説明

生物学的試料の微生物学的分析装置及び方法

体液の試料の微生物学的分析用装置は、体液の試料を収容する容器に対する培養領域と、前記容器の内部雰囲気を分析する分析装置と、前記分析装置で検出した二酸化炭素の含有量に応じて容器を仕分けする仕分けシステムとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的試料の分析を行う方法及び装置に関し、そして特に、特に排他的ではないが尿や血液などの体液の試料のような生物学的試料内の微生物の細菌学的に重要な濃度(量)の存在を確証するための微生物学的分析に関する。
【背景技術】
【0002】
人間や動物の健康に悪影響を及ぼし得る病原体物質一般的には微生物の存在を確証するために、生物学的試料、特に体液における微生物学的分析を行うことは周知である。この形式の分析は、通常、尿、血液、便及び緩衝剤において実施される。一般に、試料内の病原体物質の存在を確証することでは十分ではなく、健康に対する有害性を検証しかつ必要な処置を施すために、それら病原体物質を分類する、すなわちいかなる種類の微生物が含まれているかを確証する必要もある。
【0003】
尿試料を微生物学的に分析する典型的な方法は、成長培地において微生物集落が成長しているか否かを確証するために、成長培地に分析すべき試料を分布させるいわゆるシーディングし、長い時間(一般的には12時間以上)放置することに基いている。成長培地において微生物集落が成長している場合には、これらの微生物はその性質を検証するため試験される。
【0004】
比較的多くの試料を分析しなければならない時には、シーディング法は極端に長く掛かり、それを行う作業者は幾つかの準備を必要とする。多数の試料を取り扱うことは、試料を相互に取り違える可能性に関連した危険と共に、生物学的な危険が伴い、患者に対する分析結果を間違って考えることになり得る。
【0005】
非特許文献1には、分析すべき試料内の微生物の活性を検出するガスクロマトグラフィに基く提案が記載されている。ガスクロマトグラフィは、試料の存在している大気中に存在する二酸化炭素(CO)濃度を確証するのを狙っており、二酸化炭素の存在は、試料中に存在する微生物の代謝による。この提案では、分析時間が長くかかると共に、複雑で高価な機器が必要となる。
【0006】
特許文献1には、例えば尿のような種々な性質の試料における生物学的に活性な物質を検出する方法及び装置について記載されている。この方法は、成長媒体上に位置決めされる、試料上方の附に雰囲気中の二酸化炭素含有量の分析に基いている。分析には、多くの時間がかかり、時間の経過につれて二酸化炭素が生成される傾向によって全ての微生物を確証することを目的としている。この分析方法では、極端に長い時間がかかり、特に、微生物の検出が二酸化炭素の生成の時間曲線の正確な追従に依存しているので、信頼できない。特に、試料内に、互いに異なる時間に従って生成する異なるタイプの微生物が存在している場合に幾つかの問題が生じ得る。
【0007】
特許文献2には、分析すべき試料を収容しているバイアルにおけるガス濃度を光学的に検出するシステムについて記載されている。ガス濃度は光熱(放射熱)分光分析法によって検出される。
【0008】
特許文献3には、容器内で培養した試料上方の大気中の二酸化炭素の存在及び濃度を確証するために、容器内に密封した試料の赤外線分析を利用して試料中の生物学的活性度の存在を検出する方法について記載されている。この場合にはまた、分析するのに特に長い時間及び複雑な機器が必要である。
【0009】
特許文献4には、容器内の試料中の微生物の存在を検出する方法について記載されている。この方法は、試料を培養する容器内の指示媒体の色の変化、試料内の微生物学的活性度の存在による二酸化炭素の生成による変化を光学的に検出する概念に基いている。この場合も、分析するのに長い時間が必要であり、また前に記載した場合のように、試料中に存在する病原体の確証は、時間の経過により二酸化炭素が生成する傾向に基いているので、特に信頼できない。
【0010】
同様な方法は特許文献5に記載されている。
【0011】
特許文献6には、体液、特に血液試料中の微生物を検出する別の方法が記載されている。分析は、赤外線光源及び赤外線検出器により行われる。この場合も、病原体微生物の存在により生成する二酸化炭素の存在が検出される。二酸化炭素の赤外線吸収係数は、バイアル内の試料のレベルの上方に(病原体が存在しない場合に)通常存在する大気の赤外線吸収係数と異なっている。
【0012】
特許文献7には、特許文献5及び特許文献4に記載された装置と同様な、体液の試料中の病原体を検出する装置について記載されている。
【0013】
特許文献8には、培養ボトル内の微生物を直接検出する装置について記載されている。この特許文献8に記載された装置は、尿、唾液或いは血液の試料を分析するために用いられる。実質的には、この特許文献8に記載された装置は、培養した試料の入れられるバイアル内に含まれた雰囲気の分析に基いている。バイアル内のガスは、それの組成を検出しそしてガス分析の結果に基いて試料中に存在する微生物を確証するために、ガスセンサーに通すようにされる。この分析法は特に複雑であり、極めて高価なセンサー及び長い分析時間を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第4,971,900号
【特許文献2】米国特許第6,709,857号
【特許文献3】米国特許第5,155,019号
【特許文献4】米国特許第5,217,876号
【特許文献5】米国特許第5,094,955号
【特許文献6】米国特許第5,482,842号
【特許文献7】米国特許第5,856,175号
【特許文献8】米国特許第5,814,474号
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】F.Gardini等著“A head space gas chromatographic approach for the monitoring of the microbial cell activity and the cell viability evaluation ”Journal of Microbiological Methods 29(1997) 103-114
