特に風車のための基礎及び風車
【課題】より簡単に製造されることができ、風車の建設場所において時間を節約し、より高い品質で製造されることができる、特に風車のための基礎を提供する。
【解決手段】基礎1、特に風車の基礎において、中央基礎部材7と、複数の基礎セグメント2とを有し、該基礎セグメントが、円形、環状又は多角形の基礎エレメントのセグメントであり、且つ1つ又は2つ以上のロッキングエレメントによって中央基礎部材7に結合されている。
【解決手段】基礎1、特に風車の基礎において、中央基礎部材7と、複数の基礎セグメント2とを有し、該基礎セグメントが、円形、環状又は多角形の基礎エレメントのセグメントであり、且つ1つ又は2つ以上のロッキングエレメントによって中央基礎部材7に結合されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎、特に風車の基礎、及び風車に関する。
【背景技術】
【0002】
風車は、通常、上部に風車のロータと、ハウジングと、発電機とを支持した極めて高いタワーを備える設備である。ロータ翼の大きな半径又は長さを備えたロータの使用を可能にするために、使用されるタワーの高さは極めて大きいので、風車は極めて重い。さらに、風車は、もちろん一般的に、強風がほぼ常時吹いているような地理的領域に設置されるので、風車の構造は、一般的に高い風速の強風によるこのようなタービンに作用する力に耐えるように強くなければならない。
【0003】
したがって、強い基礎が、このような風車の構造の必要条件である。
【0004】
このような基礎は、技術分野において公知である。記事BONUS Wind Turbines, Foundations, Foundation, Bonus Wind Turbines, rev.3、第1頁〜第4頁、2002年3月21日は、コンクリート製の中央台座を備えたコンクリート製のベースプレートを備えた重力基礎を開示している。さらに、前記文献は、所要の深さまで地中に打ち込まれる予め製造された杭を備えた、杭式基礎と、現場において成形される杭を備えた基礎とを開示している。
【0005】
欧州特許第1058787号明細書は、鋼から、実質的に均一に形成されたベース片セグメントから組み立てられた基礎を開示しており、前記ベース片は、組み立てられた片セグメントが、円の中心に穴を備える円形の鋼製の基礎を形成するように、配置されている。
【0006】
陸上基礎は、現場において基礎を打ち込むための標準的なコンクリート打込み技術を使用して、風車の設置場所において形成される。欧州特許第1058787号明細書は、陸上では使用されない洋上基礎を開示している。
【0007】
前記基礎の欠点は、コンクリート基礎が、風車の設置場所において製造するのが困難であり、鋼製の基礎は、重い陸上風車の基礎には適していないということである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第1058787号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の第1の目的は、より簡単に製造されることができ、風車の建設場所において時間を節約し、より高い品質で製造されることができる、特に風車のための基礎を提供することである。
【0010】
本発明の第2の目的は、有利な基礎を備えた風車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の目的は、請求項1の特徴による基礎によって達成され、本発明の第2の目的は、請求項9に記載の風車によって達成される。従属請求項は、さらなる発展を含む。
【0012】
本発明による基礎、特に風車の基礎は、中央基礎部材と、複数の基礎セグメントとを有し、基礎セグメントは、円形、環状、又は多角形の基礎エレメントのセグメントであり、1つ又は2つ以上のロッキングエレメントによって中央基礎部材に結合されている。基礎は、特に、浅い基礎として形成されていてよい。
【0013】
ロッキングエレメントは、例えば、それぞれ、基礎セグメントの凹所又は突出部と協働する、中央基礎部材の環状又は多角形の突出部又は環状又は多角形の凹所であってよい。これにより、基礎セグメントの凹所又は突出部は、中央基礎部材における突出部又は凹所と係合することができる。
【0014】
本発明の実施形態によれば、複数の基礎セグメント、又は基礎セグメントと基礎部材とは、セグメントを包囲する又はセグメントによって組み込まれている固定手段によって結合されている。固定手段は、特に、セグメントを包囲するストラップ、例えば鋼帯材であってよい。利点は、複数のセグメントの周方向に延びた肩部の位置おいてセグメントの周囲にストラップを取り付けることである。
【0015】
