画像データ伝送システムおよび電子機器
【課題】画像データを伝送する伝送システムの消費電力を低減する。
【解決手段】送信部1は、所定の単位の個数と所定の単位の伝送期間との積によって定義される、1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間内に、複数のデータ信号を順次出力する。一方、送信部1は、上記の予め定められた伝送期間のうちの、データ信号を含まない所定の単位の伝送時間の合計に等しい期間に制御信号を出力する。この期間が送信部1のスリープモード期間に対応する。予め定められた伝送期間に対するスリープモード期間の割合が、予め定められた伝送期間に対する、制御信号の伝送期間および制御信号の伝送のためのマージン期間との合計の割合よりも大きくなるように、スリープモード期間が設定される。
【解決手段】送信部1は、所定の単位の個数と所定の単位の伝送期間との積によって定義される、1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間内に、複数のデータ信号を順次出力する。一方、送信部1は、上記の予め定められた伝送期間のうちの、データ信号を含まない所定の単位の伝送時間の合計に等しい期間に制御信号を出力する。この期間が送信部1のスリープモード期間に対応する。予め定められた伝送期間に対するスリープモード期間の割合が、予め定められた伝送期間に対する、制御信号の伝送期間および制御信号の伝送のためのマージン期間との合計の割合よりも大きくなるように、スリープモード期間が設定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像データを伝送するための画像データ伝送システムおよびそのシステムを備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
画像を表示装置の画面に表示するために、一般的には画面の左上隅からその画面の右下隅まで画像が1ラインずつ描画される。ある1ラインの画像の表示が終了してから次のラインの画像の表示を開始するまでの期間は水平ブランキング期間と呼ばれる。一方、画面の一番下のラインの描画が終了してから、画面の一番上のラインの描画を開始するまでの時間は垂直ブランキング期間と呼ばれる。
【0003】
近年では、液晶表示装置が画像(動画および静止画を含む)を表示するための表示装置として広く利用されている。一例では、液晶表示装置は、携帯電話に代表される携帯端末機器に搭載される。携帯端末機器の動作時間を長くするために、液晶表示装置の消費電力を低減することが要求される。
【0004】
特開平8−305316号公報(特許文献1)は、液晶表示素子の駆動回路の消費電力を低減するための構成を開示する。上記文献によれば、表示装置は、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間に、駆動回路に供給されるクロック信号を停止させる手段を備える。これにより、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間における駆動回路の消費電力を低減することが可能になる。
【0005】
しかしながら、ブランキング期間を単純に追加した場合には、フレームレートが低下するという課題が生じる。ディスプレイシステムでは、フレームレートが低下することを避けなければならない。
【0006】
特開2002−341831号公報(特許文献2)は、表示データ量の増加に対応可能な伝送レートを低消費電力で実現するための方法を開示する。上記文献によれば、1フレーム分の表示データを記憶するメモリがディスプレイに搭載される。ダミーのブランキング期間に、プロセッサからメモリにデータが転送されるとともに、メモリはそのデータを記憶する。必要な表示データがプロセッサからメモリに転送された後には、プロセッサからメモリへのデータ転送が停止される。これによって、消費電力の低減を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−305316号公報
【特許文献2】特開2002−341831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示された技術によれば、ブランキング期間に駆動回路が停止されるので、駆動回路の消費電力の低減を図ることができる。しかしながら一般にブランキング期間は制御信号をリアルタイムに処理するために必要な期間しか設定されていない。このためブランキング期間は、画像データが表示される期間に比較して短い。したがって1フレーム伝送期間のうちのブランキング期間に駆動回路を停止させても、駆動回路の消費電力を大きく低減することが難しい。
【0009】
特許文献2に開示された技術によれば、プロセッサからメモリに画像データが送信されない(すなわち表示装置に表示される画像が更新されない)限り、画像を表示装置に再描画するためのデータはメモリからディスプレイに供給される。これによりプロセッサの消費電力を大きく削減できることが期待できる。しかし、特許文献2によれば、コストの増加という課題、あるいは、余分なデバイス実装領域を確保しなければならないという課題がある。
【0010】
本発明の目的は、画像データを伝送する伝送システムの消費電力を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一局面に従う画像データ伝送システムは、1フレームの画像が所定の単位で分割されることで生成された複数のデータ信号と、データ信号に基づく予め定められた処理が実行されるタイミングを制御するための制御信号を出力する送信部と、データ信号および制御信号を受信する受信部と、送信部からのデータ信号および制御信号を受信部に伝送するための配線部とを備える。送信部は、所定の単位の個数と所定の単位の伝送期間との積によって定義される、1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間内に、複数のデータ信号を順次出力し、データ信号が非出力とされる第1および第2の期間のうちの第1の期間に制御信号を出力する。第1の期間は、予め定められた伝送期間のうちの、データ信号を含まない所定の単位の伝送時間の合計に等しい期間である。第1の期間を送信部のスリープモード期間と定義すると、予め定められた伝送期間に対するスリープモード期間の割合が、予め定められた伝送期間に対する、制御信号の伝送期間および制御信号の伝送のためのマージン期間の合計の割合よりも大きくなるように、スリープモード期間が設定される。なお、第2の期間を、予め定められた伝送期間のうちの、データ信号を含む所定の単位の伝送期間からデータ信号の伝送期間を差し引いた差分の時間の合計に等しい期間としてもよい。
【0012】
本発明の他の局面に従う画像データ伝送システムは、1フレームの画像が所定の単位で分割されることで生成された複数のデータ信号と、データ信号に基づく予め定められた処理が実行されるタイミングを制御するための制御信号とを出力する送信部と、データ信号および制御信号を受信する受信部と、送信部からのデータ信号および制御信号を受信部に伝送するための配線部とを備える。送信部は、1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間内に、複数のデータ信号を順次出力し、データ信号が非出力とされる第1および第2の期間のうちの第2の期間に制御信号を出力する。第1の期間は、予め定められた伝送期間のうちの、データ信号を含まない所定の単位の伝送時間の合計に等しい期間である。第2の期間は、予め定められた伝送期間のうちの、データ信号を含む所定の単位の伝送期間からデータ信号の伝送期間を差し引いた差分の時間の合計に等しい期間である。第2の期間を送信部のスリープモード期間と定義すると、予め定められた伝送期間に対するスリープモード期間の割合が、予め定められた伝送期間に対する、制御信号の伝送期間および制御信号の伝送のためのマージン期間の合計の割合よりも大きくなるように、スリープモード期間が設定される。
【0013】
「画像」との用語は、写真、絵、文字、図形、記号等を含むがこれらに限定されるものではない。「画像」は、静止画および動画のいずれでもよい。
【0014】
「データ信号に基づく予め定められた処理」とは、たとえば画像表示処理、画像データを保存する処理、画像データを転送する処理等を含むがこれらに限定されない。
【0015】
「スリープモード期間」は、データ伝送期間に比べて送信部の消費電力が小さくなる期間である。
【0016】
「所定の単位」とは、たとえば上記「予め定められた処理」に従って定められる。たとえば「所定の単位」の数は、画像のライン数以上である。すなわち「所定の単位」の数が画像のライン数に等しくてもよい。
【0017】
上記構成によれば、1フレーム伝送期間に対するスリープモード期間の割合を増加させることができる。これにより、画像データを伝送するシステムの消費電力を低減することができる。
【0018】
好ましくは、送信部は、第1および第2の期間の両方において制御信号を出力する。第1および第2の期間をスリープモード期間と定義すると、予め定められた伝送期間に対するスリープモード期間の割合が、予め定められた伝送期間に対する、制御信号の伝送期間および制御信号の伝送のためのマージン期間の合計の割合よりも大きくなるように、スリープモード期間が設定される。
【0019】
上記構成によれば、予め定められた伝送期間に占めるスリープモード期間の割合をより増やすことができるので、画像データを伝送するシステムの消費電力をより一層低減することができる。
【0020】
好ましくは、第1の期間に伝送される制御信号は、垂直同期信号を含む。垂直同期信号の伝送期間と垂直同期信号の伝送のためのマージン期間との和は、予め定められた伝送期間の20%以下である。
【0021】
好ましくは、第2の期間に伝送される制御信号は、水平同期信号を含む。水平同期信号の伝送のためのマージン期間は、水平同期信号の伝送期間の10倍以下である。
【0022】
本発明のさらに他の局面に従う画像データ伝送システムは、1フレームの画像が所定の単位で分割されることで生成された複数のデータ信号と、データ信号に基づく予め定められた処理が実行されるタイミングを制御するための制御信号とを出力する送信部と、データ信号および制御信号を受信する受信部と、送信部からのデータ信号および制御信号を受信部に伝送するための配線部とを備える。送信部は、1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間内に複数のデータ信号を順次出力するための第1および第2の伝送モードを有する一方、データ信号の出力を停止する場合には、データ信号の出力時に比較して送信部の消費電力が小さくなるスリープモードに移行する。送信部は、第2の伝送モードにおいて、第1の伝送モードよりも、データ信号の伝送速度を大きくして、それにより送信部がスリープモードであるスリープモード期間の予め定められた伝送期間に対する割合を、第1の伝送モードにおける割合より大きくする。
【0023】
上記構成によれば、データ信号の伝送速度を大きくすることで1フレーム伝送期間に対するスリープモード期間の割合を増加させることができる。これにより、画像データを伝送するシステムの消費電力を低減することができる。
【0024】
好ましくは、送信部の伝送速度が第1の速度から第2の速度に増加したときにおける送信部の消費電力の増加率は、第1の速度に対する第2の速度の比の1倍以下である。
【0025】
上記構成によれば、送信速度を増加させることによって、データ伝送期間を短くすることができる。これにより、予め定められた伝送期間に対するスリープモード期間の割合を大きくすることができるので、送信部の消費電力を低減できる。しかし、送信速度を増加させることによって、データ伝送期間における送信部の消費電力が増加する。したがって、送信部の送信速度が第1の速度(たとえば元の速度)から第2の速度(たとえば変更後の速度)に増加したときにおける送信部の消費電力の増加率が、第1の速度に対する第2の速度の比の1倍以下とされる。これにより、送信速度が増加してもデータ伝送期間における送信部の消費電力が大きく増加することを抑制できる。したがって、伝送システムの消費電力を低減する効果がより高められる。
【0026】
好ましくは、送信部は、スリープモード期間の間にデータ信号および制御信号の両方が非伝送となる期間を設定する。
【0027】
上記構成によれば、スリープモード期間の間にデータ信号および制御信号の両方が非伝送となる期間を設定することで、スリープモードの期間を長くすることができる。したがって、伝送システムの消費電力を低減することができる。
【0028】
好ましくは、所定の単位は、1ラインである。1ラインに対応する伝送期間と、スリープモード期間とは、送信部で用いられるクロック信号の周期の整数倍である。
【0029】
上記構成によれば、1ラインに対応する伝送期間内におけるスリープモード期間の設定(たとえばデータ信号および制御信号の両方が非伝送となる期間の付加)を容易にすることができる。
【0030】
好ましくは、配線部は、データ信号および制御信号のうちの少なくともデータ信号を、差動シリアル伝送方式に従って伝送するように構成された信号配線を含む。
【0031】
制御信号に比較してデータ信号のデータサイズが大きい。上記構成によれば、インターフェース部において、データ信号が差動シリアル伝送方式に従って伝送されるのでデータ信号の伝送速度を高めることができる。これによりデータ伝送システムにおけるデータ伝送期間を短くすることができる。したがって、伝送システムの消費電力を低減することができる。
【0032】
好ましくは、インターフェース部は、データ信号および制御信号のうちの少なくともデータ信号を、光信号の形態で伝送する光配線モジュールを含む。
【0033】
上記構成によれば、インターフェース部において、データ信号が光信号の形態で伝送されるのでデータ信号の伝送速度を高めることができる。光配線モジュールを用いることで、電気配線部の長さを光配線モジュールの長さ分短くすることができるので、伝送損失が低減し、寄生容量による波形劣化の影響も軽減されるので、電気配線部の伝送速度の上限値を高くすることができる。また、光配線は、電気配線よりも伝送損失が少なく、EMIの影響を受けることなく信号を伝送することができるので電気配線よりも伝送速度を高くすることができる。したがって電気配線部よりも高い伝送速度を達成することができる。これによりデータ伝送システムにおけるデータ伝送期間を短くすることができるので、伝送システムの消費電力を低減することができる。
【0034】
好ましくは、光配線モジュールの1レーンあたりの伝送速度は、500Mbps以上である。
【0035】
上記構成によれば、電気配線よりも高い伝送速度が実現できる。さらに電気配線によるデータ信号の伝送に比較して、伝送システムの消費電力を低減する効果がより高められる。
【0036】
好ましくは、受信部は、表示装置にデータ信号および制御信号を出力する。予め定められた処理は、表示装置による、1フレームの画像の表示処理である。
【0037】
上記構成によれば、表示装置に画像データ信号を伝送するシステムの消費電力を低減することができる。さらに1フレームの画像をシステムから表示装置に伝送する期間における表示装置の消費電力を低減することもできる。
【0038】
好ましくは、表示装置は、メモリを含む。メモリは、データ信号に対応する1フレームの画像のデータを記憶する。
【0039】
上記構成によれば、表示装置に表示される画像をリフレッシュする際には、メモリに記憶される画像データを利用することができる。これにより、伝送システムの消費電力を低減することができる。
【0040】
好ましくは、送信部は、カメラによって取得された画像に対応するデータ信号を送信する。
【0041】
上記構成によれば、カメラが取得した画像を転送するシステムの消費電力を低減することができる。さらに1フレームの画像をカメラからシステムを介して伝送する期間におけるカメラの消費電力を低減することもできる。
【0042】
好ましくは、送信部は、無線通信部によって受信された1フレームの画像に対応するデータを、データ信号として送信する。
【0043】
上記構成によれば、無線通信部が取得した画像データを転送するシステムの消費電力を低減することができる。さらに、1フレームの画像を無線通信部からシステムを介して伝送する期間における無線通信部の消費電力も低減することができる。
【0044】
好ましくは、受信部は、データ信号を無線通信部に出力する。無線通信部は、データ信号を無線によって送信する。
【0045】
上記構成によれば、画像データを無線で送信する無線通信部に画像データを転送するシステムの消費電力を低減することができる。さらに、1フレームの画像に対応するデータを伝送システムから無線通信部に伝送する期間における無線通信部の消費電力も低減することができる。
【0046】
本発明の他の局面に係る電子機器は、上記の画像データ伝送システムを備える。
好ましくは、電子機器は、携帯端末機器である。
【0047】
上記構成によれば、画像データ伝送システムを備える電子機器の消費電力を低減できる。特に携帯端末機器に消費電力を低減することができるので、その機器の動作時間を延ばすことができる。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば、画像データを伝送する伝送システムの消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像データ伝送システムを備える電子機器の概略的構成を示したブロック図である。
【図2】図1に示した送信部1の機能ブロック図である。
【図3】水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間を説明するための図である。
【図4】図3に示される表示処理を実現するための送信部の動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】実施の形態1に係る送信部によって付加された垂直ブランキング期間を説明するための図である。
【図6】実施の形態1に係る送信部1の動作を示したタイミングチャートである。
【図7】実施の形態1に従う送信部1による信号の伝送を規定するクロック信号CLKを説明するための図である。
【図8】画像データの伝送速度の増加量と、送信部1の消費電力の増加量との関係を示した図である。
【図9】第2の実施の形態に係る送信部によって付加された水平ブランキング期間を説明するための図である。
【図10】実施の形態2に係る送信部1の動作を示したタイミングチャートである。
【図11】1ライン伝送期間(水平走査期間)と水平ブランキング期間HBL1,HBL2との関係を説明するための図である。
【図12】実施の形態3に係る送信部によって付加されたブランキング期間を説明するための第1の図である。
【図13】図12に示される表示処理を説明するためのタイミングチャートである。
【図14】実施の形態3に係る送信部によって付加されたブランキング期間を説明するための第2の図である。
【図15】実施の形態3に係る送信部によって付加されたブランキング期間を説明するための第3の図である。
【図16】実施の形態4に係る伝送システムを含む電子機器の概略的構成を示した図である。
【図17】差動シリアルインターフェース回路の構成例を示す図である。
【図18】差動シリアルインターフェース回路による効果を説明するための図である。
【図19】実施の形態4に係る送信部1の動作を示したタイミングチャートである。
【図20】実施の形態4の変形例を示した図である。
【図21】実施の形態5に係る伝送システムを含む電子機器の概略的構成を示した図である。
【図22】図21に示される光配線モジュールの構成例を示した図である。
【図23】実施の形態5の変形例を示した図である。
【図24】実施の形態6に係る電子機器の概略的構成を示した図である。
【図25】リフレッシュレートおよびフレームレートを説明するための図である。
【図26】実施の形態7に係る電子機器の概略的構成を示した図である。
【図27】実施の形態8に係る電子機器の概略的構成を示した図である。
【図28】実施の形態8に係る電子機器の他の構成を示した図である。
【図29】本発明の実施形態に係る電子機器の一例である携帯電話の正面方向からの斜視図である。
【図30】図29に示されたヒンジ部101およびその周辺部分の透視平面図である。
【図31】図29に示した携帯電話の背面方向からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0051】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態に係る画像データ伝送システムを備える電子機器の概略的構成を示したブロック図である。図1を参照して、電子機器100は、データ伝送システム50を備える。データ伝送システム50は、送信部1と、受信部2と、配線部3とを含む。
【0052】
