説明

用紙排出装置及び画像形成システム

【課題】用紙が用紙載置台に載置される際の紙揃え状態を向上させ、且つ載置されるまでの時間を短縮する。
【解決手段】排紙ローラーにより1枚毎又は2枚重ねた状態で排出される用紙を積載する積載面SSと、積載面SSに積載される用紙の用紙排出方向の後端を突き当てる突き当て部80cと、用紙を用紙狭持位置で狭持し、積載面SSにおける用紙積載位置へと移動させる支持部材93及び押圧部材91と、を有する用紙排出部を備え、排紙ローラーにより2枚重ねた状態で用紙が排出される場合には、支持部材93及び押圧部材91の両方を駆動し、排紙ローラーにより1枚毎に用紙が排出される場合には、支持部材93及び押圧部材91の少なくとも一方が駆動するよう制御可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙排出装置及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリンターや複写機等のように後処理装置を備えて構成される画像形成装置においては、画像形成された複数枚の用紙を装置内部に一旦貯えるための載置台や、装置外部に排出された用紙を積載するための排紙トレイなどの用紙載置台が備えられている。
従来より、用紙がこれらの用紙載置台に排出されるとき、用紙載置台の直前の用紙搬送ローラーから離れて用紙載置台に自重で落下して積載されるまでの間に積載位置がずれ、用紙載置台上に用紙の端部が揃った状態で積載されないという問題があった。
この問題は、用紙載置台の載置面が水平の構成であっても傾斜した構成であっても起きやすく、特に、用紙搬送速度が高速である場合や、環境条件が厳しい高温多湿や低温低湿の場合に起きやすい。
【0003】
これに対して、スタッカ内に用紙を集積し、集積した用紙の端部をグリッパにより狭持し、グリッパを移動させて排紙トレイに積載するという技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−273656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、排出された用紙の端部をきれいに揃えることは難しく、また、一旦用紙をスタッカ内に集積し、集積した用紙を移動させる構成であるため、用紙を排紙トレイに積載するまでに時間が掛かるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、用紙が用紙載置台に載置される際の紙揃え状態を向上させ、且つ載置されるまでの時間を短縮することのできる用紙排出装置及び画像形成システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、
請求項1に記載の発明は、用紙排出装置において、
排出手段により1枚毎又は2枚重ねた状態で排出される用紙を積載する用紙積載部と、
前記用紙積載部に積載される用紙の用紙排出方向の後端を突き当てる突き当て部と、
前記1枚毎又は2枚重ねた状態の用紙を用紙狭持位置で狭持し、前記用紙積載部における用紙積載位置へと移動させる一対の用紙狭持部材と、を有する用紙排出部を備え、
前記一対の用紙狭持部材は、
前記排出手段により排出される用紙の下側において、用紙の幅方向に平行な回転軸回りに回転駆動可能に保持された支持部材と、
前記排出手段により排出される用紙の上側において、用紙の幅方向に平行な回転軸回りに揺動可能に保持された押圧部材と、
を備え、
前記排出手段により2枚重ねた状態で用紙が排出される場合には、前記押圧部材及び前記支持部材の両方を駆動し、
前記排出手段により1枚毎に用紙が排出される場合には、前記押圧部材及び前記支持部材の少なくとも一方を駆動するよう制御する制御部を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の用紙排出装置において、
前記排出手段により1枚毎に用紙が排出される際に、ユーザーが前記押圧部材及び前記支持部材の両方又は何れか一方を駆動させるための設定操作を行う設定手段を備え、
前記制御部は、前記設定手段による設定操作に応じて、前記押圧部材及び前記支持部材の少なくとも一方を駆動することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の用紙排出装置において、
前記支持部材は、
回転駆動して用紙排出方向に対して上流側に移動した場合に、前記用紙積載部に積載された最上面の用紙に当接して、当該最上面の用紙を用紙排出方向に対して上流側の前記突き当て部に向けて付勢する摩擦部材を備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の用紙排出装置において、
前記制御部は、
前記排出手段により1枚毎に用紙が排出される場合、排出される用紙の種類に応じて、前記押圧部材及び前記支持部材の少なくとも一方を駆動することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の用紙排出装置において、
前記制御部は、
前記排出手段により排出される用紙の間隔に応じて、前記押圧部材及び前記支持部材の少なくとも一方を駆動することを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は、