本発明の別の実施形態に関して、基礎セグメントと、基礎部材とは、コンクリート、グラウト、又はモルタルによって結合されている。これは、セグメントと部材との間のより良好な結合を提供し、セグメントと部材とのそれぞれの相対移動を低減する。使用されるコンクリート、グラウト、又はモルタルの量は、現場打ちのために使用されなければならない材料と比較してかなり少ないので、このプロセスは、基礎の全体を現場打ちするプロセスよりも迅速に製造することができる。実際の実施において、基礎部材は、底板であるか、又は底板を含んでいる。基礎セグメントと、底板は、鉄筋を有しており、基礎セグメントと底板が基礎の位置に配置された場合に、基礎セグメントと底板の鉄筋が重なり合う。鉄筋を備えた基礎セグメントと、鉄筋を備えた底板は、コンクリート、グラウト、又はモルタルによって結合される。
【0016】
さらに、基礎セグメントと底板はコンクリートによって結合されると有利である。硬化の後、結合するコンクリートは、底板と共に基礎部材を形成することができる。言い換えれば、基礎部材は、完全に予め製造されているのではなく、建設現場において部分的に打ち込まれ、その場合セグメントは好適には予め製造されている。
【0017】
本発明による基礎において、基礎セグメントは、風車のタワーを係止するための係止エレメントを有していてよい。択一的に、基礎セグメントは、係止エレメント自体の代わりに、このような係止エレメントのための支持エレメントを有していてよい。
【0018】
本発明による風車は、本発明による基礎と、基礎に係止されたタワーとを有する。
【0019】
本発明の上記特徴及び利点並びにそのための特徴及び利点は、添付の図面を参照した、発明の典型的な実施形態の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による基礎の第1の実施形態の斜視図である。
【図2】第1の実施形態の斜視断面図である。
【図3】第1の実施形態の概略的な断面図である。
【図4】第1の実施形態の概略的な断面図である。
【図5】本発明による基礎の第2の実施形態を示す概略的な断面図である。
【図6】基礎又は基礎セグメントの配置を示す図である。
【図7】基礎又は基礎セグメントの別の配置を示す図である。
【図8】基礎又は基礎セグメントのさらに別の配置を示す図である。
【図9】基礎又は基礎セグメントのさらに別の配置を示す図である。
【図10】基礎又は基礎セグメントの傾斜を示す図である。
【図11】基礎又は基礎セグメントの傾斜を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、特に風車のための、本発明の第1の実施形態による基礎1を斜視図で示している。基礎1は、複数の基礎セグメント2を有しており、これらの基礎セグメントは、円形又は多角形の基礎を構成するように配置されている。各セグメント2は、基礎の中心の方において、すなわち風車の方において突出した肩部3を有しており、この肩部には、風車タワーのエレメント5を基礎1に固定するために使用されるための固定手段4が設けられている。
【0022】
固定手段4は、好適には、基礎1に風車のタワーのエレメント5を固定することができる、ボルト又はアンカ、特に植込ボルトである。ボルト又は植込ボルトは基礎のセグメント2に一体に結合されているので、円形又は多角形の基礎にタワーの円形のエレメント5をナット及びねじによって固定することを可能にする。しかしながら、肩部3に固定手段4自体を提供する代わりに、基礎セグメント2の部分でもなく、タワーエレメント5の部分でもない個々のエレメントのタワーエレメント5の部分のための支持体のみを提供することも可能である。
【0023】
図2は、図1に示された基礎1の断面図を示している。断面図は、第1の実施形態における、セグメント2の側面6と、中央基礎部材7とを示している。
【0024】
中央基礎部材7は、中央部分8と、側部9,10とを有している。中央部分8は、2つの側部9,10よりも大きな直径若しくは半径を有する。さらに、中央基礎部材7は、中央基礎部材7の軸方向に整合させられた穴11を有する。
【0025】
セグメント2は、肩部3の半径方向内側の面において、凹所12を有している。したがって、側面6は凹所12を示している。図2に示されているように、中央基礎部材7の延長部8は、セグメント2の凹所12内に配置されている。これにより、セグメント2と中央基礎部材7との緊密で安定した結合が提供される。つまり、中央部分8と凹所12とは、中央基礎部材7に対する基礎セグメント2の傾斜を阻止するためのロッキング部材として働く。
【0026】
セグメント2と中央基礎部材7との緊密な嵌合を提供するために、付加的なコンクリート、グラウト、又はモルタルの充填が有利である。これにより、セグメント2と中央基礎部材7との間の小さなスリット又は溝さえも充填することができる。さらに、図2は、固定手段4が、セグメント2の肩部3の上側の面に配置されていることを示している。
【0027】
