説明

環状カルボン酸エステルの存在で非変性金属錯体により触媒活性されるオレフィン不飽和化合物のヒドロホルミル化によりアルデヒドを製造する方法

【課題】ヒドロホルミル化触媒として非変性ロジウムを利用する、工程からロジウムを循環または回収する従来公知の方法は技術的にも経済的にも改良する方法を提供することである。
【解決手段】この課題は、触媒として元素周期表の第8族〜第10族の少なくとも1種の金属を有する非変性触媒を使用する、3〜24個の炭素原子を有するオレフィン不飽和化合物を接触的にヒドロホルミル化する方法において、ヒドロホルミル化を、一般式Iの環状カルボン酸エステルの存在で実施し、その際カルボン酸エステルの割合が反応混合物の少なくとも1質量%であり、反応温度が150〜190℃であることを特徴とするオレフィン不飽和化合物を接触的にヒドロホルミル化する方法により解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は溶剤として環状カルボン酸エステルの存在で実施される、元素周期表の第8族〜第10族の金属の非変性金属触媒により触媒活性されるオレフィン不飽和化合物、特にオレフィンのヒドロホルミル化によりアルデヒドを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
触媒の存在でオレフィン化合物、一酸化炭素および水素を反応させて炭素原子の多いアルデヒドを生じる反応はヒドロホルミル化(オキソ化)として知られている。この反応に触媒としてしばしば元素周期表の第8族〜第10族の遷移金属の化合物、特にロジウムおよびコバルトの化合物が使用される。ロジウム化合物を使用するヒドロホルミル化はコバルト化合物の触媒作用に比べて一般に高い化学選択性および位置選択性の利点を提供し、多くの場合に経済的に魅力的である。
【0003】
ロジウムにより触媒活性化されるヒドロホルミル化において、多くの場合にリガンドとしてロジウムおよび元素周期表の第15族の化合物、有利に三価燐化合物からなる錯体を使用する。リガンドとしてしばしば例えばホスフィン、ホスファイトおよびホスホナイトの種類からなる化合物が使用される。オレフィンのヒドロホルミル化についての概要はB.CORNILS、W.A、HERMANN、Applied Homogeneous Catalysis with Organometallic Compounds、Vol.1und2、VCH、Weinheim、New York、1996に見出される。
【0004】
末端オレフィンはホスフィン変性ロジウム触媒の存在で容易に反応できる。これに対して内部に位置する、特に内部に位置する高架橋性オレフィンは強い活性リガンド、例えばホスファイトリガンドを必要とする。このほかにオキソ化が困難なオレフィンの場合にいわゆる露出したまたは非変性ロジウムが良好に適していることが示された。この場合にヒドロホルミル化条件下で金属塩から変性リガンドの不在で形成される1個以上の金属種である。この明細書の範囲で変性リガンドは元素周期表の第15族の1個以上のドナー原子を有する化合物であると理解される。しかし変性リガンドとしてアルコキシ、カルボニル、ヒドリド、アルキル、アリール、アリル、アシルまたはアルケンリガンドおよび触媒形成に使用される金属塩の反対イオン、例えばハロゲン化物、例えばフッ化物、塩化物、臭化物またはヨウ化物、アセチルアセトネート、カルボキシレート、例えばアセテート、2−エチルヘキサノエート、ヘキサノエート、オクタノエートまたはノナノエートは適用されるべきでない。
【0005】
本発明の範囲の変性リガンドは窒素、燐、砒素またはアンチモン、特に燐のような元素周期表の第15族からなるドナー原子を有するリガンドである。リガンドは1座または多座であってもよく、キラルリガンドの場合はラセミ化合物およびエナンチオマーまたはジアステレオマーを使用することができる。燐リガンドとして特にホスフィン、ホスフィニン、ホスフィナン、ホスフィンオキシド、ホスファイト、ホスホナイトおよびホスフィナイトが挙げられる。
【0006】
ホスフィンの例はトリフェニルホスフィン、トリス(p−トリル)ホスフィン、トリス(m−トリル)ホスフィン、トリス(o−トリル)ホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(p−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(p−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、プロピルジフェニルホスフィン、t−ブチルジフェニルホスフィン、n−ブチルジフェニルホスフィン、n−ヘキシルジフェニルホスフィン、c−ヘキシルジフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−(1−ナフチル)ホスフィン、トリ−2−フリルホスフィン、トリベンジルホスフィン、ベンジルジフェニルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ−t−ブチルホスフィン、ビス(2−メトキシフェニル)フェニルホスフィン、ネオメチルジフェニルホスフィン、スルホン化トリフェニルホスフィンのアルカリ塩、アルカリ土類塩、アンモニウム塩または他の塩、トリス(m−スルホニルフェニル)ホスフィン、(m−スルホニルフェニル)ジフェニルホスフィン、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン、ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジエチルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(2,5−ジエチルホスホラノ)ベンゼン[Et−DUPHOS]、1,2−ビス(2,5−ジエチルホスホラノ)エタン[Et−BPE]、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、ビス(ジメチルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(2,5−ジメチルホスホラノ)ベンゼン[Me−DUPHOS]、1、2−ビス(2,5−ジメチルホスホラノ)エタン[Me−BPE]、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン[NORPHOS]、2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル[BINAP]、2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビフェニル[BISBI]、2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、ビス(2−ジフェニルホスフィノエチル)フェニルホスフィン、1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、2,2´−ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)−1,1´−ビナフチル、O−イソプロピリデン−2,3−ジヒドロキシ−1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン[DIOP]、2−(ジフェニルホスフィノ)−2´−メトキシ−1,1´−ビナフチル、1−(2−ジフェニルホスフィノ−1−ナフタイル)イソキノリン、1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノ)エタンおよび/またはトリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィンである。
