説明

生物学的に活性のある化合物のインビボ生物活性の増加

本発明は、増加したインビボ生物活性、特に、増加した抗線虫活性もしくは抗真菌活性、免疫抑制活性、代謝影響活性および/または抗ガン活性などの医薬活性をもつ化合物に関する。さらに詳しくは、本発明は、生物活性をもつ化合物に、1または2位において共有結合することによって、該化合物の生物活性を増加させる、一般式(I):


(I)
で示されるアルテミシニン誘導体を含む化合物またはその医薬的に許容しうる塩に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、増加したインビボ生物活性、特に、増加した抗線虫活性もしくは抗真菌活性、免疫抑制活性、代謝影響活性および/または抗ガン活性などの医薬活性をもつ化合物に関する。また本発明は、該化合物の製造方法および治療を必要とする哺乳類、好ましくはヒトの治療のための化該合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
化合物のインビボ生物活性、特に化合物または薬物の医薬活性は、とりわけ、その薬物動態パラメーターによって決定される。
【0003】
一般に、薬物動態パラメーターは、薬物に対するヒトまたは動物の身体の反応を表すために用いられる。このようなパラメーターの例は、ヒトまたは動物の身体による薬物の吸収、ヒトまたは動物の身体を通る薬物の分布およびヒトまたは動物の身体における薬物の分解である。
【0004】
さらに、薬力学的パラメーターは、薬物へのヒトまたは動物の身体の反応を表すために用いられる。言い換えれば、薬力学的パラメーターは、受容体アゴニストまたはアンタゴニスト活性、膜破壊、免疫反応の抑制または活性化、DNA結合、化学反応に及ぼす影響、シグナル伝達系に及ぼす影響といったような、化合物または薬物の活性のメカニズムに関する。
【0005】
共有結合または連結によって、他の化合物を既知の薬物に結合させることは、ヒトまたは動物の身体による該薬物の吸収、ヒトまたは動物の身体を通る該薬物の分布および/またはヒトまたは動物の身体による該薬物の代謝変換もしくは分解などの、薬物の薬物動態パラメーターに大きく影響を及ぼしうる。
【0006】
たとえば、(共有的に)結合した化合物を介して薬物の吸収を増加させることによって、治療効果を獲得するために、化合物に(共有的に)結合していない薬物に要求される濃度と比べて、低濃度の薬物でも治療効果を獲得することができた。
【0007】
このような(共有的に)結合した化合物が、薬物の治療効果を局所的にのみ発揮する身体の特定の位置に標的化するなど、薬物の分布を有利に改善する場合、同様の効果が得られる。さらなる利点が毒性を減少させることもできた。
【0008】
また、(共有的に)結合した化合物が、薬物の医薬的に活性な形態に応じて、薬物の代謝変換を減少または増加させる場合、投与される薬物の濃度を低下させること、あるいは治療計画をやってみることを提供することができた。
【0009】
(共有的に)結合した化合物が、薬物の1つ以上の薬力学的パラメーターに影響を及ぼすことも可能である。この場合、効果は、相加的、すなわち、(共有的に)結合した化合物と薬物の医薬活性の合計であるか、または相乗的であり得た。
【0010】
さらに、(共有的に)結合した化合物が、薬物と併用で、以前に認識されていないか、または既知の有利な医薬活性を提供することが可能である。
【0011】
作用のメカニズムにかかわらず、すなわち、改善であろうと、提供であろうと、(共有的に)結合した化合物の薬物動態および/または薬力学的パラメーターもしくは特性、改善された治療効果および有利な治療効果は、たとえば、投与される薬物の量を減少させることを介して得ることができる。
【0012】
もう1つの例として、たとえば、改善された(局所的)分布、または増加もしくは減少された代謝変換などによって提供される毒性の低下により薬物の濃度を増加させる可能性という理由で、改善された有利な治療効果を得ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
とりわけ、薬物の薬物動態および/または薬力学的特性または特徴に関する、既知の薬物に(共有的に)結合した化合物の上記の可能な利益および有益さを考慮すると、化合物に(共有的に)結合した(既知)薬物のこのような組み合わせを提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
とりわけ、この目的に合致する本発明化合物は、生物活性、好ましくは医薬活性をもつ化合物に1または2位において共有結合することによって、該化合物の生物活性、好ましくは医薬活性を増加させる、一般式(I):

