説明

物品管理方法および物品管理システム

【課題】RFIDタグおよびラベルを一度に物品に貼付して、物品管理を行う物品管理方法および物品管理システムを提供する。
【解決手段】物品管理システム10は、RFIDタグ22への物品情報の書き込み部32およびラベルへの物品情報の印字部33を備えたラベル貼付機30を用いて前記RFIDタグ22に前記物品情報が書き込まれるとともに、前記ラベルに前記物品情報が印字され、前記ラベル貼付機30を用いて物品に貼付されたRFIDタグ付きラベルと、RFIDタグ22に記憶された前記物品情報を無線電波により読み取って、前記物品情報の集計を行う読取装置40と、を備えた構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品管理方法および物品管理システムに係り、特に無線ICタグを用いて行われる物品管理方法および物品管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
小売業界等では、超小型の無線ICタグであるRFID(Radio Frequency Identification)タグを用いて商品管理を行っている。この商品管理の一例としては、次のものがある。まず店舗に陳列される各商品に無線ICタグをとりつけ、この無線ICタグに商品コード等の商品情報を記憶させる。また店舗には、無線ICタグに記憶された商品コードの読取装置を会計場に配設するとともに、商品の不正な持ち出しを監視する警報装置を出入口に配設する。
【0003】
そして顧客が持ってきた商品を読取装置のそばに置くと、無線ICタグに記憶された商品情報が読取装置によって無線で読取される。読み取られた商品情報は、読取装置に接続されたPOS(Point of Sales)システムに転送され、POSシステムにおいて売上データが登録処理される。この登録処理がされると、読取装置から無線ICタグに対して商品情報クリアの指示が無線送信され、無線ICタグに記憶された商品情報が消去される。
【0004】
これに対し、会計処理を行わずに商品を店舗から持ち出そうとした場合、無線ICタグには商品情報が記憶されたままなので、店舗の出入口に設置された警報装置が無線ICタグから商品情報を読み取ると警報を発する(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2000−30150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
店舗に陳列される商品には、値段や消費期限等が印字されたラベルを貼付する場合がある。このため、無線ICタグを使って店舗に陳列される商品の管理を行う場合には、値段や消費期限等が印字されたラベルとともに、無線ICタグも貼付しなければならず、ラベルと無線ICタグのいずれも商品に貼付するのに、とても手間がかかる問題がある。
本発明は、RFIDタグおよびラベルを一度に物品に貼付して、物品管理を行う物品管理方法および物品管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る物品管理方法は、RFIDタグ付きラベルを物品に貼付し、前記RFIDタグに記憶された物品情報を読み取って前記物品を管理する物品管理方法であって、ラベル貼付機に設けられた印字部でラベルに物品情報を印字するとともに、印字された前記ラベルに付されたRFIDタグに対して前記ラベル貼付機に設けられた書き込み部で物品情報を書き込んで、前記RFIDタグ付きラベルを前記物品に貼付し、前記RFIDタグから出力される電波を読取装置で無線読み取りして、前記RFIDタグに記憶された前記物品情報を得て、読み取った物品情報を集計する、ことを特徴としている。なお前記読取装置は、複数の前記物品から前記物品情報を一度に読み取りすることが可能である。
【0007】
また前記RFIDタグに書き込まれる前記物品情報は、前記ラベル貼付機から離れた所に設けられた情報入力装置で入力され、無線通信により前記ラベル貼付機に設けられた前記書き込み部に出力されることを特徴としている。
また前記物品に付された情報コードを読み取って、この情報コードに記録されている情報を前記物品情報とすることを特徴としている。
【0008】
また前記物品は、店舗に陳列される商品であり、前記ラベル貼付機に設けられた前記印字部で前記ラベルに商品情報を印字するとともに、前記ラベル貼付機に設けられた前記書き込み部で前記RFIDタグに商品の商品情報を書き込み、前記読取装置は、前記商品情報と前記商品の価格との対応付けを予め記憶して、前記RFIDタグから読み取った前記識別情報から前記商品の価格を集計する、ことを特徴としている。この場合、前記ラベルに印字される前記商品情報は、商品価格や消費期限等であり、前記RFIDタグに書き込まれる前記商品情報は商品の識別番号や商品価格、消費期限等である。
