説明

特性評価用電子部品モジュール及びそのための配線基板

【課題】電子部品の特性を簡単にかつ正確に安定して測定できる手段を提供する。
【解決手段】特性評価用フィルタモジュール1は、評価対象のSAWフィルタ3を実装しかつ入力側及び出力側コネクタ4,5を一体に結合した配線基板2を有する。配線基板の配線パターンは、スロット12,14により分割した配線部分11a,11b,13a,13bからなる直線状の入力側及び出力側配線11,13と、それらの側方に僅かな距離で離隔して配置した接地側配線15,16,21,22とからなる。入力側及び出力側の配線部分同士の間及びそれらと隣接する接地側配線との間を選択してコイル又はコンデンサで直接接続することにより、所望のインピーダンスマッチング回路を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば通信機のような最終製品の電子機器にそれに使用するフィルタ等の電子部品を搭載する前に、該電子部品の特性・性能を評価するための特性評価用電子部品モジュール、及びそれに適した配線基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば通信機などの電子機器の製造者は、例えばフィルタなどの電子部品を専門の製造者から購入し、それを自己の回路基板などに搭載して最終製品を製造、販売している場合が多い。そのため、購入した電子部品が、実際の使用条件で所望の特性を発揮し得るかを事前に確認する必要がある。一般に電子部品の特性評価には、例えば市販のネットワークアナライザのような測定器が使用される(例えば、特許文献1,2を参照)。
【0003】
特に電気信号の正確な伝送には、その送り出し側と受け側とでインピーダンスをマッチング即ち等しくして、受け側で得られる電力を最大にして効率的に伝送を行うことが重要である。通信機に使用されるSAW(弾性表面波)フィルタの場合、製造者が自己のSAWフィルタについて、インピーダンスマッチングをとるためのシミュレーションツールに適した回路構成例などの情報を提供している(例えば、非特許文献1〜3を参照)。この場合、フィルタ特性はネットワークアナライザを用いて測定され、それに適したインピーダンスマッチング回路が例示されている。特に非特許文献2は、SAWフィルタに適した試験用配線基板の構成例を記載している。また、これらの非特許文献には、クロストークを低減するために、入出力の接地端子を分離させること、ビアホールを介して共通のグランド層に接続することなどが記載されている。
【0004】
また、被試験デバイスであるコンデンサ部品やコイル部品の伝送特性測定において、伝送特性に影響しない程度の電圧又は電流を被試験デバイスに印加して、擬似的に実使用状態に即した測定を可能にする測定装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。また、実際の使用状態とほぼ同一の条件下で物質の電気的特性を簡単に評価できるように、評価すべき物質の載置部を有する分布定数型の方向性結合器と、それに接続されたSパラメータ測定装置とからなる評価装置が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【0005】
また、パッケージICの特性をその出荷前に評価するために、被測定ICの電源供給ピンやバイアスピンの部分に設けた電極を介して電源電圧やバイアス電圧を供給することにより、被測定ICを装着する評価基板から電圧供給のための配線パターンや回路素子をなくし、接地部のパターンを充分に設けることができるようにし、かつ回路素子の実装位置に対する自由度を増して、インピーダンスの整合調整を容易にした測定用治具が提案されている(例えば、特許文献3を参照)。
【0006】
更に、半導体装置の種々の特性評価を正確かつ安定して行なうために、半導体装置のリード端子をプリント配線板を貫通させ、接触子によりリード端子とプリント配線板の配線と接続させて、半導体装置より周囲の配線までの間を短くし、外部からの不確定要因の影響を受ける距離を極力短くした半導体評価装置が知られている(例えば、特許文献4を参照)。
【0007】
【非特許文献1】エプコス・アーゲー(EPCOS AG), 「SAW Components - Data Sheet B3550」, <http://www.epcos.com/inf/40/ds/ae/B3550.pdf>
【非特許文献2】エプコス・アーゲー(EPCOS AG), 「Application Note SAW-Components - Matching of the B3550 and optimising the crosstalk by evaluating a good RF layout App.Note #4」, <http://www.epcos.com/web/generator/Web/Sections/ProductCatalog/SAWComponents/AutomotiveElectronics/OnePortResonators/PDF/PDF__AN4,property=Data__en.pdf;/PDF_AN4.pdf>
【非特許文献3】エプコス・アーゲー(EPCOS AG), 「Application Note SAW-Components - Matching of different EPCOS front end SAW filters to the integrated RKE receiver TDA520x from Infineon」, <http://www.epcos.com/web/generator/Web/Sections/ProductCatalog/SAWComponents/AutomotiveElectronics/OnePortResonators/PDF/PDF__AN90,property=Data__en.pdf;/PDF_AN90.pdf>
