説明

物品冷却装置とそれを備えた自動販売機

【課題】節電運転後に、庫内ファンの運転で庫内の物品を暖めてしまう不具合の発生を抑えながら、庫内熱交換器において蒸発しきらない液冷媒が圧縮機に戻って圧縮機の寿命を縮めないようにすることができる物品冷却装置を提供する。
【解決手段】運転制御手段103が、節電運転終了時に庫内コラム内温度センサ41A,41B,41Cにより検出した庫内温度が高いほど、節電運転終了によりインバータ圧縮機71Aまたは一定速圧縮機71Bが運転を開始してから所定時間経過するまでの間の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を低くすると共に、各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常の庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える所定時間を長くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、節電運転中に冷却運転を停止する物品冷却装置とそれを備えた自動販売機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に缶入り飲料等の冷却された商品を販売する自動販売機では、圧縮機と共に冷凍サイクルを構成する庫内熱交換器で冷却された空気を庫内ファンにより送風して庫内の商品を冷却している。
【0003】
近年、日本国内に設置されているこの種の自動販売機では、夏場の電力需要を平準化するために、7〜9月の3ヶ月間の平日は、電力需要の少ない午前中から午後1時までの間に商品を冷やし込み、午後1〜4時の3時間は冷却装置の運転を停止する節電運転を行っている。
【0004】
ところで、冷凍サイクルの運転が長時間停止されると、その運転の停止中に、庫内熱交換器内の液冷媒はほとんど蒸発し、それに伴って庫外熱交換器内の液冷媒も庫内熱交換器に流入して蒸発するようになるため、冷凍サイクル内はガス冷媒のみの状態となる。
【0005】
このため、冷凍サイクルの運転が長時間停止される節電運転終了後に圧縮機の運転が再開されても、庫内熱交換器には、しばらく液冷媒が供給されないため、庫内熱交換器が周囲の空気を冷却できる状態になるまで時間がかかる。
【0006】
しかしながら、庫内ファンは圧縮機の運転開始に同期して運転されるため、庫内熱交換器により冷却されていない空気が庫内に送風されることとなり、庫内ファンの運転が無駄であるばかりか、かえって商品を暖めることになってしまうという不具合を生ずる。
【0007】
そこで、庫内熱交換器が周囲の空気を冷却できる状態になる時期を考慮して、圧縮機の長時間停止後の庫内ファンの運転を、圧縮機の運転開始時点から遅延時間をおいて開始させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−083482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来の自動販売機では、庫内ファンの運転中の回転数が一定で、圧縮機の長時間停止後の庫内ファンの運転を、圧縮機の運転開始時点から遅延時間をおいて開始させているため、庫内ファンの運転開始直前の頃には庫内熱交換器に充分な量の液冷媒が供給されているにもかかわらず、庫内ファンが停止しているために庫内熱交換器に供給された液冷媒が庫内熱交換器を介して庫内熱交換器の周囲の空気と充分な熱交換ができない。
【0010】
そのため、庫内熱交換器において蒸発しきらない液冷媒の割合が増え、蒸発しきらない液冷媒が圧縮機に戻って圧縮機が液圧縮により寿命を縮めてしまうという課題を有していた。 本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、節電運転による圧縮機の長時間停止後に、庫内ファンの運転で庫内の物品を暖めてしまう不具合の発生を抑えながら、庫
内熱交換器において蒸発しきらない液冷媒が圧縮機に戻って圧縮機の寿命を縮めないようにすることができる物品冷却装置とそれを備えた自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の物品冷却装置は、運転制御手段が、節電運転中は圧縮機と庫内ファンの運転を停止し、前記節電運転が終了すると前記圧縮機の運転を開始し、前記庫内ファンに対しては、前記節電運転終了により前記圧縮機が運転を開始してから所定時間経過するまでの間は前記庫内ファンの回転数を通常の前記庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑えるのである。
【0012】
上記構成において、庫内ファンに回転数可変の庫内ファンを用いており、節電運転終了により圧縮機が運転を開始してから所定時間経過するまでの間は、運転制御手段が庫内ファンの回転数を通常の庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える。
【0013】
そのため、節電運転による圧縮機の長時間停止後に、庫内ファンの運転で庫内の物品を暖めてしまう不具合の発生を抑えながら、庫内熱交換器において蒸発しきらない液冷媒が圧縮機に戻って圧縮機の寿命を縮めないようにすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、節電運転による圧縮機の長時間停止後に、庫内ファンの運転で庫内の物品を暖めてしまう不具合の発生を抑えながら、庫内熱交換器において蒸発しきらない液冷媒が圧縮機に戻って圧縮機の寿命を縮めないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1における物品冷却装置を備えた自動販売機の本体内部構造を示す概略構成図
【図2】同実施の形態の自動販売機の冷凍サイクルの構成図
【図3】同実施の形態の自動販売機の制御系を示すブロック図
【図4】同実施の形態の自動販売機の節電運転後の圧縮機の運転状態と各庫内ファンの回転数の関係を示すタイムチャート
【図5】同実施の形態の自動販売機の運転制御手段による節電運転終了を検知してからの制御を示すフローチャート
【図6】同実施の形態の自動販売機の運転制御手段による節電運転終了を検知してからの制御の他の例を示すフローチャート
【図7】同実施の形態の自動販売機の運転制御手段による節電運転終了を検知してからの制御のさらに別の例を示すフローチャート
【図8】同実施の形態の自動販売機の運転制御手段による節電運転終了を検知してからの制御の別のもう一つの例を示すフローチャート
【図9】本発明の実施の形態2における物品冷却装置を備えた自動販売機の節電運転後の圧縮機の運転状態と各庫内ファンの回転数の関係を示すタイムチャート
【図10】本発明の実施の形態3における物品冷却装置を備えた自動販売機の節電運転後の圧縮機の運転状態と各庫内ファンの回転数の関係を示すタイムチャート
【図11】同実施の形態の自動販売機の運転制御手段による節電運転終了を検知してからの制御を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
第1の発明は、圧縮機と共に冷凍サイクルを構成し冷却運転時に蒸発器として働き庫内の空気を冷却する庫内熱交換器と、前記庫内熱交換器により冷却された空気が前記庫内を循環するように送風する回転数可変の庫内ファンと、前記圧縮機と前記庫内ファンの運転
を制御する運転制御手段とを有し、前記運転制御手段が、節電運転中は前記圧縮機と前記庫内ファンの運転を停止し、前記節電運転が終了すると前記圧縮機の運転を開始し、前記庫内ファンに対しては、前記節電運転終了により前記圧縮機が運転を開始してから所定時間経過するまでの間は前記庫内ファンの回転数を通常の前記庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑えることを特徴とする物品冷却装置である。
【0017】
上記構成の物品冷却装置は、庫内ファンに回転数可変の庫内ファンを用いており、節電運転終了により圧縮機が運転を開始してから所定時間経過するまでの間は、運転制御手段が庫内ファンの回転数を通常の庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える。
【0018】
そのため、節電運転終了により、圧縮機の運転開始に同期して庫内ファンが通常運転時の回転数で運転開始する場合に比べて、圧縮機が運転を開始してから所定時間経過するまでの間は庫内ファンの回転数を低く抑えている分、庫内熱交換器により充分に冷却されずに庫内に送風される空気の量は少なく、また、庫内熱交換器を通過する空気の流れが遅いことにより庫内熱交換器を通過する空気が庫内熱交換器で熱交換する時間が長くなって庫内熱交換器により冷却されやすくなる。
【0019】
ゆえに、庫内ファンの運転で庫内熱交換器により冷却されていない空気が庫内に送風されて、庫内の物品を暖めてしまう不具合の発生を抑えることができる。
【0020】
また、庫内ファンを通常運転時の回転数で運転する前に、回転数を低く抑えながらも庫内ファンを運転するので、圧縮機の運転開始により徐々に庫内熱交換器への供給量が増加していく液冷媒は庫内熱交換器を介して庫内熱交換器の周囲の空気と熱交換でき、圧縮機が運転を開始してから所定時間経過し庫内熱交換器に充分な量の液冷媒が供給される頃には、庫内ファンを通常運転時の回転数で運転しているので、充分な供給量になった液冷媒も庫内熱交換器を介して庫内熱交換器の周囲の空気と熱交換できることになる。
【0021】
ゆえに、庫内熱交換器において蒸発しきらない液冷媒が圧縮機に戻って圧縮機の寿命を縮めないようにすることができる。
【0022】
第2の発明は、特に第1の発明に加えて、庫内温度を検出する庫内温度検出手段を有し、前記運転制御手段が、前記節電運転終了時に前記庫内温度検出手段により検出した庫内温度が高いほど、前記節電運転終了により前記圧縮機が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の前記庫内ファンの回転数を低くすると共に、前記庫内ファンの回転数を通常の前記庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える前記所定時間を長くすることを特徴とする。
【0023】
一般に、節電運転終了時の庫内温度が高くなるほど、庫内熱交換器が充分な低温になるのに時間がかかると共に、液冷媒が庫内熱交換器で蒸発しやすくなる。
【0024】
そのため、節電運転終了時の庫内温度が高いほど、節電運転終了により圧縮機が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の庫内ファンの回転数を低くすると共に、庫内ファンの回転数を通常の庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える所定時間を長くすることにより、節電運転による圧縮機の長時間停止後に、庫内ファンの運転で庫内の物品を暖めてしまう不具合の発生を抑えながら、庫内熱交換器において蒸発しきらない液冷媒が圧縮機に戻って圧縮機の寿命を縮めないようにする効果を、より高めることができる。
【0025】
第3の発明は、特に第1または第2の発明に加えて、外気温を検出する外気温検出手段を有し、前記運転制御手段が、前記節電運転終了時に前記外気温検出手段により検出した外気温が高いほど、前記節電運転終了により前記圧縮機が運転を開始してから所定時間経
過するまでの間の前記庫内ファンの回転数を低くすると共に、前記庫内ファンの回転数を通常の前記庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える前記所定時間を長くすることを特徴とする。
【0026】
一般に、節電運転終了時の外気温が高くなるほど、節電運転終了時の庫内温度が高く、庫内の冷却が難しい傾向にあるので、節電運転終了時の外気温が高くなるほど、庫内熱交換器が充分な低温になるのに時間がかかると共に、液冷媒が庫内熱交換器で蒸発しやすくなると考えられる。
【0027】
そのため、節電運転終了時の外気温が高いほど、節電運転終了により圧縮機が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の庫内ファンの回転数を低くすると共に、庫内ファンの回転数を通常の庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える所定時間を長くすることにより、節電運転による圧縮機の長時間停止後に、庫内ファンの運転で庫内の物品を暖めてしまう不具合の発生を抑えながら、庫内熱交換器において蒸発しきらない液冷媒が圧縮機に戻って圧縮機の寿命を縮めないようにする効果を、より高めることができる。
【0028】
第4の発明は、特に第1または第2の発明に加えて、前記節電運転による前記圧縮機の停止時間を計測する圧縮機停止時間計測手段を有し、前記運転制御手段が、前記節電運転終了時に前記圧縮機停止時間計測手段により計測した前記節電運転による前記圧縮機の停止時間が長いほど、前記節電運転終了により前記圧縮機が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の前記庫内ファンの回転数を低くすると共に、前記庫内ファンの回転数を通常の前記庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える前記所定時間を長くすることを特徴とする。
