説明

牽引装置

【課題】腰痛等の腰部障害があってもベッドに簡単に乗り降りができ、また、ベッド上での動作や体位変換は殆どしなくても済むので、患者の苦痛を少なくすることができる。さらに、座位で治療開始スイッチを押すだけで、装置は自動的にリクライニングして治療姿勢になり、介助者の労力を省力化できる。
【解決手段】治療ベッド2を椅子状にして着座するようにし、これをリクライニングさせて牽引姿勢にして治療をおこなうようにした。また、腰装具はシートベルト状にして簡単に確実に装着できるようにし、脇用装具13はワンタッチ、又は、自動で装着するようにした。さらに、モータの速度制御を行い、簡単な構成で、安全で効果的な牽引治療を可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に腰椎の牽引療法に使用する牽引装置に関するものであり、患者の肉体的な負担を軽減し、治療の煩雑さ改善し、より効果的な治療が可能な牽引装置を提供することを目的とする。
【背景技術】
【0002】
牽引療法は、腰椎や頚椎を牽引し、各種の腰椎疾患や頚椎疾患を治療するもので、整形外科やリハビリテーションなどの分野で広く用いられている。
本発明の装置では頚椎牽引治療も可能であるが、主に腰椎の牽引に使用するので、以下、腰椎牽引について述べる。
従来の牽引装置は、図8に示すように、牽引器と牽引用ベッドから構成され、治療の補助として脇装具、腰装具及び脚台を使用する。
ベッドは、図9に示すように、通常はマットを2つに分割しており、上半身が載る側はほぼ固定で、下肢側は移動自在にしてある。
【0003】
治療前に、脇装具を脇に当ててその端部をベッドのフレームに固定し、腰装具を腰に装着して牽引装置に接続し、足の下に脚台を敷く。脚台を使用すると腰椎の前方への湾曲(前湾)をとることができる。牽引治療では、前湾を矯正した上で治療をおこなうことが重要とされる。
牽引パターンは、図7に示すように、牽引−牽引力持続−緩和−休止を繰り返す間歇牽引と、治療中一定の力で牽引する連続(持続)牽引とがある。通常は間歇牽引が多く用いられるので、ここでは間歇牽引を中心に述べる。
【0004】
治療の前に牽引条件を設定する。牽引条件には、牽引力、休止時間、持続時間、治療時間などがあり、牽引力は体重の半分程度、休止時間と持続時間は数秒、治療時間は10〜20分程度である。
図8のように、脇と腰に装具を付け、ベッドの上で仰臥位になり、脚台を使用し、治療条件を設定した後、治療を開始すると、まず休止モードになり、設定された時間だけ休止し、休止時間が終了すると牽引モードになり、牽引をし、牽引力が設定値になると持続モードになり、この牽引力を設定時間だけ持続し、持続時間が終了すると緩和モードになり、モータを逆回転させて牽引力を緩和し、牽引力がゼロ又は設定値以下になると休止モードに入る、というサイクルを、治療時間に繰り返し、治療時間が終了すると牽引力をゼロにして治療を終了する。連続(持続)牽引は、持続時間を治療時間と同じにすると実現することができる。
【0005】
牽引療法は効果的ではあるが、装置には問題も残っている。
治療前に、患者はベッドに乗り、装具を装着し、仰臥位になり、膝の下に脚台を入れ、治療後に逆の動作をおこなう必要があるが、腰痛等の腰部疾患を有する患者にとって、これらの動作をおこなうことは肉体的に大きな苦痛であった。
また、装具の装着に手間がかかり、患者だけでなく、介助者の手も煩わせていた。
さらに、通常は体重の半分ほどの力で牽引するが、この力が脇に集中して痛みが生じ、これを我慢して力を入れて治療をすると治療効果が低下する等の問題があった。これらの課題を解決するものに、脇装具を改良するもの(例えば特許文献1参照)、ベッドへの乗り降りを簡単にするもの(例えば特許文献2〜4参照)などがある。一方、より高い治療効果を得るためにも様々な工夫がなされている(特許文献5,6参照)。以下、図によりこれらの従来技術を説明する。
【0006】
図9は特許文献1の図1(C)である。脇装具の代わりに脇アームを用い、脇アームをマット面内で自由に回転(回旋)し、ベッド面と水平な軸を中心に自由に回転(屈曲)することができ、ワンタッチで脇を固定することができるようにしている。このため、脇装具の装着は非常に簡単になった。
図10は特許文献2の図1である。腰に障害のある患者が乗り降りしやすいように、また、横たわった状態で体位変換が容易にできるように、手擦り(体位変換補助手段)3を設けている。
図11は特許文献3の第1図であり、本考案はベッドに乗り降りしやすいように、ベッドを椅子状にして患者を乗せ、治療をおこなうときにはベッドを平らにするようにしている。このため、ベッドへの乗り降りは簡単になったが、脚台を使う必要があり、装具の改良もおこなっていない。
【0007】
