説明

用紙束印刷システム、用紙束印刷システムの制御方法および用紙束プリンタ

【課題】用紙に印刷する印刷データを簡単に作成することができる用紙束印刷システム、用紙束印刷システムの制御方法および用紙束プリンタを提供する。
【解決手段】用紙束から用紙を1枚ずつ捲り上げて送ると共に、送られてゆく用紙に印刷を行う用紙束印刷システムにおいて、連絡先名を含む伝言メッセージを取得するメッセージ取得手段と、連絡先名および連絡先名に関連する連絡先情報を記憶する記憶手段と、伝言メッセージから、連絡先名を抽出する連絡先名抽出手段と、抽出した連絡先名を記憶手段と照合して連絡先情報を取得する連絡先情報取得手段と、取得した連絡先情報を、伝言メッセージに付加して用紙に印刷する印刷手段と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙束から用紙を1枚ずつ捲り上げ、捲り上げた用紙に印刷を行う用紙束印刷システム、用紙束印刷システムの制御方法および用紙束プリンタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の付箋紙プリンタ(用紙束プリンタ)として、付箋紙プリンタに接続されたパソコンにより作成した印刷データに基づいて、付箋紙に所望の印刷を行うものが知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−212367号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、付箋紙は、例えば、電話の伝言メモとして用いられる場合がある。このとき、上記従来の付箋紙プリンタで伝言メモを作成しようとすると、パソコンにより、連絡先(人名、会社名や店名等)、電話番号やメールアドレス、はたまた、連絡先が海外である場合は現地時刻等の全ての情報を調べて、印刷データとして作成しなければならない。このため、ユーザにとって煩雑な処理により印刷データを作成するという問題がある。
【0004】
本発明は、用紙に印刷する印刷データを簡単に作成することができる用紙束印刷システム、用紙束印刷システムの制御方法および用紙束プリンタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の用紙束印刷システムは、用紙束から用紙を1枚ずつ捲り上げて送ると共に、送られてゆく用紙に印刷を行う用紙束印刷システムにおいて、連絡先名を含む伝言メッセージを取得するメッセージ取得手段と、連絡先名および連絡先名に関連する連絡先情報を記憶する記憶手段と、伝言メッセージから、連絡先名を抽出する連絡先名抽出手段と、抽出した連絡先名を記憶手段と照合して連絡先情報を取得する連絡先情報取得手段と、取得した連絡先情報を、伝言メッセージに付加して用紙に印刷する印刷手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
また、本発明の用紙束印刷システムの制御方法は、用紙束から用紙を1枚ずつ捲り上げて送ると共に、送られてゆく用紙に印刷を行う用紙束印刷システムの制御方法において、連絡先名を含む伝言メッセージを取得するメッセージ取得工程と、連絡先名および連絡先名に関連する連絡先情報を記憶する記憶工程と、伝言メッセージから、連絡先名を抽出する連絡先名抽出工程と、抽出した連絡先名を記憶手段と照合して連絡先情報を取得する連絡先情報取得工程と、取得した連絡先情報を、伝言メッセージに付加して用紙に印刷する印刷工程と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、作成した伝言メッセージ上に、連絡先名が含まれていると、連絡先名抽出手段により連絡先名が抽出され、抽出された連絡先名に基づいて、連絡先情報取得手段が記憶手段の中から、その連絡先名に対応した連絡先情報を取得し、印刷手段により、伝言メッセージと共に、連絡先情報を自動的に印刷する。すなわち、ユーザは、伝言メッセージを作成するだけで、その連絡先名に関連する連絡先情報が自動的に付加されるため、ユーザ自ら、連絡先名に関連する連絡先情報を印刷データとして作成する手間を省くことができる。なお、連絡先名としては、人名、会社名や店名等がある。また、用紙束としては、メモ帳や付箋紙束等がある。