図1及び図2に示されているように、セグメントは、円形又は多角形に配置されており、閉鎖された円形又は多角形の構造を形成している。したがって、セグメントの形状は、基礎を上方から見た場合にケーキの一切れのように見える。
【0028】
基礎1は、複数のセグメントと、中央基礎部材との集合体であり、複数のセグメントと中央基礎部材は、建設現場において1片の基礎を形成するように結合及び固定される。風車の建設現場以外の製造場所におけるセグメントの形成及び製造は、天候に左右されない製造を可能にし、このことは、より高いコンクリート品質、製造プロセスのより良い制御、製品及びプロセスのより良い質の制御、及び建設現場におけるより短い建設時間を可能にし、このことはコスト低減につながるので有利である。
【0029】
図3及び図4は、基礎の断面図を示しており、基礎は、セグメント2と、中央基礎部材7とを有しており、セグメントは中央基礎部材7に締め付けられている。さらに、セグメント2は、ストラップ13によって締め付けられており、このストラップ13は、セグメントを、例えば中央の位置において、例えばセグメントの肩部3と半径方向に延びたウイング14との間の移行部分において、包囲していると有利である。
【0030】
これは、セグメント2が個別に傾斜しないように作用し、これにより、基礎全体が傾斜させられなければならないので、より安定した構成が得られる。
【0031】
発明の別の実施形態によれば、中央基礎部材7は建設現場において打たれることができるのに対して、セグメント2は、セグメント2集合体の穴の中央空間を充填する前に、予め製造され、予め組み立てられる。このような実施形態は、図5に概略的に示されている。この実施形態において、中央基礎部材7は、予め製造された底板71を有しており、この底板の周囲に、基礎セグメント2が建設現場において配置される。底板71は、セグメントの下端部において、これらのセグメント2を中心合わせする。工具72、例えば鋼板が、セグメント2の上端部においてこれらのセグメントを中心合わせするために使用されてよい。
【0032】
底板71と基礎セグメント2には、鉄筋73,74が装備されている。セグメント2の鉄筋74は、セグメントの半径方向内側の端部に配置されており、基礎セグメント2が所定の位置に配置された場合に底板71の鉄筋73の上方に突出する。工具72を取り外した後、セグメント2の間の空間をコンクリートで充填する前に、基礎セグメント2の鉄筋74の上に、上層の鉄筋75が配置されてよい。鉄筋73,74,75は、コンクリートが硬化された後、基礎1の良好な一体構造を提供する。言い換えれば、鉄筋73,74,75と、硬化したコンクリートは、中央基礎部材に対する基礎セグメント2の傾斜を阻止するためのロッキング部材として働く。
【0033】
図6から図9は、風車のタワーの複数の基礎を配置するための様々な形態を示している。図6は、十字形に配置された4個の矩形の基礎50の配置を示している。図7は、45゜の個々の角度を成して配置された2つの十字の形に配置された8個の矩形の基礎51の配置を示している。このような配置は既にほぼ円形になっている。図8は、30゜の個々の角度を成して配置された3つの十字の形に配置された12個の矩形の基礎52の配置を示している。このような配置は既にほとんど円形である。最後だが重要性が一番小さいわけではない図9は、ケーキのピースのような形状を有する12個の基礎セグメント53の配置を示しており、これらの基礎セグメントは、連続的なシェルとして円又は環を形成するように配置されている。
【0034】
図10及び図11は、図6の2つの基礎のような基礎60,61の傾斜の状態を示している。図10では、両基礎60は、互いに非平行に傾斜させられている。これは、垂直軸線に対する傾斜角度が、同じ大きさであるが、逆の代数符号を有することを意味する。図11では、両基礎61は同じ方向に傾斜させられている。これは、垂直軸線に対する傾斜角度が、同じ大きさで且つ同じ代数符号を有する。
【0035】
これは、基礎が、他の基礎又は基礎セグメントに対して固定されなければならないことを意味する。これは、第1の実施形態によれば、完全に予め製造された中央基礎部材及び基礎セグメントがストラップによって締め付けられることによって、又は第2の実施形態によれば、底板と、鉄筋と、コンクリートとを使用することによって行われ、コンクリートは、底板をセグメントに結合し且つコンクリートが硬化した後に底板と共に中央基礎部材を形成する。
【符号の説明】
【0036】
1 基礎、 2 基礎セグメント、 3 肩部、 4 固定手段、 5 エレメント、 6 側面、 7 中央基礎部材、 8 中央部分、 9,10 側部、 11 穴、 12 凹所、 13 ストラップ、 14 ウイング、 50,51,52 基礎、 53 基礎セグメント、 60,61 基礎、 71 底板、 73,74,75 鉄筋
