説明

版ずれ補正装置及び方法

【目的】 ドキュメントに対して版ずれがより大きく出る方向を予測し、その方向に、常により大きなトラッピングエリアを発生させ、最適なトラップ処理を行う。
【解決手段】 トラップ幅の縦横比を設定したかどうかを確認し(S503)、設定されている場合はプリンタ装置の情報を取り込み(S505)、用紙を縦横どちらの方向に給紙処理するものかを判定する(S506)。短辺方向に搬送すると判定された場合、トラップ幅を大きく発生させる方向を横方向(用紙の短辺方向)に切り替える(S507)。出力時のページ設定情報を取り込み(S508)、出力時の記録用紙上での処理方向がドキュメント作成時の方向と変わるかどうかを判定する(S509)。方向が変わる設定である場合はトラップ幅を大きくとる方向を逆にする(S510)。ページ割付情報に対しても同様に処理する(S511〜513)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は版ずれ補正装置及び方法、版ずれ補正プログラム、並びに版ずれ補正プログラムを記憶した記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の版を用いる印刷時における版ずれを補正するトラッピング処理(以後トラッピングと呼ぶ)は、版ずれが起きると予想される領域にトラップエリアと呼ばれる所定の幅の帯をかぶせる(一方の版を拡張する)ことで、版ずれを目立たなくさせる処理である。この版ずれは、ドラム中を印刷用紙が移動する間に起こり、用紙がドラム中を移動する方向に版ずれは大きく発生する。そのため、最適なトラッピング処理を行うためには、版ずれが大きく発生するであろう方向を予想して其の方向にトラッピングエリアの幅を太くさせる比率を設定することになる。そのため現在、ドキュメントの縦方向又は横方向にトラッピングエリアを太く発生させるための比率を設定させることにより、最適なトラッピングエリアを発生させる技術が使われている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、アプリ上でトラッピング処理を行う場合、どのような出力装置に出力するかによって版ずれの発生する方向が変わるため出力装置を決めてからトラッピング処理をしなくてはならなかった。また、出力時におけるページ設定(拡縮設定又は用紙方向の変換等)や複数ページの貼り付け(Nin1)等によっては、同一出力機であっても、ドキュメントに対して版ずれが大きく発生する方向は変わってくるという問題がある。また、複数の出力装置が用意されたネットワーク上で動作するSoftRIPに搭載されたトラップモジュールの場合、上記問題は更に重要であり、予め版ずれが起こる方向を確認してトラップ幅を大きくする方向を設定する最適なトラッピング処理が難しいものとなる。
【0004】
本発明の目的は、出力機における用紙の処理方向を確認し、用紙に対して版ずれが大きく発生する可能性のある方向を判定し、出力時におけるページ設定や、複数ページの貼り付け等の設定項目とを合わせて考慮することにより、ドキュメントに対して、縦、横、どちらの方向に版ずれが大きく発生する可能性があるのかを判定することにより、ドキュメントに対して版ずれがより大きく出る方向を自動的に判定し、版ずれが大きく発生すると予測される方向に、常により大きなトラッピングエリアを発生させ、最適なトラップ処理を行える版ずれ補正装置及び方法、版ずれ補正プログラム、並びに版ずれ補正プログラムを記憶した記憶媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明に係る版ずれ補正装置は、ドキュメントの縦方向のトラップ幅と横方向のトラップ幅の比率を設定し、該ドキュメントを該比率に従ったトラップ幅で記録用紙に出力して版ずれの補正を行う版ずれ補正装置において、前記比率が1と異なる値に設定されているかを判定する判定手段と、前記比率が1と異なる値に設定されている場合に、前記ドキュメントを出力する出力装置の装置情報と前記ドキュメントの印刷設定情報に基づき、前記記録用紙上で前記ドキュメントの版ずれが大きく発生すると予測される方向に、前記比率に従ってより大きなトラップ幅を設定する設定手段とを有する。
【0006】
