助剤と更に組み合わせることができる。例示的な化合物には、以下に限定されるものではないが、「KRATON G 2760」、及び「KRATON G 2755」が含まれる。上述のエラストマーポリマーに加えることができる加工助剤には、組成物の加工性を向上させるポリオレフィンが含まれる。ポリオレフィンは、このように配合されて適切な組合せの高圧及び高温条件に曝されると、配合された形でエラストマー性ベースポリマーと共に押出し可能であるものであるべきである。有用な配合ポリオレフィン材料には、例えば、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマー、及びブテンコポリマーを含むポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリブテンが含まれる。特に有用なポリエチレンは、「Eastman Chemical」から「EPOLENE C−10」という名称で得ることができる。また、2つ又はそれよりも多くのポリオレフィンを用いることもできる。エラストマーポリマー及びポリオレフィンの押出し可能な配合物は、例えば、米国特許第4,663,220号に開示されている。
【0070】
エラストマー性フィラメント又はフィルム層は、自己結合が高められる粘着性/接着性を有することができる。例えば、フィルム及び/又はフィラメントに形成する時にエラストマーポリマー自体を粘着性とすることができ、又は代替的に、相溶性の粘着化樹脂を上述の押出し可能なエラストマー性組成物に加えて、自己生成的に結合する粘着化エラストマー性繊維及び/又はフィラメントをもたらすことができる。粘着化樹脂及び押出し可能なエラストマー性組成物に関しては、本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている、米国特許第4,787,699号に説明されている樹脂及び組成物に注意されたい。
【0071】
エラストマーポリマーと相溶性であると共に、高い処理(例えば、押出し)温度に耐えることができるあらゆる粘着付与剤樹脂を用いることができる。エラストマーポリマー(例えば、A−B−Aエラストマー性ブロックコポリマー)が、例えば、ポリオレフィン又は増量油のような加工助剤と配合される場合には、粘着付与剤樹脂も、これらの加工助剤と相溶性である必要がある。一般的に、水素化炭化水素樹脂は、温度安定性に優れるために好ましい粘着化樹脂である。「REGALREZ」シリーズの粘着付与剤は、このような水素化炭化水素樹脂の例である。「REGALREZ」炭化水素樹脂は、「Eastman Chemical」から入手可能である。勿論、本発明は、このような粘着化樹脂を用いることに限定されておらず、組成物の他の構成要素と相溶性であると共に高い処理温度に耐えることができる他の粘着化樹脂を用いることができる。他の粘着付与剤は、「ExxonMobil」から「ESCOREZ」という名称で入手可能である。
【0072】
用いることができる他の例示的なエラストマー材料には、例えば、商標「ESTANE」で「Noveon」から入手可能なもののようなポリウレタンエラストマー材料、例えば、商標「PEBAX」(ポリエーテルアミド)で「Ato Fina Company」から入手可能なもののようなポリアミドエラストマー材料、並びに例えば商品名「HYTREL」で「E.I.DuPont De Nemours & Company」から入手可能なもののようなポリエステルエラストマー材料が含まれる。
【0073】
また、有用なエラストマーポリマーには、例えば、エチレンと、例えばビニルアセテート、不飽和脂肪族モノカルボン酸、及びこのようなモノカルボン酸エステルのような少なくとも1つのビニルモノマーとの弾性ポリマー及びコポリマーも含まれる。弾性コポリマーと、これらの弾性コポリマーからエラストマー性メルトブローン繊維を形成する方法とは、本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている、例えば米国特許第4,803,117号に開示されている。
【0074】
ある程度の伸張性及び限られた回復性をもたらすために弾性層に用いることができる付加的な材料には、メタロセン触媒ポリオレフィン及び幾何学形状拘束型ポリオレフィンのような単一部位触媒ポリオレフィン材料が含まれ、これは、「Dow」から名称「AFFINITY」の下で、また、「ExxonMobil」から名称「EXACT」の下で入手可能である。望ましくは、このような材料の密度は、0.89g/cc未満である。
【0075】
最後に、予め形成された弾性ストランドも本発明の範囲に含まれるものとする。溶液処理材料のようなこのような予め形成されたストランドには、「Dupont」の「LYCRA」、及び「GLOBE」から入手可能な「GLOSPAN」が含まれる。この材料は、延伸結合積層体材料の連続フィラメントアレイ構成要素(弾性層)、又は代替的に、延伸結合積層体のフィルム構成要素の基礎材料として働くことができる。
【0076】
一般的に、ウェブ、フィルム、又はフィラメントを形成するのに用いられる配合物には、オンライン工程の押出し材料から作られる場合には、例えば、重量で約40から約90パーセントのエラストマーポリマー主剤、約0から約40パーセントのポリオレフィン加工助剤、及び約5から約40パーセントの樹脂粘着付与剤が含まれる。これらの比率は、望ましい特定の性質及び用いるポリマーによって変えることができる。代替的な実施形態では、このような配合物には、約60と80パーセントの間の主剤、約5から30パーセントの間の加工助剤、及び約10と30パーセントの間の粘着付与剤が含まれる。更に別の代替的な実施形態では、このような配合物には、約10と20パーセントの間の粘着付与剤が含まれる。
【0077】
メルトブローン層が弾性ポリオレフィンベースのポリマーを含まない実施形態では、非付着性剤は、表面材層の側の反対側の非付着性剤層として、又は弾性層とギャザー可能表面材層の間の結合剤(接着性)として、又は代替的に、弾性層とギャザー可能表面材層の間及び付加的に表面材層の側の反対側の結合積層体の上の結合剤としてのいずれかで弾性層に付加することができる。
【0078】
ギャザー可能表面材層は、弾性層に結合されたその表面上の点の間でギャザーが寄る。本質的に、ギャザーが寄せられたこれらの領域は、弾性層に結合されていない。ギャザー可能な層は、不織層であることが望ましいが、このようなギャザー可能な層は、織ウェブ、後に説明するセルロースウェブ、金属箔型層、又はその組合せとすることができる。また、このようなギャザー可能な材料は、弾性層に結合する前に何らかの方法で予備処理することができる。これには、例えば、ネック付けされることを含む。このような予備処理により、全積層体材料に、2方向又は多方向の延伸機能性のような付加的特性を与えることができる。このようなギャザー可能な層は、それ自体に複数の層を含むことができ、従って、多層積層体とすることができる。
【0079】
ギャザー可能表面材層は、例えば、1つ又はそれよりも多くのスパンボンデッドウェブ(例えば、複合繊維スパンボンドウェブ)、メルトブローンウェブ、又はボンデッドカーデッドウェブのような不織材料とすることができる。スパンボンドウェブの例は、坪量が約0.3と0.8osyの間のポリプロピレンスパンボンドウェブとすることができる。更に別の代替的な実施形態では、スパンボンドウェブは、弾性層に結合される前に約25と60パーセントの間でネック付けされる。本発明の更に別の実施形態では、ギャザー可能な層は、例えば、スパンボンドウェブの少なくとも1つの層がメルトブローンウェブ、ボンデッドカーデッドウェブ、又は他の適切な材料の少なくとも1つの層に接合された多層材料である。また、ギャザー可能な層は、例えば、コフォーム材料のような2つ又はそれよりも多くの異なる繊維の混合物又は繊維及び微粒子の混合物で作られた複合材料とすることができる。このような混合物は、ランダムに分散されたメルトブローン繊維及び本明細書においてその開示内容全体が引用により組み込まれている米国特許第4,100,324号に開示されているような他の材料の互いに密着したウェブを形成するために、メルトブローン繊維及び他の材料、すなわち、木質パルプ、ステープル長繊維、及び例えば一般的に超吸収性材料と呼ばれる微粒子である親水コロイド(ヒドロゲル)のような微粒子の緊密に交絡する混合がメルトブローン繊維が収集装置上に収集される前に起こるように、繊維及び/又は微粒子をメルトブローン繊維が運ばれている気体流に加えることによって形成することができる。表面材層は、ロールから巻き戻すことができ、又はインラインで形成することもできる。
【0080】
上述のように、表面材層には、弾性ポリオレフィンベースのポリマーを含むことができる。より詳細には、表面材層は、重量で約0%と約100%の間、又は約60%と約100%の間の弾性ポリオレフィンベースのポリマーで構成することができる。ある一定の実施形態では、例えば、表面材層は、メルトブローン層が全体的又は部分的に弾性ポリオレフィンベースのポリマーを含むスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド積層体とすることができる。代替的に、表面材層は、弾性ポリオレフィンベースのポリマーを含む、スパンボンド、メルトブローン、水圧交絡、又は他の種類の不織材料とすることができる。ある一定の実施形態では、例えば、上述のように、表面材層及び弾性メルトブローン層の両方が、弾性ポリオレフィンベースのポリマーを含むことができる。このような実施形態では、積層体は、本質的に従来の表面材層を全く含まないが、代わりに、連続フィラメントストランドのアレイの反対の側に位置決めされた弾性ポリオレフィンベースのポリマーの2つの層を含むことができる。より詳細には、図2に示すように、表面材層85及びメルトブローン層89の両方が、弾性ポリオレフィンベースのポリマーを含むことができる。
【0081】
