説明

物品固定構造

【課題】オフィス等で使用される構造物の取付面上に別の物品を簡易な操作で強固に取り付けることのできる物品固定構造を提供すること。
【解決手段】物品固定構造10において、物品13を固定するブラケットは、物品13を支持するブラケット本体14と、ブラケット本体14から突出して係止溝11に挿入されていて、係止溝11の幅方向に並べて対をなして設けられ、少なくとも一方がブラケット本体14に対して係止溝11の幅方向に進退可能とされた一対の被係止部材15、16と、ブラケット本体14に係止溝11の幅方向に沿って形成された挿入孔17に挿入されるとともに、先端側で被係止部材15のネジ孔18に螺合され、被係止部材16に当接可能とされた取付ネジ19とを有し、取付ネジ19を被係止部材16に当接させた状態で締め付けることで、一対の被係止部材15、16同士は、幅方向に離間させられて、それぞれ係止溝11に押圧される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィス等の執務空間で使用される什器に設けられたパネル体や、杆材等の構造物の取付面上に別の物品を取り付けることのできる物品固定構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、オフィス等の執務空間にて使用される什器は、その構成部材であるパネル体や、杆材等の構造物上面に、別の物品を固定して構成されるものが知られている。こうした物品固定構造としては、物品と構造物とを溶接や接着等の手段によって固定する方法が多く取られている。この構造によれば、簡易にして安価な構造で物品を構造物に取り付けることが出来るが、物品を取り付けた状態と、取り外した状態で選択的に構造物を使用したい場合には、対応できないと云う問題があった。
また、物品に設けた挿通孔を介して挿入された螺合手段を、構造物に設けたネジ孔に螺合させることによって、構造物に物品を固定する構造が一般的に使用されている(例えば、特許文献1)。
また、構造体上部に、内部が開口部よりも幅広とされた係止溝を構造体に沿って形成し、その係止溝に、爪状に形成された付け根部を弾性的に変形させて挿入することで係止されるブラケットを用いて構造体に物品を取り付ける方法が提案されている(例えば、特許文献2)。
【特許文献1】特開平10−331300号公報
【特許文献2】特許第3561486号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の特許文献1に提案された物品固定構造にあっては、物品の着脱の選択は可能であるが、構造物への物品の取付位置を複数設定したい場合には、構造物上面に複数のネジ孔を設けなければならず、構造物上面の体裁が悪くなってしまうと云う問題が存在した。
また、従来の特許文献2に提案された物品固定構造にあっては、弾性変形によって挿入された爪状の付け根部による係止によってのみ物品が固定されているため、物品が強固に構造体に連結されているとは云えず、取り付けにおける強度と安定性に不安を有していた。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、簡易な操作でありながら、強固でかつ、安定して物品を構造物に取り付けることのできる物品固定構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を達成するために、本願発明は構造物の取付面上に延設された係止溝と、該係止溝に係止されたブラケットとを備えて、該ブラケットで物品を支持することによって前記構造物の前記取付面上に前記物品を固定するための物品固定構造であって、前記ブラケットは、前記物品を支持するブラケット本体と、該ブラケット本体から突出して前記係止溝に挿入されていて、該係止溝の幅方向に並べて対をなして設けられ、少なくとも一方が前記ブラケット本体に対して前記係止溝の幅方向に進退可能とされた一対の被係止部材と、前記ブラケット本体に前記係止溝の幅方向に沿って形成された挿入孔に挿入されるとともに、先端側で一対の前記被係止部材の内の進退可能な一方に形成されたネジ孔に螺合され、先端を前記被係止部材の他方に当接可能とされた取付ネジとを有し、該取付ネジを前記被係止部材の他方に当接させた状態で前記被係止部材の一方に対して締め付けることで、一対の前記被係止部材同士は、前記係止溝の幅方向に離間させられて、それぞれ該係止溝に押圧されていることを特徴としている。
【0005】