【0009】
また前記読取装置は、前記集計が終わると、前記物品に集計済み情報を書き込むことを特徴としている。この場合、店舗の出入り口に警報装置を配置しておけば、この店舗から持ち出される物品を監視することが可能になる。
【0010】
また本発明に係る物品管理システムは、RFIDタグへの物品情報の書き込み部およびラベルへの物品情報の印字部を備えたラベル貼付機を用いて前記RFIDタグに前記物品情報が書き込まれるとともに、前記ラベルに前記物品情報が印字され、前記ラベル貼付機を用いて物品に貼付されたRFIDタグ付きラベルと、RFIDタグに記憶された前記物品情報を無線電波により読み取って、前記物品情報の集計を行う読取装置と、を備えたことを特徴としている。この場合、読取装置は、前記RFIDタグに集計済み情報を書き込むことが可能な構成にすることができる。
【0011】
また前記ラベル貼付機は、前記RFIDタグ付きラベルが供給される搬送路を有し、前記搬送路の周囲に、前記書き込み部から放射される電磁波の遮蔽手段を配設し、前記搬送路の先端部を当該電磁波遮蔽手段から露出させて、前記先端部に前記書き込み部および前記印字部を配設し、前記先端部に供給された前記RFIDタグ付きラベルに対して前記書き込み部から前記物品情報を書き込むとともに、前記印字部で前記物品情報を印字してなる、ことを特徴としている。
【0012】
この場合、前記ラベル貼付機は、前記物品情報が入力される第1入力部を有し、この第1入力部は、物品に付された情報コードを読み取る情報コードリーダであることを特徴としている。
【0013】
また前記物品情報が入力される第2入力部と、前記第2入力部に接続し、前記第2入力部で入力された前記物品情報を前記ラベル貼付機に無線送信する第2通信部とを備えた情報入力装置を有し、前記ラベル貼付機は、前記情報入力装置から無線送信された前記物品情報を受信して、前記物品情報を前記書き込み部および前記印字部に出力する第1通信部を備えた、ことを特徴している。
【0014】
この場合、前記第2入力部は、物品に付された情報コードを読み取る情報コードリーダにすることができる。
【発明の効果】
【0015】
物品管理方法および物品管理システムは、書き込み部および印字部を備えたラベル貼付機でRFIDタグ付きラベルを物品に貼付するので、物品情報が書き込まれたRFIDタグと物品情報が印字されたラベルを一度に貼付することができ、貼付の手間を省くことができる。またRFIDタグから無線通信により物品情報を読み取れるので、複数の物品を集計処理する場合でも直に集計を行うことができ、物品管理を容易に行える。
【0016】
またラベル貼付機に情報コードリーダを設けることができる。このため情報コードのみが付されている物品に対しても、この情報コードを読み取ってRFIDタグ付きラベルに物品情報を入力し、これをこの物品に貼付すれば、情報コードとRFIDタグ付きラベルで物品管理を行うことができる。
【0017】
また情報入力装置で入力された物品情報は、ラベル貼付機に無線送信されて書き込み部および印字部に出力されるので、ラベル貼付機の入力部で物品情報を入力する必要がなくなり、ラベルを貼付する係員はRFIDタグ付きラベルを貼付することのみに専念できる。そして第2入力部を情報コードリーダにすれば、情報コードをスキャンするだけで物品情報が入力され、この物品情報をラベル貼付機に無線送信してRFIDタグに書き込むことができるとともにラベルに印字できるので、係員が物品情報を入力する手間を省くことができる。
【0018】
また物品の集計が終わった後に、RFIDタグに集計済み情報を書き込めば、RFIDタグから送信される情報が物品情報であるのか集計済み情報であるのかで物品が集計済みであるのか否かを判別することができ、物品管理を行うことができる。
【0019】
またラベル貼付機は、搬送路の先端部に供給されたRFIDタグ付きラベル1枚に対してのみに物品情報の書き込みおよび印字が行えるので、RFIDタグ付きラベルを連続して貼付していく場合でも、RFIDタグに物品情報が2重に書き込まれることがなく、またラベルに物品情報が2重に印字されることがない。したがって、貼付する物品を変える場合でも、RFIDタグやラベルのそれぞれに異なる物品情報が2重に書き込みおよび印字されることがないので、物品の誤判別等を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明に係る物品管理方法および物品管理システムについて説明する。なお以下の説明では、物品管理システムを店舗に設けて、商品の管理を行う形態について説明する。
