説明

現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】現像剤中の凝集体による異常画像の発生を防止する。
【解決手段】攪拌・搬送部材である供給室搬送部材304の上方に、現像剤中の凝集体を粉砕するための粉砕手段(網目部材401)を配設し、その網目部材401に向けて、供給室搬送部材304に設けたパドル部材402によって現像剤Gを打ち付けることにより、現像剤中に含まれる凝集体を崩す。これにより、凝集体が現像領域に運ばれることによって引き起こされる黒ポチや流星といった異常画像の発生を抑制することができる。網目部材401上に載った現像剤は、網目部材401の下面に付設された弾性部材404にパドル部材402が当接することで網目部材401を振動させ、網目部材401から滑り落とす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電潜像の可視像化手段である現像装置およびこの現像装置を用いるプリンタ、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
静電潜像の可視像化手段として、トナーと粒状磁性体のキャリアよりなる二成分現像剤(以下、単に現像剤という)を用いる二成分現像方式の現像装置が知られている。二成分磁気ブラシ現像では、トナーをキャリア(磁性粉)と混合して、攪拌する事で摩擦帯電を起こさせ、トナーをキャリア(磁性粉)に静電気力によって付着させる。このトナーとキャリアの混合物が現像剤である。現像剤は、現像剤担持体によって、潜像担持体と対向する現像領域に運ばれ、潜像担持体上の静電潜像にトナーを付着させて現像を行う。
【0003】
上記の現像プロセスを行う為の一般的な装置構成を簡単に述べると、画像形成装置内には現像装置とは別途設けられた、トナーカートリッジ等のトナー収納部材、補給装置が存在する。補給装置によってトナーカートリッジから現像装置内にトナーが補給される。そして、補給されたトナーは現像装置内のスクリュ部材などによって、現像装置内の現像剤と攪拌混合され、同時に摩擦帯電が起きる。攪拌混合された現像剤は、マグネットローラなどの磁界発生手段を内包した円筒状の現像スリーブによって現像領域まで搬送される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、高温・高湿環境では、トナーカートリッジや補給経路内でトナー凝集が発生する場合がある。このトナー凝集が崩れることなく現像装置に補給され、現像領域まで運ばれた場合、凝集体は画像において黒ポチや流星といった異常画像を発生させることが知られている。また、現像装置内においても高温となる回転部材の周囲などでトナーが融解し、キャリアを含む凝集体が発生することがある。この凝集体も画像において黒ポチなどの異常画像を引き起こす。
【0005】
このようなトナー凝集体による異常画像を防ぐ方策として、メッシュ部材を用いることが、例えば特開2002−287497号公報(特許文献1)などにおいて提案されている。
【0006】
上記特許文献1に記載のものは、現像装置200の現像剤補給口にメッシュ部材30を設け(図5,図6参照)、このメッシュ部材30により、現像装置に補給されるトナーの粒径を規制する、すなわち、メッシュ部材30でトナー凝集体をせき止めて現像装置内に凝集体が補給されないようにする、というものである。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、現像装置内への凝集体の侵入防止を図るものであって(特許文献1、段落0009最終部分を参照)、現像装置内で発生した凝集体に対しては何ら効果がなく、これが現像領域に運ばれた場合には異常画像を引き起こす原因となってしまう。また、補給トナーに含まれるものであれ現像装置内で発生した凝集体であれ、凝集体をせき止めるだけでは凝集体を崩すことはできず、メッシュ部材の目詰まりによって補給量が低下したり補給不能となる恐れもある。
【0008】
本発明は、従来の現像装置における上述の問題を解決し、現像剤中の凝集体による黒ポチや流星といった異常画像の発生を抑制し、優れた現像品質を得ることのできる現像装置、およびこれを備える画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題は、表面に現像剤を担持して現像領域に搬送する現像剤担持体と、現像剤を攪拌しながら前記現像剤担持体の長手方向に搬送する搬送部材を備えた現像装置であって、前記搬送部材の近傍に配置され、現像剤が衝突されることで現像剤中の凝集体を崩す粉砕手段と、前記粉砕手段に向けて現像剤を打ち付ける打付け手段とを備えることを特徴とする本発明の現像装置により解決される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の現像装置によれば、搬送部材の近傍に配置した粉砕手段に向けて打付け手段で現像剤を打ち付けることにより、現像剤中に含まれる凝集体を崩すことができ、凝集体による黒ポチや流星といった異常画像の発生を抑制し、優れた現像品質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る現像装置を備える画像形成装置の感光体まわりの概略構成を示す断面図である。
