説明

玩具用触覚リモートコントロール装置

【課題】ユーザに更なるインタラクティブな体験を提供し、リモート玩具装置の制御とインターフェースの容易性を大きく向上させることができる装置を提供すること。
【解決手段】触覚フィードバックリモートコントロール装置は玩具装置に制御信号を与える。前記リモートコントロール装置は、筐体(24)と、対応する発泡体(compliant foam)の層(62)と、充電電池(60)と、アクチュエータアセンブリ(50)とを備える。前記対応する発泡体の層(62)は、電池(60)のシステムに対する慣性寄与を低減し、ユーザがアクチュエータアセンブリ(50)で触覚感覚をより強く感じることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、ユーザによる遠隔装置とのインターフェースに関し、特に、リモートコントロールされる玩具とのインターフェースに適用され、かつユーザに触覚感覚を与える装置に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な応用における人間と電子装置又は機械装置とのインターフェース、及び、より自然な、使いやすい、かつ情報伝達機能のあるインターフェースに対する要望への関心は絶え間ない。本発明において、このような応用の一例は玩具車両のような移動装置のリモートコントロールである。例えば、自分の動力装置(例えば、電池或いはガソリンを使う)によって動く小型車のリモートコントロール玩具車は一般的である。ユーザは、リモートコントロールユニットを使って、車の曲がる方向、ブレーキ及び/又は、前進/後退の方向を制御するのが典型的である。通常、リモートコントロールユニットは無線伝送によって車へ信号を伝送する。一部の動作制限のあるリモートコントロール玩具は、リモートコントロールユニットを制御される玩具或いは装置に連結するワイヤーを備えることにより、信号が玩具へ伝送されることを可能にする。リモートコントロールユニットは、玩具を制御するユーザを手伝うためのジョイスティック、ダイヤル、スイッチ、ボタン、或いは他のコントロール器を備えることがある。他の種類の移動玩具又は装置、例えば、飛ぶ玩具(例えば、飛行機、ヘリコプター、ロケット)、水玩具(例えば、ボートと潜水艦)、トラック、ロボット、動物玩具なども同様に制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許6,184,868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
玩具リモートコントロール装置に欠けている一種の機能は、運動感覚力(kinesthetic force)フィードバック、及び/又は触覚フィードバック(tactile feedback)であり、ここで総合的に「触覚フィードバック」(haptic feedback)と称する。触覚フィードバックをこのようなインターフェースコントロール装置に加えることにより、ユーザに更なるインタラクティブな体験を提供し、リモート玩具装置の制御とインターフェースの容易性を大きく向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、車、ボートなどのような移動玩具装置を制御するための触覚フィードバックリモートコントロール装置を提供する。リモートコントロールユニットは、ユーザに触覚フィードバックを提供することにより、玩具を制御する時により感動的な体験を提供する。
【0006】
さらに詳しく、触覚フィードバックリモートコントロール装置は、車、ボート、飛行機などのような玩具装置に、玩具装置の動作を制御するための制御信号を与える。リモートコントロール装置は、筐体と、ユーザによる手動操作用の少なくとも1つのコントロール器とを備える。玩具装置の動作を制御するために、操作を表す制御信号が玩具装置へ送られる。アクチュエータは、受け取った作動信号に応じて筐体に力を出力する。コントローラーは、アクチュエータに作動信号を与え、かつ制御の操作を表す制御信号をモニターする。コントローラーは、ユーザによる制御の手動操作のみ、或いはその操作の一部分に基づいて力を決定することができる。一つの実施形態において、アクチュエータは慣性質量を移動させることにより、ユーザに感じさせる慣性触覚感覚を筐体に与える。コントロール器は、軸に沿って移動できるレバーと、操縦ホイール或いはノッブ、或いは他のコントロール器とを備える。好ましくは、玩具装置に送る制御信号が無線伝送により玩具装置に伝送される。例えば、コントロール器はスロットル制御器、或いは操縦制御器である。
【0007】
一部の実施形態における他の特徴は、コントローラーが玩具装置から受け取った情報のみ、或いはその情報の一部分に基づいて力を決定するようにする。例えば、玩具装置から受け取った情報は、玩具装置の上の接触センサーから受け取った情報を含むことができる。この情報は、玩具装置が接触センサーの場所で他の物体と接触したかどうかを示し、玩具装置と他の物体との接触の程度を示すこともできる。他の実施形態において、この情報は玩具装置の少なくとも1つの次元における玩具装置が経験した加速度の量を示すことができる。
【0008】
もう一つの実施形態において、リモートコントロールユニットのアクチュエータは、受け取った電気信号に応じて、ユーザに操作されるコントロール器に力を出力することができる。この力は、コントロール器のローカル操作のみ或いは一部分に基づいて、或いは制御される玩具の状態を示す情報に完全に或いは部分的に基づいて決められる。リモートコントロール玩具装置の一実施形態は、前述したリモートコントロールユニットと、制御信号に従って物理的に動作するように操作できる玩具装置とを備える。もう一つの実施形態は、ユーザによるリモートコントロールユニットの操作に基づいて玩具装置を制御し、ユーザに触覚感覚を与える方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、玩具車両或いは他の玩具装置を制御する時にユーザに触覚感覚を与える触覚フィードバックリモートコントロール装置を提供する。これにより、ユーザは遠くから玩具を制御する時に、もう一つの次元の触感フィードバックを体験することができる。この触感は、玩具が今経験しているものを模擬することが可能であり、玩具の状態をユーザに知らせることも可能であるため、ユーザの玩具への制御力を向上させることになる。
【0010】
当業者にとって、次の本発明の詳細な説明を読み、幾つかの図面を参照すれば、本発明のこれらの特長と他の特長がはっきり判る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1はリモートコントロールユニットと玩具装置とを備えた本発明のリモートコントロールシステムの斜視図である。
【図2】図2は図1に示すリモートコントロールユニットの側面の断面図である。
【図3】図3は本発明のリモートコントロールユニットに適用されるアクチュエータアセンブリの一実施形態の斜視図である。
【図4】図4は本発明のリモートコントロールユニットに適用されるアクチュエータアセンブリのもう一つの実施形態の斜視図である。
【図5】図5は玩具の上の加速度を決定する加速度計を備える本発明の玩具装置の側面図である。
【図6】図6はモーターによる運動感覚力フィードバックを提供するリモートコントロール上のレバーの一実施形態の斜視図である。
【図7】図7は本発明のリモートコントロールユニットと玩具装置の構成部品とを説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に本発明に係るリモートコントロール玩具システム10を示す。リモートコントロール玩具システム10は、リモートコントロール12と制御される玩具14とを備えている。
