説明

玩具箱

【課題】
蓋部材を駆動装置によって駆動し、蓋部材の開く動作に連動して玩具体が表出し、蓋部材から玩具体を脱離させることができる玩具箱を提供する。
【解決手段】
玩具箱1は、箱本体2と、箱本体2に設けられた蓋部材40と、蓋部材40を開閉させる駆動装置70と、蓋部材40に着脱可能に取り付けられた玩具体51とからなる。蓋部材40には、第1の磁石部材50が設けられ、玩具体51には、強磁性体で形成された環状の係止具55が設けられている。玩具体51は、第1の磁石部材50に係止具55が吸着されて蓋部材40に取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、箱本体に設けられた駆動装置によって蓋部材が開閉し、箱本体内から玩具体が表出する玩具箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の玩具箱は、箱本体と、箱本体に開閉可能にヒンジ連結された蓋部材と、箱本体内に設けられた玩具体と、玩具体を駆動する駆動装置と、コインを検出して駆動装置をオン・オフするコイン検出部とからなる。コインをコイン検出部に置くと、駆動装置がオンされ、玩具体を駆動する。玩具体は、蓋部材を開きながら表出し、箱体内に復帰すると蓋部材を閉じる。(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特公昭43−17361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記した従来の玩具箱は、蓋部材が箱本体に開閉可能に設けられているだけで、箱本体内の玩具体が蓋部材を押し開ける構造であり、玩具体が駆動機構に組み込まれているので、玩具体を箱体内から取り出すことはできなかった。
【0004】
本願発明は、上記問題点に鑑み案出したものであって、蓋部材を駆動装置によって駆動し、蓋部材の開く動作に連動して玩具体が表出し、蓋部材から玩具体を脱離させることができる玩具箱を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願請求項1に係る玩具箱は、上記目的を達成するため、箱本体と、前記箱本体に開閉可能に設けられた蓋部材と、前記箱本体内に設けられ、前記蓋部材を開閉させる駆動装置と、前記箱本体内に設けられ、前記蓋部材に着脱可能に取り付けられた玩具体とからなる。
【0006】
本願請求項2に係る玩具箱は、上記目的を達成するため、前記蓋部材又は前記玩具体の一方に第1の磁石部材が設けられ、前記蓋部材又は前記玩具体の他方に強磁性体又は第2の磁石部材が設けられ、前記第1の磁石部材と前記強磁性体又は前記第1の磁石部材と前記第2の磁石部材との吸着によって前記蓋部材に前記玩具体が取り付けられている。
【0007】
本願請求項3に係る玩具箱は、上記目的を達成するため、前記蓋部材に第1の磁石部材が設けられ、前記玩具体に強磁性体で形成された環状の係止具が設けられ、前記第1の磁石部材に前記係止具が吸着されて前記蓋部材に前記玩具体が取り付けられている。
【0008】
本願請求項4に係る玩具箱は、上記目的を達成するため、前記玩具体の一側には、摺接突起を備えたガイド突起が設けられ、前記箱本体には、前記玩具体の前記ガイド突起を前記蓋部材の開閉方向に案内する案内溝と、前記摺接突起と摺接して前記玩具体を揺らす凸起が設けられている。
【0009】
本願請求項5に係る玩具箱は、上記目的を達成するため、前記駆動装置には、駆動モータと、回転カムと、駆動モータの回転を回転カムに伝達する歯車群とを有し、前記回転カムには、係合溝が形成されており、前記蓋部材は、前記回転カムの前記係合溝と摺動自在に係合する係合突起が形成された係合杆を有し、前記回転カムの回転に連動して開閉するように構成されている。
【0010】
本願請求項6に係る玩具箱は、上記目的を達成するため、前記駆動装置には、駆動モータと、回転カムと、少なくとも一つの爪車と、前記駆動モータの回転を前記回転カム又は前記少なくとも一つの爪車に伝達する歯車群とを有し、前記回転カムには、係合溝が形成されており、前記蓋部材は、前記回転カムの前記係合溝と摺動自在に係合する係合突起が形成され係合杆を有し、前記回転カムの回転に連動して開閉するように構成され、前記箱本体には、少なくとも一つの出没部材が回動可能に設けられ、前記出没部材は、前記箱本体の底壁に形成された開口から先部が突出し、前記爪車の回転によって間欠的に押圧され、前記箱本体を振動させるように構成されている。
