説明

現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】現像剤担持体の外周面上にトナーが固着してしまうことを確実に防止できる現像装置、この現像装置を有するプロセスカートリッジ、及び、このプロセスカートリッジを有する画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像装置4において、現像ローラ5における現像領域Gの下流側の箇所には、磁性キャリアを現像ローラ5の外周面5d上から離脱させる剤切れ領域Rが設けられ、そして、清掃手段150には、上記剤切れ領域Rに位置する上記外周面5dと間隔をあけて対向して、軸回りに回転可能に配置された導電性の清掃ローラ151と、この清掃ローラ151に上記外周面5d上のトナーが引き寄せられるように清掃ローラ151と上記外周面5dとの間に電位差を生じさせる清掃用電源装置と、が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等に用いられる現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真プロセスを用いる画像形成装置は、例えば、像担持体としてのドラム形状(円筒形状)の感光体を有しており、この感光体の表面への放電によって該感光体の表面に電荷を与え帯電させ、この帯電させた感光体の表面を露光して該感光体の表面に静電潜像を形成させる。そして、画像形成装置は、前記感光体の表面に形成させた静電潜像にトナーを供給して可視像化(即ち、現像)させ、この可視像を転写体に転写して画像形成する。
【0003】
上記静電潜像を現像する現像方式として、トナー及び磁性キャリアを含む二成分現像剤を用いた現像方式がある。この現像方式では、二成分現像剤を現像剤担持体の外周面上に磁力によって担持して像担持体との間の現像領域まで搬送し、現像剤担持体と像担持体との電位差によって現像を行う。詳細には、像担持体における静電潜像が形成されている箇所では、画像濃度に応じた量のトナーが像担持体側に引き寄せられるように上記電位差が生じているので、現像剤担持体から像担持体(即ち、静電潜像)にトナーが移動する。一方、像担持体における静電潜像が形成されていない箇所では、トナーが現像剤担持体側に引き寄せられるように上記電位差が生じているので、現像剤担持体にトナーが留まる。
【0004】
そして、上記現像方式を用いてトナー消費の少ない(低濃度)画像の形成を続けると、現像剤担持体上に常にトナーが引き寄せられた状態となってしまうので、上記現像領域を通過した二成分現像剤が現像剤担持体の外周面上から離脱するときにトナーが離れにくくなってしまい、そのため、現像剤担持体の外周面上にトナーが付着して残留してしまうことがあった(図12)。そして、この残留したトナーは経時劣化して現像剤担持体の外周面上に固着してしまうので、画像濃度低下などの画像品質の劣化が生じていた。そして、このような画像品質の劣化を防止するための技術が特許文献1に開示されている。
【0005】
特許文献1に開示された画像形成装置801は、図13に示すように、トナーと磁性キャリアを有する二成分現像剤880と、像担持体としての感光体ドラム841と、二成分現像剤を感光体ドラム841上との間の現像領域に回転搬送する現像剤担持体としての現像ローラ802と、現像ローラ802上の二成分現像剤の厚さを規制する現像ドクタ808と、感光体ドラム841の下流側に回転可能に配置されたブラシローラ803と、を有している。
【0006】
ブラシローラ803は、二成分現像剤が現像ローラ802上に保持されて現像領域を通過後に現像剤収容スペースに収容される間に、感光体ドラム841の表面に引き寄せられた磁性キャリアを回収するためのマグネット803aを内包している。ブラシローラ803は、ブラシの先端が現像ローラ802に接触するように設置されている。
【0007】
そして、画像形成装置801では、ブラシローラ803が回転することによって現像ローラ802上のトナーを取り除くことができるので、現像ローラ802にトナーが固着してしまうことを防止できた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した画像形成装置801では、ブラシローラ803に内包されたマグネット803aによって感光体ドラム841の表面に引き寄せられた磁性キャリアを回収するために、ブラシローラ803を感光体ドラム841に近接して配置しなければならないところ、ブラシローラ803の先端が接触される現像ローラ802の箇所には、現像磁極などの磁性キャリアを外周面上に担持するため固定磁極による磁界の一部が存在するので、当該磁界の磁力によって磁性キャリアが現像ローラ802上に担持されたままブラシローラ803を通過して、この磁性キャリアに付着したトナーが現像ローラ802上に残留してしまい、そのため、現像ローラ802にトナーが固着してしまうことを十分に防止できるものではなかった。
【0009】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、現像剤担持体の外周面上にトナーが固着してしまうことを確実に防止できる現像装置、この現像装置を有するプロセスカートリッジ、及び、このプロセスカートリッジを有する画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、トナー及び磁性キャリアを含む現像剤を外周面上に担持して現像領域に搬送する現像剤担持体と、前記現像領域を通過した前記外周面上の前記トナーを当該外周面上から除去する清掃手段と、を有する現像装置において、前記現像剤担持体における前記現像領域の下流側の箇所には、前記磁性キャリアを前記外周面上から離脱させる剤切れ領域が設けられ、そして、前記清掃手段には、前記剤切れ領域に位置する前記外周面と間隔をあけて対向して、軸回りに回転可能に配置された導電性のローラ体と、前記ローラ体に前記外周面上の前記トナーが引き寄せられるように前記ローラ体と前記外周面との間に電位差を生じさせる電位差発生手段と、が設けられていることを特徴とする現像装置である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載された発明によれば、現像剤担持体における現像領域の下流側の箇所には、磁性キャリアを現像剤担持体の外周面上から離脱させる剤切れ領域が設けられ、そして、清掃手段には、上記剤切れ領域に位置する上記外周面と間隔をあけて対向して、軸回りに回転可能に配置された導電性のローラ体と、このローラ体に上記外周面上のトナーが引き寄せられるようにローラ体と上記外周面との間に電位差を生じさせる電位差発生手段と、が設けられているので、剤切れ領域によって、磁性キャリアが現像剤担持体の外周面上から離脱されるとともに、ローラ体と上記外周面との間に生じた電位差によって、剤切れ領域に位置付けられた上記外周面上のトナーがローラ体に引き寄せられ、そのため、剤切れ領域によって磁性キャリアを上記外周面から確実に離脱させることができるとともに、ローラ体及び電位差発生手段によってトナーを上記外周面から確実に引き寄せることができ、磁性キャリアに付着したトナーが現像剤担持体の外周面上に残留することを防止して、当該外周面上にトナーが固着してしまうことを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の現像装置の第1の実施形態の構成を示す断面図である。
【図2】(a)は、図2に示された現像スリーブの外表面の一部を模式的に拡大して示す説明図であり、(b)は、(a)中のVIB−VIB線に沿う断面図であり、(c)は、(a)中のVIC−VIC線に沿う断面図である。
【図3】図1の現像装置が備える現像ドクタ付近の拡大断面図である。
【図4】図1の現像装置の変形例の構成を示す断面図である。
【図5】図1の現像装置の他の変形例の構成を示す断面図である。
【図6】本発明の現像装置の第2の実施形態の構成を示す断面図である。
【図7】図6の現像装置の変形例の構成を示す断面図である。
