物品収納設備
【課題】 収納部の上端部に供給する物品の破損を抑えることができ且つ収納棚に物品を効率よく収納することができる物品収納設備を提供する。
【解決手段】 傾斜姿勢の物品載置支持体６にて物品Ｗを自重にて下降移動させる形態で載置支持する複数の収納部１ａを上下方向に並べて備えた収納棚１を設け、水平方向に沿う搬送面にて物品Ｗを載置搬送する物品搬入用コンベヤ２からの物品Ｗを受け取り且つ収納部１ａの上端部に物品Ｗを供給可能な物品載置搬送部１１を、物品搬入用コンベヤ２に対する物品受け取り位置と複数の収納部１ａの夫々についての物品供給位置とに移動操作自在に備えた中継搬送手段３とを設け、中継搬送手段３における物品載置搬送部１１を、その搬送面を水平又は略水平状態とする水平用姿勢とその搬送面を搬送方向において傾斜状態とする傾斜姿勢とに姿勢変更操作自在に構成する。
【解決手段】 傾斜姿勢の物品載置支持体６にて物品Ｗを自重にて下降移動させる形態で載置支持する複数の収納部１ａを上下方向に並べて備えた収納棚１を設け、水平方向に沿う搬送面にて物品Ｗを載置搬送する物品搬入用コンベヤ２からの物品Ｗを受け取り且つ収納部１ａの上端部に物品Ｗを供給可能な物品載置搬送部１１を、物品搬入用コンベヤ２に対する物品受け取り位置と複数の収納部１ａの夫々についての物品供給位置とに移動操作自在に備えた中継搬送手段３とを設け、中継搬送手段３における物品載置搬送部１１を、その搬送面を水平又は略水平状態とする水平用姿勢とその搬送面を搬送方向において傾斜状態とする傾斜姿勢とに姿勢変更操作自在に構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、傾斜姿勢の物品載置支持体にて物品を自重にて下降移動させる形態で載置支持する複数の収納部を上下方向に並べて備えた収納棚と、水平方向に沿う搬送面にて物品を載置搬送する物品搬入用コンベヤと、前記物品搬入用コンベヤからの物品を受け取り且つ前記収納部の上端部に物品を供給可能な物品載置搬送部を前記物品搬入用コンベヤに対する物品受け取り位置と前記複数の収納部の夫々についての物品供給位置とに移動操作自在に備えた中継搬送手段とが設けられた物品収納設備に関する。
【背景技術】
【０００２】
かかる物品収納設備は、物品搬入用コンベヤにて載置搬送される物品を中継用搬送手段にて受け取り、中継用搬送手段はその受け取った物品を収納棚における収納部の上端部に供給し、収納部の上端部に供給された物品は自重により収納部の下端部まで下降移動するように構成されているものである。
そして、このような物品収納設備において、従来では、中継用搬送手段における物品載置搬送部が水平方向に沿う搬送面にて物品を載置搬送するように構成され、物品載置搬送部を物品受け取り位置に移動操作して、物品搬入用コンベヤにて水平方向に載置搬送される物品を物品載置搬送部にて受け取り、物品載置搬送部を物品供給位置に移動操作して、物品載置搬送部にて物品を水平方向に載置搬送してその物品を収納部の上端部に供給するように構成されている（例えば、特許文献１参照。）。
【０００３】
【特許文献１】特開平６−３０５５１７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上記した物品収納設備では、物品搬入用コンベヤと物品載置搬送部との両方が水平方向に沿う搬送面にて物品を載置搬送するように構成されているので、物品搬入用コンベヤから物品載置搬送部への物品の搬送は円滑に行われる。しかしながら、物品載置搬送部が水平方向に沿う搬送面にて物品を載置搬送するように構成されているのに対して、物品載置支持体が傾斜する姿勢に設けられて物品を傾斜方向に沿う支持面にて物品を載置支持するように構成されているから、物品載置搬送部にて水平方向に載置搬送される物品は、その物品の重心が物品載置搬送部上から収納棚側に外れるまでの搬送初期においては水平姿勢で移動し、その後、その物品の重心が物品載置搬送部上から外れると、物品は収納棚側に傾くように姿勢が変更して物品載置支持体にて受け止められるものとなるのであり、物品載置搬送部にて収納部の上端部に物品の供給する際における前述の搬送初期において、図６（イ）に仮想線で示すように、水平姿勢で移動する物品における収納棚側の端部が供給の対象となる収納部の一段上の物品載置支持体に接触する虞があり、また、上述の如く、物品は収納棚側に傾くように姿勢が変更して物品載置支持体にて受け止められることとなるので、受け止められる際の衝撃で物品が破損してしまう可能性があった。
ちなみに、前述の搬送初期において、水平姿勢で移動する物品における収納棚側の端部が供給の対象となる収納部の一段上の物品載置支持体に接触させないためには、上下方向に並設される物品載置支持体同士の間隔を物品の高さ以上に十分広げておく必要があり、このように物品載置支持体同士の間隔を物品の高さ以上に十分広げることにより、収納棚に物品を効率よく収納することができないものとなる。
【０００５】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、収納部の上端部に供給する物品の破損を抑えることができ且つ収納棚に物品を効率よく収納することができる物品収納設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
この目的を達成するために、本発明にかかる物品搬送設備は、傾斜姿勢の物品載置支持体にて物品を自重にて下降移動させる形態で載置支持する複数の収納部を上下方向に並べて備えた収納棚と、水平方向に沿う搬送面にて物品を載置搬送する物品搬入用のコンベヤと、前記物品搬入用コンベヤからの物品を受け取り且つ前記収納部の上端部に物品を供給可能な物品載置搬送部を前記物品搬入用コンベヤに対する物品受け取り位置と前記複数の収納部の夫々についての物品供給位置とに移動操作自在に備えた中継搬送手段とが設けられた物品収納設備であって、
その第１特徴構成は、前記中継搬送手段における前記物品載置搬送部が、その搬送面を水平又は略水平状態とする水平用姿勢とその搬送面を搬送方向において傾斜状態とする傾斜姿勢とに姿勢変更操作自在に構成されている点にある。
【０００７】
