説明

生産スケジュール作成装置及び生産スケジュール作成方法

【課題】連続生産を行う工程を含む生産ラインにおいて、より生産効率の高い生産スケジュールを作成することを目的とする。
【解決手段】生産スケジュール作成装置は、複数の製品を連続して処理する工程において、連続して処理できる製品同士であるか否かを示す接続条件を記憶しておき、受注した製品のうちの一部の製品であって、前記生産ラインで生産する予定の複数の製品である生産予定製品を生産した場合に、前記1工程において、前記生産予定製品を順に処理した場合に、前記接続条件を満たさない接続箇所を検出し、前記接続箇所を検出した場合に、当該接続箇所の前後のいずれの製品とも前記接続条件を満たす製品である接続製品を、前記受注した製品であって、前記生産予定製品以外の製品である受注残製品のうちから抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数工程によって製品を製造する場合の生産スケジューリング技術に関し、特に、連続生産を行う工程を含む場合において、生産効率の良いスケジューリングを行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複数種類の製品を複数工程によって生産する場合の生産スケジュールは、納期を遵守することはもちろん、生産性を最大化するものであることが望まれる。このような複数工程から成る生産ラインとしては、例えば鉄鋼・銅板・アルミ板等の金属素材系工場の生産ラインが挙げられる。
【0003】
このような生産ラインにおいて、納期を守り、且つ、生産効率を上げるためのスケジュールを作成するための技術が提案されている。
【0004】
例えば、下工程と納期との両立を達成し、中間工程の仕掛かり在庫を低減させる生産計画を作成する技術(特許文献1参照)、オーダに基づいて適切な製造ロットを作成する生産管理を支援する技術(特許文献2参照)、生産設備における製品の通過時期を設定したサイクルカレンダーを容易に変更できる技術(特許文献3参照)などである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−259122号公報
【特許文献2】特開2004−246467号公報
【特許文献3】特開2003−323206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、複数の工程のなかには、連続生産を行うことが望ましい工程がある。連続生産とは、ある工程において製品を順次処理する場合に、その工程の設備の入り側で、先行する製品に対して次に処理される製品が何らかの方法で接続されることにより、常に設備の中を切れ目なく製品が製造、処理される生産方式である。例えば、金属素材系の生産現場では、鋳造設備、圧延設備、焼鈍設備、めっき設備などで連続生産が行われる。
【0007】
このような連続生産の工程においては、何らかの原因で製品が途切れた場合には、その設備全体を停止しなければならない状況が生じ得る。そして、一旦設備を停止すると、再開までに長時間を要する場合が多く、できる限り製品が途切れないようにスケジュールを作成することが望ましい。
【0008】
また、多品種の製品を生産する場合には、スケジュールを調整したとしても、連続して処理できない製品同士を連続して処理しなければならないことが生じ得る。この場合には、その製品同士の間につなぎとなる製品を処理することで、連続生産を可能としている。
【0009】
しかし、このつなぎとなる製品は、本来、出荷するための製品ではなく、場合によっては即時廃却処分となるものである。このことは、原材料、燃料、更には生産機会が完全な無駄となり、生産効率を悪化させることとなる。
【0010】
そこで、本発明は、連続生産を行う工程を含む生産ラインにおいて、より生産効率の高い生産スケジュールを作成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明にかかる一態様では、生産スケジュール作成装置は、複数工程から成る生産ラインによって生産する製品の、生産スケジュールを作成するスケジュール作成装置であって、前記複数工程のうちの1工程であって、複数の製品を連続して処理する工程において、連続して処理できる製品同士であるか否かを示す接続条件を記憶している接続条件記憶手段と、受注した製品のうちの一部の製品であって、前記生産ラインで生産する予定の複数の製品である生産予定製品を生産した場合に、前記1工程において、前記生産予定製品を順に処理した場合に、前記接続条件を満たさない接続箇所を検出する検出手段と、前記検出手段が前記接続箇所を検出した場合に、当該接続箇所の前後のいずれの製品とも前記接続条件を満たす製品である接続製品を、前記受注した製品であって、前記生産予定製品以外の製品である受注残製品のうちから抽出する抽出手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
そして、本発明の他の一態様に係る生産スケジュール作成方法は、複数工程から成る生産ラインによって生産する製品の、生産スケジュールを作成し、前記複数工程のうちの1工程であって、複数の製品を連続して処理する工程において、連続して処理できる製品同士であるか否かを示す接続条件を記憶している接続条件記憶手段を備えるスケジュール作成装置で用いられる生産スケジュール作成方法であって、受注した製品のうちの一部の製品であって、前記生産ラインで生産する予定の複数の製品である生産予定製品を生産した場合に、前記1工程において、前記生産予定製品を順に処理した場合に、前記接続条件を満たさない接続箇所を検出する検出ステップと、前記検出ステップで前記接続箇所を検出した場合に、当該接続箇所の前後のいずれの製品とも前記接続条件を満たす製品である接続製品を、前記受注した製品であって、前記生産予定製品以外の製品である受注残製品のうちから抽出する抽出ステップとを備えることを特徴とする。
【0013】
このような構成の生産スケジュール作成装置及び生産スケジュール作成方法によれば、連続生産を行う工程において必要となる接続製品を、現在の生産ラインではないが必ず生産する注文品の中から抽出する。従って、抽出した製品を現在の生産ラインで生産するようにすれば、注文品ではない製品を生産することがなくなり、無駄のない、生産性の高いスケジュールを作成することができるようになる。
【0014】
また、上述の生産スケジュール作成装置において、前記スケジュール作成装置は、更に、過去に出荷した製品を記憶している受注製品記憶手段を備え、前記抽出手段は、前記受注残製品に代えて、前記受注製品記憶手段に記憶されている製品のうちから、前記接続製品を抽出することが好ましい。
【0015】
この構成によれば、接続製品を、過去に受注された製品から抽出する。従って、生産したとしても、注文される可能性があり、廃棄する可能性が低いので、全体として生産性を向上させることが可能なスケジュールを作成することができるようになる。
【0016】
また、上述の生産スケジュール作成装置において、前記スケジュール作成装置は、更に、過去に出荷した製品を記憶している受注製品記憶手段を備え、前記抽出手段は、前記受注残製品から前記接続製品を抽出できなかった場合に、前記受注製品記憶手段に記憶されている製品のうちから、前記接続製品を抽出することが好ましい。
【0017】
この構成によれば、接続製品を、受注残製品の中から抽出できなかった場合に、過去に受注されて出荷された製品から抽出する。従って、できるだけ受注が確定している製品を接続製品として生産するので、全体として生産性を向上させることが可能なスケジュールを作成することができるようになる。
【0018】
また、上述の生産スケジュール作成装置において、前記生産ラインの複数工程は、それぞれ所定期間ずつ処理を行い、前記スケジュール作成装置は、更に、工程ごとに在庫製品を記憶する在庫記憶手段を備え、前記抽出手段は、前記受注残製品に代えて、次の所定期間で処理を行う予定の製品であって、前記在庫製品から生産できる製品のうちから、前記接続製品を抽出することが好ましい。
【0019】
この構成によれば、接続製品を、次の所定期間(単位生産期間)において生産ラインで生産する製品から抽出する。従って、出荷まで保管しておく期間が短く、更には、在庫を減らすことができるので、全体として生産性を向上させることが可能なスケジュールを作成することができるようになる。
【0020】
また、上述の生産スケジュール作成装置において、前記生産ラインの複数工程は、それぞれ所定期間ずつ処理を行い、前記スケジュール作成装置は、更に、工程ごとに在庫製品を記憶する在庫記憶手段を備え、前記抽出手段は、前記受注製品記憶手段に記憶されている製品、及び、次の所定期間で処理を行う予定の製品であって、前記在庫製品から生産できる製品の双方から、前記接続製品を抽出し、前記在庫製品から生産できる製品から前記接続製品を抽出できた場合には、当該接続製品を接続製品として抽出することが好ましい。
【0021】
この構成によれば、過去に注文された製品よりも、次の単位生産期間において生産ラインで生産する製品の中から接続製品を抽出する。過去に注文された製品は、注文が実際に来るまで保管しておく必要があるが、次の生産ラインで生産する製品は保管しておく期間が決まっているので、全体として生産性を向上させることが可能なスケジュールを作成することができるようになる。
【0022】
また、上述の生産スケジュール作成装置において、前記スケジュール作成装置は、更に、前記抽出手段で抽出した接続製品を、前記生産予定製品に追加する生産製品追加手段を備えることが好ましい。
【0023】
この構成によれば、接続製品を、生産予定製品に追加するので、接続製品を予定に組み込んだスケジュールを作成することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明にかかる生産スケジュール生産装置は、連続生産を行う工程を含む生産ラインにおいて、より生産効率の高い生産スケジュールの作成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施形態における生産ライン、及び、生産予定の決定時期を説明するための図である。
【図2】実施形態における連続焼鈍工程における接続条件を説明するための図である。