(I)
で示されるアルテミシニン誘導体を含む化合物である。
【0015】
驚いたことに、生物活性をもつ化合物、好ましくは薬物に共有的に結合する一般式(I)で示されるアルテミシニン誘導体が、該化合物の生物活性、好ましくは医薬活性に有利に影響を及ぼすことが本発明者らによって見出されている。
【0016】
ほとんどの場合、そして好ましくは、有利な生物活性、好ましくは医薬活性は、ヒトまたは動物の身体による薬物の吸収、ヒトまたは動物の身体における薬物の分解および/またはヒトまたは動物の身体による薬物の代謝変換などの、生物活性化合物、好ましくは薬物の1つ以上の薬物動態パラメーターに影響を及ぼすことによって提供される。
【0017】
しかしながら、上記は、本発明の共有的に結合したアルテミシニン誘導体が、場合によりまた、1つ以上の改善されるか、または新規の薬力学的特性を提供することによって、該生物活性化合物の生物活性、好ましくは医薬活性に影響を及ぼすことを排除するものではない。
【0018】
一般式(I)で示されるアルテミシニン誘導体は、出発化合物として、1および/または2位において、-OH基などの、生物活性化合物と反応するための少なくとも1つの結合基を含む。
【0019】
1または2位において少なくとも1つの結合基を備えているほかに、本発明のアルテミシニン誘導体出発化合物は、1および/または2位において、メチル、エチルまたはプロピル基、好ましくはメチル基などの分枝または非分枝のC1〜C6アルキルまたはアリール基でさらに置換されうる。
【0020】
本発明の一般式(I)で示されるアルテミシニン誘導体の1つは、抗マラリア薬アルテミシニン、すなわち、ジヒドロアルテミシニン(DHA)の生合成の既知の中間体から誘導されうる。
【0021】
本発明のこの態様によれば、ジヒドロアルテミシニン(DHA)の1または2位におけるプロピオン酸、イソプロピルエステル、酪酸および酢酸部分もまた、本発明における使用に特に適している。
【0022】
ジヒドロアルテミシニンの場合、最初のアルテミシニン誘導体の1位は、たとえば、エステル化反応またはエーテル化反応によって、生物活性化合物が1位に共有的に結合できるようにする-OH基を含む。
【0023】
このような反応は、有機化学の分野において一般常識であり、たとえば、Organic Chemistry、John McMurry、Brooks/Cole、第六版などの有機化学の教科書のほとんどにおいて見出すことができる。
【0024】
式(I)で示されるもう1つの出発アルテミシニン誘導体は、デオキソアルテミシニンである。この出発化合物において、-OHなどの可能な結合基は、2位において提供される。
【0025】
式(I)で示されるもう1つの出発アルテミシニン誘導体は、無水ジヒドロアルテミシニン(AHA)である。この化合物は、中間反応を介して、たとえば、1位における対応する誘導体を提供するためのO、NまたはSの求核試薬反応、または2位における反マルコフニコフ付加によるヒドロキシル化反応によって、生物活性化合物が1位または2位に共有的に結合できるようにする1位と2位との間の二重結合を含む。
【0026】
このような反応は、有機化学の分野における一般常識であり、たとえば、Organic Chemistry、John McMurry、Brooks/Cole、第六版などの有機化学の教科書のほとんどにおいて見出すことができる。
【0027】
したがって、本発明の好ましい態様において、本発明のアルテミシニン誘導体は、ジヒドロアルテミシニン、無水ジヒドロアルテミシニンおよびデオキソアルテミシニンから選ばれる化合物から誘導される。
【0028】
本発明の好ましい態様において、生物学的に、好ましくは医薬的に活性のある化合物は、スルフィド(-S-)、エーテル(-O-)、エステル(-OCO-)またはアミン(-N-)結合を介して、無水ジヒドロアルテミシニンなどの本発明のアルテミシニン誘導体に結合される。
【0029】
本発明のこの態様において、スルフィド(-S-)およびエーテル(-O-)結合が特に好ましい。
【0030】
1つの好ましい態様によれば、本発明の生物活性をもつ化合物は、一般式(I)で示される化合物の1位において、本発明のアルテミシニン誘導体に共有的に結合する。
【0031】
さらにもう1つの好ましい態様によれば、本発明の生物活性をもつ化合物は、一般式(I)で示される化合物の2位において、本発明のアルテミシニン誘導体に共有的に結合する。
【0032】
本発明の特に好ましい態様において、アルテミシニン誘導体に共有的に結合する生物活性化合物は、N-(1H-ベンズイミダゾール-2-イル)カルバミン酸メチルである。
【0033】
N-(1H-ベンズイミダゾール-2-イル)カルバミン酸メチルは、抗線虫薬、さらに詳しくは抗真菌薬であり、カルベンダジム、カルベンダゾール、メカルゾール、フナベンなどの多くの別名でも知られている。
【0034】
N-(1H-ベンズイミダゾール-2-イル)カルバミン酸メチルを本発明のアルテミシニン誘導体に共有的に結合させることは、この薬物の抗線虫活性、特に殺菌活性を有利に改善する。
【0035】
本発明のこの態様の非常に好ましい態様によれば、本発明は、式(II):

(II)
で示される化合物または式(III):

(III)
で示される化合物を提供する。
【0036】
本発明のもう1つの特に好ましい態様において、本発明のアルテミシニン誘導体に共有的に結合した生物学的に活性な化合物は、メトキシ酢酸である。
【0037】
メトキシ酢酸は、メトキシエタン酸または2-メトキシ酢酸としても知られる免疫抑制剤である。
【0038】
メトキシ酢酸を本発明のアルテミシニン誘導体に共有的に結合させることは、この薬物の免疫抑制活性を有利に改善する。
【0039】
本発明のこの態様の非常に好ましい態様によれば、本発明は、式(IV):