【0029】
一般に、節電運転による圧縮機の停止時間が長くなるほど、節電運転終了時の庫内温度は外気温により近い温度に上昇する傾向にあるので、節電運転による圧縮機の停止時間が長くなるほど、庫内熱交換器が充分な低温になるのに時間がかかると共に、液冷媒が庫内熱交換器で蒸発しやすくなると考えられる。
【0030】
そのため、節電運転による圧縮機の停止時間が長いほど、節電運転終了により圧縮機が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の庫内ファンの回転数を低くすると共に、庫内ファンの回転数を通常の庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える所定時間を長くすることにより、節電運転による圧縮機の長時間停止後に、庫内ファンの運転で庫内の物品を暖めてしまう不具合の発生を抑えながら、庫内熱交換器において蒸発しきらない液冷媒が圧縮機に戻って圧縮機の寿命を縮めないようにする効果を、より高めることができる。
【0031】
第5の発明は、特に第1または第2の発明に加えて、前記庫内熱交換器の温度を検出する庫内熱交換器温度検出手段を有し、前記運転制御手段が、前記節電運転終了時に前記庫内熱交換器温度検出手段により検出した前記庫内熱交換器の温度が高いほど、前記節電運転終了により前記圧縮機が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の前記庫内ファンの回転数を低くすると共に、前記庫内ファンの回転数を通常の前記庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える前記所定時間を長くすることを特徴とする。
【0032】
一般に、節電運転終了時の庫内熱交換器の温度が高くなるほど、節電運転終了時の庫内温度が高く、庫内の冷却が難しい傾向にあるので、節電運転終了時の庫内熱交換器の温度が高くなるほど、庫内熱交換器が充分な低温になるのに時間がかかると共に、液冷媒が庫内熱交換器で蒸発しやすくなると考えられる。
【0033】
そのため、節電運転終了時の庫内熱交換器の温度が高いほど、節電運転終了により圧縮
機が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の庫内ファンの回転数を低くすると共に、庫内ファンの回転数を通常の庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える所定時間を長くすることにより、節電運転による圧縮機の長時間停止後に、庫内ファンの運転で庫内の物品を暖めてしまう不具合の発生を抑えながら、庫内熱交換器において蒸発しきらない液冷媒が圧縮機に戻って圧縮機の寿命を縮めないようにする効果を、より高めることができる。
【0034】
第6の発明は、特に第1から第5の発明において、前記運転制御手段が、前記節電運転終了後の前記庫内ファンの回転数を段階的に増加させることを特徴とする。
【0035】
一般に、節電運転による圧縮機の長時間停止後の圧縮機の運転開始直後からしばらくの間は、庫内熱交換器に液冷媒が供給されず、時間の経過にしたがって徐々に庫内熱交換器への液冷媒の供給量が増加していき、庫内熱交換器への液冷媒の供給量に比例するように庫内熱交換器による冷却能力が高まっていく。
【0036】
そのため、節電運転終了後の庫内ファンの回転数を段階的に増加させることにより、節電運転による圧縮機の長時間停止後に、庫内ファンの運転で庫内の物品を暖めてしまう不具合の発生を抑えながら、庫内熱交換器において蒸発しきらない液冷媒が圧縮機に戻って圧縮機の寿命を縮めないようにする効果を、より高めることができる。
【0037】
第7の発明は、特に第1から第6の発明において、前記運転制御手段が、前記節電運転終了後の前記庫内ファンの運転開始を前記圧縮機の運転開始よりも前記所定時間よりも短い所定の遅延時間だけ遅らせることを特徴とする。
【0038】
一般に、節電運転による圧縮機の長時間停止後の圧縮機の運転開始直後からしばらくの間は、庫内熱交換器に液冷媒が供給されず、時間の経過にしたがって徐々に庫内熱交換器への液冷媒の供給量が増加していき、庫内熱交換器への液冷媒の供給量に比例するように庫内熱交換器による冷却能力が高まっていく。
【0039】
そのため、圧縮機の運転開始直後の庫内熱交換器に液冷媒がほとんど供給されていないうちは、庫内ファンを停止させていても、庫内熱交換器において蒸発しきらない液冷媒が圧縮機に戻って圧縮機の寿命を縮める虞はない。
【0040】
また、節電運転終了後の庫内ファンの運転開始を圧縮機の運転開始よりも所定時間よりも短い所定の遅延時間だけ遅らせると、節電運転終了直後の庫内熱交換器で冷却されていない空気流で庫内の物品を暖めてしまうこともなく、圧縮機の運転開始に同期して庫内ファンの運転を開始した場合に比べて、庫内熱交換器の温度を早く下げることができる。
【0041】
また、圧縮機よりも所定の遅延時間だけ遅れて運転を開始した庫内ファンは、圧縮機が運転を開始してから所定時間経過するまでは通常の庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑えるので、節電運転終了後の庫内ファンの回転数を段階的に増加させる第6の発明と同様の効果も有する。
【0042】
したがって、遅延時間を適切に設定することにより、節電運転による圧縮機の長時間停止後に、庫内ファンの運転で庫内の物品を暖めてしまう不具合の発生を抑えながら、庫内熱交換器において蒸発しきらない液冷媒が圧縮機に戻って圧縮機の寿命を縮めないようにする効果を、第6の発明よりも高めることができる。
【0043】
第8の発明は、特に第1から第7の発明において、前記運転制御手段が、前記節電運転終了後は所定条件が満たされるまで、前記圧縮機を強制的に運転することを特徴とする。
【0044】
これにより、節電運転による圧縮機の長時間停止により温度上昇した庫内及び庫内の物品を早く冷却することができ、庫内の温度分布が不均一であったり、庫内に比較的冷却されにくい物品があった場合でも、庫内及び庫内の物品を早く充分に冷却でき、特に物品が食品の場合は、節電運転後の充分な冷却運転で品質を維持することができる。
【0045】
第9の発明は、特に第1から第8の発明において、前記圧縮機に回転数可変のインバータ圧縮機を用い、前記運転制御手段が、前記節電運転終了後は所定条件が満たされるまで、予め設定された回転数で運転することを特徴とする。
【0046】
これにより、一定速の圧縮機を強制的に連続運転する場合と同等以上の冷却能力が得られるように、予め設定された回転数を適切に設定することにより、節電運転による圧縮機の長時間停止により温度上昇した庫内及び庫内の物品を早く冷却することができ、庫内の温度分布が不均一であったり、庫内に比較的冷却されにくい物品があった場合でも、庫内及び庫内の物品を早く充分に冷却でき、特に物品が食品の場合は、節電運転後の充分な冷却運転で品質を維持することができる。
【0047】
第10の発明は、特に第1から第9の発明において、庫内が複数有り、複数の前記庫内のそれぞれに前記庫内熱交換器と前記庫内ファンを有することを特徴とするものであり、庫内が複数有り、複数の前記庫内のそれぞれに前記庫内熱交換器と前記庫内ファンを有する場合でも、複数の庫内のそれぞれを考慮して、節電運転による圧縮機の長時間停止後に、庫内ファンの運転で庫内の物品を暖めてしまう不具合の発生を抑えながら、庫内熱交換器において蒸発しきらない液冷媒が圧縮機に戻って圧縮機の寿命を縮めないようにすることができる。
【0048】
第11の発明は、第1から第10の発明の物品冷却装置を備えた自動販売機であり、節電運転による圧縮機の長時間停止後に、庫内ファンの運転で庫内の販売商品を暖めてしまう不具合の発生を抑えながら、庫内熱交換器において蒸発しきらない液冷媒が圧縮機に戻って圧縮機の寿命を縮めないようにすることができ、特に節電運転を行う飲料自動販売機で実用的である。
【0049】
以下、本発明の物品冷却装置とそれを備えた自動販売機の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって、本発明が限定されるものではない。
【0050】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における物品冷却装置を備えた自動販売機の本体内部構造を示す概略構成図、図2は同実施の形態の自動販売機の冷凍サイクルの構成図、図3は同実施の形態の自動販売機の制御系を示すブロック図、図4は同実施の形態の自動販売機の節電運転後の圧縮機の運転状態と各庫内ファンの回転数の関係を示すタイムチャート、図5は同実施の形態の自動販売機の運転制御手段による節電運転終了を検知してからの制御を示すフローチャートである。
【0051】
図6は同実施の形態の自動販売機の運転制御手段による節電運転終了を検知してからの制御の他の例を示すフローチャート、図7は同実施の形態の自動販売機の運転制御手段による節電運転終了を検知してからの制御のさらに別の例を示すフローチャート、図8は同実施の形態の自動販売機の運転制御手段による節電運転終了を検知してからの制御の別のもう一つの例を示すフローチャートである。
【0052】
図1に示すように、本発明の実施の形態1における物品冷却装置を備えた自動販売機2
1は、断熱隔壁22により左右に区画された左庫内A、中庫内B、右庫内Cを備え、それぞれに販売する商品を収納する商品収納コラム23A,23B,23Cを有し、各商品収納コラム23A,23B,23C内には、それぞれコラム内の温度(庫内温度)を測定する庫内コラム内温度センサ41A,41B,41Cを有する。
【0053】
また、自動販売機21は、自動販売機21の周囲温度を検出するための外気温度センサ100と、自動販売機全体を制御するためのコントローラ27、圧縮機等の冷却装置及び商品排出機構等が内蔵された機構部26を備えている。
【0054】
図2に示すように、左庫内Aに対しては、左庫内Aの空気を冷却または加温する庫内熱交換器51A、左庫内Aの空気を循環させる庫内ファン61A、左庫内Aをヒートポンプ運転以外で加温するヒータ62A、冷凍サイクルの液冷媒を絞り膨張させるキャピラリチューブ93A、庫内熱交換器51Aが冷却時に蒸発器となりヒートポンプ運転での加温時に凝縮器となるように冷凍サイクルの冷媒流路を切替える四方弁92、左庫内A用の冷凍サイクルのインバータ圧縮機71A、庫内熱交換器51Aの温度を検出する庫内熱交換器温度センサ101Aが設けられている。
【0055】
また、中庫内Bに対しては、中庫内Bの空気を冷却する庫内熱交換器51B、中庫内Bの空気を循環させる庫内ファン61B、中庫内Bを加温するヒータ62B、冷凍サイクルの液冷媒を絞り膨張させるキャピラリチューブ93B、キャピラリチューブ93Bを介して庫内熱交換器51Bに冷媒を流す流さないを切替えるための三方弁94、中庫内Bと右庫内Cの兼用の冷凍サイクルの一定速圧縮機71B、庫内熱交換器51Bの温度を検出する庫内熱交換器温度センサ101Bが設けられている。
【0056】
また、右庫内Cに対しては、右庫内Cの空気を冷却する庫内熱交換器51C、右庫内Cの空気を循環させる庫内ファン61C、三方弁94から庫内熱交換器51Bを経由せずに庫内熱交換器51Cに流れる液冷媒を絞り膨張させるキャピラリチューブ93C、中庫内Bと右庫内Cの兼用の冷凍サイクルの一定速圧縮機71B、庫内熱交換器51Cの温度を検出する庫内熱交換器温度センサ101Cが設けられている。
【0057】
また、機構部26(庫外の機械室)には、庫外熱交換器81と、庫外熱交換器81に送風する庫外ファン82が設けられている。なお、庫外熱交換器81は、インバータ圧縮機71Aを有する左庫内A用の冷凍サイクルの庫外熱交換器と、一定速圧縮機71Bを有する中庫内Bと右庫内Cの兼用の冷凍サイクルの庫外熱交換器とが一体に構成されたものである。
【0058】
なお、左庫内A用の冷凍サイクルは、インバータ圧縮機71Aと四方弁92と庫外熱交換器81とキャピラリチューブ93Aと庫内熱交換器51Aとが環状に連接された構成である。
【0059】
そして、左庫内Aを冷却する場合は、インバータ圧縮機71Aから吐出された高温高圧の冷媒が、四方弁92を経由して、庫外熱交換器81で凝縮し、キャピラリチューブ93Aで減圧され、庫内熱交換器51Aで蒸発し、再び四方弁92を経由してインバータ圧縮機71Aに戻る。
【0060】
また、左庫内Aをヒートポンプ運転で加温する場合は、インバータ圧縮機71Aから吐出された高温高圧の冷媒が、四方弁92を経由して、庫内熱交換器51Aで凝縮し、キャピラリチューブ93Aで減圧され、庫外熱交換器81で蒸発し、再び四方弁92を経由してインバータ圧縮機71Aに戻る。
【0061】
