説明

画像データの色彩較正装置および色彩欠陥自動検出装置

【課題】 カメラで撮影した被検査物の画像データを、カメラおよびモニタのそれぞれの特性や機差に依存することなく、しかも人間の色彩感覚に合わせて被検査物の色彩を較正させて、同一色彩でモニタに表示することができる画像データの色彩較正装置を提供し、色コスレやインク飛び、見当ズレだけでなく色むらや色違い等の色彩欠陥を正確に自動検出することができる。
【解決手段】 カメラ1で撮像したカラー画像データを、このカメラ1の特性に合わせて色相、彩度および明度を要素とする色彩表色系の画像データに較正するカメラ側較正部21と、このカメラ側較正部21によって較正された色相、彩度および明度を要素とする色彩表色系の画像データを、表示すべきモニタ2の特性に合わせてカラー画像データに較正するモニタ側較正部22とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像データの色彩較正装置および色彩欠陥自動検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、印刷物等の生産物の色欠陥、例えば色コスレやインク飛び、見当ズレ等を検出して、生産物の品質の向上に役立てている。この色欠陥検出技術の応用分野は広く、代表的なものを以下の(A),(B)に示しておく。
(A)カラー印刷ラインなどにおいて、印刷後の色調を検査し、それによって印刷物の良否を判定したり、印刷ラインの印刷状態をモニタリングし、良好な状態に保持するなどの印刷物の検査。
(B)織物の製造ライン、情報記録テープや各種のフィルム状またはシート状の物体の製造ラインなど、加工することによって色調の変化する多様な生産物の検査や生産ラインのモニタリング。
【0003】生産物の色欠陥を検出する場合、生産物の一部分を拡大したり、製造ラインでの危険を回避するために遠隔場所で検出操作や品質管理をすることが多いので、生産物を直接目で見て色欠陥を見つけ出すのではなく、つぎに示すようにカメラやモニタ等の機器を使用することが多い。すなわち、生産物の映像をカメラで撮像してこの画像データをモニタに送り、モニタに画像として映し出し、このモニタに映し出された画像を見て、生産物の色欠陥を判断している。また、カメラで撮像した画像データを画像解析ソフトウェアに送り、この画像解析ソフトウェアによって生産物の色欠陥を自動的に検出したりしている。
【0004】ところで、色を表現するための表色系には、RGB表色系、XYZ表色系、Yxy表色系、L*a*b*表色系などいくつかの系がある。そして、画像データ入出力機器は、機器の種類により入力画像データや出力画像データの表色系が異なる。次表は、画像データ入出力機器毎に、機器名、画像データの入力出力の別、表色系を記した表である。
機器 入力/出力 表色系カメラ 出力 RGBモニタ 入力 RGB色差計 出力 XYZCRT色差計 出力 Yxyこのため、入力画像データ機器と出力画像データ機器の組み合わせが同一表色系であれば、入力画像データを変換する必要はないが、異なる表色系の場合には、入力画像データを出力画像データ機器にあわせて変換する必要がある。また、いくつかの表色系のうち、L*a*b*表色系は、明度L*および色度a*,b*で色を表現するものであり、RGB表色系等の他の表色系に比べて、人間の色彩感覚にもっとも近い表色系である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来の欠陥検出装置では、色コスレやインク飛び、見当ズレ等といった簡単な色彩欠陥は検出できても、色むらや色違い等の色彩欠陥は検出することができない。なぜなら、色むらや色違い等の色彩欠陥の検出は、色コスレやインク飛び、見当ズレ等の色欠陥を検出するのに比べて、似たような色の微妙な差を扱わねばならないので、はるかに高度な検出技術が必要だからである。それゆえ、色むらや色違い等の色彩欠陥を正確に自動検出できる装置は、従来なかったのである。本発明者は、色彩欠陥を正確に検出できないのは、以下の(i)〜(iii)に示す問題に起因することをつきとめ、本願発明を完成させたのである。
(i)カメラおよびモニタの各特性の不一致印刷物のパターン検査においては、ラインセンサーカメラ等のカメラで生産物を被検査物として撮影したRGB表色系の画像データを、CRT等のモニタでそのまま出力させて、生産物の検査や生産ラインのモニタリングを行っている。カメラは各製品毎に特性や機差があり、しかもモニタも各製品毎に特性や機差があるから、被検査物の実測値と色差計で実測したモニタ上の画像の実測値とを比較した場合、一般的には合致しない。このため、被検査物に色むらや色違い等の色彩欠陥があっても、モニタには色彩欠陥がなく正常であるかのごとく表示されてしまうという誤まり検出が生じる。このように、従来の技術では、カメラおよびモニタの特性や機差により、被検査物とモニタ上の画像との間には色彩ズレがあり、色むらや色違い等の色彩欠陥を正確に検出することができなかったのである。
(ii)カメラで撮像したRGB表色系の画像と人間の色彩感覚との間の違い人間の色彩感覚にもっとも近い表色系はL*a*b*表色系であるところ、カメラおよびモニタで使用されるRGB表色系において画像データを比較するときに、人間の色彩感覚ではモニタ上の画像と被検査物とが類似ではないと判断される場合がよくある。このため、RGB表色系の画像データにおいて色むらや色違い等の色彩欠陥がないとしても、この画像と被検査物を直接見たときの人間の感覚との間には色彩ズレがあるから、人間の色彩感覚では色彩欠陥があるという誤り検出が発生する。