【特許文献1】特開平11−174104号公報
【特許文献2】特開2005−265703号公報
【特許文献3】特開2001−42000号公報
【特許文献4】特開平5−232182号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記各特許文献などに記載されるように、電子部品の特性を実際の使用状態と同じ条件下で、一般の測定器を用いて測定することは困難である。そのため、電子部品の購入者は、これを実装する回路上のインピーダンスと測定器のインピーダンスとの間で整合させる必要があり、電子部品の特性測定に多大な手間と時間を要するという問題がある。
【0009】
特に、通信機に使用するフィルタは、その減衰量が受信機の感度に大きな影響を与えることから、重要な部品であるが、実際の回路基板に搭載して試験した場合には、回路基板に搭載される他の電子部品や回路素子、配線パターンによってインピーダンスが変化する虞がある。そのため、出荷時のフィルタ特性を正確に評価することができないという問題がある。
【0010】
そこで本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、電子部品の特性を簡単にかつ正確に安定して測定できる手段を提供することにある。そのために、本発明は、例えば市販のネットワークアナライザのような測定器にそのまま接続して、常に同じ試験条件で測定することができ、それにより常に所望のインピーダンスを安定して得ることができ、特に電子部品の購入者がその出荷時と同じ条件で測定でき、その正確で安定した特性評価を可能にする特性評価用電子部品モジュールを提供することにある。
【0011】
更に本発明の目的は、そのような特性評価用電子部品モジュールを作成するのに適した配線基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、上記目的を達成するために、入力端子及び出力端子を有する評価対象の電子部品と、該電子部品に接続されてインピーダンスマッチング回路を構成する複数の回路素子と、電子部品及び回路素子を実装するための配線パターンを有する矩形の配線基板と、該配線基板の辺縁に一体に結合されて、電子部品の入力端子及び出力端子にそれぞれ電気的に接続される入力側及び出力側コネクタとを備え、
前記配線パターンが、電子部品の入力端子を入力側コネクタに電気的に接続する入力側配線と、電子部品の出力端子を出力側コネクタに電気的に接続する出力側配線と、接地側配線とを有し、入力側配線が、電子部品の入力端子側から直線状に延長する第1の入力側配線部分と、該第1の入力側配線部分の先端から僅かな離隔距離をもって分割され、入力側コネクタに向けて直線状に延長する第2の入力側配線部分とからなり、出力側配線が、電子部品の出力端子側から直線状に延長する第1の出力側配線部分と、該第1の出力側配線部分の先端から僅かな離隔距離をもって分割され、出力側コネクタに向けて直線状に延長する第2の出力側配線部分とからなり、かつ、接地側配線が、第1及び/又は第2の入力側配線部分の側方に、該入力側配線部分から僅かな距離をもって離隔された入力側接地配線と、第1及び/又は第2の出力側配線部分の側方に、該出力側配線部分から僅かな距離をもって離隔された出力側接地配線とを有し、
第1の入力側配線部分と第2の入力側配線部分との間、第1の出力側配線部分と第2の出力側配線部分との間、入力側配線部分とそれに隣接する入力側接地配線との間、及び出力側配線部分とそれに隣接する出力側接地配線との間の前記離隔距離が、回路素子で直接連絡できるように設定され、
前記複数の回路素子が、第1の入力側配線部分と第2の入力側配線部分との間、第1の出力側配線部分と第2の出力側配線部分との間、いずれか一方又は双方の入力側配線部分とそれに隣接する入力側接地配線との間、及び、いずれか一方又は双方の出力側配線部分とそれに隣接する出力側接地配線との間を選択的に直接連絡して接続することにより、インピーダンスマッチング回路を構成した特性評価用電子部品モジュールが提供される。
【0013】
このように入力側及び出力側配線を直線状に形成することによって、寄生容量を少なくした配線パターンが得られ、かつ外部ノイズの影響をより少なくすることができ、評価対象の電子部品の特性、性能をより正確にかつ安定して測定することができる。更に、配線基板上面には、入力側及び出力側配線の両側方に、接地側配線を設けるためのより広い面積を確保でき、その線幅を大きくすることができるので、有利である。
【0014】
また、本発明は、同じ配線パターンの配線基板を用いて、入出力配線の配線部分同士及び/又はそれらと隣接する接地側配線とを異なる位置及び/又は回路素子で接続することができる。従って、評価対象の電子部品及び/又はその評価条件に対応して、異なる構成のインピーダンスマッチング回路を簡単に構成しかつ製造することができる。
【0015】
或る実施例では、第1の入力側配線部分と第2の入力側配線部分とを、かつ/又は第1の出力側配線部分と第2の出力側配線部分とを、それぞれ同一直線上に配置することにより、回路素子で直列に接続された入力側及び出力側配線を直線に、最小長さで形成することができる。
【0016】
別の実施例では、第1の入力側配線部分と第2の入力側配線部分とを、かつ/又は第1の出力側配線部分と第2の出力側配線部分とを、分割された位置で直交するように配置することができ、その場合にも同様に、回路素子で直列に接続された入力側及び出力側配線を実質的に直線に形成することができる。
【0017】
