説明

画像の出力に用いる出力装置に適した画像データの生成

【課題】複数の画像データから高精細な画像を表す高精細画像データを生成する高精細画像生成処理において、生成する高精細画像の出力時における画質の低下が抑制されるような画像データを生成することを可能とする。
【解決手段】画像生成装置は、生成する高精細画像データの出力に用いる出力装置に関する情報を出力装置情報として取得し、出力装置情報に基づいて出力装置での出力に適した高精細画像の画像サイズを生成画像サイズとして設定する生成画像サイズ設定部を備える。また画像生成装置は、複数の画像データから、時系列に並んだ複数の画像データを合成元画像データとして取得し、取得した合成元画像データを合成して、設定した生成画像サイズの高精細画像を表す高精細画像データを生成する画像合成部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の出力に用いる出力装置に適した高精細な画像データを生成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルビデオカメラ等の動画像生成装置によって生成された動画像は、複数の比較的画像サイズの小さい画像(例えば、フレーム画像)によって構成されている。ここで、ある画像の「画像サイズ」とは、その画像を構成している画素の数を意味し、画像の横方向の画素数をWx、縦方向の画素数をWyとして、その画像の画像サイズを、Wx×Wyと表すものとする。
【0003】
このような動画像を構成する画像を表す画像データから、その画像よりも高精細な画像を表す高精細画像データを生成する技術が知られている(例えば特許文献1)。なお、本明細書では、「高精細」とは、画素ピッチが小さいことを意味し、「低精細」とは、画素ピッチが大きいこと意味している。このような技術では、生成する高精細な画像の画像サイズを任意に設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−244851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記技術を用いて生成した高精細な画像をプリンタで印刷するとき、生成した高精細な画像の画像サイズが、プリンタの印刷解像度や印刷媒体の大きさ等からある程度定まるプリンタでの印刷に適した画像サイズと異なる場合、画像サイズの変換処理が行われることとなる。そして、プリンタでの印刷時における画像サイズの変換処理が行われると、補間処理等のために、印刷画像の画質が低下する傾向がある。このように、生成する高精細な画像の画像サイズによっては、プリンタでの出力時に画質の低下を招く恐れがあるという問題があった。
【0006】
なお、このような問題は、プリンタで印刷する場合に限らず、高精細な画像を出力装置で出力する場合に共通する問題であった。また、このような問題は、動画像を構成する画像データに限らず、複数の画像データから高精細画像データを生成する場合に共通する問題であった。
【0007】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、複数の画像データから高精細な画像を表す高精細画像データを生成する高精細画像生成処理において、生成する高精細画像の出力時における画質の低下が抑制されるような画像データを生成することを可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の画像生成装置は、複数の画像データから前記複数の画像データの表す画像より高精細な高精細画像を表す高精細画像データを生成する画像生成装置であって、
前記生成する高精細画像データの出力に用いる出力装置に関する情報を出力装置情報として取得し、前記出力装置情報に基づいて前記出力装置での出力に適した前記高精細画像の画素数で表現される画像サイズを生成画像サイズとして設定する生成画像サイズ設定部と、
前記複数の画像データから、時系列に並んだ複数の画像データを合成元画像データとして取得し、前記取得した合成元画像データを合成して、前記設定した生成画像サイズの高精細画像を表す高精細画像データを生成する画像合成部と、を備える。
【0009】
この画像生成装置は、複数の画像データから高精細な画像を表す高精細画像データを生成する高精細画像生成処理において、高精細画像データの出力に用いる出力装置の出力装置情報に基づいて、出力装置での出力に適した高精細画像の画像サイズを生成画像サイズとして設定することができるため、生成する高精細画像の出力時における画質の低下が抑制されるような画像データを生成することできる。
【0010】
上記画像生成装置において、前記生成画像サイズ設定部は、前記出力装置情報に基づき設定される出力画像サイズを参照して、前記生成画像サイズを設定するとしてもよい。
【0011】
このようにすれば、生成画像サイズを、出力装置での出力に最適な画像サイズに設定することが容易となる。
【0012】
上記画像生成装置において、前記生成画像サイズ設定部は、前記出力画像サイズと、前記合成元画像データの表す画像の画像サイズとの比を出力画像サイズ比として算出し、前記出力画像サイズ比の値が所定の閾値より小さいときは、前記生成画像サイズを前記出力画像サイズと等しい値に設定し、前記出力画像サイズ比の値が所定の閾値以上のときは、前記生成画像サイズを、前記出力画像サイズを1より大きな調整係数で除した値に設定するとしてもよい。
【0013】
このようにすれば、出力画像サイズ比の値が所定の閾値より小さいときには、生成画像サイズは、出力画像サイズと等しい値となる。そのため、生成した高精細画像を出力装置によって出力する際に、出力装置側における画像サイズ変換処理が行われない。従って、出力の際の高精細画像の画質の低下を防止することができる。また、出力画像サイズが比較的大きく、出力画像サイズ比の値が所定の閾値以上のときには、生成画像サイズは、出力画像サイズを調整係数で除した値となる。そのため、生成画像サイズは比較的小さくなり、処理に要する時間の増大を抑制することができると共に、出力の際の高精細画像の画質の低下を抑制することができる。
【0014】
また、上記画像生成装置において、前記生成画像サイズ設定部は、前記出力画像サイズと、前記合成元画像データの表す画像の画像サイズとの比を出力画像サイズ比として算出し、前記出力画像サイズ比の値が所定の閾値より小さいか、または、整数値であるときは、前記生成画像サイズを前記出力画像サイズと等しい値に設定し、前記出力画像サイズ比の値が所定の閾値以上の非整数値であるときは、前記生成画像サイズを、前記出力画像サイズを1より大きな調整係数で除した値に設定するとしてもよい。
【0015】
このようにすれば、出力画像サイズ比の値が、所定の閾値以上であっても、整数値であるときは、生成画像サイズは出力画像サイズと等しい値に設定される。ここで、出力画像サイズ比の値が整数値であるときは、高精細画像データ生成処理に要する時間は比較的短いため、処理時間の増大を抑制することができ、かつ、画質の向上の効果を得ることができる。
【0016】
また、上記画像生成装置において、前記画像生成装置は、複数の出力装置を接続可能であり、
前記生成画像サイズ設定部は、前記複数の出力装置の内、前記生成する高精細画像データの出力に用いる出力装置に関する情報を出力装置情報として取得するとしてもよい。
【0017】
このようにすれば、複数の出力装置の内、高精細画像データの出力に用いる出力装置に適した高精細画像データを生成することができる。
【0018】
また、上記画像生成装置は、さらに、前記生成画像サイズと、前記合成元画像データを特定するための情報と、を含む高精細処理特定情報と、前記高精細画像データと、を含む高精細画像ファイルを生成する画像ファイル生成部と、
ユーザーが選択画像ファイルとして選択した高精細画像ファイル中に含まれる高精細画像データを出力する際に、前記選択画像ファイルに含まれる高精細処理特定情報を用いて、前記画像合成部における再度の高精細画像データ生成処理の省略の可否を判定する再処理省略判定部と、を備え、
前記再処理省略判定部が省略否と判定したときは、前記画像合成部が、再度の高精細画像データ生成処理を実行するとしてもよい。
【0019】
このようにすれば、高精細画像ファイル中に含まれる高精細画像データを出力する際に、高精細処理特定情報を用いて、再度の高精細画像データ生成処理の省略の可否を判定することができ、処理時間の短縮を図ることができる。
【0020】
上記画像生成装置において、前記再処理省略判定部は、
前記選択画像ファイルに含まれる高精細処理特定情報中の生成画像サイズが、前記出力画像サイズの整数倍であるときは、
再度の高精細画像データ生成処理を省略可と判定するとしてもよい。
【0021】
このようにすれば、選択画像ファイルに含まれる高精細画像データを出力に用いるときに、出力装置側における画像サイズ変換処理に伴う画質の低下が小さいか否かを判定することができ、再度の高精細画像データ生成処理の省略による処理時間の短縮を図ることができる。
【0022】
また、上記画像生成装置において、前記再処理省略判定部は、
複数の高精細画像ファイルを格納した記録媒体のうちで、所定の検索範囲内のデータ格納領域に格納された高精細画像ファイルを検索対象画像ファイルとして設定し、
(i)前記選択画像ファイルおよび前記検索対象画像ファイルに含まれるそれぞれの高精細処理特定情報中の合成元画像データを特定するための情報によって、前記選択画像ファイルに含まれる高精細画像データと、前記検索対象画像ファイルに含まれる高精細画像データとの間に画像の同一性があると判定され、かつ、
(ii)前記検索対象画像ファイルに含まれる高精細処理特定情報中の生成画像サイズが、前記出力画像サイズの整数倍であるときは、
再度の高精細画像データ生成処理を省略可と判定するとしてもよい。
【0023】
このようにすれば、選択画像ファイルに含まれる高精細画像データと、画像の同一性がある高精細画像データを含む検索対象画像ファイルであって、出力装置側における画像サイズ変換処理に伴う画質の低下が少ないものを探索することができ、再度の高精細画像データ生成処理の省略による処理時間の短縮を図ることができる。
【0024】
さらに、上記画像生成装置において、前記複数の画像データは、動画像を構成する時系列的に連続したフレーム画像データであるとしてもよい。
【0025】
