説明

環状に配置された送達装置および取出し装置を有する化学反応器、ならびに関連するシステムおよび方法

環状に配置された送達装置および取出し装置を有する化学反応器、ならびに関連するシステムおよび方法であって、特定の実施形態による反応器は、反応領域の近くに光透過性面を有する反応容器と、反応容器内に配置された可動の反応体送達システムとを備え、この反応器は、反応容器内に配置され、送達システムの内側または外側に環状に配置された生成物を取り出すシステムをさらに備え、光透過性面を通して反応領域に太陽放射を導くように、太陽エネルギー集中装置が配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、一般に、環状に配置された反応体送達装置および生成物取出し装置を有する化学反応器、ならびにそれに関連するシステムおよび方法に関する。特定の実施形態では、これらの装置を有する反応器システムは、広く様々な原料油から清浄燃焼性水素ベース燃料を高いエネルギー効率で生成するために使用することができ、水素ベースの燃料を形成するとき放出される炭素および/または他の元素から構造構築ブロックを生成することができる。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本発明は、2010年2月13日出願の米国特許出願第61/304,403号明細書、件名「FULL SPECTRUM ENERGY AND RESOURCE INDEPENDENCE」の優先権および特典を主張する。同出願は参照により全体を本明細書に援用する。前述の出願および/または参照により本明細書に援用されるいずれの他の資料も本明細書に示された開示と矛盾する場合には、本明細書の開示が優先する。
【0003】
太陽エネルギー、風、波、落下水、バイオマスをベースとした供給源などの再生可能エネルギー供給源は、重要なエネルギー供給源として極めて大きな可能性を有するが、現時点では、広く採用されるのを妨げる様々な問題を抱えている。たとえば、発電への再生可能エネルギー供給源の使用は、その供給源の利用可能性に依存しており、それは間欠的であり得る。中でも、太陽エネルギーは陽光の利用可能性によって制約され(すなわち日中のみ)、風エネルギーは風の変動性によって制約され、落下水エネルギーは渇水によって制約され、バイオマスエネルギーは季節的変化によって制約される。これらおよび他の要因の結果として、再生可能供給源からの、捕捉されまたは捕捉されなかった多量のエネルギーが、無駄になりやすい。
【0004】
エネルギーの捕捉および保存に関する前述の非効率性が、それら非効率性がしばしばエネルギー生成の高コスト化をもたらすので、世界の多くの地域向けに発展し得るエネルギー供給体へ再生可能エネルギー供給源が拡張することを制約している。したがって、少なくとも部分的には、化石燃料に関連する技術開発を支援する政府の助成金および他のプログラムが、その種の燃料を使用することを一見好都合で見かけ上費用が掛からないとするので、世界は、主要なエネルギー供給源として石油および他の化石燃料に頼り続ける。同時に、使い果たされた資源に対する代替コスト、ならびに環境劣化、健康への影響、および化石燃料使用による他の副産物についてのコストは、これら燃料から生じるエネルギーの購入価格に含まれていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第61/401,699号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
再生可能エネルギーを継続的に生成することに現時点で関連する前述および他の欠点を考慮すると、上記供給源により製品および燃料を製造することに関する効率および商業的成立性を改善する必要性が残る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1.概要
化学反応器内で反応体および生成物を取り扱う装置、システムおよび方法のいくつかの例が以下に説明される。特定の実施形態において、それらの装置は、反応体が圧縮され、加熱される効率を向上させて、反応の全体効率を向上させることができる。それらの装置を備える反応器を使用して、バイオマスおよび/または他の廃棄物流から水素燃料および/または他の有用な最終生成物を生成することができる。したがって、反応器は清浄燃焼性燃料を生成することができ、ポリマーおよび炭素複合材料を含む耐久財に使用するために、炭素および/または他の成分を再利用することができる。以下の説明は、当業者がそれら例を実施し、製作し、使用することを可能にするために十分なように、下記の例の多くの特定の細部を示すが、以下に説明されるいくつかの細部および利点は、本技術の特定の例を実施するために必要ないこともある。さらに、本技術は、特許請求の範囲には包含されるが、ここでは詳細には説明されていない別の例も含み得る。
【0008】
この明細書を通して「一例」、「例」、「一実施形態」、または「実施形態」という言及は、その例に関連して説明されている特定の特徴、構造、プロセス、または特性が、本技術の少なくとも1つの例に含まれていることを意味する。したがって、この明細書を通して様々な箇所で語句「一例では」、「例では」、「一実施形態」、または「実施形態」が現れたとき、必ずしもすべてが同じ例を指す訳ではない。さらに、特定の特徴、構造、ルーチン、ステップ、または特性は、本技術の1つまたは複数の例において任意の適切な態様で組み合わせることができる。本明細書で示される見出しは、単に便宜的なものであり、特許請求の範囲に記載された技術の範囲または趣旨を限定または説明するものではない。
【0009】
