説明

特に半導体コンポーネント用のコンパレータ回路アッセンブリ

【課題】新規なコンパレータ回路アッセンブリ、特に、新規なコンパレータ/レシーバ回路アッセンブリ、および、このような回路アッセンブリを有する半導体コンポーネントを提供する。
【解決手段】制御入力部が相互に接続されている第1および第2のトランジスタ(8,9)と、上記第1トランジスタ(8)に接続されており、制御入力部に入力信号(VIN)が印加される第3トランジスタ(10)と、第2トランジスタ(9)に接続されており、制御入力部に基準信号(VREFmod)が印加される第4トランジスタ(11)とを備え、第3トランジスタ(10)の制御入力部が、結合デバイス(22)を介して、第1および第2のトランジスタ(8,9)に接続されている新規なコンパレータ/レシーバ回路アッセンブリ及びこのような回路アッセンブリを有する半導体コンポーネント。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、請求項1の前提構成に基づくコンパレータ回路アッセンブリ、特に、コンパレータ/レシーバ回路アッセンブリ、および、このような回路アッセンブリを有する半導体コンポーネントに関するものである。
【0002】
半導体コンポーネント、特に、例えばCMOSテクノロジーに基づくDRAM(DRAM=Dynamic Random Access Memory および/または動的書き込み読み出しメモリー)やSRAM(SARM=Static Random Access Memory)などのメモリコンポーネントでは、および/または、例えば、同じく集積された(アナログおよび/またはデジタル)演算回路やその他の電気的な回路では、多くの場合、いわゆるコンパレータ/レシーバ回路アッセンブリが使用されている。
【0003】
コンパレータ/レシーバ回路アッセンブリは、半導体コンポーネントの入力部に印加される信号(例えば、パルス信号あるいはクロック信号)を増幅する役割を果たす。
【0004】
半導体コンポーネントの内部では、クロック信号は、データの処理および/または中継を時間的に均等に行うために使用される。
【0005】
従来の半導体コンポーネントでは、一般的に、単一の配線に現れるシングルクロック信号(すなわち、いわゆる、「シングルエンドの」クロック信号)が使用される。
【0006】
次に、データを、例えば、シングルクロック信号の立ち上がりパルスエッジにおいて(または、例えば、シングルクロック信号の立ち下がりパルスエッジにおいて)それぞれ伝送することができる。
【0007】
さらに、従来技術では、いわゆるDDRコンポーネント、特にDDR−DRAM(DDR-DRAM=Double Data Rate-DRAMおよび/または、2倍のデータ率(データレート)を有するDRAM)が既に知られている。
【0008】
DDRコンポーネントでは、単一の配線に現れるシングルクロック信号(「シングルエンドの」クロック信号)の代わりに、2本の分離されたラインに現れる、差動で互いに逆相の2つのクロック信号が使用される。
【0009】
2つのクロック信号の例えば第1クロック信号が「論理ハイ」状態(例えば、高い電圧レベル)から「論理ロー」状態(例えば、低い電圧レベル)に変化する場合は常に、第2クロック信号が、ほぼ同時に、「論理ロー」状態から「論理ハイ」状態へ(例えば、低い電圧レベルから高い電圧レベルへ)と変化する。
【0010】
逆に、第1クロック信号が「論理ロー」状態(例えば、低い電圧レベル)から「論理ハイ」状態(例えば、高い電圧レベル)に変化する場合は常に、第2クロック信号が(同じくほぼ同時に)、「論理ハイ」状態から「論理ロー」状態へ(例えば、高い電圧レベルから低い電圧レベルへ)と変化する。
【0011】
DDRコンポーネントでは、データは、一般的に、第1クロック信号の立ち上がりエッジでも、第2クロック信号の立ち上がりエッジでも(および/または、第1クロック信号の立ち下りエッジでも、第2クロック信号の立下りエッジでも)中継される。
【0012】