【0011】
本願請求項7に係る玩具箱は、上記目的を達成するため、前記歯車群は、前記回転カムに回転を伝達する第1の従動歯車と、前記爪車側に回転を伝達する第2の従動歯車と、前記駆動モータの一方向の回転を前記第1の従動歯車に伝達し、前記駆動モータの他方向の回転を前記第2の従動歯車に伝達する移動歯車とを有する。
【0012】
本願請求項8に係る玩具箱は、上記目的を達成するため、前記箱本体には、前記駆動装置の駆動及び停止を制御する制御回路と、外部の音を検出して前記制御回路に検出信号を送信する音センサが設けられ、前記制御回路は前記音センサの検出信号により前記駆動装置の駆動を制御するようになっている。
【発明の効果】
【0013】
本願発明に係る玩具箱は、蓋部材が駆動装置によって開閉動作を行い、蓋部材に着脱可能に取り付けられた玩具体を、蓋部材の開く動作に連動して表出させることができ、さらに玩具体を蓋部材から離脱させて、箱本体から取り出すことができるという効果がある。
【0014】
本願発明に係る玩具箱は、蓋部材への玩具体の取り付けが、磁石同士又は磁石と強磁性体の吸着による連結で行われているので、玩具体の着脱が極めて容易であるという効果がある。
【0015】
本願発明に係る玩具箱は、蓋部材への玩具体の取り付けが、磁石と強磁性体で形成された環状の係止具の吸着による連結で行われているので、玩具体の着脱が極めて容易であり、磁石の面に係止具が点接触により連結されているので、玩具体が蓋部材に対して揺れ易くなっており、蓋部材の開く動作に連動して玩具体が揺れながら表出させることができるという効果がある。
【0016】
本願発明に係る玩具箱は、玩具体のガイド突起が箱本体の案内溝に案内されながら、蓋部材の開く動作に連動して玩具体が開く方向に移動し、この移動中に玩具体の摺接突起が凸起に摺接すると玩具体が揺れるような動作をすることができるので、玩具体の表出を興趣あるものにすることができるという効果がある。
【0017】
本願発明に係る玩具箱は、駆動モータを回転させると、歯車群を介して回転カムが回転し、回転カムの係合溝に摺動自在に係合する係合突起を備えた係合杆により蓋部材を開閉動作させることができるので、確実に蓋部材を開くことができるという効果がある。
【0018】
本願発明に係る玩具箱は、駆動モータを回転させると、歯車群を介して回転カム又は爪車が回転し、回転カムが回転すると、回転カムの係合溝に摺動自在に係合する係合突起を備えた係合杆により蓋部材を開閉動作させることができ、爪車が回転すると、出没部材が間欠的に押圧されて、箱本体の底壁に形成された開口から突出する先部が設置面を間欠的に押圧して、箱本体を振動させることができるので、蓋部材の開閉動作と箱本体の振動動作を別々に行わせることができるという効果がある。
【0019】
本願発明に係る玩具箱は、駆動モータを一方に回転させると、移動歯車が第1の従動歯車と噛み合って回転カムを回転させ、駆動モータを他方に回転させると、移動歯車が第2の従動歯車と噛み合って爪車を回転させるので、駆動モータの回転方向によって、蓋部材の開閉動作と箱本体の振動動作を選択させることができるという効果がある。
【0020】
本願発明に係る玩具箱は、外部の音を音センサが検出すると、制御回路が音センサの検出信号により駆動装置の駆動を制御するので、興趣ある動き出しをさせることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本願発明に係る玩具箱の一つの実施の形態を図1乃至図9に基づいて説明する。図1、2は、玩具箱の一部を切り欠いた上方斜視図である。図3は、玩具箱の一部を切り欠いた下方斜視図である。図4は、玩具箱の下方斜視図である。図5は、玩具箱の側面図である。図6は、玩具箱の側面断面図である。図7は、玩具箱の動作を説明する側面断面図である。図8は、玩具箱の動作を説明する上面図である。図9は、玩具箱の動作を説明する正面図である。図10は、玩具箱の電気ブロック図である。