送信部1は、配線部3を介して受信部2に画像データ信号および制御信号を伝送する。送信部1が送信する画像データ信号および制御信号は、たとえば制御部4によって生成される。制御部4は、たとえばMPU(Micro Processing Unit)によって実現される。実施の形態1では、配線部3を介して送信部1と受信部2との間で電気信号が伝達される。配線部3は、送信部1が搭載された基板(図示せず)と接続されるコネクタCN1と、受信部2が搭載された基板(図示せず)と接続されるコネクタCN2とを含む。
【0053】
受信部2は、送信部1から送られた画像データ信号および制御信号を受信するとともに、その画像データ信号および制御信号を表示装置5に転送する。表示装置5は、受信部2から画像データ信号および制御信号を受けるとともに、その画像データ信号および制御信号に基づいて、画像を表示する。
【0054】
表示装置5は、画像を表示するための表示パネル5Aおよび表示パネル5Aを駆動するためのドライバ5Bを含む。本発明の実施の形態では、表示装置5は、液晶表示装置であり、表示パネル5Aは液晶表示パネルである。図1では、受信部2とドライバ5Bとが分離された構成が示されているが、これらは一体化されていてもよい。他の実施の形態においても同様の構成を採用可能である。
【0055】
送信部1より送信される画像データ信号は、クロック信号CLKおよびデータ信号D0〜Dnを含む。クロック信号CLKは、表示装置5による画像表示処理に用いられる。1フレームの画像が1ラインごとに分割されることでデータ信号D0〜Dnが複数回生成される。送信部1は、1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間の間に、データ信号D0〜Dnを複数回送信する。「1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間」は、フレームレートの逆数として定められる。フレームレートは、単位時間当たりに画面が更新される回数を表わす指標であり、その単位はfps(frame per second)である。本発明の実施の形態では、フレームレートは特に限定されるものではなく、たとえば60(fps)である。フレームレートが60fpsのときには、1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間は、約16.7(msec)となる。
【0056】
送信部1より送信される制御信号は、水平同期信号H−syncと、垂直同期信号V−syncと、データイネーブル信号ENBとを含む。水平同期信号H−syncは、1水平走査期間を規定するための信号であり、垂直同期信号V−syncは、1垂直走査期間を規定するための信号である。データイネーブル信号ENBは、送信部1より送信されたデータ信号D0〜Dnが有効であることを示す。
【0057】
送信部1は、受信部2および配線部3を介して、表示装置5から送信された信号REVを受ける。信号REVは、たとえばフレームデータの伝送が正常であるか否かを示す情報、表示パネル5Aの表示仕様の情報などを含む。
【0058】
図2は、図1に示した送信部1の機能ブロック図である。図2を参照して、送信部1は、クロック生成部11と、クロック送信部12と、画像データ信号送信部13と、制御信号送信部14と、送信制御部15と、信号受信部16とを備える。
【0059】
クロック生成部11は、クロック信号CLKを発生させる。クロック信号CLKは、クロック送信部12および送信制御部15に送られる。クロック送信部12は、クロック信号CLKを出力する。
【0060】
画像データ信号送信部13は、送信制御部15によって規定された送出タイミングに従ってデータ信号D0,D1,・・・,Dnを送出する。データ信号D0,D1,・・・,Dnは一括して画像データ信号送信部13から出力される。画像データ信号送信部13は、1フレーム伝送期間内において、1フレームの画像が分割されることによって生成された複数の画像データ信号(各画像データ信号はデータ信号D0,D1,・・・,Dnに対応する)を順次送信する。
【0061】
制御信号送信部14は、送信制御部15によって規定された送出タイミングに従って水平同期信号H−syncと、垂直同期信号V−syncと、データイネーブル信号ENBとを送信する。
【0062】
送信制御部15は、クロック信号CLKに従って画像データ信号送信部13および制御信号送信部14を制御する。具体的には、送信制御部15は、クロック信号によって定義されるタイミングで画像データ信号が画像データ信号送信部13から送信されるように、画像データ信号送信部13を制御する。同じく送信制御部15は、クロック信号によって定義されるタイミングで制御信号が制御信号送信部14から送信されるように、制御信号送信部14を制御する。
【0063】
具体的には、送信制御部15は、画像データ信号送信部13がデータ信号D0〜Dnを送信するときには制御信号送信部14が制御信号の送信を停止するように画像データ信号送信部13および制御信号送信部14を制御する。その一方で、画像データ信号送信部13がデータ信号D0〜Dnの送信を停止するときには、制御信号送信部14が制御信号の送信を停止するように画像データ信号送信部13および制御信号送信部14を制御する。これにより、1フレーム伝送期間に含まれるデータ信号伝送期間の間、データ信号D0〜Dnと水平同期信号とが交互に出力される。
【0064】
信号受信部16は、信号REVを受信する。信号REVは、信号受信部16から制御部4へと送られる。
【0065】
図1および図2に示されるように、データ伝送システム50は、送信部1と、受信部2と、配線部3とを備える。送信部1は、1フレームの画像が所定の単位で分割されることで生成された複数のデータ信号を順次出力するとともに、各データ信号(D0〜Dn)に基づく予め定められた処理が実行されるタイミングを制御するための制御信号を出力する。受信部2は、データ信号および制御信号を受信する。配線部3は、送信部1からのデータ信号および制御信号を受信部2に伝送する。
【0066】
送信部1は、1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間内に、複数のデータ信号を順次出力する。一方、送信部1は、上記の予め定められた伝送期間のうちデータ信号が非出力とされる第1の期間に制御信号を出力する。第1の期間は、予め定められた伝送期間のうちの、データ信号を含まない所定の単位の伝送時間の合計に等しい期間である。実施の形態1では、この第1の期間が送信部1のスリープモード期間に対応する。予め定められた伝送期間に対するスリープモード期間の割合が、予め定められた伝送期間に対する、制御信号の伝送期間および制御信号の伝送のためのマージン期間の合計の割合よりも大きくなるように、スリープモード期間が設定される。
【0067】
画像を表示装置5の画面に表示するために、画面の左上隅からその画面の右下隅まで画像が1ラインずつ描画される。画面の一番上のラインから画面の一番下のラインまで画像が描画されると、再び、画面の一番上のラインから描画が行なわれる。このような表示装置5の表示処理を実現するための送信部1の送信処理について以下に詳細に説明する。
【0068】
図3は、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間を説明するための図である。図3を参照して、水平同期信号H−syncは、1水平走査期間を規定する。垂直同期信号V−syncは、1垂直走査期間を規定する。さらに図3に示されるように、垂直走査方向同期期間(V-sync Active;VSA)、垂直フロントポーチ期間(Vertical Front Poach;VFP)、垂直バックポーチ期間(Vertical Back Poach;VBP)、水平走査方向同期期間(H-sync Active;HSA)、水平フロントポーチ期間(Horizontal Front Poach;HFP)および水平バックポーチ期間(Horizontal Back Poach;HBP)が規定される。
【0069】
VSAは、垂直同期信号V−syncが有効である期間に相当する。この実施形態では、垂直同期信号V−syncのレベルがL(ロー)レベルであるときに垂直同期信号V−syncが有効であると定義される。ただし、垂直同期信号V−syncのレベルがH(ハイ)レベルであるときに垂直同期信号V−syncが有効であると定義されてもよい。
【0070】
VFPおよびVBPは、垂直同期信号V−syncの送信タイミングのずれのためのマージン期間として設定される。VFPは、画像が画面に表示される前の期間に対応し、VBPは、画面への画像の表示が終了した後の期間に対応する。垂直ブランキング期間は、VSAとVFPとVBPとの和に対応する。ディスプレイ等の画像表示装置の固有のフレームレート(すなわち、1÷(1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間))が±10%程度ばらつくことが想定される。このため実施の形態1では、垂直同期信号V−syncの伝送期間と垂直同期信号V−syncの伝送のためのマージン期間(VFP,VBP)との和は、1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間の20%以下と定められる。この点については、他の実施の形態についても同様である。
【0071】
一方、HSAは、水平同期信号H−syncが有効である期間に相当する。垂直同期信号V−syncと同様に、この実施形態では、水平同期信号H−syncのレベルがLレベルであるときに水平同期信号H−syncが有効であると定義される。ただし、水平同期信号H−syncのレベルがHレベルであるときに水平同期信号H−syncが有効であると定義されてもよい。
【0072】
HFPおよびHBPは、水平同期信号H−syncの送信タイミングのずれのためのマージン期間として設定される。HFPは、1ライン分の画像が画面に表示される前の期間に対応し、VBPは、1ライン分の画像の表示が終了した後の期間に対応する。水平ブランキング期間は、HSAとHFPとHBPとの和に対応する。水平同期信号と画像データ信号の時間的なずれが、最大で水平同期信号の伝送期間の長さの10倍程度生じることが想定される。このため実施の形態1では、HFPおよびHBPの各々は、水平同期信号H−syncの伝送期間の10倍以下の期間として定義される。この点については、他の実施の形態についても同様である。
【0073】
データイネーブル信号ENBが有効である期間は、データ信号D0〜Dnが有効である期間である。この実施の形態では、データイネーブル信号ENBが有効である場合、データイネーブル信号ENBのレベルはHレベルである。この期間は、1ラインに対応する画像が表示される期間(水平表示期間)である。
【0074】
全ラインの画像が表示されることで1フレームに対応する画像が形成される。画面の左上隅からその画面の右下隅まで画像を描画するのに要する期間が垂直表示期間に対応する。一方、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間には、画像は表示されない。水平ブランキング期間と水平表示期間との和が1水平走査期間に対応する。垂直ブランキング期間と垂直表示期間との和が1垂直走査期間に対応する。
【0075】
領域21は、表示パネル5Aに画像が表示される期間を表わす領域であり表示領域と対応付けられる。領域22は、画像が非表示とされる期間を表わす領域であり、仮想的な表示領域と対応付けられる。なお、領域21は、領域22の内部に配置される。
【0076】
この実施の形態では、画面に画像を表示するための制御がクロック信号に基づいて実行される。具体的には、水平表示期間、すなわちデータイネーブル信号ENBが有効である期間はクロック信号の周期の整数倍となる。同様に、VFP、VBP、VSA、HFP、HSA、HBPの時間幅もクロック信号の周期の整数倍となる。
【0077】
送信制御部15は、パルスとして発せられるクロック信号CLKをカウントする。送信制御部15はそのカウント値に基づいて制御信号送信部14を制御することにより、制御信号送信部14による制御信号の送信のタイミング、および制御信号が有効である期間が制御される。さらに、送信制御部15はクロックパルスをカウントした値に基づいて画像データ信号送信部13を制御する。これにより画像データ信号送信部13によるデータ信号の送信のタイミングが決定される。
【0078】
図4は、図3に示される表示処理を実現するための送信部の動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。このタイミングチャートは、本発明の実施の形態に係る送信部の基本的動作を示している。
【0079】
図3および図4を参照して、1フレーム伝送期間はフレームレートから予め決定される。上記のように水平同期信号H−sync、垂直同期信号V−sync、データイネーブル信号ENBが有効である期間、および、それらの信号の送信タイミング(信号の周期)はクロック信号CLKによって制御される。ただし、図が複雑になることを防ぐために図4ではクロック信号CLKは示されていない。
【0080】
VSAは、垂直同期信号V−syncが有効である期間、すなわち垂直同期信号V−syncのレベルがLレベルとなる期間である。
【0081】
VFPおよびVBPは垂直同期信号V−syncの伝送のためのマージン期間として設けられる。VBPはVSAの直前の期間として設定され、VFPはVSAの直後の期間として設定される。
【0082】
HSAは、水平同期信号H−syncが有効である期間、すなわち水平同期信号H−syncのレベルがLレベルとなる期間である。HBPはHSAよりも前の期間として設定される。一方、HFPはHSAより後の期間として設定される。図3から理解されるように、このことは、1ラインに対応する画像を画面に描画する場合、そのラインの左端から右端へと画素が順次表示されることを意味する。上記のように、HFPおよびHBPは水平同期信号H−syncの伝送のためのマージン期間として設けられる。
【0083】
HFPが終わったときにデータイネーブル信号ENBが有効となる。すなわちデータイネーブル信号ENBのレベルはHレベルになる。データイネーブル信号ENBが有効となることによりデータ信号D0〜Dnが送信部1から送信される。一方、データイネーブル信号ENBが無効になることによりデータ信号D0〜Dnの送信が停止する。データイネーブル信号ENBが無効になるタイミングとは、データイネーブル信号ENBのレベルがHレベルからLレベルへと切り換わるタイミングである。具体的には、HBPの開始時点において、データイネーブル信号ENBが無効になる。
【0084】
データ信号D0〜Dnは1ラインの画像に対応する。1フレーム伝送期間の間、データイネーブル信号ENBは、データ信号D0〜Dnの送信回数に対応する回数、繰り返し有効となる。これにより、データ信号D0〜Dnは1フレーム伝送期間の間、複数回送信される。
【0085】
画像データ信号伝送期間はVFPの終了後にHFPを経て開始される。画像データ信号伝送期間の長さは、データイネーブル信号ENBの周期および、1フレーム伝送期間中にデータイネーブル信号ENBが有効となる回数(データ信号D0〜Dnの送信回数)に基づいて決定される。画像データ信号伝送期間はVFP終了した時点からHFPを経過したときに開始される。
【0086】
信号REVは、垂直ブランキング期間において表示装置5から送信部1へと伝送される。
【0087】
送信部1の動作モードは、アクティブモードとスリープモードとの間で切り換わる。アクティブモードとは、データ信号D0〜Dnを伝送するためのモードである。データ信号D0〜Dnに含まれるデータサイズは、制御信号に含まれるデータサイズに比べて大きい。このため、送信部1がアクティブモードにあるときには、単位時間当たりの送信部1の消費電力が高くなる。一方、スリープモードでは、送信部1がデータ信号D0〜Dnの伝送を停止する。この実施の形態では、スリープモード期間とは、上記の第1の期間、すなわち1フレーム伝送期間として予め定められた伝送期間のうちの、データ信号を含まない所定の単位(1ライン)の伝送時間の合計に等しい期間である。画像データ信号伝送期間は、複数のデータ信号のうちの最初のデータ信号の送信の開始から、複数のデータ信号のうちの最後のデータ信号の送信の終了までの期間に対応する。スリープモードにおける単位時間当たりの送信部1の消費電力は、アクティブモードにおける単位時間当たりの送信部1の消費電力に比べて小さい。
【0088】
上記のようにスリープモードにおいてデータ信号D0〜Dnの伝送が停止されるので、1フレーム伝送期間における送信部1の平均的な消費電力が増大することを防止できる。しかしながら図4のタイミングチャートによれば、ブランキング期間は、制御信号の伝送のための期間(VSAおよびHSA)と、その信号の伝送のためのマージン期間(VFP,VBP,HFP,HBP)とによって構成される。したがって1フレーム伝送期間に対するブランキング期間の割合は小さい。このため、消費電力を低減する効果が十分に得られない。そこで、本発明の実施の形態では、1フレーム伝送期間に対するスリープモード期間の割合を大きくする。この割合を大きくすることで、1フレーム伝送期間における送信部1の平均的な消費電力を低減することができる。
【0089】
実施の形態1では、垂直ブランキング期間が付加される。図5は、実施の形態1に係る送信部によって付加された垂直ブランキング期間を説明するための図である。図3および図5を参照して、領域22Aは、垂直ブランキング期間VBL1およびVBL2に対応する領域を含む点において、領域22と異なる。垂直ブランキング期間VBL1に対応する領域は、垂直フロントポーチVFPに対応する領域のすぐ上側に位置する。一方、垂直ブランキング期間VBL2に対応する領域は、垂直走査方向同期期間VSAに対応する領域のすぐ下側に位置する。
【0090】
垂直ブランキング期間VBL1,VBL2の各々に対応するライン(水平走査期間)の数は少なくとも1であればよく、特に限定されるものではない。さらに、垂直ブランキング期間VBL1,VBL2の設定(垂直ブランキング期間VBL1,VBL2に対応する領域の配置)は図5に示されるように限定されるものではない。領域22Aの垂直方向における任意の位置に垂直ブランキング期間VBL1,VBL2に対応する領域を配置することができる。すなわち1フレーム伝送期間中の任意のタイミングに垂直ブランキング期間を付加することができる。
【0091】
さらに、垂直ブランキング期間VBL1,VBL2の両方を設定する必要があるものと限定されない。上記のように、少なくとも1水平走査期間に対応する垂直ブランキング期間が、図4に示されたタイミングチャートに新たに追加されればよい。すなわち実施の形態1によれば、Nを1以上の整数とすると、1フレーム伝送期間内の任意のタイミングにおいて、N本のライン(1水平走査期間のN倍の期間)に対応する垂直ブランキング期間が設定される。
【0092】
図6は、実施の形態1に係る送信部1の動作を示したタイミングチャートである。図4および図6を参照して、VFPの直前の期間としてVBL1が設定される。さらにVSAの直後の期間としてVBL2が設定される。このことは図5に示された垂直ブランキング期間VBL1,VBL2の設定と対応する。
【0093】
実施の形態1では、制御信号(垂直同期信号V−sync)とデータ信号との両方が伝送されない垂直ブランキング期間VBL1,VBL2が付加されることで、スリープモード期間がVFP+VBP+VSAよりも大きくなる。実施の形態1では「1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間」−「画像データ信号伝送期間」−「制御信号伝送期間」−「マージン期間」として定義されるブランキング期間(VBL1,VBL2)をスリープモード期間に付加する。これにより実施の形態1においては、以下の式(1)に示される関係が満たされる。
【0094】
(1フレーム伝送期間に含まれるスリープモード期間/1フレーム伝送期間)>(制御信号の伝送期間と制御信号の伝送のためのマージン期間の合計/1フレーム伝送期間) …(1)
図5および図6を参照して、1本のラインは、1フレームの画像を分割するための所定の単位に対応する。所定の単位(1ライン)の数と、所定の単位の伝送期間との積によって、1フレーム伝送期間を定義することができる。1フレーム伝送期間に含まれる所定の単位の中には、データ信号を含むものとデータ信号を含まないものとがある。データ信号を含まない「所定の単位」の伝送期間の合計が、上記「スリープモード期間」(第1の期間)に対応する。一方、1フレーム伝送期間のうち、データ信号を含む「所定の単位」の伝送期間からデータ信号の伝送期間を差し引いた差分の期間の合計を第2の期間とする。第1の期間は、VBL+VFP+VBP+VSA+VBL2に相当する。一方、第2の期間は、画像データ信号伝送期間中の(HBP+HSA+HFP)の合計の期間、VFPの終了から画像データ信号伝送期間の開始までの期間、および画像データ信号伝送期間の終了からVBPの開始までの期間を含む。
【0095】
なお、図6のタイミングチャートでは、画像データ信号伝送期間全体が送信部1のアクティブモードに対応する期間と定義されている。ただし図4に示されるタイミングチャートと同様に、データイネーブル信号ENBが有効である期間のみがアクティブモード期間と定義されてもよい。すなわち、1フレーム伝送期間内に、アクティブモード期間が断続的に(非連続的に)発生してもよい。
