説明

玄関ドアおよびその玄関ドアの製作方法

【課題】遮音性に優れると共に断熱性、気密性および防露性の向上を図れ、かつ開放寸法を小さくせずにすむ玄関ドアおよび玄関ドアの制作方法を提供する。
【解決手段】本実施形態の玄関ドア10は、薄板鋼板で構成され室内側に突出した補強部11Bを有するドア本体と、このドア本体11の前記補強部11Bで囲まれた中央領域Cの室内側の面に装着された防振ゴム25と、ドア本体11の室内側の面に対向配置されると共に遮音機能を備えかつ補強部11Bに保持されたグラスウール27と、このグラスウール27の周囲に設けられると共にドア本体11と当該ドア本体用のドア取付け枠体13との隙間を遮蔽するシール部材38と、を備えた構成とされ、ドア本体11の中央領域Cとグラスウール27との間に空間領域Sを設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は玄関ドアおよびその玄関ドアの製作方法に係り、さらに詳しくは、昭和30年から50年前半に供給された公共および民間集合住宅用の古いタイプの玄関ドアをベースにして、遮音性および断熱性等が向上するように改修した玄関ドアおよびその玄関ドアの製作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1に開示されたような、集合住宅などの室内改装工事にともなって発生する工事騒音を効率よく低減できるドアの遮音構造が知られている。
【0003】
一方、昭和30年から50年前半に供給された古いタイプの公共および民間集合住宅で使用されている玄関ドアは、その殆どがKJ型プレスドアと呼ばれるタイプのものであり、当時の製作規格に基づいて製作されたものである。
すなわち、この玄関ドアは、薄型鋼板製の1枚のドア板と、このドア板の室内側の面においてその中央領域の周囲に設けられた枠状の補強部とで構成されている。この補強部は断面が細長角筒状に形成されている。
このような玄関ドアは、玄関部分のドア取付け枠にヒンジ部材を介して開閉自在に取付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−106066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に開示されたドアの遮音構造は、室内改装工事の際にのみドアに取付けて使用するものであり、通常時には使用されないものである。
【0006】
また、前述した従来の玄関ドアは、遮音性、断熱性、気密性および防露性のいずれもが著しく劣るものであり、快適な居住生活を期待することができないものである。
すなわち、従来の玄関ドアは、前述のようにヒンジ部を介してドア取付け枠に取付けられているが、玄関ドアの開閉が自在となるように、玄関ドアの外周面とドア取付け枠の内周面との間に所定寸法の隙間が設定されている。
この隙間は必要最小限度に設定されているが、隙間であることに変わりはなく、その隙間から音や風が入り込むので、断熱性が悪く、また、遮音性および気密性も悪いという問題がある。そのため、所定のシール部材を隙間に取付けたりすることも行われているが、充分に隙間を塞ぐことはできず、満足できる効果は得られない。また、上記シール部材は劣化しやすいうえに破れやすく、頻繁にシール部材の交換が必要となる。
【0007】
また、玄関ドアは、ドア板の中央領域の周囲に室内側(玄関側)に突出した補強部が形成されているが、ドア板が1枚の薄板鋼板で形成されているため、ドア板の中央領域に生じた音が直接室内に伝わりやすく、特に遮音性が悪いという問題がある。
さらに、ドア板が1枚の薄板鋼板で形成されているため、熱が逃げやすく、遮音性の他に断熱性が悪いという問題もある。その結果、室内と室外との温度差による結露が生じやすく、防露性も悪いという問題がある。
そのため、特に、暑い地域、例えば沖縄地方や九州南部地方の夏等、室内の冷房が効きにくくなり、その結果、電力消費量が多くなってCOの排出量も増え、いわゆるエコに反したものとなる。
また、寒い地域、例えば北海道地方、東北地方の冬等、室内の暖房が効きにくくなり、その結果、電力消費量や灯油の消費量が多くなってCOの排出量も増え、この場合も、いわゆるエコに反したものとなる。
【0008】
ところで、公団等の集合住宅において、建物の建て替えに至らない場合等、快適な居住生活を得るためには、現在取付けられている玄関ドアの改修(リニューアル)が必要となる。
そこで、公団などでは現在の玄関ドアを改修して、遮音性、断熱性、気密性および防露性の向上を図ろうとしている。
【0009】
玄関ドアの主な改修方法としては、第1の方法として、玄関ドアを交換する方法が挙げられる。この第1の方法では、予め遮音性等各種性能に優れた新玄関ドアを製作しておき、現在の玄関ドアをドア取付け枠から取り外し、新玄関ドアと交換するものである。
第2の方法として、ドア取付け枠の内周にゴムを装着した枠カバーを取付け、玄関ドアとドア取付け枠との隙間を塞ぐことにより、遮音性、断熱性、気密性および防露性の向上を図るようにしたものである。
第3の方法として、現在の玄関ドアはもちろん、その玄関ドアを取付けるドア取付け枠をも交換する枠ハツリ交換方法がある。
【0010】
しかし、上記公団などで行なわれている現状の玄関ドアの改修については、まず、上記いずれの方法でも、居抜きのままの工事となるので、埃、振動、騒音が出るため居住者からのクレームが多いという問題がある。