(iii)上記(i)、(ii)で説明したように、カメラで撮像した画像データ、モニタ上の画像、被検査物を直接見たときの人間の感覚の3者の間には、互いに色彩ズレがあるので、色彩を較正せずに色彩欠陥を自動的に検出することはできないという問題がある。
【0006】本発明はかかる事情に鑑み、カメラで撮影した被検査物の画像データを、カメラおよびモニタのそれぞれの特性や機差に依存することなく、しかも人間の色彩感覚に合わせて被検査物の色彩を較正させて、同一色彩でモニタに表示することができる画像データの色彩較正装置を提供し、色コスレやインク飛び、見当ズレだけでなく色むらや色違い等の色彩欠陥を正確に自動検出することができる色彩欠陥自動検出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の画像データの色彩較正装置は、カメラで撮像した画像データを、該カメラの特性に合わせて較正するカメラ側較正部と、該カメラ側較正部によって較正された画像データを、表示すべきモニタの特性に合わせて較正するモニタ側較正部とを備えたことを特徴とする。請求項2の画像データの色彩較正装置は、カメラで撮像したカラー画像データを、該カメラの特性に合わせて色相、彩度および明度を要素とする色彩表色系の画像データに較正するカメラ側較正部と、該カメラ側較正部によって較正された色彩表色系の画像データを、表示すべきモニタの特性に合わせてカラー画像データに較正するモニタ側較正部とを備えたことを特徴とする。請求項3の画像データの色彩較正装置は、カメラで撮像したRGB表色系の画像データを、該カメラの特性に合わせてL*a*b*表色系の画像データに較正するカメラ側較正部と、該カメラ側較正部によって較正されたL*a*b*表色系の画像データを、表示すべきモニタの特性に合わせてRGB表色系の画像データに較正するモニタ側較正部とを備えたことを特徴とする。請求項4の画像データの色彩較正装置は、請求項1または2記載の発明において、前記カメラ側較正部が、カメラで撮像したカラー画像データを、色差計で撮像したカラー画像データに較正するカメラ側画像データ較正プログラムと、該カメラ側画像データ較正プログラムで較正された画像データを、色相、彩度および明度を要素とする色彩表色系に変換する表色系変換プログラムとを備えたことを特徴とする。請求項5の画像データの色彩較正装置は、請求項3記載の発明において、前記カメラ側較正部が、カメラで撮像したRGB表色系の画像データを、色差計で撮像したXYZ表色系の画像データに較正するRGB−XYZ較正プログラムと、XYZ表色の画像データを、L*a*b*表色系に変換するXYZ−L*a*b*変換プログラムとを備えたことを特徴とする。請求項6の画像データの色彩較正装置は、請求項1または2記載の発明において、前記モニタ側較正部が、色相、彩度および明度を要素とする色彩表色系の画像データを、表示すべきモニタのカラー画像データに較正するモニタ側画像データ較正プログラムを備えたことを特徴とする。請求項7の画像データの色彩較正装置は、請求項3または5記載の発明において、前記モニタ側較正部が、L*a*b*表色系の画像データを、表示すべきモニタのRGB表色系の画像データに較正するL*a*b*−RGB較正プログラムを備えたことを特徴とする。請求項8の色彩欠陥自動検出装置は、カメラで撮像した一の被検査物の画像データを、マスタ画像データとして格納するためのマスタ画像メモリと、カメラで撮像した他の被検査物の画像データを、検査画像データとして格納するための検査画像メモリと、カメラで撮像したカラー画像データを、該カメラの特性に合わせて色相、彩度および明度を要素とする色彩表色系の画像データに較正するカメラ側較正部と、色彩表色系の検査画像データを、色彩表色系のマスタ画像データと比較して、前記検査画像データの色彩欠陥部分を検出する画像比較部とからなることを特徴とする。請求項9の色彩欠陥自動検出装置は、カメラで撮像した一の被検査物の画像データを、マスタ画像データとして格納するためのマスタ画像メモリと、カメラで撮像した他の被検査物の画像データを、検査画像データとして格納するための検査画像メモリと、カメラで撮像したRGB表色系の画像データを、該カメラの特性に合わせてL*a*b*表色系の画像データに較正するカメラ側較正部と、L*a*b*表色系の検査画像データを、L*a*b*表色系のマスタ画像データと比較して、前記検査画像データの色彩欠陥部分を検出する画像比較部とからなることを特徴とする。