以下に説明される本技術のいくつかの実施形態は、プログラマブルコンピュータまたはコントローラによって実行されるルーチンを含めて、コンピュータで実行可能な命令の形態を取ることができる。当業者は、本技術が、以下に示され説明されるもの以外のコンピュータまたはコントローラシステム上でも実施することができることを理解するであろう。本技術は、以下に説明される1つまたは複数のコンピュータで実行可能な命令を実行するように固有にプログラムされ、構成され、または構築された専用コンピュータ、コントローラ、またはデータプロセッサで具体化することができる。したがって、本明細書に全般的に使用されている用語「コンピュータ」および「コントローラ」は、あらゆるデータプロセッサを指し、インターネット機器、ハンドヘルドデバイス、多重プロセッサシステム、プログラマブルコンシューマエレクトロニクス(programmable consumer electronics)、ネットワークコンピュータ、ミニコンピュータなどを含み得る。本技術はまた、タスクまたはモジュールが、通信ネットワークを介してリンクされているリモートプロセッシングデバイス(remote processing device)によって実行される分散環境で実施することもできる。以下に説明される本技術の態様は、磁気もしくは光学的可読コンピュータディスクまたは磁気もしくは光学的リムーバブルコンピュータディスク、あるいはネットワーク上で電子的に分散された媒体を含めて、コンピュータ可読媒体上に記憶しまたは分散処理することができる。特定の実施形態では、本技術の態様に特有のデータ構造、およびデータ伝送もまた、本技術の範囲に包含される。本技術は、特定のステップを実施するためにコンピュータ可読媒体をプログラムする方法、ならびにそれらステップを実行する方法を共に包含する。
【0010】
特定の実施形態による化学反応器は、反応領域の近くに光透過性面を有する反応容器を備える。この反応器は、反応容器内に配置された可動の反応体送達システムと、容器内に配置され、送達システムの内側または外側に環状に配置された生成物取出しシステムとをさらに備える。光透過性面を通して反応領域に太陽放射を導くように、太陽エネルギー集中装置が配置されている。反応体送達システムと生成物取出しシステムの間のこの環状関係は、出て行く生成物と入って来る反応体の間の熱伝達を促進することができ、反応器に入る前の入来反応体の圧縮を容易にすることができる。
【0011】
本技術の特定の実施形態による方法は、太陽放射を集中させるステップと、集中させた太陽放射を、反応容器の光透過面を通して反応容器内の反応領域に導くステップとを含む。反応体送達システムを作動させて反応領域に反応体を導く。この方法は、反応領域で吸熱反応を実行して生成物を生成するステップと、反応体送達システムの内側または外側に環状に配置された生成物取出しシステムを作動させて、反応領域から生成物を取り出すステップとをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】反応容器に熱を導く太陽エネルギー集中装置を有する本開示技術の実施形態によるシステムの部分的に概略化された図である。
【図2】反応領域への太陽エネルギーの送達を制御する本開示技術の実施形態による追加の機構を備える反応容器の一部分の部分的に概略化された拡大図である。
【図3】本開示の実施形態による環状に配置された生成物取出しシステムおよび反応体送達システムを有する反応容器の実施形態の部分的に概略化された断面図である。
【図4】半径方向のテーパが付けられたスクリュースレッド(screw thread)を有する本開示技術の実施形態による反応体送達システムの部分的に概略化された断面図である。
【図5】軸方向に狭くなるスクリュースレッドチャネル(channel)を備える本開示技術の実施形態による反応体送達システムを有する反応容器の部分的に概略化された断面図である。
【図6】テーパの付いた壁を有する円筒内に環状に配置されたピストンを備える本開示技術の他の実施形態による反応体送達システムを有する反応容器の部分的に概略化された断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
2.代表的反応器および関連方法
図1は、反応領域111を有する反応容器110を備えるシステム100の部分的に概略化された図である。システム100は、反応領域111に太陽エネルギー103を導く太陽エネルギー収集装置101をさらに備える。太陽エネルギー収集装置101は、皿配置、樋配置、ヘリオスタット配置、フレネルレンズおよび/または他の放射集束要素を含み得る。反応容器110および太陽エネルギー収集装置101は架台102に取り付けることができ、架台102は、地球の回転に従って太陽エネルギー103を効率的に集束させ続けるために、太陽エネルギー収集装置101が、直交する少なくとも2つの軸を軸に回転することを可能にする。システム100は、第1の反応体容器170aおよび第2の反応体容器170bならびに第1の生成物容器170cおよび第2の生成物容器170dを含む複数の反応体/生成物容器170をさらに備え得る。特定の実施形態において、第1の反応体容器170aは、メタンなどの水素および炭素を含む反応体を供給することができ、この反応体は、反応領域111において吸熱反応で処理されて水素および炭素を生成し、生成された水素および炭素はそれぞれ、第1の生成物容器170cおよび第2の生成物容器170dに送られる。他の実施形態では、他の反応体、たとえば地方自治体の固体廃棄物流、バイオマス反応体および/または他の廃棄物流を、第2の反応体容器170bの一部を形成するホッパ171に投入することができる。これらのどの実施形態でも、内部の反応体送達システムおよび内部の生成物取出しシステムが、反応体を反応領域111に供給し、反応領域111から生成物を取り出す。これについては図3〜6を参照して後により詳細に説明する。
【0014】
システム100は、反応領域111において吸熱反応を持続させるのに利用可能な太陽エネルギー103が不十分であるときに反応領域111に熱を供給する補助熱供給源180をさらに備え得る。特定の実施形態では、補助熱供給源180が誘導加熱器181を備え得、誘導加熱器181は、日中は反応領域111から離して配置されて、集中させた太陽エネルギー103が反応領域111に入ることを可能にし、夜間は、反応領域111の上にスライドして反応領域111に熱を供給することができる。誘導加熱器181の電力は、再生可能なクリーンエネルギーの供給源によって供給することができ、たとえば反応容器110によって日中に生成された水素、または落下水、地熱エネルギー、風力エネルギーもしくは他の適切な供給源によって供給することができる。