したがって、DDRコンポーネントでは、データの中継は、シングル、および/または「シングルエンドの」クロック信号を有する従前のコンポーネントよりも頻繁におよび/または速く(特に、2倍の頻度で、および/または、2倍迅速に)行われる。すなわち、データ率は、従前のコンポーネントよりも高い(特に、2倍高い)。
【0013】
例えばクロック信号を増幅するために使用される従来のコンパレータ/レシーバ回路アッセンブリは、例えばカレントミラー回路を有する差動増幅器として設計することができる。
【0014】
多くの場合、このような従来のコンパレータ/レシーバ回路アッセンブリは、入力される差動信号(例えば、差動クロック信号)を「シングルエンドの」信号に変換するように設計されている。
【0015】
従来のコンパレータ/レシーバ回路アッセンブリの欠点は、特に、プロセスの変動、電圧の変動、および/または温度の変動などに比較的敏感に反応する点である。従って、プロセスの変動、電圧の変動、および/または、温度の変動が比較的大きい場合は、コンパレータ/レシーバ回路アッセンブリの信頼性が対応して低下してしまう可能性がある。
【0016】
例えば「入力立ち上がり時間−出力立ち上がり時間」スキュー(および/または、「入力立ち下り時間−出力立ち下り時間」スキュー)を、コンパレータ/レシーバ回路アッセンブリの信頼性についての公称パラメータとして使用することができる。
【0017】
本発明の目的は、新規なコンパレータ回路アッセンブリ、特に、新規なコンパレータ/レシーバ回路アッセンブリ、および、このような回路アッセンブリを有する半導体コンポーネントを提供することである。
【0018】
本発明は、この目的およびその他の目的を、請求項1および18の記載事項によって達成する。
【0019】
本発明の有利な発展形態は、従属請求項に記載されている。
【0020】
本願の一発明によれば、制御入力部が相互に接続されている第1および第2トランジスタと、上記第1トランジスタに接続されており、制御入力部に入力信号(VIN)が印加される第3トランジスタと、上記第2トランジスタに接続されており、制御入力部に基準信号(VREFmod,VER)が印加される第4トランジスタとを備え、上記第3トランジスタの制御入力部が、結合デバイスを介して、上記第1および第2トランジスタの制御入力部に接続されているコンパレータ回路アッセンブリが提供される。
【0021】
上記結合デバイスは、キャパシタを備えていることが好ましい。
【0022】
本願の有利な一発明によれば、コンパレータ回路アッセンブリは、制御入力部に入力信号(VIN)が印加されるとともに第1および第2トランジスタの制御入力部に接続された、他のトランジスタを備えている。
【0023】
コンパレータ回路アッセンブリは、制御入力部に入力信号(VIN)が印加されるとともに第3および第4トランジスタに接続された、他のトランジスタを備えていることが特に好ましい。
【0024】
以下で、一実施例および添付の図を参照して本発明をより詳しく説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施例のコンパレータ回路アッセンブリ、特に、コンパレータ/レシーバ回路アッセンブリの概略図である。
【0026】
図1に、本発明の一実施例のコンパレータ回路アッセンブリ、特に、コンパレータ/レシーバ回路アッセンブリ1を概略的に示す。
【0027】
回路アッセンブリ1は、例えば半導体コンポーネント中に、例えば、CMOS技術に基づくDRAMメモリコンポーネント(DRAM=Dyanmic Random Access Memoryおよび/またはダイナミックな書き込み読み出しメモリー)、SRAM(SRAM=Static Random Access Memory)メモリコンポーネント、および/または、任意の適切な集積された(アナログおよび/またはデジタル)演算回路に組み込むことが可能であり、および/または、一般的に言えば、任意のその他の適切な電気的回路の一部を構成し得る。
【0028】
DRAMメモリコンポーネントは、例えばDDR−DRAM(DDR-DRAM=Double Data Rate-DRAMおよび/または2倍のデータ率を有するDRAM)とすることができる。
【0029】
