説明

現像剤規制部材及び画像形成装置

【課題】 帯電特性等の物性に優れ、現像剤に必要量の帯電を与えることのできる現像剤規制部材とその現像剤規制部材を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 電子写真方式による画像形成装置1における現像剤担持体9に当接して現像剤の層厚を規制するとともに、現像剤に摩擦帯電により電荷を付与する金属製支持体11と金属製ブレード12からなる現像剤規制部材であって、金属製ブレード12の接触帯電量が0.5〜20(nC)であり、かつ、Crを17〜25%、Niが7〜20%含むステンレス製であって、現像剤担持体9に当接する金属製ブレード12の部分にシランカップリング剤の表面処理層13を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子写真方式により画像形成を行う複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置とこの画像形成装置に用いられる現像剤規制部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真の現像方式は一成分の現像剤を使用する方式と、二成分の現像剤を使用する方式とに分類され、一成分の現像剤を使用する方式は非磁性一成分タイプと、磁性一成分タイプとにさらに分けられる。これらのタイプによる現像剤としてのトナーへの帯電は、いずれのタイプでも帯電メカニズム上、二成分の現像剤を使用する方式のようにトナーとキャリヤとの混合による帯電がないことから、トナー以外の摩擦部材との摩擦による静電的な力が必要とされる。
【0003】
帯電のメカニズムとしては、トナーと現像剤規制部材との摩擦帯電によるもの、トナー同士の摩擦帯電によるもの、並びにトナーと現像剤規制部材及び現像剤担持体との摩擦帯電によるものに分類することができ、これらの力の総和によりトナーに対する帯電が行われる。
【0004】
従来の現像装置は、図3に示すように、回転する現像剤担持体20に現像剤規制部材21を接触させて現像剤担持体20の外周面におけるトナーの層厚を規制すると共に、トナーに摩擦帯電により電荷を付与するようにしている(例えば、特許文献1を参照)。現像剤担持体20は、非磁性トナーが使用される場合には中実の現像ローラ又は中空の現像スリーブが用いられる。これに対し、ジャンピング方式等のような磁性トナーが使用される場合には、マグネットローラを収納する空間を有する中空の現像スリーブが用いられる。
【0005】
また、現像ブレード21は、支持ホルダ23と、この支持ホルダ23に装着されるブレード24とから構成されている。支持ホルダ23は、長方形に形成され、その下端部である先端部がブレード24の支持部25となっている。また、ブレード24は、適度な硬度とゴム弾性を有するウレタンゴムやシリコーンゴム等に代表されるエラストマー、或いは金属を用いて長方形に形成され、支持ホルダ23の支持部25に保持されている。そして、現像剤担持体20の外周面上部に、ブレード24の先端部が線接触或いは面接触の状態で摺接し、その摺接部に圧力を作用させている。
【0006】
上記構成において、図示しない感光体にトナーを供給するには、まず、トナーがホッパから現像剤担持体20上に図示しないトナー搬送ローラを介して搬送され、現像剤担持体20上に摺接する現像剤規制部材21によってトナー薄層を均一に形成するとともに、トナーに摩擦帯電で電荷を加える。この際、トナー同士が擦れ合うが、このトナー同士の摩擦も帯電に寄与する。また、トナーが磁性トナーの場合、現像剤担持体20のスリーブとの摩擦によっても帯電する。こうして、電荷が付与されたトナー薄層は、感光ドラムと接触してその外周面上の静電潜像に静電的に結合され、潜像を可視化する。
【特許文献1】特開2000−137380号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の現像剤規制部材21は、上述したように現像剤担持体20に接することで現像剤担持体20上の現像剤の層厚を規制するとともに、現像剤との摩擦帯電により現像剤に電荷を与える。しかしながら、現像剤規制部材21と現像剤との摩擦帯電による現像剤の帯電量は小さく、現像剤と現像剤担持体20、或いは、現像剤同士の帯電による効果に依存することが多く、現像剤に十分な帯電を与えることができなかった。この対策として、現像剤担持体20に当接するブレード24にゴム等を使用し、これらのゴムに帯電機能を持たせた例がある。しかしながら、長期使用することによりゴムが磨耗し、長期間に渡って安定した帯電量等の特性が得られないという欠点があり、十分な性能は得られなかった。