【0007】
ホスフィニンの例は特に2,6−ジメチル−4−フェニルホスフィニン、2,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−4−フェニルホスフィニンおよび他のWO00/55164号に記載されているリガンドである。ホスフィナンの例は特に2,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1−オクチル−4−フェニルホスフィナン、1−オクチル−2,4,6−トリフェニルホスフィナンおよび他のWO02/00669号に記載されているリガンドである。
【0008】
ホスファイトの例はトリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリ−n−プロピルホスファイト、トリイソプロピルホスファイト、トリ−n−ブチルホスファイト、トリイソブチルホスファイト、トリ−t−ブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−メトキシフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(p−クレジル)ホスファイトである。更に立体障害ホスファイトリガンド、特に欧州特許第155508号、米国特許第4668651号、米国特許第4748261号、米国特許第4769498号、米国特許第4774361号、米国特許第4835299号、米国特許第4885401号、米国特許第5059710号、米国特許第5113022号、米国特許第5179055号、米国特許第5260491号、米国特許第5264616号、米国特許第5288918号、米国特許第5360938号、欧州特許第472071号、欧州特許第518241号およびWO97/20795号に記載されるものである。立体障害ホスファイトの場合にそれぞれ1または2個のイソプロピルおよび/またはt−ブチル置換された、有利にホスファイトエステル基に対してオルト位で置換されたトリフェニルホスファイトが挙げられる。他のビスホスファイトリガンドは特に欧州特許第1099677号、欧州特許第1099678号、WO02/00670号、特開平10−279587号、欧州特許第472017号、WO01/21627号、WO97/40001号、WO97/40002号、米国特許第4769498号、欧州特許第213639号および欧州第214622号に記載されている。
【0009】
ホスホナイトの例はメチルジエトキシホスフィン、フェニルジメトキシホスフィン、フェニルジフェノキシホスフィン、6−フェノキシ−6H−ジベンゾ[c、e][1,2]オキサホスホリンおよび水素原子が全部または部分的にアルキル基、アリール基またはハロゲン原子により置換されている前記ホスホリンの誘導体およびWO98/43935号、特開平9−268152号およびドイツ特許第19810794号およびドイツ特許第19954510号に記載されるリガンドである。
【0010】
一般的なホスフィナイトリガンドは特に米国特許第5710344号、WO95/06627号、米国特許第5360938号、特開平07082281号に記載されている。このための例はジフェニル(フェノキシ)ホスフィンおよび全部または部分的にアルキル基、アリール基またはハロゲン原子により置換されている前記ホスフィンの誘導体、ジフェニル(メトキシ)ホスフィン、ジフェニル(エトキシ)ホスフィン等である。
【0011】
ヒドロホルミル化の工業的実施において反応生成物、未反応エダクトおよび触媒の分離を多くは蒸留により実施する。従ってヒドロホルミル化を高沸点溶剤の存在で実施し、蒸留の後処理の際に特に高沸点触媒含有フラクションが得られ、このフラクションを工程に返送することができる。ロジウム触媒を使用する多くの工業的な連続的ヒドロホルミル化法において溶剤として、例えばドイツ特許第2062703号、ドイツ特許第2715685号、ドイツ特許第2802922号、欧州特許第017183号に記載される、ヒドロホルミル化の際に副生成物として生じる高沸点物混合物を使用する。
【0012】
溶剤として高沸点物のほかに不活性有機液体(ドイツ特許第3126265号)および反応生成物(アルデヒド、アルコール)、脂肪族および芳香族炭化水素、エステル、エーテルおよび水(ドイツ特許第4419898号)を使用することができる。英国特許第1197902号においてはこの目的のために飽和炭化水素、芳香族化合物、アルコールおよびn−パラフィンを使用する。
【0013】
1種以上の極性有機物を添加するヒドロホルミル化の実施は例えばWO01/68248号、WO01/68249号、WO01/68252号に開示されている。その際極性物質は以下の化合物の種類からなる物質であると理解される。ニトリル、環状アセタール、アルコール、ピロリドン、ラクトン、ホルムアミド、スルホキシドおよび水。
【0014】
長鎖オレフィン(C6以上)のヒドロホルミル化の際に反応生成物からの触媒および場合により未反応エダクトの蒸留による分離は高温および低圧を必要とする。その際付加的なリガンドを使用するかどうかに関係なくロジウム含有触媒の部分的にかなりの分解が行われる。従って触媒は工程のために消失され、これにより方法の経済性が激しく損なわれる。
【0015】
非変性ロジウム触媒は特に不安定であることが示される。当業者の一致した見解により単環錯体HRh(CO)は変性リガンドの不在でヒドロホルミル化に活性な種類である。錯体HRh(CO)は20℃未満の温度および高圧で安定であり(N.S.Imyanitov、Rhodium Express(1995)10/11、3〜64)、それ自体活性でないが、活性触媒の受け器として用いる双環性種類と平衡で存在する(E.V.Slivinskii、Y.A.Rozovskii、G.AKorneeva、V.I.Kurkin、Kinetics and Catalysis(1998)39(6)764−774)(A.R.El’man、V.IKurkin、E.V.Slivinskii、S.M.Loktev、Neftekhimiya(1990)30(1)46−52)。二分子ロジウムカルボニル錯体から出発して分子量が増加したヒドロホルミル化不活性クラスターが形成される。強力なヒドロホルミル化反応条件下で低分子クラスターの形成は可逆的である。クラスターがRh(CO)12まで再生できることが示された。ヒドロホルミル化条件下での活性種の安定化は同様に示すことができた(Yu.B.Kagan、Y.A.Rozovskii、E.V.Slivinskii、G.A.Korneeva、V.I.Kurkin、S.M.Loktev、Kinetika i Kataliz(1987)28(6)1508−1511)。これに対して高分子クラスターはヒドロホルミル化条件下で再び活性種に移行できない(Yu.B.Kagan、E.V.Slivinskii、V.I.Kurkin、G.A.Korneeva、R.A.Aranovich、N.N.Rzhevskaya、S.M.Loktev、Neftekhimiya(1985)25(6)791−797)。クラスターの形成は一般に固体のロジウム含有沈積物を形成する原因であり、第1段階とみなされる。この現象は蒸留による後処理の間に部分的に、すでに反応条件下でも発生する。ロジウム含有沈積物は容器壁および管壁に堆積する。これはかなり経済的に不利な触媒の損失を生じ、工業的な使用において規則的な装置の除去および洗浄作業が必要になる。ロジウム沈積物は冶金学的方法で費用をかけて返送することが必要である。
