説明

生体液体処理用のカート及び装置

【課題】特に簡単で、使い易く、効果的な、生体液体処理用の装置を提供すること。
【解決手段】カート(2)の側面(203)により、カートは他のカート(3)と並置されるように適合される。カート(2)は、第1ポンプ(64)と、第1ポンプ(64)の下に配設され、それに対して横方向に偏位された第2ポンプ(25)と、生体液体を含むように設けられた供給用容器を受け取るように適合されたタンク(206)とを更に備える。タンク(206)は、第1ポンプ(64)の上に配設され、それに対して横方向に偏位されている。装置(1)は、カート(2)と、並置された第2カート(3)とを備える。第2カートの上面が、第1ポンプ(64)の出口点(64b)が実質的にフィルタ(58)の入口/出口アパーチャ(58b)に面して位置付けられるようにフィルタ(58)を支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体液体処理用の装置、以下に限定される訳ではないが特に、モノクローナル抗体、ワクチン、又は遺伝子組み換えたんぱく質などの製品を得るために生物薬剤液体を精製する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生物薬剤液体は一般に生物反応器の培養液によって得られること、次いで純度、濃度、無ウィルス性等についての必要とされる特性を達成するために精製されなければならないことが知られている。
【0003】
精製は、生物反応器の培養液から残留物を排除するための清澄化などの処理とウィルスの濾過とを連続して行い、時としてダイアフィルトレーションおよび接線流濾過(TFF)による濃縮が続けて行われることによって実施される。クロマトグラフィ及び無菌濾過(バクテリア除去のための)などの、精製に関する他の操作も存在する。
【0004】
精製処理は、本質的に、処理された液体を収集する容器に至る回路内の濾過操作によって実施される。
【0005】
処理されるべき製品を含む供給源用容器や、水酸化ナトリウム(NaOH)などの洗浄液、純水などの濯ぎ液、又は食塩水などの緩衝液を含む容器といった、液体を含むいくつかのタイプの容器が回路の入口に連結することが可能である。処理された液体を収集する容器のほかに、洗浄液、濯ぎ液、又は緩衝液を収集する、あるいは残留物を収集する他の様々な容器が回路の出口に連結することが可能である。
【0006】
製造状況では、液体処理は順次実施されることが可能である。最初の処理のための収集用容器が潜在的に次の処理のための供給源用容器になり、そのように繰り返されて最後の処理が実施される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの処理は通常、ステンレススチール管とタンク及びフィルタハウジングなどの他の構成要素とを備える専用回路内で実施されるが、それらは実際の処理の前後での作業を余儀なくし、それらの作業は比較的面倒であり、特に使用後の洗浄作業は面倒である。
【0008】
本発明は、特に簡単で、使い易く、効果的な生体液体処理用の装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、第1の態様に従って、生体液体処理装置用のカートであって、第1側面と、第2の側面であって、該第2の側面により当該カートが他のカートと並置されるように適合される第2側面と、2つの上記側面に合致する正面とを備え、
上記カートは:
第1ポンプと、
上記第1ポンプの下に配設され、上記第1側面の方に上記第1ポンプに対して横方向に偏位された第2ポンプと、
上記第1ポンプの上に配設され、上記第1側面の方に上記第1ポンプに対して横方向に偏位されたタンクであって、上記生体液体を含むように設けられた供給用容器を受け取るように適合されているタンクとをさらに備えることを特徴とする、カートを提供する。
【0010】
供給用容器は、使い捨て可能な軟性の管によって上記ポンプと上記装置の他の要素とにつなげられるように設けられ、上記他の要素のうち少なくとも1つ(例えばフィルタ)は、上記他のカート上に配設されるように設けられる。
【0011】
本発明によるカートによって得られることが可能となる装置は、処理するべき液体用の供給用容器、処理された液体用の収集用容器、使い捨て可能な管を含む回路のセクション、ならびにフィルタもしくはフィルタ要素などの、大部分が軟性である使い捨て可能な要素(「Flexware(TM)製品」)と、本発明によるカート上に一部が配置された恒久的又は再使用可能な要素(「ハードウェア」)とを備えるように設けられる。
【0012】
このような装置の組み立ては、本発明によるカートを含むハードウェアに、使い捨て可能な要素を装着することによって簡単に行われる。使い捨て可能な要素には、ポンプと協働するように適合された構成要素(例えばポンプがぜん動型のものである場合はある種の使い捨て可能な管など)と、タンク内に受け取られるように適合された供給用容器とが含まれる。
【0013】
カート上へのこれらの恒久的な要素の配置も、特に使い易くかつ効果的であるように事前決定される。したがって第2ポンプ及びタンクはそれぞれ、第1ポンプによって構成された基準要素に対して偏位される。
【0014】
第1ポンプの位置は、装置の主要素(1つ又は複数のフィルタなど)の位置によって決まる。主要素と第1ポンプとは協働し、主要素は他のカート(あるいは本発明によるカートと並置されることが可能なテーブルなどの任意の他の支持体)上に配設されている。
【0015】
この配置はまず、連結を行い易くすることによって、また管の交差を制限することによって、装置の迅速な取り付け(及び分解)を保証する。
【0016】
この配置はまた、ポンプと供給用容器とをつないでタンク内に取り付けるための使い捨て可能な管の長さ、ならびにポンプと供給用容器とを装置の他の要素につなぐための特定の使い捨て可能な管の長さを著しく縮小することも可能にする。
【0017】
特に、タンクと第1ポンプとの相対的な位置決めは、そのポンプを供給用容器につなぐ使い捨て可能な軟性の管が可能な限り短くなると同時に、挟まれるリスクを回避するべく最小限度の曲率半径を保持するように行われる。
【0018】