また、本発明は、広範な電子部品に適用することができ、或る実施例では、1入力1出力の2端子タイプの電子部品を実装し、それに対応して入力側及び出力側コネクタを各1個ずつ設けることができる。別の実施例では、2入力2出力の4端子タイプの電子部品にも適用でき、それに対応して各2個ずつの入力側及び出力側コネクタを設けることができる。
【0018】
或る実施例では、配線基板が、その最下層及び/又は内層にグランド層を有する多層基板からなり、接地側配線がビアホールを介してグランド層と電気的に接続されることにより、入出力側配線から十分に離隔して、かつそれぞれに別の線路を介してせちすることができるので、外部ノイズや寄生容量の発生が電子部品の特性の測定に与える影響を無くし又は効果的に抑制することができる。
【0019】
電子部品が、例えば発振器などのように能動的に動作するものの場合には、多層基板に更に電源層を設けることができ、これを内層に配置することによって、電子部品の特性を測定する際に影響が及ばないように又はそれを緩和することができる。
【0020】
本発明の別の側面によれば、配線パターンを有し、入力端子及び出力端子を有する評価対象の電子部品と該電子部品に接続されてインピーダンスマッチング回路を構成する複数の回路素子とを実装するため、及び電子部品の入力端子及び出力端子にそれぞれ電気的に接続される入力側及び出力側コネクタをその辺縁に一体に結合するための矩形の配線基板であって、
前記配線パターンが、電子部品の入力端子を入力側コネクタに電気的に接続する入力側配線と、電子部品の出力端子を出力側コネクタに電気的に接続する出力側配線と、接地側配線とを有し、入力側配線が、電子部品の入力端子側から直線状に延長する第1の入力側配線部分と、該第1の入力側配線部分の先端から僅かな離隔距離をもって分割され、入力側コネクタに向けて直線状に延長する第2の入力側配線部分とからなり、出力側配線が、電子部品の出力端子側から直線状に延長する第1の出力側配線部分と、該第1の出力側配線部分の先端から僅かな離隔距離をもって分割され、出力側コネクタに向けて直線状に延長する第2の出力側配線部分とからなり、接地側配線が、第1及び/又は第2の入力側配線部分の側方に、該入力側配線部分から僅かな距離をもって離隔された入力側接地配線と、第1及び/又は第2の出力側配線部分の側方に、該出力側配線部分から僅かな距離をもって離隔された出力側接地配線とを有し、
第1の入力側配線部分と第2の入力側配線部分との間、第1の出力側配線部分と第2の出力側配線部分との間、入力側配線部分とそれに隣接する入力側接地配線との間、及び出力側配線部分とそれに隣接する出力側接地配線との間の離隔距離が、回路素子で直接連絡できるように設定され、
複数の回路素子が、第1の入力側配線部分と第2の入力側配線部分との間、第1の出力側配線部分と第2の出力側配線部分との間、いずれか一方又は双方の入力側配線部分とそれに隣接する入力側接地配線との間、及びいずれか一方又は双方の出力側配線部分とそれに隣接する出力側接地配線との間を選択的に接続することにより、インピーダンスマッチング回路を構成可能にした特性評価用電子部品モジュールの配線基板が提供される。
【0021】
これにより、同じ配線基板を用いて、複数の回路素子を適当に選択して配置することにより、評価対象の電子部品及び/又はその評価条件に対応したインピーダンスマッチング回路を有する特性評価用電子部品モジュールを簡単に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、添付図面を参照しつつ、本発明の好適な実施態様として、評価対象の電子部品に通信機用のSAWフィルタを用いた場合について、本発明による特性評価用電子部品モジュールの構成を詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明を適用した特性評価用SAWフィルタモジュールの第1実施例を示している。SAWフィルタモジュール1は、図1(A)に示すように、矩形の配線基板2と評価対象のSAWフィルタ3とを有する。本実施例のSAWフィルタ3は、1入力1出力の2端子タイプのローパスフィルタであり、配線基板2の上面中央に表面実装されている。これに対応して、配線基板2の対向する左右各辺2a,2bには、入力側コネクタ4と出力側コネクタ5とが一体に結合されている。配線基板2の上面には、後述する配線パターンが形成され、所望のインピーダンスマッチング回路を構成するための回路素子として、入力側及び出力側のコンデンサC11,C21及びコイルL11,L21が実装されている。
【0024】
前記各コネクタは、図1(A),(B)に示すように、外向きに突出するコネクタ部4a,5aと、フランジ部4b,5bと、該フランジ部から前記コネクタ部とは反対側にかつ同軸上に突出するセンタピン4c,5cとをそれぞれ有する。コネクタ部4a,5aには、例えばネットワークアナライザのような外部の測定装置と接続するための同軸ケーブル(図示せず)が取外可能に結合される。後述するように、センタピン4c,5cはそれぞれ配線基板2の入力側及び出力側配線を介してSAWフィルタ3の入出力端子に接続され、フランジ部4b,5bは接地される。
【0025】
配線基板2は多層基板で構成し、その最下層及び内層にグランド層を設けるのが好ましい。図1(C)に示すように、本実施例の配線基板2は、例えばガラスエボキシ樹脂などの公知材料からなる基材6a〜6cの上面に設けられた第1層7aと、中間の第2層7b及び第3層7cと、下面に設けられた第4層7dとからなる4層構造である。第1層7aは、SAWフィルタ3や前記コンデンサ、コイル等を実装するための電極パッド部及びそれらを接続するための配線パターンを構成する。前記電極パッド部及び配線パターンは、従来公知の方法で、例えば最上部の基材2a表面に設けた銅箔をウエットエッチングでパターニングすることにより形成される。本実施例の第2層7b〜第4層7dはグランド層である。別の実施例において、評価対象の電子部品がSAWフィルタではなく、SAW発振器である場合、第2層7b又は第3層7cはグランド層ではなく、電源層を構成することができる。
