説明

生ごみ処理装置

【課題】生ごみ処理装置が開示される。
【解決手段】本発明の生ごみ処理装置は、回転するドラムの内部で生ごみが脱水されてハウジングの内部に吐出され、ドラムの回転によってハウジング内部の生ごみがハウジングの外部に排出される。すなわち、1つの部品によって生ごみが脱水→吐出→排出されるため、コストが低減される。そして、1つのモータによって生ごみの破砕、脱水、吐出および排出が行われるため、さらにコストが低減される。そして、相対的に簡単な構造のカムと回転軸、そして、慣性によってドラムのドラム下部が昇降しながらドラム上部に密閉または離隔し、生ごみを脱水、吐出および排出するため、さらにコストが低減される。そして、遠心力によって生ごみが脱水および吐出され、ドラムに設けられたブレードによってハウジング内部の生ごみがハウジングの外部に排出される。すなわち、生ごみが完全脱水、完全吐出および完全排出されるため、極めて衛生的である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生ごみ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生ごみは、生ごみ処理に関する法律により、浸出水が発生しないように水分のない状態で排出しなければならない。
【0003】
このために、多様な形態の生ごみ処理装置が開発されて用いられている。
【0004】
従来の生ごみ処理装置は、生ごみを脱水する手段、生ごみをドラムの外部に吐出する手段、そして、吐出された生ごみを生ごみ処理装置の外部に排出する手段がそれぞれ別途に設けられるため、コストが上昇する。
【0005】
そして、生ごみの破砕、脱水、吐出および排出が、モータまたはスクリュなどのような別の駆動手段によってそれぞれ行われるため、さらにコストが上昇する。
【0006】
そして、生ごみの脱水が不完全で、脱水された生ごみが完全に吐出および排出されない場合が多いため、非衛生的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の従来技術の問題を解消するためになされたものであって、本発明の目的は、コストを低減することができる生ごみ処理装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、生ごみを完全脱水→完全吐出→完全排出することができる衛生的な生ごみ処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための、本発明にかかる生ごみ処理装置は、回転軸を有するモータと、前記モータに下部側が設けられ、前記回転軸が貫通し、上面には生ごみが投入される投入孔が形成され、下面側には生ごみから脱水された水が排水される排水孔および生ごみが排出される排出部が形成されたハウジングと、少なくとも1つは昇降可能に設けられ、相互接触または分離されながら相互密閉または離隔開放され、前記回転軸を中心に回転可能に前記ハウジングの内部に設けられ、前記投入孔と連通し、前記投入孔を介して投入された生ごみを収容して相互密閉されて回転しながら生ごみを脱水し、相互離隔開放されて回転しながら脱水された生ごみを遠心力によって前記ハウジングの内部に吐出し、前記ハウジングの内部に吐出された生ごみを前記排出部を介して排出させるドラム上部およびドラム下部を有するドラムとを含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明にかかる生ごみ処理装置は、回転するドラムの内部で生ごみが脱水されてハウジングの内部に吐出され、ドラムの回転によってハウジング内部の生ごみがハウジングの外部に排出される。すなわち、1つの部品によって生ごみが脱水→吐出→排出されるため、コストが低減される。
【0011】
そして、1つのモータによって生ごみの破砕、脱水、吐出および排出が行われるため、さらにコストが低減される。
【0012】
そして、相対的に簡単な構造のカムと回転軸、そして、慣性によってドラムのドラム下部が昇降しながらドラム上部に密閉または離隔し、生ごみを脱水、吐出および排出するため、さらにコストが低減される。
【0013】
そして、遠心力によって生ごみが脱水および吐出され、ドラムに設けられた排出ブレードによってハウジング内部の生ごみがハウジングの外部に排出される。すなわち、生ごみが完全脱水、完全吐出および完全排出されるため、極めて衛生的である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態にかかる生ごみ処理装置の斜視図である。
【図2】図1に示すモータを除いた「A−A」線切開断面斜視図である。