【0013】
リモートコントロール12は、玩具14を制御するためにユーザに操作される。普通、リモートコントロール12は、ユーザに片手或いは両手で把持されるのに充分に小さく、様々なコントロール器を具備することがある。例えば、ユーザがジョイスティック或いはレバー20を上或いは下へそれぞれ動かすことにより、玩具14に前進或いは後退するように指示する。一部の速度制御の実施形態において、レバー20が元の位置(例えばレバー範囲の中心)から動かされた距離は、制御される玩具の相応の方向における速度を制御する。レバー22を左或いは右にそれぞれ動かすことにより、玩具に左或いは右へ曲がることを指示することができる。一部の速度制御の実施形態において、レバー22が元の位置から動かされた距離は、玩具の曲がる量或いは曲がるきつさ(tightness)を制御する。他のボタン、小さな操縦ホイール、ノッブ、ダイヤル、ジョイスティック、トラックボール、スイッチ、方向パッド、レバー、或いは他のコントロール器は、例えば、玩具の制動或いは停止、玩具の電源投入或いは起動、ヘッドライトの点灯、運転モードの切替え、ホーンを鳴らすなどのような玩具の様々な他の機能を指示し、及び/又はレバー20或いは22の代わりに、操縦機能とスロットル機能を制御するために備えられる。前述したように、任意のこれらのコントロール器に触覚フィードバックを提供することができる。一部の実施形態においては、携帯電話、携帯型コンピュータ(即ち、ラップトップ或いはPDA)、腕時計のような他の装置にリモートコントロール12の機能を与えることができる。
【0014】
リモートコントロール12は、空気を介して玩具14に制御信号を伝送する無線伝送装置を具備することがある。このような伝送装置の実現方法は当業者によく知られている。リモートコントロール12は、所望の周波数を有するラジオ周波数(RF)(或いは他の周波数範囲)制御信号を発信するアンテナ23を具備することが多い。他の実施形態において、リモートコントロールからの制御信号は、ワイヤー或いはリモートコントロール12を玩具14に物理的に連結する伝送線に沿って送ることができる。一部の実施形態では、リモートコントロール12が以下に説明するように玩具から信号を受け取ることができる。このような実施形態には、適切な電子受信器(receiver electronics)がリモートコントロールに具備される。
【0015】
本発明において、リモートコントロール12は触覚フィードバックの機能を備える。この機能は、リモートコントロール12の筺体24の中に取り付けられ、或いは筺体に連結された一つ或いは1つより多いアクチュエータを使うことにより実現することができる。次に、様々な触覚リモートコントロールの実施形態を詳細に説明する。
【0016】
玩具14はリモートコントロールされるレース車として図1に示されている。玩具14は、胴体26と、車輪28と、アンテナ30とを備えることができる。胴体26は玩具14を動かし、車輪を回転させるなどのための一つ或いは一つより多いモータ(図示せず)を備える。一部の実施形態において、電池は胴体26の中に蓄えられ、モーターに電源を与える。他の実施形態では、液体燃料(即ち、ガソリン)のような動力装置を提供することもある。アンテナ30により、玩具26はリモートコントロール12から無線伝送で伝送されてきた指令信号を受け取ることができる。
【0017】
玩具14は、リモートコントロール12からの指令(例えば、適切な発信周波数を有する)を受け取るための電子受信器を具備する。情報が玩具14からリモートコントロール12に伝送される実施形態において、玩具14はトランスミッター、例えば、リモートコントロール12に使われるものと類似する無線のトランスミッターを具備する。マイクロプロセッサは、玩具の他の部品として、受け取った指令を実行し、モーターを制御し、センサー(センサーを有する実施形態)を読み取るなどのために具備されることがある。
【0018】
他のタイプの移動玩具車両又は装置、例えば、飛ぶ玩具乗り物(即ち、飛行機、ヘリコプター、ロケット)、水玩具乗り物(即ち、ボートと潜水艦)、トラック、ロボット、動物玩具などをも同様に制御することができる。
【0019】
[ローカル触覚感覚の実施形態]
図2は本発明に係るリモートコントロール12の第1の実施形態の側面図である。この実施形態において、ユーザがリモートコントロール12のコントロール器で取ったローカル行動に基づいて、触覚フィードバックがユーザに与えられる。
【0020】
リモートコントロール12の筐体24は、リモートコントロール12の筐体24に力を出力するアクチュエータアセンブリ50を備える。説明した実施形態において、アクチュエータアセンブリ50は近似的な線形動作で慣性質量を振動させる。この慣性質量の移動による振動は、筐体24に伝送され、筐体24に接触しているユーザがこの振動を触覚感覚として感じることになる。この慣性質量を異なる周波数と異なる力の大きさ(force magnitudes)で振動させるように、パルス又は振動のような異なる触覚感覚を提供することが望ましい。
【0021】
アクチュエータ自体が慣性質量として振動するアクチュエータアセンブリ50の一実施形態について、図3を参照しながら次に説明する。他の実施形態において、他のタイプのアクチュエータアセンブリを使うことがある。例えば、電気の質量がアクチュエータのシャフトに連結され、次に図4を参照して説明するように回転することがある。他の実施形態では、リニア音声コイルアクチュエータ或いは動く磁気アクチュエータを使って、コイル或いは磁気をそれぞれ動かし、慣性パルス或いは振動を発生させる。一部の慣性フィードバック実施形態は米国特許第6,211,861号に説明されている。又は他の実施形態において、アクチュエータがある部材を駆動して筐体に衝撃を与え、一つ或いは一つより多いこのような衝撃から触覚フィードバックを発生させることもできる。
【0022】
本発明の他の実施形態は、筐体24の一部分に触覚フィードバックを発生させることができる。例えば、筐体の一部分が筐体の残りの部分に対して動けるように製造される。可動部分はアクチュエータアセンブリに連結され、触覚感覚を与えるように動かされる。可動部分は、通常使用中にユーザがリモートコントロール12を把持、接触、又は支持する時に、接触する筐体の部分に設けられる。一つの実施形態において、蝶番の上のカバーがユーザの指或いは掌に対して動くように、可動部分は筐体の動けない部分の外表面から(例えば、外表面と垂直に)離れて動かすことができる。他の実施形態において、可動部分は、筐体の外表面と平行して、可動部分と接触しているユーザの皮膚を摩擦するように(in shear with)横方向に動かすことができる(或いは、縦方向動作と横方向動作の両方を提供する)。可動表面部分の一部の実施形態が米国特許第6,184,868号に説明されている。
【0023】
電池60或いは他の蓄電部品はリモートコントロール12の中に具備され、アクチュエータアセンブリ50及び、ローカルマイクロプロセッサ、トランスミッター、装置上のライトなどのような他の構成部品に電源を供給する。電池60は使い捨て式の電池、或いはユーザがそれを取り外して、充電、又は交換することができる充電式の電池とすることができる。一部の実施形態では、ユーザが電池60に容易にアクセスすることができるように、仕切りドアを筐体24に設ける。望まれる電力消費量に対応して、一つ或いは一つより多い電池60をリモートコントロール12に与えることができる。他のタイプの電力供給用蓄電部品は他の実施形態の中に適用されることがある。一部の実施形態において、ユーザは電池を筐体24の中から取り外さずに、電池60を充電することができる。例えば、筐体24は、リモートコントロール12を標準の交流電源コンセントのような充電電源装置の接続コネクタに挿入することを可能にするような、充電できる電池60に接続される「ドッキングポート」或いは電気コネクタを具備することができる。