【図2】現像ローラに形成される磁束密度分布を示す模式図である。
【図3】現像ローラの軸方向に沿った断面図である。
【図4】粉砕手段である網目部材の斜視図である。
【図5】供給室搬送部材のスクリュ羽根の構成を示す図である。
【図6】パドル部材が設けられた供給室搬送部材の構成を示す模式図である。
【図7】現像剤中の凝集体が崩される様子を示す模式図である。
【図8】現像装置の内部構成を示す斜視図である。
【図9】現像装置を現像ローラ側から見た外観斜視図である。
【図10】本発明による現像装置を備えるカラー画像形成装置の断面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る現像装置を備える画像形成装置の一例における、像担持体(感光体)まわりの概略構成を示す断面図である。この図において、像担持体である感光体1は矢印で示すように図中時計まわりの向きに回転される。この感光体1の上部、時計の文字盤で表現すれば略12時の位置には帯電装置2が配置されている。帯電装置2は本例では感光体と同速度で回転される回転体からなるが、回転体に限らずコロナ放電タイプでもよい。
【0013】
この帯電装置2により感光体1の表面は暗中で一様に帯電された後、図示省略の書き込み手段からの露光用の光Lの照射を受けて静電潜像が形成される。その静電潜像は感光体1の回転と共に下流側に移動し現像装置3と対向する現像領域に至る。現像装置3は感光体1の右横に配置されている。
【0014】
現像装置3はケーシング301内に、現像剤320を撹拌搬送する供給室搬送部材304及び回収室搬送部材305、現像ローラ302などの回転部材及びその他の部材を具備している。また、供給室搬送部材304の上方に位置して、現像剤中の凝集体を粉砕するための粉砕手段としての網目部材401が備えられている。この粉砕手段(網目部材401)については後に詳述する。
【0015】
現像ローラ302は、感光体1を時計の文字盤に見立てると、2時と3時の間の位置(2時半の位置)で感光体1に近接して対向させることで現像ニップ領域Aを構成するようにして近接配置されている。この感光体1との対向部位に相当するケーシング301の部位は現像ローラ302を露出させるため開口している。
【0016】
現像ローラ302によりケーシング301内の現像剤320は現像ニップ領域Aへ搬送されるようになっている。現像ニップ領域Aで感光体1の表面に形成されている静電潜像に現像剤320中のトナーが付着してトナー像として顕像化される。
【0017】
このトナー像は感光体1の回転と共に下流側に移動し転写装置5に対向する転写領域に至る。転写装置5は感光体1の下部、6時の位置に配置されている。本例では転写装置5は回転体からなるが、回転体に限らずコロナ放電タイプでもよい。感光体1と転写装置5とが対向する領域を転写領域Bと称する。
【0018】
感光体1上のトナー像は転写領域Bにおいて転写紙8に転写され、転写紙8上の画像となる。なお感光体上のトナーを中間転写体(中間転写ベルトなど)にいったん転写し、その後多色トナーを一括して転写紙に転写する中間転写ベルト方式にも適用は可能であり、その場合は転写領域Bで感光体上のトナーを中間転写体(中間転写ベルト)に転写することになる。
【0019】
転写後の感光体1は感光体1の回転と共に下流側へ移動してクリーニング装置6に至る。
クリーニング装置6は10時の位置に配置されている。クリーニング装置6は、転写紙に転写し切れずに感光体1の表面に残ったトナーを、クリーニングブレード601により除去する。クリーニング装置6を通過した感光体1の表面は図示しない除電器により除電され、その後、帯電装置2により表面を一様に帯電され、次の画像形成工程が繰返えされる。
【0020】
本例の現像装置3は、ケーシング301の内部に現像ローラ302、供給室搬送部材304、回収室搬送部材305、現像剤規制部材303を有し、現像剤320を撹拌搬送して循環させている。本実施例では攪拌・搬送部材304,305は螺旋形状のスクリューを用いており、スクリュー羽根の外径を直径16mm以下のものを用いている。
【0021】
図2に示すように、現像ローラ302は、円周方向に複数の磁石MG(図の煩雑化防止のため1個についてのみ符号を付している)を配置したマグネットローラ302dを内部に有し、その周囲を円筒状のスリーブ302cが回転軸302e(図3)と一体的に回転する構成となっている。
【0022】
スリーブ302cはアルミ等の非磁性の金属で形成されている。マグネットローラ302dは、各磁石MGが所定の方向を向くように不動部材、例えば、ケーシング301に固定されており、その周囲をスリーブ302cが回転して、磁石MGによって引き付けた現像剤320を搬送していく。
【0023】
現像ローラ302の構造を示した図3において、現像ローラ302は主として、不動部材であるケーシング301に固定されている固定軸302a及びこの固定軸302aと一体の円柱状をしたマグネットローラ302dと、マグネットローラ302dのまわりをギャップを介して覆っているスリーブ302c及びこのスリーブ302cと一体的な回転軸302e等からなる。固定軸302aに対して回転軸302eは軸受302fを介して回転自在であり、回転軸302eは図示省略の回転駆動手段から動力を伝達されて回転駆動される。