【図3】実施形態1の概要を説明するための図である。
【図4】実施形態1における生産スケジュール作成装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示す生産スケジュール立案装置における生産予定品テーブルの構成及び内容の例を示す図である。
【図6】図4に示す生産スケジュール立案装置における受注残品テーブルの構成及び内容の例を示す図である。
【図7】図4に示す生産スケジュール立案装置における工程スケジュール表の構成及び内容の例を示す図である。
【図8】図4に示す生産スケジュール立案装置における接続品要件テーブルの構成及び内容の例を示す図である。
【図9】図4に示す生産スケジュール立案装置における頻繁受注品テーブルの構成及び内容の例を示す図である。
【図10】図4に示す生産スケジュール立案装置における接続品候補テーブルの構成及び内容の例を示す図である。
【図11】実施形態1における表示画面の例を示す図である。
【図12】実施形態1における生産スケジュール作成装置のスケジュール作成処理のフローチャートである。
【図13】実施形態1における生産スケジュール作成装置の受注残品からの抽出処理のフローチャートである。
【図14】実施形態1における生産スケジュール作成装置の頻繁注文品からの抽出処理のフローチャートである。
【図15】接続品が追加された工程スケジュール表の構成及び内容の例を示す図である。
【図16】厚みの順にソートした受注残品テーブルの構成及び内容の例を示す図である。
【図17】厚みの順にソートした工程スケジュール表の構成及び内容の例を示す図である。
【図18】図16及び図17を用いた場合の接続品候補テーブルの構成及び内容の例を示す図である。
【図19】実施形態2の概要を説明するための図である。
【図20】実施形態2における生産スケジュール作成装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図21】図20に示す生産スケジュール立案装置における中間製品情報テーブルの構成及び内容の例を示す図である。
【図22】図20に示す生産スケジュール立案装置における中間在庫テーブルの構成及び内容の例を示す図である。
【図23】図20に示す生産スケジュール立案装置における接続品属性テーブルの構成及び内容の例を示す図である。
【図24】図20に示す生産スケジュール立案装置における接続品候補テーブルの構成及び内容の例を示す図である。
【図25】実施形態2における生産スケジュール作成装置の接続品入替処理のフローチャートである。
【図26】接続品が未決定の箇所が在る工程スケジュール表の構成及び内容の例を示す図である。
【図27】接続品の入れ替えが行われた工程スケジュール表の構成及び内容の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<実施形態1>
<概要>
受注した製品である多品種多工程の製品を生産する場合、各工程における生産は、ある程度まとまった期間単位で、例えば、1週間単位で行われることが多い。以下、この期間を「単位生産期間」というものとする。
【0027】
そして、単位生産期間で生産すべき製品(以下、「生産予定品」という。)は、例えば、営業部門と生産管理部門とが調整をおこない、受注した製品の中から決定し、残りの受注品(以下、「受注残品」という。)は、その後の単位生産期間の生産予定品となる。この生産予定品は、一旦決定されると通常変更されない。
【0028】
実施形態1では、鋼板の生産ラインを例に説明を行う。鋼板の生産ラインは、例えば、図1に示すように、鋳造工程、熱延工程、冷延工程、連続焼鈍工程、及び、出荷工程の5つの工程から成る。それぞれの工程で1中間製品にかかる時間は数分〜数十分であるが、各工程には1週間滞留することになる。ある工程、例えば、第4週目の冷延工程の1週間で処理(加工)された中間製品は、いったん工程間のバッファ(置場、ヤードなど)に揃えられ、次の工程である連続焼鈍工程の第5週目の1週間のうちのいずれかの時間で処理され、その翌週の第6週目に出荷される。
【0029】
図1における第2週目に鋳造工程を行い、第6週目に出荷する製品である生産予定品は、第1週目に決定され、各工程のスケジュールが作成される。また、第3週目に鋳造工程を行う生産予定品は、第2週目に決定され、各工程のスケジュールが作成される。
【0030】
このように一定の期間単位で生産計画を立案するのは、工程ごとに、その工程独自の特徴に応じて生産効率を上げることができるようにするためである。例えば、工程で鍵となる属性の変動が少なくなるように製品の生産順序を決めることにより、段取替えを少なくして生産性を上げることができる。属性の変動が少なくなるようにとは、例えば、鋳造工程では鋼種を揃えることである。また、冷延工程では強度を揃え、焼鈍工程では焼鈍温度を揃えることである。
【0031】
ここで、生産ラインには、ボトルネックとなる工程が存在することが多い。従って、そのボトルネックとなる工程での生産性が向上すれば、生産ライン全体での生産性が向上することとなる。鋼板の生産ラインにおいては、例えば、連続焼鈍工程がボトルネック工程であり、そこでの生産が確保できれば、それ以外の工程の生産能力は考えなくてよいことになる。
【0032】
本実施形態1では、ボトルネックとなる工程として、連続生産を行う工程である焼鈍工程を例にとり、連続焼鈍工程の生産性を向上させ、結果的に、全体の生産性を向上させる生産スケジュールを作成する装置について説明する。
【0033】
連続焼鈍設備においては、設備の入り側で焼鈍対象の薄板が、先行する薄板に溶接接続される。これにより、次々と焼鈍設備内を薄板が通板、焼鈍される。
【0034】
仮に、次の薄板コイルが遅れにより到着しておらず接続ができないと、処理中の薄板の通板を停止して待つことになる。しかし、焼鈍温度、時間には制限があるため、長時間待つことはできない。従って、次の薄板コイルの到着の遅れが大きい場合は、設備全体を停止することになる。特に、焼鈍設備の場合、設備を停止し、炉の温度が低下してから、通板中の薄板を引き抜くことになるので、停止時間は長時間に及ぶ場合が多い。
【0035】
また、先行する薄板にはどのような薄板でも接続できるわけではなく、接続可能な薄板には条件(以下、「接続条件」という。)がある。例えば、薄板の幅の差が一定範囲内である場合に接続できるなどである。
【0036】
しかし、連続焼鈍工程においては、1単位生産期間(一週間)で処理する予定の生産物、すなわち、前の工程である冷延工程が1単位生産期間で処理した生産物を、どのような順序で並べても、接続が不可能な生産物が入っている場合がある。
【0037】
このような場合は、次のような対処方法で、連続生産を実施する。
【0038】
例えば、接続条件が、薄板の幅の差が100mm(ミリメートル)を超えたら接続できないというものであるとする。このとき、図2に示すように、1単位生産期間で処理すべき生産物のうち、最も幅が広い薄板Xの幅が1500mmであり、次に幅が広い薄板Pの幅が1350mmであったとする。この場合、薄板Xは、連続操業の中に組み込めないこととなる。
【0039】
そこで、薄板Xの接続のために、薄板Xと薄板Pの間に、薄板Xにも薄板Pにも接続可能な幅、すなわち、幅が1400mm以上、且つ、1450mm未満となる薄板を接続することで連続生産を可能とする。
【0040】
しかし、薄板Xと薄板Pの間に接続する薄板は、生産予定品には含まれておらず(以下、「接続用非受注品」という。)、このような薄板を生産することは、生産効率上好ましくない。また、このような接続用非受注品が必要であることが、実際に焼鈍工程で処理を行う1週間、あるいは2〜3日前になってわかった場合には、わかった時点で接続用非受注品を手配することは、数週間を費やす上工程を考慮すると非常に困難である場合が多く、生産スケジュールに支障をきたすこととなる。
【0041】
そこで、本実施形態の生産スケジュール作成装置では、このような接続用非受注品をスケジューリングの段階で検出し、無駄となる生産品が可能な限り少なくなるようなスケジュールを作成する。
【0042】
実施形態1の生産スケジュール作成装置1000は、接続用非受注品の代わりに、接続条件を満たし、且つ、近い将来生産する予定、すなわち、今回の生産ラインでは生産しないが受注している製品(受注残品)を前倒しで生産して使用するものである。将来生産する生産品を使用することで、廃却処分となって原材料、燃料、更には生産機会が無駄となることがなくなり、生産効率を悪化させることもなくなる。また、将来生産する生産品の中に接続条件を満たすものが無い場合には、現在受注している製品ではないが、受注するであろうと推定される製品、言い換えれば、受注する可能性が高い製品を生産して接続用非受注品の代わりに使用することで、より効率化を図ることが可能となる。すなわち、受注頻度が高い製品は、いずれは真の受注に置き換わるという期待があるからである。また、この方法を採る場合は、なるべく早く、確実に真の受注に置き換わるように、より受注頻度が高い頻繁受注品で置き換えることが望ましい。
【0043】
例えば、図3に示すように、第2週目に鋳造工程を開始する生産ラインであって、製品A1〜A14(生産予定品)を生産する生産ラインの各工程スケジュールは、第1週目に作成する。第1週目にスケジュールを作成する際に、第5週目の連続焼鈍工程のスケジュールにおいて、接続用非受注品(F3とZ5に相当する製品)を手配しなければならないことを検出すると、この接続用非受注品の代わりに使用できる製品(F3、Z5)を、受注しているが今回の生産ラインでは生産しない製品(受注残品)及び受注するであろうと推定される製品(頻繁受注品)の中から抽出して、生産予定品に加える。そして、再度、スケジュールを作成すれば、無駄のない、効率的なスケジュールが作成できることになる。
【0044】
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。
【0045】
<構成>
実施形態1の生産スケジュール作成装置1000の構成を説明する。
【0046】
図4は、生産スケジュール作成装置1000の機能ブロックの構成を示す図である。
【0047】
生産スケジュール作成装置1000は、生産スケジュール作成制御部1010、入力部1020、及び、出力部1030を備えて構成される。