【0022】
玩具箱1は、箱本体2と、前記箱本体2に開閉可能に設けられた蓋部材40と、前記箱本体2内に設けられ、前記蓋部材40を開閉させる駆動装置70と、前記箱本体2内に設けられ、前記蓋部材40に着脱可能に取り付けられた玩具体51とからなる。前記蓋部材40又は前記玩具体51の一方には、第1の磁石部材50が設けられている。前記蓋部材40又は前記玩具体51の他方には、強磁性体55又は第2の磁石部材が設けられている。
【0023】
玩具箱1は、前記第1の磁石部材50と前記強磁性体55、又は前記第1の磁石部材50と前記第2の磁石部材との吸着によって前記蓋部材40に前記玩具体51が取り付けられている。なお、具体的には、前記蓋部材40に第1の磁石部材50が設けられ、前記玩具体51に強磁性体で形成された環状の係止具55が設けられ、前記第1の磁石部材50に前記係止具55が吸着されて前記蓋部材40に前記玩具体51が取り付けられている。
【0024】
前記玩具体51の一側には、摺接突起57,58を備えたガイド突起56が設けられている。前記箱本体2には、前記玩具体51の前記ガイド突起56を前記蓋部材40の開閉方向に案内する案内溝23と、前記摺接突起57,58と摺接して前記玩具体51を揺らす凸起29,31が設けられている。前記駆動装置70には、駆動モータ71と、回転カム61と、駆動モータ71の回転を回転カム61に伝達する歯車群72とを有する。前記回転カム61には、係合溝64が形成されている。前記蓋部材40は、前記回転カム61の前記係合溝64と摺動自在に係合する係合突起60が形成された係合杆59を有し、前記回転カム61の回転に連動して開閉するように構成されている。
【0025】
前記駆動装置70には、駆動モータ71と、回転カム61と、少なくとも一つの爪車92,94と、前記駆動モータ71の回転を前記回転カム61又は前記少なくとも一つの爪車92,94に伝達する歯車群72とを有する。前記回転カム61には、係合溝64が形成されている。前記蓋部材40は、前記回転カム61の前記係合溝64と摺動自在に係合する係合突起60が形成され係合杆59を有し、前記回転カム61の回転に連動して開閉するように構成されている。前記箱本体2には、少なくとも一つの出没部材101、111が回動可能に設けられている。前記出没部材101、111は、前記箱本体2の底壁3に形成された開口18、19から先部103、113が突出し、前記爪車92、94の回転によって間欠的に押圧され、前記箱本体2を振動させるように構成されている。
【0026】
前記歯車群72は、前記回転カム61に回転を伝達する第1の従動歯車79と、前記爪車92、94側に回転を伝達する第2の従動歯車83と、前記駆動モータ71の一方向の回転を前記第1の従動歯車79に伝達し、前記駆動モータ71の他方向の回転を前記第2の従動歯車83に伝達する移動歯車77とを有する。前記箱本体2には、前記駆動装置70の駆動及び停止を制御する制御回路95と、外部の音を検出して前記制御回路95に検出信号を送信する音センサ96が設けられ、前記制御回路95は前記音センサ96の検出信号により前記駆動装置70の駆動を制御するようになっている。
【0027】
さらに玩具箱1について詳細に説明する。図1、4、5に示すように、箱本体2は、底壁3と、底壁3の前部に設けられた前壁5と、底壁3の後部に設けられた後壁6と、底壁3の左部に設けられた左壁7と、底壁3の右部に設けられた右壁9と、前壁5と後壁6と左壁7と右壁9の上部に設けられた仕切壁10とからなる。仕切壁10には、第1の凹部11と、第2の凹部15が形成されている。第1の凹部11は、左右方向に長く伸びる第1の底壁12と、第1の底壁12の周縁に形成された第1の周壁13とからなり、第1の周壁13の上端縁が仕切壁10に連接されている。第2の凹部15は、略円形の第2の底壁16と、第2の底壁16の周縁に形成された第2の周壁17とからなり、第2の周壁17の上端縁が第1の底壁12に連接されている。
【0028】
