生産計画装置、生産計画方法、製造装置、及び生産計画プログラム
【課題】
生産工程に連産品の生産を含む製品の製造において、連産品を含む品目の余剰在庫が少ない生産計画を提供する。
【解決手段】
製品別出荷期間別の出荷量を満たし、かつ連産品の生成比率が生成比率レンジの最小値以上最大値以下であって、かつ各品目の在庫量が最小となるように、連産品の生成比率および生産計画(品目別期間別生産量)を計算する装置を備える。連産品から生産される製品の出荷計画に基づいて、連産品の生産計画を行うことができることから、生産計画の精度が向上するとともに、生産に際して、計算時間を短縮することができる。
生産工程に連産品の生産を含む製品の製造において、連産品を含む品目の余剰在庫が少ない生産計画を提供する。
【解決手段】
製品別出荷期間別の出荷量を満たし、かつ連産品の生成比率が生成比率レンジの最小値以上最大値以下であって、かつ各品目の在庫量が最小となるように、連産品の生成比率および生産計画(品目別期間別生産量)を計算する装置を備える。連産品から生産される製品の出荷計画に基づいて、連産品の生産計画を行うことができることから、生産計画の精度が向上するとともに、生産に際して、計算時間を短縮することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原料にある加工を施した際に、複数の品目が連産される工程を持つ製品の製造プロセスにおいて、製品の出荷計画を守りかつ在庫を抑える生産計画を作成する装置およびそれを用いた製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原料から製品を生産する業務のうち、1つの原料から複数の製品もしくは半製品が生成される場合がある。生成された品目は、一般に連産品もしくは副産物と呼ばれる(以下、本明細書では連産品と呼ぶ)。例えば、小麦粉の生産では、原料の小麦を精選、粉砕して粉に加工するが、この粉は粉砕部位により灰分量が異なり、その用途も異なる。そのため、灰分量に応じて一等粉、二等粉、三等粉、末粉・・・と別の品目として分別・管理される。
一般に、ある原料から得られる連産品の生成比率には、既定の範囲がある。一方で、製品の需要は必ずしも連産品の生成比率とは一致しないため、ある特定の連産品が必要だとしても、他の品目も連産されるため、需要の少ない連産品の在庫が増えるリスクがある。
連産品を含む生産の生産計画では、製品の出荷計画を元に連産品の必要量を固定の生成比率もしくは複数の生成比率から選択し、原料である小麦の投入量と投入時期を決めている。一方で生産現場では、需要のある連産品を多く採り、需要のない連産品を少なくするために、現場で連産品および連産品を使って生産した製品の実在庫を見て、生成比率を調整している。
連産品の生産計画立案に計算機を用いた例として、特許文献1では、副産物の生成比率を気温や湿度などの抽出条件から選択することで、副産物の生産量を計算している。また、特許文献2では、複数の生成比率で生産したときの在庫量をそれぞれ求め、最も基準に近い生成比率を選択する方法を記している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-262539号公報
【特許文献2】特開2007-179306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生産現場で実在庫を見て連産品の生成比率を調整する場合では、計画上の在庫と実在庫が合わず、計画精度が悪いという問題があった。また、生産比率を決定するための時間が必要となる。また、連産品を使って生産した製品を生産している場合、製品の種類が、例えば小麦粉だと数千以上になるため、現場作業者が全ての製品の出荷計画およびブレンドまで考慮して生成比率を決めるのは時間的に難しいため、実施していない。
【0005】
また、特許文献1では、副産物の生成比率は入力情報で指定したものを使うため、背景技術で述べたように、現場で調整した生成比率と合わない可能性がある。また、特許文献2だと、連産品の在庫過不足を考慮することができるが、連産品を組み合わせた品目の在庫過不足は考慮せず、仮に連産品を組み合わせた品目の在庫過不足まで考慮しようとすると、品目数が先の小麦粉の例のように数千以上あった場合、品目全ての在庫計算を複数の生成比率の候補の数だけ計算する必要があるため、処理時間が懸念される。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、ある品目Aからn種の品目B1〜Bnが連産されるとき、連産品を組み合わせた製品の出荷計画及び連産品の生産計画を立てるにあたり、計画精度を高めるとともに、処理時間を高速化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため本発明では、連産品を用いて生産される製品の出荷計画に基づき、連産品の生産計画を作成する生産計画装置であって、入力された情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された情報に基づき計算処理を行う処理部と、前記処理部において計算された結果を出力する出力部とを備え、前記記憶部は、連産品を用いて生産される製品と、当該製品の出荷時期と、当該製品の出荷量を記憶する出荷計画記憶部と、 連産品が生産される原料となる各品目の1単位当たりの連産品の生成比率の最小値と最大値を記憶する生成比率レンジ記憶部と、を有し、前記処理部において、前記出荷計画記憶部において記憶された製品における出荷時期及び出荷量を満たし、かつ各品目の1単位当たりの連産品の生成比率が前記生成比率レンジ記憶部に記憶された連産品の生成比率の最小値以上と最大値以下となるように、前記原料の投入量と、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定し、前記出力部より決定された原料の投入量と、前記連産品の生成比率及び生産時期を出力する構成とする。
【0007】
また、前記記憶部は、さらに、 連産品を用いて生産される各製品の構成を示す構成表を格納した品目構成記憶部と、前記製品の生産工程および作業時間を格納した工程情報記憶部と、前記製品の在庫および仕掛量を格納した在庫仕掛記憶部と、を有し、前記処理部は、前記各製品における在庫量が最小となるように、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定する構成とする。
【0008】
また、前記記憶部は、さらに、連産品を用いて生産される各製品の構成を示す構成表を格納した品目構成記憶部と、前記製品の生産工程および作業時間を格納した工程情報記憶部と、前記製品の生産コストを記憶した生産コスト記憶部と、を有し、前記処理部は、前記各製品における生産コストが最小となるように、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定する構成とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、連産品から生産される製品の生産計画の精度を向上させるとともに、処理の高速化を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」の構成図である。
【図2】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」を説明する「モノ」の流れを示す図である。
【図3】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」の動作を説明する品目の構成図である。
【図4】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」の動作を説明する工程情報を示す図である。