この発明に係る物品固定構造によれば、物品を固定するブラケットを取付面上に取り付ける際には、まず、一対の被係止部材を係止溝に挿入させる。そして、取付ネジを被係止部材の他方に当接させた状態で被係止部材の一方に対して締め付ける。これにより、一対の被係止部材同士は、係止溝の幅方向に離間させられて、それぞれ係止溝に押圧されるので、物品を強固でかつ安定して構造物に取り付けることが出来る。また、取り外す際にも、取付ネジを緩めるのみであり、簡易な操作でブラケットを着脱することができる。また、これらの着脱作業は、構造物の何れか一方の側からのみの操作で行うことができ、作業性を向上することができる。
【0006】
また、本願発明において、前記係止溝は、少なくとも一方の側縁から幅方向に突出する係止縁部によって内部の幅よりも開口部の幅の方が狭くなるように形成されていて、前記取付ネジを締め付けることで該係止溝の前記係止縁部と当接する前記被係止部材の先端には、前記係止縁部と係合する被係止片が該係止縁部に向けて突出して設けられていることを特徴とするものである。
【0007】
この発明に係る物品固定構造によれば、取付ネジを締め付けることにより、被係止部材の被係止片が係止溝の係止縁部に係止することとなるので、物品が固定されるブラケットを、より強固に取付面上に固定することができる。
【0008】
また、本願発明において、前記被係止片は、前記被係止部材の先端から突端に向かう傾斜面を有して突出していることを特徴とするものである。
【0009】
この発明に係る物品固定構造によれば、被係止片が被係止部材の先端から突端に向かう傾斜面を有して突出しているので、ブラケット本体を係止溝にセットする際に、この傾斜面に案内されて被係止片を容易に係止溝に挿入することができる。
【0010】
また、本願発明において、前記被係止片は、突端から基端に向かう傾斜面を有して突出していることを特徴とするものである。
【0011】
この発明に係る物品固定構造によれば、被係止片が突端から基端に向かう傾斜面を有して突出しているので、取付ネジを締め付けることにより、係止縁部と傾斜面とが係合して安定的に物品を固定することができる。また、取り外す際には、この傾斜面に案内されて被係止片を容易に係止溝から引き抜くことができる。
【0012】
また、本願発明において、一対の前記被係止部材は、ともに、前記ブラケット本体に対して進退可能とされていることを特徴とするものである。
【0013】
この発明に係る物品固定構造によれば、一対の被係止部材がともにブラケット本体に対して進退可能であることから、物品が固定されるブラケットを、より強固かつ安定的に取り付けることができる。
【0014】
また、本願発明において、前記ブラケット本体には、前記係止溝の幅方向に延びる内部空間が形成されているとともに、該内部空間から前記係止溝側とを連通させる連通孔が形成され、一対の前記被係止部材の進退可能な一方は、先端が前記連通孔から前記係止溝に向かって突出されているとともに、基端に前記内部空間に突出するガイド片が設けられ、該ガイド片が前記内部空間で案内されることによって進退可能とされていることを特徴とするものである。
【0015】
この発明に係る物品固定構造によれば、被係止部材の一方は、ガイド片が内部空間に案内されることによって、より円滑に幅方向に進退することができ、取付作業をより円滑に行うことができる。
【0016】
また、本願発明において、前記構造物の前記取付面上には前記係止溝近傍に互いに嵌合可能な嵌合凹部または嵌合凸部の一方が設けられているとともに、前記ブラケット本体には他方が設けられており、前記被係止部材は、前記嵌合凹部と前記嵌合凸部とが互いに嵌合した状態で、前記係止溝に挿入されていることを特徴とするものである。
【0017】
この発明に係る物品固定構造によれば、嵌合凹部と嵌合凸部とが互いに嵌合した状態で、被係止部材が係止溝に挿入され係止されているので、物品が固定されるブラケットを、より強固でかつ、安定的に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明の物品固定構造によれば、一対の被係止部材と取付ネジとを有するブラケットを備えることで、簡易な操作でありながら、強固でかつ、安定して物品を構造物に取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(第1の実施の形態)
以下、一実施の形態を示す図面に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は、本発明に係る物品固定構造の一実施の形態を示す全体斜視図、図2は、本発明の物品固定構造における物品とブラケットの関係を示す説明図である。ここで、図1及び図2に示すように、物品固定構造10は、構造物1であるテーブル等の取付面1a上に延設された係止溝11と、この係止溝11に係止されたブラケット12とを備えて、該ブラケット12で物品13、例えば収納ボックスを支持することによって構造物1の取付面1a上に物品13を固定するものである。
【0020】