使い捨て可能な管の長さの縮小は、管内に存在する生体液体の液量が縮減されることを可能にする。これによって、例えば、供給用容器が属するループ及び濾液が排出されるフィルタ内で流れが生じる処理が実施される場合に、より小さな最終液量を達成することが可能になる。これは、処理の終わりには供給用容器は空又はほぼ空となり、液体は本質的に管内に存在するようになるためである。最終液量のこの縮減によって、より高度の濃縮を達成することが可能になる。
【0019】
最後に、これらの再使用可能な要素をいくつかの重なったレベルに配設することによって、装置に必要な床面積(「設置面積」)の最適化が可能になる。
【0020】
本発明によるカートによって与えられる、設置面積を最適化するこの可能性は、生物薬剤液を処理するための操作において一般的によくあるように、装置が、空間が制限されかつ極めて高コストである制御雰囲気の区域内に配置される場合、特に有利である。
【0021】
実装を簡単かつ行い易くするという理由によって好ましい特徴によると:
上記第2ポンプは、上記正面の方に上記第1ポンプに対して深さ方向に偏位され、
上記タンクは、上記生体液体を処理する操作のための直立した稼働位置と、上記供給用容器を取り付け又は引き出すための横に倒された据付け位置との間で移動可能に取り付けられ、
上記タンクは、上記カートの上記正面に垂直な軸のまわりで旋回するように適合され、
上記カートは、上記タンクを稼働位置と据付け位置とのいずれにおいてもロックする手段を備え、
上記ロック手段は少なくとも1つのピンを備え、
上記タンクは、上記タンクの質量を測定するために、ロードセルと協働するように適合されたバランスフレームに両端部が固定された、U字形状のブラケット上に取り付けられ、
上記ポンプはぜん動ポンプであり、
上記カートは、上記供給用容器内に含まれた攪拌棒を起こし、回転させる電磁駆動装置を備え、
上記カートは、上記処理中の上記生体液体の温度変化を、上記供給用容器を通して測定する温度プローブを備え、及び/又は
上記カートは、上記ポンプを制御する制御パネルを含む。
【0022】
第2の態様によると、本発明はまた、生体液体処理用の装置であって、第1カートとして指定される上述のカートと、フィルタと、上記第1カートと並置された第2カートとを備え、該第2カートの上面が、上記第1ポンプの出口点が実質的に上記フィルタの入口/出口アパーチャに面して位置付けられるように上記フィルタを支持する装置を提供することも対象としている。
【0023】
第1ポンプの出口点が実質的にフィルタのアパーチャに面して位置付けられるという事実によって、その出口点をそのアパーチャにつなぐ使い捨て可能な管の長さを最適化することが可能になる。
【0024】
さらに、第2カートによるそのフィルタに対する支持は、本発明による装置の取り付けを行い易くすることを可能にする。
【0025】
具体的に述べると、操作者が2つのカートを一緒にするだけで、装置の主要構成要素(ポンプ、タンク、及びフィルタ)が互いに対して最適に位置決めされるようになる。この後しなくてはならないことは、使い捨て可能な要素を据え付けることによってそれらの構成要素を連結するだけである。装置の取り付けはそれで完了する。
【0026】
最後に、装置の準備が、その主要構成要素の2つのカート内の配置によって行い易くされるのと同様に、装置によって実施することが可能となった処理操作後に、装置上で実施されるべき作業が特に簡単になる。この作業は、せいぜい、カートに装着された使い捨て可能な要素を破棄するぐらいのことであり、取り外し作業は、取り付け作業と同じように簡単に実施することができるからである。
【0027】
本発明の装置の使用の簡単さ及び使い易さにとって有利であることによって好ましい特長によって:
上記フィルタは接線流フィルタであり、
上記装置は、上記濾過された生体液体を収集する容器を備え、上記収集用容器は上記第2カートのハウジング内に配設され、
上記ハウジングは引出しの内部によって形成され、
上記引出しの前面は、使い捨て可能な軟性の管が通過する切抜き部を備え、
上記装置は:
上記生体液体用の供給源用容器と、
上記カートの上記タンク内に配設された供給用容器と、
上記濾過された生体液体を収集する容器と、
上記供給源用容器を分岐連結器の第1アパーチャに連結する移送セクションであって、上記生体液体流を生成するために上記カートの上記第2ポンプと協働するように適合された部材を備える移送セクションと、
上記分岐連結器の第2アパーチャを上記供給用容器の入口/出口アパーチャにつなぐ充填セクションと、
上記フィルタを備え、上記分岐連結器の第3アパーチャを第2分岐連結器の第1アパーチャに連結する濾過セクションと、
上記第2分岐連結器の第2アパーチャを上記供給用容器の入口/出口アパーチャにつなぎ、上記生体液体流を生成するために上記カートの上記第1ポンプと協働するように適合された部材を備える供給セクションと、
上記第2分岐連結器の第3アパーチャを上記収集用容器につなぐ、上記濾過された液体を収集するセクションとを備え、
上記移送セクション、充填セクション、濾過セクション、供給セクション、及び収集セクションは、それぞれ少なくとも1つの使い捨て可能な管を備え、
上記装置は、上記フィルタの出口点を廃棄用容器につなぐ働きをする、濾液を搬送する、少なくとも1つの使い捨て可能な管を備える少なくとも1つのセクションを備え、及び/又は、
上記装置は、上記フィルタのそれぞれの上記出口点から延び、単一のセクションを形成するように分岐連結器を介して結合する2つの上記搬送セクションを備える。
【0028】
次に本発明の開示が、例示的であるが非限定的な実施例として以下に掲げられる実施形態についての、添付図面を参照した詳しい説明によって続けられる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】接線流濾過による処理用の装置の回路の線図である。
【図2】分離した構成での本発明による第1カート及び第2カートの斜視図である。
【図3】並置された構成での図2の2つのカートを備える、本発明による装置の上面図である。
【図4】図3の平面IV−IV上の、その装置の横断面図である。
【図5】図4の横断面図と類似の断面図であるが、タンクは横に倒された位置にあり、その底は第2カートの方に配向されている。
【図6】図3の平面VI−VI上の、その装置の横断面図である。
【図7】並置された構成での図2の2つのカートの他の視角からの斜視図である。
【図8】第2カートの引出しの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