【0011】
また、第1の方法では新しく製作した玄関ドアを既存のものと交換したり、第2の方法では枠カバーを製作すると共に、それに合う新しい玄関ドアを製作したり、第3の方法では既存玄関ドアとドア取付け枠とを新しいタイプのものに製作すると共に、それらを既存のものと交換しているが、いずれの方法でも多くの手間と時間が掛かりコスト高である、という問題が発生している。
【0012】
さらに、特に前記第2の方法では、ドア取付け枠の内周に枠カバーを装備するため、玄関ドアを開けたときの開放寸法が小さくなる、という問題が生じる。そのため、ドア交換前には室内に搬出入できた家具等が、開放寸法が小さくなったために搬出入できない場合もある。
結局、資産価値の向上、耐震などの機能付加の場合を除き、大半の場合は、交換するまでの余裕がなく、前述のようにシール部材を貼る等の手当てをして、不満の残る状態でそのまま使用している。
【0013】
そこで、本発明は前述した各課題を解決するために提案されたものであり、遮音性に優れると共に断熱性、気密性および防露性の向上を図れ、かつ開放寸法を小さくせずにすむ玄関ドアおよび玄関ドアの制作方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために、本発明の玄関ドアは、薄板鋼板で構成され室内側に突出した補強部を有するドア本体と、このドア本体の前記補強部で囲まれた中央領域の室内側の面に装着された防振部材と、前記ドア本体の室内側の面に対向配置されると共に遮音機能を備えかつ前記補強部に保持された断熱部材と、この断熱部材の周囲に設けられると共に前記ドア本体と当該ドア本体用のドア取付け枠体との隙間を遮蔽するシール部材と、を備え、前記ドア本体の前記中央領域と前記断熱部材との間に空間領域を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の玄関ドアは以上のように構成されているので、ドア本体に伝わった振動音がその室内側の面に装着された防振部材により吸収され、また、共振点が分散される。さらに、ドア本体に伝わった振動音は、断熱部材とドア本体の中央領域との間の空間領域で反射し合い、減衰する。そのうえ、断熱部材の部位でも遮音され、二重三重の遮音対策となっている。その結果、玄関ドアの遮音性能が大幅に向上すると共に断熱部材による断熱性も向上し、かつ防露性も向上する。
また、断熱部材の周囲に装着されたシール部材により、ドア本体と当該ドア本体を取付けるドア取付け枠体との隙間が遮蔽されるので、気密性が向上する。
さらに、ドア取付け枠体に枠カバーを取付けずにすむので、玄関ドアを開けたとき開放寸法が小さくならないという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の玄関ドアの第1実施形態を示す室内側から見た全体正面図である。
【図2】図1におけるII−II線に沿った縦断面図である。
【図3】図1におけるIII−III線に沿った横断面図である。
【図4】前記第1実施形態のカバー部材の外周部を示す詳細図である。
【図5】前記第1実施形態のドア本体を室内側から見た全体正面図である。
【図6】図5におけるV−V線に沿った縦断面図である。
【図7】図5におけるVII−VII線に沿った横縦断面図である。
【図8】前記第1実施形態のドア本体に防振部材を取付けた状態を示す室内側から見た全体正面図である。
【図9】前記第1実施形態のドア本体に断熱部材を取付けた状態を示す室内側から見た全体正面図である。
【図10】前記第1実施形態の断熱部材の取付け状態を示す縦断面図である。
【図11】前記第1実施形態のベースパネルを取付ける際の水平治具を示す部分斜視図である。
【図12】前記第1実施形態の郵便受け部を示す縦断面図である。
【図13】前記第1実施形態の錠前部を示す縦断面図である。
【図14】前記第1実施形態のドアスコープ部を示す縦断面図である。
【図15】前記第1実施形態の玄関ドアの製作手順を示すフローチャートである。
【図16】本発明の玄関ドアの第2実施形態を示す全体縦断面図である。
【図17】前記第2実施形態のプレート部材の外周部を示す詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図1〜図15に基づいて本発明の玄関ドアの第1実施形態を説明する。
まず、図1〜図4に基づいて上記第1実施形態の玄関ドア10の全体構成を説明する。
【0018】
図1〜図4に示すように、玄関ドア10は、例えば薄板鋼板で構成されたドア本体11を備えており、このドア本体11は、前述した従来の集合住宅等の玄関ドアに相当するものである。そして、本第1実施形態の玄関ドア10は、ドア本体11として現在取付けられている上記従来の玄関ドアをそのまま利用して改修し、製作したものである。
【0019】
ドア本体11は、図4〜図7に詳細を示すように、薄板鋼板でなる1枚のドア板11Aと、このドア板11Aの中央領域Cの周囲に設けられた補強部11Bとで構成されている。この補強部11Bは、断面細長角筒状に形成されると共に、ドア板11Aの室内側、つまり玄関側に突出して一体的に設けられている。
【0020】