【0096】
図4に示したタイミングチャートに垂直ブランキング期間を単純に追加した場合、1フレーム伝送期間が元の伝送期間よりも長くなる。1フレーム伝送期間が長くなることはフレームレートの低下を意味する。フレームレートが低下することによって、画像の滑らかな表示を実現することが難しくなる。実施の形態1では、クロック周波数を高くすることでクロック信号CLKの周期を短くする。これにより1フレーム伝送期間が長くなることを防ぐことができる。
【0097】
図7は、実施の形態1に従う送信部1による信号の伝送を規定するクロック信号CLKを説明するための図である。図7を参照して、クロック信号CLKaは、図4に示すタイミングチャートに従う処理に用いられるクロック信号を示す。クロック信号CLKbは、実施の形態1に従う処理、すなわち図6に示すタイミングチャートに従う処理に用いられるクロック信号を示す。クロック信号CLKaの周期Taはクロック信号CLKbの周期Tbよりも長い。言い換えるとクロック信号CLKbの周波数は、クロック信号CLKaの周波数よりも高い。
【0098】
送信制御部15は、クロックパルスをカウントするとともに、そのカウント数(パルス数)に基づいて、画像データ信号送信部13による画像データ信号の送信のタイミングおよび、制御信号送信部14による制御信号の送信のタイミングを制御する。このためクロック信号の周波数が変化しても送信制御部15の処理は基本的には変わらない。したがって、VSA,VFP等の長さは、単純にクロック信号の周波数に反比例する。クロック信号の周波数を高くすることによってVSA,VFPが短くなる。これにより、1フレーム伝送期間を変えることなく、垂直ブランキング期間(VBL1,VBL2)を付加することができる。これにより1フレーム伝送期間に対するスリープモード期間の割合を高めることができる。
【0099】
実施の形態1によれば、1フレーム伝送期間を変えることなく垂直ブランキング期間を付加するため、画像データ信号伝送期間が短くなる。このため、画像データ信号送信部13によるデータ信号の伝送速度を高くしなければならない。しかしながら伝送速度が高くなることで、画像データ信号伝送期間における送信部1の消費電力(特に画像データ信号送信部13の消費電力)が増加する。このため、1フレーム伝送期間における送信部1の消費電力を削減する効果が小さくなる可能性がある。
【0100】
図8は、画像データの伝送速度の増加率と、送信部1の消費電力の増加率との関係を示した図である。図8を参照して、グラフの横軸は、伝送速度の増加率(第1の伝送速度v1に対する第2の伝送速度v2の割合)を示し、グラフの縦軸は、送信部1の消費電力の増加率(p2/p1)を示す。消費電力p1は、第1の伝送速度v1における送信部1の消費電力であり、消費電力p2は、第2の伝送速度v1における送信部1の消費電力である。図8に示されるように、消費電力の増加率は伝送速度の増加率に対して比例する。
【0101】
破線の傾きは、1であり、消費電力の増加率が伝送速度の増加率と等しいことを示す。破線で示されるように消費電力が増加することで、1フレーム伝送期間に占めるスリープモード期間の割合を増やしたとしても、1フレーム伝送期間での送信部の平均的な消費電力を低減する効果が弱くなる可能性がある。
【0102】
一方、実線の傾きは、破線の傾き(すなわち1)よりも小さい。この場合、伝送速度が第1の速度から第2の速度に増加しても送信部1の消費電力の増加が抑制される。このため、1フレーム伝送期間に占めるスリープモード期間の割合を増やすことで、1フレーム伝送期間での送信部の平均的な消費電力を低減する効果が高められる。したがって、伝送システムの消費電力を低減する効果がより高められる。本発明の実施の形態では、図8の実線の傾きに対応する関係が満たされる伝送速度の範囲内で送信部1の伝送速度が設定される。
【0103】
なお、以下に説明する各実施の形態に係る送信部においても図8に示した実線によって定められる、伝送速度と消費電力との間の関係が満たされることが好ましい。このため、以下では図8に示される関係について詳細な説明を繰り返さない。
【0104】
また、上記の説明では、画像データ信号の伝送のための送信部1の伝送モードとして、図6および図7に示された伝送モードのみが示される。ただし、送信部1は、単一の伝送モード(実施の形態1の場合には、図6および図7に示された伝送モード)を有するものと限定されない。具体的には、送信部1は、図4および図5に示された伝送モード(第1のモード)と、図6および図7に示された伝送モード(第2のモード)との両方を有することもできる。この場合、送信部1は、所定の条件、たとえば、図1に示した表示装置5での表示モードに従って上記第1のモードと第2のモードとを切換えることができる。以下に説明する各実施の形態においても同様に、送信部は、図4および図5に示された第1の伝送モードと、その伝送モードよりも伝送速度の大きい第2の伝送モードを有することができる。ただしその場合には、上記の通り、図8中の実線によって示された、伝送速度と消費電力との間の関係が満たされることが好ましい。
【0105】
以上のように実施の形態1によれば、1フレーム伝送期間に対するスリープモード期間の割合が、1フレーム伝送期間に対する、制御信号(垂直同期信号)の伝送期間および制御信号の伝送のためのマージン期間(VFP,VBP)の合計の割合よりも大きくなるように、スリープモードの期間が設定される。これにより、1フレーム伝送期間における送信部1の平均的な消費電力が低減される。したがって、実施の形態1によれば、送信部1の消費電力を低減することができる。さらに実施の形態1によれば、1フレーム伝送期間における表示装置5の消費電力も低減することができる。
【0106】
[実施の形態2]
実施の形態2では、水平ブランキング期間が付加される。この点において実施の形態2は実施の形態1と異なる。
【0107】
実施の形態2に係る電子機器の構成は、図1に示される電子機器100の構成と同様である。さらに実施の形態2に係る送信部の構成は図2に示される送信部1の構成と同様である。したがって、実施の形態2に係る電子機器および送信部の構成については以後の詳細な説明を繰り返さない。
【0108】
図9は、第2の実施の形態に係る送信部によって付加された水平ブランキング期間を説明するための図である。図3および図9を参照して、領域22Bは、水平ブランキング期間HBL1およびHBL2に対応する領域を含む点において領域22と異なる。水平ブランキング期間HBL1に対応する領域は、水平フロントポーチ期間HFPに対応する領域と、領域21との間に位置する。水平ブランキング期間HBL2に対応する領域は、領域21と水平フロントポーチ期間HFPに対応する領域との間に位置する。
【0109】
図10は、実施の形態2に係る送信部1の動作を示したタイミングチャートである。図4および図10を参照して、HBPの直前の期間としてHBL2が設定される。さらにHFPの直後の期間としてHBL1が設定される。このことは図9に示される水平ブランキング期間HBL1,HBL2の設定と対応する。
【0110】
図9および図10を参照して、第1の期間は、予め定められた伝送期間のうちの、データ信号を含まない所定の単位の伝送時間の合計に等しい期間である。従ってこの実施の形態では、第1の期間はVFP+VBP+VSAに対応する。第2の期間は、予め定められた伝送期間のうちの、データ信号を含む所定の単位の伝送期間からデータ信号の伝送期間を差し引いた差分の時間の合計に等しい期間である。従ってこの実施の形態では、第2の期間は、画像データ信号伝送期間中の(HBL2+HBP+HSA+HFP+HBL1)の合計の期間、VFPの終了から画像データ信号伝送期間の開始までの期間、および画像データ信号伝送期間の終了からVBPの開始までの期間を含む。水平ブランキング期間HBL1,HBL2は、いずれも、データ信号および制御信号(水平同期信号H−sync)の両方が伝送されない期間である。
【0111】
実施の形態2では、第2の期間を式(1)におけるスリープモード期間と定義する。実施の形態2では、式(1)における「制御信号」をH−syncとし、式(1)におけるマージン期間をHFPおよびHBPとする。実施の形態1と同様に、実施の形態2においても式(1)に示す関係が成立する。
【0112】
実施の形態2では、各水平走査期間に水平ブランキング期間HBL1,HBL2が挿入される。これによって、式(1)に示した関係が満たされるように1フレーム伝送期間に占めるスリープモード期間の割合を大きくすることができるので、1フレーム伝送期間における送信部1の平均的な消費電力を低減することができる。実施の形態1と同様に、実施の形態2においても、クロック周波数を高くすることによって、1フレーム伝送期間が長くなる(フレームレートを低下させる)ことなく水平ブランキング期間HBL1,HBL2を設定することができる。
【0113】
図11は、1ライン伝送期間(水平走査期間)と水平ブランキング期間HBL1,HBL2との関係を説明するための図である。図11を参照して、Tはクロックサイクル(クロック信号CLKの周期)である。HBL1,HBL2の長さをそれぞれTM1,TM2とする。一方、HSA、HFP、画像データ信号伝送期間、およびHBPの長さをそれぞれTL1,TL2,TL3,TL4とする。Mをサイクル数(整数)とすると、マージン期間(水平ブランキング期間HBL1,HBL2)は、TM1+TM2=M*Tと表わされる。一方、TL1+TL2+TL3+TL4はL*Tと表わされる。Lは整数である。さらに、Pをサイクル数(整数)とすると、1ライン伝送期間(1水平走査期間)は、P*Tと表わされる。P,L,Mとの間にはP=M+Lの関係が成立する。
【0114】
すなわち1ライン伝送期間および水平ブランキング期間HBL1(HBL2)は、いずれもクロックサイクル数の整数倍の値となる。これにより、1ライン伝送期間中の任意のタイミングにおいて水平ブランキング期間を設けることができる。
【0115】
以上のように実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に送信部1の消費電力を低減することができる。実施の形態2によれば、さらに、1フレーム伝送期間における表示装置5の消費電力も低減することができる。
【0116】
[実施の形態3]
実施の形態3では、表示画面の一部の領域に画像が表示される。この点において実施の形態3は実施の形態1,2と異なる。実施の形態3に係る電子機器の構成は、図1に示される電子機器100の構成と同様である。さらに実施の形態3に係る送信部の構成は図2に示される送信部1の構成と同様である。したがって、実施の形態3に係る電子機器および送信部の構成については以後の詳細な説明を繰り返さない。
【0117】
図12は、実施の形態3に係る送信部によって付加されたブランキング期間を説明するための第1の図である。図3および図12を参照して、領域23Aは、垂直ブランキング期間VBL1,VBL2の各々に対応する領域の配置の点において領域22と異なる。具体的に説明すると、領域23Aにおいては、垂直ブランキング期間VBL1に対応する領域がVFPに対応する領域の下部に配置されるとともに、垂直ブランキング期間VBL2に対応する領域がVBPに対応する領域の上部に配置される。この結果、領域21Aは、図3に示された領域21を垂直方向に縮小したものとなる。領域21Aは、画面中の表示領域が垂直方向に縮小されることを示している。
【0118】
図13は、図12に示される表示処理を説明するためのタイミングチャートである。図13を参照して、VFPの直後の期間がVBL2として設定される。さらにVBPの直前の期間がVBL1として設定される。このことは図12に示される垂直ブランキング期間VBL1,VBL2の設定と対応する。
【0119】
図14は、実施の形態3に係る送信部によって付加されたブランキング期間を説明するための第2の図である。図9および図14を参照して、領域21Bは、領域21を水平方向に縮小した領域に相当する。領域21Bは、画面中の表示領域が水平方向に縮小されることを示している。
【0120】
水平ブランキング期間HBL1,HBL2の各々に対応する領域の配置の点については、実施の形態3と実施の形態2とで同じである。このため、図14に示される表示処理を説明するためのタイミングチャートは、図10に示されるタイミングチャートと実質的に同じである。
【0121】
図15は、実施の形態3に係る送信部によって付加されたブランキング期間を説明するための第3の図である。図15を参照して、垂直ブランキング期間VBL1,VBL2に対応する領域および水平ブランキング期間HBL1,HBL2に対応する領域が付加される。領域21Cは、図3に示される領域21を水平方向および垂直方向に縮小した領域に対応する。図15に示される表示処理は図12に示される表示処理と図14に示される表示処理とを組み合わせた処理に対応する。
【0122】
この場合、式(1)におけるスリープモード期間は、第1の期間と、第2の期間とを含む。さらに、実施の形態3では、式(1)における「制御信号」を水平同期信号H−syncおよび垂直同期信号V−syncとし、式(1)におけるマージン期間をHFP,HBP,VFPおよびVBPとする。実施の形態1,2と同様に、実施の形態3においても式(1)に示す関係が成立する。
【0123】
以上のように実施の形態3では、画面の一部の領域に画像が表示される。すなわち実施の形態3では、実表示領域が水平方向および垂直方向のうち少なくとも一方の方向に縮小される。これにより、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間の少なくとも一方を設けることができるので、送信部の1フレーム伝送期間における平均的な消費電力を低減することができる。さらに、1フレーム伝送期間における表示装置5の消費電力も低減することができる。
【0124】
なお、領域21Cの大きさが領域21の大きさに等しい場合における表示処理は、実施の形態1に係る処理(図5を参照)と実施の形態2に係る処理(図9を参照)とを組み合わせた処理に対応する。すなわち、実施の形態1に係る処理と実施の形態2に係る処理とを組み合わせることで、通常サイズの画面に画像を表示する場合にも、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間の両方を1フレーム伝送期間内に付加することができる。
【0125】
[実施の形態4]
図16は、実施の形態4に係る伝送システムを含む電子機器の概略的構成を示した図である。図1および図16を参照して、電子機器100Aは、データ伝送システム50に代えてデータ伝送システム50Aを備える点で電子機器100と異なる。データ伝送システム50Aは、配線部3に代えて配線部3Aを備える点においてデータ伝送システム50と異なる。
【0126】
配線部3Aは、差動シリアルインターフェースを備える。この実施形態では、クロック信号CLKの伝送のための差動伝送線路、およびデータ信号D0〜Dnにそれぞれ対応する(n+1)個の差動伝送線路が配線部3Aに設けられる。
【0127】
図17は、差動シリアルインターフェース回路の構成例を示す図である。図17を参照して、送信部1は、トランスミッタ31を含む。受信部2は、レシーバ32を含む。トランスミッタ31とレシーバとは、差動伝送線路33によって接続される。トランスミッタ31は、送信すべき信号(クロック信号CLK、データ信号D0〜Dnの各々)を、差動信号に変換するとともに、その差動信号を差動伝送線路33に出力する。レシーバ32は、差動伝送線路33を介してその差動信号を受信するとともに、その差動信号に基づいて、トランスミッタ31が送信すべき信号を復元する。
【0128】
差動伝送は、高速のデータ伝送が可能という特徴、ノイズ耐性が高いという特徴などを備えている。データ信号D0〜Dnの伝送に差動シリアル伝送方式が適用されるので、データ信号D0〜Dnを高速で伝送することが可能となる。
【0129】
図18は、差動シリアルインターフェース回路による効果を説明するための図である。図18を参照して、差動シリアルインターフェース回路によってデータ信号D0〜Dnの伝送が高速化されることによって、画像データ信号伝送期間が短縮されるので、領域21が縮小される。すなわち図15に示した状態と同じ状態を発生させることができる。ただし、実際の画面における画像の表示領域は縮小されない。この点で実施の形態4は実施の形態3と異なっている。
【0130】
図19は、実施の形態4に係る送信部1の動作を示したタイミングチャートである。図4および図19を参照して、実施の形態4では、差動シリアル伝送方式に従ってデータ信号を伝送することにより、1フレームデータ伝送期間を変えることなく画像データ信号伝送時間が短縮される。これによって水平ブランキング期間HBL1,HBL2および垂直ブランキング期間VBL1,VBL2を設定することができる。
【0131】
実施の形態4によれば、実施の形態1〜3と同じように、1フレーム伝送期間におけるスリープモード期間の割合を高くすることができるので、送信部1の消費電力を低減することが可能になる。さらに1フレーム伝送期間における表示装置5の消費電力も低減することができる。
【0132】
図20は、実施の形態4の変形例を示した図である。図16および図20を参照して、電子機器100Bは、データ伝送システム50Aに代えてデータ伝送システム50Bを備える点で電子機器100Aと異なる。データ伝送システム50Bは、配線部3Aに代えて配線部3Bを備える点においてデータ伝送システム50Aと異なる。配線部3Bは、データ信号だけでなく制御信号も差動シリアル伝送方式に従って伝送されるよう構成される。すなわち、クロック信号CLKおよびデータ信号D0〜Dnの各々に対して差動伝送線路が設けられるだけでなく水平同期信号H−sync、垂直同期信号V−sync、データイネーブル信号ENBおよび信号REVの各々に対して差動伝送線路が設けられる。
【0133】
[実施の形態5]
図21は、実施の形態5に係る伝送システムを含む電子機器の概略的構成を示した図である。図1および図21を参照して、電子機器100Cは、データ伝送システム50に代えてデータ伝送システム50Cを備える点で電子機器100と異なる。データ伝送システム50Cは、配線部3に代えて配線部3Cを備える点においてデータ伝送システム50と異なる。
【0134】
配線部3Cは、光配線モジュール35Aおよび電気配線部35Bを備える。この実施形態では、光配線モジュール35Aにおいてクロック信号CLKおよびデータ信号D0〜Dnが光信号の形態で伝送される。送信部1から送信されたクロック信号CLKおよびデータ信号D0〜Dnは電気信号である。光配線モジュール35Aは、その電気信号を光信号に変換する。後述するように、光信号は光配線を伝達する。光配線を伝達した光信号は、光配線モジュール35Aによって電気信号に変換されて、その電気信号は受信部2へと送られる。電気配線部35Bは、水平同期信号H−sync等の制御信号を電気信号の形態で伝送する電気配線を含む。
【0135】
図22は、図21に示される光配線モジュールの構成例を示した図である。図22を参照して、光配線モジュール35Aは、光送信部36と、光受信部37と、光配線38とを備える。光送信部36は、駆動回路36Aと、光源36Bとを備える。
【0136】
駆動回路36Aは、入力される信号(クロック信号CLK、データ信号D0〜Dnなど)に従って光源36Bを駆動する。光源36Bは、光配線38を伝達する光を発生させる。光源36Bは、代表的には半導体レーザである。一例として、光源36BはVCSEL(Vertical Cavity-Surface Emitting Laser))を含む。
【0137】
駆動回路36Aは、光源36B(半導体レーザ)に駆動電流を供給するとともに、その駆動電流を駆動回路36Aに入力される信号に従って変調する。これにより、光源36Bから発せられる光が変調されて光信号が発生される。
【0138】
光配線38の材料にはガラスあるいは樹脂を用いることができる。特に樹脂の中でもアクリル系、エポキシ系、ウレタン系、及びシリコーン系等の樹脂材料を使用することが好ましい。これらの樹脂を用いることによって、十分な可撓性を有する光配線を実現できる。光配線が十分な可撓性を有することにより、光配線モジュール35Aを電子機器に実装する際に、光配線38を容易に配置することができる。
【0139】
光受信部37は、受光部37Bおよび増幅器37Aを備える。受光部37Bは、光配線38を伝達した光信号を受けるとともに、その光信号を電気信号に変換する。一例として、受光部37Bはフォトダイオードである。増幅器37Aは、受光部37Bから出力された電気信号を増幅する。
【0140】