図12は特許文献4の図1で、ベッドに乗り降りを楽にするためにベッドを椅子状にし、治療する場合はベッドをリクライニングするようにしている。リクライニングした牽引位置でも大腿関節を屈曲させたままであるため、腰椎の前湾は矯正されており、脚台を使用する必要は無い。しかし、牽引力を検出する手段を有していないので、牽引力が不正確になるという問題がある、また、装具に改良の余地がある。このため、この装置は実用化されていない。
図13は特許文献5の第2図で、治療効果を上げるために、上半身を少し起こし、足は膝を立てた状態にすることで、腰痛の大きな原因とされる腰椎前湾を矯正して、牽引治療をおこなうものである。しかし、ベッドへの乗り降りの問題は解決されておらず、装具も改良されていない。
図11は特許文献6の図6で、膝と大腿の関節をそれぞれ90度にし、さらに臀部を持ち上げて、腰椎前湾を矯正して腰椎後方の椎間板を拡開するもので、90°−90°牽引と呼ばれ、特に急性期の腰痛治療に効果的であると言われている。これは、治療姿勢は効果的であるが、ベッドへの乗り降りと装具については改良されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第2528360号
【特許文献2】特開2001−29373
【特許文献3】実開昭60−13124
【特許文献4】特開平6−233791
【特許文献5】特公昭51−30716
【特許文献6】特開2000−245760
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述のように、従来の牽引装置では、ベッドへの載り降り、ベッド上での寝起き、ベッド上での装具の着脱、脚台の着脱などの動作は、腰部に障害のある人にとって苦痛が大であった。また、腰と脇に装具をつけなければならず、この着脱は面倒で手間がかかり、介助者の手も煩わせていた。さらに、治療では体重の半分程度の力で牽引をおこなうが、この力が脇に集中し、痛みが生じ、これを我慢して力を入れて治療を受けると治療効果が低下するという不都合もあった。また、牽引時に両脇が広がるような力が作用し、これを防ぐために力を入れ、治療効果が低下することもあった。
【0010】
実際の治療では、休止−牽引−持続−緩和のサイクルを繰り返すが、各モードから次のモードへ、例えば休止モードから牽引モードへ移行するとき、急激に牽引力が変化してショックが発生し、不快に感じることがあった。また、牽引を開始すると、設定した牽引力になるまで一気に、牽引していた。障害があると、筋肉や関節が硬くなっていることが多く、このような場合、急激に力を加えることは危険であり、このような牽引法には問題があった。効果の面では、治療中の姿位も重要である。また、設定どおりの正確な力で牽引することが重要である。さらに、装置の構成を簡単にして故障の少ない、価格を低減した装置を提供することも重要である。本出願では、これらの問題を解決することを目標とした。
【課題を解決するための手段】
【0011】
ベッドへの乗り降り、ベッド上での寝起き、ベッド上での装具の着脱、脚台の着脱などに伴う問題を解決し、また、牽引治療全体を省力化するために、請求項1記載の発明では、着座部(6)や背もたれ部(8)などからなる椅子状の臥台(2)を基台(1)に載置し、臥台(2)を着座位置から所定角度背面側へ傾倒した牽引位置まで頃動させる頃動機構部(3)を設け、
背もたれ部(8)を牽引方向に移動可能にし、背もたれ部(8)を牽引機構部(10)で移動させるようにして牽引するようにした牽引装置において、
臥台(2)を着座位置にして患者を座らせて治療をスタートすると、臥台(2)を牽引位置に頃動し、牽引治療を実行し、治療が終了すると臥台(2)を着座位置に戻すという一連の動きを自動的におこなうようにした。
【0012】
また、正確な力で牽引できるようにするために、請求項2記載の発明では、下腿載部(5)、着座部(6)、着座部背当(7)及び背もたれ部(8)などからなる椅子状の臥台(2)を基台(1)に載置し、
臥台(2)を着座位置から所定角度背面側へ傾倒した牽引位置まで頃動機構部(3)で頃動させるようにし、
背もたれ部(8)を臥台(2)のフレーム(4)に沿って移動可能にし、背もたれ部(7)を牽引機構部(13)で移動させるようにした牽引装置において、
牽引機構部(13)で背もたれ部(8)を駆動するときに生じる荷重を検出する荷重検出部(8)を設け、荷重検出部(8)で牽引力をモニタしながら、牽引するようにした。
【0013】
腰装具を改良し、手間をかけないで簡単に確実に固定できるように、また、価格を低減するために、請求項3記載の発明では、椅子状の臥台(2)の着座部(6)と着座部背当(7)の間のコーナー近傍に腰用ベルト(14)を設け、着座した患者の腰部又は大腿部を、背もたれ方向と着座部方向の両方向に、少なくとも着座部方向に力を加えて固定するようにした。