以上のようなドア本体11は、当該ドア本体11の幅方向一方側端部とドア取付け枠体13とにわたって取付けられたヒンジ12により、図3および図7に矢印Aで示すように開閉自在となっている。
【0021】
図5、図8等に示すように、ドア本体11の室内側の面の上部には、玄関ドア10が急激に閉じないように緩衝するドアストッパー14が取付けられている。
ドア本体11の下部側かつ幅方向略中央部には、郵便受け部15が設けられている。この郵便受け部15は、ドア本体11の室外から投入された郵便物を室内側、つまり玄関から受け取れるようになっている。
【0022】
また、ドア本体11の幅方向一方側端部かつ高さ方向略中央部には、幅方向一方側端部に設けられたドアノブ16を備えた錠前部17が設けられており、この錠前部17には、ドアノブ16の上方位置にドアチェーン18を引掛けるドアチェーン引掛け部19が設けられている。なお、ドアチェーン18の固定部は前記ドア取付け枠13の所定位置に固定されている。
さらに、ドア本体11の前記郵便受け部15とドアストッパー14との略中間部、つまり居住者が玄関から見やすい高さ位置にドアスコープ20が設けられている。
【0023】
以上のようなドア本体11の前記中央領域Cには、図8に詳細を示すように、防振部材である3個の板状の防振ゴム25が接着等により貼付されている。これらの防振ゴム25は、平面矩形形状に形成されると共に、郵便受け部15を挟んだ上下と、ドアスコープ20のある部位に配置されている。
そして、このような防振ゴム25は、ドア本体11に伝わる振動を吸収し、また、共振点をずらすことができ、これにより、遮音しようとするものである。
【0024】
ドア本体11の室内側表面には、図2〜図4に示すように、ベースパネル26が装着されており、このベースパネル26には、遮音機能を備えた断熱部材であるグラスウール27が収容されている。
【0025】
ベースパネル26は薄板鋼板で形成され、図4に詳細を示すように、前記ドア本体11の補強部11Bと当接しかつ当該補強部11Bに固着される固着部26Aと、この固着部26Aからドア本体11のドア板11Aの中央領域C側に突出した中央部26Bとで構成されている。また、固着部26Aの外周先端部には、室内側に突出した立上がり部26Cが形成されている。
【0026】
ベースパネル26の中央部26Bには、図1、図9に示すように郵便受け部15を挟んで左右に配置され、かつ上下方向に延びた補強梁28が設けられている。この補強梁28は、図4に詳細を示すように、例えばCチャンで形成されており、それぞれ背面部を外側にして対向配置されている。
【0027】
図9に示すように、対向配置された補強梁28間には、郵便受け部15を挟んで上下方向に配置されて補強梁29が設けられ、また、前記ドアスコープ20の部位には横梁30が設けられている(図14も参照)。
上記補強梁28の高さ寸法は、ベースパネル26の中央部26Bの内面から立上がり部26Cの先端までの寸法よりもわずかに大きな寸法に設定されている。
【0028】
以上のような構成のベースパネル26は、図4に示すように、固着部26Aを補強部11Bに当接した後、取付けビス31によりドア本体11に取付け、固定される。この取付けビス31のねじ込み位置は、図9に示すように、ベースパネル26の周囲にバランスよく決められている。
【0029】
ベースパネル26の内部には、前述のようにグラスウール27が収容されている。このグラスウール27は、適宜な大きさに分割されると共に、図10に示すように、グラスウール取付け部材33によりベースパネル26の内部に保持されるようになっている。
グラスウール取付け部材33は、ベースパネル26に、例えば磁力により固定される固定プレート33Aと、当該固定プレート33Aに固着され上記グラスウール27の上面を押さえる押え棒33Bとで構成されている。そして、グラスウール取付け部材33は、図1に示すように、ベースパネル26、グラスウール27の大きさおよび厚さに対応して、略均一に、かつバランスよく配置されている。
【0030】
ベースパネル26をドア本体11に取付けるに際し、ベースパネル26の固着部26Aを補強部11Bにビス止め固定するために、そのビス止め箇所においては、まずグラスウール27を取り外しておいて、取付けビス31をねじ込んだ後に、そのグラスウール27を被せるようにすれば作業が容易である。
【0031】
以上のような構成のベースパネル26においては、図9に示すように、前記ドアストッパー14用の切欠き部26D、郵便受け部15用の切欠き部26E、錠前部17用の切欠き部26F、ドアチェーン引掛け部19用の切欠き部26Gがそれぞれ形成されている。
すなわち、これらの切欠き部26D等は、ドアストッパー14等がドア本体11に取付けられた状態のままでベースパネル26をドア本体11に取付けることができるように切欠かれたものである。
【0032】
図4に詳細を示すように、ベースパネル26の室内側端面には、当該ベースパネル26内に保持されたグラスウール27が室内側に剥き出しになるのを防止するために、当該グラスウール27を覆うと共に玄関ドア10の室内側の面となるカバー部材35が設けられている。
【0033】