ギャザー可能な層は、木質パルプ繊維を含むパルプ繊維で作り、例えば、組織層のような材料を形成することができる。更に、ギャザー可能な層は、本明細書においてその全開示内容が引用により組み込まれている、例えば米国特許第4,781,966号に開示されているような木質パルプ及びステープル長繊維を例えば水圧交絡した混合物のような水圧交絡繊維の1つ又は複数の層とすることができる。
【0082】
片面延伸結合積層体は、3つの方法のうちの1つを用いて作ることが望ましい。特に、材料は、結晶化速度が遅い弾性ポリオレフィンベースのメルトブローン層との押出し及び結合方法、メルトブローン非付着性剤処理した(非付着性剤層を形成するために)押出し及び結合方法、むき出し時間が比較的短く付加後に非粘着性になる結合前接着剤の付加、又は、むき出し時間が比較的短い結合前接着剤の付加及び付加後に接着剤が非粘着性になるこのような接着剤の結合後付加のいずれかを用いて作ることができる。一実施形態では、結合剤を用いる様々な方法を説明したが、全ての方法が常に「接着剤」自体を伴うわけではない。本方法は、実際に、粘着性によらずに層を互いに機械的に結合する機械的交絡を伴う様々な特徴を有することができる。
【0083】
結晶化速度が遅い半粘着性の弾性ポリオレフィンベースのメルトブローン層の属性は、上述の通りである。より詳細には、メルトブローン繊維は、形成ワイヤ上に堆積される時に半粘着性であり、これによって弾性ストランドが所定位置に保持されて積層体を接着して結合する。更に、弾性メルトブローン層は、比較的高添加レベルで付加することができ、これは、表面材層とフィラメントの間を結合するのに役立つ。
【0084】
非付着性剤を含む実施形態では、非付着性剤処理は、比較的低坪量のメルトブローン材料を付加する段階を含み、積層体内の粘着性弾性層の上部に(ヒトの眼に)容易に見えないウェブが形成されるようにすることができる。このような非付着性剤処理は、約0.2と2.0gsmの間のメルトブローン材料のようなメルトブローンの振掛けであることが望ましい。代替的な実施形態では、このようなメルトブローン付加は、約0.2と1.5gsmの間のメルトブローン材料である。更に別の代替的な実施形態では、このようなメルトブローン付加は、約0.2と0.8gsmの間である。更に別の代替的な実施形態では、このようなメルトブローン付加は、約0.2と0.5gsmの間である。メルトブローン材料の坪量は、積層する時点で判断される。どの属性が望ましいかにより、メルトブローン付加は、これらのそれぞれの範囲内で変動する。例えば、弾性の高い積層体が望ましい場合には、メルトブローン付加は、範囲の下限にする必要があることになる。望ましくは、このようなメルトブローンは、「Basell」の「VALTEC HH442H」(「ASTM D1238」のMFRが230℃/2.16kgで1100である)及び「Basell PF015」により代表される非粘着性のポリプロピレンメルトブローン材料である。このようなメルトブローン材料は、望ましい坪量により1つ又はそれよりも多くのメルトブローンバンクによって生成することができる。代替的に、このようなメルトブローンは、粘着付与剤を含まない弾性材料とすることができる。
【0085】
接着剤法を用いてこのような片面表面材延伸結合積層体を生成する場合には、このような接着剤のむき出し時間が比較的短く、約0.2秒(sec)と1分の間であることが望ましい。代替的な実施形態では、このようなむき出し時間は、約0.2秒と3秒の間である。更に別の代替的な実施形態では、このようなむき出し時間は、約0.5秒と2秒の間である。このような特性を有する例示的な接着剤は、65パーセントまで又は約15から40パーセントの間のアタクチックポリプロピレン、一実施形態では、約39重量パーセントの「Eastman P1023 PP」(「Eastman Chemical」のアタクチックポリプロピレン)又は50重量パーセントの「Huntsman H2115」(「Huntsman Polymers」のアタクチックポリプロピレン)と、約30から60又は20から50パーセントの粘着付与剤、一実施形態では、約30パーセントの「ExxonMobil ESCOREZ 5300」又は39パーセントの「ExxonMobil ESCOREZ 5690」と、約2から10パーセントの間のスチレンブロックコポリマー、一実施形態では、約4パーセントの「Septon Polymers」の「SEPTON 2002」又は約5パーセントの「Dexco Polymers」の「VECTOR 4411」と、約10から20パーセントのアイソタクチックポリプロピレン、一実施形態では、約14から16パーセントのこれも「ExxonMobil」の「PP 3746G」(アイソタクチックポリプロピレン)と、約0から2パーセントの着色剤、一実施形態では、「VECTOR 4411」の50パーセントの二酸化チタンのような約2パーセントの着色剤と、最後に、約0.2から1パーセントの安定剤、一実施形態では、約0.5パーセントの「Ciba Specialty Chemicals」の「IRGANOX 1010」とで構成されたポリプロピレンベースのホットメルト接着剤(付加後間もなく固化して非粘着性になる)である。この接着剤は、以下に示す接着剤の例のいくつかで用いたものである。様々な構成要素は、「IRGANOX」以外の安定剤のような他のもので置換することができることを認めるべきである。更に、製品の用途によっては、このような接着剤は着色剤を含まなくてもよいことを認めるべきである。本発明には、いずれも本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている、米国特許第6,657,009号、第6,774,069号、及び米国特許出願出願番号第09/945239号、第09/945240号、第10/655717号、及び米国特許公開番号US20020122953、US20020123726に記載の接着剤からのものを含む他の接着剤を用いることができる。
【0086】
一実施形態では、接着剤は、結合前段階(すなわち、弾性層及び単一の表面材層がニップ内で一緒にされる前(例えば、直前))に約16gsm未満の坪量で付加されることが望ましい。代替的な実施形態では、このような接着剤は、8gsm未満の坪量で付加される。更に別の代替的な実施形態では、このような接着剤は、約4gsm未満の坪量で付加されることが望ましい。更に別の代替的な実施形態では、接着剤は、1と4gsmの間で付加されることが望ましい。一実施形態では、このような接着剤は、「ITW」から入手可能なシステムによりスプレー付加されるか又は他のこのようなスプレー付加によって付加されることが望ましい。このようなスプレー付加は、一実施形態では、表面材層又はメルトブローン層のような層の1つにスプレーされる。代替的な実施形態では、このようなスプレーは、表面材層及び弾性層が接合するか、又はメルトブローン層及びフィラメントが接合されるニップ内で行われる。
【0087】
接着剤が結合前及び結合後段階(上述のような意味の結合前)として付加される場合には、接着剤は、様々な層を結合する前に4gsm未満の量で材料に(以下に説明するように)付加されることが望ましい。代替的な実施形態では、このような接着剤は、様々な層を結合する前に2gsm未満の量で付加されることが望ましい。更に別の代替的な実施形態では、このような接着剤は、結合前段階では約1と4gsmの間の範囲、結合後段階では約0から4gsmの間で付加される。更に別の代替的な実施形態では、このような接着剤は、結合前及び結合後方法で合計約6と8gsmの間で付加される。結合後という用語は、カレンダ後の処理を意味し、より詳細には、結合した弾性層及び表面材層がニップから出た後、かつ保存のためにロールに巻き取る前に接着剤又は非付着性剤を付加することを意味するものとする。例えば、結合後接着剤又は非付着性剤は、表面材層の反対側の弾性層/表面材層積層体の側に付加することができる。
【0088】
一実施形態では、片面表面材延伸結合弾性積層体材料を生成する方法は、上述のような表面と、接着剤で又は弾性メルトブローン層の付加を通して表面に結合された連続弾性フィラメントのアレイとを用いる。しかし、本方法によれば、非付着性剤は、表面材層の反対側のフィラメントアレイの側に付加することができる。得られる積層体は、ABC構造を有することができ、ここで、「A」が片面表面を表し、「B」が弾性メルトブローン層を表し、「C」が連続弾性フィラメントを表す。代替的に、「B」が連続弾性フィラメントを表し、「C}が弾性メルトブローン層を表すこともできる。更に別の代替案では、「B」が積層体の弾性構成要素/層を表し、「C}が「非付着」剤(又は、説明したような接着剤)を表すことができる。本出願の目的に対して、「非付着」という用語は、粘着性層に軽い表面被覆をもたらすが、積層体が収縮する性能には影響しない薬剤の上述の範囲の軽いコーティングを意味するものとする。例えば、非付着性剤は、一実施形態では、坪量が非付着性剤を考慮しない弾性層の約14パーセント未満である。望ましくは、非付着性剤は、代替的な実施形態では、坪量が弾性層の7パーセント未満である。更に別の代替的な実施形態では、非付着性剤は、坪量が弾性層の4パーセント未満である。望ましくは、非付着性剤の付加は、弾性層を収縮させた後に非付着性剤自体に知覚することができるギャザーが寄らないほど軽く行われる。非付着性剤は、弾性層を収縮させる時に弾性層からの分離を無視することができるように(特に、弾性層の反対側の表面分離と比較した時に)、弾性層の表面に本質的に緊密に接着される。
【0089】
このような方式では、得られる材料は、延伸レベルが増大し、直ぐに用いない場合に保存のためにそれ自体の上に巻き付けることができる材料の機能を示す。同様に、この材料では、延伸結合積層体が2つの反対側の表面材層を取り付けた場合に可能であると考えられる程度よりも大幅に収縮することができるために、単一表面に良好にギャザーが寄る。
【0090】