【0008】
本発明の他の用紙束印刷システムは、用紙束から用紙を1枚ずつ捲り上げて送ると共に、送られてゆく用紙に印刷を行う用紙束印刷システムにおいて、連絡先名を取得する連絡先名取得手段と、伝言メッセージを取得するメッセージ取得手段と、連絡先名および連絡先名に関連する連絡先情報を記憶する記憶手段と、取得した連絡先名に基づいて、記憶手段から連絡先情報を取得する連絡先情報取得手段と、取得した連絡先情報を、連絡先名と共に伝言メッセージに付加して用紙に印刷する印刷手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の他の用紙束印刷システムの制御方法は、用紙束から用紙を1枚ずつ捲り上げて送ると共に、送られてゆく用紙に印刷を行う用紙束印刷システムの制御方法において、連絡先名を取得する連絡先名取得工程と、伝言メッセージを取得するメッセージ取得工程と、連絡先名および連絡先名に関連する連絡先情報を記憶する記憶工程と、取得した連絡先名に基づいて、記憶手段から連絡先情報を取得する連絡先情報取得工程と、取得した連絡先情報を、連絡先名と共に伝言メッセージに付加して用紙に印刷する印刷工程と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、取得した連絡先名に基づいて、連絡先情報取得手段が記憶手段の中から、その連絡先名に対応した連絡先情報を取得し、印刷手段により、連絡先名および伝言メッセージと共に、連絡先情報を自動的に印刷する。すなわち、ユーザは、連絡先名および伝言メッセージを作成するだけで、その連絡先名に関連する連絡先情報が自動的に付加されるため、ユーザ自ら、連絡先名に関連する連絡先情報を印刷データとして作成する手間を省くことができる。
【0011】
この場合、連絡先情報には、電話番号、メールアドレス、住所および住所の現地時刻と用紙に印刷した現在時刻との時差の少なくとも一つが含まれていることが、好ましい。
【0012】
この構成によれば、印刷された付箋紙には、伝言メッセージと共に、電話番号、メールアドレスや時差が印刷されるため、ユーザはこれらの連絡先情報を印刷データとして作成する必要が無い。また、この付箋紙を受け取った受取人は、連絡先の電話番号、メールアドレスおよび時差も容易に把握することができるため、電話番号を調べることなく早急に電話を掛け直すこともでき、また、連絡先の時差に基づいて、連絡先の現地時刻に合わせた対応を取ることも可能となる。なお、時差に代えて、現地時刻をそのまま表示しても良い。
【0013】
この場合、伝言メッセージに関する複数の常套句を記憶する常套句記憶手段と、
前記常套句記憶手段から所望の1以上の前記常套句を選択するための常套句選択手段とを、更に備えたことが、好ましい。
【0014】
この構成によれば、常套句選択手段により、所望の常套句を選択し、これを伝言メッセージとすることで、伝言メッセージを作成する手間を省くことができ、より簡単に印刷データを作成することができる。
【0015】
この場合、常套句記憶手段に、新たな前記常套句を登録する常套句登録手段を、更に備えたことが、好ましい。
【0016】
この構成によれば、多用する常套句を新たに登録することができるため、用紙束印刷システムの汎用性を向上させることができる。
【0017】
この場合、印刷手段を備えた用紙束プリンタと、メッセージ取得手段、記憶手段、連絡先名抽出手段および連絡先情報取得手段、を備えたコンピュータと、から成ることが、好ましい。
【0018】
この構成によれば、コンピュータを利用して、抽出した連絡先名に基づいて、連絡先名に関連する連絡先情報を自動的に伝言メッセージに付加して、印刷することができる。
【0019】
この場合、印刷手段を備えた用紙束プリンタと、連絡先名取得手段、メッセージ取得手段、記憶手段および連絡先情報取得手段、を備えたコンピュータと、から成ることが、好ましい。
【0020】
この構成によれば、コンピュータを利用して、取得した連絡先名に基づいて、連絡先名に関連する連絡先情報を自動的に伝言メッセージに付加して、印刷することができる。
【0021】