用紙に画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置により画像形成された用紙に後処理を施す後処理装置と、を備えた画像形成システムにおいて、
請求項1〜5の何れか一項に記載の用紙排出装置を備え、
前記後処理装置は、前記用紙排出部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、用紙が用紙載置台に載置される際の紙揃え状態を向上させ、且つ載置されるまでの時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態における画像形成システムの全体構成図である。
【図2】中間搬送ユニットの構成図である。
【図3】排紙機構部及び用紙排出部を示す斜視図である。
【図4】画像形成システムの制御構成を示すブロック図である。
【図5】図3のA−A線における断面図であって、押圧部材及び支持部材の動作を説明するための図である。
【図6】図3のA−A線における断面図であって、押圧部材及び支持部材の動作を説明するための図である。
【図7】図3のA−A線における断面図であって、押圧部材及び支持部材の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0016】
先ず、構成について説明する。
図1〜4に示すように、本実施形態における画像形成システム1000は、大容量給紙装置Aと、画像形成装置Bと、後処理装置Cと、画像形成システム1000全体を統括制御する制御部100と、を備えて構成されている。
【0017】
(大容量給紙装置A)
大容量給紙装置Aは、用紙収納部7A、第1給紙部7B等を備えている。
用紙収納部7Aは、例えば、A4判サイズ、A3判サイズ等の用紙Sを大量に収納している。用紙収納部7Aに収納されている用紙Sは、第1給紙部7Bにより、連続して画像形成装置Bに送り込まれる。
【0018】
(画像形成装置B)
画像形成装置Bは、画像読取部1、画像書込部3、画像形成部4、給紙搬送部5、定着部6、自動原稿搬送部B1、操作表示部B2等を備えている。
【0019】
画像読取部1は、原稿を載置するコンタクトガラスの下部にスキャナーを備えて構成され、用紙上の画像を読み取って画像データを取得する。スキャナーは、光源、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサー、A/D変換器等により構成され、光源から原稿へ照明走査した光の反射光を結像して光電変換することにより原稿の画像をRGB信号として読み取り、光電変換された信号は、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等の処理を経た後に画像書込部3に送られる。
【0020】
画像書込部3においては、半導体レーザーからの出力光が画像形成部4の感光体ドラム4Aに照射され、感光体ドラム4A上に静電潜像が形成される。
【0021】
画像形成部4は、感光体ドラム4A、帯電部4B、現像部4C、転写部4D、分離部4E、クリーニング部4F等から構成されている。
画像形成部4においては、感光体ドラム4A上に形成された静電潜像に対して、帯電、露光、現像、転写、分離、クリーニング等の処理が行われる。
【0022】
給紙搬送部5は、複数の給紙カセット5A、第1給紙部5B、第2給紙部5C、搬送部5D、排紙部5E、自動両面コピー給紙装置(ADU)5F等から構成されている。
給紙カセット5Aには、用紙の種類(紙種、坪量、サイズ)毎に予め識別された用紙Sが格納されており、用紙Sは、第1給紙部5Bによって、最上部から一枚ずつ第2給紙部5Cに向けて搬送されていく。
第2給紙部5Cは、給紙トレイから搬送された用紙Sを画像形成部4の転写部4Dへと搬送する。転写部4Dにより画像が転写された用紙Sは、搬送部5Dによって定着部6に搬送される。
【0023】
定着部6は、熱源を有する加熱ローラーと、加熱ローラーに圧接してニップ部を形成する加圧ローラーとを備え、用紙Sに転写されたトナー像を熱定着する。定着部6によりトナー像の定着された用紙Sは、排紙部5Eから後処理装置Cに送り込まれる。
また、用紙Sの両面に画像を形成する場合は、用紙Sが定着後に自動両面コピー給紙装置5Fにて表裏が反転され、再び画像形成部4に送られて画像が形成され、その後で後処理装置Cに送り込まれる。
【0024】
自動原稿搬送部B1は、原稿台に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して画像読取部1に供給する。自動原稿搬送部B1の原稿台より画像読取部1に供給された原稿は、画像読取部1の光学系により原稿の片面又は両面の画像が読み取られ、光電変換された信号は、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等の処理を経た後に画像書込部3に送られる。
【0025】
操作表示部B2は、LCD(Liquid Crystal Display)を有するタッチパネルディスプレイを備え、制御部100から入力される表示信号の指示に従って表示画面上に各種設定画面や装置の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。