また、中庫内Bと右庫内Cの兼用の冷凍サイクルは、一定速圧縮機71Bと庫外熱交換器81と三方弁94とキャピラリチューブ93Cと庫内熱交換器51Cとが順次環状に連接され、さらに、庫内熱交換器51Bの冷媒の入口側がキャピラリチューブ93Bを介して三方弁94のもう一つの出口側に接続され、庫内熱交換器51Bの冷媒の出口側がキャピラリチューブ93Cと庫内熱交換器51Cとの間の冷媒配管に接続された構成である。
【0062】
そして、中庫内Bと右庫内Cを同時に冷却する場合は、一定速圧縮機71Bから吐出された高温高圧の冷媒が、庫外熱交換器81で凝縮し、三方弁94からキャピラリチューブ93B側に流れて、キャピラリチューブ93Bで減圧され、庫内熱交換器51Bで一部の冷媒が蒸発し、その後、庫内熱交換器51Cで残りの液冷媒が蒸発して、一定速圧縮機71Bに戻る。
【0063】
また、中庫内Bと右庫内Cのうち右庫内Cのみを冷却する場合は、一定速圧縮機71Bから吐出された高温高圧の冷媒が、庫外熱交換器81で凝縮し、三方弁94からキャピラリチューブ93C側に流れて、キャピラリチューブ93Cで減圧され、庫内熱交換器51Cで蒸発して、一定速圧縮機71Bに戻る。
【0064】
図3に示すように、本実施の形態の自動販売機21を制御する主制御手段200は、入力処理部102、運転制御手段103、庫内ファン回転数設定手段104、節電運転終了検知手段105、所定時間設定手段106、圧縮機停止時間計測手段107により構成されている。
【0065】
入力処理部102は、各庫内コラム内温度センサ41A,41B,41C、外気温度センサ100、各庫内熱交換器温度センサ101A,101B,101Cの温度データを読み取る。
【0066】
運転制御手段103は、インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B、各庫内ファン61A,61B,61Cの運転を制御する。
【0067】
庫内ファン回転数設定手段104は、節電運転終了によりインバータ圧縮機71Aまたは一定速圧縮機71Bの運転を開始してから各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常より小さく(低く)設定する。
【0068】
節電運転終了検知手段105は、節電運転(例えば夏場のピークカット)中に所定の時刻(予め設定された節電運転終了時刻、例えば午後4時)に到達するか、または各庫内コラム内温度センサ41A,41B,41Cが検出したコラム内の温度(庫内温度)が所定の温度(例えば商品の価値に影響が出てくる、通常の商品販売時の温度より高い温度)に到達する等の節電運転を強制的に終了させる条件を満たしたことにより、節電運転が終了することを検知する。
【0069】
所定時間設定手段106は、節電運転終了によりインバータ圧縮機71Aまたは一定速圧縮機71Bの運転を開始してから、各庫内ファン61A,61B,61Cの少なくともいずれか一つを通常より小さい(低い)回転数で動作させる時間を設定する。
【0070】
圧縮機停止時間計測手段107は、節電運転中にインバータ圧縮機71Aまたは一定速圧縮機71Bの停止時間を計測するためのタイマーである。
【0071】
以上のように構成された本実施の形態の自動販売機21について、図4、図5を参照しながら、以下その動作、作用を説明する。
【0072】
図4に示すように、節電運転中は、運転制御手段103は、冷却運転を行わず、インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B、各庫内ファン61A,61B,61Cを停止させている。
【0073】
そして、節電運転終了検知手段105が節電運転終了を検知(ピークカットの場合、所定の時刻(予め設定された節電運転終了時刻)に到達するか、庫内温度が所定の温度に到達する等の節電運転を強制的に終了させる条件を満たしたことを検知)すれば(図5のSTEP1)、運転制御手段103は、インバータ圧縮機71Aと一定速圧縮機71Bの運転を開始すると共に、インバータ圧縮機71Aと一定速圧縮機71Bの運転開始からの経過時間の計測を開始する(図5のSTEP2)。
【0074】
同時に、入力処理部102が、庫内温度である各庫内コラム内温度センサ41A,41B,41Cの温度を確認(検出)する(図5のSTEP2)。
【0075】
庫内温度が、左庫内A、中庫内B、右庫内Cの順に高い場合、庫内ファン回転数設定手段104は、庫内ファン61A、庫内ファン61B、庫内ファン61Cの順に回転数を低く設定し、所定時間設定手段106が、庫内ファン61A、庫内ファン61B、庫内ファン61Cの順に節電運転終了による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始から各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの時間を長く設定する。
【0076】
図4の例では、最も庫内温度が高い庫内ファン61Aについては、間欠率75%となる通常よりも低く、しかも各庫内ファン61A,61B,61Cの内で最も低い回転数を3分継続した後に通常運転の回転数に高めるように設定される。
【0077】
また、2番目に庫内温度が高い庫内ファン61Bについては、間欠率60%となる通常よりも低く、しかも各庫内ファン61A,61B,61Cの内では庫内ファン61Aの次に低い回転数を2分継続した後に通常運転の回転数に高めるように設定される。
【0078】
また、最も庫内温度が低い庫内ファン61Cについては、間欠率50%となる通常よりも低く、しかも各庫内ファン61A,61B,61Cの内では最も高い回転数を1分継続した後に通常運転の回転数に高めるように設定される。
【0079】
そして、運転制御手段103は、節電運転終了による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始から各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの間、通常運転時よりも低く設定された回転数で各庫内ファン61A,61B,61Cを運転する(図5のSTEP3)。
【0080】
そして、節電運転終了による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始から所定時間設定手段106が設定した所定時間(庫内ファン61Aは3分、庫内ファン61Bは2分、庫内ファン61Cは1分)経過すれば、図5のSTEP4をYes側に分岐して、運転制御手段103は、通常運転時の回転数で各庫内ファン61A,61B,61Cを運転する(図5のSTEP5)。
【0081】
以上のように、本実施の形態においては、節電運転終了直後の庫内温度に応じて、節電運転が終了してから各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの時間を設定し、その間の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常運転より小さく(低く)設定することにより、節電運転が終了してから各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの間、庫内熱交換器51A,51B,51Cで蒸発しきらない液
冷媒の量を抑え、液冷媒がインバータ圧縮機71Aや一定速圧縮機71Bへ液戻りすることを防止でき、インバータ圧縮機71Aや一定速圧縮機71Bの信頼性を確保することができる。
【0082】
以上のように本実施の形態の自動販売機21に用いた物品冷却装置は、圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)と共に冷凍サイクルを構成し冷却運転時に蒸発器として働き庫内の空気を冷却する庫内熱交換器51A,51B,51Cと、庫内熱交換器51A,51B,51Cにより冷却された空気がそれぞれ左庫内A、中庫内B、右庫内Cを循環するように送風する回転数可変の各庫内ファン61A,61B,61Cと、圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)と各庫内ファン61A,61B,61Cの運転を制御する運転制御手段103とを有している。
【0083】
そして、運転制御手段103は、節電運転中は圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)と各庫内ファン61A,61B,61Cの運転を停止し、節電運転が終了すると(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転を開始し、各庫内ファン61A,61B,61Cに対しては、節電運転終了により圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)が運転を開始してから所定時間経過するまでの間は各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常の各庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える。
【0084】
上記構成の物品冷却装置は、各庫内ファン61A,61B,61Cに回転数可変の庫内ファン61A,61B,61Cを用いており、節電運転終了により圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)が運転を開始してから所定時間経過するまでの間は、運転制御手段103が各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常の庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える。
【0085】
そのため、節電運転終了により、圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始に同期して各庫内ファン61A,61B,61Cが通常運転時の回転数で運転開始する場合に比べて、圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)が運転を開始してから所定時間経過するまでの間は各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を低く抑えている分、庫内熱交換器51A,51B,51Cにより充分に冷却されずに庫内(左庫内A、中庫内B、右庫内C)に送風される空気の量は少なくなる。
【0086】
さらに、庫内熱交換器51A,51B,51Cを通過する空気の流れが遅いことにより庫内熱交換器51A,51B,51Cを通過する空気が庫内熱交換器51A,51B,51Cで熱交換する時間が長くなって、庫内熱交換器51A,51B,51Cを通過する空気が庫内熱交換器51A,51B,51Cにより冷却されやすくなる。
【0087】
ゆえに、各庫内ファン61A,61B,61Cの運転で庫内熱交換器51A,51B,51Cにより冷却されていない空気が庫内(左庫内A、中庫内B、右庫内C)に送風されて、庫内(左庫内A、中庫内B、右庫内C)の物品(商品)を暖めてしまう不具合の発生を抑えることができる。
【0088】
また、各庫内ファン61A,61B,61Cを通常運転時の回転数で運転する前に、回転数を低く抑えながらも各庫内ファン61A,61B,61Cを運転するので、圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始により徐々に庫内熱交換器51A,51B,51Cへの供給量が増加していく液冷媒は庫内熱交換器51A,51B,51Cを介して庫内熱交換器51A,51B,51Cの周囲の空気と熱交換できる。
【0089】
そして、圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)が運転を開始してか
ら所定時間経過し庫内熱交換器51A,51B,51Cに充分な量の液冷媒が供給される頃には、各庫内ファン61A,61B,61Cを通常運転時の回転数で運転しているので、充分な供給量になった液冷媒も庫内熱交換器51A,51B,51Cを介して庫内熱交換器51A,51B,51Cの周囲の空気と熱交換できることになる。
【0090】
ゆえに、庫内熱交換器51A,51B,51Cにおいて蒸発しきらない液冷媒が圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)に戻って圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の寿命を縮めないようにすることができる。
【0091】
また、本実施の形態の自動販売機に用いた物品冷却装置は、庫内温度を検出する庫内温度検出手段(左庫内Aの庫内温度を検出する庫内コラム内温度センサ41A、中庫内Bの庫内温度を検出する庫内コラム内温度センサ41B、右庫内Cの庫内温度を検出する庫内コラム内温度センサ41C)を有している。
【0092】
そして、運転制御手段103が、節電運転終了時に庫内温度検出手段(庫内コラム内温度センサ41A,41B,41C)により検出した庫内温度が高いほど、節電運転終了により圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を低くすると共に、各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常の庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える所定時間を長くする。
