説明

物体検出

電界物体検出システム(1)及び方法。前記システム(1)は、送信電極(2)と、受信電極(4)と、前記受信電極に連結された切替回路(32)と、前記送信電極(2)と前記切替回路(32)とに連結された交流電圧源(3)と、前記受信電極(4)に連結された出力接続線(34)とを備える。交流電圧のサイクルに従って実行される電荷供給では、前記送信電極(2)と前記受信電極(4)との間の容量結合に応じて増加する電圧を前記切替回路(32)のキャパシタ(43)上に供給する。前記切替回路(32)の前記キャパシタ(43)上の前記電圧は飽和させられ、前記飽和電圧は前記送信電極と前記受信電極との近傍に物体(8)が存在するときに変化する出力(20)として利用される。前記出力(20)は、高インピーダンス読取手段(例えば、ADC(24))(20)に送出されるようにしてもよい。前記システム(1)は、CMOSによって構成されるようにして、電子製品の制御回路に組み込まれるようにしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電界検出(electric field sensing)を利用した物体検出(object sensing)に関する。電界検出は、準静電検出(quasi-electrostatic sensing)としても知られており、交差容量検出(cross capacitive sensing)と呼ばれることがある。本発明は、ユーザインタフェース入力部(user interface input)を提供するための物体検出に利用するのに特に適しているが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
物体検出のために利用される検出技術の1つに容量検出(capacitive sensing)がある。物体検出のために利用される別の検出技術に電界検出があり、これは、準静電検出としても知られており、交差容量検出と呼ばれることがある。
【0003】
その真に最も単純な形態において、容量検出ではただ1つの電極を使用し、測定にはその電極の負荷容量を利用する。この負荷容量は、その電極とその電極周辺の全接地物との間の全静電容量の合計として決定される。これは、近接検出(proximity sensing)にてなされるのと同様のものである。
【0004】
交差容量検出と呼ばれることのある電界検出では、複数の電極を使用し、2つの電極間の比静電容量を効果的に測定する。電界生成装置に接続される電極は電界検出送信電極(electric field sensing transmission electrode)(又は送信電極(transmitter electrode))と呼ばれることがあり、測定装置に接続される電極は電界検出受信電極(electric field sensing reception electrode)(又は受信電極(receiver electrode))と呼ばれることがある。送信電極は、交流電圧の印加により励起される。その結果、変位電流がそれらの電極間の容量結合により受信電極に誘起される(即ち、電界線効果(effect of electric field lines))。もし、物体がそれらの電極付近(即ち、電界線内)に配置されると、幾本かの電界線がその物体のそばで終結することになり、容量性電流が減少することになる。
【0005】
電界検出を利用した既知の物体検出システムでは、物体の存在は容量性変位電流や変化をその中で(therein)監視することで検出される。例えば、US6025726号は、電界検出配列をとりわけコンピュータやその他の機器のためのユーザ入力装置とする使用法を開示している。その電界検出配列は、意図された機器次第でユーザの指や手や体全体の位置を検出する。WO−02/103621号は、電界検出を利用した物体検出システムで容量性電流を監視するための二相電荷蓄積検出回路を開示している。この検出回路は、ディスプレイに組み込まれることもある。
【0006】
容量検出の他の分野において、DE19927358号は、単一チップ容量センサを提供するためのCMOS技術を利用した集積回路の使用法を開示している。また、ふたたび容量検出の他の分野において、US6259804号は、操作のための接触に応じて容量センサ配列からの信号を処理するためのアナログデジタル変換(ADC)の使用法を開示している。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、既知の電界検出配列において容量性変位電流や変化をその中で測定することには信頼性があること、そしてこれは複雑な回路構造によって提供される詳細な測定を要求することを認識した。本発明者は、キャパシタの接地後に容量性変位電流や変化をその増加中にその中で測定すべきとするこの要求は、全ての種々の既知の電界物体測定システムで採用される基本的方法によって増大されることを認識した。
【0008】