本発明の用紙束プリンタは、上記の用紙束印刷システムの全ての手段を備えたことを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、用紙束プリンタ単体で、抽出または取得した連絡先名に基づいて、連絡先名に関連する連絡先情報を自動的に伝言メッセージに付加して、印刷することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照して、本実施形態に係る付箋紙プリントシステム(用紙束印刷システム)について説明する。付箋紙プリントシステムは、パソコンで作成した印刷データに基づいて、付箋紙プリンタ(用紙束プリンタ)により、これにセットした付箋紙束(用紙束)から最上位の付箋紙を捲り上げ、捲り上げた付箋紙を引き剥がしながら印刷を行って、装置外部に印刷済みの付箋紙を排出するものである。
【0024】
図1に示すように、付箋紙プリントシステム1は、付箋紙束Hがセットされる付箋紙プリンタ2と、付箋紙プリンタ2にUSBケーブル4等で接続され、付箋紙H1に印刷するための印刷データを作成・編集すると共に、付箋紙プリンタ2の各種駆動を制御するパソコン3とから構成されている。
【0025】
図2に示すように、付箋紙プリンタ2は、外殻を成す装置ケース15と、装置ケース15内部に格納され、装置ケース15内部にセットした付箋紙束Hから付箋紙H1を引き剥がしながら印刷を行う印刷部アッセンブリ(印刷手段)12と、を備えている。
【0026】
付箋紙束Hは、裏面の基端部を部分糊付けした長方形状の複数枚の付箋紙H1を積層したものである(図3参照)。付箋紙H1は、付箋紙束Hから1枚ずつ剥離され、剥離後に、この基端部の糊付け部を介して、手帳等に貼着される。
【0027】
装置ケース15は、全体として小型に形成されており、装置ケース15の下部前面には、付箋紙カセット20を装置ケース15内部に前方から引出し式で導入するためのカセット導入開口17が形成されている。装置ケース15の上部前面中央には、印刷済み付箋紙H1を装置ケース2外部に送り出すための水平スリット状の排出口16と、排出口16を境に装置ケース15内部から装置ケース15外部へ延在し、引き剥がされた印刷済み付箋紙H1を受け留める受け部14と、が形成されている。また、装置ケース15の上面には、リボンカートリッジCを装着すると共に、メンテナンスのための開閉蓋18が取り付けられている。
【0028】
図3に示すように、印刷部アッセンブリ12は、付箋紙束Hをセットする付箋紙カセット20と、セットした付箋紙束Hの最上位の付箋紙H1を捲上げ位置23において捲り上げた後、付箋紙H1を引き剥がして排出するピックアップローラ25と、ピックアップローラ25により送られてゆく付箋紙H1に印刷を行うサーマルヘッド26と、ピックアップローラ25を捲上げ位置23とサーマルヘッド26に接触する印刷位置24との間で移動させるローラアーム27と、インクリボンRを収容したリボンカートリッジCと、を有している。つまり、ピックアップローラ25は、サーマルヘッド26に対峙するプラテンローラとしての役割も兼ねている。
【0029】
印刷部アッセンブリ12は、付箋紙カセット20にセットされた付箋紙束Hに対し、ピックアップローラ25を捲上げ位置23に臨ませて、最上位の付箋紙H1を捲り上げ、この状態でローラアーム27によりピックアップローラ25を印刷位置24に移動させる。すると、印刷位置24に移動したピックアップローラ25は、捲り上げた付箋紙H1と装着したリボンカートリッジCから繰り出されるインクリボンRとを、サーマルヘッド26と共に挟み込み、ピックアップローラ25により付箋紙H1を排出口16に向かって送ると共に、送られてゆく付箋紙H1にサーマルヘッド26によりインクリボンRのインクを熱転写している。
【0030】
図1に示すように、パソコン3は、パソコン本体5と、パソコン本体5に接続され、データを入力するキーボード6およびマウス7と、入力結果等を表示するディスプレイ8とを有しており、パソコン本体5には、付箋紙プリンタ2に関するアプリケーションソフト30やデバイスドライバ等のデータを記憶したCD−ROM9が着脱自在にセットされている。そして、キーボード6等から各種検出信号、各種指令、各種データ等が入力されると、パソコン3は、CD−ROM9内のプログラムに従って、各種データを処理し、付箋紙プリンタ2を制御するようになっている。