【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎、特に風車の基礎、及び風車に関する。
【背景技術】
【0002】
風車は、通常、上部に風車のロータと、ハウジングと、発電機とを支持した極めて高いタワーを備える設備である。ロータ翼の大きな半径又は長さを備えたロータの使用を可能にするために、使用されるタワーの高さは極めて大きいので、風車は極めて重い。さらに、風車は、もちろん一般的に、強風がほぼ常時吹いているような地理的領域に設置されるので、風車の構造は、一般的に高い風速の強風によるこのようなタービンに作用する力に耐えるように強くなければならない。
【0003】
したがって、強い基礎が、このような風車の構造の必要条件である。
【0004】
このような基礎は、技術分野において公知である。記事BONUS Wind Turbines, Foundations, Foundation, Bonus Wind Turbines, rev.3、第1頁〜第4頁、2002年3月21日は、コンクリート製の中央台座を備えたコンクリート製のベースプレートを備えた重力基礎を開示している。さらに、前記文献は、所要の深さまで地中に打ち込まれる予め製造された杭を備えた、杭式基礎と、現場において成形される杭を備えた基礎とを開示している。
【0005】
欧州特許第1058787号明細書は、鋼から、実質的に均一に形成されたベース片セグメントから組み立てられた基礎を開示しており、前記ベース片は、組み立てられた片セグメントが、円の中心に穴を備える円形の鋼製の基礎を形成するように、配置されている。
【0006】
陸上基礎は、現場において基礎を打ち込むための標準的なコンクリート打込み技術を使用して、風車の設置場所において形成される。欧州特許第1058787号明細書は、陸上では使用されない洋上基礎を開示している。
【0007】
前記基礎の欠点は、コンクリート基礎が、風車の設置場所において製造するのが困難であり、鋼製の基礎は、重い陸上風車の基礎には適していないということである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第1058787号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の第1の目的は、より簡単に製造されることができ、風車の建設場所において時間を節約し、より高い品質で製造されることができる、特に風車のための基礎を提供することである。
【0010】
本発明の第2の目的は、有利な基礎を備えた風車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の目的は、請求項1の特徴による基礎によって達成され、本発明の第2の目的は、請求項9に記載の風車によって達成される。従属請求項は、さらなる発展を含む。
【0012】
本発明による基礎、特に風車の基礎は、中央基礎部材と、複数の基礎セグメントとを有し、基礎セグメントは、円形、環状、又は多角形の基礎エレメントのセグメントであり、1つ又は2つ以上のロッキングエレメントによって中央基礎部材に結合されている。基礎は、特に、浅い基礎として形成されていてよい。
【0013】
ロッキングエレメントは、例えば、それぞれ、基礎セグメントの凹所又は突出部と協働する、中央基礎部材の環状又は多角形の突出部又は環状又は多角形の凹所であってよい。これにより、基礎セグメントの凹所又は突出部は、中央基礎部材における突出部又は凹所と係合することができる。
【0014】
本発明の実施形態によれば、複数の基礎セグメント、又は基礎セグメントと基礎部材とは、セグメントを包囲する又はセグメントによって組み込まれている固定手段によって結合されている。固定手段は、特に、セグメントを包囲するストラップ、例えば鋼帯材であってよい。利点は、複数のセグメントの周方向に延びた肩部の位置おいてセグメントの周囲にストラップを取り付けることである。
【0015】
本発明の別の実施形態に関して、基礎セグメントと、基礎部材とは、コンクリート、グラウト、又はモルタルによって結合されている。これは、セグメントと部材との間のより良好な結合を提供し、セグメントと部材とのそれぞれの相対移動を低減する。使用されるコンクリート、グラウト、又はモルタルの量は、現場打ちのために使用されなければならない材料と比較してかなり少ないので、このプロセスは、基礎の全体を現場打ちするプロセスよりも迅速に製造することができる。実際の実施において、基礎部材は、底板であるか、又は底板を含んでいる。基礎セグメントと、底板は、鉄筋を有しており、基礎セグメントと底板が基礎の位置に配置された場合に、基礎セグメントと底板の鉄筋が重なり合う。鉄筋を備えた基礎セグメントと、鉄筋を備えた底板は、コンクリート、グラウト、又はモルタルによって結合される。
【0016】