図1A及び図1Bに見られるように、これらの各々は、本発明による片面延伸結合積層体材料を製造する方法の概略図を示しており、これは、水平連続フィラメント積層体製造工程10を示すものである。1つ又はそれよりも多くの供給装置(図示せず)からポリマー配合組成物が第1の押出装置20に供給され、これが、フィラメントの形態31で形成表面30上に押出される。押出されたポリマーは、スチレンブロックコポリマーエラストマー及び/又は弾性ポリオレフィンベースのポリマーであることが望ましい。様々な実施形態では、押出装置20又は第2の押出装置35は、同じか又は異なる材料の層をインラインで配置するために他の材料、例えば熱可塑性繊維36を生成するように構成することができる。繊維の修正メルトブロー法のような繊維押出しのための技術は、上述のWrightに付与された米国特許第5,385,775号に更に示されている。装置20は、ローラ40の周りを時計回りに移動する形成表面システム30(例えば、小孔のあるベルト)とすることができるコンベヤシステム上に直接フィラメント31を押出す。また、真空(図示せず)も、小孔のあるワイヤシステムに対してフィラメント31を保持するのを助けることができる。また、上述のような材料、特に弾性ポリオレフィンベースのポリマーのようなエラストマー材料のメルトブローン層も、メルトブローン繊維36又は46が連続フィラメント31(アレイ)の上部に配置されるように、隣接するバンク35又は45から押し出される。メルトブローン材料は、一実施形態では、例えば、フィラメント及びメルトブローン構造の10坪量パーセントになるように付加される。ある一定の実施形態では、スチレンブロックコポリマー又は弾性ポリオレフィンベースのポリマー組成物は、フィラメント及びメルトブローン材料の両方で同じである。代替的な実施形態では、組成物は異なっている(同じ主剤を含むことができるが、加工助剤又は粘着付与剤のパーセントが異なる)。
【0091】
ある一定の実施形態では、特に、メルトブローン層が弾性ポリオレフィンベースのポリマーを含まない場合には、1つ又はそれよりも多くの付加的なメルトブローンバンク45及び50(図1A)を第1のメルトブローンバンクの下流でそれに隣接して位置決めし、押出した弾性メルトブローン層の上部に非付着性剤46を押出すことができる。このような非付着性剤は、上述のようにポリオレフィン又は弾性ポリオレフィンポリマーとすることができる。更に、非粘着性の非晶質ポリアルファオレフィン(APAO)を用いることができる。更に、粘着付与剤を含まないエラストマー材料を用いることもできる。更に別の代替的な実施形態では、上述のようなポリプロピレン接着剤も、同様に、上述の弾性メルトブローン材料の上のメルトブローンとすることができる。材料を溶融する際には、グリッド溶融装置(典型的なホットメルト機器)を用いて、非付着性剤の無機又は有機ドラム、ペレット、又はブロックを溶融/供給することができる。
【0092】
フィラメント/メルトブローン及び(任意的に)非付着性剤積層体は、任意的なロール55(任意選択肢)により圧縮され、このような任意的な圧縮ロール又は引張ローラ(ニップロール)60のいずれかにより異なる速度で延伸され、フィラメント56を伸長して引張ることができる。従って、引張ローラは、メルトブローンで覆われたフィラメントアレイが形成表面を出る速度を超える速度で作用する。引張ローラ55又は60には、フィラメント又は繊維に親和性がほとんどないから全くない表面が設けられることが望ましい。一実施形態では、フィラメントは、形成表面から引張ローラまで約3と6Xの間で延伸される。
【0093】
同時に、単一の表面材層67は、インラインで作られるか又はロール65から巻き戻されるかのいずれかであり、表面材層67が積層体の非付着性剤又はメルトブローン側と反対の積層体のフィラメントアレイ側に向くように、フィラメントアレイ積層体と共にニップロール60の組に導入される。代替的に、単一の表面材層67aは、表面材層67aが図1Bに破線で示すように積層体のフィラメントアレイ側と反対の積層体のメルトブローン側に向くように、フィラメントアレイ積層体と共にニップロール60の組に導入することができる。
【0094】
表面材は、弾性層が依然として延伸されている間に弾性層に結合される(特に、メルトブローン、ニップの圧力による)。次に、フィラメントアレイ及び表面材の両方は、片面表面材層を備えた連続フィラメント弾性延伸結合積層体としてニップ60を出る。次に、弾性積層体70を弛緩させて表面材層の結合点の間にギャザーを形成し、後に用いるために収集ロール75に収集する。次に、一般的にニップロールの速度よりも遅い速度、例えば、ニップロールの速度の約0.50と0.75の間で収集ロールに積層体を巻く。ニップローラ60は、望ましくは、平坦なカレンダロールを用いて100パーセント結合領域を設けるように設計することができ、又はパターン結合領域を設けることもできる。ローラ60は、様々な積層体構成要素の融点/軟化点よりも低い温度まで加熱することができ、又は室温とすることも冷却することができる。本方法の代替的な実施形態として、積層体の非表面材側に接触する全てのロールは、PTFE(TEFLON)のコーティング又はシリコーンゴム剥離コーティングのような非粘着性表面を含むことが望ましい。このようなロールは、テキサス州ヒューストン所在の「Southwest Impreglon」の「IMPREGLON」コーティング、又は60ショアAの硬さの「Stowe−Woodward Silfex」シリコーンゴムコーティングで更に被覆することができる。この連続フィラメントアレイ積層体方法の代替的な実施形態では、連続フィラメントを押出すのではなく、「LYCRA」ストランドのような予め形成した弾性ストランドをドラムから巻き戻し、張力を掛けて積層化ニップに供給する。更に別の代替的な実施形態では、表面は、弾性層に結合する前にネック付けすることができる。このようなネック付けは、約25と60パーセントの間とすることができる。
【0095】
このような積層体構造は、本発明によって作られた積層体80の断面様式図を示す図2に見ることができる。図に見ることができるように、表面85は、フィラメントアレイ87の下に/直接隣接して位置することができる。弾性メルトブローン層は、表面材層85の反対側のフィラメントアレイ87の上に位置決めされる。代替的に、図3に示すように、非付着性剤層90は、弾性メルトブローン層89の上に直接隣接して位置決めされる。図4に断面が示されている別の代替案では、本発明によって作られる積層体80は、弾性メルトブローン層の下に/直接隣接して位置する表面85を含み、表面材層と反対の側のメルトブローン層89の上にフィラメントアレイ87を備えることができる。様々な層の厚さは、縮尺比に従っておらず、存在を示すために誇張されている。特に、非付着性剤層に関しては、層は、単に下に重なるメルトブローン層繊維に対する近接した局所的覆いであることが強調されている。非付着性剤層は、フィラメントストランドに関して表面材層がそうであるように、弾性メルトブローン層の結合点間に視覚的に(ヒトの眼で)明瞭なギャザーを形成しない。また、これらの図の様々な断面の各々では比較的平坦な表面材層材料が示されているが、このような不織表面材層材料は、実際には、それぞれの弾性層(ストランド、フィルム、又はウェブのいずれか)に結合された部位の間でギャザーが寄せられており、様式的な目的のためにこのようなウェブは比較的平坦な構成で示されていることを認識すべきである。必要に応じて、このような片面フィラメント積層体は、次に、上述のような付加的なシート材料に結合させることができる。
【0096】
一実施形態では、このような積層体の連続フィラメントは、約7から18個、又は約8から15個/横方向インチの間の量で存在することが望ましい。第1の弾性メルトブローンバンクからのメルトブローン材料の坪量は、積層された時点で約34gsmまで、又は約1と5の間、又は約1と3gsmの間とすることができる。このようなフィラメントに結合されたこのような表面材の坪量は、約0.3と0.8osyの間であることが望ましい。一実施形態では、フィラメント及び弾性メルトブローン材料は、ニップロールの作用により(約0.16から0.18(形成表面速度/ニップロール速度)のような比率で表される)約50と800パーセントの間で延伸される。第2の代替的な実施形態では、フィラメントは、ニップロールの作用により約100と600パーセントの間で延伸される。
【0097】
本発明のこの実施形態の例として、米国特許第5,385,775号の方法によってABC構造積層体を生成することができ、ポリプロピレンスパンボンド表面材(A)は、坪量が約0.3と0.6osyの間であるが、望ましくは約0.35から0.4osyの範囲である。1つの特定的な実施形態では、フィラメントアレイ及び第1のメルトブローン層を含む弾性構成要素Bは、「Kraton」、「Septon」、「Dexco」、又は「Dynasol」から入手可能な弾性スチレンブロックコポリマーのようなスチレンブロックコポリマー配合物であることが望ましい。望ましくは、このようなポリマー配合物は、フィラメントに「KRATON G 2760」又は「KRATON G 2755」のような「KRATON G」ポリマー複合配合物、及び第1のメルトブローン層に同じポリマー配合物又は第1のメルトブローン層に第2の「G」ポリマー配合物のいずれかを含む。フィラメントのメルトブローンに対する重量比は、90:10比率又は他の適切な比率とすることができる。非付着性剤/層Cは、軽く付加されたポリプロピレン(「Basell PF−015」など)のメルトブローン層、又は代替的に、例えば70パーセント「SEPTON 2004」と30パーセント「EPOLENE C−10」ワックスの配合物のようなメルトブローンの非粘着エラストマー性配合物を含むことが望ましく、いずれも1gsm未満(カレンダ又はニップロールでの坪量)で付加される。別の特定的な実施形態では、フィラメントアレイ及び弾性メルトブローン層を含む弾性構成要素B及びCは、「ExxonMobil」から入手可能な「VISTAMAXX」のような弾性ポリオレフィンベースのポリマーを含むことが望ましい。また、このようなポリマー配合物は、フィラメントに「KRATON G」ポリマー複合配合物、及び弾性メルトブローン層に同じポリマー配合物又はメルトブローン層に第2の「G」ポリマー配合物のいずれかを含むことができる。ここでもまた、フィラメントのメルトブローンに対する重量比は、90:10比率又は他の適切な比率にすることができる。
