説明

画像処理システム、画像処理方法、サーバおよびプログラム

【課題】画像や人物の雰囲気を壊すことなくプライバシー保護のための目隠し処理を自動で行うことが可能な画像処理システム等を提供する。
【解決手段】目隠しデザイン設定情報30は、画像データ中の人物の属性情報31、感性情報33ごとに、目隠しデザイン情報35が対応づけられたものである。属性情報31としては、例えば画像データ中の人物の性別(Male、Female)などの情報であり、感性情報33としては、例えば笑顔判定による笑顔情報である。笑顔情報とは、後述する画像データ中の顔情報より得られる情報であり、当該顔が笑顔であるか否かを判定し、その確度による情報である。目隠しデザイン設定情報30は、これらのそれぞれの組み合わせ毎に、その属性情報31および感性情報33に適した目隠しデザイン情報35が対応づけられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プライバシーの保護を目的として、画像に目隠し処理を画像処理システム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラ等で撮影されたデジタル画像をウェブサイトにアップロードしてブログ等に用いる場合がある。このような場合には、ユーザは、必要に応じて、画像に写っている人物のプライバシーを保護するために、顔に目隠し処理を施して、その人物を特定できないように画像処理を施す場合がある。このような画像処理は、ユーザが画像処理ソフトを用いて手動で行うことも可能であるが、ユーザの負担が大きく、また、仕上がりもよくない。
【0003】
このため、画像中の全ての顔を検出し、検出された顔に対して自動で目隠し処理を行う方法が提案されている(例えば特許文献1、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−034963号公報
【特許文献2】特開2010−170265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1、特許文献2のいずれの方法も、画像中の人物の雰囲気によらず、画像中の全ての顔上に同一の目隠し処理を施すため、画像全体の雰囲気が著しく害される恐れがある。また、検出された顔全てに目隠し処理を施すため、本来目隠し処理の不要な部位(人物)にまで、目隠し処理が施されてしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、画像や人物の雰囲気を壊すことなくプライバシー保護のための目隠し処理を自動で行うことが可能な画像処理システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、第1の発明は、人の属性情報と目隠しデザインとを対応づけて記憶する記憶部と、画像データを解析して、前記画像データ中の人間の顔情報を抽出する第1の抽出手段と、前記第1の抽出手段により抽出された前記画像データ中の前記顔情報から、人の属性情報を推定する推定手段と、前記推定手段で推定された前記人の属性情報を用いて、前記記憶部から対応する目隠しデザインを選択する選択手段と、前記画像データに対して、前記第1の抽出手段により抽出された顔の上に、選択された前記目隠しデザインを配置する配置手段と、を具備することを特徴とするサーバである。
【0008】
前記目隠しデザイン情報は、前記人の属性情報および感性情報に対応づけられており、前記選択手段は、前記人の属性情報および感性情報によって、対応する前記目隠しデザイン情報を選択することが望ましい。
【0009】
目隠し処理を行う対象を設定する設定手段をさらに具備し、前記配置手段は、前記設定手段により設定された人の画像中における顔の上のみに、選択された前記目隠しデザインを配置することが望ましい。
【0010】
前記記憶部は、さらに、人の顔情報と当該顔情報に対応する人固有情報とが対応づけられて記憶され、前記第1の抽出手段で抽出された前記顔情報を用いて、前記記憶部から対応する前記人固有情報を抽出する第2の抽出手段をさらに具備し、前記設定手段は、前記第2の抽出手段により抽出された前記人固有情報から、人固有情報毎に目隠し処理を行う対象を設定してもよい。
【0011】
前記配置手段は、対象である前記画像データ中における顔のサイズに応じて、前記目隠しデザインのサイズを調整し、調整後の前記目隠しデザインを対応する顔の上に配置してもよい。
【0012】
第1の発明によれば、画像データ中の顔情報から人の属性情報を推定し、推定された人に応じて目隠しデザインを選択するため、画像中の人物の雰囲気や画像全体の雰囲気を壊すことない。したがって、対象画像に対して、自然な感じで目隠し処理を施すことができる。特に、目隠し処理を施す対象人物の属性および感性に基づいて目隠しデザインを選択すれば、より、人物の雰囲気に合わせた目隠し処理を施すことが可能である。
【0013】
