説明

現金払出システムおよびその方法

【課題】車両の運転者が車両を降りることなく現金を受け取ることができる現金払出システムおよびその方法を提供する。
【解決手段】この現金払出システムは、車両のETC用車載器600に挿入されているETCカードのカード情報と、そのETCカードの所有者である運転者aについての現金自動払出機300による現金の払い出しを行う契約の有無の情報と、運転者aが銀行A内に所有する口座の口座情報とを対応づけて格納している契約マスタを有する。また、第1のETCゲート100における第1の判断処理と第2のETCゲート200における第2の判断処理の両方において受信したカード情報について契約が有ると判断されると、そのカード情報に対応した銀行口座の口座残高を確認する第3の判断処理を行い、口座残高があると判断されると、現金自動払出機300に現金の払い出しを指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
運転者が車両から降りることなく現金を受け取ることができる現金払出システムおよびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在では、殆どの銀行の店舗に現金自動預払機(以下、ATMと称する。)が配置されているので、利用者は銀行の業務時間外でも自分の口座から現金を引き出すことができる。また、近年では、コンビニエンスストアの店舗にATMが設置されるようになってきている。コンビニエンスストアは24時間営業している所が多く、コンビニエンスストアに配置されるATMも24時間稼働しているので、利用者は近くのコンビニエンスストアで24時間いつでも自分の口座から現金を引き出すことができるようになってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−031773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両で前記銀行の店舗やコンビニエンスストアに行き前記ATMで現金を引き出す場合は、車両を前記銀行の店舗やコンビニエンスストアの駐車場に駐車し、車両を離れる必要がある。
【0005】
ここで、ATMの利用者には幼児の母親や高齢者や脚が不自由な方もいる。例えば、幼児の母親がコンビニエンスストアのATMで現金を引き出すために、幼児を連れてコンビニエンスストアに入りATMで現金引出作業を行う場合は、幼児を抱えながらATMでの現金引出作業を行う必要があるが、このような状態でATMへの銀行カードの挿入、暗証番号や金額の入力、現金の受け取り等を行うのは容易ではない。また、ATMでの現金引出作業が短時間であることから幼児を車両内に残して母親のみがコンビニエンスストアに入ることも考えられるが、短時間とはいえ幼児を車両内に一人で残すことは好ましいことではない。高齢者や脚が不自由な方の場合は、車両の乗降に手間を要し、車両から降りてコンビニエンスストアに入りATMで現金引出作業を行うのにかなりの時間を必要とする場合がある。
【0006】
一方、上記以外の車両の運転者がATMから現金を引き出す場合でも、コンビニエンスストアや銀行の店舗に車両を駐車する必要がある。このように、ATMから現金を引き出すために駐車のための時間および車両の乗降のための時間がかかることになるので、急いでいる時にはATMからの現金引出作業が煩わしいと感じる場合もある。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、車両の運転者が車両を降りることなく現金を受け取ることができる現金払出システムおよびその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の主要な観点によれば、ETC(登録商標;有料道路の自動料金収受システム)用車載器を搭載した車両が通過する第1のETCゲートと、前記第1のETCゲートを通過した後に前記車両が通過する第2のETCゲートと、前記第1および第2のETCゲートと通信可能である銀行のサーバと、この銀行のサーバと通信可能である現金自動払出機とを有し、前記車両の運転者に現金の払い出しを行う現金払出システムであって、前記第1のETCゲートおよび前記第2のETCゲートはそれぞれ、前記車両が前記各ゲートの通信可能範囲に入ると、前記車両の前記ETC用車載器から前記ETC用車載器に挿入されているETCカードのカード情報を受信すると共に、受信した前記カード情報を前記銀行のサーバに送信するものであり、このシステムは、前記銀行のサーバが、前記ETCカードのカード情報と、前記ETCカードの所有者についての前記現金自動払出機による現金の払い出しを行う契約の有無の情報と、前記ETCカードの所有者が前記銀行内に所有する銀行口座の口座情報と、1回の払出金額とを対応づけて格納している契約マスタと、前記銀行口座の口座残高を管理する勘定系システムと、前記第1のETCゲートから前記ETCカードのカード情報を受信し、受信した前記カード情報を前記契約マスタに照会して当該カード情報について前記契約の有無を判断する第1の判断手段と、前記第2のETCゲートから前記ETCカードのカード情報を受信し、受信した前記カード情報を前記契約マスタに照会して当該カード情報について前記契約の有無を判断する第2の判断手段と、前記第1の判断手段および前記第2の判断手段の両方で前記カード情報に対応して前記契約が有ると判断されると、前記契約マスタの前記口座情報に基づき、又は、前記勘定系システムへの問い合わせを行うことにより、前記銀行口座の前記口座残高が前記1回の払出金額以上であるか否かを判断する第3の判断手段と、前記第3の判断手段により前記口座残高が前記1回の払出金額以上であると判断されると、前記現金自動払出機に前記払出金額の払い出しを指示すると共に、前記勘定系システムに前記払い出し指示に応じた前記銀行口座の口座残高の更新を指示する指示手段とを有し、前記現金自動払出機が、前記指示手段の指示に基づき前記払出金額を前記運転者に払い出す払出手段を有することを特徴とする現金払出システムが提供される。
【0009】