【0008】請求項1の発明によれば、カメラで撮像した画像データをカメラ側較正部によって、このカメラの特性に合わせて較正でき、較正後の画像データを、モニタ側較正部によって、表示すべきモニタの特性に合わせて較正して表示することができる。よって、カメラで撮影した被検査物の画像データを、カメラおよびモニタのそれぞれの特性や機差に依存することなく、同一色彩でモニタに表示することができる。請求項2の発明によれば、カメラで撮像したカラー画像データをカメラ側較正部によって、このカメラの特性に合わせて色彩表色系の画像データに較正でき、この色彩表色系の画像データを、モニタ側較正部によって、表示すべきモニタの特性に合わせてカラー画像データに較正することができる。よって、カメラで撮像した被検査物の画像データを、カメラおよびモニタの特性や機差に依存することなく、同一色彩でモニタに表示することができる。しかも、内部で画像データを色彩表色系に変換しているから、人間の色彩感覚に合った色彩較正をすることができる。請求項3の発明によれば、カメラで撮像したRGB表色系の画像データをカメラ側較正部によって、このカメラの特性に合わせてL*a*b* 表色系の画像データに較正でき、このL*a*b* 表色系の画像データを、モニタ側較正部によって、表示すべきモニタの特性に合わせてRGB表色系の画像データに較正することができる。よって、カメラで撮像した被検査物の画像データを、カメラおよびモニタの特性や機差に依存することなく、同一色彩でモニタに表示することができる。しかも、内部で画像データをL*a*b* 表色系に変換しているから、人間の色彩感覚に合った色彩較正をすることができる。請求項4の発明によれば、カメラ側画像データ較正プログラムによって、カメラで撮像したカラー画像データを、色差計で撮像したカラー画像データに較正し、この画像データを、表色系変換プログラムによって、色彩表色系の画像データに変換することができる。よって、カメラで撮像したカラー画像データを、該カメラの特性に合わせて、人間の色彩感覚に合った色彩表色系の画像データに較正することができる。請求項5の発明によれば、RGB−XYZ較正プログラムによって、カメラで撮像したRGB表色系の画像データを、色差計で撮像したXYZ表色系の画像データに較正し、この画像データを、XYZ−L*a*b* 変換プログラムによって、L*a*b* 表色系の画像データに変換することができる。よって、カメラで撮像したRGB表色系の画像データを、該カメラの特性に合わせて、人間の色彩感覚に合ったL*a*b*表色系の画像データに較正することができる。請求項6の発明によれば、モニタ側画像データ較正プログラムによって、人間の色彩感覚に合った色彩表色系の画像データを、表示すべきモニタのカラー画像データに較正することができる。請求項7の発明によれば、L*a*b* −RGB較正プログラムによって、人間の色彩感覚に合ったL*a*b*表色系の画像データを、表示すべきモニタのRGB表色系の画像データに較正することができる。請求項8の発明によれば、カメラ側較正部によって、カメラで撮像したカラーの検査画像データおよびマスタ画像データを、カメラの特性に合わせて色彩表色系の検査画像データおよびマスタ画像データに較正することができる。そして、画像比較部によって、色彩表色系の検査画像データを、色彩表色系のマスタ画像データと比較して、前記検査画像データの色彩欠陥部分を検出することができる。このため、カラー画像データを画像比較するよりも、より人間の色彩感覚に合った画像比較をすることができる。よって、被検査物の色むらや色違い等の色彩欠陥を正確に自動的に検出することができる。請求項9の発明によれば、カメラ側較正部によって、カメラで撮像したRGB表色系の検査画像データおよびマスタ画像データを、カメラの特性に合わせてL*a*b*表色系の検査画像データおよびマスタ画像データに較正することができる。そして、画像比較部によって、L*a*b*表色系の検査画像データを、L*a*b*表色系のマスタ画像データと比較して、前記検査画像データの色彩欠陥部分を検出することができる。このため、RGB表色系で画像データを画像比較するよりも、より人間の色彩感覚に合った画像比較をすることができる。よって、被検査物の色むらや色違い等の色彩欠陥を正確に自動的に検出することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。図1は本実施形態の色彩欠陥自動検出装置10のブロック図である。同図に示すように、本実施形態の色彩欠陥自動検出装置10は、カメラ1で撮像した印刷物等の被検査物mの色彩欠陥を正確に自動検出してモニタ2に表示する装置であり、色彩較正装置20および欠陥検出装置30から構成されたものである。被検査物mとしては、印刷物だけでなく、ラベルやシール、包装パッケージ等を列挙することができるが、これらは単なる例示に過ぎず、種々の物を採択しうる。
【0010】被検査物mは、ベルトコンベア等の検査箇所移動部3によって、カメラ1で検査すべき箇所が移動するようになっている。カメラ1の出力信号はRGB表色系のカラー画像データであり、カメラ1によって撮像された被検査物mのRGB表色系のカラー画像データは、色彩較正装置20に入力されるようになっている。なお、検査箇所移動部3による被検査物mの移動速度データを、色彩較正装置20に入力するようにしておくと、被検査物mの移動速度に同期を取って被検査物mを撮像できるので好適である。
【0011】色彩欠陥自動検出装置10を適用しうるカメラ1としては、出力信号がRGB表色系のカラー画像データだけでなく、表色系が違ってもカラー画像データであればよい。以下では、説明を簡単にするため、出力信号がRGB表色系のカメラ1を代表として説明する。
【0012】色彩較正装置20は、カメラ1で撮像したRGB表色系の画像データを、撮像したカメラ1の特性に合わせて較正するとともに、表示すべきモニタ2の特性に合わせて較正するための装置である。