【0016】
一方の面でヒドロホルミル化触媒としての非変性ロジウムの魅力および他方でその不安定性により多くの循環および/または回収法が提案される。
【0017】
固体の吸着剤により反応混合物からロジウム種を除去する多くの方法が知られている。従って例えばドイツ特許第1954315号において吸着剤としてポリスチレンベースの弱塩基から強塩基までのイオン交換樹脂が提案される。ドイツ特許第2045416号により酸素の存在で低級アルコール、脂肪族アミンおよび水からなる混合物で処理することにより負荷されたイオン交換樹脂の再生を行うことができる。溶離剤に含まれるロジウムを塩酸で濃縮し、処理することにより塩化ロジウム水和物に変換し、これを再び触媒前駆体として使用できる。WO02/20451号および米国特許第5208194号は負荷されたイオン交換体からイオン交換体を燃焼し、生じる灰から酸化物としてロジウムを単離することによりロジウムの回収を記載する。米国特許第4388279号において元素周期表の第1族および第2族の金属の吸着塩としてゼオライトモレキュラーシーブおよびイオン交換樹脂が提案される。WO01/72679号は水素の存在で高温で活性炭、ポリ珪酸および酸化アルミニウムにロジウムを吸着する方法を記載する。欧州特許第0355837号はイオン結合有機燐リガンドで変性される塩基性イオン交換樹脂にロジウムを吸着する方法を記載する。前記樹脂の再生は有機燐リガンド含有溶液を用いる溶離により実施する。WO97/03938号は酸性イオン交換樹脂に活性ロジウム種および不純物を吸着する方法を記載する。再生は第1工程で中性溶剤で不純物を溶離し、引き続き酸性溶剤で活性ロジウム種を溶離することにより実施する。こうして回収した触媒は場合により再水素化後再びヒドロホルミル化に使用する。
【0018】
ロジウムを回収する吸着法の共通の欠点は活性種の再遊離の課題の不十分な解決である。このために提案された溶剤または溶剤混合物がヒドロホルミル化で不活性でなく、副反応を生じることは当業者に知られている。酸性溶剤は例えば高い発熱性の制御が困難であるアルデヒドのアルドール化を誘発する。アルコールおよびアミンはアルデヒドと縮合反応を開始し、生成物の収率を低下する。従って触媒を返送する前に前記溶剤または溶剤混合物を除去することが是非とも必要である。この構想はこれにより工業的にきわめて手間がかかり、高価になる。これに対してイオン交換体での吸着、引き続く灰化および冶金学的ロジウム回収は一定の技術的意義を獲得した。この方法は技術的に簡単であるが、それにもかかわらず改良の必要がある。消費材料として高価な塩基性イオン交換体を使用し、灰化、引き続く金属酸化物の冶金学的処理は他のきわめて費用がかかる処理工程と結びつく。
【0019】
更に反応器排出物からロジウムを種々の錯体形成剤の溶液で抽出し、再び遊離後ヒドロホルミル化反応器に返送する多くの方法が公知である。従って例えばプロトン化可能の窒素含有リガンドの存在でのロジウム触媒作用したヒドロホルミル化、水性酸でのロジウム錯体の抽出、脱プロトン化およびロジウムの返送の処理はドイツ特許第19603201号から公知である。ドイツ特許第4230871号においては水溶液を直接反応に返送する。欧州特許第0538732号においては合成ガス圧力下の水性ホスフィン溶液での反応器排出物の抽出を記載する。WO97/03938号は錯体形成剤としてポリアクリル酸、マレイン酸コポリマーおよびホスホノメチル化ポリビニルアミン、ポリエチレンイミンおよびポリアクリルアミドのような水溶性ポリマーを記載する。欧州特許第0588225号は錯体形成剤として場合によりスルホン化されたおよび/またはカルボキシル化された形のピリジン、キノリン、2,2′−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、2,2′−ビキノリン、2、2′、6′、2′′−テルピリジンおよびポルフィリンを記載する。しかし水の抽出の場合に必要な錯体形成剤はしばしば高価であり、入手困難である。更にこの方法は2つの付加的な工程(抽出および触媒の遊離)を有して高い技術的費用を必要とする。
【0020】
更に反応器排出物の蒸留による典型的な処理の際に燐(III)含有リガンドの添加によりロジウムの沈積を防ぐ方法が知られている(ドイツ特許第3338340号、米国特許第4400547号)。ヒドロホルミル化活性ロジウム種の再生もしくは更なる遊離は燐(III)リガンドの酸化により行う。この方法の欠点は連続的な安定剤の消費である。反応装置での蓄積を避けるために。形成される燐(V)化合物を絶えず排出しなければならない。その際原理に起因してロジウムの一部を活性の形で一緒に排出する。従ってこの方法も技術的にも経済的にも改良する必要がある。
【0021】
WO82/03856号においては酸素の存在でのヒドロホルミル化の反応排出物の蒸留を記載する。酸素の作用下でヒドロホルミル化で形成されるアルデヒドの一部を相当するカルボン酸に酸化し、このカルボン酸がロジウム種と反応して可溶性ロジウムカルボキシレートを形成する。ロジウムカルボキシレートは工程に返送することができる。この方法の欠点は価値生成物の減少した収率である。
【0022】
未公開のドイツ特許第10240253号において元素周期表の第8族〜第10族の金属をベースとする燐リガンドにより変性された触媒の存在でのヒドロホルミル化の実施が記載され、その際溶剤として環状カルボン酸エステルを使用する。元素周期表の第8族〜第10族の金属の非変性金属錯体の使用は記載されていない。
【0023】
特開平10−226662号においてオレフィン化合物のヒドロホルミル化法が記載され、ロジウム触媒を、共触媒としてスルホン化トリフェニルホスフィンのナトリウム塩と一緒に、すなわち変性された触媒を使用する。反応を極性成分およびカルボン酸の存在で実施する。極性成分として、例えばエチレンカーボネートを使用することができる。極性成分は酸および触媒と一緒にヒドロホルミル化反応に返送することができる。しかしこの方法は比較的反応性の末端オレフィンのヒドロホルミル化にのみ使用できる。内部に位置する、特に内部に位置する高度に架橋したオレフィンにおいては触媒の活性が工業的に使用するためには更に不十分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】WO00/55164号
【特許文献2】WO02/00669号
【特許文献3】欧州特許第155508号、
【特許文献4】米国特許第4668651号
【特許文献5】米国特許第4748261号
【特許文献6】米国特許第4769498号
【特許文献7】米国特許第4774361号
【特許文献8】米国特許第4835299号
【特許文献9】米国特許第4885401号
【特許文献10】米国特許第5059710号
【特許文献11】米国特許第5113022号
【特許文献12】米国特許第5179055号
【特許文献13】米国特許第5260491号
【特許文献14】米国特許第5264616号
【特許文献15】米国特許第5288918号
【特許文献16】米国特許第5360938号
【特許文献17】欧州特許第472071号
【特許文献18】欧州特許第518241号
【特許文献19】WO97/20795号
【特許文献20】欧州特許第1099677号
【特許文献21】欧州特許第1099678号
【特許文献22】WO02/00670号
【特許文献23】特開平10−279587号
【特許文献24】欧州特許第472017号
【特許文献25】WO01/21627号
【特許文献26】WO97/40001号