最初に、使い捨て可能な要素を上記で言及された2つのカート上に据え付けて使用することによって製作される、接線流濾過によって生体液体を処理する回路の説明が図1を用いて与えられる(装置についてのより詳しい説明が後ほど与えられる)。
【0031】
処理される液体は、最初は供給源バッグ20内にある。供給源バッグ20は、培養生物反応器からの又は前の処理からの液体で充填されている。この供給源バッグ20は、雄型結合連結器21を介して移送セクション22に連結可能である。移送セクション22は、雌型結合連結器28からT字形状の分岐連結器23の第1アパーチャ23aに延びている。
【0032】
移送セクション22は使い捨て可能な軟性の管24と、液体流を生成するための移送ポンプ25(両方の流れ方向で同じように動作するぜん動ポンプ)と、2つの遮断弁26及び27とを備える。
【0033】
「管」という用語は、本文書においては、回路の2つの要素を連結する配管の一部分であると理解されなければならず、この部分は単一の管を備えることも、反対にいくつかの管を備えることも等しく可能である。いくつかの管は異なった直径を有することが可能であり、簡単な連結器(ここで他の役目を果たさない)、あるいは複雑な連結器(例えば、圧力センサ用(もしくは他の物理化学的値のセンサ用)の使い捨て可能な連結器、又は使い捨て可能なポンプヘッド用の使い捨て可能な連結器)によって直列に連結される。
【0034】
管24は、ポンプ25を通過する部分24a(第1入口/出口点25aから第2入口/出口点25bまで)を有して、該部分は上記ポンプによって圧搾されることができるようになっている。
【0035】
管24内の液体の流れを可能にし、又はそれを防止するために分岐連結器23付近の管24上に弁26が埋め込まれている。
【0036】
雌型結合連結器28に接近して管24上に弁27が埋め込まれている。
【0037】
操作者は、他のバッグ30、31、及び32を、雄型結合連結器33、34、及び35を介して移送セクション22に連結する可能性がある。雄型結合連結器33、34、及び35は、雌型結合連結器28に連結することができる。
【0038】
これらのバッグ30、31、及び32は、回路の清浄度を管理するように、又は処理された液体を、処理を実施する要素に向けて又は収集用容器に向けて押し出すように、それぞれ緩衝液(食塩水)、洗浄液(水酸化ナトリウム)、及び濯ぎ液(水)を含んでいる。
【0039】
充填セクション40及び濾過セクション41がそれぞれ、分岐連結器23の第2アパーチャ23b及び第3アパーチャ23cから延びている。
【0040】
使い捨て可能な軟性の供給用容器43の入口/出口アパーチャ43aにつながる充填セクション40は、使い捨て可能な軟性の管42と、分岐連結器23(これも使い捨て可能である)に接近して管42上に埋め込まれた弁44とを備える。
【0041】
容器43内に含まれた液体を均一にするために、容器43内には電磁駆動装置45によって起動される攪拌器44が配設されている。
【0042】
T字形状の分岐連結器60の第1アパーチャ60aにつながる濾過セクション41は、2つの使い捨て可能な軟性の管50、51と、圧力センサ用の2つの連結器52、53と、2つの遮断弁54、55と、接線流フィルタ58とを備える。
【0043】
管50は、分岐連結器23の第3アパーチャ23cをフィルタ58の第1入口/出口アパーチャ58aにつないでいる。連結器52は管50内に直列に挿入されている。
【0044】
管51はフィルタ58の第2入口/出口アパーチャ58bを分岐連結器60の第1アパーチャ60aにつないでいる。圧力センサの連結器53は管51内に直列に挿入されている。
【0045】
連結器53上に取り付けられた圧力センサによって行われる測定は、連結器52上に取り付けられた圧力センサによって行われる測定と併せて、接線流フィルタ58の運転状況を知ることを可能にする。
【0046】
弁54は分岐連結器23に接近して管50上に埋め込まれ、弁55は分岐連結器60に接近して管51上に埋め込まれている。
【0047】
供給セクション61及び収集セクション62がそれぞれ、分岐連結器60の第2アパーチャ60b及び第3アパーチャ60cから延びている。
【0048】
供給セクション61は、供給用容器43の出口アパーチャ43bにつながる。供給セクション61は使い捨て可能な軟性の管63と、液体流を生成する流動ポンプ64(ここでは両方の流れ方向で同じように動作するぜん動ポンプ)と、分岐連結器60に接近して管63上に埋め込まれた弁65と、管63内に直列に挿入された圧力センサ連結器66とを備える。
【0049】
管63は、ポンプ64を通過する部分63a(入口点64aから出口点64bまで)を有して、該部分は上記ポンプによって圧搾されることができるようになっている。
【0050】
収集セクション62は雄型結合連結器70につながっている。収集セクション62は使い捨て可能な軟性の管68と、分岐連結器60に接近して管68上に埋め込まれた遮断弁69とを備えるだけである。
【0051】
実施される操作に応じて、雄型結合連結器70は、廃棄用容器74の雌型結合連結器73又は収集連結器の雌型結合連結器71のいずれにも連結されることができる。
【0052】
接線流濾過による処理用の回路は、濾液を搬送する2つのセクション76a、76bも備える。それらはフィルタ58の出口点58c及び58dからそれぞれ延び、合流して単一のセクション76を形成する。単一のセクション76は雄型結合連結器86につながり、これは廃棄用容器74の雌型結合連結器73に連結されることが可能である。
【0053】
セクション76aは、T字形状分岐連結器80の第1アパーチャ80aと連通している。セクション76aは、使い捨て可能な軟性の管77と、フィルタ58に接近して管77上に埋め込まれた遮断弁78とを備える。
【0054】
セクション76bは、分岐連結器80の第2アパーチャ80bと連通している。セクション76bは、使い捨て可能な軟性の管81と、フィルタ58に接近して管81上に埋め込まれた遮断弁82と、管81内に直列に挿入された圧力センサ連結器83とを備える。
【0055】
連結器83上に取り付けられた圧力センサによって行われる測定は、連結器52及び53上に取り付けられた圧力センサによって行われる測定と併せて、接線流フィルタ58の運転状態を精確に点検することを可能にする。分岐連結器80の第3アパーチャ80cから延びるセクション76は、使い捨て可能な軟性の管84及び流量計85を備える。
