説明

物流用棚装置

【課題】被搬送物を供給棚から受け入れる受入姿勢と排出棚に搬送する搬送姿勢とに切り替え可能な切替棚を有しながら、電気供給設備やシリンダ装置用配管を必要とせず、レイアウトを変更する場合の移動を簡単に行うことができる物流用棚装置を提供する。
【解決手段】上流側の供給棚2の搬送路の出口に、搬送面から突出して被搬送物Wを係止する係止姿勢61Aと、搬送面下に沈み込んだ係止解除姿勢61Bとに切り替え可能にすることにより被搬送物Wの切替棚4への移動を規制するストッパ機構6を配設するとともに、このストッパ機構6によって係止された被搬送物Wの搬送方向上流側の位置に、ストッパ機構6によって係止された被搬送物Wの有無に応じて、搬送面から突出して被搬送物Wの移動速度を抑える制動姿勢71Aと、搬送面下に沈み込んだ制動解除姿勢71Bとに、自動的に切り替えることにより被搬送物Wの移動速度を規制するブレーキ機構7を配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流用棚装置に関し、例えば、電機製品の組立工場において箱詰めされた電気部品を作業者が取り出して所定の組立作業をするため等に用いられる物流用棚装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、物流用棚装置として、例えば、箱詰めされた電気部品を組立作業者が箱から取り出し、電気部品を取り出した後の空箱を、重力を利用して所定の場所まで搬送するようにした物流用棚装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この物流用棚装置は、作業者に向けて下向きに傾斜する供給棚と、排出側に向けて下向きに傾斜する排出棚と、供給棚及び排出棚の傾斜に沿うように揺動可能に設けられた切替棚とを備えるようにしている。
この物流用棚装置は、切替棚が供給棚の傾斜に沿った姿勢とされた状態で被搬送物である箱を供給棚から切替棚に供給、搬送し、例えば、箱詰めされた電気部品を組立作業者が箱から取り出し、電気部品を取り出した後の空箱は、排出棚の傾斜に沿うよう揺動させた切替棚から排出棚に供給、搬送するようにしている。
【0004】
そして、この物流用棚装置では、切替棚上に供給、搬送された箱から電気部品を組立作業者が取り出す作業中に、次の箱は供給棚に順次載置されている。したがって、搬送された箱から電気部品を組立作業者が取り出す作業中は、供給棚に載置されている箱は、切替棚へ供給、搬送されないように停止させておく必要がある。
このため、この物流用装置は、供給棚の途中に、供給棚の搬送路の搬送面から突出して箱を係止するストッパ機構を出退可能に設け、作業のタイミングに応じてこのストッパ機構を出退させるようにしている。そして、ストッパ機構の出退を制御するために、箱の到着を検出する検出器を設け、この検出器からの信号に応じてストッパ機構を駆動するシリンダ装置を設けている。
【特許文献1】実開平7−23713号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年の多品種少量生産等の各種生産方法に柔軟に対応するため、この種の物流用棚装置は、作業現場の状況(組立ライン)に合わせてレイアウトを変更する場合に移動するさせる必要があるが、上記従来の物流用棚装置では、箱の到着を検出する検出器等の電気的作動手段やストッパ機構を駆動するシリンダ装置等の駆動手段を用いているため、物流用棚装置の移動に対応できるような電気供給設備やシリンダ装置用配管設備が必要となり設備コストがかかるほか、電気配線や配管の取り回しが必要になってこれが作業の邪魔になり、また、これらのことから、工場内での物流用棚装置のレイアウトの変更が実質的に困難になることがあった。
【0006】