【0015】
前述のどの実施形態でも、システム100は、入力信号191を受け取り、システム100を構成する諸装置の動作を制御信号または他の出力192を介して指示するコントローラ190をさらに備え得る。たとえば、コントローラ190は、反応領域111において反応を持続させるのに入射太陽放射が不十分であることを知らせる信号を放射センサ193から受け取ることができる。それに応答して、コントローラ190は、補助熱供給源180を作動させるコマンドを発することができる。コントローラ190は、反応体送達システムおよび生成物取出しシステムに指示することもでき、これについては図3〜6を参照して後にさらに説明する。
【0016】
図2は、図1に示した反応容器110の実施形態の部分的に概略化された図であり、入射太陽エネルギー103が反応領域111に入ることを可能にするように配置された透過構成要素112を示す図である。特定の実施形態では、透過構成要素112がガラスを含み得、または太陽放射を容易に透過させることができ、反応領域111内の高温に耐えるように構成された適切な透過性を有する他の高温材料を含み得る。たとえば、ある実施形態では反応領域111の温度が4000°F(2200℃)に達すると予想され、反応領域111の温度は、反応体および/または生成物に対してより高くなり得る。
【0017】
他の実施形態では、透過構成要素112が、1つの波長の放射を吸収し、別の波長の放射を再放射する1つまたは複数の要素を備え得る。たとえば、透過構成要素112は、1つの波長の入射太陽エネルギーを受け取る第1の表面113a、および別の波長のエネルギーを反応領域111内へ再放射する第2の表面113bを備え得る。このようにすると、反応領域111に供給されるエネルギーを、反応領域111内に置かれた反応体および/または生成物の吸収特性に整合しまたは近づくように特に調整することができる。代表的再放射装置のさらなる詳細は、本明細書と同時に出願され、本明細書に参照により援用される、共願の米国特許出願[整理番号69545.8603US]明細書(名称「CHEMICAL REACTORS WITH RE- RADIATING SURFACES AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」)に記載されている。
【0018】
他の実施形態では、反応容器110が、関連する機能を実行する他の構造を備え得る。たとえば、反応容器110は、第1の表面113aおよび第2の表面113bを有するベネッシャンブラインド配置114を含み得、第1の表面113aおよび第2の表面113bは、外部条件に応じて、たとえば入射太陽エネルギー103のレベルに応じて一方の表面またはもう一方の表面を向けるように回転させることができる。この実施形態の特定の態様では、第1の表面113aが、比較的に高い吸収率および比較的に低い放射率を有し得る。したがって、この表面は、日中に放射を容易に吸収することができる。第2の表面113bは、比較的に低い吸収率および比較的に高い放射率を有し得、したがって、たとえば夜間に、反応領域111(または反応器110の他の構成要素)を冷却することができる。この配置の代表的用途は吸熱反応と発熱反応の両方を実施する反応器であり、このような反応器については、共願の米国特許出願[整理番号69545.8616US]明細書(名称「REACTOR VESSELS WITH PRESSURE AND HEAT TRANSFER FEATURES FOR PRODUCING HYDROGEN-BASED FUELS AND STRUCTURAL ELEMENTS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」)にさらに記載されている。太陽エネルギー収集装置101(図1)を冷却モードで動作させる他の配置のさらなる詳細は、本明細書と同時に出願され、本明細書に参照により援用される、共願の米国特許出願[整理番号69545.8606US]明細書(名称「REACTORS FOR CONDUCTING THERMOCHEMICAL PROCESSES WITH SOLAR HEAT INPUT, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」)に記載されている。
【0019】
他の実施形態では、反応器110が、収集装置の表面の収差、環境性の欠陥、非平行放射、風および/または他の外乱もしくは歪みのために「こぼれた」(たとえば透過構成要素112上に正確に集束しなかった)放射の方向を変える機構を備え得る。それらの機構は、放射の方向を変えて放射を反応領域111内に導く(このときに波長をシフトさせてもよく、またはさせなくてもよい)ように配置しかつ/または調整することができる追加のベネッシャンブラインド114aを備え得る。
【0020】
図3は、本開示の実施形態に従って構成された反応容器110の一部分の部分的に概略化された断面図である。この実施形態の一態様では、反応器110が、全体に円筒形の樽形反応容器110内に配置された反応体送達システム130と、反応体送達システム130の内側に環状に配置された生成物取出しシステム140とを備える。たとえば、反応体送達システム130は外側スクリュー131を備え得、外側スクリュー131は、外側スクリューシャフト132および外側へ延びる外側スクリュースレッド133を含む。外側スクリュー131は軸方向に延びる第1の軸方向開口135を有し、その中には生成物取出しシステム140が配置されている。外側スクリュー131は、中心回転軸115を軸に、矢印Oによって示されているように回転する。回転すると、外側スクリュー131は、少なくとも1種の反応体134(たとえば気体、液体および/または固体反応体)を、図3に示されているように右上方へ、反応領域111に向かって運ぶ。さらに、外側スクリュースレッド133内に運ばれると、反応体134は圧縮され、潜在的に気体および/または液体を放出し、それらの気体および/または液体は、外側スクリュー131の外側に環状に配置されたルーバ(louver)および/または他の開口118を通して漏出することができる。