さらに、基礎セグメントと底板はコンクリートによって結合されると有利である。硬化の後、結合するコンクリートは、底板と共に基礎部材を形成することができる。言い換えれば、基礎部材は、完全に予め製造されているのではなく、建設現場において部分的に打ち込まれ、その場合セグメントは好適には予め製造されている。
【0017】
本発明による基礎において、基礎セグメントは、風車のタワーを係止するための係止エレメントを有していてよい。択一的に、基礎セグメントは、係止エレメント自体の代わりに、このような係止エレメントのための支持エレメントを有していてよい。
【0018】
本発明による風車は、本発明による基礎と、基礎に係止されたタワーとを有する。
【0019】
本発明の上記特徴及び利点並びにそのための特徴及び利点は、添付の図面を参照した、発明の典型的な実施形態の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による基礎の第1の実施形態の斜視図である。
【図2】第1の実施形態の斜視断面図である。
【図3】第1の実施形態の概略的な断面図である。
【図4】第1の実施形態の概略的な断面図である。
【図5】本発明による基礎の第2の実施形態を示す概略的な断面図である。
【図6】基礎又は基礎セグメントの配置を示す図である。
【図7】基礎又は基礎セグメントの別の配置を示す図である。
【図8】基礎又は基礎セグメントのさらに別の配置を示す図である。
【図9】基礎又は基礎セグメントのさらに別の配置を示す図である。
【図10】基礎又は基礎セグメントの傾斜を示す図である。
【図11】基礎又は基礎セグメントの傾斜を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、特に風車のための、本発明の第1の実施形態による基礎1を斜視図で示している。基礎1は、複数の基礎セグメント2を有しており、これらの基礎セグメントは、円形又は多角形の基礎を構成するように配置されている。各セグメント2は、基礎の中心の方において、すなわち風車の方において突出した肩部3を有しており、この肩部には、風車タワーのエレメント5を基礎1に固定するために使用されるための固定手段4が設けられている。
【0022】
固定手段4は、好適には、基礎1に風車のタワーのエレメント5を固定することができる、ボルト又はアンカ、特に植込ボルトである。ボルト又は植込ボルトは基礎のセグメント2に一体に結合されているので、円形又は多角形の基礎にタワーの円形のエレメント5をナット及びねじによって固定することを可能にする。しかしながら、肩部3に固定手段4自体を提供する代わりに、基礎セグメント2の部分でもなく、タワーエレメント5の部分でもない個々のエレメントのタワーエレメント5の部分のための支持体のみを提供することも可能である。
【0023】
図2は、図1に示された基礎1の断面図を示している。断面図は、第1の実施形態における、セグメント2の側面6と、中央基礎部材7とを示している。
【0024】
中央基礎部材7は、中央部分8と、側部9,10とを有している。中央部分8は、2つの側部9,10よりも大きな直径若しくは半径を有する。さらに、中央基礎部材7は、中央基礎部材7の軸方向に整合させられた穴11を有する。
【0025】
セグメント2は、肩部3の半径方向内側の面において、凹所12を有している。したがって、側面6は凹所12を示している。図2に示されているように、中央基礎部材7の延長部8は、セグメント2の凹所12内に配置されている。これにより、セグメント2と中央基礎部材7との緊密で安定した結合が提供される。つまり、中央部分8と凹所12とは、中央基礎部材7に対する基礎セグメント2の傾斜を阻止するためのロッキング部材として働く。
【0026】
セグメント2と中央基礎部材7との緊密な嵌合を提供するために、付加的なコンクリート、グラウト、又はモルタルの充填が有利である。これにより、セグメント2と中央基礎部材7との間の小さなスリット又は溝さえも充填することができる。さらに、図2は、固定手段4が、セグメント2の肩部3の上側の面に配置されていることを示している。
【0027】
図1及び図2に示されているように、セグメントは、円形又は多角形に配置されており、閉鎖された円形又は多角形の構造を形成している。したがって、セグメントの形状は、基礎を上方から見た場合にケーキの一切れのように見える。
【0028】
基礎1は、複数のセグメントと、中央基礎部材との集合体であり、複数のセグメントと中央基礎部材は、建設現場において1片の基礎を形成するように結合及び固定される。風車の建設現場以外の製造場所におけるセグメントの形成及び製造は、天候に左右されない製造を可能にし、このことは、より高いコンクリート品質、製造プロセスのより良い制御、製品及びプロセスのより良い質の制御、及び建設現場におけるより短い建設時間を可能にし、このことはコスト低減につながるので有利である。
【0029】