また、目隠し処理を施す対象を設定する設定手段を有すれば、画像中に検出された顔に対して、任意の顔にのみ目隠し処理を施すことができる。この際、あらかじめ顔情報と人固有情報とを対応させておくことで、人固有情報によるグループ分けが可能となり、目隠し処理を行う対象を当該グループによって選択することが可能である。したがって、目隠し処理対象の設定が容易である。
【0014】
また、画像中の顔のサイズに応じて、目隠しデザインのサイズを調整するため、確実に対象の顔に対して目隠し処理を施すことが可能であるとともに、必要以上に大きな目隠し処理を施すことがない。
【0015】
第2の発明は、サーバと端末とがネットワークを介して接続され、画像の特定の部位に画像処理を施す画像処理システムであって、前記端末は、画像データを前記サーバに送信する手段を有し、前記サーバは、人の属性情報と目隠しデザインとを対応づけて記憶する記憶部と、前記端末から送られた画像データを解析して、前記画像データ中の人間の顔情報を抽出する第1の抽出手段と、前記第1の抽出手段により抽出された前記画像データ中の前記顔情報から、人の属性情報を推定する推定手段と、前記推定手段で推定された前記人の属性情報を用いて、前記記憶部から対応する目隠しデザインを選択する選択手段と、前記画像データに対して、前記第1の抽出手段により抽出された顔の上に、選択された前記目隠しデザインを配置する配置手段と、前記目隠しデザインが配置された前記画像データを前記端末に送信する手段と、を有し、前記端末は、前記目隠しデザインが配置された前記画像データを表示する表示手段を有することを特徴とする画像処理システムである。
【0016】
第2の発明によれば、画像データ中の人物の雰囲気等に応じて適切な目隠しデザインを選択するため、画像に最適な目隠し処理を自動で行うことができる。
【0017】
第3の発明は、画像の特定の部位に画像処理を施す画像処理方法であって、画像データを解析して、前記画像データ中の人間の顔情報を抽出する工程と、抽出された前記画像データ中の前記顔情報から、人の属性情報を推定する工程と、人の属性情報と目隠しデザインとを対応づけて記憶する記憶部から、推定された前記人の属性情報を用いて、対応する目隠しデザインを選択する工程と、前記画像データに対して、抽出された顔の上に、選択された前記目隠しデザインを配置する工程と、を具備することを特徴とする画像処理方法である。
【0018】
第3の発明によれば、画像中の人の属性情報を推定し、これに基づいて目隠しデザインを選択するため、当該人物に適した目隠し処理を自動で行うことができる。
【0019】
第4の発明は、第1の発明を機能させることが可能なプログラムである。
【0020】
第4の発明によれば、汎用的なコンピュータにインストールすることで、第1の発明のサーバを実現することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、画像や人物の雰囲気を壊すことなくプライバシー保護のための目隠し処理を自動で行うことが可能な画像処理システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】画像処理システム1の概要を示すブロック図。
【図2】サーバ3のハードウエア構成図。
【図3】目隠しデザイン設定情報30を示す図。
【図4】個人識別情報40を示す図。
【図5】端末5のハードウエア構成図。
【図6】画像処理システム1における画像処理を示すフローチャート。
【図7】ステップ104の処理を詳細に示すフローチャート。
【図8】画像データ50および、顔情報抽出画面を示す図。
【図9】人に関する情報60示す図。
【図10】目隠し処理設定画面70を示す図。
【図11】目隠し処理画像80を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面に基づいて、本発明に係る画像処理システム等の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、以下の説明及び添付図面において、略同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略することにする。
【0024】
図1は、画像処理システム1の概要を示すブロック図である。画像処理システム1は、サーバ3、端末5がネットワーク4を介して接続される。
【0025】
サーバ3は、本実施形態にかかる画像処理プログラムを格納し、このプログラムを実行することで、各種処理を行う。端末5は、例えばパーソナルコンピュータ等であり、インターネット等のネットワーク4を介して、サーバ3にアクセス可能である。
【0026】
図2は、サーバ3のハードウエア構成例を示す図である。サーバ3は、制御部7、記憶部9、メディア入出力部11、通信制御部13、入力部15、表示部17、周辺機器I/F部19等がバス21を介して接続される。
【0027】
制御部7は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成される。
CPUは、ROM、記憶部9等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス21を介して接続された各装置を駆動制御し、コンピュータが行う処理を実現する。