すなわち、物品搬入用コンベヤにて水平方向に載置搬送された物品を物品載置搬送部にて受け取る際は、物品載置搬送部を水平用姿勢に姿勢変更操作することで、物品搬入用コンベヤが物品載置搬送部と同様に水平方向に沿う搬送面にて物品を載置搬送するものとなるので、物品搬入用コンベヤから物品載置搬送部への物品の搬送を円滑に行うことができる。しかも、物品載置搬送部にて収納部の上端部に物品の供給する際は、物品載置搬送部を傾斜姿勢に姿勢変更操作することにより、物品載置搬送部の搬送面の傾斜角度を物品載置支持体の載置面の傾斜角度と同じ角度にすることができるから、物品載置搬送部にて傾斜方向に載置搬送される物品は、物品載置搬送部から収納部の上端部に物品の姿勢が変わることなく一連に載置搬送され、物品載置搬送部にて収納部の上端部に物品の供給する際に、図６（ロ）に仮想線で示すように、傾斜姿勢で移動する物品における収納棚側の端部が供給の対象となる収納部の一段上の物品載置支持体に接触する虞がなく、また、上述の如く、物品載置搬送部から収納部の上端部に物品の姿勢が変わることなく一連に載置搬送されるものとできるので、物品載置搬送部による収納部の上端部への物品の供給を円滑に行うことができ、物品載置支持体にて受け止める際の衝撃による物品の破損を抑えることができる。
ちなみに、傾斜姿勢で移動する物品における収納棚側の端部が供給の対象となる収納部の一段上の物品載置支持体に接触しないようにするには、上下方向に並設される物品載置支持体同士の間隔は物品の高さより少し高い程度空けておくだけでよく、収納棚に物品を効率よく収納することができる。
従って、収納部の上端部に円滑に供給することができる物品収納設備を提供することができ且つ収納棚に物品を効率よく収納することができるに至った。
【０００８】
本発明にかかる物品保管設備の第２特徴構成は、第１特徴構成において、前記収納部として、その物品載置支持体の傾斜角度が異なる複数種が設けられ、前記物品載置搬送部が、前記収納部の物品載置支持体の傾斜角度に合わせて、前記傾斜姿勢における傾斜角度を変更自在に構成されている点にある。
【０００９】
すなわち、収納部として、その物品載置支持体の傾斜角度が異なる複数種が設けられているので、自重により下降移動し難い物品は、傾斜角度が急な物品載置支持体を備えた収納部の上端部に供給して物品を適確に下降移動させ、また、破損し易い物品や自重により下降移動し易い物品は、傾斜角度が緩やかな物品載置支持体を備えた収納部の上端部に供給して収納部の下端部にて物品を受け止める際の衝撃を抑えるというように、物品の性質に応じた傾斜姿勢の物品載置支持体を備えた収納部の上端部に供給することにより、物品を適切に下降移動させることができる。
そして、傾斜姿勢における物品載置搬送部の搬送面の傾斜角度を、複数種の物品載置支持体夫々の載置面の傾斜角度と同じ角度にすることができ、物品載置搬送部にて収納部の上端部に物品の供給する際に、物品載置搬送部から収納部の上端部に物品の姿勢が変わることなく一連に載置搬送することができるので、物品載置支持体の傾斜角度が異なる複数種の収納部の夫々に対して物品を円滑に供給することができる。
従って、物品載置支持体の傾斜角度が異なる複数種の収納部の夫々に対して物品を円滑に供給することができる物品収納設備を提供することができるに至った。
【００１０】
本発明にかかる物品保管設備の第３特徴構成は、第１又は第２特徴構成において、前記物品載置搬送部が、前記収納部側の端部を支点とした揺動により、前記水平用姿勢と前記傾斜姿勢とに姿勢変更するように構成されている点にある。
【００１１】
すなわち、物品受け取り位置から物品供給位置に移動させる間は物品載置搬送部を水平用姿勢に維持し、物品供給位置に移動させた後に物品載置搬送部を傾斜姿勢に姿勢変更操作する場合に、水平用姿勢から傾斜姿勢に姿勢変更操作しても物品載置搬送部における搬送面の収納部側の高さが変わらない又は略変わらないので、物品載置搬送部を収納部に対して位置合わせし易いものとなり、もって、物品載置搬送部を収納部に対して位置合わせし易い物品収納設備を提供することができるに至った。
【００１２】
本発明にかかる物品保管設備の第４特徴構成は、第１〜第３特徴構成のいずれか１つにおいて、前記物品搬入用コンベヤにて搬入される物品を複数の前記収納部に収納すべく前記中継搬送手段の運転を制御する運転制御手段が、前記物品受け取り位置においては前記物品載置搬送部を前記水平用姿勢とし且つ前記物品供給位置においては前記傾斜姿勢とするように、前記物品載置搬送部を姿勢変更させるように構成されている点にある。
【００１３】
すなわち、物品受け取り位置においては物品載置搬送部を水平用姿勢とし且つ物品供給位置においては傾斜姿勢とするように、運転制御手段にて物品載置搬送部を自動的に姿勢変更するように構成されているので、物品搬入用コンベヤからの物品の受け取りや収納棚の上端部への物品の供給を円滑に行うように物品載置搬送部の姿勢変更を適確に行うことができ、もって、物品載置搬送部の姿勢変更を適確に行うことができる物品搬送装置を提供できるに至った。
【００１４】
本発明にかかる物品保管設備の第５特徴構成は、第４特徴構成において、前記運転制御手段が、前記物品受け取り位置から前記物品供給位置に移動する間は、前記物品載置搬送部を前記水平用姿勢で且つ搬送停止状態に維持し、且つ、前記物品供給位置においては、前記傾斜姿勢に切換えた後に搬送作用状態に切換えるべく、前記物品載置搬送部の作動を制御するように構成されている点にある。
【００１５】
すなわち、物品受け取り位置から物品供給位置に移動する間は、物品載置搬送部を水平用姿勢で且つ搬送停止状態に維持しているので、物品載置搬送部の移動中に物品載置搬送部上の物品がずれ難く、また、物品供給位置においては、傾斜姿勢に切換えた後に搬送作用状態に切換えるべく、物品載置搬送部の作動を制御するように構成されているので、傾斜姿勢への切換える途中に搬送作用状態に切り換えるものに比べて、傾斜姿勢に切換えや載置搬送する際に物品載置搬送部上の物品がずれ難く、もって、物品載置搬送部にて載置搬送する際に物品載置搬送部上の物品がずれ難い物品搬送設備を提供できるに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図１及び図２に示すように、物品収納設備には、傾斜姿勢の物品載置支持体８にて物品Ｗを自重にて下降移動させる形態で載置支持する複数の収納部１ａを上下方向及び横幅方向に並べて備えた収納棚１と、水平方向に沿う搬送面にて物品Ｗを載置搬送する物品搬入用コンベヤ２と、上下の案内レール４にて案内されて収納棚１の間口に沿って走行して、物品搬入用コンベヤ２から受け取った物品Ｗを収納部１ａの上端部に供給するスタッカークレーン（中継搬送手段に相当）３とが設けられており、物品搬入用コンベヤ２にて載置搬送される物品Ｗをスタッカークレーン３にて受け取り、スタッカークレーン３はその受け取った物品Ｗを収納棚１における収納部１ａの上端部に供給するように構成されている。そして、収納棚１は、収納部１ａの上端部に供給された物品Ｗを自重により収納部の下端部まで下降移動させるように構成され、さらに、収納部１ａの下端部から作業者にて物品を取り出してピッキング作業を行なえるように構成されている。