このようにすれば、動画像を構成する時系列的に連続したフレーム画像データから高精細画像データを生成する処理において、生成する高精細画像の出力時における画質の低下が抑制されるような画像データを生成することができる。
【0026】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、画像生成方法および装置、画像データ処理方法および装置、画像変換方法および装置、画像出力方法および装置、画像検索方法および装置、これらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施例としての画像生成装置の構成を概略的に示した説明図。
【図2】画像表示操作部の表示画面の一例を概略的に示した説明図。
【図3】画像生成装置による高精細画像データ生成処理の概要を示した説明図。
【図4】画像生成装置による高精細画像データ生成処理の流れを示すフローチャート。
【図5】出力装置がプリンタである場合に出力装置情報に基づいて出力画像サイズWoを設定する処理の概要を示す説明図。
【図6】生成画像サイズWpの設定の処理の内容を概略的に示す説明図。
【図7】画像合成部による画像合成処理の流れを示すフローチャート。
【図8】基準フレーム画像と対象フレーム画像との位置ずれについて示す説明図。
【図9】基準フレーム画像と対象フレーム画像との位置ずれの補正について示す説明図。
【図10】基準フレーム画像と対象フレーム画像とをずれを補正して配置した様子を拡大して示す説明図。
【図11】バイ・リニア法による補間処理について示す説明図。
【図12】本発明の第2実施例としての画像生成装置の構成を概略的に示した説明図。
【図13】画像生成装置による高精細画像ファイル生成処理の流れを示すフローチャート。
【図14】高精細処理特定情報の内容を概略的に示す説明図。
【図15】高精細画像ファイルの内部構成の一例を概略的に示す説明図。
【図16】画像生成装置による高精細画像出力処理の流れを示すフローチャート。
【図17】画像生成装置による高精細画像出力処理の概要を示す説明図。
【図18】選択画像ファイルによる再処理省略判定の処理の流れを示すフローチャート。
【図19】検索対象画像ファイルによる再処理省略判定の処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
A−1.画像生成装置の構成:
A−2.画像生成処理の概要:
A−3.高精細画像データ生成処理:
A−4.画像合成処理:
B.第2実施例:
C.変形例:
【0029】
A.第1実施例:
A−1.画像生成装置の構成:
図1は、本発明の第1実施例としての画像生成装置の構成を概略的に示した説明図である。この画像生成装置10は、画像データを格納する画像格納部11と、画像を表示する表示画面と、ユーザーが種々の操作を行うための各種のボタンとを有する画像表示操作部12と、画像の出力装置への出力を制御する画像出力制御部13と、外部入出力装置とのインターフェイス20とを備えている。画像生成装置10は、ユーザーによる画像表示操作部12の操作に応じて、インターフェイス20を介して接続されるデジタルビデオカメラ30やデジタルスチルカメラ40等の画像入力装置から、静止画像データや動画像データ等の画像データを取り込み、画像格納部11に格納することができる。また、画像生成装置10の画像出力制御部13は、画像格納部11に格納された画像データの表す画像を、画像表示操作部12に表示させたり、インターフェイス20を介して接続されるプリンタ50やプロジェクタ60等の画像出力装置に出力させたりすることができる。このように、画像生成装置10は、いわゆる「フォトビューワ」としての機能を有している。
【0030】
なお、画像生成装置10は、コンピュータ内のハードディスクドライブやCD−R/RWドライブ、DVDドライブ等の他の記録媒体から画像データを取り込むことも可能である。また、画像生成装置10は、モニタやテレビ受像機等の他の出力装置に画像を出力させることも可能である。さらに、画像生成装置10は、ユーザーが各種指示を入力するためのキーボードやマウスを備えることも可能である。
【0031】
また、画像生成装置10は、所定のオペレーティングシステムの下で、高精細画像データを生成するためのアプリケーションプログラムを実行することにより、高精細画像データ生成処理を行う。この高精細画像データ生成処理は、画像格納部11に格納された動画像データを構成する複数のフレーム画像データから、フレーム画像データの表すフレーム画像よりも高精細な静止画像である高精細画像を表す高精細画像データの生成を行う処理である。そして、画像生成装置10は、生成する高精細画像の出力に用いる出力装置に関する情報(本明細書において「出力装置情報」と呼ぶ)に基づき設定される出力画像サイズを参照して、出力装置での出力に適した高精細画像の画像サイズを生成画像サイズとして設定する。このアプリケーションプログラムは、画像生成制御部14と、生成画像サイズ設定部15と、画像合成部16としての機能を有している。
【0032】
なお、画像生成装置10は、高精細画像データ生成処理によって生成した高精細画像データを画像格納部11に格納することができる。また、画像生成装置10は、画像格納部11に格納された高精細画像データの表す高精細画像を、画像表示操作部12に表示させたり、プリンタ50やプロジェクタ60等の出力装置に出力させたりすることができる。
【0033】
図2は、画像表示操作部の表示画面の一例を概略的に示した説明図である。画像表示操作部12は、タッチパネル式の表示画面120を備えており、表示画面120上に静止画像データや動画像データの表す画像を表示することができる。また、ユーザーは、表示画面120上の所定の位置に触れることによって、種々の操作を行うことができる。画像表示操作部12の表示画面120には、画像データ種別画面121と、画像リスト画面122と、画像表示画面123と、動画操作ボタン124と、高精細画像生成・出力ボタン125と、出力装置表示画面126と、出力設定ボタン127とを表示させることができる。
【0034】
画像データ種別画面121は、画像格納部11に格納されている画像データの内、画像リスト画面122にサムネイル画像を表示させる画像デ―タの種別を表示している。ここで、画像データの種別としては、動画像データと静止画像データとがあり、また静止画像データの中には高精細画像データ生成処理によって生成された高精細画像データが含まれる。ユーザーは、画像データ種別画面121を操作することによって、画像データ種別画面121の表示を、「動画像」、「静止画像」、「高精細画像」、「すべての画像」のいずれかに設定することができる。ユーザーによる画像データ種別画面121の設定に応じて、画像リスト画面122には、設定された画像種別の画像データのサムネイル画像が表示される。図2の例では、画像データ種別画面121に「動画像」と表示されているため、画像リスト画面122には、画像格納部11に格納されているすべての動画像データのサムネイル画像が表示されている。
【0035】
なお、動画像データのサムネイル画像としては、その動画像中の任意のフレーム画像のサムネイル画像を用いることができるが、本実施例では動画像中の最初のフレーム画像のサムネイル画像を用いるものとする。また、本実施例では、画像リスト画面122にサムネイル画像を表示させるものとしているが、画像リスト画面122に静止画像データの表す静止画像そのものや、動画像データ中の任意のフレーム画像データの表すフレーム画像そのものを表示させることも可能である。
【0036】
ユーザーは、画像リスト画面122に表示されたサムネイル画像を見て、画像表示画面123に表示させたい画像を選択することによって、選択した画像を画像表示画面123に表示させることができる。図2の例では、ユーザーによって太枠で囲まれた画像が選択され、選択された画像(以下「選択画像Gs」と呼ぶ)が画像表示画面123に大きく表示されている。なお、選択画像Gsが動画像のときには、動画像中の任意のフレーム画像を画像表示画面123に表示することができるが、本実施例では動画像中の最初のフレーム画像を表示するものとする。
【0037】
選択画像Gsが動画像のときには、ユーザーは、動画操作ボタン124を操作して、動画像を画像表示画面123に再生させたり、再生を一時停止させたりすることができる。
【0038】
また、選択画像Gsが動画像のときには、ユーザーは、高精細画像生成・出力ボタン125を操作して、高精細画像データを生成する高精細画像データ生成処理を行わせることができ、また、高精細画像データ生成処理によって生成された高精細画像を画像生成装置10に接続されている出力装置に出力させることもできる。さらに、生成された高精細画像を画像表示画面123に表示させることも可能である。
【0039】
出力装置表示画面126は、画像生成装置10に接続され画像を出力する出力装置が表示される。また、ユーザーは、出力設定ボタン127を操作して、出力装置による出力についての各種設定を行うことができる。
【0040】
A−2.画像生成処理の概要:
図3は、画像生成装置による高精細画像データ生成処理の概要を示した説明図である。画像生成装置10(図1)は、動画像中の複数のフレーム画像Gfを表す複数のフレーム画像データを合成して、高精細画像Gpを表す高精細画像データを生成する高精細画像データ生成処理を行う。なお、本明細書において、高精細画像データ生成処理に用いる動画像を「元動画像」と呼び、元動画像を表す動画像データを「元動画像データ」と呼ぶ。図3の上段には、元動画像を構成する時系列に並んだ複数のフレーム画像Gfを示している。複数のフレーム画像Gfは、図の左側から右側へと時系列順に並んでいる。なお、各フレーム画像Gfの画像サイズ(フレーム画像サイズWf)を、Wfx×Wfyと表すものとする。
【0041】
また、図3の上段には、画像合成の基準となる1つのフレーム画像(基準フレーム画像F0)と、合成の対象となるフレーム画像(対象フレーム画像F1およびF2)とを示している。なお、本実施例では、対象フレーム画像として、基準フレーム画像F0の直後の2つのフレーム画像を用いているが、対象フレーム画像の数や選択の方法は任意に設定できる。
【0042】