【図8】本発明の現像装置の第3の実施形態の構成を示す断面図である。
【図9】本発明のプロセスカートリッジの一実施形態の構成を示す断面図である。
【図10】本発明の画像形成装置の一実施形態の構成図である。
【図11】現像スリーブの外表面の加工に用いられるエンドミルの一例を示す側面図である。
【図12】現像ローラの外周面にトナーが付着した状態を説明する図である。
【図13】従来の現像装置の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態1)
以下に、本発明の一実施形態の現像装置について、図1〜図5を参照して説明する。
【0014】
本発明の一実施形態の現像装置4は、図1に示すように、ケース130と、現像剤担持体の一例としての現像ローラ5と、供給搬送路7と、攪拌搬送路8と、現像剤収容部の一例としての回収搬送路9と、供給スクリュー10と、攪拌スクリュー11と、回収スクリュー12と、現像ドクタ135と、清掃手段150を備えている。また、図1中の感光体ドラム1は、後述するプロセスカートリッジ18が備えるものである。
【0015】
ケース130は、例えば、合成樹脂などを材料として中空箱状に形成されている。ケース130の一側壁130a(図1中、右寄りの側壁)には、後述する現像ローラ5の外周面5dの一部が露出される開口部分131が形成されている。また、上記一側壁130aに対向する他側壁130b(図1中、左寄りの側壁)には、高さ方向(図1中、上下方向)の中央部分から上記一側壁130a側に向けて突出して形成された断面U字状の樋形状の第1仕切部133が設けられている。ケース130の底壁130cには、幅方向(図1中、左右方向)の中央部分から第1仕切部133に向けて略鉛直方向に突出して形成された平板状の第2仕切部134と、第2仕切部134を間に挟んで互いに平行に並べて形成された断面U字状の樋形状の底壁部分130d、130eと、が設けられている。第1仕切部133と第2仕切部134とは、それぞれの長手方向が奥行き方向(図1中、手前−奥方向)に沿うようにして、互いに平行になるように配置されている。第2仕切部134における底壁130cから離れた側の縁部は、第1仕切部133に連接されている。
【0016】
現像ローラ5は、その外周面5dにトナー及び磁性キャリアからなる二成分現像剤(以下、現像剤)を保持するとともに、該現像剤を感光体ドラム1との間の現像領域Gに搬送する部材である。現像ローラ5は、芯金5a、マグネットローラ5b、及び、現像スリーブ5cからなり、それぞれが組み合わされて円柱状(ローラ状)に構成されている。また、現像ローラ5は、感光体ドラム1と対向させるために、現像装置4のケース130の一側壁130aに設けられた開口部分131から、その外周面5dの一部を露出して配設されている。現像ローラ5は、第1仕切部133と長手方向が互いに平行にかつ第1仕切部133と略同一高さに配置されている。
【0017】
芯金5aは、現像ローラ5の軸心となるように、硬度の高い金属を材料として細長い円柱形状に成形された部材である。芯金5aは、その両端をケース130に回転することなく固定して配設されている。
【0018】
マグネットローラ5bは、磁性材料を用いて円柱状に成形されており、芯金5aとそれぞれ軸が同一になるように、芯金5aの周りに回転することなく固定して配設されている。また、マグネットローラ5bは、その表面上に軸方向に沿って設けられた複数の溝が、周方向に互いに間隔をあけて並設されており、これら複数の溝には、それぞれ固定磁極が固定して配設されている。つまり、マグネットローラ5bは複数の固定磁極を備えている。これら複数の固定磁極の詳細については後述する。
【0019】
現像スリーブ5cは、現像剤を吸着(担持)するために、その表面に粗面化加工が施された円筒形状のアルミニウム素管であり、マグネットローラ5bをその円筒内に内包するように、マグネットローラ5bの周囲に回転自在に配設されている。現像スリーブ5cは、回転方向Iに向かって回転することにより、その表面(即ち、外周面5d)に担持した現像剤を現像領域Gに搬送する。また、現像スリーブ5cの材料には、アルミニウムの他に、例えば、非磁性体のステンレス鋼などを用いても良い。
【0020】
また、現像スリーブ5cの外表面には、図2(a)〜(c)に示すように、平面視が楕円形状の複数の凹み139と、これら複数の凹み139の間の部分に形成された低摩擦膜136と、が設けられている。
【0021】
凹み139は、現像スリーブ5cの外表面に凹に形成され、当該現像スリーブ5cの外表面に互いに重ならないように間隔をあけて規則的に多数(複数)配置されている。図2(a)において、左右方向が現像スリーブ5cの長手方向に一致し、上下方向が現像スリーブ5cの周方向に一致する。凹み139は、その長手方向が現像スリーブ5cの長手方向に沿った状態で配置されている。
【0022】
凹み139は、図2(a)に示すように、現像スリーブ5cの長手方向に沿って複数並べられて配置されているとともに、現像スリーブ5cの周方向に互いに隣り合うもの同士は、当該凹み139の長さの約半分程度位置ずれして配置されている。また、凹み139は、図2(b)に示すように、その幅方向(短手方向)の断面形状がV字状に形成され、図2(c)に示すように、その長手方向の断面形状が円弧状の曲面に形成されている。上述した凹み139の形状は一例であって、本発明の目的に反しない限り、凹み139の形状は任意である。また、現像スリーブ5cの粗面化加工として、凹み139に代えて、現像スリーブ5cの長手方向に沿うV溝を周方向に間隔をあけて形成したり、現像スリーブ5cの外表面をサンドブラスト加工したりしてもよい。
【0023】
低摩擦膜136は、例えば、テトラヘデラルアモルファスカーボン(ta−C)や窒化チタン(TiN)など、現像スリーブ5cの基材より摩擦係数の低い材料で構成された薄膜である。勿論、これら現像スリーブ5cの基材より摩擦係数の低い材料であれば、本発明の目的に反しない限り、例えば、炭化チタン(TiC)、炭窒化チタン(TiCN)など、ta−CやTiN以外の材料を用いても良い。この低摩擦膜136は、現像スリーブ5cの外表面における複数の凹み139の間のみに設けられており、複数の凹み139の表面は現像スリーブ5cの基材が露出している。つまり、現像スリーブ5cの外表面において、複数の凹み139の表面より、これら複数の凹み139の間の箇所の方が低摩擦にされている。なお、各材料における摩擦係数(一般的数値)は、アルミニウム合金が0.5(以上)程度であり、TiNが0.3〜0.4程度であり、ta−Cが0.1(以下)程度である。
【0024】
本実施形態において、低摩擦膜136は、フィルター処理陰極真空アーク(FCVA:Filtered Cathodic Vacuum Arc)方式により現像スリーブ5cの外表面に成膜されたta−C膜で構成されている。
【0025】
FVCA方式によるta−C膜の成膜の概略を説明すると、ほぼ真空状態のチャンバ内にターゲットとして純度の高い炭素(黒鉛)を配置し、当該ターゲットに対しアーク放電を行う。そして、このアーク放電により発生したプラズマを電磁誘導により蒸着対象である現像スリーブ5cの基材に導く。その誘導過程において、電磁気的空間フィルターにより蒸着に不要なマクロ粒子や中性原子・分子などを除去して、イオン化した炭素のみを抽出する。そして、基材に到達したイオン化した炭素は基材表面に凝集してta−C膜を形成する。これにより、ta−C膜からなる低摩擦膜136が現像スリーブ5cの外表面に形成される。このような、ta−C膜からなる低摩擦膜136は、メッキや塗布などで形成された膜に比べて均一な厚みに形成できるとともに比較的低温での成膜処理が可能であるので、現像スリーブ5cの温度による歪みなどが発生しにくい。そのため、現像スリーブ5cの形状精度を高めることができる。なお、FVCA方式による蒸着技術については、例えば、米国特許第6,031,239号、インターネット<URL:http://www.nanofilm.co.jp/technology.html:平成23年8月29日時点>等に開示されており、既に広く実用化されているため、詳細説明は省略する。