タッチパネルディスプレイは、LCDの表示画面上を、透明電極を格子状に配置して構成された感圧式(抵抗膜圧式)のタッチパネルにて被覆して構成されており、手指やタッチペン等で押下された位置座標を電圧値にて検出する。
操作表示部B2は、検出された位置信号を操作信号として制御部100に出力する。
ユーザーは、操作表示部B2を操作することにより、後処理の種類又は給紙カセット5Aに収納させる用紙の種類等を入力することができる。
また、ユーザーは、操作表示部B2を操作することにより、後処理装置Cの排紙ローラー80a(後述)により1枚毎に用紙が排出される際に、一対の用紙狭持部材(後述)の駆動に関する設定操作を行うことができる。
【0026】
なお、図1における画像形成装置Bは、用紙S上にモノクロ画像を形成するものであるが、用紙S上にカラー画像を形成するものであっても良い。
【0027】
(後処理装置C)
後処理装置Cは、用紙Sの重ね合わせを行う中間搬送ユニットC1と、綴じ処理等の後処理を行う後処理ユニットC2と、を備えて構成されている。
なお、本実施形態においては、中間搬送ユニットC1と後処理ユニットC2とは、独立した筐体となっているが、中間搬送ユニットC1と後処理ユニットC2とを同一の筐体としても良い。
【0028】
(中間搬送ユニットC1)
図2に示すように、中間搬送ユニットC1は、用紙搬入部11、集積部12、用紙搬出部13、バイパス搬送部14等を備えている。
【0029】
用紙搬入部11は、搬送ローラーR1、R2及びガイド板111を有する用紙搬送路r11を備えている。用紙搬入部11では、画像形成装置Bの排紙部5Eから排出される用紙Sが順次受容され搬送される。
【0030】
集積部12は、平行に配置された2枚のガイド板121と、停止部材123等から構成される縦整合部と、横整合部材122と、搬入駆動ローラーR3と、搬出駆動ローラーR4と、用紙搬送路r12と、等を備えている。
また、綴じ処理などを実行する特定のジョブに対しては、集積部12において2枚の用紙Sが重ねられた後、重ね合わされた状態で上方に排出される。
【0031】
用紙搬出部13は、中間搬送ローラーR5と、排紙ローラーR6a、R6b、R7a、R7bと、ガイド板131を有する用紙搬送路r13とを備えている。用紙搬出部13において、集積部12に収納された重ね合わせの用紙Sの表裏が反転し、後処理ユニットC2に搬送される。
【0032】
バイパス搬送部14は、用紙搬送路r14を備えている。バイパス搬送部14への用紙Sの搬送は、集積部12に搬送する必要のない場合に行われる。例えば、用紙Sの綴じ処理が不要な場合、或いは、用紙の表裏を反転しないで排出する場合である。
【0033】
また、用紙搬入部11には、集積部12又はバイパス搬送部14に用紙を分岐させる搬送路切換部G2が備えられている。
また、集積部12の上部には、集積部12への用紙Sの導入と、集積部12からの用紙Sの排出とを切り換える搬送路切換部G1が備えられている。
搬送路切換部G1、G2は、それぞれソレノイドに接続して駆動される。
【0034】
このように、中間搬送ユニットC1は、画像形成装置Bから出力された用紙Sを集積部12において2枚重ねることが可能であり、重ねられた2枚の用紙S(以下、S1(1枚目)、S2(2枚目)、・・・ともいう。)は、重ねられたまま表裏が反転され、後処理ユニットC2に搬送される。
また、綴じ処理等の後処理不要な用紙Sは、集積部12を経由せずにバイパス搬送部14及び後処理ユニットC2の排紙搬送部30を経由して搬送され、排紙ローラー80aを経由して昇降式排紙皿80bに排出される。
【0035】
中間搬送ユニットC1は集積部12にて2枚の用紙S1、S2を重ね合わせて後処理ユニットC2に搬送することで、後処理ユニットC2に用紙Sを搬送する時間を遅延させることが可能となり、後処理ユニットC2における後処理の時間を確保することができる。
この結果、画像形成装置Bから高速で出力される用紙の生産性の低下を防止することが可能となる。
【0036】
(後処理ユニットC2)
後処理ユニットC2には、入口搬送部20、排紙搬送部30、連結搬送部40、差込紙給紙部50、綴じ処理部60、スタック部65、折り部70、排紙機構部80、及び用紙排出部90等が配置されている。
【0037】
入口搬送部20では、中間搬送ユニットC1から排出される用紙Sが順次受容され搬送される。
【0038】
排紙搬送部30は、綴じ処理等の後処理不要な用紙Sを搬送する。排紙搬送部30を経由して搬送される用紙Sは、排紙ローラー80aを経由して昇降式排紙皿80bに排出される。
【0039】
連結搬送部40は、入口搬送部20からの用紙Sをスタック部65に搬送する。連結搬送部40により搬送された用紙Sは、スタック部65において積載され、綴じ処理部60により綴じ処理が行われる。その結果、複数枚の用紙Sにより構成される一部の冊子が作製される。
【0040】
差込紙給紙部50は、綴じ処理における所定の位置に差し込む用紙を給紙する。差込紙給紙部50から給紙された用紙は、連結搬送部40を経由してスタック部65において積載される。
【0041】
綴じ処理部60は、スタック部65において積載された複数枚の用紙Sを一部の冊子とする綴じ処理を実行する。