第1の周壁13の略中央には、断面略コ字状の案内溝23を備えたガイド部材21が設けられている。ガイド部材21の後部には、仕切壁10と第1の周壁13に係合し固定される係合段部22が形成されている。ガイド部材21は、接着剤、ネジ等の固定手段によって仕切壁10と第1の周壁13に固定されているが、仕切壁10との一体成形によって形成されても構わない。断面略コ字状の案内溝23は、左ガイド壁25と右ガイド壁26によって形成されている。
【0029】
左ガイド壁25の前面は、左案内面27となっており、略中間部に三角状の左凸起29が形成されている。右ガイド壁26の前面は、右案内面30となっており、略中間部に三角状の右凸起31が形成されている。右凸起31は、左凸起29より上方に位置して設けられている。左案内面27と右案内面30は、上方にいくに従って後方に緩やかに湾曲している。仕切壁10の後部左端には、取付板32が設けられ、取付板32の後部に支軸33が設けられている。仕切壁10の後部右端には、取付板35が設けられ、取付板35の後部に前記支軸33と対向する支軸36が設けられている。
【0030】
蓋部材40には、前記ガイド部材21によって案内される玩具体51が着脱可能に取り付けられている。蓋部材40は、上壁41と、上壁41の前部に設けられた前壁42と、上壁41の後部に設けられた後壁43と、上壁41の左部に設けられた左壁45と、上壁41の右部に設けられた右壁46とで形成され、下部が開放されている。蓋部材40は、後壁43近傍の左壁45に軸受け孔47が形成され、右壁46に軸受け孔47と対向する軸受け孔49が形成されている。
【0031】
蓋部材40は、軸受け孔47が支軸33に回動自在に枢支され、軸受け孔49が支軸36に回動自在に枢支され、箱本体2に回動可能に取り付けられている。蓋部材40は、閉じると、前壁42の下端が箱本体2の前壁5の上端と当接し、後壁43の下端が箱本体2の後壁6の上端と当接し、左壁45の下端が箱本体2の左壁7の上端と当接し、右壁46の下端が箱本体2の右壁9の上端と当接する。上壁41の内面略中央には、磁石片50が取り付けられている。
【0032】
玩具体51は、合成樹脂によって、頭部52と胴部53とからなる動物玩具状に形成され、頭部52に係止具55が設けられている。係止具55は、強磁性体によってリング状に形成されている。玩具体51の頭部52後面には、ガイド突起56が一体的に形成され
ている。ガイド突起56は、玩具体51の係止具55が蓋部材40の磁石片50に吸着された時、前記ガイド部材21の案内溝23によって案内されるように板片状に形成されている。ガイド突起56には、前記ガイド部材21の左案内面27と右案内面30に摺接する摺接突起57,58が形成されている。従って、蓋部材40が開く方向に回動すると、磁石片50の磁力によって、玩具体51も上方に移動する。この玩具体51の上方への移動は、ガイド突起56がガイド部材21の案内溝23に案内され、摺接突起57,58が、前記ガイド部材21の左案内面27と右案内面30に摺接しながら行われる。
【0033】
図2、3に示すように、前記箱本体2内には、前記蓋部材40を開閉させる駆動装置70が設けられている。駆動装置70は、駆動モータ71と、回転カム61と、第1の爪車94と、第2の爪車92と、前記駆動モータ71の回転を前記回転カム61又は第1の爪車94及び第2の爪車92に伝達する歯車群72とを有する。歯車群72は、駆動モータ71の駆動軸に取り付けられたウォーム歯車73と、ウォーム歯車73と常時噛み合う移動小歯車75と、移動小歯車75と一体の移動ウォーム歯車77と、移動ウォーム歯車77と噛み合い可能な第1の従動歯車79及び第2の従動歯車83と、第1の従動歯車79と一体の中間平歯車80と、中間平歯車80と常時噛み合う大平歯車81と、第2の従動歯車83と常時噛み合う小歯車85とからなる。
【0034】
移動小歯車75と移動ウォーム歯車77は、回動軸86に固定して取り付けられている。回動軸86は、揺動杆87の先部に回動自在に取り付けられている。揺動杆87の基部は、箱本体2に設けられた固定軸89に回動自在に取り付けられている。第1の従動歯車79、第1の従動歯車79と一体の中間平歯車80及び第2の従動歯車83は、中間軸91に回動自在に取り付けられている。第1の従動歯車79と中間平歯車80は、回胴部材84によって一体的に連結されている。大平歯車81は、カム軸62に固定して設けられている。また、カム軸62には、回転カム61が固定して設けられており、回転カム61は大平歯車81と共に回転する。
