説明

画像処理システム、携帯端末、サーバー、および表示方法

【課題】画像処理装置の消耗品の状態を容易な操作で分かりやすく表示することができる画像処理システムを提供する。
【解決手段】サーバ300は、携帯端末200の位置および画像処理装置100の位置を取得して記憶している(#2)。そして、携帯端末から所定範囲内にある画像処理装置を特定し、特定された画像処理装置からの消耗品に関する情報が記憶されているときに(#3,4)、その消耗品に関する情報から携帯端末で消耗品を表わす画像を表示させるための情報を生成して送信する(#5)。携帯端末では、撮影画像に上記画像が合成されて表示される(#6)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像処理システム、携帯端末、サーバー、および表示方法に関し、特に、画像処理装置の消耗品に関連した情報を携帯端末に表示させるための画像処理システム、携帯端末、サーバー、および表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス環境などにおいて、コピー機、プリンター、これらの複合機であるMFP(Multi-Functional Peripherals)等の画像形成装置が広く用いられている。このような画像形成装置では、多数の消耗品が用いられている。
【0003】
そのような消耗品を管理する技術として、たとえば特開2010−117979号公報(以下、特許文献1)は、クライアント装置の配置場所や配置された部署を把握し、その配置情報を発注管理サーバーに通知することで、配置情報を発注情報に付加する発注システムを開示している。また、特開平8−152825号公報(以下、特許文献2)は、画像形成装置における消耗品の在庫データーおよび消耗品の使用データーを記憶し、使用データーに応じて在庫データーを更新し、消耗品の在庫データー、使用データーおよび配送予定日に基づいて、消耗品の適正在庫量を算出する、管理システムを開示している。
【0004】
消耗品は、装置の設置場所とは別に、倉庫等などで保管されている場合が多い。そのため、消耗品を持ち出す際に、その位置を探す必要がある。
【0005】
そこで、消耗品の位置をユーザーに通知する技術として、たとえば特開2006−221426号公報(以下、特許文献3)は、消耗品にICタグを取り付け、その消耗品を検知するためのセンサーが接続されたネットワークにおいて、接続されたプリンターに消耗品に関するエラーが発生すると自動的に未使用である消耗品の保管位置を検知して、ユーザーに通知するシステムを開示している。
【0006】
また、特開2004−206588号公報(以下、特許文献4)は、消耗品利用機器自身に管理機能を搭載し、他の装置と通信して自身の消耗品と互換性のある消耗品の所在位置を検出する管理装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−117979号公報
【特許文献2】特開平8−152825号公報
【特許文献3】特開2006−221426号公報
【特許文献4】特開2004−206588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、オフィス環境などにおいては、多数の種類の画像形成装置が用いられることが多く、また、画像形成装置の高機能化に伴って、1台の画像形成装置においても多数の種類の消耗品が使用されることが多い。つまり、倉庫等で保管される消耗品の種類は増加する一方である。そのため、このような消耗品の倉庫等における格納位置をデーターベース化することが難しくなる。それ故、たとえ上記特許文献に開示されている技術を利用したとしても、必要とする消耗品の倉庫等における格納位置を正確に知ることが難しい、という問題があった。
【0009】
さらに、複数種類の消耗品が倉庫等で保管される場合、それら消耗品が場所の区別なく保管されている場合がある。そういった場合には、上記特許文献に開示されている技術を利用して当該消耗品の保管場所を把握したとしても、その保管場所だけから必要な消耗品を特定することが難しい場合もある、という問題がある。
【0010】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、画像処理装置の消耗品の状態を容易な操作で分かりやすく表示することができ、さらに、消耗品の保管場所を携帯端末に分かりやすく表示することのできる画像処理システム、携帯端末、サーバー、および表示方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、画像処理システムは、撮影手段および表示手段を含む携帯端末と、画像処理装置と、携帯端末および画像処理装置と相互に通信可能なサーバーとを備える。画像処理装置は、当該画像処理装置で使用する消耗品の状態を検出するための検出手段と、消耗品に関する情報を、検出された消耗品の状態に応じて更新するための管理手段と、消耗品の状態に応じて、消耗品に関する情報をサーバーに送信するための送信手段とを含む。サーバーは、画像処理装置の位置を記憶するための第1の記憶手段と、携帯端末の位置を記憶するための第2の記憶手段と、処理手段とを含む。処理手段は、携帯端末の位置から所定範囲内にある画像処理装置を特定し、特定された画像処理装置からの消耗品に関する情報を記憶しているときに、消耗品に関する情報から携帯端末で消耗品を表わす画像を表示させるための情報を生成し、生成された情報を携帯端末に送信し、携帯端末は、撮影手段での撮影画像に消耗品を表わす画像を合成して表示手段で表示する。
【0012】
好ましくは、携帯端末は、撮影手段での撮影時の位置および向きをサーバーに送信し、サーバーの処理手段は、携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置を特定して当該画像処理装置からの消耗品に関する情報から生成された画像を表示させるための情報を携帯端末に送信する。
【0013】
好ましくは、画像処理装置は、消耗品の交換時期から所定期間内に達したことを検出すると消耗品に関する情報をサーバーに送信する。
【0014】
好ましくは、消耗品に関する情報は、当該消耗品を特定する情報および当該消耗品の格納場所に関する情報を含み、サーバーは、消耗品を表わす画像および消耗品の格納場所を表わす画面を表示させるための情報を生成して、携帯端末に送信する。
【0015】
