物品保管設備
【課題】棚卸し処理を的確に行うことができながらも、その処理に要する時間の短縮化を図ることが可能な物品保管設備を提供する。
【解決手段】物品収納容器Uの外周部でかつ収納部に物品収納容器Uが載置された状態において容器載置用板状体11の上方に重複する箇所に、その物品収納容器Uの識別情報を記憶するパッシブ形式のRFIDタグTが装備され、制御手段が、収納部に収納されている物品収納容器Uに装備されたRFIDタグTの識別情報をRFIDリーダDにて読み取る棚卸し処理が指令されると、物品載置体8を掬い用高さにて突出状態に突出させ、次に、掬い用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さB3に物品載置体8を上昇させ、その後、物品載置体8を掬い用高さに下降させて引退状態に引退させるべく、搬送手段の作動を制御する読取用作動処理を実行するように構成されている。
【解決手段】物品収納容器Uの外周部でかつ収納部に物品収納容器Uが載置された状態において容器載置用板状体11の上方に重複する箇所に、その物品収納容器Uの識別情報を記憶するパッシブ形式のRFIDタグTが装備され、制御手段が、収納部に収納されている物品収納容器Uに装備されたRFIDタグTの識別情報をRFIDリーダDにて読み取る棚卸し処理が指令されると、物品載置体8を掬い用高さにて突出状態に突出させ、次に、掬い用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さB3に物品載置体8を上昇させ、その後、物品載置体8を掬い用高さに下降させて引退状態に引退させるべく、搬送手段の作動を制御する読取用作動処理を実行するように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品収納容器を載置支持する複数の収納部が並設された保管部と、前記保管部の前面側の物品搬送用空間内を前記収納部の並び方向に沿って移動自在で且つ前記物品収納容器を前記収納部に対して移載すべく作動自在な移載手段を備える搬送手段と、前記搬送手段の作動を制御する制御手段とが設けられ、前記移載手段が、前記物品搬送用空間内に位置する引退状態と前記収納部内に突出する突出状態とに出退駆動自在で且つ昇降駆動自在な物品載置体にて、前記収納部に載置されている物品収納容器を取り出す掬い処理、及び、前記物品載置体にて載置した物品収納容器を前記収納部に収納する降ろし処理を行うように構成され、前記収納部が、前記突出状態の前記物品載置体が上下に通過自在な載置体通過用開口を備える金属製の容器載置用板状体にて構成され、前記制御手段が、前記掬い処理を行うときには、前記容器載置用板状体よりも設定量低い掬い用高さにて前記物品載置体を前記突出状態に突出させ、次に、前記掬い用高さよりも掬い用上昇量だけ高い掬い用目標高さに前記物品載置体を上昇させ、その後、前記物品載置体を前記引退状態に引退させるべく、前記搬送手段の作動を制御するように構成されている物品保管設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる物品保管設備は、搬送手段が備える移載手段を、保管部の前面側の物品搬送用空間内を収納部の並び方向に沿って移動させることにより移載対象の収納部に移動させ、そして、移載手段を構成する物品載置体にて、その収納部に収納した物品収納容器を取り出す掬い処理や、物品収納容器を収納部に収納する降ろし処理を行わせるようにしたものであり、物品収納容器としては、種々の物品を収納するコンテナ及びバケットや、基板を収納するFOUPが存在する。
【0003】
尚、掬い処理にて取り出された物品収納容器は、一般には、保管部に対する物品搬出入部に搬送されることになるが、別の収納部に搬送される場合もある。また、降ろし処理にて収納部に収納される物品収納容器は、一般には、保管部に対する物品搬出入部から搬送されることになるが、別の収納部から取り出される場合もある。
【0004】
ちなみに、物品載置体にて掬い処理を行うときには、制御手段が、収納部を構成する容器載置用板状体よりも設定量低い掬い用高さにて物品載置体を収納部内に突出する突出状態に突出させ、次に、掬い用高さよりも掬い用上昇量だけ高い掬い用目標高さに物品載置体を上昇させ、その後、物品載置体を前記引退状態に引退させるべく、搬送手段の作動を制御することになるが、掬い用高さは、突出状態に突出される物品載置体が収納部を構成する容器載置用板状体に接触しない高さとなるように定められ、同様に、掬い用目標高さは、引退状態に引退する物品載置体が収納部を構成する容器載置用板状体に接触しない高さとなるように定められることになる。
【0005】
このような物品保管設備においては、収納部に収納されている物品収納容器を確認する棚卸し処理を行う必要があり、そのために、物品収納容器の識別情報を示すタグを物品収納容器に装備させて、そのタグの識別情報を読み取ることにより棚卸し処理を行うようにすることがある。
このような棚卸し処理を行う従来例として、搬送手段としてのスタッカークレーンが備えられた物品保管設備において、識別情報を示すタグとしての、バーコードラベルが物品収納容器に装備され、タグの識別情報を読み取るリーダとしての、バーコードリーダが、物品載置体としてのフォークを備えた昇降台に設けられ、そして、搬送手段の作動を制御する制御手段が、棚卸し処理が指令されると、棚卸し対象の収納部に収納された物品収納容器を掬い処理により昇降台に取り出し、物品収納容器に装備したバーコードラベルをバーコードリーダにて読み取り、その後、降ろし処理により物品収納容器を収納部に収納するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
また、別の従来例として、搬送手段としてのスタッカークレーンが備えられた物品保管設備において、識別情報を示すタグとしての、RFIDタグが物品収納容器に装備され、タグの識別情報を読み取るリーダとしての、RFIDリーダが、昇降台に設けられ、そして、搬送手段の作動を制御する制御手段が、棚卸し処理が指令されると、収納部に収納された収納容器を昇降台に取り出して、物品収納容器に装備されたRFIDタグをRFIDリーダにて読み取り、その後、降ろし処理により物品収納容器を収納部に収納するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
尚、識別情報を示すタグとしてのバーコードラベルは、汚損し易い虞があり、また、バーコードリーダにて読み取るには、バーコードラベルとバーコードリーダとを読み取りに適した位置に正確に位置決めする必要があり、結果として、バーコードラベルとバーコードリーダとを用いる場合は、読み取り不良のために、棚卸し処理を良好に行い難いものとなる虞がある。
これに対して、RFIDリーダとRFIDタグとを用いる場合は、識別情報を示すタグとしてのRFIDタグが、汚損により読み取り不良を起こすことがなく、また、RFIDリーダとRFIDタグとの位置関係が多少変動しても、RFIDリーダによりRFIDタグを読み取ることができるため、棚卸し処理を良好に行い易いものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平5−105204号公報
【特許文献2】国際公開第2006/059675号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の物品保管設備においては、棚卸し処理が、収納部に収納されている物品収納容器を昇降台に取出し、その後、取り出した物品収納容器を収納部に収納することによって行われるものとなり、物品収納容器を一旦昇降台に取り出さねばならないことに起因して、棚卸し処理の処理時間が長くなる不都合があった、
ちなみに、棚卸し処理は、通常、複数の収納部の夫々に移載手段を移動させるようにしながら、全ての収納部に収納されている物品収納容器を確認することになるため、各収納部の夫々において収納されている物品収納容器を昇降台に取り出し、その後、取り出した物品収納容器を収納部に収納させるようにすると、全ての収納部について棚卸し処理を行う時間は、多大な時間を要するものとなる。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであって、棚卸し処理を的確に行うことができながらも、その処理に要する時間の短縮化を図ることが可能な物品保管設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の物品保管設備の第1特徴構成は、物品収納容器を載置支持する複数の収納部が並設された保管部と、前記保管部の前面側の物品搬送用空間内を前記収納部の並び方向に沿って移動自在で且つ前記物品収納容器を前記収納部に対して移載すべく作動自在な移載手段を備える搬送手段と、前記搬送手段の作動を制御する制御手段とが設けられ、
前記移載手段が、前記物品搬送用空間内に位置する引退状態と前記収納部内に突出する突出状態とに出退駆動自在で且つ昇降駆動自在な物品載置体にて、前記収納部に載置されている物品収納容器を取り出す掬い処理、及び、前記物品載置体にて載置した物品収納容器を前記収納部に収納する降ろし処理を行うように構成され、
前記収納部が、前記突出状態の前記物品載置体が上下に通過自在な載置体通過用開口を備える金属製の容器載置用板状体にて構成され、
前記制御手段が、前記掬い処理を行うときには、前記容器載置用板状体よりも設定量低い掬い用高さにて前記物品載置体を前記突出状態に突出させ、次に、前記掬い用高さよりも掬い用上昇量だけ高い掬い用目標高さに前記物品載置体を上昇させ、その後、前記物品載置体を前記引退状態に引退させるべく、前記搬送手段の作動を制御するように構成されたものであって、
前記物品収納容器の外周部でかつ前記収納部に前記物品収納容器が載置された状態において前記容器載置用板状体の上方に重複する箇所に、その物品収納容器の識別情報を記憶するパッシブ形式のRFIDタグが装備され、
前記物品載置体に、前記RFIDタグが記憶している前記識別情報を読み取るRFIDリーダが装備され、
前記制御手段が、前記収納部に収納されている前記物品収納容器に装備された前記RFIDタグの識別情報を前記RFIDリーダにて読み取る棚卸し処理が指令されると、前記物品載置体を前記掬い用高さにて前記突出状態に突出させ、次に、前記掬い用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに前記物品載置体を上昇させ、その後、前記物品載置体を前記掬い用高さに下降させて前記引退状態に引退させるべく、前記物品載置体の作動を制御する読取用作動処理を実行するように構成されている点を特徴とする。
【0012】
すなわち、物品収納容器の外周部でかつ収納部に物品収納容器が載置された状態において容器載置用板状体の上方に重複する箇所に、その物品収納容器の識別情報を記憶するパッシブ形式のRFIDタグが装備され、物品載置体に、RFIDタグが記憶している識別情報を読み取るRFIDリーダが装備されている。
そして、収納部に収納されている物品収納容器に装備したパッシブ形式のRFIDタグが記憶している識別情報を、RFIDリーダにて読み取るときには、物品載置体を収納部内に突出させかつ昇降させるようにする。
【0013】
具体的には、制御手段が、収納部に収納されている物品収納容器に装備されたRFIDタグの識別情報をRFIDリーダにて読み取る棚卸し処理が指令されると、物品載置体を掬い用高さにて突出状態に突出させ、次に、掬い用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに物品載置体を上昇させ、その後、物品載置体を掬い用高さに下降させて引退状態に引退させるべく、搬送手段の作動を制御する読取用作動処理を実行して、物品載置体に装備したRFIDリーダにて、物品収納容器に装備したRFIDタグが記憶している識別情報を読み取ることになる。
【0014】
このように棚卸し処理を行うときには、物品載置体を掬い用高さにて突出状態に突出させ、次に、掬い用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに物品載置体を上昇させ、その後、物品載置体を掬い用高さに下降させて引退状態に引退させることを行うものであるから、収納部に収納されている物品収納容器を収納部から取り出して、再び収納する手間を掛けることなく、物品収容容器を収納部に位置させた状態のままで棚卸し処理を行えるものとなるため、棚卸し処理に要する時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0015】
また、棚卸し処理のために、物品載置体に装備したRFIDリーダにて、物品収納容器に装備したRFIDタグが記憶している識別情報を読み取るときには、物品載置体を掬い用高さにて突出状態に突出させることに加えて、物品載置体を掬い用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに上昇させるものであるから、収納部を構成する金属製の容器載置用板状体により、RFIDリーダから送信される電波が遮断される影響や、RFIDタグからRFIDリーダに返信される電波が遮断される影響を回避して、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を的確に読み取ることができるものとなる。
【0016】
説明を加えると、物品載置体を掬い用高さにて突出状態に突出させたときには、物品載置体に装備したRFIDリーダと物品収納容器に装備したRFIDタグとが、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を読み取ることができる領域内に位置することになるものの、RFIDリーダとRFIDタグとの間に、収納部を構成する容器載置用板状体が位置することになるため、その容器載置用板状体にて、RFIDリーダから送信される電波やRFIDタグから返信される電波が遮断される影響により、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を的確に読み取ることができない虞があるが、物品載置体を掬い用高さにて突出状態に突出させることに加えて、物品載置体を掬い用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに上昇させることにより、RFIDリーダから送信される電波やRFIDタグから返信される電波が、容器載置用板状体にて遮断される影響を回避して、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を的確に読み取ることができるものとなる。
【0017】