【００１７】
次に、収納棚１について説明するが、案内レール４の長手方向と直交する方向におけるスタッカークレーン３が存在する側を供給側、その反対側をピッキング側として説明する。
図１及び図２に示すように、収納棚１は、案内レール４の一側方に案内レール４に沿って３つ並べられており、その夫々の収納棚１には、上下方向に３つの収納部１ａを並べて備えられており、また、明確には区分けされていないが横幅方向に３つの収納部１ａを並べて備えられている。そして、物品載置支持体６は、その１つを横幅方向に並ぶ３つの収納部１ａにて共用している。
物品載置支持体６は、供給側よりピッキング側が下方に位置する傾斜姿勢となる状態で設けられている。よって、物品載置支持体６夫々の支持面は、ピッキング側ほど下方に位置する状態に傾斜しており、収納部１ａの夫々は、物品載置支持体６の供給側端部に載置された物品Ｗが、自重によりピッキング側下方に向けて下降移動して物品載置支持体６のピッキング側端部まで移動するように構成されている。そして、物品載置支持体６の夫々には、ピッキング側端部にピッキング側端部まで移動してきた物品Ｗを受け止めるストッパー部材９が設けられている。
【００１８】
図２に示すように、収納部１ａとして、その物品載置支持体６の傾斜角度が異なる複数種が設けられている。具体的に説明すると、上下方向に設けられた３つの物品載置支持体６が、その上段と中段と下段とで傾斜角度が異なるように構成されており、収納棚１には３種類の収納部１ａが設けられている。
そして、下段の物品載置支持体６より中段の物品載置支持体６の傾斜角度の方が緩やかで、中段の物品載置支持体６より、上段の物品載置支持体６の傾斜角度の方が緩やかとなるように構成されている。
また、中段の物品載置支持体６の下端より下段の物品載置支持体６の下端がピッキング側に位置し、上段の物品載置支持体６の下端より中段の物品載置支持体６の下端の方がピッキング側に位置するように、３つの物品載置支持体６の夫々の長さを設定して収納部１ａの下端部から物品Ｗを取出し易いように構成されている。
【００１９】
図１及び図２に示すように、物品搬入用コンベヤ２は、ローラ式のコンベヤにて構成され、物品Ｗを水平方向に載置搬送するように構成されており、その搬送面の高さが、下段の収納部１ａにおける物品載置支持体６の支持面前端の高さと同じ高さとなるように、案内レール４の他側方に設けられている。
【００２０】
図２に示すように、スタッカークレーン３は、前記物品搬入用コンベヤ２からの物品Ｗを受け取り且つ前記収納部１ａの上端部に物品Ｗを供給可能な物品載置搬送部１１を前記物品搬入用コンベヤ２に対する物品受け取り位置と前記複数の収納部１ａの夫々についての物品供給位置とに移動操作自在に備えて構成されている。
つまり、スタッカークレーン３は、案内レール４に案内されて作業通路に沿って走行する走行台車１２と、この走行台車１２に立設された左右一対の支柱１３に沿って昇降自在な昇降台１４とを備え、また、走行台車１２に設けられて案内レール４上を転動する走行車輪１５を駆動回転させる走行用モータ１６（図４参照）と、昇降台１４を昇降移動させる昇降用モータ１７（図４参照）とを備えて構成されており、走行台車１２の走行や昇降台１４の昇降により、物品載置支持体６を物品受け取り位置や物品供給位置に移動操作するように構成されている。
そして、物品受け取り位置に移動操作された物品載置支持体６は、平面視並びに側面視において物品搬入用コンベヤ２と一直線上に並ぶ位置に移動操作されるものであり、特に側面視においては、物品搬入用コンベヤ２の搬送面の延長線上に物品載置支持体６の搬送面が位置する。また、物品供給位置に移動操作された物品載置支持体６は、平面視並びに側面視において物品Ｗを供給する収納部１ａの物品載置支持体６と一直線上に並ぶ位置に移動操作されるものであり、特に側面視においては、物品Ｗを供給する収納部１ａの物品載置支持体６の搬送面の延長線上に物品搬入用コンベヤ２の搬送面が位置する。
【００２１】
次に、物品載置搬送部１１について説明するが、案内レール４の長手方向と直交する方向における物品搬入用コンベヤ２が存在する側をコンベヤ側、その反対側の収納棚１が存在する側を収納棚側として説明する。
物品載置搬送部１１は、その搬送面を水平又は略水平状態とする水平用姿勢とその搬送面を搬送方向において傾斜状態とする傾斜姿勢とに姿勢変更操作自在に構成され、また、前記収納部側の端部を支点とした揺動により、図３（イ）に示すような水平用姿勢と図３（ロ）に示すような傾斜姿勢とに切り換えるように構成されている。そして、前記物品載置搬送部１１を、前記収納部１ａの物品載置支持体６の傾斜角度に合わせて、前記傾斜姿勢における傾斜角度を変更自在に構成されている。つまり、物品載置搬送部１１は、図３に示すように、その収納棚側の端部が横幅方向に沿う軸心周りに揺動自在に昇降台１４に設けられ、且つ、コンベヤ側の端部が姿勢変更用シリンダ１９にて昇降移動されるように構成されており、姿勢変更用シリンダ１９を伸縮させることにより、物品載置搬送部１１の傾斜角度を上段や中段、下段の収納部１ａにおける物品載置支持体６の夫々の傾斜角度と同じ又は略同じ傾斜角度に変更できる。
また、物品載置搬送部１１は、ローラ式のコンベヤにて構成されて、物品載置搬送部１１におけるローラを回転駆動させる搬送用モータ１８（図４参照）が備えられており、この搬送用モータ１８の作動と作動停止との切り換えにより、搬送作動状態と搬送停止状態とに切り換えるように構成されている。
【００２２】
図４に示すように、スタッカークレーン３には、前記物品搬入用コンベヤ２にて搬入される物品Ｗを複数の前記収納部１ａに収納すべく前記スタッカークレーン３の運転を制御する運転制御手段Ｈが備えられており、運転制御手段Ｈは、上位コントローラＣからの供給指令に基づいて、走行用モータ１６や昇降用モータ１７の作動を制御することにより物品載置搬送部１１を物品受け取り位置や物品供給位置に移動させ、搬送用モータ１８の作動を制御することにより物品載置搬送部１１を搬送作動状態と搬送停止状態とに切り換え、また、姿勢変更用シリンダ１９の作動を制御することにより物品載置搬送部１１を水平用状態と傾斜状態とに姿勢変更させるように構成されている。
そして、運転制御手段Ｈは、前記受け取り位置においては前記物品載置搬送部１１を前記水平用姿勢とし且つ前記供給位置においては傾斜姿勢とするように、前記物品載置搬送部１１を姿勢変更させるように構成され、また、前記物品受け取り位置から前記物品供給位置に移動する間は、前記物品載置搬送部１１を前記水平用姿勢で且つ搬送停止状態に維持し、且つ、前記物品供給位置においては、前記傾斜姿勢に切換えた後に搬送作用状態に切換えるべく、前記物品載置搬送部１１の作動を制御するように構成されている。