画像生成装置10(図1)は、基準フレーム画像データと対象フレーム画像データとを用いて高精細画像データ生成処理を行う。なお、「基準フレーム画像データ」とは、基準フレーム画像F0を表すフレーム画像データを意味し、「対象フレーム画像データ」とは、対象フレーム画像F1およびF2を表すフレーム画像データを意味している。また、本明細書において、基準フレーム画像データと対象フレーム画像データとを合わせて「合成元フレーム画像データ」と呼ぶ。
【0043】
本実施例では、ユーザーが、動画像の再生中に、高精細画像生成・出力ボタン125(図2)を操作したときに、画像表示画面123(図2)に表示されているフレーム画像が基準フレーム画像F0として設定される。また、基準フレーム画像F0の直後の2つのフレーム画像が対象フレーム画像F1およびF2として設定される。
【0044】
図3の中段には、高精細画像データ生成処理によって生成された高精細画像Gpを示している。高精細画像Gpの画像サイズ(生成画像サイズWp)は、フレーム画像サイズWfよりも大きくなっている。すなわち、高精細画像Gpは、フレーム画像Gfよりも高精細な画像となっている。
【0045】
ここで、画像生成装置10は、高精細画像Gpの出力に用いる出力装置の出力装置情報に基づき設定される出力画像サイズWoを参照して、出力装置での出力に適した高精細画像Gpの画像サイズを生成画像サイズWpとして設定する。図3には、出力に用いるプリンタ50の出力装置情報に基づき、プリンタ50における出力に用いられる画像のサイズ(出力画像サイズWo)を設定し、出力画像サイズWoを参照して生成画像サイズWpを設定している様子を示している。なお、高精細画像Gpは、出力装置で出力されるときに、出力画像サイズWoの出力画像Goに変換されて出力される。
【0046】
以下、画像生成装置10による高精細画像データ生成処理の内容を詳細に説明する。
【0047】
A−3.高精細画像データ生成処理:
図4は、画像生成装置による高精細画像データ生成処理の流れを示すフローチャートである。ステップS100では、画像生成装置10の画像生成制御部14(図1)が、元動画像を構成するフレーム画像Gfのフレーム画像サイズWfを取得する。フレーム画像サイズWfは、画像格納部11(図1)に格納されている元動画像データのヘッダを参照することによって、取得することができる。また、ユーザーが、フレーム画像サイズWfを、画像表示操作部12(図1)を操作して入力するようにすることも可能である。
【0048】
ステップS200では、生成画像サイズ設定部15(図1)が、出力装置情報を取得する。ここで出力装置情報とは、高精細画像データ生成処理によって生成する高精細画像の出力に用いる出力装置に関する情報であり、出力装置の種別に関わらず共通の共通項目と、出力装置の種別によって異なる装置固有項目とを含んでいる。共通項目としては、プリンタやプロジェクタといった出力装置の種別と、出力装置の型番とが含まれる。また、装置固有項目としては、出力装置がプリンタの場合、印刷解像度と、用紙サイズと、画像1画素あたり印刷画素数とが含まれ、出力装置がプロジェクタの場合、プロジェクタの画像サイズが含まれる。なお、本明細書において、「印刷解像度」とは、印刷媒体の単位長さあたりの印刷画素数を意味している。また、「画像1画素あたり印刷画素数」とは、ある画像の1画素を出力するために用いる印刷画素数を意味している。また、「プロジェクタの画像サイズ」とは、プロジェクタが出力することができる画像サイズを意味している。
【0049】
生成画像サイズ設定部15(図1)による出力装置情報の取得は、画像生成装置10(図1)と出力装置との通信によって行うことができる。すなわち、生成画像サイズ設定部15は、画像生成装置10に接続され出力先として設定されている出力装置を検出し、検出した出力装置の持つ出力装置情報を接続ケーブルを介して取得することができる。このようにすれば、ユーザーの操作の必要が無く、画像生成装置10の操作性の向上を図ることができる。また、画像生成装置10が確実に出力装置情報を取得することができる。
【0050】
なお、画像生成装置10と出力装置との通信によっては、出力装置情報の一部のみしか取得できないときは、生成画像サイズ設定部15は、取得できない出力装置情報を自動的に設定するようにすることも可能である。例えば、出力装置がプリンタであり、出力装置情報の内の印刷解像度が取得できないときは、生成画像サイズ設定部15は、取得したプリンタの型番を参照して、そのプリンタが持つ印刷解像度の最大値を自動的に設定するようにしてもよい。一般に、出力装置の持つ印刷解像度やプロジェクタの画像サイズの設定値は、最大値の整数分の1倍の値となっている。従って、プリンタの場合の印刷解像度やプロジェクタの場合のプロジェクタの画像サイズが取得できないとき、その出力装置が持つ最大値を自動的に設定するようにすれば、仮にそれ以降に画像サイズ変換処理の必要が生じた場合でも、その処理は整数分の1倍の画像サイズ変換処理となり、画質の低下を最低限に抑制することができる。
【0051】
また、ユーザーが出力装置情報を、画像表示操作部12(図1)を操作して、画像生成装置10に入力することによって、生成画像サイズ設定部15が出力装置情報を取得するようにすることも可能である。
【0052】
ステップS300では、生成画像サイズ設定部15(図1)が、出力装置情報に基づいて出力画像サイズWoを設定する。出力画像サイズWoとは、出力装置における出力に用いられる画像の画像サイズである。出力画像サイズWoの設定は、高精細画像の出力に用いる出力装置の種別によって異なる。
【0053】
図5は、出力装置がプリンタである場合に、出力装置情報に基づいて出力画像サイズWoを設定する処理の概要を示す説明図である。出力装置がプリンタの場合には、出力装置情報として、印刷解像度、用紙サイズ、画像1画素あたり印刷画素数が取得されている。ここで、印刷解像度を横方向rx(dpi)、縦方向ry(dpi)と、用紙サイズを横方向px(インチ)、縦方向py(インチ)と、画像1画素あたり印刷画素数を横方向dx(印刷画素/画像画素)、縦方向dy(印刷画素/画像画素)とそれぞれ表すものとする。
【0054】
プリンタの出力画像サイズWo(Wox×Woy)は、印刷解像度と用紙サイズとの積を、画像1画素あたり印刷画素数で除した値として設定される。すなわち、出力画像サイズWoは、下記の式で表される。
Wox=rx×px/dx(画素)
Woy=ry×py/dy(画素)
【0055】
また、出力装置がプロジェクタの場合には、出力装置情報として、プロジェクタの画像サイズが取得されている。上述のように、プロジェクタの画像サイズは、プロジェクタが出力することができる画像サイズを意味しているので、プロジェクタの出力画像サイズWoは、プロジェクタの画像サイズと同じ値として設定される。
【0056】
ステップS400(図4)では、生成画像サイズ設定部15(図1)が、生成画像サイズWpの設定を行う。生成画像サイズWpとは、高精細画像データ生成処理により生成する高精細画像Gpの画像サイズである。
【0057】
ここで、高精細画像データ生成処理では、原則として、生成画像サイズWpを、出力画像サイズWoと等しいとして設定することが好ましい。なぜなら、生成画像サイズWpを出力画像サイズWoと等しいとして設定すれば、高精細画像Gpを出力する際に、出力装置側における画像サイズ変換処理が必要無く、出力に伴う高精細画像Gpの画質の低下を抑制することができるからである。また、出力処理の高速化にも効果があるからでもある。なお、本明細書において、「出力装置側における画像サイズ変換処理」とは、出力装置のドライバにおいて、入力された画像データの表す画像の画像サイズを拡大または縮小するように、画像データの変換を行う処理を意味している。
【0058】
他方、高精細画像データ生成処理では、元動画像のフレーム画像サイズWfに対する生成画像サイズWpの比の値(Wp/Wf)が所定値以上になると、それ以上生成画像サイズWpを大きな値に設定しても、画素の補間に伴う誤差が大きくなるので、画質の向上に与える効果はわずかとなってしまう。また、生成画像サイズWpを大きな値に設定するほど、高精細画像データ生成処理に要する時間は増大する。従って、出力画像サイズWoが比較的大きな値のときに、生成画像サイズWpをその出力画像サイズWoと等しい値として設定すると、処理内容・処理時間に見合った画質の向上に与える効果が得られない場合がある。
【0059】
そのため、生成画像サイズ設定部15は、設定された出力画像サイズWoを参照して、生成画像サイズWpを設定している。そして、生成画像サイズ設定部15は、フレーム画像サイズWfに対する出力画像サイズWoの比(Wo/Wf)を出力画像サイズ比rWoとして算出し、出力画像サイズ比rWoの値が所定の閾値より小さいか否かを判定して、その判定結果に応じて生成画像サイズWpの設定を行っている。
【0060】
図6は、生成画像サイズWpの設定の処理の内容を概略的に示す説明図である。図6の上段左側には、フレーム画像サイズWfのフレーム画像Gfと、出力画像サイズWoの出力画像Goとを示している。また、図6の上段右側には、算出された出力画像サイズ比rWoを示している。出力画像サイズ比rWoは、横方向をrWoxと、縦方向をrWoyとして、rWox×rWoyと表す。出力画像サイズ比rWoは、下記の式で算出される。
rWox=Wox/Wfx
rWoy=Woy/Wfy
【0061】
次に、生成画像サイズ設定部15は、出力画像サイズ比rWoが所定の閾値より小さいか否かを判定する。本実施例では、所定の閾値を、上限生成画像サイズ比rWmの2倍としている。ここで、「上限生成画像サイズ」とは、元動画像のフレーム画像サイズがWfのとき、高精細画像データ生成処理によって十分な画質向上が期待できる最大の生成画像サイズを意味する。また、元動画像のフレーム画像サイズWfに対する上限生成画像サイズWmの比を「上限生成画像サイズ比rWm」と呼ぶものとする。本実施例では、上限生成画像サイズ比rWmの値を、事前に実験的に求め、デフォルト値として設定することとしている。なお、上限生成画像サイズ比rWmの値は、ユーザーに設定させることも可能である。また、上限生成画像サイズ比rWmの値は、1.3以上2.0以下であることが好ましく、1.5以上1.8以下であることがさらに好ましい。
【0062】