【0031】
すなわち、付箋紙H1に伝言メッセージ等を印刷する場合は、先ず、パソコン3上において、アプリケーションソフト30を起動する。次に、アプリケーションソフト30を用いて印刷データを作成し、この後、プリントボタン31をクリックすると、付箋紙プリンタ2は、作成した印刷データに基づいて、付箋紙H1に印刷を行うと共に、排出口16に向かって印刷済みの付箋紙H1を排紙する。
【0032】
なお、当然ではあるが、付箋紙プリンタ2に印刷データの作成・編集機能、各部の制御機能やディスプレイ8を設け、付箋紙プリンタ2を単体として用いて、付箋紙H1に対する印刷を行うようにしてもよい。
【0033】
ここで、図4を参照して、アプリケーションソフト30について詳細に説明する。アプリケーションソフト30は、起動した際のデフォルト画面となるEDIT画面35と、登録した登録データに基づいて印刷データを作成するJOB画面36と、登録データを編集するDATA画面37と、を有しており、各画面35、36、37は、階層状に配置されている。
【0034】
EDIT画面35は、EDIT画面35の図示上側に突出し、これを選択するためのEDITタブ40と、EDIT画面35の略全域に設けられ、キーボード6により伝言メッセージ57を入力してこれを表示するメッセージ入力領域41と、EDIT画面35の図示右下に設けられ、メッセージ入力領域41に表示された伝言メッセージを印刷するプリントボタン31とを有している。つまり、メッセージ入力領域41に入力された伝言メッセージ57は、アプリケーションソフト30のメッセージ取得手段により取得され、プリントボタン31をクリックすることにより、取得した伝言メッセージ57に基づいて、付箋紙H1に伝言メッセージ57が印刷されることとなる。
【0035】
図5に示すように、DATA画面37は、DATA画面37の図示上側に突出し、これを選択するためのDATAタブ44と、DATA画面37の図示左側に設けられ、区分した複数のカテゴリを選択可能に表示するカテゴリ選択領域45と、DATA画面37の図示右側に設けられ、カテゴリ選択領域45で選択したカテゴリに対応する複数の登録データを選択可能に表示するデータ編集領域46と、DATA画面37の図示左下側に設けられ、選択したカテゴリに新たな登録データを作成・登録するための新規作成ボタン47と、DATA画面37の図示中央下側に設けられ、登録データを修正するための修正ボタン48と、DATA画面37の図示右下側に設けられ、登録データを削除する削除ボタン49と、を有している。
【0036】
カテゴリ選択領域45には、複数のカテゴリとして、「Person」、「Message」、「Place」、「Document」等があり、各カテゴリを選択すると、対応する登録データがデータ編集領域46に表示されるよう構成されている。すなわち、「Person」を選択すると、データ編集領域46には、個人名、会社名および店名等を含む複数の連絡先名55が表示され、「Message」を選択すると、データ編集領域46には、日常的に多用する複数の常套句が表示される。また、「Place」を選択すると、データ編集領域46には、複数の場所名が表示され、「Document」を選択すると、データ編集領域46には、複数の資料名が表示される。
【0037】
データ編集領域46には、カテゴリ選択領域45において選択された各カテゴリにおける登録データが表示される。例えば、カテゴリ選択領域45において、「Person」を選択すると、データ編集領域46には、複数の連絡先名、「Anna」、「Archer Inc.」等の個人名や会社名が表示される。
【0038】
新規作成ボタン47は、選択したカテゴリに、新たな登録データを作成・登録するためのものであり、例えば、「Person」が選択された状態において、新規作成ボタン47をクリックすると、登録データとして、連絡先データを登録する連絡先データ登録画面60が現れる(図6参照)。つまり、登録データは、カテゴリ毎に異なっており、「Person」の場合は、連絡先データとして、「Message」の場合は、常套句データとして、「Place」の場合は、場所データとして、「Document」の場合は、資料データとして、パソコン内の記憶部(記憶手段)に登録される。