【００２３】
上位コントローラＣから運転制御手段Ｈに供給指令が入力された際のスタッカークレーン３の作動について説明する。尚、物品載置搬送部１１は、予め水平用状態に姿勢変更され且つ搬送停止状態に切り換えられている。
まず、図５（イ）に示すように、走行台車１２の走行並びに昇降台１４の昇降により、物品受け取り位置に物品載置搬送部１１を移動させ、この状態で物品載置搬送部１１を搬送駆動状態に切り換えて物品Ｗを受け取り、物品を受け取った後に物品載置搬送部１１を搬送停止状態に切り換える。
そして、図５（ロ）及び図６（イ）に示すように、走行台車１２の走行並びに昇降台１４の昇降により、物品Ｗを供給する収納部１ａに対する物品供給位置に物品載置搬送部１１を移動させ、この状態で物品Ｗを、図５（ハ）及び図６（ロ）に示すように、供給する収納部１ａの物品載置支持体６の傾斜角度に合わせた傾斜姿勢に物品載置搬送部１１を姿勢変更させた後、物品載置搬送部１１を搬送駆動状態に切り換えて物品Ｗを収納部１ａの上端部に供給し、供給し終わった後に物品載置搬送部１１を搬送停止状態に姿勢変更させ且つ搬送停止状態に切り換える。
【００２４】
〔別実施の形態〕
（１） 上記実施の形態では、収納部１ａとして、その物品載置支持体６の傾斜角度が異なる複数種を設けたが、収納部１ａとして、全ての物品載置支持体６の傾斜角度を同じにして一種類だけ設けてもよい。
そして、このように収納部１ａとして一種だけ設けた場合は、物品載置搬送部１１の傾斜姿勢を収納部１ａの一種の物品載置支持体６の傾斜角度に合わせた一種類の傾斜角度に切り換えるようにする。
尚、上記実施の形態のように、収納部１ａとして複数種設けた場合でも、物品載置搬送部１１の傾斜姿勢を物品載置支持体６の傾斜角度の平均的な角度の一種類の傾斜角度に切り換えるようにしてもよい。
【００２５】
（２） 上記実施の形態では、物品載置搬送部１１を、収納部側の端部を支点とした揺動により、水平用姿勢と傾斜姿勢とに姿勢変更するように構成したが、物品載置搬送部１１を、収納部側とは反対側（上記実施の形態におけるコンベヤ側）の端部を支点とした揺動により、水平用姿勢と傾斜姿勢とに姿勢変更するように構成してもよく、また、物品載置搬送部１１を、収納部側の端部とその反対側の端部との中央部を支点とした揺動により、水平用姿勢と傾斜姿勢とに姿勢変更するように構成してもよい。
【００２６】
（３） 上記実施の形態では、運転制御手段Ｈを、物品受け取り位置から物品供給位置に移動する間は、物品載置搬送部１１を水平用姿勢で且つ搬送停止状態に維持すべく、物品載置搬送部１１の作動を制御するように構成したが、運転制御手段Ｈを、物品受け取り位置から物品供給位置に移動する間に、物品載置搬送部１１を水平用姿勢から傾斜姿勢に切り換えるべく、物品載置搬送部１１の作動を制御するように構成してもよく、また、運転制御手段Ｈを、物品受け取り位置から物品供給位置に移動する間に、搬送駆動状態として物品Ｗをコンベヤ側から収納棚側に向けて載置搬送すべく、物品載置搬送部１１の作動を制御するように構成してもよい。
上記実施の形態では、運転制御手段Ｈを、物品供給位置においては、傾斜姿勢に切換えた後に搬送作用状態に切換えるべく、物品載置搬送部１１の作動を制御するように構成されているが、運転制御手段Ｈを、物品供給位置においては、傾斜姿勢に切換える途中に搬送作用状態に切換えるべく、物品載置搬送部１１の作動を制御するように構成してもよい。
【００２７】
（４） 上記実施の形態では、収納棚１を走行通路の一方側にのみ設けたが、収納棚１を走行通路の両側に設けてもよい。この場合、上記実施の形態では、収納棚側にしか傾かない物品載置搬送部１１を収納棚側とコンベヤ側との両方側に傾くように構成する。
また、上記実施の形態では、収納棚１を走行経路の一方側に設け、物品搬入用コンベヤ２を走行経路の他方側に設けたが、収納棚１と物品搬入用コンベヤ２とを同じ側に設けてもよい。
【００２８】
（５） 上記実施の形態では、収納部として、その物品載置支持体の傾斜角度が異なる複数種設けるにあたり、上下方向に並ぶ物品載置支持体の傾斜角度を異ならせたが、横幅方向に並ぶ物品載置支持体の傾斜角度を異ならせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【００２９】
【図１】物品収納設備の平面図
【図２】物品収納設備の側面図
【図３】物品載置搬送部の水平用姿勢と傾斜姿勢とを示す図
【図４】制御ブロック図
【図５】物品収納設備の作用図
【図６】物品載置搬送部と物品載置支持体とを示す図
【符号の説明】
【００３０】
１ 収納棚
１ａ 収納部
２ 物品搬入用コンベヤ
３ 中継搬送手段
６ 物品載置支持体
１１ 物品載置搬送部
Ｈ 運転制御手段
Ｗ 物品
【技術分野】
【０００１】
本発明は、傾斜姿勢の物品載置支持体にて物品を自重にて下降移動させる形態で載置支持する複数の収納部を上下方向に並べて備えた収納棚と、水平方向に沿う搬送面にて物品を載置搬送する物品搬入用コンベヤと、前記物品搬入用コンベヤからの物品を受け取り且つ前記収納部の上端部に物品を供給可能な物品載置搬送部を前記物品搬入用コンベヤに対する物品受け取り位置と前記複数の収納部の夫々についての物品供給位置とに移動操作自在に備えた中継搬送手段とが設けられた物品収納設備に関する。
【背景技術】
【０００２】
かかる物品収納設備は、物品搬入用コンベヤにて載置搬送される物品を中継用搬送手段にて受け取り、中継用搬送手段はその受け取った物品を収納棚における収納部の上端部に供給し、収納部の上端部に供給された物品は自重により収納部の下端部まで下降移動するように構成されているものである。
そして、このような物品収納設備において、従来では、中継用搬送手段における物品載置搬送部が水平方向に沿う搬送面にて物品を載置搬送するように構成され、物品載置搬送部を物品受け取り位置に移動操作して、物品搬入用コンベヤにて水平方向に載置搬送される物品を物品載置搬送部にて受け取り、物品載置搬送部を物品供給位置に移動操作して、物品載置搬送部にて物品を水平方向に載置搬送してその物品を収納部の上端部に供給するように構成されている（例えば、特許文献１参照。）。
【０００３】