綴じ処理における打針が用紙束の片側になされる片側綴じの場合、冊子は昇降式排紙皿80bへ排出され、綴じ処理における打針が用紙束の中央部になされる中綴じの場合、冊子は折り部70にて中折りされ、排紙皿82へ排出される。
【0042】
折り部70は、綴じ処理において中綴じする場合に、冊子を中折りする。
【0043】
なお、本実施形態における後処理ユニットC2は、複数枚の用紙Sに対して綴じ処理部60による綴じ処理を行うものであるが、複数枚の用紙Sに対して糊付けにより冊子を形成するものや、穿孔処理を行うものでもよい。
【0044】
排紙機構部80は、用紙Sを排出する排出手段としての排紙ローラー80aと、排出した用紙Sを積載する昇降式排紙皿80bと、用紙Sの後端を突き当てる突き当て部80cと、等を備えて構成されている。
【0045】
排紙ローラー80aは、変速可能な排紙駆動モーターM1に連結され、用紙Sを排出する。
また、排紙ローラー80aの用紙排出方向上流側には、用紙位置検知センサーPSが配設されている。そして、用紙位置検知センサーPSにより用紙Sの到達を検知した後、タイミングを合わせて排紙ローラー80aの回転速度が減速されるようになっている。
排紙ローラー80aの回転速度を減速することにより、用紙排出部90の用紙排出動作をより確実なものとすることができる。
【0046】
昇降式排紙皿80bには、用紙Sを積載する用紙積載部としての積載面SSが形成されており、排紙ローラー80aにより排出された用紙Sが積載される。
【0047】
突き当て部80cは、図3に示すように、排紙ローラー80aにより排出された用紙Sの用紙排出方向に対して上流側において、所定の間隙を有して配される2枚の板状部材である。
かかる突き当て部80cは、用紙Sを昇降式排紙皿80bに積載する際、用紙Sの後端を揃えるための基準となる。
【0048】
用紙排出部90は、排紙機構部80に近接した位置に配設され、排紙ローラー80aにより排出される用紙Sを昇降式排紙皿80b上に揃えて積載させるための機構である。
【0049】
用紙排出部90は、1枚毎又は2枚重ねた状態の用紙Sを用紙狭持位置で狭持し、用紙積載部における用紙積載位置へと移動させる一対の用紙狭持部材としての押圧部材91及び支持部材93を備えている。
ここで、「用紙狭持位置」とは、用紙Sが押圧部材91及び支持部材93によって狭持される瞬間の、用紙Sと押圧部材91及び支持部材93との位置をいう。
また、「用紙積載位置」とは、用紙Sの下面が昇降式排紙皿80bに形成される積載面SSに当接し、用紙Sの後端が突き当て部80cに当接する状態になった時点における、用紙Sと押圧部材91及び支持部材93との位置をいう。
【0050】
本実施形態においては、図3に示すように、一対の用紙狭持部材(押圧部材91及び支持部材93)が2組、2枚の突き当て部80cの間隙に設けられた構成となっている。
【0051】
押圧部材91は、図5(a)等に示すように、排紙ローラー80aにより排出される用紙Sの上側において、用紙Sの幅方向に平行な回転軸91a回りに揺動可能に保持されている。
具体的には、押圧部材91は、アーム状に形成され、その一端に当該押圧部材91を揺動可能に保持する回転軸91aが固定され、他端に用紙を介して支持部材93を押圧する押圧部91bを有している。
また、押圧部材91には、支持部材93を押圧する押圧力を押圧部91bに付与するばね部材SPが係止され、このばね部材SPは、押圧部材91を反時計方向に回動させる方向に付勢している。
この押圧部材91は、用紙Sが用紙狭持位置に近接するまでの間は支持部材93から離間し、上方の退避位置に待機している。
【0052】
また、押圧部材91と隣接する位置には、当該押圧部材91の位置を規制する押圧規制部材92が備えられ、押圧規制部材92には、当該押圧規制部材92を駆動する正逆回転可能な押圧規制部材駆動モーターM2が接続されている。
押圧規制部材92は、押圧規制部材駆動モーターM2に連結されて押圧規制部材92を正逆両方向に回転可能に保持する軸部92aと、押圧部材91に係合する係合部92bとを備えており、押圧部材91は、正逆両方向に回転する押圧規制部材92の係合部92bに係止されながら揺動する。
具体的には、押圧部材91は、回転する押圧規制部材92の一端に取り付けられた係合部92bの係止により反時計方向の回転を規制されている。
そして、制御部100の制御に応じて押圧規制部材駆動モーターM2が押圧規制部材92を反時計回りに回転させると、押圧部材91の反時計方向の回転の規制が解除される。
また、制御部100の制御に応じて押圧規制部材駆動モーターM2が押圧規制部材92を時計回りに回転させると、押圧部材91の反時計方向の回転が規制される。
なお、制御部100は、押圧規制部材駆動モーターM2を、用紙位置検知センサーPSにより検知される用紙Sの搬送のタイミングに合わせて動作させる。
具体的には、用紙Sが排紙ローラー80aにより搬送され、用紙狭持位置に達するとき、用紙位置検知センサーPSによる検知に応じて押圧規制部材92が反時計方向に回転し、押圧部材91の規制が解除される。
【0053】
なお、本実施形態において、押圧部材91は、正逆両方向に回転する押圧規制部材92の係合部92bに係止されながら揺動する構成であるが、押圧部材91を所定タイミングで正逆両方向に回転することの可能なものでれば、上記押圧規制部材92以外の構成であっても良い。
【0054】