第1の観点において、本発明は、送信電極と、受信電極と、前記受信電極に連結された電荷供給又は切替回路(charge pumping or switching circuit)と、前記送信電極と前記電荷供給/切替回路とに直接的に又は非直接的に連結された交流電圧源と、前記受信電極に連結された出力接続線(output connection)とを備える電界物体検出システム(これは、交差容量物体検出システムとして言及されることもある)を提供する。前記電荷供給/切替回路は、前記交流電圧源から前記送信電極と前記電荷供給/切替回路とに印加される交流電圧の共通のサイクルに従って電荷供給を実行するために切替を行うように構成される。前記電荷供給回路は、キャパシタとして、当該キャパシタを介して形成された電圧が、前記送信電極と前記受信電極との間の静電容量に応じたレベルで飽和するように構成されたキャパシタを備える。前記出力接続線は、前記送信電極と前記受信電極との間において又は前記送信電極と前記受信電極との近傍において物体が配置されたときに又は移動したときに変化する出力として前記飽和電圧を引き渡すように構成される。
【0009】
前記システムは好ましくは更に、前記出力接続線に連結された高インピーダンス読取手段を備える。前記高インピーダンス読取手段の好ましい形態は、アナログデジタル変換器又は比較器を含む。
【0010】
前記システム又は少なくとも幾つか若しくは全ての前記回路構造部分(例を挙げると、例えば前記電極については必要ではない)は好適には、CMOSによって構成されるようにしてもよい。更には、前記システム又は少なくとも幾つか若しくは全ての前記回路構造部分(例を挙げると、例えば前記電極については必要ではない)は好適には、CMOSによって構成されるときには特に、電子製品の制御回路に組み込まれるようにしてもよい。
【0011】
更なる観点において、本発明は、電界物体検出システム(これは、交差容量物体検出システムとして言及されることもある)の受信電極から出力を供給する方法であって、送信電極に第1の交流電圧を供給し、前記受信電極に連結された電荷供給/切替回路に前記第1の交流電圧と同一位相の第2の交流電圧を供給し、前記送信電極と前記受信電極との間の容量結合に応じて増加する電圧を前記電荷供給/切替回路のキャパシタ上に供給するために、前記両交流電圧のサイクルに従って、前記電荷供給/切替回路を利用した電荷供給/切替を実行し、前記切替回路の前記キャパシタ上の前記電圧を飽和させ、前記送信電極と前記受信電極との間において又は前記送信電極と前記受信電極との近傍において物体が配置されたときに又は移動したときに変化する出力として前記飽和電圧を利用する方法を提供する。
【0012】
前記方法は好ましくは更に、前記出力を高インピーダンス読取手段中に送出する。前記高インピーダンス読取手段の好ましい形態は、アナログデジタル変換器又は比較器を含む。
【0013】
前記第1の交流電圧は、前記第2の交流電圧と同一でもよい。別の可能性としては、前記第1の交流電圧は、共振フィルタやその他のタイプのフィルタや増幅器を介して前記送信電極に前記第2の交流電圧を送出することで供給される。
【0014】
その他の観点において、切替回路又はその他の適当な配列は、送信電極と受信電極との間の静電容量(この静電容量は、前記送信電極と前記受信電極との間又は近傍において物体が配置されたとき又は移動したときに変化する)に応じた電圧又は電荷レベルで、キャパシタ又はその他の電荷蓄積デバイスを飽和させる処理を提供するために、電荷供給動作又はその他の処理を実行するのに使用される。
【0015】
前記切替回路又はその他の適当な配列は、キャパシタのそれぞれの面の前記交流電圧を前記受信電極か接地かのどちらかに切り替えるように構成されるようにしてもよい。前記スイッチ群(switches)は、前記キャパシタの一方の面が前記受信電極に切り替えられたときに前記キャパシタの他方の面が前記受信電極に切り替えられるように(逆もまた同様)、前記交流電圧の極性に応じて連動的に動作する。この切替は好ましくは、スイッチ群又は配列群(arrangements)の全てがそのような切替を実行するように機能する2つのスイッチ群又は配列群のそれぞれ(なるべく相互関係のあるもの)により実行される。
【0016】
なお、上記の幾つか又は全ての観点では、前記送信電極を駆動するのにパルス波列を採用する。また、上記の幾つか又は全ての観点では、実際上、準定常状態の電圧レベルを測定することにより(例えば、アナログデジタル変換器又は比較器のような高インピーダンスデバイスに当該準定常状態の電圧レベルを入力することにより)出力を供給する。
【0017】
以上の観点によれば、単純処理を実行する電子回路を利用して、提供された出力信号を処理できるようになる。そして、CMOS技術を利用することで、その結果、電子製品用の制御回路のように電界検出配列が半導体製品に組み込まれる可能性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施例について添付の図面を参照しつつ例示的に説明することにする。
【0019】
図1は、第1実施例による電界(又は交差容量として知られる)物体検出システム1の概略図(スケールは任意)であって、当該電界物体検出システム1は、送信電極2と、交流電圧源3と、受信電極4と、検出回路構造10とを備える。
【0020】
交流電圧源3は、送信電極2に接続されている。検出回路構造10は、受信電極4に接続されている。
【0021】
動作中において、交流電圧が送信電極2に印加されると、電界線(例示の電界線5,6,7が受信電極4を通過している)が生成される。電界線5,6,7は、受信電極4に少量の交流電流を誘起する。
【0022】
物体8(例えば指)が2つの電極2,4の近傍に置かれると、物体8はその結果、それらの電界線(図1に示された状況においては、電界線5,6)を終結させ、他方それらの電界線は、物体8により占められた領域を通過することになる。これが、2つの電極2,4間の交差容量効果を減少させる、即ち、受信電極4から流出する電流を減少させる。一般的な電界物体検出システムでは、誘起交流電流は、電界誘起電流の位相に一致させるために交流電圧からの傍受信号を利用するような電流検出回路を利用して検出されることになる。従って、その電流検出回路により測定される電流レベルは、2つの電極2,4の近傍における物体の存在の測定尺度として使用される。