このDRAMメモリコンポーネントは、2つの入力クロック端子(例えば、それぞれが対応するピンを用いて接続されたコンポーネントパッド)を備えている。ここでは、第1クロック端子に、外部のクロック信号生成器から得られる、すなわち、外部から生じる第1クロック信号clkが印加される。第2クロック端子に、同じく外部のクロック信号生成器によって生成される第2クロック信号bclkが印加される。
【0030】
2つのクロック信号clk・bclkは、例えばいわゆる差動クロック信号、すなわち、互いに逆相のクロック信号とすることができる。例えば第1クロック信号clkが「論理ハイ」状態から「論理ロー」状態に変化する場合は常に、第2クロック信号bclkが、ほぼ同時に、「論理ロー」状態から「論理ハイ」状態へと変化する。
【0031】
逆に、第1クロック信号clkが「論理ロー」状態から「論理ハイ」状態に変化する場合は常に、第2クロック信号bclkが、ほぼ同時に、「論理ハイ」状態から「論理ロー」状態へと変化する。
【0032】
コンパレータ/レシーバ回路アッセンブリ1は、配線2に現れる信号VINを増幅し、信号VINから得られる出力信号OUTを、その出力配線3に出力する役割を果たす。
【0033】
入力信号は、例えば上記クロック信号clkまたはbclkであってもよいし、任意の他の(外部から半導体コンポーネントの所定のピンに現れる、または、半導体コンポーネントの内部で生成される)信号(例えば、半導体コンポーネントのデータ入力部または制御入力部に印加されるデータ信号または制御信号)であってもよい。
【0034】
特に、コンパレータ/レシーバ回路アッセンブリ1は、配線2に現れる高周波の「低スイング」信号を増幅する役割を果たす。信号VINの電圧レベルが、配線4に現れる基準信号VREFの電圧レベル(例えば、VDD/2で、例えば、0.75V)および/または以下でさらに詳しく説明する基準信号VREFmodの電圧レベルを上回っている場合には、これに対応して「正」のスイングが(これに対応する出力信号OUTがこのときに「論理ハイ」(または「論理ロー」でもよい)となることによって)検出される。逆に、信号VINの電圧レベルが、配線4に現れる基準信号VREFの電圧レベル(例えば、VDD/2で、例えば、0.75V)および/または基準信号VREFmodの電圧レベルを下回っている場合には、これに対応して「負」のスイングが(これに対応する出力信号OUTがこのときに「論理ロー」(または「論理ハイ」でもよい)となることによって)検出される。
【0035】
図1から分かるように、コンパレータ/レシーバ回路アッセンブリ1は、入力段5(「レシーバ段」)と、出力段6(「ドライバ段」)と、基準レベル変換段7(「基準レベルコンバータ」)とを備えている。
【0036】
信号を増幅するために、入力段5に、複数のトランジスタ8・9・10・11が備えられている。ここでは、互いに特性の等しいnチャネルMOSFET10・11と、互いに特性の等しいpチャネルMOSFET8・9とが備えられている。ただし、pチャネルMOSFET9は、カレントミラーとして機能し、pチャネルMOSFET8は、負荷として機能する。
【0037】
pチャネルMOSFET8・9のソースは、配線12・13を介して、電源電圧RCV_SUPに接続されている(この場合に、RCV_SUPを例えば1.5Vとすることができる)。
【0038】
pチャネルMOSFET8のゲートは、配線14を介して、pチャネルMOSFET9のゲートに接続されている。
【0039】
pチャネルMOSFET8のドレインは、配線15を介して、出力段6に接続されており、配線16を介して、nチャネルMOSFET10のドレインに接続されている。
【0040】
nチャネルMOSFET10のゲートは、上記(入力)配線2に接続されており、以下でさらに詳しく説明するように配線17を介して、スイング/スルー(スルー:slew)制限回路18に接続されており、配線19を介して、他のスイング/スルー制限回路20に接続されており、配線21を介してAC結合デバイス22に接続されている。
【0041】
さらに、図1から分かるように、pチャネルMOSFET9のドレインは配線23を介して、nチャネルMOSFET11のドレインに接続されている。
【0042】