一方、支持部材93は、排紙ローラー80aにより排出される用紙Sの下側において、用紙Sの幅方向に平行な回転軸94a回りに回転駆動可能に保持されている。
【0055】
具体的には、支持部材93は、一対の軸94bを介して、寸法及び形状が同一に形成された一対の回動板94の一端に固設されている。
一対の回動板94の他端には、一対の回転軸94aが固設されており、一対の回転軸94aは、保持板95に回転自在に保持されている。
また、一対の回転軸94aには、それぞれを反時計方向に回転させる支持部材駆動手段としての支持部材駆動モーターM3が連結されており、支持部材駆動モーターM3は、制御部100の制御によって、その回転動作が同速で同方向に同時に行われるように構成されている。
なお、一対の回動板94は、回転軸方向での位相がずれており、回転時に互いに干渉しないように配設されている。
【0056】
このような一対の回動板94、一対の回転軸94a、保持板95、支持部材駆動モーターM3等により、支持部材93は回転移動可能となっている。即ち、一対の回動板94は、同速で同方向に同時に回転し、支持部材93を回動させる。
支持部材駆動モーターM3は、制御部100の制御により、押圧部材91及び支持部材93の用紙Sへの1回の狭持動作に対し、一対の回動板94を1回転させる。
なお、支持部材93の用紙狭持面93a(後述)は、一対の回動板94の回転角度によらず常に水平を保つか、又は水平に対して一定の角度を保つ面となるよう構成することが好ましい。
このように、用紙狭持面93aを常に水平面、又は水平に対して一定の角度を保つ面とすることにより、押圧部材91及び支持部材93による用紙Sの狭持動作が安定した円滑な状態で行われる。
【0057】
また、支持部材93には、用紙Sを介して押圧部材91の押圧部91bが当接する用紙狭持面93aが形成されている。
用紙狭持面93aには、摩擦係数を大きくするような荒し処理がなされている。この用紙狭持面93a表面の摩擦係数は、押圧部材91の押圧部91bの摩擦係数より大きく、且つ、用紙S間の摩擦係数より大きくなるように設定されている。
このように、支持部材93の用紙狭持面93aの摩擦係数が、押圧部材91の押圧部91bの摩擦係数より大きく、且つ、用紙S間の摩擦係数より大きくなるように設定することにより、昇降式排紙皿80bの最上面に積層された用紙Sが用紙搬送方向の下流側にずれていても、その位置を容易に補正することができるようになっている。
なお、摩擦係数を大きくする構成としては荒し処理に限らず、支持部材93を樹脂成型部品で形成し、用紙狭持面93aに多数の微小な突起を形成してもよく、用紙狭持面93aにゴムや発泡系の軟質樹脂等からなる別部材を貼り付けても良い。
【0058】
また、支持部材93の下面(用紙狭持面93aと反対側の面)には、ばね部材96aを介して摩擦部材96が設けられている。
摩擦部材96は、ゴム又は発泡系の樹脂等からなる材料で形成された摩擦板である。この摩擦部材96の用紙当接面(下面)における摩擦係数は、昇降式排紙皿80bに積載される複数枚の用紙Sの用紙間の摩擦係数より大きい値に設定されている。
摩擦部材96は、ばね部材96aにより、用紙当接面が変位可能となっている。摩擦部材96の用紙Sとの当接面が変位可能であるため、昇降式排紙皿80bの積載される用紙束の厚みが変化しても用紙Sへの摩擦抵抗をほぼ一定に保つことができる。
【0059】
なお、本実施形態において、上記した押圧部材91及び支持部材93は、ユーザーの設定操作に応じて、両方又は何れか一方のみを駆動させることが可能となっている。
具体的には、排紙ローラー80aにより2枚重ねた状態で用紙Sが排出される場合には、押圧部材91及び支持部材93の両方を駆動する。
また、排紙ローラー80aにより1枚毎に用紙が排出される場合には、押圧部材91及び支持部材93の両方を駆動させても良いし、何れか一方のみを駆動させても良い。
押圧部材91及び支持部材93の両方を駆動させる設定とした場合には、用紙Sが昇降式排紙皿80bに載置される際の紙揃え状態をより向上させることができる。一方、押圧部材91及び支持部材93の何れか一方のみを駆動させる設定とした場合には、駆動箇所が1つとなるので、省電力化及び静音化を図ることができる。
【0060】
また、用紙排出部90は、昇降式排紙皿80bに排出される用紙Sの用紙排出方向と直角な方向において、用紙Sの端部位置を整合するための用紙整合手段としての一対の整合部材97、98を備えている。
一対の整合部材97、98は、図3に示すように、用紙排出方向の下流側であって、昇降式排紙皿80bの上方に配設されている。
一対の整合部材97、98は、用紙幅方向に所定の間隙を有して対向するよう設置されており、回転軸AXを中心に昇降式排紙皿80bに対して接離する方向に回転可能となっている。
【0061】
(制御部100)
図4に示すように、制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103等により構成されている。
制御部100のROM102には、上記各部を制御するための制御プログラム及び各種処理プログラムが記録されており、RAM103にはCPU101による作業領域が備えられている。
CPU101は、この制御プログラム及び各種処理プログラムとの協働により画像形成システム1000の各部の動作を統括的に制御する。
【0062】