【図5】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」の動作を説明する在庫仕掛情報を示す図である。
【図6】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」の動作を説明する生成比率レンジ情報を示す図である。
【図7】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」の動作を説明する出荷計画情報を示す図である。
【図8】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」の動作を説明する生産計画および連産品の生成比率を計算する処理部の処理の流れを示す図である。
【図9】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」の動作を説明する生産計画情報を示す図である。
【図10】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」の動作を説明する生成比率情報を示す図である。
【図11】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」および表示装置との構成図である。
【図12】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」の動作を説明する出力例を示す図である。
【図13】本発明に係る一実施形態としての連産品の「製造装置」の構成図である。
【図14】本発明に係る一実施形態としての連産品の「製造装置」の動作を説明する製造条件の情報を示す図である。
【図15】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」の動作を説明する生産コスト情報を示す図である。
【図16】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」の別の実施形態の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0011】
以下、本発明に係る実施形態としての「生産計画装置」について、適宜小麦粉の生産を例にとり図面を用いて説明する。なお、本発明は小麦粉に限定されるものではなく、生産プロセスの中に連産品が含まれる製品であれば適用することが可能である。例えば食品ならば米、油、お茶などがあり、非食品ならば石油などがある。
【0012】
原料の投入から製品の出荷までのモノの流れについて図2を用いて説明する。実際の生産工程は図2よりも複雑であるが、本実施例では、本発明の内容を明確に示すために、製品の種類、品目構成、工程数を単純化して説明するものとする。
まず原料Aを投入し、工程1で加工することで連産品B1〜B3ができる。連産品B1〜Bnのうち、必要な品目を工程2でブレンドすることで、製品P1ができる。小麦粉の場合、原料が小麦、精選〜挽砕〜採分工程を経て連産品である1等粉、2等粉、3等粉、末粉に加え、副産物であるふすまや胚芽も採り分けられる。この実施形態での「工程」とは、設備や作業者であってもよいし、その集合体であってもよいし、工場を1つの工程とみなしてもよい。一般に、製造業では勤労や原価など、何らかの都合で設備や作業者を集合体(組織)で管理していることが多いので、それを「工程」とみなしてもよい。
【0013】
この実施形態における生産計画装置100を、図1で説明する。本装置は、「入力情報を記憶する記憶部」と、「計算し結果を出力する処理部」、「計算結果を記憶する記憶部」とから構成される。
【0014】
入力情報となる記憶部は、製品毎の要求時期と数量を記憶する出荷計画情報を記憶する出荷計画記憶部101製品を含む品目の構成表を記憶する品目構成記憶部102品目の生産工程および作業時間を格納した工程情報記憶部103各品目の在庫および仕掛量を記憶する在庫仕掛記憶部104連産品の生成比率の最小値と最大値を記憶する生成比率レンジ記憶部105から構成される。記憶部104は、情報がない場合には構成から外してもよい。
【0015】
計算を行う処理部は、出荷計画情報に基づき、品目の時期別生産量および連産品の時期別生成比率を変数として、品目構成情報、生成比率レンジ情報と、必要に応じて在庫仕掛情報を用いて、制約条件および目的関数を生成し、最適化計算プログラムを用いて前記変数の値を計算する処理部106で計算した変数の値から、品目の時期別生産量および連産品の時期別生成比率の値を出力するデータ出力部107から構成される。
計算結果を記憶する記憶部は、データ出力部107から出力された品目の時期別生産量を記憶する生産計画記憶部108、および連産品の時期別生成比率の値を記憶する生成比率記憶部109が該当する。
生産計画装置はパーソナルコンピュータなどの計算機に搭載されており、ハードディスクに「入力情報を記憶する記憶部」「計算結果を記憶する記憶部」、および「計算し結果を出力する処理部」のプログラムを格納する。プログラムに記述された処理をCPUが実行する。具体的には、プログラムで指定した入力情報をハードディスクの「入力情報を記憶する記憶部」よりメモリに読み込み、CPUにてプログラムで指定した演算を行い、演算結果をメモリに一時保管する。メモリに保存された演算結果のうち、プログラムで指定したものをハードディスクの「計算結果を記憶する記憶部」に出力する。また、演算結果は必要に応じてプログラマブルコントローラなどの制御装置に出力する。
「入力情報を記憶する記憶部」と、「計算し結果を出力する処理部」、「計算結果を記憶する記憶部」は、スタンドアロンの記憶装置に全て搭載してもよいし、イーサーネット等で接続された装置それぞれに分散して搭載し、必要に応じてネットワークを介して情報を送受信してもよい。
【0016】
次に、この実施形態の生産計画装置100の動作について、適宜具体的な例を用いて説明する。図3に品目構成を示す。製品「P1」1単位は、品目「B1」を40%と、品目「B2」を60%配合して生産する。製品「P2」1単位は、品目「B2」を70%と、品目「B3」を30%配合して生産する。また、原料「A」から、品目「B1」「B2」「B3」を連産する。図3に示すデータは、品目構成記憶部102で記憶されている。
【0017】
工程は、図2に示すように、工程1で「B1」〜「B3]を生産し、工程2で「P1」、工程3で「P2」を生産する。図4に各工程で投入もしくは完成する品目および生産に必要な作業時間およびねかし時間を示す。作業時間には工程の設備を占有する時間を定義し、ねかし時間には完成品目を倉庫もしくはサイロなどのストックポイントで滞留させる時間を定義する。図4に示すデータは工程情報記憶部103で記憶されている。
在庫および仕掛情報を図5に示す。期が空欄のものが在庫で、期が入っているものが仕掛で、その期にストックポイントへ入庫される。図5に示すデータは、在庫仕掛情報記憶部104で記憶されている。
生成比率レンジ情報を図6に示す。現品目と連産品目の組ごとに生成比率の最小値と最大値を格納している。図6に示すデータは、生成比率レンジ記憶部105で記憶されている。
このような基盤のもとで、1期から10期までの計画期間における、出荷計画を図7に示す。第10期にP1が100、P2が200計画されている。図7に示すデータは、出荷計画記憶部105で記憶されている。この出荷計画に基づき、処理部106、データ出力部107で生産計画および生成比率を作成する。処理部106、データ出力部107は図8に示すステップで、CPUとメモリを用い処理を行う。各ステップでの処理を以下に述べる。
【0018】
<ステップ801>
前述の「入力情報となる記憶部」より計算に必要な入力情報101〜105をメモリ上に読み込む。このとき、出荷計画データがなければ生産する必要がないとみなし、処理を終了する。
【0019】
<ステップ802>