【0026】
配線基板2の上面には、図2に示すように、その中央部にSAWフィルタ3の入出力端子にそれぞれ対応する入力側電極パッド部8及び出力側電極パッド部9が左右位置に設けられ、該SAWフィルタの接地端子に対応する4つの接地側電極パッド部10a〜10dが、入力側8及び出力側電極パッド部9を図中上下方向から挟むように設けられている。入力側電極パッド部8から入力側配線11が、入力側コネクタ4を結合する配線基板2の左辺2aに向けて延出している。配線11は、その長さを最小とするように、配線基板2の左辺2aに対して垂直にかつ実質的に一定幅の真直ぐな直線状に形成されている。更に配線11は、その略中間位置でスリット12により2つの配線部分11a,11bに分割されている。スリット12は、後述するようにコイルL11により配線部分11a,11bが接続されるように決定する。
【0027】
同様に、出力側電極パッド部9から出力側配線13が、出力側コネクタ5を固定する配線基板2の右辺2bに向けて延出している。配線13は、その長さを最小とするように、配線基板2の右辺2bに対して垂直にかつ実質的に一定幅の真直ぐな直線状に形成されている。更に配線13は、その略中間位置でスリット14により2つの配線部分13a,13bに分割されている。スリット14は、後述するようにコイルL21により配線部分13a,13bが接続されるように決定する。
【0028】
入力側の配線部分11aの一方の側方には、本実施例では配線基板2の下辺2c側に、配線15が設けられている。配線15は、配線部分11aから僅かな距離をもって離隔しつつ、配線部分11aに対して垂直にかつ短く延長するように形成されている。この離隔距離は、図3に関連して後述するようにコイルL11により配線部分11aと接続されるように決定する。配線15は、ビアホール17を介して配線基板2の前記グランド層に接続された接地側配線である。
【0029】
同様に、出力側の配線部分13aの一方の側方には、本実施例では配線基板2の上辺2d側に、配線16が設けられている。配線16は、配線部分13aから僅かな距離をもって離隔しつつ、配線部分13aに対して垂直にかつ短く延長するように形成されている。この離隔距離は、図3に関連して後述するようにコイルL21により配線部分13aと接続されるように決定する。配線16は、それぞれビアホール18を介して配線基板2の前記グランド層に接続された接地側配線である。
【0030】
各接地側電極パッド部10a〜10dには、これらに連続する配線19a〜19dがそれぞれ形成されている。配線19a〜19cは、それぞれビアホール20a〜20cを介して配線基板2の前記グランド層に接続された接地用配線である。
【0031】
更に、配線基板2の上下各辺2d,2cに沿ってそれぞれ延長しかつ配線基板2の左右各辺2a,2bまで至る接地側配線21,22が形成されている。配線21は、配線基板2の左右各辺2a,2bに隣接する部分21a,21bが、それぞれ入力側配線部分11b及び出力側配線部分13bから一定の僅かな間隔をもって離隔するように設けられている。配線22は、配線基板2の左右各辺2a,2bに隣接する部分22a,22bが、入力側配線部分11bから一定の僅かな間隔をもって分離するように設けられている。これらの離隔距離は、後述するように対応する配線部分11b,13bとコンデンサC11,C21により接続されるように決定する。配線21,22も同様に、ビアホール23,24を介して配線基板2の前記グランド層に接続している。
【0032】
入力側電極パッド部8及びそれに隣接する接地側電極パッド部10a,10bと出力側電極パッド部9及びそれに隣接する接地側電極パッド部10c,10dとの間には、それらから僅かな間隔をもって離隔して、かつ入力側配線11及び出力側配線13と直交する向きに延長する接地側配線25が形成されている。配線25も同様に、ビアホール26を介して配線基板2の前記グランド層に接続されている。
【0033】
入力側コネクタ4は、図1(A)に示すように、フランジ部4bが、配線基板2上面において配線21,22にはんだ27a,27bでそれぞれ接続され、かつ該配線基板下面において同様にはんだ(図示せず)でグランド層7dに接続されるように、配線基板2に一体に固着される。入力側コネクタ4のセンタピン4cは、はんだ28で前記入力側配線の配線部分11bに接続されている。
【0034】
同様に出力側コネクタ5は、フランジ部5bが、配線基板2上面において配線21,22にはんだ29a,29bでそれぞれ接続され、かつ該配線基板下面において同様にはんだ(図示せず)でグランド層7dに接続されるように、配線基板2に一体に固着される。出力側コネクタ5のセンタピン5cは、はんだ30で前記出力側配線の配線部分13bに接続されている。
【0035】
本実施例の特性評価用フィルタモジュール1は、入力側の配線部分11a,11bが、それらを分割するスリット12を塞ぐように配置されたコイルL11により電気的に接続されている。更に配線部分11bが、隣接する接地側配線22の配線部分22aと、それらの隙間を塞ぐように配置されたコンデンサC11により電気的に接続されている。同様に、出力側の配線部分13a,13bが、それらを分割するスリット14を塞ぐように配置されたコイルL21により電気的に接続されている。更に配線部分13bが、隣接する接地側配線21の配線部分21bと、それらの隙間を塞ぐように配置されたコンデンサC21により電気的に接続されている。
【0036】