【0014】
脇装具を改良し、手間をかけないで簡単に確実に固定できるように、また、価格を低減するために、請求項4記載の発明では、背もたれ部(8)に、鉛直方向の、又は背もたれ部(8)の上面とほぼ垂直方向の回転軸Oを、人の両脇間隔よりも狭く、左右一対に設け、
両回転軸Oを中心に回転自由にバー(15)を設け、
脇支持部(12)とアーム(11)からなる脇アーム(13)をバー(15)に接続し、バー(15)の長軸Pを中心に回転自由に脇アーム(13)を設けて、
牽引時には脇アーム(13)を脇の近くに移動させて脇を支持できるようにし、臥台(2)への乗り降り時には邪魔にならないように脇アーム(13)を退避位置に移動させるようにした。
【0015】
脇にかかる力を少なくして患者の苦痛を和らげて治療効果を高くするために、請求項5記載の発明では、臥台(2)に牽引方向に移動可能な背もたれ部(8)を載置し、
背もたれ部(8)を移動させる牽引機構部(10)を設け、
背もたれ部(8)に沿って牽引方向に移動可能な第二移動台(16)を設け、
第二移動台(16)を背もたれ部(8)に沿って移動させる脇装具駆動部(17)を設け、
第二移動台(16)に脇装具(13)を設け、
牽引を開始すると、まず、脇装具駆動部(17)で第二移動台(16)を移動させて脇装具(13)で脇を牽引し、脇にかかる力が所定値に達すると脇装具駆動部(17)をその位置に固定し、続いて、牽引機構部(13)で背もたれ部(8)を移動させて牽引するようにして、脇にかかる力を少なくした。
【0016】
さらに、脇装具の装着を自動化し、装具装着の手間を簡素化するために、請求項6記載の発明では、臥台(2)に牽引方向に移動可能な背もたれ部(8)を載置し、
背もたれ部(8)を移動させる牽引機構部(10)を設け、
背もたれ部(8)に沿って牽引方向に移動可能な第二移動台(16)を設け、
第二移動台(16)を背もたれ部(8)に沿って移動させる脇装具駆動部(17)を設け、
第二移動台(10)に、背もたれマット(11)の面とほぼ垂直に、人の両脇間隔よりも狭く2つの回転軸Oを設けて両回転軸Oを中心に回転自由に2つのバー(21)を設け、
バー(21)に、バー(21)の長軸Pを中心に回転自由に脇アーム(13)を接続し、
背もたれ部(8)とバー(21)との間にカム(18)及び(19)を設けてカム機構部を構成し、背もたれ部(8)に対してバー(21)が相対的に移動するとき、カム機構部が作動して、脇アーム(13)がバー(21)の長軸Pを中心に遥動させるようにし、
牽引開始前には脇アーム(13)を患者が乗り降りするときに邪魔にならない位置に退避させておき、牽引を開始すると、カム機構部が作動して脇アーム(13)を遥動させ、脇支持部(12)が脇の位置に来るようにして、脇装具を自動的に装着できるようにした。
【0017】
装置の余分なエネルギー消費を極力減らし、また、治療効果の高い姿位にするために、請求項7記載の発明では、椅子状の臥台(2)を傾倒して牽引位置にし、このとき臥台(2)のフレーム(5)がほぼ水平になるようにし、股関節と膝関節とをほぼ90度にした状態で背もたれ部(6)をほぼ水平方向に移動させて牽引するようにした。
従来は、図8や9に示すように、約30度、吊り上げるように牽引していたので、従来よりも装置の消費電力は少なくなる。
【0018】
所定の速度で牽引と緩和をおこない、患者に適した力で牽引するために、請求項8記載の発明では、牽引機構部(10)の駆動源に速度制御が可能な電動モータを用い、
背もたれ部(8)を所定の速度で移動させたときの電動モータの回転速度を検出してパルス信号に変換し、このパルス信号を計数してパルス数Nを求め、パルス数と牽引速度との関係を求めておき、
牽引時に電動モータの回転速度を検出してパルス信号に変換し、このパルス信号を計数してパルス数Nを求め、
牽引時のパルス数Nと記憶させているパルス数Nとを比較し、
パルス数NとNとの差が所定の範囲に入るようにモータの電源を制御し、背もたれ部(8)を所定の速度で移動させるようにした。
【0019】
請求項8記載の発明を、より安価に簡単に実現するために、請求項9記載の発明では、電動モータにDCモータを用い、DCモータの電源を測定し、DCモータが回転したとき生じる電源のリップルを測定してパルス信号に変換し、このパルス信号をみてモータの電源を制御し、背もたれ部(8)を所定の速度で移動させるようにした。
【0020】
牽引モードが変化するときに不快な衝撃が発しないように、請求項10記載の発明では、牽引時の牽引速度Vと非牽引時の牽引速度0の間で、パルス数Nをモニタしながらモータの電源を制御して、牽引速度をほぼ連続的に変化させるようにした。
【発明の効果】
