説明

物品保管設備

【課題】構成の複雑化及び大型化を招くことなく、物品収納部に対する各種の作業を行い易くして作業者による物品収納部に対する作業性の向上を図ること。
【解決手段】物品収納部4を上下方向及び左右方向に複数並べて構成された収納棚1と、走行レール5を走行自在で各物品収納部4に対して物品Bを搬送するスタッカークレーン3が設けられ、スタッカークレーン3が、走行レール5に沿って走行自在な走行台車9と、その走行台車9の前後幅方向の両端部に立設された一対の昇降案内マスト10と、その一対の昇降案内マスト10の間において一対の昇降案内マスト10に沿って昇降自在な昇降台と、その昇降台10に備えられた物品移載装置12とを備え、スタッカークレーン3は、一対の昇降案内マスト10の間に走行台車9の前後幅方向及び走行台車9の横幅方向に設定幅を有する作業架台27が取り付け及び取り外し自在に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品収納部を上下方向及び左右方向に複数並べて構成された収納棚と、その収納棚の前方側に棚横幅方向に沿って配設された走行レールを走行自在で各物品収納部に対して物品を搬送するスタッカークレーンと、そのスタッカークレーンの作動を制御するクレーン制御手段とが設けられ、前記スタッカークレーンが、前記走行レールに沿って走行自在な走行台車と、その走行台車の前後幅方向に間隔を隔てて前記走行台車に立設された前後一対の昇降案内マストと、その前後一対の昇降案内マストの間において昇降自在に前記前後一対の昇降案内マストに案内支持された昇降台と、その昇降台に備えられた物品移載装置とを備えている物品保管設備に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような物品保管設備では、クレーン制御手段がスタッカークレーンの作動を制御することにより、走行台車の走行作動及び昇降台の昇降作動を行って物品収納部に対する目標移載位置に物品移載装置を位置させ、物品移載装置にて物品収納部との間で物品を移載している。
【0003】
このような物品保管設備では、地震等の発生により物品収納部に収納されている物品が適正な収納位置から移動してしまうことがある。例えば、物品が適正な収納位置から収納棚の棚前後方向の前方側に移動して物品収納部から前方側に突出してしまうと、走行レールを走行するスタッカークレーンと接触してしまう問題が生じる。また、物品が適正な収納位置から収納棚の棚横幅方向に移動すると、目標移載位置に位置する物品移載装置が物品収納部との間で物品の移載を行えなくなる問題が生じる。よって、物品が適正な収納位置から移動した物品収納部については、その物品を適正な収納位置に修正する修正作業を作業者が行わなければならず、この作業を行うために作業者が各物品収納部に移動できることが求められる。
また、設備のシステムがダウンしたときや停電等が起こったときでも、物品収納部に収納されている物品を出庫することが求められることがあるので、物品収納部に収納されている物品を取り出す取り出し作業を作業者が行わなければならず、作業者が各物品収納部に移動できることが必要となる。
【0004】
そこで、従来の物品保管設備では、スタッカークレーンの昇降案内マストに沿って梯子が備えられており、作業者がこの梯子を上っていくことで作業対象の物品収納部まで移動することができる(例えば、特許文献1参照。)。
また、他の設備では、スタッカークレーンの昇降案内マストの外側に、作業者が搭乗可能なキャブが昇降駆動手段により昇降案内マストに沿って昇降自在に設けられており、作業者がキャブにて搭乗して上昇することにより、作業者が作業対象の物品収納部まで移動することができる(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−1725号公報
【特許文献2】特許第3094713号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1では、物品の位置を修正する修正作業や物品を取り出す取り出し作業等の物品収納部に対する各種の作業を作業者が梯子に上っている状態で行わなければならず、物品収納部に対する各種の作業を行い難いものとなっていた。特に、高い位置にある物品収納部に対して作業を行うときには、高所での作業となるので、修正作業や取り出し作業等の作業が行い難いという欠点が顕著になっている。
【0007】
上記特許文献2では、作業者がキャブに搭乗した状態で修正作業や取り出し作業等の物品収納部に対する各種の作業を行うことができるので、その作業が行い易くなり、作業者による物品収納部に対する作業性の向上を図ることができる。しかしながら、昇降案内マストに予めキャブを設置しておかなければならず、構成の複雑化を招くことになる。また、キャブの設置位置は、昇降台の昇降の邪魔にならない位置である必要があることから、昇降案内マストの外側に突出させた状態でキャブが設置されており、スタッカークレーンとしても走行台車の前後幅方向に大きなものとなり、設備の大型化を招くものとなっていた。