nチャネルMOSFET11のゲートは、配線24を介して、上記基準レベル変換段7に接続されている。
【0043】
nチャネルMOSFET10のソースは、配線25を介して、抵抗26、キャパシタ27およびnチャネルMOSFET28のドレインに接続されている。
【0044】
全く同様に、nチャネルMOSFET11のソースも、配線29を介して、抵抗26、キャパシタ27、およびnチャネルMOSFET28のドレインに接続されている。
【0045】
抵抗26は、配線30を介して、nチャネルMOSFET31のドレインに接続されている。
【0046】
nチャネルMOSFET31のゲートは、配線32を介して、キャパシタ27に接続されており、配線33を介して、nチャネルMOSFET28のソースに接続されており、また、配線34に接続されている。この配線34に、イネーブル信号(EN信号)が印加可能である。
【0047】
nチャネルMOSFET31のソースは、配線35を介して、接地電位(RCV_GND)に接続されている。
【0048】
配線34に印加され、nチャネルMOSFET31を適切に制御するイネーブル信号(EN信号)を用いて、電源電圧RCV_SUPと接地電位(RCV_GND)との間の経路を、イネーブル信号の状態に応じて、閉鎖または開通させることができる(そして、このことにより、コンパレータ/レシーバ回路アッセンブリ1は、全体として、ディスエーブル状態またはイネーブル状態になる)。
【0049】
さらに、図1から分かるように、コンパレータ/レシーバ回路アッセンブリ1の出力段6は、2つのトランジスタ41・42(つまり、nチャネルMOSFET42およびpチャネルMOSFET41)を備えている。
【0050】
nチャネルおよびpチャネルのMOSFET41・42のゲートは、上記配線15に接続されており(入力段5にも接続されている)。
【0051】
pチャネルMOSFET41のソースは、上記電源電圧(RCV_SUP)に接続されており、nチャネルMOSFET42のソースは、接地(RCV_GND)に接続されている。
【0052】
nチャネルおよびpチャネルのMOSFET41・42のドレインは、上記(出力)配線3に接続されている。この配線3において、既述のように、コンパレータ/レシーバ回路アッセンブリ1によって提供される出力信号OUTを検出することができる。
【0053】
さらに、図1から分かるように、コンパレータ/レシーバ回路アッセンブリ1の基準レベル変換段7は、複数のトランジスタ51・52・53・54・55・56(つまり複数のnチャネルMOSFET53・54・55・56と複数のpチャネルMOSFET51・52)とを備えている。
【0054】
pチャネルMOSFET51・52のソースは、上記電源電圧(RCV_SUP)に接続されている。
【0055】
pチャネルMOSFET51のゲートは、配線57を介して、pチャネルMOSFET52のゲートに接続されている。
【0056】
pチャネルMOSFET51のドレインは、nチャネルMOSFET53のドレインに接続されており、pチャネルMOSFET52のドレインは、nチャネルMOSFET54のドレインに接続されている。
【0057】
nチャネルMOSFET53・54のソースは、nチャネルMOSFET55のドレインに接続されており、nチャネルMOSFET55のソースは、nチャネルMOSFET56のドレインに接続されている。
【0058】
nチャネルMOSFET56のソースは、接地電位(RCV_GND)に接続されており、nチャネルMOSFET56のゲートは、配線58に接続されており、この配線58に、上記のイネーブル信号(EN信号)、または、任意の他のイネーブル信号(EN信号)が印加される。
【0059】
nチャネルMOSFET55のゲートおよびnチャネルMOSFET54のゲートは、上記配線4に接続されている。この配線4に、上述のとおり、上記基準信号VREFが現れる。
【0060】