つまり、パッシブ形式のRFIDタグは、電源を備えさせないものであるため、小型で安価であるものの、そのRFIDタグが記憶している識別情報をRFIDリーダにて読み取るためには、RFIDタグとRFIDリーダとを近づけ、且つ、それらの間に電波を遮蔽する物体が存在しないようにする必要があるが、上述の如く、物品載置体を掬い用高さにて突出状態に突出させることに加えて、物品載置体を掬い用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに上昇させることにより、RFIDリーダから送信される電波やRFIDタグから返信される電波が容器載置用板状体にて遮断される影響を回避して、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を的確に読み取ることができるものとなる。
【0018】
ちなみに、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を読み取るにあたり、RFIDリーダから送信される電波やRFIDタグから返信される電波を、物品収納容器自体が遮蔽することもある。つまり、物品収納容器は、一般に合成樹脂にて形成されているため、電波は物品収納容器をある程度は透過するものであるが、物品収納容器が電波を遮蔽する影響により、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を読み取り難いことがある。
このような場合、物品載置体を掬い用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに上昇させることにより、物品収納容器を収納部の容器載置用板状体から浮上させるようにすれば、物品収納容器と収納部の容器載置用板状体との間に、電波が通過する空間を形成できるものとなって、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を的確に読み取ることができるものとなる。
【0019】
尚、物品収納容器を収納部の容器載置用板状体に載置した状態において、物品収納容器の底部に脚部が形成されている等により、物品収納容器と収納部の容器載置用板状体との間に電波が通過する空間が存在する場合や物品収納容器が電波の透過性が高いものである場合であれば、物品載置体を掬い用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに上昇させることにより、物品収納容器を収納部の容器載置用板状体から浮上させないものの、RFIDリーダを、上昇させるようにすれば、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を読み取ることが可能となるものであり、物品収納容器と収納部の容器載置用板状体との間に電波が通過する空間が存在する場合や品収納容器が電波の透過性が高いものである場合であれば、必ずしも、物品収納容器を収納部の容器載置用板状体から浮上させる必要はない。
【0020】
したがって、本発明の第1特徴構成によれば、棚卸し処理を的確に行うことができながらも、その処理に要する時間の短縮化を図ることが可能な物品保管設備を提供するに至った。
【0021】
本発明の物品保管設備における第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記読取用上昇量が、前記掬い用上昇量よりも小さく設定されている点を特徴とする。
【0022】
すなわち、棚卸し処理のための読取用作動処理において、物品載置体を掬い用高さにて突出状態に突出させることに加えて、物品載置体を掬い用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに上昇させるにあたり、その読取用上昇量が、物品収納容器を収納部から取り出す掬い処理を行うときの掬い用上昇量よりも小さく設定されているから、棚卸し処理のための読取用作動処理において、物品載置体を掬い用高さから上昇させる量が少なくなるため、棚卸し処理に要する時間の一層の短縮化を図ることができるものとなる。
【0023】
つまり、読取用上昇量が、物品収納容器を収納部から取り出す掬い処理を行うときの掬い用上昇量よりも小さく設定されても、物品載置体を掬い用高さから上昇させることにより、RFIDリーダから送信される電波やRFIDタグから返信される電波が容器載置用板状体にて遮断される影響を少なくして、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を的確に読み取ることができるものとなるのである。
【0024】
ちなみに、RFIDリーダから送信される電波やRFIDタグから返信される電波が、物品収納容器にて遮蔽されることにより、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を読み取り難い場合においては、読取用上昇量を、物品収納容器を収納部から取り出す掬い処理を行うときの掬い用上昇量よりも小さいものの、物品収納容器を収納部の容器載置用板状体から浮上させることができる上昇量に設定すれば、物品収納容器と収納部の容器載置用板状体との間に、電波が通過する空間を形成して、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を的確に読み取ることができるものとなる。
【0025】
また、物品収納容器を収納部の容器載置用板状体に載置した状態において、物品収納容器の底部に脚部が形成されている等により、物品収納容器と収納部の容器載置用板状体との間に電波が通過する空間が存在する場合であれば、読取用上昇量を、物品収納容器を収納部の容器載置用板状体から浮上させないものの、RFIDリーダを、送信する電波が物品収納容器と収納部の容器載置用板状体との間の空間を通して通過し易い高さに位置させることができる上昇量に設定すれば、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を的確に読み取ることができるものとなるのである。
【0026】
したがって、本発明の第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成による作用効果に加えて、棚卸し処理に要する時間の一層の短縮化を図ることが可能となる物品保管設備を提供するに至った。
【0027】
本発明の物品保管設備における第3特徴構成は、上記第2特徴構成に加えて、
前記載置体通過用開口が、前記突出状態の前記物品載置体の先端の外周縁に沿った形状に形成され、
前記容器載置用板状体に、前記載置体通過用開口に連なり、且つ、前記物品収納容器が前記収納部に載置された状態において前記RFIDタグが存在する側に向けて凹入する切欠きが形成されている点を特徴とする。
【0028】
すなわち、収納部の容器載置用板状体に形成される載置体通過用開口が、突出状態の物品載置体の先端の外周縁に沿った形状に形成されるものであるから、載置体通過用開口として、突出状態の物品載置体の先端の外周縁よりも十分に大きな開口となるように形成する場合に比べて、物品収納容器の支持を適切に行うべく、容器載置用板状体の強度を上昇させることができるものとなる。
【0029】
そして、容器載置用板状体には、載置体通過用開口に連なり、且つ、物品収納容器が収納部に載置された状態においてRFIDタグが存在する側に向けて凹入する切欠きが形成されているから、その切欠きが、RFIDリーダから送信される電波を通過させることや、RFIDタグから返信される電波を通過させることに役立つものとなるため、容器載置用板状体に形成される載置体通過用開口を、突出状態の物品載置体の先端の外周縁に沿った形状に形成するものでありながらも、物品載置体を掬い用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに上昇させるにあたり、その読取用上昇量を極力小さくして、棚卸し処理に要する時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0030】
ちなみに、容器載置用板状体に形成する切欠を、幅広で且つRFIDタグが存在する側に大きく入り込む大きな切欠きとして、物品載置体を掬い用高さにて突出状態に突出させるだけで、RFIDリーダにてRFIDタグの識別情報を読み取るようにすることが考えられるが、この場合、容器載置用板状体の強度が、大きな切欠きの形成のために低下するものとなり、実用し難いものとなる。
【0031】
したがって、本発明の第3特徴構成によれば、第2特徴構成による作用効果に加えて、容器載置用板状体の強度を上昇させながら、棚卸し処理に要する時間の短縮化を図ることが可能となる物品保管設備を提供するに至った。
【0032】
本発明の物品保管設備における第4特徴構成は、上記第1特徴構成〜第3特徴構成のいずれかに加えて、
前記制御手段が、前記読取用作動処理において、前記物品載置体を前記掬い用高さにて前記突出状態に突出させたのち、前記掬い用高さから前記読取用目標高さに上昇させるときには、前記RFIDリーダによる前記RFIDタグの識別情報の読み取りを開始させ、且つ、前記掬い用高さから前記読取用目標高さに上昇させる途中において、前記RFIDリーダによる前記RFIDタグの識別情報の読み取りが完了すると、前記物品載置体の上昇を停止させて、前記物品載置体を前記掬い用高さに下降させて前記引退状態に引退させるように構成されている点を特徴とする。
【0033】
すなわち、棚卸し処理のために読取作動処理を行うときに、物品載置体を掬い用高さにて突出状態に突出させたのち、掬い用高さから読取用目標高さに上昇させるときには、RFIDリーダによるRFIDタグの識別情報の読み取りを開始させることになる。
そして、掬い用高さから読取用目標高さに上昇させる途中において、RFIDリーダによるRFIDタグの識別情報の読み取りが完了すると、読取用目標高さに上昇していなくても、物品載置体の上昇を停止させて、物品載置体を掬い用高さに下降させて引退状態に引退させることになる。
【0034】
つまり、物品載置体を上昇させる読取用目標高さは、物品収納容器が収納部に収納されたときの状態が多少変化する等、条件が変化しても、RFIDリーダにてRFIDタグの識別情報を確実に読み取ることができる高さとなるように、実験等により求めて設定されることになるが、RFIDリーダによるRFIDタグの識別情報の読み取りは、物品載置体を読取用目標高さに上昇させなければ行えないというものではなく、例えば、物品収容容器が読み取りに適した状態で収納部に収納される等の理由により、物品載置体を読取用目標高さに上昇させる途中においても行える場合がある。
【0035】
そこで、掬い用高さから読取用目標高さに上昇させる途中において、RFIDリーダによるRFIDタグの識別情報の読み取りが完了すると、読取用目標高さに上昇していなくても、物品載置体の上昇を停止させて、物品載置体を掬い用高さに下降させて引退状態に引退させることにより、物品載置体を読取用目標高さに必ず上昇させるようにするのに比べて、棚卸し処理に要する時間を一層短縮させることができる。
【0036】
したがって、本発明の第4特徴構成によれば、第1特徴構成〜第3特徴構成による作用効果に加えて、棚卸し処理に要する時間を一層短縮させることができる物品保管設備を提供するに至った。
【0037】
本発明における物品保管設備における第5特徴構成は、上記第1特徴構成〜第4特徴構成のいずれかに加えて、
前記物品収納容器が、基板を収納するFOUPであり、前記RFIDタグが、前記FOUPにおける前記物品載置体に載置された状態において背部に相当する箇所に装備され、
前記容器載置用板状体に、前記FOUPの底面部に形成した位置決め用凹部に係合する位置決めピンが立設されている点を特徴とする。
【0038】
すなわち、物品収納容器が、基板を収納するFOUPである場合には、SEMIスタンダードに準拠して、RFIDタグが、FOUPにおける物品載置体に載置された状態において背部に相当する箇所に装備されることになる。
そして、FOUPを収納部における容器載置用板状体に載置する形態としては、容器載置用板状体に、FOUPの底面部に形成した位置決め用凹部に係合する位置決めピンが立設されて、FOUPを容器載置用板状体に立設された位置決めピンにて水平方向での位置決めをした状態で、容器載置用板状体にFOUPを載置することになる。
【0039】
このように、物品収納容器がFOUPである場合には、RFIDタグが、FOUPにおける物品載置体に載置された状態において背部に相当する箇所に装備されることになるため、物品載置体を掬い用高さで収納部内に突出させるだけでは、容器載置用板状体が電波の通過を遮断することにより、物品載置体の下面側箇所に装備されるRFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を読み取ることができないものとなるが、読取用作動処理を実行することによって、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を読み取ることができるものとなるのである。
【0040】
ちなみに、容器載置用板状体に立設された位置決めピンにて水平方向での位置を位置決めする形態で容器載置用板状体にFOUPを載置した状態においては、FOUPの底面部に形成した位置決め用凹部に位置決めピンを係合させる必要上、FOUPは容器載置用板状体の上面からは少し浮いた状態となるものである。
【0041】
したがって、読取作動処理において物品載置体を掬い用高さから読取用目標高さに上昇させるにあたり、FOUPを物品載置体から浮上した状態となるまで、物品載置体を上昇させる必要がない場合があり、また、FOUPを物品載置体から浮上した状態となるまで物品載置体を上昇させる必要がある場合にも、FOUPを物品載置体から浮上させる量が小さな量となる状態で、物品載置体を上昇させれば良いことになる。
特に、第3特徴構成における切欠きが容器載置用板状体に形成される場合には、物品載置体を掬い用高さから読取用目標高さに上昇させる読取用上昇量を小さくできるものとなる。
【0042】
したがって、本発明の第5特徴構成によれば、第1特徴構成〜第4特徴構成による作用効果に加えて、基板を収納するFOUPについての棚卸し処理を良好に行える物品保管設備を提供するに至った。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】物品保管設備の一部切欠き正面図
【図2】同設備の一部切欠き平面図
【図3】移載手段の平面図
【図4】移載手段の背面図
【図5】収納部及び物品載置体の斜視図
【図6】突出状態の物品載置体の平面図
【図7】掬い用高さでの物品載置体の突出状態の側面図
【図8】掬い用目標高さでの物品載置体の突出状態の側面図
【図9】読取用目標高さでの物品載置体の突出状態の側面図
【図10】制御構成を示すブロック図
【図11】制御作動を示すフローチャート
【図12】制御作動を示すフローチャート