【0008】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、構成の複雑化及び大型化を招くことなく、物品収納部に対する各種の作業を行い易くして作業者による物品収納部に対する作業性の向上を図ることができる物品保管設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、本発明に係る物品保管設備の第1特徴構成は、物品収納部を上下方向及び左右方向に複数並べて構成された収納棚と、その収納棚の前面に棚横幅方向に沿って配設された走行レールを走行自在で各物品収納部に対して物品を搬送するスタッカークレーンと、そのスタッカークレーンの作動を制御するクレーン制御手段とが設けられ、前記スタッカークレーンが、前記走行レールに沿って走行自在な走行台車と、その走行台車の前後幅方向の両端部に立設された一対の昇降案内マストと、その一対の昇降案内マストの間において前記一対の昇降案内マストに沿って昇降自在な昇降台と、その昇降台に備えられた物品移載装置とを備えている物品保管設備において、
前記スタッカークレーンは、前記一対の昇降案内マストの間に前記走行台車の前後幅方向及び前記走行台車の横幅方向に設定幅を有する作業架台が取り付け及び取り外し自在に構成されている点にある。
【0010】
本特徴構成によれば、スタッカークレーンの一対の昇降案内マストは、上下方向に並ぶ複数の物品収納部の全てに対して物品を移載できるように昇降台を昇降案内するものであるので、その一対の昇降案内案マストの間に作業架台を取り付け自在とすることで、修正作業や取り出し作業を行う作業対象の物品収納部に対応する高さに作業架台を取り付けることができる。よって、作業者は、作業架台に乗った状態で物品の位置を修正する修正作業や物品を取り出す取り出し作業を行うことができるので、その作業を行い易いものとなる。しかも、修正作業や取り出し作業を行う必要があるときだけ作業架台を取り付け、必要ないときには作業架台を取り外しておくことで昇降台の昇降を邪魔することがない。よって、本来昇降台が昇降する領域を有効に活用して作業架台を必要に応じて取り付けることで、上記特許文献2の如く、昇降案内マストにキャブを予め設置しておくものと比べて、構成の簡素化を図ることができるとともに、スタッカークレーンとしても走行台車の前後方向での大きさを小さくすることができる。
以上のことから、構成の複雑化及び大型化を招くことなく、物品収納部に対する各種の作業を行い易くして作業者による物品収納部に対する作業性の向上を図ることができる物品保管設備を実現できる。
【0011】
本発明に係る物品保管設備の第2特徴構成は、前記作業架台は、前記走行台車の前後幅方向において前記一対の昇降案内マストの間隔の全長に亘る幅を有し、前記走行台車の前後幅方向の端部の夫々に位置する端部部材とその端部部材同士の間を繋ぐ中間部材とから構成され、前記端部部材の夫々は、前記昇降案内マストの夫々に固定状態で前記昇降台と干渉しない位置に設置され、前記中間部材は、前記端部部材に対して取り付け及び取り外し自在に構成されている点にある。
【0012】
本特徴構成によれば、作業架台の一部である端部部材だけを昇降案内マストに予め設置しておくことで、端部部材に対して中間部材を取り付け及び取り外すだけで、作業架台の取り付け作業及び取り外し作業を行うことができる。しかも、端部部材の夫々を昇降案内マストの夫々に固定状態で設置しているので、端部部材の設置高さを必要に応じて調整して設置しておくことで、作業架台を必要に応じた高さに取り付けることができる。また、端部部材の設置位置が昇降台と干渉しない位置となっているので、昇降案内マストに端部部材を予め設置しておいても、端部部材が昇降台の昇降を邪魔することはない。
【0013】
本発明に係る物品保管設備の第3特徴構成は、前記端部部材は、前記昇降案内マストから前記走行台車の横幅方向の両側に延びる棒状に形成され、前記中間部材は、前記端部部材において前記走行台車の横幅方向の端部部位の夫々に取り付け及び取り外し自在で且つ取り付けた状態で前記走行台車の前後幅方向に延びる棒状の一対の第1中間部材と、前記一対の第1中間部材に亘る状態で前記一対の第1中間部材に取り付け及び取り外し自在な板状の第2中間部材と、前記第1中間部材から上方側に延びる状態で取り付け及び取り外し自在な柵状の第3中間部材とから構成されている点にある。
【0014】
本特徴構成によれば、端部部材の形状が昇降案内マストから走行台車の横幅方向の両側に延びる棒状であり、その棒状の端部部材の端部部位に第1中間部材を取り付けることができ、走行台車の前後幅方向に一対の昇降案内マストの間隔の全長に亘る幅を有し、走行台車の横幅方向に端部部材の全長に亘る幅を有する枠状の部材を形成することができる。そして、この枠状の部材に対して、第1中間部材の全長に亘って一対の第1中間部材に亘る状態で板状の第2中間部材を取り付けることができ、走行台車の前後幅方向に一対の昇降案内マストの間隔の全長に亘る幅を有し、走行台車の横幅方向に端部部材の全長に亘る幅を有する作業架台を形成することができる。よって、作業者が物品の位置を修正する修正作業や物品を取り出す取り出し作業等の作業を行うスペースとして十分なスペースを確保することができ、作業性の向上を図ることができる。しかも、第1中間部材から上方側に延びるように柵状の第3中間部材を取り付けることができ、作業架台に乗っている作業者が安全に且つ容易に作業を行うことができ、作業者が作業を行うのにより有用な作業架台となる。また、中間部材を3つの部材から構成しているので、作業者が各部材を持ち運びし易くなり、作業架台の取り付け及び取り外し作業の簡素化を図ることができる。
【0015】