より好ましくは、消耗品の格納場所に関する情報は、画像処理装置から消耗品の格納場所までの経路を表わす情報であり、サーバーは、その経路を表わす画面を表示させるための情報を生成して携帯端末に送信する。
【0016】
好ましくは、サーバーは、消耗品に関する情報から、携帯端末に関連付けられたユーザーに応じた消耗品を表わす画像を表示させるための情報を生成して携帯端末に送信する。
【0017】
好ましくは、消耗品に関する情報は、当該消耗品の対処を許可されたユーザーを特定する情報を含み、サーバーは、携帯端末に関連付けられたユーザーが特定された画像処理装置からの消耗品に関する情報において当該消耗品の対処を許可されたユーザーである場合に、消耗品を表わす画像を表示させるための情報を携帯端末に送信する。
【0018】
好ましくは、サーバーは、画像処理装置から消耗品に関する情報を受信した後に、最初に画像処理装置を所定範囲内とする位置にある携帯端末に、消耗品を表わす画像を表示させるための情報を送信する。
【0019】
本発明の他の局面に従うと、携帯端末は、撮影手段と、表示手段と、位置および向きを取得するための取得手段と、処理手段と、通信手段とを備える。処理手段は、撮影手段での撮影時における位置および向きをサーバーに対して送信する処理と、サーバーから受信した情報に基づく画像を、撮影手段での撮影画像に合成して表示する処理とを実行する。
【0020】
本発明のさらに他の局面に従うと、サーバーは携帯端末および画像処理装置と相互に通信可能なサーバーであって、画像処理装置の位置を記憶するための第1の記憶手段と、携帯端末の位置を記憶するための第2の記憶手段と、画像処理装置において使用される消耗品の状態に応じて送信される、消耗品に関する情報を記憶するための第3の記憶手段と、処理手段とを含む。処理手段は、携帯端末の位置から所定範囲内にある画像処理装置を特定し、特定された画像処理装置からの消耗品に関する情報を記憶しているときに、消耗品に関する情報から携帯端末で消耗品を表わす画像を表示させるための情報を生成し、生成された情報を携帯端末に送信する処理を実行する。
【0021】
本発明のさらに他の局面に従うと、表示方法は画像処理装置で使用されている消耗品に関する情報を、撮影手段および表示手段を含む携帯端末に表示させる方法であって、消耗品に関する情報は、少なくとも当該消耗品を特定する情報を含み、画像処理装置での消耗品の状態に応じて、当該状態を表わす消耗品に関する情報を画像処理装置からサーバーに送信するステップと、携帯端末の撮影手段での撮影時の位置および向きを携帯端末からサーバーに送信するステップと、サーバーで記憶されている画像処理装置の位置に基づき、携帯端末の位置から所定範囲内に画像処理装置がある場合に、サーバーにおいて、画像処理装置からの消耗品に関する情報から携帯端末で消耗品を表わす画像を表示させるための情報を生成し、生成された情報を携帯端末に送信するステップと、携帯端末で、撮影手段での撮影画像に消耗品を表わす画像を合成して表示手段で表示するステップとを備える。
【発明の効果】
【0022】
この発明によると、画像処理装置の消耗品の状態を容易な操作で分かりやすく表示することができる。さらに、その消耗品の保管場所を携帯端末に分かりやすく表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施の形態にかかる画像処理システムの構成の具体例を示す図である。
【図2】画像処理システムに含まれるMFPのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図3】画像処理システムに含まれる携帯端末のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図4】画像処理システムに含まれるサーバーのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図5】画像処理システムでの、情報の流れを表わした図である。
【図6】画像処理システムでの動作概要を表わした図である。
【図7】MFPの機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図8】携帯端末の機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図9】サーバーの機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図10】サーバーでの動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。
【図11】携帯端末での動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。
【図12】MFPでの動作の流れを表わすフローチャートである。
【図13】携帯端末での表示画像の具体例を示す図である。
【図14】携帯端末の表示画面の具体例を表わした図である。
【図15】携帯端末の表示画面の具体例を表わした図である。
【図16】携帯端末の表示画面の具体例を表わした図である。
【図17】画像処理システムでの動作概要の第1の変形例を表わした図である。
【図18】画像処理システムでの動作概要の第2の変形例を表わした図である。
【図19】図18のステップS74で携帯端末に表示される画面の具体例を表わした図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0025】
<システム構成>
図1は、本実施の形態にかかる画像処理システムの構成の具体例を示す図である。
【0026】
図1を参照して、本実施の形態にかかる画像処理システムは、画像処理装置としての、MFP(Multi-Functional Peripheral)100Aと、携帯端末200と、サーバー300とを含む。
【0027】
画像処理装置はMFPに限定されず、プリンターやファクシミリ送受信機やコピー機などのその他の装置であってもよい。MFP100は、これら機能を複合的に備えた画像処理装置である。
【0028】
携帯端末200は、たとえば携帯電話機などが該当し、少なくともカメラ機能と、指示入力機能と、通信機能とを備えていれば、他の装置であってもよい。
【0029】
サーバー300は、一般的なパーソナルコンピューターなどから構成されるものであればよい。
【0030】
なお、以下の説明では、図1に示されたように、MFP100とは別にサーバー300が含まれるものとしているが、サーバー300がMFP100に含まれ、MFP100がサーバーとして機能してもよい。