【図3】図2に示すカムにモータの回転軸が結合された状態を示す斜視図である。
【図4】図3に示すカムの拡大斜視図である。
【図5】図4の「B−B」線断面図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかるカムおよびドラム下部の動作を示す一部断面要部正面図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかるカムおよびドラム下部の動作を示す一部断面要部正面図である。
【図8】本発明の一実施形態にかかるカムおよびドラム下部の動作を示す一部断面要部正面図である。
【図9】図2に示すカムおよびドラム下部が下降した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付した図面を参照して、本発明の一実施形態にかかる生ごみ処理装置を詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態にかかる生ごみ処理装置の斜視図であり、図2は、図1に示すモータを除いた「A−A」線切開断面斜視図である。
【0017】
図示のように、本実施形態にかかる生ごみ処理装置は、互いに結合されたハウジング上部111およびハウジング下部115を有するハウジング110を含む。
【0018】
以下、ハウジング110を含む他の構成要素の面および方向を指し示すにあたり、ハウジング110の上面であるハウジング上部111の上面側に向かう面および方向を「上面および上側」、ハウジング110の下面であるハウジング下部115の下面側に向かう面および方向を「下面および下側」という。
【0019】
ハウジング110の上部を形成するハウジング上部111の上面中央部には、下側に陥没した陥没部112が形成されており、ハウジング上部111の下面は開放されている。ハウジング110の下部を形成するハウジング下部115の下面には回転軸122を有するモータ120の上面が結合されており、ハウジング下部115の上面は開放されている。ハウジング上部111の下端面とハウジング下部115の上端面とが互いに結合されており、生ごみ処理装置の外観を形成している。
【0020】
回転軸122の上端部は、ハウジング下部115の下面を貫通し、ハウジング上部111の陥没部112まで延在している。
【0021】
陥没部112には投入管131の下部が挿入固定されており、投入管131の上部は流し台(図示せず)などに結合固定されている。投入管131の下端部には、生ごみを破砕する刃135aなどを有する破砕ユニット135が設けられている。破砕ユニット135は、回転軸122の上端部に結合されており、回転軸122の回転によって回転する。
【0022】
生ごみは、投入管131の上部から投入され、破砕ユニット135によって破砕された後、ハウジング上部111の上面に形成された投入孔112aを介して、後述するドラム140の内部に投入される。破砕ユニット135には、破砕された生ごみをハウジング上部111の投入孔112aへ送達するための複数の連通孔135bが形成されている。
【0023】
投入孔112aの形成位置およびドラム140については後述する。
【0024】
陥没部112が形成されているハウジング上部111の上面中央部には、回転軸122が貫通される支持管113aが、下向きに延設されており、支持管113aの外側のハウジング上部111の上面には、リング状の結合枠113bが、支持管113aを取り囲むように形成されている。結合枠113bは、陥没部112を形成するハウジング上部111の上面から下向きに延設されており、結合枠113bと支持管113aとの間に投入孔112aが形成されている。
【0025】
結合枠113bの外周面は、ドラム140のドラム上部141の内周面に、回転可能に支持されている。ドラム上部141の回転を円滑にするために、ドラム上部141の内周面と結合枠113bの外周面との間にベアリング161が介設されている。また、支持管113aの上部には、回転軸122を円滑に回転可能に支持するためのベアリング163が設置されている。
【0026】
ハウジング110の内部には、ドラム上部141およびドラム下部145からなるドラム140が設けられている。ドラム140は、投入孔112aに連通しており、投入孔112aから投入された生ごみを収容する。
【0027】