本発明に係る物品保管設備の第4特徴構成は、前記端部部材は、前記第1中間部材を下方側から受け止め支持する状態で取り付け自在に構成され、前記第1中間部材は、前記第2中間部材を下方側から受け止め支持する状態で取り付け自在に構成されている点にある。
【0016】
本特徴構成によれば、第2中間部材は第1中間部材により受け止め支持され、その第1中間部材は端部部材にて受け止め支持されているので、第2中間部材にかかる荷重、及び、第1中間部材にかかる荷重を端部部材にて受けることができる。一方、端部部材は昇降案内マストに予め設置されているので、その設置する際に昇降案内マストに対して端部部材を強固に固定しておくことができる。よって、取り付け自在な部材である第1中間部材や第2中間部材については強固に固定する作業を行わなくても、昇降案内マストに対して端部部材を強固に固定しておくことで、作業架台にかかる荷重を適切に受けることができ、取り付け作業の簡素化を図りながら、作業架台の強度も比較的に強固なものとすることができる。
【0017】
本発明に係る物品保管設備の第5特徴構成は、前記一対の昇降案内マストの間に前記作業架台が取り付けられている取付状態を検出する取付状態検出手段が設けられ、前記クレーン制御手段は、前記取付状態検出手段が取付状態を検出していると、前記昇降台の昇降作動を禁止する点にある。
【0018】
本特徴構成によれば、クレーン制御手段は、取付状態検出手段が取付状態を検出していると、昇降台の作動を禁止するので、作業架台を取り付けているときに、誤って昇降台を昇降作動させてしまい、昇降台と作業架台が接触してしまう事態に陥るのを的確に回避することができる。
【0019】
本発明に係る物品保管設備の第6特徴構成は、前記作業架台は、上下方向に間隔を隔てた複数の取付位置の夫々に取り付け自在に構成され、前記複数の取付位置のうち最下位に位置する取付位置は、前記昇降台を昇降範囲の最下位に位置させたときにその昇降台及びその昇降台に存在する物品が占有する領域よりも上方側に設定されている点にある。
【0020】
本特徴構成によれば、複数の取付位置の夫々に作業架台を取り付けることができるので、複数の作業架台を取り付けて異なる高さに位置する物品収納部に対する作業を効率よく行うことができる。また、複数の取付位置のうち最下位に位置する取付位置は、昇降台を昇降範囲の最下位に位置させたときにその昇降台及びその昇降台に存在する物品が占有する領域よりも上方側であるので、クレーン制御手段に対して昇降台を昇降範囲の最下位に昇降させるように指令するだけで、昇降台を昇降範囲の最下位に位置させることができて、作業架台を最下位の取付位置にも取り付けることができる。よって、作業架台を取り付けるための昇降台の昇降作動に対する対処を簡易なものとしながら、複数の物品収納部に対して効率よく作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】物品保管設備の一部の平面図
【図2】物品保管設備の一部の側面図
【図3】作業架台を取り付けた状態での物品保管設備の一部の側面図
【図4】作業架台を取り付けた状態でのスタッカークレーンの平面図
【図5】作業架台を取り付けた状態でのスタッカークレーンの側面図
【図6】作業架台の取り付け方法を示す斜視図
【図7】作業架台の取り付け方法を示す斜視図
【図8】作業架台を取り付けた状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る物品保管設備の実施形態について図面に基づいて説明する。
この物品保管設備は、図1及び図2に示すように、物品Bを出し入れする前面が互いに対向するように間隔を隔てて設置した2つの収納棚1と、それらの収納棚1どうしの間に形成した走行通路2を自動走行するスタッカークレーン3とを設けて構成されている。
【0023】
各収納棚1は、棚横幅方向(図1中上下方向、図2中左右方向)に間隔を隔てて立設した複数の支柱1aと、棚横幅方向に並ぶ複数の支柱1aに亘って設けられた物品載置板1bとを備えて構成されている。そして、収納棚1は、物品載置板1bにて物品Bを載置支持する形態で物品Bを収納するように構成され、各物品Bを収納する物品収納部4が上下方向及び左右方向に複数並ぶように設けられている。収納棚1に対する物品Bの収納については、棚横幅方向に隣接する支柱1a間の物品載置板1b上に複数の物品Bを並べる形態で物品Bを収納するように構成されている。ちなみに、図示のものでは、同一の物品載置板1bには棚横幅方向における幅が同じ又はほぼ同じ物品Bを載置支持させる形態で複数の物品Bを並べて収納しているが、棚横幅方向における幅が異なる複数の物品Bを並べて収納することもできる。
【0024】
走行通路2には、その床側に走行レール5が収納棚1の棚横幅方向に沿って設置され、その天井側にガイドレール6が棚横幅方向に沿って設置されている。
走行レール5の一端側には、スタッカークレーン3の運転を管理する地上側コントローラ7が設けられ、収納棚1の棚横幅方向において収納棚1の端部に隣接する箇所には走行レール5を挟んで一対の搬出入部8が設けられている。この搬出入部8は、スタッカークレーン3との物品Bの受け渡しのために、収納棚1に入庫する物品B及び物品収納棚1から出庫する物品Bを載置支持するものであり、例えば、コンベヤや荷載置台にて構成することができる。
【0025】
スタッカークレーン3は、走行レール5に沿って走行自在な走行台車9と、走行台車9に立設された一対の昇降案内マスト10と、一対の昇降案内マスト10の間において一対の昇降案内マスト10に沿って昇降自在な昇降台11と、昇降台11に備えられた物品移載装置12とを備えて構成されている。