【0024】
電池60は重い部品になる可能性があるため、慣性触覚フィードバック装置にとって不利である。電池60の重さは装置全体の質量に加えられ、アクチュエータアセンブリ50から出力され、ユーザに感じさせる慣性触覚感覚の強さを弱める可能性がある。この影響を補償するために、柔軟性のある或いは対応する(compliant)連結を電池60と筐体24の間に設けることができる。例えば、電池60と筐体24の間で、対応する発泡体(foam)の層62を配置することができる。他の実施形態として、ゴム、或いは他の対応する層、或いはバネ部材を用いることができる。層62は、電池60が筐体24に対して少なくとも部分的に独立に動くことを可能にするので、電池60の慣性が筐体24から分離されることになる。層62は電池60のシステムに対する慣性寄与を減少するため、層62なしで電池60と筐体24とを堅く連結している場合に比べて、ユーザが与えられたアクチュエータアセンブリ50で触覚感覚をより強く感じることができる。
【0025】
図3はリモートコントロール12の中に用いるアクチュエータアセンブリ50の一実施形態100の斜視図である。アクチュエータアセンブリ100は、基板湾曲部(grounded flexure)120と、この湾曲部120に連結されているアクチュエータ110とを備える。湾曲部120は、ポリプロピレンプラスチック(「リビングヒンジ」部材)のような材料、或いは他の柔軟な材料で作られた単一の部品とすることができる。湾曲部120は、例えば121の部分でリモートコントロール12のマウスの筐体24に基板を置くことができる。
【0026】
アクチュエータ110は湾曲部120に連結されていることが示されている。アクチュエータの筐体は、示されているようにアクチュエータ110を収納する湾曲部120のレセプタクル部分122に連結されている。アクチュエータの回転シャフト124は、湾曲部120の孔125の中に湾曲部120に連結され、かつ中心回転部材130に堅く連結されている。アクチュエータの回転シャフト124は、B軸に関して回転され、部材130をB軸に関して回転させる。回転部材130は、曲げ結合134により角のある部材131の第1部分132aに連結される。回転部分130が第一部分132aを近似線形的に移動させるときに、曲げ結合134は曲がるように、曲げ結合134を体積的に非常に薄く作ることが望ましい。第一部分132aは、曲げ結合138により湾曲部の基板部分140に連結され、曲げ結合142により角のある部材の第2部分132bに連結される。そして、第2部分132bは、他端部で、曲げ結合144により湾曲部のレセプタクル部分122に連結される。
【0027】
第一部分132aと第2部分132bとを備える角のある部材131は、矢印136で示されるx軸に沿って線形的に移動する。実際に、部分132aと132bが近似線形的に移動する。湾曲部がその元の位置(レスト位置)にある時、部分132aと132bは示されるようにそれらの縦軸に対して角を成すことが好ましい。これは、回転部材130が当該角を成した部材131を矢印136で示される方向に沿って押すまたは引くことを可能にする。
【0028】
回転部材130を両方向に駆動し、高い帯域幅の操作と高いパルス或いは振動の周波数を出力させるときに、アクチュエータ110をその回転範囲の一部分内にだけ操作することができる。湾曲部の圧縮とストレッチを所望のz軸動作に導くために、レセプタクル部分122と基板部分140の間の湾曲部に曲げ結合152が提供される。曲げ結合152は、レセプタクル部分122(アクチュエータ110、回転部材130、及び第2部分132bと同時に)が、部分132aと132bとの動作に応じてz軸に沿って線形的に移動することを可能にする。角のある部材131の第1部分132aに曲げ結合150が提供されることにより、z方向における曲げ結合152に関する屈折がさらに発生し易くなる。
【0029】
アクチュエータのシャフト124の回転方向を快速に変更することにより、アクチュエータ/レセプタクルはz軸に沿って振動し、慣性質量として動作するアクチュエータ110によりマウス筐体の上で振動を作り出すようにすることができる。マウス筐体24の任意の部分と表面に影響を与えない動作範囲を与えるために、アクチュエータの上と下に充分なスペースを与えることが好ましい。又、曲げ結合152のような湾曲部120に備えられる曲げ結合は、バネ部材として働き、アクチュエータ110とレセプタクル部分132の元の位置(レスト位置)に向かう復元力を提供する。一部の実施形態において、ストップ(stops)は湾曲部120に具備され、レセプタクル部分122とアクチュエータ110のz軸に沿う動作を制限する。
【0030】
図4は、ユーザに触覚感覚を提供するために、リモートコントロール12の中に適用するアクチュエータアセンブリ50のもう一つの実施形態170の斜視図である。アクチュエータアセンブリ170は、C軸に関して回転するシャフト172を有するDCモータのようなアクチュエータ176と、シャフト172に堅く連結され、C軸に関してシャフトと一緒に回転する偏心質量(eccentric mass)174とを備える。一つの実施形態において、アクチュエータ176の筐体がリモートコントロール12の筐体に連結され、例えば、当該アクチュエータがリモートコントロールの中に取り付けられる。他の実施形態において、アクチュエータを、ジョイスティック、マウス、或いは他の部材のような可動操作具(manipulandum)に連結することができる。
【0031】
多数の異なるタイプと形状の偏心質量174を使うことができる。図に示すように、V字形状或いはパイ形状の偏心質量を使うことが出来る。当該偏心質量の一端部はシャフト172に連結されているため、V字の大部分がシャフトの一側に広げる。替わりに、円形あるいは他の形状の質量をシャフト172に連結することができる。質量174の中心は、シャフト172の回転Cから補正されるように配置されることにより、シャフト172の回転軸と質量174の質量中心との距離によって決められる偏心度(eccentricity)パラメータを作り出す。異なる装置の実施形態で当該偏心度を調整することにより、望まれるような強い或いは弱い振動を提供する。もしモーターが定常に一つの方向に駆動されるなら、前記偏心度を変更することにより、一般的に、より大きな強度を得ることが出来る。
【0032】
偏心質量174がモーター170に回転される時に、質量のバランスが崩れるため、モーター及びモーターに連結される任意の部材に振動が誘発される。モーター176の筐体が好まれるようにリモートコントロール12の筐体に連結されるため、この振動はこの筐体を把持しているユーザに伝送される。振動触覚或いは他の触覚フィードバックを提供するために、コントロール器14の中に一つ或いは一つより多いモーター176を備えることができる。例えば、2個のモーターを用いて、より強い強度の振動及び/又は二つの異なる方向における振動を提供することができる。例えば美国特許第6,184,868号に開示された線形音声コイルアクチュエータ(linear voice coil actuator)、ソレノイド、動くマグネットアクチュエータ(moving magnet actuator)などのような他のタイプのアクチュエータアセンブリを使うこともできる。
