説明

画像入出力装置

【課題】 異物避けカバーが取り付けられている位置から原稿台までの距離が長くても筐体後方に落下した原稿の取り出しが容易な画像入出力装置を提供する。
【解決手段】 本発明の画像入出力装置は、原稿台に載置される原稿を押さえる原稿カバーと、給紙口の下端から突出するように設けられ印刷媒体を保持する用紙台と、原稿カバーの揺動軸線と給紙口との間から斜め上方に突出するように設けられ用紙台の給紙口近傍の上方を覆う異物避けカバーと、異物避けカバーから延びる原稿落下防止カバーであって、開姿勢にあるときの原稿カバーの押さえ面と同一の平面に交差して延び、原稿カバーを開いたとき原稿が当該原稿落下防止カバーより下方に落下することを防止する原稿落下防止カバーと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像入出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像の読み取りと画像の印刷とが可能な画像入出力装置として、画像読み取り手段としてのイメージスキャナと印刷手段としてのプリンタとを一体化した所謂複合機が知られている。こうした複合機の中には、給紙口が原稿カバーの揺動軸線の下方に形成されているものが知られている。このような複合機の場合、異物避けカバーを設けると、異物が給紙口から筐体内に入り込んで故障の原因となることを防止できる(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−104389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、原稿を読み取った後に原稿カバーを開くと、原稿が原稿カバーに吸着して持ち上がり、その後、重力により原稿カバーの押さえ面に沿って下方にスライドし、筐体の後方に落下してしまうことがある。筐体の後方に落下してしまった原稿は取り出し難く、特にサイズの小さい原稿の場合は原稿全体が完全に筐体後方に隠れてしまうので取り出し難い。
【0004】
特許文献1に記載の複合機のように異物避けカバーを備えている場合、原稿は異物避けカバーで受け止められ異物避けカバーより下方には落下しない。しかしながら、異物避けカバーの取り付け位置が設置面に近いと原稿の落下方向先端は設置面近傍まで落下してしまい、異物避けカバーがあっても原稿の取り出し難さはさして改善されない。異物避けカバーの取り付け位置を高くできればよいが、設計上の制約によりそれができない場合もある。
【0005】
本発明は上記問題を解決するために創作されたものであって、異物避けカバーが取り付けられている位置から原稿台までの距離が長くても筐体後方に落下した原稿の取り出しが容易な画像入出力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像入出力装置は、原稿を載置するための原稿台を有する筐体と、前記筐体に揺動可能に連結され、前記原稿台に載置される原稿を押さえる原稿カバーと、前記原稿台に載置された原稿を読み取ってディジタル画像を出力する画像読み取り手段と、印刷媒体に画像を印刷する印刷手段と、前記原稿カバーの揺動軸線の下方で前記筐体に設けられる給紙口であって前記印刷手段に印刷媒体を供給するための給紙口と、前記給紙口の下端から突出するように設けられ、前記印刷媒体を保持する用紙台と、前記原稿カバーの揺動軸線と前記給紙口との間から斜め上方に突出するように設けられ、前記用紙台の前記給紙口近傍の上方を覆う異物避けカバーと、前記異物避けカバーから延びる原稿落下防止カバーであって、開姿勢にあるときの前記原稿カバーの押さえ面と同一の平面に交差して延び、前記原稿カバーを開いたとき前記原稿が当該原稿落下防止カバーより下方に落下することを防止する原稿落下防止カバーと、を備える。原稿落下防止カバーは異物避けカバーから開姿勢にあるときの原稿カバーの押さえ面と同一の平面に交差して延びるため、原稿カバーを開姿勢にしたとき持ち上げられて押さえ面に沿って下方にスライドした原稿は、原稿落下防止カバーに受け止められる。これにより原稿が原稿落下防止カバーより下方に落下することを防止できる。従って、異物避けカバーが取り付けられている位置から原稿台までの距離が長くても、その距離に比べて原稿が原稿台より下方に落下する距離は短く、原稿が落下しても取り出しが容易である。よってこの画像入出力装置によると、異物避けカバーが取り付けられている位置から原稿台までの距離が長くても筐体後方に落下した原稿の取り出しが容易である。