図1に示すように、テーブルである構造物1は、上面に延設されたレール1bを備えており、レール1bの上面を取付面1aとし、また、係止溝11が形成されている。図3に示すように、係止溝11は、両側縁から幅方向に突出する係止縁部20によって内部空間の幅よりも開口部の幅の方が狭くなるように形成されている。また、ブラケット12の下部には、嵌合凹部21が形成されていて、レール1bを嵌合凸部22として、ブラケット12はレール1bに嵌合されている。尚、ブラケット12の下面に嵌合凸部を設けるとともに、レール1bに嵌合凹部を設け、互いに嵌合するように構成してもよい。
【0021】
図3に示すように、ブラケット12は、物品13を支持するブラケット本体14と、ブラケット本体14から突出して係止溝11に挿入され、係止溝11の幅方向に並べて対をなして設けられた第1の被係止部材15及び第2の被係止部材16と、ブラケット本体14に形成された挿入孔17に挿入された取付ネジ19とを有している。挿入孔17は、ブラケット本体14において一方側から係止溝11の幅方向に沿って形成されている。そして、挿入孔17に挿通された取付ネジ19は、先端側で第1の被係止部材15内に形成されたネジ孔18に螺合され、先端を第2の被係止部材16に当接可能とされている。
【0022】
図3及び図4に示すように、ブラケット本体14は、係止溝11の幅方向に延びる内部空間23が形成されるとともに、この内部空間23から係止溝11側とを連通させる連通孔24が形成されている。また、ブラケット本体14の長手方向の一側端には、内部空間23に至る取付ネジ19を挿入するための挿入孔17が形成されている。更に、ブラケット本体14の両端近傍には、物品13に固着するためのビス孔25が形成されている。また、内部空間23の端面には、ブラケット本体14の長手方向に沿って被係止部材15、16を摺動可能に案内する案内レール26が形成されている。
【0023】
図3及び図5に示すように、第1の被係止部材15は、ブラケット本体14の連通孔24から係止溝11方向に向かって突出する本体部15aと、本体部15aの先端(下端)から係止溝11の隣接する側縁に向かって突出する被係止片27と、本体部15aの基端(上端)からブラケット本体14の内部空間23に突出するガイド片28とを備える。そして、ガイド片28が内部空間23において案内レール26上で案内されることによって幅方向に進退可能となっている。また、本体部15aには、取付ネジ19と螺合するネジ孔18が形成されている。また、被係止片27は、本体部15aの先端27aから突端27bに向かう第1傾斜面29を有すると共に、突端27bから基端27cに向かう第2傾斜面30を有して突出している。
【0024】
図3及び図6に示すように、第2の被係止部材16は、ブラケット本体14の連通孔24から係止溝11方向に向かって突出する本体部16aと、本体部16aの先端(下端)から係止溝11の隣接する側縁に向かって突出する被係止片31と、本体部16aの基端(上端)からブラケット本体14の内部空間23に突出するガイド片32とを備える。そして、ガイド片32が内部空間23において案内レール26上で案内されることによって幅方向に進退可能となっている。また、被係止片31は、本体部16aの先端31aから突端31bに向かう第1傾斜面34を有すると共に、突端31bから基端31cに向かう第2傾斜面35を有して突出している。
【0025】
以上のように構成された本発明に係る物品固定構造10の使用手順について図に従って説明する。先ず、図3に示すように物品13をビス36で固着したブラケット12の嵌合凹部21を構造物1の取付面1a上に延設されたレール1bである嵌合凸部22に装着する。これと同時に、ブラケット12の下面から突出した第1の被係止部材15の本体部15a及び第2の被係止部材16の本体部16aの各先端側が、係止溝11の開口部に挿入される。ここで、各先端側には、被係止片27、31が突出しているが、それぞれ第1傾斜面29、34を有していることで、これらに案内されて容易に係止溝11に挿入される。
【0026】
次に、図7に示すように、取付ネジ19を内部に押し付けることで、先端を第2の被係止部材16に当接させ、これにより第2の被係止部材16が隣接する係止溝11の係止縁部20に当接するようにする。そして、取付ネジ19を操作して、第1の被係止部材15のネジ孔18にさらに螺入させる。すると、取付ネジ19が第2の被係止部材16に当接して進出不能となっていることから、第1の被係止部材15は、相対的に、図6、7中右方向へ案内レール26上を移動して隣接する他の係止縁部20に当接することとなる。また、各被係止片27、31は、対応する係止縁部20にそれぞれ係合することとなる。この際、それぞれ第2傾斜面30、35を有していることで、より確実に係合された状態となる。これにより、物品13を固定するブラケット12を係止溝11に強固に固定することができる。
