説明

生体器官拡張器具および生体器官拡張器具の製造方法

【課題】バルーン上に装着したステントの移動および離脱を十分に抑制し、ステントの装着時にバルーンが損傷を受けることが少ない生体器官拡張器具を提供する。
【解決手段】 生体器官拡張器具1は、バルーンカテーテル2と、バルーン3上に装着されたステント10とを備える。ステント10は、所定幅を有する線状構成要素にて形成された略管状体であり、ステント10の内面には、孤立し、かつ内部が減圧空間となっている多数の凹部13,14を有し、さらに、バルーン3の外面の一部が、ステント10の内面の凹部13,14に密着し、減圧空間となっている凹部13,14を閉塞している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管、胆管、気管、食道、尿道等の生体管腔内に生じた狭窄部、もしくは閉塞部の改善を行うための生体器官拡張器具および生体器官拡張器具の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生体器官拡張器具は、狭窄部の改善のためにステントを備えるものが一般的となっている。ステントは、血管あるいは他の生体内管腔が狭窄もしくは閉塞することによって生じる様々な疾患を治療するために、その狭窄もしくは閉塞部位を拡張し、その内腔を確保するためにそこに留置する一般的には管状の医療用具である。
ステントは、体外から体内に挿入するため、挿入時は直径が小さく、目的の狭窄もしくは閉塞部位で拡張させて直径を大きくし、かつその管腔をそのままで保持する物である。
【0003】
ステントとしては、金属線材、あるいは金属管を加工した円筒状のものが一般的である。カテーテルなどに細くした状態で装着され、生体内に挿入され、目的部位で何らかの方法で拡張させ、その管腔内壁に密着、固定することで管腔形状を維持する。ステントは、機能および留置方法によって、セルフエクスパンダブルステントとバルーンエクスパンダブルステントに区別される。バルーンエクスパンダブルステントはステント自体に拡張機能はなく、バルーン上にマウントしたステントを目的部位に挿入した後、バルーンを拡張させ、バルーンの拡張力によりステントを拡張(塑性変形)させ目的管腔の内面に密着させて固定する。このタイプのステントでは、上記のようなステントの拡張作業が必要になる。
【0004】
そして、バルーンエクスパンダブルステントでは、折り畳まれたバルーン上にステントを配置した後、ステントを圧縮することにより縮径させて、バルーン上に装着する。ステントがバルーンに確実に装着されないと、留置作業時にステントが離脱するおそれがある。
特開2007−135880号公報(特許文献1)には、バルーンが折り畳まれた状態においてステントストラットによって少なくとも1つの、該バルーンの二次的な突出部が挟み込まれているステントデリバリーシステムが開示されている。
具体的には、特許文献1のステントデリバリーシステムでは、折り畳まれた場合に、表面上に二次的な突出部1Dを備えるバルーンが用いられている。バルーンは、折り畳まれた時に、表面上に少なくとも1つのウイング1Eを有し、さらに、二次的な突出部1Dが、ウイングの表面上に形成される。そして、折り畳まれたバルーン1の外面、好ましくは直管部1Aの外面に収縮状態のステント10を配設することにより、バルーンの二次的な突出部1Dは、図2のようにステント10のステントストラット11に挟まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−135880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のものでは、ステントのバルーンからの高い離脱抑制効果を備えるものと思われる。しかし、バルーンの複数の二次的な突出部をステントのストラットにより挟持するものであり、ストラットの挟持時にバルーンを損傷させるおそれがある。
本発明の目的は、バルーン上に装着したステントの移動および離脱を十分に抑制し、かつ、ステントの装着時にバルーンが損傷を受けることが少ない生体器官拡張器具および生体器官拡張器具の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) チューブ状の本体部と、該本体部の先端部に設けられた拡張可能かつ折り畳まれたバルーンとを有するバルーンカテーテルと、該折り畳まれたバルーン上に圧縮されることにより装着され、かつ前記バルーンの拡張により拡張するステントとを備える生体器官拡張器具であって、
前記ステントは、所定幅を有する線状構成要素にて形成された略管状体であり、前記ステントの内面には、孤立し、かつ内部が減圧空間となっている多数の凹部を有し、さらに、前記バルーンの外面の一部が、前記ステントの内面の凹部に密着し、前記減圧空間となっている凹部を閉塞している生体器官拡張器具。