【0007】
さらに本発明に係る画像入出力装置では、前記原稿落下防止カバーは、略板状に形成されている。この画像入出力装置によると、小さなサイズの原稿についても原稿落下防止カバーより下方に落下することを防止できる。
さらに本発明に係る画像入出力装置では、前記異物避けカバーは、前記筐体に揺動可能に連結されている。この画像入出力装置によると、異物避けカバーを反用紙台側に揺動することにより用紙台の上方が広く開放され、用紙台に印刷媒体を載置する作業が容易になる。
【0008】
さらに本発明に係る画像入出力装置では、前記原稿落下防止カバーは、前記異物避けカバーに揺動可能に連結されている。このため、異物避けカバーを反用紙台側に揺動すると原稿落下防止カバーが筐体に当接して揺動され、異物避けカバーの反用紙台側への揺動が原稿落下防止カバーによって阻止されることを防止できる。従って、筐体に原稿落下防止カバーが移動するための空間を確保することなく異物避けカバーを揺動できる。
【0009】
さらに本発明に係る画像入出力装置では、前記原稿落下防止カバーは、先端部が前記筐体の上面に当接して支持される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明する。
図1〜図4は、本発明の一実施例に係る画像入出力装置としての複合機1の斜視図である。図1に示すように複合機1の筐体はスキャナ部23(図5参照)を収容するスキャナユニット11とプリンタ部18(図5参照)を収容するプリンタユニット12とで構成されており、スキャナユニット11はプリンタユニット12にヒンジにより揺動可能に連結されている。
【0011】
原稿カバー13は、ヒンジにより原稿台14の盤面を開放する姿勢から原稿台14の盤面を覆う姿勢に揺動可能にスキャナユニット11に連結されている。原稿カバー13は概ね原稿台14と同形状の原稿マット15を有しており、原稿台14の盤面に載置される原稿を原稿マット15によって押さえるとともに、光源33(図6参照)の放射光以外の光が原稿を照らすことがないよう原稿台14を覆うものである。原稿カバー13は図示するように揺動軸線80側の縁の両端から揺動軸線80側に突出する腕部16を備えており、腕部16の先端がヒンジでスキャナユニット11に連結されている。このため、原稿カバー13を開いたとき原稿は2つの腕部16の間を通り抜けて筐体後方へ落下する可能性がある。腕部16を設けない場合であっても、原稿カバー13を開いたときに原稿カバー13とスキャナユニット11との間に原稿が通り抜けることのできる隙間が生じる場合は原稿が筐体後方に落下する可能性がある。
【0012】
図5は、複合機1の模式図である。なお、図5では理解を容易にするため腕部16を省略して示している。
給紙口17は、原稿カバー13の揺動軸線80(図1参照)の下方でプリンタユニット12の側壁に設けられている開口である。プリンタ部18が画像を印刷する印刷媒体は給紙口17から供給される。
用紙台19は、給紙口17を形成する開口部の下端から斜め上方に突出して設けられている。用紙台19は給紙口17から供給する紙等の印刷媒体を傾斜させて保持し、保持されている印刷用紙は図示しない給紙機構によって一枚づつプリンタ部18に搬送される。
【0013】
異物避けカバー20は、略板状に形成されており、原稿カバー13の揺動軸線80(図1参照)と給紙口17との間でプリンタユニット12に揺動可能に設けられている。異物避けカバー20は図示するように斜め上方に突出する姿勢になったときプリンタユニット12に設けられている図示しない当接部に当接してそれ以上の用紙台19側への揺動が規制される。図示するように異物避けカバー20が斜め上方に突出する姿勢になったとき、用紙台19の給紙口17近傍の上方は異物避けカバー20によって覆われる。ここで用紙台19の給紙口17近傍とは、用紙台19において原稿カバー13から異物が落下してくる範囲に相当する。用紙台19に印刷媒体を載置するとき、異物避けカバー20を図示する姿勢から反用紙台19側に揺動すると用紙台19の上方が広く開放されるため、ユーザは用紙台19に印刷媒体を載置する作業が容易である。なお、本実施例では異物避けカバー20をプリンタユニット12に揺動可能に連結しているが、揺動不能に設けてもよい。また、異物避けカバー20は必ずしもプリンタユニット12に設ける必要はなく、スキャナユニット11に設けてもよい。