【0048】
入力部1020は、生産スケジュールを作成するプログラム等を起動するコマンド等の各種コマンド、及び、スケジュールの作成等を行う上で必要な各種データを生産スケジュール作成装置1000に入力する機器である。例えば、キーボードやマウス等である。
【0049】
出力部1030は、入力部1020から入力されたコマンドやデータ、及び、生産スケジュール作成装置1000によって作成されたスケジュール等を出力(提示)する機器である。例えばCRTディスプレイ、LCD、有機ELディスプレイ、及び、プラズマディスプレイ等の表示装置やプリンタ等の印刷装置等である。
【0050】
生産スケジュール作成制御部1010は、例えば、マイクロプロセッサおよびその周辺回路等を備えて構成され、機能的に、ラインスケジュール作成部1100、工程スケジュール作成部1200、接続不能箇所検出部1300、接続品抽出部1400、生産予定品追加部1500、生産予定品記憶部1600、受注残品記憶部1700、頻繁受注品記憶部1800、接続条件記憶部1900、ラインスケジュール記憶部2000、及び、工程スケジュール記憶部2100を備え、制御プログラムに従い入力部1020、及び、出力部1030を当該機能に応じてそれぞれ制御する。また、生産スケジュール作成制御部1010は、ユーザから入力部1020を介して入力されたコマンドに応じて、生産予定品記憶部1600等の各記憶部の内容を出力部1030に表示させたり、入力部1020を介して接続条件記憶部1900等の記憶部の内容を作成、修正等を行う機能も有している。尚、生産スケジュール立案処理部1010内の矢印は、機能ブロック間の主なデータの流れを表す。
【0051】
ラインスケジュール作成部1100は、生産予定品記憶部1600に記憶されている生産予定品を読み出し、生産ラインのスケジュール、すなわち、鋳造工程から出荷工程までの5工程から成るスケジュールを作成し(図1参照)、ラインスケジュール記憶部2000に記憶させる機能を有する。この際、各工程が、それぞれ前の工程から受け取る生産物や、工程での処理内容など、各工程の処理に必要な情報もラインスケジュール記憶部2000に記憶される。
【0052】
工程スケジュール作成部1200は、工程内におけるスケジュールを作成し、工程スケジュール記憶部2100に記憶させる機能を有する。実施形態1では、連続焼鈍工程のスケジュールを作成するものとし、他の工程はそれぞれのスケジュール作成部(図示していない。)によって作成されるものとする。
【0053】
接続不能箇所検出部1300は、連続生産を行う工程のスケジュールにおいて、生産物を連続して処理することが不可能な箇所があるか否かを検出する機能を有する。また、検出した箇所に接続する生産物の条件を決定する機能を有する。実施形態1では、連続焼鈍工程のスケジュールにおいて、溶接接続できない薄板を連続して処理するような箇所、例えば、図2の薄板Xと薄板Pとを連続して処理するようなスケジュールがなされている箇所を検出し、図2の接続用非受注品に相当するような生産物(以下、「接続品」という。)の要件(以下、「接続品要件」という。)を決定する。決定した接続品要件は、接続品抽出部1400に渡される。接続不能箇所検出部1300は、検出の際、接続条件記憶部1900に記憶されている接続条件を参照し、接続できるか否かを判断する。
【0054】
接続品抽出部1400は、接続不能箇所検出部1300から渡された接続品要件に合致する接続品を、受注残品記憶部1700に記憶されている受注残品、又は、頻繁受注品記憶部1800に記憶されている頻繁受注品の中から抽出する機能を有する。抽出された接続品は、生産予定品追加部1500に渡される。
【0055】
生産予定品追加部1500は、接続品抽出部1400が抽出した接続品を、生産予定品記憶部1600に記憶されている生産予定品に追加する機能を有する。
【0056】
生産予定品記憶部1600は、受注した製品のうち、1単位生産期間で生産する製品を記憶しておく機能を有する。1単位生産期間で生産する製品とは、例えば、図1における第6週目に出荷する製品をいい、第1週目に生産予定品記憶部1600に記憶される。第2週目の鋳造工程から開始される生産ラインを「第2週目開始の生産ライン」といい、この生産ラインで生産する製品を、「第2週目開始の生産ラインの製品」というものとする。そして、第2週目になると、第7週目に出荷される製品、すなわち、「第3週目開始の生産ラインの製品」が生産予定品記憶部1600に記憶される。生産予定品記憶部1600は、第2週目開始の生産ラインの製品、及び、第3週目開始の生産ラインの製品等を記憶しているものとする。また、生産予定品記憶部1600には、注文製品の具体的な情報、例えば、鋼板の幅、厚み、組成、焼鈍の温度、メッキの種類等の、各工程において必要な情報が記憶されているものとする。
【0057】
受注残品記憶部1700は、受注した製品のうち、生産開始する単位生産期間が決まっていないものを記憶しておく機能を有する。受注残品記憶部1700は、生産予定品記憶部1600と同様に、注文製品の具体的な情報、例えば、鋼板の幅等の、各工程において必要な情報が記憶されている。
【0058】
頻繁受注品記憶部1800は、過去に注文されて出荷した製品のうち、注文頻度が高かった製品(以下、「頻繁受注品」という。)を記憶しておく機能を有する。
【0059】
接続条件記憶部1900は、連続生産における接続条件を記憶しておく機能を有する。連続焼鈍工程の場合には、通常、薄板のサイズ(幅、厚みなど)や、焼鈍内容、次の工程における処理内容(めっき内容等)によって接続条件が異なる。例えば、同じサイズ、同じ処理内容の製品同士であれば当然に接続は可能である。他の条件として、サイズや処理内容が類似する製品同士も接続可能としてもよい。また、連続焼鈍工程以外の工程、例えば、鋳造設備の連続操業の場合では、各種の成分値などが条件となる。
【0060】
実施形態1では、説明の便宜上、接続条件は、薄板の属性のうち、幅、厚み、及び、焼鈍処理の温度に関する条件であるものとする。i番目に処理されるようにスケジュールされた薄板の幅、厚み、温度の値をそれぞれ、Wi、Ti、Aiとする。その際、i+1番目の薄板が保持すべき接続可能な板の幅、厚み、温度の属性値の上下限を、以下に示すように、前の薄板の属性値を変数として持つ関数の形で保持するものとする。
【0061】
Wmin(Wi,Ti,Ai) ≦ Wi+1 ≦ Wmax(Wi,Ti,Ai) (式1)
Tmin(Wi,Ti,Ai) ≦ Ti+1 ≦ Tmax(Wi,Ti,Ai) (式2)
Amin(Wi,Ti,Ai) ≦ Ai+1 ≦ Amax(Wi,Ti,Ai) (式3)
関数Wminは、幅の下限値を、関数Wmaxは、幅の上限値を求める関数である。関数Tminは、厚みの下限値を、関数Tmaxは、厚みの上限値を求め、関数Aminは、処理する温度の下限値を、関数Amaxは、温度の上限値を求める関数である。
【0062】
実施形態1では、具体的に、以下の関数が記憶されているものとする。
【0063】
Wmin(Wi,Ti,Ai) = Wi−100mm (式1−1)
Wmax(Wi,Ti,Ai) = Wi+100mm (式1−2)
Tmin(Wi,Ti,Ai) =Ti−0.1mm (式2−1)
Tmax(Wi,Ti,Ai) = Ti+0.1mm (式2−2)
Amin(Wi,Ti,Ai) =Ai−30℃ (式3−1)
Amax(Wi,Ti,Ai) = Ai+30℃ (式3−2)
すなわち、幅の差が100mm以下であって、厚みの差が0.1mm以下であって、処理する温度の差が30℃以下の薄板同士であれば、接続できることになる。
【0064】
接続品抽出部1400は、これらの式を用いて、以下のように接続品を抽出する。j番目の薄板とj+1番目の薄板の間に用いる接続品の候補となる薄板(候補品K)の幅、厚み、温度の値をそれぞれ、Wk、Tk、Akとする。
【0065】
j番目の薄板と候補品Kの接続可能性は、以下の(式4)、(式5)、(式6)のすべてを満足する場合に接続可能であると判定する。
【0066】
Wmin(Wj,Tj,Aj) ≦ Wk ≦ Wmax(Wj,Tj,Aj) (式4)
Tmin(Wj,Tj,Aj) ≦ Tk ≦ Tmax(Wj,Tj,Aj) (式5)
Amin(Wj,Tj,Aj) ≦ Ak ≦ Amax(Wj,Tj,Aj) (式6)
候補品Kとj+1番目の板との接続可能性は、以下の(式7)、(式8)、(式9)のすべてを満足する場合に接続可能であると判定する。
【0067】
Wmin(Wk,Tk,Ak)≦ Wj+1 ≦ Wmax(Wk,Tk,Ak) (式7)
Tmin(Wk,Tk,Ak )≦ Tj+1 ≦ Tmax(Wk,Tk,Ak) (式8)
Amin(Wk,Tk,Ak) ≦ A j+1 ≦ Amax(Wk,Tk,Ak) (式9)
次に、ラインスケジュール記憶部2000は、ラインスケジュール作成部1100が作成した生産ラインのスケジュールを記憶しておく機能を有する。また、ラインスケジュール作成部1100が作成した、各工程で処理する生産品及び処理に必要な情報等を工程毎に記憶しておく機能を有する。ラインスケジュール記憶部2000は、各週目に開始される生産ライン毎のスケジュールをそれぞれ記憶している。
【0068】
工程スケジュール記憶部2100は、工程スケジュール作成部1200が作成した連続焼鈍工程のスケジュールを記憶しておく機能を有する。工程スケジュール記憶部2100は、各週目に開始される生産ライン毎に、連続焼鈍工程等のスケジュールを記憶している。
【0069】
これらの生産予定品記憶部1600等の記憶部は、その用途に応じて、例えば、生産スケジュール作成装置1000のいわゆるワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等の揮発性の記憶素子、ROM(Read Only Memory)や書換え可能なEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性の記憶素子、ハードディスク等により構成される。
【0070】