【図13】制御作動を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明の物品保管設備の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0045】
図1及び図2に示すように、前後一対の保管部Aを備える保管棚1が設けられ、一対の保管部Aの前面側、つまり一対の保管部Aの間の物品搬送用空間Fには、搬送手段としてのスタッカークレーンKが配設され、そのスタッカークレーンKの作動を制御する制御手段としての制御部H(図10参照)が設けられて、物品保管設備が構成されている。
尚、保管棚1は、外周部が壁体にて覆われるように構成されている。
【0046】
一対の保管部Aの夫々は、物品収納容器としての、基板を収納するFOUP(以下、容器と略称する)Uを載置支持する複数の収納部Sが縦横に並設され、且つ、一対の保管部Aの一方側の一部に、容器Uを外部から搬入しかつ外部に搬出する搬出入部1Aが設けられている。
そして、制御部Hが、一対の保管部Aの各収納部Sと搬出入部1Aとの間で容器Aを搬送すること、つまり、物品搬出入部1Aに搬入された容器Uを収納部Sに収納する入庫処理、及び、収納部Sに収納された容器Uを物品搬出入部1Aに取り出す出庫処理を行うように、スタッカークレーンKの作動を制御するように構成されている。
【0047】
また、制御手段Hが、入庫処理及び出庫処理に加えて、後述の如く、複数の収納部Sに収納されている容器Uの識別情報を読み取る棚卸し処理を行うように、スタッカークレーンKの作動を制御するように構成されている。
尚、制御手段Hは、収納部Sに収納されている容器Uを他の収納部Sに搬送すること、つまり、容器Uの収納位置を変更する収納位置変更処理を行うように、スタッカークレーンKの作動を制御することもあるが、本実施形態においては、収納位置変更処理についての説明は省略する。
【0048】
容器U、つまり、FOUP(Front Opening Unified Pod)は、SEMI(Semiconductor Equipment and Materials Institute)規格に準拠した合成樹脂製の密封容器であり、基板としての半導体ウエハーを収納するために用いられる。そして、詳細な説明は省略するが、容器Uの前面には、着脱自在な蓋にて開閉される基板出入用の開口が形成され、容器Uの上面には、ホイスト式の搬送手段により把持されるトップフランジが形成され、そして、容器Uの底面には、図3及び図6に示すように、位置決めピンP、Q(図5参照)が係合する3つの係合溝Nが形成されている。
【0049】
容器Uの底面に形成される3つの係合溝Nのうちのひとつは、容器Uの背部側でかつ横幅方向の中央部に、その長手方向が前後方向を向く状態で形成され、残りの二つは、容器Uの前方側でかつ左右両横側部に、その長手方向が容器Uの中央側箇所を向く状態で形成されている。そして、3つの係合溝Nの夫々は、縦断面形状が奥側(上側)ほど幅狭となる状態に形成されている。
【0050】
スタッカークレーンKは、床面側の走行レール2に沿って往復走行自在な走行台車3、その走行台車3から立設されかつ上部が天井側の案内レール4にて案内されるポスト5、そのポスト5に沿って案内されながら昇降駆動される昇降台6、及び、その昇降台6に装備された移載手段Rを備えている。
【0051】
移載手段Rは、走行台車3の走行、及び、昇降台6の昇降により、物品搬送用空間F内を収納部Sの並び方向に沿って、つまり、保管部Aの横幅方向並びに上下方向に沿って移動し且つ容器Uを収納部Sに対して移載すべく作動するように構成されている。
また、移載手段Rは、物品搬送用空間F内に引退する引退状態と収納部S内に突出する突出状態とに出退駆動自在で昇降駆動自在なアルミニウム製の物品載置体8にて、収納部Sに載置されている容器Uを取り出す掬い処理、及び、物品載置体8にて載置した容器Uを収納部Sに収納する降ろし処理を行うように構成されている。
ちなみに、移載手段Rは、物品搬出入部1Aに対しても、掬い処理及び降ろし処理を行うことになる。
【0052】
そして、移載手段Rは、掬い処理や降ろし処理を行うときには、走行台車3の走行により、移載対象の収納部Sや物品搬出入部1Aに対して、その横幅方向における設定移載用位置に位置するように移動されることになり、また、掬い処理においては、図7に示すように、物品載置体8を移載対象の収納部Sや物品搬出入部1Aに対して、掬い用高さB1に位置させ、かつ、降ろし処理においては、図8に示すように、物品載置体8を移載対象の収納部Sや物品搬出入部1Aに対して、降ろし用高さC1に位置させるように、昇降台6の昇降により移動されることになる。
【0053】
つまり、物品搬出入部1Aに搬入された容器Uを収納部Sに収納する入庫処理においては、先ず、移載手段Rが物品搬出入部1Aに対する設定移載用位置に移動され且つ物品載置体8が掬い用高さB1に位置されて、その状態において、掬い処理が行われ、次に、移載手段Rが容器Uを収納する収納部Sに対する設定移載用位置に移動され且つ物品載置体8が降ろし用高さC1に位置されて、その状態において、降ろし処理が行われる。
同様に、収納部Sに収納された容器Uを物品搬出入部1Aに取り出す出庫処理においては、先ず、移載手段Rが出庫対象の容器Uを収納する収納部Sに対する設定移載用位置に移動され且つ物品載置体8が掬い用高さB1に位置されて、その状態において、掬い処理が行われ、次に、移載手段Rが物品搬出入部1Aに対する設定移載用位置に移動され且つ物品載置体8が降ろし用高さC1に位置されて、その状態において、降ろし処理が行われることになる。
【0054】
物品搬出入部1Aは、本実施形態においては、左右に並ぶ3つの容器載置部を備えるように構成されており、制御手段Hは、入庫処理や出庫処理を実行する際には、3つの容器載置部を選択して、スタッカークレーンK及び移載手段Rの作動を制御することになる。
【0055】
移載手段Rについて説明を加えると、図3及び図4に示すように、昇降台6に対して縦軸心周りで旋回される旋回台9にスカラーアーム10が取り付けられ、スカラーアーム10の先端に、物品載置体8が取り付けられている。
スカラーアーム10は、縦軸心周りで揺動自在に旋回台9に取り付けた第1アーム10Aと、その第1アーム10Aの先端に縦軸心周りで揺動自在に取り付けた第2アーム10Bとから構成され、物品載置体8が、第2アーム10Bの先端部に、縦軸心周り揺動自在に設けられている。
【0056】
そして、スカラーアーム10の屈伸作動により、物品載置体8が突出状態と引退状態とに出退操作されるように構成されている。
つまり、スカラーアーム10における第1アーム10Aが旋回台9に対して揺動されると、その揺動に連動して、第2アーム10Bが第1アーム10Aに対して揺動し、かつ、物品載置体8が第2アーム10Bに対して揺動するように、第1アーム10A、第2アーム10B及び物品載置体8を連動させる連動手段が、第1アーム10A及び第2アーム10Bの内部に装備されており、第1アーム10Aが旋回台9に対して正逆に揺動されることにより、物品載置体8が突出状態と引退状態とに操作されるように構成されている。
【0057】
また、旋回台9の旋回作動により、物品載置体8が一対の保管部Aのうちの一方側に向けて突出する形態と他方側に向けて突出する形態とに切換えることができるように構成されている。
【0058】
図5及び図6に示すように、保管部Aの収納部S及び物品搬出入部1Aの3つの容器載置部が、突出状態の物品載置体8が上下に通過可能な載置体通過用開口Wを備える金属製の容器載置用板状体11にて構成されている。
つまり、移載手段Rを構成する物品載置体8の先端部が、台形状に形成され、容器載置用板状体11に形成される載置体通過用開口Wが、突出状態の物品載置体8の先端の外周縁に沿った台形状に形成されている。
また、本実施形態においては、容器載置用板状体11が、金属として、ステンレスを用いて構成されている。
尚、ステンレスは、物品載置体8を構成するアルミニウムよりも、強磁性体である。
【0059】
物品載置体8及び容器載置用板状体11には、図5に明示する如く、容器Uの底面に形成した3つの係合溝Nに係合する、上述した位置決めピンP、Qが立設されており、物品載置体8が、位置決めピンPにて位置決めし状態で、容器Uを載置支持するように構成され、また、容器載置用板状体11が、位置決めピンQにて位置決めした状態で容器Uを載置支持するように構成されている。
尚、物品載置体8に立設した位置決めピンPが、容器載置用板状体11に立設した位置決めピンQよりも、係合溝Nにおける容器中央側に係合することになるため、両位置決めピンP、Qが、容器Uの係合溝Nに同時に係合できることになる。
【0060】
また、物品載置体8が、位置決めピンPにて位置決めして容器Uを載置支持した状態、つまり、位置決めピンPが容器Uの係合溝Nに係合した状態においては、容器Uは物品載置体8に対して浮上して、容器Uの底部と物品載置体8の上面との間には隙間(例えば、1〜2mm程度)が存在することになり、同様に、容器載置用板状体11が、位置決めピンQにて位置決めして容器Uを載置支持した状態、つまり、位置決めピンQが容器Uの係合溝Nに係合した状態においては、容器Uは物品載置体8及び容器載置用板状体11に対して浮上して、容器Uの底部と容器載置用板状体11の上面との間には隙間(例えば、1〜2mm程度)が存在することになる。
【0061】
収納部Sが容器載置用板状体11にて容器Uを載置するように構成されるものであるため、移載手段Rによる掬い処理における上述した掬い用高さB1が、容器載置用板状体11の上面よりも設定量J1(例えば、19mm程度)だけ低い高さに設定されている。
そして、制御手段Hが、掬い処理として、図7に示すように、容器載置用板状体11よりも設定量低い掬い用高さB1にて物品載置体8を突出状態に突出させ、次に、図8に示すように、掬い用高さB1よりも掬い用上昇量だけ高い掬い用目標高さB2に物品載置体8を上昇させ、その後、物品載置体8を引退状態に引退させるべく、スタッカークレーンKの作動を制御するように構成されている。
上述の掬い用目標高さB2は、容器載置用板状体11の上面よりも設定量J2(例えば、26mm程度)だけ高い高さに設定されており、したがって、掬い用上昇量は、45mm程度となる。
【0062】
また、収納部Sが容器載置用板状体11にて容器Uを載置するように構成されるものであるため、移載手段Rによる降ろし処理における上述した降ろし用高さC1が、容器載置用板状体11の上面よりも設定量(例えば、26mm程度)だけ高い高さに設定されている。
そして、制御手段Hが、降ろし処理として、容器載置用板状体11よりも設定量高い降ろし用高さC1にて物品載置体8を突出状態に突出させ(図8参照)、次に、降ろし用高さC1よりも降ろし用下降量だけ低い降ろし用目標高さC2に物品載置体8を下降させ(図7参照)、その後、物品載置体8を引退状態に引退させるべくスタッカークレーンKの作動を制御するように構成されている。
上述の降ろし用目標高さC2は、容器載置用板状体11の上面よりも設定量(例えば、19mm程度)だけ低い高さに設定されており、したがって、降ろし用下降量は、45mm程度となる。
【0063】
上述の説明から明らかなように、本実施形態においては、降ろし処理における降ろし用高さC1と、掬い処理における掬い用目標高さB2とが同じ高さであり、降ろし処理における降ろし用目標高さC2と、掬い処理における掬い用高さB1とが同じ高さである。
【0064】
また、容器Uの外周部で収納部Sに容器Uが載置された状態において容器載置用板状体11の上方に重複する箇所に、その容器Uの識別情報を記憶するパッシブ形式のRFIDタグ(以下、単にタグと呼称する)Tが装備され、移載手段Rにおける物品載置体8に、タグTが記憶している識別情報を読み取るRFIDリーダ(以下、単にリーダと呼称する)Dが装備されている。
【0065】
タグTは、本実施形態では容器UがFOUPであるため、容器Uが収納部Cの容器載置用板状体11に載置された状態においてその容器Uの背部に相当する箇所で且つ下方側に取り付けられている。
【0066】
図10に示すように、リーダDは、リーダ駆動用のアンプユニット26に接続され、そして、アンプユニット26がコントローラ27に接続され、コントローラ27が、制御部Hに接続されている。
そして、コントローラ27は、制御部Hから読取開始指令が指令されると、アンプユニット26を作動させてリーダDからの送信及びリーダDによる受信を繰り返し行い、そして、タグTが記憶している識別情報を読み取ると、アンプユニット26の作動を停止するように構成されている。
【0067】
図5及び図6に示すように、リーダDが、物品載置体8の先端部における上面側部分に形成した凹部V1の内部に凹入した状態で、物品載置体8にボルト固定され、また、アンプユニット26が、物品載置体8の基端側に設けた機器収納用ボックス8A内に装備され、アンプユニット26とリーダDとを接続する接続線28が、物品載置体8の上面側部分に形成した凹溝V2の内部に配設されている。
【0068】
リーダDによるタグTの読取りは、コントローラ27がリーダDから制御信号を含む電波を送信することにより行われることになる。
つまり、タグTは、リーダDからの電波を受信すると、受信した電波にて起電力を生成し、生成した起電力にて制御信号の内容を読み取り、受信した電波を搬送波として用いながら識別情報を変調して電波に乗せるようにする。
リーダDがタグTからの電波を受信すると、その受信された電波がアンプユニット26にて増幅処理され、コントローラ27が、アンプユニット26からの信号をデコード処理して、タグTの識別情報を解析し、その識別情報を制御部Hに伝達することになる。
そして、コントローラ27は、制御部Hから読取開始指令が指令されると、タグTの識別情報を解析するまで、あるいは、制御部Hから読取停止指令が指令されるまで、タグTの読取りを繰り返しおこなうように構成されている。
【0069】
上述した棚卸し処理は、収納部Sに収納されている容器Uに装備されたタグTの識別情報をリーダDにて読み取る処理である。
そして、制御手段Hが、棚卸し処理が指令されると、図7に示すように、移載手段Rを棚卸し対象の容器Uを収納する収納部Sに対する設定移載用位置に移動させ且つ物品載置体8を掬い用高さB1に位置させ、その状態において、物品載置体8を突出状態に突出させ、次に、図9に示すように、掬い用高さB1よりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さB3に物品載置体8を上昇させ、その後、物品載置体8を掬い用高さB1にげ下降させて引退状態に引退させるべく、スタッカークレーンKの作動を制御する読取用作動処理を実行するように構成されている。
【0070】
本実施形態の場合、読取用目標高さB3が、容器載置用板状体11の上面よりも設定量J3(例えば、10mm程度)だけ高い高さに設定されている。