【0093】
一般に、節電運転終了時の庫内温度が高くなるほど、庫内熱交換器51A,51B,51Cが充分な低温になるのに時間がかかると共に、液冷媒が庫内熱交換器51A,51B,51Cで蒸発しやすくなる。
【0094】
そのため、節電運転終了時の庫内温度が高いほど、節電運転終了により圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を低くすると共に、各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常の庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える所定時間を長くすることにより、節電運転による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の長時間停止後に、各庫内ファン61A,61B,61Cの運転で庫内(左庫内A、中庫内B、右庫内C)の物品(商品)を暖めてしまう不具合の発生を抑えながら、庫内熱交換器51A,51B,51Cにおいて蒸発しきらない液冷媒が圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)に戻って圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の寿命を縮めないようにする効果を、より高めることができる。
【0095】
また、本実施の形態の自動販売機21に用いた物品冷却装置は、庫内(左庫内A、中庫内B、右庫内C)が複数(3つ)有り、左庫内Aには庫内熱交換器51Aと庫内ファン61A、中庫内Bには庫内熱交換器51Bと庫内ファン61B、右庫内Cには庫内熱交換器51Cと庫内ファン61Cというように、複数(3つ)の庫内(左庫内A、中庫内B、右庫内C)のそれぞれに庫内熱交換器51A,51B,51Cと庫内ファン61A,61B,61Cを有する。
【0096】
そのため、庫内(左庫内A、中庫内B、右庫内C)が複数(3つ)有り、複数(3つ)の庫内(左庫内A、中庫内B、右庫内C)のそれぞれに庫内熱交換器51A,51B,51Cと庫内ファン61A,61B,61Cを有する場合でも、複数(3つ)の庫内(左庫内A、中庫内B、右庫内C)のそれぞれを考慮して、節電運転による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の長時間停止後に、各庫内ファン61A,61B,61Cの運転で庫内(左庫内A、中庫内B、右庫内C)の物品(商品)を暖めてしまう不具合の発生を抑えながら、庫内熱交換器51A,51B,51Cにおいて蒸発しきらない
液冷媒が圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)に戻って圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の寿命を縮めないようにすることができる。
【0097】
また、本実施の形態の自動販売機21に用いた物品冷却装置は、左庫内Aを冷却するための冷凍サイクルが、インバータ圧縮機71Aと四方弁92と庫外熱交換器81とキャピラリチューブ93Aと庫内熱交換器51Aとが環状に連接された構成の左庫内A専用の冷凍サイクルである。
【0098】
そのため、予め設定された節電運転終了時刻になる前に、庫内コラム内温度センサ41Aが検出した左庫内Aの温度(庫内温度)が所定の温度(例えば商品の価値に影響が出てくる、通常の商品販売時の温度より高い温度)に到達する等の左庫内A独自の節電運転を強制的に終了させる条件を満たした場合に、そのタイミングで左庫内Aについては節電運転を終了させて、左庫内Aの節電運転終了のタイミングを中庫内Bまたは右庫内Cの節電運転終了のタイミングとずらすことができる。
【0099】
また、本実施の形態の自動販売機21に用いた物品冷却装置は、三方弁94からキャピラリチューブ93Cを経由して庫内熱交換器51Cに冷媒が流れるようにした場合は、中庫内Bと右庫内Cのうち右庫内Cのみを冷却できる。
【0100】
そのため、節電運転終了により一定速圧縮機71Bの運転を開始する時に三方弁94をそのような冷媒流路になる状態にしておいて、比較的外気温の影響を受けにくい中庫内Bの節電運転終了のタイミングを右庫内Cの節電運転終了のタイミングより遅らせて、庫内ファン61Bの運転開始が遅れた分の省エネを図ると共に、右庫内Cの庫内熱交換器51Cに流れる液冷媒の割合を増やして庫内熱交換器51Cの冷却能力を高めて右庫内Cを早く冷却させることができる。
【0101】
さらに、三方弁94に液冷媒が流れるようになってから中庫内Bの庫内熱交換器51Bにも冷媒が流れるように三方弁94を切り替えると、庫内熱交換器51Bに冷媒が流れ始めてから庫内熱交換器51Bが冷媒の蒸発で充分に冷却されるまでの時間を短縮することができる。
【0102】
なお、中庫内Bの庫内熱交換器51Bにも冷媒が流れるように三方弁94を切り替えた後は、中庫内Bの庫内熱交換器51Bで熱交換された後の冷媒が右庫内Cの庫内熱交換器51Cに流れる(中庫内Bの庫内熱交換器51Bで蒸発しなかった液冷媒が右庫内Cの庫内熱交換器51Cに流れる)ため、庫内熱交換器51Cの冷却能力が低下するので、中庫内Bの庫内熱交換器51Bにも冷媒が流れるように三方弁94を切り替える前に、庫内熱交換器51Cで右庫内Cを充分に冷却させておくことが望ましい。
【0103】
なお、節電運転終了後は所定条件が満たされるまで、運転制御手段103が、圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)を強制的に運転し、所定条件が満たされた後に、圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)を通常の運転に戻すようにしてもよい。
【0104】
この場合は、節電運転による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の長時間停止により温度上昇した庫内(左庫内A、中庫内B、右庫内C)及び庫内(左庫内A、中庫内B、右庫内C)の物品(商品)を早く冷却することができ、庫内(左庫内A、中庫内B、右庫内C)の温度分布が不均一であったり、庫内(左庫内A、中庫内B、右庫内C)に比較的冷却されにくい物品(商品)があった場合でも、庫内(左庫内A、中庫内B、右庫内C)及び庫内(左庫内A、中庫内B、右庫内C)の物品(商品)を早く充分に冷却でき、特に物品が食品(飲料を含む)の場合は、節電運転後の充分な冷却運転で品
質を維持することができる。
【0105】
なお、節電運転終了後は所定条件が満たされるまで、運転制御手段103が、インバータ圧縮機71Aを予め設定された回転数で強制的に運転し、所定条件が満たされた後に、通常のインバータ圧縮機71Aの運転に戻すようにしてもよい。
【0106】
この場合は、一定速圧縮機71Bを強制的に連続運転する場合と同等以上の冷却能力が得られるように、予め設定された回転数を適切に設定することにより、節電運転による圧縮機の長時間停止により温度上昇した左庫内A及び左庫内Aの物品(商品)を早く冷却することができ、左庫内Aの温度分布が不均一であったり、左庫内Aに比較的冷却されにくい物品(商品)があった場合でも、左庫内A及び左庫内Aの物品(商品)を早く充分に冷却でき、特に物品が食品(飲料を含む)の場合は、節電運転後の充分な冷却運転で品質を維持することができる。
【0107】
また、本実施の形態は、物品冷却装置を自動販売機に適用しているが、この場合は、節電運転による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の長時間停止後に、各庫内ファン61A,61B,61Cの運転で左庫内A、中庫内B、右庫内Cの缶飲料やPETボトル飲料などの販売商品を暖めてしまう不具合の発生を抑えながら、庫内熱交換器51A,51B,51Cにおいて蒸発しきらない液冷媒が圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)に戻って圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の寿命を縮めないようにすることができ、特に節電運転を行う飲料自動販売機で実用的である。
【0108】
なお、節電運転終了時に検出した庫内温度の代わりに(または、節電運転終了時に検出した庫内温度に加えて)、図6に示すように、節電運転終了時に外気温度センサ100(外気温検出手段)により検出した外気温を基に、節電運転終了により各圧縮機71A,71Bが運転を開始してから所定時間経過するまでの間の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数と、各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常運転時の回転数よりも低く抑える所定時間を設定しても構わない。
【0109】
この場合は、図6に示すように、先ず、節電運転終了検知手段105が節電運転終了を検知(ピークカットの場合、所定の時刻(予め設定された節電運転終了時刻)に到達するか、庫内温度が所定の温度に到達する等の節電運転を強制的に終了させる条件を満たしたことを検知)すれば(図6のSTEP1)、運転制御手段103は、インバータ圧縮機71Aと一定速圧縮機71Bの運転を開始すると共に、インバータ圧縮機71Aと一定速圧縮機71Bの運転開始からの経過時間の計測を開始する(図6のSTEP2)。
【0110】
同時に、入力処理部102が、外気温度センサ100(外気温検出手段)の測定温度(検出温度)を確認(検出)する(図6のSTEP2)。
【0111】
そして、庫内ファン回転数設定手段104により、節電運転終了時に外気温度センサ100(外気温検出手段)の測定(検出)した外気温が高いほど、節電運転終了により圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を低く設定すると共に、所定時間設定手段106により、各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常の庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える所定時間(節電運転終了による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始から各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの時間)を長く設定する(図6のSTEP3)。
【0112】
そして、運転制御手段103は、節電運転終了による圧縮機(インバータ圧縮機71A
、一定速圧縮機71B)の運転開始から各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの間、設定された回転数で各庫内ファン61A,61B,61Cを運転する(図6のSTEP3)。
【0113】
そして、節電運転終了による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始から所定時間設定手段106が設定した所定時間経過すれば、図6のSTEP4をYes側に分岐してSTEP5に進む。そして次のSTEP5で、運転制御手段103は、通常運転時の回転数で各庫内ファン61A,61B,61Cを運転する。
【0114】
なお、本実施の形態のように、庫内が複数有り、複数の庫内のそれぞれに庫内熱交換器と庫内ファンを有する物品冷却装置であれば、節電運転終了時に検出した庫内温度の代わりに、図6に示すように、節電運転終了時に外気温度センサ100(外気温検出手段)により検出した外気温を基に、節電運転終了により圧縮機が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数と、各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常運転時の回転数よりも低く抑える所定時間を設定する場合は、各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に戻る前の回転数と、各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常運転時の回転数よりも低く抑える所定時間とを、各庫内ファン61A,61B,61Cで同じにせず、左庫内A、中庫内B、右庫内Cの条件を考慮して庫内ファン61A,61B,61C毎に個別に設定することが望ましい。
【0115】