【0021】
まず第1の実施形態について説明する。図1は第1の実施形態に係る物品管理システムの説明図である。図2はRFIDタグ付きラベルの説明図である。図3はRFIDタグ付きラベルの供給ロールの説明図である。第1の実施形態に係る物品管理システム10は、商品に貼付されるRFIDタグ付きラベル20と、このRFIDタグ付きラベル20を商品に貼付するラベル貼付機30と、RFIDタグ22に記憶された商品情報(物品情報)を無線で読み取る読取装置40と、を備えている。
【0022】
RFIDタグ付きラベル20は、その一例を図2に示すように、ラベル21の印字面に商品の値段や消費期限等の商品情報が印字され、その裏面に粘着材層が設けられたラベル21を備えている。このラベル21には、商品情報が記憶され、この商品情報が無線で送受信されるRFIDタグ22が付されている。RFIDタグ22は、図1に示すように、高周波の電磁波を放射するアンテナ23および通信部24と、商品情報を記憶する記憶部25とを備えた構成である。商品情報は、商品を識別できるものであればよく、例えばJAN(Japanese Article Number)コードであればよい。そしてRFIDタグ付きラベル20は、図3に示すように、ロール状に巻かれた帯状の台紙26上に、印字面を外側に向けて貼り付けられている。
【0023】
ラベル貼付機30は、図1に示すように、入力部(第1入力部)31、書き込み部32および印字部33を備え、手に持って移動可能な携帯型である。入力部31は、RFIDタグ付きラベル20が貼付される商品の商品情報が入力されるものであり、RFIDタグ22に記憶される商品情報およびラベル21に印字される商品情報のそれぞれが入力される。なお現在流通している様々な商品には商品情報を示す情報コード(バーコードやQRコード等の2次元コード等)が付されている。そして店舗等では、この情報コードを読み取ることでこの情報コードが付された商品の商品情報を得て、商品情報の集計や商品管理を行っている。ところが情報コードのみが付されている商品にRFIDタグ付きラベル20を貼付する場合は、係員の手作業によって商品情報をラベル貼付機30に入力しなければならない。このため入力部31を情報コードリーダとすれば、商品に付された情報コードを入力部31で読み取り、この商品情報をRFIDタグ22に書き込むことができるとともに、ラベル21に印字できるので、作業員の手作業によって商品情報をラベル貼付機30に入力する手間を省くことができる。
【0024】
この入力部31は、RFIDタグ22に商品情報を記憶させる書き込み部32と、ラベル21に商品情報を記載する印字部33に接続されている。書き込み部32は、電磁波を放射してRFIDタグ22と無線通信することにより、RFIDタグ22の記憶部25に商品情報を書き込むものである。また印字部33は、ラベル21の前記印字面に商品情報を印字するものである。
【0025】
図4はラベル貼付機の説明図である。ラベル貼付機30は、上述したロールが取り付けられ、このロールが取り付けられた位置からRFIDタグ付きラベル20を商品に貼り付ける貼付部に向かって台紙26が引き出されている。この貼付部、すなわち台紙26が引き出された先端部34において、RFIDタグ付きラベル20が台紙26から剥されて、商品に貼付される。そして先端部34にあるRFIDタグ付きラベル20が商品に貼付されると、台紙26が送られて先端部34に次のRFIDタグ付きラベル20を供給するようになっている。なおロールから先端部34に向かって台紙26が送られる箇所が、RFIDタグ22の搬送路35となる。
【0026】
また貼付部、すなわち搬送路35の先端部34には、書き込み部32および印字部33が配設されている。さらに搬送路35の周囲には、書き込み部32から放射される電磁波の遮蔽手段36が配設されている。すなわち、搬送路35の先端部34にあるRFIDタグ付きラベル20のみが電磁波遮蔽手段36から露出するようになっている。この電磁波遮蔽手段36は、電磁波を遮蔽するものであればよく、例えば金属板等であればよい。
【0027】
このようなラベル貼付機30は、例えば、ラベル21に価格等の商品情報を印字して商品に貼付するハンドラベラーに、入力部31、書き込み部32および印字部33を設けた構成であればよい。これによりラベル貼付機30は、手に持って移動可能になる。
【0028】