【0008】
また、トナーに要求される帯電特性は、現像方法により差があるが、おおよそトナーに必要とされる帯電量は、一成分の現像剤を使用する場合には2〜8μC/g程度、二成分の現像剤を使用する場合には10〜25μC/g程度要求される。これらに使用する現像剤規制部材21の電気的特性として考慮すべき点は、導電性の現像剤規制部材21を用いる場合には、電流が高電導されることからトナーの融着が生じ易いという点である。
【0009】
また、非接触でトナーを飛ばして現像するジャンピング方式等において用いられるマグネットと現像剤担持体20との組み合わせでは、現像剤担持体20の材質と表面特性も帯電性に関与してくる点等があげられる。
【0010】
上記状況に鑑み、現像剤規制部材21を製造する場合には、トナーに所定範囲内の帯電量を与えられるよう構成を考慮しなければならないという問題があった。
【0011】
さらに、最近のプリンタや複写機等は高精細化や高速化が進んでいるので、現像剤担持体20のスリーブと現像剤規制部材21とは、トナーの固着防止やスリーブのトルク低減のため、スリーブの外周面に現像剤規制部材21が低い圧力作用状態で摺接する関係が強く求められている。
【0012】
この発明は、以上のような問題に鑑みなされたもので、帯電特性等の物性に優れ、現像剤に必要量の帯電を与えることのできる現像剤規制部材とその現像剤規制部材を備えた画像形成装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明は、以上のような課題を実現するため、請求項1に記載の発明においては、電子写真方式による画像形成装置における現像剤担持体に当接して現像剤の層厚を規制するとともに、該現像剤に摩擦帯電により電荷を付与する金属製支持体と金属製ブレードからなる現像剤規制部材であって、前記金属製ブレードの接触帯電量が0.5〜20(nC)であり、かつ、Crを17〜25%、Niが7〜20%含むステンレス製であって、前記現像剤担持体に当接する前記金属製ブレードの部分にシランカップリング剤の表面処理層を有していることを特徴としている。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加えて、前記表面処理層の厚さが1〜500μmであることを特徴としている。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加えて、前記シランカップリング剤を塩基性のアミノ基を有するシランカップリング剤としたことを特徴としている。
【0016】
請求項4に記載の現像装置の発明は、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の現像剤規制部材を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明は、現像剤担持体に接触する現像剤規制部材の金属製ブレードの部分にシランカップリング剤の表面処理層を有するとともに、金属製ブレードの接触帯電量が0.5〜20(nC)であり、かつ、Crを17〜25%、Niが7〜20%含むステンレス製としているので、現像剤としてのトナーに必要量の帯電を付与することができるとともに、金属製ブレードのトナーとの離型性が向上し金属製ブレードの表面にトナーが固着しにくいため、長期に渡って現像剤担持体の表面に均一なトナー層が安定的に形成される。結果として、請求項1に記載の現像剤担持体を使用することで、転写紙には良好な画像が得られる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の効果に加えて、金属製ブレードに表面の厚さ1〜500μmのシランカップリング剤の表面処理層を有することにより、確実に金属製ブレードのトナーとの離型性が向上することになるから、長期に渡って現像剤担持体の表面に均一なトナー層がより安定的に形成され、転写紙にはより良好な画像が得られる。
【0019】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の効果に加えて、シランカップリング剤を塩基性のアミノ基を有するシランカップリング剤としているので、ブレード表面の酸性表面を塩基性表面に変換し、帯電性を負から正へと変えることができ、負帯電性の現像剤に帯電性を十分、かつ適切に与えることができる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一つに記載のトナーが固着しにくい現像剤規制部材を備えているため、フィルミング等の問題の起こりにくい良好な画像が得られる画像形成装置が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明するが、この発明は以下の実施の形態になんら限定されるものではない。