以上のように、本実施の形態の他の例(図6に示す例)においては、節電運転終了直後の外気温度に応じて、節電運転が終了してから各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの時間を設定し、その間の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常運転より小さく(低く)設定することにより、節電運転が終了してから各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの間、庫内熱交換器51A,51B,51Cで蒸発しきらない液冷媒の量を抑え、液冷媒がインバータ圧縮機71Aや一定速圧縮機71Bへ液戻りすることを防止でき、インバータ圧縮機71Aや一定速圧縮機71Bの信頼性を確保することができる。
【0116】
図6に示す例では、外気温を測定(検出)する外気温度センサ100(外気温検出手段)を有し、運転制御手段103が、節電運転終了時に外気温度センサ100(外気温検出手段)により検出した外気温が高いほど、節電運転終了により圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を低くすると共に、各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常の庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える所定時間を長くする。
【0117】
一般に、節電運転終了時の外気温が高くなるほど、節電運転終了時の左庫内A、中庫内B、右庫内Cの庫内温度が高く、左庫内A、中庫内B、右庫内Cの冷却が難しい傾向にあるので、節電運転終了時の外気温が高くなるほど、庫内熱交換器51A,51B,51Cが充分な低温になるのに時間がかかると共に、液冷媒が庫内熱交換器51A,51B,51Cで蒸発しやすくなると考えられる。
【0118】
そのため、節電運転終了時の外気温が高いほど、節電運転終了により圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を低くすると共に、各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常の庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える所定時間を長くすることにより、節電運転による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の長時間停止後に、各庫内ファン61A,61B,61Cの運転で左庫内A、中庫内B、右庫内Cの物品(商品)を暖めてしまう不具合の発生を抑えながら、庫内熱交換
器51A,51B,51Cにおいて蒸発しきらない液冷媒が圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)に戻って圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の寿命を縮めないようにする効果を、より高めることができる。
【0119】
また、節電運転終了時に検出した庫内温度の代わりに(または、節電運転終了時に検出した庫内温度に加えて)、図7に示すように、節電運転終了時に圧縮機停止時間計測手段107により計測した節電運転による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の停止時間を基に、節電運転終了により圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数と、各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常運転時の回転数よりも低く抑える所定時間を設定しても構わない。
【0120】
この場合は、図7に示すように、先ず、節電運転の開始により、圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)と各庫内ファン61A,61B,61Cの運転を停止させると同時に、圧縮機停止時間計測手段107により圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の停止時間の計測を開始する(図7のSTEP1)。
【0121】
そして、節電運転終了検知手段105が節電運転終了を検知(ピークカットの場合、所定の時刻(予め設定された節電運転終了時刻)に到達するか、庫内温度が所定の温度に到達する等の節電運転を強制的に終了させる条件を満たしたことを検知)すれば、図7のSTEP2をYes側に分岐してSTEP3に進む。
【0122】
そして、次のSTEP3において、運転制御手段103は、インバータ圧縮機71Aと一定速圧縮機71Bの運転を開始すると共に、インバータ圧縮機71Aと一定速圧縮機71Bの運転開始からの経過時間の計測を開始する。さらに、節電運転による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の停止時間を圧縮機停止時間計測手段107により計測(検知)する。
【0123】
そして、次のSTEP4において、庫内ファン回転数設定手段104により、節電運転終了時に圧縮機停止時間計測手段107により計測(検知)した圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の停止時間が長いほど、節電運転終了により圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を低く設定すると共に、所定時間設定手段106により、各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常の庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える所定時間(節電運転終了による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始から各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの時間)を長く設定する。
【0124】
そして、運転制御手段103は、節電運転終了による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始から各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの間、設定された回転数で各庫内ファン61A,61B,61Cを運転する(図7のSTEP4)。
【0125】
そして、節電運転終了による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始から所定時間設定手段106が設定した所定時間経過すれば、図7のSTEP5をYes側に分岐してSTEP6に進む。そして次のSTEP6で、運転制御手段103は、通常運転時の回転数で各庫内ファン61A,61B,61Cを運転する。
【0126】
なお、本実施の形態のように、庫内が複数有り、複数の庫内のそれぞれに庫内熱交換器と庫内ファンを有する物品冷却装置であれば、節電運転終了時に検出した庫内温度の代わ
りに、図7に示すように、節電運転終了時に圧縮機停止時間計測手段107により計測(検知)した節電運転による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の停止時間を基に、節電運転終了により圧縮機が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数と、各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常運転時の回転数よりも低く抑える所定時間を設定する場合は、各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に戻る前の回転数と、各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常運転時の回転数よりも低く抑える所定時間とを、各庫内ファン61A,61B,61Cで同じにせず、左庫内A、中庫内B、右庫内Cの条件を考慮して、庫内ファン61A,61B,61C毎に個別に設定することが望ましい。
【0127】
また、本実施の形態の自動販売機21に用いた物品冷却装置は、左庫内Aを冷却するための冷凍サイクルが、インバータ圧縮機71Aを用いた左庫内A専用の冷凍サイクルであり、中庫内Bと右庫内Cを冷却するための冷凍サイクルが、一定速圧縮機71Bを用いた中庫内Bと右庫内Cで兼用の冷凍サイクルであるので、予め設定された節電運転終了時刻になる前に、庫内温度が所定の温度(例えば商品の価値に影響が出てくる、通常の商品販売時の温度より高い温度)に到達する等の各庫内独自の節電運転を強制的に終了させる条件を満たした場合は、左庫内Aの節電運転終了のタイミングが中庫内Bまたは右庫内Cの節電運転終了のタイミングとずれることがあり得る。
【0128】
その場合は、左庫内Aの節電運転終了でインバータ圧縮機71Aが運転を開始するタイミングと、中庫内Bまたは右庫内Cの節電運転終了で一定速圧縮機71Bが運転を開始するタイミングとが異なるが、その場合は、左庫内Aの節電運転終了時に圧縮機停止時間計測手段107により計測(検知)した節電運転によるインバータ圧縮機71Aの停止時間を基に、節電運転終了によりインバータ圧縮機71Aが運転を開始してから所定時間経過するまでの間の庫内ファン61Aの回転数と、庫内ファン61Aの回転数を通常運転時の回転数よりも低く抑える所定時間を設定する。
【0129】
同様に、中庫内Bと右庫内Cの節電運転終了時に圧縮機停止時間計測手段107により計測(検知)した節電運転による一定速圧縮機71Bの停止時間を基に、節電運転終了により一定速圧縮機71Bが運転を開始してから所定時間経過するまでの間の庫内ファン61B,61Cの回転数と、庫内ファン61B,61Cの回転数を通常運転時の回転数よりも低く抑える所定時間を設定する。
【0130】
以上のように、本実施の形態のさらに別の例(図7に示す例)においては、節電運転による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の停止時間に応じて、節電運転が終了してから各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの時間を設定し、その間の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常運転より小さく(低く)設定することにより、節電運転が終了してから各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの間、庫内熱交換器51A,51B,51Cで蒸発しきらない液冷媒の量を抑え、液冷媒がインバータ圧縮機71Aや一定速圧縮機71Bへ液戻りすることを防止でき、インバータ圧縮機71Aや一定速圧縮機71Bの信頼性を確保することができる。
【0131】
図7に示す例では、節電運転による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の停止時間を計測する圧縮機停止時間計測手段107を有し、運転制御手段103が、節電運転終了時に圧縮機停止時間計測手段107により計測した節電運転による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の停止時間が長いほど、節電運転終了により圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を低くすると共に、各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常の庫内ファン運転時の回転数
よりも低く抑える所定時間を長くする。
【0132】
一般に、節電運転による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の停止時間が長くなるほど、節電運転終了時の左庫内A、中庫内B、右庫内Cの庫内温度は外気温により近い温度に上昇する傾向にあるので、節電運転による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の停止時間が長くなるほど、庫内熱交換器51A,51B,51Cが充分な低温になるのに時間がかかると共に、液冷媒が庫内熱交換器51A,51B,51Cで蒸発しやすくなると考えられる。
【0133】
そのため、節電運転による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の停止時間が長いほど、節電運転終了により圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を低くすると共に、各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常の庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える所定時間を長くすることにより、節電運転による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の長時間停止後に、各庫内ファン61A,61B,61Cの運転で左庫内A、中庫内B、右庫内Cの物品(商品)を暖めてしまう不具合の発生を抑えながら、庫内熱交換器51A,51B,51Cにおいて蒸発しきらない液冷媒が圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)に戻って圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の寿命を縮めないようにする効果を、より高めることができる。