外側スクリュースレッド133内で圧縮されると、反応体134は、容器110の内壁119に対してシールを形成する。この配置は、反応体134の損失を防ぐことができ、その代わりに、反応体134を押し込んで反応領域111に向かって移動させることができる。外側スクリュースレッド133に加えて、反応体送達システム130は、反応領域111に向かって反応体134を押し込む他の機構を備え得る。たとえば、反応容器110の内壁119は、外側スクリュー131が回転したときに反応体134を軸方向に押し込むのに役立つ1つまたは複数の螺旋形の腔線溝116を備え得る。反応体134が内壁119に貼り付くのを防ぎ、かつ/または内壁119に貼り付いている可能性がある反応体134を剥がすため、この機構に加えてまたはこの機構の代わりに、外側スクリュー131は、その全体が、矢印Rによって示されているように前後に往復運動することができる。前述の機構に加えてまたは前述の機構の代わりに、内壁119の近くに配置された樽形の加熱器117も反応体の貼付きを低減させ得る。少なくとも一部の実施形態において、反応体134は、温かいと貼り付きにくいと予想される。
【0021】
反応体134は、様々な適切な組成物、たとえば反応領域111に水素供与体を供給する組成物を含み得る。代表的実施形態では、反応体134が、バイオマス成分、たとえば地方自治体の固体廃棄物、商業廃棄物、林産物廃棄物もしくは切り枝、セルロース、リグノセルロース、炭化水素廃棄物(たとえばタイヤ)および/またはその他の廃棄物を含み得る。圧縮後、それらの廃棄物は高度に再分割され得る。このことは、粗い表面特徴および/または入射放射を再反射し最終的に吸収する表面特徴によって、それらの廃棄物が入射放射を容易に吸収することができることを意味する。この特性は、反応領域111内で反応体134が加熱する効率をさらに向上させ得る。
【0022】
反応領域111に送達された後、反応体134は、入射太陽エネルギー103または他の供給源から熱を受け取り、吸熱反応を受ける。反応領域111は環の形状を有し得、容器110から熱が逃げることを防ぐために断熱材120を備え得る。一実施形態では、反応領域111で生じる吸熱反応が、メタンを解離させ、その炭素成分および水素成分を、元素炭素および二原子水素、または他の炭素化合物(たとえば一酸化炭素または二酸化炭素の形の酸素化された炭素)および水素化合物に再形成することを含む。結果として生じる生成物146は気体部分(矢印Gによって示されている)を含み得、この気体部分は、反応領域111から環状に内側へ移動して、生成物取出しシステム140によって収集される。生成物146の固体部分144(たとえば灰分および/または他の副生物)も生成物取出しシステム140によって収集される。
【0023】
生成物取出しシステム140は、外側スクリュー131の内側の第1の軸方向開口135内に配置された内側スクリュー141を備え得る。内側スクリュー141は、内側スクリューシャフト142および内側スクリュースレッド143を備え得る。矢印Iによって示されているように、内側スクリュー141はさらに、回転軸115を軸に、外側スクリュー131と同じ方向または反対方向に回転することができる。内側スクリュー141は、気体生成物Gが入ることを可能にする開口を有する第2の軸方向通路145を備える。気体生成物Gは、第2の軸方向開口145に沿って下方へ移動して収集され、少なくともある場合には(たとえば反応で生成された炭素を反応で生成された水素から分離するために)さらに処理される。特定の実施形態では、気体生成物Gを冷却し、入来反応体134を加熱するために、気体生成物Gが、追加の熱交換器(図3には示されていない)を介して入来反応体134と追加の熱を交換することができる。他の実施形態では、スターリングエンジン(Stirling engine)または他の装置を駆動して機械的な動力および/または電力を発生させることによって、気体生成物Gを冷却することができる。回転すると、内側スクリュー141は、生成物146の固体部分144を、図3に示されているように左下方へ運ぶ。固体生成物144(および気体生成物G)は、伝導によって外側スクリュー130に熱を伝達して入来反応体134を加熱することができ、その後、固体部分144を取り出して使用することができる。たとえば、反応領域111で実行された反応に由来する窒素を含む生成物および/または硫黄を含む生成物を農業プロセスまたは工業プロセスで使用することができる。それらの生成物、したがって固体部分の化学組成および物理組成は入来反応体の特性に依存することがあり、入来反応体は、たとえば地方自治体の固体廃棄物から産業廃棄物やバイオマスに至るまで大きく異なることがある。
【0024】
図1および2を参照して先に論じたとおり、システム100は、反応を持続させるのに利用可能な太陽エネルギーが不十分であるときでも反応領域111内にエネルギー(たとえば熱)を導く機構を備え得る。図3に示した実施形態では、補助熱供給源180が、燃焼反応体182(たとえば酸化剤および/または水素を含む可燃材料)を含み得、燃焼反応体182は、第2の軸方向開口145内に配置された送達管184を通して、反応領域111と熱連通した燃焼器または燃焼器領域183に導かれる。夜間または入射太陽エネルギーが少ない他の時間の間、補助熱供給源180は反応領域111に追加の熱を供給して、反応領域111内で生じている吸熱反応を持続させることができる。
【0025】
図3を参照して先に説明した実施形態の1つの特徴は、入来反応体134を、反応領域を出た固体生成物144と密接にまたは緊密に熱連通させることができることである。具体的には、内側スクリュー141によって運ばれる固体生成物144から熱を受け取り、その熱を入来反応体134に送達するために、外側スクリューシャフト132および外側スクリュースレッド133を熱伝導性の高い材料から形成することができる。この配置の利点は熱効率がよいことであり、熱効率がよいのは、この配置が、この配置でなければ無駄に熱が廃棄される態様で冷却されることになる生成物から熱を取り出し、同時に入来反応体134を加熱し、したがって太陽エネルギー集中装置101(図1)および/または補助熱供給源180によって生成しなければならない熱の量を低減させるためである。反応容器110内で水素および/または炭素もしくは他の構築ブロックが生成される効率を向上させることにより、反応器システム100は、それらの生成物を生成するために使用する再生可能な反応体およびエネルギー供給源の商業的成立性を向上させ得る。