【0024】
マグネットローラ302dの外周部には、図3に示すように所定の間隔をおいて複数の磁石MGが固定されている。これらの磁石MGの周囲をスリーブ302cが回転されるわけである。
【0025】
これらの磁石MGは、スリーブ302cの周表面に現像剤を穂立ちさせ、また穂切りなどさせるように磁界を形成するためのものである。これらの磁石MGから発せられる法線方向磁力線に沿うように、磁性のキャリアが集合して磁気ブラシが形成される。
【0026】
マグネットローラの構成は多々あるが、本例では図2に示すように、スリーブ302cの内部に3つの磁石MGを有し、3つの磁極(磁力分布)が生じる構成のものである。現像ローラ302の中心O-1と感光体の中心O-2を結ぶ線上で対向する部分(現像ニップ領域Aに相当する領域)の磁極をP1極(現像極)と称し、以下反時計まわりの向きで示す現像ローラ302の回転方向順に、各磁極をP2(ケーシング対向極)、P3極(現像剤規制部材対向極)と称する。
【0027】
極性はP1極から、N、S、S極としているが、これらは各極が反対の極性であっても構わない。P1極は現像極であり、感光体1に対向している。P2はケーシングに対向しており、P3は現像剤規制部材に対向している。
【0028】
現像ローラ302と感光体1は現像ニップ領域A(図1参照)で直接には接触せずに、現像に適する一定の間隔、現像ギャップGPを保持して対向している。
現像ローラ302上において、現像剤320を穂立ちさせ、現像剤320を感光体1に接触させることで、感光体1表面の静電潜像にトナーを付着させて顕像化する。
【0029】
この現像装置3では、固定軸302aには接地されたバイアス用の電源VPが接続されている(図示せず)。固定軸302aに接続された電源VPの電圧は、図3に示していない導電性の軸受、導電性の回転軸302eを経てスリーブ302cに印加される。一方、感光体1を構成する最下層の導電性支持体は接地されている。
【0030】
こうして、現像ニップ領域Aには、キャリアから離脱したトナーを感光体1側へ移動させる電界を形成しておき、スリーブ302cと感光体1の表面に形成された静電潜像との電位差によりトナーを感光体1側に向けて移動させることに供している。
【0031】
なお、本例の現像装置は露光用の光L(図1参照)で書き込む方式の画像形成装置と組み合わせた例としている。帯電装置2により感光体1上に一様に負極性の電荷を乗せ、書込量を少なくするために画像部を露光用の光Lで露光することで、低下した電位の画像部(静電潜像)に負極性のトナーで現像する所謂反転現像方式を採用している。これは一例であり、本発明の現像方式の中で、感光体1に乗せる帯電電荷の極性は大きな問題ではない。
【0032】
現像後、P2極は現像ローラ302上に担持された現像後の現像剤320を現像ローラ302の回転と共に下流側に搬送し、ケーシング301内に引き入れる。
P2とP3極は同極性としてあり、P2〜P3極間では穂立ちさせる磁力がなく穂が寝た状態となり、それまで現像ローラ302周囲に引き寄せていた現像剤320を現像ローラ302から引き離す“剤離し”の作用が働く。この穂が寝た状態となる現像ローラ上のP2〜P3極対応部(磁力分布曲線の山形のピークが他と比べて極めて低い領域)は現像ローラ302から現像剤320を離す、剤離し領域(図1に符号9で示す)を形成している。
【0033】
感光体1にトナーを付着させた現像剤320は、現像剤中のトナー濃度が下がっている為、仮に、このトナー濃度が低下した現像剤が現像ローラ302から離れずに再度現像ニップ領域Aに搬送され現像に供されると狙いの画像濃度を得ることが出来ないという不具合が生じてしまう。
【0034】
これを防止するため、本例では、現像後の剤離し領域9で、現像ローラ302から現像剤を離す。現像ローラ302から離した現像剤はその後、狙いのトナー濃度、トナー帯電量になるように、ケーシング301内で十分に撹拌混合する。
【0035】
こうして、狙いのトナー濃度、帯電量にされた現像剤は、供給室撹拌搬送部材304によって現像ローラ302上方の現像剤貯留スペースCに供給される。
貯留スペースCに供給された現像剤はP3極のピーク位置の直近下流部に位置する現像剤規制部材303を通過することにより、所定の厚さに整えられて、磁気ブラシを形成しながら現像ニップ領域Aに搬送される。また、P3極は、現像剤を搬送する搬送極の機能を担っている。
【0036】
次に、供給室搬送部材304の上に設置された粉砕手段である網目部材401について説明する。
図1,2に示されるように、供給室搬送部材304の上には、網目部材401が現像ケース301の壁面から張り出すように設置されている。本実施形態では、網目部材401は、供給室搬送部材304のスクリュー回転方向下流側に向かって下がるように傾斜をもって配設されている。網目部材401の先端と現像ケース301との間には空隙Sが設けられている。また、網目部材401の下面には弾性部材404が備えられている。弾性部材404は供給室搬送部材304方向に突出する(下方に折れ曲がって垂れ下がる)垂下部404aを有しており、その垂下部404aの先端部分に、回転する供給室搬送部材304のスクリュー羽根部材405が当接するように設けられている。弾性部材404は、供給室搬送部材304のスクリュー羽根部材405に当接することで粉砕手段(網目部材401)を振動させる振動付与手段である。