【0022】
図1は、この発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示した概略図である。
【0023】
この発明の実施の形態に係る画像形成装置1は、図1において時計方向に回転する感光体2を帯電ローラ3で一様に帯電させ、次いで、露光手段4で画像を露光して静電潜像を形成する。この静電潜像は現像領域において現像ユニット5から一定の層厚で供給される現像剤としてのトナーで現像され、トナー像として可視化する。次に、感光体2のトナー像は搬送手段で搬送されてくる転写紙6上に転写ローラ7部分で転写され、次いで、その転写紙6が搬送手段で定着器8に移送され、そこで加熱加圧されることにより永久画像として定着される。
【0024】
現像ユニット5は、反時計方向に回転する現像剤担持体9と、この現像剤担持体9の略直上に位置する現像剤規制部材10とを備え、現像剤担持体9に現像剤規制部材10を接触させて現像剤担持体9上の現像剤であるトナーの層厚を規制するとともに、トナーに摩擦帯電により電荷を付与するようにしている。
【0025】
現像剤担持体9は、非磁性トナーが使用される場合には中実の現像ローラ又は中空の現像スリーブが用いられる。これに対し、ジャンピング方式等のような磁性トナーが使用される場合には、マグネットロールを収納する現像スリーブが用いられる。現像剤担持体9の外周面には図示しない半導電性樹脂層が覆着され、安定したトナー層を形成することができる。また、半導電性樹脂層の覆着により、現像剤担持体9と感光体2との間の放電を防止することも可能である。
【0026】
現像剤担持体9と現像剤規制部材10とは、機械的に接続されてニップ等の微調整が可能であることが望ましい。
【0027】
現像剤担持体9は、現像剤規制部材10と接触し、現像剤の帯電に寄与するため、構成が実に重要となる。感光体2や現像剤担持体9等のスリーブの基材としては、非磁性で剛性のある導電性材料があげられる。具体的には、アルミニウムやステンレス等の金属、或いは合成樹脂等が使用される。ただし、金属製のスリーブの場合、耐リーク性が低い、半導電領域における抵抗の保持が困難である等の欠点があげられる。これに対し、合成樹脂製のスリーブの場合、金属と比較すると剛性が低い、抵抗値の安定性が低い等の欠点がある。
【0028】
図2(a)はこの発明の実施の形態に係る現像剤規制部材の正面図であり、図2(b)はその側面図である。
【0029】
この発明の実施の形態に係る現像剤規制部材10においては、支持ホルダ11に装着されるブレード12は金属製とし、具体的には耐食性や強度の面からCrを17〜25%、Niを7〜20%含むステンレスとしている。Crが17%未満では耐食性が悪く、長期の使用によりブレード12に錆が発生する。一方、Crが25%を越えると強度が低下するため、長期の使用によりブレード12に歪みが発生し、画像に不具合が発生するため好ましくない。また、Niも同様に、7%未満では耐食性に問題があり、20%を越えると強度に問題が発生するため、好ましくない。
【0030】
支持ホルダ11とブレード12の接続は、互いにずれることなく結合していれば、接着、粘着及びねじ止めのいずれでもよく、特に結合手段を問うものではない。なお、支持ホルダ11に対してその長手方向にブレード12が全面的に結合固定されていれば、支持ホルダ11とブレード12の膨張係数等の物性差により相互に歪みの生じることを防止することができるので好ましい。
【0031】
接触帯電量の確認には、カスケード式接触帯電量測定装置にセットし、接触帯電量の測定により行うとよい。例えば、基準接触粉体として表面をシリコーン樹脂で処理した球形フェライト粉を試料板とし、ブレード12と同一組成の材料を75mm×100mmの板状に成形したものを用いる。これらを25℃、60%RHの雰囲気下で粉体の流しかけ時間5秒で3回の測定を行い、その3回の平均値をその試料の接触帯電量とする。
【0032】
ブレード12表面の接触帯電量は、その値が0.5(nC)未満であると現像剤に十分な帯電を付与することができず、トナー漏れの不良を引き起こす。また、20(nC)を越えると必要量以上の現像剤が付着するため、カブリの不良を引き起こすこととなる。
【0033】
現像剤担持体9の表面に当接するブレード12の部分には、金属との接着性の面からシランカップリング剤の表面処理層13が形成されている。この表面処理層の厚みは、1μm未満ではトナーへの帯電付与効果が小さく、500μmを越えるとシランカップリング剤が剛直なために表面処理層がひび割れたり、剥がれを生じやすい。また、シランカップリング剤は、高度に帯電させることができるという点から、塩基性のアミノ基を有するものが望ましい。