このような構成の生産スケジュール作成装置1000は、例えば、パーソナルコンピュータ等のコンピュータを用いて構成可能であり、ハードディスク等の記憶部に格納されている計画探索方法をプログラムしたソフトウェアを実行することによって上述の接続不能箇所検出部1300等がコンピュータに機能的に構成される等する。尚、コンピュータには、図4に示す他の機能部のうちの1または複数が構成されてもよい。
【0071】
スケジュール作成方法等をプログラムしたプログラムが生産スケジュール作成装置1000のハードディスク等の記憶部に格納されていない場合には、これらを記録した記録媒体から外部記憶部を介して生産スケジュール作成装置1000内の記憶部にインストールされるように構成してもよく、また、これらプログラムを管理するサーバ(図示していない。)からネットワーク及び通信インタフェース部を介して各プログラムがダウンロードされるように構成してもよい。また、生産予定品記憶部1600等に記憶されているデータは、このデータを記憶した記録媒体によって外部記憶部を介して生産スケジュール作成装置1000に入力されるように構成してもよく、また、ユーザからネットワーク及び通信インタフェース部を介して生産スケジュール作成装置1000に入力されるように構成してもよい。
【0072】
<データ>
生産スケジュール作成装置1000で用いる主なデータについて、図5〜図10を用いて説明する。
【0073】
図5は、生産予定品テーブル1610の構成及び内容の例を示す図である。この生産予定品テーブル1610は、生産予定品記憶部1600に記憶されており、今回生成するスケジュールで生産する予定の製品、すなわち、1生産単位期間で生産する製品が、1製品1レコードとして登録されている。鋳造工程〜出荷工程までは、この生産予定品テーブル1610に登録されている製品(薄板)を各工程において生産(処理)することになる。但し、処理する順番は、各工程の処理内容に応じて変わる場合がある。
【0074】
生産予定品テーブル1610は、番号1611、幅1612、厚み1613、及び、温度1614等で構成される。
【0075】
番号1611は、生産予定品テーブル1610に登録されているレコードの番号を示す。
【0076】
幅1612は、番号1611で示されるレコードで登録されている薄板の幅を示す。単位はmm(ミリメートル)である(図6等の図で同様。)。
【0077】
厚み1613は、番号1611で示されるレコードで登録されている薄板の厚さを示す。単位はmm(ミリメートル)である(図6等の図で同様。)。
【0078】
温度1614は、番号1611で示されるレコードで登録されている薄板を焼鈍処理する温度を示す。単位は℃(セ氏度)である(図6等の図で同様。)。
【0079】
実施形態1では、図5等に示すように、薄板について、その属性のうち、幅1612、厚み1613、温度1614について記載する。また、説明の便宜上、生産予定品である薄板は、幅1612は異なるが、厚み1613及び温度1614は同じとする。
【0080】
図6は、受注残品テーブル1710の構成及び内容の例を示す図である。この受注残品テーブル1710は、受注残品記憶部1700に記憶されており、今回生成するスケジュールでは生産しないが、注文品であるので今後生産する予定の製品が、種類毎に1レコードとして登録されている。尚、1枚の薄板を1レコードとして登録しておく等でもよい。
【0081】
ここでは説明の便宜上、薄板の幅、厚み、処理温度が同じ薄板は、同じ種類の薄板であるとし、また、幅の広い順にソートされているものとする。すなわち、実施形態1では、連続生産のキーとなる要素が薄板の幅である場合を説明する。尚、厚み等の他の要件がキーとなる場合は、その構成要素順にソートすることとしてもよい。厚みがキーとなる場合の例を、図16の受注残品テーブル1720に示す。
【0082】
図6の受注残品テーブル1710は、受注残品ID1711、本数1712、幅1713、厚み1714、及び、温度1715で構成される。
【0083】
受注残品ID1711は、受注品のうち後日生産する予定の製品を特定する識別子を示す。
【0084】
本数1712は、受注残品ID1711で特定する薄板の本数を示す。
【0085】
幅1713は、受注残品ID1711で特定する薄板の幅を示す。
【0086】
厚み1714は、受注残品ID1711で特定する薄板の厚みを示す。
【0087】
温度1715は、受注残品ID1711で特定する薄板を焼鈍処理する温度を示す。
【0088】
生産予定品テーブル1610には、全注文品から今回のスケジュールで生産する注文品が登録されており、残りの注文品が受注残品テーブル1710に登録されている。生産予定品テーブル1610にいずれの製品を登録するかは、例えば、営業部門と生産部門が、生産ラインの生産能力や納期等を考慮して決定する。実施形態1では、このように決定された生産予定品を、ユーザが入力部1020を介して登録し、受注残品テーブル1710から削除するものとする。すなわち、スケジュール生成処理を開始するまでに、生産予定品テーブル1610及び受注残品テーブル1710が作成されていればよい。
【0089】
図7は、工程スケジュール表2110の構成及び内容の例を示す図である。この工程スケジュール表2110は、連続焼鈍工程における処理スケジュールを示し、工程スケジュール作成部1200によって作成されて工程スケジュール記憶部2100に記憶される。
【0090】
実施形態1では、連続生産のキーとなる要素が薄板の幅であるので、薄板の幅が広いものから順に処理するようなスケジュールとする。尚、厚み等の他の要件を考慮して処理順を決めることとしてもよい。厚みがキーとなる場合の例を、図17の工程スケジュール表2130に示す。工程スケジュール表2130では、薄板の厚みが厚いものから順に処理するようなスケジュールとなっている。
【0091】
図7の工程スケジュール表2110は、順番2111、生産予定品ID2112、幅2113、厚み2114、温度2115、本数2116、及び、接続不能箇所2117で構成される。
【0092】
順番2111は、工程スケジュール表2110に登録されているレコードの順番を示すとともに、焼鈍工程において処理を行う順番を示す。順番2111が「1」のレコードから昇順に、レコードに登録されている薄板が処理される。
【0093】
生産予定品ID2112は、順番2111で示されるレコードに登録されている生産予定品を特定する識別子を示す。
【0094】
幅2113は、生産予定品ID2112で特定する薄板の幅を示す。
【0095】
厚み2114は、生産予定品ID2112で特定する薄板の厚みを示す。
【0096】
温度2115は、生産予定品ID2112で特定する薄板を処理する焼鈍温度を示す。
【0097】
本数2116は、生産予定品ID2112で特定する薄板の本数を示す。
【0098】
接続不能箇所2117は、溶接接続ができない箇所を示す。この接続不能箇所2117は、工程スケジュール作成部1200によって作成されたときには何も設定されておらず、接続不能箇所検出部1300によって接続できない箇所が設定される。接続されない箇所には2重丸設定されている。詳細には、2重丸が記載されているレコードに登録されている薄板を、その前のレコードに登録されている薄板に溶接接続できないことを示す。また、2重丸の横の「D1」、「D2」は、接続できない箇所を示す識別子である。この接続不能箇所は、接続不能箇所検出部1300によって検出され、接続不能箇所検出部1300によって、接続不能箇所2117に2重丸と「D1」等の識別子が設定される。
【0099】
図8は、接続品要件テーブル1310の構成及び内容の例を示す図である。この接続品要件テーブル1310は、接続品の要件を示し、接続不能箇所検出部1300によって作成され、接続品抽出部1400に渡される。接続不能箇所ごとに、1レコードが登録されている。接続不能箇所検出部1300は、接続条件記憶部1900に記憶されている接続条件(式1〜3)を参照して、接続しようとする薄板双方と、接続条件を満たすような接続品の要件を算出して、接続品要件テーブル1310を作成する。
【0100】
接続品要件テーブル1310は、接続不能箇所ID1311、厚み1312、温度1313、及び、幅1314で構成される。
【0101】
接続不能箇所ID1311は、接続品を挿入しなければならない箇所、すなわち、接続不能箇所を特定する識別子を示す。具体的には、工程スケジュール表2110の接続不能箇所2117に設定された「D1」等の識別子が設定される。
【0102】
厚み1312は、接続不能箇所ID1311で示される接続不能箇所に挿入する接続品、すなわち、薄板の厚みの要件を示す。
【0103】
温度1313は、接続不能箇所ID1311で示される接続不能箇所に挿入する接続品を処理する温度の要件を示し、幅1314は、接続品の幅の要件を示す。
【0104】
例えば、接続不能箇所ID1311に「D1」が設定されているレコードには、厚み1312として「0.9〜1.1」が設定され、温度1313として「620〜680」が設定され、幅1314として「1340〜1400」が設定されているので、接続不能箇所「D1」には、厚みが0.9mm〜1.1mm、処理温度が620℃〜680℃、幅が1340mm〜1400mmの薄板であれば、接続品として利用できることになる。
【0105】
図9は、頻繁受注品テーブル1810の構成及び内容の例を示す図である。この頻繁受注品テーブル1810は、頻繁受注品記憶部1800に記憶されており、過去に受注されて出荷した製品のうち、所定の頻度以上で受注された製品(頻繁受注品)が登録されている。
【0106】
頻繁受注品テーブル1810は、頻繁受注品ID1811、温度1812、厚み1813、幅1814、及び、平均本数1815で構成される。
【0107】
頻繁受注品ID1811は、頻繁受注品を特定する識別子を示す。
【0108】
温度1812は、頻繁受注品ID1811で特定する頻繁受注品である薄板を処理する温度を示す。
【0109】
厚み1813は、頻繁受注品ID1811で特定する頻繁受注品である薄板の厚みを示す。
【0110】
幅1814は、頻繁受注品ID1811で特定する頻繁受注品である薄板の幅を示す。
【0111】
平均本数1815は、頻繁受注品ID1811で特定する頻繁受注品である薄板の受注頻度を示す。詳細には、1週間に受注した平均本数を示す。
【0112】