【0098】
ある一定の実施形態では、図5に示すように、伸張可能又は半弾性表面材層85は、坪量が約50グラム/平方メートル(gsm)又はそれ未満、又は約35から約45gsmの間、又は約38と約42gsmの間の弾性又は半弾性フィルム92に結合される。表面材層85は、フィルム92よりも伸張張力が小さい。従って、積層体80は、2つの従来の表面材層を有する同程度の積層体よりも大きく収縮する。弾性回復の量がこのように大きいのは、補強材料の質量、及び伸張可能又は半弾性表面材層85の分配に原因があると考えることができる。より詳細には、表面材層に永久的な変形を引き起こすのに必要な力を超えないように回復力を増大させることが可能である。更に、延伸すると、これらの積層体は、多成分構成積層体ではなく単成分材料として作用する。
【0099】
伸張可能又は半弾性表面材層85は、上に詳細に説明した弾性ポリオレフィンベースのポリマーを含むことができ、これも詳細に上述したメルトブローン、スパンボンド、水圧交絡、又はあらゆる他の種類の不織材料とすることができる。更に、積層体は、図6に示すように、第1の表面材層85と反対のフィルム92の表面に結合された第1の表面材層85と同じか又は異なる第2の伸張可能な表面材層94を含むことができる。積層体80はまた、必要に応じて、複数のエラストマー性ストランドを含むこともできる。弾性ポリオレフィンベースのポリマーを1つ又はそれよりも多くの表面材層に組み込むと、伸張力を低減するのに役立ち、低坪量の弾性又は半弾性フィルムを用いることができる。付加的に又は代替的に、フィルム92は、弾性ポリオレフィンベースのポリマーを含むことができる。他の適切なフィルム材料の例には、フィルムの坪量が約50gsm又はそれ未満、又は約35から約45gsmの間、又は約38と約42gsmの間であれば、本明細書に説明したあらゆるエラストマーポリマー、特に、先の実施形態の弾性層に関して説明したものが含まれる。
【0100】
材料を製造する際には、例えば、以下の条件が用いられた。連続フィラメントを押出す第1の押出しバンクは、「KRATON G2760」、又は代替的に、注釈を付けた場合には「KRATON G2755」のいずれかを押出した。フィラメントバンクの下流に続く弾性メルトブローンバンクは、「KRATON G2755」を押出した。非付着性剤メルトブローンバンクは、注釈を付けた場合は「BASELL PF−015」を押出した。一般的に、このようなバンクは、フィラメント及びメルトブローンポリマーを坪量9と16gsmの間で、また、弾性フィラメント/弾性メルトブローンを坪量比90:10で押出した。ワイヤのカレンダに対する速度比は、0.18と0.19の間であった。ポリプロピレンスパンボンド不織布の表面坪量は、0.4と0.5osyの間であった。
【0101】
連続フィラメント押出しダイシステムの押出し温度は、約400と460°Fの間であった。この連続フィラメントシステムには一次空気は存在せず、ポリマーは、フィラメントダイから形成ワイヤに押出された。フィラメントの上に配置された弾性メルトブローン層の押出し温度は、350と500°Fの間であり、本質的にダイでは高温である。弾性メルトブローンバンク内の一次空気は、約1.4と1.6psiの間であった。非付着性剤メルトブローンダイシステムの押出し温度は、約350と570°Fの間であり、ダイ自体の温度は、約500°Fであった。このダイ内の一次空気は、約5psiであった。材料は、周囲の表面温度110°Fを生じるカレンダロールを用いて、ニップ内で約250ポンド/ロール上直線インチの圧力下でカレンダ加工された。
【0102】
以下の表1に反映される組成及び製造結果を有する材料が生成された。
【0103】
(表1)

【0104】
この例に見られるように、非付着性剤層がないと製造が困難になるが、非付着性剤層があれば製造工程が簡単になる。次に、ポリプロピレン非付着性剤を備えた上のサンプル4で剥離強度(試験方法の節に説明)を試験した。以下の試験データは、ロールの各内部区域からの少なくともいくつかのサンプルの非付着生性能を示している。










【0105】
(表2)

【0106】
付加的な例に対する材料を製造する際には、以下の条件を用いた。連続フィラメントを押出す第1の押出しバンクは、26ポンド/時間で「KRATON G2760」を押出した。各サンプルに対するフィラメントの「止まるまでの延伸(rSTS)」を表3に示す。フィラメントバンクの下流に続く弾性メルトブローンバンクは、「BASELL PF−015」ポリプロピレン/非付着性剤、又は「ExxonMobil」から入手可能な「VISTAMAXX 2210(VM)」弾性ポリオレフィンベースのポリマーのいずれかを低(2.5gsm)又は高(4.9gsm)添加レベルのいずれかで押出した。ワイヤのカレンダに対する速度比は、包含的に0.17と0.19の間であった。接着剤を用いる場合には、接着剤添加レベルは、ニップで1.5gsmであった。メルトブローンポンド/インチ/時間(PIH)は、フィラメントダイの幅を横切るCDにポリマーが付加される速度であり、各適用可能なサンプルに対して表3に示している。
【0107】
連続フィラメント押出しダイシステムの押出し温度は、約440と500°Fの間であった。この連続フィラメントシステムには、一次空気は存在せず、ポリマーは、フィラメントダイから形成ワイヤ上に押出された。フィラメントの上に配置された弾性メルトブローン層の押出し温度は、451°Fであった。弾性メルトブローンバンク内の一次空気は、475°Fで約0.8と1psiの間であった。非付着性剤メルトブローンダイシステムの押出し温度は、約350と570°Fの間であり、ダイ自体の温度は約450°Fであった。このダイ内の一次空気は、約0.8から1psiであった。ポリプロピレンスパンボンド不織布である表面材の坪量は0.4osyであった。表面材は、延伸区域の近くで巻き戻され、メルトブローン及びストランド複合体と共に積層された。材料は、周囲の表面温度70から85°Fを生じるカレンダロールを用いて、ニップ内で約250ポンド/ロール上直線インチの圧力下でカレンダ加工された。積層体全体を収縮させて、3インチのコア上に巻き取った。
【0108】
材料を各ロールから厚切りにして4インチ×6インチのサンプルを切り取り、次に、油圧プレスに一晩入れてロール内の力を模擬した。以下に詳細に説明する「ロール付着試験法」を角度180度及び室温で用いて層間剥離強度を求め、付着可能性を定量化した。各積層体のサンプルの1つを10回繰返して試験し、層間剥離強度とロールの幅の間が本質的に線形関係であることに基づいて、その平均をグラム/4インチ幅からグラム/3インチ幅に変換した。
【0109】
(表3)

【0110】
表3に挙げた試験データは、「VISTAMAXX」を用いる弾性メルトブローン表面材がロール付着を起こさないことを示している。より詳細には、「VISTAMAXX」サンプルは、層間剥離強度が有意に低く、「VISTAMAXX」を含まないサンプルの116〜170グラム/3インチ幅に対して約13〜47グラム/3インチ幅であった。これは、「VISTAMAXX」で作られたサンプルにロール付着が起きにくいことを示している。
【0111】
片面表面材延伸結合積層体を作る方法の第2の代替的な実施形態では、垂直方向に向いた押出しプラットフォームを用いて弾性連続フィラメントアレイを押出すことができる。しかし、様々な材料を含むことができる「メルトブローン」非付着性剤を用いずに、非粘着性接着剤結合方法を用いて弾性連続フィラメントアレイを表面材の材料に結合させることができる。
【0112】
図7A及び図7Bは、各々、弾性組成物から生成される弾性積層体170を製造するための垂直フィラメント積層体製造工程100を概略的に示している。図7A及び図7Bを参照すると、少なくとも1つの溶融エラストマー材料105、すなわち、スチレンブロックコポリマー材料が、ダイ押出機110から紡糸穴を通して複数の実質的に連続したエラストマー性フィラメントとして押出される。押出機は、約360と500°Fの間の温度で押出すことができる。また、代替的な実施形態では、シート又はリボンを生成するためのフィルムダイを用いることができる。フィラメント105は、第1の冷却ロール120の上を通過させることにより急冷して固化する。あらゆる数の冷却ロールを用いることができる。適切な態様においては、冷却ロールの温度は、約40°Fから約80°Fの間とすることができる。
【0113】
押出機110のダイは、第1のロールに関して位置決めされ、そのために連続フィラメントは、この第1のロール120に所定の角度130で接触することができる。このストランド押出しの幾何学的配置は、溶融押出物を回転ロール又はドラム上に堆積するのに特に有利である。角度を付けるか又は傾斜した向きにすると、フィラメントがダイから正しい角度でロール接点に出現する機会が生じ、その結果、紡糸が改善され、エネルギ伝達効率がよくなり、一般的にダイ寿命が長くなる。この構成により、フィラメントは、ダイからある一定の角度で出現し、比較的真直ぐな経路を辿ってロール表面の接点に接触することができる。押出機110のダイ出口と垂直軸線(又は、どの角度を測定するかによっては第1のロールの水平軸線)との間の角度130は、数度ほどの小さな角度とすることも90度ほどの大きな角度とすることもできる。例えば、押出物出口からロールまでの角度を90度にすることは、押出機110を第1のロール120の下流縁の上に直接位置決めし、押出機上に側部出口ダイチップを有することによって達成することができる。更に、垂直から約20度、約35度、又は約45度離れるような角度を用いることができる。12フィラメント/インチ紡糸板穴密度を用いる場合には、約45度の角度(図7A及び図7Bに示されている)により、システムを有効に作動させることができることが見出されている。しかし、最適な角度は、押出物流出速度、ロール速度、ダイからロールまでの垂直距離、及びダイ中心線からローラの上死点までの水平距離の関数として変化するであろう。最適な性能は、様々な幾何学的配置を用い、紡糸効率を改善してフィラメント破断を低減することにより達成することができる。