【0021】
請求項1記載の発明により、腰痛等の腰部障害があってもベッドに簡単に乗り降りができ、また、ベッド上での動作や体位変換は殆どしなくても済むので、患者の苦痛を少なくすることができる。さらに、座位で治療開始スイッチを押すだけで、装置は自動的にリクライニングして治療姿勢になり、治療を行い、治療時間が終了すると着座位置に戻すという動作を、全て自動的におこなうことができるので、従来よりも更に介助者の労力を省力化できる。
【0022】
請求項2記載の発明により、腰痛等の腰部障害があっても、ベッドに簡単に乗り降りができ、ベッド上での装具装着などの動作や体位変換が簡単になり、患者の肉体的な苦痛を少なくすることができる。また、荷重検出部9を設けているので牽引力を直接モニタしながら、正確な牽引力で適切な治療をおこなうので、安全で効果的な治療が可能になる。
【0023】
請求項3記載の発明により、腰装具を簡単に装着することができるので、装具装着の手間を省力化できる。また、着座部に沿って股関節と膝関節は屈曲しているので、本請求項記載の腰用ベルトを用いると、骨盤を着座部方向と背もたれ部方向の両方向の力で腰部から大腿部にかけて押さえつけるので、牽引しても下半身は移動せず、効果的な治療が可能になる。装具は単純で故障も少なく、価格も低減することができる。装着は簡単であるため、ベッド上での体位変換は少なくてすむため、患者の苦痛も少なくてすむ。
【0024】
請求項4記載の発明により、脇装具を簡単に装着できるので、装具装着の手間を省力化できる。また、ベッド上での体位変換は少なくてすむため苦痛も少なくなる。さらに、本脇装具を用いて牽引すると、軸Oを中心に脇アーム13で両脇から体を締め付けるように力が作用するので、腕を押し広げるような力が脇にかからないため、余分に力を入れる必要が無く、リラックスして治療を受けることができる。また、従来よりも痛みや不快感が少なくてすむ。
【0025】
請求項5記載の発明により、脇にかかる力が所定値に達した状態で、脇装具を設けた第二移動台を背もたれ部(8)に固定するので、それ以上の力で牽引しても、脇にかかる力は従来よりも遥かに小さいので、従来よりも痛みや不快感が少なくてすむ。
【0026】
請求項6記載の発明により、患者が治療器に乗り降りするときは、脇アーム13は乗り降りに邪魔にならない位置に退避させ、治療を開始すると、脇アーム13は自動的に移動して脇を支えるので、人手を一切かけることなく脇アーム(13)を自動的に装着することができる。このため、患者及び介助者の労力をゼロにすることができる。
【0027】
請求項7記載の発明により、水平方向に牽引するので、重力の影響が無く、電力エネルギー消費は少なくてすむ。また、特に急性期の腰痛で効果が高いといわれる図10に示すような90°−90°牽引の姿勢で治療をおこなうことができるので、治療効果が高くなる。
【0028】
請求項8記載の発明により、モータの回転数をモニタして所定の速度になるように電源を制御するので、牽引速度を、従来と同様に直線的に変化させることもできるし、図6のように様々に変化させることもできる。このため、牽引開始時にはゆっくり牽引し、慣れるに従って早く牽引するということもできるので、組織や関節が硬くなっているときにも安全に牽引することができる。また、牽引パターンを変化させて、慣れの少ない牽引治療をおこなうこともできる。
【0029】
請求項9記載の発明により、請求項8記載の発明を、安価に、単純に実現することができる。このため、故障が少なくなり、コストも低減できる。
【0030】
請求項10記載の発明により、治療中に牽引から持続に、持続から緩和に、緩和から休止に、休止から牽引に、というようにモードが変化するとき、モータ速度を連続的に変化させるので、不快なショックが発生しない。このため、リラックスして不快感の無い治療を受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】請求項1及び2記載の発明の実施例で、装置の概観図である。
【図2】請求項3記載の発明の臥台の実施例である。
【図3】請求項4記載の発明の脇アームの実施例である。
【図4】請求項5記載の発明の実施例の内視図である。
【図5】請求項6記載の発明の実施例である。
【図6】請求項8から10の発明による牽引パターンである。
【図7】従来の牽引パターンである。
【図8】従来の牽引装置による牽引の様子を示す。
【図9】特許第2528360号の実施例である。
【図10】特開2001−29373の実施例である。
【図11】実開昭60−13124の実施例である。
【図12】特開平6−233791の実施例である。
【図13】特公昭51−30716の実施例である。