なお、出力画像サイズ比rWoが所定の閾値より小さいか否かの判定において、出力画像サイズ比rWoが所定の閾値より小さいとは、rWoxおよびrWoyが共に、所定の閾値より小さいことを意味している。また、出力画像サイズ比rWoが所定の閾値以上とは、rWoxおよびrWyの少なくともどちらか一方が所定の閾値以上であることを意味している。
【0063】
生成画像サイズ設定部15は、出力画像サイズ比rWoが所定の閾値(上限生成画像サイズ比rWmの2倍)より小さいときは、図6下段左側に示すように、生成画像サイズWpを出力画像サイズWoと等しい値に設定する。すなわち、生成画像サイズWpは下記の式で算出される。
Wpx=Wox
Wpy=Woy
【0064】
このときには、生成画像サイズWpの高精細画像Gpを出力する際に、出力装置側における画像サイズ変換処理の必要は無い。
【0065】
一方、生成画像サイズ設定部15は、出力画像サイズ比rWoが所定の閾値以上のときは、図6下段右側に示すように、生成画像サイズWpを、出力画像サイズWoを調整係数kで除した値に設定する。すなわち、生成画像サイズWpは下記の式で算出される。
Wpx=Wox/kx
Wpy=Woy/ky
【0066】
ここで、調整係数kは、出力装置側における画像サイズの変換比率を表している。すなわち、調整係数kは、画像の出力の際に出力装置側でk倍の画像サイズ変換処理を行うことによって、高精細画像データ生成処理における生成画像サイズWpを抑制するために設定されたものである。調整係数kは、横方向をkxと、縦方向をkyと表す。
【0067】
調整係数kは、上限生成画像サイズ比rWmに対する出力画像サイズ比rWoの比を求め、小数点以下を切り捨てて整数値とした値である。すなわち、調整係数kは、以下の式で算出される。ただし、関数INT(i)は、iの小数点以下を切り捨てて整数値を求める関数を表すものとする。
kx=INT(rWox/rWm)
ky=INT(rWoy/rWm)
【0068】
上記式により調整係数kを算出すると、調整係数kは2以上の整数となる。ただし、rWoxおよびrWoyのどちらか一方のみが上限生成画像サイズ比rWmの2倍以上であると判定されている場合には、調整係数kxおよびkyのどちらか一方は1となる場合がある。
【0069】
このようにして、出力画像サイズ比rWoが所定の閾値以上のときに、生成画像サイズWpを設定すると、生成画像サイズWpは、上限生成画像サイズWmの2倍より小さい値に設定される。従って、このように生成画像サイズWpを設定して、高精細画像データ生成処理を行うと、画質向上の効果が十分得られると共に、処理に要する時間を抑制することができる。
【0070】
また、このとき、高精細画像Gpの出力の際には、出力装置側でk倍の画像サイズ変換処理を行って、出力画像サイズWoの出力処理用の画像を生成することとなる。ここで、出力装置側におけるk倍の画像サイズ変換処理は、バイ・リニア法やバイ・キュービック法等の一般的な補間処理を利用した画像変換処理を用いて行うことができる。このとき、調整係数kは整数であるため、この画像サイズ変換処理は、画像サイズを整数倍に増加させる処理となり、画質の低下を最小限に抑制することができると共に、処理時間の増大を抑制することができる。
【0071】
ステップS500(図4)では、画像生成制御部14(図1)が、高精細画像データ生成処理の設定を行う。高精細画像データ生成処理の設定とは、高精細画像データ生成処理の内容を決定するための各種設定を行うことを意味している。具体的には、画像生成制御部14は、処理に使用する動画像データ(元動画像データ)を特定する情報の取得、基準フレーム画像データを特定する情報の取得、処理に用いる対象フレーム画像データを特定する情報の取得、設定された生成画像サイズWoの取得を行う。
【0072】
本実施例では、元動画像データを特定する情報とは、ユーザーによって選択された動画像データのデータ名およびデータ作成日時を意味している。また、基準フレーム画像データを特定する情報および対象フレーム画像データを特定する情報とは、絶対フレーム番号を意味している。なお、本明細書において、絶対フレーム番号とは、動画像データ中のフレーム画像データの、最初のフレーム画像データから数えた通し番号をいう。
【0073】
ステップS600では、画像合成部16(図1)が、ステップS500で設定された内容に従い、画像合成処理を行う。具体的には、画像合成部16は、画像格納部11に格納された元動画像データから、基準フレーム画像データおよび対象フレーム画像データ(すなわち、合成元画像データ)を取得し、取得した合成元画像データを合成して、生成画像サイズWpの高精細画像Gpを表す高精細画像データを生成する。画像合成部16による合成元画像データの合成の処理の詳細については、後述する。
【0074】
以上のようにして、画像生成装置10(図1)は、生成画像サイズWpの高精細画像Gpを表す高精細画像データを生成する高精細画像データ生成処理を行うことができる。このとき、生成画像サイズWpは、出力画像サイズWoと等しい値となっているか、または、出力画像サイズWoを整数である調整係数kで除した値となっている。
【0075】
生成画像サイズWpが出力画像サイズWoと等しい値である場合は、生成した高精細画像Gpを出力装置によって出力する際に、出力装置側における画像サイズ変換処理が行われないため、出力の際の高精細画像Gpの画質の低下を防止することができる。また、生成画像サイズWpが出力画像サイズWoを整数で除した値となっている場合は、生成した高精細画像Gpを出力装置によって出力する際に、出力装置側において画像サイズを整数倍する画像サイズ変換処理が行われるが、一般的に画像サイズを整数倍にする処理は画質の低下が少ないため、出力の際の高精細画像Gpの画質の低下を抑制することができる。
【0076】
このようにして、画像生成装置10は、複数のフレーム画像データから高精細な画像を表す高精細画像データを生成する高精細画像データ生成処理において、生成する高精細画像の出力時における画質の低下が抑制されるような画像データを生成することができる。
【0077】
さらに、画像生成装置10によって生成された高精細画像Gpの出力の際に、出力装置側における画像サイズ変換処理が行われないか、または、画像サイズを整数倍する変換処理が行われるのみであるので、出力に要する処理時間も短縮することができる。
【0078】
A−4.画像合成処理:
図7は、画像合成部による画像合成処理の流れを示すフローチャートである。ステップS610では、画像合成部16(図1)が、合成元フレーム画像データを取得する。上述したように、合成元フレーム画像データとは、元動画像データ中のフレーム画像データの内、画像の合成に用いるフレーム画像データであり、本実施例では、基準フレーム画像F0と、対象フレーム画像F1およびF2との、計3つのフレーム画像Gfを表すフレーム画像データである。画像合成部16は、画像格納部11に格納された画像データの中から元動画像データを特定し、元動画像データの中から、絶対フレーム番号を参照して合成元フレーム画像データを取得する。画像合成部16によって取得された合成元フレーム画像データは、メモリやハードディスクなどの記憶装置(図示せず)に一時的に記憶される。
【0079】
ステップS620では、画像合成部16は、取得した合成元フレーム画像データの各フレーム画像相互のずれ(位置ずれ)を補正するための補正量の推定を実行する。この補正量の推定では、対象フレーム画像F1およびF2について、基準フレーム画像F0に対する位置ずれを補正するための補正量が、それぞれ推定される。
【0080】
図8は、基準フレーム画像と対象フレーム画像との位置ずれについて示す説明図であり、図9は、基準フレーム画像と対象フレーム画像との位置ずれの補正について示す説明図である。
【0081】
以下の説明では、取得した3つのフレーム画像データに連続番号n(n=0,1,2)を付し、フレーム画像データおよびフレーム画像データの表すフレーム画像をその連続番号nを用いて呼ぶものとする。すなわち、連続番号nのフレーム画像データをフレームnと呼び、フレームnの表す画像をフレーム画像Fnと呼ぶ。例えば、連続番号nの値が0のフレーム画像データはフレーム0と呼び、フレーム0の表す画像をフレーム画像F0と呼ぶ。
【0082】
ここで、フレーム0は、基準フレーム画像データを示し、F0は、基準フレーム画像F0を示すものとする。また、フレーム1およびフレーム2は、対象フレーム画像データを示すものとし、F1およびF2は、対象フレーム画像F1およびF2を示すものとする。
【0083】
画像の位置ずれは、並進(横方向または縦方向)のずれと、回転のずれとの組み合わせで表される。図8では、基準フレーム画像F0の縁と、対象フレーム画像F2の縁とを重ねた状態を示している。また、基準フレーム画像F0上の中心位置に仮想の十字画像X0を追記し、この十字画像X0が、対象フレーム画像F2と同様にずれたとして、対象フレーム画像F2上に、ずれた結果の画像である十字画像X2を示している。また、基準フレーム画像F0および十字画像X0を太い実線で示すとともに、対象フレーム画像F2および十字画像X2を細い破線で示している。
【0084】
本実施例では、横方向の並進ずれ量を「um」、縦方向の並進ずれ量を「vm」、回転ずれ量を「δm」とそれぞれ表す。また、対象フレーム画像Fn(n=1,2)についてのこれらのずれ量を「umn」、「vmn」、「δmn」と表す。例えば、図8に示すように、対象フレーム画像F2は、基準フレーム画像F0に対して、並進ずれ、および回転ずれが生じており、そのずれ量は、umn、vmn、δmnと表される。
【0085】
ここで、各対象フレーム画像(F1およびF2)を基準フレーム画像(F0)と合成するためには、各対象フレーム画像と基準フレーム画像とのずれをなくすように、各対象フレーム画像の各画素の位置ずれを補正することとなる。この補正のために用いられる横方向の並進補正量を「u」、縦方向の並進補正量を「v」、回転補正量を「δ」とそれぞれ表す。また、対象フレーム画像Fn(n=1,2)についてのこれらの補正量を「un」、「vn」、「δn」と表す。例えば、対象フレーム画像F2についての補正量は、u2、v2、δ2と表される。
【0086】
ここで、補正とは、対象フレーム画像Fn(n=1,2)の各画素の位置を、横方向にunの移動、縦方向にvnの移動、およびδnの回転を施した位置に移動させることを意味する。従って、対象フレーム画像Fn(n=1,2)についての補正量un、vn、δnは、un=−umn、vn=−vmn、δn=−δmnの関係で表される。例えば、対象フレーム画像F2についての補正量u2、v2、δ2は、u2=−um2、v2=−vm2、δ2=−δm2で表される。
