説明

物品供給装置

【課題】フランジ2bを有する物品2を、フランジの下面を支持して吊り下げた状態で搬送する物品供給装置で、物品が噛み込んだ場合に、運転を継続したままその物品を除去する。
【解決手段】回転体6の外周に円周方向等間隔で設けた物品受け部10と、回転体の外周側に配置された外周ガイド8とによって物品のフランジを支持して搬送する。外周ガイドは、シュート4の下流側に設けられエアシリンダ16によって物品を支持する前進位置と支持しない後退位置とに進退動可能な可動ガイド14と、その下流側に配置された固定ガイド18とを備えている。可動ガイドには、物品が噛み込むと揺動して逃げる揺動部24が設けられており、この揺動を噛み込み検出手段42、44によって検出し、可動ガイドを後退位置に移動させて物品を落下させる。回転体を回転させたまま噛み込んだ物品を除去できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は物品供給装置に係り、特に、パリソン等のフランジが形成された物品をロータリ式の搬送装置に供給する物品供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、首部の外周にフランジが形成されたパリソンを、吊り下げて搬送しつつ加熱してブロー成形することによりペットボトルを形成するブロー成形装置は従来から知られている(特許文献1参照)。前記のようなフランジ付きのパリソン等の物品を、フランジの下面側を支持して吊り下げた状態で搬送し、ロータリ式の搬送装置等を介してブロー成形装置に供給するようになっているが、物品を移送する過程で噛み込む等のトラブルがあった場合に、従来はブロー成形装置を停止させ、トラブルを解消した後に運転を再開している。
【0003】
ブロー成形装置を停止させると、ヒータも停止するため、運転再開時にヒータの昇温時間が必要となり、稼働率が低下するという問題があった。また、運転の停止時にブロー成形装置内に保持されている物品は、運転再開後に下流側でリジェクトしなければならず、大量の無駄がでるという問題があった。
【0004】
そこで、物品を移送機構間で受け渡す際に噛み込みが発生した場合に、その噛み込みを解消するようにした自動搬送装置が提案されている(特許文献2参照)。この特許文献2に記載された自動搬送装置は、円筒状または円柱状ワークを自重で落下させて通路の先端方向へ排出されるように立設固定された角筒状の固定ガイドと、固定ガイドの搬送方向下流側の壁面の先端に設けたエスケープガイド片と、エスケープガイド片を揺動させるアクチュエータと、エスケープガイド片の所定角度の揺動を検出するセンサと、固定ガイドの搬送方向上流側の壁面の先端に設けたロックガイド片と、エスケープガイド片とロックガイド片とを引き寄せる方向へ付勢する第2弾発部材と、エスケープガイド片を通路の内方へ付勢する第1弾発部材と、外周に所定ピッチで形成された複数の半円弧状凹溝を有し、固定シュートから落下したワークを受け入れて回転搬送する円盤状排出移動部材等を備えている。
【0005】
前記特許文献2に記載された発明の構成では、固定シュートからのワークの落下と、排出移動部材の回転のタイミングがずれて、エスケープガイド片の先端内縁と排出移動部材の凹溝の開口縁部とでワークを挟んでしまうと、排出移動部材の回転によってエスケープガイド片が押し開かれ、その動きがセンサによって検知される。このように挟み込んだ状態をセンサが検知すると、アクチュエータによってエスケープガイド片を大きく開いて、挟み込まれていたワークを開放して、対応する凹溝内に落とし込むとともに、ロックガイド片によって前記ワークの上方のワークの落下を止めるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4285727号公報
【特許文献2】特許第3472592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献2に記載した発明の構成では、固定シュートと円盤状の排出移動部材との間に挟み込まれたワークを、排出移動部材の対応する凹溝内に落とし込んでワークの挟み込みを解消するようにしている。このように噛み込んだワークを排出せずに、凹溝内に押し込むようにしているので、噛み込みを解消できない場合がある。