【0027】
一方、ブラケット12を係止溝11から取り外す場合には、取付ネジ19を緩める。これにより、第1の被係止部材15が対応する係止縁部20に当接した状態が解除され、これにより取付ネジ19も挿入孔17内で進退可能となり、第2の被係止部材16と離間した状態となる。このため、第1の被係止部材15及び第2の被係止部材16の先端側を係止溝11から引き抜くことが可能となり、ブラケット本体14とともに引き抜くことで、ブラケット12は係止溝11から取り外された状態となる。この際、各被係止片27、31がそれぞれ第2傾斜面30、35を有していることで、これらに案内されて容易に係止溝11から引き抜くことができる。
【0028】
以上のように、本実施形態の物品固定構造10は、係止溝11と、第1の被係止部材15及び第2の被係止部材16とを備えていることで、取付ネジ19を操作するだけで、簡単に着脱することができ、取り付けた状態では、強固かつ安定して構造物1に取り付けることができる。特に、取付ネジ19による操作は、ブラケット12の一方側からのみであり、一回の操作でブラケット12を固定することができる。このため、長テーブルなど大寸法の構造物上で物品を固定する場合でも、構造物の両側で作業する必要が無く、効率良く物品の固定作業を行うことができる。
【0029】
(第2の実施の形態)
図8は、本発明の第2の実施の形態においてブラケットを係止溝に装着した状態を示す説明図である。本実施の形態において、第2の被係止部材37がブラケット本体38と一体となっている。他の構成は、第1の実施の形態と同様であり、同一番号を付して説明を省略する。第2の被係止部材37は、第1の被係止部材15と背中合わせに配設されており、係止溝11方向に向かって突出する本体部37aと、本体部37aの先端(下端)から係止溝11の側縁に向かって突出する被係止片39とを備える。被係止片39は、先端39aから突端39bに向かう第1傾斜面40を有すると共に、突端39bから基端39cに向かう第2傾斜面41を有している。なお、本実施形態において、ブラケット本体38の嵌合凹部21の幅は、レール1bによって構成される嵌合凸部22の幅よりも大きく設定されており、互いに嵌合した状態で隙間が生じるようになっている。この隙間は、第2の被係止部材37において、被係止片39が本体部37aから突出している大きさよりも大きくなるように設定されている。
【0030】
以上のように構成された本発明に係る物品固定構造の使用手順について説明する。本実施の形態では、先ず、図8に示すように物品13をビス36で固着したブラケット本体38の嵌合凹部21をレール1bである嵌合凸部22に装着する。これと同時に、ブラケット本体38の下面から突出した第1の被係止部材15及び第2の被係止部材37の各先端側が係止溝11の開口部に挿入される。次に、ブラケット本体38を操作して、第2の被係止部材37を隣接する係止縁部20に当接させる。そして、図9に示すように、取付ネジ19を操作して、第1の被係止部材15のネジ孔18に螺合させ、案内レール26上を図中右方向へ移動させる。この操作により、第2傾斜面30が係止縁部20に当接して、被係止片27と係止縁部20が係合することとなる。このため、第1の実施形態同様に、物品13を固定するブラケット12を係止溝11に強固に固定することができる。
なお、上記においては、ブラケット本体38の嵌合凹部21の幅は、レール1bによって構成される嵌合凸部22の幅よりも大きく設定されているものとしたが、これに限るものでは無い。第2の被係止部材37が被係止片39を有していない構成とすることで、嵌合凹部21と嵌合凸部22とが互いに隙間無く嵌合する構成とすることもできる。
【0031】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0032】
なお、上記各実施形態においては、係止溝には係止縁部が突出して設けられ、また、各被係止部材には被係止片が形成されるものとしたが、これに限るものではない。単に被係止部材が係止溝の壁面に押圧して摩擦により係止されるものとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る物品固定構造の一実施の形態を示す全体斜視図である。
【図2】本発明に係る同物品固定構造における物品とブラケットの関係を示す説明図である。
【図3】本発明に係る物品固定構造におけるブラケット本体を示す平面図である。
【図4】本発明に係る物品固定構造における第1の被係止部材を示す(a)側面図、(b)正面図、(c)縦断面図である。
【図5】本発明に係る物品固定構造における第2の被係止部材を示す(a)側面図、(b)正面図、(c)縦断面図である。