【0035】
図2に示すように、回転カム61は、円板状に形成され、大平歯車81と反対側の側面63の左側に係合溝64が形成されている。係合溝64は、下方にいくに従って回転カム61の中心から離れていく形状となっており、最終端が回転カム61の周面65で開放されている。回転カム61の周面65上部には、押圧突起66が形成されている。回転カム61の側面63の右側には、係止ピン67が設けられている。係止ピン67には、バネ(弾性部材)68の一端が係止されている。バネ(弾性部材)68の他端は、箱本体2に設けられた取付軸38に係止されている。従って、回転カム61は、バネ(弾性部材)68の弾性により、押圧突起66が上方に位置した状態(初期状態)で位置決めされている。
【0036】
第2の従動歯車83には、これと共に回転する第2の爪車92が固定して設けられている。また、小歯車85は、回転軸93に固定して設けられ、回転軸93には第1の爪車94が固定して設けられている。前記中間軸91には、前記第1の爪車94に押圧され、先部103が上下方向に振動する第1の出没部材101が回動可能に設けられている。
【0037】
第1の出没部材101は、第1の脚部102と、第1の押圧片106と、第1の脚部102の後部と第1の押圧片106の後部を連結する第1の連結部104とからなる。第1の連結部104には、第1の取付孔105が形成されている。第1の脚部102は、先部103が下方に折曲されている。第1の押圧片106は、緩やかに湾曲しており、先端107が上方に向いている。第1の出没部材101は、前記中間軸91に第1の取付孔105が回動可能に取り付けられ、第1の脚部102の先部103が底壁3に形成された開口18から突出し、第1の押圧片106の先端107が前記第1の爪車94に間欠的に下方に押圧される。
【0038】
前記回転軸93には、前記第2の爪車92に押圧され先部113が上下方向に振動する第2の出没部材111が回動可能に設けられている。第2の出没部材111は、第2の脚部112と、第2の押圧片116と、第2の脚部112の後部と第2の押圧片116の後部を連結する第2の連結部114とからなる。第2の連結部114には、第2の取付孔115が形成されている。第2の脚部112は、先部113が下方に折曲されている。第2の押圧片116は、緩やかに湾曲しており、先端117が上方に向いている。第2の出没部材111は、前記回転軸93に第2の取付孔115が回動可能に取り付けられ、第2の脚部112の先部113が底壁3に形成された開口19から突出し、第2の押圧片116の先端117が前記第1の爪車94に間欠的に下方に押圧される。なお、底壁3の略中央には、突起20が形成され、玩具箱1を不安定にし、ガタつき易くしている。
【0039】
図10に示すように、箱本体2には、前記駆動装置70の駆動モータ71の駆動及び停止を制御する制御回路95と、外部の音を検出して前記制御回路95に検出信号を送信する音センサ96が設けられている。前記制御回路95は、前記音センサ96の検出信号により前記駆動装置70の駆動モータ71の駆動を制御するようになっている。また、箱本体2には、制御回路95を駆動可能状態にするメインスイッチ97と、前記回転カム61の押圧突起66によって駆動モータ71の駆動を停止させるサブスイッチ98が設けられている。
【0040】
玩具箱1は、上記構成を有し、以下のように使用することができる。玩具箱1は、蓋部材40が閉じている時が初期状態である。図6に示すように、玩具体51は、第1の凹部11と第2の凹部15内に収納されている。メインスイッチ97をオンにすると制御回路95が駆動可能状態となる。音センサ96が音を検出すると、前記制御回路95に検出信号を送信する。制御回路95は、内部プログラムに基づいて駆動モータ71の駆動を制御する。駆動モータ71の駆動軸を一方に回転すると、駆動モータ71の駆動軸に取り付けられたウォーム歯車73も一方に回転し、ウォーム歯車73と常時噛み合う移動小歯車75が第2の従動歯車83側に移動し、移動小歯車75と一体の移動ウォーム歯車77が第2の従動歯車83と噛み合う。第2の従動歯車83が回転すると、これと共に第2の爪車92が回転し、また第2の従動歯車83と噛み合う小歯車85を介して第1の爪車94が回転する。