【0013】図2は、色彩較正装置20の入出力説明図である。同図に示すように、色彩較正装置20には、入力データとして、以下の(1)〜(4)の画像データが入力されるようになっている。これらの画像データに基づき、カメラ1で撮像する画像データおよびモニタ2に入力される画像データを較正するのであるが、詳細は後述する。
(1) カメラ1で標準印刷チャートSを撮像したRGB表色系の画像データ(2) 色差計40で標準印刷チャートSを計測したXYZ表色系の画像データ(3) モニタ2上の表示画像をCRT色差計50で計測したYxy表色系の画像データ(4) モニタ2に入力されるRGB表色系の標準画像データの元となるL*a*b*表色系等の色彩表色系の標準画像データQなお、色差計40およびCRT色差計50は、公知のものを使用すればよく、出力信号の表色系などに特に限定はない。以下では、説明を簡単にするため、色差計のうち、XYZ表色系の画像データを出力する色差計40を、代表として説明する。同様に、CRT色差計のうち、Yxy表色系の画像データを出力するCRT色差計50を、代表として説明する。また、前記標準画像データQは、L*a*b*表色系のものだけでなく、色相、彩度および明度を要素とする色彩表色系であれば、マンセル表色系やL*c*h*表色系、ハンターLab 表色系、XYZ(Yxy)表色系など種々の色彩表色系の画像データであってもよい。以下では説明を簡単にするため、標準画像データのうち、L*a*b*表色系の標準画像データを代表として説明する。
【0014】色彩較正装置20の出力データは、較正後のRGB表色系の画像データであり、図2のようにモニタ2に直接、または、図1のように欠陥検出装置30を介してモニタ2に送られるようになっている。
【0015】さて、色彩較正装置20を詳細に説明する。図3は色彩較正装置20のシステム構成図である。同図に示すように、色彩較正装置20は、カメラ側較正部21、カメラ特性テーブルA、カメラ側色調補正テーブルL、モニタ側較正部22およびモニタ特性テーブルBを備えている。
【0016】カメラ側較正部21は、最小二乗法プログラムを備えており、カメラ1で撮像した標準印刷チャートSのRGB表色系の画像データと、色差計40で計測した標準印刷チャートSのXYZ表色系の画像データとを比較して、その誤差からカメラ特性データaijを算出することができるプログラムである。カメラ特性データaijはつぎの3×4の行列である。
a11 a12 a13 a14a21 a22 a23 a24a31 a32 a33 a34カメラ特性データaijを3×4の行列に設定してパラメータを多くすることにより、カメラの機差や紙の白さ等の変動要因を適切に調整することができる。カメラ側特性テーブルAは、前記カメラ特性データaijを格納するためのデータ格納テーブルである。カメラ側色調補正テーブルLは、カメラ特性データaijがL*a*b*表色系に変換された後の色調補正データLijを格納するためのテーブルである。
【0017】モニタ側較正部22は、最小二乗法プログラムを備えており、モニタ2に入力されるL*a*b*表色系の標準画像データQと、この標準画像データQをモニタ2に入力してモニタ2に表示された画像とを比較して、その誤差からモニタ特性データbijを算出することができるプログラムである。モニタ特性テーブルBは、前記モニタ特性データbijを格納するためのデータ格納テーブルである。モニタ特性データbijはつぎの3×4の行列である。
b11 b12 b13 b14b21 b22 b23 b24b31 b32 b33 b34モニタ特性データbij を3×4の行列に設定してパラメータを多くすることにより、カメラの機差や紙の白さ等の変動要因を適切に調整することができる。なお、前記カメラ特性データaijおよびモニタ特性bijの3×4の行列を、3×7の行列、3×10の行列、3×13の行列等、パラメータを増やしてもよい。増加させたパラメータに、各RGB成分の2乗や3乗、Log関数、対数の変数をうまく対応させることにより、パラメータが、ガンマ成分や光源特性、蛍光成分等に敏感に反応するようになり色彩較正の精度を上げることができる。
【0018】また、色彩較正装置20は、複数の表色系変換プログラムを備えている。図4は表色系変換プログラムの説明図である。同図に示すように、これらの表色系変換プログラムは、RGB表色系、XYZ表色系、Yxy表色系、L*a*b*表色系のうち、いずれかの表色系のデータ画像を他の表色系の画像データに変換することができるプログラムである。各表色系変換プログラムは、いずれも公知の変換式を関数化したプログラムを使用すればよい。次表に表色系変換プログラム毎に、プログラム名、変換前の表色系および変換後の表色系を記す。


以下では説明のため、例えば、XYZ表色系の画像データをL*a*b*の表色系に変換する表色系変換プログラムを、XYZ-L*a*b*変換プログラムfで示す。また、L*a*b*表色系の画像データをYxy表色系の画像データに変換する表色系変換プログラムを、L*a*b*-Yxy変換プログラムg−1で示す。