【0087】
以上のことから、例えば、図9に示すように、補正量u2、v2、δ2を用いて、対象フレーム画像F2の各画素の位置を補正することにより、対象フレーム画像F2と基準フレーム画像F0とのずれをなくすことができる。このとき、補正後の対象フレーム画像F2と、基準フレーム画像F0と、をディスプレイ(図示せず)で表示させると、図9に示すように、対象フレーム画像F2は、基準フレーム画像F0に対して部分的に一致する状態で表示される。なお、この補正の結果を分かり易く示すため、図9においても、図8と同じ仮想の十字画像X0および十字画像X2を表記しており、図9に示すように、補正の結果として、十字画像X2と十字画像X0との間のずれがなくなり一致することとなる。
【0088】
同様に、対象フレーム画像F1についても、補正量u1、v1、δ1の各値を用いて補正が施され、対象フレーム画像F1の各画素の位置を置き換えることができる。
【0089】
ところで、各対象フレーム画像Fn(n=1,2)についての補正量un、vn、δnは、画像合成部16(図1)において、基準フレーム画像F0の画像データと対象フレーム画像F1〜F2の画像データとに基づき、例えばパターンマッチ法や勾配法および最小自乗法による所定の算出式を用いて算出される。そして、算出された補正量un、vn、δnは、並進補正量データun、vnおよび回転補正量データδnとして、メモリ内(図示せず)の所定の領域に記憶される。
【0090】
本実施例では、画像合成部16は、推定した補正量un、vn、δnを用いて、基準フレーム画像F0と対象フレーム画像F1〜F2との位置ずれを補正する。
【0091】
ステップS630では、画像合成部16(図1)は、基準フレーム画像データと補正した対象フレーム画像データとを合成して高精細画像Gpを表す高精細画像データを生成する。このとき、画像合成部16は、生成する高精細画像Gpを構成する各画素(以下「生成画素」とも呼ぶ)のうち、基準フレーム画像および対象フレーム画像のいずれにも存在しない画素については、その生成画素の周辺に存在する画素の画素値を表す画素データ(階調値を表す階調データ)を用いて、所定の補間処理を行うことにより、合成を行いつつ高精細化を行う。
【0092】
図10は、基準フレーム画像と対象フレーム画像とを、ずれを補正して配置した様子を拡大して示す説明図である。図10では、高精細画像Gpの各画素の中心位置が黒丸で示されているとともに、基準フレーム画像F0の各画素の中心位置が白抜きの四辺形で示され、補正後の対象フレーム画像F1〜F2の各画素の中心位置が、ハッチングを施した四辺形で示されている。なお、以下において高精細画像Gpの画像サイズ(画素の数)は、基準フレーム画像F0の画像サイズに対して、縦横それぞれ1.5倍になっているものとする。また、高精細画像Gpの各画素の中心は、2画素おきに基準フレーム画像F0の各画素の中心に重なるような位置にあるものとする。ただし、高精細画像Gpの画素の中心が、必ずしも基準フレーム画像F0の各画素の中心に重なるように位置している必要はない。例えば、高精細画像Gpの各画素の中心のすべてが、基準フレーム画像F0の各画素の中心の中間に位置するものでもよく、種々の位置とすることが可能である。また、高精細画像Gpと基準フレーム画像F0との画像サイズの比も、縦横それぞれ1.5倍に限定されるものではなく、種々の値に設定することができる。
【0093】
以下では、高精細画像Gp内のある画素G(j)に注目して説明する。ここで、変数jは、高精細画像Gpの全画素を区別する番号を示しており、例えば、左上の画素から開始して順番に右上の画素までとし、その後1つずつ下の左端の画素から順番に右端の画素までとして、最後に右下の画素とされる。画像合成部16は、この画素(以下「注目画素」と呼ぶ)G(j)に最も近い距離にある画素(以下「最近傍画素」と呼ぶ)を探索する。
【0094】
具体的には、画像合成部16は、各フレーム画像F0,F1,F2において、注目画素G(j)に対して、最も近い画素(以下近傍画素とも呼ぶ)F(0),F(1),F(2)と、注目画素G(j)との距離L0,L1,L2を算出し、最近傍画素を決定する。例えば、図10では、L2<L1<L0であるので、画像合成部16は、対象フレーム画像F2の画素F(2)を、注目画素G(j)の最近傍画素として決定する。なお、この注目画素G(j)に対する最近傍画素が、対象フレーム画像F2のi番目の画素であったとして、以下、最近傍画素F(2,i)と表記する。
【0095】
そして、画像合成部16は、以上の手順を、注目画素G(j)の番号であるj=1,2,3,...の順に、合成画像G内の全ての画素について実行し、それぞれの画素について最近傍画素を決定する。
【0096】
次に、画像合成部16は、注目画素G(j)の画素データを、決定された最近傍画素と、この最近傍画素を含むフレーム画像中において注目画素G(j)を囲む他の画素の画素データを用いて、バイ・リニア法、バイ・キュービック法、ニアレストネイバ法等の種々の補間処理によって生成する。以下に、バイ・リニア法による補間処理の一例について説明する。
【0097】
図11は、バイ・リニア法による補間処理について示す説明図である。注目画素G(j)は、基準フレーム画像F0および位置ずれ補正後の対象フレーム画像F1〜F2のいずれにも存在しない画素であるので、画素データが存在していない。また、上述のとおり、対象フレーム画像F2の画素F(2)が、注目画素G(j)の最近傍画素F(2,i)として決定されている。このとき、画像合成部16は、最近傍画素F(2,i)と、最近傍画素F(2,i)の他に、対象フレーム画像F2において注目画素G(j)を囲む3つの画素F(2,i+1)、F(2,k)、F(2,k+1)とを用いて補間処理を行う。なお、本明細書において、最近傍画素F(2,i)と、注目画素G(j)を囲む他の3つの画素F(2,i+1)、F(2,k)、F(2,k+1)とを合わせて周囲画素と呼び、周囲画素の中心を周囲画素中心と呼ぶ。また、kはi番目の画素にフレーム画像F2の横方向の画素数を加えた画素の番号を示している。
【0098】
まず、4つの周囲画素中心に囲まれた四角形を、各周囲画素中心と注目画素G(j)の中心とを結ぶ4つの線分によって4つの区画に分割する。そして、4つの周囲画素中心に囲まれた四角形の面積と、その四角形内の4つの区画の面積とを用いて、各周囲画素の重み係数を算出する。すなわち、周囲画素のそれぞれについて、4つの周囲画素中心に囲まれた四角形の面積に対する、4つの区画の内その周囲画素中心に接しない2つの区画の面積の合計の比を、その周囲画素の重み係数とする。従って、注目画素G(j)の画素データは、周囲画素のそれぞれについて、その周囲画素の画素データと、その周囲画素の重み係数との積を合計することにより算出される。
【0099】
以上のように、画像合成処理では、基準フレーム画像と対象フレーム画像のうち、最近傍画素を含むフレーム画像の画素を用いて、注目画素の補間処理を行うことにより、合成を行いつつ高精細化を行っている。このため、非常に高画質な静止画像を得ることができる。
【0100】
B.第2実施例:
図12は、本発明の第2実施例としての画像生成装置の構成を概略的に示した説明図である。図1に示した第1実施例との違いは、本実施例では、画像生成装置10が画像ファイル生成部18と、再処理省略判定部19とを備えていることであり、その他の点は第1実施例と同じである。画像ファイル生成部18は、高精細画像データ生成処理によって生成された高精細画像データと、高精細画像データ生成処理の内容を特定するための高精細処理特定情報とを含む高精細画像ファイルを生成する。また、再処理省略判定部19は、後述する再処理省略判定を行う。
【0101】
図13は、画像生成装置による高精細画像ファイル生成処理の流れを示すフローチャートである。図4に示した第1実施例における高精細画像データ生成処理との違いは、本実施例における高精細画像ファイル生成処理では、ステップS700の高精細処理特定情報生成と、ステップS800の高精細画像ファイル生成とを行っていることであり、その他の点は第1実施例における高精細画像データ生成処理と同じである。
【0102】
ステップS700では、画像ファイル生成部18(図12)が、高精細処理特定情報を生成する。図14は、高精細処理特定情報の内容を概略的に示す説明図である。上述したように、高精細処理特定情報は高精細画像データ生成処理の内容を特定するための情報であり、その内容は、画像処理名情報と、合成元画像データ特定情報と、画像処理設定情報とを含んでいる。
【0103】
画像処理名情報には、画像データが精細画像データ生成処理により生成された高精細画像データであるという情報が含まれる。また、合成元画像データ特定情報には、元動画像データを特定するための元動画像データ名および元動画像データ作成日時と、元動画像データのフレーム画像サイズと、基準フレーム画像データを特定するための絶対フレーム番号と、対象フレーム画像データを特定するための絶対フレーム番号とが含まれる。また、画像処理設定情報には、画像合成に用いたフレーム画像数と、生成画像サイズWpとが含まれる。
【0104】
ステップS800(図13)では、画像ファイル生成部18(図12)が、高精細画像ファイルを生成する。図15は、高精細画像ファイルの内部構成の一例を概略的に示す説明図である。高精細画像ファイルGFは、高精細画像データを格納する画像データ格納領域90と、画像データ情報を格納する画像データ情報格納領域80とを備えている。ここで、画像データ情報は、高精細画像データに関する種々の情報を意味し、その中には、高精細処理特定情報を含んでいる。高精細画像データは、例えば、JPEG形式で格納されており、画像データ情報は、例えば、TIFF形式で格納されている。なお、本実施例におけるファイルの構造、データの構造、といった用語は、ファイルまたはデータ等が記憶装置に格納された状態におけるファイルまたはデータの構造を意味するものである。
【0105】
高精細画像ファイルGFは、基本的に上記の画像データ格納領域90と、画像データ情報格納領域80とを備えていれば良く、既に規格化されているファイル形式に従ったファイル構造をとることができる。以下、本実施例に係る高精細画像ファイルGFを規格化されているファイル形式に適合させた場合について具体的に説明する。