【0114】
フィラメント105を急冷して固化した後に、第1の一連の延伸ロール140を用いてこれらを延伸又は伸長させる。第1の一連の延伸ロールは、冷却ロール120が回転する速度よりも速い速度で回転することによってフィラメント105を延伸する1つ又はそれよりも多くの個々の延伸ロール145及び150を含むことができる。
【0115】
本発明の一実施形態では、各連続ロールは、前のロールの速度よりも大きい速度で回転する。例えば、図7A及び図7Bを参照すると、冷却ロール120が速度「x」で回転するならば、延伸ロール145は、更に速い速度、例えば約1.15xで回転し、第2の延伸ロール150は、更に速い速度、例えば約1.25xから約7xで回転する。その結果、フィラメント105は、最初の延伸前の長さの約100%から約800%だけ延伸することができる。
【0116】
フィラメント105を延伸した後に、フィラメント105又はフィラメント105及びメルトブローン層152の両方は、接着剤を表面材材料155に付加するように示されている図示の接着剤分配ユニット160によって例示されている接着工程により、表面材材料155に積層される(先に水平プラットホームにおいて上述のものと同様にフィラメントが依然として延伸した状態の時に)。メルトブローン層152は、図7Bに示すように、押出しバンク153から表面材材料155とフィラメント105の間のフィラメントに付加することができる。
【0117】
表面材材料155は、ロール154から巻き戻され、フィラメント105の第1の側に積層される。表面材材料155は、フィラメントに積層される前に、付加的なロール(図示せず)によりネック付けすることができる。上述のように、表面材材料は、本発明によれば、不織材料又はその積層体とすることができる。積層体材料は、次に、ニップロール165を通過して、弾性フィラメント105及び(任意的に)メルトブローン層152を接着により表面材155に結合する。代替的に、ニップロール165を延伸ロール145及び150の代わりに又はそれに加えて用いて延伸処理を達成することができる。次に、上述の水平製造プラットフォームのように、積層体材料を弛緩させることにより、エラストマー性のフィラメントを収縮して積層体材料にギャザーを形成することができる。代替的な実施形態では、非粘着性材料の付加的な層が表面材層の側の反対側の弾性層に望ましくはこのような積層体が延伸状態の間に堆積されるように、結合した弾性層及び表面材がニップ165から出た後に、付加的な比較的短いむき出し時間の接着剤(又は非付着性剤)161を付加することができる(以下の関連実施例におけるように)ことに注意すべきである。
【0118】
ニップローラは、嵩の増大又は積層体の延伸のようなある一定の恩典をもたらすパターン付ローラになるように設計することができ、表面材とストランドの間の接触接着強度が過度に影響を受けない場合に用いることができる。カレンダロールは、様々な積層体構成要素の融点/軟化点よりも低い温度まで加熱することができ、又は周囲温度とすることも冷却することもができる。
【0119】
図8に見られるように、片面表面材材料182が接着的に連続フィラメントアレイ186に結合された(184)このような積層体180の断面図が示されている。
【0120】
この実施形態を説明する以下の実施例の組では、ポリプロピレン接着剤を用いて延伸弾性フィラメント又はフィルムをネック付け又は非ネック付けスパンボンド表面材上に直接結合する。ポリプロピレン接着剤が示すむき出し時間は、約1秒であることが望ましい。本出願の目的に対しては、「むき出し」時間という用語は、接着剤が粘着性を維持する間の時間を意味するのに用いるものとする。このような接着剤は、連続フィラメント及び/又はフィルムを不織材料(例えば、スパンボンド)に結合する結合剤として溶融状態で必要な接着をもたらすが、積層後に非粘着性になると考えられる。積層体は、ロール付着の問題なく直ちに巻き取ることができる。
【0121】
このような延伸結合積層体の弾性ストランド、フィルム、又はリボンは、供給ロール又はドラムから積層体に導入された「LYCRA」又は「GLOSPAN」ストランドのような予め作られたストランド、フィルム、又はリボンとすることができ、又は代替的に、上述の垂直押出しプラットフォーム等から押出しによりインラインでもたらされたものとすることができる。上述の方法による材料の特定の例を以下に説明する。材料は、最初に、上述のポリプロピレンベースの接着剤配合物を用いて0.6osyスパンボンドの単一の表面材に結合された「LYCRA」ストランドを用いて作られた。940デニールの「LYCRA」ストランドを250パーセント伸長し、次に、約5.0〜7.0gsmの間の接着剤の添加レベルで接着剤スプレー付加システムを用いて接着剤で被覆した。接着剤被覆ストランドを張力下でポリプロピレンスパンボンドと共にニップを通過させ、直ちに巻き戻した。得られる片面積層体は、非粘着性であり、約1000〜1500fpmの間又はそれ未満の速度で巻き戻す時に非付着性をもたらした。得られる片面延伸結合積層体は、同じく高レベルの「止まるまでの延伸」弾性性能を示した。
【0122】
上述の押出し法によって作られた材料の付加的な例を以下の表4に説明する。表4に生成した材料に対しては、以下の条件を用いた。フィラメント/ストランドダイAは、10インチのダイに対して12穴/インチ(0.030インチ幅)の1列の押出し穴から成るものであった。ダイBは、2列の押出し穴から成るものであった。列1は、10インチのダイに対して12穴/インチ(0.030インチ幅)から成り、列2は、10穴(1インチ幅にわたって1/4インチ間隙/辺(0.050インチ幅))から成り、フラップは、4穴(2穴が、3/4インチ間隔/2縁穴が、1/4インチ間隙、0.050インチ幅)を有するものであった。用いた接着剤は、上述の同じポリプロピレン接着剤であり、これは、積層化ニップに入る前に表面材ウェブ全体にわたって3〜4gsmの間のメルトブローンであった。
【0123】
(表4)

【0124】
これらの例の目的に対しては、「KRATON G6610」という用語は、粘着付与剤を有する「Kraton G」ポリマーを意味し、「止まるまでの延伸性」は、上述の試験を用いて判断し、省略形NSBは、弾性層に結合される前に約60パーセントネック付けされたネック付けポリプロピレンスパンボンドを意味する。
【0125】
上の押出物の例は、保存のために巻かれる時に積層体ロールに付着せず、ニップローラ上に接着剤蓄積も起こらなかった。波形積層体は、非粘着性で柔らかい手触りを示し、ストランド側と表面材側の間の粘着性の差は、視覚的検査及び手触り感の両方を通してほとんど見分けられないものであった。また、材料が示す延伸機能は、機械方向に50よりも大きく400パーセントまでであり、機械横断方向には50よりも大きく120パーセントまでであった。更に、材料は、100°Fで90分エージングさせた後に上述の「クリープ試験法」によれば約10パーセント未満のストランドクリープを示した。このような結果は、フィラメントが表面材層に強力に接着していることを示すものである。
【0126】
本発明の片面表面材延伸結合材料及びそれを作る工程の更に別の代替的な実施形態では、接着剤は、弾性材料上にそれが積層化ローラニップ構成に入る直前、並びに積層体がこのようなニップを出た直後であるが保存のためにロール上に巻かれる前にメルトブローされるか又はスプレーされる。接着剤をこのように二重に付加すると、粘着性が減少し(ストランド、ウェブ、又はフィルム弾性層が何らかの粘着付与剤を含む場合)、フィラメント又はストランドが弾性層に用いられる場合にはストランドクリープが減少し、更に、結合が改善された材料をもたらす。
【0127】
このような代替的な工程の例において、本方法によって生成された材料を表5に示す。各々は、上述のようにホットメルトポリプロピレンベースの接着剤を用いたものである。




【0128】
(表5)

【0129】
上の表に説明した60/40配合物は、約60パーセントの「KRATON G6610」、約20パーセントの「VECTOR 4411」(Dexco Polymers)、約16パーセントの「VECTOR 4111」、及び約4パーセントの「ESCOREZ 5320」(ExxonMobilから)から成ることに注意すべきである。この配合物及び表の他の製剤においては、SISに微量の二酸化チタン着色剤を用いてポリマーを着色した。表4及び表5において、弾性構成要素の坪量は、押出し後に冷却ロールから出ているが延伸前のものであることに注意すべきである。
【0130】
(表6)

【0131】
表6に見られるように、サンプル5は、僅か数個のストランドが良好に結合するのみであることを示すが、残りのサンプルでは、ストランド全体を通してより均一に結合することを示している。更に、上で特定される材料4に対してロール付着試験が行われた。材料は、オーブンに130°Fで48時間入れ、室温に2週間置いて自然に調整した。次に、サンプルは、付着の問題もなく250フィート/分で巻き戻された。
【0132】
本発明の更に別の代替的な実施形態では、片面表面材延伸結合積層体は、フィルムベースの弾性構成要素を用いて上述の非付着性剤又は非粘着性接着剤付加方法のいずれかによって生成することができる。例えば、エラストマー樹脂組成物は、公知の溶融ポンプ及びフィルムダイ技術を通して処理し、フィルムにすることができる。フィルムは、成形されるか又はブローされるかのいずれかである。押出しフィルムは、単層フィルムか、又はコア層に直接隣接して1つ又はそれよりも多くのスキン層(例えば、ABA構造)を含むことができる多層フィルムの一部とすることができる。多層フィルムを生成する場合には、このような付加的な層は、積層体工程によるか又はコア層との共押出しにより生成することができる。このようなフィルムは、延伸され、その後、不織材料(すなわち、スパンボンド、メルトブローン、空気堆積、ボンデッドカーデッドウェブ層)、スクリム、発泡材、付加的なフィルム、又は各々の様々な組合せのような付加的なシート材料に非粘着性接着剤を用いて接着剤積層化を通して更に取り付けられ、フィルム/シート材料積層体を形成すると考えられる。フィルムは、フィルム調合に応じていずれかの側又は各側に非付着性剤又は接着剤をスプレーすることができる。得られるフィルム/シート材料積層体は、次に、収縮させられるであろう。このようなフィルムは、穿孔するか又はスリットを入れることができ、しかも、後に用いるために保存することが必要であれば、非付着性剤又は非粘着性接着剤を用いることにより、このようなフィルムのロール付着が防止されると考えられる。