【図14】特開2000−245760の実施例である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
(第1実施形態)
図1に、本発明の牽引装置の実施例を示す。図の1は基台、2は臥台、3は頃動機構部、4は臥台2のフレーム、5は牽引位置で下腿を載せる下腿載部、6は着座位置で患者が座る着座部、7は着座した患者の腰部下部を支える着座部背当、8は背もたれ部、9は牽引力を検出する荷重検出部、10は背もたれ部8を移動させて牽引力を発生させる牽引機構部、13は脇装具である。
図には記載していないが、装置は全体を制御する制御部を有し、牽引力、持続時間、休止時間、治療時間などの治療条件を入力してメモリし、これを実行するようにプログラムを有する。
従来の装置では、治療前の準備で、ベッドに載って、装具を装着し、仰臥位になって、脚台を脚の下に置いていた。その後、治療を開始すると休止モード、牽引モード、持続モード、緩和モードというサイクルを、治療時間に繰り返し、治療時間が終了すると牽引力をゼロにして治療を終了し、治療終了後に、治療準備と逆の動作をして、治療を終えていた。
これに対して請求項1記載の発明では、ベッドへの乗り降りは椅子状の臥台2の着座部6に座るだけでよく、専用の腰及び脇装具を簡単に装着した後、治療スタートスイッチを押すと、自動的に臥台2が頃動して牽引位置になり、牽引プログラムを実行し、治療時間が終了すると臥台2を着座位置に戻し、装具をとると、治療を終了する。これらの一連の動作は、自動的に実行される。
頃動機構部と牽引機構部には電動モータを用いたリニアアクチュエータを用いればよい。本請求項記載の発明により、治療前後の、患者及び介助者の労力を大幅に軽減すること
ができる。
【0033】
本出願と一見、似た装置が、特許文献4に開示されている(図9参照)。これは、ねじ棒とめねじ部材を組み合わせ、トルクモータで駆動するようにしたもので、本出願と同様、頃動と牽引が可能になっている。
しかし、この先願特許には、牽引の自動化については一切触れていない。
また、この先願特許には牽引力の検出手段を設けていない。このような構成にすると、モータと螺合機構部のばらつきによって摩擦が異なり、また、負荷(患者の体重)によっても摩擦が変化し、これらの摩擦は経時的にも変化する。このような構成にしてトルクモータを電流制御しているため、正確な牽引力を維持することはできない。
そこで請求項2記載の発明では、図1に示すように、牽引機構部10で背もたれ部8を駆動するときに生じる荷重(牽引力)を検出する荷重検出部9を牽引機構部10とフレーム4との間に設け、荷重検出部8で牽引力を直接にモニタしながら、所定の力で牽引するようにした。このようにすることで、モータや螺合機構部の摩擦にばらつきがあっても、これらが経時的に変化しても、また患者の体重が異なっても、正確な力で牽引することができる。
過重検出部には圧力計その他を用いればよい。
【0034】
請求項3記載の発明の実施例を図2に示す。図の4は臥台のフレーム、5は下腿載部、6は着座部、7は着座部背当、8は背もたれ部、18は腰用ベルト(腰用装具)である。
椅子状の臥台に患者を着座させ、着座部6と着座部背当7との間のコーナー部に設けた腰用ベルト14で、着座部6方向の力F1と着座部背当7方向の力F2とが作用するようにして、腰を固定している。
腰用ベルト14の固定にはバックルや面粘着式(マジックテープTM等)等、何を用いてもよい。椅子状の臥台に着座させて患者の脇を牽引すると、腰装具による固定が不十分であれば、下腿が下腿載部5に乗っているので、脇と膝とが一直線になるように体が浮く。本請求項記載の発明によりこれを効果的に押さえ、腰部を着座部に固定できる。
図には、着座部6と着座部背当7とのなす角度をほぼ2分する方向に向けて、フレーム4に、腰用ベルト18を取り付けているが、取り付け位置や角度も重要であるが、着座部6方向の力F1と着座部背当7方向の力F2とが作用するようにすることが重要である。着座部6と着座部背当7とのコーナー方向に、ベルトで骨盤を押えるようにすればよい。腰用ベルト18自体は単純な構造で、安価に実現できるが、効果的に患者を着座部に固定することができる。
本請求項記載の発明では、着座部6方向の力F1だけが作用するようにしてもよい。これは、着座部6の下に腰用ベルトを設けて実現できるが、股関節に負荷がかかり、股関節に障害のある人の牽引には適しない。
着座部背当7方向の力F2だけが作用するように、着座部背当7後方に腰用ベルトを設けると、牽引時に、体全体が牽引方向にずれて、牽引効果が低下する。
【0035】
請求項4記載の発明の実施例を図3に示す。
図の8は臥台の背もたれ部、11はアーム、12は脇当、13は脇装具である脇アーム、15はバー、OとPはバー15及び脇アーム13の回転軸である。