【0037】
図4は、網目部材401の斜視図である。この図から分かるように、網目部材401は供給室搬送部材304の軸方向(長手方向)に延設されており、供給室搬送部材304(のスクリュー羽根)とほぼ同じだけの幅を有している。そして、その幅内に複数の(本例では4つの)弾性部材404が等間隔で配置されている。弾性部材404は、図1,2では幅方向(図の左右方向)の長さが短く示されているが、図4に示すように、網目部材401の短手方向に延長して、現像ケース301の壁面から張り出すように設けても良い。なお、複数の弾性部材404は、必ずしも等間隔に配置しなくとも良い。
【0038】
上記のように、供給室搬送部材304が回転すると、そのスクリュー羽根405が弾性部材404の垂下部404aに当接し、網目部材401を振動させる。本実施例では供給室搬送部材304は螺旋状のスクリューを用いており、そのスクリューのピッチと各弾性部材404の間隔とがずれているため、複数の(本例では4つの)弾性部材404に同時にスクリュー羽根405が当接せず、順次当接して網目部材401を振動させる。なお、複数の又は全部の弾性部材404が同時にスクリュー羽根405と当接するように構成しても良い。
【0039】
そして、図1,2及び図5に示すように、供給室搬送部材304にはスクリュー回転軸から凸設されるパドル部材402が、スクリュー羽根405の間に設けられている。パドル部材402は、図5から分かるように、スクリュー羽根405の間に複数個が設けられる。その複数個のパドル部材402は、隣り合うパドル部材が、スクリュー回転軸に対して互いに異なる角度で(軸周りの位置が互いに異なるように)設置されている。例えば、複数個のパドル部材402を順番に90度ずつずらして配置したり、あるいは60度ずつずらして配置しても良い。図5(b)は現像装置内部の供給室搬送部材304部を上方から見た俯瞰図であるが、(a)図に、隣接する各パドル部材402が軸周りに異なる角度で設置されている様子を示してある。なお、図1,2では、図の煩雑を避けるため、軸周りに配置した複数個のパドル部材402のうち、1つだけを図示している。
【0040】
図6は、パドル部材402が設けられた供給室搬送部材304の構成を示す模式図である。この図では、供給室搬送部材304のスクリュー羽根405のピッチ間にパドル部材402が設置された様子を示してある。
【0041】
このようにスクリュー羽根405の間に複数個のパドル部材402が設けられた供給室搬送部材304が回転すると、スクリューによって攪拌されながら搬送中の現像剤をパドル部材402が上方に(網目部材401側に向かって)打ち上げる。その際、各パドル部材402は、隣り合うパドル部材がスクリュー回転軸に対して互いに異なる角度で設置されていることにより、全てのパドル部材が同時に現像剤を打ち上げるのではなく、各パドル部材が時間差をもって打ち上げる(打ち上げ位相がズレる)ことになる。仮に、全てのパドル部材の軸に対する角度を同じにして設置した場合には、スクリュー回転軸がある角度位置に来たときに剤搬送方向の長手全域にわたって同時に剤を打ち上げることになり、現像ローラ302側に供給される現像剤量のムラが大きくなり、結果として汲み上げムラなどによる濃度異常を起こした画像が発生してしまう。本実施形態では、上記のように各パドル部材402が時間差をもって打ち上げる(打ち上げ位相がズレる)ことにより、現像ローラ302側への現像剤供給量のムラを抑制し、異常画像の発生を防止している。
【0042】
さて、パドル部材402によって打ち上げられた現像剤は、網目部材401を構成する細いワイヤに衝突することで大きなせん断力を受け、剤内に凝集体(トナー主体の凝集体やキャリア主体の凝集体など)が含まれていた場合には、その凝集体が粉砕される。剤が網目部材401を構成する細いワイヤに衝突したときに受けるせん断力は、通常のケース壁面などに衝突した場合よりも大きく、剤内の凝集体を効率良く粉砕することができる。
【0043】
また、パドル部材402によって打ち上げられた現像剤のうち、一部は網目部材401をすり抜けて網目部材401の上まで至るものもあるが、仮に網目部材401の上に現像剤が載ったとしても、溜まった現像剤は、上記のようにスクリュー羽根405が弾性部材404の垂下部404aに当接して網目部材401を振動させることにより、傾斜して設けられた網目部材401を滑り落ち、供給室搬送部材304側に回収される。
【0044】
図7は、現像剤中の凝集体が崩される様子を示す模式図である。
パドル部材402によって現像剤の一部Gが打ち上げられ、網目部材401を構成する細いワイヤに衝突する。衝突した現像剤は、通常のケース壁面などに衝突するよりも大きなせん断力を受ける。これにより、現像剤中に凝集体が含まれている場合は、その凝集体が粉砕される。網目部材401の上に溜まった現像剤は、スクリュー羽根405が弾性部材404の垂下部404aに当接して網目部材401を振動させることにより、網目部材401の傾斜を滑り落ち、網目部材先端と現像ケース301間の隙間Sから、図に矢印で示す如く、供給室搬送部材304側へと回収される。
【0045】