【0134】
また、節電運転終了時に検出した庫内温度の代わりに、または、節電運転終了時に検出した庫内温度に加えて、図8に示すように、節電運転終了時に庫内熱交換器温度検出手段(庫内熱交換器温度センサ101A,101B,101C)により検出した庫内熱交換器51A,51B,51Cの温度を基に、節電運転終了により圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数と、各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常運転時の回転数よりも低く抑える所定時間を設定しても構わない。
【0135】
この場合は、図8に示すように、先ず、節電運転終了検知手段105が節電運転終了を検知(ピークカットの場合、所定の時刻(予め設定された節電運転終了時刻)に到達するか、庫内温度が所定の温度に到達する等の節電運転を強制的に終了させる条件を満たしたことを検知)すれば(図8のSTEP1)、運転制御手段103は、インバータ圧縮機71Aと一定速圧縮機71Bの運転を開始すると共に、インバータ圧縮機71Aと一定速圧縮機71Bの運転開始からの経過時間の計測を開始する(図8のSTEP2)。
【0136】
同時に、入力処理部102が、庫内熱交換器温度検出手段(庫内熱交換器温度センサ101A,101B,101C)により測定(検出)した庫内熱交換器51A,51B,51Cの温度を確認(検出)する(図8のSTEP2)。
【0137】
そして、節電運転終了時に庫内熱交換器温度検出手段(庫内熱交換器温度センサ101A,101B,101C)により測定(検出)した庫内熱交換器51A,51B,51Cの温度が高いほど、節電運転終了により圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を低く設定すると共に、所定時間設定手段106により、各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常の庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える所定時間(節電運転終了による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始から各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの時間)を長く設定する(図8のSTEP3)。
【0138】
そして、運転制御手段103は、節電運転終了による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始から各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの間、設定された回転数で各庫内ファン61A,61B,61Cを運転する(図8のSTEP3)。
【0139】
そして、節電運転終了による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始から所定時間設定手段106が設定した所定時間経過すれば、図8のSTEP4をYes側に分岐してSTEP5に進む。そして次のSTEP5で、運転制御手段103は、通常運転時の回転数で各庫内ファン61A,61B,61Cを運転する。
【0140】
以上のように、本実施の形態の別のもう一つの例(図8に示す例)においては、節電運転終了直後の庫内熱交換器51A,51B,51Cの温度に応じて、節電運転が終了してから各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの時間を設定し、その間の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常運転より小さく(低く)設定することにより、節電運転が終了してから各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの間、庫内熱交換器51A,51B,51Cで蒸発しきらない液冷媒の量を抑え、液冷媒がインバータ圧縮機71Aや一定速圧縮機71Bへ液戻りすることを防止でき、インバータ圧縮機71Aや一定速圧縮機71Bの信頼性を確保することができる。
【0141】
図8に示す例では、庫内熱交換器51A,51B,51Cの温度を検出する庫内熱交換器温度検出手段(庫内熱交換器温度センサ101A,101B,101C)を有し、運転制御手段103が、節電運転終了時に庫内熱交換器温度検出手段(庫内熱交換器温度センサ101A,101B,101C)により検出した庫内熱交換器51A,51B,51Cの温度が高いほど、節電運転終了により圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を低くすると共に、各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常の庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える所定時間を長くする。
【0142】
一般に、節電運転終了時の庫内熱交換器51A,51B,51Cの温度が高くなるほど、節電運転終了時の庫内温度が高く、庫内の冷却が難しい傾向にあるので、節電運転終了時の庫内熱交換器51A,51B,51Cの温度が高くなるほど、庫内熱交換器51A,51B,51Cが充分な低温になるのに時間がかかると共に、液冷媒が庫内熱交換器51A,51B,51Cで蒸発しやすくなると考えられる。
【0143】
そのため、節電運転終了時の庫内熱交換器51A,51B,51Cの温度が高いほど、節電運転終了により圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を低くすると共に、各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常の庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える所定時間を長くすることにより、節電運転による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の長時間停止後に、各庫内ファン61A,61B,61Cの運転で左庫内A、中庫内B、右庫内Cの物品(商品)を暖めてしまう不具合の発生を抑えながら、庫内熱交換器51A,51B,51Cにおいて蒸発しきらない液冷媒が圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)に戻って圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の寿命を縮めないようにする効果を、より高めることができる。
【0144】
(実施の形態2)
図9は本発明の実施の形態2における物品冷却装置を備えた自動販売機の節電運転後の圧縮機の運転状態と各庫内ファンの回転数の関係を示すタイムチャートである。
【0145】
本実施の形態は、節電運転終了により圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)が運転を開始してから各庫内ファン61A,61B,61Cが通常運転に入るまでの各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常より小さく(低く)設定する庫内ファン回転数設定手段104が、通常運転時より低い回転数を各庫内ファン61A,61B,61Cに対して複数設定し、運転制御手段103が、図9に示すように節電運転終了後の通常運転に入るまでの各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を段階的に増加させる点で、実施の形態1と異なっており、その他は実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0146】
以上のように構成された本実施の形態の自動販売機21について、図9を参照しながら、以下その動作、作用を説明する。
【0147】
図9に示すように、節電運転中は、運転制御手段103は、冷却運転を行わず、インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B、各庫内ファン61A,61B,61Cを停止させている。
【0148】
そして、節電運転終了検知手段105が節電運転終了を検知(ピークカットの場合、所定の時刻(予め設定された節電運転終了時刻)に到達するか、庫内温度が所定の温度に到達する等の節電運転を強制的に終了させる条件を満たしたことを検知)すれば、運転制御手段103は、インバータ圧縮機71Aと一定速圧縮機71Bの運転を開始すると共に、インバータ圧縮機71Aと一定速圧縮機71Bの運転開始からの経過時間の計測を開始する。
【0149】
同時に、入力処理部102が、庫内温度である各庫内コラム内温度センサ41A,41B,41Cの温度を確認(検出)する。
【0150】
庫内温度が、左庫内A、中庫内B、右庫内Cの順に高い場合、庫内ファン回転数設定手段104は、庫内ファン61A、庫内ファン61B、庫内ファン61Cの順に回転数を低く、それぞれ最初と2番目の2つずつ設定し、所定時間設定手段106が、庫内ファン61A、庫内ファン61B、庫内ファン61Cの順に節電運転終了による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始から各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの時間を長く設定する。
【0151】
図9の例では、節電運転終了による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始から各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの時間を、最も庫内温度が高い庫内ファン61Aについては5分、2番目に庫内温度が高い庫内ファン61Bについては4分、最も庫内温度が低い庫内ファン61Cについては3分に設定される。
【0152】
そして、最も庫内温度が高い庫内ファン61Aについては、間欠率75%となる通常よりも低く、しかも各庫内ファン61A,61B,61Cの内で最初の回転数としては最も低い回転数を3分継続した後に、間欠率60%となる通常よりも低く、しかも各庫内ファン61A,61B,61Cの内で2番目の回転数としては最も低い回転数を残りの2分継続してから通常運転の回転数に高めるように設定される。
【0153】
また、2番目に庫内温度が高い庫内ファン61Bについては、間欠率60%となる通常よりも低く、しかも各庫内ファン61A,61B,61Cの内で最初の回転数としては庫内ファン61Aの次に低い回転数を2分継続した後に、間欠率50%となる通常よりも低く、しかも各庫内ファン61A,61B,61Cの内で2番目の回転数としては庫内ファン61Aの次に低い回転数を残りの2分継続してから通常運転の回転数に高めるように設
定される。
【0154】
また、最も庫内温度が低い庫内ファン61Cについては、間欠率50%となる通常よりも低く、しかも各庫内ファン61A,61B,61Cの内で最初の回転数としては最も高い回転数を1分継続した後に、間欠率40%となる通常よりも低く、しかも各庫内ファン61A,61B,61Cの内で2番目の回転数としては最も高い回転数を残りの2分継続してから通常運転の回転数に高めるように設定される。
【0155】
そして、運転制御手段103は、節電運転終了による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始から各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの間、通常運転時よりも低く設定された回転数で段階的に回転数が増加するように各庫内ファン61A,61B,61Cを運転する。
【0156】
そして、節電運転終了による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始から所定時間設定手段106が設定した所定時間(庫内ファン61Aは5分、庫内ファン61Bは4分、庫内ファン61Cは3分)経過すれば、運転制御手段103は、通常運転時の回転数で各庫内ファン61A,61B,61Cを運転する。
【0157】