【0019】つぎに、色彩較正装置20におけるカメラ側較正処理について説明する。図5はカメラ側較正処理のフローチャートである。図6は標準印刷チャートSである。図5〜図6において、符号Sは多くの種類の色が印刷された標準印刷チャートを示している。まず、カメラ1で標準印刷チャートSを実測して、多数画素のRGB表色系のカメラ入力画像データ W(R,G,B) を、色彩較正装置20に入力する。同様にして、色差計40で標準印刷チャートSを実測して、多数画素のXYZ表色系の標準画像データP(X,Y,Z) を、色彩較正装置20に入力する。なお、カメラ1から入力される画像データは、多数の画素値として入力されるため、安定したRGB値を得るために、各色の中心付近の周辺5×5の25画素の平均を、その色のRGB値として用いるなどの平均化処理を行うとよい。
【0020】そして、カメラ側較正部21の最小二乗法プログラムによって、前記カメラ入力画像データW(R,G,B) および標準画像データP(X,Y,Z) から、(X,Y,Z)=A(R,G,B,1)の線形推定モデルにおける誤差の二乗和を最小にするパラメータとして、カメラ特性データaijが算出される。符号tは転置を示す。よって、このカメラ特性データaijは、カメラ1で撮像したRGB表色系の画像データを、XYZ表色系に変換するのに最適なパラメータである。このカメラ特性データaijの各値は、カメラ特性テーブルAに格納される。
【0021】XYZ表色系の変換に最適なカメラ特性データaijは、XYZ-L*a*b*変換プログラムfによって、L*a*b*表色系でのカメラ特性データf(aij)に変換される。このカメラ特性データf(aij)は、カメラ1で撮像したRGB表色系の画像データを、人間の色彩感覚に合ったL*a*b*表色系に変換するのに最適なパラメータとなっている。このカメラ特性データf(aij)の各値は、カメラ側色調補正テーブルLに格納される。このカメラ側色調補正テーブルLは、欠陥検出装置30による色彩欠陥自動検出処理で利用されることになるが、詳細は後述する。
【0022】つぎに、色彩較正装置20におけるモニタ側較正処理を説明する。図7はモニタ側較正処理のフローチャートである。図8は標準画像データQである。図7〜図8において、L*a*b* 標準画像データQは、L*a*b*表色系における種々のデータを組み合わせた組み合わせパターンである。ところで、表示すべきモニタ2の特性に合わせて画像データを較正するには、モニタ2に表示されるモニタ画像をCRT色差計50で実測する必要があり、このCRT色差計50の出力画像データは、Yxy表色系の画像データである。そこで、モニタ側較正処理では、まず、色彩較正装置20にL*a*b* 表色系の標準画像データQが入力されると、この標準画像データQは、L*a*b* −Yxy変換プログラムg−1によって、Yxy表色系の標準画像データDに変換される(M1)。そして、このYxy表色系の標準画像データDの値が、表示画像データEにコピーされて保持される(M2)。この表示画像データEは、Yxy−RGB変換プログラムkによって、RGB表色系の表示画像データFに変換される(M3)。このRGB表色系の表示画像データFは、シェーディング補正プログラム33によって、シェーディング補正され(M4)、モニタ2に表示される。
【0023】モニタ2に表示された画像は、CRT色差計50で実測される(M5)。CRT色差計50で実測されたYxy表色系のモニタ画像データCは、色彩較正装置20に入力される。
【0024】色彩較正装置20では、まず、Yxy表色系のモニタ画像データCと前記Yxy表色系の標準画像データDとの間で、Y成分、X成分およびy成分の差分ΔC(ΔY,Δx,Δy)が算出される(M6)。そして、差分ΔCの特徴値がしきい値εより大きいかどうかが判断される(M7)。差分ΔCの特徴値がしきい値εより大きい場合には、Yxy表色系の表示画像データEが差分ΔCだけ補正され(M8)、補正後の表示画像データEがRGB系の表示画像データFに変換される(M3)。これら一連の処理(M3)〜(M8)は、差分ΔCの特徴値がしきい値より小さくなるまで、繰り返される(M7)。
【0025】差分Δの特徴値がしきい値εより小さくなると、モニタ側較正部22の最小二乗法プログラムによって、前記RGB表色系の表示画像F(R,G,B)およびL*a*b表色系の標準画像データQ(L*,a,*b*)から、(R,G,B)=B(L*,a*,b*,1)の線形推定モデルにおける誤差の二乗和を最小にするパラメータとして、モニタ特性データbijが算出される。このモニタ特性データbijは、L*a*b*表色系の画像データを、表示すべきモニタ2のRGB表色系に変換するのに最適なパラメータである。このモニタ特性データbijは、各値がモニタ特性テーブルBに格納される。
【0026】上記のごとく、色彩較正装置20によれば、カメラ側較正部21により、カメラ1で撮像したRGB表色系の画像データをL*a*b*表色系に変換するのに最適なカメラ特性データf(aij)を算出して、カメラ側色調補正テーブルLに格納することができる。また、モニタ側較正部22により、L*a*b*表色系の画像データを、表示すべきモニタ2のRGD表色系に変換するのに最適なモニタ特性bijを算出して、モニタ特性テーブルBに格納することができる。
【0027】ここから、欠陥検出装置30を説明する。再び図1に示すように、欠陥検出装置30は、カメラ1で撮像された被検査物mのRGB表色系の画像データに基づいて、被検査物mの色彩欠陥部分を検出するための装置である。欠陥検出装置30の出力データは、RGB表色系の画像データであり、モニタ2に表示画像として表示されるようになっている。