【0031】
MFP100とサーバー300とは互いに通信可能であり、情報をやり取りする。MFP100とサーバー300との通信は、有線、無線を問わず、いずれの通信形態であってもよい。本実施の形態にかかる画像処理システムはオフィス環境で用いられることが想定されるため、一例として、有線、または無線のLAN(Local Area Network)にMFP100とサーバー300とが接続され、該ネットワークを介して情報をやり取りする通信形態が挙げられる。
【0032】
携帯端末200とサーバー300とも互いに通信可能であり、情報をやり取りする。携帯端末200とサーバー300との通信は、無線通信であればどのような通信形態であってもよい。以降の例では電話回線を利用した無線通信であるものとするが、その他、赤外線通信や近距離無線通信などであってもよいし、無線のLANに携帯端末200とサーバー300とが接続されている場合には該ネットワークを介して情報をやり取りする通信形態も挙げられる。
【0033】
なお、以降の説明において、MFP100とサーバー300とはLANを介した通信、および携帯端末200とサーバー300とは電話回線を利用した無線通信を行なうものと、すなわちこれらは異なる通信形態であるものとするが、たとえばすべてLANを介した通信など、同じ通信形態であってもよい。
【0034】
<装置構成>
図2は、MFP100のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0035】
図2を参照して、MFP100は、全体を制御するための演算装置であるCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM(Read Only Memory)11と、CPU10でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM(Random Access Memory)12と、図示しない原稿台に載置された原稿を光学的に読み取って画像データーを得るためのスキャナー13と、画像データーを印刷用紙上に固定するためのプリンター14と、情報を表示したり当該MFP100に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル15と、画像データーを保存するためのメモリー16と、LANを介した通信の制御するためのネットワークコントローラー17と、MFP100で用いられている消耗品の状態を検出するためのセンサー18とを含む。
【0036】
操作パネル15は、図示しないタッチパネルと操作キー群とを含む。タッチパネルは、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成され、操作画面を表示して、その操作画面上の指示位置を特定する。CPU10は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。
【0037】
センサー18としては、たとえば、トナー量残量を検出するためのセンサーや、図示しない給紙カセット内の印刷用紙の量を検出するためのセンサーなどの、消耗品の残量を検出するためのセンサーが該当する。また、消耗品が、一定の使用量使用したら交換する部品である場合、当該部品の交換後からの使用量や、交換時期に達するまでの使用量などを検出するためのセンサーであってもよい。
【0038】
メモリー16には、さらに、消耗品ごとの情報である消耗品情報と、当該MFP100の設置された位置を表わす情報(位置情報)とが記憶されている。当該MFP100の設置された位置は、当該MFP100が図示しない位置検出機能を有する場合には当該機能によって取得されるものであってもよいし、操作パネル15から入力されるものであってもよい。
【0039】
消耗品情報には、消耗品ごとに、型番等の当該消耗品を特定する情報や、現時点での消耗品残量や、交換の要否を特定する情報(たとえばフラグ等)、消耗品の保管場所、およびMFP100の設置位置から消耗品の保管場所への経路を表わす情報が含まれる。その他、当該消耗品を直前に交換した時期を特定する情報や、消耗品の画像データーや、消耗品の交換が許可されたユーザー(管理者等)を特定する情報などが含まれていてもよい。これら消耗品情報は、予め入力されているものであってもよいし、センサー18での検出結果に基づいて更新されるものであってもよい。
【0040】
なお、ここでの「交換」には、たとえば部品のような、消耗品そのものを新品の消耗品に交換することの他、たとえばトナーのような、消耗品を補充することも含まれる。
【0041】
図3は、携帯端末200のハードウェア構成の具体例を示す図である。
図3を参照して、携帯端末200は、全体を制御するための演算装置であるCPU20と、CPU20で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM21と、CPU20でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM22と、磁気センサーを含んで当該携帯端末200の向きを検出するための電子コンパス23と、GPS(Global Positioning System)信号または基地局からの位置信号を受信して当該携帯端末の位置情報を取得するためのGPSコントローラー24と、情報を表示したり当該携帯端末200に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル25と、カメラ26と、図示しない基地局と通信することによる電話回線を介した通信を制御するためのコントローラー27と、電話帳データーなどを記憶するためメモリー28とを含む。
【0042】
操作パネル25は、MFP100の操作パネル15と同様の構成であってよい。すなわち、一例として、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成されたタッチパネルと、操作キーとを含む。
【0043】
CPU200は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。タッチパネルでは操作画面上の指示位置が特定され、その位置を示す操作信号がCPU20に入力される。また、押下されたキーを示す操作信号がCPU20に入力される。CPU20は押下されたキー、または表示している操作画面と指示位置とから操作内容を特定し、それに基づいて処理を実行する。