別の実施例では、入力側配線部分11bをその反対側に隣接する接地側配線21の配線部分21aと、それらの隙間を塞ぐように配置されたコンデンサC11により電気的に接続することができる。これに対応して、出力側では、配線部分13bをその反対側に隣接する接地側配線22の配線部分22bと、それらの隙間を塞ぐように配置されたコンデンサC21により電気的に接続することが好ましい。
【0037】
このように構成することにより、図1(D)の等価回路に示すローパスフィルタ用のインピーダンスマッチング回路を備えた特性評価用フィルタモジュール1が得られる。一般にSAWフィルタ3の特性評価に使用する市販のネットワークアナライザは、そのインピーダンスが50Ωである。従って、本実施例では、コンデンサC11,C21及びコイルL11,L21を、特性評価用フィルタモジュール1の両端、即ち入力側及び出力側コネクタ4,5におけるインピーダンスが50Ωとなるように選択する。当然ながら、測定機器のインピーダンスが異なる場合には、それに合わせたインピーダンスマッチング回路が得られるように、各コンデンサ及びコイルを選択すればよい。
【0038】
本実施例によれば、このように入力用及び出力用配線11,13が配線基板の略中央を左右方向に直線状にかつ略同一幅で形成されることによって、配線パターンの寄生容量を少なくし、かつ評価対象のSAWフィルタ3の動作及び入力側及び出力側配線11,13に及ぶ外部ノイズの影響をより少なくすることができる。更に、配線基板2の上面には、入力側及び出力側配線11,13の両側方即ち図中上側及び下側に、接地側配線を設けるための広い面積が確保される。しかも、前記接地側配線はビアホールを介して前記グランド層に接続されて接地されるので、SAWフィルタ3の動作及び入力側及び出力側配線11,13に与える影響がより少なくなる。従って、SAWフィルタ33の特性をより正確にかつ安定して測定することができ、有利である。
【0039】
また、本発明は、同じ配線パターンの配線基板を用いて、入出力配線の配線部分同士及び/又はそれらと隣接する接地側配線とを、図1とは異なる位置及び/又はインピーダンスマッチング用回路素子で接続することにより、図1と異なる構成のインピーダンスマッチング回路を構成することができる。図3及び図4にそのような異なる回路構成を例示する。
【0040】
図3は、図1の第1実施例の変形例を示している。この変形例による特性評価用フィルタモジュール1は、第1実施例と同じ図2の配線基板2を有するが、次の点において第1実施例と異なる。図3(A)に示すように、入力側配線11の配線部分11a,11bがコンデンサC11により電気的に接続され、かつ配線部分11aとその側方に隣接する配線15とがコイルL11により電気的に接続されている。これに対応して、出力側配線13の配線部分13a,13bがコンデンサC21により電気的に接続され、かつ配線部分13aとその側方に隣接する配線部分16とがコイルL21により電気的に接続されている。
【0041】
このような構成により、図3(B)の等価回路に示すハイパスフィルタ用のインピーダンスマッチング回路を備えた特性評価用フィルタモジュールが得られる。この変形例においても、コンデンサC11,C21及びコイルL11,L21は、市販のネットワークアナライザによる特性評価を考慮して、特性評価用フィルタモジュール1の両端におけるインピーダンスが50Ωとなるように選択する。
【0042】
図4は、図3の変形例の更に別の変形例を示している。この変形例による特性評価用フィルタモジュール1は、同様に第1実施例と同じ図2の配線基板2を有するが、次の点において図3の実施例と異なる。図4(A)に示すように、入力側配線11の配線部分11a,11bがコンデンサC11により電気的に接続され、かつ配線部分11aとその側方に隣接する配線15とがコイルL11により電気的に接続されていることに加えて、配線部分11bとそれに隣接する接地側配線22の配線部分22aとがコイルL12により電気的に接続されている。更に、出力側配線13の配線部分13a,13bがコンデンサC21により電気的に接続され、かつ配線部分13aとその側方に隣接する配線16とがコイルL21により電気的に接続されていることに加えて、配線部分13bとそれに隣接する接地側配線21の配線部分21bとがコイルL22により電気的に接続されている。
【0043】
このような構成により、図4(B)の等価回路に示すインピーダンスマッチング回路を備えた特性評価用フィルタモジュールが得られる。この変形例においても、市販のネットワークアナライザによる特性評価に考慮して、コンデンサC11,C21及びコイルL11,L12,L21,L22は、特性評価用フィルタモジュール1の両端におけるインピーダンスが50Ωとなるように選択する。
【0044】
図5は、本発明を適用した特性評価用フィルタモジュールの第2実施例を示している。本実施例の特性評価用フィルタモジュール31は、矩形の配線基板32を有し、その上面中央に表面実装された評価対象のSAWフィルタ33が2入力2出力の4端子タイプである。これに対応して、配線基板32の対向する上下各辺32c,32dには、それぞれ2個の入力側コネクタ34,35と出力側コネクタ36,37とが一体に結合されている。配線基板32の上面には、図6に関連して後述する配線パターンが形成され、所望のインピーダンスマッチング回路を構成するために、入力側及び出力側のコンデンサC11,C12,C21,C22及びコイルL11,L12,L21,L22が実装されている。配線基板32は、第1実施例と同様に多層基板で構成し、その最下層及び内層にグランド層を設けるのが好ましい。
【0045】