実施の形態5によれば、クロック信号およびデータ信号D0〜Dnの伝送のために光配線モジュールが用いられる。これにより、実施の形態4よりも信号の伝送速度をさらに高めることができる。好ましくは、1つの信号を伝送する1レーンあたりの伝送速度は、500Mbps以上である。実施の形態4では、差動電圧を利用するシリアルインターフェース(電気配線)によって信号が伝送される。しかし低電圧差動シリアルインターフェースの場合、1レーンあたりの伝送速度は、最大で500Mbps程度である。これに対して実施の形態5では、高速での信号伝送が可能な光配線を伝送路の途中に挿入することによって、電気配線部の長さを光配線モジュールの長さ分短くすることができるので、伝送損失が低減し、寄生容量による波形劣化の影響も軽減されるので、電気配線部の伝送速度の上限値を高くすることができる。また、光配線は、電気配線よりも伝送損失が少なく、EMIの影響を受けることなく信号を伝送することができるので、電気配線よりも伝送速度を高くすることができる。この点からも電気配線部よりも高い伝送速度を達成することができる。したがって実施の形態5によれば、電気配線による伝送速度よりも高い伝送速度(500Mbps以上の速度)を達成することができる。これにより実施の形態4と同様に、画像データ伝送期間を短くすることができるので、1フレーム伝送期間におけるスリープモード期間の割合を高くすることができる。したがって送信部1の消費電力を低減することが可能になる。さらに1フレーム伝送期間における表示装置5の消費電力も低減することができる。
【0141】
さらに、光配線を用いることによって、ノイズ(電磁輻射ノイズなど)に対する信号の耐性を高めることができる。これにより画像データ信号の伝送の信頼度を高めることができる。したがって、たとえば画像データ信号の再送信を不要とすることができる。
【0142】
また、シリアルデータ信号を高速に伝送する場合には、一般に、そのシリアルデータ信号において0または1が一定回数以上連続しないようにコーディングが必要となる。電気配線のみによってシリアルデータ信号を高速に伝送する場合には、送信部1および受信部2においてコーディングが必要となる。しかしながら、光配線モジュールを用いることによって、その光配線モジュールの内部にてコーディングを行なうことが可能になるため、送信部1および受信部2におけるコーディングを不要とすることができる。これにより、送信部1および受信部2の消費電力を低減することができる。また、送信部1および受信部2にコーディングの機能を付加する必要がないため、伝送システムの低コスト化を図ることもできる。
【0143】
図23は、実施の形態5の変形例を示した図である。図21および図23を参照して、電子機器100Dは、データ伝送システム50Cに代えてデータ伝送システム50Dを備える点で電子機器100Cと異なる。データ伝送システム50Dは配線部3Cを含む。配線部3Cにおいて、光配線モジュール35Aは、画像データ信号(クロック信号CLKおよびデータ信号D0〜Dn)だけでなく制御信号(水平同期信号H−sync等)も光信号の形態で伝送する。なお、図23に示された構成では、信号REVが電気配線部35Bを伝達するが、信号REVも光配線モジュールによって伝送されてもよい。
【0144】
[実施の形態6]
図24は、実施の形態6に係る電子機器の概略的構成を示した図である。図1および図24を参照して、電子機器100Eの基本的な構成は、電子機器100の構成と同様である。ただし、表示パネル5Aを駆動するためのドライバ5Bは、メモリ5Cを含む。この点において、電子機器100Eは電子機器100と異なる。
【0145】
図24に示された構成では、電子機器100Eは、実施の形態1に係るデータ伝送システム50を備える。ただし、電子機器100Eはデータ伝送システム50に代えて、上記のデータ伝送システム50A〜50Dのいずれか1つを備えることもできる。
【0146】
メモリ5Cは、送信部1から伝送された1フレームの画像に対応するデータを記憶する。メモリ5Cは、たとえばフレームメモリである。なお、メモリ5Cは、ドライバ5Bとは独立に表示装置5の内部に設けられていてもよい。ドライバ5Bが表示パネル5Aに表示された画像を再描画する(リフレッシュする)場合には、メモリ5Cに記憶された画像データが使用される。一方、ドライバ5Bが表示パネル5Aに表示された画像を新しい画像に変更する場合には、その新しい画像に対応する画像データ信号が送信部1から送信される。
【0147】
図25は、リフレッシュレートおよびフレームレートを説明するための図である。図24および図25を参照して、周期Trは、メモリ5Cからドライバ5Bに画像データが伝送される周期を示す。リフレッシュレートは、周期Trの逆数である。周期Tfは、送信部1からメモリ5Cに画像データが伝送される周期を示す。フレームレートは周期Tfの逆数である。
【0148】
一般に、リフレッシュレートはフレームレートの整数倍である。表示画像が変更されない間は、リフレッシュレートに従って、メモリ5Cからドライバ5Bに画像データが伝送される。このため、実施の形態6によれば、送信部1がリフレッシュレートに従って画像データ信号を送信する場合に比較して送信部1の消費電力を低減することができる。
【0149】
[実施の形態7]
図26は、実施の形態7に係る電子機器の概略的構成を示した図である。図1および図26を参照して、電子機器100Fは、表示装置5に代えてカメラ6を備える点において電子機器100と異なる。データ伝送システム50Fは、カメラ6からの画像データを伝送する点において、実施の形態1に係るデータ伝送システム50と異なる。
【0150】
カメラ6は、所定のフレームレート(たとえば60fps)で画像を取得する。データ伝送システム50Fは、カメラ6が取得した1フレームの画像を画像データ信号として送信するとともに、制御信号を送信する送信部1と、そのデータ信号および制御信号を受信する受信部2と、画像データ信号および制御信号が伝送される配線部3とを備える。送信部1は、クロック信号CLK、データ信号D0〜Dn、水平同期信号H−sync、垂直同期信号V−sync、およびデータイネーブル信号ENBを送信する。さらに、送信部1は、受信部2から信号REVを受信する。
【0151】
受信部2は、クロック信号CLK、データ信号D0〜Dn、水平同期信号H−sync、垂直同期信号V−sync、およびデータイネーブル信号ENBを制御部4に送信する。制御部4は、これらの信号に基づいて、たとえば1フレームの画像を形成するための画像データを生成する。
【0152】
送信部1による画像データ信号および制御信号の送信処理は、実施の形態1〜実施の形態3のいずれかの形態に係る処理と同様の処理である。さらに、各実施の形態に従う処理を適宜組み合わせることもできる。さらに、配線部3に代えて配線部3A〜3Cのいずれかをデータ伝送システム50Fに適用することもできる。
【0153】
なお、この実施の形態では、送信部1がマスターであり受信部2がスレーブとなる。すなわち受信部2は、送信部1から送られる画像データ信号および制御信号を受動的に受信する。ただし、受信部2がマスターであり送信部1がスレーブであってもよい。すなわち実施の形態1〜実施の形態3のいずれかの形態に係る処理に従って送信部1が画像データ信号および制御信号を送信するように、受信部2が送信部1を制御してもよい。
【0154】
実施の形態7によれば、1フレーム伝送期間における送信部1の消費電力を低減することができる。さらに実施の形態7によれば、1フレーム伝送期間におけるカメラ6の消費電力を低減することができる。
【0155】
[実施の形態8]
図27は、実施の形態8に係る電子機器の概略的構成を示した図である。図1および図27を参照して、電子機器100Gは、無線通信部8を備える点において電子機器100と異なる。無線通信部8は、受信部2から1フレームの画像の各ラインに対応する画像データ信号を受けるとともに、その画像データ信号に基づいて、1フレームの画像に対応する画像データを無線信号として送信する。
【0156】
図28は、実施の形態8に係る電子機器の他の構成を示した図である。図27および図28を参照して、電子機器100Hは、無線通信部8が送信部1に接続される点において電子機器100Gと異なる。図28に示された構成によれば、無線通信部8は、1フレームの画像に対応する画像データを無線信号として受信するとともに、その画像の各ラインに対応する画像データ信号を送信部1に出力する。
【0157】
なお、電子機器100Gおよび100Hは、データ伝送システム50に代えて、上記のデータ伝送システム50A〜50Dのいずれか1つを備えることもできる。図示されていないが、電子機器100Gおよび100Hは、表示装置5および/またはカメラ6をさらに備えていてもよい。さらに、電子機器100Gおよび100Hは、送信部1あるいは受信部2に対して画像データ信号を授受する制御部4を備えていてもよい。
【0158】
実施の形態8によれば、1フレーム伝送期間における送信部1の消費電力を低減することができる。さらに実施の形態7によれば、1フレーム伝送期間における無線通信部の消費電力を低減することができる。
【0159】
<適用例>
本発明が適用可能な電子機器は、画像データを伝送するためのシステムを有する機器であれば特に限定されるものではない。近年では、電子機器の種類を問わず、その機器の消費電力を低減することが求められる。本発明を、画像データを伝送するためのシステムを有する機器に搭載することで、その機器の消費電力を低減することができる。
【0160】
本発明に係る電子機器の好適な例として、携帯端末機器を挙げることができる。携帯端末機器の動作時間とその機器の消費電力とは密接に関連する。携帯端末機器に本発明を適用することで、携帯端末機器の動作時間を延ばす効果が高められる。以下では、本発明の実施形態に係る電子機器の一例として、携帯電話を示す。
【0161】
図29は、本発明の実施形態に係る電子機器の一例である携帯電話の正面方向からの斜視図である。図29を参照して、電子機器100は、折り畳み式の携帯電話機である。この携帯電話は、本体部102と、本体部102の一端に設けられたヒンジ部101と、ヒンジ部101を回転軸として回転可能に設けられた蓋部103とを備える。本体部102は、携帯電話を操作するための操作キー104を備える。蓋部103は、表示パネル5Aを備えるとともに、その内部にドライバ5B(図示せず)を備えている。なお、電子機器100A〜100Hのいずれも図29に示される携帯電話として実現可能である。また、図29に示されていないが、携帯電話は、実施の形態8に係る無線通信部8を備えている。
【0162】
図30は、図29に示されたヒンジ部101およびその周辺部分の透視平面図である。図29および図30を参照して、本体部102の内部には、送信部1が実装される。一方、蓋部103の内部には、受信部2が実装される。送信部1と受信部2とは配線部3によって接続される。配線部3は、可撓性を有する。送信部1、受信部2および配線部3によってデータ伝送システム50が構成される。
【0163】
なお、データ伝送システム50に代えてデータ伝送システム50A〜50Cのいずれかが電子機器に搭載されてもよい。特に、光配線モジュールを含む配線部3Cを備えることによって、画像データ信号を高速に伝送することができる。さらに信号のノイズ耐性が高まるため、画像データ信号の伝送の信頼性を高めることもできる。
【0164】
図31は、図29に示した携帯電話の背面方向からの斜視図である。図29を参照して、携帯電話(電子機器100,100A〜100H)の蓋部103にカメラ6が設けられる。ただしカメラ6の位置は特に限定されるものではない。カメラ6は画像を取得するとともに画像データを出力する。したがって、カメラ6からの画像データの送信のために、本発明の実施の形態に係るデータ伝送システム(たとえば実施の形態7に係るデータ伝送システム50F)を適用することができる。
【0165】
なお、上記の実施の形態において、表示装置は液晶表示装置である。ただし表示装置は液晶表示装置に限定されず、たとえば有機EL(electroluminescence)ディスプレイを本発明の実施の形態に適用できる。同様に、カメラの種類も限定されず、たとえばCCDカメラ、CMOSカメラ等を本発明の実施の形態に適用できる。
【0166】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0167】
1 送信部、2 受信部、3,3A〜3C 配線部、4 制御部、5 表示装置、5A 表示パネル、5B ドライバ、5C メモリ、6 カメラ、8 無線通信部、11 クロック生成部、12 クロック送信部、13 画像データ信号送信部、14 制御信号送信部、15 送信制御部、16 信号受信部、21,21A,21B,21C,22,22A,22B,23A 領域、31 トランスミッタ、32 レシーバ、33 差動伝送線路、35A 光配線モジュール、35B 電気配線部、36 光送信部、36A 駆動回路、36B 光源、37 光受信部、37A 増幅器、37B 受光部、38 光配線、38A コア部、38B クラッド部、50,50A〜50F データ伝送システム、100,100A〜100H 電子機器、101 ヒンジ部、102 本体部、103 蓋部、104 操作キー、CLK,CLKa,CLKb クロック信号、CN1,CN2 コネクタ、D0〜Dn データ信号、ENB データイネーブル信号、H−sync 水平同期信号、HBL1,HBL2 水平ブランキング期間、HFP 水平フロントポーチ期間、REV 信号、Ta,Tb,Tf,Tr 周期、V−sync 垂直同期信号、VBL1,VBL2 垂直ブランキング期間、VFP 垂直フロントポーチ、VSA 垂直走査方向同期期間。
【技術分野】
【0001】
本発明は画像データを伝送するための画像データ伝送システムおよびそのシステムを備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
画像を表示装置の画面に表示するために、一般的には画面の左上隅からその画面の右下隅まで画像が1ラインずつ描画される。ある1ラインの画像の表示が終了してから次のラインの画像の表示を開始するまでの期間は水平ブランキング期間と呼ばれる。一方、画面の一番下のラインの描画が終了してから、画面の一番上のラインの描画を開始するまでの時間は垂直ブランキング期間と呼ばれる。
【0003】
近年では、液晶表示装置が画像(動画および静止画を含む)を表示するための表示装置として広く利用されている。一例では、液晶表示装置は、携帯電話に代表される携帯端末機器に搭載される。携帯端末機器の動作時間を長くするために、液晶表示装置の消費電力を低減することが要求される。
【0004】
特開平8−305316号公報(特許文献1)は、液晶表示素子の駆動回路の消費電力を低減するための構成を開示する。上記文献によれば、表示装置は、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間に、駆動回路に供給されるクロック信号を停止させる手段を備える。これにより、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間における駆動回路の消費電力を低減することが可能になる。
【0005】
しかしながら、ブランキング期間を単純に追加した場合には、フレームレートが低下するという課題が生じる。ディスプレイシステムでは、フレームレートが低下することを避けなければならない。
【0006】
特開2002−341831号公報(特許文献2)は、表示データ量の増加に対応可能な伝送レートを低消費電力で実現するための方法を開示する。上記文献によれば、1フレーム分の表示データを記憶するメモリがディスプレイに搭載される。ダミーのブランキング期間に、プロセッサからメモリにデータが転送されるとともに、メモリはそのデータを記憶する。必要な表示データがプロセッサからメモリに転送された後には、プロセッサからメモリへのデータ転送が停止される。これによって、消費電力の低減を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−305316号公報
【特許文献2】特開2002−341831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示された技術によれば、ブランキング期間に駆動回路が停止されるので、駆動回路の消費電力の低減を図ることができる。しかしながら一般にブランキング期間は制御信号をリアルタイムに処理するために必要な期間しか設定されていない。このためブランキング期間は、画像データが表示される期間に比較して短い。したがって1フレーム伝送期間のうちのブランキング期間に駆動回路を停止させても、駆動回路の消費電力を大きく低減することが難しい。
【0009】
特許文献2に開示された技術によれば、プロセッサからメモリに画像データが送信されない(すなわち表示装置に表示される画像が更新されない)限り、画像を表示装置に再描画するためのデータはメモリからディスプレイに供給される。これによりプロセッサの消費電力を大きく削減できることが期待できる。しかし、特許文献2によれば、コストの増加という課題、あるいは、余分なデバイス実装領域を確保しなければならないという課題がある。
【0010】
本発明の目的は、画像データを伝送する伝送システムの消費電力を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一局面に従う画像データ伝送システムは、1フレームの画像が所定の単位で分割されることで生成された複数のデータ信号と、データ信号に基づく予め定められた処理が実行されるタイミングを制御するための制御信号を出力する送信部と、データ信号および制御信号を受信する受信部と、送信部からのデータ信号および制御信号を受信部に伝送するための配線部とを備える。送信部は、所定の単位の個数と所定の単位の伝送期間との積によって定義される、1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間内に、複数のデータ信号を順次出力し、データ信号が非出力とされる第1および第2の期間のうちの第1の期間に制御信号を出力する。第1の期間は、予め定められた伝送期間のうちの、データ信号を含まない所定の単位の伝送時間の合計に等しい期間である。第1の期間を送信部のスリープモード期間と定義すると、予め定められた伝送期間に対するスリープモード期間の割合が、予め定められた伝送期間に対する、制御信号の伝送期間および制御信号の伝送のためのマージン期間の合計の割合よりも大きくなるように、スリープモード期間が設定される。なお、第2の期間を、予め定められた伝送期間のうちの、データ信号を含む所定の単位の伝送期間からデータ信号の伝送期間を差し引いた差分の時間の合計に等しい期間としてもよい。
【0012】
本発明の他の局面に従う画像データ伝送システムは、1フレームの画像が所定の単位で分割されることで生成された複数のデータ信号と、データ信号に基づく予め定められた処理が実行されるタイミングを制御するための制御信号とを出力する送信部と、データ信号および制御信号を受信する受信部と、送信部からのデータ信号および制御信号を受信部に伝送するための配線部とを備える。送信部は、1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間内に、複数のデータ信号を順次出力し、データ信号が非出力とされる第1および第2の期間のうちの第2の期間に制御信号を出力する。第1の期間は、予め定められた伝送期間のうちの、データ信号を含まない所定の単位の伝送時間の合計に等しい期間である。第2の期間は、予め定められた伝送期間のうちの、データ信号を含む所定の単位の伝送期間からデータ信号の伝送期間を差し引いた差分の時間の合計に等しい期間である。第2の期間を送信部のスリープモード期間と定義すると、予め定められた伝送期間に対するスリープモード期間の割合が、予め定められた伝送期間に対する、制御信号の伝送期間および制御信号の伝送のためのマージン期間の合計の割合よりも大きくなるように、スリープモード期間が設定される。
【0013】
「画像」との用語は、写真、絵、文字、図形、記号等を含むがこれらに限定されるものではない。「画像」は、静止画および動画のいずれでもよい。
【0014】
「データ信号に基づく予め定められた処理」とは、たとえば画像表示処理、画像データを保存する処理、画像データを転送する処理等を含むがこれらに限定されない。
【0015】
「スリープモード期間」は、データ伝送期間に比べて送信部の消費電力が小さくなる期間である。
【0016】
「所定の単位」とは、たとえば上記「予め定められた処理」に従って定められる。たとえば「所定の単位」の数は、画像のライン数以上である。すなわち「所定の単位」の数が画像のライン数に等しくてもよい。
【0017】
上記構成によれば、1フレーム伝送期間に対するスリープモード期間の割合を増加させることができる。これにより、画像データを伝送するシステムの消費電力を低減することができる。
【0018】
好ましくは、送信部は、第1および第2の期間の両方において制御信号を出力する。第1および第2の期間をスリープモード期間と定義すると、予め定められた伝送期間に対するスリープモード期間の割合が、予め定められた伝送期間に対する、制御信号の伝送期間および制御信号の伝送のためのマージン期間の合計の割合よりも大きくなるように、スリープモード期間が設定される。
【0019】
上記構成によれば、予め定められた伝送期間に占めるスリープモード期間の割合をより増やすことができるので、画像データを伝送するシステムの消費電力をより一層低減することができる。
【0020】
好ましくは、第1の期間に伝送される制御信号は、垂直同期信号を含む。垂直同期信号の伝送期間と垂直同期信号の伝送のためのマージン期間との和は、予め定められた伝送期間の20%以下である。