【0044】
また、電子コンパス23およびGPSコントローラー24は、取得した当該携帯端末200の向きや位置情報を示す信号をCPU20に入力する。
【0045】
図4は、サーバー300のハードウェア構成の具体例を示す図である。
図4を参照して、サーバー300は上述のように一般的なコンピュータ等によって構成されるものであり、一例として、全体を制御するための演算装置であるCPU30と、CPU30で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM31と、CPU30でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM32と、MFP情報などを記憶するためのHD(Hard Disk)33と、電話回線を介した通信を制御するための通信コントローラー34と、LANを介した通信の制御するためのネットワークコントローラー35とを含む。
【0046】
HD33には、MFP情報として、MFP100の位置情報と消耗品情報とが記憶されている。この位置情報は、予め入力されることで記憶されているものでもよいし、MFP100から送信されて記憶されてもよい。消耗品情報はMFP100から所定のタイミングで送信されることで登録または更新される。
【0047】
また、HD33には、端末情報として、携帯端末200の位置情報と、当該携帯端末200に関連付けられたユーザーに関する情報とが記憶されていてもよい。この位置情報は、後述するように携帯端末200での撮影時に携帯端末200から送信され、記憶される。携帯端末200に関連付けられたユーザー情報は、予め入力されることで記憶されているものでもよいし、上記位置情報と共に携帯端末200から送信されてもよい。
【0048】
<動作概要>
図5は、本実施の形態にかかる画像処理システムでの、情報の流れを表わした図である。
【0049】
図5を参照して、携帯端末200は、専用のアプリケーションを起動した上でカメラ26で撮影すると(#1)、撮影時の位置および向きを表わす情報(以下、単に位置情報とも称する)をサーバー300に対して送信する(#2)。
【0050】
MFP100は、センサー18を用いて消耗品の状態を検出し、交換が必要な消耗品、または交換時期が近い消耗品がある場合、当該消耗品についての上記情報をサーバー300に対して送信する(#3)。
【0051】
サーバー300は、MFP100からの消耗品情報を記憶しておき、携帯端末200から上記位置情報を受け付けると該当する消耗品情報を検索する(#4)。サーバー300は、検索された消耗品情報から後述するタグ情報を生成し、携帯端末200に対して送信する(#5)。
【0052】
タグ情報は、交換が必要または交換時期が近い消耗品に関する付加画像を選択可能に表示させるための情報である。この付加画像を「タグ」とも称する。タグ情報は、第1のタグとして当該消耗品を特定する情報を表示する画像であるタグを表示させるための情報を含む。また、第2のタグとして、上記第1のタグが選択されると当該消耗品の詳細情報や保管場所や当該MFPから保管場所への経路等を表示する画像であるタグを表示させるための情報を含む。
【0053】
携帯端末200は、サーバー300からタグ情報を受け付けると、当該タグ情報で表わされる画像であるタグを撮影画像に合成して表示する。
【0054】
図6は、画像処理システムでの動作概要を表わした図である。
図6を参照して、MFPからは所定のタイミングで位置情報がサーバーに送信され(ステップS51)、サーバーは、受信したMFPの位置情報を保存する(ステップS31)。なお、MFPの位置情報は、予めサーバーに登録されていてもよい。
【0055】
また、MFPでは、所定のタイミングで、センサー18を用いて各消耗品の状態が検出される(ステップS52)。その結果、交換が必要な消耗品、または交換時期が近い消耗品がある場合、当該消耗品の情報がサーバーに送信され(ステップS53)、サーバーは、受信した消耗品情報を保存する(ステップS32)。
【0056】
携帯端末においてアプリケーションが起動され(ステップS11)、撮影指示に従ってカメラ26で撮影されると(ステップS12)、撮影時の位置および向きを表わす位置情報がサーバーに送信され(ステップS13)、サーバーは、受信した携帯端末の位置および向きを表わす情報を保存する(ステップS33)。
【0057】
サーバーは、上記ステップS31で保存したMFPの位置情報と携帯端末の位置情報とから当該携帯端末の撮影範囲に存在しているMFPを特定し(ステップS34)、当該MFPの消耗品情報を検索する(ステップS35)。
【0058】
サーバーは、検索された消耗品情報を用いてタグ情報を生成する(ステップS36)。ここでは、消耗品情報から、上記第1のタグを表示させるための情報と、上記第2のタグを表示させるための情報とを抽出し、予め記憶されているタグ情報のフォーマットにそれら情報を代入する、などの方法で、当該消耗品情報からタグ情報を作成してよい。作成されたタグ情報は携帯端末に送信される(ステップS37)。
【0059】
携帯端末は、撮影画像にタグ情報から得られる第1のタグを重ねて表示する(ステップS14)。第1のタグは選択可能であって、当該第1のタグが選択(タッチ)されると、携帯端末は、さらにタグ情報から得られる第2のタグを撮影画像に重ねて表示する。
【0060】
すなわち、第1のタグとして交換が必要または交換時期の近い消耗品を表わすタグが撮影画像に重ねて表示され、当該タグが選択されると、当該消耗品の詳細情報や保管場所や保管場所への経路等が第2のタグとして、撮影画像に重ねて表示される。
【0061】
なお、上記動作の他の例として、ユーザー認証が含まれてもよい。この場合、MFPからサーバーに対して、消耗品情報として当該消耗品の交換が許可されたユーザーを特定する情報が送信されてもよいし、予めサーバーにそのユーザーが登録されていてもよい。または、MFPからサーバーに対して、たとえばログイン操作がなされたタイミングや所定の時間間隔などで、ログインユーザーを特定する情報が送信されてもよい。また、上記ステップS13で携帯端末の位置情報と共に当該携帯端末に関連付けられたユーザー情報が送信されてもよいし、予め携帯端末に関連付けられたユーザー情報が登録されていてもよい。
【0062】
サーバーは、携帯端末に関連付けられたユーザーが当該消耗品の交換が許可されたユーザーであるか否か、または、当該MFPにログインしているユーザーであるか否かの認証処理を行ない、認証成功の場合にタグ情報を携帯端末に送信するようにしてもよい。
