説明

物体検出装置

【課題】検出精度及び分解能に優れて小型化可能な検出装置を低コストで提供する。
【解決手段】基準面に基づいて対象物の厚さ又は一定方向の移動量を検出する装置であって、一端が回転軸3に支持され、基準面又は対象物と当接可能な曲面を他端に有し、対象物の当接に伴って揺動するレバー部1と、前記回転軸3に支持され、レバー部1の揺動に応じて変位可能な変位量伝達部2とを備えるものにおいて、前記曲面が、想定範囲の対象物の当接に伴って揺動する間は基準面と直交する一つの直線V上にほぼ一致する点で対象物と当接するように加工されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、対象物の厚さ又は一定方向の移動量を検出する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷機、スキャナ、自動改札機、自動販売機、ATMなどの機械においては、用紙、切符、紙幣などの取り扱い対象物の厚さ又は一定方向の移動量を供給または排出の過程で検出することが要請される。
【0003】
この種の検出装置として、用紙の供給路に対向して配置された上下のローラとLED及びPSDを備えたもの、並びにLED及びPSDに代えてレバーと、レバーの後端に取り付けられた反射板と、反射板に向かって発光するとともに反射光を受光するフォトセンサとを備えたものが知られている(特許文献1[従来技術]欄)。前者は、図16に示すように常時はバネ103によって上ローラ101が下ローラ102に近づく方向に付勢されており、用紙の通過時にバネ103の復元力に抗して用紙の厚み分だけ上ローラ101が下ローラ102から遠ざかり、上ローラ101の変位量をLEDとPSDとで光学的に検知するものである。後者は、図17に示すようにレバー104が支点に揺動可能に固定されていて、レバー104の先端が上ローラ101の軸に連結されており、常時はバネ103によってレバー104が上ローラ101を下ローラ102に近づける方向に付勢されており、用紙の通過に伴って揺動するレバー104後端の変位量をフォトセンサ105で検知するものである。
【0004】
また、これを改良し、図18に示すようにレバー104後端を複数の枝106に分岐させたり、レバー後端を扇形にして放射状のスリットを設けたりして、フォトインタラプタの光が通過する枝やスリットの数をもって検知するようにしたものも知られている(特許文献1[実施形態])。図17の装置にしても図18の装置にしても対象物の微小な変化を検出するためには、支点からレバー後端までの長さbと支点からレバー先端までの長さaの比b/aを大きくする必要がある。この比を大きくするにはbを大きくするかaを小さくするかのいずれかであり、装置の小型化を達成するためにはaを小さくすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−294401
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、図16の装置は、PSD自体が高価であるうえに、上ローラに反りが生じないように高い精度で加工する必要があることから、製造コストが著しく高い。一方、図17の装置や図18の装置は、装置の小型化を達成しようとaを小さくすると、レバー先端における変位量の円周方向成分が本来検出したい鉛直方向成分に対して大きくなってしまい、これが比b/aを大きくして検出精度を上げることの妨げとなっている。
それ故、この発明の課題は、検出精度に優れて小型化可能な検出装置を低コストで提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明の検出装置は、
基準面に基づいて対象物の厚さ又は一定方向の移動量を検出する装置であって、
一端が回転軸Cに支持され、基準面又は対象物と当接可能な曲面を他端に有し、対象物の当接に伴って揺動するレバー部と、
前記回転軸Cに支持され、レバー部の揺動に応じて変位可能な変位量伝達部とを備えるものにおいて、
前記曲面が、想定範囲の対象物の当接に伴って揺動する間は基準面と直交する一つの直線V上にほぼ一致する点で対象物と当接するように加工されていることを特徴とする。
【0008】