ROMは、不揮発性メモリであり、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。
RAMは、揮発性メモリであり、記憶部9、ROM、記憶媒体等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部7が各種処理を行うために使用するワークエリアを備える。
【0028】
記憶部9は、HDD(ハードディスクドライブ)であり、制御部7が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(Operating System)等が格納される。プログラムに関しては、OSに相当する制御プログラムや、アプリケーションプログラム、ファイル等が格納されている。
これらの各プログラムコードは、制御部7により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUにより各種の手段として実行される。
【0029】
メディア入出力部11は、記録媒体のデータの入出力を行うドライブ装置であり、例えば、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、CDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、DVDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、MOドライブ等のメディア入出力装置を有する。
通信制御部13は、通信制御装置、通信ポート等を有し、ネットワーク4を介した通信を媒介する通信インタフェースであり、他のコンピュータ間との通信制御を行う。
【0030】
入力部15は、データの入力を行い、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の入力装置を有する。入力部15を介して、コンピュータに対して、操作指示、動作指示、データ入力等を行うことができる。
表示部17は、CRT(Cathode Ray Tube)モニタ、液晶パネル等のディスプレイ装置、ディスプレイ装置と連携してビデオ機能を実現するための論理回路等(ビデオアダプタ等)を有する。
周辺機器I/F部19は、周辺機器を接続するためのUSB(Universal Serial Bus)ポート等である。
バス21は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
【0031】
図3(a)は、記憶部9に記憶された目隠しデザイン設定情報30の一例を示す図である。目隠しデザイン設定情報30は、画像データ中の人物の属性情報31、感性情報33ごとに、目隠しデザイン情報35が対応づけられたものである。
【0032】
属性情報31としては、例えば画像データ中の人物の性別(Male、Female)などの情報であり、感性情報33としては、例えば笑顔判定による笑顔情報である。笑顔情報とは、後述する画像データ中の顔情報より得られる情報であり、当該顔が笑顔であるか否かを判定し、その確度等の情報である。すなわち、笑顔の確度が高いほど、その人の気分が「positive」であると判断し、笑顔確度が低いほど、その人の気分が「negative」であると判断する。目隠しデザイン設定情報30は、これらのそれぞれの組み合わせ毎に、その属性情報31および感性情報33に適した目隠しデザイン情報35が対応づけられる。
【0033】
図3(b)は、目隠しデザイン情報35の一例を示す図である。前述の通り、目隠しデザイン設定情報30には、各属性情報31および各感性情報33に対して、適切な目隠しデザイン情報35が対応付けられている。例えば、図3(b)に示す例では、上段は男性、下段は女性に対して適用され、それぞれ、図中左側から右側に行くにつれて、人物の感性が「negative」側から「positive」側に対応して設定される。ここで、目隠しデザイン情報とは、本発明において、画像データ中の対象となる顔を隠すために、その顔の上に挿入される画像情報である。
【0034】
例えば、画像データ中の人物が男性であり、笑顔(smilling)の確度(true)が20%であると判定されると、目隠しデザイン情報35として「B.jpg」(図3(b)の上段左から二つ目)の目隠しデザイン情報が選択される。なお、あらかじめ設定された属性情報31および感性情報33の組み合わせに該当しないものに対しては、標準設定である「default」として目隠しデザイン情報を対応づけてもよい。
【0035】
図4は、記憶部9に記憶された個人識別情報40の一例を示す図である。個人識別情報40は、必要に応じて予め記憶部9に保存される。個人識別情報40は、人の顔情報41と、人固有情報43とが関連付けられている。
【0036】
顔情報41は、予め登録された個人の顔情報である。すなわち、個人の顔の正面またま正面に近い画像データを記憶部9に登録するとともに、登録された顔情報に基づいて、目、鼻、口その他のデータを解析することで、その人物の顔情報の特徴点を抽出して記憶したものである。