【0041】
第1の爪車94が回転すると、第1の爪車94の周囲に形成された爪によって、第1の出没部材101の第1の押圧片106の先端107が下方に間欠的に押圧され、開口18から突出する第1の脚部102の先部103が上下方向に振動する。同様に、第2の爪車92が回転すると、第2の爪車92の周囲に形成された爪によって、第2の出没部材111の第2の押圧片116の先端117が下方に間欠的に押圧され、開口19から突出する第2の脚部112の先部113が上下方向に振動する。玩具箱1は、底壁3に設けられた突起20によって、不安定な状態で接地しており、第1の脚部102の先部103と第2の脚部112の先部113が上下方向に振動すると、第1の脚部102の先部103と第2の脚部112の先部113が設置面を押圧するので、箱本体2全体が細かく揺れる動きをする。
【0042】
玩具箱1は、制御回路95が、内部プログラムに基づいて駆動モータ71の駆動軸を他方に回転すると、駆動モータ71の駆動軸に取り付けられたウォーム歯車73も他方に回転し、ウォーム歯車73と常時噛み合う移動小歯車75が第1の従動歯車79側に移動し、移動小歯車75と一体の移動ウォーム歯車77が第1の従動歯車79と噛み合う。この時、移動小歯車75と一体の移動ウォーム歯車77が第2の従動歯車83から外れるので、玩具箱1の揺れは収まる。第1の従動歯車79が回転すると回胴部材84を介して中間平歯車80が回転し、中間平歯車80と噛み合う大平歯車81を介して回転カム61が弾性部材68の弾性に抗して時計方向に回転する。
【0043】
回転カム61が回転すると、係合溝64に係合している係合杆59の係合突起60が係合溝64の形状に沿って上方に移動し、係合杆59によって蓋部材40が支軸33,36を中心として開く方向に回動する。蓋部材40が僅かに開くと、蓋部材40の前壁42と箱本体2の前壁5の間に隙間が生じ、その隙間から玩具体51が覗いているように見える。
【0044】
玩具箱1は、制御回路95が、内部プログラムに基づいて駆動モータ71の駆動軸を一方に回転すると、駆動モータ71の駆動軸に取り付けられたウォーム歯車73も一方に回転し、ウォーム歯車73と常時噛み合う移動小歯車75が第2の従動歯車83側に移動し、移動小歯車75と一体の移動ウォーム歯車77が第2の従動歯車83と噛み合い、前述したように箱本体2が細かく揺れ動く。この時、移動小歯車75と一体の移動ウォーム歯車77が第1の従動歯車79から外れるので、回転カム61が弾性部材68の弾性復元力により反時計方向に回転して初期状態に復帰し、蓋部材40が元の閉まった状態に戻る。このように、玩具箱1は、音センサ96が音を検出すると、細かく揺れたり、蓋部材40を僅かに開いて、玩具体51が隙間から覗いているような動きをすることができ、所定時間経過後、蓋部材40が閉まった状態で制御回路95が駆動モータ71を停止する。
【0045】
また、玩具箱1は、制御回路95が、内部プログラムに基づいて駆動モータ71の駆動軸を長い時間他方に回転することがある。係る場合、駆動モータ71の駆動軸に取り付けられたウォーム歯車73も他方に回転し、ウォーム歯車73と常時噛み合う移動小歯車75が第1の従動歯車79側に移動し、移動小歯車75と一体の移動ウォーム歯車77が第1の従動歯車79と噛み合う。第1の従動歯車79が回転すると回胴部材84を介して中間平歯車80が回転し、中間平歯車80と噛み合う大平歯車81を介して回転カム61が弾性部材68の弾性に抗して時計方向に回転する。回転カム61が回転すると、係合溝64に係合している係合杆59の係合突起60が係合溝64の形状に沿って上方に移動し、係合杆59によって蓋部材40を支軸33,36を中心として開く方向に回動する。
【0046】