基準信号VREFは、場合によってはその信号の大きさに対応した強い変動(例えば5%にまで)を受けるが、基準レベル変換段7を用いることにより、補正された基準信号VREFmodに変換される。補正された基準信号VREFmodは、nチャネルMOSFET53のゲート(および/または、nチャネルMOSFET53のドレインおよびpチャネルMOSFET51のドレイン)と接続されている上記配線24に出力される。この基準信号VREFmodは、僅かな変動を受けるに過ぎない(そして、例えば基準信号VREFよりもほんの少し高い電圧レベル(例えば約100mVだけ高い電圧レベル)を有している。その結果、入力信号VINは、内部で、正確な基準信号VREFとではなく、少し高くなった基準信号VREFmodと比較される)。
【0061】
入力段5および/またはコンパレータ/レシーバ回路アッセンブリ1をイネーブルおよび/またはディスエーブルとする役割を果たす回路部分、特に、例えばnチャネルMOSFET31を備える回路部分、および/または、信号を増幅する役割を果たす(ここではnチャネルMOSFET10・11とpチャネルMOSFET8・9とを備える)回路部分は、(特に、以下でさらに詳しく説明する違い、および/または、例えば図1から分かるような違い以外は)それぞれの機能を有する従来の入力段および/またはコンパレータ/レシーバ回路アッセンブリの回路部分と類似してまたは同一に構成され、動作してもよい。
【0062】
特に、上記信号増幅器として機能する回路部分は、配線2に現れる信号VINの電圧レベルが、上記基準信号VREF(または、より正確にはVREFMod)の電圧レベルを上回っていれば、「論理ロー」(または、「論理ハイ」でもよい)の信号bOUTを、上記配線15に出力する。その結果、出力段から配線3に出力される信号OUTは、「論理ハイ」(または、「論理ロー」でもよい)の状態となる。
【0063】
逆に、上記信号増幅器として機能する回路部分は、配線2に現れる信号VINの電圧レベルが、上記基準信号VREF(および/またはVREFMod)の電圧レベルを下回っていれば、「論理ハイ」(または、「論理ロー」でもよい)の信号bOUTを、上記配線15に出力する。その結果、出力段から配線3に出力される信号OUTは、「論理ロー」(または、「論理ハイ」でもよい)の状態となる。
【0064】
図1から分かるように、コンパレータ/レシーバ回路アッセンブリ1では、上記(第1)の正のスイングを制限する機能を果たすスイング/スルー制限回路18が、トランジスタ(ここでは、nチャネルMOSFET180)を備えている。このトランジスタのゲートは、上記配線17を介して、(入力)配線2(およびnチャネルMOSFET10のゲート、および、上記配線19・21)に接続されており、配線182を介して接地電位(RCV_GND)に接続されている。
【0065】
nチャネルMOSFET180のドレインは、配線181を介して上記電源電圧(RCV_SUP)に接続されている。
【0066】
さらに、nチャネルMOSFET180のソースは、配線184を介して、上記AC結合デバイス22に接続されているとともに、配線183を介してnチャネルMOSFET8・9のゲートに接続されており、また、pチャネルおよびnチャネルのMOSFET9・11のドレインに接続されている。
【0067】
AC結合デバイス22はキャパシタ185を備えている。このキャパシタ185は、配線184を介して、スイング/スルー制限回路18(特に、nチャネルMOSFET180のソース)に接続されているとともに、配線183を介して、pチャネルMOSFET8・9のゲートに接続されており、また、pチャネルおよび/またはnチャネルのMOSFET9・11のドレインに接続されており、さらに、配線21を介して(入力)配線2(およびnチャネルMOSFET10のゲート)に接続されている。
【0068】
負のスイングを制限する機能を果たす(他の)スイング/スルー制限回路20は、トランジスタ(ここではpチャネルMOSFET200)を備えている。このトランジスタのゲートは、上記配線19を介して(入力)配線2(そして、nチャネルMOSFET10のゲートおよび上記配線17・21)に接続されており、配線202を介して、配線201に接続されている。配線201は、pチャネルMOSFET200のソースおよび上記電源電圧(PCV_SUP)に接続されている。
【0069】