前記各コネクタは、図5(A)に示すように、外向きに突出するコネクタ部34a,35a,36a,37aと、フランジ部34b,35b,36b,37bと、該フランジ部から前記コネクタ部とは反対側にかつ同軸上に突出するセンタピン34c,35c,36c,37cとをそれぞれ有する。前記コネクタ部には、例えばネットワークアナライザのような外部の測定装置と接続するための同軸ケーブル(図示せず)が取外可能に結合される。前記各センタピンはそれぞれ配線基板32の入力側及び出力側配線を介してSAWフィルタ33の入出力端子に接続され、前記各フランジ部は接地されている。
【0046】
配線基板32の上面には、図6に示すように、その中央部にSAWフィルタ33の入出力端子にそれぞれ対応する各2つの入力側電極パッド部38,39及び出力側電極パッド部40,41が設けられ、該SAWフィルタの接地端子に対応する2つの接地側電極パッド部42a,42bが、前記入力側及び出力側電極パッド部で図中上下方向に挟むように設けられている。一方の入力側電極パッド部38から入力側配線43が、対応する入力側コネクタ34を結合する配線基板上辺32cに向けて延出している。入力側配線43は、配線基板左辺32aに向けて真直ぐに延長する直線状の配線部分43aと、該配線部分と直交して配線基板上辺32cに向けて延長する直線状の配線部分43bとを有する。両配線部分43a,43bは実質的に同じ幅を有し、それらの先端が僅かなスリット43cで離隔されている。スリット43cの離隔幅は、後述するようにコンデンサC11により配線部分43a,43bが接続されるように決定する。
【0047】
他方の入力側電極パッド部39から入力側配線44が、対応する入力側コネクタ35を結合する配線基板上辺32cに向けて延出している。入力側配線44は、配線基板32の右辺32bに向けて真直ぐに延長する直線状の配線部分44aと、該配線部分と直交して配線基板上辺32cに向けて真直ぐに延長する直線状の配線部分44bとを有する。両配線部分44a,44bは実質的に同じ幅を有し、それらの先端がスリット44cで離隔されている。スリット44cの離隔幅は、後述するようにコンデンサC21により配線部分44a,44bが接続されるように決定する。
【0048】
同様に、一方の出力側電極パッド部40から出力側配線45が、対応する出力側コネクタ36を結合する配線基板下辺32dに向けて延出している。出力側配線45は、配線基板左辺32aに向けて真直ぐに延長する直線状の配線部分45aと、該配線部分と直交して配線基板下辺32dに向けて真直ぐに延長する直線状の配線部分45bとを有する。両配線部分45a,45bは実質的に同じ幅を有し、それらの先端がスリット45cで離隔されている。スリット45cの離隔幅は、後述するようにコンデンサC12により配線部分45a,45bが接続されるように決定する。
【0049】
他方の出力側電極パッド部41から出力側配線46が、対応する出力側コネクタ37を結合する配線基板下辺32dに向けて延出している。出力側配線46は、配線基板右辺32bに向けて真直ぐに延長する直線状の配線部分46aと、該配線部分と直交して配線基板下辺32dに向けて真直ぐに延長する直線状の配線部分46bとを有する。両配線部分46a,46bは実質的に同じ幅を有し、それらの先端がスリット46cで離隔されている。スリット46cの離隔幅は、後述するようにコンデンサC22により配線部分46a,46bが接続されるように決定する。
【0050】
また、各接地側電極パッド部42a,42bから接地側配線47a,47bがそれぞれ対向する配線基板左辺32a及び右辺32bに向けて直線状に延長し、それぞれ配線基板左辺32a及び右辺32bに沿って形成された接地側配線48a,48bと接続されている。更に、入力側電極パッド部38,39、接地側電極パッド部42a,42b及び出力側電極パッド部40,41の間に、それらから僅かな間隔をもって離隔して、図中上下方向に延長する接地側配線49が形成され、その両端が、それぞれ配線基板上辺32c及び下辺32dに沿って形成された接地側配線50a,50bと接続されている。これらの接地側配線48a,48b,49,50a,50bは、それぞれ配線基板の内層又は最下層に設けられたグランド層とビアホール51a,51b,52,53a,53bを介して接続されている。
【0051】
また、前記各入力側及び出力側配線とそれに隣接する接地側配線とは、それぞれ僅かな距離をもって離隔するように形成される。この離隔距離は、その間隙を埋めるように、例えばコイル又はコンデンサなどで接続できるように決定する。
【0052】
入力側コネクタ34,35は、図5(A)に示すように、各フランジ部34b,35bが、配線基板32上面において配線48a,50a,48bにそれぞれはんだ54a,54b,54cで接続され、かつ該配線基板下面のグランド層に同様にはんだ(図示せず)で接続するように、配線基板2に一体に固着される。同様に各出力側コネクタ36,37は、各フランジ部36b,37bが、配線基板32上面において配線48a,50a,48bにそれぞれはんだ55a,55b,55cで接続され、かつ該配線基板下面のグランド層に同様にはんだ(図示せず)で接続するように、配線基板2に一体に固着される。前記各コネクタのセンタピン34c,35c,36c,37cは、それぞれはんだ55a,55b,55c,56cで対応する前記入力側又は出力側配線の各配線部分43b,44b,45b,46bに接続されている。
【0053】
本実施例の特性評価用フィルタモジュール31は、入力側の配線部分43a,43bと44a,44bとが、それらを分割するスリット43c,44cの隙間を塞ぐように配置されたコンデンサC11,C12によりそれぞれ電気的に接続されている。同様に、出力側の配線部分45a,45bと46a,46bとが、それらを分割するスリット45c,46cの隙間を塞ぐように配置されたコンデンサC21,C22によりそれぞれ電気的に接続されている。更に、入力側の配線部分43a,44aがそれぞれ隣接する接地側配線50aと、それらの隙間を塞ぐように配置されたコイルL11,L21により電気的に接続されている。同様に、出力側の配線部分45a,45aがそれぞれ隣接する接地側配線50bと、それらの隙間を塞ぐように配置されたコイルL21,L22により電気的に接続されている。