【0023】
しかしながら、この実施例の電界物体検出システム1では、検出回路構造10が、そのような誘起電流の一般的電流測定と異なる方法にて電界線5,6内にある物体8の効果を検出するように代わりに配置されている。当該方法については、より詳細に後述される。
【0024】
図2は、この実施例の電界物体検出システム1の更なる詳細を示すブロック図である。当該電界物体検出システム1は、検出コントローラ12と、送信アセンブリ(transmitter assembly)14と、受信アセンブリ(receiver assembly)16とを備える。図1に示された単純化された形態と比較すべく、図1の交流電圧源3は検出コントローラ12の一部を構成すること、送信電極2は送信アセンブリ14の一部を構成すること、受信電極4は受信アセンブリ16の一部を構成すること、及び検出回路構造10は受信アセンブリ16と検出コントローラ12との間に配置されることに注意されたい。これらについては、より詳細に後述される。
【0025】
検出コントローラ12は、動作中において当該検出コントローラが送信アセンブリ14と受信アセンブリ16の両方に交流電圧18を供給するように、送信アセンブリ14と受信アセンブリ16とに連結されている。受信アセンブリ16は更に、動作中において当該受信アセンブリ16が検出コントローラ12にデータ信号20を提供するように、別途、検出コントローラ12に連結されている。
【0026】
図3は、検出コントローラ12の更なる詳細を示すブロック図である。検出コントローラ12は、上述された交流電圧源3の形態の出力を備える。検出コントローラ12はまた、アナログデジタル変換器(ADC)24の形態の入力を備える。検出コントローラ12はまた、プロセッサ22を備える。プロセッサ22は、交流電圧源3とADC24の両方に連結されている。
【0027】
動作中において、検出コントローラの上述の構成部分は、以下のように機能する。交流電圧源3は、送信アセンブリ14と受信アセンブリ16の両方に交流電圧18の出力を供給する。ADC24は、受信アセンブリ16から受信された入力データ信号20を受信し、そしてデジタル形態に変換する。ADC24は、より高次の処理のためのプロセッサ22に受信データのデジタル形態を転送する。プロセッサ22は、交流電圧源3、ADC24、及びその他の目的のために用意され得るその他のあらゆる構成要素(図示せず)を制御する一般的な制御処理を実行する。付け加えると、プロセッサ22は、ADC24から受信するデジタルデータ信号に対するより高次の処理を実行する。
【0028】
図4は、送信アセンブリ14の更なる詳細を示す概略図である。送信アセンブリ14は主に、交流電圧18が供給されるように構成された上述の送信電極2を備える。この実施例では、送信アセンブリ14は更に、インダクタ28と共振キャパシタ30とからなる共振子を備える。当該共振子は、交流電圧18が当該共振子を経由(これにより、送信電極2に供給される当該交流電圧を増幅する)して送信電極2に引き渡されるように構成される。
【0029】
図5は、受信アセンブリ16の更なる詳細を示す概略図である。受信アセンブリ16は、切替回路32と直接出力接続線34とに連結された受信電極4を備える。切替回路32は更に、動作中において交流電圧18が切替回路32を経由して受信電極4に送出されるように、検出コントローラ12の交流電圧源3に連結されている。直接出力接続線34は更に、動作中においてデータ信号20が受信電極4からADC24に引き渡されるように、検出コントローラ12のADC24に連結されている。
【0030】
ここで、切替回路32についてより詳細に説明することにする。切替回路32は、2個のn型TFT(以下、第1のn型TFT35及び第2のn型TFT41のとして言及する)と、2個のp型TFT(以下、第1のp型TFT37及び第2のp型TFT39として言及する)と、キャパシタ43とを備える。
【0031】
それらの回路構成要素は以下のように接続される。全4個のTFT35,37,39,41のゲートは、相互に接続されていると共に、交流電圧源3からの入力接続線(incoming connection)に接続されている。TFT35,37,39,41はそれぞれ、一般的な様式で、ゲートに加えて2つの更なるソース/ドレイン端子(以下、第1及び第2の端子として言及する)を有する。動作中において、ソース/ドレイン端子の一方がTFTのソースとして機能し、ソース/ドレイン端子の他方がTFTのドレインとして機能する。あらゆる特定の瞬間において、ソース/ドレイン端子のどちらがソースとして働きどちらがドレインとして働くかという問題は、その瞬間での印加電圧の極性により確定される。第1のn型TFT35の第1の端子と第2のp型TFT39の第1の端子は、相互に接続されていると共に、受信電極4に接続されている。第1のn型TFT35の第2の端子と第1のp型TFT37の第1の端子は、相互に接続されていると共に、キャパシタ43の一方の面(以下、面Aとして言及する)に接続されている。第1のp型TFT37の第2の端子と第2のn型TFT41の第2の端子は、相互に接続されていると共に、接地線(earth connection)42に接続されている。第2のp型TFT39の第2の端子と第2のn型TFT41の第1の端子は、相互に接続されていると共に、キャパシタ43の他方の面(以下、面Bとして言及する)に接続されている。