図1は、この発明の検出装置の作用を示す図である。用紙が存在せずレバー部1の最高位が基準面と接しているとき(図中、実線の位置)から、供給されてくる用紙に押されてレバー部1の最高位がΔt低下したとする(図中、破線の位置)。レバー部1の最高位から回転軸3の中心までの長さをL、そのときのレバー部1の水平に対する角度をそれぞれθ、回転軸3の中心から変位量伝達部であるスケール部2の光軸中心までの長さをJ、レバー部1の変位に伴うスケール部2の微小変位量をΔdとする。レバー部1の最高位が常に基準面と直交する一つの垂線V上に存在するように設計することにより、相似の関係から、L:Δt/cosθ=J:Δdとなり、Δt=Δd(1/J)Lcosθが導かれる。レバー部1の最高位から回転軸3の中心までの長さ及びレバー部1の水平に対する角度は、いずれも変数であるが、レバー部1の最高位の低下に伴うLの減少とともにcosθが増加するから、互いに相殺しあう。従って、(1/J)Lcosθはほぼ一定値を保つ。その結果、ΔtとΔdが比例する。
【0009】
前記曲面が、想定範囲の対象物の当接に伴って揺動する間は基準面と直交する一つの直線V上にほぼ一致する点で対象物と当接するように加工されている一つの基本的な構成は、次の通りである。即ち、図2に示すように前記レバー部が基準面と当接する接点をP、想定検出限界とする最大厚さもしくは最大移動量の特定対象物と当接する接点をQ、接点Pと当接する基準面上の点をS、接点P及びQにおける前記曲面の曲率半径をそれぞれRp及びRqとするとき、基準面と当接しているときの接点P及び前記特定対象物と当接しているときの接点Qにおける前記曲面の曲率中心Op及びOqが、前記直線V上に位置し、且つRpがRqよりも小さくならないように前記曲面が加工されたものである。
【0010】
このように接点によって曲率半径の異なる複数の円弧からなる曲面とすることにより、ほぼ直線V上でレバー部が常に最高点に位置するようになる。そして、接点PQ間の前記曲面については、例えば接点P及びQにおけるRqとRpの半径の各円弧を直接つないでも良いし、RqとRpの中間の半径の円弧でつないでも良い。あるいはRq以上Rp以下で接点Qに近づくほど曲率半径が小さくなる複数の微小円弧からなり、それらの微小円弧が前記直線V上の定位置もしくは接点Qに近づくほど基準面から遠ざかる前記直線V上の位置に曲率中心を有するようにしてもよい。尚、曲率中心Op及びOqの位置は一致していてもしなくても良い。
【0011】
前記曲面が、想定範囲の対象物の当接に伴って揺動する間は基準面と直交する一つの直線V上にほぼ一致する点で対象物と当接するように加工されているもう一つの基本的な構成は、図3に示すように前記特定対象物の最大厚さもしくは最大移動量をw、接点Pが基準面と当接しているときのレバー部と基準面とのなす角度をθ、回転軸Cの中心から接点Pまでの長さをLとするとき、前記曲面を、前記直線V上に曲率中心を有し、Rm=Lsinθ−nw(n=0.3±0.1)を充足する曲率半径を有する単一の円弧で構成したものである。種々の条件でシミュレーションしたところ、上記式を充足する範囲でΔtとΔdとが最も比例に近い関係を有するからである。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、この発明の検出装置によれば、レバー部の長さに関わらずΔtとΔdが比例することから、レバー部の長さを短くして検出精度向上と小型化を同時に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の検出装置の作用を示す図である。
【図2】この発明の検出装置の一つの基本的構成を示す図である。
【図3】この発明の検出装置のもう一つの基本的構成を示す図である。
【図4】実施形態1の検出装置を示す断面図である。
【図5】同検出装置に適用されているスケール一体型レバーを示す正面図である。
【図6】図5のXX断面図である。
【図7】(a)は実施形態1の検出装置に用いられるレバー部の設計方法を示す図、(b)はその拡大図である。
【図8】実施形態2の検出装置に用いられるレバー部の設計方法を示す図である。
【図9】実施形態3の検出装置に用いられるレバー部の設計方法を示す図である。
【図10】種々の曲率半径についての実施形態4における接点PQ間の曲面の軌道を示す図である。
【図11】曲率半径をパラメータとしてスケール部の微小変位Δdに対するレバー部の微小変位Δtの値をシミュレーションした結果を示すグラフである。
【図12】θをパラメータとしてスケール部の微小変位Δdに対するレバー部の微小変位Δtの値をシミュレーションした結果を示すグラフである。