【0034】
シランカップリング剤は、金属製のブレード12と接する側がメトキシ基、エトキシ基、アセトキシ基等の、加水分解してシラノール基を生成する官能基であればよい。これらの官能基側は、金属基体の表面のOH基とを脱水縮合する。一方、ブレード12と接触しない側のシランカップリング剤の官能基は、現像剤の帯電特性に寄与する。特に、塩基性のアミノ基を有するシランカップリング剤は、金属表面の酸性表面を塩基性表面に変換し、ブレード12の帯電性を負から正へと変える。これにより、負帯電性の現像剤に帯電性を十分に付与することができる。これらのシランカップリング剤は、所定の希釈溶媒で10%から0.2%程度に希釈し、スプレーコータやロールコータ等のコーティング器によってコーティングするか、又はシランカップリング剤溶液中に浸漬するディッピングでアミノシラン層をブレード12の表面に形成させる。形成したアミノシラン層はオーブン中にて100℃、30分間熱処理を行い、金属製のブレード12との結合を確実にする。
【実施例】
【0035】
[実施例1]
SUS304(Cr:18.00〜20.00%、Ni:8.00〜10.50%)製のブレード12を、炭化水素系のシランカップリング剤KBE9103(商品名、信越化学工業(株)製)にて浸漬することにより被覆処理した。次いで、120℃にて30分間熱処理し、ステンレス製のブレード12表面に表面処理層13を形成した。
[実施例2]
【0036】
SUS304(Cr:18.00〜20.00%、Ni:8.00〜10.5%)製のブレード12を、アミノ基を有するシランカップリング剤KBM603(商品名、信越化学工業(株)製)にて浸漬することにより被覆処理した。次いで、120℃にて30分間熱処理し、ステンレス製のブレード12表面に表面処理層13を形成した。
[実施例3]
【0037】
SUS304(Cr:18.00〜20.00%、Ni:8.00〜10.5%)製のブレード12を、エポキシ基を有するシランカップリング剤KBM403(商品名、信越化学工業(株)製)にて浸漬することにより被覆処理した。次いで、120℃にて30分間熱処理し、ステンレス製のブレード12表面に表面処理層13を形成した。
[実施例4]
【0038】
実施例1において、表面処理層の厚みを1.5μmにした以外は、同様の方法にて表面処理層13を形成した。
[実施例5]
【0039】
実施例1において、表面処理層の厚みを480μmにした以外は、同様の方法にて表面処理層13を形成した。
[実施例6]
【0040】
SUS304(Cr:18.00〜20.00%、Ni:8.00〜10.5%)製のブレード12を、塩素を含むシランカップリング剤KBM703(商品名、信越化学工業(株)製)にて浸漬することにより被覆処理した。次いで、120℃にて30分間熱処理し、ステンレス製のブレード12表面に表面処理層13を形成した。
[比較例1]
【0041】
何も被覆せず、SUS304(Cr:18.00〜20.00%、Ni:8.00〜10.50%)製のブレード12そのままを現像剤規制部材10のブレード12として使用した。
[比較例2]
【0042】
SUS410(Cr:11.50〜13.50%)製のブレード12を、アミノ基を有するシランカップリング剤KBM603(商品名、信越化学工業(株)製)にて浸漬することにより被覆処理した。次いで、120℃にて30分間熱処理し、ステンレス製のブレード12に表面処理層13を形成した。
[比較例3]
【0043】
SUS304(Cr:18.00〜20.00%、Ni:8.00〜10.50%)製のブレード12を、ウレタン樹脂レザミンD−6300(商品名、大日精化工業(株)製)にて、浸漬することにより被覆処理した。次いで、120℃にて30分間熱処理し、ステンレス製のブレード12に表面処理層13を形成した。
[比較例4]
【0044】
SUS304(Cr:18.00〜20.00%、Ni:8.00〜10.50%)製のブレード12を、ポリオレフィン系樹脂ユニストールP−901(商品名、三井化学(株)製)にて、浸漬することにより被覆処理した。次いで、120℃にて30分間熱処理し、ステンレス製のブレード12に表面処理層13を形成した。
[比較例5]
【0045】
SUS304(Cr:18.00〜20.00%、Ni:8.00〜10.50%)製のブレード12を、シリコーングラフトアクリル樹脂X−22−8004(商品名、信越化学工業(株)製)にて、浸漬することにより被覆処理した。次いで、120℃にて30分間熱処理し、ステンレス製のブレード12に表面処理層13を形成した。