本実施形態においては、上述の如く、掬い用高さB1が、容器載置用板状体11の上面よりも設定量J1(例えば、19mm程度)だけ低い高さとして設定されているため、読取用上昇量は、29mm程度となるものであり、上述した45mm程度となる掬い用上昇量よりも小さいものとなる。
つまり、本実施形態においては、読取用上昇量が、掬い用上昇量よりも小さく設定されている。
【0071】
棚卸し処理は、保管棚1が備える全ての収納部Sに収納されている容器Uに行う必要があり、制御手段Hは、棚卸し処理が指令されると、予め定められた順序にて、移載手段Rを全ての収納部Sに対して移動させて、上述の読取用作動処理を実行することになる。
尚、例示はしないが、スタッカークレーンKの昇降台6には、収納部Sに収納されている容器Uの存否を検出する光式の容器検出センサが装備されており、棚卸しの際には、各収納部Sについての容器Uの存否も確認されることとなり、容器Uが存在する収納部Sに対しては、上述の読取作動処理が実行されるが、容器Uが存在しない収納部Sに対しては、上述の読取作動処理の実行が中止される。
【0072】
本実施形態においては、リーダDとして、135KHzの電波を送信するオムロン社製の「形V640−HS62」を用いている。
このリーダDは、図6に示すように、その外周囲の設定領域Eをノイズ除去のために強磁性体を存在しないようにし、そして、遮蔽物が存在しないようにすれば、広範囲の読取可能範囲Mが確保されるように構成されている。
このため、本実施形態においては、容器載置用板状体11に、載置体通過用開口Wに連なり、且つ、容器Uが収納部Sに載置された状態においてタグTが存在する側に向けて凹入する切欠きZが、リーダDを容器載置用板状体11に対応する高さに位置させた状態における設定領域Eの大きさに対応する大きさにて形成されている。
【0073】
また、本実施形態においては、上述の切欠きZを形成した場合には、容器載置用板状体11によるノイズの除去、及び、容器載置用板状体11による電波の遮蔽が回避され、また、容器載置用板状体11に載置した容器Uの底部と容器載置用板状体11との間の隙間が電波を通過させる空間として利用されるため、物品載置体8を読取用目標高さB3に上昇させる途中にて、リーダDがタグTの識別情報を読み取ることができる確率がかなり高いものとなるため、物品載置体8を読取用目標高さB3に上昇させる途中にて、リーダDがタグTの識別情報を読み取ることができた場合には、その時点で、物品載置体8を引退状態に戻すように構成されている。
【0074】
すなわち、制御部Hが、読取作動処理において、物品載置体8を掬い用高さB1にて突出状態に突出させたのち、掬い用高さB1から読取用目標高さB3に上昇させるときには、リーダDによるタグTの識別情報の読み取りを開始させ、且つ、掬い用高さB1から読取用目標高さB3に上昇させる途中において、リーダDによるタグTの識別情報の読み取りが完了すると、物品載置体8の上昇を停止させて、物品載置体8を掬い用高さB1に下降させて引退状態に引退させるように構成されている。
【0075】
以下、制御手段HによるスタッカークレーンKの制御について説明を加える。
制御部Hは、マイクロコンピュータを備えて構成されるものであって、図7に示すように、スタッカークレーンKの走行台車3を走行駆動する走行用モータ15、昇降台6を昇降駆動する昇降用モータ16、旋回台9を旋回駆動する旋回用モータ17、及び、スカラーアーム10の第1アーム10Aを揺動させて、移載手段Rの物品載置体8を出退駆動する出退用モータ18の夫々の作動を制御するように構成されている。
【0076】
また、スタッカークレーンKの走行台車3の走行経路上の位置を検出する走行位置検出用センサ21、昇降台6の昇降経路上の位置を検出する昇降位置検出用センサ22、旋回台9の旋回位置を検出する旋回位置検出用センサ23、及び、移載手段Rの物品載置体8の出退位置を検出する出退位置検出用センサ24が設けられ、こられのセンサ類の検出情報が制御部Hに入力されるように構成されている。
【0077】
走行位置検出用センサ21は、本実施形態においては、走行経路上の基準位置に設けられた走行用基準体を検出するリードスイッチと、走行用モータの回転量を検出するロータリエンコーダとを用いて構成されている。
【0078】
昇降位置検出用センサ22は、本実施形態においては、昇降経路上の基準位置に設けられた昇降用基準体を検出するリードスイッチと、昇降用モータの回転量を検出するロータリエンコーダとを用いて構成されている。
【0079】
旋回位置検出用センサ23は、本実施形態においては、移載手段Rが左側を向く位置を定める左位置用基準体、及び、移載手段Rが右側を向く位置を定める右位置用基準体を検出するリードスイッチを用いて構成されている。
【0080】
出退位置検出用センサ24は、本実施形態においては、出退基準位置を定める出退用基準体を検出するリードスイッチと、出退用モータの回転量を検出するロータリエンコーダを用いて構成されている。
【0081】
また、保管棚1の搬出入部1Aには、入庫指令、出庫指令、及び、棚卸し処理の指令を行う操作部G(図1参照)が設けられている。
したがって、制御部Hが、操作部Gの指令に基づいて、入庫処理、出庫処理、及び、棚卸し処理を行うように構成されるものであって、具体的には、センサ類21〜24の検出情報に基づいて、スタッカークレーンKの走行位置、昇降台6の昇降位置、移載手段Rの向き、及び、物品載置体8の出退位置を確認しながら、予め記憶されたプログラム情報に基づいて複数のモータ15〜18を作動させて、物品搬出入部1Aに搬入された容器Uを収納部Sに収納する入庫処理、収納部Sに収納された容器Uを物品搬出入部1Aに取り出す出庫処理、及び、複数の収納部Sに収納されている容器Uの識別情報を読み取る棚卸し処理を行うように構成されている。
【0082】
次に、制御部Hの制御作動について、図11〜図13のフローチャートに基づいて説明を加える。
図11に示すように、先ず、棚卸し指令が指令されているか否かを判別し(#1)、棚卸し処理が指令された場合には、棚卸し処理を実行する(#2)。
ステップ#1にて、棚卸し処理が指令されていない場合には、入庫指令が指令されているか否かを判別し(#3)、入庫指令が指令されている場合には、入庫処理を実行する(#4)。
ステップ#3にて、入庫指令が指令されていない場合には、出庫指令が指令されているか否かを判別し(#5)、出庫指令が指令されている場合には、出庫処理を実行する(#6)。
【0083】
そして、棚卸し処理(#2)、入庫処理(#4)、及び、出庫処理(#6)の夫々の処理を実行した後は、#1からの処理を繰り返すことになる。
【0084】
入庫処理(#4)及び出庫処理(#6)における処理内容は、上述の説明から明らかであるので、以下、棚卸し処理(#2)について説明を加える。
【0085】
図12に示すように、棚卸し処理は、保管棚1が備える全ての収納部Sに対して移載手段Rを移動させる対象収納部移動処理(#11)、及び、上述した読取作動処理(#12)を、保管棚1の全ての収納部Sに対する棚卸しが終了するまで(#13)、繰り返し行うことになる。
【0086】
対象収納部移動処理(#11)は、複数の収納部Sについて予め設定し順序情報により定められる棚卸し対象の収納部Sに対して、移載手段Rを移動させる処理を行うものであって、具体的には、移載手段Rを、棚卸し対象の収納部Sに対する横幅方向の設定移載用位置に移動させ且つ物品載置体8を掬い用高さB1に位置させる処理を行う。
【0087】
読取用作動処理は、図13に示すように、先ず、物品載置体8の突出作動を開始し(#21)、上述した突出状態に相当する目標突出位置であることが判別されると(#22)、物品載置体8の突出作動を停止させる(#23)。
【0088】
次に、リーダDにてタグTの識別情報を読み取るタグ読取を開始させ(#24)、その状態で、物品載置体8の上昇作動を開始させる。
その後、リーダDにてタグTの識別情報を読み取ることが完了するか(#26)、あるいは、物品載置体8の高さが読取用目標高さB3を超えると、物品載置体8の上昇作動を停止させることになる(#29)。
そして、リーダDにてタグTの識別情報を読み取ることなく、物品載置体8の高さが読取用目標高さB3を超えた場合には、異常状態であることを外部に出力する異常処理を実行する(#28)。
【0089】
ステップ#29にて、物品載置体8の上昇作動を停止させた後は、物品載置体8の下降作動を開始し(#30)、物品載置体8の高さが掬い用高さB1になると(#30)、物品載置体8の下降作動を停止させる(#32)。
次に、物品載置体8の引退作動を開始し(#33)、上述した引退状態に相当する目標引退位置であることが判別されると(#34)、物品載置体8の引退作動を停止させる(#35)。
【0090】
〔別の実施形態〕
(1)上記実施形態においては、収納部を構成する容器載置用板状体に、載置体通過用開口に連なり、且つ、物品収納容器が収納部に載置された状態においてRFIDタグが存在する側に向けて凹入する切欠きを形成する場合を例示したが、この切欠きを形成しないで実施することも可能である。
つまり、切欠きを形成しない場合においても、物品収納容器を容器載置用板状体から十分に浮上させるようにすれば、容器載置用板状体による影響を受けることなく、RFIDリーダにてRFIDタグの識別情報を読み取ることができるものである。
【0091】
(2)上記実施形態においては、読取作動処理において、物品載置体の上昇作動を開始する前に、RFIDリーダの読取作動を開始させるようにしたが、物品載置体の上昇作動を開始した後に、RFIDリーダの読取作動を開始させるようにしてもよく、要は、物品載置体を掬い用高さから読取用目標高さに上昇させるときには、RFIDリーダの読取作動を開始させればよい。
ちなみに、RFIDリーダの読取作動によるエネルギ消費を抑制する等のために、物品載置体が読取用目標高さに上昇したときに、RFIDリーダの読取作動を開始させるようにすることも可能である。
【0092】
(3)上記実施形態では、物品収納容器として、FOUPを例示したが、バケットやコンテナ等の種々の形態の物品収納容器を対象として、本発明は実施できるものである。
【0093】
(4)上記実施形態では、RFIDリーダを、物品載置体の先端部の上面側部分に設ける場合を例示したが、物品収納容器に装備されるRFIDタグの物品収納容器に対する取り付け位置や、容器載置用板状体の形状等に応じて、RFIDリーダを物品載置体に取り付ける位置は各種変更できるものである。
【0094】
(5)上記実施形態では、移載手段が、スタッカークレーンに装備される場合を例示したが、収納部を縦横に並べて備える保管部の前面側に、保管部の横幅方向の全幅に亘る長さの案内レールが昇降操作自在に設けられて、移載手段が、案内レールに沿って保管部の横幅方向に移動される形態の物品保管設備においても、本発明は適用できるものである。
【0095】
(6)上記実施形態では、収納部を縦横に並べて備える保管部を例示したが、収納部が横幅方向にのみ備えられる保管部や、収納部が上下方向にのみ備えられる保管部において、本発明を適用しても良い。
ちなみに、収納部を横幅方向にのみ備える保管部としては、天井側の走行レールに吊り下げられた状態で走行する、いわゆるホイスト式搬送台車の走行経路の横側部に、走行経路の長手方向に沿って収納部が並べられる保管部を挙げることができ、この場合には、ホイスト式搬送台車に、出退する物品載置体を備える移載手段を装備させることになる。
【符号の説明】
【0096】
8 物品載置体
11 容器載置用板状体
A 保管部
B1 掬い用高さ
B2 掬い用目標高さ
B3 読取用目標高さ
D RFIDリーダ
F 物品搬送用空間
K 搬送手段
R 移載手段
S 収納部
T RFIDタグ
U 物品収納容器
W 載置体通過用開口
Z 切欠き
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品収納容器を載置支持する複数の収納部が並設された保管部と、前記保管部の前面側の物品搬送用空間内を前記収納部の並び方向に沿って移動自在で且つ前記物品収納容器を前記収納部に対して移載すべく作動自在な移載手段を備える搬送手段と、前記搬送手段の作動を制御する制御手段とが設けられ、前記移載手段が、前記物品搬送用空間内に位置する引退状態と前記収納部内に突出する突出状態とに出退駆動自在で且つ昇降駆動自在な物品載置体にて、前記収納部に載置されている物品収納容器を取り出す掬い処理、及び、前記物品載置体にて載置した物品収納容器を前記収納部に収納する降ろし処理を行うように構成され、前記収納部が、前記突出状態の前記物品載置体が上下に通過自在な載置体通過用開口を備える金属製の容器載置用板状体にて構成され、前記制御手段が、前記掬い処理を行うときには、前記容器載置用板状体よりも設定量低い掬い用高さにて前記物品載置体を前記突出状態に突出させ、次に、前記掬い用高さよりも掬い用上昇量だけ高い掬い用目標高さに前記物品載置体を上昇させ、その後、前記物品載置体を前記引退状態に引退させるべく、前記搬送手段の作動を制御するように構成されている物品保管設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる物品保管設備は、搬送手段が備える移載手段を、保管部の前面側の物品搬送用空間内を収納部の並び方向に沿って移動させることにより移載対象の収納部に移動させ、そして、移載手段を構成する物品載置体にて、その収納部に収納した物品収納容器を取り出す掬い処理や、物品収納容器を収納部に収納する降ろし処理を行わせるようにしたものであり、物品収納容器としては、種々の物品を収納するコンテナ及びバケットや、基板を収納するFOUPが存在する。
【0003】
尚、掬い処理にて取り出された物品収納容器は、一般には、保管部に対する物品搬出入部に搬送されることになるが、別の収納部に搬送される場合もある。また、降ろし処理にて収納部に収納される物品収納容器は、一般には、保管部に対する物品搬出入部から搬送されることになるが、別の収納部から取り出される場合もある。
【0004】
ちなみに、物品載置体にて掬い処理を行うときには、制御手段が、収納部を構成する容器載置用板状体よりも設定量低い掬い用高さにて物品載置体を収納部内に突出する突出状態に突出させ、次に、掬い用高さよりも掬い用上昇量だけ高い掬い用目標高さに物品載置体を上昇させ、その後、物品載置体を前記引退状態に引退させるべく、搬送手段の作動を制御することになるが、掬い用高さは、突出状態に突出される物品載置体が収納部を構成する容器載置用板状体に接触しない高さとなるように定められ、同様に、掬い用目標高さは、引退状態に引退する物品載置体が収納部を構成する容器載置用板状体に接触しない高さとなるように定められることになる。
【0005】
このような物品保管設備においては、収納部に収納されている物品収納容器を確認する棚卸し処理を行う必要があり、そのために、物品収納容器の識別情報を示すタグを物品収納容器に装備させて、そのタグの識別情報を読み取ることにより棚卸し処理を行うようにすることがある。