さらに、pチャネルMOSFET200のドレインは、配線204を介して、nチャネルMOSFET10・11のソースに接続されているとともに、抵抗26、キャパシタ27、およびnチャネルMOSFET28のドレインに接続されている。
【0070】
(入力)配線2を、AC結合デバイス22、特に、キャパシタ185を介して、pチャネルMOSFET8・9(すなわち、pチャネル負荷)のゲートを制御する内部回路アッセンブリの節点Aに上記のように結合することにより、pチャネルMOSFET8・9のスイッチング性能を改善することができ、および/または、コンパレータ/レシーバ回路アッセンブリ1によって得られる信号応答時間を場合によっては大きく改善することができる(なぜなら、AC結合デバイス22によって、入力信号VINに含まれる情報を、先行して節点Aに伝達する結果、負荷トランジスタ8がより速くスイッチオーバーするからである)。
【0071】
さらに、AC結合デバイス22によって得られる結合によって、プロセスの変動、電圧の変動、および/または温度の変動に起因するDCスイッチングレベルの変動を、少なくとも部分的に補償することができる。
【0072】
入力信号VINの電圧レベルが(高周波アプリケーションにおいて頻繁に)特に急速に変化する(「リンギング」)場合に、および/または、入力信号電圧レベルが特に高い、または、特に低い場合に(特に、入力信号VINの電圧レベルが、基準信号VREFおよび/またはVREFmodの電圧レベルをはるかに上回っている、または、下回っている場合に)、コンパレータ/レシーバ回路アッセンブリ1が誤ってスイッチ(オーバー)しないようにするため、(特に、入力信号が依然として基準信号VREFmodを上回っている(または、下回っている)にもかかわらず、何もしなければ、上記AC結合デバイス22によって上記の場合に誤って引き起こされる可能性のあるスイッチオーバーを、防止するために)コンパレータ/レシーバ回路アッセンブリ1には、さらに上記スイング/スルー制限回路18・20が備えられている。
【0073】
スイング/スルー制限回路18・20によって得られるスイング/スルー制限では、図1から分かるように、(比較的弱い)nチャネル(特に、例えば、nチャネル型MOSFET180を参照)が使用される。このnチャネルは、上記(比較的強い)pチャネル負荷(特に、pチャネル型MOSFET8・9)によりスイッチされ/上記pチャネル負荷を介して接続されている。また、コンパレータ/レシーバ回路アッセンブリ1のソース結合点VMにおけるテール電圧を制御するために、(比較的弱い)pチャネル(特に、pチャネル型MOSFET200を参照)が使用される。
【0074】
nチャネル型MOSFET180およびpチャネル型MOSFET200のゲートは、入力信号VINによって制御されるので、nチャネル型MOSFET180およびpチャネル型MOSFET200は、「電圧制御抵抗」としてそれぞれ機能する。入力信号VINの電圧レベルが、対応する値を上回って(および/または、過度に強く、および/または、過度に高速に)上昇し、または、対応する値を下回って(および/または、過度に強く、および/または、過度に高速に)下降する場合は、nチャネル型および/またはpチャネル型MOSFET180・200は、それぞれ対応して(より強く)スイッチオンされ、入力信号VINの(過度に強い)上昇および/または下降に起因する、AC結合デバイス22によって引き起こされる負の作用に対抗するように作用する。
【0075】
信号レベル変化が臨界的なものではない場合(すなわち、入力信号VINの電圧レベルが比較的ゆっくりと変化する場合、および/または、入力信号VINが基準信号VREFおよび/またはVREFmodをわずかに上回っている、またはわずかに下回っている場合)は、nチャネルMOSFET180とpチャネルMOSFET200とのゲートドライブは比較的小さく、コンパレータ/レシーバ回路アッセンブリ1の動作に対しては全く影響しない、または、ほんの少ししか影響しない。
【0076】