例えば、制御部100は、排紙ローラー80aにより2枚重ねた状態で用紙Sが排出される場合には、押圧部材91及び支持部材93の両方を駆動し、排紙ローラー80aにより1枚毎に用紙が排出される場合には、押圧部材91及び支持部材93の少なくとも一方を駆動するよう制御する。
【0063】
具体的に、制御部100は、排紙ローラー80aにより2枚重ねた状態で用紙Sが排出される場合には、これを用紙の間隔(紙間)で判断し、押圧規制部材駆動モーターM2及び支持部材駆動モーターM3を駆動して、押圧部材91及び支持部材93の両方を駆動する。
一方、制御部100は、排紙ローラー80aにより1枚毎に用紙が排出される場合には、設定手段としての操作表示部B2によるユーザーの設定操作に応じて、押圧規制部材駆動モーターM2及び支持部材駆動モーターM3の両方又は何れか一方を駆動し、押圧部材91及び支持部材93の両方又は何れか一方を駆動させる。
【0064】
また、制御部100は、排紙ローラー80aにより1枚毎に用紙が排出される場合であって、ユーザーの設定操作がなされていない場合には、排出される用紙の種類に応じて、押圧部材91及び支持部材93の駆動を決定する。
具体的に、例えば、制御部100は、排出される用紙の坪量が40g/m〜80g/mである場合(用紙の種類は関係なし)には、押圧部材91及び支持部材93の両方を駆動する。これは、上記坪量の用紙は、用紙のこしがなかったり、用紙の姿勢が安定しないためである。
また、制御部100は、排出される用紙が、塗工紙(表面がコートされた用紙)である場合には、用紙の坪量に関係なく、押圧部材91及び支持部材93の両方を駆動する。これは、塗工紙は、用紙間の密着性が高く、昇降式排紙皿80b上での戻りが安定しないためである。
そして、制御部100は、上記の条件以外の用紙については、支持部材93のみを駆動する。
【0065】
また、制御部100は、排紙ローラー80aにより排出される用紙の間隔に応じて、押圧部材91及び支持部材93の少なくとも一方を駆動する。
具体的には、例えば、通常の印刷スピードが1分間に100枚の速度とした場合、搬送される用紙間の間隔は短いので支持部材93のみを駆動させる。
また、2枚重ねた際には、倍の用紙間隔で用紙が搬送されてくるため、この用紙の間隔の場合には、押圧部材91及び支持部材93を駆動させる。
【0066】
なお、本実施形態においては、上記した用紙排出部90及び制御部100により、用紙排出装置が構成されている。
【0067】
次に、本実施形態における用紙排出部90の動作について図5〜7を用いて説明する。
【0068】
先ず、排紙ローラー80aにより2枚重ねた状態の用紙S1、S2が排出され、押圧部材91及び支持部材93が駆動される場合について説明する。
なお、図5〜7においては、用紙S1、S2の前に既に複数枚の用紙が昇降式排紙皿80bに積載された状態を示している。
【0069】
排出される用紙S1、S2が用紙狭持位置に達する前、用紙S1、S2の先端が排紙ローラー80aに挟まれた時点では、押圧部材91は、支持部材93から離間した退避位置に待機している。また、支持部材93は、用紙S1、S2を狭持する用紙狭持位置において待機している(図5(a)参照)。
【0070】
次に、用紙S1、S2が排紙ローラー80aにより搬送され用紙狭持位置に達するとき、用紙位置検知センサーPSによる検知に応じて押圧規制部材92が反時計方向に回転し、これに伴って押圧部材91の規制は解除され、押圧部材91は、ばね部材SPの付勢により反時計方向に回転して用紙S1、S2の後端部を狭持するように支持部材93に当接し、押圧する(図5(b)参照)。
【0071】
支持部材93は、用紙位置検知センサーPSによる用紙S1、S2の検知から所定時間経過後に支持部材駆動モーターM3が回転されると、これに伴う一対の回動板94の回動により移動を開始する。支持部材93は、一対の回動板94が回転されることで、反時計方向に回動される。
支持部材93が回動すると、押圧部材91は、間に用紙S1、S2を狭持しながら支持部材93を押圧した状態で、移動する支持部材93に追随して移動する(図6(a)参照)。
【0072】
なお、用紙S1、S2が用紙狭持位置で押圧部材91と支持部材93との間に狭持されてから、用紙S1、S2の後端が排紙ローラー80aから排出されるまでの間(用紙S1、S2の後端が排紙ローラー80aのニップ部から離れるまでの間)は、用紙S1、S2は排紙ローラー80aの搬送力により搬送されている。
そして、用紙S1、S2の後端が排紙ローラー80aのニップ部から離れるとき、排紙ローラー80aによる搬送力は消失し、用紙S1、S2は、押圧部材91と支持部材93とに狭持された状態で、支持部材93の移動に従って移動することとなる。
【0073】
用紙S1、S2が用紙積載位置に達すると、支持部材93の用紙狭持面93aは用紙Sから離れ、また、支持部材93は押圧部材91から離間して、用紙排出方向と逆方向の上流側へ移動する(図6(b)参照)。
すると、押圧部材91は、ばね部材SPに付勢され、用紙S1、S2を昇降式排紙皿80bに押し付ける(図7(a)参照)。この状態で、用紙S1、S2の昇降式排紙皿80bへの積載が完了する。
その後、押圧部材91は、押圧規制部材92の時計回りの回転に伴って時計回りに回転し、押圧規制部材92に係止された元の退避位置に戻り、支持部材93は、反時計回りに回転して用紙狭持位置に戻る(図7(b)参照)。