【特許文献27】WO97/40002号
【特許文献28】米国特許第4769498号
【特許文献29】欧州特許第213639号
【特許文献30】欧州第214622号
【特許文献31】WO98/43935号、
【特許文献32】特開平9−268152号
【特許文献33】ドイツ特許第19810794号
【特許文献34】ドイツ特許第19954510号
【特許文献35】米国特許第5710344号
【特許文献36】WO95/06627号
【特許文献37】米国特許第5360938号
【特許文献38】特開平07082281号
【特許文献39】ドイツ特許第2062703号
【特許文献40】ドイツ特許第2715685号
【特許文献41】ドイツ特許第2802922号
【特許文献42】欧州特許第017183号
【特許文献43】ドイツ特許第3126265号
【特許文献44】ドイツ特許第4419898号
【特許文献45】英国特許第1197902号
【特許文献46】WO01/68248号
【特許文献47】WO01/68249号
【特許文献48】WO01/68252号
【特許文献49】ドイツ特許第1954315号
【特許文献50】ドイツ特許第2045416号
【特許文献51】WO02/20451号
【特許文献52】米国特許第5208194号
【特許文献53】米国特許第4388279号
【特許文献54】WO01/72679号
【特許文献55】欧州特許第0355837号
【特許文献56】WO97/03938号
【特許文献57】ドイツ特許第19603201号
【特許文献58】ドイツ特許第4230871号
【特許文献59】欧州特許第0538732号
【特許文献60】WO97/03938号
【特許文献61】欧州特許第0588225号
【特許文献62】ドイツ特許第3338340号
【特許文献63】米国特許第4400547号
【特許文献64】WO82/03856号
【特許文献65】ドイツ特許第10240253号
【特許文献66】特開平10−226662号
【非特許文献】
【0025】
【非特許文献1】B.CORNILS、W.A、HERMANN、Applied Homogeneous Catalysis with Organometallic Compounds、Vol.1und2、VCH、Weinheim、New York、1996
【非特許文献2】N.S.Imyanitov、Rhodium Express(1995)10/11、3〜64
【非特許文献3】E.V.Slivinskii、Y.A.Rozovskii、G.AKorneeva、V.I.Kurkin、Kinetics and Catalysis(1998)39(6)764−774
【非特許文献4】A.R.El’man、V.IKurkin、E.V.Slivinskii、S.M.Loktev、Neftekhimiya(1990)30(1)46−52
【非特許文献5】Yu.B.Kagan、Y.A.Rozovskii、E.V.Slivinskii、G.A.Korneeva、V.I.Kurkin、S.M.Loktev、Kinetika i Kataliz(1987)28(6)1508−1511
【非特許文献6】Yu.B.Kagan、E.V.Slivinskii、V.I.Kurkin、G.A.Korneeva、R.A.Aranovich、N.N.Rzhevskaya、S.M.Loktev、Neftekhimiya(1985)25(6)791−797
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
ヒドロホルミル化触媒として非変性ロジウムを利用する、工程からロジウムを循環または回収する従来公知の方法は技術的にも経済的にも改良の必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0027】
技術水準に相当して非変性ロジウムにより触媒活性化された酸化が困難なオレフィンをヒドロホルミル化する、技術的にも経済的にも満足する方法は存在しない。従ってこの観点でかなり改良された方法、特に触媒の回収を簡単に行うことができ、明らかに減少した触媒の失活により特徴づけられ、これにより触媒の損失が広い範囲で回避できる方法を提供する課題が存在する。
【0028】
意想外にも、オレフィン不飽和化合物のヒドロホルミル化において、溶剤として環状カルボン酸エステルの存在で非変性ロジウムにより触媒活性化されたヒドロホルミル化を実施する場合に、選択率および活性が高まり、反応混合物の処理を容易にすることができ、触媒安定性をかなり高めることができることが示された。
【0029】
従って本発明の対象は、触媒として元素周期表の第8族〜第10族の少なくとも1種の金属を有する非変性触媒を使用する、3〜24個の炭素原子を有するオレフィン不飽和化合物を接触的にヒドロホルミル化する方法であり、前記方法は、ヒドロホルミル化を、一般式I:
【化1】

[式中、R、R、R、Rはそれぞれ同じかまたは異なり、H、1〜27個の炭素原子を有する置換されたまたは置換されていない、脂肪族、脂環族、芳香族、脂肪族−脂環族、脂肪族−芳香族、脂環族−芳香族炭化水素基を表し、
nは0〜5であり、
Xは1〜27個の炭素原子を有する二価の置換されたまたは置換されていない、脂肪族、脂環族、芳香族、脂肪族−脂環族、脂肪族−芳香族、脂環族−芳香族炭化水素基を表す]の環状カルボン酸エステルの存在で実施し、その際カルボン酸エステルの割合が反応混合物の少なくとも1質量%であることを特徴とする。
【0030】
溶剤として本発明によるカルボン酸エステルの使用により、非変性触媒、特にロジウム触媒の存在でヒドロホルミルを実施することができ、非変性触媒を再使用できることが達成される。
【0031】
すでに記載された通常のロジウム触媒活性化ヒドロホルミル化に使用される変性されたリガンドは反応温度が一般に120〜130℃に制限される、制限された熱安定性を有する。例えば内部に位置する、特に内部に位置する高度に架橋されたオレフィンのような酸化が困難なエチレン不飽和化合物の反応の場合に、リガンド変性ロジウム触媒がリガンドの熱安定性により制限される反応温度および1〜270バールの通常の反応圧力で技術的に不十分な活性を示す。
【0032】
これに対して非変性ロジウムは酸化が困難なエチレン不飽和化合物の反応の際に明らかに高い活性を示す。しかし低い熱安定性が不利である(N.S.Imyanitov、Rhodium Express(1995)10/11、3−64)。酸化が困難なエチレン不飽和化合物の例はプロペンおよびn−ブテンの二量化およびオリゴマー化により得られる異性体混合物に含まれる内部に位置する、特に内部に位置する高度に架橋したオレフィン、例えばトリプロペン、テトラプロペン、ジブテン、トリブテン、テトラブテンおよびペンタブテンである。
【0033】
本発明の方法は特に触媒が従来の溶剤に使用される触媒に比べて高い長時間安定性を有する利点を有する。更に使用される溶剤により反応混合物からの触媒の分離が簡単に可能であり、それは触媒が処理の種類(蒸留または相分離により)に関係なく溶剤として使用される環状カルボン酸エステルが存在する相に存在するからである。この混合物は直接再び触媒溶液としてヒドロホルミル化反応器に供給することができる。生成物および未反応エダクトを含有するフラクションと触媒を含有するフラクションへの相分離による反応排出物の分離は蒸留による処理に比べて触媒にかなりやさしい。減圧下での触媒の熱負荷が省かれ、従って非活性金属触媒種および金属含有沈殿物の形成が回避される。意想外にも蒸留による分離の際に非活性金属触媒種と金属含有沈殿物の形成による失活が広い範囲で回避される。
【0034】