また、ワークの供給を再開する際に、排出移動部材の回転とのタイミングを全く考慮していないので、落下するワークと排出移動部材の凹溝とのタイミングが合わずに再度噛み込んでしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、フランジが形成された物品を一列で供給する物品供給手段と、この物品供給手段の下流側に配置され、前記物品のフランジを受ける物品受け部が円周方向に設けられた回転体と、この回転体を回転させる駆動手段と、前記回転体の外周側に配置され、前記物品供給手段から供給された物品を前記物品受け部とともに支持する外周ガイドとを備え、前記回転体の物品受け部と前記外周ガイドとによって物品を吊り下げた状態で搬送する物品供給装置において、前記外周ガイドを、前記物品供給手段から物品が供給される位置の下流側に配置され、前記物品受け部とともに物品を支持する前進位置と、前記回転体から外方へ離れた後退位置とに移動可能な可動ガイドと、前進位置の可動ガイドの下流側に配置された固定ガイドとから構成するとともに、前記回転体と可動ガイドとの間に物品が噛み込んだことを検出する噛み込み検出手段と、前記可動ガイドを進退動させる進退動手段と、前記噛み込み検出手段からの信号によって可動ガイドの進退動を制御する制御手段とを設け、前記噛み込み検出手段が、回転体と可動ガイドとの間に物品が噛み込んだことを検出したときに、回転体の回転を継続しつつ、前記可動ガイドを後退させて、物品を落下させることを特徴とするものである。
【0009】
また、第2の発明は、前記第1の発明において、前記可動ガイドは、前記進退動手段によって進退動する第1可動ガイドと、物品が噛み込むことによって移動可能な第2可動ガイドとを有し、前記噛み込み検出手段は、物品の噛み込みによって第2可動ガイドが移動したことを検出することを特徴とするものである。
【0010】
さらに、第3の発明は、前記第1の発明または第2の発明において、前記物品供給手段上の物品に係合して停止させる停止位置と、係合しない退避位置とに移動可能に設けられたストッパと、前記物品受け部の回転位置を検出する回転位置検出手段とを備え、前記制御手段は、前記可動ガイドを後退位置に移動させてから前記ストッパを前進させて物品の供給を停止させるとともに、前記物品受け部が物品を受け取る位置に到達するタイミングに合わせてストッパを後退させることにより物品の供給を再開することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の物品供給装置は、回転体の回転を継続しつつ、可動ガイドを後退させて、物品を落下させるようにしているので、物品の噛み込みを確実に解消することができ、しかも、そのまま運転を継続することができるので、装置の稼働率を低下させることがない。また、第3の発明では、ストッパを退避させる際に、回転体の物品受け部が到達するタイミングに合わせて物品の供給を再開するので、再度噛み込んでしまうおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は物品供給装置の全体の配置を示す平面図である。(実施例1)
【図2】図2は物品供給装置の要部の平面図である。
【図3】図3は可動ガイドの縦断面図である。
【図4】図4は物品(パリソン)の縦断面図である。
【図5】図5は第2の実施例に係る物品供給装置の要部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
フランジが形成された物品(例えば、パリソン等の物品)のフランジの下面を支持して一列で供給するシュート等の物品供給手段と、この物品供給手段の下流側に配置され、外周部に円周方向等間隔で前記物品のフランジを受ける物品受け部が設けられた回転体と、この回転体の外周側に配置され、前記回転体の物品受け部とともに物品のフランジを支持する外周ガイドと、前記回転体を回転させる駆動手段とを備えており、物品供給手段から供給された物品を前記回転体の物品受け部が受け取って外周ガイドとともに吊り下げた状態で搬送する物品供給装置であり、特に、前記外周ガイドが、前記物品供給手段から物品が供給される位置の下流側に配置された可動ガイドと、この可動ガイドの下流側に連続して配置された固定ガイドから構成されており、可動ガイドは、前記物品受け部とともに物品を支持する前進位置と、前記回転体から外方へ離れた後退位置とに移動可能であり、進退動手段によって前記各位置に進退動される。さらに、前記回転体の物品受け部と可動ガイドとの間に物品が噛み込んだことを検出する噛み込み検出手段と、この噛み込み検出手段からの信号によって可動ガイドの進退動を制御する制御手段とを設け、前記噛み込み検出手段が、回転体の物品受け部と可動ガイドとの間に物品が噛み込んだことを検出したときに、回転体の回転を継続しつつ、制御手段の指令により、前記進退動手段によって可動ガイドを後退させて、物品を落下させるようにしたので、運転を停止することなく物品の噛み込みを解消して稼働率を向上させるという目的を達成する。
【実施例1】
【0014】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。この物品供給装置は、物品(この実施例ではペットボトルをブロー成形する際の一次成型品であるパリソン2)を一列で供給する物品供給手段としてのシュート4と、このシュート4から送り出されたパリソン2を受け取って回転搬送する回転体6と、この回転体の外周側に配置された外周ガイド8とを備えている。パリソン2は、図4に示すように、ブロー成形されてペットボトルが形成されたときに口部となるねじ部2aの下方にフランジ2bが形成されている。なお、このフランジ2bよりも下方の部分2cがブロー成形により膨張されてペットボトルの胴部が形成される。