(2) 前記ステントは、複数の前記ステントの一端側屈曲部と複数の前記ステントの他端側屈曲部と、前記一端側屈曲部と前記他端側屈曲部間を繋ぎかつ前記ステントの軸方向に延びる線状構成要素とを有するものであり、前記凹部は、少なくとも前記屈曲部の内面に設けられている上記(1)に記載の生体器官拡張器具。
(3) 前記バルーンの外面もしくは前記ステントの内面には、密着向上性物質が被覆されている上記(1)または(2)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(4) 前記凹部は、前記ステントの内面のほぼ全体に設けられている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(5) 前記凹部の深さは、前記バルーンの肉厚より小さいものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
(6) 前記凹部は、第1形状凹部と、該第1形状の凹部より開口面積が小さい第2形状凹部とからなるものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
【0008】
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
(7) チューブ状の本体部と、該本体部の先端部に設けられた拡張可能かつ折り畳まれたバルーンとを有するバルーンカテーテルと、該折り畳まれたバルーン上に圧縮されることにより装着され、かつ前記バルーンの拡張により拡張するステントとを備える生体器官拡張器具の製造方法であって、
前記ステントは、所定幅を有する線状構成要素にて形成された略管状体であり、前記ステントの内面には、孤立した多数の凹部を有するものであり、
前記生体器官拡張器具の製造方法は、前記折り畳まれたバルーン上への前記ステントの装着工程および前記ステントの装着工程の後、前記バルーンを若干拡張させて、前記バルーンの外面を前記ステントの内面に密着させるバルーン密着工程を行うものであり、少なくとも前記バルーン密着工程を減圧環境下にて行う生体器官拡張器具の製造方法。
(8) 前記ステントの装着工程および前記バルーン密着工程は、減圧環境下にて行うものである上記(7)に記載の生体器官拡張器具の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の生体器官拡張器具では、先端部に設けられた拡張可能かつ折り畳まれたバルーンを有するバルーンカテーテルと、折り畳まれたバルーン上に圧縮されることにより装着され、かつバルーンの拡張により拡張するステントとを備え、ステントは、所定幅を有する線状構成要素にて形成された略管状体であり、ステントの内面には、孤立し、かつ内部が減圧空間となっている多数の凹部を有し、さらに、バルーンの外面の一部が、ステントの内面の凹部に密着し、減圧空間となっている凹部を閉塞している。
この生体器官拡張器具では、バルーンの外面の一部は、ステントの減圧空間となっている凹部に密着し、凹部を閉塞している。このため、バルーン側からみれば、ステントが、部分的にバルーンに密着し保持された状態となっている。このため、バルーン上に装着されたステントの移動および離脱を抑制する。また、凹部は、バルーンを強く挟持するものではないので、凹部がバルーンを損傷させる可能性は極めて少ない。
また、本発明の生体器官拡張器具の製造方法は、チューブ状の本体部と、該本体部の先端部に設けられた拡張可能かつ折り畳まれたバルーンとを有するバルーンカテーテルと、該折り畳まれたバルーン上に圧縮されることにより装着され、かつ前記バルーンの拡張により拡張するステントとを備える生体器官拡張器具の製造方法であり、ステントとしては、所定幅を有する線状構成要素にて形成された略管状体であり、ステントの内面には、孤立した多数の凹部を有するものが用いられ、さらに、折り畳まれたバルーン上へのステントの装着工程と、ステントの装着工程の後に、バルーンを若干拡張させて、バルーンの外面をステントの内面に密着させるバルーン密着工程を行うものであり、少なくともバルーン密着工程を減圧環境下にて行うものである。
このようにすることにより、バルーンの外面の一部がステントの内面の凹部を閉塞し、かつ凹部内が減圧空間となっている生体器官拡張器具を確実に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の実施例の生体器官拡張器具の正面図である。
【図2】図2は、図1に示した生体器官拡張器具の先端部の拡大図である。
【図3】図3は、図1に示した生体器官拡張器具に用いられているバルーンカーテルの先端部を説明するための説明図である。
【図4】図4は、図1に示した生体器官拡張器具の基端部の拡大断面図である。
【図5】図5は、本発明の生体器官拡張器具に装着された状態のステントの正面図である。
【図6】図6は、図5のステントの展開状態の内面図である。
【図7】図7は、図6の部分拡大図である。