制約条件を線形一次方程式にて記述する。本処理は、処理部106にて実行する。
以下、本発明の理解のために(8021)〜(8026)にて制約条件を記す。
【0020】
(8021)在庫の繰り越し制約
品目iにおけるt期末の在庫量Ii,,tは、t-1期末の在庫量Ii,t-1にt期の入庫量Ri,tとt期の仕掛量WIPi,tを加え、t期の出庫量Ui, tを引いたものであるから、
【0021】
【数1】
【0022】
と記述する。ここで、Ii,t、Ri,t、Ui,tは0以上の変数である。また、品目とは、原料と連産品と製品の総称とする。
仕掛量WIPi,tは在庫仕掛情報記憶部よりメモリ上に取り込んだ入力情報である。在庫仕掛情報記憶部よりメモリ上に取り込んだ在庫量は0期末の在庫Ii,0に代入する。
【0023】
(8022)連産品の生成比率
原料kから連産される品目の集合をJkとすると、原料の出庫量Uk,tは連産品の生産量xj,tの和となり、かつ連産品jの生産量xj, tは生成比率の最小値RMINk,jから最大値RMAXk,jの範囲で生成されるので
【0024】
【数2】
【0025】
と記述する。ここでxj,tは0以上の変数、RMINk,jとRMAXk,jは生成比率レンジ情報記憶部よりメモリ上に取り込んだ入力情報である。
【0026】
(8023)最低投入量
原料kに最低投入量LOTkが設定されている場合には、
【0027】
【数3】
【0028】
を生成する。ここで、Mは十分大きい定数、δk,tは0または1の値を取る変数である。
【0029】
(8024)作業時間およびねかし時間制約
連産品jは、作業時間STkとねかし時間CTkを加えた時間を経過してから、次工程で使うことができるので、
【0030】
【数4】
【0031】
と記述する。ここで、STk、CTkは工程情報記憶部よりメモリ上に取り込んだ入力情報である。なお、製品pを生産する作業時間についても、同様の式でjをpに置き換えて記述する。
【0032】
(8025)配合制約
製品pは、連産品jを配合して生産したものであるから、
【0033】
【数5】
【0034】
と記述する。ここで、RANGEp,jは品目構成情報記憶部よりメモリ上に取り込んだ入力情報である。
【0035】
(8026)出荷計画引当
製品pは、出荷計画の量Dp,tに引き当てるので、
【0036】
【数6】
【0037】
と記述する。ここで、Dp,tは出荷計画情報記憶部よりメモリ上に取り込んだ入力情報である。
なお、本発明の制約条件は上記に限定されるものではなく、生産能力に上限がある場合、作業人員に上限がある場合、出荷計画の納期遅れを許容する場合、段取り時間を考慮したい場合など、必要に応じて変数および制約条件を追加・削除してもよい。
【0038】
<ステップ803>
ステップ803で、目的関数を作成する。目的関数は品目の在庫の和とし、
【0039】
【数7】
【0040】
と記述する。
なお、本発明の目的関数は上記に限定されるものではなく、生産コストを最小化したい場合など、必要に応じて変数を追加して目的関数を変更してもよい。
図15に生産コスト情報の例を示す。品目別に、生産コストを製造コストと在庫コストの2つに分けて登録している。これは一例に過ぎず、品目別工程別期間別にコストを定義してもよい。この情報は図16に示すように、生産計画装置において生産コスト記憶部110を設け、ここに記憶する。また、生産コストを最小化する場合には、目的関数を
【0041】
【数8】
【0042】
と記述する。ここで、製造コストPCOSTk,t、PCOSTj,t 、PCOSTp,tと在庫コストICOSTi,tは生産コスト記憶部よりメモリ上に取り込んだ入力情報である。
【0043】
<ステップ804>
ステップ802、803で作成した制約条件と目的関数を用いて、処理部106に搭載された最適化計算プログラムにて目的関数が最小となる変数の値を算出する。最適化計算プログラムのアルゴリズムには、混合整数計画法などがあるが、本発明ではその手法を限定しない。また、最適化プログラムの動作については、公知技術ゆえ省略する。
【0044】
<ステップ805>
ステップ804で求めた変数の値をデータ出力部111に渡し、生産計画と生成比率を計算する。生産計画は生産量xj, t変数を用い、品目jのt期生成比率は
【0045】
【数9】
【0046】
で計算する。
生産計画、生成比率記憶部108、109に出力する。出力例は図12の通りである。
【実施例2】
【0047】
前記生産計画装置のデータ出力部で出力した「生産計画」「生成比率」を用いて、製品の製造を行う形態について、(1)表示手段に出力する方法と、(2)製造装置に情報を有する方法を説明する。
【0048】
(1)表示手段に出力する方法
表示手段に出力するための装置構成を図11に示す。生産計画装置100に表示装置1101をケーブルもしくは無線などの情報伝送手段で接続する。表示装置1101は、生産計画装置100の記憶部108、109のデータ、および必要に応じて101〜105のデータから、図12に例示したような情報を画面もしくは紙などの表示手段に出力する。表示装置に入力手段を付加して、データの修正を行えるようにし、修正したデータを生産計画装置100の記憶部に出力してもよい。
【0049】
(2)製造装置に情報を有する方法
図13に、連産品の製造装置1300を示す。製造装置1300は、生産計画装置100、製造条件記憶部1301、製造制御部1302、製造処理部1303を有する。
図14に製造条件記憶部を示す。品目の生成比率別の製造条件を格納したもので、製造処理部に設定するパラメータごとに設定値を登録している。設定値は具体的な数値であってもよいし、生成比率を変数とする数式であってもよい。
【0050】
製造制御部1302はハードウエアを制御するもので、一般にプログラマブルコントローラやシーケンサと呼ばれるものである。連産品を製造装置で製造する際に、製造制御部1302が、生産計画装置100の生産計画記憶部108にある生産計画と、生成比率記憶部109にある生成比率から、製造条件記憶部1301のパラメータを特定し、製造処理部1303に前記パラメータを伝送して製造を実施する。
なお、図13の製造装置1300の構成では生産計画装置100を含んでいるが、生産計画装置100を構成からはずして、生産計画装置100で有する生産計画記憶部108にある生産計画と生成比率記憶部109にある生成比率を記憶するための記憶部を有して、そこから情報を取得してもよい。
【0051】
以上のように、連産品から生産される製品の出荷計画に基づいて、連産品の生産計画を行うことができることから、生産計画の精度が向上するとともに、生産に際して、計算時間を短縮することができる。
【符号の説明】
【0052】
100:生産計画装置
101:出荷計画記憶部
102:品目構成記憶部
103:工程情報記憶部
104:在庫仕掛記憶部
105:生成比率レンジ記憶部
106:処理部
107:データ出力部
108:生産計画記憶部
109:生成比率記憶部
1300:連産品の製造装置
1301:製造条件記憶部
1302:製造制御部
1303:製造処理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、原料にある加工を施した際に、複数の品目が連産される工程を持つ製品の製造プロセスにおいて、製品の出荷計画を守りかつ在庫を抑える生産計画を作成する装置およびそれを用いた製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原料から製品を生産する業務のうち、1つの原料から複数の製品もしくは半製品が生成される場合がある。生成された品目は、一般に連産品もしくは副産物と呼ばれる(以下、本明細書では連産品と呼ぶ)。例えば、小麦粉の生産では、原料の小麦を精選、粉砕して粉に加工するが、この粉は粉砕部位により灰分量が異なり、その用途も異なる。そのため、灰分量に応じて一等粉、二等粉、三等粉、末粉・・・と別の品目として分別・管理される。