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の一つの特徴によれば、本発明は、体液、特に排他的ではないが、尿の分析操作を簡単化し且つ促進する方法を提供する。幾つかの実施形態によれば、本発明による方法では、多数の試料において、確実に陰性の試料から確実に陽性の試料を区別すること、すなわち、第二のさらに正確な分析操作において確実に病原体のいない試料から確証しなければならない、内部に少なくとも一つの病原体が存在している試料を仕分けすることができ、病原体のいない試料は更なる分析には役立たない。
【0017】
このようにして、シーディングプロセス或いはその他の公知のプロセスにより実施され得る試料の後続の分析操作中に、最初に考察した試料のうちほんの幾つかだけが処理され、確実に陰性の試料については更なる処理は必要でない。
【0018】
一つの実施形態によれば、本発明による方法は、以下の段階:
a) 成長媒体の入っている試験管に分析すべき生物学的試料を導入する段階;
b) 最初の時間間隔の間試験管を培養する段階;
c) 最初の時間間隔に続いて試験管における雰囲気を分析する段階;
d) 雰囲気中で検出した二酸化炭素量に基き、生物学的試料が病理的に問題とされる細菌負荷を含んでいるか否かを測定する段階
を包含している。
【0019】
本発明は、典型的な方法と同様にして試料内の雰囲気内に存在し得る病原体の種類を確証するためではなく、確実に陽性の試料から確実に陰性の試料を仕分けするパラメーターとして試料内の雰囲気中で検出した二酸化炭素の量を用いる概念に実質的に基くものである。陽性の試料中に存在する病原体の種類の確証は、その後のさらに正確な分析操作において例えば前述の特許文献に記載されたシーディングプロセス或いはその他の公知のプロセスにおいて実施される。しかし、今日、試料中に存在する微生物の種類を確かな仕方で確証できる唯一の方法は、前述の欠点のあるシーディングに基くものである。
【0020】
本発明の一つの実施形態では、二つの閾値を設け、これら二つの閾値と、培養した試料の各単一容器内の所与時間後に発生する二酸化炭素含有量を比較することができる。幾つかの実施形態では、予め設定した培養時間間隔後の二酸化炭素含有量が第1の限界値より大きい試料を確実に陽性であるとして仕分けして設けることができ、また逆に同じ培養期間後に第2の下方限界値より少ない二酸化炭素含有量を有する試料を確実に陰性であるとして仕分けして設けることができる。中間の試料は不確実であると考えることができ、分析の信頼性を高めるために、それら試料は詳しい分析をして微生物の存在及び種類を確証するようにすることができる。
【0021】
逆に、本発明の変更した実施形態によれば、不確実な試料は、詳しい分析、例えばシーディングプロセスにかける代わりに、第2の培養期間にかけて、必要ならば試料の単一容器中に存在している雰囲気を更新することができる。雰囲気を更新することにより、試料中に存在し得る微生物の代謝を行うために、存在している二酸化炭素を除去しそして酸素を添加することができる。第2の培養時間間隔の後、不確実な試料は、再び、容器の雰囲気中の二酸化炭素含有量が確証される。そして、この二酸化炭素含有量は閾値と比較され、確実に陽性の試料(二酸化炭素の含有量が閾値より多い)と確実に陰性の試料(二酸化炭素の含有量が閾値より少ない)とに仕分けされる。
【0022】
この第二の動作方法により、最初の分析段階で不確定のものとして測定された試料をさらに確実に陽性の試料と確実に陰性の試料とに副仕分けされるので、引き続いてシーディングプロセスにかけなければならない試料をさらに低減することができる。確実に陰性の試料は、それらの内部に含まれた病原体の種類を測定するために、シーディング又はその他の分析プロセスにかけられない。
【0023】
本発明による方法のさらに有利な実施形態及び可能な特徴は、特許請求の範囲に示され、以下一実施形態を参照して詳細に説明する。
【0024】
本発明の異なる特徴によれば、本発明は、尿などのような体液の試料の微生物学的分析用装置に関し、該装置は、
前記試料を収容する容器に対する培養(保温)領域と、
前記容器の内部雰囲気を分析する分析装置と、
前記分析装置で検出した二酸化炭素の含有量に応じて前記容器を仕分けする仕分けシステムと
を有する。
【0025】
実質上、幾つかの実施形態では、本装置では、培養(保温)領域が設けられ、単一容器内に収容された試料は適切な時間の間、例えば約1時間の間培養(保温)される。その後、試料は分析装置で分析され、仕分けされ、すなわち陽性の試料と陰性の試料とに細分される。改良された実施形態では、仕分けシステムは、この最初の培養を受けた試料を、確実に陽性の試料と、確実に陰性の試料と、不確定な試料と細分する。本装置は、不確定な試料に対する第2の培養領域を備え、不確定な試料は、必要ならば、前述の理由でそれらの容器内の雰囲気を入れ替えてから、第2の培養時間間隔の間、第2の培養領域に留めて置く。また、単一試料の最初の培養を行う培養領域において第2の培養段階を行うこともできる。本機器は、マイクロプロセッサーによって適切に制御され、マイクロプロセッサーは、最初の培養段階を実施している試料及び第2の培養段階を実施している試料を入れた容器の位置に関する情報をメモリーに記憶でき、分析機器又は装置内に収容した種々の試料の最初の培養段階及び第2の培養段階の実行において間違いが生じないようにしている。
【0026】
本発明による装置の別の有利な特徴及び実施形態は、特許請求の範囲に示され、以下本発明を限定しない実施形態を参照して詳細に説明する。
【0027】
本発明のさらに別の特徴によれば、本発明の別の目的は、本発明による機器と共に用いられる、分析方法用の試験管を提供することにある。さらに特に、一実施形態によれば、本発明の試験管は、試験管内に入れた磁気撹拌要素と共に、試験管内の特殊な生物学的試料中に存在し得る微生物の発育に適した成長媒体を収容する真空試験管である。