本発明に係る版ずれ補正方法は、ドキュメントの縦方向のトラップ幅と横方向のトラップ幅の比率を設定し、該ドキュメントを該比率に従ったトラップ幅で記録用紙に出力して版ずれの補正を行う版ずれ補正方法において、前記比率が1と異なる値に設定されているかを判定する判定ステップと、前記比率が1と異なる値に設定されている場合に、前記ドキュメントを出力する出力装置の装置情報と前記ドキュメントの印刷設定情報に基づき、前記記録用紙上で前記ドキュメントの版ずれが大きく発生すると予測される方向に、前記比率に従ってより大きなトラップ幅を設定する設定ステップとを有する。
【0007】
本発明に係る版ずれ補正プログラムは、コンピュータ装置を、ドキュメントの縦方向のトラップ幅と横方向のトラップ幅の比率が1と異なる値に設定されているかを判定する判定手段、および、前記比率が1と異なる値に設定されている場合に、前記ドキュメントを出力する出力装置の装置情報と前記ドキュメントの印刷設定情報に基づき、前記記録用紙上で前記ドキュメントの版ずれが大きく発生すると予測される方向に、前記比率に従ってより大きなトラップ幅を設定する設定手段として機能させて、前記ドキュメントを前記比率に従ったトラップ幅で前記記録用紙に出力して版ずれの補正を行う。
本発明に係る記憶媒体は、上記の版ずれ補正プログラムを記憶した。
【発明の効果】
【0008】
上記本発明によれば、記録用紙上でドキュメントの版ずれが大きく発生すると予測される縦方向または横方向のいずれかの方向に、設定されている比率に従ってより大きなトラップ幅を設定して版ずれ補正を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明を実施するための最良の形態であるコンピュータ装置の基本構成を示すブロック図である。
【0010】
図1において、参照符号1はCPU、即ち中央処理装置であり、本装置全体の制御及び演算処理を行う。2はRAM、即ちランダムアクセスメモリであり、処理毎にそれぞれのプログラム及びデータがロードされ、実行される領域である。3はROM、即ち読み出し専用メモリであり、システム制御プログラムや、フォントデータなどの記憶領域である。4はKBC、即ちキーボード制御部であり、キーボード5(KB)からのキー入力によりデータを受け取りCPU1へ伝達する。
【0011】
参照符号6はPRTC、即ちプリンタ制御部であり、プリンタ装置7(PRT)を制御するためのものである。プリンタ装置7は、レーザービームプリンタ、インクジェットプリンタなどである。8はCRTC、即ちディスプレイ制御部であり、ディスプレイ装置9(CRT)への表示制御を行う。10はDKC、即ちディスク制御部であり、データ伝送などの制御を行うものである。
【0012】
参照符号11は外部記憶装置であり、FDD(フロピーディスクドライブ装置)12あるいはHDD(ハードディスクドライブ装置)13あるいはCD(CDROMドライブ装置)14などで構成される。これら外部記憶装置11にプログラム及びデータを記憶させておき、実行時必要に応じて参照し、またはRAM2へロードする。システムバス15は、上述の構成要素間におけるデータ転送の通路となるべきものである。
【0013】
図1はプリンタ装置とコンピュータ装置がスタンドアロン接続された例を示しているが、さらにネットワークインターフェースを備え、ネットワークを介して複数台のプリンタ装置がコンピュータ装置と接続する構成を実施することもできる。
【0014】
本発明を実施する上記コンピュータ装置は、基本I/O(入出力)プログラム、OS(オペレーティングシステム)、及び以下に説明する版ずれ補正プログラムをCPU1が実行することにより動作する。
【0015】
基本I/OプログラムはROM3に記憶されており、OSはHDD13に書き込まれている。そして本装置の電源がONにされたとき、基本I/Oプログラム中のIPL(イニシャルプログラムローディング)機能によりHDD13からRAM2にOSが読み込まれ、OSの動作が開始される。
【0016】