【0054】
別の実施例では、入力側の配線部分43b,44bをそれぞれ隣接する接地側配線48a,48b又は50aと、それらの隙間を塞ぐように配置されたコンデンサ又はコイルにより電気的に接続することができる。これに対応して、出力側の配線部分45b,46bをそれぞれ隣接する接地側配線48a,48b又は50bと、それらの隙間を塞ぐように配置されたコンデンサ又はコイルにより電気的に接続することができる。
【0055】
このように構成することにより、図5(B)の等価回路に示すインピーダンスマッチング回路を備えた特性評価用フィルタモジュール31が得られる。本実施例においても、市販のネットワークアナライザによる特性評価に考慮して、コンデンサC11,C12,C21,C22及びコイルL11,L12,L21,L22は、特性評価用フィルタモジュール1の両端におけるインピーダンスが50Ωとなるように選択する。
【0056】
本実施例においても、このように各入力用及び出力用配線43〜46を構成する各配線部分がそれぞれ配線基板32の辺に向けて直線状にかつ略同一幅で形成され、かつ各スリットによる分割部分でコンデンサ又はコイルにより電気的に接続されることによって、実質的に同一幅で直線状の入力用及び出力用配線で、SAWフィルタ33の各入出力端子と前記各コネクタとを電気的に接続することができる。これにより、第1実施例と同様に、評価対象のSAWフィルタ33の動作及び入力用及び出力用配線43〜46に及ぶ外部ノイズの影響をより少なくすることができる。更に、配線基板32の上面には、入力用及び出力用配線43〜46の両側方に、接地用配線を設けるための広い面積が確保される。しかも、前記各接地用配線はそれぞれビアホールを介して接地されるので、SAWフィルタ33の動作及び入力用及び出力用配線に与える影響がより少なくなる。従って、SAWフィルタ33の特性をより正確にかつ安定して測定することができ、有利である。
【0057】
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものでなく、その技術的範囲において様々に変形・変更を加えて実施することができる。例えば、本発明は、評価対象としてSAWフィルタ以外に、圧電発振器や半導体装置などの様々な電子部品について適用することができる。その場合においても、配線パターンを上述したように構成しかつコンデンサ及び/又はコイルなどで接続することによって、所望のインピーダンスマッチング回路を設計することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1−1】(A)図は本発明を適用した特性評価用フィルタモジュールの第1実施例の平面図、(B)図はその端面図。
【図1−2】(C)図は(A)図のI−I線における部分断面図、(D)図は(A)図の特性評価用フィルタモジュールの等価回路図。
【図2】図1の配線基板の平面図。
【図3】(A)図は第1実施例の変形例の平面図、(B)図はその等価回路図。
【図4】(A)図は図3の更に別の変形例の平面図、(B)図はその等価回路図。
【図5】(A)図は本発明を適用した特性評価用フィルタモジュールの第2実施例の平面図、(B)図はその等価回路図。
【図6】図5の配線基板の平面図。
【符号の説明】
【0059】
1,31…特性評価用フィルタモジュール、2,32…配線基板、2a,32a…左辺、2b,32b…右辺、2c,32d…下辺、2d,32c…上辺、3,33…SAWフィルタ、4,34,35…入力側コネクタ、4a,5a,34a〜37a…コネクタ部、4b,5b,34b〜37b…フランジ部、4c,5c,34c〜37c…センタピン、5,36,37…出力側コネクタ、6a〜6c…基材、7a〜7d…グランド層、8,38,39…入力側電極パッド部、9,40,41…出力側電極パッド部、10a〜10d,42a,42b…接地側電極パッド部、11,13,15,16,19a〜19d,21,22,25,43〜46,47a,47b,48a,48b,49,50a,50b…配線、11a,11b,13a,13b,21a,21b,22a,22b,43a〜46a,43b〜46b…配線部分、12,14,43c〜46c…スリット、17,18,20a〜20c,23,24,26,51a,51b,52,53a,53b…ビアホール、27a,27b,28,29a,29b,30,54a〜54c,55a〜55c…はんだ、C11,C12,C21,C22…コンデンサ、L11,L12,L21,L22…コイル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力端子及び出力端子を有する評価対象の電子部品と、前記電子部品に接続されてインピーダンスマッチング回路を構成する複数の回路素子と、前記電子部品及び前記回路素子を実装するための配線パターンを有する矩形の配線基板と、前記配線基板の辺縁に一体に結合されて、前記電子部品の前記入力端子及び出力端子にそれぞれ電気的に接続される入力側及び出力側コネクタとを備え、
前記配線パターンが、前記電子部品の前記入力端子を前記入力側コネクタに電気的に接続する入力側配線と、前記電子部品の前記出力端子を前記出力側コネクタに電気的に接続する出力側配線と、接地側配線とを有し、
前記入力側配線が、前記電子部品の前記入力端子側から直線状に延長する第1の入力側配線部分と、該第1の入力側配線部分の先端から僅かな離隔距離をもって分割され、前記入力側コネクタに向けて直線状に延長する第2の入力側配線部分とからなり、