脇アーム13は、バー15を介して、背もたれ部8に取り付けている。
軸Oは、バー15を水平方向に回転させるための回転軸で、背もたれ部8に、左右に、人の脇の間隔よりも狭く設けている。
また、脇アーム13は、バー15に、回転軸P(バー21の長軸)を中心に回転自在に取り付けている。このため、患者が着座するときには、脇用アームが邪魔にならないように、O及びP軸を中心に脇用アームを回転させ、邪魔にならない位置に退避させておくことができる。脇アームは自由に回動できるので、着座した後に、脇当16を脇の近傍(脇固定位置)に置くことができ、そのまま牽引に移行できる。
本請求項記載の発明により、着座して、脇用アームを移動させるだけで、簡単に脇装具を装着できるので、患者及び介助者の省力化を実現できた。
脇アーム13は軸Oを中心に自由に回動でき、また、軸Oは両脇の間隔よりも狭くしているので、牽引をおこなうと、脇アーム13の脇当て12で両脇から体を締め付けるような力が作用する。
従来は、脇装具装着位置が脇よりも少し外にずれると、両腕を押し広げるような力が働き、この力に必死で耐えながら治療を続けることがあった。これでは体に力が入り、効果的な腰椎牽引ができないという不都合があった。本請求項記載の発明により、この問題も解決できる。
【0036】
請求項5記載の発明の実施例を図4に示す。
臥台2のフレーム4に、牽引方向に移動可能な背もたれ部8を設け、これを移動させる牽引機構部10を設けている。
また、背もたれ部8に沿って牽引方向に移動可能な第二移動台16を設け、これを背もたれ部8に沿って移動させる脇装具駆動部17を設け、第二移動台16には脇装具13を設けている。
牽引を開始すると、まず、脇装具駆動部17で第二移動台16を移動させて脇装具13で脇を牽引し、脇にかかる力が所定値に達すると脇装具駆動部17をその位置に固定し、続いて、牽引機構部10で背もたれ部8を移動させて牽引するようにしている。
このようにすることで、背中の摩擦力があるので、その分、牽引力よりも弱い力が脇にかかり、従来よりも弱い力が脇にかかるため、牽引時にも脇には痛みや不快感は発生しにくくなり、その結果、リラックスして、効果的な治療をおこなうことができる。
図には脇装具13として脇アームを示しているが、本請求項記載の発明では、図8に記載したロープ状の脇装具その他どのような種類の装具を用いてもよい。
【0037】
請求項6記載の発明の実施例を図5に示す。
軸Oは、バー15を水平方向に回転させるための回転軸で、第二移動台16に、左右に、人の脇の間隔よりも狭く設けている。バー15に脇アーム13を設け、脇アーム13は、バー15に、回転軸Pを中心に回動自由に接続している。
また、背もたれ部8に固定してコマ18を、脇アーム13の軸Pを中心として回動する部分にコマ19を固定して設け、コマ18と19とでカム機構を構成している。
牽引終了時に、第二移動部16が背もたれ部8に収納されるように移動すると、コマ18と19は接して、脇アーム13を押し、バー15はストッパー20に当たる。それ以上に第二移動部16が移動すると、コマ19がコマ18に滑り込み、脇アーム13を回動させ、臥台への乗り降りの邪魔にならない位置に脇アーム13を退避させる。
逆に、牽引開始時には、患者が着座して治療を開始すると、まず、脇装具駆動部17が作動し、第二移動台を牽引方向に移動させ、カム機構部が作動し、牽引終了時と逆に、コマ18と19の接触が少なくなり、脇アーム13が回動して、脇アーム13の脇当て12が患者の脇の近傍に来るので、自動的に牽引をおこなうことができる。
このようにして、治療開始前には脇アームを自動的に装着し、治療終了時には脇アーム13を邪魔にならない位置に自動的に退避させることができる。つまり、脇装具の自動着脱が可能になった。
【0038】
請求項7記載の発明では、臥台2を傾倒して牽引位置にしたとき、フレーム5がほぼ水平になるようにし、背もたれ部6をほぼ水平方向に移動させて牽引するようにした。
本請求項記載の発明により、重力に抗する動きが無いため、消費電力が少なくてすむ。また、牽引時の姿勢は図13と同様な、いわゆる90°−90°牽引になるため、急性期の腰痛を始めとして、より効果的な治療が可能になった。
【0039】
請求項8記載の発明では、牽引機構部の駆動源に速度制御が可能な電動モータを用い、所定の牽引速度で牽引しているときのモータの回転速度を検出してパルス信号に変換し、このパルス信号を計数してパルス数Nを求めて予め記憶させておき、
実際の牽引時に、同様に電動モータの回転速度を検出してパルス信号に変換し、このパルス信号を計数してパルス数Nを求め、
測定したパルス数Nと記憶させているパルス数Nとを比較し、
パルス数NとNとの差が所定の範囲に入るようにモータの電源を制御し、所定の牽引速度で牽引するようにした。