本発明は、上記従来の物流用棚装置の有する問題点に鑑み、被搬送物を供給棚から受け入れる受入姿勢と、被搬送物を排出棚に搬送する搬送姿勢とに切り替え可能な切替棚を有しながら、特別な電気供給設備やシリンダ装置用配管設備を必要とせず、レイアウトを変更する場合の移動を簡単に行うことができる物流用棚装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の物流用棚装置は、搬送棚本体に、搬送方向上流側の供給棚から搬送されてくる被搬送物を、搬送方向下流側に配置した排出棚に搬送するための切替棚を設け、該切替棚を、被搬送物を上流側の供給棚から受け入れる受入姿勢と、被搬送物を下流側の排出棚に搬送する搬送姿勢とに切り替え可能にする切替棚の支持機構を配設した物流用棚装置において、上流側の供給棚の搬送路の出口位置に、搬送路の搬送面から突出して被搬送物を係止する係止姿勢と、搬送路の搬送面下に沈み込んだ係止解除姿勢とに切り替え可能にすることにより被搬送物の切替棚への移動を規制するストッパ機構を配設するとともに、該ストッパ機構によって係止された被搬送物の搬送方向上流側の位置に、ストッパ機構によって係止された被搬送物の有無に応じて、搬送路の搬送面から突出して被搬送物の移動速度を抑える制動姿勢と、搬送路の搬送面下に沈み込んだ制動解除姿勢とに切り替え可能にすることにより被搬送物の移動速度を規制するブレーキ機構を配設したことを特徴とする。
【0008】
この場合において、切替棚の支持機構を、被搬送物を上流側の供給棚から受け入れる受入姿勢にある切替棚を、該切替棚と搬送棚本体との間で略鉛直方向に直線状に伸びて支持する支持杆を有するように構成することができる。
【0009】
また、切替棚を、被搬送物を上流側の供給棚から受け入れる受入姿勢をとる方向に付勢し、該受入姿勢にある切替棚に被搬送物が搬送、載置されるとともに、切替棚の支持機構による支持が解除されたときに被搬送物を下流側の排出棚に搬送する搬送姿勢に切り替わるように付勢力を設定した付勢手段を配設することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の物流用棚装置によれば、搬送棚本体に、搬送方向上流側の供給棚から搬送されてくる被搬送物を、搬送方向下流側に配置した排出棚に搬送するための切替棚を設け、該切替棚を、被搬送物を上流側の供給棚から受け入れる受入姿勢と、被搬送物を下流側の排出棚に搬送する搬送姿勢とに、作業者の操作によって切り替え可能にする切替棚の支持機構を配設した物流用棚装置において、上流側の供給棚の搬送路の出口位置に、搬送路の搬送面から突出して被搬送物を係止する係止姿勢と、搬送路の搬送面下に沈み込んだ係止解除姿勢とに作業者の操作によって切り替え可能にすることにより被搬送物の切替棚への移動を規制するストッパ機構を配設するとともに、該ストッパ機構によって係止された被搬送物の搬送方向上流側の位置に、ストッパ機構によって係止された被搬送物の有無に応じて、搬送路の搬送面から突出して被搬送物の移動速度を抑える制動姿勢と、搬送路の搬送面下に沈み込んだ制動解除姿勢とに切り替え可能にすることにより被搬送物の移動速度を規制するブレーキ機構を配設するようにしているので、被搬送物を供給棚から受け入れる受入姿勢と、被搬送物を排出棚に搬送する搬送姿勢とに切り替え可能な切替棚を有しながら、特別な電気供給設備やシリンダ装置用配管設備を必要とせず、レイアウトを変更する場合の移動を簡単に行うことができる物流用棚装置を提供することができる。
そして、特に、ストッパ機構によって係止された被搬送物の有無に応じて、被搬送物の移動速度を規制するブレーキ機構を配設するようにしているので、ストッパ機構によって係止された被搬送物に後続の被搬送物が強く衝突することを防止できるとともに、供給棚から切替棚に被搬送物を受け入れる際に、後続の被搬送物の始動を遅らせ、後続の被搬送物をストッパ機構によって確実に係止することができる。
【0011】