【0028】
本発明は、本発明を限定しない実施形態を示す添付図面及び以下の説明によってより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明による装置の平面図を示す。
【図2】図1の矢印II−IIに沿った断面図を示す。
【図3】図1の矢印III−IIIに沿った断面図を示す。
【図4】(A)、(B)は試料の単一容器から雰囲気を取り除くカニューレ又は針のシステム及び分析装置の詳細を示す。
【図5A】陽性の試料の処理順序を示す。
【図5B】陽性の試料の処理順序を示す。
【図5C】陽性の試料の処理順序を示す。
【図5D】陽性の試料の処理順序を示す。
【図5E】陽性の試料の処理順序を示す。
【図6A】不確定な試料の処理順序を示す。
【図6B】不確定な試料の処理順序を示す。
【図6C】不確定な試料の処理順序を示す。
【図6D】不確定な試料の処理順序を示す。
【図6E】不確定な試料の処理順序を示す。
【図6F】不確定な試料の処理順序を示す。
【図7】磁気撹拌要素を備えた容器及び外部撹拌装置の縦断面図を示す。
【図8】本発明による分析方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1〜図3を参照すると、全体を番号1で示す本発明による装置は、容器PのラックRを装填する装填領域3を有し、分析すべき生物学的試料を収容する容器Pの単一ラックが第1のコンベヤ5によって矢印f5に従って填領域3に挿置され、処理される。
【0031】
図示した実施形態では、容器はシールキャップを備えた真空試験管であるが、試料内に含まれそして試料の配置される試験管内に収容した成長媒体により発育する微生物の代謝のために容器内の二酸化炭素の蓄積を必要に応じて検出するために、シールした異なる形式の容器も使用できることが理解されるべきである。
【0032】
装填領域3に隣接して、培養領域7が設けられ、この培養領域7には、第2のコンベヤ9が設けられ、第2のコンベヤ9は、試験管PのラックRを矢印f9にそって動かす。
【0033】
番号11は、好ましくはラックRに収容され、第2の培養を受けなければならない不確定な試料を収容している試験管Pの休止領域を示している。培養領域7と休止領域11との間には、全体を番号13で示す分析装置及び全体を番号15で示す仕分け装置が設けられている。分析装置13は、培養領域7から来るラックRの単一試験管Pにおいてその試験管内に含まれた雰囲気の分析を行う。分析装置13で行った分析結果に基き、仕分け装置15は試験管を仕分けて、陽性の試料すなわち試料中に含まれた病原性微生物を特定するために分析を行なわなければならない試料の入った試験管と、陰性の試料すなわち重大な病原体を含んでないので更なる分析を必要としない試料の入った試験管と、第2の培養段階を受けることになるため休止領域11に運ばれる不確定な試料の入った試験管とに分けられる。
【0034】
特に装填領域3を参照すると、分析すべき試料の入れられる試験管Pを収容している単一ラックRは、ドア17(図2)で閉じられる開口を介して装填領域3内に挿入される。コンベヤ5は、単一ラックRを、装填領域3の挿入位置から移送ユニット21に向って歩進形態で移送し、移送ユニット21は、試験管Pの単一ラックRを装填領域3から培養領域7へ移送する。幾つかの実施形態では、移送ユニット21は可撓性部材23を有し、可撓性部材23はプーリー25、27のまわりを走行し、プーリー25、27の少なくとも一方は電動式である。可撓性部材23には、一つ以上の押込め部材29が取り付けられ、押込め部材29は、コンベヤ5の移送方向に対して直交する方向において矢印f21に従って試験管Pを収容している単一ラックRを処理するために、試験管Pを収容している単一単一ラックRを押す。移送ユニット21はまた、異なる形態にすることもでき、例えば、ネジ付きロッドから成ることもでき、このネジ付きロッドに、押込め部材を備えたカーソルが係合される。ネジ付きロッドが一方向及び反対方向に回転することにより、カーソル及び押込め部材は送り方向及び戻り方向に動く。
【0035】
移送ユニット21がどのような形態であっても、移送ユニット21は、試料中に存在し得る微生物の代謝を止める又は低下させるために低温に維持され得る装填領域3から好ましくは制御された温度例えば約37℃に維持される培養領域7へ、分析すべき試料の試験管Pを収容した単一ラックRを移送する。
【0036】
培養領域7において、コンベヤ9は、移送ユニット21から培養領域7へ挿置する位置から、分析装置13及び仕分け装置15の設けられている分析及び仕分け領域へ向って試験管Pを収納した単一ラックRを歩進的に移動する。
【0037】
分析及び仕分け領域には、移送ユニット21と同様な第2の移送ユニット31が設けられ、この第2の移送ユニット31は例えば可撓性部材33を備え、可撓性部材33はプーリー35、37のまわりを駆動される。可撓性部材33には一つ以上の押込め部材39が取付けられ、これらの押込め部材39は、歩進的な制御された動きにより単一ラックRを仕分け装置へ向って押す。第2の移送ユニット31は、コンバヤ9から受け取った各単一ラックRを矢印f31に従って歩進的に送り、単一ラックRに収容されている単一試験管Pを個々に分析装置13へ通すようにして、図示していないプログラム可能な電子制御ユニットによって制御される。このようにして、各試験管は、その試験管内に収容されている雰囲気の試料を吸引しそして培養領域7における培養期間中に試験管P中で培養した試料中に含まれ得る病原性微生物の代謝の影響により試験管中に発生した二酸化炭素の含有量を測定することによって分析され得る。
【0038】
培養の持続時間は、伝統的な分析システムで使用する培養時間に比較して長くなく、例えば約1時間であり、コンベヤ9は、培養時間が単一ラックを、移送ユニット21の設けられた位置から移送ユニット31の設けられた位置へ移すのに掛かる時間にほぼ等しいような速度で動くようにプログラムされている。
【0039】