【0033】
[触覚感覚]
ローカル触覚感覚実施形態において、異なるタイプの触覚感覚をユーザに出力することができる。ユーザがリモートコントロール12の上に行うローカル動作だけに基づいて触覚感覚を決定するため、この感覚はユーザによる特定な動作或いは制御操作に基づくことができる。
【0034】
エンジン振動:アクチュエータアセンブリは、車両のエンジンの振動を模擬する触覚感覚を出力するように制御される。この振動は、玩具14の速度を制御する図1に示すレバー20のようなスロットル制御器の位置に相関する強度及び/又は周波数を有することができる。例えば、玩具の前進速度が増加されると、与えられた振動感覚の強度と周波数も増加される。玩具の高い速度で、高い強度と高い周波数の振動がユーザに与えられ、一方、低い速度で、ソフトな「アイドリング」の感覚が与えられる。ユーザはレバー20を動かして玩具に後ろ向きに移動するように指示する時に、反対方向に関連するユニックな触覚感覚、例えば、低い周波数の振動を出力することができる。
【0035】
曲がる場合:触覚感覚は、玩具14を曲げるコントロール器を操作するユーザに相関するように制御される。例えば、左右に操作するレバー22は、玩具を左或いは右に曲げるために使われる。一部の実施形態において、レバーが元の位置から移動する移動量は曲がるきつさ(tightness)を制御する。レバーが完全に左或いは右に操作された時に、玩具は最小の半径で曲がる。曲がるきつさを示す振動をリモートコントロール12に出力することができる。例えば、緩やかな曲がる動作をより低い周波数の振動に関連付け、急峻な曲がる動作をより高い周波数の振動に関連付けることができる。一部の実施形態において、速度制御と回転制御の両方を触覚感覚の決定に使うことが出来る。例えば、速く、急峻な回転は、地面との牽引を失う玩具のタイヤの感じを模擬する散発性のパルスを触覚感覚として発生させる。
【0036】
他の感覚:リモートコントロール12上の他のコントロール器を触覚感覚に関連付けることができる。もし、ブレーキを使う或いは動作を遅くするように玩具に指示する制動コントロール器があれば、制動中に振動を出力することができる。ホーン、点滅灯、或いはリモートコントロール12から制御される玩具の他の機能も異なる触覚感覚に関連付けることができる。
【0037】
運動感覚力フィードバックもリモートコントロールのコントロール器に出力することができる。運動感覚力フィードバックは、一つ或いは一つより多い感じられる操作具の自由度における力である。例えば、モーター或いは他のアクチュエータは、レバー20と22の自由度、ボタンあるいはスイッチの動作の自由度、又は小さな操縦ホイール或いはナッブの回転自由度などにおいて、力を出力することができる。このような触覚感覚を提供するための一部の実施形態について以下に図6を参照して説明する。
【0038】
運動感覚力フィードバックの一実施形態において、時間をベースにした触覚効果は、前述した触覚効果と類似して、コントロール器の自由度において出力される。例えば、ユーザが望まれるように玩具14を制御するときに、ユーザが把持しているレバー20或いは22に、直接振動或いは揺れを出力することができる。この揺れ或いは振動の大きさ及び/又は周波数は、その自由度におけるコントロール器の位置に基づき、及び/又はエンジンの鳴る音、曲がる半径などを模擬することができる。
【0039】
さらに、より高機能の触覚感覚は、運動感覚力フィードバックの実施形態において出力される。例えば、アクチュエータにより生成されるバネ感覚は、レバーに元の位置へ戻す復元力を提供することができる。堅い或いは高い強度のバネは、玩具14が速く曲がる場合に出力され、一方、緩い、低い強度のバネは遅く曲がる場合に出力されるように、それらの速度での運転条件を模擬する。レバー(或いは他のコントロール器)の動作におけるデテントは、ユーザに特別な位置を特徴づけるために出力される。例えば、レバー範囲の4分の1ごとの移動は、ユーザに自分がどれぐらいの速さで車の移動を制御し、或いはどれぐらいのきつさで曲がる動作を制御していることを触覚的知らせるためのデテントを提供する。このデテントは、揺れ、バネ力、或いは他の力の形として実現される。制動力はレバー動作の速度に基づいてレバー動作を抵抗することができる。障害あるいは妨害力は、コントロール器の動作が望まれる限界を越えることを防ぐ或いは阻止する。
【0040】
[制御されている玩具からの情報に基づいた触覚フィードバック]
以下に本発明に係るより高機能の実施形態を説明する。これらの実施形態において、玩具14はリモートコントロール12へ信号を送り、玩具の一つ或いは一つより多い状態或いは条件をリモートコントロールに知らせる。触覚感覚の出力と、これらの触覚感覚(例えば、感覚のタイプ、強度、周波数、持続など)の特性は、これらの信号に単独で或いは部分的に基づくことができる。
【0041】
一つの実施形態において、一つ或いは一つより多いセンサーが玩具14に取り付けられる。例えば、図1を参照して、センサー32を車14の前方バンパー33に取り付けることができる。この車がセンサー32の検出範囲内にある障害物と激突或いは衝突する時に、センサー32はこの衝突を検出し、直地に衝突が発生したという状態信号をリモートコントロール12に伝える。一部の実施形態において、センサー32は衝突が発生したかどうかだけを検出するオン/オフセンサーとすることができる。他の実施形態において、衝突の強さを検出するアナログセンサーのようなより高機能のセンサーを使うことが出来る。
【0042】
センサー32は任意の異なるタイプのセンサーとすることができる。例えば、エミッタと検出器を有する視覚センサー、磁気センサー、機械接触センサー、接触する部材の動作を測定するアナログポテンショメーター、或いは他のタイプの検出用センサーを使うことが出来る。替わりに、或いはさらに、一つ或いは一つより多いセンサーは玩具の他の部位に配置され、後バンパー或いは他の後の表面、側面、玩具の下側などのような領域における接触を検出する。
【0043】
玩具12からリモートコントロール12へ送る信号は、リモートコントロール12から玩具へ送る信号と同様な、或いは異なる通信携帯周波数を有することができる。リモートコントロール12は、玩具からの信号を受け取ったら、その信号に相応しい触覚感覚を指示することができる。
【0044】
様々な触覚感覚を提供することができる。もしセンサー32が衝突を検出したら、コントロール器(図7参照)は揺れ、パルス、または振動をリモートコントロールの筐体に指示することができる。このようにして、ユーザは玩具が経験していることに相関する触覚フィードバックを感じることができる。これはユーザをさらに楽しませるだけではなく、様々な状況に対しても役に立つ。例えば、もし玩具がユーザの視線範囲から出って壁と衝突したら、ユーザは触覚的に伝えられ、また、玩具が壁から後退するように制御しないといけないことを知ることができる。もし玩具の異なる場所で複数のセンサーが使われているなら、玩具の前方の衝突が後方の衝突と異なる触覚感覚に関連付けられ、左側の衝突が右側の衝突と異なる触覚感覚に関連付けられるなどのことができる。例えば、前方の衝突が高い周波数及び/又は強度を有する揺れ、或いは振動に関連付けられ、一方、後方の衝突が低い周波数及び/又は強度を有する揺れ、或いは振動に関連付けられる。もしリモートコントロール12は複数のアクチュエータアセンブリ50を備えるなら、これらのアセンブリが玩具の部位に関連付けられるようにリモートコントロールの筐体の中に配置される。例えば、一つのアセンブリをリモートコントロールの左側に配置し、他のアセンブリを右側に配置することができる。玩具がその右側で他のものと激突した時に、右側のアクチュエータアセンブリが揺れ或いは振動を出力するように制御されため、ユーザはコントロール器の右側の触覚感覚を感じることができる。