【0014】
異物受け溝21は、異物避けカバー20の揺動軸線と給紙口17との間に異物避けカバー20の揺動軸線に沿ってプリンタユニット12に溝状に設けられている。異物避けカバー20の上面に落ちてきた異物は異物避けカバー20に案内されて異物受け溝21で受けられる。
原稿落下防止カバー22は、概ね長方形の板状に形成されている。原稿落下防止カバー22には紙面に垂直な方向の両端部から突出する円柱状の軸部が一体形成されている。異物避けカバー20の図5において上を向く面側には図示しない軸受け部が設けられており、原稿落下防止カバー22は軸部が異物避けカバー20の軸受け部に軸支されることで異物避けカバー20に揺動可能に連結されている。なお、本実施例では原稿落下防止カバー22を異物避けカバー20に揺動可能に連結しているが、揺動不能に連結してもよい。原稿落下防止カバー22は、軸部が異物避けカバー20に軸支され、先端部22aがスキャナユニット11に当接して支持されることによって図示する姿勢で係止される。この姿勢は、異物避けカバー20の反用紙台19側の面20aから、開姿勢にあるときの原稿カバー13の押さえ面と同一の平面75に交差して延びる姿勢である。原稿カバー13の押さえ面とは、本実施例では原稿マット15の面15aに相当する。原稿落下防止カバー22の先端部22aをスキャナユニット11に当接させると、原稿落下防止カバー22を前述した姿勢で係止するための構造を簡素にできる。なお、原稿落下防止カバー22をスキャナユニット11に当接させず、先端部22aがスキャナユニット11から浮いている状態であってもよい。
【0015】
図6は複合機1の構成を示す模式図であり、図7は複合機1を示すブロック図である。
画像読み取り手段としてのスキャナ部23は、リニアイメージセンサ30、光学系32、第一主走査駆動部36(図7参照)、第一副走査駆動部37(図7参照)、AFE(Analog Front End)部41(図7参照)及びディジタル画像処理部42(図7参照)などを備え、スキャナユニット11に収容されている。
【0016】
光学系32は、光源33、ミラー34、レンズ35などで構成されている。光源33、ミラー34及びレンズ35はキャリッジ31に搭載されている。光源33は蛍光管ランプ等の管照明装置から構成されており、ミラー34及びレンズ35は光源33に照射された原稿の走査線上の反射光像をリニアイメージセンサ30に結像させる。尚、光源33の位置を変えて原稿の透過光像をリニアイメージセンサ30に結像させるようにしてもよい。
【0017】
リニアイメージセンサ30は、RGB各色の受光素子が図6において紙面垂直方向に直線状に並ぶ姿勢でキャリッジ31に搭載されている。リニアイメージセンサ30は、光学系32により結像される走査線上の光学像を走査し、その光学像の濃淡に相関する電気信号を出力する。
第一主走査駆動部36(図7参照)は、リニアイメージセンサ30を駆動するために必要な駆動パルスをリニアイメージセンサ30に出力する駆動回路である。第一主走査駆動部36は、例えば同期信号発生器、駆動用タイミングジェネレータ等から構成される。
【0018】
第一副走査駆動部37(図7参照)は、走査線の長手方向軸に垂直に架設されキャリッジ31を摺動可能に保持する摺動軸38、キャリッジモータ39、駆動ベルト40、駆動回路などを備えている。キャリッジモータ39がキャリッジ31を駆動ベルト40で牽引することでリニアイメージセンサ30と原稿Mとが走査線に垂直な方向W(副走査方向)に相対移動するため、二次元画像の走査が可能となる。
【0019】