【0026】
または、低摩擦膜136は、中空陰極方式(HCD方式:Hollow Cathode Discharge)により現像スリーブ5cの外表面に成膜されたTiN膜で構成しても良い。
【0027】
物理蒸着法(PVD)の一つであるイオンプレーティング方式によれば、密着性に優れた膜が比較的容易に得られ、このイオンプレーティング方式の中でも、特にHCD方式を用いることで、均質で且つ膜厚が均一で母材の表面粗さに沿った被膜が得られる。なお、HCD方式による蒸着技術については、例えば、特開平10‐012431号公報、特開平08‐286516号公報等に開示されており、既に広く実用化されているため、詳細説明は省略する。
【0028】
前述した現像スリーブ5cは、外表面全体に上記低摩擦膜136を形成した後に、図11に一例を示すエンドミルEを用いた切削加工によって、外表面に凹み139が形成される。このように、現像スリーブ5cの外表面における多数の凹み139の間の部分のみに低摩擦膜136が設けられているので、多数の凹み139における現像剤との摩擦力を維持しつつ、多数の凹み139の間の部分における現像剤との摩擦力を低減でき、そのため、ベタ画像を形成した場合に、現像スリーブ5cの最初の一周に対応する画像の箇所が濃くなってしまう「残像現象」といわれる濃度ムラの回避及び現像剤の搬送量の確保を両立でき、現像剤の搬送量を低下させることなく画像の濃度ムラを防ぐことができる。
【0029】
なお、上述した現像スリーブ5cでは、多数の凹み139の間に低摩擦膜136が設けられたものであったが、これに限定されるものではなく、低摩擦膜136を設けない構成でも良い。
【0030】
供給搬送路7は、第1仕切部133の内側に形成された空間である。攪拌搬送路8は、他側壁130b寄りの底壁部分130dの内側に形成された空間である。回収搬送路9は、一側壁130a寄りの底壁部分130eの内側に形成された空間である。供給搬送路7と攪拌搬送路8は、第1仕切部133によって仕切られている。供給搬送路7と回収搬送路9も、第1仕切部133によって仕切られている。攪拌搬送路8と回収搬送路9は、第2仕切部134によって仕切られている。
【0031】
供給搬送路7、攪拌搬送路8及び回収搬送路9には、現像剤が収容される。第1仕切部133には、供給搬送路7及び攪拌搬送路8のそれぞれの両端を互いに連通する図示しない開口部が設けられている。第2仕切部134には、攪拌搬送路8及び回収搬送路9のそれぞれの図中手前に位置する一端を互いに連通する図示しない開口部が設けられている。
【0032】
また、図中手前に位置する攪拌搬送路8の一端(即ち、攪拌搬送路8の上流側)には、攪拌搬送路8にトナーを補給する不図示のトナー収容部が接続されており、攪拌搬送路8の他端(即ち、攪拌搬送路8の下流側)には、現像剤中のトナーの濃度を測定する不図示のトナー濃度センサが設けられている。そして、トナー濃度センサが測定した濃度に応じて、トナー収容部から攪拌搬送路8の前記一端に適宜トナーが補給される。回収搬送路9は、現像に用いられた後の現像剤(以下、使用済み現像剤)を収容する。
【0033】
供給スクリュー10は、供給搬送路7に回転可能に収容されており、その回転軸が現像ローラ5の軸と平行且つ略同一の高さとなるように、現像ローラ5と対向して配設されている。また、供給スクリュー10は、回転軸を中心として回転することにより、供給搬送路7内に収容されている現像剤を、図1奥から手前に向かう方向(以下、方向D1という)に向けて搬送しながら現像ローラ5に供給する。
【0034】
攪拌スクリュー11は、攪拌搬送路8に回転可能に収容されており、供給スクリュー10とそれぞれ回転軸方向が平行になるように配設されている。また、攪拌スクリュー11は、その回転軸を中心として回転することにより、攪拌搬送路8内に収容されている現像剤と不図示のトナー収容部から供給されたトナーとを攪拌しながら、図1手前から奥に向かう方向(以下、方向D2という)に向けて搬送する。
【0035】
回収スクリュー12は、回収搬送路9に回転可能に収容されており、攪拌スクリュー11とそれぞれ回転軸方向が平行になるように配設されている。また、回収スクリュー12は、その回転軸を中心として回転することにより、現像ローラ5の外周面5dから落下した使用済み現像剤を回収して、方向D1に向けて搬送する。
【0036】
上述した供給スクリュー10、攪拌スクリュー11、及び、回収スクリュー12は、それぞれ金属又は合成樹脂を用いて形成されている。スクリュー形状の一例を示すと、供給スクリュー10は、外径が22mm、スクリュピッチが50mmの2条巻きであり、攪拌スクリュー11及び回収スクリュー12は、外径が22mm、スクリュピッチが25mmの1条巻きに形成されている。また、各スクリューは、現像ローラ5と略同一の長さにされている。また、各スクリューは、現像動作時に、不図示のモータによって所定の回転数(例えば、700rpm)で回転される。各スクリューが回転されることにより、供給搬送路7及び攪拌搬送路8内で現像剤が循環されるとともに、回収搬送路9内に回収された使用済みの現像剤が攪拌搬送路8内に移送される。
【0037】
現像ドクタ135は、現像ローラ5と供給スクリュー10との対向部からみて、現像ローラ5の回転方向Iの下流側に、現像ローラ5と隙間(例えば、0.2mm〜0.4mm程度)を介して対向するように、現像装置4のケース130に固定して配設されている。現像ドクタ135は、図3に示すように、現像ローラ5の外周面5dに保持(担持)された余分な現像剤(図3中、符号80で示す)をそぎ落として、現像剤80の層厚を適切に規制する部材である。現像ドクタ135は、主に、長尺な略長方形状の板状部材からなる非磁性部材としての非磁性板135aと、非磁性板135aよりも小さい寸法で長尺な略長方形状の板状部材からなる磁性部材としての磁性板135bと、から構成されている。非磁性板135aの材料としては、例えば、ステンレス製のSUS304やSUS316等を用いることができる。磁性板135bの材料としては、例えば、SUS430等の材料を用いることができる。磁性板135bには非磁性板135aよりも薄いものが用いられ、非磁性板135aの板厚は、例えば、1mm〜3mmであり、磁性板135bの板厚は、例えば、0.1mm〜0.3mmである。
【0038】
現像剤は、上述したようにトナーと磁性キャリアとからなる二成分現像剤を用いている。この現像剤に含まれるトナーは、乳化重合法又は懸濁重合法により製造された球状の微粒子である。なお、トナーは、種々の染料又は顔料を混入・分散した合成樹脂で構成される塊を粉砕して得られても良い。トナーの平均粒径は、3μm以上でかつ7μm以下である。また、現像剤に含まれる磁性キャリアは、磁性体で構成される球形の芯材とその表面を被覆した樹脂膜とを有し、その平均粒径が20μm〜50μmとなっている。このように、磁性キャリアの平均粒径が20μm〜50μmであると、経時的に安定した粒状性に優れた画像を得ることができる。
【0039】
磁性キャリアは、芯材と、該芯材の外表面を被覆した樹脂コート膜と、樹脂コート膜に分散されたアルミナ粒子と、を備えている。芯材は、磁性材料としてのフェライトで構成されているとともに、球形に形成されている。樹脂コート膜は、芯材の外表面全体を被覆している。樹脂コート膜は、アクリルなどの熱可塑性樹脂とメラミン樹脂とを架橋させた樹脂成分と、帯電調整剤とを含有している。この樹脂コート膜は、弾力性と強い接着力を有している。アルミナ粒子は、外径が樹脂コート膜の厚みより大きな球形に形成されている。アルミナ粒子は、樹脂コート膜の強い接着力で保持されている。アルミナ粒子は、樹脂コート膜より磁性キャリアの外周側に突出している。
【0040】
次に、マグネットローラ5bが備える複数の固定磁極について説明する。
【0041】