【0026】
図4は、外側スクリュー431を有する反応容器110の実施形態の部分的に概略化された断面図であり、外側スクリュー431は、外側スクリュー431が運ぶ反応体134を圧縮するように特に構成されている。この実施形態では、外側スクリュー431が、外側へのテーパを有するスクリューシャフト432を備え、したがって、スクリュースレッド433の半径方向の幅Wが、反応領域111に向かって軸方向に次第に狭くなっている。この配置は、隣り合うスクリュースレッド433間の容積を反応領域111へ向かう方向に効果的に低減させ、したがって反応体134を圧縮する。その全長の少なくとも一部分にわたって、外側スクリュー431は、反応体134から空気および水分を効果的に除去することができ、その空気および水分を開口/ルーバ118を通して抜き取ることを可能にする。これができない場合、これらの成分は、反応領域111における反応速度を低下させ得る。さらに圧縮されると、反応体134は、反応容器110の内壁119との間にシールを形成して、さもなければ反応領域111における反応に関与し得る液体および気体が漏出するのを防ぐ。反応体134を圧縮するときに生成される熱によって、太陽エネルギー集中装置101(図1)または他のエネルギー供給源によって生成する必要があるエネルギーの量を減らすことができる。
【0027】
他の実施形態では、反応体134が反応領域111に導かれるときに反応体134を圧縮するのに、他の機構および装置を使用することができる。たとえば、図5は、スクリュースレッド533を担持したシャフト532を備える外側スクリュー531を有する反応容器110を示し、スクリュースレッド533の軸方向の空間(間隔Sによって示されている)は、反応領域111に近いほど近くまたは小さくなっている。したがって、スクリュースレッド533のピッチは回転軸115に沿って軸方向に徐々に小さくなり得る。前述のどの実施形態でも、反応領域111に近い隣り合うスレッド間の容積は、反応領域111から遠い隣り合うスレッド間の容積よりも小さい。
【0028】
図3〜5を参照して上で説明した実施形態では、螺旋形のスクリューによって反応体134が送達され、圧縮される。他の実施形態では、他の機構、たとえばピストンによって反応体134を送達し、圧縮することができる。図6は、矢印Rによって示されているように反応容器110内を前後に移動するリング形ピストン150上またはリング形ピストン150の前方に反応体134が装填された反応容器110の部分的に概略化された断面図である。装填操作の後、ピストン150は、反応領域111に向かって反応体134を押し込み、したがって内側へのテーパを有する容器内壁119に押し付けて反応体134を圧縮する。内側へのテーパを有する容器内壁119はテーパの付いたチャネル121を形成する。
【0029】
1つの動作モードでは、ピストン150が、テーパの付いた容器内壁119に抗して反応体134を押し込み、ピストン150は次いで、反応容器110内により多くの反応体を配置することを可能にするために引き戻される。次いで、容器内壁119間に既に存在する反応体134に抗して追加の反応体134が押し込まれ、それにより反応体134はテーパの付いたチャネル121を完全に通過して反応領域111に入る。このプロセスを繰り返して、一連のパルスまたはステップで反応領域111に反応体134を送達することができる。
【0030】
他の動作モードでは、半径方向R1の方向につぶれる材料または縮む材料からピストン150を形成することができ、そのようにして、テーパの付いたチャネル121内をピストン150が完全に移動して、テーパの付いたチャネル121内の反応体134の全量を1回の行程で送達することができるようにすることができる。他の実施形態では、入来反応体134を圧縮し、同時に、出て行く高温の生成物が反応体134を予熱し、それによって吸熱反応を持続させるために太陽エネルギー供給源または他の供給源によって反応領域111に供給しなければならない熱エネルギーの量を減らすことを可能にする他の配置を、反応器110が含み得る。
【0031】
本技術の特定の実施形態が例示のために本明細書に説明されてきたが、本技術から逸脱することなく、様々な変更を加えることができることが、上記から、理解されるであろう。たとえば、反応領域111での反応をメタン以外の反応体に対して実施することができる。そのような反応体は、他の炭化水素または炭素を含まない他の水素供与体を含み得る。そのような水素供与体は、窒素を含む供与体、および/またはホウ素、珪素もしくは硫黄を含む供与体を含み得る。窒素を含む供与体はバイオマス成分および/または他の成分を含み得る。太陽エネルギー収集装置は、図1に示したような皿形配置を有し得、または他の実施形態では他の配置(たとえば樋形配置またはヘリオスタット配置)を有し得る。前述の補助熱供給源の実施形態は、誘導加熱器および燃焼器に関連して説明した。他の実施形態では、補助熱供給源が、反応領域111にエネルギーを供給する他の装置を備え得る。他の実施形態による反応器は太陽エネルギーから熱を受け取らず、したがって、1次熱供給源として、(前述の一部の実施形態では)補助熱供給源と考えられるものに依存することができる。
【0032】