このように、本実施形態の現像装置においては、攪拌・搬送部材である供給室搬送部材304の上方に、現像剤中の凝集体を粉砕するための粉砕手段(実施例では網目部材401)を配設し、その粉砕手段に向けて、攪拌・搬送部材である供給室搬送部材304に設けたパドル部材402によって現像剤を打ち付けることにより、現像装置に補給されたトナー中に含まれる凝集体や、現像装置内部で生成された凝集体を崩すことができ、そのような凝集体が現像領域に運ばれることによって引き起こされる黒ポチや流星といった異常画像の発生を抑制することができ、良好な現像品質を得ることが可能となる。
【0046】
なお、凝集体を崩すための粉砕手段としては、実施例に挙げたような細いワイヤを格子状に配置したメッシュ部材(網目部材401)に限らず、ワイヤや薄板を格子状や平行に配置したもの、あるいは尖った突起を多数配置したものなど、適宜な構成のものを採用可能である。粉砕手段は現像剤を通過させる部材に限らず、現像剤が通過しない部材でも粉砕手段を構成することは可能である。
【0047】
また、現像剤を粉砕手段に向かって打ち付けるパドル部材(打付け手段)も、実施例で挙げたような平板状部材に限らず、曲線(曲面)上の部材や、直線(平板)と曲線(曲面)を組み合わせた形状など、適宜な構成のものを採用可能である。
【0048】
また、粉砕手段に付設される振動付与手段も、実施例で挙げた弾性部材404の形状に限らず、適宜な形状を採用可能である。材質も任意である。粉砕手段に設ける振動付与手段の数や間隔なども適宜設定可能である。
【0049】
複数個の振動付与手段が順番に搬送部材(スクリュー羽根405)に当接して粉砕手段(網目部材401)を振動させるように構成した場合、粉砕手段の上に載った現像剤を効果的に粉砕手段から滑り落とさせることができる。また、網目状部材の目詰まりを防止する点でも効果的である。
【0050】
打付け手段(パドル部材402)を搬送部材(供給室搬送部材304)に設けることで、現像剤を粉砕手段に打ち付けるための構成を簡単な構成で実現でき、コスト及びスペースの抑制に寄与することができる。
【0051】
粉砕手段を網目状部材で構成することで、細いワイヤ状部材で効率良く凝集体を崩すことができる。また、簡単で丈夫な構成により、粉砕手段を低コストに作成することができる。
【0052】
なお、網目状部材の目の大きさは、該現像装置3で使用する現像剤のキャリア平均粒径の3倍以上とするのが望ましい。これにより、目詰まりを効果的に防ぐことができる。本実施形態では、現像剤のキャリアの粒度は20〜60μmのものを使用するものとする。
【0053】
以下、現像装置のその他の内部構成等について、図3,5等をも参照しつつ、各部材の配置構成などを説明する。
図1及び図2に示したように、供給室搬送部材304は現像ローラ302のまわりの位置であって現像ローラ302の2時の方向に配置されている。この位置は現像剤規制部材303の上流側でもある。図8に示すように、供給室搬送部材304は回転軸の回りにスパイラルを設けたスクリュー形状をしており、現像ローラ302の中心線O-302と平行な中心線O-304を中心に図1に矢印で示す時計まわりの向きに回転し、該回転軸の長手方向手前側から奥側に向けて図8に矢印11で示すように現像剤を撹拌しながら搬送する。つまり、供給室搬送部材304は回転軸の回転により現像剤をその軸方向、手前から奥側に向けて搬送する。
【0054】
回収室搬送部材305は現像ローラ302のまわりの位置であって現像ローラ302の4時の方向上で、剤離し領域9の近傍に配置されている。図8に示すように、回収室搬送部材305は回転軸の回りにスパイラルを設けたスクリュー形状をしており、現像ローラ302の中心線O-302と平行な中心線O-305を中心に矢印で示す反時計まわりの向きに回転し、回転軸の長手方向奥側から手前側に向けて矢印12で示すように現像剤を撹拌しながら搬送する。つまり、回収室搬送部材305は回転軸の回転により現像剤を供給室搬送部材304による搬送方向と逆向きの奥側から手前側に向けて搬送する。
【0055】
供給室搬送部材304に対して回収室搬送部材305は下方に位置する関係となっており、ケーシング301内で供給室搬送部材304周囲の空間と回収室搬送部材305周囲の空間とは隣接している。
【0056】
供給室搬送部材304及び回収室搬送部材305の手前側端部は現像ローラ302の手前側端部よりも若干手前側に位置するように設定して、現像ローラ302の手前側端部の現像剤の供給を確保している。また、供給室搬送部材304及び回収室搬送部材305の奥側端部は現像ローラ302の奥側端部よりも手前側に位置するようにして後述するトナー補給のためのスペースを確保している。現像剤規制部材303は現像ローラ302の長さに合わせて設置されている。
【0057】
供給室搬送部材304と回収室搬送部材305の間であって、供給室搬送部材304周囲の空間と回収室搬送部材305周囲の空間とを遮蔽する仕切板306がケーシング301の内側に支持されている。この仕切板306の両側端部(搬送部材長手方向の端部)には、連通口307および308(図5参照)が設けられている。
【0058】
回収室搬送部材305で矢印12の向きに搬送された現像剤はその搬送方向端部でケーシング301の側壁で進路を絶たれるため該側壁に沿って盛り上がり、前述した連通口307を介して矢印14に沿って供給室搬送部材304により該供給室搬送部材304に沿う上搬送路を移動する。