【0045】
さらに、触覚感覚の強度は、リモートコントロール12上のスロットル制御器から仮定する玩具の速度と相関することができる。例えば、もしレバー20が前方へ全範囲に押されたら、玩具が非常に速く動作し、衝突が発生した場合にその衝突が強いであることを仮定する。従って、高い強度の揺れ或いは振動が出力される。一方、もしセンサー32が衝突を検出した時に、レバー20はその元の位置からすこしだけ離れた位置に置かれているなら、玩具の速度が遅いであることを仮定して、低い強度の触覚感覚をリモートコントロール12に出力することができる。
【0046】
アナログセンサー、力センサー、或いはセンサー32のような状態可変(variable−state)センサーを提供する実施形態において、異なる触覚感覚を、センサーで検出される異なる程度の衝突或いは接触により現実的に関連付けることができる。例えば、センサー32は衝突が強いかどうかを直接検出して、相関する触覚感覚の強度をそれに比例して調整することができる。従って、中強度の衝突を有効出力範囲の中間程度の強度を有する触覚感覚に関連付けることができる。これは、衝突の強度と触覚感覚の強さの間でより現実な相関関係を提供することができる。なぜなら、玩具の速度が測定されないのに対して、実際の衝突の強度が測定できるからである。
【0047】
触覚感覚は、センサー32、ユーザの操作具による操作、或いはリモートコントロール12上のコントロール器を通じて伝えられる玩具の状態の組み合わせに基づくことができる。例えば、リモートコントロール12上の操縦ホイール或いはナッブの自由度に出力するセンタリングバネ力は、その操縦ホイール或いはナッブの現在の位置に基づくことができるし、検出された玩具と他の物体との衝突に基づいて出力された衝撃力に組み込まれることもできる。
【0048】
図5は図1の玩具14に類似しているが、リモートコントロール12に信号を提供するように改良された玩具車両200の側面図である。玩具200は、玩具200が受けている加速度を検出することができる慣性センサー202(例えば、加速度計)を備える。
【0049】
このような慣性センサーは異なる実施形態とすることができる。例えば、慣性センサー202は一軸における加速度しか測定できない安価な単軸加速度計とすることができる。このタイプのセンサーは、前後方向、上下方向、或いは横方向の加速度だけを必要な時に測定するように配置される。替わりに、このタイプの加速度計を図5に示すような角度で玩具200に配置すると、この加速度計は縦(上下)と前後方向の加速度を両方検出することができる。例えば、加速度計を45度の角度で配置することは、これらの次元/軸(ここで、ローカルマイクロプロセッサのようなコントローラーが加速度計からの信号を解釈して、どの加速度計がどの次元に発生しているかを決定することができる。)を両方検出することを可能にする。このセンサーは、他の次元における加速度を測定するために他の角度で配置されることもある。高価の実施形態において、多軸加速度計を用いて各感覚次元に対して独立な信号を提供することができる。
【0050】
加速度計の使用は、玩具が経験している様々なインターアクション(interaction)に相関される触覚感覚をユーザに感じさせることを可能にする。例えば、加速度計は、玩具が凸凹の地面或いは階段から跳ね返らせ、ランプから飛び降り、或いは他の玩具或いは物体のよこを拭き通ることをしているのを示す玩具上の加速度を表す状態信号とデータを検出し、リモートコントロールに伝送することができる。玩具におけるこれらのすべての状況を模擬或いは表示する異なる触覚感覚をリモートコントロール12に出力することができる。
【0051】
加速度計は、前述したようにリモートコントロール12上の異なる位置で配置されている複数のアクチュエータアセンブリ50と併せて使用される。例えば、検出した車の前後方向の軸における加速度は、リモートコントロール12の前部と後部に配置されているアクチュエータアセンブリが検出した加速度に相関する触覚感覚を出力することを引き起こすことができる。左/右アクチュエータアセンブリは同様に、左/右の区別をユーザに提供することができる。
【0052】
図6は、リモートコントロール12の運動感覚力フィードバックを実現するための実施形態の一例230の斜視図である。示されるように、上/下レバー20は、シャフト234により、例えば、DCモーター或いは他のタイプのアクチュエータのような回転アクチュエータ232に連結されている。アクチュエータ232は、マイクロプロセッサのようなローカルコントローラーからのアクチュエータ信号により制御されると、レバー20の回転自由度における力を出力することができる。さらに、レバー20のその自由度における位置を決定するために、同じシャフト234にセンサーを連結することができる。レバー22をその左右の自由度において駆動するために、類似のアクチュエータをレバー22に連結することができる。
【0053】
他の実施形態では、音声コイルアクチュエータ、可動磁気アクチュエータ、ブラシ或いはブラシレスモーターなどのような異なるタイプのアクチュエータを用いることが出来る。また、一部の実施形態では受動のアクチュエータを提供する。このようなアクチュエータは、磁粉ブレーキ(magnetic particle brakes)、流体ブレーキ、或いは他の制動類の装置を備え、レバーに抵抗を出力するが、能動力(active force)を出力することができない。
【0054】
同様にリモートコントロール230上の他のコントロール器に、運動感覚力フィードバックを与えることができる。例えば、米国特許第6,184,868に開示したように、ボタンがアクチュエータに連結されるように、ボタンの自由度における力を出力する。また、ナッブ、ダイヤル、線形スライダ或いはスイッチ、操縦ホイール、トラックボール、方向パッド、ジョイスティック及び他のコントロール器を作動することができる。
【0055】
リモートコントロールのコントロール器における運動感覚力フィードバックは、体験の触覚効果により大きなリアリズムを与えることができる。例えば、スプリング力をレバー20と22に出力することにより、機械のバネを使わずにセンタリング機能を提供することができる。さらに、玩具が速く移動する時に、増加した車の操縦に作用する道路からの力を模擬するように、このスプリングの強度を高く制御することができる。その上、もし加速度計のようなローカルセンサーは車が空中にあることを検出したら、車が道路との接触を失った時の手軽な操縦の感覚を模擬するように、スプリングの強度をゼロに制御することができる。車が凹凸な或いは粗雑な地面を体験している時に、この凸凹さを模擬するレバー上の振動或いは他の力を発生させ、また、玩具を操縦しているユーザに一定な困難を与えることもあるために、車の上にある加速度計はリモートコントロールにデータを返送することができる。
【0056】
図7は本発明の触覚フィードバックリモートコントロール装置12と玩具装置14を説明するブロック図である。フィードバックリモートコントロール12と玩具14はここで説明した任意の実施形態とすることができる。
【0057】