このような棚卸し処理を行う従来例として、搬送手段としてのスタッカークレーンが備えられた物品保管設備において、識別情報を示すタグとしての、バーコードラベルが物品収納容器に装備され、タグの識別情報を読み取るリーダとしての、バーコードリーダが、物品載置体としてのフォークを備えた昇降台に設けられ、そして、搬送手段の作動を制御する制御手段が、棚卸し処理が指令されると、棚卸し対象の収納部に収納された物品収納容器を掬い処理により昇降台に取り出し、物品収納容器に装備したバーコードラベルをバーコードリーダにて読み取り、その後、降ろし処理により物品収納容器を収納部に収納するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
また、別の従来例として、搬送手段としてのスタッカークレーンが備えられた物品保管設備において、識別情報を示すタグとしての、RFIDタグが物品収納容器に装備され、タグの識別情報を読み取るリーダとしての、RFIDリーダが、昇降台に設けられ、そして、搬送手段の作動を制御する制御手段が、棚卸し処理が指令されると、収納部に収納された収納容器を昇降台に取り出して、物品収納容器に装備されたRFIDタグをRFIDリーダにて読み取り、その後、降ろし処理により物品収納容器を収納部に収納するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
尚、識別情報を示すタグとしてのバーコードラベルは、汚損し易い虞があり、また、バーコードリーダにて読み取るには、バーコードラベルとバーコードリーダとを読み取りに適した位置に正確に位置決めする必要があり、結果として、バーコードラベルとバーコードリーダとを用いる場合は、読み取り不良のために、棚卸し処理を良好に行い難いものとなる虞がある。
これに対して、RFIDリーダとRFIDタグとを用いる場合は、識別情報を示すタグとしてのRFIDタグが、汚損により読み取り不良を起こすことがなく、また、RFIDリーダとRFIDタグとの位置関係が多少変動しても、RFIDリーダによりRFIDタグを読み取ることができるため、棚卸し処理を良好に行い易いものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平5−105204号公報
【特許文献2】国際公開第2006/059675号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の物品保管設備においては、棚卸し処理が、収納部に収納されている物品収納容器を昇降台に取出し、その後、取り出した物品収納容器を収納部に収納することによって行われるものとなり、物品収納容器を一旦昇降台に取り出さねばならないことに起因して、棚卸し処理の処理時間が長くなる不都合があった、
ちなみに、棚卸し処理は、通常、複数の収納部の夫々に移載手段を移動させるようにしながら、全ての収納部に収納されている物品収納容器を確認することになるため、各収納部の夫々において収納されている物品収納容器を昇降台に取り出し、その後、取り出した物品収納容器を収納部に収納させるようにすると、全ての収納部について棚卸し処理を行う時間は、多大な時間を要するものとなる。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであって、棚卸し処理を的確に行うことができながらも、その処理に要する時間の短縮化を図ることが可能な物品保管設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の物品保管設備の第1特徴構成は、物品収納容器を載置支持する複数の収納部が並設された保管部と、前記保管部の前面側の物品搬送用空間内を前記収納部の並び方向に沿って移動自在で且つ前記物品収納容器を前記収納部に対して移載すべく作動自在な移載手段を備える搬送手段と、前記搬送手段の作動を制御する制御手段とが設けられ、
前記移載手段が、前記物品搬送用空間内に位置する引退状態と前記収納部内に突出する突出状態とに出退駆動自在で且つ昇降駆動自在な物品載置体にて、前記収納部に載置されている物品収納容器を取り出す掬い処理、及び、前記物品載置体にて載置した物品収納容器を前記収納部に収納する降ろし処理を行うように構成され、
前記収納部が、前記突出状態の前記物品載置体が上下に通過自在な載置体通過用開口を備える金属製の容器載置用板状体にて構成され、
前記制御手段が、前記掬い処理を行うときには、前記容器載置用板状体よりも設定量低い掬い用高さにて前記物品載置体を前記突出状態に突出させ、次に、前記掬い用高さよりも掬い用上昇量だけ高い掬い用目標高さに前記物品載置体を上昇させ、その後、前記物品載置体を前記引退状態に引退させるべく、前記搬送手段の作動を制御するように構成されたものであって、
前記物品収納容器の外周部でかつ前記収納部に前記物品収納容器が載置された状態において前記容器載置用板状体の上方に重複する箇所に、その物品収納容器の識別情報を記憶するパッシブ形式のRFIDタグが装備され、
前記物品載置体に、前記RFIDタグが記憶している前記識別情報を読み取るRFIDリーダが装備され、
前記制御手段が、前記収納部に収納されている前記物品収納容器に装備された前記RFIDタグの識別情報を前記RFIDリーダにて読み取る棚卸し処理が指令されると、前記物品載置体を前記掬い用高さにて前記突出状態に突出させ、次に、前記掬い用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに前記物品載置体を上昇させ、その後、前記物品載置体を前記掬い用高さに下降させて前記引退状態に引退させるべく、前記物品載置体の作動を制御する読取用作動処理を実行するように構成されている点を特徴とする。
【0012】
すなわち、物品収納容器の外周部でかつ収納部に物品収納容器が載置された状態において容器載置用板状体の上方に重複する箇所に、その物品収納容器の識別情報を記憶するパッシブ形式のRFIDタグが装備され、物品載置体に、RFIDタグが記憶している識別情報を読み取るRFIDリーダが装備されている。
そして、収納部に収納されている物品収納容器に装備したパッシブ形式のRFIDタグが記憶している識別情報を、RFIDリーダにて読み取るときには、物品載置体を収納部内に突出させかつ昇降させるようにする。
【0013】
具体的には、制御手段が、収納部に収納されている物品収納容器に装備されたRFIDタグの識別情報をRFIDリーダにて読み取る棚卸し処理が指令されると、物品載置体を掬い用高さにて突出状態に突出させ、次に、掬い用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに物品載置体を上昇させ、その後、物品載置体を掬い用高さに下降させて引退状態に引退させるべく、搬送手段の作動を制御する読取用作動処理を実行して、物品載置体に装備したRFIDリーダにて、物品収納容器に装備したRFIDタグが記憶している識別情報を読み取ることになる。
【0014】
このように棚卸し処理を行うときには、物品載置体を掬い用高さにて突出状態に突出させ、次に、掬い用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに物品載置体を上昇させ、その後、物品載置体を掬い用高さに下降させて引退状態に引退させることを行うものであるから、収納部に収納されている物品収納容器を収納部から取り出して、再び収納する手間を掛けることなく、物品収容容器を収納部に位置させた状態のままで棚卸し処理を行えるものとなるため、棚卸し処理に要する時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0015】
また、棚卸し処理のために、物品載置体に装備したRFIDリーダにて、物品収納容器に装備したRFIDタグが記憶している識別情報を読み取るときには、物品載置体を掬い用高さにて突出状態に突出させることに加えて、物品載置体を掬い用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに上昇させるものであるから、収納部を構成する金属製の容器載置用板状体により、RFIDリーダから送信される電波が遮断される影響や、RFIDタグからRFIDリーダに返信される電波が遮断される影響を回避して、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を的確に読み取ることができるものとなる。
【0016】
説明を加えると、物品載置体を掬い用高さにて突出状態に突出させたときには、物品載置体に装備したRFIDリーダと物品収納容器に装備したRFIDタグとが、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を読み取ることができる領域内に位置することになるものの、RFIDリーダとRFIDタグとの間に、収納部を構成する容器載置用板状体が位置することになるため、その容器載置用板状体にて、RFIDリーダから送信される電波やRFIDタグから返信される電波が遮断される影響により、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を的確に読み取ることができない虞があるが、物品載置体を掬い用高さにて突出状態に突出させることに加えて、物品載置体を掬い用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに上昇させることにより、RFIDリーダから送信される電波やRFIDタグから返信される電波が、容器載置用板状体にて遮断される影響を回避して、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を的確に読み取ることができるものとなる。
【0017】
つまり、パッシブ形式のRFIDタグは、電源を備えさせないものであるため、小型で安価であるものの、そのRFIDタグが記憶している識別情報をRFIDリーダにて読み取るためには、RFIDタグとRFIDリーダとを近づけ、且つ、それらの間に電波を遮蔽する物体が存在しないようにする必要があるが、上述の如く、物品載置体を掬い用高さにて突出状態に突出させることに加えて、物品載置体を掬い用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに上昇させることにより、RFIDリーダから送信される電波やRFIDタグから返信される電波が容器載置用板状体にて遮断される影響を回避して、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を的確に読み取ることができるものとなる。
【0018】
ちなみに、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を読み取るにあたり、RFIDリーダから送信される電波やRFIDタグから返信される電波を、物品収納容器自体が遮蔽することもある。つまり、物品収納容器は、一般に合成樹脂にて形成されているため、電波は物品収納容器をある程度は透過するものであるが、物品収納容器が電波を遮蔽する影響により、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を読み取り難いことがある。
このような場合、物品載置体を掬い用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに上昇させることにより、物品収納容器を収納部の容器載置用板状体から浮上させるようにすれば、物品収納容器と収納部の容器載置用板状体との間に、電波が通過する空間を形成できるものとなって、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を的確に読み取ることができるものとなる。
【0019】
尚、物品収納容器を収納部の容器載置用板状体に載置した状態において、物品収納容器の底部に脚部が形成されている等により、物品収納容器と収納部の容器載置用板状体との間に電波が通過する空間が存在する場合や物品収納容器が電波の透過性が高いものである場合であれば、物品載置体を掬い用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに上昇させることにより、物品収納容器を収納部の容器載置用板状体から浮上させないものの、RFIDリーダを、上昇させるようにすれば、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を読み取ることが可能となるものであり、物品収納容器と収納部の容器載置用板状体との間に電波が通過する空間が存在する場合や品収納容器が電波の透過性が高いものである場合であれば、必ずしも、物品収納容器を収納部の容器載置用板状体から浮上させる必要はない。
【0020】
したがって、本発明の第1特徴構成によれば、棚卸し処理を的確に行うことができながらも、その処理に要する時間の短縮化を図ることが可能な物品保管設備を提供するに至った。
【0021】
本発明の物品保管設備における第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記読取用上昇量が、前記掬い用上昇量よりも小さく設定されている点を特徴とする。
【0022】
すなわち、棚卸し処理のための読取用作動処理において、物品載置体を掬い用高さにて突出状態に突出させることに加えて、物品載置体を掬い用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに上昇させるにあたり、その読取用上昇量が、物品収納容器を収納部から取り出す掬い処理を行うときの掬い用上昇量よりも小さく設定されているから、棚卸し処理のための読取用作動処理において、物品載置体を掬い用高さから上昇させる量が少なくなるため、棚卸し処理に要する時間の一層の短縮化を図ることができるものとなる。
【0023】
つまり、読取用上昇量が、物品収納容器を収納部から取り出す掬い処理を行うときの掬い用上昇量よりも小さく設定されても、物品載置体を掬い用高さから上昇させることにより、RFIDリーダから送信される電波やRFIDタグから返信される電波が容器載置用板状体にて遮断される影響を少なくして、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を的確に読み取ることができるものとなるのである。
【0024】
ちなみに、RFIDリーダから送信される電波やRFIDタグから返信される電波が、物品収納容器にて遮蔽されることにより、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を読み取り難い場合においては、読取用上昇量を、物品収納容器を収納部から取り出す掬い処理を行うときの掬い用上昇量よりも小さいものの、物品収納容器を収納部の容器載置用板状体から浮上させることができる上昇量に設定すれば、物品収納容器と収納部の容器載置用板状体との間に、電波が通過する空間を形成して、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を的確に読み取ることができるものとなる。