【0015】
シュート4は、上方(図2の下方)から下方へ向けて傾斜して配置された2本の平行なレール4A、4Bを有しており、これら両レール4A、4B間にパリソン2が挿入され、前記フランジ2bの下面が両レール4A、4B上に支持されて滑り落ちるようになっている。従って、シュート4の両レール4A、4Bの間隔は、パリソン2に形成されたフランジ2bの外径よりも小さく、また、フランジ2bよりも下部側の部分2cの外径よりもやや大きくなっている。
【0016】
シュート4の出口側の先端部4a(図2の上部)の前方側に、水平面内で回転する回転体6が配置されている。この回転体6の外周部に円周方向等間隔で、複数の物品受け部10が設けられている。この物品受け部10には、回転体6が回転移動してきたときに、シュート4の先端4aに停止しているパリソン2に係合して取り出し、そのまま支持するための凹溝10aが形成されている。この凹溝10aの回転方向後方側は、パリソン2に係合するようにパリソン2の外径とほぼ同じ円弧状をしており、回転方向前方側は、パリソン2をスムーズに受け入れるために滑らかに湾曲している。
【0017】
シュート4の2本の平行なレール4A、4Bのうち、回転体6の回転方向の後方側に位置しているレール(図2の右側のレールであり、以下、第1レール4Aと呼ぶ)は、先端が物品受け部10の上方まで伸びており、その先端部に、回転体6の回転方向前方側に向けて延長部4Aaが形成されている。また、シュート4の2本のレール4A、4Bのうち回転体6の回転方向前方側のレール(図2の左側のレールであり、以下、第2レール4Bと呼ぶ)は前記第1レール4Aよりも短く、この第2レール4Bの先端4Baと前記第1レール4Aの延長部4Aaとの間に、前記パリソン2が通過可能な間隙Cが形成されている。シュート4を滑り落ちてきたパリソン2は、第1レール4Aの先端寄りの部分と、この第1レールと直交する方向へ延びる延長部4Aaとによってフランジ2bを支持されている状態の時に、回転体6の回転により移動してきた物品受け部10の凹溝10aに係合してシュート4から取り出される。
【0018】
回転体6の外周側に、前記物品受け部10とともにパリソン2のフランジ2bの下面を支持する外周ガイド8が配置されている。外周ガイド8は、物品受け部10の凹溝10aとともにパリソン2のフランジ2bを支持することができるように、回転体6の外周面との間に所定の間隔(パリソン2に形成されたフランジ2bの外径よりも小さく、また、フランジ2bよりも下部側の部分2cの外径よりもやや大きい間隔)を有して配置されている。外周ガイド8は、シュート4の先端部4aの下流側(回転体6の回転方向前方側)に連続して配置され、前述のように回転体6の物品受け部10とともにパリソン2を支持する前進位置(図2に示す位置)と、回転体6の外方側に後退してパリソン2を支持しない後退位置との間で進退動できる可動ガイド14を備えている。この実施例では、可動ガイド14は進退動用エアシリンダ16によって進退動される。但し、進退動させる手段はエアシリンダ16に限るものではなく、その他の進退動手段を用いることもできる。この可動ガイド14の下流側には、連続して固定ガイド18が配置されている。シュート4から供給され回転体6の物品受け部10に受け取られて搬送されるパリソン2は、スターホイール20(図1参照)等を介して図示しないブロー成形装置に供給されるようになっており、外周ガイド8の下流端は、パリソン2のスターホイール20への受け渡し位置A(図1参照)の手前付近まで配置されている。
【0019】
可動ガイド14は、エアシリンダ16のピストンロッド16aに連結されて進退動する進退動部22と、この進退動部22に支持され、進退動部22に対して揺動可能な揺動部24とを備えている。揺動部24は、そのほぼ中央部が進退動部22の可動ベース30上に直立した支点ピン28を介して揺動可能に支持されている。揺動部24の支点ピン28よりもシュート4寄りの部分の、内面24a(回転体6側の面)が回転体6の外周と同心円のガイド面になっている。また、進退動部22の内面には、前記揺動部24のガイド面24aの下流側に連続するガイド面22aが形成されている。可動ガイド14の可動ベース30が、前述のように進退動用エアシリンダ16のピストンロッド16aに連結されており、この進退動用エアシリンダ16の作動によって可動ガイド14(揺動部24および進退動部22)が一体的に、回転体6に向かって進退動する。なお、進退動部22が請求項2の第1可動ガイド、揺動部24が第2可動ガイドを構成している。
【0020】