【0133】
本発明による代替的な延伸結合積層体190の断面を表す図9に示すように、積層体には、非粘着性接着剤198により不織シート材料200に積層された穿孔された(穿孔196)フィルム195が含まれる。このようなフィルム材料は、積層体保存の間に接着剤がロール付着を引き起こす危険性のないロールの形で保存することができる。
【0134】
先の図の様々な各断面では比較的平坦な表面材層材料を示しており、一方、このような不織表面材層材料は、実際には、それぞれの弾性層(ストランド、フィルム、又はウェブのいずれか)に結合されている地点の間でギャザーが寄っているが、様式的な目的でこのようなウェブは比較的平坦な構成で示されていることを認識すべきである。
【0135】
このような片面表面材延伸結合積層体材料は、パーソナルケア製品に用いて、そのような製品に弾性をもたらすのに特に有効である。このような片面表面材材料は、弾性層の2つの反対側の表面に付加された表面材を備えた積層体よりもMD又はCD方向のいずれかに高度な伸張性をもたらすことができ、波形度の高い外観及びより柔らかい感触もたらすこともできる。
【0136】
このような材料は、弾性ウエスト、脚カフ/ガスケット、延伸可能耳、側部パネル、又は延伸可能外側カバー用途をもたらすのに有用であろう。限定することは意図しないが、図10は、このような弾性材料を利用することができるおむつのようなパーソナルケア製品の様々な構成要素を示すように示されている。このような材料を組み込むことができるパーソナルケア製品の他の例は、トレーニングパンツ(例えば、側部パネル材料)及び女性用ケア製品である。単に例示的に、本発明と共に用いるのに適するトレーニングパンツ及び様々な材料及びトレーニングパンツを組み立てる方法は、いずれも本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている、A.Fletcher他により2000年6月29日に公開されたPCT特許出願番号WO00/37009、1990年7月10日にVan Gompel他に付与された米国特許第4,940,464号、1998年6月16日にBrandon他に付与された米国特許第5,766,389号、及び2003年11月11日にOlson他に付与された米国特許第6,645,190号に開示されている。
【0137】
図10を参照すると、使い捨ておむつ250は、一般的に、前部ウエスト区域255、後部ウエスト区域260、及び前部及び後部ウエスト区域を相互に結合する中間区域265を形成する。前部及び後部ウエスト区域255及び260には、使用中にそれぞれ着用者の前部及び後部腹部領域を実質的に覆って延びるように構成されたおむつの全般的な部分が含まれる。おむつの中間区域265には、着用者の脚間の股領域を通って延びるように構成されたおむつの全般的な部分が含まれる。すなわち、中間区域265は、おむつ内で典型的に液体放出が繰返し起こる領域である。
【0138】
おむつ250には、以下に限定されるものではないが、外側カバー又は裏面シート270、裏面シート270に面する関係で位置決めされた液体透過性身体側ライナ又は上面シート275、及び裏面シート270と上面シート275の間に配置された吸収性パッドのような吸収性コア本体又は液体保持構造280が含まれる。裏面シート270は、図示の実施形態ではおむつ250の長さ及び幅と一致する、長さ又は縦方向286、及び幅又は横方向285を形成する。液体保持構造280は、一般的に、それぞれ裏面シート270の長さ及び幅よりも短い長さ及び幅を有する。従って、裏面シート270の境界区域のようなおむつ250の境界部分は、液体保持構造280の終端縁部を過ぎて延びることができる。図示の実施形態では、例えば、裏面シート270は、液体保持構造280の終端境界縁部を超えて外向きに延び、おむつ250の側部境界及び端部境界を形成する。上面シート275は、一般的に、裏面シート270と同じ広がりを有するが、任意的に、必要に応じて裏面シート270の面積よりも大きいか又は小さい面積を覆うことができる。
【0139】
フィット性を改善し、身体滲出物がおむつ250から漏れにくくするために、おむつ側部境界及び端部境界は、以下に更に説明するように、適切な弾性部材で弾性化することができる。例えば、図10に例示的に示すように、おむつ250は、おむつ250の側部境界を作動可能に引張って着用者の脚の周りに緊密に適合し、漏れを低減して快適性及び外観を改善することができる弾性化脚バンドをもたらすように構成された脚弾性体290を含むことができる。ウエスト弾性体295を用いておむつ250の端部境界を弾性化し、弾性化ウエストバンドを形成する。ウエスト弾性体295は、弾力があって着用者のウエスト周りに快適に緊密に適合するように構成される。
【0140】
本発明の構造及び方法の片面延伸結合積層体は、脚弾性体290及びウエスト弾性体295として用いるのに適している。このような材料の典型は、弾性収縮力が裏面シート270に付与されるように裏面シートを構成するか又はそれに付着されるかのいずれかである積層体シートである。
【0141】
公知のように、面ファスナのような締結手段を用いて、おむつ250を着用者に固定することができる。代替的に、ボタン、ピン、スナップ、接着剤テープファスナ、粘着材、ファブリック・アンド・ループ・ファスナなどのような他の締結手段を用いることができる。図示の実施形態では、おむつ250は、面ファスナのフック部分として示されたファスナ302が取り付けられる一対の側部パネル300(又は耳)を含む。一般的に、側部パネル300は、ウエスト区域255及び260の一方においておむつの側縁に取り付けられ、そこから横方向外向きに延びる。側部パネル300は、弾性化されるか、又は本発明の構造で作られた片面延伸結合積層体を用いることにより他の方法でエラストマー性を付与することができる。弾性化側部パネル及び選択的に構成されたファスナタブを含む吸収性物品の例は、いずれも本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている、Roesslerに付与されたPCT特許出願番号WO95/16425、Roessler他に付与された米国特許第5,399,219号、Friesに付与された米国特許第5,540,796号、及びFriesに付与された米国特許第5,595,618号に説明されている。
【0142】
おむつ250はまた、上面シート275と液体保持構造の間に位置して流体滲出物を迅速に受け取っておむつ250内の液体保持構造280に分配するサージ処理層305を含むことができる。おむつ250は、液体保持構造280と裏面シート270の間に位置決めされたスペーサ又はスペーサ層とも呼ばれる通気層(図示せず)を更に含み、裏面シート270を液体保持構造280から断絶し、通気可能な外側カバー又は裏面シート270の外面で衣類の湿気を低減することができる。適切なサージ処理層305の例は、Bishopに付与された米国特許第5,486,166号、及びEllisに付与された米国特許第5,490,846号に説明されている。
【0143】
図10に典型的に示すように、使い捨ておむつ250は、身体滲出物の横方向流れに対する障壁を設けるように構成された一対の閉じ込めフラップを含むこともできる。閉じ込めフラップ310は、液体保持構造280の側縁に隣接するおむつの横方向に対向する側縁に沿って位置することができる。各閉じ込めフラップ310は、典型的に、少なくともおむつ250の中間区域265で直立した垂直な構成を維持して着用者の身体に対する密封を形成するように構成された、取り付けられていない縁部を形成する。閉じ込めフラップは、液体保持構造280の全長に沿って縦方向に延びることができ、又は液体保持構造の長さに沿って部分的にのみ延びることもできる。閉じ込めフラップの長さが液体保持構造よりも短い場合には、閉じ込めフラップ310は、中間区域265のおむつ250の側縁に沿ういずれの部位にも選択的に位置決めすることができる。このような閉じ込めフラップ310は、一般的に当業者には公知である。例えば、閉じ込めフラップ310に対する適切な構成及び配置は、K.Enloeに付与された米国特許第4,704,116号に説明されている。
【0144】
おむつ250は、様々な適切な形状とすることができる。例えば、おむつは、全体的に矩形、T字形、又はほぼ砂時計形状とすることができる。ここに示す実施形態では、おむつ250は、ほぼI字形である。本発明の吸収性物品に組み込むことができる他の適切な構成要素には、当業者には公知のウエストフラップなどを含むことができる。本発明と共に用いるのに適し、おむつに用いるのに適する他の構成要素を含むことができるおむつ構成の例は、いずれも本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている、Meyer他に付与された米国特許第4,798,603号、Bernardinに付与された米国特許第5,176,668号、Bruemmer他に付与された米国特許第5,176,672号、Proxmire他に付与された米国特許第5,192,606号、及びHanson他に付与された米国特許第5,509,915号に説明されている。
【0145】