【0028】図9はXYZ-L*a*b*変換プログラムである。同図に示すように、欠陥検出装置30は、マスタ画像メモリ31、検査画像メモリ32、位置ズレ検出装置33、位置ズレ補正回路34、画像比較部35、相違部記憶メモリ36、領域抽出回路37、欠陥候補領域記憶メモリ38を備えている。
【0029】マスタ画像メモリ31は、カメラ1で撮像した被検査物mの画像データをマスタ画像データとして格納するためのメモリである。検査画像メモリ32は、カメラ1で撮像して検査すべき被検査物mの画像データを検査画像データとして格納するためのメモリである。位置ズレ検出装置33は、マスタ画像データを基準とする検査画像データの位置ズレを検出する装置である。位置ズレ補正回路34は、検査画像データの位置ズレを補正するための回路である。画像比較部35は、マスタ画像データと検査画像データとの間の相違を比較する回路である。領域抽出回路36は、検査画像データから色彩欠陥がある領域を抽出するための回路である。欠陥候補領域記憶メモリ37は、欠陥候補の領域を記憶するためのメモリである。
【0030】つぎに、色彩欠陥自動検出処理を説明する。図10はカメラ1の周辺部分の模式図である。図11は欠陥検出装置30による欠陥検出処理のフローチャートである。図10〜図11に示すように、予め、カメラ1で被検査物mを撮像して、この画像データをマスタ画像データMとしてマスタ画像メモリ31に格納しておく。しかる後、カメラ1で被検査物mを撮像すると、被検査物mのRGB表色系の画像データは欠陥検出装置30に送信され、検査画像データTとして、検査画像メモリ32に記録される。
【0031】そして、位置ズレ検出装置33によって、マスタ画像データMと検査画像データTとの間のズレ位置が検出される。ついで、位置ズレ補正回路34によって、検査画像データTが前記ズレ位置に応じて補正される。
【0032】画像比較部35では、以下のようにして検査画像データTおよびマスタ画像データMが比較される。図12は欠陥抽出処理の処理フローである。同図に示すように、まず、カメラ1で撮像したRGB表色系の検査画像データTおよびマスタ画像データMは、前記カメラ側色調補正テーブルLにより、L*a*b*表色系の検査画像データLTおよびマスタ画像データLMにそれぞれ変換される。カメラ側色調補正テーブルLにはカメラ1で撮像したRGB表色系の画像データを、L*a*b*表色系に変換するのに最適なパラメータとして、カメラ特性データf(aij) が格納されているから、変換処理は最適化されているのである。
【0033】つぎに、差分検出回路によって、L*a*b*表色系の検査画像データLTおよびマスタ画像データLMの間の差分ΔE(ΔL*,Δa*,Δb*)の特徴値が計算される。つまり、人間の色彩感覚にもっとも近いL*a*b*表色系で、画像データを比較することができるのである。前記差分ΔEの特徴値が規定値Thを超えた場合には、領域抽出回路36によって、前記検査画像データLの一部分が色彩欠陥部分の画像データとして欠陥候補領域記憶メモリ37に記憶される。なお、差分ΔEの特徴値は、差分ΔE(ΔL*,Δa*,Δb*)における各成分の2ノルムとしているが、 特徴値を表現できればよく、種々の比較式を採択しうる。
【0034】上記のごとく、カメラ1で撮像したRGB表色系の検査画像データTおよびマスタ画像データMは、L*a*b*表色系の検査画像データLTおよびマスタ画像データLMに変換された後に、差分ΔE(ΔL*,Δa*,Δb*)の特徴値が計算されて比較される。このため、画像データをRGB表色系で直接比較するよりも、より人間の色彩感覚に合った比較を行うことができる。
【0035】つぎに、本実施形態の色彩較正装置20の作用効果を説明する。本実施形態の色彩較正装置20によれば、カメラ1で撮像したRGB表色系の画像データをカメラ側較正部21によって、このカメラ1の特性に合わせてL*a*b* 表色系の画像データに較正でき、このL*a*b* 表色系の画像データを、モニタ側較正部22によって、表示すべきモニタ2の特性に合わせてRGB表色系の画像データに較正することができる。よって、カメラ1で撮像した被検査物mの画像データを、カメラ1およびモニタ2の特性や機差に依存することなく、同一色彩でモニタ2に表示することができる。しかも、内部で画像データをL*a*b* 表色系に変換しているから、人間の色彩感覚に合った色彩較正をすることができる。
【0036】つぎに、本実施形態の色彩欠陥自動検出装置10の作用効果を説明する。本実施形態の色彩欠陥自動検出装置10によれば、カメラ側較正部21によって、カメラ1で撮像したRGB表色系の検査画像データTおよびマスタ画像データMを、カメラ1の特性に合わせてL*a*b*表色系の検査画像データLTおよびマスタ画像データLMに較正することができる。そして、画像比較部25によって、L*a*b*表色系の検査画像データLTを、L*a*b*表色系のマスタ画像データMTと比較して、前記検査画像データLTの色彩欠陥部分を検出することができる。このため、RGB表色系で画像データを画像比較するよりも、より人間の色彩感覚に合った画像比較をすることができる。よって、被検査物mの色むらや色違い等の色彩欠陥を正確に自動的に検出することができる。