ドラム上部141およびドラム下部145は互いに分離可能であり、回転軸122を中心にして回転可能に設けられている。ドラム上部141およびドラム下部145の少なくとも一方は昇降可能に設けられており、互いに接合または離間することによって、ドラムを密閉状態または解放状態にすることができる。ドラム密閉状態においては、ドラム上部141およびドラム下部145が回転することによって、投入孔112aからドラム内に投入された生ごみを脱水する。ドラムの解放状態においては、回転するドラム上部141およびドラム下部145の遠心力によって、脱水された生ごみをハウジング110の内部へ吐出する。
【0028】
本実施形態にかかる生ごみ処理装置は、ドラム下部145が昇降する。
【0029】
詳細に説明すると、ドラム上部141は略逆漏斗状に形成されており、ドラム上部141の内周面がハウジング上部111の結合枠113bの外周面に回転可能に支持されている。ドラム上部141の内周面に結合枠113bが支持されているため、結合枠113bの内側に形成された投入孔112aもドラム上部141の内周面の内側に位置することとなる。したがって、投入孔112aはドラム上部141の内部と連通するため、生ごみを投入孔112aからドラム140の内部に投入することができる。
【0030】
ドラム下部145は、略漏斗状に形成されており、回転軸122を中心にして回転可能に設けられている。ドラム下部145は、後述するカム150によって、回転軸122に沿って昇降し、カム150とともに回転することができる。
【0031】
カム150が上昇するとドラム下部145も上昇し、ドラム下部145の上端面がドラム上部141の下端面と接合する。カム150が下降するとドラム下部145も下降し、ドラム下部145の上端面がドラム上部141の下端面から離間する。
【0032】
ドラム上部141およびドラム下部145の内部に投入された生ごみを脱水するときは、ドラム上部141とドラム下部145とを互いに接合させ、ドラムを密閉状態にする。ドラム上部141およびドラム下部145の内部に投入された生ごみをハウジング110の内部に吐出するときは、ドラム上部141とドラム下部145とを互いに離間させ、ドラムを開放状態にする。
【0033】
ドラム下部145はカム150と一体的に回転し、ドラム上部141はドラム下部145と接合し摩擦係合したときにドラム下部145の回転によって回転する。ドラム上部141およびドラム下部145の回転により生じる遠心力によって生ごみを脱水した後、脱水された生ごみを吐出する。ドラム上部141およびドラム下部145の回転によって生ごみから脱水された水は、ドラム上部141に形成された脱水孔(図示せず)およびドラム下部145に形成された脱水孔145cを介してドラム140の外部に排出される。ドラム140の外部に排出された水は、ハウジング110の下面に形成された排水孔118を介してハウジング110の外部に排水される。
【0034】
ドラム140の内部の生ごみは、ドラム140の回転により生じる遠心力によって、ドラム上部141の傾斜面およびドラム下部145の傾斜面に沿って移動し、ドラム上部141とドラム下部145との間からハウジング110の内部に吐出される。すなわち、生ごみは、最大の遠心力が作用するドラム上部141の周縁部とドラム下部145の周縁部との間に生じた隙間を通って吐出される。
【0035】
ドラム下部145の内部には、回転軸122に支持されたベアリング165が設けられており、ベアリング165には複数の内部ブレード146が設けられている。内部ブレード146は、ドラム下部145に対して独立的に回転可能に設けられている。すなわち、内部ブレード146は、ドラム下部145の回転によって回転するのではなく、ドラム下部145の回転による慣性によって回転する。
【0036】
内部ブレード146は、ドラム下部145の傾斜面に対して当接する。また、内部ブレード146の上端部は、ドラム下部145とドラム上部141との境界部分で上側に曲げられており、ドラム上部141の傾斜面と当接する。このことにより、ドラム上部141およびドラム下部145の各傾斜面に付着した生ごみは、内部ブレード146によって掻き落とされた後、遠心力によってドラム140の外部に吐出される。したがって、ドラム140内部の生ごみは、ハウジング110の外部に完全に吐出される。
【0037】
ドラム上部141の傾斜面には、ハウジング110の上部の内面に対して略当接する複数の外部ブレード142が形成されている。外部ブレード142は、ドラム上部141と一体的に回転することによって、ドラム上部141とドラム下部145との間から吐出された生ごみがハウジング110の上部の内面に付着することを防止する。
【0038】
ハウジング110の内部に吐出された生ごみは、ハウジング下部115に形成された排出部116を介してハウジング110の外部に排出される。排出部116は、排水孔118よりも上側に位置している。排出部116には、排出部116を開閉する開閉板117が設けられている。