本実施形態では、版ずれ補正制御プログラムおよび関連データは、図2のようにFDまたはCDROM中に記録されている。このFDまたはCD−ROMに記録された版ずれ補正制御プログラムおよび関連データは、これら記憶媒体が図3に示すようにコンピュータ装置にセットされることで、FDD12またはCD−ROMドライブ14を通じて、本装置のHDD11にインストールすることができる。この場合、FDまたはCD−ROMをFD12またはCD−ROMドライブ14にセットすると、OS及び基本I/Oプログラムの制御のもとに、図2に示した版ずれ補正制御プログラム及び関連データがFDまたはCD−ROMから読み出され、HDD11にインストールされて動作可能となる。
【0017】
図4は版ずれ補正制御プログラムがHDD11にインストールされ実行可能になった状態のメモリマップを示す。
【0018】
図5は本実施形態における版ずれ補正であるトラッピング処理の流れを示すフローチャートである。トラッピングは版ずれ補正の技術であり、ベクターオブジェクトに限らず、イメージやフォント等ドキュメントを構成するすべてのオブジェクトが対象となる。ただし、本実施形態においては、説明を分かりやするために、ベクターオブジェクトにトラッピングをかける場合を例にとって説明する。また以下では、複数の出力機(プリンタ装置)が同一ネットワーク上に存在するプリンティングシステムにおけるトラッピング処理について説明する。
【0019】
ステップS501では、特定のドキュメントに対する印刷命令が発生する。次にステップS502で、ユーザインターフェースを用いて、版ずれ補正に関する各種設定を行う。ここでは、ドキュメントに対して縦方向、横方向のどちらかの方向に大きくトラップ幅を取るか、又はどの方向にも同じトラップ幅にするかを、縦方向と横方向の比率で設定する。比率を1とすれば縦方向、横方向とも同一トラップ幅に設定される。1以外の値に比率を設定すれば、トラップ幅をより大きくする方向を設定できる。この設定は、ステップS501記載の印刷命令が発生する前に行われても構わない。
【0020】
ステップS503では、この比率を基に、ステップS502における設定においてトラップ幅の縦横比を設定したかどうかを確認する。設定されていなかった場合(比率が1の場合)は、ステップS504へ進む。ステップS504では、縦横ともステップS502で設定された同じトラップ幅で、トラップエリアを発生させるトラップ処理を行う。ステップS503で縦横比の設定がされている(比率が1と異なる値である)と確認された場合は、ステップS505へ進み、プリンタ装置の情報を取り込む。このデータの取り込みは、印刷に使用する出力機からその都度直接ネットワークを介してデータを入手する方法で行っても、予め同一ネットワーク上にある各出力機のデータをテーブル化しておき、このテーブルにアクセスすることにより入手する方法で行っても構わない。この際取り込むデータは、印刷に使用する出力機の給紙方向、すなわち記録用紙の搬送方向についての情報である。つまり、出力用紙を縦方向(用紙の長辺方向)に処理(印刷)するか、横方向(用紙の短辺方向)に処理するかの情報を取り込む。
【0021】
版ずれは、機械的要因により出力装置が処理する用紙の方向により大きく発生するものと考えられる。つまり、用紙が縦方向(長辺方向)に処理される場合は、縦方向に版ずれが大きく現れ、用紙が横方向(短辺方向)に処理される場合は、横方向に版ずれが大きく現れることが予想される。本実施形態においては、用紙が縦方向に処理される場合をデフォルト処理として話を進める。
【0022】
次にステップS506へ進み、取り込んだ装置情報より、出力機が用紙を縦横どちらの方向に給紙処理するかを判定する。横方向(用紙の短辺方向)に搬送すると判定された場合、ステップS507へ進む。ステップS507では、デフォルトとは異なり、横方向(用紙の短辺方向)に版ずれがより大きく発生する(少なくとも補正が必要なレベルの版ずれが発生する)と考えられるため、比率に従いトラップ幅を大きく発生させる方向を、横方向(用紙の短辺方向)に切り替え、ステップS508へと進む。この処理ではトラップ幅の比率を逆にする。この判定を図6に模式的に示す。ステップS506で出力装置の処理方向が縦方向(用紙の長辺方向)と判定された場合は、縦方向にトラップ幅を大きく発生させるデフォルト設定を維持したままステップS508へ進む。
【0023】