【0032】
概略としては、切替回路32は、実質的に2つの分離した回路部分として動作することにより動作する。第1の回路部分は、第1のn型TFT35と、キャパシタ43と、第2のn型TFT41とを備える。第2の回路部分は、第1のp型TFT37と、キャパシタ43(キャパシタ43が両回路部分により共有されることに注意されたい)と、第2のp型TFT39とを備える。2つの回路部分は、交流電圧源3により供給される交流電圧18の正及び負のサイクルに応じて交互に活性化される。2つの回路は各々、キャパシタ43に(受信電極33からの)電荷を蓄積する。この電荷は、2つの回路各々のためのキャパシタに同一の電荷極性で蓄積される。以下、図6と図7とを参照しつつ、上述された電界物体検出システム1の動作についてより詳細に説明することにする。図6は、当該システムの動作に関連する種々の波形及び信号を定量的に図示する。図7aと図7bはそれぞれ、交流電圧18のサイクルの正と負の部分に応じて分離的に動作する第1の回路部分と第2の回路部分を示す。
【0033】
図6は、交流電圧18を示しており、この実施例では当該交流電圧18は±10Vかつ周波数100kHzの双極方形波である。交流電圧18のサイクルの3つの連続する正の部分122と3つの連続する負の部分124とが、例示によって図6に図示されている。
【0034】
図6は更に、交流電圧18と同一の位相を有し、共振回路により変調された交流電圧18の結果として送信電極2に現れる、波形50の交流電圧を示す。
【0035】
電界線(例えば、図1を参照しつつ説明された電界線5,6,7)は必然的に、送信電極2から生成される。実際上、それらの電界線は、その波形50を受信電極33上に容量的に結合させて、それによりその電極上の電荷の変化(交流電圧18と同一の位相で上昇及び下降)を引き起こす。電荷変化により、受信電極4が回路(ここ場合には切替回路32)に連結されると、電流が受信電極4から又は受信電極4に流出しようとすることになる。通常の電流符号の表記慣習を採用すれば、交流電圧18のサイクルの正の部分122について、切替回路32を経由する電流の流出又は流出傾向の対応するサイクルの正の部分が生成される。対応して、交流電圧18のサイクルの負の部分124について、切替回路32を経由する電流の流出又は流出傾向の対応するサイクルの負の部分が生成される。これらの観点の更なる詳細については、上述のWO−02/103621号で与えられており、当該文献の内容はここに参照の形で包含される。
【0036】
ここまでは、交流電圧18の供給により引き起こされる送信電極2への効果について説明してきた。交流電圧18は加えて、切替回路32のTFT35,37,39,41のゲートに供給されている。これには次の(i)と(ii)のような効果がある。(i)交流電圧18のサイクルの正の部分122の間には、あたかも切替回路32が第1のn型TFT35とキャパシタ43と第2のn型TFT41とを備える図7aに示された第1の回路部分141のみからなるかのように、切替回路32が交流電圧18のサイクルの正の部分122の継続期間において動作するように、2つのn型TFT35,41のみが活性化される。(ii)交流電圧18のサイクルの負の部分124の間には、あたかも切替回路32が第1のp型TFT37とキャパシタ43と第2のp型TFT39とを備える図7bに示された第2の回路部分142のみからなるかのように、切替回路32が交流電圧18のサイクルの負の部分124の継続期間において動作するように、2つのp型TFT37,49のみが活性化される。
【0037】
ここで、交流電圧18のサイクルの1個の正の部分122及び1個の負の部分124の継続期間における動作について説明することにする。交流電圧18のサイクルの正の部分122から説明を開始するものと想定されたい。これは、電流のサイクルの対応する正の部分を生成する。その間、n型TFT35,41は、上述のように、第1の回路部分141を提供して有効に活性化される。よって、正電流が第1の回路部分141を経由して流れる。正電流の流れの向きは、図7aに矢印150をもって示されるように、受信電極4から接地線42に向かう向きである。これは、キャパシタ43の面Aから面Bへの正電荷流を伴い、よって、電荷がキャパシタ43に蓄積される。正電荷は面Aから面Bに流れているため、キャパシタ43のこの蓄積電荷の電荷極性は、面Aでは正電荷の電荷極性であり、面Bでは負電荷の電荷極性である。
【0038】
ここで、交流電圧18の位相が変化するとき、即ち、交流電圧18のサイクルの正の部分122が終わり、交流電圧18のサイクルの負の部分124が起こるときについて想定されたい。これは、電流のサイクルの対応する負の部分を生成する。その間、p型TFT37,39は、上述のように、第2の回路部分142を提供して有効に活性化される。よって、負電流が第2の回路部分142を経由して流れる。これはサイクルの負の部分であるため、負電流の流れの向きは、図7bに矢印150をもって示されるように、ここでは接地線42から受信電極4に向かう向きである。
【0039】