【0039】
排出部116を開閉する開閉板117は、回転型または引き戸型または開き戸型などの様々な形態で設けることができる。生ごみは、開放された排出部116を介して、ハウジング110の外部へ排出される。
【0040】
ドラム下部145の下面には排出ブレード147が設けられている。排出ブレード147は、ドラム下部145と一体的に回転することによって、ハウジング110の内部に吐出された生ごみを掃いて排出部116へ移動させる。
【0041】
ドラム下部145の下面には、ドラム140からハウジング110の内部に吐出された生ごみがハウジング110の排水孔118へ移動するのを防止するための遮断手段148が設けられている。遮断手段148は、リング状の枠または複数の突起で形成されており、ドラム下部145が下降したときにハウジング110の下面と当接して、生ごみが排水孔118へ移動するのを防止する。
【0042】
すなわち、遮断手段148は、ドラム下部145と一体的に回転することによって、円形のフェンスを形成し、ハウジング110の内部に吐出された生ごみが排出ブレード147の回転経路から外れるのを防止する。
【0043】
回転軸122におけるハウジング下部115とドラム下部145との間に位置する部分の外周面の周りに、カム150が回転軸122に沿って昇降可能にかつ回転軸122に対して回転可能に設けられている。カム150は、回転軸122の回転によって回転する。カム150は、回転軸122を回転させたときは、回転軸122との作用および慣性によって上昇し、回転軸122の回転が停止したときは、回転軸122の回転速度と慣性により回転するカム150の回転速度との差或いは回転軸122との作用によって下降する。
【0044】
カム150について、図2〜図5を参照して説明する。図3は、図2に示すカムにモータの回転軸が結合された状態を示す斜視図であり、図4は、図3に示すカムの拡大斜視図であり、図5は、図4の「B−B」線断面図である。
【0045】
図示のように、回転軸122の下部の外周面には支持突起124が形成されている。支持突起124は、回転軸122の外周面における同じ高さの位置に、回転軸122の円周方向に沿って等間隔で2つ以上設けられている。
【0046】
カム150は、中央に貫通孔152が形成された結合片151と、貫通孔152の内周面から下側に延設され、回転軸122が貫通する管状の本体部155と、本体部155の下部の内周面に形成された、本体部155の剛性を補強するための複数の補強突起158とを有している。
【0047】
結合片151は、ドラム下部145の下面に結合される。結合片151とドラム下部145とを強固に結合するために、ドラム下部145の下面に、リング状の内側支持枠145aおよび外側支持枠145bが形成されている。外側支持枠145bは、内側支持枠145aを取り囲むように内側支持枠145aの外側に配置されている。内側支持枠145aおよび外側支持枠145bは所定間隔を隔てて互いに対向配置されている。結合片151は、内側支持枠145aと外側支持枠145bとの間に挿入配置され、締結ねじなどによってドラム下部145に結合される。したがって、ドラム下部145は、カム150と一体的に昇降および回転することができる。
【0048】
本体部155は回転軸122を中心にして回転可能に設けられており、外周面にはカムを支持するべく支持突起124が突入される案内路156が形成されている。案内路156は、水平路156aおよび傾斜路156bを有している。
【0049】
水平路156aは、本体部155の円周方向に沿って、本体部155の下部の外周面に水平に形成されている。傾斜路156bは水平路156aに対して鈍角をなして形成されており、水平路156aの下端は水平路156aの右端に接続している。案内路156の数は、支持突起124の数に応じて決定される。
【0050】
カム150の動作を、図6〜図8を参照して説明する。図6〜図8は、本発明の一実施形態にかかるカムおよびドラム下部の動作を示す一部断面要部正面図である。
【0051】
図6に示すように、回転軸122が停止し、ドラム下部145が自重によって下降し、ドラム上部141に対して離間した状態を最初の状態とする。この最初の状態のときは、カム150を支持する支持突起124は、案内路156の傾斜路156bの上端に位置している。このとき、カムは下降しており、ドラム上部141とドラム下部145とが互いに離間してドラムが開放されている。
【0052】
図6に示す最初の状態で、モータ120(図3参照)を駆動して回転軸122を回転させると、図7に示すように、支持突起124が案内路156の傾斜路156bの中間部分へ移動する。これにより、カム150は図7に示す実線矢印の方向へ上昇し、カム150と一体的にドラム下部145も上昇する。