【図8】図8は、図7のA−A線拡大断面図である。
【図9】図9は、本発明の生体器官拡張器具に用いられる他の例のステントの断面形状を説明するための説明図である。
【図10】図10は、本発明の生体器官拡張器具の作用を説明するための説明図である。
【図11】図11は、図5のステントの拡張時の展開外面図である。
【図12】図12は、本発明の生体器官拡張器具に用いられる他の例のステントを説明するための説明図である。
【図13】図13は、本発明の生体器官拡張器具に用いられる他の例のステントを説明するための説明図である。
【図14】図14は、本発明の生体器官拡張器具に用いられる他の例のステントの展開状態の外面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の生体器官拡張器具について以下の好適実施例を用いて説明する。
本発明の生体器官拡張器具1は、チューブ状の本体部6と、本体部6の先端部に設けられた拡張可能かつ折り畳まれたバルーン3とを備えるバルーンカテーテル2と、折り畳まれたバルーン3上に圧縮されることにより装着され、かつバルーン3の拡張により拡張するステント10とを備える。ステント10は、所定幅を有する線状構成要素にて形成された略管状体であり、ステント10の内面には、孤立し、かつ内部が減圧空間となっている多数の凹部13,14を有し、さらに、バルーン3の外面の一部が、ステント10の内面の凹部13,14に密着し、減圧空間となっている凹部13,14を閉塞している。
【0012】
この実施例の生体器官拡張器具1は、図1ないし図3に示すように、ステント10と、ステント10が装着されたバルーンカテーテル2とからなる。
バルーンカテーテル2は、チューブ状の本体部6と、本体部6の先端部に設けられた折り畳みおよび拡張可能なバルーン3とを備え、ステント10は、折り畳まれた状態のバルーン3を被包するように装着され、かつバルーン3の拡張により拡張されるものである。
ステント10は、生体内管腔への挿入のための直径を有し、管状体の内部より半径方向に広がる力が付加されたときに拡張可能ないわゆるバルーン拡張型ステントである。
この実施例の生体器官拡張器具1では、図3に示すように、本体部6は、本体部6の先端にて一端が開口し、本体部6の後端部にて他端が開口するガイドワイヤールーメン15aを備えている。
このバルーンカテーテル2は、本体部6と、本体部6の先端部に固定されたステント拡張用バルーン3とを備え、このバルーン3上にステント10が装着されている。本体部6は、内管15と外管16と分岐ハブ5とを備えている。
【0013】
内管15は、図3および図4に示すように、内部にガイドワイヤーを挿通するためのガイドワイヤールーメン15aを備えるチューブ体である。内管15としては、長さは、100〜2500mm、より好ましくは、250〜2000mm、外径は、0.1〜1.0mm、より好ましくは、0.3〜0.7mm、肉厚は、10〜250μm、より好ましくは、20〜100μmのものである。そして、内管15は、外管16の内部に挿通され、その先端部が外管16より突出している。この内管15の外面と外管16の内面によりバルーン拡張用ルーメン18が形成されており、十分な容積を有している。外管16は、内部に内管15を挿通し、先端が内管15の先端よりやや後退した部分に位置するチューブ体である。
外管16としては、長さは、100〜2500mm、より好ましくは、250〜2000mm、外径は、0.5〜1.5mm、より好ましくは、0.7〜1.1mm、肉厚は、25〜200μm、より好ましくは、50〜100μmのものである。
この実施例の生体器官拡張器具1では、外管16は、先端側外管16aと本体側外管16bにより形成され、両者が接合されている。そして、先端側外管16aは、本体側外管16bとの接合部より先端側の部分において、テーパー状に縮径し、このテーパー部より先端側が細径となっている。
【0014】
先端側外管16aの細径部での外径は、0.50〜1.5mm、好ましくは0.60〜1.1mmである。また、先端側外管16aの基端部および本体側外管16bの外径は、0.75〜1.5mm、好ましくは0.9〜1.1mmである。
そして、バルーン3は、先端側接合部3aおよび後端側接合部3bを有し、先端側接合部3aが内管15の先端より若干後端側の位置に固定され、後端側接合部3bが外管16の先端に固定されている。また、バルーン3は、基端部付近にてバルーン拡張用ルーメン18と連通している。
内管15および外管16の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリ塩化ビニル、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が使用でき、好ましくは上記の熱可塑性樹脂であり、より好ましくは、ポリオレフィンである。
【0015】