【0059】
同様に、供給室搬送部材304で矢印11の向きに搬送された現像剤はその搬送方向端部でケーシング301の側壁で進路を絶たれるために連通口308を介して該側壁に沿って降下し、矢印13に沿って回収室搬送部材305により該回収室搬送部材305に沿う下搬送路に移動する。
【0060】
こうして、本例の現像装置3は、現像剤を担持して回転し感光体1に形成された静電潜像を可視像化する現像ローラ302と、現像ローラ302の中心線O-1と平行な回転軸を中心に回転し、その回転軸の長手方向に現像剤を撹拌しつつ搬送する供給室搬送部材304と、現像ローラ302から現像剤を離す剤離し領域9の近傍に配置されていて、現像ローラ302の中心線O-1と平行な回転軸を中心に回転し、供給室搬送部材304が現像剤を搬送する向きと反対の向きに現像剤を撹拌しつつ搬送する回収室搬送部材305と、供給室搬送部材304と回収室搬送部材305の間であって、供給室搬送部材304周囲の空間と回収室搬送部材305周囲の空間とを遮蔽する両端に開口を有する仕切板306とを有する構成により、矢印11、13、12、14に沿う循環搬送路を構成する301内の現像剤撹拌搬送部材304、305が現像ローラ302の横に上下に2本並べて配置される(現像ローラ302に隣接して縦方向に並ぶように配置される)ことから、現像ローラから離れる方向(水平方向)に2つの撹拌搬送部材を配置する従来装置に比べて、現像装置の横(水平方向)の大きさを小さくすることができる。
【0061】
図9に、現像装置3の外観を斜視図にて示す。なお、図9は、図8とは反対側、すなわち現像ローラ側から見た現像装置3の外観斜視図である。
さらに、こうして、水平方向のコンパクト化を図った現像装置3においても、仕切板306により供給室搬送部材304周囲と回収室搬送部材305周囲の空間が仕切られているので、現像ローラ302に対しては供給室搬送部材304により、トナーとキャリアを十分に撹拌混合された現像剤320のみが供給されるし、現像直後のトナー濃度の下がった現像剤は専ら回収室搬送部材305により撹拌搬送されるだけで、直ぐに現像ローラ302に供給されることがないので、現像ローラ302へは狙いの帯電量を持ったトナーだけが現像に用いられることとなり、高画質を得ることができる。
【0062】
次に、トナー補給について説明する。
現像装置3内の現像剤320は、現像動作を繰り返すうちにトナーが消費されていくので、現像装置外部から装置内の現像剤に対してトナーを補給する必要がある。本例では、現像装置の奥側の端部近傍に設けた現像剤の補給部より外部からトナーの補給を行なう。この部位での補給では、補給されたトナーが直ちに現像に供されることはなく、連通口を通過して回収室に供給されることとなる。回収室に供給されたトナーは回収室搬送部材305で撹拌され安定した所定のトナー濃度で現像に供される。
【0063】
回収室搬送部材305による下搬送路では、現像ローラ302から離れた現像剤320を回収するのみで、現像ローラ302へのトナー供給は行なわないので、現像装置奥側の上面に設けた補給用開口(図示せず)から新しく補給されたトナーにより十分に撹拌されていないトナー濃度が不均一な状態の現像剤が、現像に供されることがない。
【0064】
この補給トナーは現像ローラ302から離れたトナー濃度の低下した現像剤320中で撹拌混合されながら、現像装置3の手前側まで搬送されるまでにトナー濃度が正常化され、供給室搬送部材304による上搬送路まで持ち上げられ、供給室搬送部材304により奥側に搬送されながら現像ローラ302に供給され現像に使用される。
【0065】
次に、トナー濃度センサについて説明する。
図8のユニット下部にトナー濃度センサがある(不図示)。このセンサは透磁率を測定するセンサであり、現像剤のキャリア濃度(=100−トナー濃度)を検知することができる。さらに検知したキャリア濃度からセンサ上にあるトナー濃度が適正か不足しているかを判断し、補給するトナーの量を決めている。このトナー濃度センサは回収室搬送部材305の搬送方向下流側端部に配置している。
【0066】
図8において矢印11、13、12、14で説明した通りであるが、現像剤は、供給室搬送部材304により奥側まで搬送される前に、現像に使用されることから、回収室搬送部材305により手前側へ戻される現像剤が多くなり、現像剤320が手前側に溜まる傾向にある。そのためトナー濃度センサを回収室搬送部材305の下流側に配置することで、センサ上方には現像剤が常に充填しており、安定したキャリア濃度検知が可能となる。
【0067】
最後に、本発明による現像装置を備える画像形成装置の全体的な構成を、図10に示すタンデム型カラー画像形成装置を例に挙げて説明する。このカラー画像形成装置は、搬送ベルトによって搬送される記録媒体上に複数の感光体から各色トナー像を直接転写する直接転写方式のものであるが、本発明はこれに限らず、中間転写体を用いる間接転写方式にも適用可能である。
【0068】
図10に示すカラー画像形成装置は、転写紙8を搬送する搬送ベルト15の上辺に沿って該搬送ベルトの移動方向(搬送方向)上流側から順に、複数の画像形成部17K,17M,17Y,17Cが配列された、タンデムタイプといわれるものである。なお色の順序はこの限りではない。たとえば黒を最下流に配置し、MCYKの順に作像することも可能である。