【0026】
昇降案内マスト10は、走行台車9の前後幅方向において前端部と後端部の夫々に1つずつ一対設けられている。そして、昇降案内マスト10の上端部には、一対の昇降案内マスト10の上端部どうしを連結し且つガイドレール6に案内される上部フレーム13が設けられている。
【0027】
昇降台12は、走行台車10に立設した一対の昇降案内マスト10にて昇降自在に案内支持されており、その両端側に連結した昇降用ワイヤ14(一部を図示省略)にて吊下げ支持されている。そして、昇降用ワイヤ14は、上部フレーム13等に設けられた案内プーリ(図中省略)に巻き掛けられて、走行台車10の一端に装備した巻き取りドラム17に連結されている。巻き取りドラム17をインバータ式モータである昇降用電動モータ18にて正逆に駆動回転させて、昇降用ワイヤの繰り出し操作や巻き取り操作により昇降台11を昇降させるように構成されている。
【0028】
図示は省略するが、昇降台11には、上下方向での昇降台11の昇降位置を検出する昇降用ロータリエンコーダが設けられている。昇降用ロータリエンコーダの回転軸には、昇降案内マスト10の長手方向に沿って設けられたチェーンに歯合するスプロケットが設けられている。そして、昇降用ロータリエンコーダは、昇降台11の昇降距離から上下方向での昇降台11の昇降位置を検出する。
【0029】
また、走行台車9には、走行レール5上を走行自在な前後2つの車輪20が設けられ、2つの車輪20のうちの走行台車9の前後幅方向の一端側の車輪が、インバータ式モータである走行用電動モータ21にて駆動される駆動輪20aとして構成され、走行台車9の前後幅方向の他端側の車輪が、遊転自在な従動輪20bとして構成されている。そして、走行台車9は、走行用電動モータ21の作動により駆動輪20aを回転駆動させて走行レール5に沿って走行するように構成されている。
【0030】
図示は省略するが、走行台車9には、左右方向での走行台車9の走行位置を検出する走行用ロータリエンコーダが設けられている。走行用ロータリエンコーダの回転軸には、走行レール5の長手方向に沿って設けられたチェーンに歯合するスプロケットが設けられている。そして、走行用ロータリエンコーダは、走行台車9の走行距離から左右方向での走行台車9の走行位置を検出する。
【0031】
昇降台11には、物品移載装置12が走行台車10の前後幅方向に並ぶ状態で2つ備えられている。物品移載装置12の夫々は、左右方向に接近離間自在で且つ物品Bを載置支持する載置板23側に引退させた引退位置と外部の移載対象箇所側に突出させた突出位置とに出退自在な一対の搬送用ベルト24を備えている。この物品移載装置12は、所謂サイドベルト式の移載装置であり、一対の搬送用ベルト24を接近作動させて物品Bを両横から挟持する挟持状態と一対の搬送用ベルト24を離間作動させて物品Bに対する挟持を解除する解除状態とに切り換え、一対の搬送用ベルト24を引退位置と突出位置とに出退駆動させ、及び、搬送用ベルト24を搬送作動させることによって、載置板23と各物品収納部4及び搬出入部8との間で物品Bを移載する。例えば、物品収納部4から載置板23に物品Bを移載するときには、出退駆動用モータ(図示省略)の駆動により搬送用ベルト24を引退位置から突出位置に突出作動させたのち、挟持駆動モータ(図示省略)の駆動により一対の搬送用ベルト24を接近作動させて物品Bの両横を一対の搬送用ベルト24にて挟持する挟持状態として、搬送用モータ25の駆動により搬送用ベルト24を搬送作動させる。
【0032】
このスタッカークレーン3には、地上側コントローラ7からの指令に基づいて、走行台車9の走行作動、昇降台11の昇降作動、及び、物品移載装置12の作動を制御することで、スタッカークレーン3の作動を制御するクレーン側コントローラ26が設けられており、地上側コントローラ7とクレーン側コントローラ26とからクレーン制御手段が構成されている。そして、クレーン側コントローラ26に対して、昇降用ロータリエンコーダや走行用ロータリエンコーダの検出情報、及び、その他スタッカークレーン3に装備された各種のセンサの検出情報が入力されるように構成されている。
【0033】
物品Bを搬送する場合には、クレーン側コントローラ26は、物品収納部4又は搬出入部8に対応する目標移載位置に物品移載装置12を移動させるべく、走行台車9の走行作動及び昇降台11の昇降作動を制御し、その後、物品収納部4又は搬出入部8との間で物品Bを移載すべく、物品移載装置12の作動を制御する。地上側コントローラ7は、物品収納部4及び搬出入部8に対応する目標移載位置の全てを記憶している。また、地上側コントローラ7は、複数の物品収納部4の夫々について、どの物品Bがどの物品収納部4に収納されているかの収納状態を管理する。
【0034】
搬出入部8に物品Bが搬入されると、地上側コントローラ7は、その物品Bをどの物品収納部4に収納させるかを選択してクレーン側コントローラ26に入庫指令を行う。また、出庫要求情報があると、地上側コントローラ7は、その出庫要求情報に基づいて出庫する物品Bが収納された物品収納部4を選択してクレーン側コントローラ26に出庫指令を行う。
【0035】