特定の実施形態に関連して説明された本技術のいくつかの態様は、他の実施形態において組み合わされ、または削除され得る。たとえば、外側スクリューは、反応体134を圧縮するために、テーパの付いたスクリューシャフトと、隣接するスレッド間で空間が変化するスレッドの両方を含み得る。特定の実施形態では、外側スクリューが反応体を運び、内側スクリューが固体生成物を運ぶ。他の実施形態では、内側スクリューの役割と外側スクリューの役割を逆にすることができる。図6を参照して上で説明した配置は、スレッドの付いた内側シャフトの外側に環状に配置されたピストンを使用した。他の実施形態では、スレッドの付いた内側シャフトの代わりに追加のピストンを使用することができ、または内側ピストンを、スレッドの付いた外側シャフトと共に使用することができる。さらに、本技術のいくつかの実施形態に伴う利点が、それら実施形態に関連して説明されているが、他の実施形態もそのような利点を示し得、また、本開示の範囲に包含されるためにすべての実施形態がそのような利点を必ずしも示す必要はない。したがって、本開示および関連する技術は、本明細書に明らかに示しまたは説明されていない他の実施形態を包含することができる。
【0033】
参照によって本明細書にこれまで援用されなかった範囲まで、本出願は、以下の資料のそれぞれの内容を、それら全体として参照により援用する。すなわち、2010年8月16日出願の米国特許出願第12/857,553号明細書([名称「SUSTAINABLE ECONOMIC DEVELOPMENT THROUGH INTEGRATED PRODUCTION OF RENEWABLE ENERGY, MATERIALS RESOURCES, AND NUTRIENT REGIMES」)、2010年8月16日出願の米国特許出願第12/857,553号明細書(名称「SYSTEMS AND METHODS FOR SUSTAINABLE ECONOMIC DEVELOPMENT THROUGH INTEGRATED FULL SPECTRUM PRODUCTION OF RENEWABLE ENERGY」)、2010年8月16日出願の米国特許出願第12/857,554号明細書(名称「SYSTEMS AND METHODS FOR SUSTAINABLE ECONOMIC DEVELOPMENT THROUGH INTEGRATED FULL SPECTRUM PRODUCTION OF RENEWABLE MATERIAL RESOURCES USING SOLAR THERMAL」)、2010年8月16日出願の米国特許出願第12/857,502号明細書(名称「ENERGY SYSTEM FOR DWELLING SUPPORT」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8505.US00]明細書(名称「DELIVERY SYSTEMS WITH IN-LINE SELECTIVE EXTRACTION DEVICES AND ASSOCIATED METHODS OF OPERATION」)、2010年8月16日出願の特許文献1(名称「COMPREHENSIVE COST MODELING OF AUTOGENOUS SYSTEMS AND PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF ENERGY, MATERIAL RESOURCES AND NUTRIENT REGIMES」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8601.US00]明細書(名称「CHEMICAL PROCESSES AND REACTORS FOR EFFICIENTLY PRODUCING HYDROGEN FUELS AND STRUCTURAL MATERIALS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8602.US00]明細書(名称「REACTOR VESSELS WITH TRANSMISSIVE SURFACES FOR PRODUCING HYDROGEN-BASED FUELS AND STRUCTURAL ELEMENTS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8603.US00]明細書(名称「CHEMICAL REACTORS WITH RE-RADIATING SURFACES AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8604.US00]明細書(名称「THERMAL TRANSFER DEVICE AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8606.US00]明細書(名称「REACTORS FOR CONDUCTING THERMOCHEMICAL PROCESSES WITH SOLAR HEAT INPUT, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8608.US00]明細書(名称「INDUCTION FOR THERMOCHEMICAL PROCESS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8611.US00]明細書(名称「COUPLED THERMOCHEMICAL REACTORS AND ENGINES, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」)、2010年9月22日出願の米国特許出願第61/385,508号明細書(名称「REDUCING AND HARVESTING DRAG ENERGY ON MOBILE ENGINES USING THERMAL CHEMICAL REGENERATION」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8616.US00]明細書(名称「REACTOR VESSELS WITH PRESSURE AND HEAT TRANSFER FEATURES FOR PRODUCING HYDROGEN-BASED FUELS AND STRUCTURAL ELEMENTS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8701.US00]明細書(名称「ARCHITECTURAL CONSTRUCT HAVING FOR EXAMPLE A