また、本発明の他の主要な観点によれば、ETC用車載器を搭載した車両が通過する第1のETCゲートおよび前記第1のETCゲートを通過した後に前記車両が通過する第2のETCゲートと通信可能である銀行のサーバと、この銀行のサーバと通信可能である現金自動払出機とを用いて、前記車両の運転者に現金の払い出しを行う現金払出方法であって、前記第1のETCゲートおよび前記第2のETCゲートはそれぞれ、前記車両が前記各ゲートの通信可能範囲に入ると、前記車両の前記ETC用車載器から前記ETC用車載器に挿入されているETCカードのカード情報を受信すると共に、受信した前記カード情報を前記銀行のサーバに送信するものであり、前記銀行のサーバは、前記ETCカードのカード情報、前記ETCカードの所有者についての前記現金自動払出機による現金の払い出しを行う契約の有無の情報、前記ETCカードの所有者が前記銀行内に所有する銀行口座の口座情報、および1回の払出金額を互いに対応づけて格納している契約マスタと、前記銀行口座の口座残高を管理する勘定系システムとを有するものであり、この方法は、前記銀行のサーバが、前記第1のETCゲートから前記ETCカードのカード情報を受信し、受信した前記カード情報を前記契約マスタに照会して当該カード情報について前記契約の有無を判断する第1の判断工程と、前記第2のETCゲートから前記ETCカードのカード情報を受信し、受信した前記カード情報を前記契約マスタに照会して当該カード情報について前記契約の有無を判断する第2の判断工程と、前記第1の判断工程および前記第2の判断工程の両方で前記カード情報に対応して前記契約が有ると判断されると、前記契約マスタの口座情報に基づき、又は、前記勘定系システムへの問い合わせを行うことにより、前記銀行口座の前記口座残高が前記1回の払出金額以上であるか否かを判断する第3の判断工程と、前記第3の判断工程により前記口座残高が前記1回の払出金額以上であると判断されると、前記現金自動払出機に前記払出金額の払い出しを指示すると共に、前記勘定系システムに前記払い出し指示に応じた前記銀行の口座残高の更新を指示する指示工程と、を行い、前記現金自動払出機が、前記指示工程の指示に基づき前記払出金額を前記運転者に払い出す払出工程を行うことを特徴とする現金払出方法が提供される。
【0010】
このように、本発明では、銀行のサーバが、車両のETC用車載器に挿入されているETCカードのカード情報と、そのETCカードの所有者についての現金自動払出機による現金の払い出しを行う契約の有無の情報と、前記ETCカードの所有者が前記銀行内に所有する銀行口座の口座情報とを対応づけて格納している契約マスタを有する。また、第1のETCゲートにおける第1の判断と第2のETCゲートにおける第2の判断の両方において受信したカード情報について契約が有ると判断されると、そのカード情報に対応した銀行口座の口座残高を確認する第3の判断を行う。そして、第3の判断において口座残高があると判断されると、銀行サーバが現金自動払出機に現金の払い出しを指示し、その指示に基づき現金自動払出機が運転者に現金を払い出す。これにより、前記車両の運転者は車両から降りることなく、前記銀行口座の現金を現金自動払出機から受け取ることができる。
【0011】
また、本発明では、前記契約マスタにはカード情報と対応づけられて1回の払出金額が格納されており、第3の判断において口座残高が前記1回の払出金額以上であると判断されると、銀行サーバが現金自動払出機にその1回の払出金額の払い出しを指示する。このように、前記車両の運転者は、銀行カードを現金自動払出機等に挿入することなく、また、現金自動払出機への引出金額の入力等の入力の手間をかけることなく、現金自動払出機から現金を受け取ることができる。
【0012】
また、本発明の実施形態によれば、前記現金払出システムにおいて、前記銀行のサーバが、前記ETCカードの所有者又は前記運転者の所持するコンピュータ端末からの要求に応じて、前記コンピュータ端末の表示装置に前記1回の払出金額の変更希望額の入力画面を表示させる表示手段と、前記入力画面に入力される前記変更希望額を受信し、受信した変更希望額によって前記契約マスタの1回の払出金額を更新する払出金額更新手段とをさらに有することを特徴とする現金払出システムが提供される。
【0013】
また、本発明の他の実施形態によれば、前記現金払出システムにおいて、前記銀行のサーバが、前記ETCカードの所有者又は前記運転者の所持するコンピュータ端末からの要求に応じて、前記コンピュータ端末の表示装置に、前記現金自動払出機による現金の払い出しを行う契約を変更するための契約変更内容の入力画面を表示させる表示手段と、前記入力画面に入力される前記契約変更内容を受信し、受信した契約変更内容によって前記契約マスタの前記現金自動払出機による現金の払い出しを行う契約の有無を更新する契約更新手段とをさらに有することを特徴とする現金払出システムが提供される。
【0014】
また、本発明のさらに他の実施形態によれば、前記現金払出システムにおいて、前記銀行のサーバが、前記ETCカードの所有者又は前記運転者の有するコンピュータ端末からの要求に応じて、前記コンピュータ端末の表示装置に前記現金自動払出機による現金の払い出しを行う契約の有無、または、前記1回の払出金額を表示させる表示手段をさらに有することを特徴とする現金払出システムが提供される。
【0015】
また、本発明のさらに他の実施形態によれば、前記現金払出システムにおいて、前記車両は、前記ETC用車載器に接続された表示装置を有し、このシステムは、前記銀行のサーバが、前記第1の判断手段で前記カード情報に対応して前記契約があると判断されると、前記契約マスタに格納されている前記1回の払出金額を前記第1のETCゲート又は前記第2のETCゲートに送信するサーバ送信手段と、前記第1又は第2のETCゲートが、前記サーバ送信手段から受信する前記1回の払出金額を前記表示装置に表示させるために前記ETC用車載器に送信するゲート送信手段とをさらに有することを特徴とする現金払出システムが提供される。
【0016】