(IV)
で示される化合物を提供する。
【0040】
本発明のさらにもう1つの特に好ましい態様において、本発明のアルテミシニン誘導体に共有的に結合した生物学的に活性な化合物は、2,2-ジクロロアセテートである。
【0041】
2,2-ジクロロアセテートは、グルコース代謝に影響を及ぼし、ラクテートを低下させ、デヒドロゲナーゼ複合体を活性化させる。
【0042】
2,2-ジクロロアセテートを本発明のアルテミシニン誘導体に共有的に結合させることは、特に、この薬物の代謝に影響を及ぼす活性を有利に改善する。
【0043】
本発明のこの態様の非常に好ましい態様によれば、本発明は、式(V):

(V)
で示される化合物を提供する。
【0044】
本発明のさらにもう1つの特に好ましい態様において、本発明のアルテミシニン誘導体に共有的に結合した生物学的に活性な化合物は、5-フルオロ-1H-ピリミジン-2,4-ジオンである。
【0045】
5-フルオロ-1H-ピリミジン-2,4-ジオンは、抗悪性腫瘍性代謝拮抗薬である。それは、チミジル酸へのデオキシウリジル酸のチミジル酸シンターゼ変換を遮断することによってDNA生合成を妨げる。
【0046】
5-フルオロ-1H-ピリミジン-2,4-ジオンは、フルオロウラシル、フルオロプレックス、アドルシル、エフデックス、チマジンなどの別名でも知られている。
【0047】
5-フルオロ-1H-ピリミジン-2,4-ジオンを本発明のアルテミシニン誘導体に共有的に結合させることは、特に、この薬物の抗ガン活性を有利に改善する。
【0048】
本発明のこの態様の非常に好ましい態様によれば、本発明は、式(VI):

(VI)
で示される化合物を提供する。
【0049】
本発明のまた特に好ましい態様において、本発明のアルテミシニン誘導体に共有的に結合した生物学的に活性な化合物は、アセテートである。
【0050】
アセテートは、特に、反対刺激剤として内服的に、およびまた試薬として用いられる。
【0051】
アセテートを本発明のアルテミシニン誘導体に共有的に結合させることは、特に、この薬物の反対刺激活性を有利に改善する。
【0052】
本発明のこの態様の非常に好ましい態様によれば、本発明は、式(VII):


(VII)
で示される化合物を提供する。
【0053】
本発明のさらにもう1つの特に好ましい態様において、本発明のアルテミシニン誘導体に共有的に結合した生物学的に活性な化合物は、イソブチレートである。
【0054】
イソブチレートは、特に、増殖抑制効果を有する。それは、ヒストンのアセチル化および脱アセチル化において効果を有することによって、細胞増殖制御、文化およびアポトーシスにおいて効果を有する。
【0055】
イソブチレートを本発明のアルテミシニン誘導体に共有的に結合させることは、特に、この薬物の増殖抑制活性を有利に改善する。
【0056】
本発明のこの態様の非常に好ましい態様によれば、本発明は、式(VIII):

(VIII)
で示される化合物を提供する。
【0057】
本発明のなおさらなる特に好ましい態様において、本発明のアルテミシニン誘導体に共有的に結合した生物学的に活性な化合物は、ブチレートである。
ブチレートは、特に、ヒスタミンアンタゴニストである。
【0058】
ブチレートを本発明のアルテミシニン誘導体に共有的に結合させることは、特に、この薬物のヒスタミンアンタゴニスト活性を有利に改善する。
【0059】
本発明のこの態様の非常に好ましい態様によれば、本発明は、式(IX):

(IX)
で示される化合物を提供する。
【0060】
本発明のさらにもう1つの特に好ましい態様において、本発明のアルテミシニン誘導体に共有的に結合した生物学的に活性な化合物は、プロピルペンタノエートである。
【0061】
プロピルペンタノエートは、てんかんの治療に用いられる抗けいれん特性をもつ脂肪酸である。
プロピルペンタノエートは、バルプロ酸、エピリム、コンヴレックス、エウレケン(eurekene)、ラバゼン(labazene)、セレニカ、オルフィリル(orfiril)、バレリンなどの別名でも知られている。
【0062】
プロピルペンタノエートを本発明のアルテミシニン誘導体に共有的に結合させることは、特に、この薬物の抗けいれん活性を有利に改善する。
【0063】
本発明のこの態様の非常に好ましい態様によれば、本発明は、式(X):

(X)
で示される化合物を提供する。
【0064】
本発明はまた、式(XI):

(XI)
で示されるか、または式(XII):