【特許文献１】特開平６−３０５５１７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上記した物品収納設備では、物品搬入用コンベヤと物品載置搬送部との両方が水平方向に沿う搬送面にて物品を載置搬送するように構成されているので、物品搬入用コンベヤから物品載置搬送部への物品の搬送は円滑に行われる。しかしながら、物品載置搬送部が水平方向に沿う搬送面にて物品を載置搬送するように構成されているのに対して、物品載置支持体が傾斜する姿勢に設けられて物品を傾斜方向に沿う支持面にて物品を載置支持するように構成されているから、物品載置搬送部にて水平方向に載置搬送される物品は、その物品の重心が物品載置搬送部上から収納棚側に外れるまでの搬送初期においては水平姿勢で移動し、その後、その物品の重心が物品載置搬送部上から外れると、物品は収納棚側に傾くように姿勢が変更して物品載置支持体にて受け止められるものとなるのであり、物品載置搬送部にて収納部の上端部に物品の供給する際における前述の搬送初期において、図６（イ）に仮想線で示すように、水平姿勢で移動する物品における収納棚側の端部が供給の対象となる収納部の一段上の物品載置支持体に接触する虞があり、また、上述の如く、物品は収納棚側に傾くように姿勢が変更して物品載置支持体にて受け止められることとなるので、受け止められる際の衝撃で物品が破損してしまう可能性があった。
ちなみに、前述の搬送初期において、水平姿勢で移動する物品における収納棚側の端部が供給の対象となる収納部の一段上の物品載置支持体に接触させないためには、上下方向に並設される物品載置支持体同士の間隔を物品の高さ以上に十分広げておく必要があり、このように物品載置支持体同士の間隔を物品の高さ以上に十分広げることにより、収納棚に物品を効率よく収納することができないものとなる。
【０００５】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、収納部の上端部に供給する物品の破損を抑えることができ且つ収納棚に物品を効率よく収納することができる物品収納設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
この目的を達成するために、本発明にかかる物品搬送設備は、傾斜姿勢の物品載置支持体にて物品を自重にて下降移動させる形態で載置支持する複数の収納部を上下方向に並べて備えた収納棚と、水平方向に沿う搬送面にて物品を載置搬送する物品搬入用のコンベヤと、前記物品搬入用コンベヤからの物品を受け取り且つ前記収納部の上端部に物品を供給可能な物品載置搬送部を前記物品搬入用コンベヤに対する物品受け取り位置と前記複数の収納部の夫々についての物品供給位置とに移動操作自在に備えた中継搬送手段とが設けられた物品収納設備であって、
その第１特徴構成は、前記中継搬送手段における前記物品載置搬送部が、その搬送面を水平又は略水平状態とする水平用姿勢とその搬送面を搬送方向において傾斜状態とする傾斜姿勢とに姿勢変更操作自在に構成されている点にある。
【０００７】
すなわち、物品搬入用コンベヤにて水平方向に載置搬送された物品を物品載置搬送部にて受け取る際は、物品載置搬送部を水平用姿勢に姿勢変更操作することで、物品搬入用コンベヤが物品載置搬送部と同様に水平方向に沿う搬送面にて物品を載置搬送するものとなるので、物品搬入用コンベヤから物品載置搬送部への物品の搬送を円滑に行うことができる。しかも、物品載置搬送部にて収納部の上端部に物品の供給する際は、物品載置搬送部を傾斜姿勢に姿勢変更操作することにより、物品載置搬送部の搬送面の傾斜角度を物品載置支持体の載置面の傾斜角度と同じ角度にすることができるから、物品載置搬送部にて傾斜方向に載置搬送される物品は、物品載置搬送部から収納部の上端部に物品の姿勢が変わることなく一連に載置搬送され、物品載置搬送部にて収納部の上端部に物品の供給する際に、図６（ロ）に仮想線で示すように、傾斜姿勢で移動する物品における収納棚側の端部が供給の対象となる収納部の一段上の物品載置支持体に接触する虞がなく、また、上述の如く、物品載置搬送部から収納部の上端部に物品の姿勢が変わることなく一連に載置搬送されるものとできるので、物品載置搬送部による収納部の上端部への物品の供給を円滑に行うことができ、物品載置支持体にて受け止める際の衝撃による物品の破損を抑えることができる。
ちなみに、傾斜姿勢で移動する物品における収納棚側の端部が供給の対象となる収納部の一段上の物品載置支持体に接触しないようにするには、上下方向に並設される物品載置支持体同士の間隔は物品の高さより少し高い程度空けておくだけでよく、収納棚に物品を効率よく収納することができる。
従って、収納部の上端部に円滑に供給することができる物品収納設備を提供することができ且つ収納棚に物品を効率よく収納することができるに至った。
【０００８】
本発明にかかる物品保管設備の第２特徴構成は、第１特徴構成において、前記収納部として、その物品載置支持体の傾斜角度が異なる複数種が設けられ、前記物品載置搬送部が、前記収納部の物品載置支持体の傾斜角度に合わせて、前記傾斜姿勢における傾斜角度を変更自在に構成されている点にある。
【０００９】
すなわち、収納部として、その物品載置支持体の傾斜角度が異なる複数種が設けられているので、自重により下降移動し難い物品は、傾斜角度が急な物品載置支持体を備えた収納部の上端部に供給して物品を適確に下降移動させ、また、破損し易い物品や自重により下降移動し易い物品は、傾斜角度が緩やかな物品載置支持体を備えた収納部の上端部に供給して収納部の下端部にて物品を受け止める際の衝撃を抑えるというように、物品の性質に応じた傾斜姿勢の物品載置支持体を備えた収納部の上端部に供給することにより、物品を適切に下降移動させることができる。
そして、傾斜姿勢における物品載置搬送部の搬送面の傾斜角度を、複数種の物品載置支持体夫々の載置面の傾斜角度と同じ角度にすることができ、物品載置搬送部にて収納部の上端部に物品の供給する際に、物品載置搬送部から収納部の上端部に物品の姿勢が変わることなく一連に載置搬送することができるので、物品載置支持体の傾斜角度が異なる複数種の収納部の夫々に対して物品を円滑に供給することができる。
従って、物品載置支持体の傾斜角度が異なる複数種の収納部の夫々に対して物品を円滑に供給することができる物品収納設備を提供することができるに至った。
【００１０】
本発明にかかる物品保管設備の第３特徴構成は、第１又は第２特徴構成において、前記物品載置搬送部が、前記収納部側の端部を支点とした揺動により、前記水平用姿勢と前記傾斜姿勢とに姿勢変更するように構成されている点にある。
【００１１】
すなわち、物品受け取り位置から物品供給位置に移動させる間は物品載置搬送部を水平用姿勢に維持し、物品供給位置に移動させた後に物品載置搬送部を傾斜姿勢に姿勢変更操作する場合に、水平用姿勢から傾斜姿勢に姿勢変更操作しても物品載置搬送部における搬送面の収納部側の高さが変わらない又は略変わらないので、物品載置搬送部を収納部に対して位置合わせし易いものとなり、もって、物品載置搬送部を収納部に対して位置合わせし易い物品収納設備を提供することができるに至った。