AFE部41(図7参照)は、アナログ信号処理部、A/D変換器等から構成される。アナログ信号処理部はリニアイメージセンサ30から出力された電気信号に対して増幅、雑音低減処理等のアナログ信号処理を施して出力する。A/D変換器はアナログ信号処理部から出力された電気信号を所定ビット長のディジタル表現の出力信号に量子化して出力する。
【0020】
ディジタル画像処理部42(図7参照)は、AFE部41から出力された出力信号に対し、ガンマ補正、画素補間法による欠陥画素の補間、シェーディング補正、画像信号の鮮鋭化等の処理を行ってディジタル画像を作成する。尚、ディジタル画像処理部42で施す上記各種の処理は、制御部56で実行するコンピュータプログラムによる処理に置き換えてもよい。
【0021】
印刷手段としてのプリンタ部18は、記録ヘッド43、ヘッド駆動部48(図7参照)、第二主走査駆動部49(図7参照)及び第二副走査駆動部54(図7参照)などを備え、プリンタユニット12に収容されている。尚、本実施例ではインクジェット方式により印刷を行う場合を例に説明するが、レーザー方式やドットインパクト方式などで印刷を行うものであってもよい。
【0022】
記録ヘッド43はキャリッジ44に設けられ、インクを吐出するノズル45、ピエゾ素子46、インク通路47、図示しないインクカートリッジなどを備える。ピエゾ素子46はインクを導くインク通路47の側壁に接する位置に設けられ、駆動電圧が印加されると急速に伸長してインク通路47の側壁を変形させる。インク通路47の体積はピエゾ素子46の伸張に応じて収縮し、その収縮分に相当するインクがノズル45から高速に吐出される。これにより記録ヘッド43は印刷媒体に画像を印刷する。
【0023】
ヘッド駆動部48(図7参照)は、制御部56から出力された印刷信号に基づいて駆動電圧をピエゾ素子46に印加する回路である。
第二主走査駆動部49(図7参照)は、プラテン50の軸と平行に架設されキャリッジ44を摺動可能に保持する摺動軸51、キャリッジモータ52、駆動ベルト53、駆動回路などを備える。キャリッジモータ52がキャリッジ44を駆動ベルト53で牽引することで記録ヘッド43が摺動軸51(主走査方向軸)の軸方向(主走査方向X)に往復移動する。
【0024】
第二副走査駆動部54(図7参照)は、紙送りモータ55、紙送りモータ55の回転をプラテン50と図示しない用紙搬送ローラとに伝達する歯車列、駆動回路などを備える。紙送りモータ55がプラテン50と図示しない用紙搬送ローラとを回転させることで、主走査方向軸に交差する図6において紙面に垂直な方向(副走査方向)に印刷用紙が移動する。
【0025】
図7に示す制御部56は、CPU57、ROM58及びRAM59を備えている。CPU57はROM58に記憶されたコンピュータプログラムを実行して複合機1の各部を制御する。ROM58はCPU57に各部を制御する処理を実行させるプログラム、各種のデータなどを記憶しているメモリであり、RAM59はプログラム、各種のデータなどを一時的に記憶するメモリである。制御部56はスキャナ部23としてもプリンタ部18としても機能する。
【0026】
次に、異物が給紙口17から筐体内に入り込むことを防止する作動について、図5に基づいて説明する。
例えばユーザがスキャナ部23に原稿を読み取らせるとき、原稿台14に原稿を載置した後で、原稿を挟んで止めていたクリップ70を原稿カバー13の上に置いたとする。原稿を読み取らせた後に原稿カバー13上にクリップ70を置いたままであるにもかかわらず不注意により原稿カバー13をそのまま開けてしまったとすると、クリップ70は原稿カバー13から滑り落ちる。クリップ70が原稿落下防止カバー22の上に落下せず異物避けカバー20の上に落ちたとすると、異物避けカバー20は斜め上方に突出する姿勢で係止されているため、クリップ70は異物避けカバー20の上を滑り落ちて異物受け溝21で受けられる。これにより異物が給紙口17から筐体内に入り込むことが防止される。
【0027】