ステップS508では、出力時のページ設定情報を取り込む。次にステップS509へ進み、ステップS508で取り込んだデータより、ドキュメントに対して、出力時の記録用紙上での処理方向がドキュメント作成時の方向と変わるかどうかを判定する。図7(a)および(b)に示すように、ドキュメントには用紙の長辺方向に作成されたドキュメント70と短辺方向に作成されたドキュメント71が存在する。これらドキュメントは、図7(a)および(b)のように作成された向きのまま出力される設定の場合と、方向が変換されて出力される設定の場合がある。そこで、これらドキュメントが、例えば図7(c)に示すように、用紙の縦方向(長編方向)に作成されたドキュメント70が横向きの用紙72に出力処理されたり、例えば図7(d)に示すように、用紙の横方向(短辺方向)に作成されたドキュメント71が縦向きの用紙73に出力処理されるといったように、拡縮設定又は用紙方向の変換等によりドキュメントに対する出力処理の方向が変わるかどうかを判定する。
【0024】
用紙に対してトラップ幅を大きく取る方向は、上記の通り、出力機が決まった時点で決定する。ただし、実際のトラップ幅の処理は、ドキュメントデータに対して行われる。つまり出力機がドキュメントを縦方向(用紙の長辺方向)に処理する出力機だった場合、デフォルト処理では、ドキュメントが図7(a)の場合はドキュメント70に対して上下縦方向にトラップ幅が大きくなるように設定され、またドキュメントが図7(b)の場合はドキュメント71に対して左右横方向にトラップ幅が大きくなるように設定されている。
【0025】
しかし、図7(c),(d)のようにドキュメント70,71が用紙に対してデフォルトの設定と異なる方向に変換されて印刷される場合、ドキュメント70に対してトラップ幅を大きくとるべき方向が変わってくると予測される。図7(a)ではドキュメント70に対して上下縦方向にトラップ幅を大きくとる設定だったものを、ドキュメント70の左右横方法にトラップ幅を大きくするように設定を変更しなくてはならない(図7(c))。また、図7(b)の場合はドキュメント71に対して左右横方向にトラップ幅を大きくとる設定だったものを、ドキュメント71の上下縦方向にトラップ幅を大きくするように設定を変更しなくてはならない(図7(d))。よってステップS509で、図7(c),(d)のように用紙に対するドキュメントの方向が変わる設定であると判定された場合はステップS510へ進み、ドキュメントに対してトラップ幅を大きくとる方向を縦方向から横方向に、または横方向から縦方向に変更する。ステップS509で用紙に対するドキュメントの方向が変わらないと判断された場合は、ステップS511へ進む。
【0026】
ステップS511では出力時のページの割付情報を取り込む。ページの割付情報とは、図8に示すように、通常Nin1と呼ばれる処理で、1ページに複数のページを均等に貼り付ける処理を言う。この場合にも、貼り付けるページの数によっては図9(a),(b)に示す通り用紙に対するドキュメントの方向が変わることがあり、ステップS509,510と同様に、トラップ幅を大きくとるべき方向を変更する必要が発生する。
【0027】
ステップS512では、貼り付けるページ数によって、用紙に対するドキュメントの方向が変わるかどうかを判定する。方向が変わると判定された場合は、ステップS513へ進み、ドキュメントに対してトラップ幅を大きく取る方向を変更する。ステップS512で用紙に対するドキュメントの方向が変わらないと判断された場合は、ステップS514へ進む。ステップS514では、上記までの処理で最適化されて確定したトラップ幅を大きく取る方向に、ステップS502で設定された比率に従って、トラップ幅がより大きくなるようにトラップ処理を行う。
【0028】
以上説明したように、最適にトラップをかけるためのトラップ幅の調整(版ずれが大きく発生する方向へ大きくトラップ幅を取る)が、出力機の種類や、ページ設定(拡縮設定又は用紙方向の変換等)、複数ページの貼り付け(Nin1)等の処理を行っても、トラップ幅を大きくとる方向を誤ることなく、最適な方向に対して行うことができる。
【0029】
(他の実施形態)
本発明は上述のように、複数の機器(たとえばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタ等)から構成されるシステムに適用しても一つの機器(たとえば複写機、ファクシミリ装置)からなる装置に適用してもよい。