前述したように、玩具装置14は、玩具の信号を受け取り、玩具の動作を制御するための電子部品を備えることができる。一部の実施形態において、玩具装置14は、マイクロプロセッサ或いは他のコントローラー(ハードウエア状態マシン、デジタルロジック、ASICなど)のようなプロセッサ300を備えることがある。このプロセッサは、センサー32(もし玩具にセンサーが備えられているなら)からのセンサー信号を受け取ることができる。また、このプロセッサは、操縦のために前方のホイールを回転させるモーター、玩具の移動運動を提供するホイールモーター或いは他のモーター、ホーンのような任意の音声出力装置、ライトのような任意の視覚出力装置のような任意の出力装置302を制御するための信号を出力することができる。他の実施形態において、出力装置302に信号を提供し、センサー32から信号を受け取るために、プロセッサ300以外の回路を用いることができる。例えば、アナログ制御システムは、玩具14の相応なモーターを制御するためにリモートコントロールから信号を受け取ることができる。ASIC、状態マシン、或いは他のロジックも使われる。メモリ、I/O回路などのようなプロセッサ300を使うための任意の必要な部品も備えることがある。
【0058】
玩具装置14のプロセッサ300は、前述したように、リモートコントロール12との間で通信リンク306を有する。このリンクは、RF或いは他の周波数を有する信号を使った無線リンクであり、または、ワイヤー或いは他の物理的な接続を使ったリンクである。一部の実施形態において、このリンクがリモートコントロール12から玩具14への単向である。他の実施形態において、このリンクは双向である。
【0059】
触覚フィードバックリモートコントロール12は,入力、出力、及びリモートコントロールの制御機能を処理するローカルプロセッサ310を備える。リモートコントロール装置12のコントロール器をモニターし、玩具14から送られる情報を待ち受け、触覚感覚を制御するのにリモートコントロールのアクチュエータに信号を与えるのために、ソフトウェア(ファームウェア)インストラクションをローカルプロセッサ310に提供することができる。プロセッサ330は、一つのマイクプロセッサチップ、或いは複数のプロセッサ及び/又はコプロセッサチップ(co−processor chips)を備えることができる。他の実施形態において、マイクロプロセッサ330は、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)機能を備え、あるいは、実際のマイクロプロセッサチップの代わりに、制御ロジック部品、ASIC、又はハードウェア状態マシンとして実現される。
【0060】
例えば、リモートコントロール12のアクチュエータにより力を計算するのに必要とするタイミングデータを提供するために、ローカル時計312をプロセッサ330に連結することができる。RAM及び/又はROMのようなローカルメモリ314は、プロセッサ310に連結され、プロセッサ310にインストラクションを保存し、テンポラリーと他のデータを保存する。
【0061】
センサー信号をプロセッサ310で解釈される信号に変換するために、センサーインターフェース316を選択機能として装置12に具備することができる。例えば、センサーインターフェース316は、エンコーダのようなデジタルセンサーから、或いはアナログからデジタルへ変換する変換器(ADC)を用いるアナログセンサーから信号を受け取り、または変換することができる。このような回路、または等価回路が当業者によく知られている。替わりに、プロセッサ310はこれらのインターフェース機能を実現することができる。
【0062】
センサー318は、リモートコントロール装置12の特別なコントロール器の位置、動作及び/又は他の特性を検出することができる。例えば、センサー318は、リモートコントロール12上のレバー20と22、及び任意の他のボタン、スイッチ、ジョイスティック、トラックボールなどの動作と位置を検出することができる。センサー318は、動作と位置を表した情報を含む信号をプロセッサ310に与える。ここで説明される実施形態に適合するセンサーの例は、アナログポテンショメーター、ホール効果センサー(Hall effect sensors)、デジタル回転視覚エンコーダー、線形視覚エンコーダー、横効果写真ダイオード(lateral effect photo diode)のような視覚センサー、速度センサー(例えば、タコメーター)及び/又は加速度センサー(例えば、加速度計)である。さらに、相対センサーまたは絶対センサーのいずれかを適用することができる。
【0063】
アクチュエータインターフェース320は選択機能として、リモートコントロール装置12とプロセッサ310の間に連結され、マイクロプロセッサ310からの信号を、アクチュエータを制御するための適切な信号に変換する。インターフェース320は、パワーアンプ、スイッチ、デジタル/アナログコントローラー(DACs)、及び当業者によく知られる他の部品を備えることができる。
【0064】
アクチュエータ322は、前述したように、プロセッサ310(即ち、コンピュータ制御された)で出力した信号に応じて、一つ或いは一つより多い自由度に沿って、一つ或いは一つより多い方向において、リモートコントロール12の筐体及び/又はリモートコントロール装置12の特定なコントロール器へ力を伝送する。アクチュエータ322は、アクチュエータアセンブリ50、或いは前述した回転アクチュエータ234を備えることができる。このアクチュエータは、線形電流制御モーター、ステッピング・モーター、気体/水力能動アクチュエータ(pneumatic/hydraulic active actuator)、トルク(torquer)(アングルの範囲が制限されたモーター)、磁気粉ブレーキ(magnetic particle brakes)、摩擦ブレーキ、或いは気体/水力受動アクチュエータ(pneumatic/hydraulic passive actuator)とすることができる。
【0065】
電源装置326は、アクチュエータインターフェース320及び/又はアクチュエータ322に連結され、アクチュエータ及びリモートコントロール12上の他の部品に電源を提供する。前述したように、電源装置326は電池または他の携帯型の電源装置であることが望ましい。
【0066】
他の入力装置328は装置12に備えられ、マイクロプロセッサ310に入力信号を送る。このような入力装置は、他のボタン、ダイヤル、ナッブ、スイッチ、音声認識ハードウェア、或いは前述したような他の入力機構を備えることができる。ユーザはアクチュエータ322で出力した力を無効或いは解除することが可能にする機構を提供するために、一部の実施形態に安全スイッチ、或いはデッドマンスイッチを備えることができる。
【0067】
以下、システムの操作について一般的に説明する。より簡単、安価な実施形態において、センサー318は、ユーザによるレバー20と22のようなコントロール器の動作を検出し、プロセッサ310に適切な信号を送ることができる。そして、プロセッサ310は玩具装置14に適切な制御信号を送り、コントロール器のユーザ操作に従って玩具装置14を制御する。また、プロセッサ310は、コントロール器の操作とコントロール器の操作方法に従って触覚感覚を出力するために、作動信号をアクチュエータアセンブリ50に出力する。より高機能の実施形態において、玩具装置14はリモートコントロール12に信号を送ることができる。これらの実施形態において、ローカルプロセッサ310は、玩具装置14上のセンサー32から情報を受け取ると同時にローカルセンサー318から信号を受け取る。そして、このローカルプロセッサは、現在のリモートコントロール12のユーザ操作に従って玩具装置に制御信号を送ると同時に、出力される触覚感覚を決定し、それに応じてアクチュエータ322を制御する。