可動ガイド14の可動ベース30の下面側と、揺動部24の前記ガイド面24aと逆側の端部24b(回転体6の回転方向前方側の端部)の下面側にそれぞれ、スプリング取付部材32、34が設けられ、これら両スプリング取付部材32、34間にスプリング36、38が介装されており、揺動部24の前記端部24bを回転体6から遠ざかる方向に引き付けている。スプリング36、38に引き付けられている前記逆側の端部24bは、ストッパ40によって後退限を規制されており、このストッパ40が揺動部24の位置決めをしている。可動ガイド14全体が前進位置にあるときには、通常は、回転体6の物品受け部10と揺動部24のガイド面24aとによってパリソン2のフランジ2bを下面側から受けて支持しているが、これらの間にパリソン2が噛み込んだ場合には、揺動部24のガイド面24aが押されて、逆側の端部24bがスプリング36、38に抗して回転体6に接近する方向に揺動する。
【0021】
可動ガイド14の可動ベース30上に近接センサ42が設けられ、揺動部24の上面の、近接センサ42と対応する位置に検出片44が設けられており、揺動部24が前記のように揺動すると近接センサ42によって検知される。近接センサ42からの信号は、制御装置(制御手段)46に送られ、この信号に応じて制御装置46が進退動用エアシリンダ16を作動させて、可動ガイド14(進退動部22および揺動部24)を、パリソン2のフランジ2bを支持しない後退位置に移動させる。
【0022】
シュート4の第1レール4A側の側部に、前記回転体6の物品受け部10によって取り出される先頭のパリソン2の次のパリソン2を停止させるストッパ48が設けられている。このストッパ48はシュート4に対して斜め方向に配置され、エアシリンダ50によって進退動できるようになっており、シュート4内の先頭から2番目のパリソン2の斜め前方側に進出してこのパリソン2を停止させる。回転体6には、物品受け部10の回転位置を検出する回転位置検出手段(エンコーダ)52が設けられており、この回転位置検出手段52によって物品受け部10の回転タイミングを検出し、物品受け部10がシュート4からの物品取り出し位置B(図1参照)に到達するタイミングでストッパ48を前進させる。
【0023】
以上の構成に係る物品供給装置の作動について説明する。この実施例は、ブロー成形によりペットボトルを形成するブロー成形装置に物品(パリソン2)を供給する装置であり、上部にフランジ2bが形成されたパリソン2がシュート4によって一列で供給される。通常の運転中は、進退動用エアシリンダ16によって可動ガイド14をパリソン2のフランジ2bを支持する前進位置に移動させ、また、エアシリンダ50によってストッパ48をシュート4内から退避させておく(図2に示す状態)。シュート4内を落下してきたパリソン2がその先端部4aに停止すると、回転体6の回転によって移動してきた物品受け部10の凹溝10aが前記パリソン2に係合してシュート4内から取り出す。パリソン2のフランジ2bは、回転体6側を向いた部分が物品受け部10に支持され、外側を向いた部分が外周ガイド8に支持されて回転搬送される。パリソン2は、シュート4から取り出された直後は、可動ガイド14の揺動部24上に支持され、続いて進退動部22上に支持された後、可動ガイド14の下流側に連続して設けられている固定ガイド18に乗り移って搬送される。
【0024】
また、回転体6の物品受け部10によってシュート4から取り出されたパリソン2が、この物品受け部10と可動ガイド14の揺動部24との間に噛み込んだ場合には、揺動部24のガイド面24aが回転体6の半径方向外方側に押されて、支点ピン28を中心に揺動する。揺動部24のガイド面24a側が回転体6から離れる方向に揺動するとともに、他端24b側が回転体6に接近する方向に揺動する。揺動部24がこのように揺動したことを噛み込み検出センサ42が検出し、検出信号を制御装置46に送る。このように噛み込み等の異常が発生したことを検出すると、制御装置46が進退動用エアシリンダ16を作動させて可動ガイド14全体を後退位置に移動させる。この可動ガイド14の後退によって噛み込んだパリソン2とともに、可動ガイド14によって支持されていた他のパリソン2もすべて落下する。また、可動ガイド14を後退させた後、エアシリンダ50を作動させてストッパ48を前進させ、シュート4内のパリソン2の供給を停止する。ストッパ48を前進させる際には、回転位置検出手段52によって回転体6の物品受け部10の回転タイミングを検出し、物品受け部10がパリソン2を受ける位置、つまりシュート4の先端部4aの位置に到達したタイミングでストッパ48を前進させる。タイミングを合わせずにストッパ48を前進させると、ストッパ48がパリソン2にぶつかってパリソン2を破損させるおそれがあるからである。なお、ストッパ48が前進するまでの間に供給されるパリソン2は、可動ガイド14が後退しているため、物品受け部10に保持されることなく落下して排出される。
【0025】