【0037】
人固有情報43は、その人物固有の情報である。例えば、その人物の氏名や、本人との関係などのグループ情報が記憶される。すなわち、ある画像データ中に、登録された顔情報の特徴に近い特徴を有する顔が抽出されると、当該人物に対応付けられた人固有情報43を抽出することができる。
【0038】
図5は、端末5のハードウエア構成例を示す図である。端末5は、制御部8、記憶部10、メディア入出力部12、通信制御部14、入力部16、表示部18、周辺機器I/F部20等がバス22を介して接続される。なお、端末5の制御部8、記憶部10、メディア入出力部12、通信制御部14、入力部16、表示部18、周辺機器I/F部20、バス22は、サーバ3の制御部7、記憶部9、メディア入出力部11、通信制御部13、入力部15、表示部17、周辺機器I/F部19、バス21とそれぞれ同様の構成であるため、重複する説明を省略する。
【0039】
次に、画像処理システム1における画像処理について説明する。図6は、画像処理を示すフローチャートである。
【0040】
まず、端末5の制御部8は、画像データをサーバ3に送信する(ステップ100)。サーバ3の制御部7は、画像データを端末5から取得する。端末5からの画像データを取得したサーバ3は、制御部7により、取得した画像データを解析して、画像データ中の顔情報を抽出する(ステップ101)。
【0041】
図8(a)は、取得した画像データ50の一例を示す図、図8(b)は、解析時の画像データ50を示す概念図である。制御部7は、画像データ50内の全ての顔について、顔情報を抽出する。例えば、人の目、鼻、口等の位置を取得するとともに、顔と認定した部位の顔領域を推定する。図8(b)に示す例では、ID=0、1、2の3つの顔情報が抽出され、それぞれの顔の顔領域51a、51b、51cが抽出される。
【0042】
次に、制御部7は、顔情報を解析し、それぞれの顔情報毎に、その人に関する情報を推定する(ステップ102)。
【0043】
図9は、顔情報から推定された人に関する情報60を示す図である。人に関する情報60は、例えば、その人の性別、年代層などの画像データ中の人の属性情報、その人の笑顔の度合いを示す感性情報および人固有情報等から構成される。例えば、ID=2の顔情報(図8(a)の画像データ中の右側の顔)に対しては、その人に関する情報として、性別が女性、推定年代は20代であり、笑顔であり、人固有情報が未登録であることが推定された例を示す。なお、人固有情報については、後述する。
【0044】
画像データ50から、顔情報を抽出し、その顔の属性や感性(笑顔判定)の推定を行う方法としては、例えば、特開2009−294925号公報、特開2005−165447号公報、特開2007−336124などの公知の手法を用いればよく、例えば以下のようにすればよい。
【0045】
まず、顔画像から顔領域検出部にて顔領域を検出し、さらに顔特徴抽出部にて顔の特徴情報を抽出する。また、あらかじめ男女別の幅広い年齢層の個人顔特徴情報を作成しておき、年齢と性別の情報と合わせて顔特徴保持部に保持し、顔特徴抽出部で抽出された顔特徴情報と顔特徴保持部内の個人顔特徴情報とを照合して類似度を求める。得られた類似度とそれに付属した年齢および性別の情報から当該人物の年齢と性別を判別すればよい。
【0046】
また、笑顔認識は、口の曲がり具合、口角の上がり具合、目の大きさ、しわのより具合などにもとづいて定量化することができる。定量化された値にもとづいてあらかじめ設定されたしきい値との比較により、被写体像がどの程度笑っているかを判定することができる。
【0047】
また、画像データ50から、顔情報を抽出して、予め登録された人固有情報から、画像中の人物の人固有情報を推定する手段としては、例えば、非特許文献1(「顔画像を用いた顔認識システム」、信学技法PRMU97−50、)1997年6月、山口、福井、前田)や、特開2003−141542号公報などの公知の手法を用いればよい。
【0048】
例えば、特開2003−141542号公報に記載されるように、顔照合用の辞書内に類似する顔パターンが存在する場合であっても一定の照合性能及びセキュリティレベルを維持するため、類似した顔パターンが辞書に複数登録されている場合、類似した顔パターン同士を類似グループとしてグループ分けし、類似グループに属する顔パターンに対しては、通常の照合処理とは異なる特別処理によって照合の可否を判断する方法により、顔認識の精度を向上させればよい。
【0049】
次に、制御部7は、記憶部9内の目隠しデザイン設定情報30(図3(a))から、それぞれの推定された人に関する情報60に対応する目隠しデザイン情報35を抽出する(ステップ103)。なお、画像中の人物の属性や感性が推定できなかった場合には、予め設定された標準設定の目隠しデザインが選択される。
【0050】
