説明

画像の選択的デコンボリューション

画像の特徴間のクロストークを低減するためにデコンボリューションを選択的に使用する方法およびシステムを提供する。デコンボリューションのために画像の領域を選択する方法は、a)複数の特徴を有する画像を提供するステップであって、各特徴が少なくとも1つの値(v)に関連する、ステップと、b)画像の既知の低値ゾーンに隣接する高値特徴であるテスト特徴を識別するステップであって、テスト特徴が、テスト特徴の値(v)の画像の隣接する低値ゾーンの値(V)に対する比率であるテール率(r)を有する、ステップと、c)テスト特徴のテール率(r)の関数である閾値tを計算するステップと、d)画像の選択領域を識別するステップであって、選択領域が、隣接する特徴の間の値(v)の比率が上記閾値(T(r))を上回る領域である、ステップと、を含む。通常、本発明の方法は、さらに、画像の選択領域に対してデコンボリューションを行うステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理に関し、特に、画像の特徴間のクロストークを低減するためにデコンボリューションを選択的に使用することに関する。本発明は、デコンボリューション、すなわち通常集中的な計算を必要とするプロセスのために、関連領域を選択することにより、優れた画質を提供するために必要な計算労力を大幅に低減することができる。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、画像の重心積分(centroid integration)の方法を開示している。特許文献2は、画像のオートグリッド解析について開示している。特許文献3は、画像の自動閾値処理の方法について開示している。
【特許文献1】米国特許第6,477,273号明細書
【特許文献2】米国特許第6,633,669号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
簡単に、本発明は、デコンボリューションのために画像の領域を選択する方法であって、a)複数の特徴を有する画像を提供するステップであって、各特徴が少なくとも1つの値(v)に関連する、ステップと、b)画像の既知の低値ゾーンに隣接する高値特徴であるテスト特徴を識別するステップであって、テスト特徴が、テスト特徴の値(v)の画像の隣接する低値ゾーンの値(V)に対する比率であるテール率(r)を有する、ステップと、c)テスト特徴のテール率(r)の関数である閾値tを計算するステップと、d)画像の選択領域を識別するステップであって、選択領域が、隣接する特徴の間の値(v)の比率が上記閾値(T(r))を上回る領域である、ステップと、を含む、方法を提供する。画像は、通常、グリッドで配置された特徴を含む。通常、オートグリッド解析によって擬似画像が形成される。通常、ステップb)は、テール率(r)を計算する前に、テスト特徴の値(v)と画像の隣接する低値ゾーンの値(V)との両方から背景定数を減算することをさらに含む。背景定数を、任意に、いかなるテール効果も回避するようにいかなる特徴からも十分に離れている画像の低値ゾーンの(v)の値であるようにとってもよく、そのゾーンは、任意に、いかなる特徴からも特徴間の平均距離の少なくとも2倍離れている画像の低値ゾーンであってもよい。通常、閾値(T(r))は、テスト特徴のテール率(r)の倍数である。通常、本発明の方法は、さらに、画像の選択領域に対してデコンボリューションを行うステップを含む。
【0004】
別の態様では、本発明は、デコンボリューションのために画像の領域を選択するシステムであって、a)デジタル化画像を提供する画像装置と、b)データ記憶装置と、c)画像装置からデジタル化画像を受け取り、データ記憶装置に対してデータを書き込みかつ読み出すことができる中央処理装置であって、
i)画像装置からデジタル化画像を受け取り、
ii)複数の特徴を識別し各特徴を少なくとも1つの値(v)に関連付け、
iii)画像の既知の低値ゾーンに隣接する高値特徴であるテスト特徴を識別し、テスト特徴が、テスト特徴の値(v)の画像の隣接する低値ゾーンの値(v)に対する比率であるテール率(r)を有し、
iv)テスト特徴のテール率(r)の関数である閾値tを計算し、
v)画像の選択領域を識別し、選択領域が画像全体に満たない領域を含み、選択領域が、隣接する特徴の間の値(v)の比率が該閾値(T(r))を上回る領域である
ようにプログラムされた中央処理装置と、
を備える、システムを提供する。画像は、通常、グリッドで配置された特徴を含む。通常、中央処理装置は、オートグリッド解析によって擬似画像を形成するようにさらにプログラムされる。通常、ステップiii)は、テール率(r)を計算する前に、テスト特徴の値(v)と画像の隣接する低値ゾーンの値(V)との両方から背景定数を減算することをさらに含む。背景定数を、任意に、いかなるテール効果も回避するようにいかなる特徴からも十分に離れている画像の低値ゾーンの(v)の値であるようにとってもよく、そのゾーンは、任意に、いかなる特徴からも特徴間の平均距離の少なくとも2倍離れている画像の低値ゾーンであってもよい。通常、閾値(T(r))は、テスト特徴のテール率(r)の倍数である。通常、中央処理装置は、画像の選択領域に対してデコンボリューションを行うようにさらにプログラムされる。
【発明の効果】
【0005】
本発明の効果は、画像から高品質データを導出するために必要な計算労力を低減する方法を提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は、デコンボリューションのために画像の領域を選択する方法を提供する。反復法およびブラインド法を含む、本技術分野において既知のデコンボリューションの任意の適当な方法を使用することができる。反復法には、リチャードソン・ルーシー(Richardson−Lucy)および反復条件付きチホノフ・ミラー(Iterative Constrained Tikhovan−Miller)法がある。ブラインド法には、ウィナーフィルタ(Weiner Filtering)、シミュレーテッドアニーリング(Simulated Annealing)および最大尤度推定器(Maximum Likelihood Estimator)法がある。デコンボリューションは、相対的に暗い特徴が明るい特徴に近接することによって間違って明るくなること等、画像の特徴の間のクロストークを低減することができる。
【0007】
選択の方法は、a)複数の特徴を含む画像を提供するステップであって、各特徴が少なくとも1つの値(v)に関連する、ステップと、b)画像の既知の低値ゾーンに隣接する高値特徴であるテスト特徴を識別するステップであって、テスト特徴が、テスト特徴の値(v)の画像の隣接する低値ゾーンの値(v)に対する比率であるテール率(r)を有する、ステップと、c)テスト特徴のテール率(r)の関数である閾値tを計算するステップと、d)画像の選択領域を識別するステップであって、選択領域が、隣接する特徴の間の値(v)の比率が上記閾値(T(r))を上回る領域である、ステップと、を含む。通常、1つまたは複数のステップは自動化される。より一般的には、すべてのステップが自動化される。
【0008】