【図13】θをパラメータとしてスケール部の微小変位Δdに対するレバー部の微小変位Δtの値をシミュレーションした結果を示すもう一つのグラフである。
【図14】実施形態5の検出装置を示す正面図である。
【図15】実施形態6の検出装置を示す正面図である。
【図16】従来の検出装置を示す断面図である。
【図17】従来のもう一つの検出装置を示す断面図である。
【図18】従来の更にもう一つ検出装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
−実施形態1−
以下、この発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。図4は第一の実施形態の検出装置の回転軸に平行な鉛直方向断面図、図5は同検出装置に適用されているスケール一体型レバーを示す正面図である。
【0015】
検出装置11は、用紙の厚みを検出する装置であって、ホルダー12、受光素子13、コリメートレンズ14、発光素子15及びスケール一体型レバー10を備える。
スケール一体型レバー10は、全体が光透過性樹脂からなり、図5に示すようにレバー部16、スケール部17、回転軸18及びストッパー19が回転軸18部分を除いて厚さ1.3mm程度の板状に一体成形されたものである。スケール一体型レバー10の輪郭は、正面視で互いに直交する二辺a、b、これらの二辺のうち一辺aと平行で辺aよりも短い辺c、及び辺aと辺cとを結ぶ斜めの辺dとからなる略台形をなす。そして、辺aと辺dとが交差する角にほぼ辺dに沿って延びるようにレバー部16が形成され、辺bと辺cとが交差する角に辺cに沿って延びるようにストッパー19が形成されている。レバー部16の周面は、先端に向かうほどに辺dの延長線から離れて辺bに近づくように滑らかに曲がっており、検出対象となる用紙との接点を形成している。この曲面の形状については後述する。
【0016】
回転軸18は、辺dの中間部に前記板状部分の両面に直交するように突出した円柱状をなしている。従って、レバー部16とストッパー19とは回転軸18を間にして互いにほぼ対角位置にある。また、辺aと辺bとが交差する角の付近には、回転軸18を中心とする周方向に等間隔に交互に配列した多数の遮光領域と透光領域とからなるスケール部17が形成されている。スケール部17を設ける手段としては、図6に図5のXX断面図として示すように、前記板状部分の一方の主面に形成された透光領域17aとしての水平の滑面と遮光領域17bとしての非水平の滑面とからなるプリズム(図6(a)及び(b))でもよいし、透光領域17aとしての水平の滑面の隣に遮光材料を印刷するか粗面処理をするかして遮光領域17b(図6(c))としてもよい。
【0017】
回転軸18は、ホルダー12の上端にある軸受け部にレバー部16が上でスケール部17が下になるように支持されている。回転軸18の外周面にはレバー部16が上に付勢される方向に復元力が働くコイルバネ5が取り付けられている。そして、その復元力はストッパー19がホルダー12と係り合うことにより抑制されて、レバー部16の前記接点と回転軸18とを結ぶ線が水平に対してほぼ30度の傾きとなるように保たれている。スケール部17の両端の透光領域17aまたは遮光領域17bは、この線から100〜150度回転した位置にある。
【0018】
レバー部16における用紙との接点を構成する前記曲面は、次の通りに加工されている。即ち、図7(a)に示すように前記レバー部が基準面と当接する接点をP、想定検出限界とする最大厚さもしくは最大移動量の特定対象物Kと当接する接点をQ、接点Pと当接する基準面上の点をS、前記特定対象物Kの最大厚さもしくは最大移動量をw、接点P及びQにおける前記曲面の曲率半径をそれぞれRp及びRqとする。このとき、接点P及びQ近辺においては、基準面と当接しているときの接点P及び前記特定対象物と当接しているときの接点Qにおける前記曲面の曲率中心Op及びOqが、いずれも前記直線V上に位置し、且つRp=Rq+0.5wとなるように加工されている。
【0019】