【0056】
フィルタ58の出口で取り出される濾液の液量及び流量を判定することを可能とするように、管84は、流量計85を通過する部分84a(入口点85aから出口点85bまで)を有する。
【0057】
次にこの回路の動作が述べられる。
【0058】
以下に説明される洗浄及び濯ぎの操作後に、接線流濾過による処理を開始することが可能である。濾過セクション41及び収集セクション62内の液体の流れを防止するために、弁54、65、及び69は閉鎖され、他の弁は開放される。
【0059】
供給源バッグ20が、雄型結合連結器21の雌型結合連結器28への連結によって、セクション22につなげられる。
【0060】
次いで移送ポンプ25によって、処理する液体が供給源バッグ20から吸い上げられ、移送セクション22及び充填セクション40を介して供給用容器43に搬送される。
【0061】
処理するべき液体を回路の中に完全に移送した後、緩衝液を含むバッグ30が、結合連結器33を介して結合連結器28に連結される。次いで、この緩衝液が移送ポンプ25によって移送セクション22の中に導入されて、処理するべき液体をセクション40に向けて押し出して、全ての液体が濾過され、取り出されることが可能になるようにする。次いで移送セクション22は、閉鎖弁26によって充填セクション40及び濾過セクション41から分離される。
【0062】
移送が実施された後は、弁54及び65は開放され、供給セクション61、濾過セクション41、及び充填セクション40によって形成されたサブ回路内で、処理するべき液体が流動ポンプ64の起動によって流れるようにされる。液体が接線流フィルタ58の中に移動した後、保持液は供給用容器43に戻り、濾液はセクション76a、76b、及び76を介して排出されて、廃棄用容器74内に収集される。
【0063】
処理するべき液体をフィルタ58の中に流入させる動作は、液体が所望の濃度に到達するまで継続される。
【0064】
次いで濾過された液体の収集が連続した2つのサブステップで実施される。
【0065】
最初のサブステップは、濾過セクション41内及びフィルタ58内に含まれた濾過された液体を取り出すことから成る。
【0066】
このために、移送セクション22と濾過セクション41とを連通した状態に配置し、それらを充填セクション40から分離するように、弁44は閉鎖され、弁26は開放される。
【0067】
同時に、濾過セクション41と収集セクション62を連通した状態に配置し、それらを供給セクション61から分離するように、弁65は閉鎖され、弁69は開放される。
【0068】
雄型結合連結器70が、収集用容器72の雌型結合連結器71に連結される。
【0069】
次いで緩衝液が移送ポンプ25によってセクション22内に搬送されて、濾過セクション41及びフィルタ58に含まれた濾過された液体を、収集セクション62を介して収集用容器72に移送する。
【0070】
第2のサブステップは、充填セクション40及び供給セクション61内と供給用容器43内とに含まれた濾過された液体を取り出すことから成る。
【0071】
このために、移送セクション22と充填セクション40を連通した状態に配置し、それらを濾過セクション41から分離するように、弁54は閉鎖され、弁44は開放される。
【0072】
同時に、供給セクション61と収集セクション62を連通するべく配置し、それらを濾過セクション41から分離するように、弁55は閉鎖され、弁65は開放される。
【0073】
次いで緩衝液が移送ポンプ25によってセクション22の中に搬送されて、充填セクション40内に含まれた濾過された液体を供給用容器43の中に移送する。
【0074】
次いで流動ポンプ64が、液体が容器43から供給セクション61及び収集セクション62を介して収集用容器72にもたらされることを可能にする。
【0075】
次いで、処理するべき生体液体の汚染を回避するように処理前に接線流濾過によって実施される、洗浄操作及び濯ぎ操作について説明する。
【0076】
回路内で洗浄液(水酸化ナトリウム)の流れを生成するために、雄型結合連結器34を雌型結合連結器28に連結することによって、バッグ31が移送セクション22と連通した状態になるように配置される。移送ポンプ25と弁26との間に位置付けられたセクション22の中間雌型結合連結器(明瞭にするために図1には示されていない)が、供給用容器43と流動ポンプ64との間に位置付けられたセクション61の中間雄型結合連結器(図示せず)に一時的に連結される。
【0077】
セクション22の中間雄型結合連結器は、通常は中間雌型結合連結器(図示せず)に連結されるが、これも廃棄用容器74の第2雌型結合連結器(図示せず)に一時的に連結され、連結器73は雄型結合連結器86に連結される。
【0078】
移送ポンプ25は、その全ローラが管24の部分24aから離れるように「開放」位置に設定される。弁44及び69は閉鎖され、他の弁は開放される。
【0079】
次いで洗浄液が流動ポンプ64によって回路内で駆動され、次いで廃棄用容器74内で取り出される。
【0080】
洗浄液が排出されると、バッグ32の雄型結合連結器35を雌型結合連結器28に連結することによって回路の濯ぎが行われる。次いで濯ぎ液が流動ポンプによって回路の中を駆動され、洗浄操作について先に説明されたのと同じように廃棄用容器74内で取り出される。
【0081】
変化形態として、洗浄前に水酸化ナトリウムを通すことによって回路の最初の濯ぎが実施され、及び/又は最後の濯ぎ前に空気を通すことによって水酸化ナトリウムが流される。
【0082】
次に上述の回路を実装する装置1について図2から図8を参照して説明がなされる。
【0083】
この装置1は、平行六面体の全体形状をそれぞれが有した、同じ深さである2つのカート2及び3を備える。
【0084】
第1カート2は、第2カート3よりも極めて大きな地上高さに延在することにも留意されたい。
【0085】
第1カート2は、処理区域内での移動を行い易くするために、車輪200上に取り付けられ、第1側面202から突き出た2つの弓形ハンドル200aを有する。第1カート2は、回路の特定の要素を受け取るために中空であり、連結動作を簡略化するためにその正面201とその側面202及び203とで部分的に開放されている。
【0086】
カート2(図2)は:
平坦なパネル205によって部分的に覆われた内側金属シャーシ204と、
供給用容器43を受け取る供給用タンク206と、
電磁駆動装置45と、
移送ポンプ25及び流動ポンプ64と、
赤外線温度プローブ211(図3)と、
2つのポンプ25及び64をそれぞれ支持する2つの水平トレイ220及び221と、
弁26、44、及び54を支承する垂直パネル223と、
ポンプ64の上に位置付けられた側面203の凹所内に配設された流量計85(図7)と、
特にポンプ25及び64を制御し、回路内で測定された値(圧力、温度、液量、質量、流量等)を表示する、ポンプ64の上の正面201上に配設された制御パネル230とを備える。
【0087】
タンク206は、使い捨て可能な軟性の供給用容器43のアパーチャ43a及び43bが通過するための長円形開口部206c(図3)と、電磁駆動装置45及び温度プローブ211と協働するための他の2つの円形開口部206d及び206eとが設けられた、円錐台形状底壁206bによって、一方の端部が延長された円筒状側壁206aを備える(図3)。
【0088】
タンク206は、カート2の側面202及び203と平行な面内に位置付けられた、U字形状のブラケット207(図2)の側方支柱207a上に旋回可能に取り付けられる。側方支柱207aの両端部は、シャーシ204につながった支持部209上に載った計量バランスフレーム208に固定される。
【0089】
フレーム208とその支持部209との間に配設された荷重セル210(図6)によって、タンク206の質量を精確に測定することが可能になる。
【0090】
タンク206の円筒状側壁206aの自由端部に固定されたハンドル206f(図3)によって、正面201に垂直な軸212のまわりでタンクを動作位置(図4)と据付け位置(図5)との間で容易に旋回することが可能になる。軸212の近傍のブラケット207の各支柱上に配設された2つのピン213(図3)が、タンク206の円柱状側壁206aに固定された2つのディスク214と協働するように適合されて、タンク206を所望の位置にロックし、又は反対にタンク206を回転するように自由にする。
【0091】
ロッキングは、各ピン213の端部に位置付けられた金属棒を、対応するディスク214の穴214aの中に挿入することによって達成される。逆に、タンク206を解除して回転させるためには、各ピン213を引いて、棒がディスク214から出るようにするだけでよい。
【0092】
タンク206はその動作位置では直立して、その円錐台形状の底壁206bは地面に向けて配向され、供給用容器43はタンク206の中に配設され、供給用容器43のアパーチャ43a及び43bはその底壁206bから地面に向かって突き出ている。
【0093】
図5内に図示された据付け位置では、タンク206は横になっており、その円筒状側壁206aの自由端部は、カート2の側面202の開口部216に面している。操作者にとっては、この据付け位置によって使用後の供給用容器43の引出しと新しい容器の据え付けとがし易くなる。
【0094】
温度プローブ211と磁気駆動の攪拌器44を起動する働きをする電磁駆動装置45とは、ブラケット207の基部を形成するクロス部材207b(図2)上に旋回可能に取り付けられた金属のフレームワーク217(図4及び図5)に固定される。
【0095】
赤外線温度プローブ211は、生体液体の処理中の温度変化を、容器43を通して測定することを可能にする。
【0096】
電磁駆動装置45(図2)は、供給用容器43内に含まれた攪拌器44を起こし、回転させることを可能にするいくつかのスプールを備える。
【0097】
装置1を作動させる際に、かつタンク206がその動作位置内に配設された後に、ハンドル217aを使用して、フレームワーク217が、図2から図4内に図示されたその位置にもたらされる。この位置で、電磁駆動装置45と温度プローブ211とのそれぞれの端部(図2)が可能な限り容器43に接近して位置決めされる。
【0098】
クロス部材207bに固定されたピン219(図2)がフレームワーク217と協働するように適合されて、フレームワーク217を濾過プロセスの最初から最後までその位置にロックするようにする。
【0099】
プロセスが終了された後は、フレームワーク217はロック解除されて自由に旋回し、フレームワーク217がカート2のシャーシ204上に載るその平衡位置を見出す。
【0100】
次にカート3についてより詳しく説明がなされる。
【0101】
カート2と同様に、カート3も、処理区域内での移動をし易くするために、車輪300上に取り付けられ、第1側面305から突き出た弓形のハンドル300aを有する(図2)。
【0102】
カート3は:
平坦なパネル302によって部分的に覆われた内側金属シャーシ301(図4)と、
圧力センサ用の連結器52、53、66、及び83用の支持部(これらの連結器52、53、66、及び83が図3及び図7に示されているが、それらは使い捨て可能であり、カート3上に恒久的に存在するわけではない)と、
弁55、65、及び69用の支持部と、
そのカート3の上面303に固定された並行な2つのアーム315、316であって、その上に使い捨て可能なフィルタ58と連結器52、53、66、及び83用の支持部とが載ったアーム315、316と、
弁55、65、及び69用の支持部が固定されたアーム316から延在する水平パネル317と、
収集用容器72及び廃棄用容器74、ならびに簡略化するために図示されていない任意の試料採取用容器又は排出用容器を保管するための、2つの保管用引出部304(図7及び図8)とを備える。
【0103】
上面303は、収集用容器72の充填の進捗が経過観察されることが可能になるように、その全体又は部分が透明材料の板によって形成される。
【0104】
接線流フィルタ58は、第1側面305及び正面307に接近して配設され、その4つのアパーチャ58a、58b、58c、及び58dは、カート3の第2側面308に向けて配向される。
【0105】
連結器52、53、66、及び83用の4つの支持部は、フィルタ58と第2側面308との間に位置付けられる。
【0106】
保管用引出し304はカート3の内部に滑動可能に取り付けられ、開放されたその第1側面305からアクセス可能である。管68又は84の通過を可能にするように、各引出し304の前面内に切抜き部306が設けられる(図8)。
【0107】