【0021】
好ましくは、第2の期間に伝送される制御信号は、水平同期信号を含む。水平同期信号の伝送のためのマージン期間は、水平同期信号の伝送期間の10倍以下である。
【0022】
本発明のさらに他の局面に従う画像データ伝送システムは、1フレームの画像が所定の単位で分割されることで生成された複数のデータ信号と、データ信号に基づく予め定められた処理が実行されるタイミングを制御するための制御信号とを出力する送信部と、データ信号および制御信号を受信する受信部と、送信部からのデータ信号および制御信号を受信部に伝送するための配線部とを備える。送信部は、1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間内に複数のデータ信号を順次出力するための第1および第2の伝送モードを有する一方、データ信号の出力を停止する場合には、データ信号の出力時に比較して送信部の消費電力が小さくなるスリープモードに移行する。送信部は、第2の伝送モードにおいて、第1の伝送モードよりも、データ信号の伝送速度を大きくして、それにより送信部がスリープモードであるスリープモード期間の予め定められた伝送期間に対する割合を、第1の伝送モードにおける割合より大きくする。
【0023】
上記構成によれば、データ信号の伝送速度を大きくすることで1フレーム伝送期間に対するスリープモード期間の割合を増加させることができる。これにより、画像データを伝送するシステムの消費電力を低減することができる。
【0024】
好ましくは、送信部の伝送速度が第1の速度から第2の速度に増加したときにおける送信部の消費電力の増加率は、第1の速度に対する第2の速度の比の1倍以下である。
【0025】
上記構成によれば、送信速度を増加させることによって、データ伝送期間を短くすることができる。これにより、予め定められた伝送期間に対するスリープモード期間の割合を大きくすることができるので、送信部の消費電力を低減できる。しかし、送信速度を増加させることによって、データ伝送期間における送信部の消費電力が増加する。したがって、送信部の送信速度が第1の速度(たとえば元の速度)から第2の速度(たとえば変更後の速度)に増加したときにおける送信部の消費電力の増加率が、第1の速度に対する第2の速度の比の1倍以下とされる。これにより、送信速度が増加してもデータ伝送期間における送信部の消費電力が大きく増加することを抑制できる。したがって、伝送システムの消費電力を低減する効果がより高められる。
【0026】
好ましくは、送信部は、スリープモード期間の間にデータ信号および制御信号の両方が非伝送となる期間を設定する。
【0027】
上記構成によれば、スリープモード期間の間にデータ信号および制御信号の両方が非伝送となる期間を設定することで、スリープモードの期間を長くすることができる。したがって、伝送システムの消費電力を低減することができる。
【0028】
好ましくは、所定の単位は、1ラインである。1ラインに対応する伝送期間と、スリープモード期間とは、送信部で用いられるクロック信号の周期の整数倍である。
【0029】
上記構成によれば、1ラインに対応する伝送期間内におけるスリープモード期間の設定(たとえばデータ信号および制御信号の両方が非伝送となる期間の付加)を容易にすることができる。
【0030】
好ましくは、配線部は、データ信号および制御信号のうちの少なくともデータ信号を、差動シリアル伝送方式に従って伝送するように構成された信号配線を含む。
【0031】
制御信号に比較してデータ信号のデータサイズが大きい。上記構成によれば、インターフェース部において、データ信号が差動シリアル伝送方式に従って伝送されるのでデータ信号の伝送速度を高めることができる。これによりデータ伝送システムにおけるデータ伝送期間を短くすることができる。したがって、伝送システムの消費電力を低減することができる。
【0032】
好ましくは、インターフェース部は、データ信号および制御信号のうちの少なくともデータ信号を、光信号の形態で伝送する光配線モジュールを含む。
【0033】
上記構成によれば、インターフェース部において、データ信号が光信号の形態で伝送されるのでデータ信号の伝送速度を高めることができる。光配線モジュールを用いることで、電気配線部の長さを光配線モジュールの長さ分短くすることができるので、伝送損失が低減し、寄生容量による波形劣化の影響も軽減されるので、電気配線部の伝送速度の上限値を高くすることができる。また、光配線は、電気配線よりも伝送損失が少なく、EMIの影響を受けることなく信号を伝送することができるので電気配線よりも伝送速度を高くすることができる。したがって電気配線部よりも高い伝送速度を達成することができる。これによりデータ伝送システムにおけるデータ伝送期間を短くすることができるので、伝送システムの消費電力を低減することができる。
【0034】
好ましくは、光配線モジュールの1レーンあたりの伝送速度は、500Mbps以上である。
【0035】
上記構成によれば、電気配線よりも高い伝送速度が実現できる。さらに電気配線によるデータ信号の伝送に比較して、伝送システムの消費電力を低減する効果がより高められる。
【0036】
好ましくは、受信部は、表示装置にデータ信号および制御信号を出力する。予め定められた処理は、表示装置による、1フレームの画像の表示処理である。
【0037】
上記構成によれば、表示装置に画像データ信号を伝送するシステムの消費電力を低減することができる。さらに1フレームの画像をシステムから表示装置に伝送する期間における表示装置の消費電力を低減することもできる。
【0038】
好ましくは、表示装置は、メモリを含む。メモリは、データ信号に対応する1フレームの画像のデータを記憶する。
【0039】
上記構成によれば、表示装置に表示される画像をリフレッシュする際には、メモリに記憶される画像データを利用することができる。これにより、伝送システムの消費電力を低減することができる。
【0040】
好ましくは、送信部は、カメラによって取得された画像に対応するデータ信号を送信する。
【0041】
上記構成によれば、カメラが取得した画像を転送するシステムの消費電力を低減することができる。さらに1フレームの画像をカメラからシステムを介して伝送する期間におけるカメラの消費電力を低減することもできる。
【0042】
好ましくは、送信部は、無線通信部によって受信された1フレームの画像に対応するデータを、データ信号として送信する。
【0043】
上記構成によれば、無線通信部が取得した画像データを転送するシステムの消費電力を低減することができる。さらに、1フレームの画像を無線通信部からシステムを介して伝送する期間における無線通信部の消費電力も低減することができる。
【0044】
好ましくは、受信部は、データ信号を無線通信部に出力する。無線通信部は、データ信号を無線によって送信する。
【0045】
上記構成によれば、画像データを無線で送信する無線通信部に画像データを転送するシステムの消費電力を低減することができる。さらに、1フレームの画像に対応するデータを伝送システムから無線通信部に伝送する期間における無線通信部の消費電力も低減することができる。
【0046】
本発明の他の局面に係る電子機器は、上記の画像データ伝送システムを備える。
好ましくは、電子機器は、携帯端末機器である。
【0047】
上記構成によれば、画像データ伝送システムを備える電子機器の消費電力を低減できる。特に携帯端末機器に消費電力を低減することができるので、その機器の動作時間を延ばすことができる。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば、画像データを伝送する伝送システムの消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像データ伝送システムを備える電子機器の概略的構成を示したブロック図である。
【図2】図1に示した送信部1の機能ブロック図である。
【図3】水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間を説明するための図である。
【図4】図3に示される表示処理を実現するための送信部の動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】実施の形態1に係る送信部によって付加された垂直ブランキング期間を説明するための図である。
【図6】実施の形態1に係る送信部1の動作を示したタイミングチャートである。
【図7】実施の形態1に従う送信部1による信号の伝送を規定するクロック信号CLKを説明するための図である。
【図8】画像データの伝送速度の増加量と、送信部1の消費電力の増加量との関係を示した図である。
【図9】第2の実施の形態に係る送信部によって付加された水平ブランキング期間を説明するための図である。
【図10】実施の形態2に係る送信部1の動作を示したタイミングチャートである。
【図11】1ライン伝送期間(水平走査期間)と水平ブランキング期間HBL1,HBL2との関係を説明するための図である。
【図12】実施の形態3に係る送信部によって付加されたブランキング期間を説明するための第1の図である。
【図13】図12に示される表示処理を説明するためのタイミングチャートである。
【図14】実施の形態3に係る送信部によって付加されたブランキング期間を説明するための第2の図である。
【図15】実施の形態3に係る送信部によって付加されたブランキング期間を説明するための第3の図である。
【図16】実施の形態4に係る伝送システムを含む電子機器の概略的構成を示した図である。
【図17】差動シリアルインターフェース回路の構成例を示す図である。
【図18】差動シリアルインターフェース回路による効果を説明するための図である。
【図19】実施の形態4に係る送信部1の動作を示したタイミングチャートである。
【図20】実施の形態4の変形例を示した図である。
【図21】実施の形態5に係る伝送システムを含む電子機器の概略的構成を示した図である。
【図22】図21に示される光配線モジュールの構成例を示した図である。
【図23】実施の形態5の変形例を示した図である。
【図24】実施の形態6に係る電子機器の概略的構成を示した図である。
【図25】リフレッシュレートおよびフレームレートを説明するための図である。
【図26】実施の形態7に係る電子機器の概略的構成を示した図である。
【図27】実施の形態8に係る電子機器の概略的構成を示した図である。
【図28】実施の形態8に係る電子機器の他の構成を示した図である。
【図29】本発明の実施形態に係る電子機器の一例である携帯電話の正面方向からの斜視図である。
【図30】図29に示されたヒンジ部101およびその周辺部分の透視平面図である。
【図31】図29に示した携帯電話の背面方向からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0051】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態に係る画像データ伝送システムを備える電子機器の概略的構成を示したブロック図である。図1を参照して、電子機器100は、データ伝送システム50を備える。データ伝送システム50は、送信部1と、受信部2と、配線部3とを含む。
【0052】
送信部1は、配線部3を介して受信部2に画像データ信号および制御信号を伝送する。送信部1が送信する画像データ信号および制御信号は、たとえば制御部4によって生成される。制御部4は、たとえばMPU(Micro Processing Unit)によって実現される。実施の形態1では、配線部3を介して送信部1と受信部2との間で電気信号が伝達される。配線部3は、送信部1が搭載された基板(図示せず)と接続されるコネクタCN1と、受信部2が搭載された基板(図示せず)と接続されるコネクタCN2とを含む。
【0053】
受信部2は、送信部1から送られた画像データ信号および制御信号を受信するとともに、その画像データ信号および制御信号を表示装置5に転送する。表示装置5は、受信部2から画像データ信号および制御信号を受けるとともに、その画像データ信号および制御信号に基づいて、画像を表示する。
【0054】
表示装置5は、画像を表示するための表示パネル5Aおよび表示パネル5Aを駆動するためのドライバ5Bを含む。本発明の実施の形態では、表示装置5は、液晶表示装置であり、表示パネル5Aは液晶表示パネルである。図1では、受信部2とドライバ5Bとが分離された構成が示されているが、これらは一体化されていてもよい。他の実施の形態においても同様の構成を採用可能である。
【0055】
送信部1より送信される画像データ信号は、クロック信号CLKおよびデータ信号D0〜Dnを含む。クロック信号CLKは、表示装置5による画像表示処理に用いられる。1フレームの画像が1ラインごとに分割されることでデータ信号D0〜Dnが複数回生成される。送信部1は、1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間の間に、データ信号D0〜Dnを複数回送信する。「1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間」は、フレームレートの逆数として定められる。フレームレートは、単位時間当たりに画面が更新される回数を表わす指標であり、その単位はfps(frame per second)である。本発明の実施の形態では、フレームレートは特に限定されるものではなく、たとえば60(fps)である。フレームレートが60fpsのときには、1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間は、約16.7(msec)となる。
【0056】
送信部1より送信される制御信号は、水平同期信号H−syncと、垂直同期信号V−syncと、データイネーブル信号ENBとを含む。水平同期信号H−syncは、1水平走査期間を規定するための信号であり、垂直同期信号V−syncは、1垂直走査期間を規定するための信号である。データイネーブル信号ENBは、送信部1より送信されたデータ信号D0〜Dnが有効であることを示す。
【0057】
送信部1は、受信部2および配線部3を介して、表示装置5から送信された信号REVを受ける。信号REVは、たとえばフレームデータの伝送が正常であるか否かを示す情報、表示パネル5Aの表示仕様の情報などを含む。
【0058】
図2は、図1に示した送信部1の機能ブロック図である。図2を参照して、送信部1は、クロック生成部11と、クロック送信部12と、画像データ信号送信部13と、制御信号送信部14と、送信制御部15と、信号受信部16とを備える。
【0059】
クロック生成部11は、クロック信号CLKを発生させる。クロック信号CLKは、クロック送信部12および送信制御部15に送られる。クロック送信部12は、クロック信号CLKを出力する。
【0060】
画像データ信号送信部13は、送信制御部15によって規定された送出タイミングに従ってデータ信号D0,D1,・・・,Dnを送出する。データ信号D0,D1,・・・,Dnは一括して画像データ信号送信部13から出力される。画像データ信号送信部13は、1フレーム伝送期間内において、1フレームの画像が分割されることによって生成された複数の画像データ信号(各画像データ信号はデータ信号D0,D1,・・・,Dnに対応する)を順次送信する。
【0061】
制御信号送信部14は、送信制御部15によって規定された送出タイミングに従って水平同期信号H−syncと、垂直同期信号V−syncと、データイネーブル信号ENBとを送信する。
【0062】
送信制御部15は、クロック信号CLKに従って画像データ信号送信部13および制御信号送信部14を制御する。具体的には、送信制御部15は、クロック信号によって定義されるタイミングで画像データ信号が画像データ信号送信部13から送信されるように、画像データ信号送信部13を制御する。同じく送信制御部15は、クロック信号によって定義されるタイミングで制御信号が制御信号送信部14から送信されるように、制御信号送信部14を制御する。
【0063】
具体的には、送信制御部15は、画像データ信号送信部13がデータ信号D0〜Dnを送信するときには制御信号送信部14が制御信号の送信を停止するように画像データ信号送信部13および制御信号送信部14を制御する。その一方で、画像データ信号送信部13がデータ信号D0〜Dnの送信を停止するときには、制御信号送信部14が制御信号の送信を停止するように画像データ信号送信部13および制御信号送信部14を制御する。これにより、1フレーム伝送期間に含まれるデータ信号伝送期間の間、データ信号D0〜Dnと水平同期信号とが交互に出力される。
【0064】
信号受信部16は、信号REVを受信する。信号REVは、信号受信部16から制御部4へと送られる。
【0065】
図1および図2に示されるように、データ伝送システム50は、送信部1と、受信部2と、配線部3とを備える。送信部1は、1フレームの画像が所定の単位で分割されることで生成された複数のデータ信号を順次出力するとともに、各データ信号(D0〜Dn)に基づく予め定められた処理が実行されるタイミングを制御するための制御信号を出力する。受信部2は、データ信号および制御信号を受信する。配線部3は、送信部1からのデータ信号および制御信号を受信部2に伝送する。
【0066】
送信部1は、1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間内に、複数のデータ信号を順次出力する。一方、送信部1は、上記の予め定められた伝送期間のうちデータ信号が非出力とされる第1の期間に制御信号を出力する。第1の期間は、予め定められた伝送期間のうちの、データ信号を含まない所定の単位の伝送時間の合計に等しい期間である。実施の形態1では、この第1の期間が送信部1のスリープモード期間に対応する。予め定められた伝送期間に対するスリープモード期間の割合が、予め定められた伝送期間に対する、制御信号の伝送期間および制御信号の伝送のためのマージン期間の合計の割合よりも大きくなるように、スリープモード期間が設定される。
【0067】
画像を表示装置5の画面に表示するために、画面の左上隅からその画面の右下隅まで画像が1ラインずつ描画される。画面の一番上のラインから画面の一番下のラインまで画像が描画されると、再び、画面の一番上のラインから描画が行なわれる。このような表示装置5の表示処理を実現するための送信部1の送信処理について以下に詳細に説明する。
【0068】
図3は、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間を説明するための図である。図3を参照して、水平同期信号H−syncは、1水平走査期間を規定する。垂直同期信号V−syncは、1垂直走査期間を規定する。さらに図3に示されるように、垂直走査方向同期期間(V-sync Active;VSA)、垂直フロントポーチ期間(Vertical Front Poach;VFP)、垂直バックポーチ期間(Vertical Back Poach;VBP)、水平走査方向同期期間(H-sync Active;HSA)、水平フロントポーチ期間(Horizontal Front Poach;HFP)および水平バックポーチ期間(Horizontal Back Poach;HBP)が規定される。
【0069】
VSAは、垂直同期信号V−syncが有効である期間に相当する。この実施形態では、垂直同期信号V−syncのレベルがL(ロー)レベルであるときに垂直同期信号V−syncが有効であると定義される。ただし、垂直同期信号V−syncのレベルがH(ハイ)レベルであるときに垂直同期信号V−syncが有効であると定義されてもよい。
【0070】
VFPおよびVBPは、垂直同期信号V−syncの送信タイミングのずれのためのマージン期間として設定される。VFPは、画像が画面に表示される前の期間に対応し、VBPは、画面への画像の表示が終了した後の期間に対応する。垂直ブランキング期間は、VSAとVFPとVBPとの和に対応する。ディスプレイ等の画像表示装置の固有のフレームレート(すなわち、1÷(1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間))が±10%程度ばらつくことが想定される。このため実施の形態1では、垂直同期信号V−syncの伝送期間と垂直同期信号V−syncの伝送のためのマージン期間(VFP,VBP)との和は、1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間の20%以下と定められる。この点については、他の実施の形態についても同様である。
【0071】
一方、HSAは、水平同期信号H−syncが有効である期間に相当する。垂直同期信号V−syncと同様に、この実施形態では、水平同期信号H−syncのレベルがLレベルであるときに水平同期信号H−syncが有効であると定義される。ただし、水平同期信号H−syncのレベルがHレベルであるときに水平同期信号H−syncが有効であると定義されてもよい。
【0072】