【0037】なお、色彩表色系の代表として、L*a*b*表色系の場合を例にとって説明してきたが、マンセル表色系やL*c*h*表色系、ハンターLab 表色系、XYZ(Yxy)表色系など種々の色彩表色系の画像データであっても、L*a*b*表色系の場合と同様の効果を奏する。すなわち本実施形態の色彩欠陥自動検出装置10によれば、RGB表色系で画像データを画像比較するよりも、より人間の色彩感覚に合った画像比較をすることができる。よって、被検査物mの色むらや色違い等の色彩欠陥を正確に自動的に検出することができる。
【0038】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、カメラで撮像した画像データをカメラ側較正部によって、このカメラの特性に合わせて較正でき、較正後の画像データを、モニタ側較正部によって、表示すべきモニタの特性に合わせて較正して表示することができる。よって、カメラで撮影した被検査物の画像データを、カメラおよびモニタのそれぞれの特性や機差に依存することなく、同一色彩でモニタに表示することができる。請求項2の発明によれば、カメラで撮像したカラー画像データをカメラ側較正部によって、このカメラの特性に合わせて色彩表色系の画像データに較正でき、この色彩表色系の画像データを、モニタ側較正部によって、表示すべきモニタの特性に合わせてカラー画像データに較正することができる。よって、カメラで撮像した被検査物の画像データを、カメラおよびモニタの特性や機差に依存することなく、同一色彩でモニタに表示することができる。しかも、内部で画像データを色彩表色系に変換しているから、人間の色彩感覚に合った色彩較正をすることができる。請求項3の発明によれば、カメラで撮像したRGB表色系の画像データをカメラ側較正部によって、このカメラの特性に合わせてL*a*b* 表色系の画像データに較正でき、このL*a*b* 表色系の画像データを、モニタ側較正部によって、表示すべきモニタの特性に合わせてRGB表色系の画像データに較正することができる。よって、カメラで撮像した被検査物の画像データを、カメラおよびモニタの特性や機差に依存することなく、同一色彩でモニタに表示することができる。しかも、内部で画像データをL*a*b* 表色系に変換しているから、人間の色彩感覚に合った色彩較正をすることができる。請求項4の発明によれば、カメラ側画像データ較正プログラムによって、カメラで撮像したカラー画像データを、色差計で撮像したカラー画像データに較正し、この画像データを、色彩表色系変換プログラムによって、色彩表色系の画像データに変換することができる。よって、カメラで撮像したカラー画像データを、該カメラの特性に合わせて、人間の色彩感覚に合った色彩表色系の画像データに較正することができる。請求項5の発明によれば、RGB−XYZ較正プログラムによって、カメラで撮像したRGB表色系の画像データを、色差計で撮像したXYZ表色系の画像データに較正し、この画像データを、XYZ−L*a*b* 変換プログラムによって、L*a*b* 表色系の画像データに変換することができる。よって、カメラで撮像したRGB表色系の画像データを、該カメラの特性に合わせて、人間の色彩感覚に合ったL*a*b*表色系の画像データに較正することができる。請求項6の発明によれば、モニタ側画像データ較正プログラムによって、人間の色彩感覚に合った色彩表色系の画像データを、表示すべきモニタのカラー画像データに較正することができる。請求項7の発明によれば、L*a*b* −RGB較正プログラムによって、人間の色彩感覚に合ったL*a*b*表色系の画像データを、表示すべきモニタのRGB表色系の画像データに較正することができる。請求項8の発明によれば、カメラ側較正部によって、カメラで撮像したカラーの検査画像データおよびマスタ画像データを、カメラの特性に合わせて色彩表色系の検査画像データおよびマスタ画像データに較正することができる。そして、画像比較部によって、色彩表色系の検査画像データを、色彩表色系のマスタ画像データと比較して、前記検査画像データの色彩欠陥部分を検出することができる。このため、カラー画像データを画像比較するよりも、より人間の色彩感覚に合った画像比較をすることができる。よって、被検査物の色むらや色違い等の色彩欠陥を正確に自動的に検出することができる。請求項9の発明によれば、カメラ側較正部によって、カメラで撮像したRGB表色系の検査画像データおよびマスタ画像データを、カメラの特性に合わせてL*a*b*表色系の検査画像データおよびマスタ画像データに較正することができる。そして、画像比較部によって、L*a*b*表色系の検査画像データを、L*a*b*表色系のマスタ画像データと比較して、前記検査画像データの色彩欠陥部分を検出することができる。このため、RGB表色系で画像データを画像比較するよりも、より人間の色彩感覚に合った画像比較をすることができる。よって、被検査物の色むらや色違い等の色彩欠陥を正確に自動的に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の色彩欠陥自動検出装置10のブロック図である。
【図2】色彩較正装置20の入出力説明図である。
【図3】色彩較正装置20のシステム構成図である。
【図4】表色系変換プログラムの説明図である。
【図5】カメラ側較正処理のフローチャートである。