読取装置40は、商品に貼付されたRFIDタグ付きラベル20のRFIDタグ22と無線通信するものであり、例えば店舗の会計場に配設される。この読取装置40は、図1に示すように、アンテナ41、通信部42、記憶部43、入力部44、処理部45および表示部46を備えた構成である。通信部42は、アンテナ41を介してRFIDタグ22と無線通信を行うものであり、RFIDタグ22から送信された商品情報を受信して処理部45に出力するものである。記憶部43は、商品情報、例えばJANコードと商品の値段とが対応付けされて保存されるものである。入力部44は、商品情報や値段等が入力されるものであり、例えばキーボードや情報コードリーダであればよい。処理部45は、入力部44から入力された商品情報や値段等のデータを記憶部43に記憶させたり、RFIDタグ22から受信した商品情報に対応する値段を記憶部43から読み出したり、RFIDタグ22から入力した商品情報を集計するものである。この集計は、例えば、複数の商品情報を入力した場合に、当該商品の合計金額を計算するものである。表示部46は、処理部45の集計結果や、入力部44から入力されたデータを表示するものである。
【0029】
次に、物品管理方法について説明する。まずRFIDタグ付きラベル20に商品情報を記録するために、ラベル貼付機30に商品情報が入力される。すなわち書き込み部32でRFIDタグ22に書き込まれる商品情報と、印字部33でラベル21に印字される商品情報が、ラベル貼付機30の入力部31から入力される。この商品情報は、書き込み部32および印字部33に出力される。そしてラベル搬送路35の先端部34には、1枚のRFIDタグ付きラベル20が台紙26によってロールから搬送されているので、このRFIDタグ付きラベル20に対して、書き込み部32から無線電波を放射してRFIDタグ22に商品情報を送信する。送信された商品情報は、RFIDタグ22に設けられたアンテナ23および通信部24を介して記憶部25に書き込まれる。また搬送路35の先端部34にあるRFIDタグ付きラベル20の印字面に、印字部33を用いて商品情報が記載される。なお搬送路35にある他のRFIDタグ付きラベル20、すなわち先端部34にあるRFIDタグ付きラベル20以外のラベル20は、電磁波遮蔽手段36に周囲を覆われているので、書き込み部32からの商品情報を受信することはない。また印字部33は、先端部34に設けられているので、他のRFIDタグ付きラベル20にも商品情報が印字されることはない。
【0030】
そしてRFIDタグ付きラベル20は、RFIDタグ22に商品情報が書き込まれるとともに、ラベル21に商品情報が印字されると、台紙26から剥されて商品に貼付される。RFIDタグ付きラベル20が商品に貼付されると、搬送路35の先端部34、すなわち貼付部に向けて台紙26が送られて、RFIDタグ付きラベル20が1枚供給される。このような動作を繰り返して、RFIDタグ付きラベル20がラベル貼付機30を用いて商品に貼付される。RFIDタグ付きラベル20が貼付された商品は、店舗に陳列される。
【0031】
読取装置40では、RFIDタグ22に記憶された商品情報と商品価格との対応付けが入力部44から入力されて、予め記憶部43に保存されている。顧客は陳列されている商品を購入する場合、商品を会計場に持っていき会計を行う。そして読取装置40は、商品が読取装置40のそばに置かれると、RFIDタグ22に記憶された商品情報を無線通信により読み取る。このとき読取装置40は、商品が複数ある場合でも、各RFIDタグ22に記憶された商品情報を無線通信により読み取る。読取装置40は、読み取った商品情報を処理部45に送り、記憶部43に保存されている商品情報に対応した商品価格を読み出して、商品の金額を集計する。この集計結果は、表示部46で表示される。これにより店舗側は、商品情報を集計することにより、顧客がどのような商品を購入したのか、商品の在庫はどのくらいあるのか等の商品管理を行える。
【0032】
このような物品管理方法および物品管理システム10によれば、ラベル貼付機30でRFIDタグ付きラベル20を商品に貼付すれば、商品情報が書き込まれたRFIDタグ22と、商品情報が印字されたラベル21を一度に貼付することができるので、従来のようにRFIDタグおよびラベルのいずれも貼付する手間を省くことができる。
【0033】
またRFIDタグ22から無線通信により商品情報を読み取れるので、複数の商品を会計処理する場合でも直に合計金額を集計でき、商品管理を容易に行える。
【0034】