特にまた図4に示すように、この実施形態では、分析装置は二重であり、第1のセンサー41A及び第2のセンサー41Bを有し、単一試験管P内の二酸化炭素の含有量を十分な精度で測定するように構成されている。この二重構造により、装置の分析速度を二倍にすることができる。各センサー41A、41Bは、例えば米国特許第6,255,653号に記載されているようなNDIR技術で構成され得、米国特許第6,255,653号の記載内容は参照文献として本明細書に結合される。各センサーはそれぞれの可撓性導管43A、43Bを介して透通針45に接続され、図4にはそのうちの一方を見ることができる。二本の透通針45摺動部材47で支持されており、摺動部材47は、図示していないアクチュエーターによって付与された動きf47に従ってガイド柱状部材49に沿って摺動する。摺動部材47と一体の針45の上昇及び下降の動きを利用して、摺動部材47の下方に位置する試験管Pに二本の針45が挿し込まれる。針45の下降の動きは、針が試験管Pの最下方部分に集められた生物学的試料C例えば尿、血液或いはその他の体液の試料に接触することなしに、図4にGで示す気体雰囲気の存在する単一試験管Pの領域に留まるようにして制御される。針45の下降の動きにより、試験管PのキャップTは穿孔され、それにより、試料C上の気体の一部が透通針45及び可撓性導管43A、43Bを通って分析装置13のセンサー41A、41Bへ流れ得る。図4の(A)、(B)には、気体吸引位置に透通針45を位置決めするため(図4の(B))、試験管PのキャップTを貫通する透通針45の動きを示している。単一試験管P内の気体は、試料C内に存在するかもしれない微生物の代謝によって発生した二酸化炭素の蓄積により試験管内に発生する過圧の作用で、可撓性導管43A、43Bを通って分析装置13のセンサー41A、41Bへ向って流れ得る。
【0040】
センサー41A、41Bは、以下に記載する目的のために十分な精度で単一の被分析試験管内に存在する二酸化炭素の量を検出できる。試料中に存在する微生物の種類を測定する重要なパラメーターとして二酸化炭素濃度の傾向を用いる伝統的なシステムの場合のように、高精度で長期のすなわち繰り返しの検出は必要でない。これに対して、本発明によれば、重要なことは実質的に、必要に応じて、陽性の試料において実施した定量分析のその後の段階において性質を測定する試料中に存在する微生物の代謝の兆候として二酸化炭素の存在である。
【0041】
ラックRに収容された単一試験管Pについて、仕分け装置15は、単一センサー41A、41Bで検出した二酸化炭素の量の関数として、図5及び図6を参照して以下に説明する動作を行う。
【0042】
仕分け装置15は移送ユニット31によって歩進的に移送されるラックRから単一試験管Pを取り込み、休止領域11或いは陽性の試料の蓄積されるトレイ51(図2)に単一試験管Pを仕分けし、或いはまたラックRに陰性の試料を残し、その後、試験管Pの入っていないラックRは作業者によって取外されるか、或いは分析機械から単純に外されて引続き処理される。
【0043】
さらに特に、図示実施形態では、仕分け装置15は摺動部材53を備え、摺動部材53は、実質的に垂直なガイド55上を案内され、また両方向矢印f53に沿って動く(特に図3参照)。摺動部材53に沿ってカーソル59はガイド57に沿って動くことができ、またカーソル59は把持部材61を備え、把持部材61は、カーソル59で支持されたアクチュエーター63によって制御される開放及び閉成要素を備えている。カーソル59は、摺動部材53の長手方向伸張部分に沿って両方向矢印f59(図3)に従って動くように構成されている。この二重の動きf53、f59により、把持部材61は、移送ユニット31によって歩進的に押されるラックRから単一試験管Pを受け取り、縦穴部材65を通って下方の空間51に放出し、或いは休止領域11にある二つのラックRの一方又は他方に挿入するようにされている。
【0044】
休止領域11におけるラックRの数は図示したものと異なることができることが理解されるべきである。例えば、只一つのラックR又は二つ以上のラックRを設けることができ、二つ以上のラックRを設ける場合には、カーソル59を備えた把持部材61の方向f59の行程は、休止領域11に平行に配列した全てのラックRに達するように適切な仕方で明らかにのばされる。
【0045】
図5A〜図5Eには、縦穴部材65を介して下方の空間51へ、存在する微生物の種類を検出するために、陽性の試料(すなわち別の分析、例えば通しシーディングを必要とするような細菌の存在する試料))を収容した試験管Pを放出する把持部材61の動きを示している。図5Aでは、開いた把持部材は、移送ユニット31によって作動されたそれぞれのラックの矢印f31に従う動きを通してこの位置に運ばれてきた試験管Pに向って下げられる。図5Bでは、把持部材は下げられ、閉じられて試験管Pに係合される。図5Cでは、試験管Pは、ラックRから持ち上げられて取り出され、矢印f59に沿った動きで、その試験管は縦穴部材65(図5B)上に移動され、そこで把持部材61は開放され、試験管Pを縦穴部材に落とし込む(図5E)。縦穴部材を通って、試験管Pは収容領域に収容され、作業者はそこから全ての試験管を集めて、これら試験管を公知の仕方で分析し、これら試験管内の試料中に存在する微生物の種類を検出する。
【0046】
把持部材61で取り出さなければならない試験管P中の試料が陰性である場合、すなわち培養領域7における約1時間の培養の後、分析装置41A又は41Bが試験管Pの上方部分から採取した雰囲気中に相当な二酸化炭素が含有量を検出しない場合には、この試験管はラックRに残され、そして把持部材61で取り扱われずに、マニプレーターすなわち仕分け装置15の設けられた位置へ送られる。
【0047】
試験管内の雰囲気中に、最小値(この値以下では試験管が陰性であると考えられる)より大きく最大値(この値以上では試験管は陽性と考えられる)より小さい二酸化炭素の含有量が検出された試料は、把持部材61で把持されて、図6A〜図6Eに概略的に示す操作手順に従って処理される。図6Aにおいて、開いた把持部材は、更なる培養処置をしなければならないPで示す試験管上に下げるようにされる。図6Bでは、把持部材は試験管P上に降下されて閉じられる。そして把持部材61は、矢印f53に従って試験管Pを取り出し、図6C及び図6Dに示すように放出縦穴部材65を越える動きにより休止領域11にあるラックRの一つに向って移送する。この位置に到達すると、把持部材61は下げられて、休止領域11のラックRに不確定な試験管Pを差し込む。その後その把持部材は開放され、該ラック中の試験管から離れて上昇され、そして移送ユニット31で歩進的に移送されるラックRに収容されている新たな試験管Pを把持する把持位置へ戻される(図6F)。