【0063】
このようにすることで、当該タグ情報が当該消耗品を取得するためのチケットとしての役割を果たし、このタグ情報を受信した携帯端末に関連付けられたユーザーのみが当該消耗品を取得することが可能となる。
【0064】
さらに、この場合、サーバーはタグ情報を携帯端末に送信すると、当該消耗品情報を削除するようにしてもよい。または、当該消耗品情報に、すでにタグ情報を携帯端末に送信したことを表わすフラグを立てるなどしてもよい。そして、この場合、次に当該MFPを撮影範囲とする携帯端末から位置情報が送信された場合であっても、このタグ情報を当該携帯端末に送信しないようにする。
【0065】
このようにすることで、当該タグ情報が当該消耗品を取得するためのチケットとしての役割を果たし、さらに、最初にタグ情報を受信した携帯端末においてのみ有効となる。すなわち、その後に該当する位置で携帯端末で撮影を行なってもこのチケットを取得することができず、後の携帯端末にとってはこのチケットは無効となる。
【0066】
なお、上の例では、消耗品情報はMFPに記憶されており、消耗品の交換時期を検知したMFPからサーバーに消耗品情報が送信されてくるものとしている。しかしながら、たとえば消耗品の保管場所やMFPの設置位置から消耗品の保管場所への経路や当該消耗品の画像等の情報はサーバーに予め記憶されていてもよい。そして、消耗品の残量等を表わす消耗品情報をMFPから受信したときに、該当する消耗品情報を読み出して、これら両方の消耗品情報を用いてタグ情報を生成するようにしてもよい。
【0067】
<機能構成>
図7は、上述の動作を実現するためのMFP100の機能構成の具体例を示すブロック図である。図7に示される各機能は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行することで、主にCPU10に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図2に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0068】
図7を参照して、メモリー16には、消耗品情報を記憶するための消耗品情報記憶部161が含まれる。
【0069】
さらに図7を参照して、MFP100は、センサー18からのセンサー信号の入力を受け付けるための入力部101と、センサー信号に基づいて消耗品ごとに型番等の情報や使用状態(交換の要否、等)を管理するための管理部102と、管理部102において消耗品の交換が必要または交換時期が近づいていると判断される消耗品に関する消耗品情報をネットワークコントローラー17を介してサーバーに対して送信するための送信部103とを含む。
【0070】
図8は、上述の動作を実現するための携帯端末200の機能構成の具体例を示すブロック図である。図8に示される各機能は、CPU20がROM21に記憶されるプログラムを読み出してRAM22上で実行することで、主にCPU20に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図3に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0071】
図8を参照して、上記動作を実現するための機能として携帯端末200は、操作パネル25からの指示入力を受け付けるための指示入力部201と、操作パネル25からの撮影指示に応じてGPSコントローラー24から得られた信号より当該携帯端末200の位置を取得するための位置取得部202と、操作パネル25からの撮影指示に応じて電子コンパス23から得られた信号より当該携帯端末200の向きを取得するための向き取得部203と、操作パネル25からの撮影指示に応じてカメラ26による撮影を実行して撮影された画像データーを取得するための画像取得部204と、操作パネル25からの撮影指示に応じて取得された位置および向きを表わす情報をコントローラー27を介してサーバー300に対して送信するための送信部205と、サーバー300から送信されたタグ情報の入力をコントローラー27を介して受け付けるためのタグ情報入力部206と、撮影して得られた画像データーにタグ情報に基づいたタグを合成して表示用データーを生成するための生成部207と、表示用データーに基づいた画面を操作パネル25に表示する処理を実行するための表示処理部208とを含む。
【0072】
図9は、サーバー300の機能構成の具体例を示すブロック図である。図9に示される各機能は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行することで、主にCPU30に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図4に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0073】
図9を参照して、HD33には、MFPの位置情報や、MFPで用いられている消耗品に関する消耗品情報を記憶するための記憶領域であるMFP情報記憶部331と、携帯端末200から送信された当該携帯端末200の位置情報を記憶するための記憶領域である携帯端末情報記憶部332とが含まれる。
【0074】
さらに図9を参照して、上記動作を実現するための機能としてサーバー300は、通信コントローラー34を介して携帯端末200から撮影時の位置および向きを表わした位置情報の入力を受け付けるための第1入力部301と、位置情報を携帯端末情報記憶部332に格納するための第1格納部302と、ネットワークコントローラー35を介してMFP100から消耗品情報の入力を受け付けるための第2入力部303と、消耗品情報をMFP情報記憶部331に格納するための第2格納部304と、携帯端末200の位置情報と記憶されているMFPの位置とから、携帯端末200の撮影範囲に存在するMFPを特定するための特定部305と、特定されたMFPからの消耗品情報を検索するための検索部306と、検索された消耗品情報からタグ情報を生成するための生成部307と、生成されたタグ情報を通信コントローラー34を介して携帯端末200に送信するための送信部308とを含む。
【0075】
<動作フロー>
図10は、サーバー300での動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。図10のフローチャートに示される動作は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行し、図9に示される各機能を発揮することによって実現される。