蓋部材40が上方に開いていくと、蓋部材40に設けられた磁石片50に係止具55が吸着されている玩具体51が上方に引き出される。玩具体51は、ガイド突起56がガイド部材21の案内溝23に案内されて上方に移動する。玩具体51は、摺接突起57が左案内面27に沿って摺動し、摺接突起58が右案内面30に沿って摺動する。玩具体51は、摺接突起57が左案内面27に形成された左凸起29に当接してこれを乗り越えると、右側に傾き、摺接突起58が右案内面30に形成された右凸起31に当接してこれを乗り越えると、左側に傾く。玩具体51は、リング状に形成された係止具55が磁石片50と点接触しており、磁石片50に対して動きやすくなっている。
【0047】
このように玩具体51は、蓋部材40が大きく開くと、連動して上方に移動し、上方に移動する際、左右に傾いて、興趣ある動きをする。玩具箱1は、制御回路95が、内部プログラムに基づいて駆動モータ71の駆動軸を一方に回転すると、上記したように、蓋部材40が閉じ、揺れる動きをするが、そのまま駆動モータ71を他方向に回転していくと、回転カム61の押圧突起66がサブスイッチ98を押圧し、駆動モータ71の駆動を停止する。蓋部材40が大きく開いた状態で停止しており、蓋部材40の磁石片50に吸着している玩具体51を磁石片50から脱離させて、箱本体2から取りだすことができる。玩具体51は、係止具55に紐を通して、室内のフックに引っ掛け、室内で飾っておくことができる。玩具体51の係止具55を蓋部材40の磁石片50に吸着させておき、音センサ96が音を検出すると、制御回路95が、内部プログラムに基づいて駆動モータ71の駆動軸を他方に回転する。玩具箱1は、蓋部材40が直ちに閉じ、全体が細かく揺れる動きをする。
【0048】
上記実施の形態では、玩具体51は、これの係止具55を磁石片50に吸着させて、蓋部材40に取り付けていたが、蓋部材40に?マーク状のフックを設け、このフックに係止具55を引っ掛けて蓋部材40に取り付けても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本願発明に係る玩具箱の一部を切り欠いた上方斜視図である。
【図2】本願発明に係る玩具箱の一部を切り欠いた上方斜視図である。
【図3】本願発明に係る玩具箱の一部を切り欠いた下方斜視図である。
【図4】本願発明に係る玩具箱の下方斜視図である。
【図5】本願発明に係る玩具箱の側面図である。
【図6】本願発明に係る玩具箱の側面断面図である。
【図7】本願発明に係る玩具箱の動作を説明する側面断面図である。
【図8】本願発明に係る玩具箱の動作を説明する上面図である。
【図9】本願発明に係る玩具箱の動作を説明する正面図である。
【図10】本願発明に係る玩具箱の電気ブロック図である。
【符号の説明】
【0050】
1 玩具箱
2 箱本体
3 底壁
5 前壁
6 後壁
7 左壁
9 右壁
10 仕切壁
11 第1の凹部
12 第1の底壁
13 第1の周壁
15 第2の凹部
16 第2の底壁
17 第2の周壁
18 開口
19 開口
20 突起
21 ガイド部材
22 係合段部
23 案内溝
25 左ガイド壁
26 右ガイド壁
27 左案内面
29 左凸起
30 右案内面
31 右凸起
32 取付板
33 支軸
35 取付板
36 支軸
38 取付軸
40 蓋部材
41 上壁
42 前壁
43 後壁
45 左壁
46 右壁
47 軸受け孔
49 軸受け孔
50 磁石片(第1の磁石部材)
51 玩具体
52 頭部
53 胴部
55 係止具(強磁性体)
56 ガイド突起
57 摺接突起
58 摺接突起
59 係合杆
60 係合突起
61 回転カム
62 カム軸
63 側面
64 係合溝
65 周面
66 押圧突起
67 係止ピン
68 バネ(弾性部材)
70 駆動装置
71 駆動モータ
72 歯車群
73 ウォーム歯車
75 移動小歯車
77 移動ウォーム歯車
79 第1の従動歯車
80 中間平歯車
81 大平歯車
83 第2の従動歯車
84 回胴部材
85 小歯車
86 回動軸
87 揺動杆
89 固定軸
91 中間軸
92 第2の爪車
93 回転軸
94 第1の爪車
95 制御回路
96 音センサ
97 メインスイッチ
98 サブスイッチ
101 第1の出没部材
102 第1の脚部
103 先部
104 第1の連結部
105 第1の取付孔
106 第1の押圧片
107 先端