【0106】
高精細画像ファイルGFは、例えば、デジタルスチルカメラ用画像ファイルフォーマット規格(Exif)に従ったファイル構造を有することができる。Exifファイルの仕様は、電子情報技術産業協会(JEITA)によって定められている。また、Exifファイル形式は、図15に示した概念図と同様に、JPEG形式の画像データを格納するJPEG画像データ格納領域と、格納されているJPEG画像データに関する各種情報を格納する付属情報格納領域とを備えている。JPEG画像データ格納領域は図15における画像データ格納領域90に相当し、付属情報格納領域は図15における画像データ情報格納領域80に相当する。なお、当業者にとって周知であるように、Exifファイル形式のファイルでは、各データを特定するためにタグが用いられており、各データはタグ名によって呼ばれることがある。
【0107】
付属情報格納領域には、図14に示した高精細処理特定情報が、規定のアドレスまたはオフセット値に従って格納されている。高精細処理特定情報は、例えば、付属情報格納領域内の未定義領域内であって、ユーザーに解放されているユーザー定義領域内に格納することができる。
【0108】
以上説明したように、第2実施例の画像生成装置10(図12)は、高精細画像データと、高精細処理特定情報とを含む高精細画像ファイルを生成することができる。このように高精細画像ファイルを生成すると、高精細処理特定情報を参照することによって、高精細画像ファイルに含まれる高精細画像データが、どのような高精細画像データ生成処理によって生成されたかがわかることとなる。このことは、以下の点で有用である。
【0109】
例えば、ユーザーが、画像格納部11に格納されている高精細画像ファイルを選択し、その高精細画像ファイルに含まれる高精細画像データを出力するときを考える。画像生成装置10には、複数の種別(プリンタやプロジェクタなど)および型番(機種)の出力装置を接続することが可能であるので、高精細画像ファイル生成時に対象としていた出力装置と、現在出力に用いようとしている出力装置が異なる場合、その高精細画像ファイルに含まれる高精細画像データが、出力に用いようとしている出力装置に適しているとは限らない。このようなとき、画像生成装置10は、高精細処理特定情報を参照することによって、その高精細画像データが出力に用いようとしている出力装置に適しているかを判別することができる。
【0110】
また、画像生成装置10が、その高精細画像データは出力に用いようとしている出力装置に適していないと判別したとき、その高精細画像データと画像の同一性があり、かつ、その出力装置に適した高精細画像データを含む高精細画像ファイルを検索することもできる。さらに、画像生成装置10が、その出力装置に適した高精細画像データを含む高精細画像ファイルを検索しても、検出できなかった場合には、その出力装置に適した高精細画像データを含む高精細画像ファイルを改めて生成することもできる。
【0111】
図16は、画像生成装置による高精細画像出力処理の流れを示すフローチャートである。また、図17は、画像生成装置による高精細画像出力処理の概要を示す説明図である。なお、本明細書において、「高精細画像出力処理」とは、ユーザーが、画像格納部11に格納されている高精細画像ファイルの中から1つの高精細画像ファイルを選択し、高精細画像生成・出力ボタン125(図2)を操作して出力指示をしたときに、画像生成装置10が行う処理を意味している。また、本明細書において、上記のようにユーザーが選択した高精細画像ファイルを「選択画像ファイル」と呼ぶものとする。
【0112】
ステップS1000(図16)では、画像出力制御部13(図12)が、選択画像ファイルに含まれる高精細処理特定情報を取得する。図17の左側には、画像格納部11を示しており、画像格納部11内に格納されている高精細画像ファイルの1つである選択画像ファイルから取得した高精細処理特定情報を右側上段に示している。
【0113】
ステップS1100では、生成画像サイズ設定部15(図12)が、出力装置情報を取得する。ステップS1200では、生成画像サイズ設定部15が、出力装置情報に基づいて出力画像サイズWoを設定する。生成画像サイズ設定部15による出力装置情報の取得および出力画像サイズWoの設定の処理内容は、図4に示した第1実施例におけるステップS200およびステップS300の処理内容と同じである。図17の右側には、設定された出力画像サイズWoを示している。
【0114】
ステップS1300では、再処理省略判定部19(図12)が、選択画像ファイルによる再処理省略判定を行う。ここで、「再処理」とは、出力に用いる出力装置に適した高精細画像データを含む高精細画像ファイルを生成する高精細画像ファイル生成処理を改めて行うことを意味し、「再処理省略判定」とは、再処理を省略して、既に生成されている高精細画像を出力することが可能か否かの判定を意味している。ステップS1300における再処理省略判定は、選択画像ファイルの高精細処理特定情報と、設定された出力画像サイズWoとを比較することによって行うものであり、図17中には判定1として示している。
【0115】
図18は、選択画像ファイルによる再処理省略判定の処理の流れを示すフローチャートである。ステップS1310では、再処理省略判定部19が、画像サイズの判定を行う。画像サイズの判定は、選択画像ファイルの高精細処理特定情報中に含まれる生成画像サイズWpが、設定された出力画像サイズWoの整数倍となっているか否かの判定である。
【0116】
生成画像サイズWpが出力画像サイズWoの整数倍となっていると判定したときは(ステップS1310:Yes)、再処理省略判定部19は、再処理省略可と判定する。生成画像サイズWpが出力画像サイズWoの整数倍となっているときは、選択画像ファイルに含まれる高精細画像データを出力する際に、出力装置側における画像サイズ変換処理が行われないか、または、整数分の1倍の画像サイズ変換処理が行われるかのどちらかである。そのため、高精細画像データの出力に伴う画質の低下は、無いか、または、小さい。従って、このようなときは、再処理を省略し、選択画像ファイルに含まれる高精細画像データを出力に用いることができるとしている。
【0117】
一方、生成画像サイズWpが出力画像サイズWoの整数倍となっていないと判定したときは(ステップS1310:No)、再処理省略判定部19は、再処理省略不可と判定する。生成画像サイズWpが出力画像サイズWoの整数倍となっていないときは、選択画像ファイルに含まれる高精細画像データを出力する際に、出力装置側において非整数分の1倍の画像サイズ変換処理が行われる。そのため、高精細画像データの出力に伴う画質の低下は大きい。従って、このようなときは、選択画像ファイルに含まれる高精細画像データを出力に用いることによって再処理を省略することはできないとしている。
【0118】
ステップS1300(図16)において、再処理省略可と判定されたときは、ステップS1600に進み、画像出力制御部13(図12)が、選択画像ファイルに含まれる高精細画像データの出力を行う。一方、ステップS1300において、再処理省略不可と判定されたときは、ステップS1400に進む。
【0119】
ステップS1400では、再処理省略判定部19が、検索対象画像ファイルによる再処理省略判定を行う。ステップS1400における再処理省略判定は、複数の高精細画像ファイルを格納した記録媒体の内で、所定の検索範囲内のデータ格納領域内に格納された高精細画像ファイルを検索対象画像ファイルとして設定して行う。そして、設定された検索対象画像ファイル内に含まれる高精細処理特定情報と、選択画像ファイル内に含まれる高精細処理特定情報および設定された出力画像サイズWoとを比較することによって行う。すなわち、選択画像ファイルに含まれる高精細画像データと同一性があり、かつ、出力装置に適した高精細画像データを含む高精細画像ファイルを、所定の検索範囲内において探索する処理である。ここで、所定の検索範囲は任意に設定することができるが、本実施例では、所定の検索範囲を画像格納部11内に設定しているものとする。図17の左側には画像格納部11に格納された高精細画像ファイルを示しており、高精細画像ファイルを検索対象画像ファイルとして設定して行う再処理省略判定を図17中に判定2、3、4・・・として示している。
【0120】
図19は、検索対象画像ファイルによる再処理省略判定の処理の流れを示すフローチャートである。ステップS1410では、再処理省略判定部19(図12)が、検索対象画像ファイルを設定する。検索対象画像ファイルの設定は、画像格納部11に格納されている高精細画像ファイルの中から、まだ検索対象ファイルとして設定されていない任意の高精細画像ファイルを選択することにより行う。ここで、検索対象画像ファイルの設定のためには、画像格納部11に格納された画像ファイルの中から、高精細画像ファイルを識別する必要がある。上述したように、高精細画像ファイルは、画像ファイル中の高精細処理特定情報に、画像データが高精細画像データ生成処理により生成された高精細画像データであるという情報が含まれているため、その情報を元に高精細画像ファイルの識別を行うことができる。
【0121】
ステップS1420では、再処理省略判定部19が、検索対象画像ファイルに含まれる高精細処理特定情報を取得する。
【0122】
ステップS1430では、再処理省略判定部19が、画像の同一性の判定を行う。画像の同一性の判定は、検索対象画像ファイルに含まれる高精細画像データの表す高精細画像が、選択対象画像ファイルに含まれる高精細画像データの表す高精細画像と同一性があるかの判定である。
【0123】
画像の同一性の判定は、検索対象画像ファイルに含まれる高精細処理特定情報と、選択対象画像ファイルに含まれる構成再処理特定情報とを比較し、元動画像データの同一性、基準フレーム画像の同一性、合成フレーム数の同一性を判定することにより行う。
【0124】
元動画像データの同一性の判定では、再処理省略判定部19が、両画像ファイルの元動画像データ名および元動画像データ作成日時が一致しているかを判定し、一致していれば同一性があると判定する。基準フレーム画像の同一性の判定では、再処理省略判定部19が、両画像ファイルの基準フレーム画像データの絶対フレーム番号が一致しているか否かを判定し、一致していれば同一性があると判定する。合成フレーム数の同一性の判定では、再処理省略判定部19が、両画像ファイルの合成フレーム数が一致しているか、または、検索対象画像ファイルの方が合成フレーム数が大きいときは、同一性があると判定する。