接地線42と受信電極4の観点で表現するに、正電荷の流れの向きはここでは、交流電圧18のサイクルの正の部分122における正電荷の流れの向きと逆である(図7bの矢印150の向きを図7aと比較されたい)が、それにもかかわらず、第1の回路部分141ではキャパシタ43が2つのn型TFTの間にある一方で第2の回路部分142ではキャパシタ43が2つのp型TFT37,39の間にあるため、再び正電荷がキャパシタ43の面Aから面Bに流れる。よって、電荷がキャパシタ43に蓄積される。再び正電荷は面Aから面Bに流れているため、キャパシタ43のこの蓄積電荷の電荷極性は再び、面Aでは正電荷の電荷極性であり、面Bでは負電荷の電荷極性である、即ち、交流電圧18のサイクルのこの負の部分124の間におけるキャパシタ43の蓄積電荷の電荷極性は、交流電圧18のサイクルの正の部分122の間におけるそれと同一である。これは、電荷供給動作と呼ばれることがある。
【0040】
上述の切替回路の動作は、2つの回路部分141,142の交互活性の観点でWO−02/103621号により開示された全処理の同一の回路の動作と実質的に同様であることを注意しておく。しかしながら、キャパシタに起こる変化を導く動作は、キャパシタに生成される電荷が呈するものと同様に、全く異なっている。大まかに言えば、WO−02/103621号ではキャパシタに蓄積される電荷は、電極がリセットされるたびに新たに蓄積される電荷であり、電荷の蓄積率は、実際上電流と同様に測定される誘起容量性電流の指標である。対照的に、再び大まかに言えば、この実施例ではキャパシタに蓄積される電荷は、飽和平衡に達することが許されており、当該電荷は電圧の読み取りを提供し、物体が導入されたときにはこれによりこの飽和平衡が変化する(例えば、電極は、整流の発生を可能にすべく繰り返しゼロにリセットされることはない)。
【0041】
電荷供給動作の結果として、送信電極2と受信電極4との間の容量結合が増加するときには、キャパシタ43を通過する電圧が増加する。この電圧は、各サイクルの間にキャパシタ43に蓄積される電荷が受信電極4上で喪失される電荷量に等しいときに飽和する。これは、実際上、各サイクルで受信電極4そのものがキャパシタ43を通過する電圧に荷電される必要があるからである。大まかに言えば、切替回路32の有効部分が第1の回路部分141から第2の回路部分142に変化する(逆も同様)個々の時点には、キャパシタ43と受信電極4で出現する寄生静電容量との間に電荷の共有が存在する。このような状況において、受信電極4で出現する寄生静電容量は、実際上、受信電極4と送信電極2以外のものとの間に存在又は発生する全静電容量に等しい。
【0042】
キャパシタ43の静電容量に対する受信電極4の寄生静電容量の相対的な大きさは、各サイクルでどれくらいの量の電荷が喪失されるかを決定する。よって、キャパシタ43を通過する飽和電圧は、一方を受信電極4と送信電極2との間の静電容量として他方を受信電極4で出現する寄生静電容量とする比によって決定される。
【0043】
接地された又は相対的に接地された物体(ここでは指8)が送信電極2と受信電極4との近傍に導入されると、受信電極4と送信電極2との間の静電容量は電界線を遮る当該物体のために減少する。これは、受信電極4を送信電極2から遮蔽する接地された又は相対的に接地された物体8の観点から択一的又は付加的に理解されるだろう。(また、受信電極4で出現する寄生静電容量は物体8と受信電極4との間に導入される静電容量のために増加するが、この効果は送信電極4と受信電極2との間の静電容量の効果に比べて通常無視できるだろう。)よって、飽和電圧は減少する。これは、物体8の存在の測定尺度として使用されるものあり、これについては、以下、図6を更に参照しつつより詳細に説明することにする。
【0044】
図6は更に、上述の効果の結果として、交流電圧18の印加に対応して受信電極4で蓄積する(accumulate)電圧を示す。より詳細には後述することになるように、この蓄積電圧は、図2,3,及び5を参照しつつ既に説明されており、そして符号20の引用により図6にも示されている、受信電極(又はそこへの接続線)による/からのデータ信号20の出力を形成する。
【0045】
第1の回路部分141と第2の回路部分142との間の切替回路32の上述された切替のために、蓄積電圧20は半サイクル毎に極性が変化する。
【0046】
図6において、蓄積電圧20のプロットは、電界物体検出システム1の動作中における異なる状況を図式的に示す(大きさか時間スケールかのいずれかの観点においてスケールは任意)ような4つの異なる区間54,56,58,60に分割されている。
【0047】
もし、図6の左手端は、電界システム1が開始又は再開するときの交流電圧18を図式的に示すものと想定すると、その結果、蓄積電圧20の対応する第1区間54は、どのようにしてこの期間内に受信電極4の蓄積電圧20が時間に応じて増加するか(又は、厳密に言えば、受信電極4の蓄積電圧20の大きさが時間に応じて増加するか)を図式的に示すことになる、即ち、上昇信号が存在すると言える。
【0048】
上述のように、各サイクルで獲得される電荷と喪失される電荷との間にて均衡が達成されると、その結果、この増加は飽和する。飽和が達成されると、蓄積電圧20の第2区間56として図6に図式的に表されるように、受信電極4の蓄積電圧20(の大きさ)は時間に対して一定に留まる、即ち、飽和信号が存在すると言える。
【0049】
物体8が送信電極2と受信電極4との近傍に配置されると、上述のように、飽和を実現している均衡が送信電極2と受信電極4との間の静電容量の減少のためにかく乱される。図6において、蓄積電圧20の第3区間58は、どのようにして受信電極4の蓄積電圧20(の大きさ)が時間に応じて減少するかを図式的に示す、即ち、下降信号が存在すると言える。