(XII)
で示される、本発明化合物の中間生成物に関する。
【0065】
もう1つの態様によれば、本発明は、生物活性をもつ化合物の生物活性を増加させるために、上記アルテミシニン誘導体を、1または2位において、スルフィド(-S-)、エーテル(-O-)、エステル(-OCO-)またはアミン(-N-)結合を介して、該生物活性をもつ化合物と結合させることを含む、本発明化合物を得るための方法に関する。
【0066】
本発明化合物によって提供される治療的利点を考慮すると、本発明はまた、上記化合物の生物活性を増加させるための上記アルテミシニン誘導体に関する。
【0067】
もう1つの態様によれば、本発明は、医薬として用いるための上記化合物に関する。
【0068】
さらにもう1つの態様によれば、本発明は、治療を必要とする哺乳類、好ましくはヒトを治療するための医薬の製造のための上記化合物の使用に関する。
【0069】
上記使用の好ましい態様において、本発明は、線虫感染を患っている哺乳類、好ましくはヒトを治療するための医薬の製造のための上記化合物の使用に関する。ここで、生物活性をもつ化合物は、N-(1H-ベンズイミダゾール-2-イル)カルバミン酸メチルである。
【0070】
上記使用のもう1つの好ましい態様において、本発明は、免疫抑制を必要とする哺乳類、好ましくはヒトを治療するための医薬の製造のための上記化合物の使用に関する。ここで、生物活性をもつ化合物は、メトキシ酢酸である。
【0071】
上記使用のさらにもう1つの好ましい態様において、本発明は、代謝性疾患を患っている哺乳類、好ましくはヒトを治療するための医薬の製造のための上記化合物の使用に関する。ここで、生物活性をもつ化合物は、2,2-ジクロロアセテートである。
【0072】
上記使用のまだもう1つの好ましい態様において、本発明は、免疫抑制を必要とする代謝性疾患を患っているか、または特にガンを患っている哺乳類、好ましくはヒトを治療するための医薬の製造のための上記化合物の使用に関する。ここで、生物活性をもつ化合物は、5-フルオロ-1H-ピリミジン-2,4-ジオンである。
【0073】
上記使用のさらなる好ましい態様において、本発明は、ヒリヒリする痛みを患っている哺乳類を治療するための医薬の製造のための上記化合物の使用に関する。ここで、生物活性をもつ化合物は、アセテートである。
【0074】
上記使用のもう1つのさらなる好ましい態様において、本発明は、ガンを患っている哺乳類を治療するための医薬の製造のための上記化合物の使用に関する。ここで、生物活性をもつ化合物は、イソブチレートである。
【0075】
上記使用のまたさらなる好ましい態様によれば、本発明は、免疫抑制を必要とする哺乳類を治療するための医薬の製造のための上記化合物の使用に関する。ここで、生物活性をもつ化合物は、ブチレートである。
【発明を実施するための形態】
【0076】
以下の本発明の好ましい化合物の製造実施例を用いて、本発明をさらに記載する。
【実施例1】
【0077】
本発明のアルテミシニン誘導体:

[ここで、少なくとも1つのR1またはR2が、本発明の生物学的に活性な分子であるという条件下で、R1およびR2は、Hであるか、または、本発明の生物学的に活性な分子である]の一般的合成
【0078】
75 mlの液体NH3を入れた三首フラスコに、約0.1 gのNaの小片を加え、次いで、メチルベンズイミダゾール誘導体2.37 g(10 mmol)をゆっくりと加え、混合物を撹拌する。反応混合物から少量を取り、薄層クロマトグラフィーによって反応物をモニターする。
【0079】
2時間後、反応を完了し、次いで、塩化アンモニウムを加えて反応を停止し、アンモニアを蒸発させる。
【0080】
水を注意深く加えて過剰のNaを中和し、得られる生成物をエーテルで繰り返し抽出し、ジクロロメタン/ヘキサンから再結晶して、1.8 g(8.07 mmol、80.7%)の所望生成物を得る。
【実施例2】
【0081】
チオベンズイミダゾール誘導体:5-(ジヒドロアルテミシニルチオ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イルカルバミン酸メチル(1a)の合成

【0082】
無水ジエチルエーテル(50 ml)中のジヒドロアルテミシニン(DHA、2.56 g、9 mmol)およびベンズイミダゾール誘導体(N-(1H-ベンズイミダゾール-2-イル)カルバミン酸メチル(1.80 g、8.07 mmol)の撹拌溶液に、三フッ化ホウ素-ジエチルエーテル(1 ml)を加える。混合物を室温にて一夜撹拌し、次いで、飽和水性NaHCO3を加えて反応を停止し、乾燥(硫酸マグネシウム)する。
【0083】
濾過し、濾液を濃縮して残渣を得、酢酸エチル/ヘキサン(10:90)を用いるクロマトグラフィーに付して、生成物を黄色固体で得る(エピマーの混合物)。収量は、2.37 g(70%)である、m.p.168-170℃。
【0084】
1H NMR:0.85-1.81(m、17 H)、1.97-2.03(m、1 H)、2.13-2.23(m、1H)、2.23-2.28(m、0.5H)、3.75(s、3H)、4.78(s)、4.81(s)、5.41(s、1H)、5.56-5.66(2つの一重項、1H)、7.18-7.38(m、2H)、7.55-7.62(m、1H)。
【実施例3】
【0085】
5-(ジヒドロアルテミシニルオキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イルカルバミン酸メチル(1b)の合成

【0086】
クロマトグラフィーのための溶離液が酢酸エチル/ヘキサン勾配モード(5:95-10:90)である以外は実施例2に記載の方法を用い、3.42 g(12 mmol)のDHAをN-(1H-ベンズイミダゾール-2-イル)カルバミン酸メチル(1.94 g、10 mmol)と反応させる。
【0087】
得られる生成物をジクロロメタンからさらに再結晶して、黄色固体を得る(2.98 g、63%)、m.p.172-175℃。
【0088】
1H NMR:0.86-1.80(m、17 H)、1.99-2.02(m、1 H)、2.13-2.23(m、1H)、2.23-2.28(m、0.5H)、3.71(s、3H)、4.78(s)、5.50(m、1H)、(s)、5.41(s、1H)、5.56-5.58(2つの一重項、1H)、6.78-6.90(m、1H)、7.25-7.69(m、2H)。
【実施例4】
【0089】
2-((ジヒドロアルテミシニルカルボニル)メトキシ)酢酸(2a)の合成