また、本発明のさらに他の実施形態によれば、前記現金払出システムであって、前記車両は、前記ETC用車載器に接続された表示装置を有し、このシステムは、前記銀行のサーバが、前記第1又は第2の判断手段で前記契約が無いと判断された場合、又は、前記第3の判断手段によって前記銀行口座の前記口座残高が前記1回の払出金額以上でないと判断された場合に、その判断結果を前記第1又は第2のETCゲートに送信するサーバ送信手段と、前記第1又は第2のETCゲートが、前記サーバ送信手段から受信する前記判断結果を前記表示装置に表示させるために前記ETC用車載器に送信するゲート送信手段とをさらに有することを特徴とする現金払出システムが提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、車両の運転者は車両を降りることなく現金を受け取ることができ、しかも銀行カードの挿入や引出金額の入力等の入力の手間がかからないので、車両の運転者は銀行口座からの現金の引き出しを短時間で行うことができる。さらに、車両の運転者が幼児の母親、高齢者、脚が不自由な方の場合、これらの者は車両から降りることなく銀行口座から現金を引き出すことができる。このように、本発明は車両の運転者の労力や手間を軽減する上で極めて有利な発明である。
【0018】
なお、この発明の更なる他の特徴と顕著な効果は次の発明を実施するための最良の形態の項に記載された実施形態及び図面を参照することによって当業者に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る現金払出システムの概略構成を示す図
【図2】現金払出システムの概略構成斜視図
【図3】契約マスタの例
【図4】サーバ装置の概略構成を示す図
【図5】端末A、サーバ装置およびカード会社のサーバにおける処理を示すフローチャート
【図6】ETC車載装置、第1のETCゲート、第2のETCゲート、サーバ装置および現金自動払出機における処理を示すフローチャート
【図7】判断データの例
【図8】判断データの例
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態に係る現金払出システムを図面に基づき説明する。
【0021】
図1は本発明の一実施形態に係る現金払出システムの概略構成を示す図である。この現金払出システムは、公道等に並行するように設けられた本システム設置用の側道1と、側道1に設けられた第1のETCゲート100および第2のETCゲート200と、側道1における第2のETCゲート200の近傍に設けられた現金自動払出機300と、銀行Aに設置されているサーバ装置400と、銀行Aに設置されている勘定系システム500とを有する。サーバ装置400は第1および第2のゲート100,200とインターネット回線や専用回線等の通信回線を介して接続されており、勘定系システム500とも専用回線を介して接続されている。また、サーバ装置400はETCカードを発行しているカード会社のカード会社サーバとインターネット回線や専用回線等の通信回線を介して接続されている。銀行Aは、現金自動払出機300を設置した銀行であっても良く、現金自動払出機300を設置した銀行ではないが現金自動払出機300によって現金の払い出しを行うことができる銀行であっても良い。なお、周知のファイアウォール、Webサーバなどは図示を省略している。
【0022】
側道1は公道等と並行するように設けられており、公道を走っている車両が図2の矢印の方向に侵入できるようになっている。側道1の幅方向の両側には縁石2が設けられ、これにより、側道1に侵入した車両は両縁石2,2の間を図1の矢印の方向に進むことになる。側道1の入り口側には第1のETCゲート100が設けられ、側道1の出口側には第2のETCゲート200が設けられている。これにより、車両は第1のETCゲート100を通過した後に第2のETCゲート200を通過することになる。
【0023】
側道1の第1のETCゲート100の近傍には第1の遮断機10が設置されている。第1の遮断機10には開閉バー11が設けられ、開閉バー11が下りている状態では車両が第1の遮断機10の前を通過することができず、開閉バー11が上がると車両が第1の遮断機10の前を通過できるようになる。側道2の第2のETCゲート200の近傍にも第2の遮断機20が設置され、第2の遮断機20にも開閉バー21が設けられている。第1の遮断機10の場合と同様に、開閉バー21が下りている状態では車両が第2の遮断機20の前を通過することができず、開閉バー21が上がると車両が第2の遮断機20の前を通過できるようになる。
【0024】
前記現金自動払出機300は側道1の縁石2,2のうち車両の進行方向右側の縁石2上に設置されている。これにより、車両が右ハンドルである場合は車両の運転者が現金自動払出機300から払い出された現金を容易に受け取ることができる。尚、車両が左ハンドルであることを想定する場合は、車両の進行方向左側の縁石2上にも現金自動払出機300を設置することが可能である。現金自動払出機300は、ルーターやモデム等を有する送受信部310と、液晶画面等から成る表示装置320と、現金払出部330と、レシート出力部340とを有する。
【0025】
車両にはETC用車載装置600が取付けられている。ETC用車載器600は無線通信用のアンテナを有する送受信部610を有し、この送受信部610は後述する各ETCゲート100,200の送受信部110,210と無線通信するように構成されている。また、ETC用車両装置600は液晶画面を有する表示装置700に接続されている。表示装置700は車両に取付けられたカーナビゲーションシステムやオーディオシステムの表示装置であっても良く、ETC用車載器600専用の表示装置であっても良い。また、ETC用車載器600は、ETCカードが挿入されるカードリーダ620と、表示装置700に所定の表示を行わせる表示処理部630とを有する。
【0026】
各ETCゲート100,200にはそれぞれ無線通信用のアンテナやモデムやルーター等を有する送受信部110,210が設けられている。各送受信部110,210は、車両のETC用車載器600の送受信部610が各送受信部110,210の下方の所定の通信可能範囲に入ると、送受信部610と約5.8GHzの無線周波数帯で通信するように構成されている。送受信する情報の内容は、サーバ装置400等が行う処理の例(図6参照)に沿って後述する。また、各ETCゲート100,200はそれぞれ、サーバ装置400から受信する情報をETC用車載器600に送信するゲート送信部120,220と、ETC用車載器600の送受信部610から受信した情報を格納するためのカード情報格納部130,230とを有する。