一般に、ある原料から得られる連産品の生成比率には、既定の範囲がある。一方で、製品の需要は必ずしも連産品の生成比率とは一致しないため、ある特定の連産品が必要だとしても、他の品目も連産されるため、需要の少ない連産品の在庫が増えるリスクがある。
連産品を含む生産の生産計画では、製品の出荷計画を元に連産品の必要量を固定の生成比率もしくは複数の生成比率から選択し、原料である小麦の投入量と投入時期を決めている。一方で生産現場では、需要のある連産品を多く採り、需要のない連産品を少なくするために、現場で連産品および連産品を使って生産した製品の実在庫を見て、生成比率を調整している。
連産品の生産計画立案に計算機を用いた例として、特許文献1では、副産物の生成比率を気温や湿度などの抽出条件から選択することで、副産物の生産量を計算している。また、特許文献2では、複数の生成比率で生産したときの在庫量をそれぞれ求め、最も基準に近い生成比率を選択する方法を記している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-262539号公報
【特許文献2】特開2007-179306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生産現場で実在庫を見て連産品の生成比率を調整する場合では、計画上の在庫と実在庫が合わず、計画精度が悪いという問題があった。また、生産比率を決定するための時間が必要となる。また、連産品を使って生産した製品を生産している場合、製品の種類が、例えば小麦粉だと数千以上になるため、現場作業者が全ての製品の出荷計画およびブレンドまで考慮して生成比率を決めるのは時間的に難しいため、実施していない。
【0005】
また、特許文献1では、副産物の生成比率は入力情報で指定したものを使うため、背景技術で述べたように、現場で調整した生成比率と合わない可能性がある。また、特許文献2だと、連産品の在庫過不足を考慮することができるが、連産品を組み合わせた品目の在庫過不足は考慮せず、仮に連産品を組み合わせた品目の在庫過不足まで考慮しようとすると、品目数が先の小麦粉の例のように数千以上あった場合、品目全ての在庫計算を複数の生成比率の候補の数だけ計算する必要があるため、処理時間が懸念される。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、ある品目Aからn種の品目B1〜Bnが連産されるとき、連産品を組み合わせた製品の出荷計画及び連産品の生産計画を立てるにあたり、計画精度を高めるとともに、処理時間を高速化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため本発明では、連産品を用いて生産される製品の出荷計画に基づき、連産品の生産計画を作成する生産計画装置であって、入力された情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された情報に基づき計算処理を行う処理部と、前記処理部において計算された結果を出力する出力部とを備え、前記記憶部は、連産品を用いて生産される製品と、当該製品の出荷時期と、当該製品の出荷量を記憶する出荷計画記憶部と、 連産品が生産される原料となる各品目の1単位当たりの連産品の生成比率の最小値と最大値を記憶する生成比率レンジ記憶部と、を有し、前記処理部において、前記出荷計画記憶部において記憶された製品における出荷時期及び出荷量を満たし、かつ各品目の1単位当たりの連産品の生成比率が前記生成比率レンジ記憶部に記憶された連産品の生成比率の最小値以上と最大値以下となるように、前記原料の投入量と、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定し、前記出力部より決定された原料の投入量と、前記連産品の生成比率及び生産時期を出力する構成とする。
【0007】
また、前記記憶部は、さらに、 連産品を用いて生産される各製品の構成を示す構成表を格納した品目構成記憶部と、前記製品の生産工程および作業時間を格納した工程情報記憶部と、前記製品の在庫および仕掛量を格納した在庫仕掛記憶部と、を有し、前記処理部は、前記各製品における在庫量が最小となるように、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定する構成とする。
【0008】
また、前記記憶部は、さらに、連産品を用いて生産される各製品の構成を示す構成表を格納した品目構成記憶部と、前記製品の生産工程および作業時間を格納した工程情報記憶部と、前記製品の生産コストを記憶した生産コスト記憶部と、を有し、前記処理部は、前記各製品における生産コストが最小となるように、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定する構成とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、連産品から生産される製品の生産計画の精度を向上させるとともに、処理の高速化を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」の構成図である。
【図2】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」を説明する「モノ」の流れを示す図である。
【図3】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」の動作を説明する品目の構成図である。
【図4】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」の動作を説明する工程情報を示す図である。
【図5】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」の動作を説明する在庫仕掛情報を示す図である。
【図6】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」の動作を説明する生成比率レンジ情報を示す図である。
【図7】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」の動作を説明する出荷計画情報を示す図である。
【図8】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」の動作を説明する生産計画および連産品の生成比率を計算する処理部の処理の流れを示す図である。
【図9】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」の動作を説明する生産計画情報を示す図である。
【図10】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」の動作を説明する生成比率情報を示す図である。
【図11】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」および表示装置との構成図である。
【図12】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」の動作を説明する出力例を示す図である。
【図13】本発明に係る一実施形態としての連産品の「製造装置」の構成図である。
【図14】本発明に係る一実施形態としての連産品の「製造装置」の動作を説明する製造条件の情報を示す図である。
【図15】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」の動作を説明する生産コスト情報を示す図である。
【図16】本発明に係る一実施形態としての「生産計画装置」の別の実施形態の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0011】