複数の固定磁極は、マグネットローラ5bの軸方向と同一の長さに形成された長尺の磁石であり、マグネットローラ5bの円筒表面上に設けられた複数の溝にはめ込まれて配設されている。詳細には、現像ローラ5の回転方向Iに向かって、順に、汲み上げ磁極P1(N極)、規制用磁極P2(S極)、搬送用磁極P3(N極)、現像磁極P4(S極)、回収用磁極P5(N極)、となるように並べられている(汲み上げ磁極P1及び回収用磁極P5以外は不図示)。図1に示す線Bは、各固定磁極が生じる現像ローラ5の外周面5dにおける法線方向に向かう磁束密度の大きさ(絶対値)を模式的に表したものであり、線Bが現像ローラ5の外周面5dから離れているほど、磁束密度が大きいことを示している。線Bによって示されるように、汲み上げ磁極P1と回収用磁極P5との間には、磁束密度の小さい剤切れ領域Rが設けられている。即ち、剤切れ領域Rにおいては、磁束密度(磁気力)が小さいので、当該剤切れ領域Rに位置する現像ローラ5の外周面5d上から磁性キャリアを離脱させる。
【0042】
汲み上げ磁極P1は、現像ローラ5の外周面5d上に磁気力を生じさせて、該磁気力を供給搬送路7内に収容されている現像剤に対して働かせることにより、該現像剤を現像ローラ5に引きつけて現像ローラ5の外周面5dに汲み上げるための磁極として機能する。
【0043】
また、複数の固定磁極は、この汲み上げ磁極P1の他に、(i)現像ドクタ135に対向して配置されて、現像ドクタ135とともに現像ローラ5の外周面5dに保持された現像剤を、現像に適した厚さになるように規制する規制用磁極P2(不図示)と、(ii)規制用磁極P2と現像磁極P4との間に配設されることにより、層厚が規制された現像剤を現像ローラ5外周面5d上に保持して、現像ローラ5(即ち、現像磁極)と感光体ドラム1とが対向する現像領域Gまで搬送するための搬送用磁極P3(不図示)と、(iii)感光体ドラム1に対向して配置されることにより、現像ローラ5と感光体ドラム1との間に磁気力を生じさせて、現像剤に含まれる磁性キャリアによって磁気ブラシを形成して、トナーを感光体ドラム1に受け渡す現像磁極P4(不図示)と、(iv)該現像磁極P4の回転方向I下流側に隣接して配設され、汲み上げ磁極P1と協働して回収搬送路9と対向する位置に磁気力の弱い領域(剤切れ領域R)を生じさせて、使用済み現像剤を現像ローラ5の外周面5dから落下させて回収するための回収用磁極P5と、が備えられている。また、上記において、汲み上げ磁極P1などの各磁極は、長尺の磁石をマグネットローラにはめ込んで、それぞれ機能を実現するものであったが、これに限定するものではなく、例えば、マグネットローラ5b自体に着磁して、上記各磁極を実現しても良い。
【0044】
また、剤切れ領域Rは、剤切れ極Pzによって形成される。この剤切れ極Pzは、汲み上げ磁極P1と、これに隣接する上流側に設けた回収用磁極P5と、を同極にすることによって形成される、汲み上げ磁極P1及び回収用磁極P5とは異極となる磁極である。即ち、剤切れ極Pzは、固定磁極の協働によって形成される仮想的な磁極である。このように、剤切れ極Pzが、汲み上げ磁極P1と、これに隣接する上流側に設けた回収用磁極P5と、を同極にすることによって形成される、汲み上げ磁極P1及び回収用磁極P5とが異極となる磁極であると、現像スリーブ5cの外周面5d上に剤切れ領域Rを確実に形成することができる。剤切れ領域R(剤切れ極Pz)は、現像ローラ5の外周面5dにおける現像領域Gの下流側の箇所に形成されている。
【0045】
清掃手段150は、ローラ体の一例としての清掃ローラ151と、電位差発生手段の一例としての清掃用電源装置(図示なし)と、を有している。
【0046】
清掃ローラ151は、例えば、アルミニウムなどの非磁性の導電体を材料として、現像ローラ5と略同一長さの円柱状に形成されている。清掃ローラ151は、第1仕切部133と回収スクリュー12との間の空間に、剤切れ領域Rに位置する現像ローラ5の外周面5dと対向して、軸回りに回転可能に配置されている。また、清掃ローラ151は、現像ローラ5とそれぞれの軸が平行になるように配置されている。清掃ローラ151は、モータなどからなる図示しない駆動装置によって、現像ローラ5と同方向又は逆方向に回転される。
【0047】
清掃用電源装置は、導電性の清掃ローラ151に直流バイアス電圧を印加して、清掃ローラ151と外周面5dとの間に所定の電位差を生じさせる直流電源装置である。清掃ローラ151は、清掃用電源装置によって直流バイアス電圧が印加されると、外周面5dとの間に所定の電位差を生じて、当該外周面5d上のトナーを引き寄せて、トナーが清掃ローラ151の外周面に付着する。なお、清掃用電源装置として、清掃ローラ151に交流バイアス電圧を印加する交流電源装置を設けてもよい。
【0048】
清掃ローラ151に付着したトナーを除去するために、清掃ローラ151は、回収搬送路9に収容された現像剤の上面に常に浸るように配置されることが望ましい。このように清掃ローラ151を配置することで、回収スクリュー12の回転と回収搬送路9内の現像剤の摩擦とにより、清掃ローラ151に付着したトナーが回収搬送路9へと回収される。
【0049】
上述した本実施形態において、清掃ローラ151は、アルミニウムなどの非磁性導電材料を円柱状に形成してなるものであったが、これに限定されるものではなく、例えば、アルミニウムなどの非磁性導電材料を円柱状に形成して軸芯とし、この軸芯の外周面に導電性繊維を植毛してなる清掃ブラシローラなどを用いても良く、本発明の目的に反しない限り、清掃手段が備えるローラ体の構成は任意である。この場合、清掃ブラシローラが、請求項中のローラ体に相当し、この清掃ブラシローラは、ブラシの先端が剤切れ領域Rに位置する外周面5dと間隔をあけて対向して、軸回りに回転可能に配置される。
【0050】
次に、現像装置4における現像動作(現像剤の流れ)について説明する。
【0051】
現像が開始されると、現像装置4は、現像ローラ5、供給スクリュー10、回収スクリュー12、及び、攪拌スクリュー11、を不図示のモータによって、それぞれ所定の回転方向及び回転数で回転させる。
【0052】
供給スクリュー10は、供給搬送路7内に収容されている現像剤を方向D1に向かって搬送する。そして、現像ローラ5が、汲み上げ磁極P1によって、現像剤の一部をその外周面5dに汲み上げる。また、供給スクリュー10は、現像ローラ5に汲み上げられなかった残りの現像剤を、供給搬送路7の下流側端部まで搬送したのち、第1仕切部133の開口部を通じて、攪拌搬送路8内に供給する。
【0053】
現像ローラ5は、その外周面5dに汲み上げた現像剤を保持(担持)し、現像ドクタ135によって現像剤の層厚を調整(規制)したのち、該現像剤を感光体ドラム1と対向する位置(即ち、現像領域G)まで搬送する。現像領域Gまで搬送された現像剤は、現像磁極P4によって現像ローラ5の外周面5dに穂立ちされて磁気ブラシを形成する。そして、現像剤に含まれるトナーが、該磁気ブラシから離れて、感光体ドラム1表面に形成された静電潜像に吸着される。
【0054】
そして、現像ローラ5は、現像に用いられた使用済み現像剤を、現像領域Gの下流に位置する剤切れ領域Rまで搬送する。
【0055】
この剤切れ領域Rにおいては、当該剤切れ領域Rに位置する外周面5dに生ずる磁気力が小さいので、当該外周面5d上の磁性キャリアが回収搬送路9に落下(離脱)する。そして、さらに、清掃ローラ151には直流バイアス電圧が印加されているので、清掃ローラ151と外周面5dとの間に電位差が生じ、そのため、当該外周面5d上のトナーが清掃ローラ151に引き寄せられて清掃ローラ151に付着し、当該外周面5d上のトナーが除去される。また、清掃ローラ151に付着したトナーについても、清掃ローラ151の回転により回収搬送路9内の現像剤と摩擦などが生じて、清掃ローラ151から脱落して回収搬送路9内に回収される。
【0056】
回収スクリュー12は、回収搬送路9内に落下・回収された使用済み現像剤を方向D1に向かって搬送し、第2仕切部134の開口部を通じて、攪拌搬送路8に供給する。
【0057】