【0027】
図4は本実施形態のサーバ装置400の概略構成を示す図である。このサーバ装置400は、CPU410と、RAM420と、モデムやルーター等のデータ通信に必要な構成を有する送受信部430と、契約マスタ格納部440と、プログラム格納部450と、ETCカード情報格納部460と、払出処理データ格納部470とを有する。契約マスタ格納部440は、図3に示すように、銀行Aにおける口座情報(口座名義、支店番号、預金種目、口座番号、住所や電話番号等の個人情報)と、ETCカードのカード情報と、現金自動払出機300による現金の払い出しを行う契約の有無と、1回の払出金額とを対応づけて格納している。
【0028】
このサーバ装置400は、プログラム格納部450に、コンピュータにそれぞれ所定の動作を行わせる契約者用画面表示処理部451、契約処理部452、第1の判断処理部453、遮断機操作部454、判断結果送信処理部455、第2の判断処理部456、第3の判断処理部457、および指示処理部458を有する。これらの機能については、第1のETCゲート100、第2のETCゲート200、サーバ装置400、現金自動払出機300等が行う処理の一例(図5および6参照)に沿って以下に説明する。
【0029】
勘定系システム500は銀行既存のシステムであり、モデムやルーター等のデータ通信に必要な構成を有する送受信部510と、口座データ格納部520とを有する。口座データ格納部520は口座番号ごとに口座残高や銀行取引の履歴を格納するものであり、銀行の勘定系システムに通常備わっているものである。尚、本実施形態ではサーバ装置400の構成と勘定系システム500の構成を別々に記載しているが、サーバ装置400と勘定系システム500とを1つの銀行サーバシステム内に設けることも可能である。
【0030】
続いて、図5を参照しながら、車両の運転者aが本サービス(現金自動払出機300で現金を引き出すサービス)の申込を行う時のサーバ装置400の処理について説明する。尚、本実施形態では、銀行Aのインターネットバンキングの仕組みを使って申込を行う場合について説明する。
【0031】
先ず、サーバ装置400の契約者用画面表示処理部451によって、運転者aの所有する端末Aの表示装置にインターネットバンキングのログインIDおよびパスワードを要求する画面が表示され、端末Aからサーバ装置400にログインIDおよびパスワードが送信されると(ステップS1)、これに応答して契約者用画面表示処理部451が端末Aの表示装置にログイン後のインターネットバンキングの契約者用画面を表示させる(ステップS2)。ここで、端末AはPDAや携帯電話等の携帯端末であってもよく、パーソナルコンピュータであっても良く、その他のコンピュータであっても良い。
【0032】
ステップS2で表示させる契約者用画面内には現金自動払出機300で現金を引き出すサービスの申込みのためのボタンが配置されており、端末Aにおいてそのボタンが操作されると、端末Aからサーバ装置400に本サービスの申込要求が送信され(ステップS3)、これに応じてサーバ装置400の契約処理部452により端末Aの表示装置に本サービスの契約用画面が表示される(ステップS4)。この契約用画面では、端末Aで申込を行おうとしている運転者aのETCカードのカード情報(ETCカードのカード番号、名義の情報等)の入力と、現金自動払出機300による1回の払出金額の入力が求められる。
【0033】
続いて、端末AにETCのカード情報等が入力されて送信されると(ステップS5)、サーバ装置400は、契約処理部452により、端末Aから送信される情報を受信してETCカード情報格納部460に格納する(ステップS6)。続いて、サーバ装置400は、契約処理部452により、受信したETCのカード情報を当該ETCカードの発行元であるカード会社のサーバに送信するとともに、その照会を要求する(ステップS7)。ここで、カード会社のサーバは、ETCカードのカード番号、カード名義等を対応させて格納しているETC契約マスタを有する。カード会社のサーバでは、ステップS7でサーバ装置400から送信されるカード情報等がETC契約マスタの情報と対応しているか否かを判断し(ステップS8)、その判断結果をサーバ装置400に送信する(ステップS9)。尚、サーバ装置400は前記ステップS7と同様の照会を定期的に行い、サーバ装置400が有する前記カード情報とカード会社のETC契約マスタの情報とが一致していることを継続的に確認する。
【0034】
続いて、サーバ装置400は、契約処理部452により、ステップS8において対応していると判断されている場合は、運転者aの情報を図3に示すような契約マスタを格納する(ステップS10)。ステップS10では、運転者aが銀行Aに有する口座の情報と、ステップS6で端末Aから受信した情報とを対応させて格納する。尚、ステップS8において対応していると判断されない場合は、ステップS10では何も行わない。
【0035】
続いて、サーバ装置400は、契約処理部452により、ステップ10で契約マスタに運転者aの情報を格納した場合は契約が完了したことを端末Aに送信し、ステップS10で何も行われなかった場合は契約ができかったことを端末Aに送信する(ステップS11)。ステップS11で契約ができなかったことを送信する場合は、その理由も併せて送信することが可能である。
【0036】
このように、ステップS1〜S11を行うことにより、運転者aは現金自動払出機300で現金を引き出すサービスの契約を行うことができる。尚、本サービスの申込は、ステップS5で送信される内容を銀行Aに郵送することによっても行うことが可能である。
【0037】