カバー部材35は例えばカラー薄型鋼板で形成されており、その全体平面大きさは、ベースパネル26の全体平面大きさより大きく形成されている。すなわち、カバー部材35の外周先端部35Aは、ベースパネル26の立上がり部26Cからドア取付け枠体13側に突出している。そして、外周先端部35Aが突出した状態で内側に折り返され、つまりヘミング折りされ、ヘミング折りされた先端部がさらに略90度、ベースパネル26の立上がり部26C側に折り曲げられ、その折曲げ部位がカバー部材35のベースパネル26の立上がり部26Cへの取付け部35Bを構成している。
【0034】
取付け部35Bの内周は、上記立上がり部26Cの外周に被せることができるような寸法に設定されている。したがって、カバー部材35の取付け部35Bを立上がり部26Cの外周に被せた後、取付け部35Bの外周から立上がり部26Cに向けて取付けビス36をねじ込み、これにより、カバー部材35がベースパネル26に取付けられるようになっている。
ここで、立上がり部26Cの端部より補強梁28の端部が室内側にわずかに突出しているので、カバー部材35は、補強梁28の一面と当接し、かつ補強梁28によりカバー部材35の中央部が支持され、これにより、カバー部材35の強度が確保されている。
【0035】
以上のようなカバー部材35にも、前記ベースパネル26と同様に、前記ドアストッパー14用、郵便受け部15用、錠前部17用およびドアチェーン引掛け部19用の各切欠き部が形成されている。
すなわち、図1に示すように、ドアストッパー14部には切欠き部35D、郵便受け部15には切欠き部35E、錠前部17には切欠き部35F、ドアチェーン引掛け部19には切欠き部35Gがそれぞれ形成されている。これらの各切欠き部35D,35E,35F,35Gは、前記ベースパネル26に形成された各切欠き部26D,26E,26F,26Gと対応しており、ドアストッパー14等がドア本体11に取付けられた状態のままでカバー部材35をベースパネル26に取付けることができるように切欠かれたものである。
【0036】
カバー部材35の各切欠き部35D,35E,35F,35Gには、カバー部材35をベースパネル26に取付けた後、室内からの見栄えがよくなるように、切欠き部35Dに目隠し部材40、切欠き部35Eに目隠し部材41、切欠き部35Fに目隠し部材42、切欠き部35Gに目隠し部材43がそれぞれ取付けられている。
【0037】
これらの目隠し部材40〜43は、例えば、カバー部材35と同様にカラー鋼板で形成されているが、必ずしもカラー鋼板でなくてもよく、通常の鋼板でもよい。また、カラー鋼板で形成した場合でも、カバー部材35と色違いとすることで、変化に富んだ雰囲気を出すことができる。
【0038】
ここで、図12に基づいて郵便受け部15用の切欠き部26E,35Eと目隠し部材41、および図13に基づいて錠前部17用の切欠き部26F,35Fと目隠し部材42との詳細をそれぞれ説明する。
【0039】
まず、図12に示すように、郵便受け部15用の切欠き部26Eは前述のようにベースパネル26に形成され、その切欠き部26Eには前記補強梁29が全周にわたって設けられており、これにより、切欠き部26Eの強度が確保されている。また、カバー部材35の切欠き部35Eは、上記切欠き部26Eと同じ大きさに形成されている。
そして、切欠き部26E,35Eの部位の目隠し部材41は、その内周端部を郵便受け部15の外周に当接させた状態でカバー部材35に接着等で取付けられており、これにより、切欠き部26E,35Eが隠されるようになっている。
【0040】
また、図12に示すように、前記郵便受け部15にも遮音対策が実施されている。
すなわち、郵便受け部15の郵便投入口15Aおよび郵便取出し口15Bを除く内周部全面に、前記防振ゴム25と同様の材質で形成された防振ゴム22が貼付されている。また、郵便取出し口15Bに対して矢印Bで示す方向に開閉される開閉扉15Cの内面にも上記防振ゴム22が貼付されている。
郵便受け部15にも、上記のように防振ゴム22が貼付されていることから、郵便受け部15に生じた振動音が防振ゴム22に吸収されるので、郵便受け部15でも遮音効果が得られる。
【0041】
次に、図13に示すように、錠前部17用の切欠き部26Fは前述のようにベースパネル26に形成され、その切欠き部26Fには補強梁23が全周にわたって設けられており、これにより、切欠き部26Fの強度が確保されている。また、カバー部材35の切欠き部35Fは、上記切欠き部26Fと同じ大きさに形成されている。
そして、切欠き部26F,35Fの部位の目隠し部材42は、その内周端部を錠前部17の外周に当接させた状態でカバー部材35に接着等で取付けられており、これにより、切欠き部26F,35Fが隠されるようになっている。
【0042】
図4に戻って詳細を示すように、ベースパネル26を補強部11Bに取付け、さらにベースパネル26にカバー部材35を取付けたとき、カバー部材35のヘミング折りされた取付け部35Bと、前記ドア本体11の補強部11Bと、ドア取付け枠体13との間には溝部が形成された状態となる。
そして、この溝部には、ドア本体11とドア取付け枠体13との間の隙間を遮蔽するシール部材38がベースパネル26の全周にわたって設けられている。
【0043】