攪拌スクリュー11は、供給搬送路7から供給された現像剤と、回収搬送路9から供給された使用済み現像剤と、トナー収容部から補給されたトナーと、を攪拌しながら方向D2に向かって搬送し、第1仕切部133の開口部を通じて、供給搬送路7に供給する。現像装置4は、上記動作を繰り返して、現像動作を行う。
【0058】
以上より、本実施形態によれば、現像ローラ5における現像領域Gの下流側の箇所には、磁性キャリアを現像ローラ5の外周面5d上から離脱させる剤切れ領域Rが設けられ、そして、清掃手段150には、上記剤切れ領域Rに位置する上記外周面5dと間隔をあけて対向して、軸回りに回転可能に配置された導電性の清掃ローラ151と、この清掃ローラ151に上記外周面5d上のトナーが引き寄せられるように清掃ローラ151と上記外周面5dとの間に電位差を生じさせる清掃用電源装置と、が設けられているので、剤切れ領域Rによって、磁性キャリアが現像ローラ5の外周面5d上から離脱されるとともに、清掃ローラ151と上記外周面5dとの間に生じた電位差によって、剤切れ領域Rに位置付けられた上記外周面5d上のトナーが清掃ローラ151に引き寄せられ、そのため、剤切れ領域Rによって磁性キャリアを上記外周面5dから確実に離脱させることができるとともに、清掃ローラ151及び清掃用電源装置によってトナーを上記外周面5dから確実に引き寄せることができ、磁性キャリアに付着したトナーが現像ローラ5の外周面5d上に残留することを防止して、当該外周面5d上にトナーが固着してしまうことを確実に防止できる(請求項1の効果)。
【0059】
本実施形態においては、清掃ローラ151に付着したトナーについて、清掃ローラ151と回収搬送路9内の現像剤との摩擦により除去するものであったが、これに限定されるものではない。
【0060】
例えば、図4に示すように、現像装置4は、清掃手段150に設けられた清掃ローラ151に付着したトナーを回収搬送路9に回収する回収手段160を更に有していてもよい。この回収手段160は、例えば、アルミニウムなどの非磁性導電材料を円柱状に形成して軸芯とし、この軸芯の外周面に現像スリーブ5cより軟質の導電性繊維を植毛してなる回収ブラシローラ161を備えている。導電性繊維以外にも、ポリアミドなどの非導電性の合成樹脂からなる繊維を植毛してもよい。この回収ブラシローラ161は、請求項中の回収ブラシローラ体の一例である。回収ブラシローラ161は、ブラシ先端が清掃ローラ151に接して、軸回りに回転可能に配置されている。回収ブラシローラ161は、清掃ローラ151とそれぞれの軸が平行に配置されている。回収ブラシローラ161は、モータなどからなる図示しない駆動装置によって、清掃ローラ151と同方向に回転され、または、清掃ローラ151と逆方向でかつ回転線速度が互いに異なるように回転される。回収ブラシローラ161は、ブラシの先端によって、清掃ローラ151の外周面上に付着したトナーを回収搬送路9へと掻き落とし除去する。
【0061】
または、図5に示すように、現像装置4は、清掃手段150に設けられた清掃ローラ151に付着したトナーを回収搬送路9に回収する回収手段162を更に有していてもよい。この回収手段162は、例えば、ポリウレタンゴムなどで清掃ローラ151と略同一長さの短冊形状に形成された弾性体で構成された回収ブレード163を備えている。この回収ブレード163は、請求項中の回収ブレード体の一例である。回収ブレード163は、幅方向の一方の縁部における角部(稜線部)が清掃ローラ151の外周面に押し当てられるようにして、その長手方向の両端部がケース130に固定して取り付けられている。回収ブレード163は、上記角部によって清掃ローラ151の外周面上に付着したトナーをせき止めて、回収搬送路9へと掻き落とし除去する。
【0062】
このように、現像剤を収容する回収搬送路9と、清掃手段150に設けられた清掃ローラ151に付着したトナーを回収搬送路9に回収する回収手段160又は回収手段162と、を更に有していると、清掃ローラ151に付着したトナーが確実に除去されて回収搬送路9へと回収され、そのため、清掃ローラ151における現像ローラ5の外周面5d上のトナーを引き寄せる能力の低下を防ぐことができ、トナーを上記外周面5dからより確実に引き寄せて、当該外周面5d上にトナーが固着してしまうことをより確実に防止できる(請求項4の効果)。
【0063】
また、図4に示すように、回収手段160において、清掃手段150に設けられた清掃ローラ151に接して、軸回りに回転可能に配置された回収ブラシローラ161が設けられた簡易な構成によって、当該外周面5d上にトナーが固着してしまうことをより確実に防止できる(請求項5の効果)。
【0064】
また、図5に示すように、回収手段162において、清掃手段150に設けられた清掃ローラ151に接して配置された回収ブレード163が設けられた簡易な構成によって、当該外周面5d上にトナーが固着してしまうことをより確実に防止できる(請求項6の効果)。
【0065】
(実施形態2)
以下に、本発明の他の一実施形態の現像装置について、図6、図7を参照して説明する。
【0066】
図6に示す現像装置4Aは、上述した実施形態1の現像装置4において、清掃手段150に代えて、清掃手段152を備えた以外は現像装置4と同一構成であるので、同一構成部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0067】
清掃手段152は、ブラシローラ体の一例としての清掃ブラシローラ153を有している。
【0068】
清掃ブラシローラ153は、例えば、アルミニウムなどの非磁性導電材料を円柱状に形成して軸芯とし、この軸芯の外周面に現像スリーブ5cより軟質の導電性繊維を植毛してなるブラシローラ状に構成されている。導電性繊維以外にも、ポリアミドなどの非導電性の合成樹脂からなる繊維を植毛してもよい。清掃ブラシローラ153は、現像ローラ5と略同一長さに形成され、現像ローラ5とそれぞれの軸が平行に配置されている。また、清掃ブラシローラ153は、ブラシの先端が剤切れ領域Rに位置する外周面5dと接して、軸回りに回転可能に配置されている。清掃ブラシローラ153は、モータなどからなる図示しない駆動装置によって、現像ローラ5と同方向又は逆方向に回転される。
【0069】
清掃ブラシローラ153は、現像ローラ5と同方向に回転され、または、現像ローラ5と逆方向でかつ回転線速度が互いに異なるように回転されることで、ブラシにより現像ローラ5の外周面5d上のトナーを掻き落とし除去する。
【0070】
また、清掃ブラシローラ153に付着したトナーを除去するために、清掃ブラシローラ153は、回収搬送路9に収容された現像剤の上面に常に浸るように配置されることが望ましい。このように清掃ブラシローラ153を配置することで、回収スクリュー12の回転と回収搬送路9内の現像剤の摩擦とにより、清掃ブラシローラ153に付着したトナーが回収搬送路9へと回収される。
【0071】
以上より、本実施形態によれば、現像ローラ5における現像領域Gの下流側の箇所には、磁性キャリアを現像ローラ5の外周面5d上から離脱させる剤切れ領域Rが設けられ、そして、清掃手段152には、剤切れ領域Rに位置する上記外周面5dに接して、軸回りに回転可能に配置された清掃ブラシローラ153が設けられているので、剤切れ領域Rによって、磁性キャリアが現像ローラ5の外周面5d上から離脱されるとともに、清掃ブラシローラ153によって、剤切れ領域Rに位置付けられた上記外周面5d上のトナーが掻き落とされ、そのため、剤切れ領域Rによって磁性キャリアを上記外周面5dから確実に離脱させることができるとともに、清掃ブラシローラ153によってトナーを上記外周面5dから確実に除去することができ、磁性キャリアに付着したトナーが現像ローラ5の外周面5d上に残留することを防止して、当該外周面5d上にトナーが固着してしまうことを確実に防止できる(請求項2の効果)。
【0072】
本実施形態においても、上述した実施形態1と同様に、清掃ブラシローラ153に付着したトナーについて、清掃ブラシローラ153と回収搬送路9内の現像剤との摩擦により除去するものであったが、これに限定されるものではない。
【0073】