また、切替棚の支持機構を、被搬送物を上流側の供給棚から受け入れる受入姿勢にある切替棚を、該切替棚と搬送棚本体との間で略鉛直方向に直線状に伸びて支持する支持杆を有するように構成することにより、切替棚にかかる荷重を、支持杆に曲げモーメントを発生させることなく支持することができる。
【0012】
また、切替棚を、被搬送物を上流側の供給棚から受け入れる受入姿勢をとる方向に付勢し、該受入姿勢にある切替棚に被搬送物が搬送、載置されるとともに、切替棚の支持機構による支持が解除されたときに被搬送物を下流側の排出棚に搬送する搬送姿勢に切り替わるように付勢力を設定した付勢手段を配設することにより、切替棚の切替操作を小さい力で行うことができるとともに、被搬送物を排出棚に搬送して空になった切替棚を、被搬送物を供給棚から受け入れる受入姿勢に自動的に復帰させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の物流用棚装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0014】
図1〜図7に、本発明の物流用棚装置の一実施例を示す。
この物流用棚装置は、搬送棚本体1に、搬送方向上流側の供給棚2から搬送されてくる被搬送物Wを、搬送方向下流側に配置した排出棚3に搬送するための切替棚4を設け、この切替棚4を、被搬送物Wを上流側の供給棚2から受け入れる受入姿勢4Aと、被搬送物Wを下流側の排出棚3に搬送する搬送姿勢4Bとに、作業者の操作(特に限定されるものではないが、本実施例においては、足踏み操作)によって切り替え可能にする切替棚4の支持機構5を配設するようにしている。
【0015】
そして、この物流用棚装置は、上流側の供給棚2の搬送路の出口位置に、搬送路の搬送面から突出して被搬送物Wを係止する係止姿勢61Aと、搬送路の搬送面下に沈み込んだ係止解除姿勢61Bとに、作業者の操作(特に限定されるものではないが、本実施例においては、手動操作)によって切り替え可能にすることにより被搬送物Wの切替棚4への移動を規制するストッパ機構6を配設するとともに、このストッパ機構6によって係止された被搬送物Wの搬送方向上流側の位置に、ストッパ機構6によって係止された被搬送物Wの有無に応じて、搬送路の搬送面から突出して被搬送物Wの移動速度を抑える制動姿勢71Aと、搬送路の搬送面下に沈み込んだ制動解除姿勢71Bとに、自動的に切り替え可能にすることにより被搬送物Wの移動速度を規制するブレーキ機構7を配設するようにしている。
【0016】
この場合において、特に限定されるものではないが、搬送棚本体1は、パイプ部材とその連結具とから構成されるとともに、供給棚2及び排出棚3、さらに必要に応じて、切替棚4には、被搬送物Wの搬送を円滑に行うことができるように、ローラ部材を配設するようにする。
【0017】
また、切替棚4の支持機構5は、被搬送物Wを上流側の供給棚2から受け入れる受入姿勢4Aにある切替棚4を、切替棚4と搬送棚本体1の桟11との間で略鉛直方向に直線状に伸びて支持する支持杆51を有している。
この支持杆51は、下端部を搬送棚本体1の桟11に揺動可能に軸支するとともに、中間部を略く字状に屈曲可能に形成し、上端部で切替棚4を支持するようにする。
また、支持杆51の上部側には、搬送棚本体1に揺動可能に軸支した足踏み操作杆52の上端部を軸支し、足踏み操作杆52を踏み操作することにより、支持杆51を、略鉛直方向に直線状に伸びて切替棚4を支持する状態51A(このとき、切替棚4は、被搬送物Wを上流側の供給棚2から受け入れる受入姿勢4Aをとる。)から、略く字状に屈曲した状態51B(このとき、切替棚4は、被搬送物Wを下流側の排出棚3に搬送する搬送姿勢4Bをとる。)になる。
なお、足踏み操作杆52は、ばね53によって、支持杆51を略鉛直方向に直線状に伸びて切替棚4を支持する状態になるように付勢されるとともに、この状態(図2において、足踏み操作杆52が略逆く字状に屈曲した状態52A)と、踏み操作した状態(図2において、足踏み操作杆52が逆く字状に屈曲した状態52B)との間に動作の死点が形成されるようにする。