以下、本発明に係る実施形態としての「生産計画装置」について、適宜小麦粉の生産を例にとり図面を用いて説明する。なお、本発明は小麦粉に限定されるものではなく、生産プロセスの中に連産品が含まれる製品であれば適用することが可能である。例えば食品ならば米、油、お茶などがあり、非食品ならば石油などがある。
【0012】
原料の投入から製品の出荷までのモノの流れについて図2を用いて説明する。実際の生産工程は図2よりも複雑であるが、本実施例では、本発明の内容を明確に示すために、製品の種類、品目構成、工程数を単純化して説明するものとする。
まず原料Aを投入し、工程1で加工することで連産品B1〜B3ができる。連産品B1〜Bnのうち、必要な品目を工程2でブレンドすることで、製品P1ができる。小麦粉の場合、原料が小麦、精選〜挽砕〜採分工程を経て連産品である1等粉、2等粉、3等粉、末粉に加え、副産物であるふすまや胚芽も採り分けられる。この実施形態での「工程」とは、設備や作業者であってもよいし、その集合体であってもよいし、工場を1つの工程とみなしてもよい。一般に、製造業では勤労や原価など、何らかの都合で設備や作業者を集合体(組織)で管理していることが多いので、それを「工程」とみなしてもよい。
【0013】
この実施形態における生産計画装置100を、図1で説明する。本装置は、「入力情報を記憶する記憶部」と、「計算し結果を出力する処理部」、「計算結果を記憶する記憶部」とから構成される。
【0014】
入力情報となる記憶部は、製品毎の要求時期と数量を記憶する出荷計画情報を記憶する出荷計画記憶部101製品を含む品目の構成表を記憶する品目構成記憶部102品目の生産工程および作業時間を格納した工程情報記憶部103各品目の在庫および仕掛量を記憶する在庫仕掛記憶部104連産品の生成比率の最小値と最大値を記憶する生成比率レンジ記憶部105から構成される。記憶部104は、情報がない場合には構成から外してもよい。
【0015】
計算を行う処理部は、出荷計画情報に基づき、品目の時期別生産量および連産品の時期別生成比率を変数として、品目構成情報、生成比率レンジ情報と、必要に応じて在庫仕掛情報を用いて、制約条件および目的関数を生成し、最適化計算プログラムを用いて前記変数の値を計算する処理部106で計算した変数の値から、品目の時期別生産量および連産品の時期別生成比率の値を出力するデータ出力部107から構成される。
計算結果を記憶する記憶部は、データ出力部107から出力された品目の時期別生産量を記憶する生産計画記憶部108、および連産品の時期別生成比率の値を記憶する生成比率記憶部109が該当する。
生産計画装置はパーソナルコンピュータなどの計算機に搭載されており、ハードディスクに「入力情報を記憶する記憶部」「計算結果を記憶する記憶部」、および「計算し結果を出力する処理部」のプログラムを格納する。プログラムに記述された処理をCPUが実行する。具体的には、プログラムで指定した入力情報をハードディスクの「入力情報を記憶する記憶部」よりメモリに読み込み、CPUにてプログラムで指定した演算を行い、演算結果をメモリに一時保管する。メモリに保存された演算結果のうち、プログラムで指定したものをハードディスクの「計算結果を記憶する記憶部」に出力する。また、演算結果は必要に応じてプログラマブルコントローラなどの制御装置に出力する。
「入力情報を記憶する記憶部」と、「計算し結果を出力する処理部」、「計算結果を記憶する記憶部」は、スタンドアロンの記憶装置に全て搭載してもよいし、イーサーネット等で接続された装置それぞれに分散して搭載し、必要に応じてネットワークを介して情報を送受信してもよい。
【0016】
次に、この実施形態の生産計画装置100の動作について、適宜具体的な例を用いて説明する。図3に品目構成を示す。製品「P1」1単位は、品目「B1」を40%と、品目「B2」を60%配合して生産する。製品「P2」1単位は、品目「B2」を70%と、品目「B3」を30%配合して生産する。また、原料「A」から、品目「B1」「B2」「B3」を連産する。図3に示すデータは、品目構成記憶部102で記憶されている。
【0017】
工程は、図2に示すように、工程1で「B1」〜「B3]を生産し、工程2で「P1」、工程3で「P2」を生産する。図4に各工程で投入もしくは完成する品目および生産に必要な作業時間およびねかし時間を示す。作業時間には工程の設備を占有する時間を定義し、ねかし時間には完成品目を倉庫もしくはサイロなどのストックポイントで滞留させる時間を定義する。図4に示すデータは工程情報記憶部103で記憶されている。
在庫および仕掛情報を図5に示す。期が空欄のものが在庫で、期が入っているものが仕掛で、その期にストックポイントへ入庫される。図5に示すデータは、在庫仕掛情報記憶部104で記憶されている。
生成比率レンジ情報を図6に示す。現品目と連産品目の組ごとに生成比率の最小値と最大値を格納している。図6に示すデータは、生成比率レンジ記憶部105で記憶されている。
このような基盤のもとで、1期から10期までの計画期間における、出荷計画を図7に示す。第10期にP1が100、P2が200計画されている。図7に示すデータは、出荷計画記憶部105で記憶されている。この出荷計画に基づき、処理部106、データ出力部107で生産計画および生成比率を作成する。処理部106、データ出力部107は図8に示すステップで、CPUとメモリを用い処理を行う。各ステップでの処理を以下に述べる。
【0018】
<ステップ801>
前述の「入力情報となる記憶部」より計算に必要な入力情報101〜105をメモリ上に読み込む。このとき、出荷計画データがなければ生産する必要がないとみなし、処理を終了する。
【0019】
<ステップ802>
制約条件を線形一次方程式にて記述する。本処理は、処理部106にて実行する。
以下、本発明の理解のために(8021)〜(8026)にて制約条件を記す。
【0020】
(8021)在庫の繰り越し制約
品目iにおけるt期末の在庫量Ii,,tは、t-1期末の在庫量Ii,t-1にt期の入庫量Ri,tとt期の仕掛量WIPi,tを加え、t期の出庫量Ui, tを引いたものであるから、
【0021】
【数1】
【0022】
と記述する。ここで、Ii,t、Ri,t、Ui,tは0以上の変数である。また、品目とは、原料と連産品と製品の総称とする。
仕掛量WIPi,tは在庫仕掛情報記憶部よりメモリ上に取り込んだ入力情報である。在庫仕掛情報記憶部よりメモリ上に取り込んだ在庫量は0期末の在庫Ii,0に代入する。
【0023】
(8022)連産品の生成比率
原料kから連産される品目の集合をJkとすると、原料の出庫量Uk,tは連産品の生産量xj,tの和となり、かつ連産品jの生産量xj, tは生成比率の最小値RMINk,jから最大値RMAXk,jの範囲で生成されるので
【0024】
【数2】
【0025】
と記述する。ここでxj,tは0以上の変数、RMINk,jとRMAXk,jは生成比率レンジ情報記憶部よりメモリ上に取り込んだ入力情報である。
【0026】
(8023)最低投入量
原料kに最低投入量LOTkが設定されている場合には、
【0027】
【数3】
【0028】
を生成する。ここで、Mは十分大きい定数、δk,tは0または1の値を取る変数である。
【0029】
(8024)作業時間およびねかし時間制約
連産品jは、作業時間STkとねかし時間CTkを加えた時間を経過してから、次工程で使うことができるので、
【0030】
【数4】
【0031】
と記述する。ここで、STk、CTkは工程情報記憶部よりメモリ上に取り込んだ入力情報である。なお、製品pを生産する作業時間についても、同様の式でjをpに置き換えて記述する。
【0032】
(8025)配合制約
製品pは、連産品jを配合して生産したものであるから、
【0033】
【数5】
【0034】