装置1を取り付ける際、図3から図7で図示されているように、第1カート2の側面203は第2カート3の側面308と並置される。
【0108】
カート2と3は、それらの並置時に、ここではカート3の収容部330(図2及び図4)内へのラグ(図面では見えない)の係合によって、互いにロックする。
【0109】
カート2のラグは、カート2の下面に固定された板230(図4)の端部に位置付けられる。
【0110】
このラグは面203から突き出ており、その中央に、1つ又は複数の保持歯が位置するようになる開口部を有する。保持歯は、カート3の下面によって担持されるピボット332上に蝶番で連結されたレバー331(図4)の一方端部に位置付けられる。レバー331の他方端部は側面305に位置付けられ、ペダル333(図7)を備え、これによってレバー331が傾けられてカート2から突き出たラグの開口部から保持歯を解放することが可能になり、これによって2つのカートが解除されることが可能になる。
【0111】
カート2と3が並置された後は、使い捨て可能な要素(管、容器、特定の弁、連結器、フィルタ等)が、カート2及び3上に配設された再使用可能な要素上に取り付けられる。
【0112】
次いで装置の取り付けが終了され、装置が図3から図6に従ったものとなる。
【0113】
図4は管が据え付けられた完全な装置の断面図を表しており、カート2上での2つのポンプ25及び64とタンク206との配設がどのようにして最適化されるかが理解されるようにしている。
【0114】
したがって、流動ポンプ64を支承する板221は、カート2の側面203の近傍で所定の高さ及び深さ(正面201に対して)に配設されて、流動ポンプ64の出口点64bが、実質的に接線流フィルタ58の入口/出口アパーチャ58bに面するように位置付けられるようになる(図4)。この位置決めによって、流動ポンプ64とフィルタ58との間の管63及び51の長さを、したがって液体の流れが起こるサブ回路の長さを制限することが可能になる。
【0115】
同様に、タンク206の流動ポンプ64に対する位置決めによって、管63のこの部分が肘形状のプロファイルを有する(容器43の出口アパーチャ43bは地面に向けて垂直に配向され、流動ポンプ64の入口点64aはタンク206の方へ水平に配向されることによる)という事実を考慮に入れながら、供給用容器43とポンプ64との間の管63の長さを制限することが可能になる。
【0116】
より具体的に述べると、管63が挟まれるリスクを回避するために、肘部の曲率半径は、その管に固有の特徴に依存する最小値Rmin以上でなければならない。
【0117】
言い換えれば、容器43の出口アパーチャ43bは、流動ポンプ64の入口点64aに対する高さ及び幅の点で、少なくともRminの値分だけ偏位されていなければならない。
【0118】
その結果、この二重の偏位の制約を満たすために、タンク206(受け取り容器43)はポンプ64の上に位置決めされ、ポンプ64に対して横方向に(側面202の方向に)変位される。
【0119】
さらになお、フィルタ58と分岐連結器23との間の管50の長さを、したがって液体が再度通されるサブ回路の長さを制限する目的で、この連結器23は、回路を取り付ける際に、カート2の側面203の近傍に所定の高さ及び深さに配設されて、そのアパーチャ23cが実質的に接線流フィルタ58の入口/出口アパーチャ58aに面するように位置付けられるようにしなければならない(図6)。
【0120】
図2内のフィルタ58を見ることによって、アパーチャ58aがアパーチャ58bよりも僅かに高くかつ前方に位置付けられていることが分かる。分岐連結器23のアパーチャ23c(図6)は、ポンプ64のアパーチャ64bよりも僅かに高くかつ前方に位置決めされなければならない。
【0121】
その結果、この二重の偏位の制約を満たすために、垂直パネル223(これに分岐連結器23が固定されている)はポンプ64の前方かつその上方部分に位置決めされる(図2、図6、及び図7)。
【0122】
この制約は、移送ポンプ25の位置決めに影響を有し、移送ポンプ25の入口点25bは、分岐連結器23のアパーチャ23a、23cと接線流フィルタ58のアパーチャ58aと同じ平面内に配設されなくてはならない(図3及び図6)。
【0123】
したがってポンプ25は、カートの正面201の近傍に配設されるように、流動ポンプ64に対して前方に偏位されている(図2及び図3)。
【0124】
移送ポンプ25の位置も、連結器23のアパーチャ23aは地面の方へ垂直に配向され、移送ポンプ25の入口/出口点25bは水平に配向されていることから、移送ポンプ25と分岐連結器23との間の管24の部分が肘形状のプロファイルを有するという事実を考慮に入れなければならない(図5)。
【0125】
管24が挟まれるリスクを回避するために、その肘部の曲率半径は、その管に固有の特徴に依存する最小値R’min以上でなければならない。
【0126】
言い換えれば、移送ポンプ25の入口/出口点25bは、分岐連結器23のアパーチャ23aに対して垂直方向に、かつ幅において、少なくとも上記の値R’min分だけ偏位されていなければならない。
【0127】
その結果、この二重の偏位の制約を満たすために、移送ポンプ25は分岐連結器23の下に(したがってポンプ64の下に)位置決めされ、側面202の方へ横方向に変位される。これは、カート2の幅を拡大しないという利点をさらに有し、カート2はコンパクトなままである。
【0128】
セクション40、41、及び61によって形成される濾過ループの長さを最小化するという利点は、処理の終わりに(供給用容器43は空又はほぼ空となっている)、そのループ内に残存する生体液体の液量も最小化され、達成される濃度が最大にされるということにもなることが分かる。
【0129】
ここに図示されていない変化形態では:
板221を、水平であるよりもむしろ面203の方に落ちるように傾斜させる。これは、管63の凹部が下向きになるように管63のセクション63aがポンプ64の中で湾曲されているときに有利である(ポンプ64のロータは水平軸のまわりで回転する)。これによってポンプ64が傾斜されることが可能になって、入口/出口点64aにおいて管63内に低い点が存在するのが回避される、
セクション22を、ポンプ25の第2入口/出口点25bと弁26との間に配設される圧力センサ連結器をさらに備えている類似のセクションと置き換え、そのポンプ25の適正な動作を保証するようにする、