【0025】
また、物品収納容器を収納部の容器載置用板状体に載置した状態において、物品収納容器の底部に脚部が形成されている等により、物品収納容器と収納部の容器載置用板状体との間に電波が通過する空間が存在する場合であれば、読取用上昇量を、物品収納容器を収納部の容器載置用板状体から浮上させないものの、RFIDリーダを、送信する電波が物品収納容器と収納部の容器載置用板状体との間の空間を通して通過し易い高さに位置させることができる上昇量に設定すれば、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を的確に読み取ることができるものとなるのである。
【0026】
したがって、本発明の第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成による作用効果に加えて、棚卸し処理に要する時間の一層の短縮化を図ることが可能となる物品保管設備を提供するに至った。
【0027】
本発明の物品保管設備における第3特徴構成は、上記第2特徴構成に加えて、
前記載置体通過用開口が、前記突出状態の前記物品載置体の先端の外周縁に沿った形状に形成され、
前記容器載置用板状体に、前記載置体通過用開口に連なり、且つ、前記物品収納容器が前記収納部に載置された状態において前記RFIDタグが存在する側に向けて凹入する切欠きが形成されている点を特徴とする。
【0028】
すなわち、収納部の容器載置用板状体に形成される載置体通過用開口が、突出状態の物品載置体の先端の外周縁に沿った形状に形成されるものであるから、載置体通過用開口として、突出状態の物品載置体の先端の外周縁よりも十分に大きな開口となるように形成する場合に比べて、物品収納容器の支持を適切に行うべく、容器載置用板状体の強度を上昇させることができるものとなる。
【0029】
そして、容器載置用板状体には、載置体通過用開口に連なり、且つ、物品収納容器が収納部に載置された状態においてRFIDタグが存在する側に向けて凹入する切欠きが形成されているから、その切欠きが、RFIDリーダから送信される電波を通過させることや、RFIDタグから返信される電波を通過させることに役立つものとなるため、容器載置用板状体に形成される載置体通過用開口を、突出状態の物品載置体の先端の外周縁に沿った形状に形成するものでありながらも、物品載置体を掬い用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに上昇させるにあたり、その読取用上昇量を極力小さくして、棚卸し処理に要する時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0030】
ちなみに、容器載置用板状体に形成する切欠を、幅広で且つRFIDタグが存在する側に大きく入り込む大きな切欠きとして、物品載置体を掬い用高さにて突出状態に突出させるだけで、RFIDリーダにてRFIDタグの識別情報を読み取るようにすることが考えられるが、この場合、容器載置用板状体の強度が、大きな切欠きの形成のために低下するものとなり、実用し難いものとなる。
【0031】
したがって、本発明の第3特徴構成によれば、第2特徴構成による作用効果に加えて、容器載置用板状体の強度を上昇させながら、棚卸し処理に要する時間の短縮化を図ることが可能となる物品保管設備を提供するに至った。
【0032】
本発明の物品保管設備における第4特徴構成は、上記第1特徴構成〜第3特徴構成のいずれかに加えて、
前記制御手段が、前記読取用作動処理において、前記物品載置体を前記掬い用高さにて前記突出状態に突出させたのち、前記掬い用高さから前記読取用目標高さに上昇させるときには、前記RFIDリーダによる前記RFIDタグの識別情報の読み取りを開始させ、且つ、前記掬い用高さから前記読取用目標高さに上昇させる途中において、前記RFIDリーダによる前記RFIDタグの識別情報の読み取りが完了すると、前記物品載置体の上昇を停止させて、前記物品載置体を前記掬い用高さに下降させて前記引退状態に引退させるように構成されている点を特徴とする。
【0033】
すなわち、棚卸し処理のために読取作動処理を行うときに、物品載置体を掬い用高さにて突出状態に突出させたのち、掬い用高さから読取用目標高さに上昇させるときには、RFIDリーダによるRFIDタグの識別情報の読み取りを開始させることになる。
そして、掬い用高さから読取用目標高さに上昇させる途中において、RFIDリーダによるRFIDタグの識別情報の読み取りが完了すると、読取用目標高さに上昇していなくても、物品載置体の上昇を停止させて、物品載置体を掬い用高さに下降させて引退状態に引退させることになる。
【0034】
つまり、物品載置体を上昇させる読取用目標高さは、物品収納容器が収納部に収納されたときの状態が多少変化する等、条件が変化しても、RFIDリーダにてRFIDタグの識別情報を確実に読み取ることができる高さとなるように、実験等により求めて設定されることになるが、RFIDリーダによるRFIDタグの識別情報の読み取りは、物品載置体を読取用目標高さに上昇させなければ行えないというものではなく、例えば、物品収容容器が読み取りに適した状態で収納部に収納される等の理由により、物品載置体を読取用目標高さに上昇させる途中においても行える場合がある。
【0035】
そこで、掬い用高さから読取用目標高さに上昇させる途中において、RFIDリーダによるRFIDタグの識別情報の読み取りが完了すると、読取用目標高さに上昇していなくても、物品載置体の上昇を停止させて、物品載置体を掬い用高さに下降させて引退状態に引退させることにより、物品載置体を読取用目標高さに必ず上昇させるようにするのに比べて、棚卸し処理に要する時間を一層短縮させることができる。
【0036】
したがって、本発明の第4特徴構成によれば、第1特徴構成〜第3特徴構成による作用効果に加えて、棚卸し処理に要する時間を一層短縮させることができる物品保管設備を提供するに至った。
【0037】
本発明における物品保管設備における第5特徴構成は、上記第1特徴構成〜第4特徴構成のいずれかに加えて、
前記物品収納容器が、基板を収納するFOUPであり、前記RFIDタグが、前記FOUPにおける前記物品載置体に載置された状態において背部に相当する箇所に装備され、
前記容器載置用板状体に、前記FOUPの底面部に形成した位置決め用凹部に係合する位置決めピンが立設されている点を特徴とする。
【0038】
すなわち、物品収納容器が、基板を収納するFOUPである場合には、SEMIスタンダードに準拠して、RFIDタグが、FOUPにおける物品載置体に載置された状態において背部に相当する箇所に装備されることになる。
そして、FOUPを収納部における容器載置用板状体に載置する形態としては、容器載置用板状体に、FOUPの底面部に形成した位置決め用凹部に係合する位置決めピンが立設されて、FOUPを容器載置用板状体に立設された位置決めピンにて水平方向での位置決めをした状態で、容器載置用板状体にFOUPを載置することになる。
【0039】
このように、物品収納容器がFOUPである場合には、RFIDタグが、FOUPにおける物品載置体に載置された状態において背部に相当する箇所に装備されることになるため、物品載置体を掬い用高さで収納部内に突出させるだけでは、容器載置用板状体が電波の通過を遮断することにより、物品載置体の下面側箇所に装備されるRFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を読み取ることができないものとなるが、読取用作動処理を実行することによって、RFIDリーダにてRFIDタグが記憶している識別情報を読み取ることができるものとなるのである。
【0040】
ちなみに、容器載置用板状体に立設された位置決めピンにて水平方向での位置を位置決めする形態で容器載置用板状体にFOUPを載置した状態においては、FOUPの底面部に形成した位置決め用凹部に位置決めピンを係合させる必要上、FOUPは容器載置用板状体の上面からは少し浮いた状態となるものである。
【0041】
したがって、読取作動処理において物品載置体を掬い用高さから読取用目標高さに上昇させるにあたり、FOUPを物品載置体から浮上した状態となるまで、物品載置体を上昇させる必要がない場合があり、また、FOUPを物品載置体から浮上した状態となるまで物品載置体を上昇させる必要がある場合にも、FOUPを物品載置体から浮上させる量が小さな量となる状態で、物品載置体を上昇させれば良いことになる。
特に、第3特徴構成における切欠きが容器載置用板状体に形成される場合には、物品載置体を掬い用高さから読取用目標高さに上昇させる読取用上昇量を小さくできるものとなる。
【0042】
したがって、本発明の第5特徴構成によれば、第1特徴構成〜第4特徴構成による作用効果に加えて、基板を収納するFOUPについての棚卸し処理を良好に行える物品保管設備を提供するに至った。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】物品保管設備の一部切欠き正面図
【図2】同設備の一部切欠き平面図
【図3】移載手段の平面図
【図4】移載手段の背面図
【図5】収納部及び物品載置体の斜視図
【図6】突出状態の物品載置体の平面図
【図7】掬い用高さでの物品載置体の突出状態の側面図
【図8】掬い用目標高さでの物品載置体の突出状態の側面図
【図9】読取用目標高さでの物品載置体の突出状態の側面図
【図10】制御構成を示すブロック図
【図11】制御作動を示すフローチャート
【図12】制御作動を示すフローチャート
【図13】制御作動を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明の物品保管設備の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0045】
図1及び図2に示すように、前後一対の保管部Aを備える保管棚1が設けられ、一対の保管部Aの前面側、つまり一対の保管部Aの間の物品搬送用空間Fには、搬送手段としてのスタッカークレーンKが配設され、そのスタッカークレーンKの作動を制御する制御手段としての制御部H(図10参照)が設けられて、物品保管設備が構成されている。
尚、保管棚1は、外周部が壁体にて覆われるように構成されている。
【0046】
一対の保管部Aの夫々は、物品収納容器としての、基板を収納するFOUP(以下、容器と略称する)Uを載置支持する複数の収納部Sが縦横に並設され、且つ、一対の保管部Aの一方側の一部に、容器Uを外部から搬入しかつ外部に搬出する搬出入部1Aが設けられている。
そして、制御部Hが、一対の保管部Aの各収納部Sと搬出入部1Aとの間で容器Aを搬送すること、つまり、物品搬出入部1Aに搬入された容器Uを収納部Sに収納する入庫処理、及び、収納部Sに収納された容器Uを物品搬出入部1Aに取り出す出庫処理を行うように、スタッカークレーンKの作動を制御するように構成されている。
【0047】
また、制御手段Hが、入庫処理及び出庫処理に加えて、後述の如く、複数の収納部Sに収納されている容器Uの識別情報を読み取る棚卸し処理を行うように、スタッカークレーンKの作動を制御するように構成されている。
尚、制御手段Hは、収納部Sに収納されている容器Uを他の収納部Sに搬送すること、つまり、容器Uの収納位置を変更する収納位置変更処理を行うように、スタッカークレーンKの作動を制御することもあるが、本実施形態においては、収納位置変更処理についての説明は省略する。
【0048】
容器U、つまり、FOUP(Front Opening Unified Pod)は、SEMI(Semiconductor Equipment and Materials Institute)規格に準拠した合成樹脂製の密封容器であり、基板としての半導体ウエハーを収納するために用いられる。そして、詳細な説明は省略するが、容器Uの前面には、着脱自在な蓋にて開閉される基板出入用の開口が形成され、容器Uの上面には、ホイスト式の搬送手段により把持されるトップフランジが形成され、そして、容器Uの底面には、図3及び図6に示すように、位置決めピンP、Q(図5参照)が係合する3つの係合溝Nが形成されている。
【0049】
容器Uの底面に形成される3つの係合溝Nのうちのひとつは、容器Uの背部側でかつ横幅方向の中央部に、その長手方向が前後方向を向く状態で形成され、残りの二つは、容器Uの前方側でかつ左右両横側部に、その長手方向が容器Uの中央側箇所を向く状態で形成されている。そして、3つの係合溝Nの夫々は、縦断面形状が奥側(上側)ほど幅狭となる状態に形成されている。
【0050】
スタッカークレーンKは、床面側の走行レール2に沿って往復走行自在な走行台車3、その走行台車3から立設されかつ上部が天井側の案内レール4にて案内されるポスト5、そのポスト5に沿って案内されながら昇降駆動される昇降台6、及び、その昇降台6に装備された移載手段Rを備えている。
【0051】
移載手段Rは、走行台車3の走行、及び、昇降台6の昇降により、物品搬送用空間F内を収納部Sの並び方向に沿って、つまり、保管部Aの横幅方向並びに上下方向に沿って移動し且つ容器Uを収納部Sに対して移載すべく作動するように構成されている。
また、移載手段Rは、物品搬送用空間F内に引退する引退状態と収納部S内に突出する突出状態とに出退駆動自在で昇降駆動自在なアルミニウム製の物品載置体8にて、収納部Sに載置されている容器Uを取り出す掬い処理、及び、物品載置体8にて載置した容器Uを収納部Sに収納する降ろし処理を行うように構成されている。
ちなみに、移載手段Rは、物品搬出入部1Aに対しても、掬い処理及び降ろし処理を行うことになる。
【0052】
そして、移載手段Rは、掬い処理や降ろし処理を行うときには、走行台車3の走行により、移載対象の収納部Sや物品搬出入部1Aに対して、その横幅方向における設定移載用位置に位置するように移動されることになり、また、掬い処理においては、図7に示すように、物品載置体8を移載対象の収納部Sや物品搬出入部1Aに対して、掬い用高さB1に位置させ、かつ、降ろし処理においては、図8に示すように、物品載置体8を移載対象の収納部Sや物品搬出入部1Aに対して、降ろし用高さC1に位置させるように、昇降台6の昇降により移動されることになる。
【0053】
つまり、物品搬出入部1Aに搬入された容器Uを収納部Sに収納する入庫処理においては、先ず、移載手段Rが物品搬出入部1Aに対する設定移載用位置に移動され且つ物品載置体8が掬い用高さB1に位置されて、その状態において、掬い処理が行われ、次に、移載手段Rが容器Uを収納する収納部Sに対する設定移載用位置に移動され且つ物品載置体8が降ろし用高さC1に位置されて、その状態において、降ろし処理が行われる。