【0090】
ジクロロメタン(50 ml)中のDHA(2.84 g、10 mmol)の撹拌溶液に、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(1.95 g、16 mmol)およびジグリコール酸無水物(3.48 g、30 mmol)を加え、反応混合物を連続して一夜撹拌する。
【0091】
溶媒を減圧除去し、酢酸エチル/ヘキサン(10:90)を用いるクロマトグラフィーにより残渣を精製して、生成物を白色固体で得る(3.80 g、95%)。酢酸エチル/ヘキサンから再結晶して、白色針状結晶を得る(m.p.168-171℃)。
【0092】
1H NMR:0.86(d、J=7.0 Hz、3H、9-Me)、0.97(d、J=5.95 Hz、3H、6-Me)、1.45(s、3H、3-Me)、1.23-1.94(m、9 H)、2.04(ddd、J=14.5、5.0、3.0 Hz、1H)、2.39(ddd、J=14.5、5.0、3.0 Hz、1H)、2.55(m、1H、H-9)、4.25(s、2H、OCH2COO)、5.40(s、2H、COCH2O)5.45(s、1H、H-12)、5.850(d、J=10.0 Hz、1H、H-10)。
【実施例5】
【0093】
ジヒドロアルテミシニル-2,2-ジクロロアセテートの合成


【0094】
クロマトグラフィーのための溶離液が酢酸エチル/ヘキサン(5:95)である以外は上記方法を用いて合成するために、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(1.95 g、16 mmol)、ジグリコール酸無水物(3.48 g、30 mmol)およびDHA(2.84 g、10 mmol)を用いる。生成物を黄色固体で得る(3.44 g、87%)、m.p.160-163℃。
【0095】
1H NMR:0.86(d、J=7.0 Hz、3H、9-Me)、0.97(d、J=5.95 Hz、3H、6-Me)、1.45(s、3H、3-Me)、1.23-1.94(m、9 H)、2.04(ddd、J=14.5、5.0、3.0 Hz、1H)、2.39(ddd、J=14.5、5.0、3.0 Hz、1 H)、2.55(m、1H、H-9)、5.40(s、1H、H-12)、5.90(d、J=10.0 Hz、1H、H-10)、6.25(s、1H、COCHCl2)。
【実施例6】
【0096】
5-フルオロ-4-( ジヒドロアルテミシニルアミノ)ピリミジン-2(1H)-オンの合成

【0097】
無水ジエチルエーテル(50 ml)中のDHA(2.56 g、9 mmol)およびF-ウラシル(1.04 g、8.05 mmol)の撹拌溶液に、三フッ化ホウ素-ジエチルエーテル(1 ml)を加える。
【0098】
混合物を室温にて一夜撹拌し、次いで、飽和水性NaHCO3を加えて反応を停止し、乾燥(硫酸マグネシウム)する。
【0099】
濾過し、濾液を濃縮して残渣を得、酢酸エチル/ヘキサン(10:90)を用いるクロマトグラフィーに付して、生成物を黄色固体で得る(エピマーの混合物、2.36 g、74%)、m.p.165-170℃。
【0100】
1H NMR:0.86(d、J=7.0 Hz、3H、9-Me)、0.97(d、J=5.95 Hz、3H、6-Me)、1.45(s、3H、3-Me)、1.23-1.94(m、9 H)、2.04(ddd、J=14.5、5.0、3.0 Hz、1H)、2.39(ddd、J=14.5、5.0、3.0 Hz、1 H)、2.55(m、1H、H-9)、5.40(s、1H、H-12)、5.90(d、J=10.0 Hz、1H、H-10)、
【実施例7】
【0101】
無水ジヒドロアルテミシニン(AHA)の合成

【0102】
DHA(2.56 g、9 mmol)の撹拌溶液に、0℃にて三フッ化ホウ素-ジエチルエーテル(3 ml)を加え、混合物をゆっくりと室温にし、2時間撹拌し、次いで、飽和水性NaHCO3を加えて反応を停止し、乾燥(硫酸マグネシウム)する。
【0103】
濾過し、濾液を濃縮して残渣を得、酢酸エチル/ヘキサン(10:90)を用いるクロマトグラフィーに付して、生成物を白色固体で得る(2.15 g、90%)、m.p.95-98℃。
【0104】
1H NMR:0.98(d、J=5.8 Hz、3H、6-Me)、1.02-1.39(m、2 H)、1.42(m、3H、9-Me)、1.44-1.75(m、8 H)、1.87-1.96(m、1 H)、2.00-2.12(m、2 H)、2.35-2.46(m、1 H)、5.54(s、1H、H-12)、6.18(s、J _ 1H、10-H)ppm。
【実施例8】
【0105】
デオキソアルテミシニンの合成