このように、切替棚4の支持機構5を、被搬送物Wを上流側の供給棚3から受け入れる受入姿勢4Aにある切替棚4を、切替棚4と搬送棚本体1の桟11との間で略鉛直方向に直線状に伸びて支持する支持杆51を有するように構成することにより、切替棚4にかかる荷重を、支持杆51に曲げモーメントを発生させることがなく支持することができ、足踏み操作杆52に動作の死点が形成されるようにすることと相俟って、切替棚4を安定して支持することができる。
【0018】
なお、切替棚4の支持機構5は、切替棚4を、被搬送物Wを上流側の供給棚2から受け入れる受入姿勢4Aと、被搬送物Wを下流側の排出棚3に搬送する搬送姿勢4Bとに切り替え可能で、かつ、切替棚4を安定して支持することができるものであれば、その機構は、上記のものに限定されるものではない。
例えば、図8〜図11に示す変形実施例のように、支持杆51と足踏み操作杆52との接合部に、ロック機構54を配設し、切替棚4を安定して支持するようにすることができる。なお、この変形実施例においては、支持杆51及び足踏み操作杆52を、それぞれの屈曲部と搬送棚本体1とをばね55a、55bにより接続することによって、斜め上方に向けて付勢するようにしている。
【0019】
一方、切替棚4には、被搬送物Wを上流側の供給棚2から受け入れる受入姿勢4Aをとる方向に付勢し、受入姿勢4Aにある切替棚4に被搬送物Wが搬送、載置されるとともに、切替棚4の支持機構5による支持が解除されたときに被搬送物Wを下流側の排出棚3に搬送する搬送姿勢4Bに切り替わるように付勢力を設定した付勢手段8を配設する。
この付勢手段8としては、具体的には、索条82を介して取り付けた重錘81を好適に用いることができる。
これにより、切替棚4の切替操作を小さい力で行うことができるとともに、被搬送物Wを排出棚3に搬送して空になった搬送姿勢4Bにある切替棚4を、被搬送物Wを供給棚2から受け入れる受入姿勢4Aに自動的に復帰させることができる。
【0020】
被搬送物Wの切替棚4への移動を規制するストッパ機構6は、上流側の供給棚2の搬送路の出口位置に、搬送路の搬送面から突出して被搬送物Wを係止する係止姿勢61Aと、搬送路の搬送面下に沈み込んだ係止解除姿勢61Bとに切り替え可能にすることにより被搬送物Wの切替棚4への移動を規制するストッパ片61と、ストッパ片61の操作機構62と、操作機構62を作業者が操作(特に限定されるものではないが、本実施例においては、手動による押し操作)するための操作杆63と、操作杆63を作業者が操作していない状態においてストッパ片61が係止姿勢61Aをとるように操作機構62を付勢するばね64とからなる。
ここで、ストッパ片61の操作機構62は、操作杆63によって押し操作されて揺動するとともに、ばね64によって付勢される略L字状の被操作片62aと、被操作片62aに連動してストッパ片61を操作する操作片62bとからなる。
【0021】
被搬送物Wの移動速度を規制するブレーキ機構7は、ストッパ機構6によって係止された被搬送物Wの搬送方向上流側の位置に、ストッパ機構6によって係止された被搬送物Wの有無に応じて、搬送路の搬送面から突出して被搬送物Wの移動速度を抑える制動姿勢71Aと、搬送路の搬送面下に沈み込んだ制動解除姿勢71Bとに、自動的に切り替え可能にすることにより被搬送物Wの移動速度を規制するブレーキ片71と、ブレーキ片71の操作機構72と、ストッパ機構6によって係止された被搬送物Wがない状態においてブレーキ片71が制動解除姿勢71Bをとるように操作機構72を付勢するばね73とからなる。
ここで、ブレーキ片71の操作機構72は、ストッパ機構6によって係止された被搬送物Wによって押し操作されて揺動するとともに、ばね73によって付勢される略L字状の被操作片72aと、リンク杆72bを介して被操作片72aに連動してブレーキ片71を操作する操作片72cとからなる。