同様に、収納部Sに収納された容器Uを物品搬出入部1Aに取り出す出庫処理においては、先ず、移載手段Rが出庫対象の容器Uを収納する収納部Sに対する設定移載用位置に移動され且つ物品載置体8が掬い用高さB1に位置されて、その状態において、掬い処理が行われ、次に、移載手段Rが物品搬出入部1Aに対する設定移載用位置に移動され且つ物品載置体8が降ろし用高さC1に位置されて、その状態において、降ろし処理が行われることになる。
【0054】
物品搬出入部1Aは、本実施形態においては、左右に並ぶ3つの容器載置部を備えるように構成されており、制御手段Hは、入庫処理や出庫処理を実行する際には、3つの容器載置部を選択して、スタッカークレーンK及び移載手段Rの作動を制御することになる。
【0055】
移載手段Rについて説明を加えると、図3及び図4に示すように、昇降台6に対して縦軸心周りで旋回される旋回台9にスカラーアーム10が取り付けられ、スカラーアーム10の先端に、物品載置体8が取り付けられている。
スカラーアーム10は、縦軸心周りで揺動自在に旋回台9に取り付けた第1アーム10Aと、その第1アーム10Aの先端に縦軸心周りで揺動自在に取り付けた第2アーム10Bとから構成され、物品載置体8が、第2アーム10Bの先端部に、縦軸心周り揺動自在に設けられている。
【0056】
そして、スカラーアーム10の屈伸作動により、物品載置体8が突出状態と引退状態とに出退操作されるように構成されている。
つまり、スカラーアーム10における第1アーム10Aが旋回台9に対して揺動されると、その揺動に連動して、第2アーム10Bが第1アーム10Aに対して揺動し、かつ、物品載置体8が第2アーム10Bに対して揺動するように、第1アーム10A、第2アーム10B及び物品載置体8を連動させる連動手段が、第1アーム10A及び第2アーム10Bの内部に装備されており、第1アーム10Aが旋回台9に対して正逆に揺動されることにより、物品載置体8が突出状態と引退状態とに操作されるように構成されている。
【0057】
また、旋回台9の旋回作動により、物品載置体8が一対の保管部Aのうちの一方側に向けて突出する形態と他方側に向けて突出する形態とに切換えることができるように構成されている。
【0058】
図5及び図6に示すように、保管部Aの収納部S及び物品搬出入部1Aの3つの容器載置部が、突出状態の物品載置体8が上下に通過可能な載置体通過用開口Wを備える金属製の容器載置用板状体11にて構成されている。
つまり、移載手段Rを構成する物品載置体8の先端部が、台形状に形成され、容器載置用板状体11に形成される載置体通過用開口Wが、突出状態の物品載置体8の先端の外周縁に沿った台形状に形成されている。
また、本実施形態においては、容器載置用板状体11が、金属として、ステンレスを用いて構成されている。
尚、ステンレスは、物品載置体8を構成するアルミニウムよりも、強磁性体である。
【0059】
物品載置体8及び容器載置用板状体11には、図5に明示する如く、容器Uの底面に形成した3つの係合溝Nに係合する、上述した位置決めピンP、Qが立設されており、物品載置体8が、位置決めピンPにて位置決めし状態で、容器Uを載置支持するように構成され、また、容器載置用板状体11が、位置決めピンQにて位置決めした状態で容器Uを載置支持するように構成されている。
尚、物品載置体8に立設した位置決めピンPが、容器載置用板状体11に立設した位置決めピンQよりも、係合溝Nにおける容器中央側に係合することになるため、両位置決めピンP、Qが、容器Uの係合溝Nに同時に係合できることになる。
【0060】
また、物品載置体8が、位置決めピンPにて位置決めして容器Uを載置支持した状態、つまり、位置決めピンPが容器Uの係合溝Nに係合した状態においては、容器Uは物品載置体8に対して浮上して、容器Uの底部と物品載置体8の上面との間には隙間(例えば、1〜2mm程度)が存在することになり、同様に、容器載置用板状体11が、位置決めピンQにて位置決めして容器Uを載置支持した状態、つまり、位置決めピンQが容器Uの係合溝Nに係合した状態においては、容器Uは物品載置体8及び容器載置用板状体11に対して浮上して、容器Uの底部と容器載置用板状体11の上面との間には隙間(例えば、1〜2mm程度)が存在することになる。
【0061】
収納部Sが容器載置用板状体11にて容器Uを載置するように構成されるものであるため、移載手段Rによる掬い処理における上述した掬い用高さB1が、容器載置用板状体11の上面よりも設定量J1(例えば、19mm程度)だけ低い高さに設定されている。
そして、制御手段Hが、掬い処理として、図7に示すように、容器載置用板状体11よりも設定量低い掬い用高さB1にて物品載置体8を突出状態に突出させ、次に、図8に示すように、掬い用高さB1よりも掬い用上昇量だけ高い掬い用目標高さB2に物品載置体8を上昇させ、その後、物品載置体8を引退状態に引退させるべく、スタッカークレーンKの作動を制御するように構成されている。
上述の掬い用目標高さB2は、容器載置用板状体11の上面よりも設定量J2(例えば、26mm程度)だけ高い高さに設定されており、したがって、掬い用上昇量は、45mm程度となる。
【0062】
また、収納部Sが容器載置用板状体11にて容器Uを載置するように構成されるものであるため、移載手段Rによる降ろし処理における上述した降ろし用高さC1が、容器載置用板状体11の上面よりも設定量(例えば、26mm程度)だけ高い高さに設定されている。
そして、制御手段Hが、降ろし処理として、容器載置用板状体11よりも設定量高い降ろし用高さC1にて物品載置体8を突出状態に突出させ(図8参照)、次に、降ろし用高さC1よりも降ろし用下降量だけ低い降ろし用目標高さC2に物品載置体8を下降させ(図7参照)、その後、物品載置体8を引退状態に引退させるべくスタッカークレーンKの作動を制御するように構成されている。
上述の降ろし用目標高さC2は、容器載置用板状体11の上面よりも設定量(例えば、19mm程度)だけ低い高さに設定されており、したがって、降ろし用下降量は、45mm程度となる。
【0063】
上述の説明から明らかなように、本実施形態においては、降ろし処理における降ろし用高さC1と、掬い処理における掬い用目標高さB2とが同じ高さであり、降ろし処理における降ろし用目標高さC2と、掬い処理における掬い用高さB1とが同じ高さである。
【0064】
また、容器Uの外周部で収納部Sに容器Uが載置された状態において容器載置用板状体11の上方に重複する箇所に、その容器Uの識別情報を記憶するパッシブ形式のRFIDタグ(以下、単にタグと呼称する)Tが装備され、移載手段Rにおける物品載置体8に、タグTが記憶している識別情報を読み取るRFIDリーダ(以下、単にリーダと呼称する)Dが装備されている。
【0065】
タグTは、本実施形態では容器UがFOUPであるため、容器Uが収納部Cの容器載置用板状体11に載置された状態においてその容器Uの背部に相当する箇所で且つ下方側に取り付けられている。
【0066】
図10に示すように、リーダDは、リーダ駆動用のアンプユニット26に接続され、そして、アンプユニット26がコントローラ27に接続され、コントローラ27が、制御部Hに接続されている。
そして、コントローラ27は、制御部Hから読取開始指令が指令されると、アンプユニット26を作動させてリーダDからの送信及びリーダDによる受信を繰り返し行い、そして、タグTが記憶している識別情報を読み取ると、アンプユニット26の作動を停止するように構成されている。
【0067】
図5及び図6に示すように、リーダDが、物品載置体8の先端部における上面側部分に形成した凹部V1の内部に凹入した状態で、物品載置体8にボルト固定され、また、アンプユニット26が、物品載置体8の基端側に設けた機器収納用ボックス8A内に装備され、アンプユニット26とリーダDとを接続する接続線28が、物品載置体8の上面側部分に形成した凹溝V2の内部に配設されている。
【0068】
リーダDによるタグTの読取りは、コントローラ27がリーダDから制御信号を含む電波を送信することにより行われることになる。
つまり、タグTは、リーダDからの電波を受信すると、受信した電波にて起電力を生成し、生成した起電力にて制御信号の内容を読み取り、受信した電波を搬送波として用いながら識別情報を変調して電波に乗せるようにする。
リーダDがタグTからの電波を受信すると、その受信された電波がアンプユニット26にて増幅処理され、コントローラ27が、アンプユニット26からの信号をデコード処理して、タグTの識別情報を解析し、その識別情報を制御部Hに伝達することになる。
そして、コントローラ27は、制御部Hから読取開始指令が指令されると、タグTの識別情報を解析するまで、あるいは、制御部Hから読取停止指令が指令されるまで、タグTの読取りを繰り返しおこなうように構成されている。
【0069】
上述した棚卸し処理は、収納部Sに収納されている容器Uに装備されたタグTの識別情報をリーダDにて読み取る処理である。
そして、制御手段Hが、棚卸し処理が指令されると、図7に示すように、移載手段Rを棚卸し対象の容器Uを収納する収納部Sに対する設定移載用位置に移動させ且つ物品載置体8を掬い用高さB1に位置させ、その状態において、物品載置体8を突出状態に突出させ、次に、図9に示すように、掬い用高さB1よりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さB3に物品載置体8を上昇させ、その後、物品載置体8を掬い用高さB1にげ下降させて引退状態に引退させるべく、スタッカークレーンKの作動を制御する読取用作動処理を実行するように構成されている。
【0070】
本実施形態の場合、読取用目標高さB3が、容器載置用板状体11の上面よりも設定量J3(例えば、10mm程度)だけ高い高さに設定されている。
本実施形態においては、上述の如く、掬い用高さB1が、容器載置用板状体11の上面よりも設定量J1(例えば、19mm程度)だけ低い高さとして設定されているため、読取用上昇量は、29mm程度となるものであり、上述した45mm程度となる掬い用上昇量よりも小さいものとなる。
つまり、本実施形態においては、読取用上昇量が、掬い用上昇量よりも小さく設定されている。
【0071】
棚卸し処理は、保管棚1が備える全ての収納部Sに収納されている容器Uに行う必要があり、制御手段Hは、棚卸し処理が指令されると、予め定められた順序にて、移載手段Rを全ての収納部Sに対して移動させて、上述の読取用作動処理を実行することになる。
尚、例示はしないが、スタッカークレーンKの昇降台6には、収納部Sに収納されている容器Uの存否を検出する光式の容器検出センサが装備されており、棚卸しの際には、各収納部Sについての容器Uの存否も確認されることとなり、容器Uが存在する収納部Sに対しては、上述の読取作動処理が実行されるが、容器Uが存在しない収納部Sに対しては、上述の読取作動処理の実行が中止される。
【0072】
本実施形態においては、リーダDとして、135KHzの電波を送信するオムロン社製の「形V640−HS62」を用いている。
このリーダDは、図6に示すように、その外周囲の設定領域Eをノイズ除去のために強磁性体を存在しないようにし、そして、遮蔽物が存在しないようにすれば、広範囲の読取可能範囲Mが確保されるように構成されている。
このため、本実施形態においては、容器載置用板状体11に、載置体通過用開口Wに連なり、且つ、容器Uが収納部Sに載置された状態においてタグTが存在する側に向けて凹入する切欠きZが、リーダDを容器載置用板状体11に対応する高さに位置させた状態における設定領域Eの大きさに対応する大きさにて形成されている。
【0073】
また、本実施形態においては、上述の切欠きZを形成した場合には、容器載置用板状体11によるノイズの除去、及び、容器載置用板状体11による電波の遮蔽が回避され、また、容器載置用板状体11に載置した容器Uの底部と容器載置用板状体11との間の隙間が電波を通過させる空間として利用されるため、物品載置体8を読取用目標高さB3に上昇させる途中にて、リーダDがタグTの識別情報を読み取ることができる確率がかなり高いものとなるため、物品載置体8を読取用目標高さB3に上昇させる途中にて、リーダDがタグTの識別情報を読み取ることができた場合には、その時点で、物品載置体8を引退状態に戻すように構成されている。
【0074】
すなわち、制御部Hが、読取作動処理において、物品載置体8を掬い用高さB1にて突出状態に突出させたのち、掬い用高さB1から読取用目標高さB3に上昇させるときには、リーダDによるタグTの識別情報の読み取りを開始させ、且つ、掬い用高さB1から読取用目標高さB3に上昇させる途中において、リーダDによるタグTの識別情報の読み取りが完了すると、物品載置体8の上昇を停止させて、物品載置体8を掬い用高さB1に下降させて引退状態に引退させるように構成されている。
【0075】
以下、制御手段HによるスタッカークレーンKの制御について説明を加える。
制御部Hは、マイクロコンピュータを備えて構成されるものであって、図7に示すように、スタッカークレーンKの走行台車3を走行駆動する走行用モータ15、昇降台6を昇降駆動する昇降用モータ16、旋回台9を旋回駆動する旋回用モータ17、及び、スカラーアーム10の第1アーム10Aを揺動させて、移載手段Rの物品載置体8を出退駆動する出退用モータ18の夫々の作動を制御するように構成されている。
【0076】
また、スタッカークレーンKの走行台車3の走行経路上の位置を検出する走行位置検出用センサ21、昇降台6の昇降経路上の位置を検出する昇降位置検出用センサ22、旋回台9の旋回位置を検出する旋回位置検出用センサ23、及び、移載手段Rの物品載置体8の出退位置を検出する出退位置検出用センサ24が設けられ、こられのセンサ類の検出情報が制御部Hに入力されるように構成されている。
【0077】
走行位置検出用センサ21は、本実施形態においては、走行経路上の基準位置に設けられた走行用基準体を検出するリードスイッチと、走行用モータの回転量を検出するロータリエンコーダとを用いて構成されている。
【0078】
昇降位置検出用センサ22は、本実施形態においては、昇降経路上の基準位置に設けられた昇降用基準体を検出するリードスイッチと、昇降用モータの回転量を検出するロータリエンコーダとを用いて構成されている。
【0079】
旋回位置検出用センサ23は、本実施形態においては、移載手段Rが左側を向く位置を定める左位置用基準体、及び、移載手段Rが右側を向く位置を定める右位置用基準体を検出するリードスイッチを用いて構成されている。
【0080】
出退位置検出用センサ24は、本実施形態においては、出退基準位置を定める出退用基準体を検出するリードスイッチと、出退用モータの回転量を検出するロータリエンコーダを用いて構成されている。
【0081】
また、保管棚1の搬出入部1Aには、入庫指令、出庫指令、及び、棚卸し処理の指令を行う操作部G(図1参照)が設けられている。