以上のように、本実施の形態においては、節電運転終了直後の庫内温度に応じて、節電運転が終了してから各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの時間を設定し、その間の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常運転より小さく(低く)設定すると共に回転数を段階的に増やしていくことにより、節電運転が終了してから各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの間、庫内熱交換器51A,51B,51Cで蒸発しきらない液冷媒の量を抑え、液冷媒がインバータ圧縮機71Aや一定速圧縮機71Bへ液戻りすることを防止でき、インバータ圧縮機71Aや一定速圧縮機71Bの信頼性を確保することができる。
【0158】
本実施の形態では、運転制御手段103が、節電運転終了後の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を段階的に増加させることを特徴とする。
【0159】
一般に、節電運転による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の長時間停止後の圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始直後からしばらくの間は、各庫内熱交換器51A,51B,51Cに液冷媒が供給されず、時間の経過にしたがって徐々に庫内熱交換器51A,51B,51Cへの液冷媒の供給量が増加していき、庫内熱交換器51A,51B,51Cへの液冷媒の供給量に比例するように庫内熱交換器51A,51B,51Cによる冷却能力が高まっていく。
【0160】
そのため、節電運転終了後の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を段階的に増加させることにより、節電運転による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の長時間停止後に、庫内ファン61A,61B,61Cの運転で左庫内A、中庫内B、右庫内Cの物品(商品)を暖めてしまう不具合の発生を抑えながら、庫内熱交換器51A,51B,51Cにおいて蒸発しきらない液冷媒が圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)に戻って圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の寿命を縮めないようにする効果を、より高めることができる。
【0161】
なお、節電運転終了時に検出した庫内温度の代わりに(または、節電運転終了時に検出した庫内温度に加えて)、節電運転終了時に外気温度センサ100(外気温検出手段)により検出した外気温、または、節電運転終了時に圧縮機停止時間計測手段107により計測した節電運転による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の停止時間、または、節電運転終了時に庫内熱交換器温度検出手段(庫内熱交換器温度センサ10
1A,101B,101C)により検出した庫内熱交換器51A,51B,51Cの温度を基に、節電運転終了により圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数と、各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常運転時の回転数よりも低く抑える所定時間を設定しても構わない。
【0162】
また、本実施の形態では、節電運転終了による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始後に、各庫内ファン61A,61B,61Cに対して、通常運転時の回転数より低い回転数で2段階に回転数を増加させてから通常運転の回転数で運転するようにしているが、3段階以上に回転数を増加させても構わない。
【0163】
また、各庫内ファン61A,61B,61Cで増加させる段階数を同じにする必要はなく、各庫内ファン61A,61B,61Cの内で通常運転時の風速が速いものや、節電運転終了後の通常運転に入る前の回転数を低く抑える時間の長いものの段階数を他より多くしても構わない。
【0164】
(実施の形態3)
図10は本発明の実施の形態3における物品冷却装置を備えた自動販売機の節電運転後の圧縮機の運転状態と各庫内ファンの回転数の関係を示すタイムチャート、図11は同実施の形態の自動販売機の運転制御手段による節電運転終了を検知してからの制御を示すフローチャートである。
【0165】
本実施の形態は、運転制御手段103が、節電運転終了後の各庫内ファン61A,61B,61Cの少なくとも一つの運転開始を圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始よりも所定時間よりも短い所定の遅延時間だけ遅らせる点で、実施の形態1または実施の形態2と異なっており、その他は実施の形態1または実施の形態2と同様であるので、説明を省略する。
【0166】
具体的には、節電運転終了検知手段105が節電運転終了を検知した時の各庫内コラム内温度センサ41A,41B,41Cの測定(検出)温度を基に、左庫内A、中庫内B、右庫内Cの内で比較的庫内温度が高い庫内の庫内ファン61A、庫内ファン61B、庫内ファン61Cについて、庫内ファン回転数設定手段104が、回転数を、最初が0回転、2番目が通常運転時の回転数より低い所定回転数と設定する。
【0167】
また、節電運転終了検知手段105が節電運転終了を検知した時の各庫内コラム内温度センサ41A,41B,41Cの測定(検出)温度を基に、所定時間設定手段106が、節電運転終了による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始から各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの時間(所定時間)と、左庫内A、中庫内B、右庫内Cの内で比較的庫内温度が高い庫内の庫内ファン61A、庫内ファン61B、庫内ファン61Cの最初の0回転を継続する所定時間よりも短く設定される遅延時間を設定する。
【0168】
以上のように構成された本実施の形態の自動販売機21について、図10、図11を参照しながら、以下その動作、作用を説明する。
【0169】
図10に示すように、節電運転中は、運転制御手段103は、冷却運転を行わず、インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B、各庫内ファン61A,61B,61Cを停止させている。
【0170】
そして、節電運転終了検知手段105が節電運転終了を検知(ピークカットの場合、所
定の時刻(予め設定された節電運転終了時刻)に到達するか、庫内温度が所定の温度に到達する等の節電運転を強制的に終了させる条件を満たしたことを検知)すれば(図11のSTEP1)、運転制御手段103は、インバータ圧縮機71Aと一定速圧縮機71Bの運転を開始すると共に、インバータ圧縮機71Aと一定速圧縮機71Bの運転開始からの経過時間の計測を開始する(図11のSTEP2)。
【0171】
同時に、入力処理部102が、庫内温度である各庫内コラム内温度センサ41A,41B,41Cの温度を確認(検出)する(図11のSTEP2)。
【0172】
図10に示すように、庫内温度が、中庫内B、左庫内A、右庫内Cの順に高い場合、庫内ファン回転数設定手段104は、庫内ファン61B、庫内ファン61A、庫内ファン61Cの順に回転数を低く設定し、所定時間設定手段106が、庫内ファン61B、庫内ファン61A、庫内ファン61Cの順に節電運転終了による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始から各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの時間を長く設定する。また、庫内ファン61Bについては、他の庫内ファン61A,61Cよりも節電運転終了後の運転開始を遅らせる。
【0173】
図10の例では、所定時間設定手段106が、節電運転終了による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始から各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの時間(所定時間)を、最も庫内温度が高い中庫内Bの庫内ファン61Bについては4分、2番目に庫内温度が高い左庫内Aの庫内ファン61Aについては2分、最も庫内温度が低い右庫内Cの庫内ファン61Cについては1分に設定する。
【0174】
さらに所定時間設定手段106が、最も庫内温度が高い庫内ファン61Bについては、他の庫内ファン61A,61Cよりも節電運転終了後の運転開始を遅らせる遅延時間(庫内ファン回転数設定手段104により設定された最初の0回転を継続する時間)を2分に設定する(図11のSTEP3)。
【0175】
また、庫内ファン回転数設定手段104が、最も庫内温度が高い中庫内Bの庫内ファン61Bについては、最初は0回転、2番目が間欠率75%となる通常よりも低く、しかも各庫内ファン61A,61B,61Cの内で最も低い回転数(遅延時間だけ他の庫内ファン61A,61Cより運転開始を遅らせて間欠率75%となる通常よりも低く、しかも各庫内ファン61A,61B,61Cの内で最も低い回転数)を設定する。
【0176】
また、庫内ファン回転数設定手段104が、2番目に庫内温度が高い庫内ファン61Aについては、間欠率60%となる通常よりも低く、しかも各庫内ファン61A,61B,61Cの内では庫内ファン61Aの次に低い回転数を設定し、最も庫内温度が低い庫内ファン61Cについては、間欠率50%となる通常よりも低く、しかも各庫内ファン61A,61B,61Cの内では最も高い回転数を設定する。
【0177】
そして、遅延時間が設定された最も庫内温度が高い中庫内Bの庫内ファン61Bについては、節電運転終了による一定速圧縮機71Bの運転開始からの経過時間が所定時間設定手段106により設定された遅延時間に達すると、図11のSTEP4をYes側に分岐して次のSTEP5に進み、遅延時間が設定されない他の庫内ファン61A,61Cについては、図11のSTEP3からSTEP5に進む。
【0178】
そして、図11のSTEP5において、運転制御手段103は、節電運転終了による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始から各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまで、庫内ファン61Bは間欠率75%となる回転数、庫内ファン61Aは間欠率60%となる回転数、庫内ファン61Cは間欠率50%と
なる回転数で運転される。
【0179】
そして、節電運転終了による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始から所定時間設定手段106が設定した所定時間(庫内ファン61Aは2分、庫内ファン61Bは4分、庫内ファン61Cは1分)経過すれば、図11のSTEP6をYes側に分岐して、運転制御手段103は、通常運転時の回転数で各庫内ファン61A,61B,61Cを運転する(図11のSTEP7)。
【0180】
以上のように、本実施の形態においては、節電運転終了直後の庫内温度に応じて、節電運転が終了してから各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの時間を設定し、その間の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常運転より小さく(低く)設定すると共に、比較的庫内温度の高い中庫内Bの庫内ファン61Bを、節電運転終了により一定速圧縮機71Bの運転を開始してから所定の時間よりも短い所定の遅延時間だけ遅延させて動作させることにより、節電運転が終了してから各庫内ファン61A,61B,61Cの通常運転に入るまでの間、庫内熱交換器51A,51B,51Cで蒸発しきらない液冷媒の量を抑え、液冷媒がインバータ圧縮機71Aや一定速圧縮機71Bへ液戻りすることを防止でき、インバータ圧縮機71Aや一定速圧縮機71Bの信頼性を確保することができる。
【0181】
さらに、インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71Bの信頼性を確保しつつ、遅延動作させた中庫内Bの庫内熱交換器51Bの温度を早く下げることができ、中庫内Bの商品温度をより早く冷却することができる。
【0182】
本実施の形態では、運転制御手段103が、節電運転終了後の各庫内ファン61A,61B,61Cの少なくとも一つの運転開始を圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始よりも所定時間(節電運転終了による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始から各庫内ファン61A,61B,61Cが通常運転するまでの時間)よりも短い所定の遅延時間だけ遅らせることを特徴とする。
【0183】