また情報コードのみが付されている商品であっても、この情報コードを情報コードリーダで読み取ってRFIDタグ付きラベルに商品情報を入力し、これをこの商品に貼付することができるので、情報コードとRFIDタグ付きラベルで商品管理を行うことができる。
【0035】
さらに商品に貼付される1枚のRFIDタグ付きラベル20に対してのみ、すなわち搬送路35の先端部34にあるRFIDタグ付きラベル20に対してのみ商品情報の書き込みおよび印字が行えるので、RFIDタグ付きラベル20を連続して貼付していく場合でも、RFIDタグ22に商品情報が2重に書き込まれることがなく、またラベル21に商品情報が2重に印字されることがない。したがって、RFIDタグ付きラベル20が貼付される商品を変える場合でも、RFIDタグ22やラベル21のそれぞれに異なる商品情報が2重に書き込みおよび印字されることがないので、商品の誤判別等を防止できる。
【0036】
なお上述した実施形態では、商品情報は商品を識別できるものであればよいとした形態であるが、商品の価格も書き込む形態であってもよい。すなわち、一例としては、RFIDタグ22にJANコードおよび商品価格を商品情報として書き込む形態であってもよい。この形態の場合は、読取装置40に記憶部43を設ける必要は無く、処理部45で商品価格を集計する構成にすればよい。
【0037】
また上述した実施形態では、読取装置40は例えば会計場に設けられる構成としたが、読取装置を手に持って移動可能とした構成にすることもできる。この場合、手持ち移動可能な読取装置は、少なくともアンテナや通信部、処理部、表示部を備えた構成であればよい。そして手持ち移動可能な読取装置を陳列されている商品にかざしていけば、RFIDタグ22に記憶されている商品情報が読取装置によって読み取られ、陳列されている商品の集計を行うことができる。これにより商品管理を行うことができる。
【0038】
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る物品管理システムは、第1の実施形態に係る物品管理システムに警報装置を加えた構成である。したがって第2の実施形態では、第1の実施形態に係る物品管理システムと同構成の部分に同番号を付し、その説明を省略または簡略する。
【0039】
まず会計場に設置される読取装置40は、商品に貼付されたRFIDタグ付きラベル20のRFIDタグ22との間で、情報を送受信するようになっている。具体的には、図1に示すように、読取装置40の通信部42は、アンテナ41を介してRFIDタグ22と無線通信を行う構成であり、RFIDタグ22から送信された商品情報を受信して処理部45に出力するとともに、処理部45から入力した情報をRFIDタグ22に送信する構成である。そして読取装置40からRFIDタグ22に送信される情報は、例えば集計処理(会計処理)を終えたことを示す集計済み情報であればよい。
【0040】
図5は警報装置の説明図である。警報装置50は、店舗から不正に持ち出される商品を監視するものであり、店舗の出入口に設けられる。警報装置50は、アンテナ51、通信部52、処理部53および警報部54を備えており、アンテナ51および通信部52は、第1の実施形態で説明した読取装置40のアンテナ41や通信部42と同構成であればよい。処理部53は、通信部52から入力したRFIDタグ22からの情報が商品情報および集計済み情報のいずれかであるかを識別し、商品情報である場合には、警報部54を動作させる信号を出力するものである。警報部54は、この信号を入力すると店員に商品の不正な持ち出しを知らせるものであり、例えば警報音を発したり、警告灯が点灯したり等するものであればよい。
【0041】
次に、物品管理方法について説明する。顧客が商品を会計場に持って行き、読取装置40を使った集計処理(会計処理)が終わると、読取装置40の処理部45から通信部42およびアンテナ41を介してRFIDタグ付きラベル20に集計済み情報が無線送信され、RFIDタグ22に設けられた記憶部25に集計済み情報が書き込まれる。そして警報装置50は、集計処理の終わった商品を持って顧客が店舗から出るときに、この商品に貼付されたRFIDタグ22から情報を読み取る。警報装置50は、RFIDタグ22から読み取った情報が集計済み情報であるか商品情報であるかを処理部53で識別し、この場合は集計済み情報であるので警報を発することはない。
【0042】
ところが集計処理の終わっていない商品を不正に店舗から持ち出す場合は、RFIDタグ22に集計済み情報が記憶されていない。この場合も警報装置50は、この商品を持った顧客が店舗から出るときに、この商品に貼付されたRFIDタグ22から情報を読み取る。すると警報装置50は、RFIDタグ22から読み取った情報が集計済み情報であるか商品情報であるかを処理部53で識別し、この場合は商品情報であるので警報部54に信号を出力して、警報部54で警報を発する。この警報により、店員は、商品の不正持ち出しを確認することが可能になる。