次に、制御部7は、画像データ中のどの顔に対して目隠しデザインを挿入するか設定する(ステップ104)。目隠し処理を行う対象の選択は、それぞれの顔ごとに端末5から設定可能としても良いが、例えば以下のように行うこともできる。
【0051】
図7は、ステップ104の詳細を示すフローチャートである。まず、制御部7は、記憶部9から、画像データ上のそれぞれの顔情報に対応する人固有情報を抽出する(ステップ200)。次いで、抽出された人固有情報に基づいて、目隠し処理対象をグループ化する(ステップ201)。例えば、画像データ中に複数の人物が存在する場合において、それぞれの顔情報の人固有情報におけるグループが、「本人」、「友人」、「未登録」に分類可能であれば、それぞれ、「本人」のグループ、「友人」のグループ、「未登録」にグループ化する。
【0052】
次に、制御部7は、目隠し処理を選択する選択画面を作成し、端末5に表示させる(ステップ202)。
【0053】
図10は、目隠し処理設定画面70を示す図である。目隠し処理設定画面70には、画像データとともに、目隠し処理選択部71、設定ボタン73、人固有情報表示部75が設けられる。目隠し処理選択部71は、前述したグループ分けされた各人物の人固有情報により、目隠し処理対象を選択可能である。例えば、図10に示す例では、画像中の全ての人物は、「本人」、「友人」、「未登録」のいずれかのグループに分けられ、「友人」、「未登録」の人物に対して目隠し処理の選択を行った例を示す。
【0054】
なお、画像中の各IDに対応させて、人固有情報表示部75にはそれぞれの人固有情報が表示される。したがって、この画面上から、新たに人固有情報を入力して、記憶部9の個人識別情報40に追加することもできる。また、人固有情報の推定が異なる場合には、この部位に正しい情報を入力することで、人固有情報の修正や、さらに詳細なグループ分け(例えば「友人Aグループ」「友人Bグループ」など)を行うことも可能である。
【0055】
目隠し処理対象を選択し、設定ボタン73が押されることで、端末5からサーバ3に対して、目隠し処理対象が送信される(図7、ステップ203)。端末5から目隠し処理対象を受信すると、制御部7は、目隠しデザイン情報を挿入する画像データ中の顔情報を設定する(ステップ204)。
【0056】
次に、制御部7は、選択された目隠しデザイン情報のサイズを、画像データ中の対象となる顔の大きさに応じて調整する(ステップ105)。なお、サイズの調整は、必要に応じて、顔情報の縦方向または横方向に伸縮させてもよく、顔の向きに応じて回転させてもよい。すなわち、画像データ中の対象となる顔の顔領域に適するように、目隠しデザイン情報のサイズが調整される。
【0057】
次に、制御部7は、設定された目隠しデザイン情報を、設定された顔情報の上に挿入し、目隠しデザイン情報が挿入された画像をユーザ端末に送信する(ステップ106)。端末5では、表示部18に画像が表示される(ステップ107)。以上により、画像データ上に目隠しデザイン情報が挿入された画像が、ユーザに送信される。
【0058】
図11は、目隠し処理画像80の一例を示す図である。目隠し処理画像80には、目隠し処理対象として選択された顔(図では、真ん中の人物=友人と、右側の人物=未登録)に目隠しデザイン情報が挿入される。目隠しデザイン情報は、もともとの画像データ中の属性および感性に基づいて選択されるため、目隠し処理によって、画像データの雰囲気に影響が少ない。また、目隠しデザイン情報のサイズは、画像データ上の顔領域に応じて調整されるため、確実に顔が隠されるとともに、必要以上の部位が隠されることがない。
【0059】
なお、さらにユーザは、端末5を介して、自動で設定された目隠しデザイン情報を手動で修正することもできる。例えば、自動で設定された目隠しデザイン情報に対して、他のデザインに修正しても良く、そのサイズや配置を調整しても良い。
【0060】
以上、本発明によれば、ユーザは、対象画像データをサーバに送信することで、手間のかかる目隠し処理を手動で行うことなく、目隠しデザイン情報を画像に挿入することができる。したがって、ユーザの負担を削減することができる。
【0061】
特に、画像データ中の顔情報から、その人の属性情報や感性情報を推定するため、単に顔を隠すのみではなく、より、画像データ中の人物(表情)に合った目隠しデザインを自動で設定することができる。このため、画像データ中の人物に応じた、より自然な目隠しデザイン情報を自動で挿入することができる。
【0062】
また、顔情報から当該人物の人固有情報を推定し、これをグループ化して目隠し処理対象を選択可能であるため、多数の人物が画像データ中に存在する場合において、個別に目隠し処理対象を選択する必要がない。
【0063】
また、目隠しデザイン情報のサイズが顔領域のサイズに応じて調整されるため、顔を確実に隠すことができるとともに、過剰に他の部位を隠すことがなく、画像の雰囲気を壊すことなく、自然に目隠し処理を行うことができる。
【0064】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0065】