【0022】
次に、この物流用棚装置の動作について説明する。
まず、搬送方向上流側の供給棚2の始端から被搬送物Wを順次供給すると、被搬送物Wは、供給棚2の搬送路の出口位置に配設したストッパ機構6の係止姿勢61Aをとっているストッパ片61によって係止される。
このとき、ストッパ機構6によって係止された被搬送物Wの後続の被搬送物Wは、ストッパ機構6によって係止された被搬送物Wがブレーキ機構7の被操作片72a上に存在することによって、制動姿勢71Aに自動的に切り替えられるストッパ機構6のブレーキ片71によって制動され、ストッパ機構6によって係止された被搬送物Wに後続の被搬送物Wが強く衝突することを防止できる。
【0023】
次に、ストッパ機構6の操作杆63を作業者が手動により押し操作して、ストッパ片61を係止姿勢61Aから係止解除姿勢61Bに切り替えることにより、被搬送物Wは、上流側の供給棚2から受け入れる受入姿勢4Aをとっている切替棚4に自動的に搬送、載置される。
このとき、ストッパ機構6によって係止された被搬送物Wの後続の被搬送物Wは、ストッパ機構6によって係止された被搬送物Wがブレーキ機構7の被操作片72a上に存在する間は、制動姿勢71Aに自動的に切り替えられるストッパ機構6のブレーキ片71によって制動されるが、被搬送物Wが切替棚4に搬送されると、ストッパ機構6のブレーキ片71が制動解除姿勢71Bに自動的に切り替わり、被搬送物Wは移動を開始する。そして、被搬送物Wは、先の被搬送物Wが切替棚4に搬送、載置された後、操作杆63の押し操作を解除することによって係止姿勢61Aに自動的に復帰したストッパ機構6のストッパ片61によって係止される。このようにして、供給棚2から切替棚4に被搬送物Wを受け入れる際に、後続の被搬送物Wの始動を遅らせることができ、後続の被搬送物Wをストッパ機構6によって確実に係止することができる。
【0024】
切替棚4に供給、搬送された被搬送物Wは、例えば、被搬送物Wに箱詰めされた電気部品等を作業者が順次取り出し、組立作業を行う。
そして、被搬送物Wに箱詰めされた電気部品等を取り出した後、切替棚4の支持機構5の足踏み操作杆52を踏み操作することにより、支持杆51を、略鉛直方向に直線状に伸びて切替棚4を支持する状態51A(このとき、切替棚4は、被搬送物Wを上流側の供給棚2から受け入れる受入姿勢4Aをとる。)から、略く字状に屈曲した状態51B(このとき、切替棚4は、被搬送物Wを下流側の排出棚3に搬送する搬送姿勢4Bをとる。)にして、被搬送物(空箱)Wを下流側の排出棚3に搬送するようにする。
被搬送物Wを排出棚3に搬送して空になった搬送姿勢4Bにある切替棚4は、付勢手段8の作用によって、配被搬送物Wを供給棚2から受け入れる受入姿勢4Aに自動的に復帰する。
【0025】
以下、同様にして、搬送方向上流側の供給棚2から搬送されてくる被搬送物Wを、被搬送物Wを上流側の供給棚2から受け入れる受入姿勢4Aと、被搬送物Wを下流側の排出棚3に搬送する搬送姿勢4Bとに切り替え可能な切替棚4に搬送、載置し、必要な作業を行った後、被搬送物Wを切替棚4から搬送方向下流側に配置した排出棚3に搬送することを繰り返すようにする。
【0026】
このように、この物流用棚装置は、被搬送物Wを供給棚2から受け入れる受入姿勢4Aと、被搬送物Wを排出棚3に搬送する搬送姿勢4Bとに切り替え可能な切替棚4を有しながら、特別な電気供給設備やシリンダ装置用配管設備を必要とせず、レイアウトを変更する場合の移動を簡単に行うことができる構成とすることができる。
【0027】
以上、本発明の物流用棚装置について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明の物流用棚装置は、特別な電気供給設備やシリンダ装置用配管設備を必要とせず、レイアウトを変更する場合の移動を簡単に行うことができることから、例えば、電機製品の組立工場において箱詰めされた電気部品を作業者が取り出して所定の組立作業をするため等に用いられる物流用棚装置の用途に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の物流用棚装置の一実施例の全体を示す右側面図である。