また、運転者aは端末Aやその他の端末から前記契約者用画面にログインし、前記契約の内容を変更することができる。例えば、前記契約者用画面に契約内容の変更を要求するボタンを配置し、その要求が端末Aからサーバ装置300に送信されると(ステップS12)、サーバ装置300の契約処理部452が端末Aの表示装置に契約の変更内容入力画面を表示させる(ステップS13)。ここに運転者aが例えば1回の払出金額や契約の中止や再開等の変更内容を入力し送信すると(ステップS14)、サーバ装置300は契約処理部452によって契約マスタの内容を更新し、(ステップS15)、契約マスタが更新されたことを端末Aに送信する(ステップS16)。このように、運転者aはいつでも契約内容を更新することが可能である。
【0038】
続いて、図6を参照しながら、車両の運転者aが本サービス(現金自動払出機300で現金を引き出すサービス)を利用する時の第1のETCゲート100、第2のETCゲート200、サーバ装置400および現金自動払出機300の処理について説明する。
【0039】
先ず、運転者aが運転する車両が公道から側道1に入り、その車両のETC用車載器600の送受信部610が第1のETCゲート100の通信可能範囲に入ると、車載器600から第1のETCゲート100にETC用車載器600に挿入されているETCカードのカード情報が送信される(ステップS21)。また、第1のETCゲート100は、ETC用車載器600から送信されるカード情報を受信すると共に、そのカード情報をカード情報格納部130に格納する(ステップS22)。
【0040】
続いて、第1のETCゲート100は受信したカード情報をサーバ装置400に送信し(ステップS23)、サーバ装置400は、第1の判断処理部453によって、第1のETCゲート100から受信するカード情報を契約マスタに照会し、当該カード情報について前記契約の有無を判断する第1の判断処理を行う(ステップS24)。この時、サーバ装置400は例えば図7に示すような判断データを作成する。
【0041】
第1の判断処理において前記契約が有ると判断されると、サーバ装置400は遮断機操作部454により、通常は下りた状態になっている第1の遮断機10の開閉バー11を上げる(ステップS25)。なお、開閉バー11は車両が通り過ぎると下りた状態になる。同時に、サーバ装置400は、判断結果送信処理部455により、当該カード情報に対応する1回の払出金額を第1のETCゲート100に送信し(ステップS26)、第1のETCゲート100はゲート送信部120によりサーバ装置400から受信した1回の払出金額をETC用車載器600に送信する(ステップS27)。そして、ETC用車載器600は表示処理部630により、表示装置700に第1のETCゲート100から受信した1回の払出金額を表示させる(ステップS28)。
【0042】
一方、第1の判断処理において前記契約が無いと判断されると、サーバ装置400は、遮断機操作部454により、通常は下りた状態になっている第1の遮断機10の開閉バー11を上げると共に、通常は下りた状態になっている第2の遮断機20の開閉バー21を上げる。同時に、サーバ装置400は、判断結果送信処理部455により、当該ETCカードについては現金自動払出機300で現金を引き出すサービスの契約が無いことを第1のETCゲート100に送信し、第1のETCゲート100はゲート送信部120によりサーバ装置400から受信した前記情報(契約が無いこと)をETC用車載器600に送信する。そして、ETC用車載器600は表示処理部630により、表示装置700に第1のETCゲート100から受信した前記情報を表示させる。これにより、運転者aは、契約が無いことを知ると共に、側道1を通り抜けることができる。
【0043】
ステップS28の後、車両が前方に進んで第2の遮断機20の開閉バー21の前まで行くと、車両のETC用車載器600の送受信部610が第2のETCゲート200の通信可能範囲に入り、車載器600から第2のETCゲート200にETC用車載器600に挿入されているETCカードのカード情報が送信される(ステップS29)。また、第2のETCゲート200は、車載器600から送信されるカード情報を受信すると共に、そのカード情報をカード情報格納部230に格納する(ステップS30)。なお、この時、車両の運転席の横に現金自動払出機300がきているのが望ましい。
【0044】
続いて、第2のETCゲート200は受信したカード情報をサーバ装置400に送信し(ステップS31)、サーバ装置400は、第2の判断処理部456によって、第2のETCゲート200から受信するカード情報を契約マスタに照会し、当該カード情報について前記契約の有無を判断する第2の判断処理を行う(ステップS32)。この時、サーバ装置400は、図7のような判断データに第2の判断処理結果を追加して図8に示すような判断データを作成する。
【0045】
続いて、サーバ装置400は、第3の判断処理部457により、図8のデータで第1および第2の判断処理の両方で前記カード情報について前記契約が有ると判断されると、勘定系システム600に問い合わせることにより、運転者aの口座の口座残高が前記1回の払出金額以上であるか否かを判断する第3の判断処理を行う(ステップS33)。
【0046】
第3の判断処理において口座残高が前記1回の払出金額以上であると判断されると、サーバ装置400は、指示処理部458により、現金自動払出機300に前記1回の払出金額の払い出しを指示し(ステップS34)、また、勘定系システム600に前記1回の払出金額の払い出し指示に応じた運転者aの口座残高の更新を指示する口座データ更新処理を行う(ステップS35)。また、現金自動払出機300は、前記払出指示に基づき、現金払出部330から前記払出金額を運転者aに払い出すと共に、レシート出力部によって取引結果を印刷し出力する現金払出処理を行う(ステップS36)。その後、サーバ装置400は、遮断機操作部454により、通常は下りた状態になっている第2の遮断機20の開閉バー21を上げる(ステップS37)。なお、開閉バー21は車両が通り過ぎると下りた状態になる。
【0047】