バッグ30、31、及び32を恒久的に移送セクション22に連結し、それらのバッグとセクション22との間に一組の弁を位置決めして、回路内を通過することが所望される液体を選択することを可能にする、
弁65を省略して、遮断機能を単に流動ポンプ64によって停止時に得る、
ぜん動ポンプ25及び64を別のタイプのポンプ、例えば使い捨て可能な要素の一部を形成するポンピングヘッドを受け取るように適合されたポンプによって置き換える、
供給源バッグ20の容量が供給用容器43の容量よりも大きいとき、そのバッグに含まれた液体を移送する動作を「流加」技法によって実施する。この技法は、供給源バッグ20から液体の一部だけを供給用容器43の中に移送し、次いでその液体を、セクション40、41、及び61から形成されたサブ回路内で移動及び濃縮させながら、バッグ20内に未だ含まれた液体の残りを徐々に移送し(弁26は開放されたままである)、これが廃棄用容器74の中に排出された濾液と置き換わるようにすることから成る、
連結器53を省略し、次いで、同様の情報を提供するように連結器66上に連結された圧力センサを使用する、
連結器21、33、34、35、70、86、28、71、及び73を、迅速連結器及び/又は非雄型/雌型の分化型連結器に置き換える、
フィルタ58の出口で取り出される濾液の質量及び流量を判定するように、流量計85を、収集用容器72が配置された重量測定器と置き換えられる、
例えば導電性測定セル又はpH測定セル、あるいは紫外線による液体の吸収度を測定するセルなどの、他の測定機器及び検査機器をも据え付ける、
引出し304を簡単な棚によって置き換える。それらの棚は、高さ調節されることが可能であり、容器72及び74の位置決め及び引出しをし易くするように、ローラマット及びボックスが棚の上に配設される、
収集用容器72及び廃棄用容器74がカート3の内部に導入されるには大容量過ぎるとき、それらをそのカート3の近傍で直接床上に配置する、
雄型結合連結器70及び86を除液管につなぐ、
金属のフレームワーク217を、クロス部材207bに対して垂直方向に並進移動するように取り付けられたフレームワークによって置き換える、
フィルタ58と、連結器52、53、66、及び83と、弁55、65、及び69とを簡単なテーブル上に配設する、及び/又は
最終フィルタを弁69と収集用容器72との間に配設する。
【0130】
ここに図示されていない他の変化形態では、カート2及び3は接線流濾過の処理とは異なる処理を実施する働きをすることができる。
【0131】
状況に応じて多数の他の変化形態が可能である。これに関連して、本発明は、ここで説明されかつ示された例示的な実施形態に限定されないことに留意されたい。
【符号の説明】
【0132】
1 生体液体処理装置
2 第1カート
3 第2カート
20 供給源用容器
21、33、34、35、70、86 雄型結合連結器
22 移送セクション
23、80 分岐連結器
23a、60a、80a 第1アパーチャ
23b、60b、80b 第2アパーチャ
23c、60c、80c 第3アパーチャ
24、42、50、51、63、68、77、81、84 使い捨て可能な軟性の管
24a ポンプと協働するように適合された部分
84a 流量計85を通過する部分
25 第2ポンプ
25a 第1入口/出口点
25b 第2入口/出口点
26、27、54、55、65、69、78、82 遮断弁
28、71、73 雌型結合連結器
30、31、32 バッグ
40 充填セクション
41 濾過セクション
43 供給用容器
43a 入口アパーチャ
43b 出口アパーチャ
44 弁
45 電磁駆動装置
52、53、66、83 圧力センサ用の2つの連結器
58 フィルタ
58a、58b 第2入口/出口アパーチャ
58c、58d、64b、85b 出口点
60 第2分岐連結器
61 供給セクション
62 収集セクション
63a 前記第1ポンプ64と協働するように適合された部材
64 第1ポンプ
64a、85a 入口点
66 圧力センサ連結器
72 収集用容器
74 廃棄用容器
76 単一搬送セクション
76a、76b 搬送セクション
85 流量計
200、300車輪
200a、300a ハンドル
201 正面
202 第1側面
203 第2側面
204 内側金属シャーシ
205 パネル
206 タンク
206a 円筒状側壁
206b 円錐台形状底壁
206c、206d、206e 長円形開口部
206f ハンドル
207 ブラケット
207a 側方支柱
207b クロス部材
208 バランスフレーム
209 支持部
210 荷重セル
211 温度プローブ
212 軸
213 ピン、ロック手段
214 ディスク、ロック手段
214a 穴
216 側面202の開口部
217 金属フレームワーク
217a ハンドル
220、221 水平トレイ、板
223 垂直パネル
230 制御パネル
301 内側金属シャーシ
302 平坦なパネル
303 上面
304 引出し
305 第1側面
306 切抜き部
307 正面
308 第2側面
315、316 アーム
317 水平パネル
330 収容部
331 レバー
332 ピボット
333 ペダル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体液体処理装置(1)用のカートであって、第1側面(202)と、第2の側面であって、該第2の側面により当該カートが他のカート(3)と並置されるようにカートが適合される第2側面(203)と、2つの前記側面(202、203)に合致する正面(201)とを備え、
第1ポンプ(64)と、
前記第1ポンプ(64)の下に配設され、前記第1側面(202)の方に、前記第1ポンプ(64)に対して横方向に偏位された第2ポンプ(25)と、
前記第1ポンプ(64)の上に配設され、前記第1側面(202)の方に、前記第1ポンプ(64)に対して横方向に偏位されたタンク(206)であって、前記生体液体を含むように設けられた供給用容器(43)を受け取るように適合されているタンク(206)とをさらに備えることを特徴とする、カート。
【請求項2】
前記第2ポンプ(25)が、前記正面(201)の方に、前記第1ポンプ(64)に対して深さ方向に偏位されていることを特徴とする、請求項1に記載のカート。
【請求項3】