つまり、モータの回転数に対応するパルス数と牽引速度との関係を求めておき、所定の速度で牽引する場合、この速度に対するパルス数になるようにモータの電源を制御しようというものである。
モータの回転数は、タコメータ、光センサ、磁気センサその他を用いてパルス化することができる。本請求項記載の発明では、どのようなセンサを用いてもよい。
本請求項記載の発明により、任意の牽引速度を得ることができる。速度を様々に変化させながら牽引する場合の牽引パターンを図6に示す。従来の通常の牽引では、図7に示すように、牽引力が直線的に増える等速牽引であった。図の横軸は時間で、縦軸は牽引力である。グラフの傾きが牽引速度に相当する。図6も同様である。
例えば図6(C)のように、牽引力を増減させながら設定牽引力まで牽引する場合、牽引速度(グラフの傾斜)に対応するパルス数のパターンを作っておき、このパターンになるようにモータの電源を制御すれば、図6のような所望の牽引パターンが得られる。つまり、本出願の発明によると、任意の牽引パターンを発生させることができる。
【0040】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明を、簡単に、安価に実現するものである。本請求項記載の発明では、モータの回転数を測定してパルス化するのに、モータ電源をモニタし、モータが回転するときに生じる電源の変動を測定し、これをパルス化して計数するようにした。このパルス数と牽引速度との関係を求めておき、所定の牽引力にするには、所定のパルス数になるようにモータ電源を制御すればよい。
本請求項記載の発明により、タコメータや光センサなどが不要となり、価格を低減できる。また、構成が簡単になるので、製造コストも低減でき、故障も少なくなる。
【0041】
従来の牽引では、牽引モードが変化するとき、例えば、牽引から持続のモードに移行するとき、モータの回転数はnからゼロに変化する。このとき機械的な衝撃が発生して、患者に不快感を与える。これは持続から緩和に、緩和から休止に、休止から牽引にと、モードが変化するときには全て生じる。また、持続時に何らかの原因で牽引力が不足したり強くなりすぎたときに、再度牽引したり緩和したりする。このときにも同様に生じる。
これを防止するために、請求項10記載の発明では、請求項8又は9記載の発明の牽引速度制御を応用し、牽引時の牽引速度Vと非牽引時の牽引速度0との間で、パルス数Nをモニタしながらモータの電源を制御して、牽引速度をほぼ連続的に変化させるようにした。例えば、牽引から持続のモードに移行するとき、モータの回転速度をパルス数でモニタしながら牽引力をモニタし、牽引力が設定値に近づいたとき、モータ電源を制御して、モータの回転数を連続的に変化させ、緩やかにモータを停止させるようにしている。図6(A)にこの例を示す。持続から緩和へ、緩和から休止へ等、どのような場合も同様にできる。
【0042】
(第2実施形態)
頃動機構部と牽引機構部及び脇装具駆動部には、実施例1ではリニアアクチュエータを用いることができると記載したが、ワイヤで背もたれを移動させるようにしてもよい。また、棒ねじとナットを組み合わせてモータで駆動するようにしてもよい。背もたれを移動させることができるものであれば何を用いてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 基台
2 臥台
3 傾動機構部
6 着座部
8 背もたれ部
9 荷重検出部
10 傾動機構部
13 脇アーム
14 腰用ベルト
16 第二移動部
17 脇装具駆動部
18 こま
19 カム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着座部(6)や背もたれ部(8)などからなる椅子状の臥台(2)を基台(1)に載置し、臥台(2)を着座位置から所定角度背面側へ傾倒した牽引位置まで頃動させる頃動機構部(3)を設け、
背もたれ部(8)を牽引方向に移動可能にして牽引機構部(10)で移動させるようにした牽引装置において、
臥台(2)を着座位置にして患者を座らせて治療をスタートすると、臥台(2)を牽引位置に頃動し、牽引治療を実行し、治療が終了すると臥台(2)を着座位置に戻すという一連の動きを自動的におこなうようにしたことを特長とする牽引装置。
【請求項2】
着座部(6)や背もたれ部(8)などからなる椅子状の臥台(2)を基台(1)に載置し、
臥台(2)を着座位置から所定角度背面側へ傾倒した牽引位置まで頃動させる頃動機構部(3)を設け、背もたれ部(8)を牽引方向に移動可能にして牽引機構部(10)で移動させるようにした牽引装置において、
牽引機構部(10)で発生させた荷重を検出する荷重検出部(9)を設け、荷重検出部(9)で牽引力をモニタしながら、所定の力で牽引するようにしたことを特長とする牽引装置。