一方、第3の判断処理において口座残高が前記1回の払出金額未満であると判断されると、サーバ装置400は、遮断機操作部454により、通常は下りた状態になっている第2の遮断機20の開閉バー21を上げる。同時に、サーバ装置400は、判断結果送信処理部455により、口座残高が前記1回の払出金額未満であることを第2のETCゲート200に送信し、第2のETCゲート200はゲート送信部220によりサーバ装置400から受信した前記情報(口座残高が不足していること)をETC用車載器600に送信する。そして、ETC用車載器600は表示処理部630により、表示装置700に第2のETCゲート200から受信した前記情報を表示させる。これにより、運転者aは、口座残高が不足していることを知ると共に、側道1を通り抜けることができる。
【0048】
このように、本実施形態では、銀行Aのサーバ装置400が、車両のETC用車載器600に挿入されているETCカードのカード情報と、そのETCカードの所有者である運転者aについての現金自動払出機300による現金の払い出しを行う契約の有無の情報と、運転者aが銀行A内に所有する口座の口座情報とを対応づけて格納している契約マスタを有する。また、第1のETCゲート100における第1の判断処理と第2のETCゲート200における第2の判断処理の両方において受信したカード情報について契約が有ると判断されると、そのカード情報に対応した銀行口座の口座残高を確認する第3の判断処理を行う。そして、第3の判断処理において口座残高があると判断されると、サーバ装置400が現金自動払出機300に現金の払い出しを指示し、その指示に基づき現金自動払出機300が運転者aに現金を払い出す。これにより、前記車両の運転者aは車両から降りることなく、銀行口座の現金を現金自動払出機300から受け取ることができる。
【0049】
また、本実施形態では、前記契約マスタにはカード情報と対応づけられて1回の払出金額が格納されており、第3の判断処理において口座残高が前記1回の払出金額以上であると判断されると、サーバ装置400が現金自動払出機300にその1回の払出金額の払い出しを指示する。このように、前記車両の運転者aは、銀行カードを現金自動払出機300等に挿入することなく、また、現金自動払出機300への引出金額の入力等の入力の手間をかけることなく、現金自動払出機300から現金を受け取ることができる。
【0050】
このように、車両の運転者aは車両を降りることなく現金を受け取ることができ、しかも銀行カードの挿入や引出金額の入力等の入力の手間がかからないので、車両の運転者aは銀行口座からの現金の引き出しを短時間で行うことができる。さらに、車両の運転者aが幼児の母親、高齢者、脚が不自由な方の場合、これらの者は車両から降りることなく銀行口座から現金を引き出すことができる。このように、本実施形態は車両の運転者aの労力や手間を軽減する上で極めて有利な発明である。
【0051】
また、本実施形態では、サーバ装置400が、運転者a(カードの所有者でもある)の所持する端末Aからの要求に応じて、端末Aの表示装置に前記1回の払出金額の変更希望額の入力画面を表示させるようになっている。また、サーバ装置400は、前記入力画面に入力される前記変更希望額を受信し、受信した変更希望額によって前記契約マスタの1回の払出金額を更新する。このように、側道1に入る直前等に端末Aを使って1回の払出金額を変更することができるので、運転者aは銀行口座からの現金の引き出しを効率良く行うことができる。
【0052】
また、本実施形態では、サーバ装置400が、運転者a(カードの所有者でもある)の所持する端末Aからの要求に応じて、端末Aの表示装置に現金自動払出機300による現金の払い出しを行う契約を変更するための契約変更内容の入力画面を表示させるようになっている。また、サーバ装置400は、前記入力画面に入力される前記契約変更内容を受信し、受信した契約変更内容によって前記契約マスタの前記現金自動払出機による現金の払い出しを行う契約の有無を更新するようになっている。このように、側道1に入る直前等に端末Aを使って契約内容を変更することができるので、運転者aは銀行口座からの現金の引き出しを効率良く行うことができる。
【0053】
また、本実施形態では、サーバ装置400が、第1の判断処理でカード情報に対応して前記契約があると判断されると、前記契約マスタに格納されている前記1回の払出金額を第1のETCゲート100に送信するようになっている。また、第1のETCゲート100が、サーバ装置400から受信する前記1回の払出金額を表示装置700に表示させるためにETC用車載器600に送信するようになっている。このように、第1のETCゲート100の認証の時点で運転者aは1回の払出金額を確認することができる。このため、現金自動払出機300の所で直接に払出金額を入力しない本システムにおいても、運転者aは引き出される金額に不安を覚えることがない。
【0054】
また、本実施形態では、サーバ装置400が、第3の判断処理によって銀行口座の口座残高が前記1回の払出金額以上でないと判断された場合に、その判断結果を前記は第2のETCゲート200に送信するようになっている。また、第2のETCゲート200が、サーバ装置400から受信する前記判断結果を表示装置700に表示させるためにETC用車載器600に送信するようになっている。このように、運転者aは口座残高が不足しているために現金の引き出しができないことを知ることができ、本システムにおける取引を円滑に行う上で極めて有利である。
【0055】
尚、本実施形態において、サーバ装置400の契約者用画面表示処理部451によって、運転者aの端末に前記現金自動払出機300による現金の払い出しを行う契約の有無や、前記1回の払出金額を表示させることが可能である。この場合、運転者aは端末Aを用いて側道1に入る前に契約の有無や1回の払出金額を確認することができるので、本システムにおける取引を円滑に行う上で極めて有利である。
【0056】
尚、本実施形態では、各ETCゲート100,200としてアーチ型のものを示したが、ETC用車載器600と無線通信する送受信部110,120が設けられたものであれば、どのような形状のものでも本実施形態のETC100,200として用いることが可能である。
【0057】