【0069】
これらの画像形成部17はそれぞれが複数部材の組み合わせからなり画像形成を行なう。画像形成部17はプロセスカートリッジとして装置本体に着脱可能に設けることが可能であるが、これに限るものではなく、必ずしもユニットとして構成されている必要はない。画像形成部17Kは黒、画像形成部17Mはマゼンタ、画像形成部17Yはイエロー、画像形成部17Cはシアン、の各画像を形成するもので、これら各画像形成部は形成する画像の色が異なるだけで、内部構成は各画像形成部とも共通である。よって、以下の説明では、画像形成部17Kについて概要を説明し、他の画像形成部については、画像形成部17Kにおける各部材の符号末尾に付したKを、画像形成部17MについてはM、画像形成部17YについてはY、画像形成部17CについてはCにそれぞれ置き換えて示すにとどめ、説明は省略する。
【0070】
搬送ベルト15は、その一方が駆動回転させられる駆動ローラと、他方が従動回転させられる従動ローラである搬送ローラ18,19によって回動可能に支持されたエンドレスベルトからなり、これら搬送ローラの回転と共に、矢印の向きに回転させられるようになっている。搬送ベルト15の下方には転写紙8が収納された給紙トレイ20,21,22が備えられている。
【0071】
例えば、給紙トレイ20に収納された転写紙8のうち、最上位置にある転写紙8は、画像形成時に送り出されてレジストローラ23で一旦待機させられ、画像形成部17Kにおける画像形成とタイミングを合わせて送り出され、静電吸着により搬送ベルト15に吸着される。こうして搬送ベルト15に吸着された転写紙8は最初の画像形成部17Kに搬送され、ここで黒の画像が転写される。
【0072】
画像形成部17Kは、図1により説明した部材と構成機能が同等の部材を備えている。これら構成機能が同等の部材については、図1におけるものと同じ符号の末尾にKを付し感光体1K、帯電装置2K、現像装置3Kなどで示している。なお、図1では搬送ベルト15を省略して示したが、実際は、図7に示すように、搬送ベルト15の上側張設部分の裏側には転写装置5Kが配置されており、また、感光体1に露光用の光Lを照射して静電潜像を形成する手段として書込手段16が設けられている。
【0073】
カラー画像の画像形成に際し、画像形成部17Kでは、感光体1Kの周面が暗中にて帯電装置2Kにより一様に帯電された後、光走査装置16Kからの黒画像に対応した露光用の光Lにより露光され、静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置3Kにおいて黒トナーにより可視像化され、感光体1K上に黒のトナー像が形成される。
【0074】
このトナー像は感光体1Kと搬送ベルト15上の転写紙8とが接する位置、所謂転写位置で転写紙8と合致して転写装置5Kの働きにより転写紙8上に転写され、該転写紙8上に単色(黒)の画像が形成される。転写を終えた感光体1Kは該感光体1Kの周面に残留した不要なトナーがクリーニング装置6Kにより除去され、次の画像形成に備えられる。
【0075】
このようにして、画像形成部17Kで単色(黒)を転写された転写紙8は、搬送ベルト15によって次の画像形成部17Mに搬送される。画像形成部17Mでは、前記画像形成部17Kにおけると同様のプロセスにより感光体1M上に形成されたマゼンタのトナー像が前記転写紙8上の黒のトナー像に重ね転写される。
【0076】
転写紙8はさらに次の画像形成部17Yに搬送され、同様にして感光体1Y上に形成されたイエローのトナー像が転写紙8上に既に形成されている黒及びマゼンタのトナー像に重ね転写される。同様にしてさらに、次の画像形成部17Cでは、シアンのトナー像が重ね転写されて、フルカラーのカラー画像が得られる。
【0077】
こうしてフルカラーの重ね画像が形成された転写紙8は、画像形成部17Cを通過した後、搬送ベルト15から剥離されてから定着部24で一対の定着ローラ間を通過する間に定着された後、排紙トレイ25へ排紙される。
【0078】
本例のように、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの各色毎に、感光体を横方向に並べて各感光体に帯電装置や現像装置等を設けて静電潜像を形成し、可視像化してから転写紙に順次転写してフルカラー画像を得るタンデム方式のカラー画像形成装置では、横方向に並べた感光体1K、1M、1Y、1Cに対してそれぞれ現像装置3K、3M、3Y、3Cが設けられているので、画像形成装置を小さくするためには、各感光体の間隔を狭める必要があるがその為には各現像装置も水平方向(横方向)の大きさを小さくする必要がある。これは、中間転写体を用いる中間転写方式においても同様である。
【0079】
各現像装置として本発明の構成のものを使用することにより、現像剤中の凝集体を粉砕手段により崩すことができるので、凝集体による黒ポチや流星などと呼ばれる異常画像の発生を抑制することができ、優れた現像品質による高品位な出力画像を得ることができる。
【0080】