【0106】
50 ml丸底フラスコに入れた無水CH2Cl2(16 ml)中のジヒドロアルテミシニン(ADH、456 mg、1.6 mmol)の溶液を-20℃に冷却する。
【0107】
この溶液に、トリエチルシラン(0.40 ml、2.4 mmol)および三フッ化ホウ素エーテル(0.24 ml、1.92 mmol)を加える。次いで、2時間にわたって溶液を5℃に温め、次いで、15 mlの水を加える。
【0108】
有機層を分離し、水で数回洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)する。溶液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/CH2Cl2/6:4)により粗生成物を精製して、380 mgの純粋な生成物を得る(88%)、m.p.104-106℃。

【0109】
THF(20 ml)中の無水ジヒドロアルテミシニン(AHA)(2.08 g、7.8 mmol)の溶液に、THF溶液(1 M;14 ml)中のBH3/THF錯体の溶液を冷却しながら滴下する。室温にて1時間撹拌した後、混合物をTHF-水(1:1;4 ml)、次いで、水性KOH(10%;10 ml)および水性H2O2(50%;4 ml)の混合物で処理する。
【0110】
その後、反応混合物を5分間撹拌し、濾過し、蒸発する。残渣を水で洗浄し、Et2Oを加え、このエーテル溶液を乾燥(硫酸マグネシウム)し、蒸発して、異性体混合物の白色固体を得、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により分離する。
【実施例9】
【0111】
ジヒドロアルテミシニルアセテートの合成

【0112】
ジクロロメタン(400 ml)中のDHA(7.1 g、25 mmol)の撹拌溶液に、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(0.5 g、4.1 mmol)および酢酸無水物(3.06 g、30 mmol)を加え、反応混合物を連続して一夜撹拌する。溶媒を減圧除去し、酢酸エチル/ヘキサン(10:90)を用いるカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製して、e生成物を白色固体で得る(6.80 g、84%)。酢酸エチル/ヘキサンから再結晶して、白色針状結晶を得る(m.p.129-131℃)。
【0113】
1H NMR:0.86(d、J=7.0 Hz、3H、9-Me)、0.97(d、J=5.95 Hz、3H、6-Me)、1.45(s、3H、3-Me)、1.23-1.94(m、9 H)、2.04(ddd、J=14.5、5.0、3.0 Hz、1H)、2.12(s、3H、H-COCH3)、2.39(ddd、J=14.5、5.0、15 3.0 Hz、1 H)、2.55(m、1H、H-9)、5.45(s、1H、H-12)、5.850(d、J=10.0 Hz、1H、H-10)。
【実施例10】
【0114】
ジヒドロアルテミシニルイソブチレートの合成

【0115】
ジクロロメタン(200 ml)中のDHA(5 g、17.6 mmol)の撹拌溶液に、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(0.6 g、4.9 mmol)およびイソ酪酸無水物(4.0 g、25 mmol)を加え、反応混合物を連続して一夜撹拌する。溶媒を減圧除去し、酢酸エチル/ヘキサン(10:90)を用いるカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製して、生成物を濃厚な液体で得る(6.80 g、84%)。
【0116】
1H NMR:0.86(d、J=7.0 Hz、3H、9-Me)、0.97(d、J=5.95 Hz、3H、6-Me)、1.17-1.24(m、6 H)1.45(s、3H、3-Me)、1.23-1.94(m、9 H)、2.04(ddd、J=14.5、5.0、3.0 Hz、1H)、2.39(ddd、J=14.5、5.0、15 3.0 Hz、1 H)、2.55(m、1H、H-9)、2.68(m、1H、COCH)、5.45(s、1H、H-12)、5.850(d、J=10.0 Hz、1H、H-10)。
【実施例11】
【0117】
ジヒドロアルテミシニルブチレートの合成

【0118】
ジクロロメタン(300 ml)中のDHA(5 g、17.6 mmol)の撹拌溶液に、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(0.6 g、4.9 mmol)およびイソ酪酸無水物(4.0 g、25 mmol)を加え、反応混合物を連続して一夜撹拌する。溶媒を減圧除去し、酢酸エチル/ヘキサン(10:90)を用いるカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製して、生成物を濃厚な液体で得る(5.9 g、95%)。
【0119】
1H NMR:0.86(d、J=7.0 Hz、3H、9-Me)、0.97(d、J=5.95 Hz、3H、6-Me)、1.17-1.24(m、6 H)、1.45(s、3H、3-Me)、1.23-1.94(m、9 H)、2.04(ddd、J=14.5、5.0、3.0 Hz、1H)、2.39(ddd、J=14.5、5.0、15 3.0 Hz、1 H)、2.55(m、1H、H-9)、2.68(m、1H、COCH)、5.45(s、1H、H-12)、5.850(d、J=10.0 Hz、1H、H-10)。
【実施例12】
【0120】
ジヒドロアルテミシニル-2-プロピルペンタノエートの合成