HFPおよびHBPは、水平同期信号H−syncの送信タイミングのずれのためのマージン期間として設定される。HFPは、1ライン分の画像が画面に表示される前の期間に対応し、VBPは、1ライン分の画像の表示が終了した後の期間に対応する。水平ブランキング期間は、HSAとHFPとHBPとの和に対応する。水平同期信号と画像データ信号の時間的なずれが、最大で水平同期信号の伝送期間の長さの10倍程度生じることが想定される。このため実施の形態1では、HFPおよびHBPの各々は、水平同期信号H−syncの伝送期間の10倍以下の期間として定義される。この点については、他の実施の形態についても同様である。
【0073】
データイネーブル信号ENBが有効である期間は、データ信号D0〜Dnが有効である期間である。この実施の形態では、データイネーブル信号ENBが有効である場合、データイネーブル信号ENBのレベルはHレベルである。この期間は、1ラインに対応する画像が表示される期間(水平表示期間)である。
【0074】
全ラインの画像が表示されることで1フレームに対応する画像が形成される。画面の左上隅からその画面の右下隅まで画像を描画するのに要する期間が垂直表示期間に対応する。一方、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間には、画像は表示されない。水平ブランキング期間と水平表示期間との和が1水平走査期間に対応する。垂直ブランキング期間と垂直表示期間との和が1垂直走査期間に対応する。
【0075】
領域21は、表示パネル5Aに画像が表示される期間を表わす領域であり表示領域と対応付けられる。領域22は、画像が非表示とされる期間を表わす領域であり、仮想的な表示領域と対応付けられる。なお、領域21は、領域22の内部に配置される。
【0076】
この実施の形態では、画面に画像を表示するための制御がクロック信号に基づいて実行される。具体的には、水平表示期間、すなわちデータイネーブル信号ENBが有効である期間はクロック信号の周期の整数倍となる。同様に、VFP、VBP、VSA、HFP、HSA、HBPの時間幅もクロック信号の周期の整数倍となる。
【0077】
送信制御部15は、パルスとして発せられるクロック信号CLKをカウントする。送信制御部15はそのカウント値に基づいて制御信号送信部14を制御することにより、制御信号送信部14による制御信号の送信のタイミング、および制御信号が有効である期間が制御される。さらに、送信制御部15はクロックパルスをカウントした値に基づいて画像データ信号送信部13を制御する。これにより画像データ信号送信部13によるデータ信号の送信のタイミングが決定される。
【0078】
図4は、図3に示される表示処理を実現するための送信部の動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。このタイミングチャートは、本発明の実施の形態に係る送信部の基本的動作を示している。
【0079】
図3および図4を参照して、1フレーム伝送期間はフレームレートから予め決定される。上記のように水平同期信号H−sync、垂直同期信号V−sync、データイネーブル信号ENBが有効である期間、および、それらの信号の送信タイミング(信号の周期)はクロック信号CLKによって制御される。ただし、図が複雑になることを防ぐために図4ではクロック信号CLKは示されていない。
【0080】
VSAは、垂直同期信号V−syncが有効である期間、すなわち垂直同期信号V−syncのレベルがLレベルとなる期間である。
【0081】
VFPおよびVBPは垂直同期信号V−syncの伝送のためのマージン期間として設けられる。VBPはVSAの直前の期間として設定され、VFPはVSAの直後の期間として設定される。
【0082】
HSAは、水平同期信号H−syncが有効である期間、すなわち水平同期信号H−syncのレベルがLレベルとなる期間である。HBPはHSAよりも前の期間として設定される。一方、HFPはHSAより後の期間として設定される。図3から理解されるように、このことは、1ラインに対応する画像を画面に描画する場合、そのラインの左端から右端へと画素が順次表示されることを意味する。上記のように、HFPおよびHBPは水平同期信号H−syncの伝送のためのマージン期間として設けられる。
【0083】
HFPが終わったときにデータイネーブル信号ENBが有効となる。すなわちデータイネーブル信号ENBのレベルはHレベルになる。データイネーブル信号ENBが有効となることによりデータ信号D0〜Dnが送信部1から送信される。一方、データイネーブル信号ENBが無効になることによりデータ信号D0〜Dnの送信が停止する。データイネーブル信号ENBが無効になるタイミングとは、データイネーブル信号ENBのレベルがHレベルからLレベルへと切り換わるタイミングである。具体的には、HBPの開始時点において、データイネーブル信号ENBが無効になる。
【0084】
データ信号D0〜Dnは1ラインの画像に対応する。1フレーム伝送期間の間、データイネーブル信号ENBは、データ信号D0〜Dnの送信回数に対応する回数、繰り返し有効となる。これにより、データ信号D0〜Dnは1フレーム伝送期間の間、複数回送信される。
【0085】
画像データ信号伝送期間はVFPの終了後にHFPを経て開始される。画像データ信号伝送期間の長さは、データイネーブル信号ENBの周期および、1フレーム伝送期間中にデータイネーブル信号ENBが有効となる回数(データ信号D0〜Dnの送信回数)に基づいて決定される。画像データ信号伝送期間はVFP終了した時点からHFPを経過したときに開始される。
【0086】
信号REVは、垂直ブランキング期間において表示装置5から送信部1へと伝送される。
【0087】
送信部1の動作モードは、アクティブモードとスリープモードとの間で切り換わる。アクティブモードとは、データ信号D0〜Dnを伝送するためのモードである。データ信号D0〜Dnに含まれるデータサイズは、制御信号に含まれるデータサイズに比べて大きい。このため、送信部1がアクティブモードにあるときには、単位時間当たりの送信部1の消費電力が高くなる。一方、スリープモードでは、送信部1がデータ信号D0〜Dnの伝送を停止する。この実施の形態では、スリープモード期間とは、上記の第1の期間、すなわち1フレーム伝送期間として予め定められた伝送期間のうちの、データ信号を含まない所定の単位(1ライン)の伝送時間の合計に等しい期間である。画像データ信号伝送期間は、複数のデータ信号のうちの最初のデータ信号の送信の開始から、複数のデータ信号のうちの最後のデータ信号の送信の終了までの期間に対応する。スリープモードにおける単位時間当たりの送信部1の消費電力は、アクティブモードにおける単位時間当たりの送信部1の消費電力に比べて小さい。
【0088】
上記のようにスリープモードにおいてデータ信号D0〜Dnの伝送が停止されるので、1フレーム伝送期間における送信部1の平均的な消費電力が増大することを防止できる。しかしながら図4のタイミングチャートによれば、ブランキング期間は、制御信号の伝送のための期間(VSAおよびHSA)と、その信号の伝送のためのマージン期間(VFP,VBP,HFP,HBP)とによって構成される。したがって1フレーム伝送期間に対するブランキング期間の割合は小さい。このため、消費電力を低減する効果が十分に得られない。そこで、本発明の実施の形態では、1フレーム伝送期間に対するスリープモード期間の割合を大きくする。この割合を大きくすることで、1フレーム伝送期間における送信部1の平均的な消費電力を低減することができる。
【0089】
実施の形態1では、垂直ブランキング期間が付加される。図5は、実施の形態1に係る送信部によって付加された垂直ブランキング期間を説明するための図である。図3および図5を参照して、領域22Aは、垂直ブランキング期間VBL1およびVBL2に対応する領域を含む点において、領域22と異なる。垂直ブランキング期間VBL1に対応する領域は、垂直フロントポーチVFPに対応する領域のすぐ上側に位置する。一方、垂直ブランキング期間VBL2に対応する領域は、垂直走査方向同期期間VSAに対応する領域のすぐ下側に位置する。
【0090】
垂直ブランキング期間VBL1,VBL2の各々に対応するライン(水平走査期間)の数は少なくとも1であればよく、特に限定されるものではない。さらに、垂直ブランキング期間VBL1,VBL2の設定(垂直ブランキング期間VBL1,VBL2に対応する領域の配置)は図5に示されるように限定されるものではない。領域22Aの垂直方向における任意の位置に垂直ブランキング期間VBL1,VBL2に対応する領域を配置することができる。すなわち1フレーム伝送期間中の任意のタイミングに垂直ブランキング期間を付加することができる。
【0091】
さらに、垂直ブランキング期間VBL1,VBL2の両方を設定する必要があるものと限定されない。上記のように、少なくとも1水平走査期間に対応する垂直ブランキング期間が、図4に示されたタイミングチャートに新たに追加されればよい。すなわち実施の形態1によれば、Nを1以上の整数とすると、1フレーム伝送期間内の任意のタイミングにおいて、N本のライン(1水平走査期間のN倍の期間)に対応する垂直ブランキング期間が設定される。
【0092】
図6は、実施の形態1に係る送信部1の動作を示したタイミングチャートである。図4および図6を参照して、VFPの直前の期間としてVBL1が設定される。さらにVSAの直後の期間としてVBL2が設定される。このことは図5に示された垂直ブランキング期間VBL1,VBL2の設定と対応する。
【0093】
実施の形態1では、制御信号(垂直同期信号V−sync)とデータ信号との両方が伝送されない垂直ブランキング期間VBL1,VBL2が付加されることで、スリープモード期間がVFP+VBP+VSAよりも大きくなる。実施の形態1では「1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間」−「画像データ信号伝送期間」−「制御信号伝送期間」−「マージン期間」として定義されるブランキング期間(VBL1,VBL2)をスリープモード期間に付加する。これにより実施の形態1においては、以下の式(1)に示される関係が満たされる。
【0094】
(1フレーム伝送期間に含まれるスリープモード期間/1フレーム伝送期間)>(制御信号の伝送期間と制御信号の伝送のためのマージン期間の合計/1フレーム伝送期間) …(1)
図5および図6を参照して、1本のラインは、1フレームの画像を分割するための所定の単位に対応する。所定の単位(1ライン)の数と、所定の単位の伝送期間との積によって、1フレーム伝送期間を定義することができる。1フレーム伝送期間に含まれる所定の単位の中には、データ信号を含むものとデータ信号を含まないものとがある。データ信号を含まない「所定の単位」の伝送期間の合計が、上記「スリープモード期間」(第1の期間)に対応する。一方、1フレーム伝送期間のうち、データ信号を含む「所定の単位」の伝送期間からデータ信号の伝送期間を差し引いた差分の期間の合計を第2の期間とする。第1の期間は、VBL+VFP+VBP+VSA+VBL2に相当する。一方、第2の期間は、画像データ信号伝送期間中の(HBP+HSA+HFP)の合計の期間、VFPの終了から画像データ信号伝送期間の開始までの期間、および画像データ信号伝送期間の終了からVBPの開始までの期間を含む。
【0095】
なお、図6のタイミングチャートでは、画像データ信号伝送期間全体が送信部1のアクティブモードに対応する期間と定義されている。ただし図4に示されるタイミングチャートと同様に、データイネーブル信号ENBが有効である期間のみがアクティブモード期間と定義されてもよい。すなわち、1フレーム伝送期間内に、アクティブモード期間が断続的に(非連続的に)発生してもよい。
【0096】
図4に示したタイミングチャートに垂直ブランキング期間を単純に追加した場合、1フレーム伝送期間が元の伝送期間よりも長くなる。1フレーム伝送期間が長くなることはフレームレートの低下を意味する。フレームレートが低下することによって、画像の滑らかな表示を実現することが難しくなる。実施の形態1では、クロック周波数を高くすることでクロック信号CLKの周期を短くする。これにより1フレーム伝送期間が長くなることを防ぐことができる。
【0097】
図7は、実施の形態1に従う送信部1による信号の伝送を規定するクロック信号CLKを説明するための図である。図7を参照して、クロック信号CLKaは、図4に示すタイミングチャートに従う処理に用いられるクロック信号を示す。クロック信号CLKbは、実施の形態1に従う処理、すなわち図6に示すタイミングチャートに従う処理に用いられるクロック信号を示す。クロック信号CLKaの周期Taはクロック信号CLKbの周期Tbよりも長い。言い換えるとクロック信号CLKbの周波数は、クロック信号CLKaの周波数よりも高い。
【0098】
送信制御部15は、クロックパルスをカウントするとともに、そのカウント数(パルス数)に基づいて、画像データ信号送信部13による画像データ信号の送信のタイミングおよび、制御信号送信部14による制御信号の送信のタイミングを制御する。このためクロック信号の周波数が変化しても送信制御部15の処理は基本的には変わらない。したがって、VSA,VFP等の長さは、単純にクロック信号の周波数に反比例する。クロック信号の周波数を高くすることによってVSA,VFPが短くなる。これにより、1フレーム伝送期間を変えることなく、垂直ブランキング期間(VBL1,VBL2)を付加することができる。これにより1フレーム伝送期間に対するスリープモード期間の割合を高めることができる。
【0099】
実施の形態1によれば、1フレーム伝送期間を変えることなく垂直ブランキング期間を付加するため、画像データ信号伝送期間が短くなる。このため、画像データ信号送信部13によるデータ信号の伝送速度を高くしなければならない。しかしながら伝送速度が高くなることで、画像データ信号伝送期間における送信部1の消費電力(特に画像データ信号送信部13の消費電力)が増加する。このため、1フレーム伝送期間における送信部1の消費電力を削減する効果が小さくなる可能性がある。
【0100】
図8は、画像データの伝送速度の増加率と、送信部1の消費電力の増加率との関係を示した図である。図8を参照して、グラフの横軸は、伝送速度の増加率(第1の伝送速度v1に対する第2の伝送速度v2の割合)を示し、グラフの縦軸は、送信部1の消費電力の増加率(p2/p1)を示す。消費電力p1は、第1の伝送速度v1における送信部1の消費電力であり、消費電力p2は、第2の伝送速度v1における送信部1の消費電力である。図8に示されるように、消費電力の増加率は伝送速度の増加率に対して比例する。
【0101】
破線の傾きは、1であり、消費電力の増加率が伝送速度の増加率と等しいことを示す。破線で示されるように消費電力が増加することで、1フレーム伝送期間に占めるスリープモード期間の割合を増やしたとしても、1フレーム伝送期間での送信部の平均的な消費電力を低減する効果が弱くなる可能性がある。
【0102】
一方、実線の傾きは、破線の傾き(すなわち1)よりも小さい。この場合、伝送速度が第1の速度から第2の速度に増加しても送信部1の消費電力の増加が抑制される。このため、1フレーム伝送期間に占めるスリープモード期間の割合を増やすことで、1フレーム伝送期間での送信部の平均的な消費電力を低減する効果が高められる。したがって、伝送システムの消費電力を低減する効果がより高められる。本発明の実施の形態では、図8の実線の傾きに対応する関係が満たされる伝送速度の範囲内で送信部1の伝送速度が設定される。
【0103】
なお、以下に説明する各実施の形態に係る送信部においても図8に示した実線によって定められる、伝送速度と消費電力との間の関係が満たされることが好ましい。このため、以下では図8に示される関係について詳細な説明を繰り返さない。
【0104】
また、上記の説明では、画像データ信号の伝送のための送信部1の伝送モードとして、図6および図7に示された伝送モードのみが示される。ただし、送信部1は、単一の伝送モード(実施の形態1の場合には、図6および図7に示された伝送モード)を有するものと限定されない。具体的には、送信部1は、図4および図5に示された伝送モード(第1のモード)と、図6および図7に示された伝送モード(第2のモード)との両方を有することもできる。この場合、送信部1は、所定の条件、たとえば、図1に示した表示装置5での表示モードに従って上記第1のモードと第2のモードとを切換えることができる。以下に説明する各実施の形態においても同様に、送信部は、図4および図5に示された第1の伝送モードと、その伝送モードよりも伝送速度の大きい第2の伝送モードを有することができる。ただしその場合には、上記の通り、図8中の実線によって示された、伝送速度と消費電力との間の関係が満たされることが好ましい。
【0105】
以上のように実施の形態1によれば、1フレーム伝送期間に対するスリープモード期間の割合が、1フレーム伝送期間に対する、制御信号(垂直同期信号)の伝送期間および制御信号の伝送のためのマージン期間(VFP,VBP)の合計の割合よりも大きくなるように、スリープモードの期間が設定される。これにより、1フレーム伝送期間における送信部1の平均的な消費電力が低減される。したがって、実施の形態1によれば、送信部1の消費電力を低減することができる。さらに実施の形態1によれば、1フレーム伝送期間における表示装置5の消費電力も低減することができる。
【0106】
[実施の形態2]
実施の形態2では、水平ブランキング期間が付加される。この点において実施の形態2は実施の形態1と異なる。
【0107】
実施の形態2に係る電子機器の構成は、図1に示される電子機器100の構成と同様である。さらに実施の形態2に係る送信部の構成は図2に示される送信部1の構成と同様である。したがって、実施の形態2に係る電子機器および送信部の構成については以後の詳細な説明を繰り返さない。
【0108】
図9は、第2の実施の形態に係る送信部によって付加された水平ブランキング期間を説明するための図である。図3および図9を参照して、領域22Bは、水平ブランキング期間HBL1およびHBL2に対応する領域を含む点において領域22と異なる。水平ブランキング期間HBL1に対応する領域は、水平フロントポーチ期間HFPに対応する領域と、領域21との間に位置する。水平ブランキング期間HBL2に対応する領域は、領域21と水平フロントポーチ期間HFPに対応する領域との間に位置する。
【0109】
図10は、実施の形態2に係る送信部1の動作を示したタイミングチャートである。図4および図10を参照して、HBPの直前の期間としてHBL2が設定される。さらにHFPの直後の期間としてHBL1が設定される。このことは図9に示される水平ブランキング期間HBL1,HBL2の設定と対応する。
【0110】
図9および図10を参照して、第1の期間は、予め定められた伝送期間のうちの、データ信号を含まない所定の単位の伝送時間の合計に等しい期間である。従ってこの実施の形態では、第1の期間はVFP+VBP+VSAに対応する。第2の期間は、予め定められた伝送期間のうちの、データ信号を含む所定の単位の伝送期間からデータ信号の伝送期間を差し引いた差分の時間の合計に等しい期間である。従ってこの実施の形態では、第2の期間は、画像データ信号伝送期間中の(HBL2+HBP+HSA+HFP+HBL1)の合計の期間、VFPの終了から画像データ信号伝送期間の開始までの期間、および画像データ信号伝送期間の終了からVBPの開始までの期間を含む。水平ブランキング期間HBL1,HBL2は、いずれも、データ信号および制御信号(水平同期信号H−sync)の両方が伝送されない期間である。
【0111】
実施の形態2では、第2の期間を式(1)におけるスリープモード期間と定義する。実施の形態2では、式(1)における「制御信号」をH−syncとし、式(1)におけるマージン期間をHFPおよびHBPとする。実施の形態1と同様に、実施の形態2においても式(1)に示す関係が成立する。
【0112】
実施の形態2では、各水平走査期間に水平ブランキング期間HBL1,HBL2が挿入される。これによって、式(1)に示した関係が満たされるように1フレーム伝送期間に占めるスリープモード期間の割合を大きくすることができるので、1フレーム伝送期間における送信部1の平均的な消費電力を低減することができる。実施の形態1と同様に、実施の形態2においても、クロック周波数を高くすることによって、1フレーム伝送期間が長くなる(フレームレートを低下させる)ことなく水平ブランキング期間HBL1,HBL2を設定することができる。
【0113】
図11は、1ライン伝送期間(水平走査期間)と水平ブランキング期間HBL1,HBL2との関係を説明するための図である。図11を参照して、Tはクロックサイクル(クロック信号CLKの周期)である。HBL1,HBL2の長さをそれぞれTM1,TM2とする。一方、HSA、HFP、画像データ信号伝送期間、およびHBPの長さをそれぞれTL1,TL2,TL3,TL4とする。Mをサイクル数(整数)とすると、マージン期間(水平ブランキング期間HBL1,HBL2)は、TM1+TM2=M*Tと表わされる。一方、TL1+TL2+TL3+TL4はL*Tと表わされる。Lは整数である。さらに、Pをサイクル数(整数)とすると、1ライン伝送期間(1水平走査期間)は、P*Tと表わされる。P,L,Mとの間にはP=M+Lの関係が成立する。