図10は、接続品候補テーブル1410の構成及び内容の例を示す図である。この接続品候補テーブル1410は、接続不能箇所に接続品として用いることが可能な製品のリストであり、接続品抽出部1400によって作成される。作成された接続品候補テーブル1410は、生産予定品追加部1500に渡される。実施形態1では、接続品候補テーブル1410は、生産スケジュール作成制御部1010を介して出力部1030に出力され、入力部1020を介してユーザによって選択された接続品を生産予定品追加部1500に渡すものとする。
【0113】
接続品候補テーブル1410は、接続品ID1411、特性1412、本数/頻度1413、及び、活用箇所1414で構成される。
【0114】
接続品ID1411は、接続品を特定するIDを示す。具体的には、受注残品テーブル1710(図6参照)の受注残品ID1711に設定されているID、及び、頻繁受注品テーブル1810(図9参照)の頻繁受注品ID1811に設定されているIDのうちの何れかが設定される。
【0115】
特性1412は、接続品ID1411で特定する接続品が、受注残品テーブル1710及び頻繁受注品テーブル1810のいずれのテーブルに登録されている製品であるかを示す。受注残品テーブル1710に登録されている製品である場合は、「受注残」と設定され、頻繁受注品テーブル1810に登録されている製品である場合は、「頻繁受注」と設定される。
【0116】
本数/頻度1413は、接続品ID1411で特定する接続品についての情報を示し、特性1412が「受注残」である場合は、受注している本数を示し、特性1412が「頻繁受注」である場合は、過去における1週間に受注した平均本数を示す。
【0117】
活用箇所1414は、接続品ID1411で特定する接続品を活用する箇所、すなわち、接続不能箇所を示す。具体的には、工程スケジュール表2110の接続不能箇所2117に設定された「D1」等の識別子が設定される。
【0118】
尚、実施形態1では、接続不能箇所1か所につき接続品を1つ抽出することとして説明しているが、複数個の接続品を用いることとしてもよい。例えば、図2において、薄板Xの幅が1600mmであった場合には、薄板Xに接続可能な薄板の幅は1500mm〜1700mmであり、薄板Pに接続可能な幅は1250mm〜1450mmであるので、1つの接続品では接続できないが、複数の接続品、例えば、幅1600mmの薄板と幅1400mmの薄板とを接続品として用いれば接続可能となるなどである。
【0119】
<画面>
ここで、出力部1030に表示される画面例について説明する。
【0120】
図11は、生産スケジュール作成制御部1010によって表示される接続品候補画面1031の画面例を示す図である。
【0121】
接続品候補画面1031には、連続焼鈍工程の工程スケジュール表2110(図7参照)の内容を示すスケジュール画像1032が表示され、接続不能箇所「D1」及び「D2」のそれぞれに活用できる接続品の候補を示すD1候補一覧画像1033、及び、D2候補一覧画像1034が表示される。D1候補一覧画像1033、及び、D2候補一覧画像1034は、接続品候補テーブル1410(図11参照)から、該当する接続不能箇所の接続品が抽出されて表示される。尚、接続不能箇所に用いる接続品が抽出できなかった場合、すなわち、接続品候補テーブル1410にその接続不能箇所の接続品候補が登録されていない場合は、その旨が表示される。
【0122】
実施形態1では、ユーザは、接続不能箇所ごとに、接続品を選択するものとする。生産スケジュール作成装置1000は、選択された接続品を用いて、スケジュールを再作成する。
【0123】
尚、ユーザに選択させるのではなく、1つの接続不能箇所に複数の接続候補品が接続品抽出部1400によって抽出されたときは、所定の法則、例えば、納期が一番近い製品を選択する等の法則により1つを接続品抽出部1400が自動的に選択して、生産予定品追加部1500に渡して、スケジュールを再作成することとしてもよい。
【0124】
実際の運用では、接続品候補画面1031を生産計画担当者、あるいは受注処理担当者が見ることで、接続用非受注品の替わりに接続品を生産予定に入れるべきか、否かの判断を的確に、且つ迅速に行えることになる。
【0125】
<動作>
以下、生産スケジュール作成装置1000の動作について、図12〜図15を用いて説明する。
【0126】
図12は、生産スケジュール作成装置1000の生産スケジュール作成処理のフローチャートである。
【0127】
まず、ユーザは、スケジュールを作成する対象である生産ラインで生産する製品を決定し、生産予定品テーブル1610を作成して生産予定品記憶部1600に記憶させる。また、生産スケジュール作成処理に必要な各種情報を生産予定品記憶部1600に記憶させる。受注残品テーブル1710を作成して、受注残品記憶部1700に記憶させ、頻繁受注品テーブル1810を作成して頻繁受注品記憶部1800に記憶させる。また、接続条件を接続条件記憶部1900に記憶させる。
【0128】
次に、ユーザは、入力部1020を介してスケジュールの作成を指示するコマンドを入力する。
【0129】
生産スケジュール作成制御部1010は、スケジュールの作成を指示するコマンドが入力された旨の通知を受けると、ラインスケジュール作成部1100にラインスケジュールの作成開始を指示する。
【0130】
指示を受けたラインスケジュール作成部1100は、生産予定品テーブル1610、及び、生産スケジュール作成処理に必要な各種情報を生産予定品記憶部1600から読み出し(ステップS10)、ラインスケジュール及び各工程の処理に必要な情報を作成してラインスケジュール記憶部2000に記憶させる(ステップS11)。
【0131】
次に、生産スケジュール作成制御部1010は、工程スケジュール作成部1200に連続焼鈍工程の工程スケジュールの作成を指示する。
【0132】
指示を受けた工程スケジュール作成部1200は、ラインスケジュール記憶部2000から、冷延工程から渡される生産物の情報、すなわち、生産予定品テーブル1610に登録されている製品に関する情報を読み出し、工程スケジュール表2110を作成する(ステップS12、図7参照)。但し、工程スケジュール作成部1200が内容を設定するのは、工程スケジュール表2110のうち順番2111〜本数2116である。スケジュール表の作成方法は、例えば、図7では、連続焼鈍工程で処理する薄板の厚みが「1.0」、処理温度が「650」と同じであるので、薄板の幅を長い順から降順に並べて処理順序を決める。
【0133】
工程スケジュール表2110を作成した工程スケジュール作成部1200は、作成した工程スケジュール表2110を工程スケジュール記憶部2100に記憶させる。
【0134】
工程スケジュール作成部1200が工程スケジュール表2110を作成すると、生産スケジュール作成制御部1010は、接続不能箇所検出部1300に接続不能箇所の検出を指示する。
【0135】
指示を受けた接続不能箇所検出部1300は、工程スケジュール記憶部2100から、工程スケジュール表2110を読み出し、接続条件記憶部1900から、上記の(式1)〜(式3)、及び、(式1−1)〜(式3−2)を読み出して、接続不能箇所の検出を行う(ステップS13)。
【0136】
具体的には、i=1から13まで順に、(式1)、(式2)、(式3)を満足するか否か判断する。いずれかの式を満足しなかった場合は、接続不能箇所であると判断して、順番2111が「i+1」のレコードに接続不能箇所2117として2重丸を設定し、識別子「D1」等を設定する。
【0137】
例えば、(式1)は、(式1−1)、(式1−2)から、(式1’)となる。
【0138】
Wi−100mm ≦ Wi+1 ≦Wi+100mm (式1’)
ここで、i=2の場合、すなわち、順番2111が「3」の薄板を、順番2111が「2」の薄板に接続する場合を例にとる。順番2111が「3」のレコードの幅2113として「1300」が設定され、順番2111が「2」のレコードの幅2113として「1440」が設定されているので、(式1’)は、1440−100mm ≦ 1300 ≦ 1440+100mm となり、式を満足しないので、順番2111が「3」の薄板を、順番2111が「2」の薄板に接続することはできないと判断する。
【0139】
工程スケジュール表2110の接続不能箇所の検出を終了した接続不能箇所検出部1300は、接続不能箇所が無かった場合、すなわち、接続不能箇所2117に2重丸を設定しなかった場合は(ステップS14:No)、生産スケジュール作成制御部1010を介して、出力部1030に工程スケジュール表2110、及び、接続不能箇所が無かった旨を表示し(ステップS22)、処理を終了する。
【0140】
一方、接続不能箇所が在った場合(ステップS14:Yes)、接続不能箇所検出部1300は、接続品要件テーブル1310を作成する(ステップS15)。
【0141】
具体的には、接続不能箇所2117として2重丸が設定されているレコードを工程スケジュール表2110から検索し、2重丸と共に設定されている接続不能箇所ID、例えば「D1」を、接続不能箇所ID1311として設定したレコードを接続品要件テーブル1310に登録する。そして、その接続不能箇所に挿入する接続品の要件を、そのレコードに設定する。
【0142】
例えば、接続不能箇所IDが「D1」で示される箇所に挿入する接続品は、順番2111が「2」である前の板の幅が1440mm、順番2111が「3」である後ろの板の幅が1300mmなので、その両方に接続可能な幅である必要がある。従って、上記(式1’)から、接続品の幅は、(前の板幅−100)mm以上、でかつ、(後ろの板幅+100)mm以下、すなわち、必要な属性は、“幅が1340mm以上、1400mm以下”となる。
【0143】
同様に、接続不能箇所IDが「D2」で示される箇所に挿入する接続品は、順番2111が「11」である前の板の幅が800mm、順番2111が「12」である後ろの板の幅が660mmなので、必要な属性は、“幅が700mm以上760mm以下”となる。
【0144】
また、厚み、及び、温度についても、同様に上記(式2)、(式2−1)、(式2−2)、(式3)、(式3−1)、(式3−2)から求める。
【0145】
接続品要件テーブル1310を作成した接続不能箇所検出部1300は、作成した接続品要件テーブル1310を接続品抽出部1400に渡して接続品の抽出を指示する。