前記タンク(206)が、前記生体液体を処理する操作のための直立した稼働位置と、前記供給用容器(43)を取り付け、又は引き出すための横に倒された据付け位置との間で移動可能に取り付けられたことを特徴とする、請求項1又は2に記載のカート。
【請求項4】
前記タンク(206)が、前記カートの前記正面(201)に対して垂直な軸(212)のまわりで旋回するように適合されたことを特徴とする、請求項3に記載のカート。
【請求項5】
前記タンク(206)を稼働位置と据付け位置とのいずれにおいてもロックする手段(213、214)を備えることを特徴とする、請求項3又は4に記載のカート。
【請求項6】
前記ロック手段(213、214)が少なくとも1つのピン(213)を備えることを特徴とする、請求項5に記載のカート。
【請求項7】
前記タンク(206)が、前記タンク(206)の質量を測定するために、ロードセル(210)と協働するように適合されたバランスフレーム(208)に両端部が固定された、U字形状のブラケット(207)上に取り付けられていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のカート。
【請求項8】
前記ポンプ(64、25)がぜん動ポンプであることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のカート。
【請求項9】
前記供給用容器(43)内に含まれた攪拌器(44)を起こし、回転させる電磁駆動装置(45)を備えることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のカート。
【請求項10】
前記処理中の前記生体液体の温度変化を、前記供給用容器(43)を通して測定する温度プローブ(211)を備えることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のカート。
【請求項11】
前記ポンプ(64、25)を制御する制御パネル(230)を含むことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のカート。
【請求項12】
生体液体処理用の装置であって、
第1カートとして指定された、請求項1から11のいずれか一項に記載のカート(2)と、
フィルタ(58)と、
前記第1カート(2)と並置された第2カート(3)とを備え、該第2カートの上面(303)が、前記第1ポンプ(64)の出口点(64b)が実質的に前記フィルタ(58)の入口/出口アパーチャ(58b)に面して位置付けられるように、前記フィルタ(58)を支持することを特徴とする、装置。
【請求項13】
前記フィルタが接線流フィルタ(58)であることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記濾過された生体液体を収集する、前記第2カート(3)のハウジング内に配設された収集用容器(72)をさらに備えることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記ハウジングが、引出し(304)の内部によって形成されたことを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記引出し(304)の前面が、使い捨ての軟性の管(68)が通過する切抜き部(306)を備えることを特徴とする、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
装置が、
前記生体液体用の供給源用容器(20)と、
前記カートの前記タンク(206)内に配設された供給用容器(43)と、
前記濾過された生体液体を収集する容器(72)と、
前記供給源用容器(20)を分岐連結器(23)の第1アパーチャ(23a)に連結する移送セクション(22)であって、前記生体液体の流れを生成するために前記カート(2)の前記第2ポンプ(25)と協働するように適合された部材(24a)を備える移送セクション(22)と、
前記分岐連結器(23)の第2アパーチャ(23b)を前記供給用容器(43)の入口/出口アパーチャ(43a)につなぐ充填セクション(40)と、
前記フィルタ(58)を備え、前記分岐連結器(23)の第3アパーチャ(23c)を第2分岐連結器(60)の第1アパーチャ(60a)に連結する濾過セクション(41)と、
前記第2分岐連結器(60)の第2アパーチャ(60b)を前記供給用容器(43)の入口/出口アパーチャ(43b)につなぎ、前記生体液体の流れを生成するために前記カート(2)の前記第1ポンプ(64)と協働するように適合された部材(63a)を備える供給セクション(61)と、
前記第2分岐連結器(60)の第3アパーチャを前記収集用容器(72)につなぐ、前記濾過された液体を収集するセクション(62)とを備え、
前記移送セクション(22)、充填セクション(40)、濾過セクション(41)、供給セクション(61)、及び収集セクション(62)が、それぞれ少なくとも1つの使い捨て可能な管(24、42、50、51、63、68)を備えることを特徴とする、請求項12から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記フィルタ(58)の出口点(58c、58d)を廃棄用容器(74)につなぐ働きをし、少なくとも1つの使い捨て可能な管(77、81、84)を備える、濾液を搬送する少なくとも1つのセクション(76a、76b、76)を備えることを特徴とする、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記フィルタ(58)のそれぞれの前記出口点(58c、58d)から延び、単一セクション(76)を形成するように分岐連結器を介して結合する、2つの前記搬送セクション(76a、76b)を備えることを特徴とする、請求項18に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−148872(P2010−148872A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−285915(P2009−285915)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(390019585)ミリポア・コーポレイション (212)
【氏名又は名称原語表記】MILLIPORE CORPORATION
【Fターム(参考)】