このシール部材38は、シリコンが含浸されたネオプレンゴムで形成されている。また、シール部材38は、基端部に対して先端部が一定の傾斜となった断面略レ字状に形成されており、略レ字状の一平坦面つまり基端部が前記カバー部材35の取付け部35Bに例えば接着で固定され、略レ字状の傾斜部つまり先端部が、カバー部材35の外周先端部35Aからドア本体11の補強部11B側に向いており、傾斜部の先端が前記ドア取付け枠体13の側面を押圧した状態で、当該ドア取付け枠体13の側面に摺接している。
ここで、シール部材38の先端部はカバー部材35の外周先端部35Aに対して、例えば45度の角度で傾斜して形成されている。
【0044】
なお、シール部材38のうち、ベースパネル26の外周の立上がり部26Cおよびカバー部材35の外周先端部35Aの下部に装着されるシール部材38は、ベースパネル26をドア本体11の補強部11Bに取付けた後には上記溝部に挿し込むことができないので、その部分のシール部材38のみは、予め工場等で装着されている。
【0045】
ベースパネル26がドア本体11の補強部11Bに取付けられたとき、ベースパネル26の中央部26Bとドア本体11の防振ゴム25とは対向配置されており、さらに、両者26B,25との間には所定寸法の間隔、つまり空間領域Sが形成されている。
【0046】
この空間領域Sでは、ドア本体11のドア板11Aに伝わった振動音が、ドア板11Aとベースパネル26との間で反射し合い、これにより室内側に伝わる振動音が減衰されるようになる。
また、空間領域Sと室内との間には、前述のようにベースパネル26に保持されてグラスウール27が設けられており、このグラスウール27にも遮音機能があるため、本第1実施形態では、防振ゴム25で第1の遮音対策が立てられ、空間領域Sで第2の遮音対策が立てられ、さらに、ベースパネル26内部のグラスウール27で第3の遮音対策が立てられ、本実施形態では二重三重の遮音対策が立てられていることになる。その結果、遮音効果が一層高められるようになっている。
【0047】
前記ベースパネル26をドア本体11に取付ける際、容易に水平位置を確保するために、図11に示すように、水平位置出し治具45が用いられている。
この水平位置出し治具45は断面矩形形状の棒状部材で形成され、上面が水平状態でドア本体11における下部の補強部11Bに室内側に突出して配置されている。水平治具45は、例えば万力により着脱可能に取付けられ、ベースパネル26をドア本体11に取付けた後は、取外されるようになっている。
【0048】
ここで、ベースパネル26のドア本体11への取付けは、ドア本体11に取付けられている水平治具45の上面にベースパネル26の下部の立上がり部26Cを載せると共に、ベースパネル26の固着部26Aをドア本体11の補強部11Bに押し当て、前述のように取付けビス31をねじ込んで行なわれる。
【0049】
なお、ベースパネル26の横方向の位置決めは目視で行なってもよいが、ベースパネル26の外周寸法とドア取付け枠体13における側面間寸法との差の半分に相当するスペーサ部材を準備しておいて、そのスペーサ部材をベースパネル26の一方側の側面とドア取付け枠体13の一方側の側面とに当てながら行なうと、横方向の位置決めをより正確に行うことができる。
【0050】
次に、図15のフローチャートに基づいて、ドア本体11にベースパネル26等を取付けて玄関ドア10を製作する手順を説明する。
【0051】
前述のように、ドア本体11は現在取付けられている玄関ドアをそのまま利用するものである。そのため、第1の工程(ST1)では、まず、ドア本体11の室内側に装備されているドアスコープ20、ドアチェーン18を取り外す。
【0052】
第2の工程(ST2)では、図8にも示すように、ドア本体11の室内側の面の埃や汚れを落とした後、ドア本体11の中央領域Cに振動音を吸収する3個の防振ゴム25を貼付する。
【0053】
第3の工程(ST3)では、図9にも示すように、遮音機能を備えたグラスウール27が収容され、かつドア本体11に装備された郵便受け部15と、ドアストッパー14と、錠前部17と、引掛け部19を挿通可能とする切欠き部26D,26E,26F,26Gが形成されたベースパネル26を、防振ゴム25と対向するように配置すると共に、ドア本体11に設けられた水平位置出し治具45の上面に載せてドア本体11に取付ける。
【0054】
ここで、上記水平位置出し治具45は、前述のように、ドア本体11における補強部11Bの室内側下部に例えば万力により着脱自在に取付けられており、この水平位置出し治具45上にベースパネル26の下部の立上がり部26Cを載せることで、容易に水平位置出しが行われ、その後、横方向の位置出しを行ない、ベースパネル26の固着部26Aをドア本体11に押当てて取付けビス31によりドア本体11に取付けられる。
ベースパネル26をドア本体11に取付けた後、水平位置出し治具45をドア本体11から取り外す。
【0055】
第4の工程(ST4)では、ベースパネル26の室内側に、グラスウール27を覆うカバー部材35を補強梁28に当接させて取付ける。この際、カバー部材35の取付け部35Bをベースパネル26の立上がり部26Cの外周に被せた後、取付け部35Bの外周側面から立上がり部26Cに向けて取付けビス36をねじ込んでベースパネル26にカバー部材35を取付ける。
【0056】
第5の工程(ST5)では、ベースパネル26の周囲にドア本体11とドア取付け枠体 との隙間を遮蔽するシール部材38を取付ける。この際、シール部材38の先端がドア取付け枠体13の側面に摺接するように確認しながら取付ける。