【0146】
指示を受けた接続品抽出部1400は、接続品要件テーブル1310に登録されている接続品の要件を満たす生産品を抽出し、接続品候補テーブル1410を作成する。
【0147】
具体的には、まず、受注残品記憶部1700に記憶されている受注残品テーブル1710から検索し、接続品候補テーブル1410に登録する(ステップS16)。
【0148】
図13は、図12のステップ16における、接続品抽出部1400が受注残品テーブル1710から接続品候補を抽出する処理を示すフローチャートである。
【0149】
接続品抽出部1400は、接続品要件テーブル1310から最初のレコード、すなわち、最初の接続不能箇所の接続品要件を読み出す(ステップS30)。
【0150】
そして、そのレコードに設定されている接続品要件を満たす受注残品を、受注残品テーブル1710から検索する(ステップS31)。詳細には、受注残品テーブル1710に登録されている1レコード目から順に読み出して、そのレコードの幅1713、厚み1714、温度1715として設定されている要件が、接続品要件テーブル1310から読み出したレコードの厚み1312、温度1313、幅1314として設定されている要件を満たしているか否かを判断する。
【0151】
要件を満たしている場合(ステップS31:Yes)、接続品抽出部1400は、接続品候補テーブル1410にレコードを追加する(ステップS32)。具体的には、受注残品テーブル1710から読み出したレコードの受注残品ID1711として設定されているIDを接続品ID1411として設定し、特性1412として「受注残」を設定し、本数1712として設定されている本数を本数/頻度1413として設定し、接続品要件テーブル1310から読み出したレコードの接続不能箇所ID1311として設定されているIDを活用箇所1414として設定したレコードを、接続品候補テーブル1410に設定する。この際、接続品抽出部1400は、接続品候補テーブル1410にレコードを追加した場合は、受注残品テーブル1710から読み出したレコードの本数1712に設定されている本数から1引いた値、すなわち、残りの本数を、内部の作業領域に記憶しておくものとする。そして、記憶している本数が0(ゼロ)であった場合は、接続品候補テーブル1410へのレコードの追加は行わないものとする。
【0152】
受注残品テーブル1710の最後のレコードまで検索したら(ステップS33:Yes)、接続品抽出部1400は、接続品要件テーブル1310から次のレコードを読み出して(ステップS30)、ステップS31〜ステップS33の処理を行う。
【0153】
接続品抽出部1400は、接続品要件テーブル1310の最後のレコードまで処理を行ったら(ステップS34Yes)、抽出処理を終了する。
【0154】
接続品候補を抽出する処理、すなわち、図12のステップS16の処理を終了した接続品抽出部1400は、次に、接続品要件テーブル1310に登録されている接続品、すなわち、接続不能箇所ID1311に設定されているIDが示す接続不能箇所に挿入する接続品が、すべて抽出できたか否か判断する(ステップS17)。具体的には、接続品要件テーブル1310の接続不能箇所ID1311に設定されているIDがすべて、接続品候補テーブル1410の活用箇所1414に設定されている場合は、すべて抽出できた、すなわち、接続不能箇所は残っていないと判断し(ステップS17:No)、生産スケジュール作成制御部1010を介して、出力部1030に接続品候補画面1031を表示する(ステップS19)。
【0155】
一方、接続不能箇所は残っていると判断した場合(ステップS17:Yes)、接続品抽出部1400は、接続品が抽出されていない接続不能箇所の接続品を、頻繁受注品記憶部1800に記憶されている頻繁受注品テーブル1810から検索する(ステップS18)。具体的には、接続品要件テーブル1310の接続不能箇所ID1311に設定されているが、接続品候補テーブル1410の活用箇所1414に設定されていないIDを検索し、そのIDが接続不能箇所ID1311として設定されているレコードの厚み1312〜幅1314を満たす接続品を検索、接続品候補テーブル1410に登録する。
【0156】
図14は、図12のステップ18における、接続品抽出部1400が頻繁受注品テーブル1810から接続品候補を抽出する処理を示すフローチャートである。
【0157】
接続品抽出部1400は、接続品要件テーブル1310からレコードを順に読み出し、そのレコードの接続不能箇所ID1311として設定されているIDが活用箇所1414として設定されているレコードが、接続品候補テーブル1410に登録されていないものを検索する(ステップS40)。
【0158】
そして、接続品要件テーブル1310から読み出したレコードに設定されている接続品要件を満たす頻繁受注品を、頻繁受注品テーブル1810から検索する(ステップS41)。詳細には、頻繁受注品テーブル1810に登録されている1レコード目から順に読み出して、そのレコードの温度1812、厚み1813、幅1814として設定されている要件が、接続品要件テーブル1310から読み出したレコードの厚み1312、温度1313、幅1314として設定されている要件を満たしているか否かを判断する。
【0159】
要件を満たしている場合(ステップS41:Yes)、接続品抽出部1400は、接続品候補テーブル1410にレコードを追加する(ステップS42)。具体的には、頻繁受注品テーブル1810から読み出したレコードの頻繁受注品ID1811として設定されているIDを接続品ID1411として設定し、特性1412として「頻繁受注」を設定し、平均本数1815として設定されている頻度を本数/頻度1413として設定し、接続品要件テーブル1310から読み出したレコードの接続不能箇所ID1311として設定されているIDを活用箇所1414として設定したレコードを、接続品候補テーブル1410に設定する。
【0160】
頻繁受注品テーブル1810の最後のレコードまで検索したら(ステップS43:Yes)、接続品抽出部1400は、接続品要件テーブル1310から次に該当するレコードを読み出して(ステップS40)、ステップS41〜ステップS43の処理を行う。
【0161】
接続品抽出部1400は、接続品要件テーブル1310の最後のレコードまで処理を行ったら(ステップS44Yes)、抽出処理を終了する。
【0162】
接続品候補を抽出する処理、すなわち、図12のステップS18の処理を終了した接続品抽出部1400は、生産スケジュール作成制御部1010を介して、出力部1030に接続品候補画面1031を表示する(ステップS19)。
【0163】
ユーザは、接続品候補画面1031に表示された接続品候補から各接続不能箇所に用いる接続品を、入力部1020を用いて選択する。
【0164】
入力部1020を介して、ユーザが選択した接続品を取得した生産スケジュール作成制御部1010は、取得した接続品に該当するレコードを接続品候補テーブル1410から読み出し、読み出したレコードを生産予定品追加部1500に渡し、追加を指示する。
【0165】
指示を受けた生産予定品追加部1500は、特性1412が「受注残」であるレコードの場合は、そのレコードの接続品ID1411に設定されているIDが、受注残品テーブル1710の受注残品ID1711として設定されているレコードの内容を、生産予定品テーブル1610に追加し、そのレコードを受注残品テーブル1710から削除する。ただし、そのレコードの本数1712が「2」以上であった場合は、レコードを削除せずに、1減算した値を本数1712として設定する。また、特性1412が「頻繁受注」であるレコードの場合は、そのレコードの接続品ID1411に設定されているIDが、頻繁受注品テーブル1810の頻繁受注品ID1811として設定されているレコードの内容を、生産予定品テーブル1610に追加する(ステップS20)。
【0166】
生産予定品追加部1500が生産予定品テーブル1610に接続品を追加すると、生産スケジュール作成制御部1010は、終了判定を行う。実施形態1の場合、スケジュールを2回作成したら終了とする。終了である場合(ステップS21:Yes)、生産スケジュール作成制御部1010は、工程スケジュール記憶部2100に記憶されている最新の工程スケジュール表2110を出力部1030に表示する(ステップS22)。
【0167】
一方、終了でない場合(ステップS21:No)、生産スケジュール作成制御部1010は、ステップS10から実行する。
【0168】
図15に、新しい工程スケジュール表2120の例を示す。新しいスケジュールでは、生産予定品IDとして「F3」、「Z5」が設定されたレコード、すなわち、順番2111が「3」と「13」のレコードが追加されており、接続不能箇所2117には、2重丸が設定されていない。すなわち、接続非受注品を用いずに連続生産ができるスケジュールとなっている。
【0169】
また、図18に、連続生産のキーが厚みである場合の接続品候補テーブル1420の例を示す。すなわち、図17の工程スケジュール表2130における接続不能箇所「D3」に用いる接続品候補を、図16の受注残品テーブル1720から抽出した場合に、接続品抽出部1400が作成する接続品候補テーブル1420の例である。尚、接続条件記憶部1900に記憶されている接続条件は同じである。
<実施形態2>
実施形態1では、生産ラインのスケジュールを最初に立てる段階で、接続品が必要であることを検出し、受注残品、又は、頻繁受注品から接続品を抽出した。図1でいえば、第2週目開始の生産ライン(A1〜A14を生産)のスケジューリングを第1週目に行っている時に、接続品(Z5、F3)を生産予定品に加えた。
【0170】
実施形態2では、接続品を、次の単位生産期間で生産する製品から抽出して現在の生産ラインで生産し、接続品として用いる。図19を用いて、実施形態2の処理を説明する。
【0171】
まず、第2週目に鋳造工程を開始する生産ライン(図19の「生産ライン1」参照)は、実施形態1(図3参照)で接続品として選択された、受注残品Z5と頻繁受注品F3とを含む生産予定品(A1〜A14、Z5、F3)の生産を開始する(矢印10参照)。
【0172】