可動ガイド14を後退位置に移動させることにより、噛み込んだパリソン2を落下させて排出した後、再び進退動用エアシリンダ16を作動させて、可動ガイド14をパリソン2を支持可能な前進位置に移動させる。さらに、ストッパ48を後退させてシュート4からのパリソン2の供給を再開する。ストッパ48を後退させる際も、回転位置検出手段52によって回転体6の物品受け部10の回転タイミングを検出しつつ、物品受け部10がパリソン2を取り出す位置に到達するタイミングでストッパ48を後退させる。回転体6側とタイミングを合わせずにストッパ48を後退させると、物品受け部10がパリソン2を保持できず、再度噛み込みが発生するおそれがあるためである。
【実施例2】
【0026】
前記実施例では、可動ガイド14の揺動部24をスプリング36、38によって引き付けておき、ガイド面24a側から負荷がかかると、スプリング36、38に抗して揺動部24が揺動することにより噛み込みを検出するようにしているが、揺動部24が所定以上の負荷により揺動するように保持する手段はスプリング36、38に限るものではなく、図5に示すように、エアシリンダ60を用いることもできる。なお、他の部分は、前記第1実施例と同一の構成なので同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0027】
この実施例では、可動ガイド14の揺動部24のガイド面24aと逆側の端部24bを、エアシリンダ60のピストンロッドに連結し、通常はロッドが収縮する方向にコントロールされたエアを供給しておく。揺動部24のガイド面24aに所定以上の荷重がかかり揺動部24が揺動して、ピストンロッドが延びたことを検出すると、制御装置46が可動ガイド14を後退位置に移動させる。この実施例でも、スプリング36、38を用いた前記第1実施例と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0028】
2 物品(パリソン)
2b フランジ
4 物品供給手段(シュート)
6 回転体
8 外周ガイド
10 物品受け部
14 可動ガイド
16 進退動手段
42 噛み込み検出手段
46 制御手段(制御装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フランジが形成された物品を一列で供給する物品供給手段と、この物品供給手段の下流側に配置され、前記物品のフランジを受ける物品受け部が円周方向に設けられた回転体と、この回転体を回転させる駆動手段と、前記回転体の外周側に配置され、前記物品供給手段から供給された物品を前記物品受け部とともに支持する外周ガイドとを備え、前記回転体の物品受け部と前記外周ガイドとによって物品を吊り下げた状態で搬送する物品供給装置において、
前記外周ガイドを、前記物品供給手段から物品が供給される位置の下流側に配置され、前記物品受け部とともに物品を支持する前進位置と、前記回転体から外方へ離れた後退位置とに移動可能な可動ガイドと、前進位置の可動ガイドの下流側に配置された固定ガイドとから構成するとともに、前記回転体と可動ガイドとの間に物品が噛み込んだことを検出する噛み込み検出手段と、前記可動ガイドを進退動させる進退動手段と、前記噛み込み検出手段からの信号によって可動ガイドの進退動を制御する制御手段とを設け、
前記噛み込み検出手段が、回転体と可動ガイドとの間に物品が噛み込んだことを検出したときに、回転体の回転を継続しつつ、前記可動ガイドを後退させて、物品を落下させることを特徴とする物品供給装置。
【請求項2】
前記可動ガイドは、前記進退動手段によって進退動する第1可動ガイドと、物品が噛み込むことによって移動可能な第2可動ガイドとを有し、前記噛み込み検出手段は、物品の噛み込みによって第2可動ガイドが移動したことを検出することを特徴とする請求項1に記載の物品供給装置。
【請求項3】
前記物品供給手段上の物品に係合して停止させる停止位置と、係合しない退避位置とに移動可能に設けられたストッパと、前記物品受け部の回転位置を検出する回転位置検出手段とを備え、前記制御手段は、前記可動ガイドを後退位置に移動させてから前記ストッパを前進させて物品の供給を停止させるとともに、前記物品受け部が物品を受け取る位置に到達するタイミングに合わせてストッパを後退させることにより物品の供給を再開することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の物品供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−229114(P2012−229114A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100029(P2011−100029)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(594082648)株式会社フロンティア (34)
【出願人】(000253019)澁谷工業株式会社 (503)
【Fターム(参考)】