画像を提供するステップは、任意の適当な方法で実現することができる。通常、このステップは自動化される。画像を、ビデオカメラ、デジタルカメラ、光化学カメラ、マイクロスコープ、テレスコープ、視覚的走査システム、プローブ走査システム、または2次元アレイでデータ点を生成する他の検知装置を使用して収集することができる。通常、目標画像は、明確な特徴を含む画像であることが期待されるが、それはさらに雑音を含む可能性もある。通常、特徴は、行および列を含むグリッドで配置される。本明細書では、「列」は、一方向における特徴の全般的な配列を示すために使用し、「行」は、列に対して略直交する方向における特徴の全般的な配列を示すために使用する。いずれの方向が列であるか、およびいずれの方向が行であるかは完全に任意であり、そのため、一方の用語を用いて他方の用語を用いないことには、いかなる重要性も置くべきではなく、かつ、行および列は完全に直線状でなくてもよい、ということが理解されよう。別法として、グリッドは、三角形配置または六角形配置等、特徴の他の何らの繰返しの幾何学的配置を含んでもよい。別法として、特徴を、天文学上の画像におけるような事前に確定されていないパターンで配置してもよい。画像は、最初に、画像取込機器または画像作成機器によりデジタル形式で作成されていない場合、通常、画素になるようにデジタル化される。通常、本明細書で説明する方法は、中央処理装置またはコンピュータを使用して実現される。
【0009】
図1は、本発明をともに使用することができるスキャニングシステムを示す。図1のシステムでは、集束光線が物体を横切って移動し、システムは、結果として生じる反射光または蛍光を検出する。これを行うために、光源10からの光は、光源光学系12を通して集束され、ミラー14によってここではサンプル3×4アッセイプレート16として示す物体上に偏向される。モータ24を使用してミラー14の位置を変更することにより、光源10からの光をサンプルの種々の場所に向けることができる。蛍光を発するかまたはサンプル16から反射する光は、通常ハーフミラーであるミラー15を介して検出光学系18に戻る。別法として、米国特許第5,900,949号明細書に示されているように、光源を中央に与えることができ、かつ放射光または蛍光をシステムの側方から検出することができ、もしくは、光源をシステムの側方から与えることができ、かつ放出光または蛍光を中央で検出することができ、もしくは他の同様の変形とすることも可能である。検出光学系18を通過する光は、テレビカメラ、CCD、レーザ反射システム、光電子増倍管、アバランシェフォトダイオード、フォトダイオードまたは単光子計数モジュール等の任意の適当な画像取込システム20を使用して検出され、それら画像取込システムの出力は、解析のためかつシステム全体を制御するようにプログラムされたコンピュータ22に提供される。コンピュータ22は、通常、プログラムを実行する中央処理装置と、データ格納のためのRAM、ハードドライブ等のシステムと、を含む。この説明は例示のみを目的とするものであることが理解されよう。すなわち、本発明を、光ベースの画像だけではなく磁気センサまたは触覚センサから生成される「シミュレートされた」画像で、かつサンプル16だけではなく検査される任意の物体で等しく使用することができる。
【0010】
米国特許第6,477,273号明細書および同第6,633,669号明細書に記載されているように、画像に対して、さらなる解析の前に重心積分およびオートグリッド解析をほどこしてもよい。各特徴に対し、そこではその「値」として提供される積分された強度を割り当ててもよく、または、特徴値としての局所極大値等の選択を含む場合もある他の任意の適当な方法によって値を割り当ててもよい。オートグリッド解析によって形成される擬似画像を生成してもよい。
【0011】
本明細書では、「高値」および「低値」を、写真画像における明るい特徴および暗い特徴に関連して使用する。「高値」、「低値」および「値」という用語を、画像および画像を収集するために使用される装置の性質に応じて、限定なしに色値、x線透過値、電波放射値等を含む、画像に表されうる任意の特徴に適用してもよい。通常、「高値」は、画像収集装置の性質に応じて、隣接する「低値」特徴においてクロストークをもたらす傾向にある特徴を指す。
【0012】
テスト特徴を識別するステップを、任意の適当な方法で実現してもよい。通常、このステップは自動化される。テスト特徴は、画像の既知の低値ゾーンに隣接する高値特徴である。低値ゾーンは、低値特徴、またはエッジ領域、または特徴が期待される領域の外側であることが分かっている他の領域等、低値であることが分かっている領域であってもよい。一実施形態では、特徴の期待されるグリッドのエッジを構成する特徴が検査され、明るいエッジ特徴がテスト特徴として選択される。テスト特徴として選択される特徴は、一組の候補の最高値であってもよく、または、事前に選択された閾値を超える、最初に検査された値であってもよい。別の実施形態では、画像形成される物体に、基準点としての役割を果たすように隣接する高値特徴および低値特徴が設けられる。
【0013】
テスト特徴の値(v)を画像の隣接する低値ゾーンの値(v)で除算することによって、テール率(tail ratio)(r)が計算される。通常、テール率(r)を計算する前に、テスト特徴の値(v)と画像の隣接する低値ゾーンの値(v)との両方から背景定数が減算される。背景定数を、任意の適当な方法によって確定してもよい。背景定数を、いかなるテール効果も回避するようにいかなる特徴からも十分に離れている画像の低値ゾーンの(v)の値であるようにとってもよい。特徴がグリッドで配置される場合、その離れている低値ゾーンは、通常、いかなる特徴からも特徴間の平均距離の少なくとも2倍離れている。別法として、背景定数は、所与の装置に適当であるように事前に確定された一定の値であってもよい。
【0014】
テスト特徴のテール率(r)の関数である閾値tが計算される。算術、対数、指数、三角法等の関数を含む任意の適当な関数を使用してもよい。通常、閾値(T(r))は、単にテール率(r)の倍数であり、すなわち、Aが任意の適当な数であるがもっとも一般的には2と20との間である場合、T(r)=A×rである。
【0015】
そして、閾値tを使用して、任意の適当な方法により画像の選択された領域が識別される。通常、このステップは自動化される。最も一般的には、選択された領域は、隣接する特徴の間の値(v)の比率が上記閾値(T(r))を上回る領域である。
【0016】
本発明は、特に、DNA検出または分類のような自動化された解析プロセスに含まれる可能性のある、トレー、スライド等の上のサンプル点のマトリクスの自動読取りにおける、光学情報の自動読取りに有用である。別法として、本発明は、天文学、医用画像処理、リアルタイム画像解析等において有用であり得る。特に、本発明は、過度の計算なしに画像のデコンボリューションにより空間クロストークを低減するのに有用である。
【0017】
本発明の目的および利点について、以下の例によってさらに説明するが、これらの例で列挙する方法ステップの特定の順序および詳細は、他の条件および詳細と同様に、本発明を不当に限定するものと解釈されるべきではない。
【0018】
(例)
この例で使用する対象画像を図2に示す。画像は、74×62画素のサイズであり、10列および9行で配置された特徴を示す。各画素の明度は、強度値によって表される。
【0019】
まず、米国特許第6,477,273号明細書および同第633,669号明細書に示すように、米国特許第6,633,669号明細書に記載された「曲げ(flexing)」を含むオートグリッド解析を画像に対して行うことにより、図3に示す解析グリッドを作成し、各特徴に対して積分強度を割り当てた。表Iは、各列および行位置に対する積分強度値を報告するものである。
【0020】
表I