【0043】
このような物品管理方法および物品管理システムは、店舗の出入口に警報装置50を設置し、この警報装置50でRFIDタグ22に記憶された商品情報および集計済み情報に基づいて商品の不正持ち出しを監視しているので、商品管理を行うことができる。
【0044】
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態に係る物品管理システムは、第1,2の実施形態に係る物品管理システムに情報入力装置を設けるとともに、ラベル貼付機を情報入力装置との間で無線通信可能にしたものである。したがって第3の実施形態では、第1,2の実施形態に係る物品管理システムと同構成の部分に同番号を付し、その説明を省略または簡略する。
【0045】
図6は第3の実施形態における情報入力装置およびラベル貼付機の説明図である。第3の実施形態に係る物品管理システムは、情報入力装置60を備えている。情報入力装置60は、アンテナ61、通信部(第2通信部)62および入力部(第2入力部)63を備えている。入力部63は、RFIDタグ付きラベル20に書き込みおよび印字される商品情報が入力されるものであり、例えばキーボードや情報コードリーダ等であればよい。また通信部62およびアンテナ61は、この商品情報を無線通信によりラベル貼付機30へ送信するものである。
【0046】
ラベル貼付機30は、第1の実施形態で説明したラベル貼付機に、アンテナ37および通信部(第1通信部)38を備えた構成である。アンテナ37および通信部38は、情報入力装置60から送信された商品情報を受信して、書き込み部32および印字部33に出力するものである。
【0047】
次に、物品管理方法について説明する。情報入力装置60の入力部63で入力されたRFIDタグ22に書き込まれる商品情報およびラベル21に印字される商品情報は、通信部62およびアンテナ61を介してラベル貼付機30に無線送信される。ラベル貼付機30は、アンテナ37および通信部38を用いてこれらの商品情報を受信すると、RFIDタグ22に書き込まれる商品情報を書き込み部32に出力し、ラベル21に印字される商品情報を印字部33に出力する。書き込み部32および印字部33は、第1の実施形態で説明した書き込み部および印字部と同様に動作し、搬送路の先端部にあるRFIDタグ付きラベル20に対して商品情報を書き込みおよび印字する。そして、このRFIDタグ付きラベル20は、商品に貼付される。
【0048】
なお入力部63を情報コードリーダとすれば、商品に付された情報コードを入力部63で読み取って、この商品の商品情報をラベル貼付機30に無線送信し、この商品情報をRFIDタグ22に書き込むことができるとともに、ラベル21に印字できるので、作業員の手作業によって商品情報をラベル貼付機30に入力する手間を省くことができる。
【0049】
このような物品管理方法および物品管理システムは、情報入力装置60で入力された商品情報がラベル貼付機30に無線送信されて、RFIDタグ付きラベル20に書き込みおよび印字されるので、ラベル貼付機30の入力部31で商品情報を入力する必要がなくなり、店員はRFIDタグ付きラベル20を貼付することのみに専念できる。
【0050】
なお情報入力装置60から無線送信される商品情報は、店舗の会計場にある読取装置で受信されるようにして、受信した商品情報を記憶部に保存する構成としてもよい。これにより、商品情報をラベル貼付機30および読取装置に一度に送信できるので、読取装置の入力部や、ラベル貼付機30の入力部で商品情報を入力する手間を省くことができる。
【0051】
そして、上述した物品管理方法および物品管理システムは、第1〜第3の実施形態で説明したように、店舗に陳列される商品を管理するばかりでなく、工場で製造される物品や倉庫に保管される物品等にRFIDタグ付きラベルを貼付して、物品の管理を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】第1の実施形態に係る物品管理システムの説明図である。
【図2】RFIDタグ付きラベルの説明図である。
【図3】RFIDタグ付きラベルの供給ロールの説明図である。
【図4】ラベル貼付機の説明図である。
【図5】警報装置の説明図である。
【図6】第3の実施形態における情報入力装置およびラベル貼付機の説明図である。
【符号の説明】
【0053】