例えば、図7に示すように、現像装置4は、清掃手段152に設けられた清掃ブラシローラ153に付着したトナーを回収搬送路9に回収する回収手段164を更に有していてもよい。この回収手段164は、例えば、ポリウレタンゴムなどで清掃ブラシローラ153と略同一長さの短冊形状に形成された弾性体で構成された回収ブレード165を備えている。この回収ブレード165は、請求項中の回収ブレード体の一例である。回収ブレード165は、幅方向の一方の縁部が清掃ブラシローラ153のブラシに押し当てられるようにして、その長手方向の両端部がケース130に固定して取り付けられている。回収ブレード165は、上記縁部によって清掃ブラシローラ153のブラシに付着したトナーを回収搬送路9へと掻き落とし除去する。
【0074】
このように、現像剤を収容する回収搬送路9と、清掃手段152に設けられた清掃ブラシローラ153に付着したトナーを回収搬送路9に回収する回収手段164と、を更に有しているので、清掃ブラシローラ153に付着したトナーが確実に除去されて回収搬送路9へと回収され、そのため、清掃ブラシローラ153における現像ローラ5の外周面5d上のトナーを掻き落とす能力の低下を防ぐことができ、トナーを上記外周面5dからより確実に除去して、当該外周面5d上にトナーが固着してしまうことをより確実に防止できる(請求項4の効果)。
【0075】
また、回収手段164に、清掃手段152に設けられた清掃ブラシローラ153に接して配置された回収ブレード165が設けられた簡易な構成によって、当該外周面5d上にトナーが固着してしまうことをより確実に防止できる(請求項6の効果)。
【0076】
(実施形態3)
以下に、本発明の他の一実施形態の現像装置ついて、図8を参照して説明する。
【0077】
図8に示す現像装置4Bは、上述した実施形態1の現像装置4において、清掃手段150に代えて、清掃手段154を備えた以外は現像装置4と同一構成であるので、同一構成部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0078】
清掃手段154は、ブレード体の一例としての清掃ブレード155を有している。
【0079】
清掃ブレード155は、例えば、ポリウレタンゴムなどで現像ローラ5と略同一長さの短冊形状に形成された弾性体で構成されている。清掃ブレード155は、幅方向の一方の縁部における角部(稜線部)が現像ローラ5の外周面5dに押し当てられるようにして、その長手方向の両端部がケース130に固定して取り付けられている。清掃ブレード155は、上記角部によって現像ローラ5の外周面5d上に付着したトナーをせき止めて、回収搬送路9へと掻き落とし除去する。
【0080】
以上より、本実施形態によれば、現像ローラ5における現像領域Gの下流側の箇所には、磁性キャリアを現像ローラ5の外周面5d上から離脱させる剤切れ領域Rが設けられ、そして、清掃手段154には、剤切れ領域Rに位置する上記外周面5dに接して配置された清掃ブレード155が設けられているので、剤切れ領域Rによって、磁性キャリアが現像ローラ5の外周面5d上から離脱されるとともに、清掃ブレード155によって、剤切れ領域Rに位置付けられた上記外周面5d上のトナーが掻き落とされ、そのため、剤切れ領域Rによって磁性キャリアを上記外周面5dから確実に離脱させることができるとともに、清掃ブレード155によってトナーを上記外周面5dから確実に除去することができ、磁性キャリアに付着したトナーが現像ローラ5の外周面5d上に残留することを防止して、当該外周面5d上にトナーが固着してしまうことを確実に防止できる(請求項3の効果)。
【0081】
(実施形態4)
次に、本発明の他の一実施形態のプロセスカートリッジについて、図9を参照して説明する。
【0082】
プロセスカートリッジ18は、上述した現像装置4と、現像装置4の備える現像ローラ5と0.2mm〜0.4mm程度の隙間を介して対向して配置されるとともに、プロセスカートリッジ18のケース140に回転可能に組み付けられた、表面に静電潜像を担持する像担持体である感光体ドラム1と、感光体ドラム1を一様に帯電させる帯電器142と、感光体ドラム1の表面に付着したトナーを取り除くドラムクリーニング装置(不図示)と、感光体ドラム1の表面に残留している電荷を除去する除電器(不図示)、などを備えている。プロセスカートリッジ18は、現像装置4に代えて、上述した現像装置4A又は現像装置4Bを備えていても良い。
【0083】
画像形成動作時において、プロセスカートリッジ18は、帯電器142によって、感光体ドラム1の一部表面を一様帯電させる。そして、プロセスカートリッジ18が組み込まれる画像形成装置が備える光書込ユニット21によって、帯電された感光体ドラム1の前記一部表面に対して変調及び偏向されたレーザ光が照射される。すると、レーザ光が照射された部分(露光部)の電位が減衰して、感光体ドラム1表面に静電潜像が形成される。この形成された静電潜像は現像装置4によって現像されてトナー像となる。
【0084】
そして、プロセスカートリッジ18は、感光体ドラム1の表面上に形成されたトナー像を、後述の中間転写ベルト110に一次転写する。そして、ドラムクリーニング装置によって、感光体ドラム1の表面をクリーニングして、転写残トナーを取り除く。そして、転写残トナーが取り除かれた感光体ドラム1は、さらに除電器によって除電されて、その表面に残留する静電潜像が取り除かれる。そして、感光体ドラム1は、再度帯電器142によって一様帯電されて、以降、上記動作を繰り返す。
【0085】
以上より、本発明によれば、プロセスカートリッジ18は上述した現像装置4を備えているので、トナーを現像ローラ5の外周面5dから確実に除去することができ、磁性キャリアに付着したトナーが現像ローラ5の外周面5d上に残留することを防止して、当該外周面5d上にトナーが固着してしまうことを確実に防止できる(請求項7の効果)。
【0086】
(実施形態5)
次に、本発明の他の一実施形態の画像形成装置として、複数の感光体が並行配設されたタンデム型のカラーレーザー複写機(以下、複写機)500について、図10を参照して説明する。
【0087】
図10は、複写機500の概略構成を示す断面図である。この複写機500は複写画像を複写紙上に形成するプリンタ部100、及び、プリンタ部100に複写紙を供給する給紙装置200、を備えている。また、複写機500は、プリンタ部100、給紙装置200の他に、複写原稿を画像として読み取るスキャナ300、このスキャナ300に連続して原稿を送り込む原稿自動搬送装置400なども備えている。
【0088】
上記プリンタ部100は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像を形成するための4組の上述したプロセスカートリッジ18Y、18M、18C、18Kが組み込まれた画像形成ユニット20を備えている。各符号の数字の後に付されたY、M、C、Kは、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラック(黒)用の部材であることを示している(以下同様)。プリンタ部100は、プロセスカートリッジ18Y、18M、18C、18Kの他に、光書込ユニット21、中間転写ユニット17、二次転写装置22、レジストローラ対49、ベルト定着方式の定着装置25などを備えている。
【0089】
光書込ユニット21は、それぞれ図示しない、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラーなどを有し、画像データに基づいて各プロセスカートリッジ18が備える感光体ドラム1の表面にレーザ光を照射する。
【0090】
中間転写ユニット17は、中間転写ベルト110、張架ローラ14、駆動ローラ15、二次転写バックアップローラ16、4つの一次転写バイアスローラ62Y、62M、62C、62K、ベルトクリーニング装置90、を備えている。
【0091】