【００１２】
本発明にかかる物品保管設備の第４特徴構成は、第１〜第３特徴構成のいずれか１つにおいて、前記物品搬入用コンベヤにて搬入される物品を複数の前記収納部に収納すべく前記中継搬送手段の運転を制御する運転制御手段が、前記物品受け取り位置においては前記物品載置搬送部を前記水平用姿勢とし且つ前記物品供給位置においては前記傾斜姿勢とするように、前記物品載置搬送部を姿勢変更させるように構成されている点にある。
【００１３】
すなわち、物品受け取り位置においては物品載置搬送部を水平用姿勢とし且つ物品供給位置においては傾斜姿勢とするように、運転制御手段にて物品載置搬送部を自動的に姿勢変更するように構成されているので、物品搬入用コンベヤからの物品の受け取りや収納棚の上端部への物品の供給を円滑に行うように物品載置搬送部の姿勢変更を適確に行うことができ、もって、物品載置搬送部の姿勢変更を適確に行うことができる物品搬送装置を提供できるに至った。
【００１４】
本発明にかかる物品保管設備の第５特徴構成は、第４特徴構成において、前記運転制御手段が、前記物品受け取り位置から前記物品供給位置に移動する間は、前記物品載置搬送部を前記水平用姿勢で且つ搬送停止状態に維持し、且つ、前記物品供給位置においては、前記傾斜姿勢に切換えた後に搬送作用状態に切換えるべく、前記物品載置搬送部の作動を制御するように構成されている点にある。
【００１５】
すなわち、物品受け取り位置から物品供給位置に移動する間は、物品載置搬送部を水平用姿勢で且つ搬送停止状態に維持しているので、物品載置搬送部の移動中に物品載置搬送部上の物品がずれ難く、また、物品供給位置においては、傾斜姿勢に切換えた後に搬送作用状態に切換えるべく、物品載置搬送部の作動を制御するように構成されているので、傾斜姿勢への切換える途中に搬送作用状態に切り換えるものに比べて、傾斜姿勢に切換えや載置搬送する際に物品載置搬送部上の物品がずれ難く、もって、物品載置搬送部にて載置搬送する際に物品載置搬送部上の物品がずれ難い物品搬送設備を提供できるに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図１及び図２に示すように、物品収納設備には、傾斜姿勢の物品載置支持体８にて物品Ｗを自重にて下降移動させる形態で載置支持する複数の収納部１ａを上下方向及び横幅方向に並べて備えた収納棚１と、水平方向に沿う搬送面にて物品Ｗを載置搬送する物品搬入用コンベヤ２と、上下の案内レール４にて案内されて収納棚１の間口に沿って走行して、物品搬入用コンベヤ２から受け取った物品Ｗを収納部１ａの上端部に供給するスタッカークレーン（中継搬送手段に相当）３とが設けられており、物品搬入用コンベヤ２にて載置搬送される物品Ｗをスタッカークレーン３にて受け取り、スタッカークレーン３はその受け取った物品Ｗを収納棚１における収納部１ａの上端部に供給するように構成されている。そして、収納棚１は、収納部１ａの上端部に供給された物品Ｗを自重により収納部の下端部まで下降移動させるように構成され、さらに、収納部１ａの下端部から作業者にて物品を取り出してピッキング作業を行なえるように構成されている。
【００１７】
次に、収納棚１について説明するが、案内レール４の長手方向と直交する方向におけるスタッカークレーン３が存在する側を供給側、その反対側をピッキング側として説明する。
図１及び図２に示すように、収納棚１は、案内レール４の一側方に案内レール４に沿って３つ並べられており、その夫々の収納棚１には、上下方向に３つの収納部１ａを並べて備えられており、また、明確には区分けされていないが横幅方向に３つの収納部１ａを並べて備えられている。そして、物品載置支持体６は、その１つを横幅方向に並ぶ３つの収納部１ａにて共用している。
物品載置支持体６は、供給側よりピッキング側が下方に位置する傾斜姿勢となる状態で設けられている。よって、物品載置支持体６夫々の支持面は、ピッキング側ほど下方に位置する状態に傾斜しており、収納部１ａの夫々は、物品載置支持体６の供給側端部に載置された物品Ｗが、自重によりピッキング側下方に向けて下降移動して物品載置支持体６のピッキング側端部まで移動するように構成されている。そして、物品載置支持体６の夫々には、ピッキング側端部にピッキング側端部まで移動してきた物品Ｗを受け止めるストッパー部材９が設けられている。
【００１８】
図２に示すように、収納部１ａとして、その物品載置支持体６の傾斜角度が異なる複数種が設けられている。具体的に説明すると、上下方向に設けられた３つの物品載置支持体６が、その上段と中段と下段とで傾斜角度が異なるように構成されており、収納棚１には３種類の収納部１ａが設けられている。
そして、下段の物品載置支持体６より中段の物品載置支持体６の傾斜角度の方が緩やかで、中段の物品載置支持体６より、上段の物品載置支持体６の傾斜角度の方が緩やかとなるように構成されている。
また、中段の物品載置支持体６の下端より下段の物品載置支持体６の下端がピッキング側に位置し、上段の物品載置支持体６の下端より中段の物品載置支持体６の下端の方がピッキング側に位置するように、３つの物品載置支持体６の夫々の長さを設定して収納部１ａの下端部から物品Ｗを取出し易いように構成されている。
【００１９】
図１及び図２に示すように、物品搬入用コンベヤ２は、ローラ式のコンベヤにて構成され、物品Ｗを水平方向に載置搬送するように構成されており、その搬送面の高さが、下段の収納部１ａにおける物品載置支持体６の支持面前端の高さと同じ高さとなるように、案内レール４の他側方に設けられている。
【００２０】
図２に示すように、スタッカークレーン３は、前記物品搬入用コンベヤ２からの物品Ｗを受け取り且つ前記収納部１ａの上端部に物品Ｗを供給可能な物品載置搬送部１１を前記物品搬入用コンベヤ２に対する物品受け取り位置と前記複数の収納部１ａの夫々についての物品供給位置とに移動操作自在に備えて構成されている。
つまり、スタッカークレーン３は、案内レール４に案内されて作業通路に沿って走行する走行台車１２と、この走行台車１２に立設された左右一対の支柱１３に沿って昇降自在な昇降台１４とを備え、また、走行台車１２に設けられて案内レール４上を転動する走行車輪１５を駆動回転させる走行用モータ１６（図４参照）と、昇降台１４を昇降移動させる昇降用モータ１７（図４参照）とを備えて構成されており、走行台車１２の走行や昇降台１４の昇降により、物品載置支持体６を物品受け取り位置や物品供給位置に移動操作するように構成されている。