【0048】
このようにして、休止領域11のラックRには、二つのレスト値すなわち最小値と最大値との間の二酸化炭素含有量をもつ単一の不確定の試料を収容した試験管Pが収容され、
これらの試料については更なる培養が必要である。
【0049】
変更実施形態では、全ての不確定な試料についてさらに分析を行い、それらの中に含まれた微生物の種類を検出するようにでき、従って休止領域11を設けず、すなわち不活性のままにしてこれら試験管を単に陽性と陰性とに区分けして、不確定な試料を陽性の試料と共に直接縦穴部材65に上述の仕方に従って放出する。また放出縦穴部材を設けずに、陽性及び不確定な試料を領域11に移送し、この領域11からこれら試料を手動的に取り出してそれら試料中の病原性微生物を検出するためにシーディング処理或いはその他の処理を行なうこともでき、最初の培養領域からの元のラックRには、確実に陰性の試料の入っている試験管が残される。
【0050】
別の実施形態によれば、陰性の試料を放出縦穴部材に入れ、培養領域からのラックRに試験管が残らないようにすることもできる。別の変形実施形態では、確実に陰性の試料は休止領域11に移送され得、確実に陽性の試料は縦穴部材を介して下方の領域へ放出され得、また不確実な試料は、装填領域に再び挿置するためにラックに残し得る。
【0051】
重要なことは、実質的に、少なくとも陽性の試験管と陰性の試験管とを仕分けすること、好ましくは陽性の試験管と陰性の試験管と不確定な試験管とを仕分けすることであり、不確定な試験管は第2の培養段階に移されることになる。
【0052】
幾つかの実施形態によれば、休止領域11には、培養手段が設けられ得、それにより不確定な試験管Pは、直接休止領域11において、制御された温度、例えば約37℃で培養状態に維持されるようにされ、そしてそこから上述の仕方で処理され、例えば休止領域11に第2の分析が行われ、或いは休止すなわち第2の培養領域11からセンサー41A、41Bが働く領域に単一ラックを移送する。
【0053】
しかし、好ましい実施形態によれば、作業者は、休止領域11に入れられたラックRを取り出して、それらのラックRを再び装填領域3に再び挿置され、培養領域7において新たな培養操作サイクルが行われ得る。
【0054】
休止領域11の試験管P(P)に収容された不確定な試料中に存在する微生物を代謝できるようにために、幾つかの実施形態によれば、休止領域11には、番号71で示す装置が設けられ、この装置71は、休止領域11にある単一試験管Pに酸素又はある場合には酸素を含む気体を注入する。装置71は、ガイド柱状部材74に沿って垂直に可動でありしかも一対の透通針75A、75Bを支持する摺動部材73を備えることができ、透通針75A、75Bは、休止領域11にある試験管Pに穿孔しそして例えば可撓性導管を介して針75A、75Bに接続されたコンプレッサーによって供給される酸素又は大気を試験管Pに通すことができる。休止領域11にラックRを移送して不確定な試験管Pを充填し、装置71を通しての穿孔できるようにすることは、例えば移送ユニット21、31の形態と実質的に等しい形態の二つの移送部材81A、81Bにより得られ、これら移送部材81A、81Bについては詳細には説明しない。
【0055】
このようにして、単一ラックRには、摺動部材53の下方を通る不確定な試験管Pが徐々に装填され、そして針75A、75Bの下方に各試験管Pを移送して、微生物の代謝を生じさせ得る酸素を試験管に受けさせ、そしてラックRを休止領域11の外側にラックRを押して装填領域3にラックを再挿入させ得る。
【0056】
本装置には、機械の中央ユニットと通信できるユーザーインターフェースが設けられ、装填領域3に挿入したラックRはすでに最初の培養段階を受け、従って不確定な試験管を収容し、また領域7において最初の培養を行わなければならない新しい試験管が装填される。
【0057】
このようにして、種々の領域を通してラックを操作する全てのアクチュエーターと組合せたエンコーダーが設けられることになる機械は、既に最初の培養を受けて目下第2の培養の段階にある試験管をどのラックが収容しているか、及び最初の培養、分析及び必要ならば試験管が結果として不確定となる場合に第2の培養を受けなければならない試験管をどのラックが収容しているかを瞬時に知ることができる。代わりに、移送運動を制御することで単一試験管に追従する代わりに、試験管と組合わさったバーコード又はその他のコードを読取り、機械を通過する試験管の通路の本質的な複数の位置で各試験管識別するシステムを設けることができる。
【0058】
休止領域11からの不確定な試料の入った試験管(試験管P)は、一度培養領域7において(或いは変更実施形態では直接休止領域11において)第2の培養段階を受けると、分析装置13において新たな分析を受ける。この第2の分析中に検出した二酸化炭素の含有量は好ましくは単一の閾値と比較される。この閾値より多い二酸化炭素量を含む試料は、陽性であるとみなされ、従って仕分け装置15を通って縦穴部材65に放出され、一方、この閾値より少ない二酸化炭素量を含む試料は、陰性とみなされ、ラックに残し、移送ユニット31の作用で領域7から漸次取り出される。
【0059】
第2の培養に続く識別のために用いた閾値は、最初の培養段階を受けた試験管を仕分けし識別するために用いた最小閾値又は最大閾値に等しくできる。
【0060】