バルーン3は、折り畳み可能なものであり、拡張させない状態では、内管15の外周に折り畳まれた状態となることができるものである。バルーン3は、図3に示すように、装着されるステント10を拡張できるようにほぼ同一径の筒状部分(好ましくは、略円筒部分)となった拡張可能部を有している。略円筒部分は、完全な円筒でなくてもよく、多角柱状のものであってもよい。そして、バルーン3は、上述のように、先端側接合部3aが内管15にまた後端側接合部3bが外管16の先端に接着剤または熱融着などにより液密に固着されている。また、このバルーン3では、拡張可能部と接合部との間がテーパー状に形成されている。
バルーン3は、バルーン3の内面と内管15の外面との間に拡張空間3cを形成する。この拡張空間3cは、後端部ではその全周において拡張用ルーメン18と連通している。このように、バルーン3の後端は、比較的大きい容積を有する拡張用ルーメンと連通しているので、拡張用ルーメン18よりバルーン内への拡張用流体の注入が確実である。
【0016】
バルーン3の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリ塩化ビニル、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリアリレーンサルファイド(例えば、ポリフェニレンサルファイド)等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が使用できる。特に、延伸可能な材料であることが好ましく、バルーン3は、高い強度および拡張力を有する二軸延伸されたものが好ましい。
バルーン3の大きさとしては、拡張されたときの円筒部分(拡張可能部)の外径が、2〜4mm、好ましくは2.5〜3.5mmであり、長さが10〜50mm、好ましくは20〜40mmである。また、先端側接合部3aの外径が、0.9〜1.5mm、好ましくは1〜1.3mmであり、長さが1〜5mm、好ましくは1〜3mmである。また、後端側接合部3bの外径が、1〜1.6mm、好ましくは1.1〜1.5mmであり、長さが1〜5mm、好ましくは、2〜4mmである。
【0017】
そして、この生体器官拡張器具1は、図3に示すように、拡張されたときの円筒部分(拡張可能部)の両端となる位置の本体部の外面に固定された2つのX線造影性部材22、23を備えている。なお、ステント10の中央部分の所定長の両端となる位置の本体部6(この実施例では、内管15)の外面に固定された2つのX線造影性部材を備えるものとしてもよい。さらに、ステントの中央部となる位置の本体部の外面に固定された単独のX線造影性部材を設けるものとしてもよい。
X線造影性部材22、23は、所定の長さを有するリング状のもの、もしくは線状体をコイル状に巻き付けたものなどが好適であり、形成材料は、例えば、金、白金、タングステンあるいはそれらの合金、あるいは銀−パラジウム合金等が好適である。
そして、バルーン3を被包するようにステント10が装着されている。ステントは、ステント拡張時より小径かつ折り畳まれたバルーンの外径より大きい内径の金属パイプを加工することにより作製される。そして、作製されたステント内にバルーンを挿入し、ステントの外面に対して均一な力を内側に向けて与え縮径させることにより製品状態のステントが形成される。つまり、上記のステント10は、バルーンへの圧縮装着により完成する。
内管15と外管16との間(バルーン拡張用ルーメン18内)には、線状の剛性付与体(図示せず)が挿入されていてもよい。剛性付与体は、生体器官拡張器具1の可撓性をあまり低下させることなく、屈曲部位での生体器官拡張器具1の本体部6の極度の折れ曲がりを防止するとともに、生体器官拡張器具1の先端部の押し込みを容易にする。剛性付与体の先端部は、他の部分より研磨などの方法により細径となっていることが好ましい。また、剛性付与体は、細径部分の先端が、外管16の先端部付近まで延びていることが好ましい。剛性付与体としては、金属線であることが好ましく、線径0.05〜1.50mm、好ましくは0.10〜1.00mmのステンレス鋼等の弾性金属、超弾性合金などであり、特に好ましくは、ばね用高張力ステンレス鋼、超弾性合金線である。
【0018】
この実施例の生体器官拡張器具1では、図1および図4に示すように、基端に分岐ハブ5が固定されている。分岐ハブ5は、ガイドワイヤールーメン15aと連通しガイドワイヤーポートを形成するガイドワイヤー導入口19を有し、内管15に固着された内管ハブ8と、外管16に固着された外管ハブ7とからなっている。外管ハブ7は、バルーン拡張用ルーメン18と連通するインジェクションポート17を有する。そして、外管ハブ7と内管ハブ8とは、固着されている。この分岐ハブ5の形成材料としては、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリレート、メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂が好適に使用できる。また、外管16の基端には、補強チューブ9が設けられている。外管ハブ7と内管ハブ8の固定は、外管16の基端部に取り付けられた外管ハブ7の後端から内管15をその先端から挿入し、内管ハブ8の先端部を外管ハブ7の基端部に接合することにより行われている。また、内管ハブ8と外管ハブ7との接合部に接着剤を塗布して行うことにより確実に両者を固着することができる。なお、生体器官拡張器具1の基端の構造は、上記のようなものに限定されるものではなく、分岐ハブ5を設けず、ガイドワイヤールーメン15a、バルーン拡張用ルーメン18それぞれに、例えば後端に開口部を形成するポート部材を有するチューブを液密に取り付けるようにしてもよい。