【請求項3】
椅子状の臥台(2)の着座部(6)近傍に腰用ベルト(14)を設け、着座した患者の腰部又は大腿部を固定するようにした請求項1又は請求項2のいずれかに記載した牽引装置。
【請求項4】
背もたれ部(8)に、脇支持部(12)とアーム(11)からなる脇アーム(13)を、左右一対に、鉛直方向の又は背もたれ部(8)の上面とほぼ垂直方向の回転軸Oと軸Oと直交する軸Pとを介して設け、
牽引時には脇アーム(13)を脇の近くに移動させて脇を支持できるようにし、臥台(2)への乗り降り時には邪魔にならないように脇アーム(13)を退避位置に移動させるようにした、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載した牽引装置。
【請求項5】
臥台(2)に牽引方向に移動可能な背もたれ部(8)を載置し、
背もたれ部(8)を移動させる牽引機構部(10)を設け、
背もたれ部(8)に沿って牽引方向に移動可能な第二移動台(16)を設け、
第二移動台(16)を背もたれ部(8)に沿って移動させる脇装具駆動部(17)を設け、
第二移動台(16)に脇装具(13)を設け、
牽引を開始すると、まず、脇装具駆動部(17)で第二移動台(16)を移動させて脇装具(13)で脇を牽引し、脇にかかる力が所定値に達すると脇装具駆動部(17)をその位置に固定し、続いて、牽引機構部(13)で背もたれ部(8)を移動させて牽引するようにした、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載した牽引装置。
【請求項6】
臥台(2)に牽引方向に移動可能な背もたれ部(8)を載置し、
背もたれ部(8)を移動させる牽引機構部(10)を設け、
背もたれ部(8)に沿って牽引方向に移動可能な第二移動台(16)を設け、
第二移動台(16)を背もたれ部(8)に沿って移動させる脇装具駆動部(17)を設け、
第二移動台(16)に、ほぼ鉛直方向の、又は背もたれ部(8)の上面とほぼ垂直方向の回転軸Oを、人の両脇間隔よりも狭く、左右一対に設け、
両回転軸Oを中心に回転自由にバー(15)を設け、
バー(15)に脇アーム(13)を接続し、バー(15)の長軸Pを中心に回転自由に脇アーム(13)を設け、
背もたれ部(8)と脇アーム(13)にコマ(18)とカム(19)を設けてカム機構部とし、
第二移動台(16)が移動するときカム機構部が作動して、軸Pを中心に脇アーム(13)を回転遥動させるようにし、
牽引時には脇アーム(13)を脇の近くに移動させて脇を支持できるようにし、臥台(2)への乗り降り時には邪魔にならないように脇アーム(13)を退避位置に移動させるようにした牽引装置。
【請求項7】
臥台(2)を傾倒した牽引位置で臥台(2)のフレーム(5)がほぼ水平になるようにし、背もたれ部(6)をほぼ水平方向に移動させて牽引するようにした請求項1乃至請求項6のいずれかに記載した牽引装置。
【請求項8】
牽引機構部の駆動源に速度制御が可能な電動モータを用い、
所定の牽引速度で牽引しているときの電動モータの回転速度を検出してパルス信号に変換し、このパルス信号を計数してパルス数Nを求め、パルス数と牽引速度との関係を求めておき、
牽引時に電動モータの回転速度を検出してパルス信号に変換し、このパルス信号を計数してパルス数Nを求め、
牽引時のパルス数Nと記憶させているパルス数Nとを比較し、
パルス数NとNとの差が所定の範囲に入るようにモータの電源を制御し、所定の速度で牽引するようにした牽引装置。
【請求項9】
電動モータにDCモータを用い、DCモータの電源を測定し、DCモータが回転したとき生じる電源のリップルを測定してパルス信号に変換して計数し、このパルス数が所定値になるようにモータの電源を制御するようにした請求項8記載の牽引装置。
【請求項10】
スロースタート・ストップ牽引時の牽引速度Vと非牽引時の牽引速度0との間で、パルス数Nをモニタしながらモータの電源を制御して、牽引速度をほぼ連続的に変化させるようにしたことを特長とする請求項8又は請求項9の牽引装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−5413(P2010−5413A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−187160(P2009−187160)
【出願日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【分割の表示】特願2003−310339(P2003−310339)の分割
【原出願日】平成15年9月2日(2003.9.2)
【出願人】(000114190)ミナト医科学株式会社 (31)
【Fターム(参考)】