そして、物品受け取り位置に移動操作された物品載置支持体６は、平面視並びに側面視において物品搬入用コンベヤ２と一直線上に並ぶ位置に移動操作されるものであり、特に側面視においては、物品搬入用コンベヤ２の搬送面の延長線上に物品載置支持体６の搬送面が位置する。また、物品供給位置に移動操作された物品載置支持体６は、平面視並びに側面視において物品Ｗを供給する収納部１ａの物品載置支持体６と一直線上に並ぶ位置に移動操作されるものであり、特に側面視においては、物品Ｗを供給する収納部１ａの物品載置支持体６の搬送面の延長線上に物品搬入用コンベヤ２の搬送面が位置する。
【００２１】
次に、物品載置搬送部１１について説明するが、案内レール４の長手方向と直交する方向における物品搬入用コンベヤ２が存在する側をコンベヤ側、その反対側の収納棚１が存在する側を収納棚側として説明する。
物品載置搬送部１１は、その搬送面を水平又は略水平状態とする水平用姿勢とその搬送面を搬送方向において傾斜状態とする傾斜姿勢とに姿勢変更操作自在に構成され、また、前記収納部側の端部を支点とした揺動により、図３（イ）に示すような水平用姿勢と図３（ロ）に示すような傾斜姿勢とに切り換えるように構成されている。そして、前記物品載置搬送部１１を、前記収納部１ａの物品載置支持体６の傾斜角度に合わせて、前記傾斜姿勢における傾斜角度を変更自在に構成されている。つまり、物品載置搬送部１１は、図３に示すように、その収納棚側の端部が横幅方向に沿う軸心周りに揺動自在に昇降台１４に設けられ、且つ、コンベヤ側の端部が姿勢変更用シリンダ１９にて昇降移動されるように構成されており、姿勢変更用シリンダ１９を伸縮させることにより、物品載置搬送部１１の傾斜角度を上段や中段、下段の収納部１ａにおける物品載置支持体６の夫々の傾斜角度と同じ又は略同じ傾斜角度に変更できる。
また、物品載置搬送部１１は、ローラ式のコンベヤにて構成されて、物品載置搬送部１１におけるローラを回転駆動させる搬送用モータ１８（図４参照）が備えられており、この搬送用モータ１８の作動と作動停止との切り換えにより、搬送作動状態と搬送停止状態とに切り換えるように構成されている。
【００２２】
図４に示すように、スタッカークレーン３には、前記物品搬入用コンベヤ２にて搬入される物品Ｗを複数の前記収納部１ａに収納すべく前記スタッカークレーン３の運転を制御する運転制御手段Ｈが備えられており、運転制御手段Ｈは、上位コントローラＣからの供給指令に基づいて、走行用モータ１６や昇降用モータ１７の作動を制御することにより物品載置搬送部１１を物品受け取り位置や物品供給位置に移動させ、搬送用モータ１８の作動を制御することにより物品載置搬送部１１を搬送作動状態と搬送停止状態とに切り換え、また、姿勢変更用シリンダ１９の作動を制御することにより物品載置搬送部１１を水平用状態と傾斜状態とに姿勢変更させるように構成されている。
そして、運転制御手段Ｈは、前記受け取り位置においては前記物品載置搬送部１１を前記水平用姿勢とし且つ前記供給位置においては傾斜姿勢とするように、前記物品載置搬送部１１を姿勢変更させるように構成され、また、前記物品受け取り位置から前記物品供給位置に移動する間は、前記物品載置搬送部１１を前記水平用姿勢で且つ搬送停止状態に維持し、且つ、前記物品供給位置においては、前記傾斜姿勢に切換えた後に搬送作用状態に切換えるべく、前記物品載置搬送部１１の作動を制御するように構成されている。
【００２３】
上位コントローラＣから運転制御手段Ｈに供給指令が入力された際のスタッカークレーン３の作動について説明する。尚、物品載置搬送部１１は、予め水平用状態に姿勢変更され且つ搬送停止状態に切り換えられている。
まず、図５（イ）に示すように、走行台車１２の走行並びに昇降台１４の昇降により、物品受け取り位置に物品載置搬送部１１を移動させ、この状態で物品載置搬送部１１を搬送駆動状態に切り換えて物品Ｗを受け取り、物品を受け取った後に物品載置搬送部１１を搬送停止状態に切り換える。
そして、図５（ロ）及び図６（イ）に示すように、走行台車１２の走行並びに昇降台１４の昇降により、物品Ｗを供給する収納部１ａに対する物品供給位置に物品載置搬送部１１を移動させ、この状態で物品Ｗを、図５（ハ）及び図６（ロ）に示すように、供給する収納部１ａの物品載置支持体６の傾斜角度に合わせた傾斜姿勢に物品載置搬送部１１を姿勢変更させた後、物品載置搬送部１１を搬送駆動状態に切り換えて物品Ｗを収納部１ａの上端部に供給し、供給し終わった後に物品載置搬送部１１を搬送停止状態に姿勢変更させ且つ搬送停止状態に切り換える。
【００２４】
〔別実施の形態〕
（１） 上記実施の形態では、収納部１ａとして、その物品載置支持体６の傾斜角度が異なる複数種を設けたが、収納部１ａとして、全ての物品載置支持体６の傾斜角度を同じにして一種類だけ設けてもよい。
そして、このように収納部１ａとして一種だけ設けた場合は、物品載置搬送部１１の傾斜姿勢を収納部１ａの一種の物品載置支持体６の傾斜角度に合わせた一種類の傾斜角度に切り換えるようにする。
尚、上記実施の形態のように、収納部１ａとして複数種設けた場合でも、物品載置搬送部１１の傾斜姿勢を物品載置支持体６の傾斜角度の平均的な角度の一種類の傾斜角度に切り換えるようにしてもよい。
【００２５】
（２） 上記実施の形態では、物品載置搬送部１１を、収納部側の端部を支点とした揺動により、水平用姿勢と傾斜姿勢とに姿勢変更するように構成したが、物品載置搬送部１１を、収納部側とは反対側（上記実施の形態におけるコンベヤ側）の端部を支点とした揺動により、水平用姿勢と傾斜姿勢とに姿勢変更するように構成してもよく、また、物品載置搬送部１１を、収納部側の端部とその反対側の端部との中央部を支点とした揺動により、水平用姿勢と傾斜姿勢とに姿勢変更するように構成してもよい。
【００２６】
（３） 上記実施の形態では、運転制御手段Ｈを、物品受け取り位置から物品供給位置に移動する間は、物品載置搬送部１１を水平用姿勢で且つ搬送停止状態に維持すべく、物品載置搬送部１１の作動を制御するように構成したが、運転制御手段Ｈを、物品受け取り位置から物品供給位置に移動する間に、物品載置搬送部１１を水平用姿勢から傾斜姿勢に切り換えるべく、物品載置搬送部１１の作動を制御するように構成してもよく、また、運転制御手段Ｈを、物品受け取り位置から物品供給位置に移動する間に、搬送駆動状態として物品Ｗをコンベヤ側から収納棚側に向けて載置搬送すべく、物品載置搬送部１１の作動を制御するように構成してもよい。
上記実施の形態では、運転制御手段Ｈを、物品供給位置においては、傾斜姿勢に切換えた後に搬送作用状態に切換えるべく、物品載置搬送部１１の作動を制御するように構成されているが、運転制御手段Ｈを、物品供給位置においては、傾斜姿勢に切換える途中に搬送作用状態に切換えるべく、物品載置搬送部１１の作動を制御するように構成してもよい。