【図2】同装置の要部を示す右側面図である。
【図3】同装置の要部を示す左側面図である。
【図4】同装置の全体を示す斜視図である。
【図5】同装置の要部(足踏み操作杆を踏み操作していない状態)を示す斜視図である。
【図6】同装置の要部(足踏み操作杆を踏み操作している状態)を示す斜視図である。
【図7】同装置の支持杆を示す説明図である。
【図8】本発明の物流用棚装置の変形実施例の切替棚の支持機構(足踏み操作杆を踏み操作していない状態)を示す左側面図である。
【図9】同状態のロック機構を示す説明図である。
【図10】本発明の物流用棚装置の変形実施例の切替棚の支持機構(足踏み操作杆を踏み操作していない状態)を示す左側面図である。
【図11】同状態のロック機構を示す説明図である。
【0030】
1 搬送棚本体
11 桟
2 供給棚
3 排出棚
4 切替棚
5 支持機構
51 支持杆
52 足踏み操作杆
53 ばね
54 ロック機構
6 ストッパ機構
61 ストッパ片61
62 操作機構
63 操作杆
64 ばね
7 ブレーキ機構
71 ブレーキ片
72 操作機構
73 ばね
8 付勢手段
81 重錘
82 索条
W 被搬送物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送棚本体に、搬送方向上流側の供給棚から搬送されてくる被搬送物を、搬送方向下流側に配置した排出棚に搬送するための切替棚を設け、該切替棚を、被搬送物を上流側の供給棚から受け入れる受入姿勢と、被搬送物を下流側の排出棚に搬送する搬送姿勢とに切り替え可能にする切替棚の支持機構を配設した物流用棚装置において、上流側の供給棚の搬送路の出口位置に、搬送路の搬送面から突出して被搬送物を係止する係止姿勢と、搬送路の搬送面下に沈み込んだ係止解除姿勢とに切り替え可能にすることにより被搬送物の切替棚への移動を規制するストッパ機構を配設するとともに、該ストッパ機構によって係止された被搬送物の搬送方向上流側の位置に、ストッパ機構によって係止された被搬送物の有無に応じて、搬送路の搬送面から突出して被搬送物の移動速度を抑える制動姿勢と、搬送路の搬送面下に沈み込んだ制動解除姿勢とに切り替え可能にすることにより被搬送物の移動速度を規制するブレーキ機構を配設したことを特徴とする物流用棚装置。
【請求項2】
切替棚の支持機構が、被搬送物を上流側の供給棚から受け入れる受入姿勢にある切替棚を、該切替棚と搬送棚本体との間で略鉛直方向に直線状に伸びて支持する支持杆を有することを特徴とする請求項1記載の物流用棚装置。
【請求項3】
切替棚を、被搬送物を上流側の供給棚から受け入れる受入姿勢をとる方向に付勢し、該受入姿勢にある切替棚に被搬送物が搬送、載置されるとともに、切替棚の支持機構による支持が解除されたときに被搬送物を下流側の排出棚に搬送する搬送姿勢に切り替わるように付勢力を設定した付勢手段を配設したことを特徴とする請求項1又は2記載の物流用棚装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−199381(P2006−199381A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−9729(P2005−9729)
【出願日】平成17年1月18日(2005.1.18)
【出願人】(504195428)スペーシア株式会社 (13)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【出願人】(000108719)タキロン株式会社 (421)
【Fターム(参考)】