【0121】
ジクロロメタン(400 ml)中のDHA(7.1 g、25 mmol)の撹拌溶液に、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(0.5 g、4.1 mmol)およびトリエチルアミン(3.03g、30 mmol)を加える。この溶液に、-30℃にて2-プロピルペンタニルクロリド(4.87 g、30 mmol)を加え、反応混合物を連続して2時間撹拌し、ゆっくりと室温にし、一夜撹拌する。
【0122】
溶媒を減圧除去し、酢酸エチル/ヘキサン(10:90)を用いるカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製して、生成物を白色固体で得る(10.22 g、80%)。酢酸エチル/ヘキサンから再結晶して、白色針状結晶を得る(m.p.141-145℃)。
【0123】
1H NMR:0.86(d、J=7.0 Hz、3H、9-Me)、0.90(t、6H)、0.97(d、J=5.95 Hz、3H、6-Me)、1.33(m、4H)、1.45(s、3H、3-Me)、1.64(m、4H)、1.23-1.94(m、9 H)、2.04(ddd、J=14.5、5.0、3.0 Hz、1H)、2.29(t、1H)、2.39(ddd、J=14.5、5.0、15 3.0 Hz、1 H)、2.55(m、1H、H-9)、5.45(s、1H、H-12)、5.850(d、J=10.0 Hz、1H、H-10)。
【実施例13】
【0124】
ジヒドロアルテミシニル 2,2-ジメチルプロピオネートの合成

【0125】
ジクロロメタン(400 ml)中のDHA(7.1 g、25 mmol)の撹拌溶液に、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(0.5 g、4.1 mmol)およびトリメチル酢酸無水物(5.59 g、30 mmol)を加え、反応混合物を連続して一夜撹拌する。粗混合物を水(2 x 100 ml)で洗浄し、溶媒を減圧除去し、生成物を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶して、101-104℃にて融解する白色固体を得る(6.9 g、75%)。
【0126】
1H NMR:0.86(d、J=7.0 Hz、3H、9-Me)、0.97(d、J=5.95 Hz、3H、6-Me)、1.25(s、9H C(CH)3)、1.45(s、3H、3-Me)、1.23-1.94(m、9 H)、2.04(ddd、J=14.5、5.0、3.0 Hz、1H)、2.39(ddd、J=14.5、5.0、15 3.0 Hz、1 H)、2.55(m、1H、H-9)、5.45(s、1H、H-12)、5.850(d、J=10.0 Hz、1H、H-10)。
【実施例14】
【0127】
ジヒドロアルテミシニルチオエチルの合成

【0128】
300 mlのジクロロメタンに、DHA(7.1 g、25 mmol)およびシスタミン(2.7 g、35 mmol)を溶解し、三フッ化ホウ素-ジエチルエーテル(10 ml)を0℃にてゆっくりと加える。反応混合物を0℃にて3時間、次いで、室温にて1時間撹拌する。5% NaHCO3を加えて反応を停止し、ジクロロメタンで抽出する。溶媒を減圧除去し、酢酸エチル/ヘキサン(10:90)を用いるカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製して、生成物を褐色ロウ状物で得る;収量6.5 g。
【0129】
1H NMR:0.86(d、J=7.0 Hz、3H、9-Me)、0.97(d、J=5.95 Hz、3H、6-Me)、1.25、1.45(s、3H、3-Me)、1.23-1.94(m、9 H)、2.04(ddd、J=14.5、5.0、3.0 Hz、1H)、2.39(ddd、J=14.5、5.0、15 3.0 Hz、1 H)、2.55(m、1H、H-9)、2.9(t、2H)、3.1(t、2H)、4.56(d、J=10.0 Hz、1H、H-10)、5.31(s、1H、H-12)。
【実施例15】
【0130】
3,5-ジ-tert-ブチル-2-(ジヒドロアルテミシニルアミノメチル)フェノールの合成

【0131】
300 mlのジクロロメタンに、DHA(7.1 g、25 mmol)および3,5-ジ-tert-ブチル-2-(アミノメチル)フェノール(7.06 g、30 mmol)を溶解し、三フッ化ホウ素-ジエチルエーテル(10 ml)を0℃にてゆっくりと加える。反応混合物を0℃にて3時間、次いで、室温にて1時間撹拌する。5% NaHCO3を加えて反応を停止し、ジクロロメタンで抽出する。溶媒を減圧除去し、酢酸エチル/ヘキサン(20:80)を用いるカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製して、生成物を白色固体で得る;収量6.0 g。
【0132】
1H NMR:0.86(d、J=7.0 Hz、3H、9-Me)、0.97(d、J=5.95 Hz、3H、6-Me)、1.34(s、18H)、1.45(s、3H、3-Me)、1.23-1.94(m、9 H)、2.04(ddd、J=14.5、5.0、3.0 Hz、1H)、2.39(ddd、J=14.5、5.0、15 3.0 Hz、1 H)、2.55(m、1H、H-9)、3.91(s、2H)、5.850(d、J=10.0 Hz、1H、H-10)、5.45(s、1H、H-12)、6.44(d、1H)、6.76(d、1H)。
【実施例16】
【0133】
ジヒドロアルテミシニル N,N-ジメチルアセトアミドの合成