【００２７】
（４） 上記実施の形態では、収納棚１を走行通路の一方側にのみ設けたが、収納棚１を走行通路の両側に設けてもよい。この場合、上記実施の形態では、収納棚側にしか傾かない物品載置搬送部１１を収納棚側とコンベヤ側との両方側に傾くように構成する。
また、上記実施の形態では、収納棚１を走行経路の一方側に設け、物品搬入用コンベヤ２を走行経路の他方側に設けたが、収納棚１と物品搬入用コンベヤ２とを同じ側に設けてもよい。
【００２８】
（５） 上記実施の形態では、収納部として、その物品載置支持体の傾斜角度が異なる複数種設けるにあたり、上下方向に並ぶ物品載置支持体の傾斜角度を異ならせたが、横幅方向に並ぶ物品載置支持体の傾斜角度を異ならせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【００２９】
【図１】物品収納設備の平面図
【図２】物品収納設備の側面図
【図３】物品載置搬送部の水平用姿勢と傾斜姿勢とを示す図
【図４】制御ブロック図
【図５】物品収納設備の作用図
【図６】物品載置搬送部と物品載置支持体とを示す図
【符号の説明】
【００３０】
１ 収納棚
１ａ 収納部
２ 物品搬入用コンベヤ
３ 中継搬送手段
６ 物品載置支持体
１１ 物品載置搬送部
Ｈ 運転制御手段
Ｗ 物品
【特許請求の範囲】
【請求項１】
傾斜姿勢の物品載置支持体にて物品を自重にて下降移動させる形態で載置支持する複数の収納部を上下方向に並べて備えた収納棚と、
水平方向に沿う搬送面にて物品を載置搬送する物品搬入用コンベヤと、
前記物品搬入用コンベヤからの物品を受け取り且つ前記収納部の上端部に物品を供給可能な物品載置搬送部を前記物品搬入用コンベヤに対する物品受け取り位置と前記複数の収納部の夫々についての物品供給位置とに移動操作自在に備えた中継搬送手段とが設けられた物品収納設備であって、
前記中継搬送手段における前記物品載置搬送部が、その搬送面を水平又は略水平状態とする水平用姿勢とその搬送面を搬送方向において傾斜状態とする傾斜姿勢とに姿勢変更操作自在に構成されている物品収納設備。
【請求項２】
前記収納部として、その物品載置支持体の傾斜角度が異なる複数種が設けられ、
前記物品載置搬送部が、前記収納部の物品載置支持体の傾斜角度に合わせて、前記傾斜姿勢における傾斜角度を変更自在に構成されている請求項１記載の物品収納設備。
【請求項３】
前記物品載置搬送部が、前記収納部側の端部を支点とした揺動により、前記水平用姿勢と前記傾斜姿勢とに姿勢変更するように構成されている請求項１又は２に記載の物品収納設備。
【請求項４】
前記物品搬入用コンベヤにて搬入される物品を複数の前記収納部に収納すべく前記中継搬送手段の運転を制御する運転制御手段が、前記物品受け取り位置においては前記物品載置搬送部を前記水平用姿勢とし且つ前記物品供給位置においては前記傾斜姿勢とするように、前記物品載置搬送部を姿勢変更させるように構成されている請求項１〜３のいずれか１項に記載の物品収納設備。
【請求項５】
前記運転制御手段が、前記物品受け取り位置から前記物品供給位置に移動する間は、前記物品載置搬送部を前記水平用姿勢で且つ搬送停止状態に維持し、且つ、前記物品供給位置においては、前記傾斜姿勢に切換えた後に搬送作用状態に切換えるべく、前記物品載置搬送部の作動を制御するように構成されている請求項４に記載の物品収納設備。
【請求項１】
傾斜姿勢の物品載置支持体にて物品を自重にて下降移動させる形態で載置支持する複数の収納部を上下方向に並べて備えた収納棚と、
水平方向に沿う搬送面にて物品を載置搬送する物品搬入用コンベヤと、
前記物品搬入用コンベヤからの物品を受け取り且つ前記収納部の上端部に物品を供給可能な物品載置搬送部を前記物品搬入用コンベヤに対する物品受け取り位置と前記複数の収納部の夫々についての物品供給位置とに移動操作自在に備えた中継搬送手段とが設けられた物品収納設備であって、
前記中継搬送手段における前記物品載置搬送部が、その搬送面を水平又は略水平状態とする水平用姿勢とその搬送面を搬送方向において傾斜状態とする傾斜姿勢とに姿勢変更操作自在に構成されている物品収納設備。
【請求項２】
前記収納部として、その物品載置支持体の傾斜角度が異なる複数種が設けられ、
前記物品載置搬送部が、前記収納部の物品載置支持体の傾斜角度に合わせて、前記傾斜姿勢における傾斜角度を変更自在に構成されている請求項１記載の物品収納設備。
【請求項３】
前記物品載置搬送部が、前記収納部側の端部を支点とした揺動により、前記水平用姿勢と前記傾斜姿勢とに姿勢変更するように構成されている請求項１又は２に記載の物品収納設備。
【請求項４】
前記物品搬入用コンベヤにて搬入される物品を複数の前記収納部に収納すべく前記中継搬送手段の運転を制御する運転制御手段が、前記物品受け取り位置においては前記物品載置搬送部を前記水平用姿勢とし且つ前記物品供給位置においては前記傾斜姿勢とするように、前記物品載置搬送部を姿勢変更させるように構成されている請求項１〜３のいずれか１項に記載の物品収納設備。
【請求項５】
前記運転制御手段が、前記物品受け取り位置から前記物品供給位置に移動する間は、前記物品載置搬送部を前記水平用姿勢で且つ搬送停止状態に維持し、且つ、前記物品供給位置においては、前記傾斜姿勢に切換えた後に搬送作用状態に切換えるべく、前記物品載置搬送部の作動を制御するように構成されている請求項４に記載の物品収納設備。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２００７−４５６００（Ｐ２００７−４５６００Ａ）
【公開日】平成１９年２月２２日（２００７．２．２２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−２３３２９２（Ｐ２００５−２３３２９２）
【出願日】平成１７年８月１１日（２００５．８．１１）
【出願人】（０００００３６４３）株式会社ダイフク (1,209)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年２月２２日（２００７．２．２２）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年８月１１日（２００５．８．１１）
【出願人】（０００００３６４３）株式会社ダイフク (1,209)
【Ｆターム（参考）】
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