本発明の方法により220℃までの温度で、特に高い活性を有する触媒を使用して内部に位置する高度に架橋したオレフィンのヒドロホルミル化を実施することが可能である。この方法で特に内部に位置する高度に架橋したオレフィンのヒドロホルミル化の変換率および選択率を高めることが可能である。
【0035】
本発明の方法を以下に例示的に説明するが、本発明はこの例示された実施例に限定されない。当業者には同様に発明の詳細な説明および特許請求の範囲から得られる使用範囲を有する本発明の対象である他の変更実施態様が得られる。
【0036】
触媒として元素周期表の第8族〜第10族の少なくとも1種の金属を有する非変性触媒を使用する、3〜24個の炭素原子を有するオレフィン不飽和化合物、特にオレフィンを接触的にヒドロホルミル化する本発明の方法は、ヒドロホルミル化を、一般式I:
【化2】

[式中、R、R、R、Rはそれぞれ同じかまたは異なり、H、1〜27個の炭素原子を有する置換されたまたは置換されていない、脂肪族、脂環族、芳香族、脂肪族−脂環族、脂肪族−芳香族、脂環族−芳香族炭化水素基を表し、
nは0〜5であり、
Xは1〜27個の炭素原子を有する二価の置換されたまたは置換されていない、脂肪族、脂環族、芳香族、脂肪族−脂環族、脂肪族−芳香族、脂環族−芳香族炭化水素基を表す]の環状カルボン酸エステルの存在で実施し、その際カルボン酸エステルの割合が反応混合物の少なくとも1質量%であることを特徴とする。
【0037】
置換基R〜RおよびXは同じかまたは異なっていてもよく、O、N、NH−、N−アルキルまたはN−ジアルキル基により置換されていてもよい。更にこれらの基は例えばハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、−OH、−OR、−C(O)アルキル、−CNまたは−C(O)Oアルキルのような官能基を有することができる。更にこれらの基において、少なくとも3個の炭素原子がエステル基のO原子から離れている場合に、C、CH−またはCH−基はO、N、NH−、N−アルキルまたはN−ジアルキル基により置換されていてもよい。アルキル基は再び1〜27個の炭素原子を有することができる。
【0038】
本発明の方法において、有利に環状カルボン酸エステルとしてエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートまたは例えばエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートの混合物(50:50質量%)のようなこれらの混合物を使用する。
【0039】
本発明の方法において環状カルボン酸エステルの割合は反応材料の1〜98質量%、有利に5〜70質量%であるが、特に有利には5〜50質量%である。
【0040】
環状カルボン酸エステルのほかに他の溶剤を使用することが可能である。従って特別な変法において本発明のヒドロホルミル化反応を環状カルボン酸エステルIと混合しない少なくとも1種の非極性溶剤の存在で実施する。一般式Iのカルボン酸エステルは30より高い誘電率を有する。本発明の方法に使用される環状カルボン酸エステルIと混合しない非極性溶剤は20より小さい、有利に1.1〜10、特に有利に1.1〜5のD値を有する。付加的な、特に非極性の溶剤の使用により、例えば反応混合物および特に反応排出物が単相または二相で存在するかどうか調節することができる。従って場合により反応排出物の処理に用意される相分離を簡単にすることができる。ヒドロホルミル化の反応生成物は非極性溶剤および環状カルボン酸エステルIと混合しない溶剤を用いて抽出することができ、その際溶剤はすでに反応の間に反応混合物に存在してもよく、または反応の終了の直後に添加することができる。
【0041】
非極性溶剤として、10〜50個の炭素原子を有する置換されたまたは置換されていない炭化水素、例えばヒドロホルミル化反応の高沸点副生成物、テキサノールまたはプロペンまたはブテンの四量化または五量化および引き続く水素化の際に得られる異性体混合物、すなわちテトラブタン、ペンタブタン、テトラプロパンおよび/またはペンタプロパンを使用することができる。同様に3〜24個の炭素原子を有するオレフィン、この場合に特にヒドロホルミル化に使用されるオレフィンを、ヒドロホルミル化反応を完全に反応するまで実施しない(例えば95%まで、有利に90%、特に有利に80%)および/またはヒドロホルミル化反応の間および/または後で反応混合物に他のオレフィンを添加することにより、非極性溶剤として使用することが可能である。
【0042】
本発明の方法において非極性溶剤の割合は反応材料の0〜90質量%、有利に5〜50質量%、特に有利に5〜30質量%である。
【0043】
副生成物を回避するために、非極性溶剤が使用されるオレフィン不飽和化合物でない場合は非極性溶剤はヒドロホルミル化反応の反応条件下で広い範囲で不活性でなければならない。
【0044】
本発明の方法において反応混合物はヒドロホルミル化反応器中で全部の反応領域にわたり単相または二相であってもよい。しかし出発混合物が低い反応率でまず二相で存在し、反応が経過して高い反応率で単相になることが可能である。単相エダクト混合物を本発明の方法を実施する間に二相生成物混合物にすることが可能である。このほか相特性は強く温度に依存してもよい。例えば反応温度で単相の反応混合物を冷却して二相に分解することができる。反応温度で二相の反応混合物は同様に冷却して均一になることができる。
【0045】
本発明の方法は元素周期表の第8族〜第10族の種々の触媒活性金属、しかし有利にロジウムを用いて実施することができる。本発明の範囲で元素周期表の第8族〜第10族の金属を有する非変性触媒は、変性リガンドを有しない触媒であると理解される。この明細書の意味で変性リガンドは元素周期表の第15族の1個以上のドナー原子を有する化合物であると理解される。しかしカルボニル、ヒドリド、アルコキシ、アルキル、アリール、アリル、アシルまたはアルケンリガンドおよび触媒形成に使用される金属塩の反対イオン、例えばハロゲン化物、例えばフッ化物、塩化物、臭化物、またはヨウ化物、アセチルアセトネート、カルボキシレート、例えばアセテート、2−エチルヘキサノエート、ヘキサノエート、オクタノエートまたはノナノエートは変性リガンドとみなされない。特に有利な非変性触媒はHPh(CO)である。
【0046】
その際ヒドロホルミル化反応の活性触媒錯体は金属の塩または化合物(触媒前駆体)および合成ガスから形成される。これは有利にヒドロホルミル化の間にその場で行われる。一般的な触媒前駆体はRh(I)塩、Rh(II)塩およびRh(III)塩、例えばアセテート、オクタノエート、ノナノエート、アセチルアセトネートまたはハロゲン化物およびロジウムカルボニルである。反応混合物中の金属の濃度は有利に1ppm〜1000ppm、有利に5ppm〜300ppmの範囲である。
【0047】