PLURALITY OF ARCHITECTURAL CRYSTALS」)、2010年8月16日出願の米国特許出願第12/806,634号明細書(名称「METHODS AND APPARATUSES FOR DETECTION OF PROPERTIES OF FLUID CONVEYANCE SYSTEMS」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−8801.US01]明細書(名称「METHODS, DEVICES, AND SYSTEMS FOR DETECTING PROPERTIES OF TARGET SAMPLES」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−9002.US00]明細書(名称「SYSTEM FOR PROCESSING BIOMASS INTO HYDROCARBONS, ALCOHOL VAPORS, HYDROGEN, CARBON, ETC.」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−9004.US00]明細書(名称「CARBON RECYCLING AND REINVESTMENT USING THERMOCHEMICAL REGENERATION」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−9006.US00]明細書(名称「OXYGENATED FUEL」)、2009年8月27日出願の米国特許出願第61/237,419号明細書(名称「CARBON SEQUESTRATION」)、2009年8月27日出願の米国特許出願第61/237,425号明細書(名称「OXYGENATED FUEL PRODUCTION」)、2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−9102.US00]明細書(名称「MULTI-PURPOSE RENEWABLE FUEL FOR ISOLATING CONTAMINANTS AND STORING ENERGY」)、2010年12月8日出願の米国特許出願第61/421,189号明細書(名称「LIQUID FUELS FROM HYDROGEN, OXIDES OF CARBON, AND/OR NITROGEN; AND PRODUCTION OF CARBON FOR MANUFACTURING DURABLE GOODS」)、および2011年2月14日出願の米国特許出願[整理番号69545−9105.US00]明細書(名称「ENGINEERED FUEL STORAGE, RESPECIATION AND TRANSPORT」)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応領域の近くに光透過性面を有する反応容器と、
前記反応容器内に配置された可動の反応体送達システムと、
前記反応容器内に配置され、前記送達システムの内側または外側に環状に配置された生成物取出しシステムと、
前記光透過性面を通して前記反応領域に太陽放射を導くように配置された太陽エネルギー集中装置と、
を備えることを特徴とする化学反応器。
【請求項2】
前記生成物取出しシステムは、前記反応体送達システムに熱を伝達するために、前記反応体送達システムと密接に熱連通した状態に配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の反応器。
【請求項3】
前記反応体送達システムは、前記反応領域に反応体を運搬するように配置された外側へ延びる螺旋形のスレッドを有する回転可能なスクリューを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の反応器。
【請求項4】
前記スクリューは、回転軸に沿って延びており、前記回転軸を軸に回転可能であり、
前記螺旋形のスレッドのピッチは、前記回転軸に沿った位置の関数として変化する、
ことを特徴とする請求項3に記載の反応器。
【請求項5】
前記スクリューは、回転軸に沿って延びており、前記回転軸を軸に回転可能であり、
前記螺旋形のスレッドの半径方向の幅は、前記回転軸に沿った位置の関数として変化する、
ことを特徴とする請求項3に記載の反応器。
【請求項6】
前記生成物取出しシステムは、前記反応領域から生成物を運搬するように配置された外側へ延びる螺旋形のスレッドを有する回転可能なスクリューを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の反応器。
【請求項7】
前記反応体送達システムは、前記反応領域に向かって一定量ずつ移動可能なピストンを備える、ことを特徴とする請求項1に記載の反応器。
【請求項8】
前記反応領域に動作可能に結合されて、前記反応領域に熱を導く燃焼器と、
入射太陽放射を検出するように配置されたセンサと、
前記燃焼器および前記センサに動作可能に結合されて、前記入射太陽放射がしきい値レベルよりも低下したときに前記燃焼器を作動させるコントローラと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
固体反応体の供給源をさらに備え、
前記反応体送達システムは、前記供給源と前記反応領域の間に延在する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
気体反応体の供給源をさらに備え、
前記反応体送達システムは、前記供給源と前記反応領域の間に延在する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
炭化水素反応体の供給源をさらに備え、
前記反応体送達システムは、前記供給源と前記反応領域の間に延在する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
反応体の供給源をさらに備え、
前記供給源は窒素を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