図1から分かるように(および、上で既に説明したように)、コンパレータ/レシーバ回路アッセンブリ1では、容量性の素子(つまり、上記キャパシタ27)が、ソース結合点VMと、接地電位(RCV_GND)との間に(実際はトランジスタ31を介して)接続されている。キャパシタ27の電圧は急に変化することができないので、ソース結合点VMにおける電圧も、入力信号(VIN)の電圧レベルの状態の変化に急に追随することはできない。その結果、入力信号(VIN)の電圧レベルの状態が変化する場合に、nチャネルMOSFET10では、従来のコンパレータ/レシーバ回路アッセンブリよりも大きなゲート−ソース間電圧を得て、より速いスイッチオーバーが可能となる。
【0077】
従来のコンパレータ/レシーバ回路アッセンブリとは異なり、図1に示すコンパレータ/レシーバ回路アッセンブリ1は、必ずしも対称な構成である必要はなく、非対称な構成であってもよい。特に、pチャネル負荷(および/または、出力側のpチャネル型MOSFET8、および、カレントミラー側のpチャネル型MOSFET)は、従来のコンパレータ/レシーバ回路アッセンブリとは異なり、対称ではなく、非対称であり、および/または、大きさが異なって(特に、例えば、大きさが20%を上回って、例えば40%を上回って異なって)いてよい。
【0078】
従来のコンパレータ/レシーバ回路アッセンブリと比較して、図1に示すコンパレータ/レシーバ回路アッセンブリ1では、pチャネル型MOSFET9と接続されているカレントミラー側の(比較的小さな)信号インピーダンスが増加しており、その結果、これによって引き起こされるpチャネル型MOSFET8のより大きなスイングにより、出力側をより強く駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の一実施例のコンパレータ回路アッセンブリ、特に、コンパレータ/レシーバ回路アッセンブリの概略図である。
【符号の説明】
【0080】
1 コンパレータ/レシーバ回路アッセンブリ
2 配線
3 配線
4 配線
5 入力段
6 出力段
7 基準レベル変換段
8 pチャネル型MOSFET
9 pチャネル型MOSFET
10 pチャネル型MOSFET
11 pチャネル型MOSFET
12 配線
13 配線
14 配線
15 配線
16 配線
17 配線
18 スイング/スルー制限回路
19 配線
20 スイング/スルー制限回路
21 配線
22 AC結合デバイス
23 配線
24 配線
25 配線
26 抵抗
27 キャパシタ
28 nチャネル型MOSFET
29 配線
30 配線
31 nチャネル型MOSFET
32 配線
33 配線
34 配線
35 配線
41 pチャネル型MOSFET
42 nチャネル型MOSFET
51 pチャネル型MOSFET
52 pチャネル型MOSFET
53 nチャネル型MOSFET
54 nチャネル型MOSFET
55 nチャネル型MOSFET
56 nチャネル型MOSFET
57 配線
58 配線
180 nチャネル型MOSFET
181 配線
182 配線
183 配線
184 配線
185 キャパシタ
200 pチャネル型MOSFET
201 配線
202 配線
204 配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御入力部が相互に接続されている第1および第2トランジスタ(8,9)と、
上記第1トランジスタ(8)に接続されており、制御入力部に入力信号(VIN)が印加される第3トランジスタ(10)と、
上記第2トランジスタ(9)に接続されており、制御入力部に基準信号(VREFmod,VER)が印加される第4トランジスタ(11)とを備え、
上記第3トランジスタ(10)の制御入力部は、結合デバイス(22)を介して、上記第1および第2トランジスタ(8,9)の制御入力部に接続されている、コンパレータ回路アッセンブリ(1)、特にコンパレータ/レシーバ回路アッセンブリ。
【請求項2】
上記結合デバイス(22)は、キャパシタ(185)を備えている請求項1に記載のコンパレータ回路アッセンブリ(1)。
【請求項3】
上記入力信号(VIN)と上記基準信号(VREFmod、VER)との間の差が大きい場合に上記結合デバイス(22)によって引き起こされる影響を制限するための制御デバイス(18)を備える請求項1に記載のコンパレータ回路アッセンブリ(1)。