なお、生体器官拡張器具の構造は、上記のようなものに限定されるものではなく、生体器官拡張器具の中間部分にガイドワイヤールーメンと連通するガイドワイヤー挿入口を有するものであってもよい。
【0019】
ステント10は、折り畳まれたバルーン3上に圧縮されることにより装着されている。
ステント10は、所定幅を有する線状構成要素にて形成された略管状体であり、ステント10の内面には、孤立し、かつ内部が減圧空間となっている多数の凹部13,14を有している。この実施例のステント10は、所定幅を有する線状構成要素にて形成された環状体11がステントの軸方向に隣り合うように複数配列され、隣り合う環状体11が接続部12により接続された略管状体である。図5は、ステント10の外面図であり、線状構成要素の表面10aが表れている。なお、図6および図7は、ステント10を展開し、内面側から見た図となっている。
そして、ステント10の線状構成要素は、所定幅の若干湾曲した内面10bを備えるとともに、その内面10bの全体には、図6および図7に示すように、多数の孤立(独立)した凹部13,14を有している。特に、この実施例のステント10では、内面10bに、多数の開口形状がほぼ円形の第1形状凹部13と、第1形状凹部13より開口面積が小さい第2形状凹部14が形成されており、第2形状凹部14は、内面10bの第1形状凹部13間を埋めるように形成されている。そして、凹部13,14は、独立しており、連通していない。このように、第1形状凹部13のみならず、それより開口面積が小さい第2形状凹部14を設けることにより、ステントの内面に多くの凹部を形成できる。また、凹部13の内部形状は、図8に示すように、柱状のものとなっている。なお、凹部の内部形状は、図9に示すように、ドーム状の凹部25であってもよい。また、図7に示すように、線状構成要素の側縁付近に位置する凹部は、側縁に到達していないことが好ましい。このようにすることにより、線状構成要素の側縁付近に位置する凹部もバルーンに対するグリップ機能を発揮する。
【0020】
凹部の大きさとしては、直径(最大径)は、線状構成要素の幅の10〜80%が好ましく、特に、15〜50%が好ましい。具体的には、凹部の直径は、9〜72μmが好ましく、特に、13〜45μmが好ましい。また、第1形状凹部と第1形状凹部の間隙に第1形状凹部より小さい第2形状凹部を設ける場合には、第2形状凹部の開口面積は、第1形状凹部の開口面積の10〜60%が好ましく、特に、45〜55%が好ましい。
また、図12に示すステント30のように、ステントの内面には、同じ形状の凹部13のみを有するものであってもよい。さらに、凹部の形状としては、上述した実施例のような開口形状が円形であることが好ましいが、開口形状が、楕円状、多角形状(例えば、3〜12角形)、さらには、図13に示すステント40のように、所定長延びる矩形状もしくは扇状の凹部26であってもよい。
そして、上述したすべての実施例のステントにおいて、各凹部の開口面積は、60〜4100μmであることが好ましく、特に、140〜1600μmであることが好ましい。また、凹部の開口部の総面積は、ステントの内面10bの面積の20〜80%が好ましく、特に、30〜70%が好ましい。また、凹部の深さは、線状構成要素の肉厚の10〜50%が好ましく、特に、20〜40%が好ましい。また、凹部の深さは、バルーンの肉厚と等しいかもしくは小さいものであることが好ましい。特に、凹部の深さは、バルーンの肉厚の20〜100%が好ましく、特に、40〜80%が好ましい。
また、上述したすべての実施例のステントにおいて、ステントの両端部の内面に上述した凹部を設けるものとし、ステントの軸方向中央部分には、凹部を設けないものとしてもよい。なお、凹部が設けられる両端部領域としては、ステントの全長の1/3以上であることが好ましい。
【0021】