本発明の方法によるヒドロホルミル化のためのエダクトはエチレン不飽和C−C二重結合を有する化合物、特にオレフィンまたはオレフィンの混合物、特に末端または内部に位置するC−C二重結合を有する、3〜24個、有利に4〜16個、特に有利に4〜12個の炭素原子を有するモノオレフィン、例えば1−ペンテンまたは2−ペンテン、2−メチルブテン−1、2−メチルブテン−2、3−メチルブテン−1、1−ヘキセン、2−ヘキセンまたは3−ヘキセン、プロペンの二量化の際に生じるC−オレフィン混合物(ジプロペン)、ヘプテン、2−または3−メチル−1−ヘキセン、オクテン、2−メチルヘプテン、3−メチルヘプテン、5−メチルヘプテン−2,6−メチルヘプテン−2、2−エチルヘキセン−1,n−ブテンの二量化の際に生じる異性体C−オレフィン混合物(ジブテン)、イソブテンの二量化の際に生じるC−オレフィン混合物(ジイソブテン)、ノネン、2−または3−メチルオクテン、プロペンの三量化の際に生じるC−オレフィン混合物(トリプロペン)、デセン、2−エチル−1−オクテン、ドデセン、プロペンの四量化またはブテンの三量化の際に生じるC12−オレフィン混合物(テトラプロペンまたはトリブテン)、テトラデセン、ヘキサデセン、ブテンの四量化の際に生じるC16−オレフィン混合物(テトラブテン)および種々の数(有利に2〜4個)の炭素原子を有するオレフィンのコオリゴマー化により製造されるオレフィン混合物であり、場合により蒸留による分離の後に同じかまたは類似の鎖長を有するフラクションの形で存在する。同様にフィッシャートロプシュ合成により得られるオレフィンまたはオレフィン混合物およびエテンのオリゴマー化により得られるオレフィン、またはメタセシス反応により得られるオレフィンを使用することができる。有利なエダクトはC−、C−、C−、C−、C12−またはC16−オレフィン混合物である。本発明の方法は更にポリイソブテンまたは1,3−ブタジエンまたはイソブテンコポリマーのようなポリマーオレフィン不飽和化合物のヒドロホルミル化に使用することができる。その際ポリマーオレフィンの分子量は重要でなく、オレフィンはヒドロホルミル化媒体にのみ十分に溶解しなければならない。ポリマーオレフィンの分子量は有利に10000g/モル未満、特に有利に5000g/モル未満である。合成ガス中の一酸化炭素と水素の容積比は一般に2:1〜1:2の範囲であり、特に1:1の容積比である。合成ガスは有利に、例えば化学量の3倍までの過剰で使用する。
【0048】
ヒドロホルミル化は一般に1〜350バールの圧力で、有利に15〜270バールの圧力で実施する。使用される圧力は出発オレフィンの構造、使用される触媒および所望の作用に依存する。従って例えばα−オレフィンをロジウム触媒作用下で100バール未満の圧力で高い空時収率を有して相当するアルデヒドに反応することができる。これに対して内部に位置する二重結合を有するオレフィン、特に架橋オレフィンの場合はこれより高い圧力が有利である。
【0049】
本発明の方法の反応温度は有利に20〜220℃、より有利に100〜200℃、特に150〜190℃、特に有利に160〜180℃である。150℃より高い反応温度により特に末端位の二重結合と内部に位置する二重結合の比を改良することができ、それというのも高温で加速した異性化により末端位の二重結合が多くなり、有利な末端位でヒドロホルミル化が多く行われるからである。
【0050】
本発明の方法は不連続的に(バッチ法で)または連続的に行うことができる。しかし連続的運転法が有利である。反応器としてほとんどすべての当業者に知られた気−液反応器、例えばガス処理した撹拌容器またはバブルカラムおよび返送手段を有するまたは有しない管形反応器が適している。有利にカスケードバブルカラムおよび静的混合部品を有する管形反応器を使用する。
【0051】
本発明の方法で得られる反応器排出物は場合により未反応オレフィン不飽和化合物(オレフィン)、反応生成物、反応副生成物、少なくとも1種の環状カルボン酸、場合により非極性溶剤および触媒を有する。出発物質として使用されるオレフィン化合物の種類および質量比、場合により存在する非極性溶剤の種類および質量比、および環状カルボン酸エステルの種類および質量比に応じて反応器排出物は単相または二相であってもよい。すでに記載したように環状カルボン酸エステルまたは非極性溶剤の相当する添加により相分離を達成するかまたは回避することができる。
【0052】
反応器排出物の処理は本発明の方法において反応器排出物の相特性に応じて2つの変形で行うことができる。二相反応器排出物の場合は有利に変形Aによる相分離による処理を使用し、単相反応器排出物の場合は有利に変形Bによる蒸留処理を使用する。
【0053】
変形AまたはBによる反応器排出物の引き続く処理を行う前に、ヒドロホルミル化後に大部分の合成ガスを圧力の緩和により除去する場合が有利である。
【0054】
変形A
この変法においてはヒドロホルミル化反応の二相反応器排出物を有利に相の分離により主に触媒および環状カルボン酸エステルを含有するフラクションと、主にヒドロホルミル化生成物および未反応オレフィンもしくはオレフィン不飽和化合物を含有するフラクションに分離する。
【0055】
この変法は場合による他の非極性溶剤を使用する場合に考慮される。非極性溶剤は出発オレフィンと同じであってもよく、ヒドロホルミル化反応を完全に反応するまで実施しない(例えば95%まで、有利に90%、特に有利に80%)および/または他のオレフィンをヒドロホルミル化反応の間におよび/または後に反応混合物に添加する。
【0056】
本発明の方法の変形Aを図1により詳細に説明するが、前記方法はこの実施例に限定されない。合成ガス(1)、オレフィン(2)および環状カルボン酸エステルまたは2個以上の環状カルボン酸エステルの混合物に溶解したヒドロホルミル化触媒(3)をヒドロホルミル化反応器(4)中で反応させる。反応器排出物(5)は場合により放圧容器(6)中で過剰の合成ガス(7)を除去する。こうして得られた物質流(8)を、有利に分離装置(9)中で、環状カルボン酸エステルおよび触媒の大部分および高沸点副生成物を含有する重い相(10)と、ヒドロホルミル化生成物、未反応オレフィンおよび場合により非極性溶剤を含有する軽い相(11)に分離する。相分離は0〜130℃、しかし有利に10〜60℃の温度で行うことができる。相分離は例えば沈殿容器中で行うことができる。有利に相分離を分離装置(9)中で、合成ガス下で、1〜350バール、有利に15〜270バールの圧力で、特に有利にヒドロホルミル化反応器(4)に使用される同じ圧力で実施する。分離装置(9)の前方に場合により物質流(5)を冷却するために熱交換器が接続されていてもよい(図1に示されていない)。場合による分離工程(12)において触媒の残りを物質流(11)から除去できる。物質流(11)または(13)は分離工程(14)に供給する。ここで反応生成物(アルデヒドおよびアルコール)と未反応オレフィン(15)を分離し、引き続く処理もしくは水素化に供給する。物質流(15)から分離されたオレフィンは同じ反応器にまたは場合による第2反応工程に供給できる。同様に分離されたフラクション(16)は例えば環状カルボン酸エステル、反応生成物の残り、場合により他の添加された非極性溶剤および高沸点副生成物を含有する。フラクション(16)はヒドロホルミル化反応器(4)に取り出すかまたは返送することができる。有利に返送する前に所望の副生成物を排出しない処理を行う。分離装置(9)での触媒の分離は抽出として行うことができ、ここで少なくとも一部のフラクション(16)および/または少なくとも一部の新鮮なオレフィン(2)を直接物質流(8)に供給する。抽出は有利に連続的に実施し、一工程であってもよくまたは多工程法として向流、順流または十字流で運転することができる。例えば流れ(10)または分離工程(12)からの触媒含有排出流は公知方法により触媒金属に再使用可能な形で処理することができる。
【0057】
変形B
この変法においてヒドロホルミル化反応の均一な反応器排出物を蒸留により沸騰しやすい、主にヒドロホルミル化生成物および場合により未反応オレフィンもしくはオレフィン不飽和化合物を含有するフラクションと、主に環状カルボン酸エステルおよび触媒を有する高沸点フラクションに分離する。
【0058】