【0057】
第6の工程(ST6)では、取り外されているドアチェーン18を元の位置に取付けると共に、本実施形態の玄関ドア10に対応するように形成された新しいドアスコープ20を元の位置に取付ける。
【0058】
第7の工程(ST7)では、カバー部材35におけるドアストッパー14用の切り欠き部26Dの縁部に目隠し部材40、郵便受け部15用の切り欠き部26Eの縁部に目隠し部材41、錠前部17用の切り欠き部26Fの縁部に目隠し部材42、引掛け部19用の切り欠き部26Gの縁部に目隠し部材43をそれぞれ接着により取付ける。
【0059】
本第1実施形態の玄関ドア10は、以上のように構成されているので次のような効果を得ることができる。
(1)ドア本体11の補強部11Bにベースパネル26が取付けられ、このベースパネル26はその中央部26Bが、間に空間領域Sをおいて防振ゴム25が装着されたドア本体11の中央領域Cと対向配置されているので、ドア本体11に生じた振動音が空間領域Sにおいてベースパネル26の中央部26Bとドア本体11の中央領域Cとの間で反射し合い、減衰する。その結果、玄関ドア10の遮音性能が大幅に向上する。
【0060】
(2)ベースパネル26には遮音機能を備えたグラスウール27が保持されているので、このグラスウール27の部位でも遮音される。その結果、玄関ドア10の遮音性能が大幅に向上すると共にグラスウール27による断熱性も向上し、かつ防露性も向上する。
【0061】
(3)ドア本体11におけるドア板11Aの室内側の面の3箇所に防振ゴム25が装着されているので、これらの防振ゴム25によりドア本体11に生じた振動音が吸収され、また共振点が分散される。その結果、防振ゴム25の部分でも遮音され、空間領域Sでも遮音され、さらに、グラスウール27の部位でも遮音されるので、二重三重の遮音対策が図られ、これにより、優れた遮音効果を得ることができる。
【0062】
(4)ベースパネル26の内部にグラスウール27が装着されており、このグラスウール27が熱の伝達を遮断するので、外部からの冷気や暖気が室内に侵入することを防止し、あるいは室内の冷気や暖気が外部に逃げるのを防止することができ、優れた断熱効果を得ることができる。その結果、冷暖房の温度を必要以上に上げたり、下げたりしなくてもよくなり、電力消費量や灯油の消費量を少なくでき、COの排出量も抑えることができ、これにより、いわゆるエコ対策を図ることができる。
【0063】
(5)ベースパネル26の周囲にシール部材38が装着され、このシール部材38の先端部はドア取付け枠体13の側面に押圧されて摺接している。上記ベースパネル26はドア本体11に取付けられているので、ドア本体11とドア取付け枠体13との隙間がシール部材38により遮蔽されることになり、その結果、優れた気密性能が得られる。
【0064】
(6)シール部材38がシリコンを含浸したネオプレンゴムで形成されているので、玄関ドア10の開閉をスムーズに行うことができ、また、ネオプレンゴムは不燃ではないので、産業廃棄物削減とエコ対応に貢献することができる。
【0065】
(7)玄関ドア10の室内側の面がカバー部材35で構成され、このカバー部材35がカラー鋼板で形成されているので、見栄えがよくなり、玄関ドア10内部外観を完全リフレッシュされた状態に仕上げることができる。
【0066】
(8)カバー部材35は1枚のカラー鋼板で形成されているが、その幅方向略中央部が対向配置された補強梁28で支持されているので強度が確保され、これにより、簡単に凹んだりしない。
【0067】
(9)玄関ドア10の室内側の面がカバー部材35で構成され、このカバー部材35には、ドアストッパー14用の切欠き部35D等が形成されているが、これらの切欠き部35D等には、工事の略最終段階でカラー鋼板製の目隠し部材40等が取付けられる。そのため、切欠き部35D等が目立たなくなり、室内側の面を見栄えのよいものとすることができる。
【0068】
(10)郵便受け部15の内周部略全面と、開閉扉15Cの内面とにも防振ゴム22が貼付されているので、郵便受け部15に生じた振動音が防振ゴム22により吸収される。その結果、郵便受け部15を経由する騒音を防ぐことができる。
【0069】
(11)玄関ドア10の製作は、従来の玄関ドアに相当し、かつ現在取付けられているドア本体11をそのままの状態で、予め内部にグラスウール27を保持したベースパネル26を取付けた後、そのベースパネル26にカバー部材35を取付けると共にシール部材38を取付け、次いで、ドアスコープ20等や目隠し部材40等を取付けるだけで完了するので、例えば、1時間〜2時間程度で工事を終えることができ、これにより、工事時間の大幅短縮を図ることができる。
【0070】
(12)玄関ドア10は、従来の玄関ドアに相当し、かつ現在取付けられているドア本体11をそのまま利用して、そのドア本体11に上記ベースパネル26、カバー部材35を取付け、新たにドアスコープ20等や目隠し部材40等を取付けるだけで完了するので、費用が少なくてすみ、これにより、従来の玄関ドア交換等の工法の例えば半額以下で住宅のリフレッシュを実施することができる。
【0071】
次に、図17、図18に基づいて、本発明の玄関ドアの第2実施形態を説明する。