【0068】
幾つかの好ましい実施形態に対して本発明を説明したが、当業者にとって、詳細説明を読み、図面を参照したら、改良、置換え、同等化が可能であることははっきり判る。さらに、記述を明白にするために一定な専門用語が使われているが、本発明を制限することにならない。従って、請求範囲に記載の請求項は、本発明の本質と範囲に包含される改良、置換え、同等化を含む。
【符号の説明】
【0069】
10 リモートコントロール玩具システム
12 リモートコントロール
14 玩具
24 筐体
50 アクチュエータアセンブリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
玩具装置の動作を制御するために前記玩具装置に制御信号を与える触覚フィードバックリモートコントロール装置であって、
筐体と、
前記筐体に連結され、リモートコントロールがなされる前記玩具装置に制御信号を送信するために操作される可動操作具と、
前記筐体内にあって、リモートコントロールがなされる前記玩具装置の部位に設置された複数のセンサーから前記玩具装置のプロセッサを介してセンサー信号を受信する受信器と、
前記筐体に、前記筐体との位置関係が、前記玩具装置に設置された複数のセンサーの、前記玩具装置との位置関係と同様になるように配置されて連結され、前記筐体又は可動操作具に少なくとも1つの力を出力する複数のアクチュエータと、
前記複数のアクチュエータと通信するプロセッサであって、前記センサー信号の少なくとも一部に基づいて前記複数のアクチュエータのうち、当該センサー信号を発したセンサーの、前記玩具装置との位置関係と同様になるように前記筐体内に配置された前記アクチュエータに前記少なくとも1つの力を出力させるための作動信号を生成するプロセッサとを備えた、
ことを特徴とする触覚フィードバックリモートコントロール装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記可動操作具に対するユーザの操作にも基づいて前記作動信号を決定することを特徴とする請求項1に記載の触覚フィードバックリモートコントロール装置。
【請求項3】
前記玩具装置に送る前記制御信号は、無線伝送により前記玩具装置へ伝送されることを特徴とする請求項1に記載の触覚フィードバックリモートコントロール装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記玩具装置から受け取った情報のみに基づいて前記作動信号を決定することを特徴とする請求項1に記載の触覚フィードバックリモートコントロール装置。
【請求項5】
前記玩具装置から受け取った情報は、前記玩具装置上の接触センサーからの情報を含み、前記情報は前記玩具装置が前記接触センサーの場所で他の物体と接触したかどうかを示すことを特徴とする請求項4に記載の触覚フィードバックリモートコントロール装置。
【請求項6】
前記情報は、前記玩具装置と前記他の物体との接触程度を示すことを特徴とする請求項5に記載の触覚フィードバックリモートコントロール装置。
【請求項7】
前記情報は、前記玩具装置の少なくとも1つの次元における前記玩具装置が経験した加速度の量を示すことを特徴とする請求項4に記載の触覚フィードバックリモートコントロール装置。
【請求項8】
ユーザによって操作される前記可動操作具は、前記玩具装置の走行速度を決定するスロットル制御器を具備し、
前記力の大きさは前記スロットル制御器の設定と相関することを特徴とする請求項1に記載の触覚フィードバックリモートコントロール装置。
【請求項9】
ユーザによって操作される前記可動操作具は、前記玩具装置の走行方向を決定する回転制御器を含み、
前記力の大きさ或いは周波数は前記回転制御器の設定と相関することを特徴とする請求項1に記載の触覚フィードバックリモートコントロール装置。
【請求項10】
前記玩具装置は移動できる玩具車両であることを特徴とする請求項1に記載の触覚フィードバックリモートコントロール装置。
【請求項11】
玩具装置の動作を制御するために前記玩具装置に制御信号を与える触覚フィードバックリモートコントロール装置であって、
筐体と、
ユーザによる手動操作用の少なくとも1つの可動操作具と、
前記筐体内にあって、リモートコントロールがなされる前記玩具装置の部位に設置された複数のセンサーから前記玩具装置のプロセッサを介してセンサー信号を受信する受信器と、
前記少なくとも1つの可動操作具に、前記可動操作具との位置関係が、前記玩具装置に設置された複数のセンサーの、前記玩具装置との位置関係と同様になるように配置されて連結され、受け取った作動信号に応じて前記筐体或いは前記少なくとも1つの可動操作具に少なくとも1つの力を出力する複数のアクチュエータと、
前記複数のアクチュエータと電気的に連結され、前記複数のアクチュエータに作動信号を提供し、かつ前記少なくとも1つの可動操作具の前記手動操作を表す制御信号をモニターするプロセッサとを備え、
前記手動操作を表す制御信号は、前記玩具装置の前記動作を制御するために前記玩具装置に送られ、
前記プロセッサは、前記玩具装置の前記センサーから受け取った前記センサー信号の少なくとも一部分に基づいて前記複数のアクチュエータのうち、当該センサー信号を発したセンサーの、前記玩具装置との位置関係と同様になるように前記可動操作具に配置された前記アクチュエータに前記少なくとも1つの力を出力させるための前記作動信号を決定することを特徴とする触覚フィードバックリモートコントロール装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記少なくとも1つの可動操作具に対する前記ユーザの手動操作の少なくとも一部分に基づいて前記少なくとも1つの力を決定することを特徴とする請求項11に記載の触覚フィードバックリモートコントロール装置。
【請求項13】
前記アクチュエータは、慣性質量を移動させることにより前記筐体に慣性力を出力することを特徴とする請求項11に記載の触覚フィードバックリモートコントロール装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの可動操作具は、一つの自由度で動けるレバーを具備し、
前記アクチュエータは前記自由度に対して力を出力することを特徴とする請求項11に記載の触覚フィードバックリモートコントロール装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記玩具装置から受け取った情報のみに基づいて前記力を決定することを特徴とする請求項11に記載の触覚フィードバックリモートコントロール装置。
【請求項16】
前記玩具装置から受け取った前記情報は、前記玩具装置上の接触センサーから受け取った情報を含み、
前記情報は前記玩具装置が他の物体と前記接触センサーの場所で接触したかどうかを示すことを特徴とする請求項15に記載の触覚フィードバックリモートコントロール装置。
【請求項17】
前記情報は、前記玩具装置の少なくとも1つの次元における前記玩具装置が経験した加速度の量を示すことを特徴とする請求項15に記載の触覚フィードバックリモートコントロール装置。
【請求項18】
前記玩具装置は移動できる玩具車両であることを特徴とする請求項11に記載の触覚フィードバックリモートコントロール装置。
【請求項19】
玩具装置の動作を制御するために前記玩具装置に制御信号を与える触覚フィードバックリモートコントロール装置であって、
筐体手段と、