本発明の方法の変形Bを図2により詳細に説明するが、前記方法はこの実施例に限定されない。合成ガス(1)、オレフィン(2)および環状カルボン酸エステルまたは2種以上の環状カルボン酸エステルの混合物に溶解したヒドロホルミル化触媒(3)をヒドロホルミル化反応器(4)中で反応させる。反応器排出物(5)は場合により放圧容器(6)中で過剰の合成ガス(7)を除去する。こうして得られた物質流(8)を、分離装置(9)に供給し、蒸留により大部分の環状カルボン酸エステルおよび触媒を含有する沸騰しにくいフラクション(10)と、ヒドロホルミル化生成物、未反応オレフィンおよび場合により非極性溶剤を含有する沸騰しやすいフラクション(11)に分離する。触媒含有フラクション(10)はヒドロホルミル化反応器に返送する。場合により予め高沸点副生成物および/または触媒分解生成物を排出する処理工程を行うことができる(図2に示されていない)。フラクション(11)は場合により分離工程(12)でなお触媒の残りから分離することができる。引き続き流れ(13)を蒸留工程(14)に供給する。ここでヒドロホルミル化生成物(アルデヒドおよびアルコール)(16)を蒸留により未反応オレフィン(15)から分離する。例えば流れ(10)または分離工程(12)からの触媒含有排出流を、例えばWO02/20451号または米国特許第5208194号から当業者に知られている方法により、触媒金属に再使用可能な形に処理することができる。引き続きヒドロホルミル化生成物を更に処理することができる。
【0059】
未反応オレフィン(15)は同じヒドロホルミル化反応器または場合により第2反応工程に供給することができる。分離装置の技術的実施において種々の変形が使用できる。降下フィルム蒸発器、短距離蒸発器または薄膜蒸発器またはこれらの装置の組み合わせによる分離が有利である。この組み合わせの利点は、例えば第1工程でなお溶解した合成ガスおよび大部分の生成物および未反応エダクトを触媒含有アルキレンカーボネート溶液から分離し(例えば降下フォルム蒸発器またはフラッシュ蒸発器で)、引き続き第2工程で(例えば2つのカラムの組み合わせで)残りのアルキレンカーボネートを分離し、生成物および未反応エダクトを分離することにある。
【0060】
本発明の方法の2つの変形AおよびBにおいて得られる、触媒、過剰の合成ガスおよび大部分の溶剤(すなわち環状カルボン酸エステルもしくは2種以上の混合物)を分離した反応器排出物を有利に再びアルデヒド(アルコール)、オレフィン、溶剤および副生成物に分離する。これは知られているように例えば蒸留により行うことができる。反応器排出物またはヒドロホルミル化生成物から分離されたオレフィンおよび/または溶剤(アルキレンカーボネートおよび/または非極性溶剤)はヒドロホルミル化反応に返送することができる。
【0061】
本発明の方法の前記の変形は反応器排出物および場合によりヒドロホルミル化生成物の分離を含む。これは例えば蒸留により行うことができる。しかしこのほかに他の分離法、例えば特にWO01/68247号、欧州特許第0922691号、WO99/38832号、米国特許第5648554号、米国特許第5138101号に記載されている抽出または特にドイツ特許第1953641号、英国特許第1312076号、オランダ特許第8700881号、ドイツ特許第3842819号、WO9419104号、ドイツ特許第19632600号および欧州特許第1103303号に記載される浸透の使用も可能である。分離の技術的実施のために種々の方法が使用できる。降下フィルム蒸発器、短距離蒸発器または薄膜蒸発器またはこれらの装置の組み合わせによる分離が有利である。抽出分離は有利に連続的に実施する。抽出分離は一工程法として実施するかまたは多工程法として向流でまたは十字流で運転することができる。
【0062】
すべての変法において有利に触媒を含有するフラクションをヒドロホルミル化反応に返送する。これはもちろん触媒が溶解しているフラクションの組成に関係ない。
【0063】
アルデヒドだけでなく、アルデヒドから誘導されるアルコールも目的生成物である場合は、合成ガスおよび触媒および場合により溶剤を分離した反応排出物をオレフィンの分離の前にまたは後で水素化し、引き続き蒸留により純粋アルコールに処理することができる。
【0064】
本発明の方法は一工程でまたは多工程で実施することができる。この場合に第1ヒドロホルミル化反応の後に第2ヒドロホルミル化反応を実施し、第2ヒドロホルミル化反応で激しい反応条件(例えば高温および/または高圧)でヒドロホルミル化が困難な内部に位置する、特に内部に位置する高度に架橋したオレフィンを所望のアルデヒドに変換することが可能である。しかし有利にはまず未反応オレフィンおよびヒドロホルミル化生成物(アルデヒドおよびアルコール)の分離を行い、未反応オレフィンを同じヒドロホルミル化工程に返送するかまたは第2ヒドロホルミル化工程またはなお他のヒドロホルミル化工程に供給する。その際第2ヒドロホルミル化工程で完全に異なる触媒、すなわち他の触媒金属またはリガンド変性触媒金属を使用することも可能である。更に未反応オレフィンにここで高い濃度の触媒を添加し、ヒドロホルミル化が困難なオレフィンを所望の生成物に変換することが有利である。すべての場合に他のヒドロホルミル化工程で環状カルボン酸エステルを前記の量で添加することが必要である。
【0065】
本発明の方法においてオレフィン不飽和化合物として第1ヒドロホルミル化反応の反応器排出物から未反応オレフィン不飽和化合物として得られた化合物を使用することができる。その際全部の反応排出物またはその一部、特に第1工程からの大部分の未反応オレフィン化合物を有する一部を使用することができる。この変形において第1ヒドロホルミル化反応をリガンド変性触媒の存在で実施する場合が全く有利である。
【0066】
以下の例は本発明の説明にのみ用いられ、その使用範囲は発明の詳細な説明および特許請求の範囲から得られるものに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の方法の変形Aの工程図である
【図2】本発明の方法の変形Bの工程図である。
【実施例】
【0068】
例1(変形A)
2リットル撹拌オートクレーブに窒素雰囲気下でプロピレンカーボネート560g、トリ−n−ブテン560gおよびロジウム(II)ノナノエート0.0888gもしくは0.0225gを予め入れ、前記ノナノエートは反応器内容物の質量に対してロジウム5ppmもしくは20ppmのロジウム濃度に相当する。引き続きオートクレーブに合成ガス(CO/H、モル比1:1)を供給し、所望の反応温度まで加熱する。加熱の間に反応器圧力を調節する。反応温度は130℃〜180℃である。反応圧力は260バールである。反応中に合成ガスを圧力を調節して後から供給する。5時間後試験を中止し、反応器を周囲温度に冷却する。反応器排出物は常に二相であり、ロジウム沈積物を含まない。
【0069】
相分離容器で分離された軽い炭化水素相の組成をクロマトグラフィーにより測定する。ガスクロマトグラフィーの結果および温度およびロジウム濃度のような反応条件を表1に示す。
【0070】
表1;260バールおよび種々の温度での5時間のトリ−n−ブテンのヒドロホルミル化。示された割合(質量%)は軽い炭化水素相の組成に関し、その際場合により存在するカルボン酸エステルおよび触媒を除外して計算した。試験6において試験5の反応器排出物の処理の際に得られる触媒溶液を再び使用した。
【0071】
【表1】

【0072】
【表2】

【0073】
例2(変形B)
例1と同様にしてジ−n−ブテン(560g)をヒドロホルミル化した。試験7〜13の反応器排出物は常に単相であり、(ロジウム)沈積物を含まなかった。例1と異なり反応器排出物を処理せずにガスクロマトグラフィーにより分析した。ガスクロマトグラフィーの結果および温度、圧力およびロジウム濃度のような反応条件を表2に示した。