【0039】
図6に示すように、連絡先データ登録画面60は、連絡先名55およびこれに関連する連絡先情報56を登録するためのものであり、上から順に、連絡先名55を入力する連絡先名入力領域61と、連絡先の電話番号67を入力する電話番号入力領域62と、連絡先のメールアドレス68を入力するメールアドレス入力領域63と、連絡先の国/地域(住所所在地)を入力する国/地域入力領域64と、を有している。また、連絡先データ登録画面60の図示下側には、OKボタン65とキャンセルボタン66とが設けられている。
【0040】
新規作成ボタン47をクリックすると、連絡先データ登録画面60が呼び出され、キーボード6により、各入力領域に所望のデータを入力してゆく。そして、入力が終了し、OKボタン65をクリックすると、入力したデータに基づいて、新たな連絡先データが登録される。
【0041】
修正ボタン48は、登録されているデータを再編集するためのものであり、例えば、カテゴリ選択領域45の「Person」を選択すると共に、データ編集領域46の「Anna」を選択した状態において、修正ボタン48をクリックすると、「Anna」の連絡先データ登録画面60が呼び出され、「Anna」の連絡先データの再編集が可能となる。
【0042】
削除ボタン49は、登録されているデータを削除するためのものであり、例えば、カテゴリ選択領域45の「Person」を選択すると共に、データ編集領域46の「Anna」を選択した状態において、削除ボタン49をクリックすると、「Anna」の連絡先データが削除される。
【0043】
図7に示すように、JOB画面36は、JOB画面36の図示上側に突出し、これを選択するためのJOBタブ70と、JOB画面36上にマトリクス状に配置され、付箋紙H1に印刷する伝言メッセージ57を、用途毎に区分した複数のJOBボタン59と、を有している。つまり、JOBボタン59は、例えば、「Telephone」、「Schedule」、「Guest」、「Document」、「Time & Date」等があり、「Telephone」を選択することで、電話メモの作成を行ったり、「Schedule」を選択することで、スケジュールメモの作成を行ったりすることができる。なお、「Guest」は、来客メモの作成、「Document」は、資料に添付するメモの作成、「Time & Date」は、日付や時刻等のタイムスタンプとして使用される。例えば、JOB画面36において、電話メモを作成する場合について説明する。
【0044】
図8に示すように、JOB画面36に表示されている「Telephone」をクリックすると、電話メモ作成画面71が表示される。電話メモ作成画面71は、その図示左側に設けられ、電話を掛けてきた相手方の連絡先を表示して選択するための連絡先選択領域72と、図示右上側に設けられ、現在時刻81または所望の時刻を表示して選択するための時刻選択領域73と、図示右下側に設けられ、伝言メッセージを表示して選択するためのメッセージ選択領域74と、上記の選択に基づいて印刷を行うためのプリントボタン31と、を有している。
【0045】
連絡先選択領域72は、DATA画面37において登録された連絡先データの連絡先名55を表示すると共に、連絡先選択領域72の下側には、連絡先名55を自由に入力可能な連絡先入力領域75が設けられている。すなわち、登録された連絡先名55が無い場合は、連絡先入力領域75に連絡先名55を入力することで、任意の連絡先名55を付箋紙H1に印刷することができる。そして、連絡先名55が入力されると、アプリケーションソフト30の連絡先名取得手段により、連絡先名55が取得され、取得した連絡先名55に基づいて、付箋紙H1に連絡先名55が印刷されることとなる。
【0046】
時刻選択領域73は、付箋紙に現在時刻81を印刷するための現在時刻選択肢76と、付箋紙H1に所望の時刻を入力して印刷するための時刻入力選択肢77と、を有している。電話を受け取って、すぐに電話メモを作成した場合は、現在時刻選択肢76を選択することにより、電話を受け取った時刻を付箋紙H1に印刷することが可能となる。また、電話を受け取った後、時間をおいて電話メモを作成する場合は、時刻入力選択肢77を選択し、電話を受け取った時刻を入力することで、電話を受け取った時刻を付箋紙に印刷することが可能となる。