【図6】本発明に係る物品固定構造におけるブラケットを係止溝に装着した状態を示す説明図である。
【図7】本発明に係る物品固定構造におけるブラケットを係止溝に装着し、取付ネジを操作して固定した状態を示す説明図である。
【図8】本発明の他の実施の形態においてブラケットを係止溝に装着した状態を示す説明図である。
【図9】他の実施の形態においてブラケットを係止溝に装着し、取付ネジを操作して固定した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0034】
10 物品固定構造
11 係止溝
12 ブラケット
13 物品
14 ブラケット本体
15 第1の被係止部材
16 第2の被係止部材
17 挿入孔
18 ネジ孔
19 取付ネジ
20 係止縁部
21 嵌合凹部
22 嵌合凸部
23 内部空間
24 連通孔
25 ビス孔
26 案内レール
27 被係止片
27a 先端
27b 突端
27c 基端
28 ガイド片
29、34 第1傾斜面
30、35 第2傾斜面
31 被係止片
32 ガイド片
36 ビス
37 第2の被係止部材
38 ブラケット本体
39 第1傾斜面
40 第2傾斜面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の取付面上に延設された係止溝と、該係止溝に係止されたブラケットとを備えて、該ブラケットで物品を支持することによって前記構造物の前記取付面上に前記物品を固定するための物品固定構造であって、
前記ブラケットは、前記物品を支持するブラケット本体と、
該ブラケット本体から突出して前記係止溝に挿入されていて、該係止溝の幅方向に並べて対をなして設けられ、少なくとも一方が前記ブラケット本体に対して前記係止溝の幅方向に進退可能とされた一対の被係止部材と、
前記ブラケット本体に前記係止溝の幅方向に沿って形成された挿入孔に挿入されるとともに、先端側で一対の前記被係止部材の内の進退可能な一方に形成されたネジ孔に螺合され、先端を前記被係止部材の他方に当接可能とされた取付ネジとを有し、
該取付ネジを前記被係止部材の他方に当接させた状態で前記被係止部材の一方に対して締め付けることで、一対の前記被係止部材同士は、前記係止溝の幅方向に離間させられて、それぞれ該係止溝に押圧されていることを特徴とする物品固定構造。
【請求項2】
前記係止溝は、少なくとも一方の側縁から幅方向に突出する係止縁部によって内部の幅よりも開口部の幅の方が狭くなるように形成されていて、
前記取付ネジを締め付けることで該係止溝の前記係止縁部と当接する前記被係止部材の先端には、前記係止縁部と係合する被係止片が該係止縁部に向けて突出して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の物品固定構造。
【請求項3】
前記被係止片は、前記被係止部材の先端から突端に向かう傾斜面を有して突出していることを特徴とする請求項2に記載の物品固定構造。
【請求項4】
前記被係止片は、突端から基端に向かう傾斜面を有して突出していることを特徴とする請求項2または3に記載の物品固定構造。
【請求項5】
一対の前記被係止部材は、ともに、前記ブラケット本体に対して進退可能とされていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の物品固定構造。
【請求項6】
前記ブラケット本体には、前記係止溝の幅方向に延びる内部空間が形成されているとともに、該内部空間から前記係止溝側とを連通させる連通孔が形成され、
一対の前記被係止部材の進退可能な一方は、先端が前記連通孔から前記係止溝に向かって突出されているとともに、基端に前記内部空間に突出するガイド片が設けられ、該ガイド片が前記内部空間で案内されることによって進退可能とされていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の物品固定構造。
【請求項7】
前記構造物の前記取付面上には前記係止溝近傍に互いに嵌合可能な嵌合凹部または嵌合凸部の一方が設けられているとともに、前記ブラケット本体には他方が設けられており、前記被係止部材は、前記嵌合凹部と前記嵌合凸部とが互いに嵌合した状態で、前記係止溝に挿入されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の物品固定構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−115175(P2009−115175A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−287884(P2007−287884)
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】