【0074】
表2:種々の圧力、ロジウム濃度および温度でのジ−n−ブテンのヒドロホルミル化。示された割合(質量%)は反応器排出物の組成に関し、その際存在するカルボン酸エステルおよび触媒を除外して計算した。
【0075】
【表3】

【0076】
例3(従来の処理方法)
例2と同様に、ただし溶剤としてプロピレンカーボネートの代わりにペンタブタンを使用してジ−n−ブテンをヒドロホルミル化した。試験14からの反応器排出物はすでに明らかに黒い(ロジウム)沈積を示した。引き続き薄膜蒸発器で触媒含有溶液からアルデヒドおよび未反応オレフィンを分離し、新たなヒドロホルミル化に使用した(試験15)。ガスクロマトグラフィーの結果および温度、圧力およびロジウム濃度のような反応条件を表3に示す。
【0077】
表3:ペンタブタン中の150℃および250バールでのジ−n−ブテンのヒドロホルミル化。示される割合(質量%)は反応器排出物の組成に関し、その際存在するペンタブタン、副生成物および触媒を除外して計算した。試験15において試験14の蒸留による処理の際に得られる触媒溶液を再び使用した。
【0078】
【表4】

【0079】
試験1〜13のそれぞれのロジウム沈積物の欠如は溶剤として使用されるアルキレンカーボネートがロジウム化合物を特別なやり方で安定化できることを示唆する。これに対して比較試験において溶剤としてアルカンを使用する場合にかなりのロジウム沈積物および触媒返送の際の急激な活性の損失が認められる(試験14および15)。試験6において試験5からの触媒相を新たなヒドロホルミル化に使用した。その際実験の正確性の枠内でオレフィン変換率は常に一定である。
【0080】
本発明の方法が所望のアルデヒドを形成する明らかに高い化学的選択率を提供し、更に技術的に簡単な触媒の返送を著しい失活なしに可能にすることが試験で確認される。
【符号の説明】
【0081】
1 合成ガス、 2 オレフィン、 3 ヒドロホルミル化触媒、 4 ヒドロホルミル化反応器、 5 反応器排出物、 6 放圧容器、 7 合成ガス、 8 得られた物質流、 9 分離装置、 10 沸騰しにくいフラクション、 11 沸騰しやすいフラクション、 12 分離工程、 13 流れ、 14 蒸留工程、 15 未反応オレフィン、 16 ヒドロホルミル化生成物(アルデヒドおよびアルコール)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒として元素周期表の第8族〜第10族の少なくとも1種の金属を有する非変性触媒を使用する、3〜24個の炭素原子を有するオレフィン不飽和化合物を接触的にヒドロホルミル化する方法において、ヒドロホルミル化を、一般式I:
【化1】

[式中、R、R、R、Rはそれぞれ同じかまたは異なり、H、1〜27個の炭素原子を有する置換されたまたは置換されていない、脂肪族、脂環族、芳香族、脂肪族−脂環族、脂肪族−芳香族、脂環族−芳香族炭化水素基を表し、
nは0〜5であり、
Xは1〜27個の炭素原子を有する二価の置換されたまたは置換されていない、脂肪族、脂環族、芳香族、脂肪族−脂環族、脂肪族−芳香族、脂環族−芳香族炭化水素基を表す]の環状カルボン酸エステルの存在で実施し、その際カルボン酸エステルの割合が反応混合物の少なくとも1質量%であり、反応温度が150〜190℃であることを特徴とするオレフィン不飽和化合物を接触的にヒドロホルミル化する方法。
【請求項2】
、R、R、RおよびXは同じかまたは異なり、O、N、NH−、N−アルキルまたはN−ジアルキル基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−OH、−OR、−CN、−C(O)アルキルまたは−C(O)O−アルキルにより置換されている請求項1記載の方法。
【請求項3】
ヒドロホルミル化を、反応材料に対して5〜50質量%の、環状カルボン酸エステルIに比較して非極性の、環状カルボン酸エステルIと混合しない溶剤の存在で実施する請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
ヒドロホルミル化の反応生成物を、非極性の、環状カルボン酸エステルと混合しない溶剤を用いて抽出する請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
非極性溶剤として、10〜50個の炭素原子を有する置換されたまたは置換されていない炭化水素または3〜24個の炭素原子を有するオレフィンを使用する請求項3または4記載の方法。
【請求項6】
ヒドロホルミル化を触媒としてHPh(CO)の存在で実施する請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
ヒドロホルミル化反応の反応排出物を、主に触媒および環状カルボン酸エステルを含有する部分と、主にヒドロホルミル化生成物を含有する部分に分離する請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
二相反応器排出物の場合は相分離による処理を使用し、単相反応器排出物の場合は蒸留処理を使用する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
触媒を含有する部分をヒドロホルミル化反応に返送する請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
環状カルボン酸エステルとしてエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートまたはブチレンカーボネートまたはこれらの混合物を使用する請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
未反応オレフィン不飽和化合物を反応排出物からまたはヒドロホルミル化生成物から分離し、同じヒドロホルミル化反応に返送するかまたは第2ヒドロホルミル化反応に供給する請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
オレフィン不飽和化合物として、第1ヒドロホルミル化反応の反応排出物から未反応オレフィン不飽和化合物として得られる化合物を使用する請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
オレフィン不飽和化合物として、リガンド変性触媒の存在で実施する第1ヒドロホルミル化反応の反応排出物から未反応オレフィン不飽和化合物として得られる化合物を使用する請求項12記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−138189(P2010−138189A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−49991(P2010−49991)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【分割の表示】特願2004−535060(P2004−535060)の分割
【原出願日】平成15年8月7日(2003.8.7)
【出願人】(398054432)エボニック オクセノ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (63)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Oxeno GmbH
【住所又は居所原語表記】Paul−Baumann−Strasse 1, D−45764 Marl, Germany
【Fターム(参考)】