【0125】
再処理省略判定部19は、元動画像データの同一性、基準フレーム画像の同一性、合成フレーム数の同一性のすべてにおいて、同一性があると判定したときは、画像の同一性があると判定する。一方、元動画像データの同一性、基準フレーム画像の同一性、合成フレーム数の同一性のどれか1つでも同一性がないと判定したときは、画像の同一性がないと判定する。
【0126】
ステップS1430の画像の同一性の判定において、画像の同一性があると判定されたときは(ステップS1430:Yes)、ステップS1440に進む。一方、画像の同一性がないと判定されたときには(ステップS1430:No)、ステップS1450に進む。
【0127】
ステップS1440では、再処理省略判定部19が、画像サイズの判定を行う。画像サイズの判定は、検索対象画像ファイルの生成画像サイズWpが、設定された出力画像サイズWoの整数倍となっているか否かの判定である。この判定の内容は、図18のステップS1310における画像サイズの判定の内容と同じである。
【0128】
ステップS1440の画像サイズの判定において、再処理省略判定部19が、生成画像サイズWpが出力画像サイズWoの整数倍となっていると判定したときは(ステップS1440:Yes)、再処理省略判定部19が、再処理省略可と判定し、そのとき判定の対象となっていた検索対象画像ファイルを代替画像ファイルとして設定する。一方、生成画像サイズWpが出力画像サイズWoの整数倍となっていないと判定したときは(ステップS1440:No)、ステップS1450に進む。
【0129】
ステップS1450では、再処理省略判定部19が、画像格納部11に格納されているすべての高精細画像ファイルを検索対象画像ファイルとして設定したか否かを判定する。画像格納部11に格納されているすべての高精細画像ファイルを検索対象画像ファイルとして設定したと判定したときは(ステップS1450:Yes)、再処理省略判定部19は、再処理省略不可と判定する。一方、画像格納部11に格納されているすべての高精細画像ファイルを検索対象画像ファイルとして設定していない、すなわち、まだ検索対象画像ファイルとして設定していない高精細画像ファイルが存在すると判定したときは(ステップS1450:No)、再処理省略判定部19は、ステップS1410に戻って処理を繰り返す。
【0130】
ステップS1400(図16)において、再処理省略可と判定されたときは、ステップS1800に進み、画像出力制御部13(図12)が、代替画像ファイルに含まれる高精細画像データの出力を行う。一方、ステップS1400において、再処理省略不可と判定されたときは、ステップS1500に進む。
【0131】
ステップS1500では、再処理省略判定部19が、再処理実行可否の判定を行う。上述したように、再処理とは、出力に用いる出力装置に適した高精細画像データを含む高精細画像ファイルを生成する高精細画像ファイル生成処理を改めて行うことを意味している。そして、高精細画像ファイル生成処理は、その処理内容が特定されていることを前提とすれば、元動画像データが存在すれば実行可能である。従って、再処理実行可否の判定は、ステップS1000で取得した選択画像ファイルの高精細処理特定情報によって特定される元動画像データが、画像格納部11内に存在するか否かの判定である。すなわち、再処理省略判定部19は、元動画像データ名と元動画像データ作成日時とによって特定される元動画像データが画像格納部11内に存在すれば、再処理実行可と判定する。一方、再処理省略判定部19は、元動画像データが画像格納部11内に存在しなければ、再処理実行不可と判定する。
【0132】
ステップS1500で、再処理実行可と判定されたときは(ステップS1500:Yes)、ステップS1700に進み、画像生成装置10(図12)が、高精細画像ファイルの生成および出力を行う。ステップS1700の高精細画像ファイルの生成は、ステップS1000で取得した選択画像ファイルの高精細処理特定情報と、ステップS1200で設定された出力画像サイズWoとによって特定される高精細画像ファイル生成処理を行う処理である。高精細画像ファイル生成処理の流れは、図13に示した処理の流れと同じである。また、ステップS1700の高精細画像ファイルの出力は、生成された高精細画像ファイルに含まれる高精細画像データを出力する処理である。
【0133】
一方、ステップS1500で、再処理実行不可と判定されたときは(ステップS1500:No)、ステップS1600に進み、画像出力制御部13(図12)が、選択画像ファイルに含まれる高精細画像データの出力を行う。このときには、高精細画像データの出力に伴う画質の低下は、ある程度大きくなる。
【0134】
以上説明したように、本実施例の画像生成装置10は、高精細画像データと高精細処理特定情報とを含む高精細画像ファイル生成処理を行うことができる。また、本実施例の画像生成装置10は、高精細画像ファイルに含まれる高精細画像を出力する際に、画質の低下を抑制しつつ、出力処理時間の増大を抑制することができる。
【0135】
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0136】
C1.変形例1:
上記第1実施例では、生成画像サイズ設定部15が、出力画像サイズ比rWoの値が所定の閾値よりも小さいか否かを判定して、その判定結果に応じて生成画像サイズWpの設定方法を変更していたが、生成画像サイズ設定部15が、出力画像サイズ比rWoの値に関わらず、生成画像サイズWpを出力画像サイズWoと等しい値として設定することも可能である。このようにしても、高精細画像データ生成処理の処理時間が増大する場合はあるものの、出力装置での出力に伴う画質の低下は抑制することができる。
【0137】
C2.変形例2:
上記第1実施例では、生成画像サイズ設定部15が、出力画像サイズ比rWoの値が所定の閾値より小さいか否かを判定して、その判定結果に応じて生成画像サイズWpの設定を行っているが、生成画像サイズ設定部15が、出力画像サイズ比rWoの値が所定の閾値より小さいか否かを判定し、かつ、整数値か否かを判定して、その判定結果に応じて生成画像サイズWpの設定を行うとしてもよい。すなわち、生成画像サイズ設定部15は、出力画像サイズ比rWoの値が所定の閾値より小さいか、または、整数値であるときは、生成画像サイズWpを出力画像サイズWoと等しい値に設定し、出力画像サイズ比rWoの値が所定の閾値以上の非整数値であるときは、生成画像サイズWpを出力画像サイズWoを調整係数kで除した値に設定するとしてもよい。
【0138】
このとき、出力画像サイズ比rWoの値が、所定の閾値以上であっても、整数値であるときは、生成画像サイズWpは出力画像サイズWoと等しい値に設定される。ここで、出力画像サイズ比rWoの値が整数値であるときは、高精細画像データ生成処理に要する時間は比較的短くなる。そのため、出力画像サイズ比rWoの値が所定の閾値以上の整数値であるときに、生成画像サイズWpを出力画像サイズWoと等しい値に設定するとしても、処理時間の増大を抑制することができ、かつ、画質の向上の効果を得ることができる。
【0139】
C3.変形例3:
上記第1実施例では、生成画像サイズ設定部15が、出力装置の出力装置情報に基づき設定される出力画像サイズWoを参照して生成画像サイズWpを設定しているが、生成画像サイズ設定部15が、出力装置情報に含まれる出力装置の種別に応じて生成画像サイズWpを設定するとしてもよい。すなわち、生成画像サイズ設定部15が、出力に用いるプリンタやプロジェクタなどの出力装置の種別を検知して、生成画像サイズWpを設定するとしてもよい。
【0140】
例えば、出力装置が「プリンタ」のときは、出力結果である印刷物を近くで観察したり、保存したりすることが考えられるため、高精細な画像が求められやすい。また、出力装置が「プロジェクタ」のときは、出力結果であるスクリーン等への投影は一過性であるため、プリンタのときほど高精細さは求められにくい。このように、一般に、出力装置の種別によって出力結果の利用形態が異なることから、出力装置の種別によって、求められる生成画像サイズWpは、ある程度の範囲で定まることが多い。そのため、生成画像サイズ設定部15が、出力装置の種別に応じて生成画像サイズWpを設定するとすることも可能である。このようにすれば、生成画像サイズWpの設定処理の高速化を図ることが可能になると共に、出力装置の種別以外の出力装置情報が取得できないときにも、出力装置にある程度適した高精細画像データを生成することが可能となる。さらに、出力装置の種別と、設定される生成画像サイズWpとの対応関係を、ユーザーが任意に設定できるとすることも可能である。
【0141】
C4.変形例4:
上記第2実施例における高精細処理特定情報には、高精細画像ファイル生成処理実行の際に対象としていた出力装置を特定する出力装置特定情報を含むとしてもよい。このようにすれば、高精細画像出力処理における再処理省略判定に、出力装置特定情報を用いることができる。例えば、選択画像ファイルによる再処理省略判定において、再処理省略判定部19が、選択画像ファイル中の出力装置特定情報から特定される出力装置と、出力に用いる出力装置との同一性があれば、再処理省略可と判定することも可能である。
【0142】
また、このときの出力装置の同一性の判定は、出力装置の種別のみで比較を行ってもよい。また、出力装置の型番を比較する項目に加えてもよい。さらに、プリンタであれば印刷解像度等を、プロジェクタであればプロジェクタの画像サイズを、比較する項目に加えてもよい。
【0143】
C5.変形例5:
上記第2実施例では、再処理省略判定における画像の同一性の判定において、再処理省略判定部19が、基準フレーム画像の同一性を絶対フレーム番号の一致によって判定しているが、再処理省略判定部19が、基準フレーム画像の同一性を絶対フレーム番号の類似によって判定することも可能である。ここで、絶対フレーム番号の類似とは、絶対フレーム番号が、ある基準の番号を含む所定の範囲内にあることを意味している。
【0144】