図3及び図4は、基礎の断面図を示しており、基礎は、セグメント2と、中央基礎部材7とを有しており、セグメントは中央基礎部材7に締め付けられている。さらに、セグメント2は、ストラップ13によって締め付けられており、このストラップ13は、セグメントを、例えば中央の位置において、例えばセグメントの肩部3と半径方向に延びたウイング14との間の移行部分において、包囲していると有利である。
【0030】
これは、セグメント2が個別に傾斜しないように作用し、これにより、基礎全体が傾斜させられなければならないので、より安定した構成が得られる。
【0031】
発明の別の実施形態によれば、中央基礎部材7は建設現場において打たれることができるのに対して、セグメント2は、セグメント2集合体の穴の中央空間を充填する前に、予め製造され、予め組み立てられる。このような実施形態は、図5に概略的に示されている。この実施形態において、中央基礎部材7は、予め製造された底板71を有しており、この底板の周囲に、基礎セグメント2が建設現場において配置される。底板71は、セグメントの下端部において、これらのセグメント2を中心合わせする。工具72、例えば鋼板が、セグメント2の上端部においてこれらのセグメントを中心合わせするために使用されてよい。
【0032】
底板71と基礎セグメント2には、鉄筋73,74が装備されている。セグメント2の鉄筋74は、セグメントの半径方向内側の端部に配置されており、基礎セグメント2が所定の位置に配置された場合に底板71の鉄筋73の上方に突出する。工具72を取り外した後、セグメント2の間の空間をコンクリートで充填する前に、基礎セグメント2の鉄筋74の上に、上層の鉄筋75が配置されてよい。鉄筋73,74,75は、コンクリートが硬化された後、基礎1の良好な一体構造を提供する。言い換えれば、鉄筋73,74,75と、硬化したコンクリートは、中央基礎部材に対する基礎セグメント2の傾斜を阻止するためのロッキング部材として働く。
【0033】
図6から図9は、風車のタワーの複数の基礎を配置するための様々な形態を示している。図6は、十字形に配置された4個の矩形の基礎50の配置を示している。図7は、45゜の個々の角度を成して配置された2つの十字の形に配置された8個の矩形の基礎51の配置を示している。このような配置は既にほぼ円形になっている。図8は、30゜の個々の角度を成して配置された3つの十字の形に配置された12個の矩形の基礎52の配置を示している。このような配置は既にほとんど円形である。最後だが重要性が一番小さいわけではない図9は、ケーキのピースのような形状を有する12個の基礎セグメント53の配置を示しており、これらの基礎セグメントは、連続的なシェルとして円又は環を形成するように配置されている。
【0034】
図10及び図11は、図6の2つの基礎のような基礎60,61の傾斜の状態を示している。図10では、両基礎60は、互いに非平行に傾斜させられている。これは、垂直軸線に対する傾斜角度が、同じ大きさであるが、逆の代数符号を有することを意味する。図11では、両基礎61は同じ方向に傾斜させられている。これは、垂直軸線に対する傾斜角度が、同じ大きさで且つ同じ代数符号を有する。
【0035】
これは、基礎が、他の基礎又は基礎セグメントに対して固定されなければならないことを意味する。これは、第1の実施形態によれば、完全に予め製造された中央基礎部材及び基礎セグメントがストラップによって締め付けられることによって、又は第2の実施形態によれば、底板と、鉄筋と、コンクリートとを使用することによって行われ、コンクリートは、底板をセグメントに結合し且つコンクリートが硬化した後に底板と共に中央基礎部材を形成する。
【符号の説明】
【0036】
1 基礎、 2 基礎セグメント、 3 肩部、 4 固定手段、 5 エレメント、 6 側面、 7 中央基礎部材、 8 中央部分、 9,10 側部、 11 穴、 12 凹所、 13 ストラップ、 14 ウイング、 50,51,52 基礎、 53 基礎セグメント、 60,61 基礎、 71 底板、 73,74,75 鉄筋
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎(1)、特に風車の基礎において、中央基礎部材(7)と、複数の基礎セグメント(2)とを有し、該基礎セグメントが、円形、環状又は多角形の基礎エレメントのセグメントであり、且つ1つ又は2つ以上のロッキングエレメントによって中央基礎部材(7)に結合されていることを特徴とする、基礎。
【請求項2】
ロッキングエレメントが、中央基礎部材(7)の環状又は多角形の突出部又は中央基礎部材(7)における環状又は多角形の凹所と、中央基礎部材(7)における突出部又は凹所に係合することができる基礎セグメント(2)の凹所又は突出部とであることを特徴とする、請求項1記載の基礎。
【請求項3】