クレーン側コントローラ26は、地上側コントローラ7からの入庫指令又は出庫指令に基づいて、搬出入部8に搬入された物品Bをその物品Bを収納すると選択された物品収納部4に収納させるべく、或いは、出庫する物品Bが収納された物品収納部4から搬出入部8に出庫すべく、スタッカークレーン3の作動を制御するように構成されている。ここで、入庫指令では、物品Bが搬入された搬出入部8の目標移載位置と物品Bを収納する物品収納部4の目標移載位置とを含む情報を指令しており、出庫指令では、出庫する物品Bが収納された物品収納部4の目標移載位置とその物品Bを出庫する搬出入部8の目標移載位置とを含む情報を指令している。
【0036】
走行台車9の走行作動の制御については、クレーン側コントローラ26が、走行用ロータリエンコーダの検出情報に基づいて走行台車9の走行位置を把握し、その把握している走行位置が目標走行位置になるように、走行用電動モータ21の作動を制御するように構成されている。ここで、目標走行位置は、複数の物品収納部4及び搬出入部8のうち、移載対象の物品収納部4又は搬出入部8における目標移載位置に対して左右方向で同一位置に物品移載装置12を位置させたときの走行台車9の走行位置である。
【0037】
昇降台11の昇降作動の制御については、クレーン側コントローラ26が、昇降用ロータリエンコーダの検出情報に基づいて昇降台11の昇降位置を把握し、その把握している昇降位置が目標昇降位置になるように、昇降用電動モータ18の作動を制御するように構成されている。ここで、目標昇降位置は、複数の物品収納部4及び搬出入部8のうち、移載対象の物品収納部4又は搬出入部8における目標移載位置に対して上下方向で同一位置に物品移載装置12を位置させたときの昇降台11の昇降位置である。
【0038】
物品収納部4又は搬出入部8に載置支持された物品Bを掬い取るときには、クレーン側コントローラ26が、出退駆動用モータ(図示省略)の駆動により搬送用ベルト24を引退位置から突出位置に突出作動させたのち、挟持駆動モータ(図示省略)の駆動により一対の搬送用ベルト24を接近作動させて物品Bの両横を一対の搬送用ベルト24にて挟持する挟持状態として、搬送用モータ25の駆動により搬送用ベルト24を搬送作動させるべく、物品移載装置12の作動を制御する。そして、物品収納部4及び搬出入部8に物品Bを卸すときには、クレーン側コントローラ26が、出退駆動用モータ(図示省略)の駆動により搬送用ベルト24を引退位置から突出位置に突出作動させて、搬送用モータ25の駆動により搬送用ベルト24を搬送作動させたのち、挟持駆動モータ(図示省略)の駆動により一対の搬送用ベルト24を離間作動させて物品Bに対する挟持を解除する解除状態とし、出退駆動用モータ(図示省略)の駆動により搬送用ベルト24を突出位置から引退位置に引退作動させるべく、物品移載装置12の作動を制御する。
【0039】
このようにして、地上側コントローラ7からの指令によりクレーン側コントローラ26が、スタッカークレーン3の作動を制御することで、搬出入部8に搬入された物品Bを物品収納部4に収納させる入庫作業、及び、物品収納部4に収納された物品Bを搬出入部8に出庫する出庫作業を行うようにしている。
【0040】
このような物品保管設備では、地震等の発生により物品収納部4に収納されている物品Bが適正な収納位置から移動してしまうことがある。例えば、物品Bが適正な収納位置から収納棚1の棚前後方向の前方側に移動して物品収納部4から前方側に突出してしまうと、走行レール5を走行するスタッカークレーン3と接触してしまう問題が生じる。また、物品Bが適正な収納位置から収納棚1の棚横幅方向に移動すると、目標移載位置に位置する物品移載装置12が物品収納部4との間で物品Bの移載を行えなくなる問題が生じる。よって、物品Bが適正な収納位置から移動した物品収納部4については、その物品Bを適正な収納位置に修正する修正作業を作業者が行わなければならず、この作業を行うために作業者が各物品収納部4に移動できることが求められる。また、設備のシステムがダウンしたときや停電等が起こったときでも、物品収納部4に収納されている物品Bを出庫することが求められることがあるので、物品収納部4に収納されている物品Bを取り出す取り出し作業を作業者が行わなければならず、作業者が各物品収納部4に移動できることが必要となる。
【0041】
そこで、本発明では、図3〜図5に示すように、スタッカークレーン3が、一対の昇降案内マスト10の間に走行台車9の前後幅方向及び走行台車9の横幅方向に設定幅を有する作業架台27が取り付け及び取り外し自在に構成されている。これにより、作業者は、作業架台27に乗った状態で物品Bを適正な収納位置に修正する修正作業や物品収納部4に収納されている物品Bを取り出す取り出し作業を行うことができ、これらの作業を行い易く作業性の向上を図ることできる。ここで、走行台車9の前後幅方向は、図3中左右方向であり、図4及び図5中上下方向である。また、走行台車9の横幅方向は、図4中左右方向である。そして、図2は、作業架台27を取り外した状態を示しており、図3〜図5は、作業架台27を取り付けた状態を示している。
【0042】
作業架台27は、上下方向に間隔を隔てた複数の取付位置の夫々に取り付け自在に構成されている。図3に示すものでは、3つの取付位置を設定している例を示している。そして、複数の取付位置のうち最下位に位置する取付位置は、図3に示すように、昇降台11を昇降範囲の最下位に位置させたときにその昇降台11及びその昇降台に存在する物品Bが占有する領域よりも上方側に設定されている。ここで、各取付位置については、上下方向において隣接する物品収納部4同士の間とすることにより、1つの作業架台27に作業者が乗ることで、例えば、上下方向で異なる2つの物品収納部4に対する作業を行うことができ、複数の作業架台27を効率よく配置させることができる。また、上下方向での取付位置の間隔については、一般的な作業者の身長に合わせて設定することができ、上下方向の複数の物品収納部4に対する作業を作業者が行えるように設定している。