中間転写ベルト110は、張架ローラ14、駆動ローラ15、二次転写バックアップローラ16を含む複数のローラに、テンションを与えて架けわたされている。そして、不図示のベルト駆動モータによって駆動される駆動ローラ15の回転によって図中時計回りに無端移動される。
【0092】
4つの一次転写バイアスローラ62Y、62M、62C、62Kは、それぞれ中間転写ベルト110の内周面側に接触するように配設され、不図示の電源から一次転写バイアスの印加を受ける。また、各一次転写バイアスローラは、中間転写ベルト110をその内周面側から感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに向けて押圧して、それぞれ一次転写ニップを形成する。各一次転写ニップには、一次転写バイアスの影響により、各感光体ドラムと各一次転写バイアスローラとの間に一次転写電界が形成される。
【0093】
Y用の一次転写ニップにおいて、上記一次転写電界や押圧(一次転写ニップ圧)の影響によって、Y用の感光体ドラム1Y上に形成された上述のYトナー像が、中間転写ベルト110上に一次転写される。さらに、このYトナー像の上に、M用の感光体ドラム1M、C用の感光体ドラム1C、K用の感光体ドラム1K上にそれぞれ形成されたMトナー像、Cトナー像、Kトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト110上には多重トナー像たる4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。そして、中間転写ベルト110上に重ね合わせ転写された4色トナー像は、後述の二次転写ニップで不図示の記録シート(転写紙)に二次転写される。
【0094】
ベルトクリーニング装置90は、駆動ローラ15との間に中間転写ベルト110を挟み込み、二次転写ニップ通過後の中間転写ベルト110の表面に残留する転写残トナーを取り除いて、中間転写ベルト110をクリーニングする。
【0095】
二次転写装置22は、2本の張架ローラ23と、紙搬送ベルト24とを備えており、中間転写ユニット17の下方に配設されている。
【0096】
紙搬送ベルト24は、該2本の張架ローラ23に架けわたされて配設されており、少なくとも何れか一方の張架ローラ23の回転駆動に伴って、図中反時計回りに無端移動される。
【0097】
2本の張架ローラ23は、図中右側に配設された一方の張架ローラ23が、中間転写ユニット17の二次転写バックアップローラ16との間に、中間転写ベルト110及び紙搬送ベルト24を挟み込み、それらを押圧するように配設されている。この挟み込みにより、中間転写ベルト110と紙搬送ベルト24とが接触する二次転写ニップが形成されている。そして、この一方の張架ローラ23には、トナーと逆極性の二次転写バイアスが不図示の電源によって印加される。この二次転写バイアスの印加により、二次転写ニップには中間転写ユニット17の中間転写ベルト110上の4色トナー像を中間転写ベルト110側からこの一方の張架ローラ23側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。
【0098】
この二次転写ニップにおいて、上記二次転写電界や押圧(二次転写ニップ圧)の影響によって、中間転写ベルト110上の4色トナー像が、後述のレジストローラ対49によって中間転写ベルト110上の4色トナー像に同期するように二次転写ニップに送り込まれた転写紙に二次転写される。なお、このように一方の張架ローラ23に二次転写バイアスを印加する二次転写方式に代えて、転写紙を非接触でチャージさせるチャージャを設けてもよい。
【0099】
給紙装置200は、複写機500本体の下部に配設されており、その内部に複数の転写紙を紙束の状態で複数枚重ねて収容可能な給紙カセット44が、鉛直方向に複数重なるように配設されている。それぞれの給紙カセット44は、紙束の一番上の転写紙に給紙ローラ42を押し当てている。そして、給紙ローラ42を回転させることにより、一番上の転写紙を給紙路46に向けて送り出す。
【0100】
給紙路46は、給紙カセット44から送り出された転写紙を受け入れる転写紙搬送路であり、複数の搬送ローラ対47と、その路内の末端付近に設けられたレジストローラ対49とを備えている。複数の搬送ローラ対47は、転写紙をレジストローラ対49に向けて順次搬送する。そして、レジストローラ対49に到達した転写紙は、レジストローラ対49のローラ間に挟まれる。
【0101】
一方、上記中間転写ユニット17において、中間転写ベルト110上に形成された4色トナー像は、中間転写ベルト110の無端移動に伴って上記二次転写ニップに進入する。レジストローラ対49は、ローラ間に挟み込んだ転写紙を二次転写ニップにて4色トナー像に密着させ得るタイミングで送り出す。これにより、二次転写ニップでは、中間転写ベルト110上の4色トナー像が転写紙に密着する。そして、転写紙上に二次転写されて、白色の転写紙上でフルカラー画像となる。このようにしてフルカラー画像が形成された転写紙は、紙搬送ベルト24の無端移動に伴って二次転写ニップを出た後、紙搬送ベルト24上から定着装置25に送られる。
【0102】
定着装置25は、定着ベルト26を2本のローラによって張架しながら無端移動させるベルトユニットと、このベルトユニットにおける2本のローラのうちの一方のローラに向けて押圧される加圧ローラ27とを備えている。これら定着ベルト26と加圧ローラ27とは互いに当接して定着ニップを形成しており、紙搬送ベルト24から受け取った転写紙をここに挟み込む。加圧ローラ27から押圧される前記一方のローラは、内部に不図示の熱源を有しており、定着ベルト26を加熱する。加熱された定着ベルト26は、定着ニップに挟み込まれた転写紙を加熱する。この加熱や押圧(定着ニップ圧)の影響によって、フルカラー画像が転写紙に定着される(即ち、定着処理)。
【0103】
定着装置25内で定着処理が施された転写紙は、プリンタ筐体の図中左側板に突設されたスタック部57上にスタックされる。または、転写紙のもう一方の面にもトナー像を形成する場合(つまり、両面コピー)は、再度、上述の二次転写ニップに戻される。
【0104】
また、本複写機500は、その内部に配設された様々な装置の制御を司るCPU等から構成される図示しない制御部と、液晶ディスプレイや各種キーボタン等などから構成される図示しない操作表示部とを備えている。操作者は、この操作表示部に対するキー入力操作により、制御部に対して命令を送ることで、例えば、コピー操作やプリンタ部100のプリントモード設定などを行うことができる。
【0105】
次に、複写機500におけるコピー動作について説明する。
【0106】
複写機500において、図示しない原稿のコピーがとられる際には、例えば、シート原稿の束が原稿自動搬送装置400の原稿台30上にセットされる。または、その原稿が書籍状に閉じられている片綴じ原稿である場合には、複写機500本体に対して原稿自動搬送装置400が開かれて、スキャナ300のコンタクトガラス32が露出され、このコンタクトガラス32上に片綴じ原稿がセットされたのち、原稿自動搬送装置400が閉じられて、片綴じ原稿が押さえられる。
【0107】
このようにして原稿がセットされた後、図示しないコピースタートスイッチが押下されると、スキャナ300による原稿読取動作がスタートする。但し、原稿自動搬送装置400にシート原稿がセットされた場合には、この原稿読取動作に先立って、原稿自動搬送装置400がシート原稿をコンタクトガラス32まで自動移動させる。原稿読取動作では、まず、第1走行体33と第2走行体34とがともに走行を開始し、第1走行体33に設けられた光源から光が発射される。そして、原稿面からの反射光が第2走行体34内に設けられたミラーによって反射され、結像レンズ35を通過した後、読取センサ36に入射される。読取センサ36は、入射光に基づいて画像情報を構築する。
【0108】