基礎セグメント(2)と中央基礎部材(7)が、セグメントを包囲する又はセグメントによって組み込まれた固定手段(13)によって結合されていることを特徴とする、請求項1記載の基礎。
【請求項4】
固定手段が、セグメントを包囲するストラップ(13)であることを特徴とする、請求項3記載の基礎。
【請求項5】
基礎セグメント(2)及び中央基礎部材(7)が、コンクリート、グラウト又はモルタルによって結合されていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の基礎。
【請求項6】
中央基礎部材(7)が、底板(71)であるか又は底板(71)を含み、
基礎セグメント(2)及び底板(71)が鉄筋(73,74)を有しており、基礎セグメント(2)の鉄筋(74)と、底板(71)の鉄筋(73)とが、基礎セグメント(2)と底板(71)とが所定の位置に配置された時に重なり合い、
鉄筋(73,74)を備えた、基礎セグメント(2)及び底板(71)が、コンクリート、グラウト又はモルタルによって結合されていることを特徴とする、請求項5記載の基礎。
【請求項7】
基礎セグメント(2)が、風車タワー(5)のための係止エレメント(4)を有することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の基礎。
【請求項8】
基礎(1)が、浅い基礎であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の基礎。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項記載の基礎(1)と、該基礎(1)に係止されたタワー(5)とを備える風車。
【請求項1】
基礎(1)、特に風車の基礎において、中央基礎部材(7)と、複数の基礎セグメント(2)とを有し、該基礎セグメントが、円形、環状又は多角形の基礎エレメントのセグメントであり、且つ1つ又は2つ以上のロッキングエレメントによって中央基礎部材(7)に結合されていることを特徴とする、基礎。
【請求項2】
ロッキングエレメントが、中央基礎部材(7)の環状又は多角形の突出部又は中央基礎部材(7)における環状又は多角形の凹所と、中央基礎部材(7)における突出部又は凹所に係合することができる基礎セグメント(2)の凹所又は突出部とであることを特徴とする、請求項1記載の基礎。
【請求項3】
基礎セグメント(2)と中央基礎部材(7)が、セグメントを包囲する又はセグメントによって組み込まれた固定手段(13)によって結合されていることを特徴とする、請求項1記載の基礎。
【請求項4】
固定手段が、セグメントを包囲するストラップ(13)であることを特徴とする、請求項3記載の基礎。
【請求項5】
基礎セグメント(2)及び中央基礎部材(7)が、コンクリート、グラウト又はモルタルによって結合されていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の基礎。
【請求項6】
中央基礎部材(7)が、底板(71)であるか又は底板(71)を含み、
基礎セグメント(2)及び底板(71)が鉄筋(73,74)を有しており、基礎セグメント(2)の鉄筋(74)と、底板(71)の鉄筋(73)とが、基礎セグメント(2)と底板(71)とが所定の位置に配置された時に重なり合い、
鉄筋(73,74)を備えた、基礎セグメント(2)及び底板(71)が、コンクリート、グラウト又はモルタルによって結合されていることを特徴とする、請求項5記載の基礎。
【請求項7】
基礎セグメント(2)が、風車タワー(5)のための係止エレメント(4)を有することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の基礎。
【請求項8】
基礎(1)が、浅い基礎であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の基礎。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項記載の基礎(1)と、該基礎(1)に係止されたタワー(5)とを備える風車。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−106656(P2010−106656A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−249662(P2009−249662)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−249662(P2009−249662)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】
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