【0076】
図10を参照して、サーバー300のCPU30は、MFP100から消耗品情報を受信すると(ステップS101でYES)、ステップS103でその消耗品情報を保存する。
【0077】
携帯端末200から位置情報を受け付けると(ステップS105でYES)、当該位置情報を保存する(ステップS107)。
【0078】
CPU30は、携帯端末の位置情報で表わされる位置および向きと、記憶しているMFPの位置とを比較し、携帯端末の撮影範囲に存在するMFPを特定する。その結果、撮影範囲内に存在するMFPが特定された場合(ステップS109でYES)、CPU30は当該MFPの消耗品情報を検索する(ステップS111)。
【0079】
当該MFPについての消耗品情報が検索されると(ステップS113でYES)、ステップS115でCPU30は当該消耗品情報に基づいてタグ情報を生成する。
【0080】
ここでの生成方法は特定の方法には限定されない。一例として、予めタグ情報のフォーマットを記憶しておき、そのフォーマットに、当該消耗品情報から読み出される型番等の消耗品を特定する情報や、保管場所などの情報を書き込むことで生成するようにしてもよい。他の方法であってもよい。
【0081】
ステップS117でCPU30は、作成したタグ情報を位置情報を送信した携帯端末200に対して送信する。
【0082】
図11は、携帯端末200での動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。図11のフローチャートに示される動作は、CPU20がROM21に記憶されるプログラムを読み出してRAM22上で実行し、図8に示される各機能を発揮することによって実現される。
【0083】
図11を参照して、携帯端末200のCPU20は、アプリケーションが起動した状態で操作パネル25からの撮影指示を受け取ると(ステップS301でYES)、ステップS303で撮影動作を実行すると共に、ステップS305でそのときの位置および向きをサーバー300に対して送信する。
【0084】
当該位置および向きに応じたMFPの消耗品情報に基づくタグ情報をサーバー300から受信すると(ステップS307でYES)、ステップS309でCPU20は、受信したタグ情報で表わされるタグを上記ステップS303の撮影で得られた撮影画像に合成した画面を操作パネル25に表示する。
【0085】
図12は、MFP100での動作の流れを表わすフローチャートである。図12のフローチャートに表わされる動作は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行し、図7に示される各機能を発揮することによって実現される。
【0086】
図12を参照して、MFP100のCPU10はセンサー18からのセンサー信号の入力を受け付けると(ステップS501でYES)、ステップS503でそのセンサー信号に基づいて、関連する消耗品についての消耗品情報を更新する。このセンサー信号としては、たとえば、トナーの残量や、給紙カセット内の用紙枚数などが該当する。CPU10は、このセンサー信号に基づいて、トナーの消耗品情報に含まれる残量を更新したり、印刷用紙の消耗品情報に含まれる残量を更新したりする。
【0087】
更新された消耗品情報に基づいて、当該消耗品の交換の時期、または交換の時期が近いと判断されると(ステップS505でYES)、ステップS507でCPU30は、当該消耗品情報をサーバー300に対して送信する。
【0088】
ここでは、たとえば、CPU10は予め交換時期とする消耗品の残量を記憶していたり、交換時期とする駆動量を記憶していたりし、消耗品情報に基づいてこの交換時期に達していたり交換時期とする残量や駆動量から所定範囲内に達していたりすることが判断されると、CPU10は、当該消耗品の交換の時期または交換の時期が近いと判断する。
【0089】
<実施の形態の効果>
画像処理システムにおいて上述の動作が行なわれることで、携帯端末200でMFP100を撮影すると、当該MFP100で消耗品の交換の時期、または交換の時期が近い場合に、その情報が撮影画像中のMFP100に重ねてタグで表示されることになる。
【0090】
図13は、携帯端末200での表示画像の具体例を示す図である。図13の例では、MFPにおいてステープル、シアントナー、およびA3用紙の補充が必要なタイミングであることが示されている。この場合、MFP100は各センサーからのセンサー信号に基づいてこれら消耗品の交換が必要と判断し、これら消耗品に関する消耗品情報をサーバー300に対して送信する。そこで、サーバー300は、これら消耗品情報に基づいてタグ情報を生成して、当該MFP100を撮影した携帯端末200に対して送信する。これにより、携帯端末200には、MFP100の撮影画像に重ねてこれら消耗品を表わすタグが表示される。
【0091】
なお、上述のように、画像処理システムでの動作においては、携帯端末200に関連付けられたユーザーのユーザー認証が行なわれてもよい。この場合、たとえば携帯端末200に関連付けられたユーザーが交換を許可されていないユーザーであるときには、その消耗品についてのタグ情報を携帯端末200に送信しないようにしてもよい。または、予め登録されている交換を許可されたユーザーに対してメール等で通知するようにしてもよい。または、図14に表わされたように、交換を許可されたユーザー(図14の例では管理者)を提示するタグを表示させるためのタグ情報を携帯端末200に送信するようにしてもよい。
【0092】
このような表示がされることで、ユーザーはMFPに携帯端末を向けて撮影するだけの容易な操作で、当該MFPで交換時期にある消耗品を一目で把握することができる。
【0093】
さらに、サーバー300からのタグ情報には、消耗品の保管場所や、MFP100から消耗品の保管場所までの経路を表わす情報が含まれている。そのため、図13や図14に示されたような表示画面においていずれかのタグが選択(タッチ)されると、タッチされた消耗品についての詳細情報が表示される。
【0094】
図15は、図13または図14において「ステープル切れ」と表示されたタグがタッチされたときに表示される画面の具体例を表わしている。また、図16は、図13または図14において「A3用紙切れ」と表示されたタグがタッチされたときに表示される画面の具体例を表わしている。これら画面においては、選択された消耗品についての具体的な型番や外観画像や保管場所やMFP100が設置された位置から消耗品の保管場所までの経路が示されている。