【0053】
図7に示す状態で回転軸122をさらに回転させると、図8に示すように、支持突起124は、傾斜路156bに沿って下側へ移動する。支持突起124が傾斜路156bと水平路156aとの境界部分に移動するまでの間、カム150は上昇し、カム150と一体的に上昇したドラム下部145はドラム上部141と接合する。
【0054】
その後、支持突起124が水平路156aの左端に到達すると、支持突起124から伝達される回転軸122の回転力によってカム150が回転する。そして、カム150の回転によってドラム下部145が回転し、ドラム下部145の回転によって、ドラム下部145と摩擦係合されたドラム上部141が回転する。
【0055】
その後、モータ120を停止して回転軸122の回転速度が次第に減少するようにするか、或いは回転軸112の回転速度を遅くすると、ドラム140およびカム150は慣性によって回転軸122よりも速い速度で回転するため、カム150の回転速度と回転軸122の回転速度との差により、図7に示すように、支持突起124がカム150の水平路156aの右端を通って傾斜路156bへ移動し、これにより、カム150は図7に示す点線矢印の方向へ下降する。
【0056】
時間がさらに経過すると、図6に示すように、支持突起124が傾斜路156bの上端へ移動し、カム150およびドラム下部145は完全に下降する。
【0057】
本実施形態にかかる生ごみ処理装置の作用を、図2、図3および図9を参照して説明する。本実施形態にかかる生ごみ処理装置は、カム150と回転軸122の支持突起124との作用および慣性によってドラム下部145が昇降し、生ごみを脱水、吐出および排出する。
【0058】
投入管131に生ごみを投入した後、モータ120を駆動して回転軸122を回転させると、前述したカム150と回転軸122との作用あるいは慣性によってカム150が上昇し、カム150の上昇によりドラム下部145も上昇する。ドラム下部145が完全に上昇すると、図2に示すように、ドラム下部145がドラム上部141に対して接合し、ドラム下部145およびドラム上部141が互いに密閉される。
【0059】
カム150およびドラム下部145は、完全に上昇した後、回転軸122の回転によって回転する。カム150およびドラム下部145が回転する前、破砕ユニット135が回転軸122によって回転し、生ごみを破砕する。カム150およびドラム下部145の回転時期と破砕ユニット135の回転時期とは微細な時間差を有する。
【0060】
破砕ユニット135によって破砕された生ごみは、連通孔135bおよび投入孔112aを介して、ドラム140の内部に投入される。ドラム140の内部に投入された生ごみは、まず、ドラム140の回転によって脱水される。脱水された水は、ドラム上部141の脱水孔(図示せず)およびドラム下部145の脱水孔145cを介してドラム140の外部に吐出された後、ハウジング110の排水孔118を介してハウジング110の外部に排水される。
【0061】
生ごみが完全に脱水された後、回転軸122の回転速度を遅くするか、或いはモータ120を停止して回転軸122の回転速度が次第に減少するようにすると、ドラム140とカム150は、慣性によって回転軸122よりも速い回転速度で回転することとなる。
【0062】
すると、慣性および前述したカム150と回転軸122の作用によってカム150が下降し、カム150の下降によりドラム下部145も下降する。ドラム下部145が下降すると、図9に示すように、ドラム下部145がドラム上部141に対して離間し、ドラム下部145とドラム上部141との間に間隔が生じる。この間隔から、脱水された生ごみが、回転するドラム140の遠心力によってハウジング110の内部に吐出される。
【0063】
生ごみはハウジング110の内部の下側に吐出される。このとき、外部ブレード142によって、生ごみがハウジング110の上部の内面に付着することが防止される。ドラム上部141およびドラム下部145の内部の傾斜面に付着した生ごみは、ドラム下部145に対して独立的に回転する内部ブレード146によって掻き落とされた後、遠心力によってハウジング110の内部に吐出される。
【0064】
ドラム下部145の下面に形成された遮断手段148は、ハウジング下部115と当接することによって、生ごみが排水孔118へ移動するのを防止する。ハウジング下部115に形成された開閉板117は、排出部116を開閉する。ハウジング110の内部に吐出された生ごみは、ドラム下部145の下面に結合されドラム下部145と一体的に回転する排出ブレード147によって掃かれて排出部116に移動させられ、開放された排出部116からハウジング110の外部へ排出される。