尚、本実施形態では、第1のETCゲート100、第2のETCゲート200および現金自動払出機300とサーバ装置400との間で直接にカード情報等の送受信を行うものを示した。これに対し、第1のETCゲート100、第2のETCゲート200および現金自動払出機300とサーバ装置400との間に他の銀行のサーバや統合ATMシステム等が介在する場合でも、第1のETCゲート100、第2のETCゲート200および現金自動払出機300とサーバ装置400とが通信可能であり、カード情報などを送受信できるのであれば、前述と同じ効果を奏する。
【0058】
尚、本実施形態では、ステップS33において、勘定系システム600に問い合わせることにより、運転者aの口座の口座残高が前記1回の払出金額以上であるか否かを判断している。これに対し、図3に示されるような契約マスタに口座残高を格納しておく場合は、運転者aの口座の口座残高が前記1回の払出金額以上であるか否かを契約マスタに基づいて判断することが可能となる。
【0059】
尚、この発明は上記一実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
【符号の説明】
【0060】
1…側道、2…縁石、10…第1の遮断機、20…第2の遮断機、100…第1のETCゲート、110…送受信機、200…第2のETCゲート、210…送受信機、300…現金自動払出機、400…サーバ装置、440…契約マスタ格納部、453…第1の判断処理部、456…第2の判断処理部、457…第3の判断処理部、458…指示部、500…勘定系システム、520…口座データ格納部、600…ETC用車載器、610…送受信部、620…カードリーダ、700…表示装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ETC(登録商標)用車載器を搭載した車両が通過する第1のETCゲートと、前記第1のETCゲートを通過した後に前記車両が通過する第2のETCゲートと、前記第1および第2のETCゲートと通信可能である銀行のサーバと、この銀行のサーバと通信可能である現金自動払出機とを有し、前記車両の運転者に現金の払い出しを行う現金払出システムであって、
前記第1のETCゲートおよび前記第2のETCゲートはそれぞれ、前記車両が前記各ゲートの通信可能範囲に入ると、前記車両の前記ETC用車載器から前記ETC用車載器に挿入されているETCカードのカード情報を受信すると共に、受信した前記カード情報を前記銀行のサーバに送信するものであり、
このシステムは、
前記銀行のサーバが、
前記ETCカードのカード情報と、前記ETCカードの所有者についての前記現金自動払出機による現金の払い出しを行う契約の有無の情報と、前記ETCカードの所有者が前記銀行内に所有する銀行口座の口座情報と、1回の払出金額とを対応づけて格納している契約マスタと、
前記銀行口座の口座残高を管理する勘定系システムと、
前記第1のETCゲートから前記ETCカードのカード情報を受信し、受信した前記カード情報を前記契約マスタに照会して当該カード情報について前記契約の有無を判断する第1の判断手段と、
前記第2のETCゲートから前記ETCカードのカード情報を受信し、受信した前記カード情報を前記契約マスタに照会して当該カード情報について前記契約の有無を判断する第2の判断手段と、
前記第1の判断手段および前記第2の判断手段の両方で前記カード情報に対応して前記契約が有ると判断されると、前記契約マスタの前記口座情報に基づき、又は、前記勘定系システムへの問い合わせを行うことにより、前記銀行口座の前記口座残高が前記1回の払出金額以上であるか否かを判断する第3の判断手段と、
前記第3の判断手段により前記口座残高が前記1回の払出金額以上であると判断されると、前記現金自動払出機に前記払出金額の払い出しを指示すると共に、前記勘定系システムに前記払い出し指示に応じた前記銀行口座の口座残高の更新を指示する指示手段と
を有し、
前記現金自動払出機が、
前記指示手段の指示に基づき前記払出金額を前記運転者に払い出す払出手段
を有する
ことを特徴とする現金払出システム。
【請求項2】
請求項1記載の現金払出システムにおいて、
前記銀行のサーバが、
前記ETCカードの所有者又は前記運転者の所持するコンピュータ端末からの要求に応じて、前記コンピュータ端末の表示装置に前記1回の払出金額の変更希望額の入力画面を表示させる表示手段と、
前記入力画面に入力される前記変更希望額を受信し、受信した変更希望額によって前記契約マスタの1回の払出金額を更新する払出金額更新手段と
をさらに有する
ことを特徴とする現金払出システム。
【請求項3】
請求項1記載の現金払出システムにおいて、
前記銀行のサーバが、
前記ETCカードの所有者又は前記運転者の所持するコンピュータ端末からの要求に応じて、前記コンピュータ端末の表示装置に、前記現金自動払出機による現金の払い出しを行う契約を変更するための契約変更内容の入力画面を表示させる表示手段と、
前記入力画面に入力される前記契約変更内容を受信し、受信した契約変更内容によって前記契約マスタの前記現金自動払出機による現金の払い出しを行う契約の有無を更新する契約更新手段と
をさらに有する
ことを特徴とする現金払出システム。
【請求項4】
請求項1記載の現金払出システムにおいて、
前記銀行のサーバが、
前記ETCカードの所有者又は前記運転者の有するコンピュータ端末からの要求に応じて、前記コンピュータ端末の表示装置に前記現金自動払出機による現金の払い出しを行う契約の有無、または、前記1回の払出金額を表示させる表示手段
をさらに有する
ことを特徴とする現金払出システム。
【請求項5】
請求項1記載の現金払出システムにおいて、
前記車両は、前記ETC用車載器に接続された表示装置を有し、
このシステムは、
前記銀行のサーバが、前記第1の判断手段で前記カード情報に対応して前記契約があると判断されると、前記契約マスタに格納されている前記1回の払出金額を前記第1のETCゲート又は前記第2のETCゲートに送信するサーバ送信手段と、
前記第1又は第2のETCゲートが、前記サーバ送信手段から受信する前記1回の払出金額を前記表示装置に表示させるために前記ETC用車載器に送信するゲート送信手段と
をさらに有する
ことを特徴とする現金払出システム。
【請求項6】
請求項1記載の現金払出システムであって、
前記車両は、前記ETC用車載器に接続された表示装置を有し、