したがって、制御部Hが、操作部Gの指令に基づいて、入庫処理、出庫処理、及び、棚卸し処理を行うように構成されるものであって、具体的には、センサ類21〜24の検出情報に基づいて、スタッカークレーンKの走行位置、昇降台6の昇降位置、移載手段Rの向き、及び、物品載置体8の出退位置を確認しながら、予め記憶されたプログラム情報に基づいて複数のモータ15〜18を作動させて、物品搬出入部1Aに搬入された容器Uを収納部Sに収納する入庫処理、収納部Sに収納された容器Uを物品搬出入部1Aに取り出す出庫処理、及び、複数の収納部Sに収納されている容器Uの識別情報を読み取る棚卸し処理を行うように構成されている。
【0082】
次に、制御部Hの制御作動について、図11〜図13のフローチャートに基づいて説明を加える。
図11に示すように、先ず、棚卸し指令が指令されているか否かを判別し(#1)、棚卸し処理が指令された場合には、棚卸し処理を実行する(#2)。
ステップ#1にて、棚卸し処理が指令されていない場合には、入庫指令が指令されているか否かを判別し(#3)、入庫指令が指令されている場合には、入庫処理を実行する(#4)。
ステップ#3にて、入庫指令が指令されていない場合には、出庫指令が指令されているか否かを判別し(#5)、出庫指令が指令されている場合には、出庫処理を実行する(#6)。
【0083】
そして、棚卸し処理(#2)、入庫処理(#4)、及び、出庫処理(#6)の夫々の処理を実行した後は、#1からの処理を繰り返すことになる。
【0084】
入庫処理(#4)及び出庫処理(#6)における処理内容は、上述の説明から明らかであるので、以下、棚卸し処理(#2)について説明を加える。
【0085】
図12に示すように、棚卸し処理は、保管棚1が備える全ての収納部Sに対して移載手段Rを移動させる対象収納部移動処理(#11)、及び、上述した読取作動処理(#12)を、保管棚1の全ての収納部Sに対する棚卸しが終了するまで(#13)、繰り返し行うことになる。
【0086】
対象収納部移動処理(#11)は、複数の収納部Sについて予め設定し順序情報により定められる棚卸し対象の収納部Sに対して、移載手段Rを移動させる処理を行うものであって、具体的には、移載手段Rを、棚卸し対象の収納部Sに対する横幅方向の設定移載用位置に移動させ且つ物品載置体8を掬い用高さB1に位置させる処理を行う。
【0087】
読取用作動処理は、図13に示すように、先ず、物品載置体8の突出作動を開始し(#21)、上述した突出状態に相当する目標突出位置であることが判別されると(#22)、物品載置体8の突出作動を停止させる(#23)。
【0088】
次に、リーダDにてタグTの識別情報を読み取るタグ読取を開始させ(#24)、その状態で、物品載置体8の上昇作動を開始させる。
その後、リーダDにてタグTの識別情報を読み取ることが完了するか(#26)、あるいは、物品載置体8の高さが読取用目標高さB3を超えると、物品載置体8の上昇作動を停止させることになる(#29)。
そして、リーダDにてタグTの識別情報を読み取ることなく、物品載置体8の高さが読取用目標高さB3を超えた場合には、異常状態であることを外部に出力する異常処理を実行する(#28)。
【0089】
ステップ#29にて、物品載置体8の上昇作動を停止させた後は、物品載置体8の下降作動を開始し(#30)、物品載置体8の高さが掬い用高さB1になると(#30)、物品載置体8の下降作動を停止させる(#32)。
次に、物品載置体8の引退作動を開始し(#33)、上述した引退状態に相当する目標引退位置であることが判別されると(#34)、物品載置体8の引退作動を停止させる(#35)。
【0090】
〔別の実施形態〕
(1)上記実施形態においては、収納部を構成する容器載置用板状体に、載置体通過用開口に連なり、且つ、物品収納容器が収納部に載置された状態においてRFIDタグが存在する側に向けて凹入する切欠きを形成する場合を例示したが、この切欠きを形成しないで実施することも可能である。
つまり、切欠きを形成しない場合においても、物品収納容器を容器載置用板状体から十分に浮上させるようにすれば、容器載置用板状体による影響を受けることなく、RFIDリーダにてRFIDタグの識別情報を読み取ることができるものである。
【0091】
(2)上記実施形態においては、読取作動処理において、物品載置体の上昇作動を開始する前に、RFIDリーダの読取作動を開始させるようにしたが、物品載置体の上昇作動を開始した後に、RFIDリーダの読取作動を開始させるようにしてもよく、要は、物品載置体を掬い用高さから読取用目標高さに上昇させるときには、RFIDリーダの読取作動を開始させればよい。
ちなみに、RFIDリーダの読取作動によるエネルギ消費を抑制する等のために、物品載置体が読取用目標高さに上昇したときに、RFIDリーダの読取作動を開始させるようにすることも可能である。
【0092】
(3)上記実施形態では、物品収納容器として、FOUPを例示したが、バケットやコンテナ等の種々の形態の物品収納容器を対象として、本発明は実施できるものである。
【0093】
(4)上記実施形態では、RFIDリーダを、物品載置体の先端部の上面側部分に設ける場合を例示したが、物品収納容器に装備されるRFIDタグの物品収納容器に対する取り付け位置や、容器載置用板状体の形状等に応じて、RFIDリーダを物品載置体に取り付ける位置は各種変更できるものである。
【0094】
(5)上記実施形態では、移載手段が、スタッカークレーンに装備される場合を例示したが、収納部を縦横に並べて備える保管部の前面側に、保管部の横幅方向の全幅に亘る長さの案内レールが昇降操作自在に設けられて、移載手段が、案内レールに沿って保管部の横幅方向に移動される形態の物品保管設備においても、本発明は適用できるものである。
【0095】
(6)上記実施形態では、収納部を縦横に並べて備える保管部を例示したが、収納部が横幅方向にのみ備えられる保管部や、収納部が上下方向にのみ備えられる保管部において、本発明を適用しても良い。
ちなみに、収納部を横幅方向にのみ備える保管部としては、天井側の走行レールに吊り下げられた状態で走行する、いわゆるホイスト式搬送台車の走行経路の横側部に、走行経路の長手方向に沿って収納部が並べられる保管部を挙げることができ、この場合には、ホイスト式搬送台車に、出退する物品載置体を備える移載手段を装備させることになる。
【符号の説明】
【0096】
8 物品載置体
11 容器載置用板状体
A 保管部
B1 掬い用高さ
B2 掬い用目標高さ
B3 読取用目標高さ
D RFIDリーダ
F 物品搬送用空間
K 搬送手段
R 移載手段
S 収納部
T RFIDタグ
U 物品収納容器
W 載置体通過用開口
Z 切欠き
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品収納容器を載置支持する複数の収納部が並設された保管部と、前記保管部の前面側の物品搬送用空間内を前記収納部の並び方向に沿って移動自在で且つ前記物品収納容器を前記収納部に対して移載すべく作動自在な移載手段を備える搬送手段と、前記搬送手段の作動を制御する制御手段とが設けられ、
前記移載手段が、前記物品搬送用空間内に位置する引退状態と前記収納部内に突出する突出状態とに出退駆動自在で且つ昇降駆動自在な物品載置体にて、前記収納部に載置されている物品収納容器を取り出す掬い処理、及び、前記物品載置体にて載置した物品収納容器を前記収納部に収納する降ろし処理を行うように構成され、
前記収納部が、前記突出状態の前記物品載置体が上下に通過自在な載置体通過用開口を備える金属製の容器載置用板状体にて構成され、
前記制御手段が、前記掬い処理を行うときには、前記容器載置用板状体よりも設定量低い掬い用高さにて前記物品載置体を前記突出状態に突出させ、次に、前記掬い用高さよりも掬い用上昇量だけ高い掬い用目標高さに前記物品載置体を上昇させ、その後、前記物品載置体を前記引退状態に引退させるべく、前記搬送手段の作動を制御するように構成された物品保管設備であって、
前記物品収納容器の外周部でかつ前記収納部に前記物品収納容器が載置された状態において前記容器載置用板状体の上方に重複する箇所に、その物品収納容器の識別情報を記憶するパッシブ形式のRFIDタグが装備され、
前記物品載置体に、前記RFIDタグが記憶している前記識別情報を読み取るRFIDリーダが装備され、
前記制御手段が、前記収納部に収納されている前記物品収納容器に装備された前記RFIDタグの識別情報を前記RFIDリーダにて読み取る棚卸し処理が指令されると、前記物品載置体を前記掬い用高さにて前記突出状態に突出させ、次に、前記掬い用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに前記物品載置体を上昇させ、その後、前記物品載置体を前記掬い用高さに下降させて前記引退状態に引退させるべく、前記搬送手段の作動を制御する読取用作動処理を実行するように構成されている物品保管設備。
【請求項2】
前記読取用上昇量が、前記掬い用上昇量よりも小さく設定されている請求項1記載の物品保管設備。
【請求項3】
前記載置体通過用開口が、前記突出状態の前記物品載置体の先端の外周縁に沿った形状に形成され、
前記容器載置用板状体に、前記載置体通過用開口に連なり、且つ、前記物品収納容器が前記収納部に載置された状態において前記RFIDタグが存在する側に向けて凹入する切欠きが形成されている請求項2記載の物品保管設備。
【請求項4】
前記制御手段が、前記読取用作動処理において、前記物品載置体を前記掬い用高さにて前記突出状態に突出させたのち、前記掬い用高さから前記読取用目標高さに上昇させるときには、前記RFIDリーダによる前記RFIDタグの識別情報の読み取りを開始させ、且つ、前記掬い用高さから前記読取用目標高さに上昇させる途中において、前記RFIDリーダによる前記RFIDタグの識別情報の読み取りが完了すると、前記物品載置体の上昇を停止させて、前記物品載置体を前記掬い用高さに下降させて前記引退状態に引退させるように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の物品保管設備。
【請求項5】
前記物品収納容器が、基板を収納するFOUPであり、前記RFIDタグが、前記FOUPにおける前記物品載置体に載置された状態において背部に相当する箇所に装備され、
前記容器載置用板状体に、前記FOUPの底面部に形成した位置決め用凹部に係合する位置決めピンが立設されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の物品保管設備。
【請求項1】
物品収納容器を載置支持する複数の収納部が並設された保管部と、前記保管部の前面側の物品搬送用空間内を前記収納部の並び方向に沿って移動自在で且つ前記物品収納容器を前記収納部に対して移載すべく作動自在な移載手段を備える搬送手段と、前記搬送手段の作動を制御する制御手段とが設けられ、
前記移載手段が、前記物品搬送用空間内に位置する引退状態と前記収納部内に突出する突出状態とに出退駆動自在で且つ昇降駆動自在な物品載置体にて、前記収納部に載置されている物品収納容器を取り出す掬い処理、及び、前記物品載置体にて載置した物品収納容器を前記収納部に収納する降ろし処理を行うように構成され、
前記収納部が、前記突出状態の前記物品載置体が上下に通過自在な載置体通過用開口を備える金属製の容器載置用板状体にて構成され、
前記制御手段が、前記掬い処理を行うときには、前記容器載置用板状体よりも設定量低い掬い用高さにて前記物品載置体を前記突出状態に突出させ、次に、前記掬い用高さよりも掬い用上昇量だけ高い掬い用目標高さに前記物品載置体を上昇させ、その後、前記物品載置体を前記引退状態に引退させるべく、前記搬送手段の作動を制御するように構成された物品保管設備であって、
前記物品収納容器の外周部でかつ前記収納部に前記物品収納容器が載置された状態において前記容器載置用板状体の上方に重複する箇所に、その物品収納容器の識別情報を記憶するパッシブ形式のRFIDタグが装備され、
前記物品載置体に、前記RFIDタグが記憶している前記識別情報を読み取るRFIDリーダが装備され、
前記制御手段が、前記収納部に収納されている前記物品収納容器に装備された前記RFIDタグの識別情報を前記RFIDリーダにて読み取る棚卸し処理が指令されると、前記物品載置体を前記掬い用高さにて前記突出状態に突出させ、次に、前記掬い用高さよりも読取用上昇量だけ高い読取用目標高さに前記物品載置体を上昇させ、その後、前記物品載置体を前記掬い用高さに下降させて前記引退状態に引退させるべく、前記搬送手段の作動を制御する読取用作動処理を実行するように構成されている物品保管設備。
【請求項2】
前記読取用上昇量が、前記掬い用上昇量よりも小さく設定されている請求項1記載の物品保管設備。
【請求項3】
前記載置体通過用開口が、前記突出状態の前記物品載置体の先端の外周縁に沿った形状に形成され、
前記容器載置用板状体に、前記載置体通過用開口に連なり、且つ、前記物品収納容器が前記収納部に載置された状態において前記RFIDタグが存在する側に向けて凹入する切欠きが形成されている請求項2記載の物品保管設備。
【請求項4】
前記制御手段が、前記読取用作動処理において、前記物品載置体を前記掬い用高さにて前記突出状態に突出させたのち、前記掬い用高さから前記読取用目標高さに上昇させるときには、前記RFIDリーダによる前記RFIDタグの識別情報の読み取りを開始させ、且つ、前記掬い用高さから前記読取用目標高さに上昇させる途中において、前記RFIDリーダによる前記RFIDタグの識別情報の読み取りが完了すると、前記物品載置体の上昇を停止させて、前記物品載置体を前記掬い用高さに下降させて前記引退状態に引退させるように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の物品保管設備。
【請求項5】
前記物品収納容器が、基板を収納するFOUPであり、前記RFIDタグが、前記FOUPにおける前記物品載置体に載置された状態において背部に相当する箇所に装備され、
前記容器載置用板状体に、前記FOUPの底面部に形成した位置決め用凹部に係合する位置決めピンが立設されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の物品保管設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−116538(P2011−116538A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−277733(P2009−277733)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】
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