本第2実施形態の玄関ドア50は、前記グラスウール27の中央部を空間領域Sに臨んだ状態、かつドア本体11の中央領域C側に突出した状態でベースパネル56に保持されたものである。そのため、主にベースパネル56の形状が前記第1実施形態のベースパネル26の形状と異なるが、その他の構成は第1実施形態と略同様である。したがって、以下には、第1実施形態と同一構成および同一部材には同一符号を付すと共に、ベースパネル56を中心にして説明する。
【0072】
本第2実施形態のベースパネル56は、図17に詳細を示すように、前記ドア本体11の補強部11Bに固着する固着部56Aと、この固着部56Aの外周に室内側に向いた立上がり部56Eと、この立上がり部56Eの先端に連続した内側プレート部56Bと、で構成されている。
ベースパネル56のドア本体11における補強部11Bへの取り付けは、内側プレート部56Bの表面側から差し込まれた取付けビス51により行なわれる。
【0073】
また、上記内側プレート部56Bの室内側の面には前記カバー部材35が装着されている。
すなわち、上記カバー部材35は、前述のように、外周先端部35Aがヘミング折りされており、このヘミング折りされた折り曲げ部35Bの内周が、前記ベースパネル56の外周の立上がり部56Eに被さるようになっている、
そして、カバー部材35の折り曲げ部35Bの外周からねじ込まれた前記取付けビス36により、カバー部材35がベースパネル56に取付けられるようになっている。
【0074】
前述のように、グラスウール27の中央部は空間領域Sに臨んだ状態、かつドア本体11の中央領域C側に突出した状態に構成されているので、固着部56A内に保持されたグラスウール27の厚さより中央部の厚さより厚くなっている。
そこで、グラスウール27の中央部の外周を保護するために、固着部56Aには保持枠部56Dが形成されている。
この保持枠部56Dは略角筒状に形成されると共に、その内部に厚さの厚い前記グラスウール27が保持されている。
【0075】
固着部56Aおよび保持枠部56D内におけるグラスウール27の保持は、図11に示すようなグラスウール取付け部材33により行われる。また、前記第1実施形態の補強梁28に相当する補強梁58は、Cチャンの一面が内側プレート部56Bの裏面に配置され、Cチャンの他面との間に架けわたされたリブ59を保持枠部56Dの内周面に固着して取付けられている。
【0076】
そして、前記シール部材38は、内側プレート部56Bの取付け部56Eの周囲に接着等で取付けられ、その先端部はドア取付け枠体13の側面に摺接されている。
【0077】
本第2実施形態の玄関ドア50では、前記製作手順と略同様の手順により製作され、また、前記(1)〜(12)と略同様の効果を得ることができる他、次のような効果を得ることができる。
【0078】
(13)グラスウール27の中央部は固着部56A内に保持されたグラスウール27の厚さより厚くなっているが、この中央部のグラスウール27は保持枠部56Dで保持されているので、厚くても確実に保持することができる。
【0079】
以上、前記各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は前記各実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、前記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
【0080】
例えば、前記第1実施形態では、ベースパネル26の固着部26Aと中央部26Bとでグラスウール27を保持し、第2実施形態では、ベースパネル56の固着部56Aと内側プレート56Bとでグラスウール27を保持していたがこれに限らない。ベースパネル26,56を使用せず、グラスウール27よりも硬い厚板状の硬質系断熱部材、例えば、スタイロフォーム(商標名)を使用し、その断熱部材の端部を直接ドア本体11の補強部11Bに取付ける構成としてもよい。この場合、スタイロフォームの室内側の面にカバー部材を被せることができる。
【0081】
また、前記第1実施形態では、ベースパネル26が固着部26Aと中央部26Bとで構成され、かつ、固着部26Aに対して中央部26Bがドア本体11の中央領域C側に突出した形状とされ、また、前記第2実施形態では、グラスウール27の中央部が固着部56Aに保持された部位より厚くなった構成としたがこれに限らない。例えば、中央部26B等を構成しない形状、すなわち、全体にわたって固着部26A,56Aの厚さで形成されたベースパネルとしてもよい。
【0082】
さらに、前記第1実施形態では、カバー部材35を支持すると共に補強する補強梁28、また、第2実施形態では内側プレート部56Bを支持すると共に補強する補強梁58を、それぞれCチャンで構成したがこれに限らない。両者28,58を、例えばアングル状部材で構成してもよい。
【0083】
また、前記各実施形態では、断熱部材としてグラスウール27を用いたがこれに限らない。断熱部材として、例えば、グラスウール27と同様の無機繊維系のロックウール、石膏ボード、プラスチック系のポリエチレンフォーム、硬質ウレタンフォーム、ビーズ法ポリスチレンフォーム、フェノールフォーム、天然系のインフレーションボード、コルク、羊毛等を断熱部材として用いてもよい。
【0084】