【0114】
すなわち1ライン伝送期間および水平ブランキング期間HBL1(HBL2)は、いずれもクロックサイクル数の整数倍の値となる。これにより、1ライン伝送期間中の任意のタイミングにおいて水平ブランキング期間を設けることができる。
【0115】
以上のように実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に送信部1の消費電力を低減することができる。実施の形態2によれば、さらに、1フレーム伝送期間における表示装置5の消費電力も低減することができる。
【0116】
[実施の形態3]
実施の形態3では、表示画面の一部の領域に画像が表示される。この点において実施の形態3は実施の形態1,2と異なる。実施の形態3に係る電子機器の構成は、図1に示される電子機器100の構成と同様である。さらに実施の形態3に係る送信部の構成は図2に示される送信部1の構成と同様である。したがって、実施の形態3に係る電子機器および送信部の構成については以後の詳細な説明を繰り返さない。
【0117】
図12は、実施の形態3に係る送信部によって付加されたブランキング期間を説明するための第1の図である。図3および図12を参照して、領域23Aは、垂直ブランキング期間VBL1,VBL2の各々に対応する領域の配置の点において領域22と異なる。具体的に説明すると、領域23Aにおいては、垂直ブランキング期間VBL1に対応する領域がVFPに対応する領域の下部に配置されるとともに、垂直ブランキング期間VBL2に対応する領域がVBPに対応する領域の上部に配置される。この結果、領域21Aは、図3に示された領域21を垂直方向に縮小したものとなる。領域21Aは、画面中の表示領域が垂直方向に縮小されることを示している。
【0118】
図13は、図12に示される表示処理を説明するためのタイミングチャートである。図13を参照して、VFPの直後の期間がVBL2として設定される。さらにVBPの直前の期間がVBL1として設定される。このことは図12に示される垂直ブランキング期間VBL1,VBL2の設定と対応する。
【0119】
図14は、実施の形態3に係る送信部によって付加されたブランキング期間を説明するための第2の図である。図9および図14を参照して、領域21Bは、領域21を水平方向に縮小した領域に相当する。領域21Bは、画面中の表示領域が水平方向に縮小されることを示している。
【0120】
水平ブランキング期間HBL1,HBL2の各々に対応する領域の配置の点については、実施の形態3と実施の形態2とで同じである。このため、図14に示される表示処理を説明するためのタイミングチャートは、図10に示されるタイミングチャートと実質的に同じである。
【0121】
図15は、実施の形態3に係る送信部によって付加されたブランキング期間を説明するための第3の図である。図15を参照して、垂直ブランキング期間VBL1,VBL2に対応する領域および水平ブランキング期間HBL1,HBL2に対応する領域が付加される。領域21Cは、図3に示される領域21を水平方向および垂直方向に縮小した領域に対応する。図15に示される表示処理は図12に示される表示処理と図14に示される表示処理とを組み合わせた処理に対応する。
【0122】
この場合、式(1)におけるスリープモード期間は、第1の期間と、第2の期間とを含む。さらに、実施の形態3では、式(1)における「制御信号」を水平同期信号H−syncおよび垂直同期信号V−syncとし、式(1)におけるマージン期間をHFP,HBP,VFPおよびVBPとする。実施の形態1,2と同様に、実施の形態3においても式(1)に示す関係が成立する。
【0123】
以上のように実施の形態3では、画面の一部の領域に画像が表示される。すなわち実施の形態3では、実表示領域が水平方向および垂直方向のうち少なくとも一方の方向に縮小される。これにより、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間の少なくとも一方を設けることができるので、送信部の1フレーム伝送期間における平均的な消費電力を低減することができる。さらに、1フレーム伝送期間における表示装置5の消費電力も低減することができる。
【0124】
なお、領域21Cの大きさが領域21の大きさに等しい場合における表示処理は、実施の形態1に係る処理(図5を参照)と実施の形態2に係る処理(図9を参照)とを組み合わせた処理に対応する。すなわち、実施の形態1に係る処理と実施の形態2に係る処理とを組み合わせることで、通常サイズの画面に画像を表示する場合にも、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間の両方を1フレーム伝送期間内に付加することができる。
【0125】
[実施の形態4]
図16は、実施の形態4に係る伝送システムを含む電子機器の概略的構成を示した図である。図1および図16を参照して、電子機器100Aは、データ伝送システム50に代えてデータ伝送システム50Aを備える点で電子機器100と異なる。データ伝送システム50Aは、配線部3に代えて配線部3Aを備える点においてデータ伝送システム50と異なる。
【0126】
配線部3Aは、差動シリアルインターフェースを備える。この実施形態では、クロック信号CLKの伝送のための差動伝送線路、およびデータ信号D0〜Dnにそれぞれ対応する(n+1)個の差動伝送線路が配線部3Aに設けられる。
【0127】
図17は、差動シリアルインターフェース回路の構成例を示す図である。図17を参照して、送信部1は、トランスミッタ31を含む。受信部2は、レシーバ32を含む。トランスミッタ31とレシーバとは、差動伝送線路33によって接続される。トランスミッタ31は、送信すべき信号(クロック信号CLK、データ信号D0〜Dnの各々)を、差動信号に変換するとともに、その差動信号を差動伝送線路33に出力する。レシーバ32は、差動伝送線路33を介してその差動信号を受信するとともに、その差動信号に基づいて、トランスミッタ31が送信すべき信号を復元する。
【0128】
差動伝送は、高速のデータ伝送が可能という特徴、ノイズ耐性が高いという特徴などを備えている。データ信号D0〜Dnの伝送に差動シリアル伝送方式が適用されるので、データ信号D0〜Dnを高速で伝送することが可能となる。
【0129】
図18は、差動シリアルインターフェース回路による効果を説明するための図である。図18を参照して、差動シリアルインターフェース回路によってデータ信号D0〜Dnの伝送が高速化されることによって、画像データ信号伝送期間が短縮されるので、領域21が縮小される。すなわち図15に示した状態と同じ状態を発生させることができる。ただし、実際の画面における画像の表示領域は縮小されない。この点で実施の形態4は実施の形態3と異なっている。
【0130】
図19は、実施の形態4に係る送信部1の動作を示したタイミングチャートである。図4および図19を参照して、実施の形態4では、差動シリアル伝送方式に従ってデータ信号を伝送することにより、1フレームデータ伝送期間を変えることなく画像データ信号伝送時間が短縮される。これによって水平ブランキング期間HBL1,HBL2および垂直ブランキング期間VBL1,VBL2を設定することができる。
【0131】
実施の形態4によれば、実施の形態1〜3と同じように、1フレーム伝送期間におけるスリープモード期間の割合を高くすることができるので、送信部1の消費電力を低減することが可能になる。さらに1フレーム伝送期間における表示装置5の消費電力も低減することができる。
【0132】
図20は、実施の形態4の変形例を示した図である。図16および図20を参照して、電子機器100Bは、データ伝送システム50Aに代えてデータ伝送システム50Bを備える点で電子機器100Aと異なる。データ伝送システム50Bは、配線部3Aに代えて配線部3Bを備える点においてデータ伝送システム50Aと異なる。配線部3Bは、データ信号だけでなく制御信号も差動シリアル伝送方式に従って伝送されるよう構成される。すなわち、クロック信号CLKおよびデータ信号D0〜Dnの各々に対して差動伝送線路が設けられるだけでなく水平同期信号H−sync、垂直同期信号V−sync、データイネーブル信号ENBおよび信号REVの各々に対して差動伝送線路が設けられる。
【0133】
[実施の形態5]
図21は、実施の形態5に係る伝送システムを含む電子機器の概略的構成を示した図である。図1および図21を参照して、電子機器100Cは、データ伝送システム50に代えてデータ伝送システム50Cを備える点で電子機器100と異なる。データ伝送システム50Cは、配線部3に代えて配線部3Cを備える点においてデータ伝送システム50と異なる。
【0134】
配線部3Cは、光配線モジュール35Aおよび電気配線部35Bを備える。この実施形態では、光配線モジュール35Aにおいてクロック信号CLKおよびデータ信号D0〜Dnが光信号の形態で伝送される。送信部1から送信されたクロック信号CLKおよびデータ信号D0〜Dnは電気信号である。光配線モジュール35Aは、その電気信号を光信号に変換する。後述するように、光信号は光配線を伝達する。光配線を伝達した光信号は、光配線モジュール35Aによって電気信号に変換されて、その電気信号は受信部2へと送られる。電気配線部35Bは、水平同期信号H−sync等の制御信号を電気信号の形態で伝送する電気配線を含む。
【0135】
図22は、図21に示される光配線モジュールの構成例を示した図である。図22を参照して、光配線モジュール35Aは、光送信部36と、光受信部37と、光配線38とを備える。光送信部36は、駆動回路36Aと、光源36Bとを備える。
【0136】
駆動回路36Aは、入力される信号(クロック信号CLK、データ信号D0〜Dnなど)に従って光源36Bを駆動する。光源36Bは、光配線38を伝達する光を発生させる。光源36Bは、代表的には半導体レーザである。一例として、光源36BはVCSEL(Vertical Cavity-Surface Emitting Laser))を含む。
【0137】
駆動回路36Aは、光源36B(半導体レーザ)に駆動電流を供給するとともに、その駆動電流を駆動回路36Aに入力される信号に従って変調する。これにより、光源36Bから発せられる光が変調されて光信号が発生される。
【0138】
光配線38の材料にはガラスあるいは樹脂を用いることができる。特に樹脂の中でもアクリル系、エポキシ系、ウレタン系、及びシリコーン系等の樹脂材料を使用することが好ましい。これらの樹脂を用いることによって、十分な可撓性を有する光配線を実現できる。光配線が十分な可撓性を有することにより、光配線モジュール35Aを電子機器に実装する際に、光配線38を容易に配置することができる。
【0139】
光受信部37は、受光部37Bおよび増幅器37Aを備える。受光部37Bは、光配線38を伝達した光信号を受けるとともに、その光信号を電気信号に変換する。一例として、受光部37Bはフォトダイオードである。増幅器37Aは、受光部37Bから出力された電気信号を増幅する。
【0140】
実施の形態5によれば、クロック信号およびデータ信号D0〜Dnの伝送のために光配線モジュールが用いられる。これにより、実施の形態4よりも信号の伝送速度をさらに高めることができる。好ましくは、1つの信号を伝送する1レーンあたりの伝送速度は、500Mbps以上である。実施の形態4では、差動電圧を利用するシリアルインターフェース(電気配線)によって信号が伝送される。しかし低電圧差動シリアルインターフェースの場合、1レーンあたりの伝送速度は、最大で500Mbps程度である。これに対して実施の形態5では、高速での信号伝送が可能な光配線を伝送路の途中に挿入することによって、電気配線部の長さを光配線モジュールの長さ分短くすることができるので、伝送損失が低減し、寄生容量による波形劣化の影響も軽減されるので、電気配線部の伝送速度の上限値を高くすることができる。また、光配線は、電気配線よりも伝送損失が少なく、EMIの影響を受けることなく信号を伝送することができるので、電気配線よりも伝送速度を高くすることができる。この点からも電気配線部よりも高い伝送速度を達成することができる。したがって実施の形態5によれば、電気配線による伝送速度よりも高い伝送速度(500Mbps以上の速度)を達成することができる。これにより実施の形態4と同様に、画像データ伝送期間を短くすることができるので、1フレーム伝送期間におけるスリープモード期間の割合を高くすることができる。したがって送信部1の消費電力を低減することが可能になる。さらに1フレーム伝送期間における表示装置5の消費電力も低減することができる。
【0141】
さらに、光配線を用いることによって、ノイズ(電磁輻射ノイズなど)に対する信号の耐性を高めることができる。これにより画像データ信号の伝送の信頼度を高めることができる。したがって、たとえば画像データ信号の再送信を不要とすることができる。
【0142】
また、シリアルデータ信号を高速に伝送する場合には、一般に、そのシリアルデータ信号において0または1が一定回数以上連続しないようにコーディングが必要となる。電気配線のみによってシリアルデータ信号を高速に伝送する場合には、送信部1および受信部2においてコーディングが必要となる。しかしながら、光配線モジュールを用いることによって、その光配線モジュールの内部にてコーディングを行なうことが可能になるため、送信部1および受信部2におけるコーディングを不要とすることができる。これにより、送信部1および受信部2の消費電力を低減することができる。また、送信部1および受信部2にコーディングの機能を付加する必要がないため、伝送システムの低コスト化を図ることもできる。
【0143】
図23は、実施の形態5の変形例を示した図である。図21および図23を参照して、電子機器100Dは、データ伝送システム50Cに代えてデータ伝送システム50Dを備える点で電子機器100Cと異なる。データ伝送システム50Dは配線部3Cを含む。配線部3Cにおいて、光配線モジュール35Aは、画像データ信号(クロック信号CLKおよびデータ信号D0〜Dn)だけでなく制御信号(水平同期信号H−sync等)も光信号の形態で伝送する。なお、図23に示された構成では、信号REVが電気配線部35Bを伝達するが、信号REVも光配線モジュールによって伝送されてもよい。
【0144】
[実施の形態6]
図24は、実施の形態6に係る電子機器の概略的構成を示した図である。図1および図24を参照して、電子機器100Eの基本的な構成は、電子機器100の構成と同様である。ただし、表示パネル5Aを駆動するためのドライバ5Bは、メモリ5Cを含む。この点において、電子機器100Eは電子機器100と異なる。
【0145】
図24に示された構成では、電子機器100Eは、実施の形態1に係るデータ伝送システム50を備える。ただし、電子機器100Eはデータ伝送システム50に代えて、上記のデータ伝送システム50A〜50Dのいずれか1つを備えることもできる。
【0146】
メモリ5Cは、送信部1から伝送された1フレームの画像に対応するデータを記憶する。メモリ5Cは、たとえばフレームメモリである。なお、メモリ5Cは、ドライバ5Bとは独立に表示装置5の内部に設けられていてもよい。ドライバ5Bが表示パネル5Aに表示された画像を再描画する(リフレッシュする)場合には、メモリ5Cに記憶された画像データが使用される。一方、ドライバ5Bが表示パネル5Aに表示された画像を新しい画像に変更する場合には、その新しい画像に対応する画像データ信号が送信部1から送信される。
【0147】
図25は、リフレッシュレートおよびフレームレートを説明するための図である。図24および図25を参照して、周期Trは、メモリ5Cからドライバ5Bに画像データが伝送される周期を示す。リフレッシュレートは、周期Trの逆数である。周期Tfは、送信部1からメモリ5Cに画像データが伝送される周期を示す。フレームレートは周期Tfの逆数である。
【0148】
一般に、リフレッシュレートはフレームレートの整数倍である。表示画像が変更されない間は、リフレッシュレートに従って、メモリ5Cからドライバ5Bに画像データが伝送される。このため、実施の形態6によれば、送信部1がリフレッシュレートに従って画像データ信号を送信する場合に比較して送信部1の消費電力を低減することができる。
【0149】
[実施の形態7]
図26は、実施の形態7に係る電子機器の概略的構成を示した図である。図1および図26を参照して、電子機器100Fは、表示装置5に代えてカメラ6を備える点において電子機器100と異なる。データ伝送システム50Fは、カメラ6からの画像データを伝送する点において、実施の形態1に係るデータ伝送システム50と異なる。
【0150】
カメラ6は、所定のフレームレート(たとえば60fps)で画像を取得する。データ伝送システム50Fは、カメラ6が取得した1フレームの画像を画像データ信号として送信するとともに、制御信号を送信する送信部1と、そのデータ信号および制御信号を受信する受信部2と、画像データ信号および制御信号が伝送される配線部3とを備える。送信部1は、クロック信号CLK、データ信号D0〜Dn、水平同期信号H−sync、垂直同期信号V−sync、およびデータイネーブル信号ENBを送信する。さらに、送信部1は、受信部2から信号REVを受信する。
【0151】
受信部2は、クロック信号CLK、データ信号D0〜Dn、水平同期信号H−sync、垂直同期信号V−sync、およびデータイネーブル信号ENBを制御部4に送信する。制御部4は、これらの信号に基づいて、たとえば1フレームの画像を形成するための画像データを生成する。
【0152】
送信部1による画像データ信号および制御信号の送信処理は、実施の形態1〜実施の形態3のいずれかの形態に係る処理と同様の処理である。さらに、各実施の形態に従う処理を適宜組み合わせることもできる。さらに、配線部3に代えて配線部3A〜3Cのいずれかをデータ伝送システム50Fに適用することもできる。
【0153】
なお、この実施の形態では、送信部1がマスターであり受信部2がスレーブとなる。すなわち受信部2は、送信部1から送られる画像データ信号および制御信号を受動的に受信する。ただし、受信部2がマスターであり送信部1がスレーブであってもよい。すなわち実施の形態1〜実施の形態3のいずれかの形態に係る処理に従って送信部1が画像データ信号および制御信号を送信するように、受信部2が送信部1を制御してもよい。
【0154】
実施の形態7によれば、1フレーム伝送期間における送信部1の消費電力を低減することができる。さらに実施の形態7によれば、1フレーム伝送期間におけるカメラ6の消費電力を低減することができる。
【0155】
[実施の形態8]
図27は、実施の形態8に係る電子機器の概略的構成を示した図である。図1および図27を参照して、電子機器100Gは、無線通信部8を備える点において電子機器100と異なる。無線通信部8は、受信部2から1フレームの画像の各ラインに対応する画像データ信号を受けるとともに、その画像データ信号に基づいて、1フレームの画像に対応する画像データを無線信号として送信する。
【0156】
図28は、実施の形態8に係る電子機器の他の構成を示した図である。図27および図28を参照して、電子機器100Hは、無線通信部8が送信部1に接続される点において電子機器100Gと異なる。図28に示された構成によれば、無線通信部8は、1フレームの画像に対応する画像データを無線信号として受信するとともに、その画像の各ラインに対応する画像データ信号を送信部1に出力する。
【0157】
なお、電子機器100Gおよび100Hは、データ伝送システム50に代えて、上記のデータ伝送システム50A〜50Dのいずれか1つを備えることもできる。図示されていないが、電子機器100Gおよび100Hは、表示装置5および/またはカメラ6をさらに備えていてもよい。さらに、電子機器100Gおよび100Hは、送信部1あるいは受信部2に対して画像データ信号を授受する制御部4を備えていてもよい。
【0158】
実施の形態8によれば、1フレーム伝送期間における送信部1の消費電力を低減することができる。さらに実施の形態7によれば、1フレーム伝送期間における無線通信部の消費電力を低減することができる。
【0159】
<適用例>
本発明が適用可能な電子機器は、画像データを伝送するためのシステムを有する機器であれば特に限定されるものではない。近年では、電子機器の種類を問わず、その機器の消費電力を低減することが求められる。本発明を、画像データを伝送するためのシステムを有する機器に搭載することで、その機器の消費電力を低減することができる。
【0160】
本発明に係る電子機器の好適な例として、携帯端末機器を挙げることができる。携帯端末機器の動作時間とその機器の消費電力とは密接に関連する。携帯端末機器に本発明を適用することで、携帯端末機器の動作時間を延ばす効果が高められる。以下では、本発明の実施形態に係る電子機器の一例として、携帯電話を示す。
【0161】
図29は、本発明の実施形態に係る電子機器の一例である携帯電話の正面方向からの斜視図である。図29を参照して、電子機器100は、折り畳み式の携帯電話機である。この携帯電話は、本体部102と、本体部102の一端に設けられたヒンジ部101と、ヒンジ部101を回転軸として回転可能に設けられた蓋部103とを備える。本体部102は、携帯電話を操作するための操作キー104を備える。蓋部103は、表示パネル5Aを備えるとともに、その内部にドライバ5B(図示せず)を備えている。なお、電子機器100A〜100Hのいずれも図29に示される携帯電話として実現可能である。また、図29に示されていないが、携帯電話は、実施の形態8に係る無線通信部8を備えている。