【0043】
作業架台27は、走行台車9の前後幅方向(図3中左右方向、図4及び図5中上下方向)において一対の昇降案内マスト10の間隔の全長に亘る幅を有し、走行台車9の前後幅方向の端部の夫々に位置する端部部材28とその端部部材28同士の間を繋ぐ中間部材29とから構成されている。
【0044】
端部部材28の夫々は、昇降案内マスト10の夫々に固定状態で昇降台11と干渉しない位置に設置されている。ここで、昇降台11と干渉しない位置とは、一対の昇降案内マスト10の間を昇降台11が昇降するときにその昇降台11と接触しない位置を意味しており、走行台車9の前後方向において一対の昇降案内マスト10の間の外側の位置となっている。そして、端部部材28は、走行台車9の前後幅方向において一対の昇降案内マスト10同士が離れる側である矩形状の昇降案内マスト10の外側面部にブラケットやボルトを用いて固定状態で設置されており、その設置状態で昇降案内マスト10から走行台車9の横幅方向(図4中左右方向)の両側に延びる棒状に形成されている。
【0045】
中間部材29は、端部部材28に対して取り付け及び取り外し自在に構成されている。中間部材29は、端部部材28において走行台車9の横幅方向(図4中左右方向)の端部部位の夫々に取り付け及び取り外し自在で且つ取り付けた状態で走行台車9の前後幅方向(図3中左右方向、図4及び図5中上下方向)に延びる棒状の一対の第1中間部材30と、一対の第1中間部材30に亘る状態で一対の第1中間部材30に取り付け及び取り外し自在な板状の第2中間部材31と、第1中間部材30から上方側に延びる状態で取り付け及び取り外し自在な柵状の第3中間部材32とから構成されている。
【0046】
〔作業架台の取り付け〕
まず、地上側コントローラ7からクレーン側コントローラ26に対して指令することにより、昇降台11を昇降範囲の最下位に位置させるように昇降台11の昇降作動を行う。これにより、最下位の取付位置は、昇降範囲の最下位に位置する昇降台11及びその昇降台11に存在する物品Bが占有する領域よりも上方側に設定されているので、昇降台11に邪魔されずに最下位の取付位置に作業架台27を取り付けることができる。そして、例えば、作業者が床面上に位置する状態で最下位の取付位置に作業架台27を取り付け、その最下位の取付位置に取り付けた作業架台27に作業者が乗ることでその1つ上の取付位置に作業架台27を取り付ける形態で、複数の取付位置に対して最下位の取付位置から上方側に順番に1つずつ作業架台27を取り付けていく。このとき、作業者が最下位の取付位置や1つ上の取付位置に取り付けた作業架台27に移動するときには、図2に示すように、昇降案内マスト10(図中左側の昇降案内マスト10)には、その長手方向の全長に亘って梯子33が設けられており、作業者が梯子33を上ることで目的の作業架台27に移動できる。
【0047】
以下、各取付位置に対する作業架台27の取り付けについて説明する。
まず、一対の昇降案内マスト10の夫々に固定状態で一対の端部部材28が予め設置されているので、図6に示すように、作業者が、それら一対の端部部材28に亘る状態で第1中間部材30を取り付ける。一対の棒状の端部部材28の端部部位の夫々には、棒状の第1中間部材30の端部を上方から差込自在な平面視コ字状の差込部34が設けられており、一対の端部部材28における差込部34の夫々に第1中間部材30の両端部に差し込むだけで第1中間部材30を適正な位置に配置させることができる。そして、第1中間部材30を適正な位置に配置させると、差込部34に形成された孔部34aの位置と第1中間部材30の端部に形成された孔部30aの位置とが合致するので、ボルトやナット等の取付具Gを用いることで、端部部材28に第1中間部材30を取り付け固定している。これにより、端部部材28の上面部が第1中間部材30の下面部に当接することになり、端部部材28は、第1中間部材30を下方側から受け止め支持する状態で取り付け自在に構成されている。そして、一対の第1中間部材30を一対の端部部材28に取り付けることで、図7に示すように、平面視で矩形状の枠部材が形成されることになる。
【0048】
次に、一対の第1中間部材30に亘る状態で板状の第2中間部材31を取り付ける。第2中間部材31の走行台車9の横幅方向の端部には、第1中間部材30の上面に対して上方から係合する係合部35が設けられており、この係合部35を一対の第1中間部材30の上面の夫々に係合させるだけで第2中間部材31を適正な位置に配置させることができる。そして、第2中間部材31を適正な位置に配置させると、第1中間部材30に形成された孔部30bの位置と第2中間部材31に形成された孔部31aの位置とが合致するので、ボルト等の取付具Gを用いることで、第1中間部材30に第2中間部材31を取り付け固定することができる。これにより、第1中間部材30の上面部が第2中間部材31の裏面部に当接することになり、第1中間部材30は、第2中間部材31を下方側から受け止め支持する状態で取り付け自在に構成されている。そして、第1中間部材30の長手方向に複数の第2中間部材31(例えば、6つ)を並べて取り付けることで、走行台車9の前後幅方向において一対の昇降案内マスト10の間隔の全長に亘る幅を有し、走行台車9の横幅方向において端部部材28の全長に亘る幅を有する作業架台27を形成することができる。