【請求項4】
上記制御デバイス(18)は、制御入力部に入力信号(VIN)が印加されるとともに上記第1および第2トランジスタ(8,9)の制御入力部に接続された、他のトランジスタ(180)を備える請求項3に記載のコンパレータ回路アッセンブリ(1)。
【請求項5】
上記他のトランジスタ(180)は、さらに上記結合デバイス(22)に接続されている請求項4に記載のコンパレータ回路アッセンブリ(1)。
【請求項6】
上記第1、第2、および、他のトランジスタ(8,9,180)に、電源電圧(RCV_SUP)が印加される請求項4または5に記載のコンパレータ回路アッセンブリ(1)。
【請求項7】
上記入力信号(VIN)と上記基準信号(VREFmod、VER)との間の差が大きい場合に上記結合デバイス(22)によって引き起こされる影響を制限するための他の制御デバイス(20)を備える請求項3から6のいずれか1項に記載のコンパレータ回路アッセンブリ(1)。
【請求項8】
上記入力信号(VIN)のレベルが上記基準信号(VREFMod,VER)のレベルよりも高い場合に、上記制御デバイス(18)は、上記結合デバイス(22)によって引き起こされる影響を制限し、
上記入力信号(VIN)のレベルが上記基準信号(VREFMod,VER)のレベルよりも低い場合に、上記他の制御デバイス(20)は、上記結合デバイス(22)によって引き起こされる影響を制限する請求項7に記載のコンパレータ回路アッセンブリ(1)。
【請求項9】
上記他の制御装置(20)は、制御入力部に上記入力信号(VIN)が印加されるとともに上記第3および第4のトランジスタ(10,11)に接続された、他のトランジスタ(200)を備える請求項7または8に記載のコンパレータ回路アッセンブリ(1)。
【請求項10】
上記他のトランジスタ(200)に、上記電源電圧(RCV_SUP)が印加される請求項9に記載のコンパレータ回路アッセンブリ(1)。
【請求項11】
上記第3および第4のトランジスタ(10,11)は、容量性の素子(27)と接続されている請求項1〜9のいずれか1項に記載のコンパレータ回路アッセンブリ(1)。
【請求項12】
上記他のトランジスタ(200)は、上記容量性の素子(27)と接続されている、請求項11に記載のコンパレータ回路アッセンブリ(1)。
【請求項13】
上記第1および第2のトランジスタ(8,9)は、電界効果トランジスタである請求項1〜12のいずれか1項に記載のコンパレータ回路アッセンブリ(1)。
【請求項14】
上記第1および第2のトランジスタ(8,9)は、pチャネル型の電界効果トランジスタである請求項13に記載のコンパレータ回路アッセンブリ(1)。
【請求項15】
上記他のトランジスタ(180)は、電界効果トランジスタである請求項4〜14のいずれか1項に記載のコンパレータ回路アッセンブリ(1)。
【請求項16】
上記他のトランジスタ(180)は、nチャネル型の電界効果トランジスタである請求項15に記載のコンパレータ回路アッセンブリ(1)。
【請求項17】
上記第3および第4のトランジスタ(10,11)は、電界効果トランジスタである請求項1〜16のいずれか1項に記載のコンパレータ回路アッセンブリ(1)。
【請求項18】
上記第3および第4のトランジスタ(10,11)は、nチャネル型の電界効果トランジスタである請求項17に記載のコンパレータ回路アッセンブリ(1)。
【請求項19】
上記他のトランジスタ(200)は、電界効果トランジスタである請求項9〜18のいずれか1項に記載のコンパレータ回路アッセンブリ(1)。
【請求項20】
上記他のトランジスタ(200)が、pチャネル電界効果トランジスタである請求項19に記載のコンパレータ回路アッセンブリ(1)。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか1項に記載のコンパレータ回路アッセンブリ(1)を有する半導体コンポーネント。
【請求項22】
上記入力信号(VIN)は、上記半導体コンポーネントの入力信号である請求項21に記載の半導体コンポーネント。

【図1】
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