111 第2の出没部材
112 第2の脚部
113 先部
114 第2の連結部
115 第2の取付孔
116 第2の押圧片
117 先端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱本体と、
前記箱本体に開閉可能に設けられた蓋部材と、
前記箱本体内に設けられ、前記蓋部材を開閉させる駆動装置と、
前記箱本体内に設けられ、前記蓋部材に着脱可能に取り付けられた玩具体とからなることを特徴とする玩具箱。
【請求項2】
前記蓋部材又は前記玩具体の一方に第1の磁石部材が設けられ、前記蓋部材又は前記玩具体の他方に強磁性体又は第2の磁石部材が設けられ、前記第1の磁石部材と前記強磁性体又は前記第1の磁石部材と前記第2の磁石部材との吸着によって前記蓋部材に前記玩具体が取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の玩具箱。
【請求項3】
前記蓋部材に第1の磁石部材が設けられ、前記玩具体に強磁性体で形成された環状の係止具が設けられ、前記第1の磁石部材に前記係止具が吸着されて前記蓋部材に前記玩具体が取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の玩具箱。
【請求項4】
前記玩具体の一側には、摺接突起を備えたガイド突起が設けられ、
前記箱本体には、前記玩具体の前記ガイド突起を前記蓋部材の開閉方向に案内する案内溝と、前記摺接突起と摺接して前記玩具体を揺らす凸起が設けられていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の玩具箱。
【請求項5】
前記駆動装置には、駆動モータと、回転カムと、駆動モータの回転を回転カムに伝達する歯車群とを有し、
前記回転カムには、係合溝が形成されており、
前記蓋部材は、前記回転カムの前記係合溝と摺動自在に係合する係合突起が形成された係合杆を有し、前記回転カムの回転に連動して開閉するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の玩具箱。
【請求項6】
前記駆動装置には、駆動モータと、回転カムと、少なくとも一つの爪車と、前記駆動モータの回転を前記回転カム又は前記少なくとも一つの爪車に伝達する歯車群とを有し、
前記回転カムには、係合溝が形成されており、
前記蓋部材は、前記回転カムの前記係合溝と摺動自在に係合する係合突起が形成され係合杆を有し、前記回転カムの回転に連動して開閉するように構成され、
前記箱本体には、少なくとも一つの出没部材が回動可能に設けられ、
前記出没部材は、前記箱本体の底壁に形成された開口から先部が突出し、前記爪車の回転によって間欠的に押圧され、前記箱本体を振動させるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の玩具箱。
【請求項7】
前記歯車群は、前記回転カムに回転を伝達する第1の従動歯車と、前記爪車側に回転を伝達する第2の従動歯車と、前記駆動モータの一方向の回転を前記第1の従動歯車に伝達し、前記駆動モータの他方向の回転を前記第2の従動歯車に伝達する移動歯車とを有することを特徴とする請求項6記載の玩具箱。
【請求項8】
前記箱本体には、前記駆動装置の駆動及び停止を制御する制御回路と、外部の音を検出して前記制御回路に検出信号を送信する音センサが設けられ、前記制御回路は前記音センサの検出信号により前記駆動装置の駆動を制御するようになっていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の玩具箱。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−61603(P2006−61603A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−250779(P2004−250779)
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【出願人】(591274532)株式会社メガハウス (8)
【Fターム(参考)】