【0074】
このとき、支持部材93の用紙狭持面93aの摩擦係数が、押圧部材91の押圧部91bと、用紙間の摩擦係数より大きいため、下側の用紙S1の後端を突き当て部80cに突き当てることができる。
【0075】
また、昇降式排紙皿80bに積載された最上面の用紙Sの後端が、用紙S1の後端より排出方向の下流側にずれていた場合、摩擦部材96を最上面の用紙Sに当接させた際の作用により、ずれを補正することができる。
即ち、図6(b)に示すように、支持部材93に設けられた摩擦部材96が最上面の用紙Sの上面に当接し、用紙Sが用紙排出方向の上流側に向けて付勢され、用紙Sの後端が突き当て部80cに突き当てられる。
【0076】
また、このとき、昇降式排紙皿80bに積載された用紙束の厚さに応じて、ばね部材96aが伸縮するため、摩擦部材96は常時好適な高さにて昇降式排紙皿80bの最上面の用紙に当接することとなる。
その後、同様にして、用紙Sが排紙ローラー80aから排出され、後端の揃った用紙束が昇降式排紙皿80b上に積載される。
【0077】
なお、排紙ローラー80aにより1枚毎に用紙Sが排出され、押圧部材91及び支持部材93が駆動される場合は、上述した2枚重ねた状態の用紙S1、S2が排出される場合と同様にして、昇降式排紙皿80b上に端部の揃った用紙束が積載される。
【0078】
次に、排紙ローラー80aにより1枚毎に用紙Sが排出され、押圧部材91のみが駆動される場合について説明する。
押圧部材91のみが駆動される場合、支持部材93は、支持部材93の揺動を妨げない退避位置(図7(a)参照)に移動している。
そして、用紙S1、S2の後端が排紙ローラー80aのニップ部から離れるタイミングで、押圧規制部材92が反時計方向に回転し、これに伴って、押圧部材91がばね部材SPの付勢により反時計方向に回転し、用紙Sの後端部を押圧する。
これにより、用紙Sは自重ではなく、押圧部材91の押圧力によって落下し、昇降式排紙皿80b上に積載されることとなる。
【0079】
次に、排紙ローラー80aにより1枚毎に用紙Sが排出され、支持部材93のみが駆動される場合について説明する。
支持部材93のみが駆動される場合、押圧部材91は、支持部材93から離間した退避位置(図5(a)参照)に待機している。
そして、支持部材93は、用紙Sを狭持する用紙狭持位置において待機している。なお、押圧部材91は駆動しないため用紙Sは狭持されないが、便宜上「用紙狭持位置」との表現を用いている。
【0080】
次に、用紙Sが排紙ローラー80aにより搬送され用紙狭持位置に達し、用紙位置検知センサーPSがこれを検知すると、支持部材93は、用紙位置検知センサーPSによる用紙Sの検知から所定時間経過後に、一対の回動板94の回動により移動を開始する。支持部材93は、一対の回動板94が回転されることで、反時計方向に回動される。
そして、用紙Sの後端が排紙ローラー80aのニップ部から離れるとき、排紙ローラー80aによる搬送力は消失し、用紙Sは支持部材93の移動に従って移動する。
その後、用紙Sが用紙積載位置に達すると、支持部材93の用紙狭持面93aは用紙Sから離れ、用紙排出方向と逆方向の上流側へ移動し、この状態で、用紙Sの昇降式排紙皿80bへの積載が完了する。
昇降式排紙皿80bに積載された用紙Sは、支持部材93の回動の次のサイクルにおいて、摩擦部材96を用紙S2に当接させた際の作用により、その後端が突き当て部80cに突き当てられる。
これにより、後端の揃った用紙束が昇降式排紙皿80b上に積載される。
【0081】
以上のように、本実施形態によれば、押圧部材91及び支持部材93の少なくとも一方を用いて用紙Sを昇降式排紙皿80bに載置するため、用紙が用紙載置台に載置される際の紙揃え状態を向上させ、且つ載置されるまでの時間を短縮することができる。
また、排紙ローラー80aにより2枚重ねた状態で用紙が排出される場合には、押圧部材91及び支持部材93の両方を駆動し、排紙ローラー80aにより1枚毎に用紙が排出される場合には、押圧部材91及び支持部材93の少なくとも一方を駆動するよう制御することが可能である。
このため、押圧部材91及び支持部材93の両方を駆動させる設定とした場合には、用紙Sが昇降式排紙皿80bに載置される際の紙揃え状態をより向上させることができ、押圧部材91及び支持部材93の何れか一方のみを駆動させる設定とした場合には、駆動箇所が1つとなるので、省電力化及び静音化を図ることができる。
【0082】
また、本実施形態によれば、排紙ローラー80aにより1枚毎に用紙が排出される際に、ユーザーが押圧部材91及び支持部材93の両方又は何れか一方を駆動させるための設定操作を行う操作表示部B2を備え、操作表示部B2による設定操作に応じて、押圧部材91及び支持部材93の少なくとも一方が駆動される。
このため、ユーザーの任意で、装置の設置環境等に応じて押圧部材91及び支持部材93の動作を設定することが可能となり、利便性が向上する。
【0083】
また、本実施形態によれば、支持部材93は、積載面SSに積載された最上面の用紙Sに当接して、当該最上面の用紙Sを用紙排出方向に対して上流側の突き当て部80cに向けて付勢する摩擦部材96を備えている。
このため、積載面SSに積載済みの最上面の用紙の後端がずれていた場合、ずれの補正を行うことができる。