おむつ250の様々な構成要素は、接着剤結合、超音波結合、熱的ポイント結合、又はその組合せのような様々な種類の適切な取り付け手段を用いて互いに組み付けられる。ここに示す実施形態では、例えば、ホットメルト感圧接着剤のような接着剤の線で上面シート275及び裏面シート270を互いに及び液体保持構造280に対して組み付けることができる。同様に、上に特定した取付機構を用いることにより、弾性部材290及び295、締結部材302、及びサージ層305のような他のおむつ構成要素も物品に組み立てることができる。
【0146】
このような片面表面材延伸結合積層体材料は、他のパーソナルケア製品、保護上着、保護カバー等にも同様に用いることができることを認めるべきである。更に、このような材料は、ヒト及び動物両方の包帯製品のための包帯材料に用いることもできる。このような材料を用いると、廉価な製造価格で満足できる弾性性能がもたらされる。
【0147】
当業者は、特許請求の範囲でより詳細に示されている本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、これら及び本発明の他の修正及び変形を実施することができる。更に、様々な実施形態の態様は、全体的又は部分的に相互に交換することができることを理解すべきである。更に、当業者は、以上の説明が単なる一例であり、特許請求の範囲に更に説明されている本発明を制限することを意図しないことを認めるであろう。
【0148】
試験方法手順
「止まるまでの延伸」試験
「止まるまでの延伸」とは、延伸可能積層体の非伸張寸法と特定の張力の印加時の延伸可能積層体の最大伸張寸法との間の差、及びその差を延伸可能積層体の非伸張寸法で割って判断される比を意味する。
【0149】
「止まるまでの延伸」がパーセントで表される場合、この比には100を掛ける。例えば、非伸張長さが5インチ(12.7cm)であり、750グラムの力を加えた時の最大伸張長さが10インチ(25.4cm)である延伸可能積層体の「止まるまでの延伸」(750グラムでの)は、100パーセントである。同様に、非伸張長さが5インチ(12.7cm)であり、2000グラムの力を加えた時の最大伸張長さが10インチ(25.4cm)である延伸可能積層体の「止まるまでの延伸」(2000グラムでの)は、100パーセントである。
【0150】
「止まるまでの延伸」はまた、「最大非破壊伸長」と呼ぶこともできる。特に断らない限り、「止まるまでの延伸」値は、本明細書では750グラム又は2000グラムのいずれかの荷重で記録される。試験される材料により、印加する力が大きい方が適切な場合もある。例えば、片面積層体に対しては、印加する力は、750グラム/3インチ横方向幅であることが一般的に適切であるが、ある一定の積層体、特に、坪量が大きな積層体に対しては、750と2000グラム/3インチ横方向幅の間の印加力が最も適切であろう。
【0151】
「伸長」又は「止まるまでの延伸」試験では、大きい方の寸法を機械方向、横方向、又はその間のいずれかの方向にした3インチ×7インチ(7.62cm×17.78cm)のサンプルは、顎間の間隙5cmを用いて「Sintech」機の顎に挟まれる。次に、サンプルは、クロスヘッド速度約20インチ/分(50.8センチメートル/分)を用いて、停止荷重750gms又は2000グラムで引張られる。本発明の延伸可能積層体材料に対しては、「止まるまでの延伸」値は、約30〜400パーセントの間、代替的に約50と300パーセントの間、更に代替的に約80〜250パーセントの間を示すことが望ましい。「止まるまでの延伸」試験は、伸張可能(延伸)方向に行われる。
【0152】
クリープ試験方法
加熱フィラメントストランドを組み入れた連続フィラメントベースの片面延伸結合積層体の弾性ストランド耐クリープ値に対する加熱の影響を示すデータを参照する前に、ある一定の用語を説明することが有利である。本出願の目的に対しては、「耐クリープ性」又は「耐クリープ値」とは、1つ又はそれよりも多くの弾性ストランドを表面材層のような少なくとも1つの基材に取り付けるための特定のシステムの弾性ストランド保持力を意味する。例えば、接着剤が液体の形で基材に付加され、次に、1つ又は複数の弾性ストランドが接着剤及び基材に押し付けられて1つ又は複数のストランドを基材に取り付ける場合には、耐クリープ性は、1つ又は複数のストランドと基材との間の接着剤結合の品質の尺度である。
【0153】
クリープを測定する試験の説明は、この概念に関して付加的な説明を提供する。以下に説明するように、複数の弾性フィラメントストランドを基材に結合して、片面延伸結合積層体を形成した。クリープを測定する試験を行うために、最初に、サンプルを照らされたライトボックスの前に垂直に吊るすことにより完全に伸張させた。サンプルの上部をライトボックスにクランプで留め、1000グラムの重りをサンプルの底部にクランプで留めた。この完全に伸張された形態において、テンプレートを用いて、200ミリメートルの長さを表すために反対側の端部付近の基体にマーク付けした。
【0154】
次に重りを除去し、1枚の厚紙上にサンプルを水平に置いた。基体複合物上のマークが今度は175ミリメートル離れるようにサンプルを収縮させた。次に、ステープルが175mmの長さの外側に位置するようにして、サンプルを厚紙にステープルで留めた。弾性ストランドが収縮すると、それらは、延伸結合積層体自体がエラストマー性を有するように表面材材料にギャザーを寄せる。
【0155】
次に、弾性ストランドを長さ175mmの位置で切断した。ストランドが表面材材料の上に位置するために、表面材材料は、ストランドを切断する時に部分的にスリットが入った。弾性フィラメントストランドは、それを切断した後に全体的に収縮した。ストランドが切断されて約1〜2分後に、収縮ストランドの長さを測定した。175mmと初期収縮ストランド長さ又はI(初期)との差を用いて、サンプルの「初期クリープ」を計算した。本出願に対しては、初期クリープは、次式を用いて計算される。
パーセントでの初期クリープ=[(175mm−I(初期)mm)/175mm]×100 [式1]
【0156】
サンプルの初期クリープを判断した後に、まだ厚紙にステープルで留められている積層体を温度100°Fに予熱した通風オーブンに入れた。90分後、積層体及び厚紙をオーブンから取り出した。次に、積層体を約10分間自然に冷却させた。より一層収縮したストランドの長さを測定した。
【0157】
175mmと最終収縮長さ又はY(最終)との差を用いて、サンプルの「最終クリープ」を計算した。本出願に対しては、最終クリープは、次式を用いて計算される。
パーセントでの最終クリープ=[(175mm−Y(最終)mm)/175mm]×100 [式2]
【0158】
耐クリープ性又は耐クリープ値は、本出願の目的に対しては、次のように計算される。
パーセントでの耐クリープ性=100−最終クリープ [式3]
【0159】
着用者の身体の近くに着用される使い捨て吸収性物品では、ヒトの体温が約98°Fであるために、最終クリープは、使用中の物品の性能の尺度を提供する。仮想的な状況は、この測定の意味に関する詳細をより多く提供する。3つの弾性ストランドが基材/表面材材料に結合されたような積層体を作ると仮定する。また、積層体は、ストランドが典型的に約200%から約300%までの伸長での伸長された形態である間に、接着剤を用いてストランドを基材/表面材材料に取り付けることによって作られると仮定する(弾性ストランドを組み込んだ積層体を作る方法の更なる詳細に関しては、以下の実施例及び本明細書と矛盾しない方法で本明細書において引用により組み込まれている「エラストマー性積層体ウェブを作る方法及び装置」という名称の米国特許第5,964,973号を参照されたい)。90分にわたって100°Fでエージングした後に、弾性ストランドが各ストランドの長さの大半に沿って接着剤及び基材(表面材)材料から外れ、かつストランドが収縮する場合には、最終クリープは比較的大きく、耐クリープ性は比較的低いことになる。この時点で収縮してより小さな張力を示している取り外されたストランドは、積層体の長さに沿って比較的均一な様式で1つ又は複数の基材表面材材料にギャザーを寄せる可能性は仮にゼロではないにしても低いので、エラストマー性積層体としてのこの積層体の性能は、恐らく不良であることになる。
【0160】
ロール付着試験方法(ロールを出る積層体層の層間剥離強度に対する)
片面延伸結合積層体の約50インチ外径のロールを横又は横断方向に沿ってロールの上部からコアまで万能ナイフで切断した。上面、コア、及び半径の中点からの材料の3つの区域をサンプルとして用いた。各サンプルは、約18インチ×24インチであり、積層体の約30個の乱されていない層を含んでいた。これらのサンプルの各々から、8つの3インチ幅×7インチ長さの試料を7インチを機械方向にして切断した。各試料は、2層の積層体(各積層体は、弾性層及び単一表面材層を含む)を含んでいた。試料(弾性層及び表面材の完全積層体)の一端の上側層を引張試験ユニット(Sintech)の上顎内に装填し、一方、上側層に用いたのと同じ端部の試料からの試料(弾性層及び表面材の完全積層体)の下側層を「Sintech」ユニットの下顎内に装填した。以下に概略的に説明する方法により、「Sintech」引張試験機(「MTS Systems Corp.」製、「Synergie 200」型)を用いて、180度の角度及び歪み速度300mm/minで2つの層を分離するのに必要な材料のMD長さに沿う平均力を測定した。全ての試料は、機械方向に試験した。試験したサンプルに対して、(連続フィラメントの)ロール内のフィラメントに用いるポリマーは、上述のように「KRATON G2755」であった。弾性層内のストランドのメルトブローンに対する坪量比は、約90:10であった。8つの試料を用いて、これらの平均値を採択剥離値として取った。
【0161】
本質的に、この試験は、片面延伸結合積層体材料の2つの完全な層を互いから分離する(供給ロールからの積層体の巻き戻しを模擬する)のに必要な力を測定するものである。このような力は、ロール状材料の層をロールから引き出すのに必要な力を表すものと考えられている。結果は、グラム重の単位で表され、数値が大きければ、ロール上でそれ自体に付着する粘着性の布を表している。本発明の材料に対しては、一実施形態では、材料が示す剥離強度は、200g未満である。代替的な実施形態では、材料が示す剥離強度は、100g未満である。更に別の代替的な実施形態では、材料が示す剥離強度は、50g未満である。