また、前記各実施形態では、既存の住宅に取付けられたドア本体11に、グラスウール27を保持したベースパネル26,56を取付け、その後、ベースパネル26,56にカバー部材35を取付けて玄関ドア10,50をそれぞれ構成したがこれに限らない。例えば、ベースパネルやカバー部材と同様に、ドア本体11も工場等で新たに製作し、一体となったドア機構をドア取付け枠に取付けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、例えば、昭和30年から50年前半に供給された古いタイプの公共および民間集合住宅で使用されている玄関ドアを遮音性等に優れた玄関ドアに改修する際に利用できる。
【符号の説明】
【0086】
10 玄関ドア(第1実施形態)
11 ドア本体
13 ドア取付け枠体
14 ドアストッパー
15 郵便受け部
17 錠前部
20 ドアスコープ
25 防振部材である防振ゴム
26 ベースパネル
26A 固着部
26B 中央部
27 断熱部材であるグラスウール
35 カバー部材
38 シール部材
45 水平位置出し治具
50 玄関ドア(第2実施形態)
56 ベースパネル
56A 固着部
56B 内側プレート
C ドア本体の中央領域
S 空間領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄板鋼板で構成され室内側に突出した補強部を有するドア本体と、
このドア本体の前記補強部で囲まれた中央領域の室内側の面に装着された防振部材と、
前記ドア本体の室内側の面に対向配置されると共に遮音機能を備えかつ前記補強部に保持された断熱部材と、
この断熱部材の周囲に設けられると共に前記ドア本体と当該ドア本体用のドア取付け枠体との隙間を遮蔽するシール部材と、を備え、
前記ドア本体の前記中央領域と前記断熱部材との間に空間領域を設けたことを特徴とする玄関ドア。
【請求項2】
前記請求項1に記載の玄関ドアにおいて、
前記断熱部材の前記ドア本体側の面に設けられ前記断熱部材を保持すると共に前記ドア本体の前記補強部に取付けられたベースパネルを備え、前記断熱部材の前記室内側に当該断熱部材を覆うカバー部材を取付けたことを特徴とする玄関ドア。
【請求項3】
前記請求項1に記載の玄関ドアにおいて、
前記断熱部材の前記室内側の面に設けられ前記断熱部材を保持すると共に前記ドア本体の前記補強部に取付けられたベースパネルを備え、このベースパネルの前記室内側の面に前記ベースパネルを覆うカバー部材と、を備えたことを特徴とする玄関ドア。
【請求項4】
前記請求項2または請求項3に記載の玄関ドアにおいて、
前記ベースパネルを前記ドア本体に対応した大きさに形成すると共に、前記ベースパネルに、前記ドア本体に予め装備された郵便受け部用とドアストッパー用と錠前部用とドアチェーン引掛け部用の切欠き部を形成したことを特徴とする玄関ドア。
【請求項5】
前記請求項2または請求項4に記載の玄関ドアにおいて、
前記ベースパネルを、前記ドア本体の補強部に固着する固着部と当該固着部により囲まれた中央部とにより構成し、この中央部を前記ドア本体の中央領域に向けて突出した形状としたことを特徴とする玄関ドア。
【請求項6】
前記請求項3または請求項4に記載の玄関ドアにおいて、
前記ベースパネルを、前記ドア本体の補強部に固着する固着部とこの固着部から前記ドア本体の前記中央領域側に突出した保持枠部とにより構成し、この保持枠部により前記断熱部材の前記中央領域側に突出した部位を保持する構成としたことを特徴とする玄関ドア。
【請求項7】
前記請求項1ないし請求項6のいずれか一つに記載の玄関ドアにおいて、
前記シール部材はその先端部が前記ドア取付け枠体に一定の角度で摺接していることを特徴とする玄関ドア。
【請求項8】
前記請求項1ないし請求項7のいずれか一つに記載の玄関ドアにおいて、
前記シール部材を、シリコンが含浸されたネオプレンゴムで形成したことを特徴とする玄関ドア。
【請求項9】
ドア本体の室内側に装備されているドアスコープ、ドアチェーンを取り外す第1の工程と、
前記ドア本体の室内側の面に振動を吸収する防振部材を貼付する第2の工程と、
遮音機能を備えた断熱部材が収容されかつ前記ドア本体に予め装備された郵便受け部用とドアストッパー用と錠前部用とドアチェーン引掛け部用の切欠き部が形成されたベースパネルを、前記防振部材と対向するように配置すると共に前記ドア本体に設けられた水平位置出し治具を介して前記ドア本体に取付ける第3の工程と、
前記ベースパネルの室内側の面に前記断熱部材を覆うカバー部材を取付ける第4の工程と、
前記ベースパネルの周囲に前記ドア本体とドア取付け枠体との隙間を遮蔽するシール部材を取付ける第5の工程と、
前記取り外されているドアスコープ、ドアチェーンを元の位置に取付ける第6の工程と、を備えていることを特徴とする玄関ドアの製作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−203071(P2010−203071A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−47024(P2009−47024)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(509059077)
【Fターム(参考)】