全体のプロセスは、図8A及び図8Bのフローチャートに概略的にまとめられる。このフローチャートは、単一試験管に分析すべき試料をどのように充填しそして単一試験管を装置にどのように挿入するかを示している。その後、試験管は期間ΔTの間培養され、そして培養が終了すると、試験管から雰囲気が抜かれる。検出した二酸化炭素量は第1の閾値Smax及び第2の閾値Sminと比較される。二酸化炭素含有量が第1の閾値Smaxより大きい場合には、試料は仕分け装置15によって陽性とみなされ、縦穴部材65を通って下方の空間51に放出される。二酸化炭素量が第2の閾値Sminより少ない場合には、試料は陰性とみなされ、ラック内に保持され、その後機械から取り出される。二つの状態の一方も他方も起きず、従って二酸化炭素含有量が第1の閾値Smaxと第2の閾値Sminとの間にある場合には、試験管に酸素が添加され、代謝を進行させ、そしてこの例では最初の培養の時間に等しい時間ΔT継続する時間の間、第2の培養が実施されるが、これは厳格には必要でなく、二つの培養段階に対して異なる持続時間も可能である。第2の培養が終了されると、試験管から雰囲気が取り出され、二酸化炭素含有量は、図示例では第1の閾値Smaxであるが第2の閾値Sminに等しくてもよく或いは第1の閾値Smax及び第2の閾値Sminと異なる閾値に等しい単一閾値と比較される。
試料の二酸化炭素含有量が第1の閾値Smaxより多い場合には、その試料は陽性であるとみなされ、そうでない場合には試料は陰性であるとみなされる。
【0061】
試料の培養を最適化するために、幾つかの実施形態によれば、培養領域7に、攪拌部材が設けられ、これらの攪拌部材はラックの移送路に沿って適切な仕方で位置決めされる。これらの攪拌部材は図面を簡潔にするために図1〜図6には示されてないが、図7に単一試験管Pの下方にそれら攪拌装置の一つが概略的に示されている。図7の攪拌部材は番号100で概略的に示されている。この攪拌部材は、アクチュエーター101例えば電動機を備え、アクチュエーター101は、磁気要素103例えば電動機100の軸にキー止めされたディスク内に挿入された磁気バーを回転する。磁気要素103は、試験管Pに収容され、この試験管P内にある試料Cに沈められた攪拌要素107に対する磁気キャリヤとして機能する。磁気要素103と攪拌要素107との磁気結合は、電動機101の回転、攪拌要素107の回転により生じる。攪拌要素107は、例えばフィンを備えて適切に形成され、成長媒体も収容される試験管P内の培養状態を最適化するために試験管Pに収容した試料Cの可能な上向きの動きを生じさせるようにできる。
【0062】
図7には、番号111で示され、試験管P内の試料Cのレベルを検出するのに適したセンサーによって構成した本発明による装置の別の可能な特徴を概略的に示している。センサー111は容量性センサー又は任意の他の形式のセンサーであることができる。例えば、センサー111は試料Cのレベルを透明度で検出するエミッター/レシーバー装置を備え得る。センサー111は、試験管P内の試料Cのレベルを検出するために試験管Pの軸線に平行に垂直に動くように構成され得る。センサー111は、装置1内の任意の適切な位置、例えば図1に番号111で略示するように、装填領域3と培養領域7との間の自由領域に配列されて、装填領域3から培養領域7へ移送ユニット1で行われるラックRに収容された試験管の移送中に、各単一試験管内の試料のレベルを測定するようにされ得る。
【0063】
各試験管P内の試料Cのレベルを測定することにより、この状況がセンサー41A、41Bを損傷し得るので、生物学的試料内に針又はカニューレ45の先端が偶発的に入り込むのを避けることができる。機械の中央制御ユニットは、各試験管Pにおいて検出した試料Cのレベルを記憶でき、常に試験管PのキャップTを穿孔するのに十分であるがしかし試料には接触しないように針45を担持する、摺動部材47の下方への動きをもたらすようにされている。
【0064】
上述の方法及び機器により、最初の培養期間(例えば約1時間)後に複数の試験管Pに収容した多数の試料を仕分けして、確実に陽性の試料と、確実に陰性の試料と、存在すれば不確定な試料とに仕分けすることができる。不確定な試料は、安全性及び単純性に関して明白であると考えることができ、或いは第2の培養サイクルに掛けて、図8A及び図8Bのフローチャートに概略的にまとめられた方法に従って陽性の試料と陰性の試料との第2の仕分けを行うようにできる。さらに、選択した方法に関係なく、最大2時間の期間の後に、多数の試料から確実に陰性の試料における最初の確実な結果及び長くてさらに正確な分析を得ること、例えば通しシーディングを行って陽性として区分けした試料内にいかなる微生物が存在するかを検出しなければならない試料の数を低減することができる。その結果、これらの試料だけについてシーディング又はその他の分析を行なってコスト及び危険を相当に軽減できる。
【0065】
これにより、全ての伝統的な分析方法、特に本明細書の段落〔先行技術文献〕に挙げた特許文献に記載したものに比較して実質的な利点を得ることができる。
【0066】
上述の装置で行われる分析を自動化するために、単一試験管Pに製造段階でユニボウーカル(univocal)コードを付けることができる。各試験管には、さらに、例えば試験管に入れた試料Cに関連する患者のデータにバイユニボウーカル的に接続したバーコードの形態のコードを担持したラベル、バンドなどが設けられる。装置1には、バーコード読取装置などを設けて、製造段階で試験管に取付けたユニボウーカルコード及び試験管に入った試料の属する患者に関するコードを読取ることができる。これら二つのコードは装置1の中央ユニットによって整合され、それで例えば試験管Pのキャップのまわりのバンドによって付けられた患者に関するコードは、陽性と看做された試料の分析動作をし易くするために、後で除去され得る。これらの分析、例えばシーディングでは実際に、試験管を破壊する必要があり、従って、キャップに取付けられ患者を特定するバーコードを損傷させる危険がある。試験管のコードと患者のコードとの整合は、装置1に組み合わさった読取装置によって行われ、シーディングを行うために試験管を破壊する際に、試料に関連する患者のデータが失われる危険を避ける。
【0067】
その後の分析動作は、患者のコードと一対一で整合した試験管の識別コードを記憶し、そして分析の結果を試験管のコードと関連させることによって自動的に行われる。分析が行われ、結果が得られると、これらは、相互に関連した患者の識別コード及び試験管の識別コードを通してデータを簡単に復元する患者のデータに再び整合され得る。