そして、接点PQ間の前記曲面については、例えばRqとRpの中間の半径の円弧でつないでも良いし、あるいは図7(b)に図7(a)の拡大図として示すようにRq以上Rp以下で接点Qに近づくほど曲率半径が小さくなる複数(図示は3つ)の微小円弧からなり、それらの微小円弧が前記直線V上の定位置もしくは接点Qに近づくほど基準面から遠ざかる前記直線V上の位置Oa、Ob、Oc・・・に曲率中心を有するようにしてもよい。このように接点によって曲率半径の異なる複数の円弧からなる曲面とすることにより、ほぼ直線V上でレバー部が常に最高点に位置するようになる。その結果、対象物の厚さ又は移動量Δtとスケール部17の変位量Δdとが比例することとなり、検出精度に優れる。この比例関係は、レバー部16の長さにあまり依存しないうえ、レバー部16とスケール部17とが回転軸18を中心として180°でない角度をなしているので、スケール一体型レバー10を小型化し、装置全体の小型化を達成することができる。
【0020】
−実施形態2−
実施形態1における接点PQ間の前記曲面を、前記直線V上に曲率中心Op(=Oq)を有し、接点Pを通る半径Rpの円弧と、接点Qを通る半径Rq(=Rp−0.5w)の円弧とからなる二つの円弧で形成すること以外は、実施形態1と同一構成としてレバー部16を設計し、その動作をシミュレーションした。図8は、接点PQ間の曲面の設計方法及び軌道を示す図である。尚、接点PQ間の両側部分については、接点Qから離れる方向に接点Pより延びる曲率半径Rpの微小円弧と、接点Pから離れる方向に接点Qより延びる曲率半径Rqの微小円弧とでそれぞれ形成されている。
【0021】
図8に示されるように、対象物が存在せずレバー部16が上昇しているときは接点Pが直線V上で最高位となり、他方厚さwの対象物が存在してレバー部16が下降しているときは接点Qが直線V上で最高位となっている。その結果、実施形態1におけると同様にΔtとΔdとが比例することとなり、検出精度に優れ、且つ装置全体の小型化を達成することができる。また、接点PQ間の両側部分も接点PQ間に連なる所定の微小円弧で形成されているから、回転軸18の取り付け位置が少々誤差を生じていたり、対象物の厚さがwを少し超えていたりしても、ΔtとΔdとの比例関係は成立する。
【0022】
−実施形態3−
実施形態1における接点PQ間の前記曲面を、前記直線V上に曲率中心Op(=Oq=Od=Oe)を有し、接点Pを通る半径Rpの円弧と、接点Qを通る半径Rq(=Rp−0.75w)の円弧と、これら二つの円弧をつなぐ半径Rd(=Rp−0.25w)の円弧及び半径Re(=Rp−0.50w)の円弧の合計四つの円弧で形成すること以外は、実施形態1と同一構成としてレバー部16を設計し、その動作をシミュレーションした。図9は、接点PQ間の曲面の設計方法及び軌道を示す図である。レバー部16の角度に関わらず、レバー部16の最高点の位置がますます直線Vに近くなり、実施形態2よりも検出精度が更に優れる。
尚、これとは逆に設計を簡易にするために、検出精度は実施形態2よりも若干劣るが、接点PQ間の前記曲面をRm=Rp−nW(n=0.3±0.1)を充足する半径Rmの単一の円弧で形成しても良い。
【0023】
−実施形態4−
実施形態1における接点PQ間の前記曲面を、前記直線V上に曲率中心を有し、曲率半径がRm=Lsinθ−nw(n=0.3±0.1)である単一の円弧で形成したこと以外は、実施形態1と同一構成としてレバー部16の動作をシミュレーションした。ここで、wは用紙の最大厚さ、θは接点Pが基準面と当接しているときのレバー部と基準面とのなす角度、Lは回転軸Cの中心から接点Pまでの長さである。比較のためにRmが上記範囲に属さない条件でもシミュレーションした。
【0024】
L=8mm、w=2mm、θ=30°であるときの、種々のRmについての前記曲面の軌道を図10、Δdに対するΔtの値をシミュレーションした結果を表1に示す。表2は、Δd=Δtとなる理想値に対するシミュレーション値の誤差の程度を示し、図11はこれをグラフ化したものである。
【0025】
【表1】

【0026】
【表2】

【0027】
シミュレーションから示されるように、Rm=Lsinθ−0.3wを満たすように設計することで理想値とのずれが最小となり、次いでRm=Lsinθ±0.5wのときが小さく、実際の使用における許容範囲となる。
【0028】
次に、Rm=Lsinθ−0.3wであるときのθを変化させてシミュレーションしたときの、Δd=Δtとなる理想値に対するシミュレーション値の誤差の程度を表3に示し、これをグラフ化したものを図12に示す。
【0029】
【表3】

【0030】
表3及び図12に示されるように、Rm=Lsinθ−0.3wを充足すればθが異なっていても支障ないことが明らかである。