【0134】
ジクロロメタン(400 ml)中のDHA(7.1 g、25 mmol)の撹拌溶液に、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(0.5 g、4.1 mmol)およびジメチルカルバモイルクロリド(3.23 g、30 mmol)を加え、反応混合物を連続して一夜撹拌する。粗生成物を水(2 x 100 ml)で洗浄し、溶媒を減圧除去し、生成物を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶して、黄色固体を得る;収量8.0 g(90 %)。
【0135】
1H NMR:0.86(d、J=7.0 Hz、3H、9-Me)、0.97(d、J=5.95 Hz、3H、6-Me)、1.45(s、3H、3-Me)、1.23-1.94(m、9 H)、2.04(ddd、J=14.5、5.0、3.0 Hz、1H)、2.39(ddd、J=14.5、5.0、15 3.0 Hz、1 H)、2.55(m、1H、H-9)、2.90(s、6H、N(CH3)2 5.45(s、1H、H-12)、5.850(d、J=10.0 Hz、1H、H-10)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物活性をもつ化合物に1または2位において共有結合することによって、該化合物の生物活性を増加させる、一般式(I):

(I)
で示されるアルテミシニン誘導体を含む化合物またはその医薬的に許容しうる塩。
【請求項2】
生物活性をもつ化合物が、スルフィド(-S-)、エーテル(-O-)、エステル(-OCO-)またはアミン(-N-)結合を介して、アルテミシニン誘導体に共有的に結合する請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
生物活性をもつ化合物が、1位においてアルテミシニン誘導体に共有的に結合する請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
生物活性をもつ化合物が、2位においてアルテミシニン誘導体に共有的に結合する請求項1または2に記載の化合物。
【請求項5】
アルテミシニン誘導体が、ジヒドロアルテミシニン、無水ジヒドロアルテミシニンおよびデオキシアルテミシニンから選ばれる化合物から誘導される請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
生物活性をもつ化合物が、N-(1H-ベンズイミダゾール-2-イル)カルバミン酸メチルである請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
生物活性をもつ化合物が、メトキシ酢酸である請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
生物活性をもつ化合物が、2,2-ジクロロアセテートである請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
生物活性をもつ化合物が、5-フルオロ-1H-ピリミジン-2,4-ジオンである請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
生物活性をもつ化合物が、アセテートである請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
生物活性をもつ化合物が、イソブチレートである請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
生物活性をもつ化合物が、ブチレートである請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項13】
生物活性をもつ化合物が、プロピルペンタノエートである請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項14】
式(II):

(II)
で示される化合物。
【請求項15】
式(III):

(III)
で示される化合物。
【請求項16】
式(IV):

(IV)
で示される化合物。
【請求項17】
式(V):

(V)
で示される化合物。
【請求項18】
式(VI):

(VI)
で示される化合物。
【請求項19】
式(VII):

(VII)
で示される化合物。
【請求項20】
式(VIII):

(VIII)
で示される化合物。
【請求項21】
式(IX):

(IX)
で示される化合物。
【請求項22】
式(X):

(X)
で示される化合物。
【請求項23】
式(XI):

(XI)
で示されるアルテミシニン誘導体。
【請求項24】
式(XII):

(XII)
で示されるアルテミシニン誘導体。
【請求項25】
式(XIII):

で示される化合物。
【請求項26】
式(XIV):

で示される化合物。
【請求項27】
式(XV):

で示される化合物。
【請求項28】
式(XVI):

で示される化合物。
【請求項29】
請求項1〜22または25〜28のいずれかに記載の生物活性をもつ化合物の生物活性を増加させるために、請求項1〜19のいずれかに記載のアルテミシニン誘導体を、1または2位において、スルフィド(-S-)、エーテル(-O-)、エステル(-OCO-)またはアミン(-N-)結合を介して、該生物活性をもつ化合物に共有的に結合させることを含む、請求項1〜22または25〜28のいずれかに記載の化合物を得るための方法。
【請求項30】
請求項1〜22または25〜28のいずれかに記載の化合物の生物活性を増加させるための、請求項1〜28のいずれかに記載のアルテミシニン誘導体の使用。
【請求項31】
医薬として用いるための請求項1〜22または25〜28のいずれかに記載の化合物。
【請求項32】
治療を必要とする哺乳類の治療用医薬の製造のための、請求項1〜22または25〜28のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項33】
線虫感染を患っている哺乳類の治療用医薬の製造のための請求項1〜6、14または15のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項34】
免疫抑制を必要とする哺乳類の治療用医薬の製造のための請求項1〜5、7または16のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項35】
代謝性疾患を患っている哺乳類の治療用医薬の製造のための請求項1〜5、8または17のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項36】
免疫抑制を必要とする代謝性疾患を患っているか、またはガンを患っている哺乳類の治療用医薬の製造のための請求項1〜5、9または18のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項37】
ヒリヒリする痛みを患っている哺乳類の治療用医薬の製造のための請求項1〜5、10または19のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項38】
ガンを患っている哺乳類の治療用医薬の製造のための請求項1〜5、11または20のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項39】
免疫抑制を必要とする哺乳類の治療用医薬の製造のための請求項1〜5、12または21のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項40】
抗けいれん活性を必要とする哺乳類の治療用医薬の製造のための請求項1〜5、13または22のいずれかに記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2010−539122(P2010−539122A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524406(P2010−524406)
【出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【国際出願番号】PCT/EP2008/007556
【国際公開番号】WO2009/033706
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(510066536)ダフラ・ファルマ・ナムローゼ・フェンノートシャップ (2)
【氏名又は名称原語表記】Dafra Pharma N.V.
【Fターム(参考)】