と記述する。ここで、RANGEp,jは品目構成情報記憶部よりメモリ上に取り込んだ入力情報である。
【0035】
(8026)出荷計画引当
製品pは、出荷計画の量Dp,tに引き当てるので、
【0036】
【数6】
【0037】
と記述する。ここで、Dp,tは出荷計画情報記憶部よりメモリ上に取り込んだ入力情報である。
なお、本発明の制約条件は上記に限定されるものではなく、生産能力に上限がある場合、作業人員に上限がある場合、出荷計画の納期遅れを許容する場合、段取り時間を考慮したい場合など、必要に応じて変数および制約条件を追加・削除してもよい。
【0038】
<ステップ803>
ステップ803で、目的関数を作成する。目的関数は品目の在庫の和とし、
【0039】
【数7】
【0040】
と記述する。
なお、本発明の目的関数は上記に限定されるものではなく、生産コストを最小化したい場合など、必要に応じて変数を追加して目的関数を変更してもよい。
図15に生産コスト情報の例を示す。品目別に、生産コストを製造コストと在庫コストの2つに分けて登録している。これは一例に過ぎず、品目別工程別期間別にコストを定義してもよい。この情報は図16に示すように、生産計画装置において生産コスト記憶部110を設け、ここに記憶する。また、生産コストを最小化する場合には、目的関数を
【0041】
【数8】
【0042】
と記述する。ここで、製造コストPCOSTk,t、PCOSTj,t 、PCOSTp,tと在庫コストICOSTi,tは生産コスト記憶部よりメモリ上に取り込んだ入力情報である。
【0043】
<ステップ804>
ステップ802、803で作成した制約条件と目的関数を用いて、処理部106に搭載された最適化計算プログラムにて目的関数が最小となる変数の値を算出する。最適化計算プログラムのアルゴリズムには、混合整数計画法などがあるが、本発明ではその手法を限定しない。また、最適化プログラムの動作については、公知技術ゆえ省略する。
【0044】
<ステップ805>
ステップ804で求めた変数の値をデータ出力部111に渡し、生産計画と生成比率を計算する。生産計画は生産量xj, t変数を用い、品目jのt期生成比率は
【0045】
【数9】
【0046】
で計算する。
生産計画、生成比率記憶部108、109に出力する。出力例は図12の通りである。
【実施例2】
【0047】
前記生産計画装置のデータ出力部で出力した「生産計画」「生成比率」を用いて、製品の製造を行う形態について、(1)表示手段に出力する方法と、(2)製造装置に情報を有する方法を説明する。
【0048】
(1)表示手段に出力する方法
表示手段に出力するための装置構成を図11に示す。生産計画装置100に表示装置1101をケーブルもしくは無線などの情報伝送手段で接続する。表示装置1101は、生産計画装置100の記憶部108、109のデータ、および必要に応じて101〜105のデータから、図12に例示したような情報を画面もしくは紙などの表示手段に出力する。表示装置に入力手段を付加して、データの修正を行えるようにし、修正したデータを生産計画装置100の記憶部に出力してもよい。
【0049】
(2)製造装置に情報を有する方法
図13に、連産品の製造装置1300を示す。製造装置1300は、生産計画装置100、製造条件記憶部1301、製造制御部1302、製造処理部1303を有する。
図14に製造条件記憶部を示す。品目の生成比率別の製造条件を格納したもので、製造処理部に設定するパラメータごとに設定値を登録している。設定値は具体的な数値であってもよいし、生成比率を変数とする数式であってもよい。
【0050】
製造制御部1302はハードウエアを制御するもので、一般にプログラマブルコントローラやシーケンサと呼ばれるものである。連産品を製造装置で製造する際に、製造制御部1302が、生産計画装置100の生産計画記憶部108にある生産計画と、生成比率記憶部109にある生成比率から、製造条件記憶部1301のパラメータを特定し、製造処理部1303に前記パラメータを伝送して製造を実施する。
なお、図13の製造装置1300の構成では生産計画装置100を含んでいるが、生産計画装置100を構成からはずして、生産計画装置100で有する生産計画記憶部108にある生産計画と生成比率記憶部109にある生成比率を記憶するための記憶部を有して、そこから情報を取得してもよい。
【0051】
以上のように、連産品から生産される製品の出荷計画に基づいて、連産品の生産計画を行うことができることから、生産計画の精度が向上するとともに、生産に際して、計算時間を短縮することができる。
【符号の説明】
【0052】
100:生産計画装置
101:出荷計画記憶部
102:品目構成記憶部
103:工程情報記憶部
104:在庫仕掛記憶部
105:生成比率レンジ記憶部
106:処理部
107:データ出力部
108:生産計画記憶部
109:生成比率記憶部
1300:連産品の製造装置
1301:製造条件記憶部
1302:製造制御部
1303:製造処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連産品を用いて生産される製品の出荷計画に基づき、連産品の生産計画を作成する生産計画装置であって、
入力された情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された情報に基づき計算処理を行う処理部と、
前記処理部において計算された結果を出力する出力部とを備え、
前記記憶部は、
連産品を用いて生産される製品と、当該製品の出荷時期と、当該製品の出荷量を記憶する出荷計画記憶部と、
連産品が生産される原料となる各品目の1単位当たりの連産品の生成比率の最小値と最大値を記憶する生成比率レンジ記憶部と、を有し、
前記処理部において、前記出荷計画記憶部において記憶された製品における出荷時期及び出荷量を満たし、かつ各品目の1単位当たりの連産品の生成比率が前記生成比率レンジ記憶部に記憶された連産品の生成比率の最小値以上と最大値以下となるように、前記原料の投入量と、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定し、前記出力部より決定された原料の投入量と、前記連産品の生成比率及び生産時期を出力することを特徴とする生産計画装置。
【請求項2】
前記記憶部は、さらに、
連産品を用いて生産される各製品の構成を示す構成表を格納した品目構成記憶部と、
前記製品の生産工程および作業時間を格納した工程情報記憶部と、
前記製品の在庫および仕掛量を格納した在庫仕掛記憶部と、を有し、
前記処理部は、前記各製品における在庫量が最小となるように、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定することを特徴とする請求項1に記載の生産計画装置。
【請求項3】
前記記憶部は、さらに、
連産品を用いて生産される各製品の構成を示す構成表を格納した品目構成記憶部と、
前記製品の生産工程および作業時間を格納した工程情報記憶部と、
前記製品の生産コストを記憶した生産コスト記憶部と、を有し、
前記処理部は、前記各製品における生産コストが最小となるように、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定することを特徴とする請求項1に記載の生産計画装置。
【請求項4】
記憶部と、処理部と、出力部を有する生産計画装置を用いて、連産品を用いて生産される製品の出荷計画に基づき、連産品の生産計画を作成する生産計画方法であって、
連産品を用いて生産される製品と、当該製品の出荷時期と、当該製品の出荷量を入力し、記憶部に記憶させるステップと、
連産品が生産される原料となる各品目の1単位当たりの連産品の生成比率の最小値と最大値を入力し、記憶部に記憶させるステップと、