前述したように本実施例の異物避けカバー20はスキャナユニット11ではなくプリンタユニット12に連結されている。このためスキャナユニット11に連結する場合に比べて連結位置が設置面に近い。このため仮に原稿落下防止カバー22がなかったとすると、原稿の落下方向先端は設置面に近いところまで落下してしまうことになる。すなわち、異物避けカバー20をスキャナユニット11ではなくプリンタユニット12に取り付けると、異物避けカバー20が取り付けられている位置から原稿台14までの距離が長くなり、従って原稿落下防止カバー22がなかったとすると原稿が原稿台14より下方に落下する距離が長くなる。落下した距離が長いほど原稿の取り出しが面倒なため、落下する距離が長いとユーザにとって操作性が悪い。異物避けカバー20をスキャナユニット11に取り付ける場合であっても、スキャナユニット11の高さ方向の幅が広い場合、設置面に近い高さに異物避けカバー20を取り付けると原稿台14までの距離が長くなるため同様である。
【0028】
次に、原稿落下防止カバー22が原稿の落下を防止する作動について説明する。
図8(A)、図8(B)、図9(C)、及び図9(D)は、原稿の落下を防止する作動を説明するための模式図である。なお、これらの図では理解を容易にするため原稿カバー13については原稿マット15だけを示している。
【0029】
図8(A)は、原稿カバー13を閉じた状態を示している。この状態は図2〜図4に示す状態と同じである。
図8(B)は、原稿台14を開放する姿勢にあるときの原稿カバー13、すなわち開いた状態の原稿カバー13を示している。原稿カバー13を開くと原稿Mが原稿カバー13に吸着して持ち上がり、その後、重力により、原稿カバー13の押さえ面15aに沿ってスライドするように筐体の後方に向かって斜めに落下する。図中の矢印は落下する方向を示している。原稿カバー13を開くと、結果として原稿落下防止カバー22は図示するように異物避けカバー20に軸支されている位置から原稿マット15の面15aと同一の面に向かって延び、同一の面に交差して更に延びる姿勢となる。すなわち、原稿カバー13の押さえ面と同一の平面に交差する姿勢となる。
【0030】
図9(C)は、落下した原稿Mが原稿落下防止カバー22に当接した状態を示している。原稿落下防止カバー22は原稿カバー13の押さえ面と同一の面に交差する姿勢で係止されているため、押さえ面に沿ってスライドする原稿Mは原稿落下防止カバー22に当接することになる。
図9(D)は、落下が止まって原稿Mの移動が異物避けカバー20によって止められた状態を示している。原稿Mは原稿落下防止カバー22に当接すると原稿落下防止カバー22の面に沿って方向を変え、異物避けカバー20に向かって原稿落下防止カバー22上を滑り落ちる。落ちた先には異物避けカバー20があるため、原稿Mは異物避けカバー20に当接して停止する。
【0031】
なお、本実施例では原稿落下防止カバー22を略板状に形成したが、原稿落下防止カバー22は原稿が下方に落下しなければ任意の形状であってよく、例えば揺動軸線80方向に間隔をおいて設けた複数の棒状の部材であってもよい。この場合、揺動軸方向の幅が当該間隔より広い原稿について落下を防止できる。ただしこの場合は揺動軸方向の幅が当該間隔より狭い原稿は落下してしまう。従って、原稿落下防止カバー22は略板状であることが望ましい。
【0032】
次に、異物避けカバー20を反用紙台19側に揺動したときの原稿落下防止カバー22の作動について説明する。
図10は、異物避けカバー20を揺動したときの原稿落下防止カバー22の作動を説明するための模式図である。原稿落下防止カバー22は異物避けカバー20に揺動可能に連結されているため、異物避けカバー20を反用紙台19側に揺動したとき筐体が原稿落下防止カバー22に当接して原稿落下防止カバー22を揺動する。このため、原稿落下防止カバー22に邪魔されることなく異物避けカバー20を反用紙台19側に揺動できる。従って、原稿落下防止カバー22が移動するための空間を筐体に確保することなく異物避けカバー20を揺動できる。
【0033】
また、スキャナユニット11はプリンタユニット12に揺動可能に連結されているため、原稿落下防止カバー22を異物避けカバー20に揺動可能に連結すると、スキャナユニット11を揺動したとき原稿落下防止カバー22も揺動する。従って原稿落下防止カバー22を備えてもスキャナユニット11を揺動できる。
【0034】