【0065】
生ごみをドラム140の外部への吐出、およびハウジング110の外部への排出を行うときは、回転軸122の回転速度を減速した後加速させ、その後再び減速させるという動作を繰り返せばよい。
【0066】
本実施形態にかかる生ごみ処理装置は、回転するドラム上部141およびドラム下部145の内部で生ごみが遠心力によって脱水された後吐出され、ドラム下部145の回転によってハウジング110の外部に排出される。すなわち、1つの部品によって生ごみが脱水、吐出および排出されるため、コストが低減される。
【0067】
そして、1つのモータ120によって生ごみの破砕、脱水、吐出および排出が行われるため、さらにコストが低減される。
【0068】
相対的に簡単な構造のカム150と回転軸122の構造、そして、慣性によってドラム下部145が昇降するため、さらにコストが低減される。
【0069】
そして、遠心力によって生ごみが脱水および吐出され、ドラム140に設けられた排出ブレード147によってハウジング110内部の生ごみがハウジング110の外部に排出される。すなわち、生ごみが完全脱水、完全吐出および完全排出されるため、極めて衛生的である。
【0070】
以上では、本発明の実施形態により本発明を説明したが、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で変更および変形したものも、本発明に属することは当然である。
【符号の説明】
【0071】
110:ハウジング
111:ハウジング上部
115:ハウジング下部
122:回転軸
124:支持突起
140:ドラム
141:ドラム上部
145:ドラム下部
150:カム
156:案内路
156a:水平路
156b:傾斜路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生ごみ処理装置であって、
回転軸を有するモータと、
下部側に前記モータが設けられ、下部側から前記回転軸が貫通され、生ごみを投入するための投入孔が形成された上面および、生ごみから脱水された水を排出するための排水孔および脱水された生ごみを排出するための排出部が形成された下面を有するハウジングと、
互いに分離可能なドラム上部およびドラム下部を含み、前記ハウジング内にて前記回転軸を中心に回転可能に設けられ、かつ前記投入孔に連通するドラムとを含み、
前記ドラム上部およびドラム下部の少なくとも一方が昇降可能に設けられており、前記両ドラム部が互いに接合または離間することにより前記ドラムの密閉状態または開放状態を形成し、
前記密閉状態においては、回転によって、前記投入孔を介して投入され、前記ドラム内に収容された生ごみを脱水し、
前記開放状態においては、遠心力によって、脱水された生ごみを前記ハウジングの内部に吐出し、前記ハウジングの内部に吐出された生ごみを前記排出部を介して排出するように構成したことを特徴とする生ごみ処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の生ごみ処理装置であって、
前記ドラム上部が、逆漏斗状に形成され、生ごみから脱水された水を排出するための脱水孔を有し、
前記ドラム下部が、漏斗状に形成され、生ごみから脱水された水を排出するための別の脱水孔を有し、
前記開放状態においては、生ごみが、前記ドラム上部の傾斜面および前記ドラム下部の傾斜面に沿って移動し、最大の遠心力が作用する前記ドラム上部の周縁部と前記ドラム下部の周縁部との間から吐出されるように構成したことを特徴とする生ごみ処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の生ごみ処理装置であって、
前記ドラム下部の内部に該ドラム下部に対して独立して回転可能に設けられた、前記ドラム下部の回転による慣性によって回転し、前記ドラム上部およびドラム下部に付着した生ごみを掻き落とす内部ブレードをさらに有することを特徴とする生ごみ処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の生ごみ処理装置であって、
前記ハウジング内に位置する前記回転軸の外周面の周りに、前記回転軸に沿って昇降可能にかつ前記回転軸に対して回転可能に設けられたカムをさらに有し、
前記回転軸を回転させたときに、慣性および前記カムと前記回転軸との作用により、前記カムが上昇または下降し、前記ドラム上部および前記ドラム下部のうちの予め選択された一方を上昇または下降させた後に回転させ、