【0095】
なお、図14で「シアントナー切れ」と表示されたタグのように、当該携帯端末200に関連付けられたユーザーが交換を許可されたユーザーとは異なる場合、このタグをタッチしても図15や図16のような詳細情報を表わす画面が表示されないようにしてもよい。すなわち、ユーザー認証に成功したユーザーにタッチされた場合にのみ詳細情報を表わす画面が表示されるようにしてもよい。
【0096】
このような表示がされることで、ユーザーは表示画面上で対象となるタグをタッチするだけの容易な操作で、当該消耗品に関する保管場所等の詳細な情報を得ることができる。
【0097】
<変形例1>
なお、以上に説明された動作では、携帯端末200での撮影をトリガとして消耗品情報がサーバー300から携帯端末200に送信されるものとしている。
【0098】
他の例として、MFP100での消耗品の交換時期、つまり、MFP100からの消耗品情報の送信をトリガとして消耗品情報がサーバー300から携帯端末200に送信されるようにしてもよい。
【0099】
図17は、画像処理システムでの動作概要の第1の変形例を表わした図である。
図17を参照して、携帯端末からは所定のタイミングで位置情報がサーバーに送信され(ステップS21)、サーバーは、受信した携帯端末の位置情報を保存する(ステップS41)。ここでの所定のタイミングとは、たとえば一定時間間隔であってもよいし、サーバーが携帯端末に対して要求したタイミングであってもよい。
【0100】
その後、上述の動作と同様にしてMFPから消耗品情報が送信されると、サーバーは、上記ステップS41で保存された位置情報に基づいて、消耗品情報を送信したMFPから所定範囲内にある携帯端末を検索する(ステップS42)。そして、検索された携帯端末に対してアプリケーションの起動を要求する(ステップS43)。ここでは、アプリケーションを起動させるためのコマンドを予め記憶しておき、当該コマンドを送信するようにしてもよい。または、他の方法でアプリケーションの起動を要求してもよい。
【0101】
上記要求を受け取ると、携帯端末は、アプリケーションを起動し、上述のステップS11以降の動作を行なう。
【0102】
画像処理システムにおいてこのような動作が行なわれることで、MFPにおいて消耗品の交換時期が検出されると、それをトリガとして近傍の携帯端末に対して消耗品情報が送信されることになる。そのため、速やかな消耗品の交換を促すことができる。
【0103】
<変形例2>
なお、上の例では、携帯端末がMFP近傍にある場合に消耗品情報に基づく情報が携帯端末に表示されるものとしている。
【0104】
さらに他の例として、同様の、消耗品の保管場所へ誘導するための表示が、消耗品の保管場所近傍でも表示されるようにしてもよい。その場合の動作について説明する。
【0105】
図18は、画像処理システムでの動作概要の第2の変形例を表わした図である。
図18を参照して、携帯端末においてアプリケーションが起動され(ステップS71)、撮影指示に従ってカメラ26で撮影されると(ステップS72)、撮影時の位置および向きを表わす位置情報がサーバーに送信される(ステップS73)。
【0106】
サーバーは、当該携帯端末に先に送信した消耗品情報から、当該消耗品情報に含まれる保管場所における消耗品の位置を表わす情報を検索する(ステップS81)。そして、当該位置を表わす情報を携帯端末に対して送信する(ステップS82)。
【0107】
携帯端末は、サーバーから送信された情報に基づいて画面表示する(ステップS74)。
【0108】
図19は、上記ステップS74で表示される画面の具体例を表わした図である。図19に示されるように、一例として、上記保管場所における消耗品の位置を表わす情報として、位置を表わした画像が挙げられる。この場合、サーバーは消耗品情報に含まれるその画像データーを上記ステップS82で携帯端末に対して送信する。それによって、図19に表わされたような画面が表示される。
【0109】
または、サーバーは、上述の動作と同様に、位置を表わす情報に基づいてタグ情報を生成して携帯端末に送信するようにしてもよい。この場合、上記ステップS74では、撮影画像にタグ情報に基づくタグが合成して表示される。それによって、その撮影画像に表わされた保管場所内での消耗品の位置がタグにて表示される。
【0110】
なお、サーバーは、先に消耗品情報を送信した携帯端末から再度位置情報を受信した場合に上記動作を行なうようにしてもよい。または、携帯端末から受信した位置情報が記憶されているMFPの位置を撮影範囲に含むものである場合に図6の動作を行ない、記憶されている消耗品情報に含まれる消耗品の保管場所における位置を撮影範囲に含むものである場合に上記動作を行なうようにしてもよい。
【0111】
さらに、上述の動作を、携帯端末、サーバー、MFPに実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0112】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0113】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0114】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0115】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0116】
10,20,30 CPU、11,21,31 ROM、12,22,32 RAM、13 スキャナー、14 プリンター、15,25 操作パネル、16,28 メモリー、17,35 ネットワークコントローラー、18 センサー、23 電子コンパス、24 GPSコントローラー、27 コントローラー、26 カメラ、34 通信コントローラー、100 MFP、101 入力部、102 管理部、103,205,308 送信部、161 消耗品情報記憶部、200 携帯端末、201 指示入力部、202 位置取得部、203 向き取得部、204 画像取得部、206 タグ情報入力部、207,307 生成部、208 表示処理部、300 サーバー、301 第1入力部、302 第1格納部、303 第2入力部、304 第2格納部、305 特定部、306 検索部、331 MFP情報記憶部、332 携帯端末情報記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影手段および表示手段を含む携帯端末と、