一般に、動画像を構成する連続したフレーム画像の時間的間隔は、数十分の1秒というきわめて短時間である。従って、絶対フレーム番号が所定の範囲内にある複数のフレーム画像は、その内容がきわめて類似し、同一性の範囲にあると言える場合も多い。従って、再処理省略判定部19が、基準フレーム画像の同一性を絶対フレーム番号の類似(絶対フレーム番号が、ある基準の番号を含む所定の範囲内にあること)によって判定しても、画像の同一性を確保できることも多い。このようにすることで、再処理省略可と判定される条件が緩和され、再処理を省略できる場合が増加するため、好ましい。
【0145】
C6.変形例6:
上記第1実施例では、生成画像サイズ設定部15が、接続ケーブルを介して出力装置情報を取得しているが、生成画像サイズ設定部15が、無線通信等の他の通信手段によって出力装置情報を取得することも可能である。
【0146】
C7.変形例7:
上記第2実施例の高精細画像出力処理において、再処理省略判定部19が、再度の高精細画像ファイル生成処理を行うと判定したときは、例えば表示画面120にその旨を表示することによって、ユーザーに知らせるようにすることも可能である。さらに、その際、再度の高精細画像ファイル生成処理を行うか否かをユーザーに選択させるようにすることも可能である。
【0147】
C8.変形例8:
上記第2実施例の高精細画像出力処理では、再処理省略判定部19が再処理省略判定を行った後に、画像を出力するとしているが、例えば、出力装置がプロジェクタのときは、再処理省略判定部19による再処理省略判定結果が出るまでは、選択画像ファイルに含まれる高精細画像データを仮に出力しておき、再処理省略判定結果が出た後に、必要により出力に用いる高精細画像データを切り替えるようにすることも可能である。
【0148】
C9.変形例9:
上記第2実施例では、高精細処理特定情報と高精細画像データとを含む高精細処理画像ファイルを生成しているが、高精細処理特定情報と高精細画像データとが同一ファイルに存在する必要はなく、関連づけられた別々のファイルとすることも可能である。
【0149】
C10.変形例10:
上記第2実施例において説明した高精細処理特定情報の内容は一例であり、その内容は任意に設定することが可能である。
【0150】
C11.変形例11:
上記実施例では、動画像を構成する複数のフレーム画像データを用いて、高精細画像データを生成する例を用いて説明したが、フレーム画像データ以外の他の画像データを用いて高精細画像データを生成することも可能である。例えば、複数の静止画像データを用いて高精細画像データを生成することもできる。
【0151】
C12.変形例12:
上記実施例において、画像全体のずれ補正量を推定する際に、並進ずれ(横方向u、縦方向v)および回転ずれ(δ)の3つのパラメータを用いてずれ補正量を推定しているが、本発明は、これに限られるものではない。例えば、パラメータの数を変えてずれ補正量を推定してもよいし、他の種類のパラメータを用いてずれ補正量を推定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0152】
10…画像生成装置
11…画像格納部
12…画像表示操作部
13…画像出力制御部
14…画像生成制御部
15…生成画像サイズ設定部
16…画像合成部
18…画像ファイル生成部
19…再処理省略判定部
20…インターフェイス
30…デジタルビデオカメラ
40…デジタルスチルカメラ
50…プリンタ
60…プロジェクタ
80…画像データ情報格納領域
90…画像データ格納領域
120…表示画面
121…画像データ種別画面
122…画像リスト画面
123…画像表示画面
124…動画操作ボタン
125…高精細画像生成・出力ボタン
126…出力装置表示画面
127…出力設定ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像データから前記複数の画像データの表す画像より高精細な高精細画像を表す高精細画像データを生成する画像生成装置であって、
前記生成する高精細画像データの出力に用いる出力装置に関する情報を出力装置情報として取得し、前記出力装置情報に基づいて前記出力装置での出力に適した前記高精細画像の画素数で表現される画像サイズを生成画像サイズとして設定する生成画像サイズ設定部と、
前記複数の画像データから、時系列に並んだ複数の画像データを合成元画像データとして取得し、前記取得した合成元画像データを合成して、前記設定した生成画像サイズの高精細画像を表す高精細画像データを生成する画像合成部と、を備える、画像生成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像生成装置であって、
前記生成画像サイズ設定部は、前記出力装置情報に基づき設定される出力画像サイズを参照して、前記生成画像サイズを設定する、画像生成装置。
【請求項3】
請求項2記載の画像生成装置であって、
前記生成画像サイズ設定部は、前記出力画像サイズと、前記合成元画像データの表す画像の画像サイズとの比を出力画像サイズ比として算出し、前記出力画像サイズ比の値が所定の閾値より小さいときは、前記生成画像サイズを前記出力画像サイズと等しい値に設定し、前記出力画像サイズ比の値が所定の閾値以上のときは、前記生成画像サイズを、前記出力画像サイズを1より大きな調整係数で除した値に設定する、画像生成装置。
【請求項4】
請求項2記載の画像生成装置であって、
前記生成画像サイズ設定部は、前記出力画像サイズと、前記合成元画像データの表す画像の画像サイズとの比を出力画像サイズ比として算出し、前記出力画像サイズ比の値が所定の閾値より小さいか、または、整数値であるときは、前記生成画像サイズを前記出力画像サイズと等しい値に設定し、前記出力画像サイズ比の値が所定の閾値以上の非整数値であるときは、前記生成画像サイズを、前記出力画像サイズを1より大きな調整係数で除した値に設定する、画像生成装置。
【請求項5】
請求項2記載の画像生成装置であって、
前記画像生成装置は、複数の出力装置を接続可能であり、
前記生成画像サイズ設定部は、前記複数の出力装置の内、前記生成する高精細画像データの出力に用いる出力装置に関する情報を出力装置情報として取得する、画像生成装置。
【請求項6】
請求項5記載の画像生成装置であって、さらに、
前記生成画像サイズと、前記合成元画像データを特定するための情報と、を含む高精細処理特定情報と、前記高精細画像データと、を含む高精細画像ファイルを生成する画像ファイル生成部と、
ユーザーが選択画像ファイルとして選択した高精細画像ファイル中に含まれる高精細画像データを出力する際に、前記選択画像ファイルに含まれる高精細処理特定情報を用いて、前記画像合成部における再度の高精細画像データ生成処理の省略の可否を判定する再処理省略判定部と、を備え、
前記再処理省略判定部が省略否と判定したときは、前記画像合成部が、再度の高精細画像データ生成処理を実行する、画像生成装置。
【請求項7】
請求項6記載の画像生成装置であって、
前記再処理省略判定部は、
前記選択画像ファイルに含まれる高精細処理特定情報中の生成画像サイズが、前記出力画像サイズの整数倍であるときは、
再度の高精細画像データ生成処理を省略可と判定する、画像生成装置。
【請求項8】
請求項6記載の画像生成装置であって、
前記再処理省略判定部は、
複数の高精細画像ファイルを格納した記録媒体のうちで、所定の検索範囲内のデータ格納領域に格納された高精細画像ファイルを検索対象画像ファイルとして設定し、
(i)前記選択画像ファイルおよび前記検索対象画像ファイルに含まれるそれぞれの高精細処理特定情報中の合成元画像データを特定するための情報によって、前記選択画像ファイルに含まれる高精細画像データと、前記検索対象画像ファイルに含まれる高精細画像データとの間に画像の同一性があると判定され、かつ、
(ii)前記検索対象画像ファイルに含まれる高精細処理特定情報中の生成画像サイズが、前記出力画像サイズの整数倍であるときは、
再度の高精細画像データ生成処理を省略可と判定する、画像生成装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8に記載の画像生成装置であって、
前記複数の画像データは、動画像を構成する時系列的に連続したフレーム画像データである、画像生成装置。
【請求項10】
複数の画像データから前記複数の画像データの表す画像より高精細な高精細画像を表す高精細画像データを生成する画像生成方法であって、
(a)前記生成する高精細画像データの出力に用いる出力装置に関する情報を出力装置情報として取得し、前記出力装置情報に基づいて前記出力装置での出力に適した前記高精細画像の画素数で表現される画像サイズを生成画像サイズとして設定する工程と、
(b)前記複数の画像データから、時系列に並んだ複数の画像データを合成元画像データとして取得し、前記取得した合成元画像データを合成して、前記設定した生成画像サイズの高精細画像を表す高精細画像データを生成する工程と、を備える、画像生成方法。
【請求項11】
複数の画像データから前記複数の画像データの表す画像より高精細な高精細画像を表す高精細画像データを生成するための画像生成プログラムであって、
前記生成する高精細画像データの出力に用いる出力装置に関する情報を出力装置情報として取得し、前記出力装置情報に基づいて前記出力装置での出力に適した前記高精細画像の画素数で表現される画像サイズを生成画像サイズとして設定する生成画像サイズ設定機能と、
前記複数の画像データから、時系列に並んだ複数の画像データを合成元画像データとして取得し、前記取得した合成元画像データを合成して、前記設定した生成画像サイズの高精細画像を表す高精細画像データを生成する画像合成機能と、をコンピュータ上に実現させることを特徴とする、画像生成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−221710(P2010−221710A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−87101(P2010−87101)
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【分割の表示】特願2004−57160(P2004−57160)の分割
【原出願日】平成16年3月2日(2004.3.2)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】