そして、本発明の生体器官拡張器具1では、図10に示すように、バルーン3の外面の一部が、ステント10の内面の凹部13,14に密着し、凹部は、バルーンにより閉塞されている。また、ステント10の内面の凹部13を閉塞するバルーンの外面部分は、若干、凹部13側に吸引された(言い換えれば、凹部13側に窪んだ)状態となっている。このような形態は、例えば、折り畳まれたバルーン3上へのステント10の装着を減圧環境下にて行い、その後常圧空間に移動させることにより、バルーンが若干拡張し、バルーンの外面がステントの内面に密着するとともに、バルーンの外面の一部は、凹部を閉塞する。これにより、バルーンの外面の一部が、ステントの内面に吸着された状態となる。バルーンにより閉塞された凹部13,14内は、減圧空間を維持するため、図10に示すようにバルーン3の外面は、ステント10の内面10bの凹部13,14に密着し、閉塞する。なお、すべての凹部13,14が、バルーンにより閉塞された減圧空間を維持していることが好ましいが、凹部の全体の少なくとも30%以上、好ましくは40%以上が、バルーンにより閉塞された減圧空間を維持していることが好ましい。
さらに、折り畳まれたバルーン3上へのステント10の装着を減圧環境下にて行った後、さらに、減圧環境下にて、バルーン内にステントが拡張しない程度に気体を注入し、バルーンを若干拡張させることにより、バルーンの外面をステントの内面に密着させることが好ましい。このようにすることにより、バルーンは、ステントは拡張せず、かつバルーンが若干拡張した状態となり、バルーンの拡張によりバルーンの外面の一部がステントの内面に確実に密着するものとなり、バルーンにより閉塞され、減圧空間が維持された凹部を多く有するものとなる。
さらに、バルーン3の外面もしくはステント10の内面10bには、密着向上性物質を被覆してもよい。密着向上性物質としては、アクリル系材料、シリコーン系材料などが好ましい。
【0022】
また、この実施例のステント10では、線状構成要素にて形成された環状体11がステントの軸方向に隣り合うように複数配列され、隣り合う環状体11が接続部12により接続された略管状体となっている。各環状体11は、複数のステントの一端側屈曲部35、37と複数のステントの他端側屈曲部36,38と、一端側屈曲部35、37と他端側屈曲部36,38間を繋ぎかつステントの軸方向に延びる線状構成要素31,32、33,34とを有する波線状環状体である。
具体的には図6、図7およびに示すように、各波線状環状体11は、ステント10の軸方向の一端側に頂点を有する複数の一端側屈曲部35,37およびステント10の軸方向の他端側に頂点を有する複数の他端側屈曲部36,38を有するとともに、環状に連続した無端の波線状体により構成されている。環状体11における一端側屈曲部35,37と他端側屈曲部36,38は、交互に形成されており、かつそれぞれの数は同じとなっている。
1つの波線状環状体11における一端側屈曲部35および一端側屈曲部37の総数は、図6に示すものでは、8となっている。同様に、1つの波線状環状体11における他端側屈曲部36および他端側屈曲部38の総数も、8となっている。この波線状環状体11における一端側屈曲部および他端側屈曲部の数としては、4〜12が好ましく、特に、6〜10が好ましい。また、波線状環状体11の軸方向の長さとしては、0.5〜2.0mmが好ましく、特に、0.9〜1.5mmが好ましい。
また、各環状体11は、複数のステントの先端側屈曲部35と複数のステントの基端側屈曲部38(38a)とを備え、接続部12は、隣り合う環状体の近接する屈曲部35と屈曲部38a間を接続している。
【0023】
この実施例のステント10では、図6および図7(ステント拡張前、ステント圧縮時)および図11(ステントの拡張時)に示すように、環状体11は、平行直線状部31の一端と屈曲部35を介して接続し、かつ、少なくともステント10の拡張時にステント10の中心軸に対して所定角度斜めとなる第1の傾斜直線状部32と、第1の傾斜直線状部32の一端と屈曲部36を介して接続し、かつ、ステントの中心軸に対して所定角度斜めに伸びる傾斜線状部(この実施例では、傾斜曲線状部)33と、傾斜曲線状部33の一端と屈曲部37を介して接続し、かつ、少なくともステント10の拡張時にステント10の中心軸に対して所定角度斜めとなる第2の傾斜直線状部34の4つの線状部からなる変形M字線状部が複数連続したものとなっている。そして、隣り合う変形M字線状部は、第2の傾斜直線状部34の一端と平行直線状部31の他端を接続する屈曲部38(38a)により接続されることにより、無端の波線状環状体11を構成している。このため、ステントの拡張時における波線状環状体11の軸方向長のショートニングを抑制するとともに、波線状環状体11に十分な拡張保持力を付与する。
この実施例のステント10では、一つの波線状環状体11は、4つの変形M字線状部により構成されている。なお、一つの波線状環状体11は、3から5の変形M字線状部により構成されていることが好ましい。
【0024】
また、本発明の生体器官拡張器具に用いられるステントとしては、図14に示すようなものであってもよい。