以上説明した本発明の一実施例に係る複合機1によると、原稿落下防止カバー22は開姿勢にあるときの原稿マット15の面15aと同一の平面に交差して延びるため、原稿カバー13を開姿勢にしたとき持ち上げられて面15aに沿って下方にスライドした原稿は、原稿落下防止カバー22に受け止められる。これにより原稿が原稿落下防止カバー22より下方に落下することを防止できる。従って、異物避けカバー20が取り付けられている位置から原稿台14までの距離が長くても、その距離に比べて原稿が原稿台14より下方に落下する距離は短く、原稿が落下しても取り出しが容易である。よって複合機1によると、異物避けカバー20が取り付けられている位置から原稿台14までの距離が長くても、筐体後方に落下した原稿の取り出しが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施例に係る画像入出力装置の斜視図。
【図2】本発明の一実施例に係る画像入出力装置の斜視図。
【図3】本発明の一実施例に係る画像入出力装置の斜視図。
【図4】本発明の一実施例に係る画像入出力装置の斜視図。
【図5】本発明の一実施例に係る画像入出力装置の模式図。
【図6】本発明の一実施例に係る画像入出力装置の模式図。
【図7】本発明の一実施例に係る画像入出力装置のブロック図。
【図8】本発明の一実施例に係る画像入出力装置の模式図。
【図9】本発明の一実施例に係る画像入出力装置の模式図。
【図10】本発明の一実施例に係る画像入出力装置の模式図。
【符号の説明】
【0036】
1 複合機(画像入出力装置)、11 スキャナユニット(筐体)、12 プリンタユニット(筐体)、13 原稿カバー、14 原稿台、17 給紙口、18 プリンタ部(印刷手段)、19 用紙台、20 異物避けカバー、22 原稿落下防止カバー、23 スキャナ部(画像読み取り手段)、56 制御部、70 クリップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を載置するための原稿台を有する筐体と、
前記筐体に揺動可能に連結され、前記原稿台に載置される原稿を押さえる原稿カバーと、
前記原稿台に載置された原稿を読み取ってディジタル画像を出力する画像読み取り手段と、
印刷媒体に画像を印刷する印刷手段と、
前記原稿カバーの揺動軸線の下方で前記筐体に設けられる給紙口であって前記印刷手段に印刷媒体を供給するための給紙口と、
前記給紙口の下端から突出するように設けられ、前記印刷媒体を保持する用紙台と、
前記原稿カバーの揺動軸線と前記給紙口との間から斜め上方に突出するように設けられ、前記用紙台の前記給紙口近傍の上方を覆う異物避けカバーと、
前記異物避けカバーから延びる原稿落下防止カバーであって、開姿勢にあるときの前記原稿カバーの押さえ面と同一の平面に交差して延び、前記原稿カバーを開いたとき前記原稿が当該原稿落下防止カバーより下方に落下することを防止する原稿落下防止カバーと、
を備えることを特徴とする画像入出力装置。
【請求項2】
前記原稿落下防止カバーは、略板状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像入出力装置。
【請求項3】
前記異物避けカバーは、前記筐体に揺動可能に連結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像入出力装置。
【請求項4】
前記原稿落下防止カバーは、前記異物避けカバーに揺動可能に連結されていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の画像入出力装置。
【請求項5】
前記原稿落下防止カバーは、先端部が前記筐体の上面に当接して支持されることを特徴とする請求項4に記載の画像入出力装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−13771(P2006−13771A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−186392(P2004−186392)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】