【0050】
各サイクルで獲得される電荷と喪失される電荷との間にて均衡(この時点ではより低い電圧(の大きさ)で)が達成されると、その結果、この減少は飽和する。飽和が達成されると、蓄積電圧20の第4区間60として図6に図式的に表されるように、受信電極4の蓄積電圧20(の大きさ)は時間に対して一定に留まる、即ち、物体8の存在を表す、より低いレベルの飽和信号が存在すると言える。
【0051】
幾つかのサイクル(例えば100サイクル)に渡り飽和信号を測定すると、1サイクルのみよりも大きな測定量に達する。また、これは、平均すると他のノイズ源からの寄与分になるような度数を提供する、即ち、その回路には、有用な(帯域透過)フィルタリング作用がある。
【0052】
蓄積電圧20は、検出コントローラ12のADC24内へと直接的に送出される。ADC24は、プロセッサ12の制御の下で、インターバルに蓄積電圧20信号のレベルを読み取るように構成又は制御される。この例では、ADC24は、交流電圧18のサイクルの正の部分122の間に蓄積電圧20信号のレベルを読み取るように構成又は制御され、これによりその電圧がADC24の正しいレンジにあることを保証する。図6は更に、蓄積電圧20に応じてADC24により供給されるデジタル出力信号62を図式的に示す。実際には各区間に2つ以上のデジタル出力測定点63が存在することがあるのだが、簡単化のために、この例では、それぞれ1つのデジタル出力測定点63のみが、蓄積電圧20の区間54,56,58,60の個々のそれぞれの区間について示されている。
【0053】
図8は、処理ステップにより電界物体検出システム1の上述の動作の概略を示すフローチャートである(フローチャートの表現の便宜を付与すべく、実際には同時に起こる種々のステップが、図8では分離して示されていることに注意されたい)。
【0054】
図8を参照するに、ステップS2では、第1の交流電圧(インダクタ28とキャパシタ30とで構成される共振子により変調される交流電圧18、に該当する波形50の電圧)が、送信電極2に供給される。
【0055】
ステップS4では、第1の交流電圧と同一位相の第2の交流電圧(交流電圧18)が、受信電極4に連結された切替回路32に供給される。
【0056】
ステップS6では、送信電極2と受信電極4との間の容量結合に応じて増加する電圧を切替回路32のキャパシタ43上に供給するために、交流電圧のサイクルに従って、切替回路32を利用した電荷供給が実行される。
【0057】
ステップS8では、切替回路32のキャパシタ43上の電圧が飽和させられる。
【0058】
ステップS10では、飽和電圧が、物体8が送信電極2と受信電極4との近傍に存在するときに変化する出力として利用される。
【0059】
ステップS12では、出力20が、アナログデジタル変換器24を備える高インピーダンス読取手段中に送出される。
【0060】
異なるデジタル出力測定点63のそれぞれの大きさは、一般的処理からのデータ出力について要求されるよりも簡単な方法で、容易に処理され得る単純なデータ形式(例えば、プロセッサ22によるより高次の処理の形式)を提供する。そうしたより高次の処理は、物体検出システム1が採用されることになる特定の環境(最終用途)に応じて要求されることになる。そうしたより高次の処理では、2つ以上の受信電極からの入力を採用することがあり、1つ又は2つ以上の受信電極からの入力は、2つ以上の送信電極により供給される電界に由来することがある。複数の送信電極及び/又は複数の受信電極の使用法と要求された位置データを供給するために必要とされる種々の信号の処理の使用法とについては、当該技術分野においてよく知られており、ここでは詳細に記述しないことにする。しかしながら、本発明の新規なデータ出力(即ち、蓄積電圧20及び/又はデジタル出力信号62)が、電子製品内へのより簡単な組み込みを可能にするような、比較的単純な電子回路で処理が実行されることを可能にすることについては注意すべきである。
【0061】
ここで、そうした例の1つについて、図9を参照しつつ説明することにする。図9は、携帯電話機70を示す。携帯電話機70は、キーボード72と、マイク74と、スピーカ76と、ディスプレイ78とを備える。
【0062】
携帯電話機70は更に電界物体検出システムを備えており、当該電界物体検出システムの電界検出電極配列82が図9に図式的(スケールは任意)に示されている。この実施例において、電極配列82は1つの受信電極と2つの送信電極(受信電極の上に位置する送信電極と受信電極の下に位置する電極)とを備えている。電極配列82の近傍に指8を置いてその指8を当該電話機の上方の方向84に動かすことにより、この動きを携帯電話機70のディスプレイ78へのスクロールコマンドの入力として利用するために処理されることになる出力信号(既に上述、ただしここでは、何らかの適切な方法で分離した入力を多重送信することにより分離した出力信号(各送信電極のための出力信号))が供給される。このように、当該物体検出システムは、当該携帯電話機のためのユーザインタフェース入力部を提供する。この例において、当該電界物体検出システムの電子部品は、デジタルCMOSにより提供されており、ディスプレイ78を駆動するために利用される携帯電話機70のディスプレイドライバのチップセット中に組み入れられている。
【0063】