【0068】
図面は、本発明の実施例として単に挙げた一つの例を示し、本発明の概念の範囲から逸脱せずに、その形態及び構成を変えることができることが理解される。特許請求の範囲における参照番号は明細書及び図面を参照して特許請求の範囲を理解しやすくするためのものであり、特許請求の範囲に記載された保護の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0069】
1:装置
3:装填領域
5:第1のコンベヤ
7:培養領域
9:第2のコンベヤ
11:休止領域
13:分析装置
15:仕分け装置
P:試験管
R:ラック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 成長媒体の入っている容器に分析すべき生物学的試料を導入する段階;
b) 最初の時間間隔の間、容器を培養する段階;
c) 最初の時間間隔に続いて容器における雰囲気を分析する段階;
d) 雰囲気中で検出した二酸化炭素量に基き、生物学的試料が病理的に問題とされる細菌負荷を含んでいるか否かを測定する段階
を含むことを特徴とする生物学的試料の生物学的分析方法。
【請求項2】
生物学的試料が病理的に問題とされる細菌負荷を含んでいる場合には、その生物学的試料を陽性と仕分けし、そして存在する微生物を測定するために更なる分析を行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
生物学的試料が病理的に問題とされる細菌負荷を含んでない場合には、その生物学的試料を陰性と仕分けし、そして存在する微生物を測定するために更なる分析を行なわないことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記最初の時間間隔の後、前記容器内の雰囲気を、二酸化炭素の濃度の最大値及び最小値と比較する段階と、
雰囲気が最大値より多い二酸化炭素量を含んでいる場合に、試料を陽性として仕分けして存在する微生物を測定するために分析を行う段階と、
雰囲気が最小値より少ない二酸化炭素量を含んでいる場合に、試料を陰性として仕分けして存在する微生物を測定するための分析を行わない段階と、
雰囲気が最大値と最小値との間の二酸化炭素量を含んでいる場合に、試料を第2の時間間隔の間、培養状態に維持する段階と
を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
第2の培養時間間隔の前に前記容器に酸素を注入することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
第2の培養時間間隔の終了時に、前記容器内の雰囲気を再び分析して、前記雰囲気において検出した二酸化炭素含有量に基いて生物学的試料を陽性又は陰性として仕分けすることを特徴とする請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
第2の培養時間間隔の後、容器の雰囲気中の二酸化炭素含有量が閾値より多いか少ないかに依存して、分析した生物学的試料を陽性又は陰性として仕分けすることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第2の培養時間間隔の後、分析した生物学的試料を陽性として仕分けする場合に、存在する微生物を測定するために分析を行い、分析した生物学的試料を陰性として仕分けする場合には、存在する微生物を測定するための分析を行なわないことを特徴とする請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
最初の培養期間中、生物学的試料をサーモスタット状態に維持することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
最初の培養期間中、生物学的試料を攪拌することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
第2の培養期間中、生物学的試料をサーモスタット状態に維持することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
第2の培養期間中、生物学的試料を攪拌することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
複数の生物学的試料を順次分析し、前記最初の時間間隔の間の培養後、各生物学的試料の容器内の雰囲気を分析し、前記雰囲気において検出した二酸化炭素含有量に基き各生物学的試料を以下のグループ、
生物学的試料に存在する微生物を検出するために更なる分析を行う陽性の試料、
生物学的試料に存在する微生物を検出するための分析を行わない陰性の試料、
第2の時間間隔の間、第2の培養を行う不確定な試料
に仕分けすることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の培養後、不確定な試料を、それぞれの容器の雰囲気において検出した二酸化炭素含有量に基き以下のグループ、
生物学的試料に存在する微生物を検出するために更なる分析を行う陽性の試料、
生物学的試料に存在する微生物を検出するための分析を行わない陰性の試料
に仕分けすること
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
体液の試料を収容する容器に対する培養領域と、
前記容器の内部雰囲気を分析する分析装置と、
前記分析装置で検出した二酸化炭素の含有量に応じて前記容器を仕分けする仕分けシステムと
を有することを特徴とする体液の試料の微生物学的分析用装置。
【請求項16】
第2の培養期間を必要とする試料の配列される休止領域を有することを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記仕分けシステムが、前記培養領域からの容器を仕分けして、
それぞれの試料中に存在する微生物を特定するための分析を行う必要のある陽性の容器と、