【0030】
また、前述した実施形態の機能を実現するように各種のデバイスを動作させるように該各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに、前記実施形態機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)を格納されたプログラムに従って前記各種デバイスを動作させることによって実施したものも本発明の範疇に含まれる。
【0031】
またこの場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムコードを格納した記憶媒体は本発明を構成する。
【0032】
かかるプログラムコードを格納する記憶媒体としては例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0033】
またコンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、前述の実施形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)、あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して前述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。
【0034】
さらに供給されたプログラムコードが、コンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能格納ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も本発明に含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明を実施するための最良の形態であるコンピュータ装置の基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る版ずれ補正制御プログラムおよび関連データがFDまたはCD−ROMに記録されたときのメモリマップ図である。
【図3】FDまたはCD−ROMとコンピュータ装置の外部記憶装置との関係を説明する説明図である。
【図4】コンピュータ装置の外部記憶装置に図2の版ずれ補正制御プログラムおよび関連データが記録されたときのメモリマップ図である。
【図5】本発明の実施形態に係る処理の流れを示したフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る処理における出力装置の用紙処理方向を説明する説明図である。
【図7】本発明の実施形態に係る処理におけるページ設定によるページに対するドキュメントの方向を説明する説明図である。
【図8】複数ページの貼り付け(Nin1)を説明する説明図である。
【図9】本発明の実施形態に係る処理における複数ページの貼り付け(Nin1)によるページに対するドキュメント方向を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0036】
1 CPU(中央処理装置)
2 RAM(ランダムアクセスメモリ)
3 ROM(読み出し専用メモリ)
4 キーボード制御部(KBC)
5 キーボード(KB)
6 プリンタ制御部(PRTC)
7 プリンタ装置(PRT)
8 ディスプレイ制御部(CRTC)
9 ディスプレイ装置(CRT)
10 ディスク制御部(DKC)
11 外部記憶装置
12 フロピーディスクドライブ装置(FDD)
13 ハードディスクドライブ装置(HDD)
14 CDROMドライブ装置
15 システムバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドキュメントの縦方向のトラップ幅と横方向のトラップ幅の比率を設定し、該ドキュメントを該比率に従ったトラップ幅で記録用紙に出力して版ずれの補正を行う版ずれ補正装置において、
前記比率が1と異なる値に設定されているかを判定する判定手段と、
前記比率が1と異なる値に設定されている場合に、前記ドキュメントを出力する出力装置の装置情報と前記ドキュメントの印刷設定情報に基づき、前記記録用紙上で前記ドキュメントの版ずれが大きく発生すると予測される方向に、前記比率に従ってより大きなトラップ幅を設定する設定手段と