上記の実施例では、特定の切替回路32が、説明された電荷供給動作を実行するために利用される。電荷供給動作は、上記の実施例にて、送信電極2と受信電極4との間の静電容量と受信電極で出現する寄生静電容量との比(この比は、物体が送信電極2と受信電極4との間又は近傍に配置されたときに変化する)に応じたレベルでキャパシタ43を飽和する新規な処理を可能にするために利用される。しかしながら、他の実施例では、何らかの適切な電荷供給手段が、特定の切替回路32の代わりに採用され得る。
【0064】
例えば、切替回路32は、一般的に、図10に示された形態の切替配列に相当するものと考えられ得る(なお、図10では、図5の配列の部分と同様の参照符号が分類のために使用されている)。図10に示された切替配列では、第1のスイッチ(first switch)92と第2のスイッチ(second switch)94とが、キャパシタ43のそれぞれの面の交流電圧18を受信電極4か接地線42かのどちらかに切り替えるように構成されている。それらのスイッチは、そのキャパシタの一方の面がその受信電極に切り替えられたときにそのキャパシタの他方の面がその受信電極に切り替えられるように(逆もまた同様)、交流電圧18の極性に応じて連動的に動作する。これは、図5に示されたような切替回路32の動作に相当する。
【0065】
そして、他の実施例において、スイッチ92,94は、何らかの適切な方法で提供され得る。例えば、一般的なCMOS技術において、これらのスイッチを提供するための代わりの方法の1つに、例えばリニアテクノロジー社から入手可能なLTC1043CN(商標)として同定される部材中に提供されているいわゆる送信ゲートを使用するというものがある。
【0066】
上記の実施例では、交流電圧18は、±10Vかつ周波数100kHzの双極方形波である。他の実施例では、他の交流波形及び/又は電圧レベル及び/又は周波数が採用され得る。例えば、1kHzのようなより低い周波数を利用することにより、電力が節約され得る。これはしかしながら、応答速度又は信号レベルの損出を引き起こすことがあるが、当該損出は、順応性のある方法で周波数を変更することにより軽減され得る。もしこれが実施されるならば、共振回路(もし採用されるならば)は、異なる周波数で機能するために状況に応じて適切に順応することになるだろう。
【0067】
上記の実施例において採用された種々の回路の種々の詳細のいくつかは、上述の電荷飽和効果及び電荷均衡効果を提供するため又はこれらに寄与するために必要とされるものについては、変更され得る又は他のタイプの回路に置き換えされ得る。これは、種々の読取ステージと後続の処理ステージとを含む。
【0068】
例えば、演算増幅器(OPAMP)ステージが、受信電極と処理を実行する電子回路との間に(例えば、上述の実施例では、受信電極とADC入力との間又はADC出力とプロセッサとの間に)挿入され得る。
【0069】
別の例では、回路構造をより単純にするために、送信アセンブリ内のLC共振子が、レジスタ−キャパシタ(RC)フィルタに置き換えられ得る、又はフィルタが使用されず一切省略され得る。後者の場合には、交流電圧18は送信電極に直接的に送出される。一方で、交流電圧18がフィルタ又は共振子を経由して送信電極2に送出される場合には、送信電極における交流電圧又は波形は、交流電圧の変調形態(それにもかかわらず交流電圧18と同一位相を有する変調形態)となる。
【0070】
別の例では、ADCが比較器に置き換えられ得る、ただしこれは解像度を低下させる傾向があるだろう。より一般的には、ADCは何らかの他の適切な「読取」手段に置き換え可能であろう。好適には、何らかのそのような読取手段は、ADCや比較器の場合と同様に、高インピーダンス入力部を有する。実に、単純で比較的鈍感な高インピーダンス入力デバイスを読取手段として使用する機会は、高インピーダンス読取手段の効果的な使用を促進しない敏感な様式で電流を測定する従来の方法に対する本発明の利点を象徴するものである。しかしながら、もし読取手段が受信電極で出現する寄生静電容量よりインピーダンスが低いと、その結果、寄生静電容量が電圧の均衡を決定する傾向になるとはいえ、本発明はそのように高インピーダンス読取手段に限られるものではないことに注意すべきである。
【0071】
別の例では、プロセッサ22(又は他の実施例における同等の処理機能)が、マイクロプロセッサの形態で、又は出力データ信号を単純な方法で供給し得るようにするために、比較的単純なデジタルハードウェア(例えばゲートアレイ)の形態で提供され得る。
【0072】
本発明の利点の1つは、上記の実施例のように、回路構造の一部又は全部がCMOS技術を利用して提供されることである。しかしながら、本発明はCMOSとして提供される場合に限定されないこと、そして他の実施例では回路構造の幾つか又は全てが何らかの他の適切な技術を利用して提供され得ることを理解すべきである。
【0073】
上記の実施例では、電界物体検出システムは携帯電話機に組み入れられていた。しかしながら、本発明は、かなり多数の最終用途の機器やデバイス(例えば、ディスプレイドライバチップ、マイクロプロセッサ、オーディオドライバ、及びその他のチップセット)内に実装される。特に、本発明がCMOS技術を利用して実装される場合には、電界物体検出システムによって提供される物体検出機能が、上述の携帯電話機の実施例に加えて、ラジオ、テレビ、リモコン等のような製品に比較的低額の追加費用で追加され得る。もし、多数の送信電極と受信電極とが多重化されると、送信部/受信部の対の配列が提供され得ることになり、その結果、当該配列を3次元タッチレス(touchless)インタフェースとして使用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】電界物体検出システムの概略図(スケールは任意)である。