そして、この実施例のステント50は、図14に示すように、各環状体11は、ステントの一端側に位置する複数の一端側屈曲部(山部)46と、他端側に位置する複数の他端側屈曲部(谷部)47と、一端側屈曲部46と他端側屈曲部47を繋ぐとともにステントの軸方向に延びる線状構成要素45を有する波線状環状体となっている。ステントの先端側より軸方向に隣り合う環状体11は、接続部12により接続されている。特に、この実施例のステント50では、隣り合う2つの環状体は、一方の環状体の他端側屈曲部47と他方の環状体の一端側屈曲部46とが近接するものとなっており、かつ、その近接部において接続部12により接続されている。
この実施例のステント50における波状環状体11は、図14に示すように、ほぼ同じピッチの複数の山部と谷部を有し、環状に連続した無端の波状体により構成されている。なお、波状環状体の山(もしくは谷)の数は、4〜10が好適である。そして、この実施例のステント50では、隣り合う環状体11間には、複数(具体的には、3つ)の接続部12が設けられている。
【0025】
そして、上述したすべてのステントにおいて、ステントの非拡張時の直径は、0.8〜1.8mm程度が好適であり、特に、0.9〜1.6mmがより好ましい。また、ステントの非拡張時の長さは、8〜40mm程度が好適である。また、一つの波線状環状体11の長さは、1.0〜2.5mm程度が好適である。
そして、ステントの成形は、管状体(具体的には、金属パイプ)よりフレーム構造体となる部分以外を除去することにより行われる。具体的には、金属パイプを、例えば、フォトファブリケーションと呼ばれるマスキングと化学薬品を使用したエッチング方法、型による放電加工法、切削加工(例えば、機械研磨、レーザー切削加工)などにより不要部分を除去することによりステントが形成される。また、フレーム構造体を作製した後に、化学研磨あるいは電解研磨を用いて、構造体のエッジを研磨することが好ましい。
【0026】
また、本発明のステントは、内面または外面、さらには両面に生体適合性材料を被覆してもよい。生体適合性材料としては、生体適合性を有する合成樹脂または金属が考えられる。ステントの表面を不活性な金属で被覆する方法としては、電気メッキ法を用いた金メッキ、蒸着法を用いたステンレスメッキ、スパッタ法を用いたシリコンカーバイド、ダイヤモンドライクカーボン、窒化チタンメッキ、金メッキなどが考えられる。また、合成樹脂としては、熱可塑系または熱硬化系の樹脂から選択できるが、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体など)、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリエステル、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等が使用でき、好ましくは、ポリオレフィン、ポリアミドエラストマー、ポリエステルあるいはポリウレタン、シリコーン樹脂、また、生体内分解性樹脂(例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、両者のコポリマー)である。合成樹脂被膜は、ステントを構成するフレームの湾曲の妨げにならない程度に柔軟であることが好ましい。合成樹脂被膜の肉厚は、3〜300μm、好ましくは、5〜100μmである。
【0027】
ステントの表面に合成樹脂を薄く被覆する方法としては、例えば、溶融状態または溶液状態の合成樹脂の中に、ステントを挿入して被覆する方法、モノマーをステントの表面で重合させながら被覆する化学蒸着などがある。極薄な樹脂被覆が要求される場合は、希薄溶液を用いた被覆、または化学蒸着が好適である。さらに、より生体適合性材料を向上させるために、上記樹脂被膜に抗血栓性材料を被覆または固定してもよい。抗血栓性材料として、公知の各種の樹脂を単独または混合して使用することができるが、例えば、ポリヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートとスチレンの共重合体(例えば、HEMA−St−HEMAブロック共重合体)などが好適に使用できる。
【0028】
次に、本発明の生体器官拡張器具の製造方法について説明する。
本発明の生体器官拡張器具の製造方法は、チューブ状の本体部と、該本体部の先端部に設けられた拡張可能かつ折り畳まれたバルーンとを有するバルーンカテーテルと、該折り畳まれたバルーン上に圧縮されることにより装着され、かつ前記バルーンの拡張により拡張するステントとを備える生体器官拡張器具の製造方法である。
そして、ステントとしては、上述したように、所定幅を有する線状構成要素にて形成された略管状体であり、ステントの内面には、孤立した多数の凹部を有するものが用いられる。また、バルーンカテーテルとしても上述したものが用いられる。
そして、本発明の生体器官拡張器具の製造方法は、折り畳まれたバルーン上へのステントの装着工程と、ステントの装着工程の後に、バルーンを若干拡張させて、バルーンの外面をステントの内面に密着させるバルーン密着工程を行うものであり、少なくともバルーン密着工程を減圧環境下にて行うものである。なお、ステントの装着工程、バルーン密着工程ともに減圧環境下にて行うことが好ましい。