【0021】
テスト特徴として、列1、行Eにおける明るいエッジ特徴を選択した。図4は、各画素から背景定数を減算した後のこの特徴および隣接する暗いゾーンの拡大図である。背景定数を、任意の明るい特徴からの略最大距離にある画像のエッジにおける画素の小さいグループの平均強度値として取得した。図5は、x方向におけるテスト特徴のテールを示すグラフである。各x位置に対し、グラフは、y方向における4つの画素にわたって積分された強度値を報告している。このテスト特徴に対するテール率は、テスト特徴から1特徴幅(5画素)離れて中心を置く隣接する暗いゾーンのある領域に亙る積分強度(25、図5の画素2〜5に亙って積分)と、テスト特徴に亙る積分強度(1489、図5の画素7〜10に亙って積分)と、の比であり、すなわち0.0168である。
【0022】
閾値を、テール率の10倍、すなわち0.168とした。このため、目的は、隣接する明るい特徴からの予測される寄与の10倍未満の明るさ、すなわち10×隣接する特徴の明度(a)×テール率未満の強度(b)を有する特徴を選択することである。この条件を、式I:b<a×10×(テール率)またはb<a×(閾値)に表すことができる。
【0023】
連続した演算を簡略化するために、積分強度値および閾値を対数に変換した。表IIは、各列および行位置に対して表Iで報告された積分強度値の自然対数を含む。ln(閾値)の値は−1.78であった。式Iを、式IIにおいて対数に関して表し、すなわちln(b)<ln(a)+ln(閾値)となり、これは−ln(閾値)<ln(a)−ln(b)となる。明/暗遷移と暗/明遷移との両方を検出するために明度差の絶対値をとると、式IIは式III:−ln(閾値)<|ln(a)−ln(b)|となる。
【0024】
表II