また、各現像装置の横寸法が従来のものよりも小さくできるので、画像形成装置の小型化を図ることができる。しかも、これらの現像装置3K,3M,3Y,3Cは前記したように、剤離し領域、剤汲み上げ領域、供給室搬送部材、回収室搬送部材、仕切板などを具備した構成としているので、狙いの帯電量を持ったトナーが現像に用いられることとなり、高画質を得ることができる。また、トナーの劣化を抑制できるので、現像剤の性能を長期にわたり安定して維持することが可能で、高寿命、高耐久な現像装置を提供することができる。
【0081】
このような利益はタンデム式のフルカラー画像形成装置に特有のものではなく、単色の画像形成装置においても得ることができることはもちろんである。
以上、本発明を図示例により説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、粉砕手段としてはメッシュ部材に限らず、適宜な形態・適宜な構成のものを採用可能である。また、現像剤を粉砕手段に向かって打ち付ける打付け手段も、実施例で示した平板状パドルに限らず、適宜な形態・適宜な構成のものを採用可能である。また、粉砕手段に付設される振動付与手段も、適宜な形状・材質にものを採用可能である。振動付与手段の数や間隔なども適宜設定できるものである。
【0082】
現像装置のその他の部分の構成も本発明の範囲内で変更可能である。上記図示例では現像剤を攪拌しながら搬送する2本の搬送部材(供給室搬送部材と回収室搬送部材)を上下に配置した構成であったが、2本の搬送部材を横方向に並べた装置構成にも本発明を適用可能である。また、搬送部材が1本だけの装置構成にも本発明を適用可能である。
【0083】
そして、画像形成装置の作像部の構成も任意であり、タンデム式における各色の並び順などは任意である。また、3色のトナーを用いるフルカラー機や、2色のトナーによる多色機、あるいはモノクロ装置にも本発明を適用することができる。もちろん、画像形成装置としてはプリンタに限らず、複写機やファクシミリ、あるいは複数の機能を備える複合機であっても良い。
【符号の説明】
【0084】
1 感光体(像担持体)
3 現像装置
17 画像形成部
301 現像ケーシング
302 現像ローラ(現像剤担持体)
303 ドクタブレード
304 供給室搬送部材
305 回収室搬送部材
320 現像剤
401 網目部材(粉砕手段)
402 パドル部材(打付け手段)
404 弾性部材(振動付与手段)
404a 垂下部
405 スクリュー羽根部材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0085】
【特許文献1】特開2002−287497号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に現像剤を担持して現像領域に搬送する現像剤担持体と、現像剤を攪拌しながら前記現像剤担持体の長手方向に搬送する搬送部材を備えた現像装置であって、
前記搬送部材の近傍に配置され、現像剤が衝突されることで現像剤中の凝集体を崩す粉砕手段と、
前記粉砕手段に向けて現像剤を打ち付ける打付け手段と
を備えることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記粉砕手段を振動させる振動付与手段を備えることを特徴とする、請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記振動付与手段が前記粉砕手段に付設されており、該振動付与手段に前記搬送部材が当接することで前記粉砕手段を振動させることを特徴とする、請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記振動付与手段が複数個設けられ、各振動付与手段に前記搬送部材が順次当接することを特徴とする、請求項3に記載の現像装置。
【請求項5】
前記打付け手段が前記搬送部材に設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項6】
前記粉砕手段が前記搬送部材の上方に傾斜して配設され、該傾斜面の下部と当該現像装置のケース内壁との間に隙間が設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項7】
前記粉砕手段が網目状部材として構成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項8】
前記網目状部材の目の大きさが当該現像装置で使用する現像剤のキャリア平均粒径の3倍以上であることを特徴とする、請求項7に記載の現像装置。
【請求項9】
前記キャリアの粒度が20〜60μmであることを特徴とする、請求項8に記載の現像装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の現像装置を搭載することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の現像装置または請求項10に記載のプロセスカートリッジを具備することを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−44932(P2013−44932A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182494(P2011−182494)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】