を有することを特徴とする版ずれ補正装置。
【請求項2】
請求項1に記載の版ずれ補正装置において、
前記設定手段は、
前記出力装置が記録用紙を短辺方向または長辺方向のどちらの方向に搬送するかの搬送方向を前記装置情報として取得する手段と、
取得した前記搬送方向が、前記版ずれが大きく発生する方向であると予測する予測手段と、
前記印刷設定情報を取得する手段と、
前記予測手段が予測した方向を、取得した前記印刷設定情報に応じて維持または前記予測した方向と垂直な方向に変更することで、前記版ずれが大きく発生すると予測される方向を最適化する最適化手段と
を含むことを特徴とする版ずれ補正装置。
【請求項3】
請求項2に記載の版ずれ補正装置において、
前記印刷設定情報は、前記ドキュメントを前記記録用紙に作成時の方向である縦方向に出力するか該作成時の方向と垂直な横方向に出力するかの出力方向に関する用紙設定情報であり、
前記最適化手段は、該用紙設定情報に基づき、前記ドキュメントの前記縦方向が前記記録用紙の前記搬送方向と同一の場合には前記比率をそのままの値とし、該縦方向が前記搬送方向と異なる場合には前記比率を逆の値に変換する
ことを特徴とする版ずれ補正装置。
【請求項4】
請求項2に記載の版ずれ補正装置において、
前記印刷設定情報は、一枚の記録用紙に複数のドキュメントを出力する場合の該ドキュメントの数および該記録用紙上での方向に関する割り付け情報であり、
前記最適化手段は、該割り付け情報に基づき、前記ドキュメントの前記縦方向が前記記録用紙の前記搬送方向と同一の場合には前記比率をそのままの値とし、該縦方向が前記搬送方向と異なる場合には前記比率を逆の値に変換する
ことを特徴とする版ずれ補正装置。
【請求項5】
請求項2に記載の版ずれ補正装置において、
前記印刷設定情報は、前記ドキュメントを前記記録用紙に作成時の方向である縦方向に出力するか該作成時の方向と垂直な横方向に出力するかの出力方向に関する用紙設定情報、および、一枚の記録用紙に複数のドキュメントを出力する場合の該ドキュメントの数および該記録用紙上での方向に関する割り付け情報であり、
前記最適化手段は、前記用紙設定情報に基づき、前記ドキュメントの前記縦方向が前記記録用紙の前記搬送方向と同一の場合には前記比率をそのままの値とし、該縦方向が前記搬送方向と異なる場合には前記比率を逆の値に変換し、および、前記割り付け情報に基づき、前記ドキュメントの前記縦方向が前記記録用紙の前記搬送方向と同一の場合には前記比率をそのままの値とし、該縦方向が前記搬送方向と異なる場合には前記比率を逆の値に変換する
ことを特徴とする版ずれ補正装置。
【請求項6】
ドキュメントの縦方向のトラップ幅と横方向のトラップ幅の比率を設定し、該ドキュメントを該比率に従ったトラップ幅で記録用紙に出力して版ずれの補正を行う版ずれ補正方法において、
前記比率が1と異なる値に設定されているかを判定する判定ステップと、
前記比率が1と異なる値に設定されている場合に、前記ドキュメントを出力する出力装置の装置情報と前記ドキュメントの印刷設定情報に基づき、前記記録用紙上で前記ドキュメントの版ずれが大きく発生すると予測される方向に、前記比率に従ってより大きなトラップ幅を設定する設定ステップと
を有することを特徴とする版ずれ補正方法。
【請求項7】
請求項6に記載の版ずれ補正方法において、
前記設定ステップは、
前記出力装置が記録用紙を短辺方向または長辺方向のどちらの方向に搬送するかの搬送方向を前記装置情報として取得する第1ステップと、
取得した前記搬送方向が、前記版ずれが大きく発生する方向であると予測する第2ステップと、
前記印刷設定情報を取得する第3ステップと、
前記第2ステップで予測した方向を、取得した前記印刷設定情報に応じて維持または前記予測した方向と垂直な方向に変更することで、前記版ずれが大きく発生すると予測される方向を最適化する第4ステップと
を含むことを特徴とする版ずれ補正方法。
【請求項8】
請求項7に記載の版ずれ補正方法において、
前記印刷設定情報は、前記ドキュメントを前記記録用紙に作成時の方向である縦方向に出力するか該作成時の方向と垂直な横方向に出力するかの出力方向に関する用紙設定情報であり、