例えば、目隠しデザイン情報と関連付けられる人に関する情報としては、性別および笑顔判定のみではなく、年齢や各グループに対して、それぞれ異なる目隠しデザイン情報を対応させてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1………画像処理システム
3………サーバ
4………ネットワーク
5………端末
30………目隠しデザイン設定情報
31………属性情報
33………感性情報
35………目隠しデザイン情報
40………個人識別情報
41………顔情報
43………人固有情報
50………画像データ
51a、51b、51c………顔領域
60………人に関する情報
70………目隠し処理設定画面
71………目隠し処理選択部
73………設定ボタン
75………人固有情報表示部
80………目隠し処理画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の属性情報と目隠しデザイン情報とを対応づけて記憶する記憶部と、
画像データを解析して、前記画像データ中の人間の顔情報を抽出する第1の抽出手段と、
前記第1の抽出手段により抽出された前記画像データ中の前記顔情報から、人の属性情報を推定する推定手段と、
前記推定手段で推定された前記人の属性情報を用いて、前記記憶部から対応する前記目隠しデザイン情報を選択する選択手段と、
前記画像データに対して、前記第1の抽出手段により抽出された顔の上に、選択された前記目隠しデザイン情報を配置する配置手段と、
を具備することを特徴とするサーバ。
【請求項2】
前記目隠しデザイン情報は、前記人の属性情報および感性情報に対応づけられており、前記選択手段は、前記人の属性情報および感性情報によって、対応する前記目隠しデザイン情報を選択することを特徴とする請求項1記載のサーバ
【請求項3】
目隠し処理を行う対象を設定する設定手段をさらに具備し、
前記配置手段は、前記設定手段により設定された人の画像中における顔の上のみに、選択された前記目隠しデザイン情報を配置することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記記憶部は、さらに、人の顔情報と当該顔情報に対応する人固有情報とが対応づけられて記憶され、
前記第1の抽出手段で抽出された前記顔情報を用いて、前記記憶部から対応する前記人固有情報を抽出する第2の抽出手段をさらに具備し、
前記設定手段は、前記第2の抽出手段により抽出された前記人固有情報から、人固有情報毎に目隠し処理を行う対象を設定することを特徴とする請求項3記載のサーバ。
【請求項5】
前記配置手段は、対象である前記画像データ中における顔のサイズに応じて、前記目隠しデザイン情報のサイズを調整し、調整後の前記目隠しデザイン情報を対応する顔の上に配置することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のサーバ。
【請求項6】
サーバと端末とがネットワークを介して接続され、画像の特定の部位に画像処理を施す画像処理システムであって、
前記端末は、画像データを前記サーバに送信する手段を有し、
前記サーバは、
人の属性情報と目隠しデザイン情報とを対応づけて記憶する記憶部と、
前記端末から送られた画像データを解析して、前記画像データ中の人間の顔情報を抽出する第1の抽出手段と、
前記第1の抽出手段により抽出された前記画像データ中の前記顔情報から、人の属性情報を推定する推定手段と、
前記推定手段で推定された前記人の属性情報を用いて、前記記憶部から対応する目隠しデザインを選択する選択手段と、
前記画像データに対して、前記第1の抽出手段により抽出された顔の上に、選択された前記目隠しデザイン情報を配置する配置手段と、
前記目隠しデザイン情報が配置された前記画像データを前記端末に送信する手段と、
を有し、
前記端末は、前記目隠しデザインが配置された前記画像データを表示する表示手段を有することを特徴とする画像処理システム。
【請求項7】
画像の特定の部位に画像処理を施す画像処理方法であって、
画像データを解析して、前記画像データ中の人間の顔情報を抽出する工程と、
抽出された前記画像データ中の前記顔情報から、人の属性情報を推定する工程と、
人の属性情報と目隠しデザイン情報とを対応づけて記憶する記憶部から、推定された前記人の属性情報を用いて、対応する目隠しデザイン情報を選択する工程と、
前記画像データに対して、抽出された顔の上に、選択された前記目隠しデザイン情報を配置する工程と、
を具備することを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
コンピュータを請求項1に記載のサーバとして機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−69187(P2013−69187A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208456(P2011−208456)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】