【0049】
また、柵状の第3中間部材32を第1中間部材30から上方側に延びる状態で取り付ける。第1中間部材30の上面部には、第3中間部材32の複数の脚部位32a(例えば3つ)の夫々を挿入自在な挿入部36が設けられており、この挿入部36に脚部位32aを挿入するだけで第3中間部材32を適正な位置に配置させることができる。そして、挿入部36に形成された孔部36aにボルト等の取付具Gを締めることで、第3中間部材32が挿入部36から抜けることを防止している。
【0050】
このように、一対の端部部材28に対して一対の第1中間部材30を取り付け、その後、一対の第1中間部材30に対して複数の第2中間部材31及び複数の第3中間部材32を取り付けることで、取付位置に作業架台27を取り付けることができる。そして、第1中間部材30、第2中間部材31及び第3中間部材32を固定する際には、ボルトやナット等の各種の取付具Gを用いているが、例えば、作業者の手締めにより固定できるようにして締め付け工具を用いずに固定することもできる。上述の如く、梯子33を用いて床面から作業架台27へ及び作業架台27から1つ上の作業架台27に作業者が移動しながら複数の取付位置に対して下方側から順番に作業架台27を取り付けていくことができる。そして、作業架台27を取り付けることによって、図3中点線で示すように、作業者が作業架台27に乗った状態で物品Bを適正な収納位置に修正する修正作業や物品収納部4に収納されている物品Bを取り出す取り出し作業を行うことができる。
【0051】
また、複数の作業架台27を取り付けた状態において、一旦作業者が作業架台27から降りてスタッカークレーン3から離れる。そして、例えば、作業者が地上側コントローラ7や手動操作用のリモートコントローラを用いることにより、クレーン側コントローラ26をメンテナンスモードにした状態で走行台車9の走行位置として作業対象の物品収納部4に対する目標移載位置の目標走行位置を指令するメンテナンス指令を行うことで、クレーン側コントローラ26が指令された位置まで低速用設定速度にて走行台車9の走行作動を行うようにしている。これにより、スタッカークレーン3に複数の作業架台27を取り付けたまま低速用設定速度にて走行台車9を走行させることができ、左右方向に並ぶ多数の物品収納部4にて修正作業や取り出し作業を行う必要が生じても、その作業を迅速に行うことができる。
【0052】
また、システムがダウンしたときや停電時には、走行用電動モータ21のネガティブブレーキを開放することにより、作業者がスタッカークレーン3を押すことで走行台車9を走行させることができる。よって、システムがダウンしたときや停電時であっても、作業者の押し操作により走行台車9を走行させて、左右方向に並ぶ多数の物品収納部4にて修正作業や取り出し作業を行うことができる。
【0053】
上述の如く、クレーン側コントローラ26は、地上側コントローラ7や手動操作用のリモートコントローラから走行台車9の走行作動を行う指令が指令されると、その指令を受け付けて低速用設定速度に限り走行台車9の走行作動を行うようにしている。一方、クレーン側コントローラ26は、一対の昇降案内マスト10の間に作業架台27が取り付けられている取付状態を検出する取付状態検出手段にて取付状態を検出していると、昇降台11の昇降作動を禁止している。これにより、作業架台27が取り付けられている取付状態では、誤って昇降台11を昇降作動させてしまうことがなく、昇降台11と作業架台27との接触を的確に防止することができる。ここで、取付状態検出手段については、図示は省略するが、例えば、昇降台11に設けられてそれよりも上方側に上下方向に沿って測定用光を投光して上部部レーム13に設けられた反射体にて反射される測定用光を受光する投受光センサにて構成できる。そして、投受光センサにて測定用光を受光しないときに作業架台27が取り付けられている取付状態を検出することができる。また、端部部材28の差込部34に第1中間部材30が差し込まれているか否かを検出するセンサを設け、そのセンサにて端部部材28の差込部34に第1中間部材30が差し込まれていることを検出すると、作業架台27が取り付けられている取付状態であると検出することができる。
【0054】
作業架台27の取り外しについては、作業架台27を取り付け場合と逆の作業を行うことにより、最上位の取付位置に取り付けた作業架台27から順番に取り外していくことができる。
【0055】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、作業架台27の一部である端部部材28を昇降案内マスト10に固定状態で設置しているが、この端部部材28を昇降案内マスト10に対して取り付け及び取り外し自在に構成することで、作業架台27の全体を一対の昇降案内マスト10の間に取り付け及び取り外し自在に構成することもできる。
【0056】
(2)上記実施形態では、中間部材29を第1中間部材30と第2中間部材31と第3中間部材32との3つの部材から構成しているが、第1中間部材30と第3中間部材32とを一体的に形成することもでき、いくつの部材から中間部材29を構成するのかは適宜変更が可能である。
【0057】