前記第4ステップは、該用紙設定情報に基づき、前記ドキュメントの前記縦方向が前記記録用紙の前記搬送方向と同一の場合には前記比率をそのままの値とし、該縦方向が前記搬送方向と異なる場合には前記比率を逆の値に変換することを含む
ことを特徴とする版ずれ補正方法。
【請求項9】
請求項7に記載の版ずれ補正方法において、
前記印刷設定情報は、一枚の記録用紙に複数のドキュメントを出力する場合の該ドキュメントの数および該記録用紙上での方向に関する割り付け情報であり、
前記第4ステップは、該割り付け情報に基づき、前記ドキュメントの前記縦方向が前記記録用紙の前記搬送方向と同一の場合には前記比率をそのままの値とし、該縦方向が前記搬送方向と異なる場合には前記比率を逆の値に変換することを含む
ことを特徴とする版ずれ補正方法。
【請求項10】
請求項7に記載の版ずれ補正方法において、
前記印刷設定情報は、前記ドキュメントを前記記録用紙に作成時の方向である縦方向に出力するか該作成時の方向と垂直な横方向に出力するかの出力方向に関する用紙設定情報、および、一枚の記録用紙に複数のドキュメントを出力する場合の該ドキュメントの数および該記録用紙上での方向に関する割り付け情報であり、
前記第4ステップは、前記用紙設定情報に基づき、前記ドキュメントの前記縦方向が前記記録用紙の前記搬送方向と同一の場合には前記比率をそのままの値とし、該縦方向が前記搬送方向と異なる場合には前記比率を逆の値に変換すること、および、前記割り付け情報に基づき、前記ドキュメントの前記縦方向が前記記録用紙の前記搬送方向と同一の場合には前記比率をそのままの値とし、該縦方向が前記搬送方向と異なる場合には前記比率を逆の値に変換することを含む
ことを特徴とする版ずれ補正方法。
【請求項11】
出力先の出力装置の情報を取り込む第1のステップと、
出力装置の情報から版ずれが発生する方向を判定する第2のステップと、
印刷時の印刷設定情報を取り込む第3のステップと、
印刷設定情報から版ずれが発生する方向を判定する第4のステップと
前記第2、第4のステップに応じて、トラップを制御することを特徴とする画像処理方法。
【請求項12】
更に、前記トラップに関する各種設定を行うステップと、前記設定された項目から、ドキュメントに対して縦、横どちらかの方向に大きくトラップ幅を取るか、又はどの方向にも同じトラップ幅にするか、どちらが選択されているかを判定するステップを更に有することを特徴とする請求項11記載の画像処理方法。
【請求項13】
設定された項目から、ドキュメントに対して縦、横どちらかの方向に大きくトラップ幅を取るか、又はどの方向にも同じトラップ幅にするか、どちらが選択されているかの判定により、縦、横どちらかに大きくトラップ幅を大きく取るように設定されていた場合は、版ずれが大きく発生する方向の判定を行い、どの方向にも同じトラップ幅でトラップするように設定されていた場合は、そのまま指定されたトラップ幅でトラップ処理を行うことを特徴とする請求項12記載の画像処理方法。
【請求項14】
出力先に決まった出力装置の情報とは、その出力装置が用紙を縦方向(用紙の長辺方向)に処理するのか、横方向(用紙の短辺方向)に処理するのかを示す情報であることを特徴とする請求項11記載の画像処理方法。
【請求項15】
前記用紙を縦方向(用紙の長辺方向)に処理(印刷)する場合は、用紙に対して縦方向に版ずれが生じると判定し、用紙を横方向(用紙の短辺方向)に処理(印刷)する場合は、用紙に対して横方向に版ずれが生じると判定することを特徴とする請求項14記載の画像処理方法。
【請求項16】
前記印刷時の印刷設定情報とは、印刷時における各種設定の内、拡縮設定又は用紙方向の変換等のページ設定及び複数ページの貼り付けであることを特徴とする請求項11記載の画像処理方法。
【請求項17】
請求項11の画像処理方法を実行するプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−5481(P2006−5481A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−177375(P2004−177375)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】