【0162】
試験を行う際には、積層体布の個々の層(すなわち、1つの片面積層体及び別のもの)は、約2〜3インチの距離にわたって手作業で分離され、少なくとも4インチの作業方向又は分離長さを与える。試料の同じ端部からのサンプル試料の1つの層を引張試験機の各顎内にクランプで留め、試料は、次に、一定の伸張速度を受ける。サンプルの縁部はきれいに切断され、平行であることが望ましい。望ましくは、「Sintech TestWorks」ソフトウエアを利用してシステムのデータを取得することができる。グリップは、1インチ×4インチの顎面を含み、この4インチの寸法が顎の幅である。試験は、標準実験室環境周囲条件で行われる。試験のサンプルは、CDに約3〜4インチ及びMDに少なくとも6インチ測定すべきである。適切なロードセルは、ピーク荷重値が、25ポンド又はそれ未満の全目盛荷重の10と90パーセントの間に含まれることになるように選択されるべきである。望ましくは、5ポンドロードセルが用いられる。望ましくは、可能な場合には、測定は、約16mmで開始され、約170mmまでの伸長で終了する。ゲージ長さは、約2インチ(顎間の距離)に設定することが必要である。
【図面の簡単な説明】
【0163】
【図1A】本発明により片面延伸結合積層体を製造する方法を示す図である。
【図1B】本発明により片面延伸結合積層体を製造する方法を示す図である。
【図2】片面延伸結合積層体材料の一実施形態を示す断面図である。
【図3】片面延伸結合積層体材料の代替的な実施形態を示す断面図である。
【図4】片面延伸結合積層体材料の更に代替的な実施形態を示す断面図である。
【図5】片面延伸結合積層体材料の更に代替的な実施形態を示す断面図である。
【図6】両面延伸結合積層体材料の一実施形態を示す断面図である。
【図7A】本発明により片面延伸結合積層体を製造する代替的な方法を示す図である。
【図7B】本発明により片面延伸結合積層体を製造する代替的な方法を示す図である。
【図8】片面延伸結合積層体材料の更に代替的な実施形態を示す断面図である。
【図9】片面延伸結合積層体材料の更に代替的な実施形態を示す断面図である。
【図10】本発明によって作られた片面延伸結合積層体を利用するパーソナルケア製品を示す図である。
【符号の説明】
【0164】
10 水平連続フィラメント積層体製造工程
20 第1の押出装置
35 第2の押出装置
60 ニップローラ
70 弾性積層体
75 収集ロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保存のためにロール状に巻くことができ、使用のために必要とされる時に該ロールから巻き戻すことができる弾性積層体であって、
連続フィラメントストランドのアレイと、連続フィラメントストランド上にメルトブローン層を堆積させた連続フィラメントストランドのアレイと、連続フィラメントストランド上に弾性メルトブローン層を堆積させた連続フィラメントストランドのアレイと、フィルムとから成る群から選択された弾性層、及び
前記弾性層の一方の側だけに結合された表面材層、
を含むことを特徴とする弾性積層体。
【請求項2】
弾性積層体がそれ自体の上に巻かれる時にロール付着を起こさず、従って将来の使用のために巻き戻すことができることを特徴とする請求項1に記載の弾性積層体。
【請求項3】
歪み速度300mm/minで約70グラム/3インチ横方向幅未満の層間剥離強度を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の弾性積層体。
【請求項4】
前記連続フィラメントストランドは、約3%と約40%の間のある一定の程度の結晶化度を有する弾性ポリオレフィンベースのポリマーを含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の弾性積層体。
【請求項5】
前記表面材層は、約3%と約40%の間のある一定の程度の結晶化度を有する弾性ポリオレフィンベースのポリマーを含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の弾性積層体。
【請求項6】
坪量が約50gsm又はそれ未満の弾性又は半弾性フィルム層を含むことを特徴とする請求項5に記載の弾性積層体。
【請求項7】
前記フィルム層は、約3%から約40%のある一定の程度の結晶化度を有する弾性ポリオレフィンベースのポリマーを含むことを特徴とする請求項6に記載の弾性積層体。
【請求項8】
前記フィルム層上に位置決めされた連続フィラメントストランドのアレイを更に含むことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の弾性積層体。
【請求項9】
前記伸張可能な表面材層の反対側の前記フィルムの表面上に位置決めされた第2の伸張可能な表面材層を更に含むことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の弾性積層体。
【請求項10】
前記弾性メルトブローン層は、約3%から約40%のある一定の程度の結晶化度を有する弾性ポリオレフィンベースのメルトブローンポリマーを含むことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の弾性積層体。
【請求項11】
前記弾性ポリオレフィンベースのメルトブローンポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ブテン又はオクテンホモポリマー又はコポリマー、エチレンメタクリレート、エチレンビニルアセテート、及びブチルアクリレートコポリマーから成る群のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の弾性積層体。
【請求項12】
前記弾性メルトブローン層は、少なくとも2つの層を含み、第1の層は、約3%と約40%の間のある一定の程度の結晶化度を有する弾性ポリオレフィンベースのメルトブローンポリマーを含み、第2の層は、スチレンブロックコポリマーベースのメルトブローンポリマーを含むことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の弾性積層体。
【請求項13】
前記弾性層と表面材層の間に堆積させた比較的短いむき出し時間を示す接着剤、又は前記連続フィラメントストランドのアレイと前記弾性メルトブローン層の間に堆積させた比較的短いむき出し時間を示す接着剤、又は前記弾性層と表面材層の間に堆積させた固化すると非粘着性になる接着剤、又は前記表面材層の反対側の前記弾性層上に堆積させた、結合後接着剤又は非付着性剤を有するこのような接着剤、又は非付着性剤層のいずれかを更に含むことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の弾性積層体。
【請求項14】
前記表面材層の反対側の前記弾性層上に堆積させたメルトブローン非付着性剤を含むことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の弾性積層体。
【請求項15】
前記メルトブローン非付着性剤は、ポリオレフィン及び粘着付与剤を含まないエラストマーポリマーから成る群から選択されることを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の弾性積層体。
【請求項16】
前記表面材層は、不織ウェブ、ネック付け不織ウェブ、不織ウェブ積層体、発泡体、スクリム、網状組織、及びフィルム、及びその組合せから成る群から選択されることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の弾性積層体。
【請求項17】
片面表面材延伸結合積層体を形成する方法であって、
2つの側を有する弾性層を準備する段階と、
メルトブローン非付着性剤を前記弾性層の一方の側に付加する段階と、
前記弾性層を延伸する段階と、
前記延伸した弾性層が延伸した状態にある間に前記メルトブローン非付着性剤の反対側の該延伸した弾性層だけに表面材層を結合して、延伸結合積層体を形成する段階と、
このような延伸結合積層体を収縮させる段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
前記弾性層は、連続フィラメントストランドのアレイ又はメルトブローンを堆積させた連続フィラメントストランドのアレイのいずれかであることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
片面表面材延伸結合積層体を形成する方法であって、
2つの側を有する弾性層を準備する段階と、
前記弾性層を延伸する段階と、
比較的むき出し時間が短くて硬化後に粘着性でない接着剤を用いることにより、前記延伸した弾性層が延伸した状態にある間に該延伸した弾性層の一方の側だけに単一の表面材層を結合して、延伸結合積層体を形成する段階と、
このような延伸結合積層体を収縮させる段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記接着剤は、前記弾性層を前記単一の表面材層に結合するために、該弾性層を該表面材層に接触させる前及び該弾性層を該表面材層に接触させた後の両方で付加されることを特徴とする請求項19に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−530310(P2007−530310A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547387(P2006−547387)
【出願日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/043380
【国際公開番号】WO2005/065932
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】