前記記憶された製品における出荷時期及び出荷量を満たし、かつ各品目の1単位当たりの連産品の生成比率が前記記憶された連産品の生成比率の最小値以上と最大値以下となるように、前記原料の投入量と、前記連産品の生成比率及び生産時期を演算処理により決定するステップと、
前記決定された原料の投入量と、前記連産品の生成比率及び生産時期を出力するステップとを備えることを特徴とする生産計画方法。
【請求項5】
請求項4における生産計画方法において、
連産品を用いて生産される各製品の構成を示す構成表を記憶するステップと、
前記製品の生産工程および作業時間を記憶するステップと、
前記製品の在庫および仕掛量を記憶するステップと、を有し、
前記各製品における在庫量が最小となるように、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定することを特徴とする請求項4に記載の生産計画方法。
【請求項6】
請求項4における生産計画方法において、
連産品を用いて生産される各製品の構成を示す構成表を記憶するステップと、
前記製品の生産工程および作業時間を記憶するステップと、
前記製品の生産コストを記憶するステップと、を有し、
前記各製品における生産コストが最小となるように、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定することを特徴とする請求項4に記載の生産計画方法。
【請求項7】
前記演算処理において、連産品が生産される原料となる各品目の1単位当たりの連産品の生成比率の最小値と最大値を制約条件、各製品の在庫量の総和を目的関数として、目的関数が最小となるように、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定することを特徴とする請求項5に記載の生産計画方法。
【請求項8】
連産品を用いて生産される製品の出荷計画に基づき、連産品を製造する製造装置であって、
入力された情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された情報に基づき計算処理を行う処理部と、
原料から連産品を製造する製造部と、
前記製造部を制御する製造制御部と、
連産品を生産するのに必要なパラメータを記憶する製造条件記憶部を備え、
前記記憶部は、
連産品を用いて生産される製品と、当該製品の出荷時期と、当該製品の出荷量を記憶する出荷計画記憶部と、
連産品が生産される原料となる各品目の1単位当たりの連産品の生成比率の最小値と最大値を記憶する生成比率レンジ記憶部と、を有し、
前記処理部において、前記出荷計画記憶部において記憶された製品における出荷時期及び出荷量を満たし、かつ各品目の1単位当たりの連産品の生成比率が前記生成比率レンジ記憶部に記憶された連産品の生成比率の最小値以上と最大値以下となるように、前記原料の投入量と、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定し、
前記製造制御部は、前記処理部において決定された前記原料の投入量と、前記連産品の生成比率及び生産時期と前記製造条件記憶部に記憶された情報とに基づいて、前記製造部を制御することにより原料から連産品を製造することを特徴とする製造装置。
【請求項9】
請求項8に記載の製造装置であって、
製造装置が粉砕機で、原料が小麦または米またはお茶などの食用品であることを特徴とする製造装置。
【請求項10】
請求項9に記載の製品の製造装置であって、
前記製品が小麦粉または米粉またはお茶、またはそれらを原料とする加工品であることを特徴とする製造装置。
【請求項11】
記憶部と、処理部と、出力部を有する生産計画装置において使用される、連産品を用いて生産される製品の出荷計画に基いて連産品の生産計画を作成する生産計画プログラムであって、
連産品を用いて生産される製品と、当該製品の出荷時期と、当該製品の出荷量を入力し、記憶部に記憶させるステップと、
連産品が生産される原料となる各品目の1単位当たりの連産品の生成比率の最小値と最大値を入力し、記憶部に記憶させるステップと、
前記記憶された製品における出荷時期及び出荷量を満たし、かつ各品目の1単位当たりの連産品の生成比率が前記記憶された連産品の生成比率の最小値以上と最大値以下となるように、前記原料の投入量と、前記連産品の生成比率及び生産時期を演算処理により決定するステップと、
前記決定された原料の投入量と、前記連産品の生成比率及び生産時期を出力するステップとを備えることを特徴とする生産計画プログラム。
【請求項12】
請求項11における生産計画プログラムにおいて、
連産品を用いて生産される各製品の構成を示す構成表を記憶するステップと、
前記製品の生産工程および作業時間を記憶するステップと、
前記製品の在庫および仕掛量を記憶するステップと、を有し、
前記各製品における在庫量が最小となるように、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定することを特徴とする請求項11に記載の生産計画プログラム。
【請求項13】
請求項11における生産計画プログラムにおいて、
連産品を用いて生産される各製品の構成を示す構成表を記憶するステップと、
前記製品の生産工程および作業時間を記憶するステップと、
前記製品の生産コストを記憶するステップと、を有し、
前記各製品における生産コストが最小となるように、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定することを特徴とする請求項11に記載の生産計画プログラム。
【請求項14】
前記演算処理において、連産品が生産される原料となる各品目の1単位当たりの連産品の生成比率の最小値と最大値を制約条件、各製品の在庫量の総和を目的関数として、目的関数が最小となるように、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定することを特徴とする請求項12に記載の生産計画プログラム。
【請求項1】
連産品を用いて生産される製品の出荷計画に基づき、連産品の生産計画を作成する生産計画装置であって、
入力された情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された情報に基づき計算処理を行う処理部と、
前記処理部において計算された結果を出力する出力部とを備え、
前記記憶部は、
連産品を用いて生産される製品と、当該製品の出荷時期と、当該製品の出荷量を記憶する出荷計画記憶部と、
連産品が生産される原料となる各品目の1単位当たりの連産品の生成比率の最小値と最大値を記憶する生成比率レンジ記憶部と、を有し、
前記処理部において、前記出荷計画記憶部において記憶された製品における出荷時期及び出荷量を満たし、かつ各品目の1単位当たりの連産品の生成比率が前記生成比率レンジ記憶部に記憶された連産品の生成比率の最小値以上と最大値以下となるように、前記原料の投入量と、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定し、前記出力部より決定された原料の投入量と、前記連産品の生成比率及び生産時期を出力することを特徴とする生産計画装置。
【請求項2】
前記記憶部は、さらに、
連産品を用いて生産される各製品の構成を示す構成表を格納した品目構成記憶部と、
前記製品の生産工程および作業時間を格納した工程情報記憶部と、
前記製品の在庫および仕掛量を格納した在庫仕掛記憶部と、を有し、
前記処理部は、前記各製品における在庫量が最小となるように、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定することを特徴とする請求項1に記載の生産計画装置。
【請求項3】
前記記憶部は、さらに、
連産品を用いて生産される各製品の構成を示す構成表を格納した品目構成記憶部と、
前記製品の生産工程および作業時間を格納した工程情報記憶部と、
前記製品の生産コストを記憶した生産コスト記憶部と、を有し、