折り畳まれたバルーン上へのステントの装着工程は、折り畳まれたバルーンを被嵌するようにステントを配置し、ステントの外方全周より応力を負荷し、圧縮し縮径させることにより行うことができる。そして、バルーン密着工程は、上記のようにステントが装着されたバルーン内に流体(望ましくは、気体)をバルーン拡張用ルーメンを用いて、ステントが拡張せずかつバルーンがステントに密着する程度注入する。そして、少なくともバルーン密着工程を減圧環境下にて行う。その後、生体拡張器具を常圧環境に移行させることにより、図10に示すように、バルーン3の外面の一部が、ステント10の内面の凹部13,14に密着し、凹部は、バルーンにより閉塞されるものとなる。また、ステント10の内面の凹部13を閉塞するバルーンの外面部分は、若干、凹部13側に吸引された(言い換えれば、凹部13側に窪んだ)状態となる。なお、バルーン密着工程のみならずステントの装着工程も減圧環境下にて行うことが好ましい。この場合、折り畳まれたバルーン3上へのステント10の装着を減圧環境下にて行った後、さらに、減圧環境下にて、バルーン内にステントが拡張しない程度に気体を注入し、バルーンを若干拡張させ、バルーンの外面をステントの内面に密着させる工程を行い、その後、常圧環境に移動させるものとなる。
【符号の説明】
【0029】
1 生体器官拡張器具
2 バルーンカテーテル
3 バルーン
6 本体部
10 ステント
11 環状体
12 接続部
13、14、25 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブ状の本体部と、該本体部の先端部に設けられた拡張可能かつ折り畳まれたバルーンとを有するバルーンカテーテルと、該折り畳まれたバルーン上に圧縮されることにより装着され、かつ前記バルーンの拡張により拡張するステントとを備える生体器官拡張器具であって、
前記ステントは、所定幅を有する線状構成要素にて形成された略管状体であり、前記ステントの内面には、孤立し、かつ内部が減圧空間となっている多数の凹部を有し、さらに、前記バルーンの外面の一部が、前記ステントの内面の凹部に密着し、前記減圧空間となっている凹部を閉塞していることを特徴とする生体器官拡張器具。
【請求項2】
前記ステントは、複数の前記ステントの一端側屈曲部と複数の前記ステントの他端側屈曲部と、前記一端側屈曲部と前記他端側屈曲部間を繋ぎかつ前記ステントの軸方向に延びる線状構成要素とを有するものであり、前記凹部は、少なくとも前記屈曲部の内面に設けられている請求項1に記載の生体器官拡張器具。
【請求項3】
前記バルーンの外面もしくは前記ステントの内面には、密着向上性物質が被覆されている請求項1または2のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
【請求項4】
前記凹部は、前記ステントの内面のほぼ全体に設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
【請求項5】
前記凹部の深さは、前記バルーンの肉厚より小さいものである請求項1ないし4のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
【請求項6】
前記凹部は、第1形状凹部と、該第1形状の凹部より開口面積が小さい第2形状凹部とからなるものである請求項1ないし5のいずれかに記載の生体器官拡張器具。
【請求項7】
チューブ状の本体部と、該本体部の先端部に設けられた拡張可能かつ折り畳まれたバルーンとを有するバルーンカテーテルと、該折り畳まれたバルーン上に圧縮されることにより装着され、かつ前記バルーンの拡張により拡張するステントとを備える生体器官拡張器具の製造方法であって、
前記ステントは、所定幅を有する線状構成要素にて形成された略管状体であり、前記ステントの内面には、孤立した多数の凹部を有するものであり、
前記生体器官拡張器具の製造方法は、前記折り畳まれたバルーン上への前記ステントの装着工程および前記ステントの装着工程の後、前記バルーンを若干拡張させて、前記バルーンの外面を前記ステントの内面に密着させるバルーン密着工程を行うものであり、少なくとも前記バルーン密着工程を減圧環境下にて行うことを特徴とする生体器官拡張器具の製造方法。
【請求項8】
前記ステントの装着工程および前記バルーン密着工程は、減圧環境下にて行うものである請求項7に記載の生体器官拡張器具の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−72442(P2011−72442A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−225639(P2009−225639)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】