【0162】
図30は、図29に示されたヒンジ部101およびその周辺部分の透視平面図である。図29および図30を参照して、本体部102の内部には、送信部1が実装される。一方、蓋部103の内部には、受信部2が実装される。送信部1と受信部2とは配線部3によって接続される。配線部3は、可撓性を有する。送信部1、受信部2および配線部3によってデータ伝送システム50が構成される。
【0163】
なお、データ伝送システム50に代えてデータ伝送システム50A〜50Cのいずれかが電子機器に搭載されてもよい。特に、光配線モジュールを含む配線部3Cを備えることによって、画像データ信号を高速に伝送することができる。さらに信号のノイズ耐性が高まるため、画像データ信号の伝送の信頼性を高めることもできる。
【0164】
図31は、図29に示した携帯電話の背面方向からの斜視図である。図29を参照して、携帯電話(電子機器100,100A〜100H)の蓋部103にカメラ6が設けられる。ただしカメラ6の位置は特に限定されるものではない。カメラ6は画像を取得するとともに画像データを出力する。したがって、カメラ6からの画像データの送信のために、本発明の実施の形態に係るデータ伝送システム(たとえば実施の形態7に係るデータ伝送システム50F)を適用することができる。
【0165】
なお、上記の実施の形態において、表示装置は液晶表示装置である。ただし表示装置は液晶表示装置に限定されず、たとえば有機EL(electroluminescence)ディスプレイを本発明の実施の形態に適用できる。同様に、カメラの種類も限定されず、たとえばCCDカメラ、CMOSカメラ等を本発明の実施の形態に適用できる。
【0166】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0167】
1 送信部、2 受信部、3,3A〜3C 配線部、4 制御部、5 表示装置、5A 表示パネル、5B ドライバ、5C メモリ、6 カメラ、8 無線通信部、11 クロック生成部、12 クロック送信部、13 画像データ信号送信部、14 制御信号送信部、15 送信制御部、16 信号受信部、21,21A,21B,21C,22,22A,22B,23A 領域、31 トランスミッタ、32 レシーバ、33 差動伝送線路、35A 光配線モジュール、35B 電気配線部、36 光送信部、36A 駆動回路、36B 光源、37 光受信部、37A 増幅器、37B 受光部、38 光配線、38A コア部、38B クラッド部、50,50A〜50F データ伝送システム、100,100A〜100H 電子機器、101 ヒンジ部、102 本体部、103 蓋部、104 操作キー、CLK,CLKa,CLKb クロック信号、CN1,CN2 コネクタ、D0〜Dn データ信号、ENB データイネーブル信号、H−sync 水平同期信号、HBL1,HBL2 水平ブランキング期間、HFP 水平フロントポーチ期間、REV 信号、Ta,Tb,Tf,Tr 周期、V−sync 垂直同期信号、VBL1,VBL2 垂直ブランキング期間、VFP 垂直フロントポーチ、VSA 垂直走査方向同期期間。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1フレームの画像が所定の単位で分割されることで生成された複数のデータ信号と、前記データ信号に基づく予め定められた処理が実行されるタイミングを制御するための制御信号とを出力する送信部と、
前記データ信号および前記制御信号を受信する受信部と、
前記送信部からの前記データ信号および前記制御信号を前記受信部に伝送するための配線部とを備え、
前記送信部は、前記所定の単位の個数と前記所定の単位の伝送期間との積によって定義される、前記1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間内に、前記複数のデータ信号を順次出力し、前記データ信号が非出力とされる第1および第2の期間のうちの前記第1の期間に前記制御信号を出力し、
前記第1の期間は、前記予め定められた伝送期間のうちの、前記データ信号を含まない前記所定の単位の伝送時間の合計に等しい期間であり、
前記第1の期間を前記送信部のスリープモード期間と定義すると、
前記予め定められた伝送期間に対する前記スリープモード期間の割合が、前記予め定められた伝送期間に対する、前記制御信号の伝送期間および前記制御信号の伝送のためのマージン期間の合計の割合よりも大きくなるように、前記スリープモード期間が設定される、画像データ伝送システム。
【請求項2】
1フレームの画像が所定の単位で分割されることで生成された複数のデータ信号と、前記データ信号に基づく予め定められた処理が実行されるタイミングを制御するための制御信号とを出力する送信部と、
前記データ信号および前記制御信号を受信する受信部と、
前記送信部からの前記データ信号および前記制御信号を前記受信部に伝送するための配線部とを備え、
前記送信部は、前記所定の単位の個数と前記所定の単位の伝送期間との積によって定義される、前記1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間内に、前記複数のデータ信号を順次出力し、前記データ信号が非出力とされる第1および第2の期間のうちの前記第2の期間に前記制御信号を出力し、
前記第1の期間は、前記予め定められた伝送期間のうちの、前記データ信号を含まない前記所定の単位の伝送時間の合計に等しい期間であり、
前記第2の期間は、前記予め定められた伝送期間のうちの、前記データ信号を含む前記所定の単位の伝送期間から前記データ信号の伝送期間を差し引いた差分の時間の合計に等しい期間であり、
前記第2の期間を前記送信部のスリープモード期間と定義すると、
前記予め定められた伝送期間に対する前記スリープモード期間の割合が、前記予め定められた伝送期間に対する、前記制御信号の伝送期間および前記制御信号の伝送のためのマージン期間の合計の割合よりも大きくなるように、前記スリープモード期間が設定される、画像データ伝送システム。
【請求項3】
前記送信部は、前記第1および第2の期間の両方において前記制御信号を出力し、
前記第1および第2の期間を前記スリープモード期間と定義すると、
前記予め定められた伝送期間に対する前記スリープモード期間の割合が、前記予め定められた伝送期間に対する、前記制御信号の伝送期間および前記制御信号の伝送のためのマージン期間の合計の割合よりも大きくなるように、前記スリープモード期間が設定される、請求項1または2に記載の画像データ伝送システム。
【請求項4】
前記第1の期間に伝送される前記制御信号は、垂直同期信号を含み、
前記垂直同期信号の伝送期間と前記垂直同期信号の伝送のための前記マージン期間との和は、前記予め定められた伝送期間の20%以下である、請求項1または3に記載の画像データ伝送システム。
【請求項5】
前記第2の期間に伝送される前記制御信号は、水平同期信号を含み、
前記水平同期信号の伝送のための前記マージン期間は、前記水平同期信号の伝送期間の10倍以下である、請求項2または3に記載の画像データ伝送システム。
【請求項6】
1フレームの画像が所定の単位で分割されることで生成された複数のデータ信号と、前記データ信号に基づく予め定められた処理が実行されるタイミングを制御するための制御信号とを出力する送信部と、
前記データ信号および前記制御信号を受信する受信部と、
前記送信部からの前記データ信号および前記制御信号を前記受信部に伝送するための配線部とを備え、
前記送信部は、前記1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間内に前記複数のデータ信号を順次出力するための第1および第2の伝送モードを有する一方、前記データ信号の出力を停止する場合には、前記データ信号の出力時に比較して前記送信部の消費電力が小さくなるスリープモードに移行し、
前記送信部は、前記第2の伝送モードにおいて、前記第1の伝送モードよりも、前記データ信号の伝送速度を大きくして、それにより前記送信部が前記スリープモードであるスリープモード期間の前記予め定められた伝送期間に対する割合を、前記第1の伝送モードにおける前記割合より大きくする、画像データ伝送システム。
【請求項7】
前記送信部の伝送速度が第1の速度から第2の速度に増加したときにおける前記送信部の消費電力の増加率は、前記第1の速度に対する前記第2の速度の比の1倍以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像データ伝送システム。
【請求項8】
前記送信部は、前記スリープモード期間の間に、前記データ信号および前記制御信号の両方が非伝送となる期間を設定する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像データ伝送システム。
【請求項9】
前記所定の単位は、1ラインであって、
前記1ラインに対応する伝送期間と、前記スリープモード期間とは、前記送信部で用いられるクロック信号の周期の整数倍である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像データ伝送システム。
【請求項10】
前記配線部は、前記データ信号および前記制御信号のうちの少なくとも前記データ信号を、差動シリアル伝送方式に従って伝送するように構成された信号配線を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像データ伝送システム。
【請求項11】
前記配線部は、
前記データ信号および前記制御信号のうちの少なくとも前記データ信号を、光信号の形態で伝送する光配線モジュールを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像データ伝送システム。
【請求項12】
前記光配線モジュールの1レーンあたりの伝送速度は、500Mbps以上である、請求項11に記載の画像データ伝送システム。
【請求項13】
前記受信部は、表示装置に前記データ信号および前記制御信号を出力し、
前記予め定められた処理は、前記表示装置による、前記1フレームの画像の表示処理である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の画像データ伝送システム。
【請求項14】
前記表示装置は、メモリを含み、
前記メモリは、前記データ信号に対応する前記1フレームの画像のデータを記憶する、請求項13に記載の画像データ伝送システム。
【請求項15】
前記送信部は、カメラによって取得された画像に対応する前記データ信号を送信する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の画像データ伝送システム。
【請求項16】
前記送信部は、無線通信部によって受信された前記1フレームの画像に対応するデータを、前記データ信号として送信する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の画像データ伝送システム。
【請求項17】
前記受信部は、前記データ信号を無線通信部に出力し、
前記無線通信部は、前記データ信号を無線によって送信する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の画像データ伝送システム。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の画像データ伝送システムを備える、電子機器。
【請求項19】
前記電子機器は、携帯端末機器である、請求項18に記載の電子機器。
【請求項1】
1フレームの画像が所定の単位で分割されることで生成された複数のデータ信号と、前記データ信号に基づく予め定められた処理が実行されるタイミングを制御するための制御信号とを出力する送信部と、
前記データ信号および前記制御信号を受信する受信部と、
前記送信部からの前記データ信号および前記制御信号を前記受信部に伝送するための配線部とを備え、
前記送信部は、前記所定の単位の個数と前記所定の単位の伝送期間との積によって定義される、前記1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間内に、前記複数のデータ信号を順次出力し、前記データ信号が非出力とされる第1および第2の期間のうちの前記第1の期間に前記制御信号を出力し、
前記第1の期間は、前記予め定められた伝送期間のうちの、前記データ信号を含まない前記所定の単位の伝送時間の合計に等しい期間であり、
前記第1の期間を前記送信部のスリープモード期間と定義すると、
前記予め定められた伝送期間に対する前記スリープモード期間の割合が、前記予め定められた伝送期間に対する、前記制御信号の伝送期間および前記制御信号の伝送のためのマージン期間の合計の割合よりも大きくなるように、前記スリープモード期間が設定される、画像データ伝送システム。
【請求項2】
1フレームの画像が所定の単位で分割されることで生成された複数のデータ信号と、前記データ信号に基づく予め定められた処理が実行されるタイミングを制御するための制御信号とを出力する送信部と、
前記データ信号および前記制御信号を受信する受信部と、
前記送信部からの前記データ信号および前記制御信号を前記受信部に伝送するための配線部とを備え、
前記送信部は、前記所定の単位の個数と前記所定の単位の伝送期間との積によって定義される、前記1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間内に、前記複数のデータ信号を順次出力し、前記データ信号が非出力とされる第1および第2の期間のうちの前記第2の期間に前記制御信号を出力し、
前記第1の期間は、前記予め定められた伝送期間のうちの、前記データ信号を含まない前記所定の単位の伝送時間の合計に等しい期間であり、
前記第2の期間は、前記予め定められた伝送期間のうちの、前記データ信号を含む前記所定の単位の伝送期間から前記データ信号の伝送期間を差し引いた差分の時間の合計に等しい期間であり、
前記第2の期間を前記送信部のスリープモード期間と定義すると、
前記予め定められた伝送期間に対する前記スリープモード期間の割合が、前記予め定められた伝送期間に対する、前記制御信号の伝送期間および前記制御信号の伝送のためのマージン期間の合計の割合よりも大きくなるように、前記スリープモード期間が設定される、画像データ伝送システム。
【請求項3】
前記送信部は、前記第1および第2の期間の両方において前記制御信号を出力し、
前記第1および第2の期間を前記スリープモード期間と定義すると、
前記予め定められた伝送期間に対する前記スリープモード期間の割合が、前記予め定められた伝送期間に対する、前記制御信号の伝送期間および前記制御信号の伝送のためのマージン期間の合計の割合よりも大きくなるように、前記スリープモード期間が設定される、請求項1または2に記載の画像データ伝送システム。
【請求項4】
前記第1の期間に伝送される前記制御信号は、垂直同期信号を含み、
前記垂直同期信号の伝送期間と前記垂直同期信号の伝送のための前記マージン期間との和は、前記予め定められた伝送期間の20%以下である、請求項1または3に記載の画像データ伝送システム。
【請求項5】
前記第2の期間に伝送される前記制御信号は、水平同期信号を含み、
前記水平同期信号の伝送のための前記マージン期間は、前記水平同期信号の伝送期間の10倍以下である、請求項2または3に記載の画像データ伝送システム。
【請求項6】
1フレームの画像が所定の単位で分割されることで生成された複数のデータ信号と、前記データ信号に基づく予め定められた処理が実行されるタイミングを制御するための制御信号とを出力する送信部と、
前記データ信号および前記制御信号を受信する受信部と、
前記送信部からの前記データ信号および前記制御信号を前記受信部に伝送するための配線部とを備え、
前記送信部は、前記1フレームの画像の伝送のための予め定められた伝送期間内に前記複数のデータ信号を順次出力するための第1および第2の伝送モードを有する一方、前記データ信号の出力を停止する場合には、前記データ信号の出力時に比較して前記送信部の消費電力が小さくなるスリープモードに移行し、
前記送信部は、前記第2の伝送モードにおいて、前記第1の伝送モードよりも、前記データ信号の伝送速度を大きくして、それにより前記送信部が前記スリープモードであるスリープモード期間の前記予め定められた伝送期間に対する割合を、前記第1の伝送モードにおける前記割合より大きくする、画像データ伝送システム。
【請求項7】
前記送信部の伝送速度が第1の速度から第2の速度に増加したときにおける前記送信部の消費電力の増加率は、前記第1の速度に対する前記第2の速度の比の1倍以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像データ伝送システム。
【請求項8】
前記送信部は、前記スリープモード期間の間に、前記データ信号および前記制御信号の両方が非伝送となる期間を設定する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像データ伝送システム。
【請求項9】
前記所定の単位は、1ラインであって、
前記1ラインに対応する伝送期間と、前記スリープモード期間とは、前記送信部で用いられるクロック信号の周期の整数倍である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像データ伝送システム。
【請求項10】
前記配線部は、前記データ信号および前記制御信号のうちの少なくとも前記データ信号を、差動シリアル伝送方式に従って伝送するように構成された信号配線を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像データ伝送システム。
【請求項11】
前記配線部は、
前記データ信号および前記制御信号のうちの少なくとも前記データ信号を、光信号の形態で伝送する光配線モジュールを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像データ伝送システム。
【請求項12】
前記光配線モジュールの1レーンあたりの伝送速度は、500Mbps以上である、請求項11に記載の画像データ伝送システム。
【請求項13】
前記受信部は、表示装置に前記データ信号および前記制御信号を出力し、
前記予め定められた処理は、前記表示装置による、前記1フレームの画像の表示処理である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の画像データ伝送システム。
【請求項14】
前記表示装置は、メモリを含み、
前記メモリは、前記データ信号に対応する前記1フレームの画像のデータを記憶する、請求項13に記載の画像データ伝送システム。
【請求項15】
前記送信部は、カメラによって取得された画像に対応する前記データ信号を送信する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の画像データ伝送システム。
【請求項16】
前記送信部は、無線通信部によって受信された前記1フレームの画像に対応するデータを、前記データ信号として送信する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の画像データ伝送システム。
【請求項17】
前記受信部は、前記データ信号を無線通信部に出力し、
前記無線通信部は、前記データ信号を無線によって送信する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の画像データ伝送システム。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の画像データ伝送システムを備える、電子機器。
【請求項19】
前記電子機器は、携帯端末機器である、請求項18に記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2012−63688(P2012−63688A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209393(P2010−209393)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【特許番号】特許第4888591号(P4888591)
【特許公報発行日】平成24年2月29日(2012.2.29)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【特許番号】特許第4888591号(P4888591)
【特許公報発行日】平成24年2月29日(2012.2.29)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
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