前記回転軸の回転速度を変化させたときは、前記回転軸の回転速度と慣性により回転する前記カムの回転速度との差或いは前記カムと前記回転軸との作用により前記カムが下降または上昇し、前記ドラム上部および前記ドラム下部のうちの予め選択された一方を下降または上昇させるように構成したことを特徴とする生ごみ処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の生ごみ処理装置であって、
水平に形成された水平路と、前記水平路に対して鈍角をなして形成されその下端が前記水平路の一端に接続された傾斜路とを有する案内路が、前記カムの円周方向に沿って形成されており、
前記回転軸が、前記案内路に突入して前記カムを支持する支持突起を有することを特徴とする生ごみ処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の生ごみ処理装置であって、
前記ドラム上部の上部側が、前記ハウジングに回転可能に支持され、かつ前記投入孔に連通されており、
前記ドラム下部の下部側が前記カムに結合されており、
前記カムが上昇したときは、前記ドラム下部が上昇して前記ドラム下部の上部側が前記ドラム上部の下部側に対して摩擦接合し、前記両ドラム部が一体的に回転することによって生ごみを脱水し、
前記カムが下降したときは、前記ドラム下部が下降して前記ドラム下部の上部が前記ドラム上部の下部から離間し、遠心力によって、脱水された生ごみを前記ドラム上部と前記ドラム下部との間から前記ハウジングの内部に吐出し、前記ハウジングの内部に吐出された生ごみを前記排出部から排出するように構成したことを特徴とする生ごみ処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の生ごみ処理装置であって、
前記ドラム上部は、該ドラム上部と一体的に回転に回転することにより、前記ドラム上部と前記ドラム下部との間から前記ハウジング内部へ吐出された生ごみが前記ハウジングの内面に付着することを防止する複数の外部ブレードを有し、
前記排出部は、前記排出部を開閉する開閉板を有し、かつ
前記ドラム下部はその下面に、該ドラム下部と一体的に回転し、前記ハウジングの内部に吐出された生ごみを前記排出部へ移動させる排出ブレードと、前記ドラム下部が下降したときに前記ハウジングと当接し、前記ハウジングの内部に吐出された生ごみが前記排水孔へ移動するのを防止する遮断手段とを有することを特徴とする生ごみ処理装置。
【請求項8】
請求項5に記載の生ごみ処理装置であって、
前記案内路および前記支持突起は互いに一対一で対応するように形成されており、
前記カムは、前記ドラム下部に結合され、かつ前記回転軸が貫通するべく中央に形成された貫通孔を有する結合片と、前記貫通孔の内周面から下側に延設され、前記回転軸が貫通し、かつ前記案内路が設けられた管状の本体部とを有し、
前記ドラム下部はその下面に、前記結合片が挿入配置される空間を画定するべく互いに所定の間隔を隔てて形成されたリング状の内側支持枠および外側支持枠を有することを特徴とする生ごみ処理装置。
【請求項9】
請求項1に記載の生ごみ処理装置であって、
前記ハウジングが、互いに結合されたハウジング上部およびハウジング下部を含み、
前記ハウジング上部の前記上面に、下側に陥没した陥没部が形成されており、
前記陥没部が、前記回転軸が貫通するべく下側へ延設された支持管と、前記支持管を取り囲むように設けられ、前記ドラム上部の内周面に回転可能に当接するリング状の結合枠とを有し、
前記投入孔が、前記陥没部における前記支持管と前記結合枠との間に形成されていることを特徴とする生ごみ処理装置。
【請求項10】
請求項1に記載の生ごみ処理装置であって、
前記ハウジング内にて前記投入孔の近傍に設けられ、かつ前記投入孔に連通する、前記モータの前記回転軸の回転により回転し、生ごみを破砕する破砕ユニットをさらに含むことを特徴とする生ごみ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−532008(P2012−532008A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517375(P2012−517375)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【国際出願番号】PCT/KR2010/003961
【国際公開番号】WO2011/002167
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(512000422)
【Fターム(参考)】