次に、Rm=Lsinθ−0.3wであってw=4mmに変えてθを変化させてシミュレーションしたときの、Δd=Δtとなる理想値に対するシミュレーション値の誤差の程度を表4に示し、これをグラフ化したものを図13に示す。
【0031】
【表4】

【0032】
表4及び図13に示されるように、θ=60°でシミュレーション値が理想値から大きくずれており、θ=45°でも無視できないずれが生じている。従って、L≧2wとなるようにLを設計するか又はwを設定するのが好ましい。
【0033】
−実施形態5−
第五の実施形態の検出装置では、図14に示すようにレバー部16とスケール部17との角度を180°より大きくすることにより、鉛直方向に移動する対象物の検出も可能とされている。この場合、スケール一体型レバー10を実施形態1又は2のものと交換するだけでよい。
【0034】
−実施形態6−
第六の実施形態の検出装置は、図15に示すように対象物の移動方向をレバー部16の変位方向とほぼ一致させたもので、対象物の移動速度の検出に好適である。
【符号の説明】
【0035】
11 検出装置
12 ホルダー
13 受光素子
14 レンズ
15 発光素子
10 スケール一体型レバー
1,16 レバー部
2,17 スケール部
3,18 回転軸
19 ストッパー
5 コイルバネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準面に基づいて対象物の厚さ又は一定方向の移動量を検出する装置であって、
一端が回転軸Cに支持され、基準面又は対象物と当接可能な曲面を他端に有し、対象物の当接に伴って揺動するレバー部と、
前記回転軸Cに支持され、レバー部の揺動に応じて変位可能な変位量伝達部とを備えるものにおいて、
前記曲面が、想定範囲の対象物の当接に伴って揺動する間は基準面と直交する一つの直線V上にほぼ一致する点で対象物と当接するように加工されていることを特徴とする検出装置。
【請求項2】
前記レバー部が基準面と当接する接点をP、想定検出限界とする最大厚さもしくは最大移動量の特定対象物と当接する接点をQ、接点Pと当接する基準面上の点をS、接点P及びQにおける前記曲面の曲率半径をそれぞれRp及びRqとするとき、基準面と当接しているときの接点P及び前記特定対象物と当接しているときの接点Qにおける前記曲面の曲率中心Op及びOqが、前記直線V上に位置し、且つRpがRqよりも小さくならないように前記曲面が加工されている請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記曲面が、接点Qから離れる方向に接点Pより延びる曲率半径Rpの微小円弧と、接点Pから離れる方向に接点Qより延びる曲率半径Rqの微小円弧とを含む輪郭を有する請求項2に記載の検出装置。
【請求項4】
前記特定対象物の最大厚さもしくは最大移動量をwとするとき、Rp=Rq+1/2wである請求項2または3に記載の検出装置。
【請求項5】
接点PQ間の前記曲面が、Rq以上Rp以下で接点Qに近づくほど曲率半径が小さくなる複数の微小円弧からなり、それらの微小円弧が前記直線V上の定位置もしくは接点Qに近づくほど基準面から遠ざかる前記直線V上の位置に曲率中心を有する請求項2〜4のいずれかに記載の検出装置。、
【請求項6】
接点PQ間の前記曲面が、Rm=Rp−nW(n=0.3±0.1)を充足する曲率半径Rmを有する単一の円弧からなる請求項5に記載の検出装置。
【請求項7】
前記特定対象物の最大厚さもしくは最大移動量をw、接点Pが基準面と当接しているときのレバー部と基準面とのなす角度をθ、回転軸Cの中心から接点Pまでの長さをLとするとき、前記曲面が、前記直線V上に曲率中心を有し、Rm=Lsinθ−nw(n=0.3±0.1)を充足する曲率半径を有する単一の円弧からなる請求項1に記載の検出装置。
【請求項8】
前記変位量伝達部が、周方向に周期的な加工が施されたスケール部である請求項1〜7のいずれかに記載の検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−47787(P2011−47787A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196358(P2009−196358)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(000143031)コーデンシ株式会社 (18)
【Fターム(参考)】