[試験結果]
【0046】
上記実施例1乃至6及び比較例1乃至5についての評価項目及び測定方法は以下のとおりである。
(1)耐久性試験
【0047】
各実施例、比較例による現像剤規制部材10を現像ユニット5に接続し、現像剤担持体9に接触するよう調整し、電子写真式プリンタ1にセットし、6,000枚の印字を行い、これを耐久性試験とした。
(2)トナー固着評価
【0048】
耐久性試験後におけるブレード12の表面を顕微鏡で観察し、トナーの固着が全くなかったものを〇、僅かに固着してはいるが、実用に耐え得るものを△、固着量が多く、印字不良を生じたものを×とした。
(3)カブリ評価
【0049】
耐久性試験後、黒べた−網点−5%デューティー−白地印字を繰り返し、5%デューティー画像の白地部のマクベス濃度をマクべス濃度計を用いて測定した。5%デューティー画像の白地部のマクベス濃度が0.015を越えるものは印字不良と判断した。
(4)印字濃度
【0050】
耐久性試験後、カブリと同様の方法で印字した黒べた印字部のマクベス濃度をマクべス濃度計を用いて測定した。黒べた印字部のマクベス濃度が1.3未満のものを印字不良と判断した。
(5)接触帯電量測定
【0051】
各実施例、比較例によるブレード12とそれぞれ同一表面処理をしたシート(75mm×100mm)をカスケード式接触帯電量測定装置により基準接触粉体を流しかけて得た接触帯電量をブレード12の表面における帯電量とした。基準接触粉体としては、シリコーン樹脂で処理した球形フェライト粉を用い、25℃、60%RHの雰囲気下で、基準接触粉体流しかけ時間5秒で3回測定し、その3回の平均値をブレード12表面の接触帯電量とした。
【0052】
各実施例、比較例による現像剤規制部材10の耐久性試験後の測定結果を表1及び表2に示す。
【0053】
【表1】

【0054】
【表2】

【0055】
試験結果によれば、実施例1乃至6に係る現像剤規制部材10にあっては、帯電特性に優れており、トナーに対して適正な電荷を十分に付与することができる。また、ブレード12に対するトナーの固着を著しく抑制することが可能になる。これにより、実施例1乃至6に係る現像剤規制部材10を備えた画像形成装置1にあっては、カブリや白ヌケ発生の大幅な減少が図れる画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】この発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示した概略図である。
【図2】同実施の形態に係る現像剤規制部材を示したものであって、図2(b)はその正面図であり、図2(b)はその側面図である。
【図3】従来の現像ブレードを示した側面図である。
【符号の説明】
【0057】
1 画像形成装置(電子写真式プリンタ)
2 感光体
3 帯電ローラ
4 露光手段
5 現像ユニット
7 転写ローラ
8 定着器
9 現像剤担持体
10 現像剤規制部材
11 支持ホルダ(金属製支持体)
12 ブレード(金属製ブレード)
13 表面処理層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真方式による画像形成装置における現像剤担持体に当接して現像剤の層厚を規制するとともに、該現像剤に摩擦帯電により電荷を付与する金属製支持体と金属製ブレードからなる現像剤規制部材であって、前記金属製ブレードの接触帯電量が0.5〜20(nC)であり、かつ、Crを17〜25%、Niが7〜20%含むステンレス製であって、前記現像剤担持体に当接する前記金属製ブレードの部分にシランカップリング剤の表面処理層を有していることを特徴とする現像剤規制部材。
【請求項2】
前記表面処理層の厚さが1〜500μmであることを特徴とする請求項1に記載の現像剤規制部材。
【請求項3】
前記シランカップリング剤を塩基性のアミノ基を有するシランカップリング剤としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の現像剤規制部材。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つに記載の現像剤規制部材を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−47520(P2007−47520A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−232742(P2005−232742)
【出願日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】