【0025】
表IIIは、x方向における表IIの隣接する値の間の差の絶対値、すなわち|ln(a)−ln(b)|を報告している。したがって、表IIIは、9つの列および9つの行を含む。表IIIの値を、表の最大値、すなわち2.911で除算することにより、1.000に正規化した。正規化された値は表IVに報告されている。1.78という−ln(閾値)の値を、1.78/2.911=0.61に正規化した。正規化された閾値を表IVに適用することにより表Vを生成した。この表Vは、−ln(閾値)すなわち0.61を下回る値に対して0を報告し、−ln(閾値)すなわち0.61を上回る値に対して1を報告している。
【0026】
表III

【0027】
表IV

【0028】
表V

【0029】
表VIは、y方向における表IIの隣接する値の差の絶対値、すなわち|ln(a)−ln(b)|を報告している。したがって、表VIは、10の列および8つの行を含む。表VIの値を、表の最大値、すなわち3.2751で除算することにより、1.000に正規化した。正規化された値は表VIIに報告されている。1.78の−ln(閾値)の値を、1.78/3.2751=0.54に正規化した。正規化された閾値を表VIIに適用することにより表VIIIを生成した。この表VIIIは、−ln(閾値)すなわち0.54を下回る値に対して0を報告し、−ln(閾値)すなわち0.54を上回る値に対して1を報告している。
【0030】
表VI

【0031】
表VII

【0032】
表VIII

【0033】
表Vを、カーネル
[1 1]
でコンボリューションすることにより、9×10マトリクスを作成した(表IX)。ここでは、非ゼロエントリは、x方向における明から暗への遷移または暗から明への遷移を示す。
【0034】
表IX