【0084】
また、本実施形態によれば、排紙ローラー80aにより1枚毎に用紙が排出される場合、排出される用紙の種類に応じて、押圧部材91及び支持部材93の何れを駆動するか決定される。
このため、用紙の種類に応じて、押圧部材91及び支持部材93の好適な駆動を行うことができる。
【0085】
また、本実施形態によれば、排紙ローラー80aにより排出される用紙の間隔に応じて、押圧部材91及び支持部材93の少なくとも一方が駆動される。
このため、搬送される用紙の好適な位置を、押圧部材91及び支持部材93にて狭持することができる。
【0086】
なお、上記実施形態においては、制御部100は画像形成システム1000の全体の動作を統括的に制御することとして説明したが、画像形成装置B及び後処理装置Cのそれぞれを制御する制御部を別々に設けることとしても良い。
この場合、後処理装置Cの制御部により、押圧部材91及び支持部材93の駆動制御を行うこととしても良い。
【0087】
また、画像形成装置B及び中間搬送ユニットC1を一体に形成し、中間搬送ユニットC1に用紙排出部90を設ける構成としてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1000 画像形成システム
A 大容量給紙装置
B 画像形成装置
B2 操作表示部(設定手段)
C 後処理装置
C1 中間搬送ユニット
C2 後処理ユニット
80 排紙機構部
80a 排紙ローラー(排出手段)
80b 昇降式排紙皿
SS 積載面(用紙積載部)
80c 突き当て部
90 用紙排出部(用紙排出装置)
91 押圧部材(用紙狭持部材)
91a 回転軸
91b 押圧部
92 押圧規制部材
93 支持部材(用紙狭持部材)
93a 用紙狭持面
94 回動板
95 保持板
96 摩擦部材
96a ばね部材
97、98 整合部材
100 制御部(用紙排出装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排出手段により1枚毎又は2枚重ねた状態で排出される用紙を積載する用紙積載部と、
前記用紙積載部に積載される用紙の用紙排出方向の後端を突き当てる突き当て部と、
前記1枚毎又は2枚重ねた状態の用紙を用紙狭持位置で狭持し、前記用紙積載部における用紙積載位置へと移動させる一対の用紙狭持部材と、を有する用紙排出部を備え、
前記一対の用紙狭持部材は、
前記排出手段により排出される用紙の下側において、用紙の幅方向に平行な回転軸回りに回転駆動可能に保持された支持部材と、
前記排出手段により排出される用紙の上側において、用紙の幅方向に平行な回転軸回りに揺動可能に保持された押圧部材と、
を備え、
前記排出手段により2枚重ねた状態で用紙が排出される場合には、前記押圧部材及び前記支持部材の両方を駆動し、
前記排出手段により1枚毎に用紙が排出される場合には、前記押圧部材及び前記支持部材の少なくとも一方を駆動するよう制御する制御部を備えることを特徴とする用紙排出装置。
【請求項2】
前記排出手段により1枚毎に用紙が排出される際に、ユーザーが前記押圧部材及び前記支持部材の両方又は何れか一方を駆動させるための設定操作を行う設定手段を備え、
前記制御部は、前記設定手段による設定操作に応じて、前記押圧部材及び前記支持部材の少なくとも一方を駆動することを特徴とする請求項1に記載の用紙排出装置。
【請求項3】
前記支持部材は、
回転駆動して用紙排出方向に対して上流側に移動した場合に、前記用紙積載部に積載された最上面の用紙に当接して、当該最上面の用紙を用紙排出方向に対して上流側の前記突き当て部に向けて付勢する摩擦部材を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の用紙排出装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記排出手段により1枚毎に用紙が排出される場合、排出される用紙の種類に応じて、前記押圧部材及び前記支持部材の少なくとも一方を駆動することを特徴とする請求項1又は2に記載の用紙排出装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記排出手段により排出される用紙の間隔に応じて、前記押圧部材及び前記支持部材の少なくとも一方を駆動することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の用紙排出装置。
【請求項6】
用紙に画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置により画像形成された用紙に後処理を施す後処理装置と、を備えた画像形成システムにおいて、
請求項1〜5の何れか一項に記載の用紙排出装置を備え、
前記後処理装置は、前記用紙排出部を備えることを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−240763(P2012−240763A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109653(P2011−109653)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】