(3)上記実施形態では、走行台車9の走行位置を検出する走行用ロータリエンコーダを設けているが、例えば、走行レール5の端部に設置された反射体に対して測定用光を投光することにより、走行レール5の端部から走行台車9までの距離を検出するレーザ測距計を走行台車9に設けて、このレーザ測距計にて走行台車9の走行位置を検出することもできる。
また、昇降台11の昇降位置を検出する昇降用ロータリエンコーダについても、これに代えて、上述の如く、レーザ測距計を用いることもできる。
【0058】
(4)上記実施形態では、一対の昇降案内マスト10の間に作業架台27を取り付けた状態で、クレーン側コントローラ26が、走行台車9の走行作動を行うことを許容しているが、これに代えて、クレーン側コントローラ26は、取付状態検出手段にて取付状態を検出していると、走行台車9の走行作動を禁止することができる。この場合には、走行用電動モータ21のネガティブブレーキを開放することにより、作業者の押し操作により走行台車9を走行させることができる。
【0059】
(5)上記実施形態では、物品移載装置12として、所謂サイドベルト式の移載装置を例示したが、例えば、サイドクランプ式の物品移載装置等、物品載置板1bに対して複数の物品Bを並べて収納する状態で物品載置板1bとの間で物品Bを移載可能な各種の物品移載装置を適応することが可能である。
例えば、サイドクランプ式の物品移載装置は、物品Bを載置支持した状態で移載方向に搬送するコンベヤと、移載方向と直交する方向に接近離間自在で且つコンベヤ側に引退させた引退位置と外部の移載対象箇所側に突出させた突出位置とに出退自在な一対の挟持体とを備えている。そして、サイドクランプ式の物品移載装置は、一対の挟持体にて物品Bを両横から挟持して出退することにより、コンベヤと物品載置板1bとの間で物品Bを移載することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 収納棚
3 スタッカークレーン
4 物品収納部
5 走行レール
7 クレーン制御手段(地上側コントローラ)
9 走行台車
10 昇降案内マスト
11 昇降台
12 物品移載装置
27 作業架台
28 端部部材
29 中間部材
30 第1中間部材
31 第2中間部材
32 第3中間部材
B 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品収納部を上下方向及び左右方向に複数並べて構成された収納棚と、その収納棚の前面に棚横幅方向に沿って配設された走行レールを走行自在で各物品収納部に対して物品を搬送するスタッカークレーンと、そのスタッカークレーンの作動を制御するクレーン制御手段とが設けられ、前記スタッカークレーンが、前記走行レールに沿って走行自在な走行台車と、その走行台車の前後幅方向の両端部に立設された一対の昇降案内マストと、その一対の昇降案内マストの間において前記一対の昇降案内マストに沿って昇降自在な昇降台と、その昇降台に備えられた物品移載装置とを備えている物品保管設備であって、
前記スタッカークレーンは、前記一対の昇降案内マストの間に前記走行台車の前後幅方向及び前記走行台車の横幅方向に設定幅を有する作業架台が取り付け及び取り外し自在に構成されている物品保管設備。
【請求項2】
前記作業架台は、前記走行台車の前後幅方向において前記一対の昇降案内マストの間隔の全長に亘る幅を有し、前記走行台車の前後幅方向の端部の夫々に位置する端部部材とその端部部材同士の間を繋ぐ中間部材とから構成され、前記端部部材の夫々は、前記昇降案内マストの夫々に固定状態で前記昇降台と干渉しない位置に設置され、前記中間部材は、前記端部部材に対して取り付け及び取り外し自在に構成されている請求項1に記載の物品保管設備。
【請求項3】
前記端部部材は、前記昇降案内マストから前記走行台車の横幅方向の両側に延びる棒状に形成され、前記中間部材は、前記端部部材において前記走行台車の横幅方向の端部部位の夫々に取り付け及び取り外し自在で且つ取り付けた状態で前記走行台車の前後幅方向に延びる棒状の一対の第1中間部材と、前記一対の第1中間部材に亘る状態で前記一対の第1中間部材に取り付け及び取り外し自在な板状の第2中間部材と、前記第1中間部材から上方側に延びる状態で取り付け及び取り外し自在な柵状の第3中間部材とから構成されている請求項2に記載の物品保管設備。
【請求項4】
前記端部部材は、前記第1中間部材を下方側から受け止め支持する状態で取り付け自在に構成され、前記第1中間部材は、前記第2中間部材を下方側から受け止め支持する状態で取り付け自在に構成されている請求項3に記載の物品保管設備。
【請求項5】
前記一対の昇降案内マストの間に前記作業架台が取り付けられている取付状態を検出する取付状態検出手段が設けられ、前記クレーン制御手段は、前記取付状態検出手段が取付状態を検出していると、前記昇降台の昇降作動を禁止する請求項1〜4の何れか1項に記載の物品保管設備。
【請求項6】
前記作業架台は、上下方向に間隔を隔てた複数の取付位置の夫々に取り付け自在に構成され、前記複数の取付位置のうち最下位に位置する取付位置は、前記昇降台を昇降範囲の最下位に位置させたときにその昇降台及びその昇降台に存在する物品が占有する領域よりも上方側に設定されている請求項1〜5の何れか1項に記載の物品保管設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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