10………物品管理システム、20………RFIDタグ付きラベル、21………ラベル、22………RFIDタグ、30………ラベル貼付機、32………書き込み部、33………印字部、40………読取装置、50………警報装置、60………情報入力装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグ付きラベルを物品に貼付し、前記RFIDタグに記憶された物品情報を読み取って前記物品を管理する物品管理方法であって、
ラベル貼付機に設けられた印字部でラベルに物品情報を印字するとともに、印字された前記ラベルに付されたRFIDタグに対して前記ラベル貼付機に設けられた書き込み部で物品情報を書き込んで、前記RFIDタグ付きラベルを前記物品に貼付し、
前記RFIDタグから出力される電波を読取装置で無線読み取りして、前記RFIDタグに記憶された前記物品情報を得て、読み取った物品情報を集計する、
ことを特徴とする物品管理方法。
【請求項2】
前記RFIDタグに書き込まれる前記物品情報は、前記ラベル貼付機から離れた所に設けられた情報入力装置で入力され、無線通信により前記ラベル貼付機に設けられた前記書き込み部に出力されることを特徴とする請求項1に記載の物品管理方法。
【請求項3】
前記物品に付された情報コードを読み取って、この情報コードに記録されている情報を前記物品情報とすることを特徴とする請求項2に記載の物品管理方法。
【請求項4】
前記物品は、店舗に陳列される商品であり、
前記ラベル貼付機に設けられた前記印字部で前記ラベルに商品情報を印字するとともに、前記ラベル貼付機に設けられた前記書き込み部で前記RFIDタグに商品の商品情報を書き込み、
前記読取装置は、前記商品情報と前記商品の価格との対応付けを予め記憶して、前記RFIDタグから読み取った前記識別情報から前記商品の価格を集計する、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の物品管理方法。
【請求項5】
前記読取装置は、前記集計が終わると、前記物品に集計済み情報を書き込むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の物品管理方法。
【請求項6】
RFIDタグへの物品情報の書き込み部およびラベルへの物品情報の印字部を備えたラベル貼付機を用いて前記RFIDタグに前記物品情報が書き込まれるとともに、前記ラベルに前記物品情報が印字され、前記ラベル貼付機を用いて物品に貼付されたRFIDタグ付きラベルと、
RFIDタグに記憶された前記物品情報を無線電波により読み取って、前記物品情報の集計を行う読取装置と、
を備えたことを特徴とする物品管理システム。
【請求項7】
前記ラベル貼付機は、
前記RFIDタグ付きラベルが供給される搬送路を有し、
前記搬送路の周囲に、前記書き込み部から放射される電磁波の遮蔽手段を配設し、
前記搬送路の先端部を当該電磁波遮蔽手段から露出させて、前記先端部に前記書き込み部および前記印字部を配設し、前記先端部に供給された前記RFIDタグ付きラベルに対して前記書き込み部から前記物品情報を書き込むとともに、前記印字部で前記物品情報を印字してなる、
ことを特徴とする請求項6に記載の物品管理システム。
【請求項8】
前記ラベル貼付機は、前記物品情報が入力される第1入力部を有し、
この第1入力部は、物品に付された情報コードを読み取る情報コードリーダであることを特徴とする請求項6または7に記載の物品管理システム。
【請求項9】
前記物品情報が入力される第2入力部と、前記第2入力部に接続し、前記第2入力部で入力された前記物品情報を前記ラベル貼付機に無線送信する第2通信部とを備えた情報入力装置を有し、
前記ラベル貼付機は、前記情報入力装置から無線送信された前記物品情報を受信して、前記物品情報を前記書き込み部および前記印字部に出力する第1通信部を備えた、
ことを特徴とする請求項6または7に記載の物品管理システム。
【請求項10】
前記第2入力部は、物品に付された情報コードを読み取る情報コードリーダであることを特徴とする請求項9に記載の物品管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−327822(P2006−327822A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−20583(P2006−20583)
【出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(505004444)
【Fターム(参考)】