【0047】
メッセージ選択領域74は、例えば、「Call again」、「Call back」および「E-mail」等の選択肢があり、「Call again」を選択すると、もう一度掛け直す旨のメッセージを付箋紙に印刷し、「Call back」を選択すると、電話を下さいという旨のメッセージを付箋紙H1に印刷し、「E-mail」を選択すると、メールを下さいという旨のメッセージを付箋紙に印刷する。
【0048】
電話メモを作成すべく、電話メモ作成画面71を表示し、連絡先選択領域72に表示された連絡先名55を選択する。この後、時刻選択領域73において、現在時刻選択肢76を選択し、メッセージ選択領域74において、「Call back」を選択する。全ての選択が終了した後、プリントボタン31をクリックすると、上記の選択に基づいて、付箋紙H1に印刷が行われる。
【0049】
ここで、図9に示すように、上記の選択に基づいて付箋紙H1を印刷すると、付箋紙H1には、上記で選択した連絡先名55、現在時刻81および伝言メッセージ57の他、連絡先の電話番号67および時差80が自動的に付加されて印刷される。なお、「To Mike」の部分は手書きとなっている。以下、図10を参照しながら、自動的に電話番号等の連絡先情報56を付加し、付箋紙H1に印刷を行う一連の動作フローについて説明する。
【0050】
ここで、アプリケーションソフト30は、上記した連絡先名55を取得する連絡先取得手段と、上記した伝言メッセージを取得するメッセージ取得手段と、連絡先名に基づいて、上記したパソコン内の記憶部から連絡先データを取得する連絡先情報取得手段とを有している。
【0051】
電話メモ作成画面71において、連絡先選択領域72の連絡先名55およびメッセージ選択領域74の伝言メッセージ57を選択し(S1、S2)、プリントボタン31をクリックする(S3)と、アプリケーションソフト30は、連絡先取得手段により選択した連絡先名55を取得(S4)し、連絡先情報取得手段により取得した連絡先名から記憶部に記憶された連絡先データを取得する(S5)。この後、アプリケーションソフト30は、取得した連絡先データから、電話番号67等の連絡先情報56を呼び出し(S6)、電話番号67があるか否かを判断する(S7)。連絡先情報に電話番号67が入力(登録)されている場合は、電話番号67ありと判断し、付箋紙H1に印刷する印刷データに電話番号データを付加する(S8)。一方、連絡先情報56に電話番号67が入力(登録)されていない場合は、電話番号67無しと判断し、印刷データに電話番号データを付加しない。同様に、連絡先情報56にメールアドレス68があるか否かを判断し(S9)、有る場合は、メールアドレスデータを印刷データに付加し(S10)、無い場合は付加しない。また、連絡先情報56に連絡先の国/地域が入力されているか否かを判断し(S11)、有る場合は、これに対応した時差80を付加する(S12)。そして、連絡先情報56が付加された印刷データに基づいて、印刷部アッセンブリ12により、印刷を行う(S13)ことで、連絡先情報56が付加された付箋紙H1を得ることができる。
【0052】
以上の構成によれば、ユーザは、連絡先名55および伝言メッセージ57を入力するだけで、その連絡先名55に関連する連絡先情報56が自動的に付加されるため、ユーザ自ら、連絡先名55に関連する連絡先情報56を入力する手間を省くことができる。なお、常套句データを新規に登録する常套句登録手段を設け、「Message」カテゴリを選択して、新規作成ボタン47をクリックすることにより、新たな常套句を登録可能に構成されていることが、好ましい。これによれば、多用する常套句を新たに登録することができるため、アプリケーションソフト30の汎用性を向上させることができる。また、本実施形態では、用紙束として付箋紙束Hを用いたが、これに限らず、メモ帳を用いても良い。
【0053】