このような原稿読取動作と並行して、各プロセスカートリッジ(18Y、18M、18C、18K)内の各装置や、中間転写ユニット17、二次転写装置22、定着装置25などがそれぞれ動作を開始する。そして、読取センサ36によって構築された画像情報に基づいて、光書込ユニット21を駆動制御して、各感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上に静電潜像を形成し、現像装置4によって各色のトナー像を形成(現像)する。そして、各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト110上に重ね合わせ転写して4色トナー像を形成する。
【0109】
また、原稿読取動作の開始とほぼ同時に、給紙装置200内では給紙動作を開始する。この給紙動作では、給紙ローラ42の1つを選択回転することでペーパーバンク43内に多段に収容されている給紙カセット44のうちの1つから転写紙を取り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離したのち給紙路46に送り出して、搬送ローラ対47によって二次転写ニップに向けて搬送する。このような給紙カセット44からの給紙に代えて、手差しトレイ51からの給紙が行われる場合もある。この場合、手差し給紙ローラ50を選択回転することで手差しトレイ51上の転写紙を複写機500内に取り込み、分離ローラ52で1枚ずつ分離したのち手差し給紙路53に送り出して、二次転写ニップに向けて搬送する。
【0110】
そして、二次転写ニップにおいて、中間転写ベルト110上の4色トナー像と転写紙とを重ね合わせて、4色トナー像を転写紙に転写したあと、転写紙を定着装置25に送り、そこで加熱して転写紙上に4色トナー像であるフルカラー画像を定着させる。
【0111】
本複写機500は、2色以上のトナーからなる他色画像を形成する場合には、中間転写ベルト110をその上部張架面がほぼ水平になる姿勢で張架して、上部張架面に全ての感光体ドラム(1Y、1M、1C、1K)を接触させる。これに対し、Kトナーのみからなるモノクロ画像を形成する場合には、図示しない機構により、中間転写ベルト110を図中左下に傾けるような姿勢にして、その上部張架面を感光体ドラム1Y、1M、1Cから離間させる。そして、4つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kのうち、K用の感光体ドラム1Kだけを図中反時計回りに回転させて、Kトナー像だけを作像する。この際、Y、M、Cについては、感光体だけでなく、現像器も駆動を停止させて、感光体や現像剤の不要な消耗を防止する。
【0112】
以上より、本発明によれば、上述した現像装置4が設けられたプロセスカートリッジ18を備えているので、トナーを現像ローラ5の外周面5dから確実に除去することができ、磁性キャリアに付着したトナーが現像ローラ5の外周面5d上に残留することを防止して、当該外周面5d上にトナーが固着してしまうことを確実に防止できる(請求項8の効果)。
【0113】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0114】
1 感光体ドラム(像担持体の一例)
4、4A、4B 現像装置
5 現像ローラ(現像剤担持体の一例)
5c 現像スリーブ
5d 外周面
7 供給搬送路
8 攪拌搬送路
9 回収搬送路
10 供給スクリュー
11 攪拌スクリュー
12 回収スクリュー
18 プロセスカートリッジ
17 中間転写ユニット(転写手段)
21 光書き込みユニット(光書き込み手段)
22 二次転写装置(転写手段)
25 定着装置(定着手段)
80 現像剤
130 ケース
133 第1仕切部
134 第2仕切部
136 低摩擦膜
139 凹み
150、152、154 清掃手段
151 清掃ローラ(ローラ体の一例)
153 清掃ブラシローラ(ブラシローラ体の一例)
155 清掃ブレード(ブレード体の一例)
160、162、164 回収手段
161 回収ブラシローラ(回収ブラシローラ体の一例)
163、165 回収ブレード(回収ブレード体の一例)
500 カラーレーザー複写機(画像形成装置の一例)
G 現像領域G
R 剤切れ領域R
Pz 剤切れ極Pz
【先行技術文献】
【特許文献】
【0115】
【特許文献1】特許第4376478号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー及び磁性キャリアを含む現像剤を外周面上に担持して現像領域に搬送する現像剤担持体と、前記現像領域を通過した前記外周面上の前記トナーを当該外周面上から除去する清掃手段と、を有する現像装置において、
前記現像剤担持体における前記現像領域の下流側の箇所には、前記磁性キャリアを前記外周面上から離脱させる剤切れ領域が設けられ、そして、
前記清掃手段には、前記剤切れ領域に位置する前記外周面と間隔をあけて対向して、軸回りに回転可能に配置された導電性のローラ体と、前記ローラ体に前記外周面上の前記トナーが引き寄せられるように前記ローラ体と前記外周面との間に電位差を生じさせる電位差発生手段と、が設けられている
ことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
トナー及び磁性キャリアを含む現像剤を外周面上に担持して現像領域に搬送する現像剤担持体と、前記現像領域を通過した前記外周面上の前記トナーを当該外周面上から除去する清掃手段と、を有する現像装置において、
前記現像剤担持体における前記現像領域の下流側の箇所には、前記磁性キャリアを前記外周面上から離脱させる剤切れ領域が設けられ、そして、
前記清掃手段には、前記剤切れ領域に位置する前記外周面に接して、軸回りに回転可能に配置されたブラシローラ体が設けられている
ことを特徴とする現像装置。
【請求項3】
トナー及び磁性キャリアを含む現像剤を外周面上に担持して現像領域に搬送する現像剤担持体と、前記現像領域を通過した前記外周面上の前記トナーを当該外周面上から除去する清掃手段と、を有する現像装置において、
前記現像剤担持体における前記現像領域の下流側の箇所には、前記磁性キャリアを前記外周面上から離脱させる剤切れ領域が設けられ、そして、
前記清掃手段には、前記剤切れ領域に位置する前記外周面に接して配置されたブレード体が設けられている
ことを特徴とする現像装置。
【請求項4】
前記現像剤を収容する現像剤収容部と、前記清掃手段に設けられた前記ローラ体又は前記ブラシローラ体に付着した前記トナーを前記現像剤収容部に回収する回収手段と、を更に有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
【請求項5】
前記回収手段には、前記清掃手段に設けられた前記ローラ体又は前記ブラシローラ体に接して、軸回りに回転可能に配置された回収ブラシローラ体が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の現像装置。
【請求項6】
前記回収手段には、前記清掃手段に設けられた前記ローラ体又は前記ブラシローラ体に接して配置された回収ブレード体が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の現像装置。
【請求項7】
現像装置、像担持体及び帯電手段を少なくとも有するプロセスカートリッジにおいて、前記現像装置が、請求項1〜6のいずれか一項に記載の現像装置で構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項8】
プロセスカートリッジ、光書き込み手段、転写手段、及び、定着手段を少なくとも有する画像形成装置において、前記プロセスカートリッジが、請求項7に記載のプロセスカートリッジで構成されていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−57869(P2013−57869A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197122(P2011−197122)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】