前記処理部は、前記各製品における生産コストが最小となるように、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定することを特徴とする請求項1に記載の生産計画装置。
【請求項4】
記憶部と、処理部と、出力部を有する生産計画装置を用いて、連産品を用いて生産される製品の出荷計画に基づき、連産品の生産計画を作成する生産計画方法であって、
連産品を用いて生産される製品と、当該製品の出荷時期と、当該製品の出荷量を入力し、記憶部に記憶させるステップと、
連産品が生産される原料となる各品目の1単位当たりの連産品の生成比率の最小値と最大値を入力し、記憶部に記憶させるステップと、
前記記憶された製品における出荷時期及び出荷量を満たし、かつ各品目の1単位当たりの連産品の生成比率が前記記憶された連産品の生成比率の最小値以上と最大値以下となるように、前記原料の投入量と、前記連産品の生成比率及び生産時期を演算処理により決定するステップと、
前記決定された原料の投入量と、前記連産品の生成比率及び生産時期を出力するステップとを備えることを特徴とする生産計画方法。
【請求項5】
請求項4における生産計画方法において、
連産品を用いて生産される各製品の構成を示す構成表を記憶するステップと、
前記製品の生産工程および作業時間を記憶するステップと、
前記製品の在庫および仕掛量を記憶するステップと、を有し、
前記各製品における在庫量が最小となるように、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定することを特徴とする請求項4に記載の生産計画方法。
【請求項6】
請求項4における生産計画方法において、
連産品を用いて生産される各製品の構成を示す構成表を記憶するステップと、
前記製品の生産工程および作業時間を記憶するステップと、
前記製品の生産コストを記憶するステップと、を有し、
前記各製品における生産コストが最小となるように、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定することを特徴とする請求項4に記載の生産計画方法。
【請求項7】
前記演算処理において、連産品が生産される原料となる各品目の1単位当たりの連産品の生成比率の最小値と最大値を制約条件、各製品の在庫量の総和を目的関数として、目的関数が最小となるように、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定することを特徴とする請求項5に記載の生産計画方法。
【請求項8】
連産品を用いて生産される製品の出荷計画に基づき、連産品を製造する製造装置であって、
入力された情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された情報に基づき計算処理を行う処理部と、
原料から連産品を製造する製造部と、
前記製造部を制御する製造制御部と、
連産品を生産するのに必要なパラメータを記憶する製造条件記憶部を備え、
前記記憶部は、
連産品を用いて生産される製品と、当該製品の出荷時期と、当該製品の出荷量を記憶する出荷計画記憶部と、
連産品が生産される原料となる各品目の1単位当たりの連産品の生成比率の最小値と最大値を記憶する生成比率レンジ記憶部と、を有し、
前記処理部において、前記出荷計画記憶部において記憶された製品における出荷時期及び出荷量を満たし、かつ各品目の1単位当たりの連産品の生成比率が前記生成比率レンジ記憶部に記憶された連産品の生成比率の最小値以上と最大値以下となるように、前記原料の投入量と、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定し、
前記製造制御部は、前記処理部において決定された前記原料の投入量と、前記連産品の生成比率及び生産時期と前記製造条件記憶部に記憶された情報とに基づいて、前記製造部を制御することにより原料から連産品を製造することを特徴とする製造装置。
【請求項9】
請求項8に記載の製造装置であって、
製造装置が粉砕機で、原料が小麦または米またはお茶などの食用品であることを特徴とする製造装置。
【請求項10】
請求項9に記載の製品の製造装置であって、
前記製品が小麦粉または米粉またはお茶、またはそれらを原料とする加工品であることを特徴とする製造装置。
【請求項11】
記憶部と、処理部と、出力部を有する生産計画装置において使用される、連産品を用いて生産される製品の出荷計画に基いて連産品の生産計画を作成する生産計画プログラムであって、
連産品を用いて生産される製品と、当該製品の出荷時期と、当該製品の出荷量を入力し、記憶部に記憶させるステップと、
連産品が生産される原料となる各品目の1単位当たりの連産品の生成比率の最小値と最大値を入力し、記憶部に記憶させるステップと、
前記記憶された製品における出荷時期及び出荷量を満たし、かつ各品目の1単位当たりの連産品の生成比率が前記記憶された連産品の生成比率の最小値以上と最大値以下となるように、前記原料の投入量と、前記連産品の生成比率及び生産時期を演算処理により決定するステップと、
前記決定された原料の投入量と、前記連産品の生成比率及び生産時期を出力するステップとを備えることを特徴とする生産計画プログラム。
【請求項12】
請求項11における生産計画プログラムにおいて、
連産品を用いて生産される各製品の構成を示す構成表を記憶するステップと、
前記製品の生産工程および作業時間を記憶するステップと、
前記製品の在庫および仕掛量を記憶するステップと、を有し、
前記各製品における在庫量が最小となるように、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定することを特徴とする請求項11に記載の生産計画プログラム。
【請求項13】
請求項11における生産計画プログラムにおいて、
連産品を用いて生産される各製品の構成を示す構成表を記憶するステップと、
前記製品の生産工程および作業時間を記憶するステップと、
前記製品の生産コストを記憶するステップと、を有し、
前記各製品における生産コストが最小となるように、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定することを特徴とする請求項11に記載の生産計画プログラム。
【請求項14】
前記演算処理において、連産品が生産される原料となる各品目の1単位当たりの連産品の生成比率の最小値と最大値を制約条件、各製品の在庫量の総和を目的関数として、目的関数が最小となるように、前記連産品の生成比率及び生産時期を決定することを特徴とする請求項12に記載の生産計画プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
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【図6】
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【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−80410(P2013−80410A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220626(P2011−220626)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000233055)株式会社日立ソリューションズ (1,610)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000233055)株式会社日立ソリューションズ (1,610)
【Fターム(参考)】
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