【0035】
表VIIIをカーネル

でコンボリューションすることにより、9×10マトリクスを作成した(表X)。ここでは、非ゼロエントリは、y方向における明から暗への遷移または暗から明への遷移を示す。
【0036】
表X

【0037】
表IXおよびXによって表されるマトリクスを加算した結果、表XIとして報告されるマトリクスとなった。
【0038】
表XI

【0039】
表XIの非ゼロ値のすべてを包含する4つの矩形領域(A1:B3、D5:F7、H1:I3、I9:I10)をデコンボリューションのために選択した。選択された領域は、90の特徴のうちの23を含み、デコンボリューションの多くの方法によって、計算労力の程度が解析される領域のサイズに応じて指数関数的に上昇するようになるため、画像全体のデコンボリューションに必要となる計算労力の少なくとも約74%、おそらくははるかにそれより多くが省かれる。
【0040】
当業者には、本発明の範囲および原理から逸脱することなく本発明のさまざまな変更および改変が明らかとなろう。また、本発明は、上述した例示的な実施形態に不当に限定されるべきではない、ということが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明を使用してもよい典型的なスキャニングシステムの概略図である。
【図2】例で使用される対象画像である。
【図3】例で説明するような図2の画像の解析グリッドである。
【図4】図2の第1列第5行の特徴を含む図2の詳細である。
【図5】図4のセグメントのx位置に対してプロットされたy方向における4画素にわたって積分された画素強度のグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デコンボリューションのために画像の領域を選択する方法であって、
a)複数の特徴を有する画像を提供するステップであって、各特徴が少なくとも1つの値(v)に関連する、ステップと、
b)テスト特徴を識別するステップであって、該テスト特徴が該画像の既知の低値ゾーンに隣接する高値特徴であり、該テスト特徴がテール率(r)を有し、該テール率が、該テスト特徴の値(v)の該画像の該隣接する低値ゾーンの値(V)に対する比率である、ステップと、
c)閾値tを計算するステップであって、該閾値(T(r))が、該テスト特徴のテール率(r)の関数である、ステップと、
d)該画像の選択領域を識別するステップであって、該選択領域が画像全体に満たない領域を含み、該選択領域が、隣接する特徴の間の値(v)の比率が該閾値(T(r))を上回る領域である、ステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
ステップb)が、前記テール率(r)を計算する前に、前記テスト特徴の値(v)と前記画像の前記隣接する低値ゾーンの前記値(V)との両方から背景定数を減算することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
e)オートグリッド解析により擬似画像を形成するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記閾値(T(r))が、前記テスト特徴のテール率(r)の倍数である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
f)前記画像の前記選択領域に対してデコンボリューションを行うステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
デコンボリューションのために画像の領域を選択するシステムであって、
b)デジタル化画像を提供する画像装置と、
c)データ記憶装置と、
d)該画像装置から該デジタル化画像を受け取り、該データ記憶装置に対してデータを書き込みかつ読み出すことができる中央処理装置であって、
i)該画像装置からデジタル化画像を受け取り、
ii)複数の特徴を識別し各特徴を少なくとも1つの値(v)に関連付け、
iii)テスト特徴を識別し、該テスト特徴が該画像の既知の低値ゾーンに隣接する高値特徴であり、該テスト特徴がテール率(r)を有し、該テール率が、該テスト特徴の値(v)の該画像の該隣接する低値ゾーンの値(v)に対する比率であり、
iv)閾値tを計算し、該閾値(T(r))が該テスト特徴のテール率(r)の関数であり、
v)該画像の選択領域を識別し、該選択領域が該画像全体に満たない領域を含み、該選択領域が、隣接する特徴の間の値(v)の比率が該閾値(T(r))を上回る領域である
ようにプログラムされた中央処理装置と、
を備える、システム。
【請求項7】
前記中央処理装置が、前記テール率(r)を計算する前に、前記テスト特徴の値(v)と前記画像の前記隣接する低値ゾーンの前記値(V)との両方から背景定数を減算するようにさらにプログラムされる、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記中央処理装置が、オートグリッド解析により擬似画像を形成するようにさらにプログラムされる、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記閾値(T(r))が、前記テスト特徴のテール率(r)の倍数である、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記中央処理装置が、前記画像の前記選択領域に対してデコンボリューションを行うようにさらにプログラムされる、請求項6に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−501187(P2008−501187A)
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515106(P2007−515106)
【出願日】平成17年4月29日(2005.4.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/014823
【国際公開番号】WO2005/119593
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】