一般に、節電運転による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の長時間停止後の圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始直後からしばらくの間は、庫内熱交換器51A,51B,51Cに液冷媒が供給されず、時間の経過にしたがって徐々に庫内熱交換器51A,51B,51Cへの液冷媒の供給量が増加していき、庫内熱交換器51A,51B,51Cへの液冷媒の供給量に比例するように庫内熱交換器51A,51B,51Cによる冷却能力が高まっていく。
【0184】
そのため、圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始直後の庫内熱交換器51A,51B,51Cに液冷媒がほとんど供給されていないうちは、庫内ファン61A,61B,61Cを停止させていても、庫内熱交換器51A,51B,51Cにおいて蒸発しきらない液冷媒が圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)に戻って圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の寿命を縮める虞はない。
【0185】
また、節電運転終了後の庫内ファン61A,61B,61Cの運転開始を圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始よりも所定時間よりも短い所定の遅延時間だけ遅らせると、節電運転終了直後の庫内熱交換器51A,51B,51Cで冷却されていない空気流で左庫内A、中庫内B、右庫内Cの物品(商品)を暖めてしまうこともなく、圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の運転開始に同期して庫内ファン61A,61B,61Cの運転を開始した場合に比べて、庫内熱交換器51A,51B,51Cの温度を早く下げることができる。
【0186】
また、圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)よりも所定の遅延時間だけ遅れて運転を開始した庫内ファン61A,61B,61Cは、圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)が運転を開始してから所定時間経過するまでは通常の庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑えるので、節電運転終了後の庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を段階的に増加させる実施の形態2と同様の効果も有する。
【0187】
したがって、遅延時間を適切に設定することにより、節電運転による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の長時間停止後に、庫内ファン61A,61B,61Cの運転で左庫内A、中庫内B、右庫内Cの物品(商品)を暖めてしまう不具合の発生を抑えながら、庫内熱交換器51A,51B,51Cにおいて蒸発しきらない液冷媒が圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)に戻って圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の寿命を縮めないようにする効果を、実施の形態2よりも高めることができる。
【0188】
なお、節電運転終了時に検出した庫内温度の代わりに(または、節電運転終了時に検出した庫内温度に加えて)、節電運転終了時に外気温度センサ100(外気温検出手段)により検出した外気温、または、節電運転終了時に圧縮機停止時間計測手段107により計測した節電運転による圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)の停止時間、または、節電運転終了時に庫内熱交換器温度検出手段(庫内熱交換器温度センサ101A,101B,101C)により検出した庫内熱交換器51A,51B,51Cの温度を基に、節電運転終了により圧縮機(インバータ圧縮機71A、一定速圧縮機71B)が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数と、各庫内ファン61A,61B,61Cの回転数を通常運転時の回転数よりも低く抑える所定時間を設定しても構わない。
【0189】
なお、本実施の形態では、庫内ファン回転数設定手段104が、遅延時間だけ遅らせる庫内ファンの最初の回転数を0回転と設定することで、庫内ファンの運転開始を遅らせ、所定時間設定手段106が、遅延時間を設定するようにしたが、これに限らず、遅延時間の設定については所定時間設定手段106とは別の専用の遅延時間設定手段を設けても構わない。
【0190】
ところで、図2に示す冷凍サイクルでは、三方弁94からキャピラリチューブ93Cを経由して庫内熱交換器51Cに冷媒が流れるようにした場合は、中庫内Bの庫内熱交換器51Bには冷媒が流れないため、中庫内Bと右庫内Cのうち右庫内Cだけが冷却され、中庫内Bの庫内熱交換器51Bにも冷媒が流れるように三方弁94を切り替えた後は、中庫内Bの庫内熱交換器51Bで熱交換された後の冷媒が右庫内Cの庫内熱交換器51Cに流れる(中庫内Bの庫内熱交換器51Bで蒸発しなかった液冷媒が右庫内Cの庫内熱交換器51Cに流れる)ため、庫内熱交換器51Cの冷却能力が低下する。
【0191】
そのため、中庫内Bの庫内ファン61Bの運転開始を右庫内Cの庫内ファン61Cよりも遅らせる場合は、節電運転終了により一定速圧縮機71Bの運転と右庫内Cの庫内ファン61Cの運転を開始する時に、三方弁94からキャピラリチューブ93Cを経由して庫内熱交換器51Cに冷媒が流れるようにして、庫内熱交換器51Cで右庫内Cを冷却し、右庫内Cの庫内ファン61Cの運転開始から遅延時間だけ遅れて中庫内Bの庫内ファン61Bの運転を開始する前に、中庫内Bの庫内熱交換器51Bにも冷媒が流れるように三方弁94を切り替える。
【0192】
このようにすると、最初、中庫内Bの庫内熱交換器51Bに冷媒を流さない分、右庫内Cの庫内熱交換器51Cに流れる液冷媒の割合を増やして庫内熱交換器51Cの冷却能力
を高めて右庫内Cを早く冷却させることができ、また、中庫内Bの庫内熱交換器51Bにも冷媒が流れるように三方弁94を切り替えた後に庫内熱交換器51Cの冷却能力が低下する分を考慮して庫内熱交換器51Cで右庫内Cを充分に冷却しておくことができる。
【0193】
さらに、三方弁94に液冷媒が流れるようになってから中庫内Bの庫内熱交換器51Bにも冷媒が流れるように三方弁94を切り替えると、庫内熱交換器51Bに冷媒が流れ始めてから庫内熱交換器51Bが冷媒の蒸発で充分に冷却されるまでの時間を短縮することができる。
【産業上の利用可能性】
【0194】
以上のように、本発明にかかる物品冷却装置は、圧縮機と庫内ファンを有する冷却装置の長時間停止後に、庫内ファンの運転で庫内の物品を暖めてしまう不具合の発生を抑えながら、庫内熱交換器において蒸発しきらない液冷媒が圧縮機に戻って圧縮機の寿命を縮めないようにすることができるので、飲料等の商品を冷却して販売する自動販売機に最適であるが、飲料自動販売機のような節電運転を行うものに限らず、圧縮機と庫内ファンを有する冷却装置を長時間停止することがあり得る家庭用冷蔵庫、業務用冷蔵庫、冷凍庫、冷蔵倉庫等の庫内を冷却する用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0195】
21 自動販売機
41A,41B,41C 庫内コラム内温度センサ
51A,51B,51C 庫内熱交換器
61A,61B,61C 庫内ファン
71A インバータ圧縮機
71B 一定速圧縮機
100 外気温度センサ
101A,101B,101C 庫内熱交換器温度センサ
103 運転制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と共に冷凍サイクルを構成し冷却運転時に蒸発器として働き庫内の空気を冷却する庫内熱交換器と、前記庫内熱交換器により冷却された空気が前記庫内を循環するように送風する回転数可変の庫内ファンと、前記圧縮機と前記庫内ファンの運転を制御する運転制御手段とを有し、前記運転制御手段は、節電運転中は前記圧縮機と前記庫内ファンの運転を停止し、前記節電運転が終了すると前記圧縮機の運転を開始し、前記庫内ファンに対しては、前記節電運転終了により前記圧縮機が運転を開始してから所定時間経過するまでの間は前記庫内ファンの回転数を通常の前記庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑えることを特徴とする物品冷却装置。
【請求項2】
庫内温度を検出する庫内温度検出手段を有し、前記運転制御手段は、前記節電運転終了時に前記庫内温度検出手段により検出した庫内温度が高いほど、前記節電運転終了により前記圧縮機が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の前記庫内ファンの回転数を低くすると共に、前記庫内ファンの回転数を通常の前記庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える前記所定時間を長くすることを特徴とする請求項1に記載の物品冷却装置。
【請求項3】
外気温を検出する外気温検出手段を有し、前記運転制御手段は、前記節電運転終了時に前記外気温検出手段により検出した外気温が高いほど、前記節電運転終了により前記圧縮機が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の前記庫内ファンの回転数を低くすると共に、前記庫内ファンの回転数を通常の前記庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える前記所定時間を長くすることを特徴とする請求項1または2に記載の物品冷却装置。
【請求項4】
前記節電運転による前記圧縮機の停止時間を計測する圧縮機停止時間計測手段を有し、前記運転制御手段は、前記節電運転終了時に前記圧縮機停止時間計測手段により計測した前記節電運転による前記圧縮機の停止時間が長いほど、前記節電運転終了により前記圧縮機が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の前記庫内ファンの回転数を低くすると共に、前記庫内ファンの回転数を通常の前記庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える前記所定時間を長くすることを特徴とする請求項1または2に記載の物品冷却装置。
【請求項5】
前記庫内熱交換器の温度を検出する庫内熱交換器温度検出手段を有し、前記運転制御手段は、前記節電運転終了時に前記庫内熱交換器温度検出手段により検出した前記庫内熱交換器の温度が高いほど、前記節電運転終了により前記圧縮機が運転を開始してから所定時間経過するまでの間の前記庫内ファンの回転数を低くすると共に、前記庫内ファンの回転数を通常の前記庫内ファン運転時の回転数よりも低く抑える前記所定時間を長くすることを特徴とする請求項1または2に記載の物品冷却装置。
【請求項6】
前記運転制御手段は、前記節電運転終了後の前記庫内ファンの回転数を段階的に増加させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の物品冷却装置。
【請求項7】
前記運転制御手段は、前記節電運転終了後の前記庫内ファンの運転開始を前記圧縮機の運転開始よりも前記所定時間よりも短い所定の遅延時間だけ遅らせることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の物品冷却装置。
【請求項8】
前記運転制御手段は、前記節電運転終了後は所定条件が満たされるまで、前記圧縮機を強制的に運転することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の物品冷却装置。
【請求項9】
前記圧縮機に回転数可変のインバータ圧縮機を用い、前記運転制御手段は、前記節電運転終了後は所定条件が満たされるまで、予め設定された回転数で運転することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の物品冷却装置。
【請求項10】
庫内が複数有り、複数の前記庫内のそれぞれに前記庫内熱交換器と前記庫内ファンを有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の物品冷却装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項の物品冷却装置を備えた自動販売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−53817(P2013−53817A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192659(P2011−192659)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】