【図2】図1の電界物体検出システムの更なる詳細を示すブロック図である。
【図3】図1の電界物体検出システムの検出コントローラの詳細を示すブロック図である。
【図4】図1の電界物体検出システムの送信アセンブリの詳細を示す概略図である。
【図5】図1の電界物体検出システムの受信アセンブリの詳細を示す概略図である。
【図6】図1の電界物体検出システムの動作に関連する種々の波形及び信号を定量的に図示する。
【図7A】交流電圧供給のサイクルの正の部分に応じて分離的に動作する第1の回路部分を示す。
【図7B】交流電圧供給のサイクルの負の部分に応じて分離的に動作する第2の回路部分を示す。
【図8】図1の電界物体検出システムの動作の概略を示すフローチャートである。
【図9】携帯電話機を示す。
【図10】切替配列の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信電極(2)と、
受信電極(4)と、
前記受信電極(4)に連結された電荷供給回路(32)と、
前記送信電極(2)と前記電荷供給回路(32)とに連結された交流電圧源(3)と、
前記受信電極(4)に連結された出力接続線(34)とを備え、
前記電荷供給回路(32)は、前記交流電圧源(3)から前記送信電極(2)と前記電荷供給回路とに印加される交流電圧の共通のサイクルに従って電荷供給を実行するように構成されており、且、前記電荷供給回路(32)は、キャパシタ(43)として、当該キャパシタ(43)を介して形成された電圧が、前記送信電極(2)と前記受信電極(4)との間の静電容量に応じたレベルで飽和するように構成されたキャパシタ(43)を備える電界物体検出システム。
【請求項2】
更に、前記出力接続線(34)に連結された高インピーダンス読取手段(24)を備える請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記高インピーダンス読取手段は、アナログデジタル変換器(24)である請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記高インピーダンス読取手段は、比較器である請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記交流電圧源は、共振回路を介して前記送信電極(2)に連結されている請求項1乃至4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
少なくとも一部がCMOSによって構成されている請求項1乃至5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
電子製品用の制御回路であって、当該制御回路中に組み込まれた請求項1乃至6のいずれかに記載のシステムを備える電子製品用の制御回路。
【請求項8】
電界物体検出システム(1)の受信電極(4)から出力を供給する方法であって、
送信電極(2)に第1の交流電圧(50)を供給し、
前記受信電極(4)に連結された切替回路(32)に前記第1の交流電圧(50)と同一位相の第2の交流電圧(18)を供給し、
前記送信電極(2)と前記受信電極(4)との間の容量結合に応じて増加する電圧(20)を前記切替回路(32)のキャパシタ(43)上に供給するために、前記両交流電圧のサイクルに従って、前記切替回路(32)を利用した電荷供給を実行し、
前記切替回路(32)の前記キャパシタ(43)上の前記電圧(20)を飽和させ、
前記送信電極(2)と前記受信電極(4)との近傍に物体(8)が存在するときに変化する出力(20)として前記飽和電圧を利用する方法。
【請求項9】
更に、前記出力(20)を高インピーダンス読取手段(24)中に送出する請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記高インピーダンス読取手段は、アナログデジタル変換器(24)である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記高インピーダンス読取手段は、比較器である請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の交流電圧は、前記第2の交流電圧(18)と同一である請求項8乃至11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記第1の交流電圧は、共振フィルタを介して前記送信電極(2)に前記第2の交流電圧(18)を送出することで供給される請求項8乃至11のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−525635(P2006−525635A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506587(P2006−506587)
【出願日】平成16年4月28日(2004.4.28)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001426
【国際公開番号】WO2004/099964
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】