次に、図11および図12を参照して、第2実施形態に係る付箋紙プリントシステム1について説明する。なお、重複した記載を避けるべく、異なる部分についてのみ説明する。この付箋紙プリントシステム1のアプリケーションソフト30は、キーボード6により入力された連絡先名55を含む伝言メッセージ57から、連絡先名55を抽出する連絡先名抽出手段を有しており、連絡先名抽出手段は、パソコン内の記憶部に記憶された連絡先データの連絡先名55に基づいて、伝言メッセージ57内を検索し、連絡先名55を抽出するよう構成されている。
【0054】
具体的に説明すると、EDIT画面35において、メッセージ入力領域41に連絡先名を含む伝言メッセージ57を作成し(S21)、プリントボタン31をクリックする(S22)と、メッセージ取得手段により伝言メッセージ57を取得する(S23)。この後、連絡先名抽出手段により、取得した伝言メッセージ57から連絡先名55を抽出し(S24)、抽出・取得した連絡先名55に基づいて、連絡先情報取得手段により、連絡先データを取得する(S25、S26)。
【0055】
次に、アプリケーションソフト30は、取得した連絡先データから、電話番号等の連絡先情報56を呼び出し(S27)、電話番号があるか否かを判断する(S28)。連絡先データに電話番号が入力(登録)されている場合は、電話番号ありと判断し、付箋紙H1に印刷する印刷データに電話番号データを付加する(S29)。一方、連絡先データに電話番号が入力(登録)されていない場合は、電話番号無しと判断し、印刷データに電話番号データを付加しない。同様に、連絡先情報56にメールアドレスがあるか否かを判断し(S30)、有る場合は、メールアドレスデータを印刷データに付加し(S31)、無い場合は付加しない。また、連絡先情報56に連絡先の国/地域が入力されているか否かを判断し(S32)、有る場合は、これに対応した時差を付加する(S33)。そして、連絡先情報56が付加された印刷データに基づいて、印刷部アッセンブリ12により、印刷を行う(S34)ことで、連絡先情報56が付加された付箋紙H1を得ることができる。
【0056】
以上の構成においても、伝言メッセージ57を入力するだけで、その連絡先名55に関連する連絡先情報56が自動的に付加されるため、ユーザ自ら、連絡先名55に関連する連絡先情報56を入力する手間を省くことができる。なお、第2実施形態において、連絡先抽出手段は、伝言メッセージ57の全てを検索するようにしたが、図13に示すように、伝言メッセージの連絡先名55のみを範囲指定90し、範囲指定した部分のみを、検索するようにしても良い。これによれば、検索するワード数を削減することができるため、検索処理の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本実施形態に係る付箋紙プリントシステムの模式図である。
【図2】本実施形態に係る付箋紙プリンタの外観斜視図である。
【図3】本実施形態に係る付箋紙プリンタの内部模式図である。
【図4】アプリケーションソフトのEDIT画面の模式図である。
【図5】アプリケーションソフトのDATA画面の模式図である。
【図6】アプリケーションソフトの連絡先データ登録画面の模式図である。
【図7】アプリケーションソフトのJOB画面の模式図である。
【図8】アプリケーションソフトの電話メモ作成画面の模式図である。
【図9】電話メモ作成画面において作成した付箋紙の図である。
【図10】連絡先情報を付加して、付箋紙に印刷を行う一連の動作フロー図である。
【図11】第2実施形態に係るアプリケーションソフトのEDIT画面の模式図である。
【図12】第2実施形態において、連絡先情報を付加して、付箋紙に印刷を行う一連の動作フロー図である。
【図13】変形例に係るアプリケーションソフトのEDIT画面の模式図である。
【符号の説明】
【0058】
1…付箋紙プリントシステム 2…付箋紙プリンタ 3…パソコン 8…ディスプレイ 12…印刷部アッセンブリ 30…アプリケーションソフト 55…連絡先名 56…連絡先情報 61…連絡先名入力領域 62…電話番号入力領域 63…メールアドレス入力領域 64…国/地域入力領域 71…電話メモ作成画面 H…付箋紙束 H1…付箋紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙束から用紙を1枚ずつ捲り上げて送ると共に、送られてゆく前記用紙に印刷を行う用紙束印刷システムにおいて、
連絡先名を含む伝言メッセージを取得するメッセージ取得手段と、