第2週目に生産ライン1の鋳造工程を行っている時に、第3週目に鋳造工程を開始する生産ライン(図19の「生産ライン2」参照)の生産予定品(N1〜N8)が決定される(矢印20参照)。
【0173】
ここで、生産ライン2の生産予定品の中に生産ライン1の接続品F3の代わりとして用いることができる製品N2が含まれる場合は、生産ライン1の熱延工程(第3週目)から、N2を生産に加える。但し、N2の原料が、生産ライン1の熱延工程を開始する時に在庫として在り、その在庫は使用する予定が無いことが条件となる(矢印21参照)。
【0174】
N2は受注品であることから、受注される可能性が高いとはいえ受注品ではない頻繁受注品F3を生産するよりも、在庫として抱えておく期間が短くなり、生産性をより向上させることが可能となる。N2は、第6週目に出荷可能となり、第7週目に出荷するので、1週間在庫となる。すなわち、確実に長期滞留在庫が少なくなる。
【0175】
また、受注残材や頻繁受注品に接続品として用いる製品が無く、スケジューリングの段階では接続用非受注品を用いなければないと判断した場合であっても、生産を開始した後に、次の生産ラインの生産品を用いる様にスケジュールを変更することが可能となり、より生産性を向上させることが可能となる。
【0176】
尚、実施形態2では、鋳造工程終了後の在庫を用いて接続品を生産する例を説明するが、熱延工程以降の工程終了後の中間在庫がある場合には、その在庫を使用することとしてもよい。
【0177】
<構成>
実施形態2の生産スケジュール作成装置5000の構成を説明する。
【0178】
図20は、生産スケジュール作成装置5000の機能ブロックの構成を示す図である。
【0179】
生産スケジュール作成装置5000は、生産スケジュール作成制御部5010、入力部1020、及び、出力部1030を備えて構成される。
【0180】
生産スケジュール作成制御部5010は、例えば、マイクロプロセッサおよびその周辺回路等を備えて構成され、機能的に、ラインスケジュール作成部5100、工程スケジュール作成部1200、接続不能箇所検出部1300、接続品抽出部5400、生産予定品追加部5500、生産予定品記憶部1600、受注残品記憶部1700、頻繁受注品記憶部1800、接続条件記憶部1900、ラインスケジュール記憶部2000、工程スケジュール記憶部2100、接続品属性記憶部6100、中間製品情報記憶部6200、及び、中間在庫記憶部6300を備え、制御プログラムに従い入力部1020、及び、出力部1030を当該機能に応じてそれぞれ制御する。
【0181】
ここで、生産スケジュール作成装置5000の機能部のうち、図4で示した生産スケジュール作成装置1000の機能部と同じ符号を付したものは、同一の機能を有するものである。従って、生産スケジュール作成装置1000と異なる機能部について、その差を中心に説明する。
【0182】
ラインスケジュール作成部5100は、生産予定品記憶部1600に記憶されている生産予定品を読み出し、生産ラインのスケジュールを作成し(図1参照)、ラインスケジュール記憶部2000に記憶させる等、実施形態1のラインスケジュール作成部1100と同様の機能を有する。更に、ラインスケジュール作成部5100は、各工程が終了した時に生ずる在庫品を中間在庫記憶部6300に記憶させる機能を有する。また、スケジューリングした生産予定品の、鋳造段階、すなわち、鋳造工程終了時における製品の状態に関する情報(以下、「中間製品情報」という。)を中間製品情報記憶部6200に記憶させる機能を有する。
【0183】
接続品抽出部5400は、接続不能箇所検出部1300から渡された接続品要件に合致する接続品を、受注残品記憶部1700に記憶されている受注残品、又は、頻繁受注品記憶部1800に記憶されている頻繁受注品の中から抽出する等、実施形態1の接続品抽出部1400と同様の機能を有する。この際、接続品抽出部5400は、抽出した受注残品及び頻繁受注品に関する情報を接続品属性記憶部6100に記憶させる。更に、接続品抽出部5400は、生産スケジュール作成制御部5010からの指示に応じて、次の生産ラインでの生産予定品から、接続品を抽出する機能を有する。その際、接続品抽出部5400は、中間製品情報記憶部6200に記憶されている次の生産ラインの中間製品情報を参照する。
【0184】
生産予定品追加部5500は、接続品抽出部1400が抽出した接続品を、生産予定品記憶部1600に記憶されている生産予定品に追加する等、実施形態1の生産予定品追加部1500と同様の機能を有する。生産予定品追加部5500は、生産予定品を追加する際、中間在庫を用いる場合は、その旨、及び、中間在庫を用いて生産するために必要な情報を生産予定品記憶部1600に追加する。
【0185】
接続品属性記憶部6100は、接続品抽出部5400が抽出し、生産予定品追加部5500に通知した接続品に関する情報を記憶しておく機能を有する。
【0186】
中間製品情報記憶部6200は、中間製品情報を記憶しておく機能を有する。実施形態2では、スケジューリングした生産予定品の、鋳造段階終了時の各生産予定品の状態を示す情報、すなわち、中間製品情報を記憶しておく機能を有する。
【0187】
中間在庫記憶部6300は、各工程での中間在庫を記憶しておく機能を有する。中間在庫は、生産ライン毎の各工程での処理を開始する時の在庫が読み出せるように管理されているものとする。
【0188】
<データ>
実施形態2の生産スケジュール作成装置5000でのみ用いるデータついて図21〜図24を用いて説明する。実施形態1の生産スケジュール作成装置1000で用いるデータは、生産スケジュール作成装置5000でも用いる。
【0189】
図21は、中間製品情報テーブル6210の構成及び内容の例を示す図である。この中間製品情報テーブル6210は、中間製品情報記憶部6200に記憶されており、1生産ラインの生産予定品ごとに1テーブルが記憶されている。そして、1テーブルには、1製品が1レコードとして登録されている。図21の中間製品情報テーブル6210の内容は、図19における生産ライン2の、鋳造工程が終了した時の各生産予定品の状態を示している。
【0190】
中間製品情報テーブル6210は、生産予定品ID6211、温度6212、厚み6213、幅6214、及び、中間製品情報6215で構成される。
【0191】
生産予定品ID6211は、生産する予定の製品を特定する識別子を示す。
【0192】
温度6212は、生産予定品ID6211で特定する薄板を処理する温度を示す。
【0193】
厚み6213は、生産予定品ID6211で特定する薄板の厚みを示す。
【0194】
幅6214は、生産予定品ID6211で特定する薄板の幅を示す。
【0195】
中間製品情報6215は、生産予定品ID6211で特定する薄板の、鋳造段階での中間製品の情報を示し、「鋳造鋼種」、「鋳造厚」及び「鋳造幅」の項目を有する。
【0196】
図22は、中間在庫テーブル6310の構成及び内容の例を示す図である。この中間在庫テーブル6310は、中間在庫記憶部6300に記憶されており、工程の処理を開始する際の中間在庫品が工程ごとに1テーブル記憶されている。そして、1テーブルには、1在庫品が1レコードとして登録されている。図22の中間在庫テーブル6310の内容は、図19における生産ライン2の、冷延工程を開始する際の中間在庫品の例である。
【0197】
中間在庫テーブル6310は、中間製品ID6311、鋳造鋼種6312、鋳造厚6313、鋳造幅6314、及び、個数6315で構成される。
【0198】
中間製品ID6311は、中間製品を特定する識別子を示す。鋳造鋼種6312は、中間製品ID6311で特定する中間製品の鋳造鋼種を示し、鋳造厚6313は、中間製品の厚みを示す。また、鋳造幅6314は、中間製品ID6311で特定する中間製品の幅を示し、個数6315は、個数を示す。
【0199】
図23は、接続品属性テーブル6110の構成及び内容の例を示す図である。この接続品属性テーブル6110は、接続品属性記憶部6100に記憶されており、接続品抽出部5400によって記憶される。この接続品属性テーブル6110は、接続品抽出部5400が抽出し、生産予定品追加部5500に渡した接続品の属性を記録しておくテーブルである。
【0200】
接続品属性テーブル6110は、接続品ID6111、特性6112、本数/頻度6113、活用箇所6114、厚み6115、温度6116、及び、幅6117で構成される。
【0201】
接続品ID6111は、接続品を特定するIDを示し、特性6112は、接続品ID6111で特定する接続品が、受注残品テーブル1710及び頻繁受注品テーブル1810のいずれのテーブルに登録されている製品であるかを示す。本数/頻度6113は、接続品ID6111で特定する接続品についての情報を示し、特性6112が「受注残」である場合は、受注している本数を示し、特性6112が「頻繁受注」である場合は、過去における1週間に受注した平均本数を示す。活用箇所6114は、接続品ID6111で特定する接続品を活用する箇所、すなわち、接続不能箇所を示す。
【0202】
厚み6115は、活用箇所6114で示される接続不能箇所に挿入する接続品、すなわち、薄板の厚みの要件を示す。温度6116は、活用箇所6114で示される接続不能箇所に挿入する接続品を処理する温度の要件を示し、幅6117は、接続品の幅の要件を示す。
【0203】
図24は、接続品候補テーブル5410の構成及び内容の例を示す図である。この接続品候補テーブル5410は、中間製品情報テーブル6210の生産予定品ID6211で示される生産予定品のうち、中間在庫テーブル6310の中間製品ID6311で示される中間製品から生産できる生産予定品のリストである。
【0204】
接続品候補テーブル5410は、生産予定品ID5411で構成される。
【0205】
生産予定品ID5411は、中間製品から生産できる生産予定品を特定するIDを示す。具体的には、中間製品情報テーブル6210(図21参照)の生産予定品ID6211に設定されているIDのうちの何れかが設定される。
【0206】
また、図26及び図27は、工程スケジュール表2140及び工程スケジュール表2150の例を示す。工程スケジュール表2140は、接続不能箇所D1に用いる接続品が決定されていない場合の例であり、工程スケジュール表2150は、次の生産ラインの生産予定品を接続品として用いた例である。以下の<動作>において参照する