光透過性面を有する円筒形の反応容器であって、前記光透過性面は、前記容器内に配置された反応領域の近くにあり、前記反応領域の境界をなす反応容器と、
前記反応容器内に配置された反応体送達システムであって、外側へ延びる第1の螺旋形のスレッドを有する、回転軸を軸に回転可能な第1のスクリューシャフトを備え、前記第1の螺旋形スレッドの隣り合うスレッド間の容積は、前記反応領域に近い隣り合うスレッド間の容積の方が、前記反応領域から遠い隣り合うスレッド間の容積よりも小さく、前記第1のスクリューシャフトは前記反応領域まで延びており、前記回転軸に沿って延びる第1の軸方向開口を有する反応体送達システムと、
前記反応容器内に配置された生成物取出しシステムであって、前記第1のスクリューシャフトの前記第1の軸方向の開口内に、前記第1のスクリューシャフトと密接に熱連通した状態で同心に配置された第2のスクリューシャフトを備え、前記第2のスクリューシャフトは、外側へ延びる第2の螺旋形のスレッドを有し、前記回転軸を軸に回転可能であり、前記第2のスクリューシャフトは前記反応領域まで延びており、前記回転軸に沿って延びる第2の軸方向の開口を有し、前記第2のスクリューシャフトは、前記反応領域のところに、前記反応領域から気体生成物を受け取る穿孔をさらに有する生成物取出しシステムと、
前記反応領域に動作可能に結合されて、前記反応領域に熱を導く燃焼器領域と、
前記第2のスクリューシャフトの前記第2の軸方向の開口内に配置されて、燃料と酸化剤のうちの少なくとも一方を、前記第2のスクリューシャフトの前記穿孔を通して前記燃焼器領域に送達する気体供給導管と、
前記光透過性面を通して前記反応領域に太陽放射を導くように配置された太陽エネルギー集中装置と、
入射太陽放射を検出するように配置されたセンサと、
前記燃焼器および前記センサに動作可能に結合されて、前記入射太陽放射がしきい値レベルよりも低下したときに前記燃焼器を作動させるコントローラと、
を備えることを特徴とする化学反応器。
【請求項14】
前記螺旋形のスレッドの半径方向の幅は、前記回転軸に沿った位置の関数として狭くなる、ことを特徴とする請求項13に記載の反応器。
【請求項15】
前記螺旋形のスレッドのピッチは、前記回転軸に沿った位置の関数として小さくなる、ことを特徴とする請求項13に記載の反応器。
【請求項16】
化学反応を実行する方法であって、
太陽放射を集中させるステップと、
集中させた前記太陽放射を、反応容器の光透過面を通して前記反応容器内の反応領域に導くステップと、
反応体送達システムを作動させて前記反応領域に反応体を導くステップと、
前記反応領域で吸熱反応を実行して生成物を生成するステップと、
前記反応体送達システムの内側または外側に環状に配置された生成物取出しシステムを作動させて、前記反応領域から生成物を取り出すステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
前記反応体が前記反応領域に近づくにつれて前記反応体を圧縮するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記反応領域を出た前記生成物から前記反応領域に近づいている前記反応体に熱を伝達するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記反応体は、少なくとも1種の固体反応体を含む、ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記反応体は、少なくとも1種の気体反応体を含む、ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記反応体は、バイオマス反応体を含み、
前記反応体を圧縮するステップは、前記反応体から水および空気を除去するステップを含む、
ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項22】
化学反応を実行する方法であって、
日中に太陽放射を集中させるステップと、
集中させた前記太陽放射を、反応容器の光透過面を通して前記反応容器内の反応領域に導くステップと、
第1の螺旋形のスクリューを回転させて、前記反応領域に炭化水素反応体を導くステップと、
前記反応領域で吸熱反応を実行して、前記炭化水素反応体を解離させて水素を含む気体成分および炭素を含む気体成分とし、固体生成物を生成するステップと、
前記水素を含む気体成分および前記炭素を含む気体成分を前記反応領域から取り出すステップと、
前記第1の螺旋形スクリューの軸方向の孔の中に配置された第2の螺旋形のスクリューを回転させて、前記反応領域から前記固体生成物を取り出すステップと、
日中時間後の時間に、前記第1の螺旋形スクリューの軸方向の孔の中に配置された気体導管を通して前記反応領域に酸素を導いて燃焼プロセスを支援するステップと、
前記燃焼プロセスから前記反応領域に熱を導くステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
前記第1の螺旋形スクリューと前記第2の螺旋形スクリューのうちの少なくとも一方の螺旋形スクリューがもう一方の螺旋形スクリューに対して回転するときに、前記固体生成物から入来炭化水素反応体に熱を伝達するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項22に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−519507(P2013−519507A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553076(P2012−553076)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【国際出願番号】PCT/US2011/024761
【国際公開番号】WO2011/100689
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(511201174)マクアリスター テクノロジーズ エルエルシー (23)
【Fターム(参考)】