微生物を特定するための分析を行う必要のない陰性の容器と、
第2の培養を行う不確定な容器と
に細分することを特徴とする請求項15又は16に記載の装置。
【請求項18】
前記仕分けシステムが、陽性の容器を陽性の容器の捕捉領域に移送し、また不確定な容器を第2の休止領域に移送することを特徴とする請求項16又は17に記載の装置。
【請求項19】
前記仕分けシステムが、容器の移送部材を備えていることを特徴とする請求項15〜18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記分析装置が、NDIR二酸化炭素センサーを備えていることを特徴とする請求項15〜19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記分析装置が、前記容器内の気体を吸引するために透通針で終端している吸引導管を備え、前記透通針及び前記容器が前記針によって前記容器に穿孔するため相対貫通運動を行うように構成されていることを特徴とする請求項15〜20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記分析装置が、二つの容器の内部から同時に気体を吸引するために、二つの二酸化炭素センサーと、それぞれの透通針で終端している二つの吸引導管とを備え、前記透通針及び前記容器が前記容器に針を相対的に貫通する運動を行うように構成されていることを特徴とする請求項15〜21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
少なくとも培養領域が、制御された温度に維持されることを特徴とする請求項15〜22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
培養領域に、容器内の試料を攪拌する攪拌部材が設けられることを特徴とする請求項15〜23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記攪拌部材が磁気攪拌装置であることを特徴とする請求項24に記載の装置。
【請求項26】
分析すべき試料を装填する装填領域を備えていることを特徴とする請求項15〜25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記装填領域が冷却されていることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項28】
前記装填領域に沿って前記容器を移送するコンベヤが前記装填領域に備えていることを特徴とする請求項26又は27に記載の装置。
【請求項29】
装填領域における前記コンベヤが、容器のラックを受け移送するように構成されていることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項30】
装填領域から培養領域に容器を移送する移送ユニットを備えていることを特徴とする請求項28又は29に記載の装置。
【請求項31】
装填領域において、培養の開始位置から培養の終了位置まで容器を取り扱うコンベヤが設けられることを特徴とする請求項15〜30のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
前記移送ユニットが培養の開始位置に隣接して配列されることを特徴とする請求項30又は31に記載の装置。
【請求項33】
前記培養の終了位置に隣接して、最初の培養領域から容器を取り出して前記分析装置へ向かって動かす取り出し装置が設けられることを特徴とする請求項31又は32に記載の装置。
【請求項34】
培養領域の前記コンベヤが容器のラックを移送するように配列され構成されていることを特徴とする請求項31〜33のいずれか一項に記載の装置。
【請求項35】
培養領域の設けられるレベルにより下方に、陽性の試料の容器を収集する収集領域が設けられることを特徴とする請求項15〜34のいずれか一項に記載の装置。
【請求項36】
培養領域の陽性の試料を前記収集領域に重力で移送する縦穴部材を備えていることを特徴とする請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記休止領域に沿って容器を操作するコンベヤが休止領域に備えていることを特徴とする請求項15〜36のいずれか一項に記載の装置。
【請求項38】
休止領域における前記コンベヤが容器のラックを受けて移送するように構成されていることを特徴とする請求項37に記載の装置。
【請求項39】
容器に、気体又は酸素を含む気体混合物を注入する少なくとも一つのカニューレを備えていることを特徴とする請求項15〜38のいずれか一項に記載の装置。
【請求項40】
単数又は複数の透通針が容器内の試料のレベルに達するのを避けるために単数又は複数の吸引導管と組み合わさった、容器内生物学的な試料のレベルを測定する測定装置を備えていることを特徴とする請求項21又は22に記載の装置。
【請求項41】
仕分け装置が第2の培養を必要とする試料を挿入する第2の培養領域を備えていることを特徴とする請求項15〜40のいずれか一項に記載の装置。
【請求項42】
成長媒体及び成長媒体内の磁気攪拌装置を有することを特徴とする容器、特に生物学的分析用真空試験管。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【公表番号】特表2011−505803(P2011−505803A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536589(P2010−536589)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際出願番号】PCT/IT2008/000743
【国際公開番号】WO2009/072161
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(502093656)デイエセ デイアーノステイカ セネセ ソチエタ ペル アチオーニ (2)
【Fターム(参考)】