【図6】標準印刷チャートSである。
【図7】モニタ側較正処理のフローチャートである。
【図8】L*a*b*標準画像データCである。
【図9】欠陥検出装置30のブロック図である。
【図10】カメラ1の周辺部分の模式図である。
【図11】欠陥検出装置30による欠陥検出処理のフローチャートである。
【図12】画像比較回路25でのフローチャートである。
【符号の説明】
1 カメラ
2 モニタ
10 色彩欠陥自動検出装置
20 色彩較正装置
21 カメラ側較正部
22 モニタ側較正部
30 欠陥検出装置
40 色差計
50 CRT色差計
A カメラ特性行列
B モニタ特性行列
L 色調補正テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】カメラで撮像した画像データを、該カメラの特性に合わせて較正するカメラ側較正部と、該カメラ側較正部によって較正された画像データを、表示すべきモニタの特性に合わせて較正するモニタ側較正部とを備えたことを特徴とする画像データの色彩較正装置。
【請求項2】カメラで撮像したカラー画像データを、該カメラの特性に合わせて色相、彩度および明度を要素とする色彩表色系の画像データに較正するカメラ側較正部と、該カメラ側較正部によって較正された色彩表色系の画像データを、表示すべきモニタの特性に合わせてカラー画像データに較正するモニタ側較正部とを備えたことを特徴とする画像データの色彩較正装置。
【請求項3】カメラで撮像したRGB表色系の画像データを、該カメラの特性に合わせてL*a*b*表色系の画像データに較正するカメラ側較正部と、該カメラ側較正部によって較正されたL*a*b*表色系の画像データを、表示すべきモニタの特性に合わせてRGB表色系の画像データに較正するモニタ側較正部とを備えたことを特徴とする画像データの色彩較正装置。
【請求項4】前記カメラ側較正部が、カメラで撮像したカラー画像データを、色差計で撮像したカラー画像データに較正するカメラ側画像データ較正プログラムと、該カメラ側画像データ較正プログラムで較正された画像データを、色相、彩度および明度を要素とする色彩表色系に変換する表色系変換プログラムとを備えたことを特徴とする請求項1または2記載の画像データの色彩較正装置。
【請求項5】前記カメラ側較正部が、カメラで撮像したRGB表色系の画像データを、色差計で撮像したXYZ表色系の画像データに較正するRGB−XYZ較正プログラムと、XYZ表色の画像データを、L*a*b*表色系に変換するXYZ−L*a*b*変換プログラムとを備えたことを特徴とする請求項3記載の画像データの色彩較正装置。
【請求項6】前記モニタ側較正部が、色相、彩度および明度を要素とする色彩表色系の画像データを、表示すべきモニタのカラー画像データに較正するモニタ側画像データ較正プログラムを備えたことを特徴とする請求項1または2記載の画像データの色彩較正装置。
【請求項7】前記モニタ側較正部が、L*a*b*表色系の画像データを、表示すべきモニタのRGB表色系の画像データに較正するL*a*b*−RGB較正プログラムを備えたことを特徴とする請求項3または5記載の画像データの色彩較正装置。
【請求項8】カメラで撮像した一の被検査物の画像データを、マスタ画像データとして格納するためのマスタ画像メモリと、カメラで撮像した他の被検査物の画像データを、検査画像データとして格納するための検査画像メモリと、カメラで撮像したカラー画像データを、該カメラの特性に合わせて色相、彩度および明度を要素とする色彩表色系の画像データに較正するカメラ側較正部と、色彩表色系の検査画像データを、色彩表色系のマスタ画像データと比較して、前記検査画像データの色彩欠陥部分を検出する画像比較部とからなることを特徴とする色彩欠陥自動検出装置。
【請求項9】カメラで撮像した一の被検査物の画像データを、マスタ画像データとして格納するためのマスタ画像メモリと、カメラで撮像した他の被検査物の画像データを、検査画像データとして格納するための検査画像メモリと、カメラで撮像したRGB表色系の画像データを、該カメラの特性に合わせてL*a*b*表色系の画像データに較正するカメラ側較正部と、L*a*b*表色系の検査画像データを、L*a*b*表色系のマスタ画像データと比較して、前記検査画像データの色彩欠陥部分を検出する画像比較部とからなることを特徴とする色彩欠陥自動検出装置。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2003−185500(P2003−185500A)
【公開日】平成15年7月3日(2003.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−380112(P2001−380112)
【出願日】平成13年12月13日(2001.12.13)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2001年6月14日 社団法人電子情報通信学会発行の「電子情報通信学会技術研究報告 信学技報 Vol.101 No.124」に発表
【出願人】(593080401)香川大学長 (2)
【出願人】(591114641)株式会社ヒューテック (19)
【出願人】(300066494)株式会社パル技研 (3)
【Fターム(参考)】