前記連絡先名および前記連絡先名に関連する連絡先情報を記憶する記憶手段と、
前記伝言メッセージから、前記連絡先名を抽出する連絡先名抽出手段と、
抽出した前記連絡先名を前記記憶手段と照合して前記連絡先情報を取得する連絡先情報取得手段と、
取得した前記連絡先情報を、前記伝言メッセージに付加して前記用紙に印刷する印刷手段と、を備えたことを特徴とする用紙束印刷システム。
【請求項2】
用紙束から用紙を1枚ずつ捲り上げて送ると共に、送られてゆく前記用紙に印刷を行う用紙束印刷システムにおいて、
連絡先名を取得する連絡先名取得手段と、
伝言メッセージを取得するメッセージ取得手段と、
前記連絡先名および前記連絡先名に関連する連絡先情報を記憶する記憶手段と、
取得した前記連絡先名に基づいて、前記記憶手段から前記連絡先情報を取得する連絡先情報取得手段と、
取得した前記連絡先情報を、前記連絡先名と共に前記伝言メッセージに付加して前記用紙に印刷する印刷手段と、を備えたことを特徴とする用紙束印刷システム。
【請求項3】
前記連絡先情報には、電話番号、メールアドレス、住所および前記住所の現地時刻と前記用紙に印刷した現在時刻との時差の少なくとも一つが含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の用紙束印刷システム。
【請求項4】
前記伝言メッセージに関する複数の常套句を記憶する常套句記憶手段と、
前記常套句記憶手段から所望の1以上の前記常套句を選択するための常套句選択手段と、を更に備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の用紙束印刷システム。
【請求項5】
前記常套句記憶手段に、新たな前記常套句を登録する常套句登録手段を、更に備えたことを特徴とする請求項4に記載の用紙束印刷システム。
【請求項6】
用紙束から用紙を1枚ずつ捲り上げて送ると共に、送られてゆく前記用紙に印刷を行う用紙束印刷システムの制御方法において、
連絡先名を含む伝言メッセージを取得するメッセージ取得工程と、
前記連絡先名および前記連絡先名に関連する連絡先情報を記憶する記憶工程と、
前記伝言メッセージから、前記連絡先名を抽出する連絡先名抽出工程と、
抽出した前記連絡先名を前記記憶手段と照合して前記連絡先情報を取得する連絡先情報取得工程と、
前記取得した前記連絡先情報を、前記伝言メッセージに付加して前記用紙に印刷する印刷工程と、を備えたことを特徴とする用紙束印刷システムの制御方法。
【請求項7】
用紙束から用紙を1枚ずつ捲り上げて送ると共に、送られてゆく前記用紙に印刷を行う用紙束印刷システムの制御方法において、
連絡先名を取得する連絡先名取得工程と、
伝言メッセージを取得するメッセージ取得工程と、
前記連絡先名および前記連絡先名に関連する連絡先情報を記憶する記憶工程と、
取得した前記連絡先名に基づいて、前記記憶手段から前記連絡先情報を取得する連絡先情報取得工程と、
前記取得した前記連絡先情報を、前記連絡先名と共に前記伝言メッセージに付加して前記用紙に印刷する印刷工程と、を備えたことを特徴とする用紙束印刷システムの制御方法。
【請求項8】
前記印刷手段を備えた用紙束プリンタと、
前記メッセージ取得手段、前記記憶手段、前記連絡先名抽出手段および前記連絡先情報取得手段、を備えたコンピュータと、から成ることを特徴とする請求項1に記載の用紙束印刷システム。
【請求項9】
前記印刷手段を備えた用紙束プリンタと、
前記連絡先名取得手段、前記メッセージ取得手段、前記記憶手段および前記連絡先情報取得手段、を備えたコンピュータと、から成ることを特徴とする請求項2に記載の用紙束印刷システム。
【請求項10】
請求項1ないし5のいずれかに記載の用紙束印刷システムの全ての手段を備えたことを特徴とする用紙束プリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−77344(P2008−77344A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−254775(P2006−254775)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】