このシステムは、
前記銀行のサーバが、前記第1又は第2の判断手段で前記契約が無いと判断された場合、又は、前記第3の判断手段によって前記銀行口座の前記口座残高が前記1回の払出金額以上でないと判断された場合に、その判断結果を前記第1又は第2のETCゲートに送信するサーバ送信手段と、
前記第1又は第2のETCゲートが、前記サーバ送信手段から受信する前記判断結果を前記表示装置に表示させるために前記ETC用車載器に送信するゲート送信手段と
をさらに有する
ことを特徴とする現金払出システム。
【請求項7】
ETC(登録商標)用車載器を搭載した車両が通過する第1のETCゲートおよび前記第1のETCゲートを通過した後に前記車両が通過する第2のETCゲートと通信可能である銀行のサーバと、この銀行のサーバと通信可能である現金自動払出機とを用いて、前記車両の運転者に現金の払い出しを行う現金払出方法であって、
前記第1のETCゲートおよび前記第2のETCゲートはそれぞれ、前記車両が前記各ゲートの通信可能範囲に入ると、前記車両の前記ETC用車載器から前記ETC用車載器に挿入されているETCカードのカード情報を受信すると共に、受信した前記カード情報を前記銀行のサーバに送信するものであり、
前記銀行のサーバは、前記ETCカードのカード情報、前記ETCカードの所有者についての前記現金自動払出機による現金の払い出しを行う契約の有無の情報、前記ETCカードの所有者が前記銀行内に所有する銀行口座の口座情報、および1回の払出金額を互いに対応づけて格納している契約マスタと、前記銀行口座の口座残高を管理する勘定系システムとを有するものであり、
この方法は、
前記銀行のサーバが、
前記第1のETCゲートから前記ETCカードのカード情報を受信し、受信した前記カード情報を前記契約マスタに照会して当該カード情報について前記契約の有無を判断する第1の判断工程と、
前記第2のETCゲートから前記ETCカードのカード情報を受信し、受信した前記カード情報を前記契約マスタに照会して当該カード情報について前記契約の有無を判断する第2の判断工程と、
前記第1の判断工程および前記第2の判断工程の両方で前記カード情報に対応して前記契約が有ると判断されると、前記契約マスタの口座情報に基づき、又は、前記勘定系システムへの問い合わせを行うことにより、前記銀行口座の前記口座残高が前記1回の払出金額以上であるか否かを判断する第3の判断工程と、
前記第3の判断工程により前記口座残高が前記1回の払出金額以上であると判断されると、前記現金自動払出機に前記払出金額の払い出しを指示すると共に、前記勘定系システムに前記払い出し指示に応じた前記銀行の口座残高の更新を指示する指示工程と、
を行い、
前記現金自動払出機が、
前記指示工程の指示に基づき前記払出金額を前記運転者に払い出す払出工程
を行う
ことを特徴とする現金払出方法。
【請求項8】
請求項7記載の現金払出方法において、
前記銀行のサーバが、
前記ETCカードの所有者又は前記運転者の所持するコンピュータ端末からの要求に応じて、前記コンピュータ端末の表示装置に前記1回の払出金額の変更希望額の入力画面を表示させる表示工程と、
前記入力画面に入力される前記変更希望額を受信し、受信した変更希望額によって前記契約マスタの1回の払出金額を更新する払出金額更新工程と
をさらに行う
ことを特徴とする現金払出方法。
【請求項9】
請求項7記載の現金払出方法において、
前記銀行のサーバが、
前記ETCカードの所有者又は前記運転者の所持するコンピュータ端末からの要求に応じて、前記コンピュータ端末の表示装置に、前記現金自動払出機による現金の払い出しを行う契約を変更するための契約変更内容の入力画面を表示させる表示工程と、
前記入力画面に入力される前記契約変更内容を受信し、受信した契約変更内容によって前記契約マスタの前記現金自動払出機による現金の払い出しを行う契約の有無を更新する契約更新工程と
をさらに有する
ことを特徴とする現金払出方法。
【請求項10】
請求項7記載の現金払出方法において、
前記銀行のサーバが、前記ETCカードの所有者又は前記運転者の所持するコンピュータ端末からの要求に応じて、前記コンピュータ端末の表示装置に前記現金自動払出機による現金の払い出しを行う契約の有無、または、前記1回の払出金額を表示させる表示工程をさらに行う
ことを特徴とする現金払出方法。
【請求項11】
請求項1記載の現金払出方法において、
前記車両は、前記ETC用車載器に接続された表示装置を有し、
この方法は、
前記銀行のサーバが、前記第1の判断工程で前記カード情報に対応して前記契約があると判断されると、前記契約マスタに格納されている前記1回の払出金額を前記第1のETCゲート又は前記第2のETCゲートに送信するサーバ送信工程と、
前記第1のETCゲートが、前記サーバ送信工程によって送信された前記1回の払出金額を前記表示装置に表示させるために前記ETC用車載器に送信するゲート送信工程と
をさらに有する
ことを特徴とする現金払出方法。
【請求項12】
請求項1記載の現金払出方法において、
前記車両は、前記ETC用車載器に接続された表示装置を有し、
この方法は、
前記銀行のサーバが、前記第1又は第2の判断手段で前記契約が無いと判断された場合、又は、前記第3の判断手段によって前記銀行口座の前記口座残高が前記1回の払出金額以上でないと判断された場合に、その判断結果を前記第1又は第2のETCゲートに送信するサーバ送信工程と、
前記第1又は第2のETCゲートが、前記サーバ送信工程から受信する前記判断結果を前記表示装置に表示させるために前記ETC用車載器に送信するゲート送信工程と
をさらに有する
ことを特徴とする現金払出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−97481(P2013−97481A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238211(P2011−238211)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(397077955)株式会社三井住友銀行 (120)
【Fターム(参考)】