ユーザによる手動操作用の少なくとも1つのコントロール手段であって、手動操作を表す前記制御信号が前記玩具装置の動作を制御するために前記玩具装置に送られるようにするコントロール手段と、
前記筐体手段内にあって、リモートコントロールがなされる前記玩具装置の部位に設置された複数のセンサーから前記玩具装置のプロセッサを介してセンサー信号を受信する受信手段と、
前記筐体手段との位置関係が、前記玩具装置に設置された複数のセンサーの、前記玩具装置との位置関係と同様になるように配置されて、受け取った作動信号に応じて前記筐体手段或いは前記コントロール手段に少なくとも1つの力を出力する複数の作動手段と、
前記作動手段に作動信号を提供し、かつ前記少なくとも1つのコントロール手段の前記手動操作を表す制御信号をモニターするプロセッサ手段とを備え、
前記手動操作を表す制御信号は、前記玩具装置の前記動作を制御するために前記玩具装置に送られ、
前記プロセッサ手段は、前記玩具装置の前記部位に設置された複数のセンサーから前記玩具装置のプロセッサを介して受信した前記センサー信号の少なくとも一部分に基づいて前記複数の作動手段のうち、当該センサー信号を発したセンサーの、前記玩具装置との位置関係と同様になるように前記筐体手段内に配置された前記作動手段に前記少なくとも1つの力を出力させるための前記作動信号を決定することを特徴とする触覚フィードバックリモートコントロール装置。
【請求項20】
前記プロセッサ手段は、前記玩具装置から受け取った情報のみに基づいて作動信号を決定することを特徴とする請求項19に記載の触覚フィードバックリモートコントロール装置。
【請求項21】
前記プロセッサ手段は、前記少なくとも1つのコントロール手段の手動操作にも基づいて前記作動信号を決定することを特徴とする請求項19に記載の触覚フィードバックリモートコントロール装置。
【請求項22】
玩具装置から受け取った情報は、前記玩具装置上の接触センサー手段からの情報を含み、
前記接触センサー手段からの情報は前記玩具装置が他の物体と前記接触センサー手段の場所で接触したかどうかを示すことを特徴とする請求項19に記載の触覚フィードバックリモートコントロール装置。
【請求項23】
ユーザに触覚フィードバックを与えるリモートコントロール玩具装置であって、
筐体と、該筐体に連結された可動操作具と、前記筐体内にあって、リモートコントロールがなされる玩具装置の部位に設置された複数のセンサーから前記玩具装置のプロセッサを介してセンサー信号を受信する受信器と、前記筐体に、前記筐体との位置関係が、前記玩具装置に設置された複数のセンサーの、前記玩具装置との位置関係と同様になるように配置されて連結され、受け取った作動信号に応じて前記筐体又は可動操作具に少なくとも1つの力を出力する複数のアクチュエータと、前記玩具装置の前記部位に設置された複数の前記センサーから前記玩具装置のプロセッサを介して受け取った前記センサー信号の少なくとも一部分に基づく作動信号であって前記複数のアクチュエータのうち、当該センサー信号を発したセンサーの、前記玩具装置との位置関係と同様になるように前記筐体内に配置された前記アクチュエータに前記少なくとも1つの力を出力させる作動信号を生成するプロセッサとを具備した、制御信号を提供するためのリモートコントロール装置と、
前記リモートコントロール装置から受け取った前記制御信号に従って物理的に移動可能とされる前記玩具装置であって、その内部の前記部位に設置された複数の前記センサーから受け取った情報を含むセンサー信号を前記玩具装置のプロセッサを介して前記リモートコントロール装置に送信する前記玩具装置とを備えることを特徴とするリモートコントロール玩具装置。
【請求項24】
前記プロセッサは、前記可動操作具による操作の少なくとも一部分に基づいて前記作動信号を決定することを特徴とする請求項23に記載のリモートコントロール玩具装置。
【請求項25】
前記玩具装置は、さらに玩具のインターアクション或いはアクションを決定するためのセンサーを具備し、
前記インターアクション或いはアクションを表す情報は前記リモートコントロール装置に送られることを特徴とする請求項23に記載のリモートコントロール玩具装置。
【請求項26】
前記センサーは、玩具装置と他の物体との接触を検出し、
前記情報は前記接触を前記リモートコントロール装置に知らせることを特徴とする請求項25に記載のリモートコントロール玩具装置。
【請求項27】
前記センサーは、玩具装置と他の物体との接触の程度を検出し、
前記情報は前記接触の程度を前記リモートコントロール装置に知らせることを特徴とする請求項26に記載のリモートコントロール玩具装置。
【請求項28】
前記センサーは加速度計であり、前記玩具装置の加速度を検出し、
前記情報は前記加速度を前記リモートコントロール装置に知らせることを特徴とする請求項25に記載のリモートコントロール玩具装置。
【請求項29】
リモートコントロール装置のユーザに触覚感覚を提供する方法であって、
前記リモートコントロール装置上の少なくとも1つの可動操作具に対するユーザの操作に基づいて、玩具装置に対してその動作を制御する制御信号を送るステップと、
前記玩具装置から、前記玩具装置の部位に設置された複数のセンサーから前記玩具装置のプロセッサを介して現在の状態を示す状態信号を受け取るステップと、
前記玩具装置から受け取った前記状態信号の少なくとも一部に基づいて、前記リモートコントロール装置との位置関係が、当該状態信号を発したセンサーの、前記玩具装置との位置関係と同様になるように前記リモートコントロール装置内に配置されたアクチュエータによって、前記リモートコントロール装置に出力される触覚感覚を発生させるステップと、を有することを特徴とする方法。
【請求項30】
触覚感覚を発生させる前記ステップにおいて、慣性質量を移動させることにより前記リモートコントロール装置の筐体に慣性触覚感覚を提供することを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記少なくとも1つの可動操作具は、軸に沿って移動できるレバーを具備することを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記玩具装置に送る制御信号と前記玩具装置から受け取った状態信号は、無線伝送により通信が行われることを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記玩具装置から受け取った状態信号は、前記玩具装置上の接触センサーからの情報を含み、
前記情報は前記玩具装置が他の物体と前記接触センサーの場所で接触したかどうかを示すことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記玩具装置から受け取った状態信号は、前記玩具装置の少なくとも1つの次元における前記玩具装置が経験した加速度の量を示す情報を含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−29724(P2010−29724A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−260496(P2009−260496)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【分割の表示】特願2002−577071(P2002−577071)の分割
【原出願日】平成14年4月1日(2002.4.1)
【出願人】(500390995)イマージョン コーポレーション (65)
【氏名又は名称原語表記】IMMERSION CORPORATION
【Fターム(参考)】