<動作>
以下、生産スケジュール作成装置5000の動作について、図25を用いて説明する。
【0207】
ここで説明する動作は、図19の生産ライン2の鋳造工程の処理中に行うスケジュール作成処理である。すなわち、第2週目に生産ライン1のスケジュールを見直す処理である。従って、第1週目の生産ライン1のスケジュール作成処理は、実施形態1で説明したように実行されているものとする。但し、接続品抽出部5400は、図12のステップS19において出力部1030に表示された接続品候補画面1031からユーザが選択した接続品を、生産スケジュール作成制御部5010から取得し、接続品属性テーブル6110を作成して接続品属性記憶部6100に記憶しておくものとする。具体的には、ユーザが選択した接続品が接続品候補テーブル1410の接続品ID1411として設定されているレコードの接続品ID1411〜活用箇所1414として設定されているデータを、接続品ID6111〜活用箇所6114として設定し、活用箇所6114として設定したIDが接続品要件テーブル1310の接続不能箇所ID1311として設定されているレコードの厚み1312〜幅1314として設定されているデータを、厚み6115〜幅6117として設定したレコードを、接続品属性テーブル6110に登録する。
【0208】
図25は、生産スケジュール作成装置5000の接続品入替処理のフローチャートである。
【0209】
ユーザが、入力部1020を介してスケジュールの見直しを指示するコマンドを入力する。
【0210】
生産スケジュール作成制御部5010は、スケジュールの見直しを指示するコマンドが入力された旨の通知を受けると、接続品抽出部5400に接続品の見直しの開始、すなわち、接続品入替処理の開始を指示する。
【0211】
指示を受けた接続品抽出部5400は、中間製品情報記憶部6200からつぎの生産ラインの中間製品情報テーブル6210を読み出し(ステップS50)、中間在庫記憶部6300から中間在庫テーブル6310を読み出す(ステップS51)。そして、接続品抽出部5400は、接続品候補テーブル5410を作成する。具体的には、中間製品情報テーブル6210に登録されているレコードに中間製品情報6215として設定されている「鋳造鋼種」、「鋳造厚」及び「鋳造幅」のデータと同じ内容のデータが、中間在庫テーブル6310の鋳造鋼種6312、鋳造厚6313、及び、鋳造幅6314として設定されているレコードが中間在庫テーブル6310に登録されているか検索する。レコードがあった場合、生産予定品ID6211に設定されているIDを接続品候補テーブル5410の生産予定品ID5411に追加する。
【0212】
次に、接続品抽出部5400は、工程スケジュール記憶部2100から焼鈍工程のスケジュールを読み出し、接続不能箇所2117に2重丸が設定されている否か、すなわち、接続品が決まっていない接続不能箇所が在るか否かを検索する(ステップS53)。
【0213】
接続品が決まっていない接続不能箇所が在る場合には(ステップS53:Yes)、接続品要件テーブル1310を参照して、接続品要件に合致する生産予定品を中間製品情報テーブル6210から抽出する(ステップS54)。例えば、焼鈍工程のスケジュールが工程スケジュール表2140(図26参照)のような場合である。具体的には、接続不能箇所2117に設定してあるIDが接続不能箇所ID1311とし設定されているレコードの厚み1312〜幅1314として設定されている要件が、温度6212〜幅6214として設定されているレコードがあるかを検索する。検索したレコードのとして設定されている生産予定品IDを記憶しておく。
【0214】
次に、接続品抽出部5400は、頻繁受注品である接続品があるか否かを検索する(ステップS55)。具体的には、接続品属性テーブル6110の特性6112として「頻繁受注」が設定されているレコードを検索する。
【0215】
レコードがあった場合(ステップS55:Yes)、この頻繁受注品の代わりとなり得る生産予定品を中間製品情報テーブル6210から検索し、検索された場合は、この頻繁受注品と入れ替える(ステップS56)。具体的には、接続品抽出部5400は、接続品属性テーブル6110の厚み6115〜幅6117として設定されている要件に合致する生産予定品が、中間製品情報テーブル6210に在るか、すなわち、温度6212〜幅6214として設定されているデータが要件に合致するレコードを検索する。レコードがあった場合、生産予定品ID6211として設定されている生産予定品IDを、ステップS54で記憶しておいたIDと共に、生産予定品追加部1500に渡し、追加を指示する。
【0216】
指示を受けた生産予定品追加部1500は、生産予定品テーブル1610に追加する(ステップS57)。
【0217】
生産予定品追加部1500が生産予定品テーブル1610に接続品を追加すると、生産スケジュール作成制御部1010は、ラインスケジュール作成部5100及び工程スケジュール作成部1200にスケジュールを作成させ、工程スケジュール記憶部2100に記憶されている最新の工程スケジュール表2110を出力部1030に表示する(ステップS58)。受注残品「Z5」と、次の生産ラインでの生産予定品「N2」を接続品として用いる焼鈍工程の工程スケジュール表2150を図27に示す。
【0218】
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
【符号の説明】
【0219】
1000 5000 生産スケジュール作成装置
1010 5010 生産スケジュール作成制御部
1020 入力部
1030 出力部
1100 5100 ラインスケジュール作成部
1200 工程スケジュール作成部
1300 接続不能箇所検出部
1400 接続品抽出部
1500 5500 生産予定品追加部
1600 生産予定品記憶部
1700 受注残品記憶部
1800 頻繁受注品記憶部
1900 接続条件記憶部
2000 ラインスケジュール記憶部
2100 工程スケジュール記憶部
6100 接続品属性記憶部
6200 中間製品情報記憶部
6300 中間在庫記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数工程から成る生産ラインによって生産する製品の、生産スケジュールを作成するスケジュール作成装置であって、
前記複数工程のうちの1工程であって、複数の製品を連続して処理する工程において、連続して処理できる製品同士であるか否かを示す接続条件を記憶している接続条件記憶手段と、
受注した製品のうちの一部の製品であって、前記生産ラインで生産する予定の複数の製品である生産予定製品を生産した場合に、前記1工程において、前記生産予定製品を順に処理した場合に、前記接続条件を満たさない接続箇所を検出する検出手段と、
前記検出手段が前記接続箇所を検出した場合に、当該接続箇所の前後のいずれの製品とも前記接続条件を満たす製品である接続製品を、前記受注した製品であって、前記生産予定製品以外の製品である受注残製品のうちから抽出する抽出手段と
を備えることを特徴とする生産スケジュール作成装置。
【請求項2】
前記スケジュール作成装置は、更に、過去に出荷した製品を記憶している受注製品記憶手段を備え、
前記抽出手段は、前記受注残製品に代えて、前記受注製品記憶手段に記憶されている製品のうちから、前記接続製品を抽出する
ことを特徴とする請求項1に記載の生産スケジュール作成装置。
【請求項3】
前記スケジュール作成装置は、更に、過去に出荷した製品を記憶している受注製品記憶手段を備え、
前記抽出手段は、前記受注残製品から前記接続製品を抽出できなかった場合に、前記受注製品記憶手段に記憶されている製品のうちから、前記接続製品を抽出する
ことを特徴とする請求項1に記載の生産スケジュール作成装置。
【請求項4】
前記生産ラインの複数工程は、それぞれ所定期間ずつ処理を行い、
前記スケジュール作成装置は、更に、工程ごとに在庫製品を記憶する在庫記憶手段を備え、
前記抽出手段は、前記受注残製品に代えて、次の所定期間で処理を行う予定の製品であって、前記在庫製品から生産できる製品のうちから、前記接続製品を抽出する
ことを特徴とする請求項1に記載の生産スケジュール作成装置。
【請求項5】
前記生産ラインの複数工程は、それぞれ所定期間ずつ処理を行い、
前記スケジュール作成装置は、更に、工程ごとに在庫製品を記憶する在庫記憶手段を備え、
前記抽出手段は、前記受注製品記憶手段に記憶されている製品、及び、次の所定期間で処理を行う予定の製品であって、前記在庫製品から生産できる製品の双方から、前記接続製品を抽出し、前記在庫製品から生産できる製品から前記接続製品を抽出できた場合には、当該接続製品を接続製品として抽出する
ことを特徴とする請求項2に記載の生産スケジュール作成装置。
【請求項6】
前記スケジュール作成装置は、更に、前記抽出手段で抽出した接続製品を、前記生産予定製品に追加する生産製品追加手段を備える
ことを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の生産スケジュール作成装置。
【請求項7】
複数工程から成る生産ラインによって生産する製品の、生産スケジュールを作成し、前記複数工程のうちの1工程であって、複数の製品を連続して処理する工程において、連続して処理できる製品同士であるか否かを示す接続条件を記憶している接続条件記憶手段を備えるスケジュール作成装置で用いられる生産スケジュール作成方法であって、
受注した製品のうちの一部の製品であって、前記生産ラインで生産する予定の複数の製品である生産予定製品を生産した場合に、前記1工程において、前記生産予定製品を順に処理した場合に、前記接続条件を満たさない接続箇所を検出する検出ステップと、
前記検出ステップで前記接続箇所を検出した場合に、当該接続箇所の前後のいずれの製品とも前記接続条件を満たす製品である接続製品を、前記受注した製品であって、前記生産予定製品以外の製品である受注残製品のうちから抽出する抽出ステップと
を備えることを特徴とする生産スケジュール作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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