前記出力側配線が、前記電子部品の前記出力端子側から直線状に延長する第1の出力側配線部分と、該第1の出力側配線部分の先端から僅かな離隔距離をもって分割され、前記出力側コネクタに向けて直線状に延長する第2の出力側配線部分とからなり、
前記接地側配線が、前記第1及び/又は第2の入力側配線部分の側方に、該入力側配線部分から僅かな距離をもって離隔された入力側接地配線と、前記第1及び/又は第2の出力側配線部分の側方に、該出力側配線部分から僅かな距離をもって離隔された出力側接地配線とを有し、
前記第1の入力側配線部分と第2の入力側配線部分との間、前記第1の出力側配線部分と第2の出力側配線部分との間、前記入力側配線部分とそれに隣接する前記入力側接地配線との間、及び前記出力側配線部分とそれに隣接する前記出力側接地配線との間の前記離隔距離が、前記回路素子で直接連絡できるように設定され、
前記複数の回路素子が、前記第1の入力側配線部分と第2の入力側配線部分との間、前記第1の出力側配線部分と第2の出力側配線部分との間、いずれか一方又は双方の前記入力側配線部分とそれに隣接する前記入力側接地配線との間、及びいずれか一方又は双方の前記出力側配線部分とそれに隣接する前記出力側接地配線との間を選択的に接続することにより、前記インピーダンスマッチング回路を構成することを特徴とする特性評価用電子部品モジュール。
【請求項2】
前記第1の入力側配線部分と第2の入力側配線部分とが、かつ/又は前記第1の出力側配線部分と第2の出力側配線部分とが、それぞれ同一直線上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の特性評価用電子部品モジュール。
【請求項3】
前記第1の入力側配線部分と第2の入力側配線部分とが、かつ/又は前記第1の出力側配線部分と第2の出力側配線部分とが、分割された位置で直交するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の特性評価用電子部品モジュール。
【請求項4】
前記電子部品が1入力1出力の2端子タイプであり、それに対応して前記入力側及び出力側コネクタが各1個ずつ設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の特性評価用電子部品モジュール。
【請求項5】
前記電子部品が2入力2出力の4端子タイプであり、それに対応して前記入力側及び出力側コネクタが各2個ずつ設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の特性評価用電子部品モジュール。
【請求項6】
前記配線基板が、その最下層及び/又は内層にグランド層を有する多層基板からなり、前記接地側配線がビアホールを介して前記グランド層と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の特性評価用電子部品モジュール。
【請求項7】
前記多層基板が更に電源層を有することを特徴とする請求項6に記載の特性評価用電子部品モジュール。
【請求項8】
配線パターンを有し、入力端子及び出力端子を有する評価対象の電子部品と前記電子部品に接続されてインピーダンスマッチング回路を構成する複数の回路素子とを実装するため、及び前記電子部品の前記入力端子及び出力端子にそれぞれ電気的に接続される入力側及び出力側コネクタをその辺縁に一体に結合するための矩形の配線基板であって、
前記配線パターンが、前記電子部品の前記入力端子を前記入力側コネクタに電気的に接続する入力側配線と、前記電子部品の前記出力端子を前記出力側コネクタに電気的に接続する出力側配線と、接地側配線とを有し、
前記入力側配線が、前記電子部品の前記入力端子側から直線状に延長する第1の入力側配線部分と、該第1の入力側配線部分の先端から僅かな離隔距離をもって分割され、前記入力側コネクタに向けて直線状に延長する第2の入力側配線部分とからなり、
前記出力側配線が、前記電子部品の前記出力端子側から直線状に延長する第1の出力側配線部分と、該第1の出力側配線部分の先端から僅かな離隔距離をもって分割され、前記出力側コネクタに向けて直線状に延長する第2の出力側配線部分とからなり、
前記接地側配線が、前記第1及び/又は第2の入力側配線部分の側方に、該入力側配線部分から僅かな距離をもって離隔された入力側接地配線と、前記第1及び/又は第2の出力側配線部分の側方に、該出力側配線部分から僅かな距離をもって離隔された出力側接地配線とを有し、
前記第1の入力側配線部分と第2の入力側配線部分との間、前記第1の出力側配線部分と第2の出力側配線部分との間、前記入力側配線部分とそれに隣接する前記入力側接地配線との間、及び前記出力側配線部分とそれに隣接する前記出力側接地配線との間の前記離隔距離が、前記回路素子で直接連絡できるように設定され、
前記複数の回路素子が、前記第1の入力側配線部分と第2の入力側配線部分との間、前記第1の出力側配線部分と第2の出力側配線部分との間、いずれか一方又は双方の前記入力側配線部分とそれに隣接する前記入力側接地配線との間、及びいずれか一方又は双方の前記出力側配線部分とそれに隣接する前記出力側接地配線との間を選択的に接続することにより、前記インピーダンスマッチング回路を構成可能にしたことを特徴とする特性評価用電子部品モジュールの配線基板。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−155682(P2007−155682A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−355418(P2005−355418)
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【Fターム(参考)】