画像処理装置と、
前記携帯端末および前記画像処理装置と相互に通信可能なサーバーとを備え、
前記画像処理装置は、
当該画像処理装置で使用する消耗品の状態を検出するための検出手段と、
前記消耗品に関する情報を、前記検出された消耗品の状態に応じて更新するための管理手段と、
前記消耗品の状態に応じて、前記消耗品に関する情報を前記サーバーに送信するための送信手段とを含み、
前記サーバーは、
前記画像処理装置の位置を記憶するための第1の記憶手段と、
前記携帯端末の位置を記憶するための第2の記憶手段と、
処理手段とを含み、
前記処理手段は、
前記携帯端末の位置から所定範囲内にある画像処理装置を特定し、特定された画像処理装置からの消耗品に関する情報を記憶しているときに、前記消耗品に関する情報から前記携帯端末で前記消耗品を表わす画像を表示させるための情報を生成し、前記生成された情報を前記携帯端末に送信し、
前記携帯端末は、前記撮影手段での撮影画像に前記消耗品を表わす画像を合成して前記表示手段で表示する、画像処理システム。
【請求項2】
前記携帯端末は、前記撮影手段での撮影時の位置および向きを前記サーバーに送信し、
前記サーバーの前記処理手段は、前記携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置を特定して当該画像処理装置からの消耗品に関する情報から生成された前記画像を表示させるための情報を前記携帯端末に送信する、請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記画像処理装置は、前記消耗品の交換時期から所定期間内に達したことを検出すると前記消耗品に関する情報を前記サーバーに送信する、請求項1または2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記消耗品に関する情報は、当該消耗品を特定する情報および当該消耗品の格納場所に関する情報を含み、
前記サーバーは、前記消耗品を表わす画像および前記消耗品の格納場所を表わす画面を表示させるための情報を生成して、前記携帯端末に送信する、請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記消耗品の格納場所に関する情報は、前記画像処理装置から前記消耗品の格納場所までの経路を表わす情報であり、
前記サーバーは、前記経路を表わす画面を表示させるための情報を生成して前記携帯端末に送信する、請求項4に記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記サーバーは、前記消耗品に関する情報から、前記携帯端末に関連付けられたユーザーに応じた前記消耗品を表わす画像を表示させるための情報を生成して前記携帯端末に送信する、請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項7】
前記消耗品に関する情報は、当該消耗品の対処を許可されたユーザーを特定する情報を含み、
前記サーバーは、前記携帯端末に関連付けられたユーザーが前記特定された画像処理装置からの前記消耗品に関する情報において当該消耗品の対処を許可されたユーザーである場合に、前記消耗品を表わす画像を表示させるための情報を前記携帯端末に送信する、請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項8】
前記サーバーは、前記画像処理装置から前記消耗品に関する情報を受信した後に、最初に前記画像処理装置を所定範囲内とする位置にある前記携帯端末に、前記消耗品を表わす画像を表示させるための情報を送信する、請求項1〜7のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項9】
撮影手段と、
表示手段と、
位置および向きを取得するための取得手段と、
処理手段と、
通信手段とを備え、
前記処理手段は、
前記撮影手段での撮影時における位置および向きをサーバーに対して送信する処理と、
サーバーから受信した情報に基づく画像を、前記撮影手段での撮影画像に合成して表示する処理とを実行する、携帯端末。
【請求項10】
携帯端末および画像処理装置と相互に通信可能なサーバーであって、
前記画像処理装置の位置を記憶するための第1の記憶手段と、
前記携帯端末の位置を記憶するための第2の記憶手段と、
前記画像処理装置において使用される消耗品の状態に応じて送信される、前記消耗品に関する情報を記憶するための第3の記憶手段と、
処理手段とを含み、
前記処理手段は、
前記携帯端末の位置から所定範囲内にある画像処理装置を特定し、特定された画像処理装置からの消耗品に関する情報を記憶しているときに、前記消耗品に関する情報から前記携帯端末で前記消耗品を表わす画像を表示させるための情報を生成し、前記生成された情報を前記携帯端末に送信する処理を実行する、サーバー。
【請求項11】
画像処理装置で使用されている消耗品に関する情報を、撮影手段および表示手段を含む携帯端末に表示させる方法であって、
前記消耗品に関する情報は、少なくとも当該消耗品を特定する情報を含み、
前記画像処理装置での前記消耗品の状態に応じて、当該状態を表わす前記消耗品に関する情報を前記画像処理装置からサーバーに送信するステップと、
前記携帯端末の前記撮影手段での撮影時の位置および向きを前記携帯端末から前記サーバーに送信するステップと、
前記サーバーで記憶されている前記画像処理装置の位置に基づき、前記携帯端末の位置から所定範囲内に前記画像処理装置がある場合に、前記サーバーにおいて、前記画像処理装置からの消耗品に関する情報から前記携帯端末で前記消耗品を表わす画像を表示させるための情報を生成し、前記生成された情報を前記携帯端末に送信するステップと、
前記携帯端末で、前記撮影手段での撮影画像に前記消耗品を表わす画像を合成して前記表示手段で表示するステップとを備える、表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−58835(P2013−58835A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194961(P2011−194961)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】